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JP4167509B2 - 測量システム - Google Patents

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JP4167509B2
JP4167509B2 JP2003044035A JP2003044035A JP4167509B2 JP 4167509 B2 JP4167509 B2 JP 4167509B2 JP 2003044035 A JP2003044035 A JP 2003044035A JP 2003044035 A JP2003044035 A JP 2003044035A JP 4167509 B2 JP4167509 B2 JP 4167509B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は測量システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来測量においては、測量しようとする点(測点)を含む周囲の風景を撮影し、撮影された画像を測定データと共に保存することがある。このような場合、例えば通常のカメラを用いて測量目標物周囲の概略的な風景を記録する方法や、測量機内に内蔵された撮像装置を用いて測点毎に周囲の風景を撮影する方法などが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−337336号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のカメラを用いて撮影を行なう場合には、撮影された画像上に測点の位置が表示されないことから測点が画像上のどの位置に対応するのか知ることができない。一方、特開平11−337336号公報に記載された方法では、測点毎に1枚以上の画像が記録されるため大容量の記録装置を必要とし、その取り扱いも煩雑となる。
【0005】
本発明は、測量機で得られる測量情報とカメラで得られる測量現場の画像情報とを簡便かつ効率的に関連付け可能とすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の測量システムは、測量情報が基準とする座標系と測点を含む測量現場の概観画像との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、位置関係から、測点の測量情報と測点に対応する概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
測量システムは、例えば測点の測量情報を得るための測量手段を備え、位置関係算出手段において位置関係は、測量手段により3以上の任意設定点を(以下、位置関係を計算するために使用した任意設定点を基準点と表現する)測量したときの測量情報と、基準点の概観画像上の位置(画素位置)との関係から算出されることが好ましく、この位置関係は、測量手段に対する概観画像が撮影されたときのカメラの位置及び傾きを表す外部標定要素により表されることが好ましい。これにより、カメラの位置を特定するために別途センサ等を設ける必要がなく、例えば従来の単写真標定の手法を用いて簡略、低コストで測量情報と概観画像との対応を知ることができる。
【0008】
測量システムは、概観画像を表示する画像表示手段と、画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備えることが好ましく、基準点の位置は入力手段により概観画像上の任意の位置を指定することにより決定される。これにより、概観画像と測量手段との間の位置関係を簡便・迅速に算出することができる。
【0009】
また更に、測量システムは、測量情報と概観画像の位置情報との対応付けに基づいて測点の位置を画像表示手段により表示された概観画像上に表示する測点表示手段を備えることが好ましい。このとき例えば上記位置関係は、3以上の任意に設定された基準点の測量情報と、基準点の概観画像上の位置との関係から算出され、基準点は測定済みの測点の中から指定される。また例えば、位置関係は、基準点の3次元的な位置情報と基準点の概観画像上の位置との関係から算出され、基準点の3次元的な位置情報は所与の地理データである。すなわち、測量と概観画像の撮影が終了した後に、測定された測点の一部の測量情報を基準点とし、あるいは国土地理院の三角点や市販の地理デ−タ等、既知の地理データを用いて、測量情報の座標系と概観画像の位置関係を算出することが可能となる。
【0010】
また例えば、測量システムは測点の測量情報を得るための測量手段を備え、位置関係算出手段が実行された後、測量手段により測点が測量されると、対応付け手段により測点の位置を概観画像の位置情報に対応付け、測点表示手段により概観画像上に表示する。これにより、測量作業中にも現在測定している測点の位置を概観画像上で確認することができる。
【0011】
また、測量システムは、測量手段により測量される概観画像内の測点の位置を、入力手段を用いて概観画像上で指示し、その位置を概観画像上に表示する測点表示手段とを備えること好ましい。更に測量情報と概観画像の位置情報との対応付けに基づいて、測量手段により測量された測点を概観画像内の座標と対応付け、対応付けた測点の表示の色(白丸⇒赤丸・・・等)、形状(△⇒丸・・・等)等を変更する手段を有する事が好ましい。これにより、測点の概観画像上の位置を視覚的に確認することが可能となり、測量残しなどを防止することができるとともに、測点の配置を容易に認識することができる。なお、この対応付けは例えば測点を概観画像内の座標と対応付けることにより行なわれる。
【0012】
例えば、測点の位置を計量的に把握するために、測量済測点表示手段により表示された測点の位置、又はこの測点の位置に隣接して、測点の位置を表わす測量情報を表示してもよい。多くの測量の場合、プリズム等の反射部材を用いたターゲットを視準して測量を行うので、測量したターゲットの位置を、概観画像上の対応する位置にターゲットを表わす記号として表示してもよい。
【0013】
また、入力手段により指定された複数の測点の間の相対的な位置関係に基づき算出される測量解析情報を概観画像上に表示可能としてもよく、この場合、測量解析情報は、例えば測点間の距離や、3つの測点を結ぶ線分が形成する角度や、3以上の測点が形成する閉領域の面積や、4以上の測点が形成する閉領域の体積である。これにより、画面上で測点を指定するだけで簡単に各種測量解析情報を得ることができる。
【0014】
また、好ましくは測点の位置と、概観画像を撮影した位置あるいは測量手段の位置との関係を平面図として表示、記録可能である。これにより、測点同士、あるいは測量手段との間の空間的な配置をより容易に認識することが可能となる。
【0015】
また、測量後の作業を効率的にするには、測点に係る測量情報と概観画像の画像データとを関連付けて記録可能なデータ記録手段を備えることが好ましい。
【0016】
測量手段は、概観画像よりも高倍率の拡大画像を撮影可能な撮像手段を備え、撮像手段により測量手段の視準方向の拡大画像を前記概観画像上に表示可能である。これにより、測量現場全体の画像と、視準点近傍の拡大画像とを参照でき、より正確な視準を行なうことが可能となる。
【0017】
測量システムは、好ましくは対応付け手段による測量情報と概観画像上の位置情報との対応を記録可能な記録手段を備える。これにより、測量作業終了後にも上記対応付けにより概観画像上に測点を表示することが可能となる。また、測量手段は例えば測距手段と測角手段とを備え、測量データは測点までの斜距離と(高度、水平)角度であり、測量システムは概観画像を撮影するためのデジタルカメラを備える。
【0018】
本発明のデジタルカメラは、被写体の画像を撮影する撮像手段と、撮像手段により撮影された3以上の基準点を含む測量現場の概観画像における基準点の2次元的な位置情報と測量機による基準点の3次元的な測量情報に基づいて、概観画像と測量機との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、位置関係から測量機により測量された測点の測量情報と測点に対応する概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】
デジタルカメラは、測量機との間において測量情報に関わるデータの伝送を行なうためのデータ伝送手段を備えることが好ましい。これにより、効率的に測量情報をデジタルカメラに伝送することが可能となる。
【0020】
デジタルカメラは、概観画像を表示する画像表示手段と、画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、基準点の位置はこの入力手段により概観画像上の任意の位置を指定することにより決定されることが好ましい。またデジタルカメラは、測点の測量情報と概観画像上の位置情報との対応付けに基づいて測量機により測量される概観画像内の測点の位置を画像表示手段により表示された概観画像上に示す測点表示手段とを備えることが好ましい。
【0021】
また本発明の測量支援装置は、測点を含む測量現場の概観画像と測量機との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、この位置関係から測量機により測量される、又はされた測点の測量情報と測点に対応する概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段とを備えたことを特徴としている。
【0022】
測量支援装置は、より効率的に測量機からの測量情報を取得するために、測量機との間において測量情報に関わるデータの伝送を行なうためのデータ伝送手段を備えることが好ましい。また、測量支援装置は、概観画像を表示する画像表示手段と、画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、基準点の位置はこの入力手段により概観画像上の任意の位置を指定することにより決定されることが好ましい。更に測量支援装置は、測点の測量情報と概観画像上の位置情報との対応付けに基づいて測量機により測量される概観画像内の測点の位置を画像表示手段により表示された概観画像上に示す測点表示手段を備えることが好ましい。
【0023】
本発明の測量支援プログラムは、コンピュータに測点を含む測量現場の概観画像と測量機との間の位置関係を算出する手順と、この位置関係から測量機により測量された測点の測量情報と測点に対応する概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける手順とを実行させることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である測量機とカメラを用いた測量システムの概略を示すブロック図である。
【0025】
測量機10は例えばトータルステーション等であり、測距部11と測角部12とを備える。測距部11は視準された測点までの斜距離を例えば光波測距により検出し、測角部12はこのときの水平角、高度角等を検出する。測距部11及び測角部12はそれぞれシステムコンロール回路13に接続されており、システムコントロール回路13からの指令に基づき制御される。例えば測距部11はシステムコントロール回路13の指令に基づいて測距を行い、測定値をシステムコントロール回路13に送出する。一方、測角部12は常時角度を測定しておりシステムコントロール回路13からの要求に応じて測定値をシステムコントロール回路13へ送出する。検出された斜距離、水平角、高度角等の測定値はシステムコントロール回路13において処理される。システムコントロール回路13には、この他にも、スイッチ群14、表示器15(例えばLCD)、インターフェース回路16等が接続されている。インターフェース回路16には、例えばインターフェースケーブルを介して例えばデジタルスチルカメラ(DSC)20が接続される。なお、インターフェース回路16は、例えばデータコレクタ(図示せず)やコンピュータ等の周辺機器にも接続可能である。
【0026】
デジタルスチルカメラ20には、CCD等の撮像素子21が設けられており、撮像レンズ22を介して被写体の映像を撮像可能である。すなわち、撮像素子21では被写体の映像が画像信号として検出され、画像信号処理回路23へ出力される。画像信号処理回路23では、入力された画像信号に対してRGBゲイン補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正やスーパインポーズ等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像信号は例えば表示部(例えばLCD)24に送出されシースルー画像として表示される。また、システムコントロール回路26に接続されたスイッチ群29に設けられたシャッターボタン(図示せず)が押下されると、被写体の映像がデジタル画像としてメモリ25に一時的に記憶される。
【0027】
メモリ25に記憶されたデジタル画像は、画像信号処理回路23を介して表示部24に表示可能であるとともに、システムコントロール回路26を介して記録媒体(ICカードや光学的あるいは磁気的な記録媒体等)27に記録可能である。記録媒体27に記録された画像はシステムコントロール回路26により表示部24に表示することが可能である。また、デジタルスチルカメラ20をコンピュータ等の周辺機器にインターフェース回路28を介して接続し、撮像された画像を画像データとして伝送し表示することも可能である。
【0028】
システムコントロール回路26には、ポインティングデバイス30が接続されており、これにより表示部24の画面上の任意の位置を指定することが可能である。ポインティングデバイス30としては、例えば十字キー、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーン等が用いられる。また、システムコントロール回路26にはROM31が接続され、例えば、焦点距離(又は画面距離)や主点と画像中心とのズレ、ディストーション補正のためのパラメータなどの内部定位要素が記録されている。
【0029】
次に図1、図2、図3を参照して第1の実施形態の測量システムにおける測点表示処理について説明する。図2は、第1の実施形態の測量システムにおける測量手順を示すフローチャートであり、図3は第1の実施形態の測量システムにおける測量機およびカメラの配置を概念的に示す図である。
【0030】
まずステップS101において、オペレータはデジタルスチルカメラ(DSC)20により測量現場の概観を撮影する。撮影された1枚のデジタル画像(概観画像)には、測量されるべき測点が複数含まれる。ステップS102では、撮影された概観画像が例えばデジタルスチルカメラ20の表示部24に表示され、表示された概観画像において同一直線上にない3つの点(画素)がオペレータによりポインティングデバイス30を用いて選択され、選択された画素に対応する実空間内の物点が基準点Pi(i=1,2,3)として指定される。このとき指定された各基準点Piに対応する撮像面上の像点Pi’の位置が、ROM31に格納されている内部定位要素を用いてそれぞれ2次元の画像座標(xpi’,ypi’)として求められる。なお画像座標系は、画像左上を原点としたy’軸下向きが正の2次元座標系である。また、基準点の数は同一直線上にない3以上の数であればよい。
【0031】
ステップS103では、ステップS102において指定された各基準点Piの斜距離及び(高度、水平)角度が測量機10を用いてオペレータにより測定され、測定値はインターフェースを介してデジタルスチルカメラ20のシステムコントロール回路26へ伝送される。システムコントロール回路26では、各基準点Piの3次元座標(Xpi,Ypi,Zpi)が所定の測量座標系(例えば器械点を原点とする座標係)において算出される。またこのとき各基準点Piの測量座標(Xpi,Ypi,Zpi)は、それぞれ像点Pi’の画像座標(xpi’,ypi’)に対応付けられる。なお、測量機が測量座標計算を行い、その値が伝送されるように構成してもよい。
【0032】
ステップS104では後述するように、各基準点Piに対する測量座標と画像座標との対応から概観画像を撮影したときのデジタルスチルカメラ20の位置および傾きが、例えば空間後方交会法により算出される。すなわち、デジタルスチルカメラ20に固定された3次元カメラ座標系の原点の測量座標系における位置(XO,YO,ZO)と、撮影時のカメラ座標系のx軸、y軸、z軸回りの回転角(ω,φ,κ)が外部標定要素として求められる。これにより、画像座標と測量座標との射影関係が確立される。なおカメラ座標系は、レンズ中心(投影中心)Oを原点とした左手座標系であり、そのy軸、z軸はスクリーン座標系のs’軸、t’軸と平行であり、x軸は撮像面に垂直で、投影中心から像面とは反対の方向に向けて定義される。すなわち撮像レンズ22の画面距離をfとするとき、撮像面上の点は(−f,y,z)で表される。なお、スクリーン座標系は、主点を原点とした撮像面上の2次元座標系であり、s’軸は撮像素子21の水平ライン方向に、t’軸は垂直ライン方向に対応する(図5参照)。
【0033】
ステップS105では、オペレータが測量機10を用いて測点Q1を測量する。測定値はインターフェースを介してデジタルスチルカメラ20に伝送される。このときデジタルスチルカメラ20のシステムコントロール回路26では測点Q1の測量座標が算出される。ステップS106では、算出された測点Q1の測量座標およびステップS104において求められた外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)に基づいて測点Q1に対応する像点Q1’の概観画像上の画像座標Q1’(xq1’,yq1’)が求められ、画像座標Q1’(xq1’,yq1’)に対応する位置に測点Q1を示すマークまたは測定値がスーパインポーズされデジタルスチルカメラ20の表示部24に表示される。なお、像点Q1’に対応する画素の位置(画像座標)は、像点Q1’のスクリーン座標(sq1’,tq1’)と画素ピッチとから算出される。
【0034】
ステップS107において測量を継続する場合にはステップS105以下の処理が繰り返し実行される。例えば測量機10を用いて測点Q2、Q3を測量すると、デジタルスチルカメラ20の表示部24に表示された概観画像には、測点Q2、Q3の像点Q2’、Q3’に対応する位置にそれぞれ測点Q2、Q3を示すマーク(測点番号であてもよい)または測定値が表示される。一方測量を終了する場合にはステップS108において、概観画像の画像データ、カメラの内部定位要素、像点Q1’、Q2’、Q3’の画像座標(概観画像上の位置を示す位置情報、例えば画素の位置を示すデータであってもよい)、測点Q1、Q2、Q3の斜距離、高度角、水平角または測量座標等の測量データ(測量情報)がそれぞれ関連付けて記録媒体27に記録され、本実施形態の測量システムを用いた測点表示処理は終了する。なお、概観画像の画像データ、測点に対応する画像座標データ(または画素位置を示すデータ)や測量データ等は、それぞれ別のファイルに記録されてもよいし、同一のファイルに記録されてもよい。
【0035】
また、図4を参照して第1の実施形態の測量システムにおける測点表示処理の変形例について説明する。図4は、この変形例における測量手順のフローチャートである。
【0036】
図2の測量手順では、測量座標系に対するデジタルスチルカメラ20の位置及び傾きを空間後方交会法で算出(S104)した後に、各測点の測量を行いその都度、測点を概観画像上に表示した。一方、図4のフローに示された変形例では、測量気10による測点の測量が行なわれた後に測量座標系に対するデジタルスチルカメラ20の位置及び傾きが算出され、その後全測点の位置が概観画像上に一斉に表示される。
【0037】
すなわち、ステップS110、S111では、測量機10を用いて、複数の測点に対する測定が連続して行なわれる。測点の測量が終了した場合には、ステップS112において、ステップS110で測定された測点を含む測量現場の概観画像がデジタルスチルカメラ20を用いて撮影される。ステップS113では、概観画像上に表示された測点の中から同一直線上にない3つの測点(画素)が基準点Piとしてオペレータによってポインティングデバイス30を用いて指定される。ステップS114では、ステップS113において指定された基準点Piに対応する測点の3次元座標(Xpi,Ypi,Zpi)が、例えばオペレータによって対応付けられる。
【0038】
ステップS115では、基準点Piに対するステップS114の対応付けに基づいて、デジタルスチルカメラ20の位置及び傾きが、空間後方交会法により、図2のステップS104と同様に算出される。ステップS116では、ステップS115において算出された外部標定要素を用いて、ステップS110において測定された全ての測点に対する概観画像上の画像座標が求められ、概観画像上にその位置を示すマークまたは測定値がスーパインポーズされて表示部24に表示される。ステップS117では、ステップS108と同様に各データが記録媒体に記録される。以上により、変形例における測量は終了する。
【0039】
なお、図2、4ではステップS101、S112で測量現場の撮影を行ったが、過去に撮影した概観画像を使用してもよい。さらには、撮影と測量が同時に行われるシステムとしてもよい。これは例えばスイッチ群14内の測量開始スイッチとスイッチ群29内のDSC撮影スイッチを連動させる方式を採用して行なうことができる。また、予めステップS101〜S104を行い、後日ステップS105〜S108を行ってもよい。この場合、測量機の設置場所は同位置とする。また、図4に示すフロ−のようにステップS110の測量を先に行い、後で画像との融合を行ってもよい。またステップS110の測量を行わず、以前測量されたデ−タ(国土地理院の三角点、市販の地図や地理デ−タ含む)を使用してもよい。
【0040】
次に図5、図6を参照して本実施形態におけるデジタルスチルカメラ20の空間後方交会法による位置および傾きの算出方法(ステップS103)と、測点の概観画像への表示する方法(ステップS106)の原理について説明する。
【0041】
図5は、3つの基準点P1、P2、P3とこれらの撮像面Sにおける像点P1’、P2’、P3’との関係を模式的に示している。図6は図2のステップS103におけるデジタルスチルカメラ20の位置および傾きを表す外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)を算出する空間後方交会法のプログラムのフローチャートであり、その算出には最小二乗法を用いた逐次近似法が用いられる。なお基準点の数は3つ以上であればいくつあってもよいが、ここでは基準点が3点指定された場合を例に説明を行なう。
【0042】
まず、ステップS201においてカメラの位置および傾きを表す外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)に近似値として適当な初期値(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)を与える。次にステップS202では、与えられた外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)を用いて3つの基準点Pi(i=1,2,3)の測量座標(Xpi,Ypi,Zpi)から各基準点Piに対応する像点Pi’の近似的な画像座標(xpGi’,ypGi’)を算出する。
【0043】
すなわち、基準点Pi(i=1,2,3)のカメラ座標系における座標(xpi,ypi,zpi)は、測量座標系における座標(Xpi,Ypi,Zpi)から次の(1)式により求まるので、近似的な外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)および基準点Piの測量座標(Xpi,Ypi,Zpi)を(1)式に代入すると、基準点Piの近似的なカメラ座標(xpGi,ypGi,zpGi)を求めることができる。
【数1】
Figure 0004167509
ここで行列{Tjk}は回転行列であり、各成分Tjkは例えば次式で表される。
11=cosφ・cosκ
12=cosω・sinκ+sinω・sinφ・cosκ
13=sinω・sinκ−cosω・sinφ・cosκ
21=−cosφ・sinκ
22=cosω・cosκ−sinω・sinφ・sinκ
23=sinω・cosκ+cosω・sinφ・sinκ
31=sinφ
32=−sinω・cosφ
33=cosω・cosφ
【0044】
また基準点Piに対応する像点Pi’のスクリーン座標(spi’,tpi’)は、撮影された基準点、投影中心、およびその像点が同一直線上にあるという共線条件から外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)および基準点Piのカメラ座標(xpi,ypi,zpi)を用いて次の(2)式により求められる。
【数2】
Figure 0004167509
したがって、(2)式に近似的な外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)および(1)式で求められた基準点Piの近似的なカメラ座標(xpGi,ypGi,zpGi)を代入することにより基準点Piに対応する像点Pi’の近似的なスクリーン座標(spGi’,tpGi’)を算出することができる。
【0045】
また,像点Pi’の近似的な画像座標(xpGi’,ypGi’)は近似的なスクリーン座標(spGi’,tpGi’)を次の(3)式に代入することにより求められる。
【数3】
Figure 0004167509
ここで、Px、PyはそれぞれCCDの水平、垂直方向の画素ピッチであり、W、Hはそれぞれ画像の水平、垂直方向のピクセル数である。
【0046】
ステップS203では、近似的に与えられた外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)の値が適切か否かを判定するためのメリット関数Φが計算される。メリット関数Φは例えば(4)式で定義される。
【数4】
Figure 0004167509
すなわち、本実施形態においてメリット関数Φは概観画像上で指定された基準点Piの像点Pi’の画像座標(xpi’,ypi’)と、測量により求められた基準点Piの測量座標(Xpi,Ypi,Zpi)および近似的に与えられた外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)から求められた像点Pi’の近似的な画像座標(xpGi’,ypGi’)との間の距離の2乗に対応している。
【0047】
次にステップS204において、メリット関数Φが所定値よりも小さいか否かが判定される。すなわち、近似的に与えられた外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)による像点Pi’の近似的な画像座標(xpGi’,ypGi’)が、概観画像上で指定された基準点Piの像点Pi’の画像座標(xpi’,ypi’)に十分近いか否かが判定される。Φ<所定値の場合にはこの処理は終了し、現在与えられている外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)の値を、概観画像撮影時のカメラの位置および傾きを表す外部標定要素であるとする。
【0048】
一方、ステップS204においてΦ≧所定値であると判定された場合には、ステップS205において近似的に与えられた外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)に対する補正量(δX,δY,δZ,δω,δφ,δκ)が例えば最小二乗法により求められる。すなわち、共線条件である(2)式を近似値である外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)の周りにテイラー展開し高次の項を省いて線形化し、補正量(δX,δY,δZ,δω,δφ,δκ)を未知量とする正規方程式を作成することにより適正な補正量(δX,δY,δZ,δω,δφ,δκ)が求められる。
【0049】
ステップS206では、ステップS205において算出された補正量(δX,δY,δZ,δω,δφ,δκ)に基づいて近似値である外部標定要素(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)の値が更新される。すなわち、(XGO,YGO,ZGO,ωG,φG,κG)の各値は、それぞれ(XGO+δX,YGO+δY,ZGO+δZ,ωG+δω,φG+δφ,κG+δκ)に置き換えられカメラの位置が更新される。その後処理はステップS202へ戻り、ステップS204においてΦ<所定値と判定されるまでステップS202〜ステップS206が繰り返し実行される。
【0050】
なお、以上の説明は、ディストーション等の内部定位が無い(無視できる量)場合、または概観画像が既に補正されたものの場合であり、補正していない概観画像を既知の内部定位量を用いて補正する場合は、(2)式で求められたスクリーン座標(spGi’,tpGi’)を次の(5)式によりディストーション補正したスクリーン座標(scpGi’,tcpGi’)に変換する。
【数5】
Figure 0004167509
ここで、D2、D4、D6はそれぞれディストーション2次成分、4次成分、6次成分であり、N1、N2はディストーション非対称成分、XC、YCは主点の画像中心からのs’軸方向、t’軸方向への偏心量である。また、画像座標(xpGi’,ypGi’)は、次の(6)式から求められる。
【数6】
Figure 0004167509
【0051】
空間後方交会法により撮影時のデジタルスチルカメラ20の位置および傾きを示す外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)が算出されると、図2のステップS105で測量される測点に対応する像点の画像座標は、測量された斜距離および高度角から算出された測点の測量座標と、空間後方交会法により算出された外部標定要素の値とから(1)式および(2)式を用いて求められる。ステップS106では、この画像座標に基づいて概観画像上の測点に対応する位置(画素)に測点を示すマークまたは測定値を表示する。
【0052】
以上のように、第1の実施形態によれば、測点の測量データから測点の位置を測量現場で撮影された概観画像上の位置(画素位置)に簡便に対応付けることができる。これにより、概観画像内の任意の測点を画像上に表示することができるため測点の配置を概観画像上において簡単に確認することができ、測量作業、および後の測量データの整理を効率的に行なうことができる。また、1枚の概観画像に複数の測点を対応付けられるので、画像を記録するための記録容量を節約することができ、効率的に測量データを測量現場の画像情報に関連付けることができる。なお、測量座標に国土地理院で規定している基準点を使用した絶対座標を用いてもよい。又、任意設定の座標を使用してもよい。
【0053】
但し、座標系の違う測量情報を使用する場合には測量情報を座標変換により1つの座標系に統一して行なうのがよい。これは、測点を概観画像上に表示する場合や基準点の測量情報により対応づけを行なう場合共である。(例えば、座標系の違う測点を表示させる場合。例えば基準点として、一部所与の測量デ−タを使用する場合などは測量現場での測量座標と違う場合があり、その場合には所与の測量デ−タを座標変換して測量現場の座標値に変換して使用する。又逆を行ってもよい。)
【0054】
次に、図7を参照して本発明における第2の実施形態の測量システムについて説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と略同様であるので、第1の実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。なお第1の実施形態と共通の構成には同一参照符号を用いる。
【0055】
図7は、第2の実施形態における測量システムの概略的な構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、測量現場の概観画像の撮影に例えば通常市販されているデジタルスチルカメラ20’が用いられる。まず、デジタルスチルカメラ20’は、インターフェースケーブルを介して例えばノート型パソコン(PC)等のコンピュータ40に接続され、撮影された測量現場の概観画像は、コンピュータ40に伝送される。その後コンピュータ40はインターフェースケーブルを介して測量機10に接続される。コンピュータにはマウス、トラックボール、ジョイスティック、キーボード等の入力装置41や、ハードディスク、DVD、MO、ICカード等の記録媒体42、LCD、CRT等の画像表示装置43が接続されている。
【0056】
コンピュータ40に伝送された概観画像の画像データは、例えば記録媒体42に記録される。概観画像はコンピュータ40にインストールされている測量支援プログラムにより画像表示装置43に表示される。以下図2のステップS102以降の処理と同様の処理がコンピュータ40の測量支援プログラムにより測量機10とコンピュータ40との間において行なわれる。すなわち、オペレータは画像表示装置43に表示された概観画像において、同一直線上にない3以上の点(画素)を基準点Piとして入力装置41のポインティングデバイスを用いて指定し、指定された基準点Piの位置を測量機10により測定する。測量支援プログラムは基準点Piに対応する像点Pi’の画像座標と、測定値から算出された基準点Piの測量座標とから概観画像撮影時のデジタルスチルカメラ20’の外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)を算出し、画像座標と測量座標との射影関係を確立する。測量支援プログラムは測量機10から測点の測定データを取得して、確立された射影関係に基づいて画像表示装置43に表示された概観画像上に測点の位置を示すマークや測定値を表示する。また、測量データ、画像データ、内部定位要素、外部標定要素等は関連付けられて記録媒体42に記録される。
【0057】
なお、第2の実施形態で用いられるカメラは、測量専用のカメラとは限らないので内部定位要素が知られていない場合がある。このような場合には、測量に先立ち予めデジタルスチルカメラ20’の内部定位を行い、これにより求められた内部定位要素を用いて画像座標を算出すればよい。
【0058】
以上のように、第2の実施形態においても第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態では、市販のデジタルカメラを用いることができる。更に第2の実施形態は測量を支援するための専用の装置として構成してもよいが、本実施形態の測量支援プログラムを汎用のノート型パソコンにインストールして用いることができるので、より簡略にかつ低コストで上記測量システムを提供することができる。
【0059】
次に図8〜図12を参照して本発明が適用された第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の測量システムの構成は、第1の実施形態の測量システムの構成と略同一であり、以下第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、第1の実施形態と同様の構成については同一の参照符号を用いる。
【0060】
図8は、第3の実施形態の測量システムの電気的構成を示すブロック図である。第3の実施形態の測量機10’には、CCD等の撮像素子18が設けられており、撮像レンズ17を介して視準点近傍の画像が撮影可能である。撮像素子18からの画像信号は、画像信号処理回路19においてホワイトバランス補正、ガンマ補正等の所定の画像処理が施され、システムコントロール回路13を介して表示器15に例えばシースルー画像として表示される。また、撮像素子18で撮影された画像は、デジタル画像データとして、測量データと同様にインターフェース回路16を介してデジタルカメラ20に送信可能である。なお、撮像素子18の駆動は、システムコントロール回路13からの駆動信号により制御される。なお、本実施形態では、測量機10’とデジタルスチルカメラ20とをインターフェースケーブルで接続しているが、無線によりデータ通信を行なってもよい。
【0061】
システムコントロール回路13には、更にスイッチ群14が接続されており、作業者のスイッチ操作に基づいてシステムコントロール回路13での各種信号処理が行なわれる。なお、測距・測角に用いられる測量器10’の視準望遠鏡の光学系を撮像レンズ17の光学系に用いてもよい。この場合、撮像素子18で撮影される画像は、視準望遠鏡の視野と略一致する。
【0062】
図9は、第3の実施形態の測量システムにおける測量手順を示したフローチャートである。ステップS301(ステップS101に対応)では、デジタルスチルカメラ20を用いて測量現場の概観画像の撮影が行なわれる。ステップS302(ステップS102、S103、S104に対応)では、表示部24に表示された概観画像上において、ポインティングデバイス30を用いて3以上の基準点(P1、P2、P3等)が指定されるとともに、指定された基準点の3次元的な位置が測量器10’を用いて測量され、概観画像上の画像座標と測量情報が対応付けられる。また、これらの対応付けに基づいて空間後方交会法によりデジタルスチルカメラ20の位置及び傾きが外部評定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)として求められる。ステップS303では、位置及び傾き等の外部評定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)や焦点距離等の内部定位要素に係わるデータが記録媒体27等に記録される。
【0063】
ステップS304では、測量作業のためのモードの選択あるいは判定が行われる。本実施形態では、以下に説明するモード1とモード2を備えており、作業者は、例えばスイッチ群29の所定のモード選択スイッチ(図示せず)を操作してモード1、モード2の何れかを選択することができる。
【0064】
ステップS304において作業者がモード1を選択した場合、あるいは選択されている場合、処理はステップS305に進む。ステップS305では、ポインティングデバイス30等を利用して測定しようとする位置を概観画像上に複数指示(Q1〜Q9)することができる。指示された概観画像上の位置には、図10のように指示された測点Q1〜Q9を表す記号が表示される。また、測量機10’を例えば作業者が保持するターゲットに視準してターゲットの位置を測定し、スイッチ群29の所定のスイッチを操作すると、ターゲットの測定データが測量機10’からデジタルスチルカメラ20に送られ、概観画像上にはターゲットの位置を表わす記号Tが対応する位置にスーパインポーズされる。また、ターゲット位置の測定を任意時間間隔毎に行い、常時フィードバックをかけて表示する事により、現在の視準位置・視準望遠鏡の動きを常時確認できる。これは自動視準機能内蔵の測量機ではとくに有効である。作業者は、概観画像上に表示されたターゲットTの位置と、測量しようとしている測点の位置を参照して測量作業を行うことができる。
【0065】
また、ノンプリズムTSの場合には、ターゲットがなくても測距可能であり、任意時間間隔毎に行った測量(連続測量)の測量位置に、ターゲット位置の記号Tの変わりに記号+等を概観画像上に表示し、視準望遠鏡の視準位置・視準望遠鏡の動きを表示し視準ガイドとしてもよい。
【0066】
また、既に測量された測点(例えばQ1、Q2、Q3、Q5、Q9等)がある場合には、ポインティングデバイス30を用いてその測点を選択すると、その測点(例えばQ2)とターゲットTとの間の距離(例えば500)を所定の単位(例えばmm)で表示することができる。なお、概観図上には、ステップS302において指定された基準点(P1〜P3等)も表示でき、ターゲットTと基準点との間の距離も表示することができる。
【0067】
ステップS306では、ステップS305において視準された測点の測量が行なわれる。ステップS307では、測量が終了した測点が、測量終了したことを示す記号(例えば、測量未了の測点を白丸、測量済の測点を大きな黒丸;測量未了の測点を三角、測量済の測点を丸)として概観画像上に表示される(例えばQ1、Q2、Q3、Q5、Q9)。また、このとき測量済の測点や基準点の傍らには例えば測量座標や絶対座標、あるいは斜距離L、水平角θh、高度角θv等の位置データを表示することもできる。なお、測点や基準点の位置を斜距離、水平角、高度角を用いて表わす場合には、水平角θhは、例えばポインティングデバイス30等の入力デバイスを用いて任意に指定される基準線(水平角基準線)Hに基づいて表わすこともできる。
【0068】
ステップS308では、複数の測定済の測点をポインティングデバイス30を用いて選択することができ、例えば2つの測点間の距離や、3つの測点が成す角度、あるいは3以上の測点で構成される閉領域の面積、4以上の測点で構成される閉領域の体積等の測量データを算出・表示させることができる。
【0069】
ステップS309では、測量作業を終了するか否かが判定される。スイッチ群29の所定のスイッチが操作され、測量作業を終了する場合には、処理はステップS310へ移る。一方、測量作業を継続する場合は、ステップS304に戻り、再びステップS304以下の処理が行われる。
【0070】
一方、ステップS304において、モード2が選択された、あるいは選択されていると判定された場合には、図11に示されるように、ステップS311において、測量機10’内に組み込まれたCCD18で撮影された視準方向の拡大画像Sが概観画像上にスーパインポーズされて表示される。ステップS312では、ステップS305と同様に、測量機で撮影された拡大画像Sと概観画像を参照してターゲット等への視準が行われ、その後ステップS306において視準された測点の測量が行われる。なおステップS310では、概観画像上に表示された測点の位置等の測量データや測量機で撮影された拡大画像等がそれぞれ対応付けられて記録媒体27のファイルに記録される。以上で本実施形態の測量は終了する。
【0071】
また、例えば図12に示されるように、測量機10’、デジタルスチルカメラ20、測点の位置を平面図として表示部24に表示するモードを設けてもよい。この場合、記録媒体27には、例えば測量データや概観画像等と関連付けて平面図も記録される。
【0072】
以上のように、第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、概観画像上においてポインティングデバイスを用いて任意に基準点を指定したが、撮影範囲内に例えば寸法が既知の基準尺や、任意に配置できる基準マーク等を配置し、これらを基準点として外部標定要素を求めてもよい。この場合、概観画像上において基準尺や基準マークの位置がポインティングデバイス等を用いて選択される。また基準尺や基準マークが用いられる場合には、例えば画像処理を用いて基準点の概観画像上の位置を自動的に検出してもよい。
【0074】
本実施形態では、測量機として斜距離と(高度、水平)角度を測定可能なトータルステーションをあげたが、セオドライトに光波測距儀等組み合わせた装置等の所定の座標系における測点の3次元座標を算出可能な測量機であれば他の測量機であってもよく、例えばGPS(global positioning system)等を利用した測量機であってもよい。また、測量記において測定される角度は、高度角、水平角以外の角度であってもよく、例えば斜平面内の2点の間の角度であってもよい。
【0075】
また第2の実施形態では、測量機に接続されたコンピュータを用いたが、第2の実施形態におけるコンピュータの機能を測量機に一体的に持たせてもよい。
【0076】
本実施形態では、測量機からデジタルスチルカメラ、またはコンピュータへの測量データの伝送は、インターフェース回路を介して行なわれたが、例えばオペレータがキーボード等の入力装置を用いてデジタルスチルカメラやコンピュータに測量データを入力してもよい。
【0077】
また、本実施形態においては、デジタルスチルカメラで撮影したデジタル画像で説明したが、デジタル画像得られるものであればビデオカメラ等でもかまわない。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、測量機で得られる測量情報とカメラで得られる測量現場の画像情報とを簡便かつ効率的に関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態である測量システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の測量システムにおける測量手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の測量システムにおける測量機およびカメラの配置を概念的に示す図である。
【図4】第1の実施形態の測量システムにおける測量手順の変形例を示すフローチャートである。
【図5】3つの基準点P1、P2、P3と撮像面Sにおける像点P1’、P2’、P3’との関係を模式的に示す図である。
【図6】デジタルスチルカメラの位置および傾きを表す外部標定要素(XO,YO,ZO,ω,φ,κ)を算出する空間後方交会法のプログラムのフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における測量システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態における測量システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態における測量手順を示すフローチャートである。
【図10】モード1を用いて測量を行なった場合における概観画像の画像表示の一例である。
【図11】モード2を用いて測量を行なった場合における概観画像の画像表示の一例である。
【図12】測点、測量機及び概観画像を撮影したカメラ位置を平面図上で表わした画像表示の一例である。
【符号の説明】
10、10’ 測量機
16、28 インターフェース回路
20 デジタルスチルカメラ
24 表示部
26 システムコントロール回路
27、42 記録媒体
30 ポインティングデバイス
40 コンピュータ
41 入力装置
43 画像表示装置

Claims (36)

  1. 測点の測量情報が基準とする座標系と測点を含む測量現場の概観画像との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、
    前記位置関係から、前記測点の測量情報と前記測点に対応する前記概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段と
    を備えることを特徴とする測量システム。
  2. 前記測点の測量情報を得るための測量手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  3. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、前記測量手段により測量される前記概観画像内の測点の位置を、前記入力手段を用いて前記概観画像上で指示し、その位置を前記概観画像上に表示する測点表示手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の測量システム。
  4. 前記位置関係が、3以上の任意に設定された基準点の測量情報と、前記基準点の前記概観画像上の位置との関係から算出されることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  5. 前記座標系と前記概観画像との位置関係が、前記座標系に対する前記概観画像撮影時のカメラの位置及び傾きを表す外部標定要素により表されることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  6. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、前記基準点の位置が前記入力手段により前記概観画像上の任意の位置を指定することにより決定されることを特徴とする請求項4に記載の測量システム。
  7. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記測量情報と前記概観画像の位置情報との対応付けに基づいて前記測点の位置を前記画像表示手段による前記概観画像上に表示する測点表示手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  8. 前記位置関係が、3以上の任意に設定された基準点の測量情報と前記基準点の前記概観画像上の位置との関係から算出され、前記基準点の1つ以上が測定済みの前記測点の中から指定されることを特徴とする請求項7に記載の測量システム。
  9. 前記位置関係が、3以上の任意に設定された基準点の3次元的な位置情報と前記基準点の前記概観画像上の位置との関係から算出され、前記基準点の3次元的な位置情報の1つ以上が所与の地理データであることを特徴とする請求項7に記載の測量システム。
  10. 前記測点の測量情報を得るための測量手段を備え、前記位置関係算出手段が実行された後、前記測量手段により測点が測量されると、前記対応付け手段により前記測点の位置を前記概観画像の位置情報に対応付け、前記測点表示手段により前記概観画像上に表示することを特徴とする請求項7に記載の測量システム。
  11. 前記測点表示手段により表示された測点の位置又は前記測点の位置に隣接して、前記測点の位置を表わす測量情報が表示可能であることを特徴とする請求項7乃至10に記載の測量システム。
  12. 測量のためのターゲットの位置を測量し、前記概観画像上の対応する位置に前記ターゲットを表わす記号を表示可能であることを特徴とする請求項10に記載の測量システム。
  13. 前記画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段を備え、前記入力手段により指定された複数の測点の間の相対的な位置関係に基づき算出される測量解析情報を前記概観画像上に表示可能であることを特徴とする請求項7乃至10に記載の測量システム。
  14. 前記測量解析情報が、測点間の距離であることを特徴とする請求項13に記載の測量システム。
  15. 前記測量解析情報が、3つの測点を結ぶ線分が形成する角度であることを特徴とする請求項13に記載の測量システム。
  16. 前記測量解析情報が、3以上の測点が形成する閉領域の面積であることを特徴とする請求項13に記載の測量システム。
  17. 前記測量解析情報が、4以上の測点が形成する閉領域の体積であることを特徴とする請求項13に記載の測量システム。
  18. 前記測点の位置と、前記概観画像を撮影した位置あるいは前記測量手段の位置との関係を平面図として表示又は記録可能であることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  19. 前記測点に係る測量情報と前記概観画像の画像データとを関連付けて記録可能なデータ記録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  20. 前記測量手段が、前記概観画像よりも高倍率の拡大画像を撮影可能な撮像手段を備え、前記撮像手段により前記測量手段の視準方向の拡大画像を前記概観画像上に表示可能であることを特徴とする請求項2に記載の測量システム。
  21. 前記対応付け手段による前記測量情報と前記概観画像上の位置情報との対応を記録可能な記録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  22. 前記測量手段が測距手段と測角手段とを備え、前記測量情報が測点までの斜距離と角度であることを特徴とする請求項2に記載の測量システム。
  23. 前記測量手段が測距手段と測角手段とを備え、前記測量情報が測点までの斜距離と角度より計算された座標値であることを特徴とする請求項2に記載の測量システム。
  24. 前記角度が水平角及び高度角であることを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の測量システム。
  25. 前記概観画像を撮影するためのデジタルカメラを備えることを特徴とする請求項1に記載の測量システム。
  26. 被写体の画像を撮影する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮影された3以上の基準点を含む測量現場の概観画像における前記基準点の2次元的な位置情報と測量機による前記基準点の3次元的な測量情報に基づいて、前記概観画像と前記測量機との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、
    前記位置関係から、前記測量機により測量された測点の測量情報と前記測点に対応する前記概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段と
    を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
  27. 前記測量機との間において前記測量情報に関わるデータの伝送を行なうためのデータ伝送手段を備えることを特徴とする請求項26に記載のデジタルカメラ。
  28. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、前記基準点の位置が前記入力手段により前記概観画像上の任意の位置を指定することにより決定されることを特徴とする請求項26に記載のデジタルカメラ。
  29. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記測点の前記測量情報と前記概観画像上の位置情報との対応付けに基づいて前記測量機により測量される前記概観画像内の測点の位置を前記画像表示手段により表示された前記概観画像上に示す測点表示手段とを備えることを特徴とする請求項26に記載のデジタルカメラ。
  30. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記測点の前記測量情報と前記概観画像上の位置情報との対応付けに基づいて前記測量機により測量された測点から算出された前記概観画像内の測点の位置を前記画像表示手段により表示された前記概観画像上に示す測点表示手段とを備えることを特徴とする請求項26に記載のデジタルカメラ。
  31. 測点を含む測量現場の概観画像と測量情報が基準とする座標系との間の位置関係を算出する位置関係算出手段と、
    前記位置関係から、測点の測量情報と前記測点に対応する前記概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける対応付け手段と
    を備えることを特徴とする測量支援装置。
  32. 前記位置関係算出手段が、前記概観画像上の3以上の基準点の2次元的な位置情報と前記測量機による基準点の3次元的な測量情報に基づいて、前記概観画像と前記測量機との間の位置関係を算出することを特徴とする請求項31に記載の測量支援装置。
  33. 前記測量機との間において前記測量情報に関わるデータの伝送を行なうためのデータ伝送手段を備えることを特徴とする請求項31に記載の測量支援装置。
  34. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段における画像上の位置を指定するための入力手段とを備え、前記基準点の位置が前記入力手段により前記概観画像上の任意の位置を指定することにより決定されることを特徴とする請求項32に記載の測量支援装置。
  35. 前記概観画像を表示する画像表示手段と、前記測点の前記測量情報と前記概観画像上の位置情報との対応付けに基づいて前記測量機により測量される前記概観画像内の測点の位置を前記画像表示手段により表示された前記概観画像上に示す測点表示手段とを備えることを特徴とする請求項31に記載の測量支援装置。
  36. コンピュータに測点を含む測量現場の概観画像と測量機との間の位置関係を算出する手順と、前記位置関係から前記測量機により測量された測点の測量情報と前記測点に対応する前記概観画像上の位置に関する位置情報とを対応付ける手順とを実行させるための測量支援プログラム。
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