Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4154362B2 - 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム - Google Patents

無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム Download PDF

Info

Publication number
JP4154362B2
JP4154362B2 JP2004109036A JP2004109036A JP4154362B2 JP 4154362 B2 JP4154362 B2 JP 4154362B2 JP 2004109036 A JP2004109036 A JP 2004109036A JP 2004109036 A JP2004109036 A JP 2004109036A JP 4154362 B2 JP4154362 B2 JP 4154362B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless lan
antenna
circularly polarized
frequency
mobile station
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004109036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004364262A (ja
Inventor
卓也 日下
直樹 田村
政克 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2004109036A priority Critical patent/JP4154362B2/ja
Publication of JP2004364262A publication Critical patent/JP2004364262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4154362B2 publication Critical patent/JP4154362B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Waveguides (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)

Description

本発明は、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を伝送し合う無線LAN システム、これに用いられる無線LAN アンテナ、このアンテナが組み込まれた無線LAN 基地局用アンテナ、このアンテナが組み込まれた無線LAN 移動局端末アンテナ、このアンテナが組み込まれた端末用無線LAN カードに関するものである。
(無線LAN システム)
近年、高度情報化社会への発展に伴って、ビルなどのオフィス内、あるいは工場や倉庫などの構内、一般の住宅内や事務所内等々の屋内、更には、屋内以外の、商店街などのアーケード、駅プラットホーム、空港ターミナル、あるいはテントなどの大型仮設構造物やイベント会場など、一定の区域における無線通信網を形成する無線LAN システム(区域内無線通信網) の使用が拡大しつつある。
(無線LAN システム用高周波線路)
この無線LAN システムにおいては、無線LAN 基地局 (親機) と、区域内に配置された多数の無線LAN 移動局 (子機) との間で、広い周波数帯域の高周波(以下電磁波とも言う)を用いて通信が行われる。この通信のためには、高周波の導波路(高周波線路)が不可欠であって、ステンレス、鋼、銅、アルミニウムなどの導電性金属からなる導波管か、同軸ケーブルのような導波管以外のマイクロ波伝送路の他に、場所を多くとらず、簡便に設置できるストリップ状の高周波線路が使用される。
このような高周波マイクロストリップ線路の内で、本発明者らは、先に、誘電材料からなる長尺誘電体層と、この誘電体層を挟む導電性材料からなる一対の長尺グランド層とを積層してなり、前記誘電体層内に信号線を誘電体層長手方向に配設し、前記グランド層の一部に高周波結合用の開口部を設けた、可撓性の高周波マイクロストリップ線路 (以下、高周波マイクロストリップ線路を単に高周波線路とも言う) を提案した (特許文献1、2参照)。
特開2002-353707 号公報 (請求項、図1 ) 特開2003-174457 号公報 (請求項、図1)
このような高周波マイクロストリップ線路は、可撓性を有し、高周波ストリップ線路自体が目的に応じて自在に変形でき、無線LAN システム区域内の設置条件に応じて障害物を越える乃至迂回するなどして、マクロ的に設置する場合に適している。また、設置作業や設置場所への運搬などの取り扱いも簡便である。
このような高周波線路を屋内用の無線LAN システムに適用した例を図1 に正面図で示す。図1 において、高周波線路1aは、例えば建屋の屋内天井 (区域の上方) に沿って設けられており、この高周波線路1aの一方の端部は無反射終端器とされ、他方の端部に、同軸ケーブル12を介して、無線LAN 基地局 (以下、無線LAN 親局、無線LAN 親機とも言う)11 が接続されている。また、屋内には前記無線LAN 基地局11と交信する複数の無線LAN 移動局 (以下、子局、移動局端末、子機群、端末機群とも言う)9a 、9b、9cが配置されている。これら移動局9a、9b、9cは、各々が有する端末用無線LAN カード5 に使用されているアンテナ素子を用いて、無線LAN 基地局のアンテナ6 との通信を行なう。
これら各無線LAN 移動局との良好な通信が確保できるよう、これら移動局9a、9b、9cのレイアウトに応じて、無線LAN 基地局のアンテナには、例えばパッチアンテナ (平面アンテナ) 6 が、アンテナ素子として、一定間隔を開けて高周波線路1aに各々配置されている。
このような無線LAN システムにおいては、無線LAN 基地局と、区域内に配置された多数の無線LAN 移動局との間で通信する際に、無線LAN 移動局が通信可能なエリアが大きく制限されるという問題が生じやすい。
(無線LAN 移動局側の問題)
無線LAN 移動局の通信可能なエリア制限の原因のひとつとしては、無線LAN 移動局側の問題に起因する、マルチパスフェージングの問題がある。このマルチパスフェージングの問題から、以下に説明する。
前記した無線LAN システムにおいて、無線LAN 移動局側のレイアウトによっては、隣り合うパッチアンテナ6a、6b同士の高周波の混信( マルチパスフェージング) が生じる場合がある。このマルチパスフェージングが生じた場合は、隣接するアンテナユニットから送信される同心円状に伝播する高周波が互いに完全に打ち消し合い、通信エラーが発生しやすく、無線LAN 移動局(端末)の位置(場所)によっては、データ通信が困難となる。
このマルチパスフェージングの影響を軽減する方法として、無線LAN 基地局を、円偏波(左旋回と右旋回)あるいは直線偏波(45°偏波、135 °偏波)という互いに直交する2 つの偏波成分の電波を送信するものとする偏波ダイバーシティの伝送方式がある。この偏波ダイバーシティの伝送方式においては、無線LAN 移動局端末側も、例えば、前記送信電波の互いに直交する2 つの偏波成分をそれぞれ受信する2 組の受信アンテナを有し、この受信アンテナの出力を切り換えるあるいは合成して、偏波ダイバーシティ受信を行なう (特許文献3参照) 。
特開2000-115044 号公報 (請求項、図1)
ただ、この偏波ダイバーシティ伝送方式でも、その通信環境によって、無線LAN 移動局の受信状態が大きく影響される。例えば、見通しの良い室内エリアでは、通信への影響は、天井、壁、床等の比較的反射率の小さい材料からの反射のみとなり、偏波ダイバーシティの効果が大きく期待できる。しかし、この偏波ダイバーシティ伝送方式では、基地局アンテナと移動局端末アンテナとの距離が例えば10m を越えて長くなる (遠くなる) 環境では、電波の反射が増えて高速通信が困難になるという問題がある。即ち、アンテナ間の距離が遠くなるほど、例えば、後述する図10で説明する工場建屋内のように、アンテナ間の見通しを遮蔽する物体が存在したり、電波を反射しやすい金属製の構造物などが多くなる。このため、基地局アンテナおよび移動局端末アンテナで受信できる信号レベルが大幅に下がり、かつマルチパス成分が増えるため、受信S/N が低下して、高速通信が困難になる。
また、この偏波ダイバーシティの伝送方式として、通常用いられる直線偏波を使用する場合、基地局アンテナと移動局端末アンテナ間で見通しの無い場合には、反射により複数の経路を経て受信される波同士が干渉しやすい。このため受信S/N が低下して高速通信が困難となる。
したがって、このような問題なく、マルチパスフェージングの影響を軽減するためには、無線LAN 基地局側で、直線偏波ではなく、左右いずれかに旋回して伝播する円偏波の高周波を使用することが好ましい。そして、この円偏波の高周波を発信するアンテナとして円偏波アンテナを使用することが好ましい。
このため、前記図1 の無線LAN システムの例では、無線LAN 基地局側のアンテナを、旋回方向が互いに異なる円偏波アンテナ素子を交互に配置した構成としている。より具体的には、無線LAN 基地局側のパッチアンテナ6aを右回り (右旋回) の右円偏波アンテナ素子とし、これと隣り合うパッチアンテナ6bを左回り (左旋回) の左円偏波アンテナ素子としており、これらの旋回方向が互いに異なる円偏波アンテナ素子を交互に配置している。
(無線LAN 基地局側の問題)
また、前記無線LAN システムにおいては、以上説明したマルチパスフェージング以外に、無線LAN 基地局側の問題から、それぞれの無線LAN 基地局を中心とする複数の独立したネットワークグループを通信エリア内に空間的に形成する場合に、基地局アンテナの放射特性により、無線LAN 移動局が通信可能なエリアが大きく制限されるという問題がある。この問題について、以下に説明する。
前記無線LAN システムにおいて、前記複数の独立したネットワークグループを空間的に形成する場合には、通常は、例えば図24の斜視図に示す通り、複数のアクセスポイント (無線LAN 基地局) のアンテナ 202A 、202Bを、通信エリア内に、空間的に離して設置する。この場合には、複数の無線LAN 基地局から放射する電波による前記マルチパスフェージングを防止して、明瞭な区分エリアを構成するために、アクセスポイントのアンテナから放射する電力を調整して小さくし、無線LAN 子局が通信可能なエリアを制限せざるを得ない。
一般的には、このようなアクセスポイント (無線LAN 基地局) のアンテナとして、図24に斜視図で示すような、半波長ダイポールアンテナ202A、202Bが使用される。この場合、無線LAN 子局が通信可能なエリアは、点線で示すサークルA 、サークルB のように、各々、ダイポールアンテナ202A、202B位置を中心とした円内となる。
このため、無線LAN 子局がどのダイポールアンテナ202A、202B (アクセスポイント) にも接続できない、不感地帯が必然的に生じる。また、ダイポールアンテナでは、各アンテナ202A、202Bからの電源とデータ線とを床面に敷く必要があるので、このための配線工事の手間がかかるという問題もある。
これに対し、前記ダイポールアンテナに代わり、前記図1 に用いられるパッチアンテナなどの指向性の高い平面アンテナを複数用いて、多方向に向けて配置し、広い通信エリアを確保する方法がある。
図25は、このような平面アンテナを用いた例を斜視図で示している。この図25では、例えば、4 枚の平面アンテナ202A、202B、202C、202Dを各4 つの方向に各々配置し、二つのアクセスポイント (無線LAN 基地局) 200A、200Bと、スイッチ・合成分配回路201 を介して、コネクタ203 、同軸ケーブル204 によって接続した例を示している。
このような平面アンテナを用いて、前記複数のネットワークグループを空間的に形成する場合には、前記スイッチ・合成分配回路201 を制御して、二つの各アクセスポイント200A、200Bと、4 枚の平面アンテナ202A、202B、202C、202Dとの各接続を切り換える。
即ち、図26の平面図に、これら二つのアクセスポイント200A、200Bの通信可能なカバーエリアを各々円で示す。この図26では、例えば、アクセスポイント200Aの通信可能なカバーエリアを各々斜線の入った円で、アクセスポイント200Bの通信可能なカバーエリアを各々無地の円で、各々示す。ここにおいて、前記したスイッチ・合成分配回路201 によって、アクセスポイント200Aは、図の上下方向に各々向いた平面アンテナ202A、202Cと接続され、一方アクセスポイント200Bは図の左右方向に各々向いた平面アンテナ202B、202Dと接続されている。
したがって、アクセスポイントによる複数の独立したネットワークグループを空間的に形成し (前記図26の例では2 個のグループ) 、各カバーエリアを切り換える場合には、このような平面アンテナを用いることによって、前記ダイポールアンテナのような不感地帯発生は防止できる。
(無線LAN 移動局側の課題)
無線LAN 基地局側に前記円偏波アンテナ素子を用いた場合には、当然偏波面が旋回する。これに対して、無線LAN 移動局9a、9b、9cの端末用無線LAN カードにおけるアンテナ素子として、水平または垂直の直線偏波のアンテナ素子を用いた場合、円偏波アンテナ素子を用いた場合に比して、受信電力が3dB 程度減少する問題が発生する。一般的な無線LAN 移動局の端末用無線LAN カードに使用されているダイポールアンテナ素子は、この直線偏波のアンテナである。
したがって、無線LAN 基地局側が円偏波アンテナ素子を用いた場合に、上記受信電力減少の問題が必然的に起こる。また、ダイポールアンテナ素子は指向性が弱く、端末側アンテナから無線LAN 基地局アンテナへの上り方向には、マルチパスフェージングの影響を特に受けやすいという問題もある。
これに対し、無線LAN 移動局の端末用無線LAN カードに使用されているアンテナ素子を、無線LAN 基地局側のアンテナ素子と同じく、円偏波アンテナ素子とすることが考えられる。しかし、この場合には、端末用無線LAN カードにおける単一の高周波線路からなるアンテナにおいては、アンテナ素子を、右円偏波アンテナ素子か、左円偏波アンテナ素子かの、いずれか単一の円偏波アンテナ素子に統一する必要がある。
このように、無線LAN 移動局端末側を右円偏波か左円偏波かの単一のアンテナ素子とした場合、移動局端末側の円偏波アンテナの偏波面旋回方向と同じ方向の無線LAN 基地局アンテナ (円偏波アンテナ素子) の位置でしか受信できなくなる。即ち、逆の方向の円偏波アンテナ素子 (無線LAN 基地局アンテナ) 位置では、全く受信できないことなる。このため、無線LAN 移動局端末の位置によって、受信できる位置と、そうでない位置が必然的にできてしまう。また、移動局端末側の円偏波アンテナ素子の姿勢 (向き、方向) によっても、高いレベルで送受信できる場合とそうでない場合とができやすくなる。
更に、移動局端末側から、無線LAN 基地局に配置された複数のアンテナの内、送受信アンテナとして最良のアンテナ素子を選択する手段がなく、移動局端末側から最良の基地局側アンテナ素子を選択しにくいという問題もあった。
したがって、無線LAN 基地局アンテナが円偏波アンテナ素子を用いた場合に、通信可能なエリアを制限するマルチパスフェージングの問題に対して、無線LAN 移動局の通信環境によらず高速通信が可能な、無線LAN 移動局側の改善が求められていた。
(無線LAN 基地局側の課題)
前記無線LAN システムにおいて、複数のネットワークグループを空間的に形成する場合、前記図25に示した、ストリップ状の高周波マイクロストリップ線路などの指向性の高い平面アンテナを用いれば、前記した通り、無線LAN 移動局の広い通信エリアを確保できる。
しかし、前記図25の通り、平面アンテナを、アクセスポイントと、コネクタ203 、同軸ケーブル204 などによって接続する必要がある。このため、これらコネクタ203 や同軸ケーブル204 の配線量が増すにつれてコストが大きく増大して、通信エリアが大きくなるほど現実的な無線LAN システムとは言えなくなる。
したがって、前記無線LAN システムにおいて、複数のネットワークグループを空間的に形成する際に、前記図25に示したようなストリップ状の高周波マイクロストリップ線路などの指向性の高い平面アンテナを用いた場合にも、コストが大きく増大せずに、無線LAN 移動局の広い通信エリアを確保できる無線LAN 基地局側の改善が求められていた。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、その目的は、無線LAN 移動局側や無線LAN 基地局側の課題を解決し、通信可能なエリアを制限することのない、無線LAN アンテナ、無線LAN アンテナの制御方法、無線LAN 基地局用アンテナ、無線LAN 移動局端末アンテナ、端末用無線LAN カードおよび無線LAN システムを各々提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明の無線LAN アンテナの要旨は、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を伝送し合う無線LAN システムに用いられる無線LAN アンテナであって、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造を持つ高周波線路と、該高周波線路に配置された旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子とからなり、旋回方向の異なる前記複数の円偏波アンテナ素子をそれぞれ間隔を開けて、前記高周波線路に配置するに際し、前記高周波線路が複数の高周波マイクロストリップ線路からなるとともに、前記円偏波アンテナ素子が前記複数の高周波マイクロストリップ線路上のそれぞれに略同じ位置で配置され、これら配置された円偏波アンテナ素子が、それぞれ旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であることである。
また、本発明の無線LAN アンテナの制御方法の要旨は、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を伝送し合う無線LAN システムに用いられる無線LAN アンテナの制御方法であって、前記無線LAN アンテナが、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造を持つ高周波線路と、該高周波線路に配置された旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子とからなり、前記高周波線路が複数の高周波マイクロストリップ線路からなるとともに、前記円偏波アンテナ素子が前記複数の高周波マイクロストリップ線路上のそれぞれに略同じ位置で配置され、これら配置された円偏波アンテナ素子が、それぞれ旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であり、これら複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態を切り換えることによって通信状態を制御することである。
また、本発明の無線LAN 基地局用アンテナの要旨は、上記無線LAN アンテナが組み込まれたことである。
また、本発明の無線LAN 移動局端末用アンテナの要旨は、上記無線LAN アンテナが組み込まれたことである。
また、本発明の端末用無線LAN カードの要旨は、上記無線LAN アンテナが組み込まれたことである。
また、本発明の無線LAN システムの要旨は、上記無線LAN アンテナが組み込まれた、無線LAN 基地局用アンテナおよび/または無線LAN 移動局端末用アンテナとの間で無線通信網を形成することである。
本発明の上記無線LAN アンテナを、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末とに用いることで、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末との間に遮蔽物が存在しても、三次元的な空間として見た場合、内に互いに見通すことができる同じ向きの円偏波アンテナ素子が、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に必ず存在するようになる。
この結果、無線LAN 移動局側の課題が解決され、無線LAN 移動局端末アンテナの位置や姿勢、無線LAN 基地局アンテナと無線LAN 移動局端末アンテナとの距離などによらず、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末との間で、無線LAN 移動局の通信可能なエリアを制限することのない高速通信が可能となる。
また、本発明無線LAN アンテナは、高周波マイクロストリップ線路構造と、線路に配置する旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子とからなり、構成がコンパクトで簡単である。
この結果、本発明の上記無線LAN アンテナを、無線LAN 基地局に用いることで、無線LAN 基地局側の課題が解決され、複数のネットワークグループを空間的に形成する無線LAN システムにおいて、コストが大きく増大せずに、通信可能なエリアを制限することのない、無線LAN 移動局の広い通信エリアを確保できる。
また、本発明の無線LAN アンテナによって、複数のネットワークグループを空間的に形成する無線LAN システムにおける、複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態切り換えによる通信状態の制御が簡便に行なえるようになる。
また、本発明無線LAN アンテナを、無線LAN 移動局端末アンテナ、端末用無線LAN カードとすることで、これらが簡便に無線LAN システムに適用できる。
このため、本発明は、無線通信網を形成する区域が屋内である屋内用無線LAN システムに適用されて好適であるが、更に、アーケード、プラットホーム、ターミナル、あるいは大型の構造物や建屋、工場、会場などに適用されても高速通信が可能となる。
また、本発明の無線LAN アンテナに、アンテナ素子の送受信を電気的に制御するスイッチを更に設けてやれば、移動局端末側や、無線LAN 基地局側のアンテナの内、送受信アンテナとして最良のアンテナを選択および制御しやすくなる利点もある。
本発明の実施の形態を以下に図を用いて説明する。
(無線LAN 移動局側の課題解決)
先ず、本発明無線LAN アンテナを、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に用い、通信環境と無線LAN 基地局とを要因とするマルチパスフェージングを防止して、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末との間で、無線LAN 移動局の通信可能なエリアを制限することのない高速通信が可能となる、無線LAN アンテナ、無線LAN アンテナの制御方法、無線LAN 基地局用アンテナ、無線LAN 移動局端末アンテナ、端末用無線LAN カードおよび無線LAN システムの態様について、以下に説明する。
(前提となる屋内用の無線LAN システム)
図1 は前提となる屋内用の無線LAN システムを示す概念図である。図2 は前提となる無線LAN 基地局用の高周波線路を示し、(a) は高周波線路1aの斜視図、(b) は高周波線路1aの断面図である。図3 は前提となる無線LAN 基地局用の円偏波アンテナを示す斜視図である。本発明において、無線LAN 移動局端末アンテナを除く、無線LAN 基地局の具体的な構成、無線LAN 基地局の高周波マイクロストリップ線路と円偏波アンテナ素子の具体的な構成、無線LAN 移動局自体の具体的な構成は、前記特願2002-312767 号などと基本的に同じである。
先ず、本発明の前提となる無線LAN システムの構成は、図1 で前記した通りである。図1 の無線LAN システムは通常のオフィス、事務所などの屋内での使用を想定している。図1 において、無線LAN 基地局用アンテナを構成する高周波線路1aは、例えば屋内の天井に沿って設けられている。無線LAN 基地局用アンテナは、無線LAN 移動局端末アンテナとの見通しを良くするために、天井など、屋内の上方 (区域の上方) に位置させることが好ましい。
この高周波線路1aの一方の端部は無反射終端器とされ、他方の端部に、同軸ケーブル12などを介して、無線LAN 基地局 (無線LAN 親局、無線LAN 親機とも言う)11 が接続されている。無線LAN 基地局はイーサケーブル13を介して、ハブ(HUB: スター状に端末を接続するマルチポートレピータ: 信号再生、中継機能を有するLAN 構成装置)10 と接続され、更に接続線14を通じて外部ネットワーク15に接続されている。
他方、屋内には、前記無線LAN 基地局11と交信する複数の無線LAN 移動局 (パソコン等などの移動局端末) 9a、9b、9cが配置されている。これら移動局9a、9b、9cは各々その端末用無線LAN カード5 に組み込まれているアンテナ素子を用いて、無線LAN 基地局のアンテナ6 との通信を行なう。
ここにおいて、無線LAN 基地局アンテナでは、これら各無線LAN 移動局との良好な通信が確保できるよう、移動局9a、9b、9cのレイアウトに応じて、パッチアンテナ 6などの複数の円偏波アンテナ素子が、一定間隔を開けて高周波線路1aに交互に配置されている。そして、無線LAN 基地局アンテナでは、隣り合うパッチアンテナ6a、6b、6c同士の高周波の混信による、マルチパスフェージングの影響を排除するために、隣り合うパッチアンテナ同士の旋回方向を互いに異ならせている。即ち、パッチアンテナ6aを右回りの右円偏波アンテナ素子とし、これと隣り合うパッチアンテナ6bを左回りの左円偏波アンテナ素子とし、これらの円偏波アンテナ素子を交互に配置している。
(前提となる無線LAN 基地局用アンテナの各構成要素)
次に、本発明の前提となる無線LAN 基地局用アンテナの各構成要素を図2 に具体的に示す。なお、以下の説明は、無線LAN 基地局用アンテナを構成する高周波線路の好ましい態様として、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造について行なう。
無線LAN 基地局用アンテナを構成する高周波線路として、他に、ステンレス、鋼、銅、アルミニウムなどの導電性金属からなる導波管や、同軸ケーブルのような導波管以外のマイクロ波伝送路は、本発明で用いる、図2 のような高周波マイクロストリップ線路1aに比べて、上記薄さや可撓性、施工性などの諸特性が劣るために、本発明では使用しない。
図2(a)において、無線LAN 基地局用アンテナを構成する高周波線路1aは、区域内の無線LAN システムに必要な長さを有する長尺の薄板形状をしている。図2(a)、(b) において、高周波線路1aの断面 (厚み) 方向の構造は、導体材料からなるグランド層3 に、誘電材料からなる誘電体層2 と導体材料からなる高周波誘導用の信号線4 とを記載順に順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造を有する。信号線4 は高周波線路1aの長手方向に配設されている。ここにおいて、高周波線路1aは可撓性を有してなる。なお、高周波線路1aの底面に、両面接着テープや接着シートなどの公知の粘着性材料や粘着層を設け、高周波線路1aの着脱、設置を容易としても良い。
(無線LAN 基地局用アンテナの具体的な構成)
次に、本発明の前提となる無線LAN 基地局用アンテナの具体的な構成を図3 に示す。図3 において無線LAN 基地局用アンテナ素子はパッチアンテナからなる。パッチアンテナの基本構造は、例えば誘電材料からなる誘電体板8 と導体材料からなるパッチ (放射板)7とを順次積層して構成される。そして、これら各パッチアンテナは、図2 の高周波線路1aの信号線4 上に配置されて、信号線4 と電気的に結合されている。
上記パッチ7 を構成する導電性材料は高周波線路のグランド層を構成する前記導電性材料と同じ金属材料が適用できる。また、誘電体8aを構成する誘電材料は、前記高周波線路の誘電体を構成する低損失な樹脂誘電体材料と同じ材料が選択される。
なお、パッチアンテナと高周波線路1aの信号線4 との電気的な結合の手段は、前記信号線上にパッチアンテナを配置する以外に適宜の手段が採用可能である。例えば、信号線4 の脇にパッチアンテナを配置し、給電線を配設して電気的に結合することでもできる。
上記パッチアンテナの構成によって、高周波線路へのアンテナ素子の取り付けや取り外しが容易となる。したがって、オフィスのレイアウトの変更など、無線LAN システムのアンテナ配置の変更が生じた場合でも、本発明高周波線路でエリア全体をカバーできている場合には、基本的には、新しいレイアウトに応じて、パッチアンテナの取り付けや取り外しだけで済み、高周波線路自体の設置工事をやり直す必要がない。また、アンテナ素子の結合度、利得等の主要特性に対し、使用する無線周波数の補正が必要な場合なども、パッチアンテナの側の放射板と誘電体の材質や厚さなどの条件を調節する、乃至適応する条件に調節したパッチアンテナを使用することにより簡便に補正できる。
(円偏波アンテナ素子)
以上のようなパッチアンテナを用いた上で、マルチパスフェージングの影響を軽減するために、本発明では前提として無線LAN 基地局側のパッチアンテナを円偏波のアンテナ素子とし、かつ、右回りの右円偏波アンテナ素子と左回りの左円偏波アンテナ素子など、互いに旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子を、複数個交互に間隔を開けて配置する。
パッチアンテナに、円偏波アンテナ素子として旋回方向を持たせるためには、図3 に示すように、四角 (矩形) 形状のパッチ7 の相対向する2 つの角 (隅角部) を落とした (切り欠いた) 形状7aとする。この図3 においては、隣り合うパッチアンテナ6aを右旋回の右円偏波アンテナ素子とし、パッチアンテナ6bを左旋回の左円偏波アンテナ素子としている。このため、図3 に示すように、右円偏波アンテナ素子であるパッチアンテナ6aは図の左上と右下との相対向する二つの角を落とし、左円偏波アンテナ素子であるパッチアンテナ6bは図の右上と左下との相対向する二つの角を落としている。
このパッチ7 の相対向する二つの角の切り欠きの方向を変えることによって、円偏波アンテナ素子の右円偏波か左円偏波かの、アンテナ旋回方向を制御することができる。なお、このパッチ (放射板)7の平面的な形状とアンテナ旋回方向の制御は、図3 で示した四角形状以外や角部の切り欠以外にも、円偏波アンテナ素子とでき、またアンテナ旋回方向を制御できるものであれば、適宜の形状が選択できる。このように、円偏波アンテナ素子を交互に配置したアンテナは、通常の水平垂直偏波(直線偏波)アンテナ素子に比して、アンテナ素子間で、電界強度が極端に低下する地点が無いという利点もある。
(無線LAN 移動局端末アンテナ)
以上のような無線LAN 基地局アンテナの構成を前提に、以下、図4 〜8 を用いて、端末用無線LAN カードなどのアンテナに適用される、本発明無線LAN 移動局端末アンテナの実施態様を説明する。
図4 、5 は本発明無線LAN 移動局端末アンテナの各実施態様を示す斜視図である。図6 は本発明無線LAN 移動局端末アンテナを適用した本発明無線LAN システムを示す正面図である。図7 は本発明無線LAN 移動局端末アンテナの好ましい実施態様を示す正面図である。図8 は本発明無線LAN 移動局端末アンテナの他の好ましい実施態様を示す説明図である。図9 は本発明無線LAN 移動局端末アンテナの他の好ましい実施態様を示す斜視図である。
先ず、図4 の本発明無線LAN 移動局端末アンテナ10a は、特徴的には、互いに平行に隣接配置された高周波線路1a、1bと、この高周波線路上に各々間隔をおいて配置された円偏波アンテナ素子である複数のパッチアンテナ6a、6bとから基本的に構成される。このように、無線LAN 移動局端末アンテナ10a に複数のパッチアンテナ6a、6bを配置しているために、移動局端末の位置や場所、あるいは移動などによらず、どこでも高いレベルの受信 (基地局アンテナからの) が可能となる。なお、本発明移動局端末アンテナにおいて、平行に隣接配置される高周波線路は最低二本必要であるが、二本でマルチパスフェージング抑制や移動局端末アンテナの位置による送受信電力低下の抑制効果が得られる場合に、高周波線路を三本以上多くする必要は無い。
移動局端末アンテナ10a の高周波線路1a、1bは、グランド層3 に誘電体層2 と信号線4 とを順次積層した線路構造を有してなる。これらの移動局端末アンテナの高周波線路1a、1bは、上記図2 で説明した無線LAN 基地局の高周波線路1aと基本的に同じ構成である。
また、移動局端末アンテナの円偏波アンテナ素子であるパッチアンテナ6a、6bも、誘電材料からなる誘電体板8 と導体材料からなるパッチ (放射板)7とを順次積層してなり、上記図3 で説明した無線LAN 基地局のパッチアンテナ6a、6bと同じ構成である。これら各パッチアンテナは、高周波線路1a、1bの信号線4 上に配置されて、信号線4 と電気的に結合されている。なお、このパッチアンテナの円偏波アンテナ素子としての、パッチ (放射板)7の平面的な形状の選択やアンテナ旋回方向の制御方法 (角部の切欠き等) も、上記図3 で説明した無線LAN 基地局のパッチアンテナ6a、6bと同様である。
図4 の本発明無線LAN 移動局端末アンテナ10a は、更に特徴的には、これら二本の高周波線路1a、1b同士の略同じ位置に、互いに旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であるパッチアンテナ6a、6bを各々隣接して配置するようにしている。したがって、同じ高周波線路1aあるいは1bの一本の高周波線路で見た場合には、右旋回の右円偏波アンテナ素子6aと左円偏波アンテナ素子6bとの、異なる旋回方向の円偏波アンテナ素子が間隔を開けて交互に配置されている。
この図4 においては、隣り合うパッチアンテナの内、6aを右旋回の右円偏波アンテナ素子とし、6bを左旋回の左円偏波アンテナ素子としている。そして、左右いずれかの円偏波アンテナ素子とするために、四角 (矩形) 形状のパッチ7 の相対向する2 つの角 (隅角部) を、上記図3の無線LAN 基地局のパッチアンテナ6a、6bと同じく、切り欠いた形状としている。
図5 は変形例であって、図5 の本発明移動局端末アンテナ10b は、図4 の本発明移動局端末アンテナ10a に対し、パッチアンテナ6a、6bの配置を入れ換えて、二本の高周波線路1a、1b同士の図4 と略同じ位置における各パッチアンテナ6a、6bの円偏波の旋回方向を単に異ならせたものである。
(無線LAN 移動局端末アンテナの端末用無線LAN カード、無線LAN システムへの適用例)
図6 に、例えば、図4 の本発明無線LAN 移動局端末アンテナ10a を、端末用無線LAN カードなどのアンテナや、無線LAN システムに適用した例を示す。図6 において、無線LAN 基地局11側の構成は前記図1 と同じである。図6 では、無線LAN 基地局アンテナ6a、6bと無線LAN 移動局端末アンテナ6a、6bとの間に、見通しを遮蔽する遮蔽物18が存在した状態を示している。
本発明では、アンテナ旋回の向きが異なる複数の円偏波アンテナ素子が、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に存在する。このため、三次元的な空間として見た場合、上記遮蔽物18が存在しても、互いに見通すことができる同じ向きの円偏波アンテナ素子が、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に、必ず存在するようになる。この結果、マルチパスフェージング抑制や移動局端末アンテナの位置による送受信電力低下の抑制効果が得られる。
この図6 の場合、無線LAN 基地局アンテナ遮蔽物18によって遮蔽されない空間18a を介して互いに見通すことができるのは、無線LAN 基地局側アンテナ素子の6b (左旋回) と、無線LAN 移動局端末側アンテナ10a の高周波線路1a上のアンテナ素子6b (左旋回、図の中央の点線で囲ったアンテナ素子) である。即ち、図6 の移動局端末アンテナ10a において、最も受信電力が高くなるのは、上記図の中央の点線で囲ったアンテナ素子6b (左旋回) である。なお、図6 では、左右のアンテナ素子旋回の向きは見る方向により異なるため、同じ向きから見たとして記載している。
図6 において、16はダイバーシティ回路、17は16に接続された無線送受信回路であって、ダイバーシティ回路16は高周波線路1aと1bとの間に設置され、電気回路より構成される。ダイバーシティ回路16は無線LAN 移動局端末アンテナ10a において、受信電力が最も高い方のパッチアンテナを選択できるように、高周波線路1aか1bかのいずれかの回路に無線送受信を切り換える (選択する) スイッチの役割を果たす。これらの機構と機能とが、前記図1 の無線LAN 移動局の端末用無線LAN カード5に組み込まれる。
(円偏波アンテナ素子送受信制御用スイッチ)
この円偏波アンテナ素子の送受信を電気的に制御するスイッチのより具体的な態様を、図7 を用いて説明する。図7 において、16はダイバーシティ回路、17は16に接続された無線送受信回路、23はアンテナ素子切り換え回路、24はアンテナ制御回路、である。アンテナ素子切り換え回路23は制御線22によって、各高周波線路1a、1b上の各無線LAN 移動局端末アンテナ素子6a、6bに各々設けられたアンテナスイッチ21a 、21b と接続されている。これらが円偏波アンテナ素子の上記スイッチを構成する。
今、電気信号を加えた場合、アンテナスイッチ21a 、21b は導通してONとなり、アンテナスイッチ上の各円偏波アンテナ素子6a、6bが動作する。反対に、電気信号をOFF にした場合には、各円偏波アンテナ素子6a、6bは動作しない。アンテナ制御回路24は、アンテナスイッチ21a 、21b を順番に切り換えて、移動局端末アンテナ側から基地局側にデータを送り、その間の通信品質を評価し、通信エラーの発生頻度が最小となる各円偏波アンテナ素子を動作させるように制御する役割を有する。
これによって、移動局端末アンテナ側から基地局側への上り方向の通信では、移動局端末アンテナ側の送信電力を、移動局端末の最適アンテナ素子に集中できる。また、基地局側から移動局端末アンテナ側への下り方向の通信では、移動局端末アンテナ側の受信電力を、移動局端末の最適アンテナ素子に集中できる効果がある。即ち、送受信電力が最大となる移動局端末アンテナ素子を常時選択できる利点がある。
(工場などの大型建屋内への適用例)
以上、本発明の通常の屋内用の無線LAN システムへの適用例について説明してきたが、次に、本発明の工場などの大型建屋内への適用例を説明する。今、図10に斜視図で示すような、製鉄所の圧延工場や機械加工工場などの広い建屋エリア内に、本発明無線LAN 移動局アンテナ乃至無線LAN システムを適用する場合を想定する。その場合、以下の3 つの大きな課題がある。
(1) 工場30内は、電波を反射しやすい金属製の構造物 (天井、壁、圧延機31などの製造装置、各種機械など) が多くなる。このため、工場30内で天井に配した基地局アンテナを通じて無線LAN システムによる無線通信を行なうと、送信点から受信点までに、直接波だけでなく、さまざまな伝搬路を経由して届く波であるマルチパスが発生しやすい。このため、基地局アンテナおよび移動局端末アンテナで受信できる信号レベルが大幅に下がり、かつマルチパス成分が増えるため、受信S/N が低下して、高速通信が困難になる。この問題は前記した通常の屋内用の無線LAN システムでも起こるものの、工場30内では、上記金属製の構造物の多さゆえに、より顕著に問題となる。
(2) 工場30内は、大型の構造物32が多く、中程度の高さでの張出物もあり、また天井クレーンなどの装置類の移動によって、アンテナ間の見通しが遮蔽され、天井に配した基地局アンテナからの見通しが取り難い場合が多い。このため、無線LAN 移動局端末の位置によって、受信できる位置と、そうでない位置が必然的にできてしまう。この問題は前記した通常の屋内用の無線LAN システムでも起こるものの、工場30内では、移動局の移動なり、移動局端末の位置の変化が大きいために、より顕著に問題となる。
(3) 工場30内で、操業あるいは保守などの作業員が無線LAN システムを活用するためのモバイル端末を持って無線通信しながら作業を行なう場合を想定すると、端末用アンテナは作業員が身につけて移動できるもの (ウエアラブル) であることが好ましい。ただ、この場合、移動局端末側円偏波アンテナの姿勢 (向き、方向) が、作業あるいは移動する作業員の姿勢によって変化することになる。このような場合にも、高いレベルで送受信できる場合とそうでない場合とができやすくなる。この姿勢の問題は前記した通常の屋内用の無線LAN システムでも起こるものの、工場30内では、上記移動局の移動なり移動局端末の位置の変化が、工場内の作業に伴って三次元的にも大きく起こりうる、大型建屋内特有の問題であると言える。
以下に、これらの課題に対する解決手段について順に説明する。
上記(1) の課題については、無線LAN 基地局のアンテナを、建屋内の上方、例えば天井などに配置することと、旋回方向が異なる、右回り円偏波と左回り円偏波のアンテナ素子を交互に配置した高周波線路とすることで解決できる。これらは前記特願2002-312767 号にも記載し、本発明でも前提としている事項である。即ち、無線LAN 基地局アンテナを建屋内の上方に配置することで、工場内を移動する無線LAN 移動局端末アンテナに対し見通しが取れるようになり、直接波による信号成分が高まる。また、無線LAN 基地局側のアンテナを、直線偏波アンテナ素子ではなく、左右いずれかに旋回して伝播する円偏波アンテナ素子を使用することで、構造物などの金属壁で一度反射した高周波の旋回方向が変わるため、高周波を反射する構造物が例え多くても、無線LAN 移動局端末アンテナに入る反射波が減って、マルチパスフェージングの影響が軽減できる。
また、上記(2) の課題については、本発明のように、無線LAN 移動局端末アンテナを、上記構造の高周波マイクロストリップ線路同士を互いに略平行にかつ隣接させて配置した構造を有し、これら各高周波マイクロストリップ線路に互いに旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子を交互にかつ互いに間隔を開けて配置するとともに、これら高周波マイクロストリップ線路同士の略同じ位置において、互いに旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子同士が隣接して配置されるようにしたことで解決できる。即ち、前記図6 で説明した通り、本発明における無線LAN 移動局端末と無線LAN 基地局とのアンテナ間では、アンテナ旋回の向きが異なる複数の円偏波アンテナ素子が、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に存在する。このため、三次元的な空間として見た場合、上記遮蔽物18が存在しても、互いに見通すことができる同じ向きの円偏波アンテナ素子が、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に、必ず存在するようになる。
そして、前記図6 、7 で説明した、円偏波アンテナ素子の送受信を電気的に制御するスイッチを切り換えるなどして、無線LAN 基地局が送信する無線、あるいは無線LAN 基地局へ送信する無線の、送受信信号レベル (送受信電力) が高い移動局端末アンテナ素子を選択する。円偏波アンテナ素子は、基地局側と移動局端末側とに各々複数個の設置場所を設けている。したがって、基地局側と移動局端末側との各最低一箇所のアンテナ素子同士の見通しが確保できれば、移動局端末の場所(位置)に影響されずに、また、移動局端末がどこにあっても高いレベルでの通信が可能となる。
更に、上記(3) の課題を解決する実施態様について説明する。図8 は、作業員のヘルメットに、本発明移動局端末アンテナを内蔵させた例を示す。図8(a)は本発明移動局端末アンテナ10a を作業員19頭部のヘルメット18に内蔵させた状態を示している。図8(b)は、このヘルメット18に内蔵された移動局端末アンテナ10a を示ている。図8(b)において、前記した図4 、5 における移動局端末アンテナ10a (高周波線路1a、1b) は、図8(a)のヘルメット18に内蔵されるように、10ヘルメット18の内周に沿った円形形状に巻き回されている。この移動局端末アンテナ10a の構造、即ち、二本の高周波線路1a、1b同士の略同じ位置に、互いに旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であるパッチアンテナ6a、6bが各々隣接して配置されるようにした構造は、前記図4 、5 と同様である。なお、同じ高周波線路1aあるいは1bで見た場合には、右旋回の右円偏波アンテナ素子6aと左円偏波アンテナ素子6bとが交互に配置されている点も前記図4 、5 と同様である。
なお、図8 において図示はしていないが、移動局端末アンテナ10a は、ダイバーシティ回路16などのスイッチ切り換え装置は、前記図6 と同様に有している。また、これら移動局端末アンテナ10a の操作のための端末装置を作業服のポケットや手元に置おくなど、必要時に操作しやすい身体の場所に置くことも可能である。
この図8(a)、(b) のように、本発明移動局端末アンテナ10a ( 高周波線路) を円形形状に巻き回することで、その各高周波線路1a、1bにおける円偏波アンテナ素子6a、6bは、互いに異なる法線方向に配置されることなる。このため、作業あるいは移動する作業員の姿勢によって、移動局端末側円偏波アンテナの姿勢 (向き、方向) が変化した場合でも、無線LAN 基地局側アンテナから見通せる移動局端末側アンテナ素子は常に存在する。このため、移動局端末側アンテナの姿勢が変化した場合でも、高いレベルで送受信できることとなる。
また、このようなヘルメット内蔵タイプとした場合には、作業員が移動局端末アンテナを手に持つ必要がなくなり、作業員にとって、本来の作業がやりやすくなる、作業上の安全性も確保されるなどの利便性がある。
更に、図9 は、上記(3) の課題を解決する他の本発明移動局端末アンテナの実施態様を示す斜視図である。そして、図9 では、台車、運搬車等の比較的構造が大きな移動車において、例えば、生産管理上のデータを無線LAN 基地局側アンテナとやり取りする場合を想定している。図9 において、20は移動車であり、本発明移動局端末アンテナ10a(高周波線路1a、1b) は移動車20の側面周囲に、図8 の作業員のヘルメットと同様に、例えば2 回巻き回されている。
この結果、図8(b)と同様に、各高周波線路1a、1bにおける円偏波アンテナ素子6a、6bは互いに異なる法線方向に配置されている。このため、作業あるいは移動する移動車20の姿勢によって、移動局端末側円偏波アンテナの姿勢が変化した場合でも、無線LAN 基地局側アンテナから見通せる移動局端末側アンテナ素子は常に移動車20のいずれかの側面上に存在する。このため、移動車20のアンテナの姿勢が変化した場合でも、高いレベルで送受信できることとなる。
なお、移動局端末アンテナ10a を移動車20の上部に配置しても良いが、移動車20の上部は作業台用あるいは荷物搬送用に確保する必要がある場合が多いので、図9 の場合には、この邪魔にならないように移動車20の側面周囲に配置している。また、図9 も図示はしていないが、移動局端末アンテナ10a は、ダイバーシティ回路16などのスイッチ切り換え装置は、前記図6 と同様に有している。
(高周波マイクロストリップ線路の具体的な構造)
ここで、以上のように説明した、無線LAN 基地局の高周波マイクロストリップ線路1aや、移動局端末アンテナ10a の高周波マイクロストリップ線路1a、1b、あるいはパッチアンテナなどを構成する各層の実施態様の説明を以下に行なう。
先ず、前記図2 〜5 の各高周波線路の誘電体層2 は、信号線4 側の誘電体層2 表面にグランド層を設けず、この表面側を全面的に開口しても、高周波の損失が生じないような条件が適宜選択される。一般的に、高周波線路からの高周波の損失は、放射損、導体損、誘電損に大別される。この内、放射損を小さくするためには、誘電体層2 の誘電率を高くすることが好ましい。この誘電率は、誘電体層2 を構成する誘電材料自体の誘電率と誘電体層2 の厚みから定まる。このため、誘電率が高くなるように誘電材料と誘電体層の厚みを選択することが好ましい。但し、誘電率が高い材料や誘電体層の厚みが厚くなるほど可撓性がなくなるので、可撓性が必要な場合には、これを考慮して、最適な材料と誘電体層の厚みとを選択する。
また、前記導体損は信号線4 の電気伝導度が高いほど小さくなるため、高周波線路に必要な電気伝導度から、信号線4 の最適電気伝導度を決定することが好ましい。更に、誘電損は誘電体層2 を構成する誘電材料自体によって定まるので、低誘電損材料を選択することが好ましい。ただ、誘電体層2 の幅と厚みは、無線LAN システムに必要な信号の周波数と高周波の損失との関係で、ある程度の幅と厚みは必要である。この点、例えば、オフィスなどの標準的な屋内の無線LAN システムを基準とすると、0.1 〜2.0mm の厚み、幅は10〜50mm程度とすることが好ましい。
したがって、誘電体層2 の誘電材料は、上記好適範囲から選択される誘電体層2 の幅と厚みを前提に、高周波の放射損が生じず、誘電損失が低い材料を選択することが好ましい。誘電材料自体は、テフロン (登録商標) 、ポリイミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニール、マイラなどの樹脂誘電体材料から、例えば誘電損失の目安 (パラメーター) となる誘電正接が0.02以下と低い材料を単独の組成乃至複数混合した組成として選択、使用することが好ましい。これらの樹脂誘電材料は、組成などの条件設定により、高周波線路に必要な所望の可撓性を保持しうる。
高周波線路の全体の厚みは、高周波線路の断面積や体積を少なくする目的からして、2mm 以下のできるだけ薄い方が好ましい。したがって前記グランド層3 や信号線4 の厚みも、この目的からして、できるだけ薄い方が好ましい。グランド層3 の厚みは、必要薄板強度を保証できれば、0.2mm 以下の厚みとすることが好ましい。また、グランド層3 の幅は、誘電体層2 を被覆して高周波の損失を抑制するために、上記誘電体層2 の幅に対応したものとする。
グランド層3 を構成する導電性材料は、銅、アルミニウム、錫、金、ニッケル、ハンダなどの金属、合金や、これらの金属、合金が各々複合、積層、あるいは樹脂基体などにメッキされた種々の態様が良導電性金属材料として、適宜選択される。これらの中でも、薄板に加工容易で、かつ薄板が、上記誘電材料に見合った可撓性を有し、更に必要薄板強度を有する金属材料が好ましい。
高周波誘導用の信号線4 も、上記良導電性金属材料の、細線や薄板が選択される。なお信号線4 は、図2 の高周波線路1aに示すように、誘電体層2 上に突設乃至載置しても良く、また誘電体層2 内に埋設して高周波線路1aの長手方向に配設しても良い。
以上のような構成の高周波マイクロストリップ線路は、薄く可撓性を有するため、長尺の板状だけではなく、高周波線路を巻き取った長尺のコイル状などとして、製造、運搬、施工などの取り扱いが容易である。しかも、伝搬される高周波が低損失であるなど、高周波線路としての基本特性に優れている。したがって、このような構造の高周波線路を用いることによって、前記したコネクタや同軸ケーブルなどによって接続する場合に比して、配線が容易であるとともに、配線の自由度が増し、配線量が増すにつれてコストが大きく増大することが無い。
(無線LAN 基地局側の課題解決)
次ぎに、本発明無線LAN アンテナを特に無線LAN 基地局に用いることで、複数のネットワークグループを空間的に形成する無線LAN システムにおいて、コストが大きく増大せずに、通信可能なエリアを制限せず、無線LAN 移動局の広い通信エリアを確保できる無線LAN アンテナ、無線LAN アンテナの制御方法、無線LAN 基地局用アンテナ、無線LAN 移動局端末アンテナ、端末用無線LAN カードおよび無線LAN システムの態様について、以下に説明する。
(複数のネットワークグループを形成する無線LAN システム)
図11は、複数のネットワークグループを空間的に形成する無線LAN 基地局側のシステムを示すブロック図である。図12は、図11の無線LAN 基地局側のシステムを具体化したアンテナ構造を示す構造図である。図13は、図12のアンテナ構造を組み立てた無線LAN 基地局側の斜視図である。
図11において、二つのアクセスポイント (無線LAN 基地局) 101A、101Bは、スイッチ・合成分配回路102 を介して、前記従来の図25におけるコネクタ203 や同軸ケーブル204 では無く、前記した図2 などのマイクロストリップ線路1aと同じ構造の高周波線路104 によって、4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dと接続されている。
図12において、無線LAN 基地局の上記4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dは、前記図3 に示したパッチアンテナと同じ構造のパッチアンテナからなる。但し、これらのパッチアンテナ103A、103B、103C、103Dは、高周波線路104 の端部側 (図の左側の端部側) に、高周波線路104 の信号線4 上に配置されて、信号線4 と電気的に結合されている。
図11において、丸印で囲った部分102 がスイッチ・合成分配回路 (図7 のアンテナ素子切り換え回路23と同じ) 、これに接続された105 はスイッチ・合成分配回路102 の制御回路 (図7 のアンテナ制御回路24と同じ) である。
これらを組み立てた無線LAN 基地局側を示す図13において、二つのアクセスポイント (無線LAN 基地局) 101A、101Bは、スイッチ・合成分配回路102 を介して、高周波線路104 によって、その高周波線路104 の先端部に配置された4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dと接続されている。ここにおいて、4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dは、各々4 つの方向 (図の前後左右方向) を向き、4 周囲の方向に向けて広い通信エリアを確保している。
このような構成において、二つのアクセスポイント101A、101Bからの信号は、スイッチ・合成分配回路102 によって、いずれのアンテナ素子103A、103B、103C、103Dから送受信するか選択、制御される。そして、高周波線路104 によって伝送され、その高周波線路104 の先端部に配置された4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dから4 方向に向かって放射される。したがって、4 方向に無線LAN の信号を送受信できる無線LAN 基地局配置を自在に組むことができる。
この結果、無線LAN 移動局側の不感地帯発生を防止して、広い通信エリアを確保でき、複数のネットワークグループを空間的に自在に形成することができる。また、前記従来の図25におけるコネクタ203 や同軸ケーブル204 を用いないために、配線量が増すにつれてコストが大きく増大することがなく、通信エリアが大きくても、現実的な無線LAN システムを提供できる。
この際、スイッチ・合成分配回路102 により、高周波線路に配置された旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態を切り換えることによって通信状態を制御することで、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を、より高速で、より広い通信エリアで、かつ、複数の独立したネットワークグループを空間的に自在に形成して、伝送し合うことができる。
また、前記複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態の切り換えを、前記旋回方向が異なる少なくとも一対の円偏波アンテナ素子をセットで切り換えることで上記した効果が一層向上する。
(両面アンテナ)
ただ、高周波線路104 の片面側に配置された、これらアンテナ素子103A〜103Dの指向性は約±45°であり、アンテナ素子裏面への指向性はほとんど無い。これに対して、高周波線路104 の両面側にアンテナ素子を配置すれば、片面側に配置されアンテナ素子 (以下、片面アンテナとも言う) に比して、高周波線路104 の両面方向に指向性を有するアンテナを形成でき、より効率的なアンテナを構成することができる。
(両面アンテナ構造)
この高周波線路の両面側にアンテナ素子を配置した両面アンテナについて、図14〜16を用いて、具体的な構造を説明する。図14は両面アンテナの断面図、図15は図14の両面アンテナの斜視図、図16は両面アンテナの別の態様を示す斜視図である。
図14において、1a、1aは2 本の高周波マイクロストリップ線路、105 、105 は線路1a、1aの各々の終端器、103A1 と103A2 は線路1a、1aの各々のアンテナ素子、6a、6bはアンテナ素子103A1 、103A2 の各々のパッチアンテナである。
図15、16のように、両面アンテナ構造は、前記図3 で示した片面アンテナを、互いに2 枚、アンテナ素子を外方に向けた形で背中合わせに、貼り合わせた構造を有している。より具体的には、前記図3 で示した高周波マイクロストリップ線路を2 枚、グランド層3(図15に示す) を共通として、また、線路における互いのアンテナ素子103 位置を略同じ位置として、互いに貼り合わせている。
図15において、各々高周波線路1aの断面 (厚み) 方向の構造は、図2 と同じであり、導体材料からなるグランド層3 に、誘電材料からなる誘電体層2 と導体材料からなる高周波誘導用の信号線4 から構成される。また、アンテナ素子103A1 と103A2 の構造も、前記図12、あるいは図3 に示したパッチアンテナと同じ構造のパッチアンテナ6a、6bからなる。即ち、誘電材料からなる誘電体板8 と導体材料からなるパッチ (放射板)7とを順次積層して構成される。そして、これら各パッチアンテナは、前記信号線4 上に配置されて信号線4 と電気的に結合されている。
図16に示すアンテナおよびパッチアンテナ6a、6bは、基本構造は前記図15のものと同じである。ただ、円偏波アンテナ素子として旋回方向を持たせるために、前記図3 で示したパッチアンテナと同様に、四角 (矩形) 形状のパッチ7 の相対向する 2つの角を落とした形状7aとする。この図16においては、両面のパッチアンテナ6a、6bを左旋回の左円偏波アンテナ素子としている。
このような両面アンテナを用いた場合、貼り合わせた各々の高周波線路1a、1aには、同一、または異なる無線LAN アクセスポイント (例えば101A、101B) の信号を伝送することが可能となる。また、前記図4 〜図10で示した片面アンテナや、前記図11〜13で示した片面アンテナに比して、小型となり、無線LAN 基地局側や無線LAN 移動局端末側でのアンテナ素子をコンパクト化できる利点もある。
このように、円偏波アンテナ素子を交互に配置したアンテナは、通常の水平垂直偏波(直線偏波)アンテナ素子に比して、アンテナ素子間で、電界強度が極端に低下する地点が無いという利点もある。
(両面アンテナの使用態様)
図17、18の斜視図に、これら両面アンテナを用いた無線LAN 基地局側の態様を例示する。また、図19、20の斜視図に、これら図17、18の無線LAN 基地局から放射する電波のパターンを各々例示する。
図17、18の態様においては、二つのアクセスポイント (無線LAN 基地局) 101A、101Bと接続する高周波線路104 を、図の左右に180 °異なる方向に分岐させている。そして各分岐させた高周波線路104 毎に、各々間隔を開けて配置した2 枚づつのアンテナ素子103A1 と103A2 、103B1 と103B2 、図15では更に、103C1 と103C2 、103D1 と103D2 を、略同じ位置にて、互いに両面側に配置している。
ここにおいて、各アンテナ素子103A、103B、103C、103Dは、各分岐させた高周波線路104 の長さによって、図の左右方向により広がり、かつ、各高周波線路104 の両面方向 (図の前後方向) に向けてより広い通信エリアを確保している。
このような構成において、二つのアクセスポイント101A、101Bからの信号は、スイッチ・合成分配回路102 によって、いずれのアンテナ素子103A、103B、103C、103Dから送受信するか選択、制御される。そして、各分岐させた高周波線路104 によって伝送されて、図19(a) 、(b) および図20(a) 、(b) に斜視図で示すように、高周波線路104 の両面に配置された4 枚のアンテナ素子103A、103B、103C、103Dから、図の左右方向乃至前後方向に向かって放射される。
図19(a) 、(b) および図20(a) 、(b) は、図17、18の基地局二つ (アクセスポイント101A、101B) を用いて、スイッチ・合成分配回路102 によって、通信エリアを切り換えた際の、放射信号の状態を示している。基地局二つを共に同じ方向に送信する場合は、1 つの同じネットワークグループとして運用可能である。基地局二つを互いに180 °異なる方向に別々に送信する場合は、2 つの別々のネットワークグループに分離して運用可能である。
図19(a) 、(b) および図20(a) 、(b) において、実線で示す同心円状に拡がる波が、例えば、アクセスポイント101A、101Bからの放射信号であり、点線で示す同心円状に拡がる波が、例えばアクセスポイント101Bからの放射信号である。
そして、図19(a) および図20(a) は、アクセスポイント101Aと101Bとを同じネットワークグループとする(1グループを構成する) 場合、図19(b) および図20(b) は、アクセスポイント101Aによるネットワークグループと、アクセスポイント101Bによるネットワークグループとを別のグループとし、2 グループに分離する場合を各々示している。
図21(a) に上記図19(a) および図20(a) における 1グループ (同じグループ) を構成する場合、図21(b) に上記図19(b) および図20(b) における 2 グループ (別のグループ) を構成する場合の、各々のアクセスポイントからの放射信号の電波パターンを示す。上記図19(a) および図20(a) における1 グループ (同じグループ) を構成する場合には、図21(a) のように、アクセスポイント101Aと101Bとを同じネットワークグループとした無線LAN 移動局が、高周波線路104 の両面側で通信可能である。
また、上記図19(b) および図20(b) における2 グループ (別のグループ) を構成する場合には、図21(b) のように、高周波線路104 の各片面側では、各アクセスポイント101Aまたは101Bと同じネットワークグループとなる無線LAN 移動局(No1グループかNo2 グループ) のみが通信可能である。
したがって、以上説明したように、両面アンテナを用いた場合、前記貼り合わせた各々の高周波線路1a、1aに、同一または異なる無線LAN アクセスポイントの信号を伝送できる。この結果、本発明アンテナは、アクセスポイント101A、101Bからの放射信号を、いずれのアンテナ素子103A、103B、103C、103Dから送受信するかより自由に選択できる。また、無線LAN の信号を送受信できる無線LAN 基地局配置や、特定の無線LAN 基地局を中心とする無線LAN ネットワークグループをより自在に組むことができる。
このような両面アンテナを前記図1 におけるアンテナ素子として、無線LAN 基地局と無線LAN 移動局端末の両方に用い、通信環境と無線LAN 基地局とを要因とするマルチパスフェージングを防止しても良い。また、前記図6の無線LAN システムに適用することで、移動局端末アンテナの位置による送受信電力低下の抑制効果も得られる。なお、このような両面アンテナを、前記図1 の無線LAN 移動局の端末用無線LAN カード5や、前記図6 の無線LAN システムに適用する態様は、アンテナを両面アンテナに置き換えることによって、適用可能である。
(アンテナ素子材料)
本発明で用いるアンテナ素子および高周波線路の材料については前記したが、以下に、無線LAN アンテナによって、複数のネットワークグループを空間的に形成する場合の好適な態様について、図面を用いて説明する。図22は片面タイプの本発明アンテナの断面 (厚み) 方向の断面図、図23は両面タイプの本発明アンテナの断面 (厚み) 方向の断面図を各々示す。
図22において、積層構造の下方から、導体材料からなるグランド層3 は銅箔、誘電材料からなる誘電体層2 はテフロン(登録商標) シートとフッ素樹脂を含浸したガラスクロスとの積層体、導体材料からなる信号線4 は銅箔からなり、高周波マイクロストリップ線路 (高周波線路)1a を構成している。
図22のアンテナ素子6(103)において、誘電材料からなる誘電体板8 はテフロン(登録商標) シート、導体材料からなるパッチ (放射板)7は銅箔からなり、更に、選択的に設けられる上層のカバー105 はテフロン(登録商標) シートからなる。
図23は、図22の高周波マイクロストリップ線路 (高周波線路)1a 2 本を、グランド層3 を共通として、互いにアンテナ素子6(103)を外方に向けた形で背中合わせに貼り合わせた構造を有している。線路1aにおける互いのアンテナ素子103 位置は略同じ位置としている。
以上説明したように、本発明によって、マルチパスフェージングによる無線LAN 移動局通信エリア制限の課題や、無線LAN 基地局側の無線LAN 移動局通信エリア制限課題を解決し、無線LAN 移動局の通信可能なエリアを制限することのない、無線LAN アンテナ、無線LAN アンテナの制御方法、無線LAN 基地局用アンテナ、無線LAN 移動局端末アンテナ、端末用無線LAN カードおよび無線LAN システムを各々提供することができる。したがって、従来の無線LAN システムの大きな制約を無くすことができるため、無線LAN システムの適用を大きく拡大することができるなど、その工業的な価値が大きい。
本発明の前提となる無線LAN システムの1 実施態様を示す正面図である。 本発明の前提となる基地局高周波線路の1実施態様を示し、図2(a)は斜視図、図2(b)は断面図である。 本発明の前提となる基地局アンテナの1実施態様を示す斜視図である。 本発明移動局端末アンテナの1 実施態様を示す斜視図である。 本発明移動局端末アンテナの他の実施態様を示す斜視図である。 本発明移動局端末アンテナを用いた無線LAN システムの1 実施態様を示す正面図である。 本発明移動局端末アンテナの他の実施態様を示す正面図である。 本発明移動局端末アンテナの他の実施態様を示す正面図である。 本発明移動局端末アンテナの他の実施態様を示す正面図である。 本発明無線LAN システムを工場建屋内に適用した1 例を示す説明図である。 本発明無線LAN アンテナの実施態様を示すブロック図である。 図11の無線LAN アンテナの構造図である。 図12のアンテナ構造を組み立てた態様を示す斜視図である。 本発明無線LAN アンテナの両面アンテナの態様を示す断面図である。 図14の両面アンテナの斜視図である。 両面アンテナの別の態様を示す斜視図である。 両面アンテナを用いた無線LAN 基地局側の態様を例示す斜視図である。 両面アンテナを用いた無線LAN 基地局側の別の態様を例示す斜視図である。 図17の無線LAN 基地局から放射する電波のパターンを各々例示す斜視図である。 図18の無線LAN 基地局から放射する電波のパターンを各々示す斜視図である。 図17、18の電波のパターンを示す平面図である。 本発明無線LAN アンテナの片面タイプのアンテナを示す断面図である。 本発明無線LAN アンテナの両面タイプのアンテナを示す断面図である。 従来における複数のネットワークグループを形成する無線LAN システムの態様を示す斜視図である。 従来における複数のネットワークグループを形成する無線LAN システムの別のを示す斜視図である。 図25の無線LAN システムの通信可能なカバーエリアを示す平面図である。
符号の説明
1:高周波線路 (マイクロストリップ線路) 、2:誘電体層、3:グランド層、4:信号線、5:端末用無線LAN カード、6:パッチアンテナ、7:パッチ、88:誘電体層、9:移動局端末、10:HUB 、11:基地局、12:同軸ケーブル、
13:イーサケーブル、14:接続線、15:ネットワーク、
16:ダイバーシティ回路、17:無線送受信回路、18:ヘルメット、19:作業者、20:移動車、21: アンテナスイッチ、22:制御線、
23: アンテナ素子切換回路、24: アンテナ制御回路、30: 建屋、
31: 圧延機 (列) 、32: 構造物
101:アクセスポイント、102:スイッチ・合成分配回路、103:アンテナ素子、
104:高周波線路、105:終端器

Claims (16)

  1. 無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を伝送し合う無線LAN システムに用いられる無線LAN アンテナであって、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造を持つ高周波線路と、該高周波線路に配置された旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子とからなり、旋回方向の異なる前記複数の円偏波アンテナ素子をそれぞれ間隔を開けて、前記高周波線路に配置するに際し、前記高周波線路が複数の高周波マイクロストリップ線路からなるとともに、前記円偏波アンテナ素子が前記複数の高周波マイクロストリップ線路上のそれぞれに略同じ位置で配置され、これら配置された円偏波アンテナ素子が、それぞれ旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であることを特徴とする無線LAN アンテナ。
  2. 前記円偏波アンテナ素子が、前記高周波線路の両面に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の無線LAN アンテナ。
  3. 旋回方向が異なる複数の前記円偏波アンテナ素子が、右回り偏波と左回り偏波とを発生させる円偏波アンテナ素子であって、該右回り偏波と左回り偏波とを発生させる円偏波アンテナ素子が交互に前記高周波線路に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の無線LAN アンテナ。
  4. 前記円偏波アンテナ素子が、前記無線LAN アンテナの設置面に対して、互いに異なる法線方向に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線LAN アンテナ。
  5. 前記高周波線路が、グランド層と誘電体層とからなる基板上に複数の信号線を積層した高周波マイクロストリップ線路構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線LAN アンテナ。
  6. 前記円偏波アンテナ素子が、前記複数の信号線上のそれぞれに略同じ位置で配置されたことを特徴とする請求項5に記載の無線LAN アンテナ。
  7. 前記複数の信号線上のそれぞれに略同じ位置で配置された円偏波アンテナ素子が、それぞれ旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であることを特徴とする請求項6に記載の無線LAN アンテナ。
  8. 前記複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無線LAN アンテナ。
  9. 前記制御部が、前記複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態を切り換える制御回路であることを特徴とする請求項8に記載の無線LAN アンテナ。
  10. 前記高周波線路が、グランド層と誘電体層とからなる基板上に複数の信号線を積層した高周波マイクロストリップ線路構造であり、前記制御部が、前記基板上に設けられた複数の信号線の接続状態を切り換える制御回路であることを特徴とする請求項8に記載の無線LAN アンテナ。
  11. 無線LAN 基地局と無線LAN 移動局との間で、無線LAN システム用高周波を伝送し合う無線LAN システムに用いられる無線LAN アンテナの制御方法であって、前記無線LAN アンテナが、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した高周波マイクロストリップ線路構造を持つ高周波線路と、該高周波線路に配置された旋回方向が異なる複数の円偏波アンテナ素子とからなり、前記高周波線路が複数の高周波マイクロストリップ線路からなるとともに、前記円偏波アンテナ素子が前記複数の高周波マイクロストリップ線路上のそれぞれに略同じ位置で配置され、これら配置された円偏波アンテナ素子が、それぞれ旋回方向の異なる円偏波アンテナ素子であり、これら複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態を切り換えることによって通信状態を制御することを特徴とする無線LAN アンテナの制御方法。
  12. 前記複数の円偏波アンテナ素子の送受信の状態の切り換えが、前記旋回方向が異なる少なくとも一対の円偏波アンテナ素子をセットで切り換えることを特徴とする請求項11に記載の無線LAN アンテナの制御方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかの無線LAN アンテナが組み込まれた無線LAN 基地局用アンテナ。
  14. 請求項1〜10のいずれかの無線LAN アンテナが組み込まれた無線LAN 移動局端末用アンテナ。
  15. 請求項1〜10のいずれかの無線LAN アンテナが組み込まれた端末用無線LAN カード。
  16. 請求項1〜10のいずれかの無線LAN アンテナが組み込まれた、無線LAN 基地局用アンテナおよび/または無線LAN 移動局端末用アンテナとの間で無線通信網を形成する無線LAN システム。
JP2004109036A 2003-05-12 2004-04-01 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム Expired - Fee Related JP4154362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109036A JP4154362B2 (ja) 2003-05-12 2004-04-01 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003133294 2003-05-12
JP2004109036A JP4154362B2 (ja) 2003-05-12 2004-04-01 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004364262A JP2004364262A (ja) 2004-12-24
JP4154362B2 true JP4154362B2 (ja) 2008-09-24

Family

ID=34067129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109036A Expired - Fee Related JP4154362B2 (ja) 2003-05-12 2004-04-01 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4154362B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340234A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Sony Corp アンテナ装置、無線通信装置、その制御方法、コンピュータ処理可能なプログラム及びその記録媒体
US7952525B2 (en) 2005-06-03 2011-05-31 Sony Corporation Antenna device associated wireless communication apparatus and associated control methodology for multi-input and multi-output communication systems
JP2007006428A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Serukurosu:Kk 電磁波伝搬装置
JP4785572B2 (ja) * 2006-03-15 2011-10-05 日立アロカメディカル株式会社 ワイヤレス超音波診断装置
JP2009094670A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Seiko Epson Corp 受信装置、一対の平面アンテナ及びノイズキャンセル方法
JP7413672B2 (ja) * 2019-07-25 2024-01-16 日本電気株式会社 アンテナ装置、無線送信機、無線受信機、及び無線通信システム
WO2021090747A1 (ja) * 2019-11-06 2021-05-14 Agc株式会社 分散アンテナ及び分散アンテナシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004364262A (ja) 2004-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100791729B1 (ko) 고주파 마이크로-스트립 선로, 무선 lan 안테나, 무선 lan 카드 및 무선 lan 시스템
CN110137675B (zh) 一种天线单元及终端设备
EP2068394B1 (en) Data processing device with beam steering and/or forming antennas
CN209401823U (zh) 天线装置
US9478873B2 (en) Method and apparatus for the alignment of a 60 GHz endfire antenna
US10629993B2 (en) Method and apparatus for a 60 GHz endfire antenna
EP2984708B1 (en) Improved antenna arrangement
CN110401020B (zh) 天线单元和电子设备
CN110911814A (zh) 一种天线单元及电子设备
EP4386988A1 (en) Reconfigurable antenna and control method therefor, and router and signal transceiving device
JP2005523628A (ja) 漏洩波二重偏波スロット型のアンテナ
JP4154362B2 (ja) 無線lanアンテナ、無線lanアンテナの制御方法、無線lan基地局用アンテナ、無線lan移動局端末アンテナ、端末用無線lanカードおよび無線lanシステム
CN110828987A (zh) 一种天线单元及电子设备
JP3833601B2 (ja) 高周波マイクロストリップ線路
CN103796267B (zh) 用于运行线路的交通系统的通信系统
JP2005109700A (ja) 無線lanシステムによる屋内移動体の位置検出方法および装置
CN110600858A (zh) 一种天线单元及终端设备
CN114256601B (zh) 天线、天线模组和电子设备
WO2021090896A1 (ja) アンテナ及び無線通信装置
WO2022239660A1 (ja) リフレクタシステム、アクティブリフレクタ、及び、アクティブリフレクタの配置方法
EP3742553B1 (en) Vertical polarized antenna and terminal device
CN221508479U (zh) 一种天线和电子设备
KR20220111555A (ko) 안테나 모듈 및 이를 포함하는 전자 장치
CN217334389U (zh) 一种电磁辐射结构、天线模组和终端设备
CN110768013A (zh) 一种天线单元及电子设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees