JP4158397B2 - 溶接装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィラワイヤを必要とし、かつ、溶接線が円形である被溶接部を溶接する溶接装置に係わり、特に、2つの壁面間に形成されるような狭隘部でも好適な溶接が行える溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水平や垂直方向に配設された管同士の接合や、管とフランジとの接合、もしくは、構造物壁面への管の接合等では、被溶接部の溶接線が円形となるため、円形の軌道を描く溶接が必要となるが、人手による溶接作業は、作業者の負担が大きい。特に、狭隘な場所における溶接作業は、人手によるのは困難な場合が多く、自動化するのが望ましいため、溶接の自動化を行うための各種溶接装置が提案されている。
【0003】
ところが、溶接ヘッドを円形の軌道に沿って移動させることに起因して、溶接ヘッドに設けられた溶接トーチに溶接電流を供給する溶接ケーブルや、シールドガスを供給するガスホース、冷却水を循環させる水ホース、フィラワイヤを送給するワイヤケーブル及びワイヤガイド、もしくは、溶接ヘッドの駆動機器を動作させる電源用や制御用の電源ケーブル等に、巻き付きが生じてしまうという問題がある。
【0004】
上記の問題に対処するため、例えば、特開平8−25037号公報には、円周溶接装置が開示されており、溶接ヘッドには、溶接トーチと同心のワイヤケーブルと、ワイヤ送給歯車と、ワイヤガイドとを回転可能に設けられ、さらに、ワイヤガイドには、スパイラル状のガイド管が設けられている。
【0005】
上記の構成によれば、溶接ワイヤは、ワイヤガイドのガイド管を通って、溶接電極先端に供給される。そして、溶接ヘッドが円形軌道上を移動する際には、ワイヤガイドを回転させる回転機構によって速度と角度が制御されるので、ワイヤガイドが溶接ヘッドの移動と同期して回転する。
【0006】
さらに、特開平9−108869号公報には、YAGレーザ加工装置が開示されている。該YAGレーザ加工装置は、フィラワイヤ送給ノズルをYAGレーザ加工ヘッドに対して回転自在に、また、YAGレーザ加工ヘッドを回転自在に設けられているので、ワークどおしの予め設定された溶接線に沿ってYAGレーザ加工ヘッドを移動させると共に、レーザ加工ヘッドの進行方向の前方にフィラワイヤ送給ノズルを常に位置するように制御してレーザ溶接が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような溶接装置の従来技術においては、溶接ヘッド部は小型化されているものの、駆動部を含む装置全体が大型化、かつ、複雑化し、例えば、2つの壁面間に形成されるような狭隘部における溶接には適用できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、溶接線が円形である被溶接部を溶接する溶接装置であって、フィラワイヤや、ケーブル等の巻き付きを生じさせることなく、さらに、2つの壁面間に形成されるような狭隘部でも好適な溶接を行う溶接装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、第1の発明は、被溶接部を有する第1の壁面と、該第1の壁面に相対する位置に設けられた第2の壁面とで形成される狭隘部に導入可能な溶接装置本体を有し、該溶接装置本体には、溶接トーチを有する溶接ヘッドと、該溶接ヘッドを前記被溶接部の溶接線に沿って三次元方向に移動自在とする駆動機構とを備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、溶接ヘッドは、駆動機構により、被溶接部の溶接線に沿って三次元方向に移動される。
【0010】
第2の発明は、前記駆動機構は、3軸構成であって、駆動源であるモータと、該モータの駆動力を伝達するギヤボックスと、該ギヤボックスから伝達される回転力を直動力に変換する直動機構とを各軸に備えてなり、各軸の前記モータは、該モータ本体の長手方向が前記各壁面に対して略水平となるように、前記溶接装置本体に固定されることを特徴とする。
この溶接装置によれば、モータは、該モータ本体の長手方向が前記各壁面に対して略水平となるように、溶接装置本体に固定される。
【0011】
第3の発明は、前記溶接装置本体は、前記被溶接部に向けてフィラワイヤを送給するワイヤ送給機構を備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、ワイヤ送給機構より、被溶接部に向けてフィラワイヤが送給される。
【0012】
第4の発明は、前記溶接ヘッドは、前記溶接トーチの外周に対して回転自在に設けられ、外周に第1のギヤ溝が刻設された第1の回転部材と、該第1の回転部材の外周に対して回転自在に設けられ、外周に第2のギヤ溝が刻設された第2の回転部材とを備えてなり、前記ワイヤ送給機構は、前記第1の回転部材を回転駆動させる第1の回転機構と、前記第2の回転部材を回転駆動させる第2の回転機構とを備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の回転部材は、第1の回転機構によって駆動され、第2の回転部材は、第2の回転機構によって駆動される。
【0013】
第5の発明は、前記第1の回転機構は、駆動源である供給方向制御モータと、該供給方向制御モータの駆動力を伝達する第1駆動ギヤボックスと、該第1駆動ギヤボックスの回転出力を伝達する第1駆動シャフトと、該第1駆動シャフトの回転を前記第1の回転部材に伝達する第1従動ギヤボックスとを備えてなり、前記第1の駆動シャフトには、前記第1駆動ギヤボックス及び前記第1従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の駆動シャフトには、第1駆動ギヤボックス及び第1従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続される。
【0014】
第6の発明は、前記第2の回転機構は、駆動源である供給量制御モータと、該供給量制御モータの駆動力を伝達する第2駆動ギヤボックスと、該第2駆動ギヤボックスの回転出力を伝達する第2駆動シャフトと、該第2駆動シャフトの回転を前記第2の回転部材に伝達する第2従動ギヤボックスとを備えてなり、前記第2の駆動シャフトには、前記第2駆動ギヤボックス及び前記第2従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第2の駆動シャフトには、第2駆動ギヤボックス及び第2従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続される。
【0015】
第7の発明は、前記第1駆動シャフト及び前記第2駆動シャフトは、軸方向に伸張自在とする伸縮機構を有することを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1駆動シャフト及び第2駆動シャフトは、伸縮機構によって、軸方向に伸張自在とされる。
【0016】
第8の発明は、前記第1の回転部材の内部には、前記フィラワイヤを収納するワイヤリールが着脱自在に備えられていることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の回転部材の内部には、ワイヤリールが着脱自在に備えられる。
【0017】
第9の発明は、前記第1の回転部材には、前記フィラワイヤを前記溶接トーチの先端部に導くワイヤノズルと、前記ワイヤリールから前記ワイヤノズルへ前記フィラワイヤを適宜供給するための供給手段とを備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の回転部材には、ワイヤノズルが備えられ、供給手段によって、前記ワイヤノズルへフィラワイヤが供給される。
【0018】
第10の発明は、前記第1の回転部材には、前記第2の回転部材に刻設された第3のギヤ溝と嵌合し、前記フィラワイヤを供給させるための第1のワイヤ接触面を有するワイヤ供給ギヤと、該ワイヤ供給ギヤと嵌合し、前記第1のワイヤ接触面に対して前記フィラワイヤを押圧させる第2のワイヤ接触面を有するガイドギヤを備えたワイヤガイド機構とからなり、前記供給手段は、前記第1のワイヤ接触面と前記第2のワイヤ接触面との間に前記フィラワイヤを挟み込み、前記第2の回転部材の回転力によって前記ワイヤ供給ギヤを回転させて、前記フィラワイヤを供給させることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1のワイヤ接触面と第2のワイヤ接触面との間にフィラワイヤを挟み込み、第2の回転部材の回転力によってワイヤ供給ギヤを回転させて、フィラワイヤを供給させる。
【0019】
第11の発明は、前記第1の壁面と前記第2の壁面との間に前記溶接装置本体を固定させる固定機構を備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、固定機構によって、第1の壁面と第2の壁面との間に溶接装置本体を固定させる。
【0020】
第12の発明は、前記固定機構は、前記第1の壁面に接触する第1の支持部材と、前記第2の壁面に接触する第2の支持部材とを有し、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、接触する壁面に対して垂直方向に押圧させる加圧手段を備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、加圧手段によって、第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、接触する壁面に対して垂直方向に押圧させる。
【0021】
第13の発明は、前記加圧手段は、エアーシリンダーで押圧させることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方は、接触する壁面に対してエアーシリンダーで垂直方向に押圧される。
【0022】
第14の発明は、前記溶接装置本体には、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を前記溶接装置本体の内側へ収納する収納機構を備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、第1の支持部材もしくは第2の支持部材のどちらか一方は、収納手段によって、溶接装置本体の内側へ収納される。
【0023】
第19の発明は、前記収納機構は、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、前記溶接装置本体の固定時には壁面に向かって直立させ、前記溶接装置本体の移動時には壁面に対して略水平状態に傾倒させる揺動手段を有することを特徴とする。
この溶接装置によれば、揺動手段によって、第1の支持部材もしくは第2の支持部材のどちらか一方を、溶接装置本体の固定時には壁面に向かって直立させ、溶接装置本体の移動時には壁面に対して略水平状態に傾倒させる。
【0024】
第16の発明は、前記収納機構は、揺動の支点となる端部に第4のギヤ溝が刻設された揺動可能である前記第1もしくは第2のどちらか一方の支持部材と、第4のギヤ溝と嵌合するラック溝が刻設されたスライドプレートと、該スライドプレートを設置面に対して摺動させる直動手段とを備えてなり、前記揺動手段は、前記直動手段によって、前記スライドプレートを摺動させ、前記ラック溝から前記第3のギヤ溝に伝達された回転力で前記支持部材を揺動させることを特徴とする。
この溶接装置によれば、直動手段によってスライドプレートを摺動させ、ラック溝から第3のギヤ溝に伝達された回転力で支持部材を揺動させる。
【0025】
第17の発明は、前記直動手段は、エアーシリンダーで直動させることを特徴とする。
この溶接装置によれば、スライドプレートは、エアーシリンダーによって摺動される。
【0026】
第18の発明は、前記被溶接部は、前記第1の壁面と、該第1の壁面から前記狭隘部に対して反対方向に連設された円管の外周部との連設部であって、前記溶接装置本体には、前記溶接トーチの位置を前記連設部に合わせて前記溶接装置本体を固定させる位置合わせ機構を有することを特徴とする。
この溶接装置によれば、溶接装置本体は、位置合わせ機構によって、溶接トーチの位置を連設部に合わせて固定される。
【0027】
第19の発明は、前記位置合わせ機構は、前記円管の内周部と係合するパッドと、該パッドを内周部に対して垂直方向に直動駆動させて着脱自在とするエアーシリンダーと、該エアーシリンダーを先端部に固定し、保持部を支点として溶接装置本体に揺動自在に支持されるアームと、該アームを揺動駆動させるロータリーアクチュエーターとを備えることを特徴とする。
この溶接装置によれば、アームは、ロータリーアクチュエーターによって、パッドが円管に対して垂直位置に位置するように揺動され、エアーシリンダーによって、パッドは円管の内周部に係合される。
【0028】
第20の発明は、前記溶接トーチは、レーザ溶接トーチであることを特徴とする。
この溶接装置によれば、溶接トーチの形式として、レーザ溶接トーチが採用される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図示例に基づいて説明する。
図1に示すように、溶接装置は、第1の壁面250と該第1の壁面250に相対する位置に設けられた第2の壁面251とで形成される狭隘部に導入され、第1の壁面250と円管210の外周端部との連設部に形成される溶接線Sが円形となる被溶接部200を溶接する溶接装置本体1と、該溶接装置本体1を遠隔部から制御する不図示の制御機器と、溶接装置本体1を前記狭隘部において上下方向に移送する、吊下チェーン8を備えた不図示の吊下機構とからなる。前記狭隘部の間隔Lは、約300mmである。
【0030】
溶接装置本体1は、図1及び図2に示すように、ワイヤ送給機構2を構成してなる溶接ヘッド3と、該溶接ヘッド3を溶接線Sに沿って三次元方向に移動自在とする駆動機構4と、第1の壁面250と第2の壁面251との間に溶接装置本体1を固定させる固定機構5と、該固定機構5を構成する揺動自在のアームを溶接装置本体1の内側へ収納する収納機構6と、溶接装置本体1の固定の際に、溶接を行う適切な位置に溶接装置本体1を合わせる位置合わせ機構7とを備えている。
【0031】
図3に示すように、溶接ヘッド3は、レーザ溶接を行う溶接トーチ10と、該溶接トーチ10の外周に固定される固定部材11と、該固定部材11の外周にベアリング12を介して回転自在に設置される第1の回転部材13と、該第1回転部材13の外周にベアリング14を介して回転自在に設置される第2の回転部材15とを備えている。
【0032】
溶接トーチ10は、図5に示すように、レーザ照射方向に対する後部位置に、内部に不図示の集光レンズ等の光学部品を収納した集光ユニット20と、該集光ユニット20と溶接装置本体1の外部に設けられている不図示のレーザ発振器等の機器とを接続する溶接ケーブル21とからなり、該溶接ケーブル21は、レーザの照射方向に対して垂直方向となる図中上方に向けて延設される。また、固定部材11は、集光ユニット20の側面に、着脱自在に設置される。
【0033】
第1の回転部材13は、図3及び図4に示すように、固定部材11の外周に設置されるリング状の部材であり、外周部には、ベアリング14の保持部22の他に、第1のギヤ溝23が刻設されている。また、第1の回転部材13の内部には、フィラワイヤWを巻き付けて収納するワイヤリール24を着脱自在に嵌装するリール嵌装部25が設けられている。さらに、第1の回転部材13のレーザ照射側側面26には、ワイヤリール24からフィラワイヤWを挿通させるワイヤ挿通孔27が穿設され、該ワイヤ挿通孔27から排出されたフィラワイヤWを供給させる第1のワイヤ接触面30を有するワイヤ供給ギヤ31と、第1のワイヤ接触面30にフィラワイヤWを導くガイドブロック32と、該ガイドブロック32にフィラワイヤWを導くために、レーザ照射側側面26に刻設されたガイド溝33と、ワイヤ供給ギヤ31と嵌合し、第1のワイヤ接触面30に対してフィラワイヤWを押圧させる第2のワイヤ接触面32を有するガイドギヤ34を回転自在に備えたワイヤガイド機構35と、取付金具36を介して固定される、フィラワイヤWを溶接トーチ10の先端部へ導くワイヤノズル37とを備えている。
【0034】
ワイヤ供給ギヤ31は、レーザ照射側側面26上に突設された支持軸38にベアリング39を介して回転自在に支持されている。また、ワイヤガイド機構35には、第1のワイヤ接触面30に対する押圧力と、押圧位置とを調整する不図示の調整機構を備えている。
【0035】
第2の回転部材15は、第1の回転部材13の外周に設置されるリング状の部材であり、外周部には、第2のギヤ溝40が刻設されている。また、第2の回転部材15の内周部には、ベアリング14の保持部41の他に、第1の回転部材13に設けられているワイヤ供給ギヤ31と嵌合する第3のギヤ溝42が刻設されている。
【0036】
ワイヤ送給機構2は、溶接ヘッド3を構成する第1の回転部材13と、第2の回転部材15とをそれぞれ独立して回転させる第1の回転機構45と、第2の回転機構46とを備えている。第1回転機構45は、図2及び図4に示すように、駆動源である供給方向制御モータ50と、該供給方向制御モータ50の不図示の駆動軸に接続される第1駆動ギヤボックス51と、第1該駆動ギヤボックス51から2つの自在継手52、53とを介して連結され、軸方向に伸縮自在とする伸縮機構58を有する第1駆動シャフト54と、該第1駆動シャフト54の回転力を伝達し、第1の回転部材13に刻設された第1のギヤ溝23と係合する第1駆動ギヤ55を有する第1従動ギヤボックス56とを備えている。供給方向制御モータ50には、モータケーブル57が接続されており、図中上方に向けて延設されている。
【0037】
第2回転機構46は、駆動源である供給量制御モータ60と、該供給量制御モータ60の不図示の駆動軸に接続される第2駆動ギヤボックス61と、該第2駆動ギヤボックス61から2つの自在継手62、63とを介して連結され、軸方向に伸縮自在とする伸縮機構68を有する第2駆動シャフト64と、該第2駆動シャフト64の回転力を伝達し、第2の回転部材15に刻設された第2のギヤ溝40と係合する第2駆動ギヤ65を有する第2従動ギヤボックス66とを備えている。供給量制御モータ60には、モータケーブル67が接続されており、図中上方に向けて延設されている。
【0038】
駆動機構4は、図5に示すように、溶接ヘッド3を第1の壁面250と第2の壁面251との幅方向に移動自在とするZ軸機構70と、溶接ヘッド3を図中上下方向に移動自在とするY軸機構71と、該Y軸機構71に対して垂直に、かつ、各壁面250、251に対して平行に移動自在とするX軸機構72との3軸構成を有する。また、駆動機構4は、供給方向制御モータ50と供給量制御モータ60とを設置する補強板79を垂直方向に備え、Z軸機構70とY軸機構とを設置する保持板80と、溶接装置本体1を構成してなり、X軸機構72を設置する第1ベースプレート81とを備えている。
【0039】
Z軸機構70は、駆動源である第1モータ75と、該第1モータ75の回転力をボールネジ76に伝達する第1ギヤボックス77と、ボールネジ76の回転によって、溶接ヘッド3が連設された集光ユニット20を直動させるリニアガイド機構78とからなる。第1モータ75は、該モータ本体の長手方向が各壁面250、251に対して水平となるように設けられ、第1モータ75の側面部85と、保持板80の溶接ヘッド設置側側面部86とが連結される。さらに、第1モータ75には、モータケーブル87が接続されており、図5中の上方に向けて延設されている。
【0040】
Y軸機構71は、駆動源である第2モータ90と、該第2モータ90の回転力をボールネジ91に伝達する第2ギヤボックス92と、ボールネジ91の回転によって、溶接ヘッド3を含むZ軸機構70が設置された保持板80を直動させるリニアガイド機構93とからなる。第2モータ90は、該モータ本体の長手方向が各壁面250、251に対して水平となるように設けられ、駆動軸方向へ第2ギヤボックス92を介して保持板80及び補強板79に連結される。さらに、第2モータ90には、モータケーブル94が接続されており、図5中の上方に向けて延設されている。
【0041】
X軸機構72は、駆動源である第3モータ95と、該第3モータ95の回転力をボールネジ96に伝達する第3ギヤボックス97と、ボールネジ96の回転によって、溶接ヘッド3を含むZ軸機構70及びY軸機構71とが設置された保持板80を直動させるリニアガイド機構98とからなる。該リニアガイド機構98の可動部と、Y軸機構71のリニアガイド機構93の可動部とは、取付部材99を介して連結される。第3モータ95は、該モータ本体の長手方向が各壁面250、251に対して水平となるように設けられ、第3ギヤボックス97を介してベースプレート81に連結される。さらに、第3モータ95には、モータケーブル100が接続されており、図5中の上方に向けて延設されている。
【0042】
固定機構5は、第1の壁面250に接触させる固定アーム105と、第2の壁面251に接触させる可動アーム106とからなる。固定アーム105は、エアーシリンダーで形成されており、該エアーシリンダーの本体であって、溶接装置本体1を構成している第1固定板110及び第2固定板111にそれぞれ2カ所ずつ固定されている固定アーム本体112と、該固定アーム本体112の先端部に取り付けられ、第1の壁面250と直接接触する保護部材113と、前記エアーシリンダーの可動部であって、各固定板110、111に穿設された挿通孔114内を直動自在に設けられた可動シャフト115とからなる。
【0043】
第1固定板110及び第2固定板111は、溶接装置本体1に対する各固定板110、111の内側端部から立設させた側面板115を介して、それぞれ第1ベースプレート81及び第2ベースプレート116に連設されている。また、各固定板110、111から第2の壁面251側へ向けて突出している可動シャフト115の先端部には、各固定板110、111の垂直方向に直動自在に設けられたリニアガイド117を介して、可動板118が、各固定板110、111に対して1カ所ずつ設置されている。
【0044】
可動アーム106は、固定アーム105と同軸線上に設けられており、棒材である可動アーム本体120と、該可動アーム本体120の先端部に取り付けられ、第2の壁面251と直接接触する保護部材121とからなり、可動板118にそれぞれ2カ所ずつ接続されている。また、可動アーム106は、可動アーム本体120の支持部122を支点に揺動自在であり、可動アーム本体120の端部には、第4のギヤ溝123が刻設されている。
【0045】
収納機構6は、可動板118の第2の壁面251側に配設されてなり、第4のギヤ溝123と嵌合するラック溝124が刻設されたスライドプレート125と、該スライドプレート125を設置面126に対して摺動させるエアーシリンダー127とを備えている。スライドプレート125は、1カ所の可動板118に対して2カ所に配置されており、エアーシリンダー127の両端部は、前記2カ所のスライドプレート125にそれぞれ連結されている。
【0046】
位置合わせ機構7は、円管210の内周部211と係合するパッド130と、該パッド130を内周部211に対して垂直方向に直動駆動させて着脱自在とするエアーシリンダー131と、該エアーシリンダー131を先端部に固定し、保持部を支点として第2ベースプレート116に揺動自在に支持されるアーム132と、該アーム132を揺動駆動させるロータリーアクチュエーター133とを備えている。また、第2の固定板111には、位置合わせ機構7を第2ベースプレート116上に収納するために、アーム132と干渉しないように切り欠き部135を設けている。
【0047】
次に、上記図示例の作用について説明する。
溶接装置本体1は、不図示の吊下機構によって吊り下げられた状態で、被溶接部200が存在する第1の壁面250と、該第1の壁面250に相対する位置に設けられた第2の壁面251とで形成される狭隘部に導入される。溶接装置本体1の導入時には、収納機構6のエアーシリンダー127を駆動させ、可動アーム106は、各壁面250、251に対して略水平状態に傾倒させた位置(図1中の可動アーム106′)に保持させた状態とする。
【0048】
また、溶接線Sと、レーザ溶接が行われる溶接位置との位置合わせ動作の準備段階として、Y軸機構71を駆動させることにより、溶接ヘッド3を含むZ軸機構70が設置された保持板80を移動可能な最上限まで上昇させる。次に、位置合わせ機構7のロータリーアクチュエーター133を駆動させて、アーム132を第2ベースプレート116に対して垂直位置(図2中のパッド130′及びアーム132′)に移動させ、さらに、エアーシリンダー131を駆動させて、パッド130を伸張可能な最上限まで移動させる。
【0049】
位置合わせ動作は、図1に示すように、溶接装置本体1の吊下機構を適宜操作させて、パッド130′を円管210の内周部211に係合させることで行われる。また、図2に示すように、位置合わせ時のパッド130′の中心位置Pと溶接開始時の溶接中心位置Aとの距離r、即ち、円管210の外周半径(溶接線Sの円周半径)は、事前に駆動機構4の不図示の制御機器に登録させる。
【0050】
溶接装置本体1の固定動作は、パッド130′を円管210の内周部211に係合させた状態で行われる。再度、収納機構6のエアーシリンダー127を駆動させて、可動アーム106を第2の壁面251に向かって直立させる。次に、エアーシリンダーからなる固定アーム105を駆動させて、可動シャフト115を直動させることによって、可動アーム106は、可動板118を介して第2の壁面251に対して垂直方向に接触して加圧し、可動アーム106の同軸線上に設置されている固定アーム105も第1の壁面250に対して垂直方向に接触して加圧する。即ち、溶接装置本体1は、各壁面250,251に各アーム105、106が常時突っ張る状態で固定される。
【0051】
アーム132′は、固定動作終了後、再度、位置合わせ機構7のロータリーアクチュエーター133を駆動させることで第2ベースプレート116に対して水平位置(図2中のアーム132)に移動させ、さらに、エアーシリンダー131を駆動させて、パッド130を縮退可能な最下限まで移動させる。次に、溶接の準備段階として、Y軸機構71とX軸機構72とを駆動させて、溶接線S上に存在する溶接開始時の溶接中心位置Aと、溶接トーチ10のレーザ照射位置とを合致させる。また、Z軸機構70を駆動させて、被溶接部200と、溶接トーチ10との高さ距離を適切な寸法に調整する。
【0052】
次に、溶接時のフィラワイヤWの供給動作について、図3及び図4を用いて説明する。
まず、集光ユニット20に固定された溶接ヘッド3の固定部材11を取り外し、リール嵌合部25にフィラワイヤWが巻き付けられて収納されているワイヤリール24を取り付け、該ワイヤリール24取り付け後、再度、集光ユニット20に固定部材11を設置する。フィラワイヤWは、ワイヤリール24からワイヤ挿通孔27を挿通して取出され、ガイド溝33に沿ってガイドブロック32に導かれ、ワイヤ供給ギヤ31の第1ワイヤ接触面30と、ガイドギヤ34の第2ワイヤ接触面32との間に挟み込まれて、ワイヤノズル37に供給される。
【0053】
フィラワイヤWは、第2回転機構46を構成する第2駆動ギヤ65の回転が、第2のギヤ溝40に伝導することによって第2の回転部材15が回転され、さらに、第2の回転部材15の回転が、ワイヤ供給ギヤ31に伝導することによって供給される。フィラワイヤWの供給量は、第2の回転部材15の回転速度に依存しているものの、第2の回転部材15を保持し、かつ、ワイヤ供給ギヤ31を設置している第1の回転部材13の回転速度にも依存している。即ち、フィラワイヤWの供給量は、第1回転部材13を駆動する第1回転機構45と、第2回転部材15を駆動する第2回転機構46とを同時に制御して調整される。
【0054】
次に、溶接線Sが円形である被溶接部200に対する溶接動作を、図6を用いて説明する。
図6(a)〜(d)では、溶接線Sに対する、ワイヤノズル37が固定され、第1の回転部材13と、フィラワイヤWの供給量を調整し、第2の回転部材15との位置関係を示している。第1の回転部材13の回転角度は、ワイヤノズル37の設置向きで表し、第2の回転部材15の回転角度は、便宜上、三角印で表す。また、溶接方向は、溶接線Sに対して図中反時計回りであり、フィラワイヤWは、常時進行方向前方より被溶接部に供給する。
【0055】
図6(a)には、溶接開始時の各回転部材13、15の位置関係を示している。ワイヤノズル37は、上記の溶接準備段階で調整された溶接中心位置Aに向けて配置されている。ワイヤノズル37よりフィラワイヤWが供給され、同時に、遠隔部に設けられた不図示のレーザ発振器より発振されたレーザが溶接ケーブル21内に配設されている光ファイバ内を通過して、溶接トーチから照射されることにより、レーザ溶接が開始される。
【0056】
図6(b)には、溶接線Sにおいて、溶接開始点Aより1/4周進んだ点Bまで溶接が進行し、溶接ビート150bを形成した状態の、各回転部材13、15の位置関係を示している。溶接ヘッド3の移動量と移動速度は、駆動機構4を構成するY軸機構71とX軸機構72の制御動作によって行われる。制御動作は、溶接装置本体1の遠隔部に設けられた不図示の制御機器によって制御される。溶接ヘッド3の移動動作と同時に、第1の回転部材13は、ワイヤノズル37が随時被溶接部に対して前方に位置するように回転され、前記点Bにおいては、図中反時計回りに1/4回転される。また、第2の回転部材15は、第1の回転部材13に同期して回転する回転量に加え、フィラワイヤWを供給させるように回転されるので、前記点Bにおいては、図中反時計回りに1/2回転される。
【0057】
図6(c)には、溶接線Sにおいて、溶接開始点Aより1/2周進んだ点Cまで溶接が進行し、溶接ビート150cを形成した状態の、各回転部材13、15の位置関係を示している。溶接ヘッド3の移動動作と同時に、第1の回転部材13は、前記点Cにおいては、図中反時計回りに、前記点Bより、さらに1/4回転される。また、第2の回転部材15は、前記点Cにおいては、図中反時計回りに、前記点Bより、さらに1/2回転される。
【0058】
図6(d)には、溶接線Sにおいて、溶接開始点Aより3/4周進んだ点Dまで溶接が進行し、溶接ビート150dを形成した状態の、各回転部材13、15の位置関係を示している。溶接ヘッド3の移動動作と同時に、第1の回転部材13は、前記点Dにおいては、図中反時計回りに、前記点Cより、さらに1/4回転される。また、第2の回転部材15は、前記点Dにおいては、図中反時計回りに、前記点Cより、さらに1/2回転される。図6(d)以降の溶接動作については、上記と同様に、順次溶接を進行させ、溶接終了時の、溶接線Sに対する第1の回転部材13及び第2の回転部材15の位置関係は、図6(a)と同一となる。
【0059】
このように、本実施形態によれば、溶接装置本体1にワイヤ送給機構2と駆動機構4とを設置しているので、溶接線Sが円形である被溶接部200を溶接することが可能となる。溶接装置本体1には、溶接形式にレーザ溶接を採用し、各モータ本体の長手方向が各壁面に対して略水平となるように、各モータを設置しているので、第1の壁部と第2の壁部との距離に対応する、溶接装置本体1の幅方向の寸法を減少されることができ、2つの壁面間に形成されるような狭隘部でも溶接を行うことが可能となる。さらに、溶接装置本体1を狭隘部へ導入させる際には、収納機構6によって、溶接装置本体1を構成する部材が、各壁面に干渉することを防止し、スムースに導入させることが可能となる。
【0060】
また、固定機構5によって、溶接装置本体1を狭隘部に固定されるので、安定した溶接が可能となり、位置合わせ機構7によって、溶接装置本体1を適切な溶接位置に合わせることが可能となる。さらに、溶接ヘッド3にワイヤ送給機構2を組み込んでいるので、溶接ヘッド3やワイヤノズル37の動作時に、フィラワイヤWや各種ケーブルの巻き付きを防止することが可能となる。また、第1の回転部材13と、第2の回転部材15とを独立して制御することができるので、フィラワイヤWの供給方向、供給速度、及び供給量を適宜制御することが可能となる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更も加え得ることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれば、溶接ヘッドは、駆動機構により、被溶接部の溶接線に沿って三次元方向に移動されるので、溶接線が円形である場合においても、適切に溶接することが可能となる。
【0063】
第2の発明によれば、モータは、該モータ本体の長手方向が前記各壁面に対して略水平となるように、溶接装置本体に固定されるので、第1の壁部と第2の壁部との距離に対応する、溶接装置本体の幅方向の寸法を減少されることができ、狭隘部への溶接装置本体の進入が可能となる。
【0064】
第3の発明によれば、ワイヤ送給機構より、被溶接部に向けてフィラワイヤが送給されるので、フィラワイヤを必要とするレーザ溶接に対応することが可能となる。
【0065】
第4の発明によれば、第1の回転部材は、第1の回転機構によって駆動され、第2の回転部材は、第2の回転機構によって駆動されるので、第1の回転部材と第2の回転部材は、互いに独立して制御させることが可能となる。
【0066】
第5の発明によれば、第1の駆動シャフトには、第1駆動ギヤボックス及び第1従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されるので、第1駆動ギヤボックスの設置位置に対する第1従動ギヤボックスの相対位置が変化した場合でも、第1駆動ギヤボックスから第1従動ギヤボックスへ回転力を伝達させることが可能となる。
【0067】
第6の発明によれば、第2の駆動シャフトには、第2駆動ギヤボックス及び第2従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されるので、第2駆動ギヤボックスの設置位置に対する第2従動ギヤボックスの相対位置が変化した場合でも、第2駆動ギヤボックスから第2従動ギヤボックスへ回転力を伝達させることが可能となる。
【0068】
第7の発明によれば、第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトは、伸縮機構によって、軸方向に伸張自在とされるので、第2駆動ギヤボックスの設置位置に対する第2従動ギヤボックスの相対位置が変化した場合でも、第2駆動ギヤボックスから第2従動ギヤボックスへ回転力を伝達させることが可能となる。
【0069】
第8の発明によれば、第1の回転部材の内部には、ワイヤリールが着脱自在に備えられるので、溶接ヘッドやワイヤノズルの作動に伴うフィラワイヤの巻き付きを防止することが可能となり、また、フィラワイヤの収納部を溶接装置本体に独立して設ける必要がなく、溶接装置本体を小型化することが可能となる。
【0070】
第9の発明によれば、第1の回転部材には、ワイヤノズルが備えられ、供給手段によって、前記ワイヤノズルへフィラワイヤが供給されるので、第1の回転部材の回転速度を制御させることによって、フィラワイヤの供給方向を制御させることが可能となる。
【0071】
第10の発明によれば、第1のワイヤ接触面と第2のワイヤ接触面との間にフィラワイヤを挟み込み、第2の回転部材の回転力によってワイヤ供給ギヤを回転させて、フィラワイヤを供給させるので、第1の回転部材と第2の回転部材の回転速度を制御させることによって、フィラワイヤの供給速度及び供給 量を制御させることが可能となる。
【0072】
第11の発明によれば、固定機構によって、第1の壁面と第2の壁面との間に溶接装置本体を固定させるので、安定した溶接が可能となる。
【0073】
第12の発明によれば、加圧手段によって、第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、接触する壁面に対して垂直方向に押圧させるので、溶接装置本体を効率良く固定させることが可能となる。
【0074】
第13の発明によれば、第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方は、接触する壁面に対してエアーシリンダーで垂直方向に押圧されるので、電源や制御装置を使用することがなく、固定機構を小型化することが可能となる。
【0075】
第14の発明によれば、第1の支持部材もしくは第2の支持部材のどちらか一方は、収納手段によって、溶接装置本体の内側へ収納されるので、溶接装置本体を狭隘部の溶接位置まで移動させる際に、溶接装置本体が各壁面に干渉することがなく、スムースな移動が可能となる。
【0076】
第15の発明によれば、揺動手段によって、第1の支持部材もしくは第2の支持部材のどちらか一方を、溶接装置本体の固定時には壁面に向かって直立させ、溶接装置本体の移動時には壁面に対して略水平状態に傾倒させるので、収納機構を小型化することが可能となる。
【0077】
第16の発明によれば、直動手段によって、スライドプレートを摺動させ、ラック溝から第3のギヤ溝に伝達された回転力で支持部材を揺動させるので、収納される支持部材を、効率良く収納させることが可能となる。
【0078】
第17の発明によれば、スライドプレートは、エアーシリンダーによって摺動されるので、電源や制御装置を使用することがなく、収納機構を小型化することが可能となる。
【0079】
第18の発明によれば、溶接装置本体は、位置合わせ機構によって、溶接トーチの位置を連設部に合わせて固定されるので、正確な位置で溶接を行うことが可能となる。
【0080】
第19の発明によれば、アームは、ロータリーアクチュエーターによって、パッドが円管に対して垂直位置に位置するように揺動され、エアーシリンダーによって、パッドは円管の内周部に係合されるので、電源や制御装置を使用することがなく、位置合わせ機構を小型化することが可能となる。
【0081】
第20の発明によれば、溶接トーチの形式として、レーザ溶接トーチが採用されるので、電源を必要とせず、溶接トーチを含む溶接ヘッドを小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶接装置の実施形態を示す側面図である。
【図2】 本発明の溶接装置の実施形態を示す正面図である。
【図3】 本発明の溶接装置における溶接ヘッドを示す断面図である。
【図4】 本発明の溶接装置における溶接ヘッドを示す正面図である。
【図5】 本発明の溶接装置における駆動機構を示す側面図である。
【図6】 本発明の溶接装置の動作を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・溶接装置本体、2・・・ワイヤ送給機構、3・・・溶接ヘッド、4・・・駆動機構、5・・・固定機構、6・・・収納機構、10・・・溶接トーチ、13・・・第1の回転部材、15・・・第2の回転部材、23・・・第1のギヤ溝、24・・・ワイヤリール、30・・・第1のワイヤ接触面、31・・・ワイヤ供給ギヤ、32・・・第2のワイヤ接触面、34・・・ガイドギヤ、35・・・ワイヤガイド機構、37・・・ワイヤノズル、40・・・第2のギヤ溝、42・・・第3のギヤ溝、45・・・第1の回転機構、46・・・第2の回転機構、50・・・供給方向制御モータ、51・・・第1駆動ギヤボックス、52・・・自在継手、53・・・自在継手、54・・・第1駆動シャフト、56・・・第1従動ギヤボックス、58・・・伸縮機構、60・・・供給量制御モータ、61・・・第2駆動ギヤボックス、62・・・自在継手、63・・・自在継手、64・・・第2駆動シャフト、66・・・第2従動ギヤボックス、68・・・伸縮機構、75・・・第1モータ、77・・・第1ギヤボックス、78・・・リニアガイド機構(直動機構)、90・・・第2モータ、92・・・第2ギヤボックス、93・・・リニアガイド機構(直動機構)、95・・・第3モータ、97・・・第3ギヤボックス、98・・・リニアガイド機構(直動機構)、105・・・固定アーム(第1の支持部材)、106・・・可動アーム(第2の支持部材)、112・・・固定アーム本体(エアーシリンダー)、123・・・第4のギヤ溝、124・・・ラック溝、125・・・スライドプレート、127・・・エアーシリンダー、130・・・パッド、131・・・エアーシリンダー、132・・・アーム、133・・・ロータリーアクチュエーター、200・・・被溶接部、210・・・円管、211・・・内周部、250・・・第1の壁面、251・・・第2の壁面、S・・・溶接線、W・・・フィラワイヤ
Claims (14)
- 被溶接部を有する第1の壁面と、該第1の壁面に相対する位置に設けられた第2の壁面とで形成される狭隘部に導入可能な溶接装置本体と、前記第1の壁面と前記第2の壁面との間に前記溶接装置本体を固定させる固定機構と、前記被溶接部に向けてフィラワイヤを送給するワイヤ送給機構とを有し、
前記溶接装置本体は、溶接トーチを有する溶接ヘッドと、該溶接ヘッドを前記被溶接部の溶接線に沿って三次元方向に移動自在とする駆動機構とを備え、
前記溶接ヘッドは、前記溶接トーチの外周に対して回転自在に設けられ、外周に第1のギヤ溝が刻設されると共に内部に前記フィラワイヤを収納するワイヤリールが着脱自在に備えられた第1の回転部材と、該第1の回転部材の外周に対して回転自在に設けられ、外周に第2のギヤ溝が刻設された第2の回転部材とを備え、
前記第1の回転部材は、前記第2の回転部材に刻設された第3のギヤ溝と嵌合し、前記ワイヤリールから引き出された前記フィラワイヤが接触する第1のワイヤ接触面を有するワイヤ供給ギヤと、該ワイヤ供給ギヤと嵌合し、前記フィラワイヤを前記第1のワイヤ接触面に押圧させる第2のワイヤ接触面を有するガイドギヤと、前記第2の回転部材の回転に伴って前記ワイヤ供給ギヤが回転することにより供給される前記フィラワイヤを前記溶接トーチの先端部に導くワイヤノズルとを備え、
前記ワイヤ送給機構は、前記第1のギヤ溝と係合して前記第1の回転部材を回転駆動させる第1の回転機構と、前記第2のギヤ溝と係合して前記第2の回転部材を回転駆動させる第2の回転機構とを備える
ことを特徴とする溶接装置。 - 前記駆動機構は、3軸構成であって、駆動源であるモータと、該モータの駆動力を伝達するギヤボックスと、該ギヤボックスから伝達される回転力を直動力に変換する直動機構とを各軸に備えてなり、各軸の前記モータは、該モータ本体の長手方向が前記各壁面に対して略水平となるように、前記溶接装置本体に固定されることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
- 前記第1の回転機構は、駆動源である供給方向制御モータと、該供給方向制御モータの駆動力を伝達する第1駆動ギヤボックスと、該第1駆動ギヤボックスの回転出力を伝達する第1駆動シャフトと、前記第1のギヤ溝と係合し、前記第1駆動シャフトの回転を前記第1の回転部材に伝達する第1従動ギヤボックスとを備えてなり、前記第1駆動シャフトには、前記第1駆動ギヤボックス及び前記第1従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されることを特徴とする請求項1または2記載の溶接装置。
- 前記第2の回転機構は、駆動源である供給量制御モータと、該供給量制御モータの駆動力を伝達する第2駆動ギヤボックスと、該第2駆動ギヤボックスの回転出力を伝達する第2駆動シャフトと、前記第2のギヤ溝と係合し、前記第2駆動シャフトの回転を前記第2の回転部材に伝達する第2従動ギヤボックスとを備えてなり、前記第2駆動シャフトには、前記第2駆動ギヤボックス及び前記第2従動ギヤボックスとの各結合部に自在継手が接続されることを特徴とする請求項3記載の溶接装置。
- 前記第1駆動シャフト及び前記第2駆動シャフトは、軸方向に伸張自在とする伸縮機構を有することを特徴とする請求項4記載の溶接装置。
- 前記固定機構は、前記第1の壁面に接触する第1の支持部材と、前記第2の壁面に接触する第2の支持部材とを有し、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、接触する壁面に対して垂直方向に押圧させる加圧手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の溶接装置。
- 前記加圧手段は、エアーシリンダーで押圧させることを特徴とする請求項6記載の溶接装置。
- 前記溶接装置本体は、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を前記溶接装置本体の内側へ収納する収納機構を備えることを特徴とする請求項6または7記載の溶接装置。
- 前記収納機構は、前記第1の支持部材もしくは前記第2の支持部材のどちらか一方を、前記溶接装置本体の固定時には壁面に向かって直立させ、前記溶接装置本体の移動時には壁面に対して略水平状態に傾倒させる揺動手段を有することを特徴とする請求項8記載の溶接装置。
- 前記収納機構は、揺動の支点となる端部に第4のギヤ溝が刻設された揺動可能である前記第1もしくは第2のどちらか一方の支持部材と、前記第4のギヤ溝と嵌合するラック溝が刻設されたスライドプレートと、該スライドプレートを設置面に対して摺動させる直動手段とを備えてなり、前記揺動手段は、前記直動手段によって前記スライドプレートを摺動させ、前記ラック溝から前記第3のギヤ溝に伝達された回転力で前記支持部材を揺動させることを特徴とする請求項9記載の溶接装置。
- 前記直動手段は、エアーシリンダーで直動させることを特徴とする請求項10記載の溶接装置。
- 前記被溶接部は、前記第1の壁面と、該第1の壁面から前記狭隘部に対して反対方向に連設された円管の外周部との連設部であって、前記溶接装置本体は、前記溶接トーチの位置を前記連設部に合わせて前記溶接装置本体を固定させる位置合わせ機構を有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の溶接装置。
- 前記位置合わせ機構は、前記円管の内周部と係合するパッドと、該パッドを前記内周部に対して垂直方向に直動駆動させて着脱自在とするエアーシリンダーと、該エアーシリンダーを先端部に固定し、保持部を支点として前記溶接装置本体に揺動自在に支持されるアームと、該アームを揺動駆動させるロータリーアクチュエーターとを備えることを特徴とする請求項12記載の溶接装置。
- 前記溶接トーチは、レーザ溶接トーチであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の溶接装置。
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