JP4154616B2 - ＰｏＣ及びＰｏＣ拡張コミュニケーションシステムへの広告挿入方法およびサーバ - Google Patents

Description

本発明は、ＰｏＣ（Push To Talk over Cellular）及びＰｏＣを拡張したコミュニケーションシステムに関し、特に広告挿入を可能とする方法およびサーバに関する。

ＰｏＣ通信は、インターネットプロトコルであるＳＩＰ（RFC 3216）を利用した通信で、携帯電話のネットワークを使用してグループ間の通信を可能とするものであり、例えば、特許文献１（特開２００５−２６０９７３号公報）に開示されている。

ＰｏＣコミュニケーションシステムにおいては、ＰｏＣサーバに接続された複数の端末があり、半二重通信によって音声の送受信を行う。

送信を行う場合は、まず端末はＰｏＣサーバに対して発話権を要求する。ＰｏＣサーバは別途定められた手順により発話権を承認するかどうか決定し、承認する場合は端末に対して発話権を発行する。発話権を受け取った端末は、音声発話をＰｏＣサーバに対して送信する。発話権を保持していない端末には、ＰｏＣサーバから発話が送られる。こうして半二重通信で複数の端末間での音声コミュニケーションを実現している。

ＰｏＣは、比較的狭い通信帯域を有効活用して、２、あるいはそれ以上の数の端末間での音声コミュニケーションを実現できるものであり、近年大きな注目を集めている。また、国際標準化も進められており、今後広く普及することが期待されている。ＯＭＡ（Open MobileAlliance）によるＰｏＣ標準化活動結果は、http://www.openmobilealliance.org/release_program/poc-v1_0.htmlに掲載されている。
特開２００５−２６０９７３号公報

ところで、ウェブ上で提供されるサービスやコンテンツには無料のものが多い。その多くは広告モデルと呼ばれるビジネスモデルを採用している。これは、ブラウザの表示範囲の一部に広告を表示したり、電子メールの途中に広告文を混ぜたりすることで、広告収入を獲得するというモデルであり、さまざまなバリエーションが存在している。

しかしながら、電話を含む音声通信においてはこの種の広告モデルはほとんど用いられていない。わずかに、通話の始まる前に音声広告を挿入するというモデルが実施されているにとどまっている。

これは、通話が始まってしまうと広告を挿入する位置やタイミングの決定が非常に困難であり、しばしば会話そのものを妨げてしまい、その結果ユーザに不快感を与えてしまい広告効果を打ち消してしまうからであった。また、冒頭に広告を入れるモデルの場合は、通話時間が長くなると、提供便益と広告量がかけ離れてしまうという問題も発生していた。

広告モデルはサービスの普及に効果的な場合が多いが、音声通信においては、この広告モデルを有効に活用することができていないという問題点がある。

本発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、マルチメディア通信を含む音声通信においても広告を挿入することのできる方法およびサーバを実現することを目的とする。

本発明の方法を実現するサーバは、複数の端末のＰｏＣ通信を管理するサーバであって、
前記複数の端末の発話権の管理を行う発話権管理部と、
前記複数の端末とデータの送受信を行うデータ分配部と、
広告データを格納し、前記データ分配部を介して格納する前記広告データを前記複数の端末へ送信する広告制御部とを有し、
前記発話権管理部は、前記複数の端末のいずれかに発話権を発行するとその旨を示す発話権発行通知を前記広告制御部へ送信し、
前記広告制御部は、前記発話権発行通知を受け付けると、格納する広告データを前記データ分配部へ送信し、
前記データ分配部は、前記広告制御部からの広告データを受け付けると、該広告データと発話権が発行された端末からの発話データとを発話権が発行された端末以外の端末のそれぞれに送信する。

本発明は、ＰｏＣ及びＰｏＣを拡張したコミュニケーションシステムにおいて、ＰｏＣの特徴である発話権制御のメカニズムを有効利用することで、コミュニケーション阻害を抑制しつつ広告を挿入する手法を提供するものである。

ＰｏＣは発話権によって会話がコントロールされている。この発話権情報を利用することで、広告挿入タイミングを制御する。発話権を獲得した端末は発話を送信する。この送信が終わると次にいずれかの端末が発話権を獲得するまでは誰も発話を送信することはない。そこで、広告制御サーバは発話配送が終了したあとに、発話権管理部に一時発話権の発行を停止するように命じ、その後に音声メディア分配部に対して広告の送信を命じる。広告の送信が終わったら、広告制御サーバは発話権管理部に対して、端末への発話権の発行を許可する。

以上説明したように、本発明によれば、ＰｏＣの制御信号を監視することで広告挿入タイミングを決定することができ、発話権管理をコントロールすることで広告を挿入することができ、ユーザー与える不快感を抑制しつつ効果的に広告を挿入することができるという特徴を有する。

次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。

図１は本発明による一実施例の要部構成を示すブロック図、図２は、図１に示した実施例において行われる通常のＰｏＣ通信サービスのセッション状態を示す信号図である。

本実施例は図１に示されるように、端末Ａ，Ｂ，Ｃと、ＰｏＣ通信における発話権を管理する発話権管理部１０１と、端末Ａ，Ｂ，Ｃとデータの送受信を行う音声メディア分配部１０２と、広告データを格納し、音声メディア分配部１０２を介して広告データを各端末に分配する広告制御サーバ１０３と、から構成されている。

端末Ａ，Ｂ，Ｃ、広告制御サーバ１０３のそれぞれは発話権管理部１０１および音声メディア分配部１０２に接続されている。

図２に示す状態では、端末Ａ，Ｂ，Ｃの３つの端末がＰｏＣ通信サービスによるセッションを行っている。

まず、端末Ａが発話権を発話権管理部１０１に要求し、発話権を獲得した後に発話１のデータを送信する。

発話１のデータは、端末Ｂ，Ｃに送られる。発話１ののデータ送信終了後に、端末Ｂが発話権を発話権管理部１０１に要求し、発話権獲得後に発話２のデータを送信している。発話２のデータは、端末Ａ，Ｃに送られる。

こうして、半二重通信での音声コミュニケーションが実現されている。

図３は本発明の一実施例を示す信号図である。

まず端末Ａが発話権管理部１０１に発話権を要求し、発話権を獲得した後に発話１のデータを送信する。発話１のデータは、端末Ｂ，Ｃに送られる。

端末Ａからの発話１のデータの送信が終了すると、音声メディア分配部１０２は広告制御サーバ１０３に発話終了を示す発話終了通知を送信する。

広告制御サーバ１０３は、発話終了の通知を受けると発話権管理部１０１に対して発話権保留を命じる。

発話権保留を命じられた発話権管理部１０１は、端末Ｂから送られてきた発話権要求に対して応答を一時保留する。

広告制御サーバ１０３は音声メディア分配部１０２に対して広告のデータを送る。音声メディア分配部１０２は、各端末に対して広告のデータを送る。

広告のデータの送信が終了したら、広告制御サーバ１０３は発話権管理部１０１に対して発話権許可を命じる。発話権管理部１０１は保留しておいた端末Ｂからの発話権要求に応答し、発話権を発行する。

発話権を獲得した端末Ｂは、発話２のデータを送信する。発話２のデータは、端末Ａ，Ｃに送られる。

上記の信号図において、各端末の処理は図２で示された手順と変わらない。従って、標準的なＰｏＣ通信の手順に対応した端末であれば、サーバ側に発話権管理部１０１と、音声メディア分配部１０２と、広告制御サーバ１０３を設ける改造のみで本実施例が実現可能となる。

図４は、本発明の他の実施例の動作を示す信号図である。

本実施例はセッション開始直後に１度だけ広告が挿入される実施例である。

まず、端末Ａ，Ｂ，Ｃでセッションが開始される。ＰｏＣ通信のセッションが開始されると、広告制御サーバ１０３は、発話権管理部１０１に対して発話権保留を命じる。

発話権保留を命じられた発話権管理部１０１は、端末Ａから送られてきた発話権要求に対して応答を一時保留する。広告制御サーバ１０３は音声メディア分配部１０２に対して広告を送る。

音声メディア分配部１０２は、各端末に対して広告のデータを送る。広告のデータの送信が終了したら、広告制御サーバ１０３は発話権管理部１０１に対して発話権許可を命じる。発話権管理部１０１は保留しておいた端末Ａからの発話権要求に応答し、発話権を発行する。発話権を獲得した端末Ｂは、発話１のデータを送信する。発話１のデータは、端末Ａ，Ｃに送られる。

上記の信号図において、各端末の処理は図２で示された手順と変わらない。従って、標準的なＰｏＣ通信の手順に対応した端末であれば、サーバ側に発話権管理部１０１と、音声メディア分配部１０２と、広告制御サーバ１０３を設ける改造のみで本実施例が実現可能となる。

図５は、本発明の他の実施例の動作を示す信号図である。

本実施例は各発話の先頭に広告を挿入する実施例である。

まず、端末Ａが発話権管理部１０１に対し発話権を要求する。発話権管理部１０１は、端末Ａ及び広告制御サーバ１０３に対して、端末Ａに発話権が発行されたことを示す発話権発行通知を送信する。

広告制御サーバ１０３は、音声メディア分配部１０２に対して広告のデータを送る。音声メディア分配部１０２は、各端末に対して広告のデータを送る。このとき、端末Ａは発話権を持っているため、半二重通信の制約に従って端末Ａには広告のデータは送られない。また、端末Ａは発話権を持っているので、発話１のデータの送信を開始する。

本実施例のケースでは、広告の配信中に発話１のデータの送信が開始される場合がある。このときは音声メディア分配部１０２が広告のデータ配信が終わるまで発話１のデータを保存しておき、広告のデータの送信が終了してから発話１のデータの配信を行う。

上記の信号図において、各端末の処理は図２で示された手順と変わらない。従って、標準的なＰｏＣ通信の手順に対応した端末であれば、サーバ側に発話権管理部１０１と、音声メディア分配部１０２と、広告制御サーバ１０３を設ける改造のみで本実施例が実現可能となる。

図６は、本発明の他の実施例を示す信号図である。

本実施例は、一定時間の間会話が途切れたら広告を挿入する実施例である。

まず、端末Ａが発話権管理部１０１に対し発話権を要求する。発話権管理部１０１は、端末Ａ及び広告制御サーバ１０３に発話権が発行されたことを示す発話権発行通知を送信する。端末Ａは発話権を持っているので、発話１のデータの送信を開始する。

音声メディア分配部１０２は端末Ｂ，Ｃに対して発話１のデータを配信する。発話１のデータの配信が終わると、音声メディア分配部１０２は広告制御サーバ１０３に対して、発話配送が終了したことをを示す発話終了通知を送信する。

広告制御サーバ１０３は、発話終了通知を受け付けた後、一定時間経過しても次の発話権発行通知を受け付けなかったら、発話権管理部１０１に発話権を要求する。広告制御サーバ１０３は発話権が獲得できたら、音声メディア分配部１０２に広告のデータを送信する。音声メディア分配部１０２は端末Ａ，Ｂ，Ｃに広告のデータを配信する。

上記の信号図において、各端末の処理は図２で示された手順と変わらない。従って、標準的なＰｏＣ通信の手順に対応した端末であれば、サーバ側に発話権管理部１０１と、音声メディア分配部１０２と、広告制御サーバ１０３を設ける改造のみで本実施例が実現可能となる。

図７は本発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。本実施例はＰｏＣ通信サービスが音声メディアだけでなくマルチメディアを扱うように拡張された実施例であり、図１に示した構成に加えて、映像などを配信するためのマルチメディア分配部１０４が設けられている。

端末Ａ，Ｂ，Ｃ、広告制御サーバ１０３のそれぞれは発話権管理部１０１、音声メディア分配部１０２およびマルチメディア分配部１０４に接続されている。

図８は本実施例の動作を示す信号図である。

セッション開始時に、マルチメディア分配部１０４はマルチメディア利用状況について広告制御サーバ１０３に通知する。広告制御サーバ１０３はセッションで利用されていないメディアを指定して広告のデータを送信し、マルチメディア分配部１０４は端末Ａ，Ｂ，Ｃに対して広告のデータを送信する。

本実施例では、広告は発話権や発話やセッション開始のタイミングとは独立したタイミングで送られているが、図３，４，５，６で示したタイミングで広告のデータを送ることも可能である。

なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、端末は携帯機器だけでなく固定のものであっても、ＰＣなどのソフトウェア上で実現されるものであっても構わない。端末は人間が操作しないものであっても構わない。また、実施例では端末の個数を３としたが、これは２や４以上であっても構わない。

また、発話権管理部１０１、音声メディア分配部１０２、広告制御サーバ１０３は独立のものとして示したが、これらはＰおＣ通信を管理するサーバの中に設けられるものとしても当然よい。マルチメディア分配部１０４と音声メディア分配部１０２は独立に設けられるものとして示したが同じ分配部としてもよい。

なお、本発明はＰｏＣ通信に広告を挿入する技術であるため、広告主がＰｏＣ通信の料金を負担することが考えられる。この場合の課金形態は、ウェブ上で提供されるサービスやコンテンツにおけるビジネスモデルを適用することができる。

例えば、発呼者あるいは被呼者、またはその両方に対して課金を行う通常の課金形態と、本発明による広告挿入によりＰｏＣ通信の料金を無料、割引、クーポンの発行などの課金形態をユーザが選択することとしてもよい。

また、これらの課金体系をシステムの指定により行き来するモデル、例えば、プリペイドが切れると広告モードになる、広告が煩わしいと思ったユーザが課金を認めて通常モードになる、などが考えられる。

本発明による一実施例の要部構成を示すブロック図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。 本発明による一実施例の要部構成を示すブロック図である。 本発明による一実施例の動作を示す信号図である。

符号の説明

１０１ 発話権管理部
１０２ 音声メディア分配部
１０３ 広告制御サーバ
１０４ マルチメディア分配部
Ａ，Ｂ，Ｃ 端末

Claims (2)

1. 複数の端末のＰｏＣ通信を管理するサーバであって、
   前記複数の端末の発話権の管理を行う発話権管理部と、
   前記複数の端末とデータの送受信を行うデータ分配部と、
   広告データを格納し、前記データ分配部を介して格納する前記広告データを前記複数の端末へ送信する広告制御部とを有し、
   前記発話権管理部は、前記複数の端末のいずれかに発話権を発行するとその旨を示す発話権発行通知を前記広告制御部へ送信し、
   前記広告制御部は、前記発話権発行通知を受け付けると、格納する広告データを前記データ分配部へ送信し、
   前記データ分配部は、前記広告制御部からの広告データを受け付けると、該広告データと発話権が発行された端末からの発話データとを発話権が発行された端末以外の端末のそれぞれに送信するサーバ。
2. 複数の端末のＰｏＣ通信を管理し、前記複数の端末の発話権の管理を行う発話権管理部と、前記複数の端末とデータの送受信を行うデータ分配部と、広告データを格納する広告制御部とを有するサーバで行われる広告挿入方法であって、
   前記広告制御部が、前記データ分配部を介して格納する前記広告データを前記複数の端末へ送信し、
   前記発話権管理部が、前記複数の端末のいずれかに発話権を発行するとその旨を示す発話権発行通知を前記広告制御部へ送信し、
   前記広告制御部が、前記発話権発行通知を受け付けると、格納する広告データを前記データ分配部へ送信し、
   前記データ分配部が、前記広告制御部からの広告データを受け付けると、該広告データと発話権が発行された端末からの発話データとを発話権が発行された端末以外の端末のそれぞれに送信する広告挿入方法。

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