JP4149832B2 - Eyeglass lenses for correcting vision - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の繰り返し単位を含有してなるポリエステル重合体を含有してなる樹脂組成物を成形して得られる視力矯正用眼鏡レンズに関する。
【0002】
本発明の視力矯正用眼鏡レンズは、透明性、光学特性に優れ(高屈折率、低色収差(高アッベ数)、低複屈折率)、且つ、熱的特性、機械的特性、耐薬品性が良好であり、さらには、成形加工性が良好であるという特徴を有する。
【0003】
【従来の技術】
無機ガラスは、透明性に優れ、光学異方性が小さいなどの諸物性に優れていることから、透明性光学材料として広い分野で使用されている。しかしながら、重くて破損しやすいこと、加工して光学部品などを製造する際に生産性が悪い等の短所があり、無機ガラスに代わる素材として透明性有機高分子材料(光学用樹脂)の開発が盛んに行われている。近年では学用樹脂の高機能化、高品質化が進展し、かかる光学用樹脂を成形加工して得られる光学部品は、例えば、視力矯正用眼鏡レンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用プラスチックレンズなどの用途分野でさらに普及を見せている。
【0004】
光学用樹脂として最も重要な基本的特性の一つは透明性である。現在までに透明性の良好な光学用樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(BPA−PC)、ポリスチレン(PS)、メチルメタクリレート-スチレン共重合ポリマー(MS)、スチレン-アクリロニトリル共重合ポリマー(SAN)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)(TPX)、ポリシクロオレフィン(COP)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体(DAC)、ポリチオウレタン(PTU)などが知られている。
【0005】
これら光学用樹脂の中でもポリメチルメタクリレート(PMMA)は透明性に優れ、光学異方性が比較的小さく(低複屈折率)、かつ、成形性、耐候性などが良好である等々の特性を有し、代表的な光学用樹脂の一つとして広く用いられている。しかしながら、屈折率(nd)が1.49と低く、吸水率が高い等の欠点を有している。
【0006】
同様に代表的な光学用樹脂の一つであるポリカーボネート(BPA−PC)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、通称のビスフェノールAと記す)とカーボネート化合物(例えば、塩化カルボニル、ジフェニルカーボネート等)の縮重合反応により得られ、透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、比較的高屈折率(nd=1.59)である等々の特性を有し、情報記録用光ディスク基板をはじめとする光学用途において広く用いられている。しかしながら、色収差(屈折率分散)、複屈折率が比較的大きく、また溶融粘度が高く成形性がやや困難である等の欠点を有しており、さらなる性能、特性の改良が続けられている。
【0007】
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体(DAC)はモノマーであるジエチレングリコールビスアリルカーボネートをラジカル注型重合して得られる架橋高分子構造の熱硬化性樹脂であり、透明性、耐熱性が良好であり、色収差が極めて小さいといった特徴を有しており、汎用の視力矯正用プラスチック眼鏡レンズ用途において最も多く使用されている。しかしながら、屈折率が低く(nd=1.50)、耐衝撃性にやや劣るという欠点を有する。
【0008】
ポリチオウレタン(PTU)はジイソシアネート化合物とポリチオール化合物との反応で得られる架橋高分子構造の熱硬化性樹脂であり、透明性、耐衝撃性に優れ、高屈折率(nd≧1.6)で、かつ、色収差も比較的小さいなどの特徴を有する極めて優れた光学用樹脂である。薄厚、軽量の高品質な視力矯正用プラスチック眼鏡レンズの用途で、現在、最も多く使用されているが、唯一、眼鏡レンズを製造する工程において熱重合成形時間に長時間(1〜3日)を要する生産性面の改良の余地を残している。
【0009】
前述の光学用樹脂に見られた欠点、問題点を改良し、射出成形加工により短時間で高機能、高品質の光学部品を得る目的で、新規な熱可塑性光学用樹脂が提案されている。例えば、ジシクロペンタジエン構造を有するジヒドロキシ化合物から誘導される特定の繰り返し構造単位を有する脂環系ポリカーボネート共重合体が比較的低い色収差(高アッベ数)を有し、光学用途での利用が提案されている(例えば、特開昭64−66234号公報、特開平1−223119号公報など)。また、テレフタル酸誘導体と特定構造の含硫化合物より得られる芳香族ポリエステル共重合体が高屈折率の熱可塑性光学用樹脂として有用であることが示唆されている(例えば、特開平3−43415号、特開平2−245030号など)。
さらに、フルオレンビスフェノール構造を有するジヒドロキシ化合物から得られる特定の繰返し構造単位を有する熱可塑性ポリエステル共重合体が高屈折率、低複屈折率などの特徴を示し、光学用途に有用であることが開示されている(例えば、特開平7−196751号など)。
【0010】
しかしながら、これらに開示された方法では、射出成形または射出圧縮成形により短時間で光学部品の製造が可能となるものの、得られた光学部品は実用面で要求される種々の物性を十分満たしているとは言い難かった。
【0011】
すなわち、例えば、視力矯正用眼鏡レンズとして用いようとした場合、例えば
●屈折率、アッベ数の何れかが極端に低い、
●加熱変形温度が低く高温環境下で変形が生じる、
●耐衝撃性などの機械的強度に乏しく外部からの種々の衝撃、応力などによってレンズ割れ等が発生する、
●油脂、溶剤などの付着によりレンズ表面が変質したり物性変化をきたす
等、光学特性、熱的特性、機械的特性、耐薬品性などの特性面において、実用上の欠点、問題点を残していた。
【0012】
以上のように、従来の光学用樹脂は用途に応じてその特徴を考慮して使用されているものの、それぞれに克服すべき欠点、問題点を有しているのが現状である。
【0013】
特に視力矯正用眼鏡レンズ用を代表例とするプラスチックレンズ用途においては、射出成形などにより短時間で成形加工が可能であり、透明性、光学特性に優れ(高屈折率、高アッベ数、低複屈折率など)、機械的特性(例えば、耐衝撃性など)、熱的特性(例えば、熱変形温度など)、耐薬品性(耐油脂性、耐溶剤性など)が良好な光学用樹脂、ならびに、該光学用樹脂を成形して得られる、実用面での諸特性に優れた光学部品の開発が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、透明性、光学特性に優れ、機械的特性、熱的特性、耐薬品性が良好な視力矯正用眼鏡レンズを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一般式(1−A)で表される繰り返し構造単位のみを繰り返し構造単位としてを含有してなるポリエステル重合体を含有してなる樹脂組成物を成形して得られる視力矯正用眼鏡レンズに関する。
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、n1、n2はそれぞれ独立に、炭素数0〜4の整数を表す)
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明に係るポリエステル重合体は、後で詳細に説明するが、代表的には、下記の式(1)で表されるビスフェノール化合物と、式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体(ジカルボン酸ハロゲン化物またはジカルボン酸エステル化合物を表し、以下、同様な意味を示す)とを作用させてエステル化反応で重合させることにより得られる。
【0020】
かかるポリエステル重合体それ自体は、例えば、特開平2001−242657号、Journal of Applied Polymer Science.,Vol.14,658〜698頁(1970年)、Journal of Applied Polymer Science.,Vol.11,227〜244頁(1967年)などに開示されている。しかしながら、これら文献には、当該ポリマー化合物の透明性、光学特性に関する記述は一切なく、当然、光学用樹脂としてプラスチックレンズなど光学部品に応用することを示唆する記載などは全く見られない。
【0021】
本発明者らが前記課題を解決するべく鋭意検討を続けていたところ、予想しえなかったことに、一般式(1−A)で表されるポリエステル重合体を含有してなる樹脂組成物を成形して得られる視力矯正用眼鏡レンズが透明性、光学特性、機械的特性、熱的特性、耐薬品性などの諸物性面で良好な特性を示していることを見い出した。特に驚くべきことに、高い透明性を有しつつ、かつ、耐衝撃性、耐薬品性に極めて優れている特性を具備していることを見い出すに至り、本発明に到達した。
【0022】
本発明に係るポリエステル重合体は、式(1)(化3)で表されるジヒドロキシ化合物と式(2)(化4)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体とから得られる一般式(1−A)で表される繰り返し構造単位を必須の繰り返し構造単位として有する重合体である。
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、n1、n2はそれぞれ独立に、炭素数0〜4の整数を表す)
【0025】
【化4】
【0026】
一般式(1−A)において、R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子を表す。
【0027】
該置換基R1、R2として、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、メチル基、臭素原子、メトキシ基またはフェニル基である。
【0028】
かかる置換基R1、R2として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェニル基、塩素原子または臭素原子などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
該置換基R1、R2として、さらに好ましくは、メチル基、フェニル基または臭素原子である。
【0030】
一般式(1−A)において、n1、n2はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは、0から3の整数であり、より好ましくは、0〜2の整数であり、さらに好ましくは、0〜1の整数である。
一般式(1−A)におけるn1、n2として、特に好ましくは、共に0である。
【0031】
本発明に係るポリエステル重合体には、原料モノマーとなる式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の2つのヒドロキシ基が各々芳香環に結合する位置が異なる位置異性体が存在するため、互いに位置異性構造となる異なる繰返し構造単位が存在する。本発明に係るポリエステル重合体は、それら全ての位置異性となる繰り返し構造単位を包含するが、特に限定するものではない。
【0032】
一般式(1−A)で表される繰返し構造単位の中でも、式(1−A−i)(化5)で表される繰り返し構造単位は、特に好ましい。
【0033】
【化5】
【0034】
さらにまた、式(2)で表されるジカルボン酸またはその誘導体が、立体異性体(シス体およびトランス体)を有していることから、式(1−A)で表される繰り返し構造単位において、それに起因する立体構造の異なる2つの繰り返し構造単位が存在する。
【0035】
本発明のポリエステル重合体は、前述したように、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を、式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体(ジカルボン酸ハロゲン化物またはジカルボン酸エステル化合物)に作用させて、エステル化反応で縮重合することにより製造される。重合反応それ自体は、従来、公知のポリエステル重合方法と同様にして好適に実施される。
【0036】
本発明に係るポリエステル重合体の一方の原料モノマーである式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は工業的に製造される化合物として入手可能である。すなわち、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)またはその類縁体化合物であり、例えば、酸触媒の存在下にアセトンと各種フェノール類とを反応させることにより工業的に広く製造されており、工業原料として入手可能である。
【0037】
かかるジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称、ビスフェノールA〕、
2-(4'−ヒドロキシフェニル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(2'−ヒドロキシフェニル)-2-(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(2'−ヒドロキシフェニル)-2-(2'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
【0038】
2,2-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−エチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−n−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−sec−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3'−フェニル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3',5'-ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',3',5',6'-テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン
などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体としては、ジカルボン酸化合物、その酸ハロゲン化物(例えば、酸クロリド、酸ブロミドなど)またはそのエステル化合物(例えば、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステルなどのアルキルエステル、フェニルエステルなどのアリールエステルなど)が包含される。かかる化合物は公知化合物であり、特に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は工業原料として入手可能である。さらに、1,4−シクロヘキサンジカルボンを例えば、酸ハロゲン化チオニル、塩化カルボニル、シュウ酸ジクロライド、オキシ塩化リン、五塩化リンなどの化合物を用いた公知の酸ハロゲン化法により、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の酸ハロゲン化物が好適に製造される。
【0040】
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体(その酸ハロゲン化物またはそのエステル化合物)には、2つのカルボキシ基またはそれから誘導される基のシス体、トランス体の立体異性体が存在するが、本発明において用いられる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはその誘導体(その酸ハロゲン化物またはそのエステル化合物)はいずれの立体異性体も包含するが、シス体およびトランス体の混合物として使用されることが、通常、より好ましい。
【0041】
本発明に係るポリエステル重合体は、反応自体は公知である種々のポリエステル重合方法[例えば、実験化学講座第4版 (28巻)高分子合成、217〜231頁、丸善出版(1988年)に記載の方法など]に従って、好適に製造される。
すなわち、代表的には、例えば、ジカルボン酸クロリド等を用いる溶融重合法、溶液重合法、界面重合法、エステル交換法、直接重合法などがの方法であり、より具体的には、
▲1▼式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に、式(3)で表されるジカルボン酸の酸ハロゲン化物(例えば、酸クロリド、酸ブロミドなど)を無溶媒または溶媒中で作用させて、脱ハロゲン化水素しながらエステル化反応を行い重合する方法;
▲2▼式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に式(3)で表されるジカルボン酸のエステル化合物を無溶媒または溶媒中で作用させて、エステル交換反応により重合する方法;
▲3▼式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に式(3)で表されるジカルボン酸化合物を無溶媒または溶媒中で作用させて、脱水縮合しながらエステル化反応を行い重合する方法などが挙げられる。
【0042】
これらの方法においては、反応を促進するために、必要に応じて、酸性化合物または塩基性化合物(無機の酸性または塩基性化合物、有機の酸性または塩基性化合物など)を使用して、その存在下に行うことが可能である。
【0043】
本発明に係るポリエステル重合体の分子量として、特に限定されるものではないが、通常、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定する標準ポリスチレン換算の分子量として、重量平均分子量が5000〜200000であり、好ましくは、10000〜180000であり、より好ましくは、20000〜150000である。
【0044】
また、重量平均分子量と数平均分子量の比として表される多分散性インデックスとしては、特に限定されるものではないが、好ましくは、1.5〜20.0であり、より好ましくは、2.0〜15.0であり、さらに好ましくは、2.0〜10.0である。
【0045】
本発明に係るポリエステル重合体において、末端基は、前述したような式(1)または式(2)で表される原料モノマーに由来するヒドロキシ基、カルボキシ基等の末端基であってもよく、また、以下に説明するような分子量調節剤(例えば、1価のヒドロキシ化合物、1価のチオール化合物または1価のカルボン酸誘導体など)でポリマー主鎖の末端基が封止された重合反応に不活性な末端基であってもよい。
【0046】
本発明のポリエステル重合体中での末端基の量は、特に制限はないが、通常、構造単位の総モル数に対して、0.001〜5モル%であり、好ましくは、0.01〜4モル%であり、より好ましくは、0.05〜3モル%である。
【0047】
本発明に係るポリエステル重合体を、前記の方法に従い重合して製造する際に、分子量を調節する目的で分子量調節剤の存在下に重合を行うことは好ましいことである。
【0048】
かかる分子量調節剤としては特に限定されるものではなく、各種既知の分子量調節剤であればよく、例えば、1価の脂肪族ヒドロキシ化合物または芳香族ヒドロキシ化合物、1価の脂肪族チオール化合物または芳香族チオール化合物、もしくは、1価の脂肪族または芳香族カルボン酸誘導体(例えば、1価の脂肪族または芳香族カルボン酸ハロゲン化物、1価の脂肪族または芳香族カルボン酸エステル化物など)等が挙げられる。
【0049】
かかる化合物として、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、メトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキシルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノール、4-tert-ブチルフェノール、2-クレゾール、3-クレゾール、4-クレゾール、4-エチルフェノール、4-シクロヘキシルフェノール、4-メトキシフェノール、4-イソプロペニルフェノール、4-クロロフェノール、4-ブロモフェノール、4-クミルフェノール、4-フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなど1価の脂肪族ヒドロキシ化合物または芳香族ヒドロキシ化合物;
メタンチオール、エタンチオール、ブタンチオール、オクタンチオール、シクロヘキサンチオール、フェニルメタンチオール、ベンゼンチオールなどの1価の脂肪族または芳香族チオール化合物;
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、安息香酸、4-メチル安息香酸、3-メチル安息香酸、2-メチル安息香酸、4-クロロ安息香酸、3-クロロ安息香酸、2-クロロ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などの1価の脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0050】
分子量調節剤の使用量は特に制限するものでなく、目的の分子量に調節するために所望に応じて用いればよいが、通常、重合するジヒドロキシ化合物の総モル数に対して、0.001〜5モル%であり、好ましくは、0.01〜4モル%であり、より好ましくは、0.05〜3モル%であり、さらに好ましくは、0.05〜2モル%である。
【0051】
本発明に係るポリエステル重合体を成形して視力矯正用眼鏡レンズを得る際に、熱安定性、耐候性、耐光性などを高める目的で酸化防止剤(例えば、リン原子含有化合物、フェノール系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄原子含有化合物など)を添加することは好ましい。
【0052】
かかる酸化防止剤の量は、本発明に係るポリエステル重合体100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部であり、より好ましくは、0.005〜3重量部であり、さらに好ましくは、0.01〜2重量部である。
かかる酸化防止剤としては、例えば、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシルホスファイト)、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリス(2−クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3−ジクロロプロピルホスファイト)、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリ(メチルフェニル)ホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、フェニル−ジデシルホスファイト、ジフェニル−イソオクチルホスファイト、ジフェニル−2−エチルヘキシルホスファイト、ジフェニル−デシルホスファイト、ジフェニル−トリデシルホスファイト、ビス(トリデシル)−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、ジステアリル−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、ジフェニル−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスチリル−ジホスファイト、テトラフェニル−ジプロピレングリコール−ジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニル−ジホスファイト、テトラ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニルホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスチリルテトラホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイトなどの亜リン酸類;
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどのリン酸類;
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトなどの亜ホスホン酸類;
ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジイソプロピルなどのホスホン酸類などのリン原子含有化合物、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどの公知のフェノール系化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよく、あるいは、2種類以上併用してもよい。
【0053】
さらに本発明の所望の効果を損なわない範囲で、本発明の視力矯正用眼鏡レンズを製造する際に該ポリエステル重合体に対して、紫外線吸収剤、離型剤(例えば、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル類など)、滑剤、難燃剤(例えば、有機ハロゲン系化合物など)、染料、流動性改良剤、熱安定剤(例えば、硫黄原子含有化合物など)等の各種添加剤を混合して用いても、差し支えない。
【0054】
かかる酸化防止剤または各種添加剤を配合する方法としては、特に方法に制限なく、各種公知の方法により実施される。すなわち、
▲1▼重合反応後のポリエステル溶液からポリエステルを固体として単離した後、該固体に対して上記酸化防止剤を添加して、さらに公知の各種混合装置(例えば、タンブラーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーなど)により分散混合する方法、
あるいは、
▲2▼前述の通り、各種混合機により分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法などが挙げられる。またこれらの方法を併用しても差し支えない。
【0055】
本発明のポリエステル重合体を含有してなる樹脂組成物は、熱可塑性であり、溶融状態で射出成形、押出成形、ブロー成形、射出圧縮成形、さらには、溶液キャスティングなどの各種公知の成形方法により好適に成形加工される。
【0056】
本発明の視力矯正用眼鏡レンズを得るための成形方法として、好ましくは、射出成形、射出圧縮成形または押出成形であり、より好ましくは、射出成形または射出圧縮成形である。
【0057】
本発明の視力矯正用眼鏡レンズを製造する際の成形条件としては、用いるポリエステル重合体の熱的特性に応じて任意の条件で行えるが、通常、樹脂温度200〜350℃、金型温度25(室温)〜180℃の範囲であり、好ましくは、樹脂温度200〜330℃、金型温度50〜180℃の範囲であり、さらに好ましくは、樹脂温度200〜320℃、金型温度50〜170℃の範囲である。
【0060】
上記方法で得られる本発明の視力矯正用眼鏡レンズは、透明性、光学特性に優れ(高屈折率、高アッベ数、低複屈折率)、熱的特性、機械的特性、耐薬品性などが良好であり、特に、耐衝撃性、耐油性に優れる。
【0061】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。下記製造例にて得られたポリエステル重合体の物性測定は、下記の方法により行われた。
[重量平均分子量の測定〕
ポリエステル重合体の0.2重量%クロロホルム溶液を、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)〔昭和電工(株)製、System−11〕により測定し、重量平均分子量(Mw)を求めた。なお、測定値は標準ポリスチレンに換算した値である。
〔溶融流動開始温度および溶融粘度〕
島津高化式フローテスター(CFT500A)を使用し、荷重100kgで直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した。
[屈折率、アッベ数]
ポリエステル重合体を280℃でプレス機によりプレス成形してシート状試験片(20mm×50mm、厚さ3mm)を作成し、プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で屈折率(nd)およびアッベ数(νd)を求めた。
[屈折率、アッベ数]
ポリエステル重合体を280℃でプレス機によりプレス成形してシート状試験片(20mm×50mm、厚さ3mm)を作成し、プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で屈折率(nd)およびアッベ数(νd)を求めた。
[複屈折率]
ポリエステル共重合体の厚さ5μmの薄膜をシリコンウエハー上に作成した。すなわち、該ポリエステル重合体の1,1,1−トリクロロエタン溶液(20%濃度)をテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.45μm)で濾過した後、シリコンウエハー(直径5インチ)上に回転数2000rpm、5秒間の条件下でスピンコートした。その後、70℃で15分間乾燥して溶媒を留去させて、厚さ5μmの該成形材料の薄膜を作成した。プリズムカプラ(メトリコン社製モデル2020)を使用して632nmレーザー光源で、該薄膜のTEモード光およびTMモード光での屈折率を測定し、それらの差として複屈折率を求めた。
【0062】
[本発明に係るポリエステル重合体の製造および物性測定]
参考製造例1
撹拌装置、還流冷却管、温度計、滴下漏斗を取り付けた内容量3リットルのフラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 500.0g(2.905モル)およびトルエン 350gを秤取した。窒素雰囲気下、60℃で攪拌しながら該混合物に対してオギザリルクロリド 922.0g(7.265モル)を3時間かけて滴下した。さらに、60℃で1時間反応を行なった後、徐々に昇温して、70〜85℃で5時間反応させた。室温で不溶物を濾過して得られたトルエン溶液から減圧下にトルエンを留去して、微黄色透明液体の粗生成物を得た。該粗生成物をさらに減圧下で蒸留して、無直透明液体として式(3−1)(化6)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド 550.55gを得た。該化合物は室温で部分的に結晶化して、液体と固体の混合物となった。
ガスクロマトグラフィー分析により2つの立体異性体の含まれる比率はシス体:トランス体=65:35であった。
沸点; 100〜105℃/0.40kPa(3mmHg)
収率90.6%
【0063】
【化6】
【0064】
実施例1
撹拌装置、還流冷却管、温度計を設けた内容量3リットルのフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 228.29g(1.00モル)およびキシレン 400gを秤取し、窒素雰囲気下、130℃で攪拌して溶解させた。この混合物の温度を130℃に保ちつつ、該混合物に対して、参考製造例1で製造した1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド 211.26g(1.01モル)を3時間かけて滴下した後、窒素気流下で副生する塩化水素を反応系外へ除去しながら、135℃で8時間反応させた。反応溶液のGPC分析を行ない、重量平均分子量が6.5×104(6.5万)となったことを確認した後、反応液を100℃に冷却して、その後、末端停止剤としてフェノール1.88g(0.020モル;ジヒドロキシ化合物およびジチオール化合物の総モル数に対して1モル%)を添加した。その後100℃で2時間反応を続けて、反応溶液を室温まで放冷すると固体状物が析出した。これに対してメタノール2000gを加えて、析出したポリマーを濾過して集めた。
60℃で20時間減圧乾燥して、白色粉末状固体として目的物のポリエステル重合体 359.22g(収率95%)を得た。
得られたポリエステル重合体は、GPC分析の標準ポリスチレン換算で重量平均分子量7.0×104(7. 1万)であった。前述の方法に従い、該ポリエステル共重合体の物性測定を行った。
ガラス転移温度(Tg)は165℃を示した。溶融流動開始温度は260℃であった。屈折率(nd)1.572、アッベ数(νd)34.5を示した。
また複屈折率は公知のポリカーボネートと比較して低い値を示した。
【0065】
【化7】
【0066】
比較例1(公知のポリメチルメタクリレートを用いた物性測定および光学部品の製造)
公知のポリメチルメタクリレート樹脂(一般光学用グレード)を用いて上記方法に従って、物性測定を行った。ガラス転移温度(Tg)は111℃であり、屈折率(nd)1.487、アッベ数(νd)54であり、複屈折率は1×10-4以下であった。
【0067】
比較例2(公知のポリカーボネートを用いた物性測定)
公知の汎用ポリカーボネート(光学ディスク用グレード;重量平均分子量3万)を用いて上記方法に従って、物性測定を行った。ガラス転移温度(Tg)は130℃であり、屈折率(nd)1.580、アッベ数(νd)30であった。複屈折率は70×10-4であり、比較的高い値であった。
【0068】
<本発明のプラスチックレンズの製造>
実施例2
実施例1で製造したポリエステル重合体100重量部、トリス(2,4−ジ−tert―ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部およびペンタエリスチリル[3−(3,5−ジ-tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1重量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、単軸押出機(65mm)にてシリンダー温度300℃で脱気しながら溶融混練して、押出ペレット化して、無色透明ペレット状の樹脂組成物を得た。
該樹脂組成物を用いて射出成形によってレンズ形状の成形品を製造した。
すなわち、ペレット状の樹脂組成物を100℃で24時間減圧乾燥した後、射出成形機にて成形温度310℃、金型温度120℃で射出成形して、無色透明のプラスチックレンズ(凸レンズ;直径75mm、中心厚4.2mm、コバ厚1.0mm、+2.00D)を得た。この成形体を偏光板の間において観察したところ、脈理、歪みなどは観察されず、複屈折が低く光学的に均質なものであった。得られたプラスチックレンズは、透明性、熱的特性(熱変形温度など)、機械的特性(耐衝撃性、引張り強度、曲げ強度など)、耐薬品性などの諸物性面で、良好な特性を示した。
【0069】
【発明の効果】
本発明の視力矯正用眼鏡レンズは、光学特性に優れ(透明性、高屈折率、高アッベ数、低複屈折率など)、機械的物性、熱的特性が良好であり、かつ、本発明に係るポリエステル重合体を射出成形によって成形加工することにより生産性良く製造される。特に、透明性、光学特性、耐衝撃性、耐薬品性などが優れている。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a polyester polymer containing a specific repeating unit.A resin composition comprisingObtained by moldingEyeglass lenses for correcting visionAbout.
[0002]
Of the present inventionEyeglass lenses for correcting visionHas excellent transparency and optical properties (high refractive index, low chromatic aberration (high Abbe number), low birefringence), good thermal properties, mechanical properties, and chemical resistance, and molding. Features that workability is goodHave.
[0003]
[Prior art]
Inorganic glass is used in a wide range of fields as a transparent optical material because it is excellent in various properties such as excellent transparency and small optical anisotropy. However, there are disadvantages such as being heavy and prone to breakage, and poor productivity when manufacturing optical parts by processing, and the development of transparent organic polymer materials (optical resins) as an alternative to inorganic glass has been developed. It is actively done. In recent years, scientific resins have been improved in functionality and quality, and optical components obtained by molding such optical resins are pick-ups in information recording equipment such as eyeglass lenses for correcting vision, CDs, DVDs, etc. It is becoming more popular in fields such as lenses and plastic lenses for digital cameras and other photographic equipment.
[0004]
One of the most important basic properties as an optical resin is transparency. To date, examples of optical resins having good transparency include polymethyl methacrylate (PMMA), polycarbonate (BPA-PC), polystyrene (PS), methyl methacrylate-styrene copolymer (MS), and styrene-acrylonitrile copolymer. Polymer (SAN), poly (4-methyl-1-pentene) (TPX), polycycloolefin (COP), diethylene glycol bisallyl carbonate polymer (DAC), polythiourethane (PTU) and the like are known.
[0005]
Among these optical resins, polymethyl methacrylate (PMMA) has excellent properties such as excellent transparency, relatively small optical anisotropy (low birefringence), good moldability, weather resistance, and the like. However, it is widely used as one of typical optical resins. However, it has disadvantages such as a low refractive index (nd) of 1.49 and a high water absorption.
[0006]
Similarly, polycarbonate (BPA-PC), which is one of typical optical resins, includes 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (hereinafter referred to as bisphenol A) and a carbonate compound (for example, chloride). Obtained by polycondensation reaction of carbonyl, diphenyl carbonate, etc.), excellent in transparency, heat resistance, impact resistance, relatively high refractive index (nd = 1.59), etc., for information recording Widely used in optical applications including optical disk substrates. However, it has drawbacks such as relatively high chromatic aberration (refractive index dispersion) and birefringence, high melt viscosity, and somewhat difficult moldability, and further improvements in performance and characteristics are continuing.
[0007]
Diethylene glycol bisallyl carbonate polymer (DAC) is a thermosetting resin having a crosslinked polymer structure obtained by radical casting polymerization of diethylene glycol bisallyl carbonate as a monomer, and has excellent transparency and heat resistance, and has chromatic aberration. It is extremely small and is most frequently used in general-purpose vision correction plastic spectacle lens applications. However, the refractive index is low (nd = 1.50) and the impact resistance is slightly inferior.
[0008]
Polythiourethane (PTU) is a thermosetting resin with a crosslinked polymer structure obtained by reaction of a diisocyanate compound and a polythiol compound. It has excellent transparency and impact resistance, and has a high refractive index (nd ≧ 1.6). In addition, it is an extremely excellent optical resin having characteristics such as relatively small chromatic aberration. Currently used most frequently in thin, lightweight, high-quality plastic eyeglass lenses for eyesight correction, but only in the process of manufacturing eyeglass lenses, it takes a long time (1 to 3 days) for thermal polymerization molding time. There is still room for improvement in productivity.
[0009]
A novel thermoplastic optical resin has been proposed for the purpose of improving the disadvantages and problems found in the above-mentioned optical resins and obtaining high-performance and high-quality optical parts in a short time by injection molding. For example, an alicyclic polycarbonate copolymer having a specific repeating structural unit derived from a dihydroxy compound having a dicyclopentadiene structure has a relatively low chromatic aberration (high Abbe number), and is proposed for use in optical applications. (For example, JP-A-64-66234, JP-A-1-223119, etc.). Further, it has been suggested that an aromatic polyester copolymer obtained from a terephthalic acid derivative and a sulfur-containing compound having a specific structure is useful as a thermoplastic optical resin having a high refractive index (for example, JP-A-3-43415). JP-A-2-245030).
Furthermore, it is disclosed that a thermoplastic polyester copolymer having a specific repeating structural unit obtained from a dihydroxy compound having a fluorene bisphenol structure exhibits characteristics such as a high refractive index and a low birefringence, and is useful for optical applications. (For example, JP-A-7-196751).
[0010]
However, in the methods disclosed in these, optical parts can be produced in a short time by injection molding or injection compression molding, but the obtained optical parts sufficiently satisfy various physical properties required for practical use. It was hard to say.
[0011]
That is, for example, when trying to use as a vision correction eyeglass lens, for example,
● Either refractive index or Abbe number is extremely low,
● Heat deformation temperature is low and deformation occurs in high temperature environment.
● Lack of mechanical strength such as impact resistance causes lens cracks due to various external impacts and stresses,
● The lens surface may be altered or change its physical properties due to adhesion of oils and fats, solvents, etc.
In terms of characteristics such as optical characteristics, thermal characteristics, mechanical characteristics, chemical resistance, etc., practical disadvantages and problems remained.
[0012]
As described above, although conventional optical resins are used in consideration of their characteristics depending on the application, the current situation is that each has drawbacks and problems to be overcome.
[0013]
In particular, plastic lenses for eyesight correction eyeglass lenses can be molded in a short time by injection molding, etc., and have excellent transparency and optical properties (high refractive index, high Abbe number, low compounding). Optical resin with good refractive index, mechanical properties (eg, impact resistance), thermal properties (eg, heat distortion temperature, etc.), chemical resistance (oil resistance, solvent resistance, etc.), and Development of an optical component having excellent practical characteristics obtained by molding the optical resin is desired.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
The problems of the present invention are excellent in transparency and optical properties, and good in mechanical properties, thermal properties and chemical resistance.Eyeglass lenses for correcting visionIs to provide.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have arrived at the present invention as a result of intensive studies in order to solve the above problems. That is, the present invention provides a repeating structural unit represented by the general formula (1-A).Only as a repeating structural unitA polyester polymer containingA resin composition comprisingObtained by moldingEyeglass lenses for correcting visionAbout.
[0016]
[Chemical 2]
[0017]
(Wherein R1 and R2 each independently represents an alkyl group, an alkoxy group, a phenyl group or a halogen atom;1, N2Each independently represents an integer of 0 to 4 carbon atoms)
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0019]
The polyester polymer according to the present invention will be described in detail later, but typically, a bisphenol compound represented by the following formula (1) and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid represented by the formula (2) It can be obtained by polymerizing by an esterification reaction with an acid or a derivative thereof (representing a dicarboxylic acid halide or a dicarboxylic acid ester compound, which has the same meaning hereinafter).
[0020]
Such polyester polymer itself is disclosed in, for example, JP-A No. 2001-242657, Journal of Applied Polymer Science. , Vol. 14, 658-698 (1970), Journal of Applied Polymer Science. , Vol. 11, pages 227 to 244 (1967). However, in these documents, there is no description regarding the transparency and optical properties of the polymer compound, and of course there is no description suggesting that the polymer compound is applied to optical parts such as plastic lenses.
[0021]
When the present inventors have continued intensive studies to solve the above-mentioned problems, the general formula (1-AThe polyester polymer represented byA resin composition comprisingObtained by moldingEyeglass lenses for correcting visionHas been found to exhibit good properties in terms of various physical properties such as transparency, optical properties, mechanical properties, thermal properties, and chemical resistance. Surprisingly, the present inventors have found that the film has high transparency and has excellent properties such as impact resistance and chemical resistance, and has reached the present invention.
[0022]
The polyester polymer according to the present invention is obtained from a dihydroxy compound represented by the formula (1) (chemical formula 3) and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid represented by the formula (2) (chemical formula 4) or a derivative thereof. It is a polymer which has a repeating structural unit represented by general formula (1-A) as an essential repeating structural unit.
[0023]
[Chemical 3]
[0024]
(Wherein R1 and R2 each independently represents an alkyl group, an alkoxy group, a phenyl group or a halogen atom;1, N2Each independently represents an integer of 0 to 4 carbon atoms)
[0025]
[Formula 4]
[0026]
In general formula (1-A), R 1 and R 2 each independently represents an alkyl group, an alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom.
[0027]
The substituents R1 and R2 are preferably an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms, a phenyl group, a fluorine atom, a chlorine atom or a bromine atom, more preferably a methyl group, A bromine atom, a methoxy group or a phenyl group.
[0028]
Examples of such substituents R1 and R2 include methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, tert-butyl group, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, isopropoxy group. Examples include, but are not limited to, a group, n-butoxy group, isobutoxy group, tert-butoxy group, phenyl group, chlorine atom or bromine atom.
[0029]
The substituents R1 and R2 are more preferably a methyl group, a phenyl group or a bromine atom.
[0030]
In general formula (1-A), n1, N2Each independently represents an integer of 0 to 4, preferably an integer of 0 to 3, more preferably an integer of 0 to 2, and still more preferably an integer of 0 to 1.
N in the general formula (1-A)1, N2Particularly preferably, both are 0.
[0031]
In the polyester polymer according to the present invention, there are positional isomers having different positions at which the two hydroxy groups of the dihydroxy compound represented by the formula (1) as the raw material monomer are bonded to the aromatic ring. There are different repeating structural units that result in a structure. Although the polyester polymer which concerns on this invention includes the repeating structural unit used as all the positional isomerism, it does not specifically limit.
[0032]
Among the repeating structural units represented by the general formula (1-A), the repeating structural unit represented by the formula (1-Ai) (Chemical Formula 5) is particularly preferable.
[0033]
[Chemical formula 5]
[0034]
Furthermore, since the dicarboxylic acid represented by formula (2) or a derivative thereof has stereoisomers (cis isomer and trans isomer), in the repeating structural unit represented by formula (1-A) There are two repeating structural units having different steric structures due to this.
[0035]
As described above, the polyester polymer of the present invention is obtained by converting a dihydroxy compound represented by the formula (1) into 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid represented by the formula (2) or a derivative thereof (dicarboxylic acid halide or dicarboxylic acid). It is produced by acting on an acid ester compound) and subjecting it to condensation polymerization by an esterification reaction. The polymerization reaction itself is suitably carried out in the same manner as conventionally known polyester polymerization methods.
[0036]
The dihydroxy compound represented by the formula (1) which is one raw material monomer of the polyester polymer according to the present invention is available as an industrially produced compound. That is, the dihydroxy compound represented by the formula (1) is 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (commonly known as bisphenol A) or an analog compound thereof. For example, acetone and acetone are present in the presence of an acid catalyst. It is widely produced industrially by reacting with various phenols and is available as an industrial raw material.
[0037]
Specific examples of such a dihydroxy compound include, for example, 2,2-bis (4′-hydroxyphenyl) propane (common name, bisphenol A),
2- (4′-hydroxyphenyl) -2- (3′-hydroxyphenyl) propane,
2- (2′-hydroxyphenyl) -2- (4′-hydroxyphenyl) propane,
2- (2′-hydroxyphenyl) -2- (2′-hydroxyphenyl) propane,
[0038]
2,2-bis (3'-methyl-4'-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3'-ethyl-4'-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3'-n-propyl) −4′-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3′-isopropyl-4′-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3′-sec-butyl-4′-hydroxyphenyl) propane, 2 , 2-bis (3′-tert-butyl-4′-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3′-cyclohexyl-4′-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3′-allyl-) 4′-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3′-methoxy-4′-hydroxyphenyl) propane,
2,2-bis (3′-phenyl-4′-hydroxyphenyl) propane,
2,2-bis (3 ′, 5′-dibromo-4′-hydroxyphenyl) propane,
2,2-bis (3 ', 5'-dimethyl-4'-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (2', 3 ', 5', 6'-tetramethyl-4'-hydroxyphenyl) propane
However, the present invention is not limited to these.
[0039]
The 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid represented by the formula (2) or a derivative thereof includes a dicarboxylic acid compound, an acid halide thereof (for example, acid chloride, acid bromide, etc.) or an ester compound (for example, methyl ester, ethyl). Esters, n-propyl esters, n-butyl esters, isobutyl esters, alkyl esters such as tert-butyl esters, aryl esters such as phenyl esters, and the like. Such a compound is a known compound, and in particular, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid is available as an industrial raw material. Further, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid is converted into 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid by a known acid halogenation method using a compound such as thionyl acid halide, carbonyl chloride, oxalic acid dichloride, phosphorus oxychloride, or phosphorus pentachloride. Acid halides of acids are preferably produced.
[0040]
In 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid or its derivative (acid halide or ester compound thereof), there exist two carboxy groups or cis- and trans-stereoisomers of groups derived therefrom. 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid or a derivative thereof (acid halide or ester compound thereof) used in the present invention encompasses any stereoisomer, but is usually used as a mixture of a cis isomer and a trans isomer. More preferred.
[0041]
The polyester polymer according to the present invention is described in various polyester polymerization methods known per se [for example, Experimental Chemistry Course 4th Edition (Vol. 28) Polymer Synthesis, pages 217-231, Maruzen Publishing (1988). In accordance with the above method, etc.]
That is, typically, for example, a melt polymerization method using a dicarboxylic acid chloride or the like, a solution polymerization method, an interfacial polymerization method, a transesterification method, a direct polymerization method, etc., more specifically,
(1) An acid halide of a dicarboxylic acid represented by the formula (3) (for example, acid chloride, acid bromide, etc.) is allowed to act on the dihydroxy compound represented by the formula (1) in a solvent-free or solvent, A method of polymerizing by performing an esterification reaction while dehydrohalogenating;
(2) A method in which an ester compound of the dicarboxylic acid represented by the formula (3) is allowed to act on the dihydroxy compound represented by the formula (1) in a solvent-free or solvent and polymerized by a transesterification reaction;
(3) A method in which the dihydroxy compound represented by the formula (1) is allowed to act on the dicarboxylic acid compound represented by the formula (3) in a solvent-free or solvent, and an esterification reaction is performed while dehydrating and condensing. Can be mentioned.
[0042]
In these methods, an acidic compound or a basic compound (such as an inorganic acidic or basic compound or an organic acidic or basic compound) is used, if necessary, in order to accelerate the reaction. Can be done.
[0043]
Although it does not specifically limit as molecular weight of the polyester polymer which concerns on this invention, Usually, weight average molecular weight is 5000-200000 as molecular weight of standard polystyrene conversion measured by GPC (gel permeation chromatography). Yes, preferably 10,000 to 180,000, and more preferably 20000 to 150,000.
[0044]
The polydispersity index expressed as the ratio of the weight average molecular weight to the number average molecular weight is not particularly limited, but is preferably 1.5 to 20.0, more preferably 2. It is 0-15.0, More preferably, it is 2.0-10.0.
[0045]
In the polyester polymer according to the present invention, the terminal group may be a terminal group such as a hydroxy group or a carboxy group derived from the raw material monomer represented by the formula (1) or the formula (2) as described above, In addition, it is not suitable for a polymerization reaction in which the end group of the polymer main chain is blocked with a molecular weight regulator (for example, a monovalent hydroxy compound, a monovalent thiol compound, or a monovalent carboxylic acid derivative) as described below. It may be an active end group.
[0046]
The po of the present inventionRieSteHeavyThe amount of the end group in the coalescence is not particularly limited, but is usually 0.001 to 5 mol%, preferably 0.01 to 4 mol%, based on the total number of moles of the structural unit. More preferably, it is 0.05-3 mol%.
[0047]
When the polyester polymer according to the present invention is produced by polymerizing according to the above-described method, it is preferable to carry out the polymerization in the presence of a molecular weight regulator for the purpose of regulating the molecular weight.
[0048]
Such a molecular weight regulator is not particularly limited and may be any known molecular weight regulator, such as a monovalent aliphatic hydroxy compound or an aromatic hydroxy compound, a monovalent aliphatic thiol compound or an aromatic. A thiol compound, or a monovalent aliphatic or aromatic carboxylic acid derivative (for example, a monovalent aliphatic or aromatic carboxylic acid halide, a monovalent aliphatic or aromatic carboxylic acid ester, and the like). .
[0049]
Specific examples of such compounds include methanol, ethanol, butanol, octanol, lauryl alcohol, methoxyethanol, propylene glycol monomethyl ether, cyclohexyl alcohol, allyl alcohol, benzyl alcohol, phenylethanol, phenoxyethanol, phenol, 4-tert-butylphenol, 2-cresol, 3-cresol, 4-cresol, 4-ethylphenol, 4-cyclohexylphenol, 4-methoxyphenol, 4-isopropenylphenol, 4-chlorophenol, 4-bromophenol, 4-cumylphenol, 4 -Monovalent aliphatic hydroxy compounds or aromatic hydroxy compounds such as phenylphenol, α-naphthol, β-naphthol;
Monovalent aliphatic or aromatic thiol compounds such as methanethiol, ethanethiol, butanethiol, octanethiol, cyclohexanethiol, phenylmethanethiol, benzenethiol;
Acetic acid, propionic acid, butyric acid, valeric acid, caproic acid, heptanoic acid, caprylic acid, cyclohexanecarboxylic acid, phenylacetic acid, phenoxyacetic acid, benzoic acid, 4-methylbenzoic acid, 3-methylbenzoic acid, 2-methylbenzoic acid, And monovalent aliphatic carboxylic acids or aromatic carboxylic acids such as 4-chlorobenzoic acid, 3-chlorobenzoic acid, 2-chlorobenzoic acid, 1-naphthoic acid, 2-naphthoic acid, etc.
It is not limited to these.
[0050]
The amount of the molecular weight regulator used is not particularly limited, and may be used as desired to adjust to the target molecular weight, but is usually 0.001 to 5 with respect to the total number of moles of the dihydroxy compound to be polymerized. It is mol%, Preferably, it is 0.01-4 mol%, More preferably, it is 0.05-3 mol%, More preferably, it is 0.05-2 mol%.
[0051]
Molding the polyester polymer according to the present inventionEyeglass lenses for correcting visionIn order to improve thermal stability, weather resistance, light resistance, etc., an antioxidant (for example, phosphorus atom-containing compound, phenol-based compound, hindered phenol-based compound, sulfur atom-containing compound) is added. Is preferred.
[0052]
The amount of the antioxidant is usually 0.001 to 5 parts by weight, more preferably 0.005 to 3 parts by weight, further preferably 100 parts by weight of the polyester polymer according to the present invention. Is 0.01 to 2 parts by weight.
Examples of the antioxidant include trimethyl phosphite, triethyl phosphite, tributyl phosphite, trioctyl phosphite, tris (2-ethylhexyl phosphite), trinonyl phosphite, tridecyl phosphite, and tris (tridecyl) phosphine. Phyto, trioctadecyl phosphite, tristearyl phosphite, tris (2-chloroethyl) phosphite, tris (2,3-dichloropropyl phosphite), tricyclohexyl phosphite, triphenyl phosphite, tri (methylphenyl) phosphite , Tris (ethylphenyl) phosphite, tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, phenyl-didecyl phosphite, dipheny -Isooctyl phosphite, diphenyl-2-ethylhexyl phosphite, diphenyl-decyl phosphite, diphenyl-tridecyl phosphite, bis (tridecyl) -pentaerystyryl-diphosphite, distearyl-pentaerystyryl-diphosphite, diphenyl-penta Erystyryl-diphosphite, bis (nonylphenyl) -pentaerystyryl-diphosphite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -pentaerystyryl-diphosphite, bis (2,6-di-tert-butyl-4 -Methylphenyl) -pentaerystyryl-diphosphite, tetraphenyl-dipropylene glycol-diphosphite, tetra (tridecyl) -4,4'-isopropylidenediphenyl-diphosphite, La (2,4-di -tert- butylphenyl) -4,4'-diphenyl phosphite, tetraphenyl tetra (tridecyl) pentaerythrityl styryl tetra phosphite, phosphorous acids such as trilauryl trithiophosphite;
Phosphoric acids such as trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tributyl phosphate, triphenyl phosphate, diphenyl monoorthoxenyl phosphate, dibutyl phosphate, dioctyl phosphate, diisopropyl phosphate;
Phosphonous acids such as tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4,4-diphenylenephosphonite;
Phosphorus atom-containing compounds such as phosphonic acids such as dimethyl benzenephosphonate, diethyl benzenephosphonate, diisopropyl benzenephosphonate,
Octadecyl-3- (3,5-di-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate, triethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) Propionate], 1,6-hexanediol-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate], pentaerythritol-tetrakis [3- (3,5-di -Tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate],
1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, N, N-hexamethylenebis (3,5-di-tert-butyl -4-hydroxy-hydrocinnamide), 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate diethyl ester, tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, etc. Although the phenol type compound of this is illustrated, it is not limited to these. These antioxidants may be used alone or in combination of two or more.
[0053]
Furthermore, within the range that does not impair the desired effect of the present invention,Eyeglass lenses for correcting visionIn producing the polyester polymer, an ultraviolet absorber, a release agent (for example, higher fatty acid esters of mono- or polyhydric alcohols), a lubricant, a flame retardant (for example, an organic halogen compound) In addition, various additives such as a dye, a fluidity improver, and a heat stabilizer (for example, a sulfur atom-containing compound) may be mixed and used.
[0054]
The method of blending such an antioxidant or various additives is not particularly limited and is carried out by various known methods. That is,
(1) After isolating the polyester as a solid from the polyester solution after the polymerization reaction, the antioxidant is added to the solid, and various known mixing devices (for example, tumbler mixer, V-type blender, Turbine mixer, Henschel mixer, ribbon blender, super mixer, etc.)
Or
{Circle around (2)} As described above, a method of dispersing and mixing with various mixers and then melt-kneading with an extruder, a Banbury mixer, a roll or the like can be mentioned. These methods may be used in combination.
[0055]
Of the present inventionPolyester polymerThe resin composition containing the resin is thermoplastic and is suitably molded by various known molding methods such as injection molding, extrusion molding, blow molding, injection compression molding, and solution casting in the molten state. .
[0056]
Of the present inventionEyeglass lenses for correcting visionPreferably, the molding method for obtaining is injection molding, injection compression molding or extrusion molding, and more preferably injection molding or injection compression molding.
[0057]
Of the present inventionEyeglass lenses for correcting visionAs the molding conditions for producing the resin, it can be performed under any conditions depending on the thermal characteristics of the polyester polymer to be used. Usually, the resin temperature is 200 to 350 ° C., the mold temperature is 25 (room temperature) to 180 ° C. Yes, preferably in the range of 200 to 330 ° C. resin temperature and 50 to 180 ° C. mold temperature, and more preferably in the range of 200 to 320 ° C. resin temperature and 50 to 170 ° C. mold temperature.
[0060]
Of the present invention obtained by the above method.Eyeglass lenses for correcting visionHas excellent transparency and optical properties (high refractive index, high Abbe number, low birefringence), good thermal properties, mechanical properties, chemical resistance, etc., especially in impact resistance and oil resistance Excellent.
[0061]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. The physical properties of the polyester polymer obtained in the following production examples were measured by the following methods.
[Measurement of weight average molecular weight]
A 0.2 wt% chloroform solution of the polyester polymer was measured by GPC (gel permeation chromatography) [manufactured by Showa Denko KK, System-11] to determine the weight average molecular weight (Mw). In addition, a measured value is the value converted into standard polystyrene.
[Melt flow start temperature and melt viscosity]
A Shimadzu Koka type flow tester (CFT500A) was used, and measurement was performed using an orifice having a diameter of 0.1 cm and a length of 1 cm at a load of 100 kg.
[Refractive index, Abbe number]
A polyester polymer is press-molded by a press at 280 ° C. to prepare a sheet-like test piece (20 mm × 50 mm, thickness 3 mm), and a refractive index (nd) and an Abbe number (νd) at 20 ° C. using a Pulfrich refractometer. )
[Refractive index, Abbe number]
A polyester polymer is press-molded by a press at 280 ° C. to prepare a sheet-like test piece (20 mm × 50 mm, thickness 3 mm), and a refractive index (nd) and an Abbe number (νd) at 20 ° C. using a Pulfrich refractometer. )
[Birefringence]
A thin film of polyester copolymer having a thickness of 5 μm was formed on a silicon wafer. That is, a 1,1,1-trichloroethane solution (20% concentration) of the polyester polymer was filtered through a Teflon (registered trademark) filter (pore diameter 0.45 μm), and then rotated on a silicon wafer (diameter 5 inches). Spin coating was performed at 2000 rpm for 5 seconds. Then, it dried for 15 minutes at 70 degreeC, the solvent was distilled off, and the thin film of this molding material with a thickness of 5 micrometers was created. Using a prism coupler (Metricon Model 2020), the refractive index of the thin film with TE mode light and TM mode light was measured with a 632 nm laser light source, and the birefringence was determined as the difference between them.
[0062]
[Production of polyester polymer according to the present invention and measurement of physical properties]
Reference production example 1
In a 3 liter flask equipped with a stirrer, a reflux condenser, a thermometer, and a dropping funnel, 500.0 g (2.905 mol) of 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid and 350 g of toluene were weighed. While stirring at 60 ° C. in a nitrogen atmosphere, 922.0 g (7.265 mol) of oxalyl chloride was added dropwise to the mixture over 3 hours. Furthermore, after performing reaction at 60 degreeC for 1 hour, it heated up gradually and was made to react at 70-85 degreeC for 5 hours. Toluene was distilled off under reduced pressure from the toluene solution obtained by filtering insolubles at room temperature to obtain a crude product of a slightly yellow transparent liquid. The crude product was further distilled under reduced pressure to obtain 550.55 g of 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid chloride represented by the formula (3-1) (Chemical formula 6) as a non-transparent liquid. The compound partially crystallized at room temperature and became a mixture of liquid and solid.
According to gas chromatographic analysis, the ratio of the two stereoisomers was cis: trans = 65: 35.
Boiling point: 100-105 ° C./0.40 kPa (3 mmHg)
Yield 90.6%
[0063]
[Chemical 6]
[0064]
Example 1
In a 3 liter flask equipped with a stirrer, reflux condenser, and thermometer, weighed 228.29 g (1.00 mol) of 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and 400 g of xylene, and then added nitrogen. The mixture was dissolved by stirring at 130 ° C. in an atmosphere. While maintaining the temperature of this mixture at 130 ° C., 211.26 g (1.01 mol) of 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid chloride prepared in Reference Production Example 1 was added dropwise over 3 hours to the mixture. The reaction was carried out at 135 ° C. for 8 hours while removing hydrogen chloride produced as a by-product in a nitrogen stream outside the reaction system. GPC analysis of the reaction solution was conducted, and the weight average molecular weight was 6.5 × 10FourAfter confirming that it was (650,000), the reaction solution was cooled to 100 ° C., and then 1.88 g (0.020 mol; total number of moles of dihydroxy compound and dithiol compound) as a terminal terminator 1 mol%) was added. Thereafter, the reaction was continued at 100 ° C. for 2 hours, and when the reaction solution was allowed to cool to room temperature, a solid substance was deposited. On the other hand, 2000 g of methanol was added, and the precipitated polymer was collected by filtration.
The resultant was dried under reduced pressure at 60 ° C. for 20 hours to obtain 359.22 g (yield 95%) of the target polyester polymer as a white powdery solid.
The obtained polyester polymer had a weight average molecular weight of 7.0 × 10 in terms of standard polystyrene converted by GPC analysis.Four(7, 10,000). According to the method described above, the physical properties of the polyester copolymer were measured.
The glass transition temperature (Tg) was 165 ° C. The melt flow starting temperature was 260 ° C. The refractive index (nd) was 1.572 and the Abbe number (νd) was 34.5.
The birefringence was lower than that of known polycarbonate.
[0065]
[Chemical 7]
[0066]
Comparative Example 1 (Measurement of physical properties using known polymethyl methacrylate and production of optical components)
Physical properties were measured in accordance with the above method using a known polymethyl methacrylate resin (general optical grade). The glass transition temperature (Tg) is 111 ° C., the refractive index (nd) is 1.487, the Abbe number (νd) is 54, and the birefringence is 1 × 10.-FourIt was the following.
[0067]
Comparative Example 2 (Physical property measurement using a known polycarbonate)
Physical properties were measured in accordance with the above method using a known general-purpose polycarbonate (optical disk grade; weight average molecular weight 30,000). The glass transition temperature (Tg) was 130 ° C., the refractive index (nd) was 1.580, and the Abbe number (νd) was 30. Birefringence is 70 × 10-FourIt was a relatively high value.
[0068]
<Production of plastic lens of the present invention>
Example 2
100 parts by weight of the polyester polymer produced in Example 1, 0.1 part by weight of tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite and pentaerystyryl [3- (3,5-di-tert-butyl -4-hydroxyphenyl) propionate] 0.1 parts by weight was mixed with a Henschel mixer, melt-kneaded while degassing at a cylinder temperature of 300 ° C. with a single screw extruder (65 mm), and formed into extrusion pellets. A colorless transparent pellet-shaped resin composition was obtained.
A lens-shaped molded product was produced by injection molding using the resin composition.
That is, the pellet-shaped resin composition was dried under reduced pressure at 100 ° C. for 24 hours, and then injection-molded with an injection molding machine at a molding temperature of 310 ° C. and a mold temperature of 120 ° C. to obtain a colorless transparent plastic lens (convex lens; diameter 75 mm) , Center thickness 4.2 mm, edge thickness 1.0 mm, +2.00 D). When this molded body was observed between polarizing plates, no striae, distortion, etc. were observed, and the birefringence was low and it was optically homogeneous. The obtained plastic lens has good properties in terms of various physical properties such as transparency, thermal characteristics (thermal deformation temperature, etc.), mechanical characteristics (impact resistance, tensile strength, bending strength, etc.), and chemical resistance. Indicated.
[0069]
【The invention's effect】
Of the present inventionEyeglass lenses for correcting visionHas excellent optical properties (transparency, high refractive index, high Abbe number, low birefringence, etc.), good mechanical properties and thermal properties, and the polyester polymer according to the present invention by injection molding. Manufactured with good productivity by molding. In particular, transparency, optical properties, impact resistance, chemical resistance, etc. are excellent.
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