JP4151421B2 - デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子を転写することによってデバイスを製造するデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶電気光学装置等の電気光学装置は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略記する。)や薄膜ダイオード(TFD)などの薄膜素子を用いたアクティブマトリクス型が主流になっている。しかしながら、従来のアモルファスシリコンTFTあるいはポリシリコンTFTを備えた電気光学装置は、単位面積当たりの製造コストが高いために、大型電気光学装置を製造しようとする場合、非常に高コストになってしまう問題があった。その原因の一つとして、液晶電気光学装置等の基板におけるトランジスタ回路の有効面積利用率が低く、成膜した薄膜素子形成材料の無駄が多いことが挙げられる。すなわち、従来技術によって前記基板上にアモルファスシリコンTFTあるいはポリシリコンTFTを形成する場合、基板上にCVD等によりアモルファスシリコンを一面に成膜した後、不要な部分をエッチングによって除去しているが、画素領域内でのTFT回路領域は、わずか数%〜十数%にすぎず、残りの画素電極部分に成膜された薄膜素子形成材料はエッチングにより捨てられている。基板上にTFT回路部のみを効率的に製造することができれば、特に大型電気光学装置のコストを大幅に低減することが可能となることから、そのための技術が種々検討されている。
【0003】
従来、シリコンウェハ上に製造したLSI回路を別な基板上に配置するための技術として、Alien Technology社によって開発された微小構造体技術と称される方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
この微小構造体技術は、シリコンウェハ上に製造したLSI回路を微小チップ(=微小構造体)に分離し、次いで該微小構造体を分散した溶媒を、予め埋め込み用の穴がパターンされている基板上に流し、基板上の所定位置に該微小構造体を配置することを特徴としている。この微小構造体技術によれば、シリコンウェハ上に多数形成しておいた微小構造体を、基板上に分散配置することができるとともに、基板上では単位素子が分離されているディスクリート型なので、基板の湾曲、曲げに対する追従性が良く、フレキシブル基板に適用することができる。
しかしながら、この微小構造体技術においては、微小構造体を基板上に確実に配置すること、および正確な位置合わせが困難であるという欠点がある。さらに、微小構造体が配置される方向はランダムであるため、それに対応した特別の回路を微小構造体に設ける必要があり、コスト上昇を招く問題があった。現状は、微小構造体上の回路を4回対称に設計することにより回避している。
【0004】
また、液晶表示装置のカラーフィルタの製造において、基板/接着層/光吸収層/保護層/着色フィルム層/熱溶融接着層の各層を順に積層してなるドナーシートを転写基板上に重ね合わせ、ドナーシートの一部領域に対して、光吸収層に光を照射し、そこで発生した熱が熱溶融接着層を溶融・固着させ、これにより光照射した領域のみを基板上に転写するLITIプロセスと称される方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この従来技術は液晶表示素子用のカラーフィルタ等の製造に用いられているものであり、その他の応用可能性は明示されていない。
【0005】
さらに本出願人は、基板上に形成したTFT等の薄膜素子を転写体に転写する方法として、信頼性が高く、かつレーザー光が透過可能な基板上に剥離層を形成する工程と、該剥離層上に薄膜素子を含む被転写層を形成する工程と、該薄膜素子を含む被転写層を接着層を介して前記転写体に接合する工程と、前記剥離層に光を照射し、前記剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる工程と、前記基板を前記剥離層から離脱させる工程と、を有することを特徴とする薄膜素子の転写方法を開発し、既に特許出願している(特許文献2参照)。
【0006】
同じく本出願人は、基板上に第1剥離層を形成する第1工程と、該第1剥離層上に薄膜デバイスを含む被転写層を形成する第2工程と、前記被転写層上に第2剥離層を形成する第3工程と、前記第2剥離層上に一次転写体を接合する第4工程と、前記第1剥離層を境にして、前記被転写層より前記基板を除去する第5工程と、前記被転写層の下面に二次転写体を接合する第6工程と、前記第2剥離層を境にして、前記被転写層より前記一次転写体を除去する第7工程とを有し、前記薄膜デバイスを含む前記被転写層を二次転写体に転写することを特徴とする薄膜デバイスの転写方法を開発し、既に特許出願している(特許文献3参照)。
これらの転写技術によれば、微細かつ高性能な機能性デバイスを所望の基板上に転写することができる。
【0007】
【非特許文献1】
Information DISPLAY, Vol.15, No.11 (November 1999)
【特許文献1】
米国特許第6,057,067号明細書
【特許文献2】
特開平10−125931号公報
【特許文献3】
特開平11−26733号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の転写技術には次のような問題があった。
すなわち、従来の転写技術では、基板上に形成したTFT等の薄膜素子を全て最終基板上に転写するものなので、電気光学装置用のアクティブマトリックス基板のように、多数のTFTが必要であるが、基板全面積に対するTFTの配置面積が少ない基板を作製するには、最終基板と同じ間隔で多数のTFTを形成した基板をわざわざ作製して最終基板に転写するか、または多数回の転写を繰り返さなければならず、必ずしもコスト低減とはならない。
【0009】
また、従来の転写技術では、基板上に形成したTFT等の薄膜素子を全て最終基板上に転写するものなので、基板が大面積化するほど、照射するレーザー光に高い特性、すなわち高出力と均一性などが要求され、要求性能を満たすレーザー光源が入手困難となるとともに、レーザー光照射のために大型で高精度の照射設備が必要となる。加えて、高出力のレーザー光を照射すると薄膜素子がその耐熱限界温度以上に加熱され、薄膜素子自体の機能が損なわれてしまうおそれがあり、転写工程そのものが困難になる問題があった。
【0010】
また、従来の転写技術の如く、基板上に形成した薄膜素子をデバイス単位で転写する場合、例えば絶縁膜は薄膜素子の全面にわたって連続して形成されているため、転写後に最終基板を曲げた時にクラック等が発生するおそれがあり、基板の曲げに対する追従性が良好とはいえなかった。その結果、従来の転写技術では最終基板の選択の自由度が制限されていた。
【0011】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、例えば電気光学装置用のアクティブマトリクス基板となる最終基板上にTFT等の素子を分散配置し、これによりデバイスを安価にかつ効率よく製造できるようにしたデバイスの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のデバイスの製造方法では、第1基板上に形成した多数の素子の一部または全部を第2基板上に転写し、この転写した素子の一部または全部を用いてデバイスを製造する方法であって、前記第1基板上に剥離層を形成する第1工程と、前記剥離層上に多数の素子を形成するとともに、該素子とその直下の剥離層とを島状に形成する第2工程と、前記第1基板上の転写するべき素子を、接着層を介して前記第2基板に接合する第3工程と、前記第1基板と第2基板との間の前記剥離層に、該第1基板と第2基板とを離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させ、剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる第4工程と、素子の転写を終えた前記第1基板を前記第2基板から離脱させる第5工程と、を有し、前記第2工程では、前記各素子の直下の剥離層を、素子との接着面積が素子の剥離層接合面の全面積よりも小さくなるように形成することを特徴としている。
【0013】
本発明のデバイスの製造方法によれば、例えば第2基板をデバイス形成用の最終基板とし、あるいは第2基板からさらに素子が転写される基板を最終基板とすることにより、最終基板上に間隔をおいて分散配置される多数の素子を第1基板上に集中的に製造することができ、したがって最終基板上に直接素子を形成する場合に比べ、素子製造の際の基板の面積効率を大幅に向上することができる。よって、多数の素子が分散配置された最終基板を効率よく安価に製造することができ、これによりデバイスそのものも効率よく安価に製造することができる。
また、第1基板上に集中的に製造した多数の素子を転写前に選別、排除することが容易に実行可能となり、その結果製品歩留まりを向上することができる。
また、前記第1基板と第2基板との間の前記剥離層に、これら基板を離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させるので、剥離層がその層内及び/又は界面において容易に剥離を生じるようになり、これによって剥離層と素子とが剥離し、素子が第2基板上に確実に転写されるようなる。
さらに、同一あるいは異なる素子を積層しかつ融合することができるので、異なるプロセス条件で製造される素子を融合することで、従来は製造困難であった積層構造を有する素子を提供することができるとともに、3次元構造を有する素子を簡単に製造することができる。
【0014】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第1基板から第2基板への素子の転写を、第1基板上に形成した素子の全部を一括して転写することで行うのが好ましい。
このようにした場合、全部の素子を一括して転写するべく、剥離層全体を剥離させる必要があるが、前述したように前記第1基板と第2基板との間の前記剥離層に、これら基板を離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させるので、剥離層全体がその層内及び/又は界面において容易に剥離を生じるようになる。
【0015】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第1基板を前記第2基板から離脱させた後、第2基板上に転写された前記素子上に熱融着接着剤を含む熱融着シートを設けて薄膜素子供給基板を形成する第6工程と、前記薄膜素子供給基板の前記熱融着シートに接するように最終基板を重ね合わせ、転写するべき前記素子の領域のみに選択的に光を照射し、転写するべき前記素子のみをデバイス形成用の最終基板上に接合する第7工程と、前記素子が転写された最終基板から未転写の素子を有する前記薄膜素子供給基板を取り外す第8工程と、を有するのが好ましい。
このようにすれば、前記各工程を順次実施することによって、薄膜素子供給基板と最終基板を重ね合わせ、転写させるべき部分のみに光照射することによって、薄膜素子供給基板側の多数の素子の幾つかを最終基板上に正確に転写させることができる。
また、第1基板上に形成した素子を第2基板に全て転写して取り扱い容易な薄膜素子供給基板とし、次いで該薄膜素子供給基板を最終基板に重ね合わせて転写するべき素子のみを最終基板に転写するので、第1基板上に形成した素子の積層構造の上下関係を保ったまま最終基板上に転写することができ、したがって上下関係が反転した場合に対処するため外部接続端子の位置を変更するなどの余分な改良を必要とせず、既存の素子の製造プロセスを用いて素子を製造することができる。
【0016】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第3工程と第4工程との間において、転写するべき前記素子と第1基板との間の前記剥離層に選択的に光を照射し、前記剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる前剥離工程を有しているのが好ましい。
このようにすれば、前剥離工程で剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせるので、その後の第4工程でさらに剥離層の剥離を行うことにより、第2基板からの第1基板の離脱が確実にかつ容易になされるようになる。
【0017】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、刃状体を差し入れることで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0018】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、高圧ガスを噴射することで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0019】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、液体を噴射することで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0020】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第4工程を、第1基板と第2基板とのうちの一方の端部側を、第1基板と第2基板とのうちの他方に対して離間する方向に移動させることで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0021】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第1工程において剥離層を形成する際、該剥離層の一方の端部側に熱膨張性材料を設けておき、前記第4工程を、加熱処理することによって前記熱膨張性材料を熱膨張させることで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0022】
また、前記デバイスの製造方法においては、前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、レーザ光を照射して剥離層をレーザアブレーションさせることで行うのが好ましい。
このようにすれば、剥離層の層内及び/又は界面において剥離が容易に生じるようになり、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0023】
本発明のデバイスでは、前記の製造方法によって得られたことを特徴としている。
このデバイスによれば、効率よく安価に製造されたものとなり、また製品歩留まりも向上したものとなる。
【0024】
本発明の電気光学装置では、前記のデバイスを備えてなることを特徴としている。
この電気光学装置によれば、デバイスが効率よく安価に製造され、また製品歩留まりも向上したものとなっていることにより、電気光学装置自体も安価に製造されるものとなる。
【0025】
本発明の電子機器では、前記のデバイスを備えてなることを特徴としている。この電子機器によれば、デバイスが効率よく安価に製造され、また製品歩留まりも向上したものとなっていることにより、電子機器自体も安価に製造されるものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図10は本発明のデバイスの製造方法の第1の実施の形態を説明するための図である。この製造方法は、以下の第1工程〜第8工程を経て実施される。
【0027】
[第1工程]
第1工程は、図1に示すように、第1基板10上に剥離層(光吸収層)11を形成する。
第1基板10は、光が透過し得る透光性を有するものであるのが好ましい。
この場合、光の透過率は10%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましい。この透過率が低過ぎると、光の減衰(ロス)が大きくなり、剥離層11を剥離するのにより大きな光量を必要とする。
【0028】
また、第1基板10は、信頼性の高い材料で構成されているのが好ましく、特に、耐熱性に優れた材料で構成されているのが好ましい。その理由は、例えば後述する素子12や中間層16を形成する際に、その種類や形成方法によってはプロセス温度が高くなる(例えば350〜1000℃程度)ことがあるが、その場合でも、基板10が耐熱性に優れていれば、第1基板10上への素子12等の形成に際し、その温度条件等の成膜条件の設定の幅が広がるからである。
【0029】
したがって、第1基板10は、素子12の形成の際の最高温度をTmax としたとき、歪点がTmax 以上の材料で構成されているのものが好ましい。具体的には、第1基板10の形成材料は、歪点が350℃以上のものが好ましく、500℃以上のものがより好ましい。このようなものとしては、例えば、石英ガラス、コーニング7059、日本電気ガラスOA−2等の耐熱性ガラスが挙げられる。
【0030】
また、第1基板10の厚さについては、特に限定されないものの、通常は0.1〜5.0mm程度であるのが好ましく、0.5〜1.5mm程度であるのがより好ましい。第1基板10の厚さが薄すぎると強度の低下を招き、厚すぎると、第1基板10の透過率が低い場合に、光の減衰を生じ易くなる。なお、第1基板10の光の透過率が高い場合には、その厚さは、前記上限値を超えるものであってもよい。なお、光を均一に照射できるように、第1基板10の厚さは、均一であるのが好ましい。
【0031】
剥離層11は、機械的な力の作用により容易に剥離を生じる材料によって形成される。すなわち、該剥離層11に、前記第1基板10と後述する第2基板とを離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させた際、該剥離層11の層内及び/又は界面において容易に剥離(以下、「層内剥離」、「界面剥離」と言う)を生じる材料によって形成される。
また、このような剥離層11としては、照射される光を吸収し、その層内及び/又は界面において剥離、すなわち層内剥離及び/又は界面剥離を生じるような性質を有するものであるのが好ましく、特に、光の照射により、剥離層11を構成する物質の原子間または分子間の結合力が消失または減少すること、すなわち、アブレーションが生じて層内剥離及び/又は界面剥離に至るものであるのが望ましい。
【0032】
さらに、光の照射により、剥離層11から気体が放出され、分離効果が発現される場合もある。すなわち、剥離層11に含有されていた成分が気体となって放出される場合と、剥離層11が光を吸収して一瞬気体になり、その蒸気が放出され、分離に寄与する場合とがある。
このような剥離層11の形成材料としては、例えば、次のA〜Fに記載されるものが挙げられる。
【0033】
A.アモルファスシリコン(a−Si)
このアモルファスシリコン中には、水素(H)が含有されていてもよい。この場合、Hの含有量は、2原子%以上程度であるのが好ましく、2〜20原子%程度であるのがより好ましい。このように、水素(H)が所定量含有されていると、光の照射によって水素が放出され、剥離層11に内圧が発生し、それが上下の薄膜を剥離する力となる。アモルファスシリコン中の水素(H)の含有量は、成膜条件、例えばCVDにおけるガス組成、ガス圧、ガス雰囲気、ガス流量、温度、基板温度、投入パワー等の条件を適宜設定することにより調整することができる。
【0034】
B.酸化ケイ素又はケイ酸化合物、酸化チタンまたはチタン酸化合物、酸化ジルコニウムまたはジルコン酸化合物、酸化ランタンまたはランタン酸化化合物等の各種酸化物セラミックス、透電体(強誘電体)あるいは半導体
酸化ケイ素としては、SiO、SiO2 、Si3 O2 が挙げられ、ケイ酸化合物としては、例えばK2 SiO3 、Li2 SiO3 、CaSiO3 、ZrSiO4 、Na2 SiO3 が挙げられる。
【0035】
酸化チタンとしては、TiO、Ti2 O3 、TiO2 が挙げられ、チタン酸化合物としては、例えば、BaTiO4 、BaTiO3 、Ba2 Ti9 O20、BaTi5 O11、CaTiO3 、SrTiO3 、PbTiO3 、MgTiO3 、ZrTiO2 、SnTiO4 、Al2 TiO5 、FeTiO3 が挙げられる。
【0036】
酸化ジルコニウムとしては、ZrO2が挙げられ、ジルコン酸化合物としては、例えばBaZrO2 、ZrSiO4 、PbZrO3 、MgZrO3 、K2ZrO3 が挙げられる。
【0037】
C.PZT、PLZT、PLLZT、PBZT等のセラミックスあるいは誘電体(強誘電体)
D.窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックス
E.有機高分子材料
有機高分子材料としては、−CH−、−CO−(ケトン)、−CONH−(アミド)、−NH−(イミド)、−COO−(エステル)、−N=N−(アゾ)、−CH=N−(シフ)等の結合(光の照射によりこれらの結合が切断される)を有するもの、特に、これらの結合を多く有するものであればいかなるものでもよい。また、有機高分子材料は、構成式中に芳香族炭化水素(1または2以上のベンゼン環またはその縮合環)を有するものであってもよい。
【0038】
このような有機高分子材料の具体例としては、ポリエチレン,ポリプロピレンのようなポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリエステル,ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリエーテルスルホン(PES),エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0039】
F.金属
金属としては、例えば、Al,Li,Ti,Mn,In,Sn,Y,La,Ce,Nd,Pr,Gd,Smまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金が挙げられる。
【0040】
また、剥離層11の厚さは、剥離目的や剥離層11の組成、層構成、形成方法等の諸条件により異なるが、通常は、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、40nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。剥離層11の膜厚が小さすぎると、成膜の均一性が損なわれ、剥離にムラが生じることがあり、また、膜厚が厚すぎると、剥離層11の良好な剥離性を確保するために、光のパワー(光量)を大きくする必要があるとともに、後に剥離層11を除去する際に、その作業に時間がかかる。なお、剥離層11の膜厚は、できるだけ均一であるのが好ましい。
【0041】
剥離層11の形成方法は、特に限定されず、膜組成や膜厚等の諸条件に応じて適宜選択される。たとえば、CVD(MOCVD、低圧CVD、ECR−CVDを含む)、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング、イオンプレーティング、PVD等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェットコーティング法、粉末ジェット法等が挙げられ、これらのうちの2以上を組み合わせて形成することもできる。
【0042】
例えば、剥離層11の組成がアモルファスシリコン(a−Si)の場合には、CVD、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。
また、剥離層11をゾル−ゲル法によるセラミックスで構成する場合や、有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特に、スピンコートにより成膜するのが好ましい。なお、図1には示されないが、第1基板10と剥離層11の性状に応じて、両者の密着性の向上等を目的とした中間層を第1基板10と剥離層11の間に設けても良い。
【0043】
[第2工程]
次に、剥離層11上に多数の素子12を形成し、その後、各々の素子12とその直下の剥離層11が島状に残るようにエッチング処理を行う。その結果、図2(a)に示すように多数の被転写層(素子12)が所定間隔毎に剥離層11を介して第1基板10上に並べられた状態となる。このように被転写層である素子12と剥離層11とを島状に形成しておくことにより、後述の剥離工程で所望の素子12のみを転写することが容易となる。
【0044】
素子12毎に分割される剥離層11については、図2(a)に示したように素子12の剥離層接合面と同じ寸法にしてもよいが、さらにこの剥離層11を、図2(b)に示すように、剥離層11の素子12への接着面積が素子12の剥離層接合面の全面積よりも小さくなるようにオーバーエッチングしてもよい。このように剥離層11をオーバーエッチングすることにより、剥離層11に機械的な力を作用させた際、剥離層11に容易に剥離が生じるようになる。また、後述するように前剥離処理として光を照射した際にも、容易に剥離が生じるとともに、剥離層11を縮小することによって剥離の際に必要な光エネルギー量を減らすことができる。
【0045】
図2(c)は、本実施の形態において用いられる素子12の一例を示す断面図であり、この素子12は、例えば、SiO2 膜(中間層)16上に形成されたTFT(薄膜トランジスタ)を含んで構成され、このTFTは、ポリシリコン層にn型不純物を導入して形成されたソース,ドレイン領域17と、チャネル領域18と、ゲート絶縁膜19と、ゲート電極20と、層間絶縁膜21と、例えばアルミニウムからなる電極22とを具備する。なお、素子12としては、前記TFTに限定されることなく、シリコンベースのトランジスタやSOI(silicon on insulator)などの種々の素子を適用し得る。
【0046】
本実施形態では、剥離層11に接して設けられる中間層としてSiO2 膜を使用しているが、Si3 N4 などのその他の絶縁膜を使用することもできる。SiO2 膜(中間層)の厚みは、その形成目的や発揮し得る機能の程度に応じて適宜決定されるが、通常は、10nm〜5μm程度であるのが好ましく、40nm〜1μm程度であるのがより好ましい。中間層は、種々の目的で形成され、例えば、被転写層(素子12)を物理的または化学的に保護する保護層,絶縁層,導電層,レーザー光の遮光層,マイグレーション防止用のバリア層,反射層としての機能の内の少なくとも1つを発揮するものが挙げられる。
なお、場合によっては、SiO2 膜等の中間層を形成せず、剥離層11上に直接被転写層(素子12)を形成してもよい。
【0047】
被転写層(素子12)は、図2(c)に示したようなTFT等の薄膜素子を含む層である。薄膜素子としては、TFTの他に、例えば、薄膜ダイオードや、シリコンのPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)やシリコン抵抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、電極(例:ITO、メサ膜のような透明電極)、スイッチング素子、メモリ、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクター、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、ダイクロイックミラー等がある。
【0048】
このような薄膜素子(薄膜デバイス)は、その形成方法との関係で、通常、比較的高いプロセス温度を経て形成される。したがって、この場合、前述したように、基板10としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高いものが必要となる。
【0049】
[第3工程]
一方、図3に示すように第2基板14上に、保護層15a、光吸収層15bおよび接着層15cをこの順に積層してなる多層膜13を形成しておく。
次に、図4に示すように、この第2基板14の接着層15cに、前記第1基板10を重ね合わせ、第1基板10上に形成した多数の素子12の全てを、接着層15cを介して第2基板に接合する。
なお、第1基板10上に形成した多数の素子12を、その全部ではなく一部のみ転写したい場合には、予め第2基板14上に形成する接着層15cを、転写すべき素子にのみに対応させて形成する。このような接着層15cの形成にあたっては、例えば接着剤の塗布を任意の箇所に精度良く行うことができることから、液滴塗布法(インクジェット法)が好適に用いられる。
【0050】
第2基板14としては、特に限定されないものの、基板(板材)、特に透明基板が挙げられる。なお、このような基板は平板であっても、湾曲板であってもよい。また、第2基板14は、前記第1基板10に比べ、耐熱性、耐食性等の特性が劣るものであってもよい。その理由は、本発明では、第1基板10側に素子12を形成し、その後、素子12を第2基板14に転写するため第2基板14に要求される特性、特に耐熱性は、素子12の形成の際の温度条件等に依存しないからである。
【0051】
したがって、素子12の形成の際の最高温度をTmax としたとき、第2基板14の形成材料として、ガラス転移点(Tg)または軟化点がTmax 以下のものを用いることができる。例えば、第2基板14は、ガラス転移点(Tg)または軟化点が好ましくは800℃以下、より好ましくは500℃以下、さらに好ましくは320℃以下の材料で構成することができる。
【0052】
また、第2基板14の機械的特性としては、ある程度の剛性(強度)を有するものが好ましいが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。
このような第2基板14の形成材料としては、各種合成樹脂または各種ガラス材が挙げられ、特に、各種合成樹脂や通常の(低融点の)安価なガラス材が好ましい。
【0053】
合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0054】
ガラス材としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。このうち、ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスに比べて融点が低く、また、成形、加工も比較的容易であり、しかも安価であり、好ましい。
【0055】
多層膜13を形成する層のうち、保護層15aは、多層膜13への光照射に際して、光吸収層15bで発生した熱から第2基板を保護するためのものであり、このような保護層15aの形成材料としては、例えばSiOx,Si3 N4 等の無機膜、合成樹脂材料等を挙げることができる。
また、光吸収層15bの形成材料としては、照射される光を熱に変換することが可能な材料から選択され、例えば、シリコン、金属、カーボンブラック、光重合性モノマー又はオリゴマー等が挙げられる。
接着層15cを形成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種硬化型接着剤が挙げられる。接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。
【0056】
[前剥離工程]
このようにして第1基板10上の転写するべき素子12を、接着層15cを介して第2基板14に接合したら、剥離工程となる第4工程に移るが、これに先立ち、前剥離工程を行うのが好ましい。なお、この前剥離工程を行わず、直接第4工程に移ってもよいのはもちろんである。
【0057】
この前剥離工程では、図4に示すように第1基板10と第2基板14との接合体に対して、第1基板10側から剥離層11の全面に光Lを照射し、剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる。剥離層11の剥離により、ほとんどの素子12が剥離層11から切り離され、これらが第2基板14側にのみ接合された状態となる。
【0058】
剥離層11に層内剥離及び/又は界面剥離が生じる原理は、剥離層11の形成材料にアブレーションが生じること、また、剥離層11に含まれているガスの放出、さらには照射直後に生じる溶融、蒸散等の相変化によるものである。
【0059】
ここで、アブレーションとは、照射光を吸収した固定材料(剥離層11の形成材料)が光化学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分子の結合が切断されて放出することをいい、主に、剥離層11の形成材料の全部または一部が溶融、蒸散(気化)等の相変化を生じる現象として現れる。また、前記相変化によって微小な発泡状態となり、結合力が低下することもある。
【0060】
剥離層11が層内剥離を生じるか、界面剥離を生じるか、またはその両方であるかは、剥離層11の組成や、その他種々の要因に左右され、その要因の1つとして、照射される光の種類、波長、強度、到達深さ等の条件が挙げられる。
【0061】
照射する光としては、剥離層11に層内剥離及び/又は界面剥離を起こさせるものであればいかなるものでもよく、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α線、β線、γ線)等が挙げられる。
そのなかでも、剥離層11の剥離(アブレーション)を生じさせ易く、かつ高精度の局部照射が可能である点で、レーザー光が好ましい。レーザー光はコヒーレント光であり、第1基板10を介して剥離層に高出力パルス光を照射して所望部分に剥離を生じさせるのに好適である。したがって、レーザー光の使用によって、容易にかつ確実に素子12を剥離させることができる。
【0062】
このレーザ光を発生させるレーザ装置としては、各種気体レーザ、固体レーザ(半導体レーザ)等が挙げられるが、エキシマレーザ、Nd−YAGレーザ、Arレーザ、CO2 レーザ、COレーザ、He−Neレーザ等が好適に用いられる。
【0063】
このレーザー光としては、波長100nm〜350nmを有するレーザー光が好ましい。このように短波長レーザー光を用いることにより、光照射精度が高められるとともに、剥離層11における剥離を効果的に行うことができる。
上述の条件を満たすレーザー光としては、例えばエキシマレーザーを挙げることができる。エキシマレーザーは、短波長紫外域の高エネルギーのレーザー光出力が可能なガスレーザーであり、レーザー媒質として希ガス(Ar,Kr,Xeなど)とハロゲンガス(F2 ,HClなど)とを組み合わせたものを用いることにより、代表的な4種類の波長のレーザー光を出力することができる(XeF=351nm,XeCl=308nm,KrF=248nm,ArF=193nm)。エキシマレーザは、短波長域で高エネルギーを出力するため、極めて短時間で剥離層11にアブレーションを生じさせることができ、よって隣接する素子12等に劣化、損傷を生じさせることなく、剥離層11を剥離することができる。
【0064】
あるいは、剥離層11に、例えばガス放出、気化、昇華等の相変化を起こさせて分離特性を与える場合、照射されるレーザー光の波長は、350から1200nm程度が好ましい。
このような波長のレーザー光は、YAG、ガスレーザーなどの一般加工分野で広く使用されるレーザー光源や照射装置を用いることができ、光照射を安価にかつ簡単に行うことができる。また、このような可視光領域の波長のレーザー光を用いることによって、第1基板10が可視光透光性であればよく、第1基板10の選択の自由度を広げることができる。
【0065】
また、照射されるレーザ光のエネルギー密度、特に、エキシマレーザの場合のエネルギー密度は、10〜5000mJ/cm2 程度とするのが好ましく、100〜500mJ/cm2 程度とするのがより好ましい。また、照射時間は、1〜1000nsec程度とするのが好ましく、10〜100nsec程度とするのがより好ましい。エネルギー密度が低いかまたは照射時間が短いと、十分なアブレーション等が生じず、また、エネルギー密度が高いかまたは照射時間が長いと、剥離層11を透過した照射光により素子12等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0066】
なお、剥離層11を透過した照射光が素子12にまで達して悪影響を及ぼす場合の対策としては、例えば、剥離層11上にタンタル(Ta)等の金属膜11を形成する方法がある。これにより、剥離層11を透過したレーザー光は、金属膜の界面で完全に反射され、それよりの上の素子12に悪影響を与えない。
【0067】
レーザ光に代表される照射光は、その強度が均一となるように照射されるのが好ましい。照射光の照射方向は、剥離層11に対し垂直な方向に限らず、剥離層11に対し所定角度傾斜した方向であってもよい。
【0068】
また、剥離層11の面積が照射光の1回の照射面積より大きい場合には、剥離層11の全領域に対し、複数回に分けて照射光を照射することもできる。また、同一箇所に2回以上照射してもよい。また、異なる種類、異なる波長(波長域)の照射光(レーザ光)を同一領域または異なる領域に2回以上照射してもよい。
【0069】
[第4工程]
このようにして前剥離工程を行ったら、あるいは第3工程終了後この前剥離工程を行うことなく直接、剥離の本工程となる第4工程を行う。すなわち、この第4工程では、第1基板10と第2基板14との間の剥離層11に、該第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させ、剥離層11の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる。なお、前剥離工程を行っている場合には、剥離層11にある程度の剥離が生じていることから、この第4工程で剥離層11に作用させる力を小さくすることができる。
【0070】
剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える方法としては、特に限定されることなく種々の方法が採用可能である。例えば、図5に示すように、第1基板10と第2基板14との間の一方の端部側に、刃状体30を差し入れることで行うことができる。刃状体30としては、特にその形状が限定されないものの、基板間への差し入れが容易になるよう、その先端が細く尖った形状であったり、あるいは細く尖った部分からその幅が漸次広がるような形状であるのが好ましい。また、第1基板10、第2基板14についても、その端部に予めノッチ(切欠)やテーパを形成しておいて基板間に隙間を形成しておき、この隙間によって刃状体30が基板間に容易に差し入れられるようにしておくのが好ましい。また、基板間に刃状体30を差し入れたら、この刃状体30に超音波等の振動を加え、前記剥離層11の剥離を促進するようにしてもよく、さらに、この刃状体30をひねって回転させることにより、剥離層11の剥離を促進するようにしてもよい。
【0071】
図6は、刃状体30を備えた剥離装置の一例を模式的に示す図であり、図6中符号31は第1基板10および第2基板14を回動可能に保持する回動台である。この回動台31の周囲には刃状体30a、30bがそれぞれ配置されている。刃状体30aは、これを保持する保持装置32aにより進退可能になっており、これによって前進させられた際、回動台31上の基板間に差し入れられるようになっている。また、刃状体30bは、これを保持する保持装置32bにより進退可能でかつその長さ方向を軸にして回動可能になっている。したがって、保持装置32bによって前進させられて回動台31上の基板間に差し入れられ、さらにひねられて回動させられることにより、基板間を互いに離間させるようになっている。
【0072】
このような構成の剥離装置によって基板間を剥離するには、まず、回動台31を回動して基板の一端側を刃状体30aの前に向ける。そして、保持装置32aによって刃状体30aを前進させ、この刃状体30aの刃先を例えば2mm程度基板間に差し入れる。すると、刃状体30aの刃先が基板間に差し入れられることにより、基板間が刃先の厚さ分こじ開けられ、これにより剥離層11が部分的に剥離する。次いで、刃状体30aを後退させ、さらに再度回動台31を回動させ、今度は刃状体30aを差し入れた側の基板の一端を刃状体30bの前に向ける。そして、保持装置32bによって刃状体30bを前進させ、この刃状体30bの刃先を基板間に差し入れた後、さらにこの刃状体30bをひねる。すると、これによって基板間がさらに離間する方向に力が加えられ、結果として剥離層11全体が剥離するようになる。このようにして剥離層11を剥離させたら、刃状体30bを回動させて初期の状態に戻し、さらに後退させて基板間から離脱させる。
【0073】
このようにして二種類の刃状体30a、30bを使い分けることにより、剥離層11を容易にかつ確実に剥離し、第1基板10と第2基板14とを離間させることができる。なお、刃状体30については、二種類でなく三種類以上を用意し剥離層11の剥離をなすようにしてもよい。その場合、例えば刃状体30の刃先の幅や厚さを少しずつ変えておくことにより、基板間に急激に大きな力を与えることなく、力を段階的に変えて与えることで剥離層11の剥離を円滑に行うようにすることなどができる。また、その場合にも、刃状体30をひねることで剥離層11の剥離を促進するようにしてもよい。
【0074】
また、剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える他の方法としては、図7に示すように、第1基板10と第2基板14との間の一方の端部側に高圧ガス33を噴射するといった方法が挙げられる。噴射する高圧ガスとしては、特に限定されることなく種々のものが使用可能であるが、例えば安価であることから空気が好適とされ、さらに不活性ガスである窒素やアルゴンなども好適とされる。また、必要に応じて、剥離層11と反応をなすことにより剥離層11の強度を弱め、その剥離を促進するような各種の反応ガスも使用することができる。
【0075】
なお、このようなガスの噴射方法としては、ガスを一定の流量で噴射する以外に、パルス制御することで間欠的に噴射してもよく、また、ガイドなどを噴射側に設けてガスを渦巻き状に噴射するようにしてもよい。また、第1基板10、第2基板14の端部に予めノッチ(切欠)やテーパを形成しておいて基板間に隙間を形成しておき、この隙間に高圧ガスを噴射することでガスが基板間に入り易くしておくのが好ましい。また、高圧ガスを噴射する箇所以外からはガスが漏れ出ないよう、この噴射箇所以外の部分の基板間を封止しておくのが好ましい。また、周囲を減圧して圧力差を大きくすることにより、高圧ガスが基板間に入り易くなるようにしてもよい。
【0076】
また、剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える他の方法としては、第1基板10と第2基板14との間の一方の端部側に液体を噴射するといった方法が挙げられる。すなわち、図7に示した高圧ガス33に代えて液体を噴射することにより、剥離層11の剥離を行う方法である。噴射する液体としては、特に限定されることなく種々のものが使用可能であるが、安価であることから水が好適とされる。また、必要に応じて、剥離層11と反応をなすことなどにより剥離層11の強度を弱め、その剥離を促進するような各種の反応液(剥離液)も使用することができる。
【0077】
なお、この場合にも、液体を一定の流量で噴射する以外に、パルス制御することで間欠的に噴射してもよく、また、ガイドなどを噴射側に設けて液体を渦巻き状に噴射するようにしてもよい。また、第1基板10、第2基板14の端部に予めノッチ(切欠)やテーパを形成しておいて基板間に隙間を形成しておき、この隙間に液体を噴射することで液体が基板間に入り易くしておいてもよい。
【0078】
また、剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える他の方法としては、第1基板10と第2基板14との間の一方の端部側を、第1基板と第2基板とのうちの他方に対して離間する方向に移動させるといった方法が挙げられる。その場合、予め第1基板10と第2基板14との大きさを変えておき、あるいは位置をずらした状態で両基板を貼着しておくことにより、一方の基板の端部を他の基板よりずらしておく。そして、このずれている端部に対して他の基板から離間する方向に力を加え、このずれている側の基板を移動させることにより、剥離層11を剥離させる。
【0079】
また、剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える他の方法としては、以下のような方法も挙げられる。すなわち、前記第1工程において剥離層11を形成する際、該剥離層11の一方の端部側に熱膨張性材料を設けておき、そして本第4工程で加熱処理を行うことにより、前記熱膨張性材料を熱膨張させる。熱膨張性材料としては、熱膨張率の大きい金属粉などが好適に用いられる。なお、この熱膨張性材料を用いる場合には、剥離層11の形成材料として熱膨張率の小さい材料、例えば有機高分子材料やセラミックスを用いるのが好ましい。そして、これら材料上の一方の端部側に熱膨張性材料を配置しておき、その状態で剥離層11を形成し、さらにその上に素子12を形成する。
【0080】
このようにして剥離層11を形成した後、本第4工程で加熱処理を行うと、前記熱膨張性材料が熱膨張して第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に力が働くように作用し、これによって主に剥離層11の界面剥離が生じ、第2基板からの第1基板の離脱が確実になされるようになる。
【0081】
また、剥離層11に対して、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える他の方法としては、第1基板10と第2基板14との間の一方の端部側にレーザ光を照射し、剥離層11をレーザアブレーションさせるといった方法が挙げられる。使用されるレーザ光としては、前記の前剥離工程で使用されるもの、すなわちエキシマレーザ、Nd−YAGレーザ、Arレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Neレーザ等が挙げられる。なお、基板間に光ファイバを差し入れ、この光ファイバを通じて剥離層11にレーザ光を照射し、レーザアブレーションさせるようにしてもよい。
このようにすることにより、剥離層11において容易に剥離が生じ、第2基板14からの第1基板10の離脱が確実になされるようになる。
なお、この第4工程における、第1基板10と第2基板14とを離間させる方向に働く力を加える方法については、先に挙げた種々の方法のうちの一つで行ってもよいが、複数を組み合わせてこれら方法を順次行うようにしてもよい。
【0082】
[第5工程]
このようにして剥離を行ったら、第5工程では、素子12を第2基板14に接合させた状態のままで、第2基板14から第1基板10を取り除く(離脱させる)。
【0083】
[第6工程]
次に、このようにして第1基板10を取り除いたら、図8に示すように素子12上に熱融着接着剤を含む熱融着シート25を設け、薄膜素子供給基板23を形成する。
熱融着シート25としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、EVAなど)、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、カルボキシル基含有アクリル系樹脂などの熱溶融樹脂のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。熱融着シート25の厚みは0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm程度とされる。この熱融着シート25を素子12上に設ける方法は特に限定されず、例えば第2基板14に併せて裁断した熱融着シートを素子12上に載せ、加熱しながら押圧する方法などによって簡単に設けることができる。なお、この時点で熱融着シート25を素子12上に接着せず、後述する最終基板24を素子12上に載置する時点で該シートを挿入するようにすることもできる。
【0084】
第2基板14側に転写された素子12には、剥離層11の剥離残分が付着している場合があり、これを完全に取り除くことが望ましい。残存している剥離層11を除去するための方法は、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法、またはこれらを組み合わせた方法の中から適宜選択して採用することができる。
【0085】
さらに、素子12の転写を終えた第1基板10の表面に剥離層11の剥離残分が付着している場合には、前記の素子12と同様に除去することができる。これによって第1基板10を再利用(リサイクル)に供することができる。このように第1基板10を再利用することにより、製造コストの無駄を省くことができる。これは石英ガラスのような高価な材料、希少な材料からなる第1基板10を用いる場合に特に有効となる。
【0086】
[第7工程]
次に、図9に示すように、前記薄膜素子供給基板23の熱融着シート25上に、素子12を転写するべき最終基板24を載置し、さらに転写するべき素子12の領域のみに選択的に光Lを照射し、転写するべき素子12のみをデバイス形成用の最終基板24上に接合する。
【0087】
ここで使用する光Lは、多層膜13の光吸収層15bが光照射を受けて発熱し、その熱によって熱融着シート25による融着を生じさせることができればよく、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α線、β線、γ線)等が挙げられる。そのなかでも、光吸収層15bの発熱を生じさせ易く、かつ高精度の局部照射が可能である点で、レーザー光が好ましい。レーザー光としては、前記第4の工程で用いたと同種のレーザー光を用いてもよいし、異なる種類のレーザー光を用いてもよい。
【0088】
このような薄膜素子供給基板23を用い、素子12の転写が望まれる最終基板24を、前記熱融着シート25と接するように薄膜素子供給基板23と重ね合わせ、転写するべき素子12の領域のみに光Lを選択的に照射する。すると、光が照射された光吸収層15cで発生した熱が熱融着シート25に伝えられ、転写するべき素子12のみが熱融着接着層(一旦溶融し固化した熱融着シート25)を介して最終基板24に接着される。
【0089】
したがって、薄膜素子供給基板23と最終基板24とを重ね合わせ、転写させるべき部分のみに選択的に光照射することにより、薄膜素子供給基板23側の多数の素子12の一部または全部を、最終基板24上の所定位置に正確に転写させることができる
【0090】
この最終基板24としては、ある程度の剛性(強度)を有するものが好ましいが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。このような形成材料としては、例えば各種合成樹脂または各種ガラス材が挙げられ、特に、各種合成樹脂や通常の(低融点の)安価なガラス材が好ましい。
【0091】
合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0092】
ガラス材としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。このうち、ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスに比べて融点が低く、また、成形、加工も比較的容易であり、しかも安価であり、好ましい。
【0093】
最終基板24として合成樹脂で構成されたものを用いる場合には、大型の最終基板を一体的に成形することができるとともに、湾曲面や凹凸を有するもの等の複雑な形状であっても容易に製造することができ、また、材料コスト、製造コストも安価であるという種々の利点が享受できる。したがって、合成樹脂の使用は、大型で安価なデバイス(例えば、液晶ディスプレイ)を製造する上で有利である。
【0094】
なお、最終基板24は、例えば、液晶セルのように、それ自体独立したデバイスを構成するものや、例えばカラーフィルター、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
【0095】
[第8工程]
次に、図10に示すように、薄膜素子供給基板23および最終基板24に対し、双方を離間させる方向に力を加えることによって、最終基板24から薄膜素子供給基板23を取り外す。最終基板24から薄膜素子供給基板23を引き離すことにより、図10に示したように最終基板24上の複数の位置に、素子12が転写される。一方、薄膜素子供給基板23には、転写しなかった素子12が残存している。
【0096】
未転写の素子12が残っている薄膜素子供給基板23については、前記第7〜8工程を繰り返すことにより、別の最終基板24上に次々に多数の素子12を転写するために使用することができる。すなわち、本発明のデバイスの製造方法を例えば電気光学装置用アクティブマトリクス基板の製造方法に適用する場合、基板上の多数の画素毎にTFT等の微小な素子12を効率よく分散配置することができる。
【0097】
以上のような各工程を経て、転写するべき多数の素子12を最終基板24上に選択的に転写することができる。その後、転写された素子12は、種々の方法で形成される配線によって最終基板24の配線に接続されたり、所望の保護膜の形成がなされ、さらには最終的に得られるデバイスの他の構成部分に組み込まれることなどにより、デバイスに形成される。
なお、本実施の形態においては、薄膜素子供給基板23の最外層に熱融着シートを用い、光照射によって発生する熱によって熱融着を生じさせ、素子12を最終基板24上に転写する構成としたが、この熱融着シートに代えて光硬化樹脂を用い、光の局部照射によって転写するべき素子12のみを最終基板24上に転写させることもできる。その場合には光吸収層15bや保護層15aを設けなくともよい。
【0098】
このようなデバイスの製造方法によれば、最終基板24上に間隔をおいて分散配置される多数の素子12を第1基板10上に集中的に製造することができるので、最終基板24上に直接素子12を形成する場合と比べ、素子12の製造における面積効率を大幅に向上でき、多数の素子12が分散配置された最終基板24を効率よく安価に製造することができる。
また、第1基板10上に集中的に製造した多数の素子12を転写前に選別、排除することが容易に実行可能となり、その結果製品歩留まりを向上することができる。
また、第1基板10と第2基板14との間の剥離層11に、これら基板を離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させるので、剥離層11がその層内及び/又は界面において容易に剥離を生じるようになり、これによって剥離層11と素子12とを剥離し、素子12を第2基板14上に確実に転写することができる。
さらに、同一あるいは異なる素子12を積層しかつ融合することができるので、異なるプロセス条件で製造される素子を融合することで、従来は製造困難であった積層構造を有する素子を提供することができるとともに、3次元構造を有する素子を簡単に製造することができる。
【0099】
また、第1基板10上に形成した素子12を第2基板14に全て転写して取り扱い容易な薄膜素子供給基板23とし、次いで該薄膜素子供給基板23を最終基板24に重ね合わせて転写するべき素子12のみを最終基板24に転写するので、第1基板10上に形成した素子12の積層構造の上下関係を保ったまま、最終基板24上に転写することができる。したがって、上下関係が反転した場合に対処するために外部接続端子の位置を変更するなどの余分な改良を必要とせず、既存の素子の製造プロセスを用いて素子を製造することができる。
【0100】
また、このような製造方法で得られるデバイスにあっては、これを構成する素子が最終基板24上に正確に位置合わせされることから、従来の微小構造体配置技術において用いられる微小構造体と異なり、余分な対称回路構造が不要となる。したがって、必要最小限の回路のみを形成した極めて微小なブロックとすることができるので、第1基板10に極めて多数の素子12を集中して製造することができ、1個当たりの素子のコストが大幅に低減することにより、デバイス自体もコスト低減化がなされたものとなる。
【0101】
なお、前記例では、最終基板を第2基板14とは別に用意し、これに第2基板14の素子12を転写するようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、第2基板14をデバイス形成用の最終基板としてもよい。
また、前述したように前剥離工程を行うことなく、第3工程終了後、直接第4工程を行うことにより、剥離層11を剥離して第2基板14から第1基板10を取り外すようにしてもよい。
【0102】
(第2の実施の形態)
図11〜図14は本発明のデバイスの製造方法の第2の実施の形態を説明するための図である。この製造方法は、以下の(a)〜(j)工程を備えている。
【0103】
[(a)工程]
(a)工程は、第1基板10上に剥離層11を形成する。第1基板10の好ましい材料、剥離層11の好ましい材料、および剥離層11の形成方法などは、前述した第1の実施の形態の[第1工程]と同様に行うことができる。
【0104】
[(b)工程]
次に、剥離層11上に多数の素子12を形成する。この(b)工程は、前述した第1の実施の形態の[第2工程]と同様に行うことができる。
【0105】
[(c)工程]
次に、第1基板10の素子と第2基板26(図11参照)とを、溶剤可溶性接着剤からなる仮接着層26aを介して接合する。
仮接着層26aを構成する溶剤可溶性接着剤としては、水、アルコール、アセトン、酢酸エチル、トルエンなどのいずれかの溶剤で比較的容易に溶解され、接着物を剥離できるような接着剤から適宜選択して使用することができ、例えばポリビニルアルコール系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、ポリビニルピロリドン、アルファオレフィン、マレイン酸系、光硬化型接着剤などの水溶性接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤などの多くの有機溶媒可溶性接着剤を挙げることができる。
【0106】
この仮接着層26aは、第2基板に全面塗布してもよいし、素子12上にのみ塗布してもよい。仮接着層26aの厚みは、素子12を確実に接着することができればよく、使用する接着剤の接着強度などに応じて適宜選択し得る。この仮接着層26aを形成する方法は、スピンコート法、インクジェットコーティング法、印刷法などの方法を用いて行うことができる。
なお、用いる第2基板26の材質や厚みは特に限定されず、例えば前記第1の実施の形態において使用する第2基板14と同等の材料や厚みの基板を用いることができる。
【0107】
[(d)工程]
次に、図11に示すように、第2基板26、仮接着層26a、素子12、剥離層11および第1基板10が積層された状態の仮接合体に対し、第1基板10側から光、好ましくはレーザー光を照射して、剥離層11の層内及び/又は界面において部分的に剥離を生じさせる。
この剥離層11の剥離のために照射する光は、前記第1の実施の形態の前剥離工程で用いる光、特にレーザー光と同様の光、照射条件を用いて実行される。
【0108】
[(e)工程]
次いで、第1基板10と第2基板26との間の剥離層11に、該第1基板10と第2基板26とを離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させ、剥離層11の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる。剥離層11に対して、第1基板10と第2基板26とを離間させる方向に働く力を加える方法としては、前記第1の実施の形態における第4工程で挙げた、種々の方法が採用可能である。
【0109】
剥離後、図12に示すように、素子12から第1基板10を取り外す。第2基板26側に転写された素子12には、剥離層11の剥離残分が付着している場合があり、これを完全に取り除くことが望ましい。残存している剥離層11を除去するための方法は、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法、またはこれらを組み合わせた方法の中から適宜選択して採用することができる。さらに、素子12の転写を終えた第1基板10の表面に付着した剥離層11も、これと同様の方法によって除去することができ、これによって第1基板10を再利用(リサイクル)に供することができる。このように第1基板10を再利用することにより、製造コストの無駄を省くことができる。これは石英ガラスのような高価な材料、希少な材料からなる第1基板10を用いる場合に特に有効となる。
【0110】
[(f)工程]
次に、図13に示すように、全ての素子12が転写された第2基板26と、予め基板上に保護層28a、光吸収層28b、接着層28cを順に積層してなる多層膜28を形成した第3基板27とを重ね合わせ、全ての素子12を接着層28cを介して第3基板27に接合する。
多層膜28の構成は、前記第1の実施の形態で用いた多層膜13と同様のものが用いられる。ここで、用いる第3基板27の材質や厚みは特に限定されず、例えば前記第1の実施の形態において使用する第2基板14と同等の材料や厚みの基板を用いることができる
【0111】
[(g)工程]
次に、仮接着層26aを溶解する溶媒を用いて該仮接着層26aを溶かし去り、素子12から第2基板26を取り外す。
仮接着層26aを溶解するためには、水または有機溶媒などの適当な溶媒中に図13に示す仮接合体の一部(第2基板側)または全部を浸漬するか、溶剤を吹き付けるなどの方法によって行うことができる。第2基板26の取り外し後、残存する溶剤は熱風乾燥等によって完全に留去することが望ましい。
【0112】
[(h)工程]
次に、第2基板26を取り外した後、図14に示すように素子12に熱融着接着剤を含む熱融着シート29aを取り付け、第3基板27上に前記多層膜28、素子12、熱融着シート29aを順に積層した構造の薄膜素子供給基板29を形成する。
この熱融着シート29aは、前記第1の実施の形態において用いた熱融着シート25と同様のものを用いることができる。また熱融着シート29aの配置方法も、前記第1の実施の形態において用いた熱融着シート25と同様に行うことができる。
【0113】
この薄膜素子供給基板29は、後述の(i)工程と(j)工程を実行することによって、前記第1の実施の形態において用いる薄膜素子供給基板23と同じく、最終基板上に選択的に素子12を転写するために使用できるが、前記第1の実施の形態において用いる薄膜素子供給基板23と比べ、最終基板上に転写される素子12の積層構造の上下関係が逆になっている。
【0114】
[(i)工程]
次に、この薄膜素子供給基板29の熱融着シート29a側に図示しない最終基板を重ね合わせ、前記第1の実施の形態の[第7工程]と同様に光を照射することによって、転写するべき素子12のみを最終基板上に転写させる(図9参照)。
使用する最終基板、光照射条件等は、前記第1の実施の形態の[第7工程]と同様に行うことができる。
【0115】
[(j)工程]
次に、最終基板と薄膜素子供給基板29を引き離し、所望位置に素子12が転写された最終基板を得る(図10参照)。
【0116】
このようなデバイスの製造方法にあっても、素子12の製造における面積効率を大幅に向上でき、多数の素子12が分散配置された最終基板を効率よく安価に製造することができる。
また、第1基板10上に集中的に製造した多数の素子12を転写前に選別、排除することが容易に実行可能となり、その結果製品歩留まりを向上することができる。
また、第1基板10と第2基板26との間の剥離層11に、これら基板を離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させるので、剥離層11がその層内及び/又は界面において容易に剥離を生じるようになり、これによって剥離層11と素子12とを剥離し、素子12を第2基板26上に確実に転写することができる。
さらに、従来は製造困難であった積層構造を有する素子を提供することができるとともに、3次元構造を有する素子を簡単に製造することができる。
【0117】
ここで、このような製造方法によって得られるデバイスとしては、特に限定されることなく、半導体素子や光学素子などの素子を構成要素とするものであればいずれのものにも適用可能である。例えば、メモリやTFT等のスイッチング素子などを有する各種の半導体装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、液晶表示装置、電気泳動装置、プラズマディスプレイ装置等の電気光学装置、さらにはレーザ装置等の光学装置など、種々のデバイスに適用することができる。
特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、液晶表示装置、電気泳動装置、プラズマディスプレイ装置等の電気光学装置を、本発明のデバイスの製造方法を適用して製造した場合に、安価に製造することができ、また製品歩留まりを向上することができるなどにより、コストの低減化を図ることができ、したがって得られる電気光学装置は生産性が高く安価なものとなる。
【0118】
また、本発明の電子機器は、前記の電気光学装置を表示部として有したものであり、具体的には図15に示すものが挙げられる。
図15(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図15(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は前記電気光学装置を有した表示部を示している。
図15(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図15(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は前記導電性パターン4(導電膜パターン)を有した表示部を示している。
図15(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図15(c)において、800は時計本体を示し、801は前記電気光学装置を有した表示部を示している。
図15(a)〜(c)に示す電子機器は、前記電気光学装置を有した表示部を備えているので、生産性が高く安価なものとなる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のデバイスの製造方法によれば、最終基板上に間隔をおいて分散配置される多数の素子を第1基板上に集中的に製造するようにしたので、デバイスを安価にかつ効率よく製造することができる。
また、第1基板上に集中的に製造した多数の素子を転写前に選別、排除することができ、したがって製品歩留まりを向上することができる。
また、剥離層に対し、第1基板と第2基板とを離間させる方向に働く力をこれらその端部側から作用させるようにしたので、剥離層に剥離を容易に生じさせることができ、これによって剥離層と素子とを剥離し、素子を第2基板上に確実に転写することができる。
さらに、従来は製造困難であった積層構造を有する素子を提供することができるとともに、3次元構造を有する素子を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のデバイスの製造方法の第1の実施の形態を説明する図であって、第1基板上に剥離層を形成する第1工程を示す断面図である。
【図2】 剥離層上に多数の素子を形成する第2工程を説明する図であって、(a)は剥離層上に多数の素子を形成した状態を示す断面図、(b)は他の形成例を説明するための要部拡大断面図、(c)は素子を提示する拡大断面図である。
【図3】 第2基板上に多層膜を形成した状態を示す断面図である。
【図4】 第1基板と第2基板を接合する第3工程および第1基板側から部分的に光照射することによって、剥離層に剥離を生じさせる第4工程を示す断面図である。
【図5】 第1基板と第2基板とを離間させる方向に働く力を加える方法の一例を説明するための図である。
【図6】 刃状体を備えた剥離装置の一例を模式的に示す図である。
【図7】 第1基板と第2基板とを離間させる方向に働く力を加える方法の他の例を説明するための図である。
【図8】 薄膜素子供給基板を製造する第6工程を示す断面図である。
【図9】 薄膜素子供給基板に最終基板を重ね合わせ、選択的に光照射することによって、最終基板上に転写するべき素子のみを転写する第7工程を示す断面図である。
【図10】 転写終了後に最終基板を第2基板から取り外す第8工程を示す断面図である。
【図11】 本発明のデバイスの製造方法の第2の実施の形態を説明する図であって、素子を第2基板側に転写するために第1基板の剥離層に光照射する(d)工程を示す断面図である。
【図12】 第2基板側に転写した素子から第1基板を取り外した状態を示す断面図である。
【図13】 第2基板側に転写した素子上に、予め多層膜を形成した第3基板を接合する(f)工程を示す断面図である。
【図14】 薄膜素子供給基板を形成する(h)工程を示す断面図である。
【図15】 本発明に係る電子機器を示す図であり、(a)は携帯電話の一例を示す図、(b)は携帯型情報処理装置の一例を示す図、(c)は腕時計型電子機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…第1基板、11…剥離層、12…素子、13,28…多層膜、
14,26…第2基板、23,29…薄膜素子供給基板、24…最終基板、
25,29a…熱融着シート
Claims (10)
- 第1基板上に形成した多数の素子の一部または全部を第2基板上に転写し、この転写した素子の一部または全部を用いてデバイスを製造する方法であって、
前記第1基板上に剥離層を形成する第1工程と、
前記剥離層上に多数の素子を形成するとともに、該素子とその直下の剥離層とを島状に形成する第2工程と、
前記第1基板上の転写するべき素子を、接着層を介して前記第2基板に接合する第3工程と、
前記第1基板と第2基板との間の前記剥離層に、該第1基板と第2基板とを離間させる方向に働く力をこれら基板の一方の端部側から作用させ、剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる第4工程と、
素子の転写を終えた前記第1基板を前記第2基板から離脱させる第5工程と、を有し、
前記第2工程では、前記各素子の直下の剥離層を、素子との接着面積が素子の剥離層接合面の全面積よりも小さくなるように形成することを特徴とするデバイスの製造方法。 - 前記第1基板から第2基板への素子の転写を、第1基板上に形成した素子の全部を一括して転写することで行うことを特徴とする請求項1記載のデバイスの製造方法。
- 前記第1基板を前記第2基板から離脱させた後、第2基板上に転写された前記素子上に熱融着接着剤を含む熱融着シートを設けて薄膜素子供給基板を形成する第6工程と、前記薄膜素子供給基板の前記熱融着シートに接するように最終基板を重ね合わせ、転写するべき前記素子の領域のみに選択的に光を照射し、転写するべき前記素子のみをデバイス形成用の最終基板上に接合する第7工程と、前記素子が転写された最終基板から未転写の素子を有する前記薄膜素子供給基板を取り外す第8工程と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の素子の転写方法。
- 前記第3工程と第4工程との間において、転写するべき前記素子と第1基板との間の前記剥離層に選択的に光を照射し、前記剥離層の層内及び/又は界面において剥離を生じさせる前剥離工程を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
- 前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、刃状体を差し入れることで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
- 前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、高圧ガスを噴射することで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
- 前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、液体を噴射することで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
- 前記第4工程を、第1基板と第2基板とのうちの一方の端部側を、第1基板と第2基板とのうちの他方に対して離間する方向に移動させることで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
- 前記第1工程において剥離層を形成する際、該剥離層の一方の端部側に熱膨張性材料を設けておき、
前記第4工程を、加熱処理することによって前記熱膨張性材料を熱膨張させることで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。 - 前記第4工程を、第1基板と第2基板との間の一方の端部側に、レーザ光を照射して剥離層をレーザアブレーションさせることで行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスの製造方法。
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