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JP4149245B2 - 給電装置とそれを用いたハーネス配索構造 - Google Patents

給電装置とそれを用いたハーネス配索構造 Download PDF

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JP4149245B2
JP4149245B2 JP2002349724A JP2002349724A JP4149245B2 JP 4149245 B2 JP4149245 B2 JP 4149245B2 JP 2002349724 A JP2002349724 A JP 2002349724A JP 2002349724 A JP2002349724 A JP 2002349724A JP 4149245 B2 JP4149245 B2 JP 4149245B2
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  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Details Of Indoor Wiring (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のスライドドアやスライドシートといったスライド構造体に電源側から常時給電を行わせるべく、スライド構造体の移動に伴うワイヤハーネスの余長を吸収させる給電装置とそれを用いたハーネス配索構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図21〜図22は従来の給電装置とそれを用いたハーネス配索構造を示すものである(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この給電装置61は、自動車のスライドドア62に装着され、合成樹脂製のベース63とカバー(図示せず)とで成るプロテクタと、プロテクタ内でワイヤハーネス64を上向きに付勢して弛み(余長)吸収させる金属製の板ばね65とを備えるものである。
【0004】
ベース63はスライドドア62のインナパネル66に垂直に配置固定され、カバーはベース63に係止手段で係止される。板ばね65はベース63に固定されている。プロテクタの前部にハーネス導出用の狭い口部67、プロテクタの下部に横長の口部(開口)68がそれぞれ形成されている。
【0005】
ワイヤハーネス64はプロテクタ内に湾曲状に収容され、ワイヤハーネス64の一方は前側の口部67からスライドドア側の補機に向けて配索され、他方は下側の口部68から渡り部を経てステップ69の近傍のハーネス固定部70で支持されつつ車両ボディ71側に配索され、車両ボディ側(電源側)のワイヤハーネス(図示せず)に接続されている。なお、「前側」とは車両の前側に一致する方向である。
【0006】
図21のスライドドア62の全閉状態において、ワイヤハーネス64は板ばね65で上向きに押圧されつつ、プロテクタの下部開口68から後方に(ハーネス固定部70に向けて)引っ張られている。スライドドア62を後方へスライドさせて開けるにつれて、ワイヤハーネス64は下向きに弛もうとするが、板ばね65の付勢で弛み吸収され、図22のスライドドア62の全開に近い状態で、板ばね65を下方に撓ませつつ小径に屈曲して、前方に(ハーネス固定部70に向けて)引っ張られる。スライドドア62は図21の全閉状態から開く際に外向き(車両ボディ71から離れる方向)に移動する。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−354085号公報(第7−9頁、図4−図7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の給電装置とそれを用いたハーネス配索構造にあっては、スライドドア内でワイヤハーネス64を上向きに付勢して弛み吸収させるものであるために、構造が高さ方向に肥大化し、車種によってはウィンドガラスの昇降スペースや補機の配置等の関係でスライドドア内の取付スペースを大きくとることができず、取付位置が限定されたり、取付が全く不可能となる場合が想定された。また、金属製の板ばね65や、板ばね65をベース63に固定するための部材や、板ばね65の先端でワイヤハーネス64を安定に支持させるキャップ等、多くの部品が必要で、部品コストや組付工数が多くかかるという問題があった。
【0009】
また、上記給電装置以外の構造において、ワイヤハーネスとして通常の絶縁被覆電線を使用する場合はよいが、キャブタイヤケーブルやカールコード等の特殊電線を用いる場合には、多くの車種のスライドドアへの対応や設計的な回路変更への対応が困難であるという問題もあった。
【0010】
本発明は、上記した点に鑑み、高さ方向の肥大化を防止してスライドドア等のスライド構造体内に省スペースで組み付けでき、しかも板ばねを用いることなく少ない部品でワイヤハーネスの余長を吸収でき、多くの種類のスライドドアに適用可能な給電装置とそれを用いたハーネス配索構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る給電装置は、ワイヤハーネスを屈曲させて収容する空間と、該ワイヤハーネスに設けられた一つの球状の摺動部材と、該空間側に設けられ、該摺動部材を案内する一対の摺接ガイドとを備え、該ワイヤハーネスが該一対の摺接ガイドの間に挿通され、該摺動部材が該ワイヤハーネスと一体に該一対の摺接ガイド上を回動自在であることを特徴とする。
上記構成により、例えば車両ボディ等の固定構造体にスライド自在に係合したスライドドア等のスライド構造体の進退移動に伴って、例えばスライド構造体内の空間から固定構造体側に配索されたワイヤハーネスの摺動部材が空間側で摺接ガイドに沿って摺動しつつ、空間内でワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮され、ループ部の拡径時又は屈曲部の圧縮時にワイヤハーネスの余長が吸収される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、空間内で垂直方向又は水平方向にワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸長することで、従来の板ばねを用いた給電構造に較べて、空間が高さ方向等に省スペース化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部や屈曲部が構成され、ワイヤハーネスの余長吸収が行われる。
また、ワイヤハーネスが一対の摺接ガイドの間でループ状に屈曲しつつ余長吸収される。ワイヤハーネスの屈曲や揺動によって摺動部材の向きが変わっても、球状の摺動部材は一対の摺接ガイド上を常にスムーズに摺動する。
【0012】
請求項2に係る給電装置は、請求項1記載の給電装置において、前記ワイヤハーネスをループ状に屈曲させて収容する前記空間と、該ワイヤハーネスのループ部を拡径又は縮径させる方向に前記摺動部材を案内する前記摺接ガイドとを備えることを特徴とする。
上記構成により、例えば車両ボディ等の固定構造体にスライド自在に係合したスライドドア等のスライド構造体の進退移動に伴って、例えばスライド構造体内の空間から固定構造体側に配索されたワイヤハーネスの摺動部材が空間側で摺接ガイドに沿って摺動しつつ、ワイヤハーネスのループ部が空間内で縮径又は拡径され、ループ部の拡径時にワイヤハーネスの余長が吸収され、ループ部の縮径時にワイヤハーネスが空間から固定構造体側に引き出される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、空間内で垂直方向又は水平方向にワイヤハーネスのループ部が径方向に拡縮することで、従来の板ばねを用いた給電構造に較べて、空間が高さ方向又は横方向に省スペース化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部が構成され、ワイヤハーネスの余長吸収が行われる。
【0013】
請求項3に係る給電装置は、請求項1記載の給電装置において、前記ワイヤハーネスを略U字状に屈曲させて収容する前記空間と、該ワイヤハーネスの屈曲部を伸縮させる方向に前記摺動部材を案内する前記摺接ガイドとを備えることを特徴とする。
上記構成により、例えば車両ボディ等の固定構造体にスライド自在に係合したスライドドア等のスライド構造体の進退移動に伴って、例えば固定構造体内の空間からスライド構造体側に配索されたワイヤハーネスの摺動部材が空間側で摺接ガイドに沿って摺動しつつ、ワイヤハーネスの屈曲時にワイヤハーネスの余長が吸収される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、空間内でワイヤハーネスが垂直方向又は水平方向に略U字状に屈曲することで、従来の板ばねを用いた給電構造に較べて、空間が高さ方向又は横方向に省スペース化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部が構成され、ワイヤハーネスの余長吸収が行われる。
【0014】
請求項4に係る給電装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の給電装置において、前記空間がプロテクタ内に設けられ、前記摺接ガイドが該プロテクタの長手方向に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、車両ボディ等の固定構造体にスライド自在に係合したスライドドア等のスライド構造体の進退移動に伴って、例えばスライド構造体に設けたプロテクタがスライド構造体と一体に移動し、プロテクタから固定構造体側に配索固定されたワイヤハーネスの摺動部材がプロテクタ内で摺接ガイドに沿って摺動しつつ、プロテクタ内でワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮され、ループ部の拡径時又は屈曲部の圧縮時にワイヤハーネスの余長が吸収され、ループ部の縮径時にワイヤハーネスがプロテクタから固定構造体側に引き出される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、垂直又は水平なプロテクタ内でワイヤハーネスのループ部が径方向に拡縮又は屈曲部が伸縮することで、従来の板ばねを用いたプロテクタ構造に較べて、プロテクタが高さ方向又は横方向にコンパクト化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部が構成され、ワイヤハーネスの余長吸収が行われる。
【0015】
請求項5に係る給電装置は、請求項2又は4記載の給電装置において、前記摺接ガイドが山型状に形成されたことを特徴とする。
上記構成により、スライド構造体の移動に伴って、摺動部材が山型状の摺接ガイドの頂部に向けて移動することで、ワイヤハーネスのループ部が強制的に拡径され、確実に余長吸収される。ワイヤハーネスの余長はループ部の拡径方向に吸収される。摺動部材が摺接ガイドの頂部に位置した時点で、ループ部が最大に拡径される。次いで山型状の摺接ガイドの裾側に向けて摺動部材が移動することで、ループ部が縮径されつつ、ワイヤハーネスが空間又はプロテクタから引き出される。
【0016】
請求項6に係る給電装置は、請求項2又は4記載の給電装置において、前記摺接ガイドが一端から他端にかけて傾斜状に形成されたことを特徴とする。
上記構成により、スライド構造体の移動に伴って、傾斜状の摺接ガイドに沿って摺動部材が例えば上昇することで、ワイヤハーネスのループ部が強制的に拡径され、確実に余長吸収される。ループ部は摺接ガイドに沿う方向(横方向)に拡径され、横方向に余長が吸収される。また、傾斜状の摺接ガイドに沿って摺動部材が例えば下降することで、ループ部が縮径されつつ、ワイヤハーネスが空間又はプロテクタから引き出される。
【0017】
請求項7に係る給電装置は、請求項3又は4記載の給電装置において、前記摺接ガイドが真直部と該真直部に続く傾斜部とを有することを特徴とする。
上記構成により、空間又は空間を有するプロテクタが例えば車両ボディ等の固定構造体側に設けられ、空間からワイヤハーネスがスライド構造体側に配索され、自動車のスライドドア等のスライド構造体を全閉から開く際に、あるいは全閉近傍位置から全閉にする際に、摺動部材が摺接ガイドの傾斜部に沿って移動し、ワイヤハーネスが略U字状に屈曲されて、スライド構造体の厚さ方向のストロークが吸収され、プロテクタ外でのワイヤハーネスの垂れ下がりが防止される。スライド構造体を固定構造体に平行に移動させる際には、摺動部材が摺接ガイドの真直部に沿って移動する。
【0020】
請求項に係る給電装置は、請求項7記載の給電装置において、前記摺接ガイドが前記プロテクタの長辺側の壁部であることを特徴とする。
上記構成により、長辺側の壁部が摺接ガイドを兼ね、構造が簡素化・低コスト化される。また、プロテクタ内の空間が全て利用される(長辺側の壁部と摺接ガイドとの間に無駄なスペースがない)から、プロテクタがコンパクト化される。
【0021】
請求項に係る給電装置は、請求項4〜の何れか1項に記載の給電装置において、前記プロテクタの長手方向にワイヤハーネス揺動用の長形の口部が設けられ、該プロテクタの端部側にワイヤハーネス固定側の口部が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、プロテクタの端部からプロテクタ内に導入されたワイヤハーネスはプロテクタ内でループ状に屈曲又はほぼ真直に伸長して長手方向の長形の口部から導出される。スライド構造体の進退動作に伴ってワイヤハーネスは長形の口部に沿って進退方向に揺動し、ループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮される。
【0024】
請求項10に係る給電装置は、請求項1〜の何れか1項に記載の給電装置において、前記ワイヤハーネスのループ部又は屈曲部に、ヒンジで開閉自在な湾曲状の剛性部材が装着されたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスのループ部又は屈曲部が剛性部材で常に湾曲形状に維持される。例えばスライド構造体の進退に伴って、ループ部が縮径した際に剛性部材がヒンジを支点に閉じ方向に回動しつつループ部を小径に湾曲矯正し、ループ部が拡径した際に剛性部材がヒンジを支点に開き方向に回動しつつループ部を大径に湾曲矯正する。これにより、ワイヤハーネスの余長吸収が一層スムーズ且つ確実に行われる。
【0025】
請求項11に係る給電装置を用いたハーネス配索構造は、請求項1〜10の何れか1項に記載の給電装置の前記空間がスライド構造体又は固定構造体に設けられ、該スライド構造体が固定構造体にスライド自在に係合し、前記摺動部材に続くワイヤハーネス部分が該空間から該固定構造体又は該スライド構造体側に導出され、前記ループ部に続くワイヤハーネス部分が該スライド構造体又は該固定構造体側に導出されつつ固定されたことを特徴とする。
上記構成により、スライド構造体の進退に伴って、例えばスライド構造体に設けたハーネス収納用の空間がスライド構造体と一体に移動し、ワイヤハーネスが空間の長手方向に揺動しつつ、摺動部材が空間側で摺接ガイドに沿って摺動して、空間内でワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮され、ループ部の拡径時又は屈曲部の縮み時にワイヤハーネスの余長が吸収される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、空間内で垂直方向又は水平方向にワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮することで、従来の板ばねを用いた給電構造に較べて、空間が高さ方向又は横方向に省スペース化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部又は屈曲部が構成され、ワイヤハーネスが余長吸収が行われる。
【0026】
請求項12に係る給電装置を用いたハーネス配索構造は、請求項4〜10の何れか1項に記載の給電装置の前記プロテクタがスライド構造体又は固定構造体に配置され、該スライド構造体が固定構造体にスライド自在に係合し、前記摺動部材に続くワイヤハーネス部分が該プロテクタの長形の口部から該固定構造体又は該スライド構造体側に導出され、前記ループ部に続くワイヤハーネス部分が該スライド構造体又は該固定構造体側に導出されつつ固定されたことを特徴とする。
上記構成により、スライド構造体の進退に伴って、例えばスライド構造体に設けたプロテクタがスライド構造体と一体に移動し、ワイヤハーネスがプロテクタの長形の口部に沿って揺動しつつ、摺動部材がプロテクタ内で摺接ガイドに沿って摺動して、プロテクタ内でワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸縮され、ループ部の拡径時又は屈曲部に縮み時にワイヤハーネスの余長が吸収される。このように、スライド構造体のスライド動作に伴って、摺動部材が摺接ガイドに沿って移動し、プロテクタ内で垂直方向又は水平方向にワイヤハーネスのループ部が拡縮又は屈曲部が伸長することで、従来の板ばねを用いたプロテクタ構造に較べて、プロテクタが高さ方向等にコンパクト化される。また、板ばねを使用することなく、ワイヤハーネスの剛性でループ部が構成され、ワイヤハーネスの余長吸収が行われる。
【0027】
請求項13に係る給電装置を用いたハーネス配索構造は、請求項11又は12記載の給電装置を用いたハーネス配索構造において、前記給電装置が縦置き又は横置きに配置されたことを特徴とする。
例えばスライド構造体がスライドドアである場合、給電装置が縦置き(垂直)に配置され、スライドドア内の高さ方向(スライド直交方向)の省スペース化が図られる。また、例えばスライド構造体がスライド式のシートである場合、給電装置が横置き(水平)に配置され、シート下側の横幅方向(スライド直交方向)の省スペース化が図られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係る給電装置の第一の実施形態を示すものである。
【0029】
この給電装置1は自動車のスライドドア(スライド構造体)内に縦置き(垂直)に設けられるものであり、図1はスライドドアを全閉にした状態、図2はスライドドアを半開にした状態、図3はスライドドアを全開にした状態をそれぞれ示している。
【0030】
図1の如く、給電装置1は、高さを低く抑えた合成樹脂製のケース2と、ケース2に被着される合成樹脂製のカバー3(鎖線で示している)と、ケース2及びカバー3に対向して設けられた左右一対の略山型状の摺接ガイド5と、一対の摺接ガイド5の間でループ状に屈曲したワイヤハーネス6に固定され、摺接ガイド5に沿って前後方向スライド自在な摺動部材7とを備えたものである。
【0031】
ケース2は前半が略矩形状に形成され、後半が略傾斜状に形成されている。前後は車両の前後方向と一致している。ケース2は垂直な基板部8と、基板部8の周囲における周壁としての下側の水平な壁部9と、前側の湾曲状に立ち上げれた壁部10と、上側の水平な短い壁部11と、上側の壁部11に続く後半の湾曲状の壁部12とで構成されている。
【0032】
上側の壁部11にハーネス導出用の狭い口部13が設けられ、口部13の近傍の固定部14でワイヤハーネス6の一方が固定されている。口部13から導出されたワイヤハーネスはコネクタ15でスライドドア側のワイヤハーネスや補機(図示せず)に接続される。ケース2はボルトや係止クリップといった固定手段(図示せず)でスライドドア(図示せず)のインナパネルに固定される。
【0033】
カバー3は基板部8に対向して板状に平行に設けられ、周壁10〜12に係止枠片と係合突起等の係止手段(図示せず)で固定される。カバー3の下端はケース2の下壁9よりも少し上側に位置し、カバー3と下壁9との間に水平な横長スリット状の口部16が形成され、口部16からワイヤハーネス6の他方が導出され、車両ボディ(固定構造体)側のハーネス固定部(固定具)17を経て、車両ボディ側のワイヤハーネス(図示せず)にコネクタ18で接続される。
【0034】
ハーネス固定部17はワイヤハーネス6を周方向回動自在に支持する構造であってもよい。また、ハーネス固定部17に代えてスライドドアと車両ボディとの間を渡る矩形筒状の長形又は円弧状の補助プロテクタを設け、補助プロテクタをスライドドアの開き直後(全閉直前)の車幅方向移動に伴って車両ボディ側にスライド収納させるようにすることも可能である。
【0035】
ケース2とカバー3とでプロテクタ4が構成されている。プロテクタ4内にハーネス収納用の横長の空間が形成されている。プロテクタ4の下側の口部16はケース2の前壁10から後端の開口19にかけて真直に延びている。後端の開口19は垂直な壁部(図示せず)で塞がれていてもよい。
【0036】
摺接ガイド5は、下壁9(基板部8の下端)及びカバー3の下端から略山型に立ち上げられて、基板部8とカバー3の垂直な基板部とに対称に形成されている。カバー3側の摺接ガイド5は基板部8側よりも口部16の寸法だけ短くなっている。摺接ガイド5の山型形状は湾曲状であっても直線状に傾斜していてもよく、プロテクタ4の前半と後半とにほぼ等しい長さの傾斜部5a,5bを有している。
【0037】
図4に摺接ガイド5の一形態の断面図を示す如く、摺接ガイド5はケース2の基板部8の内面とカバー3の内面とにレール状に突出形成される。このレール5は上側に球状の摺動部材7を受ける湾曲面5dを有して断面略三角形状に形成されている。レール5の突出長さはワイヤハーネス6を一対のレール5の間にゆとりをもって挿通し得る長さに設定されている。一対のレール5の間にハーネス挿通用の空間が存在している。
【0038】
球状の摺動部材7は合成樹脂材で形成され、例えば左右に二分割されて、ワイヤハーネス6を内側の中空孔20内に挟んだ状態で、係止爪と係合凹部等の係止手段(図示せず)で相互に係止される。ワイヤハーネス6の外周に合成樹脂製のコルゲートチューブ21(図1)を被着させた場合は、コルゲートチューブ21の周方向の凹溝に摺動部材7の内側の凸条を係合させることで、摺動部材7が周方向回動自在でハーネス長手方向に移動阻止(固定)される。図1で摺動部材7の外径は下側の口部16の幅よりも大きく設定され、口部16から外側に摺動部材7が飛び出さないようになっている。
【0039】
なお、レール5を上下二対形成し、上下のレール5の間にワイヤハーネス6を脱落なく保持させることも可能である。また、レール5の断面形状は摺動部材7の形状に応じて適宜設定可能である。また、摺動部材7を非分割とし、中央の孔部20(図4)にワイヤハーネス6を挿通させた状態で、ハーネス長手方向の突出片(図示せず)にワイヤハーネス6をテープ巻き等で固定することも可能である。また、球状の摺動部材7をワイヤハーネス外周のコルゲートチューブ等の保護チューブに一体に形成することも可能である。
【0040】
図4のレール5と摺動部材7によれば、ワイヤハーネス6の自重を利用して摺動部材7をレール5上に接触(摺接)させることで、構造が簡素化・低コスト化される。図1では図4の形態の摺動部材7と摺接ガイド5を示している。
【0041】
図5は、摺接ガイドの他の形態を示すものであり、この摺接ガイド5’はケース2の基板部8とカバー3とに貫通形成した山型状のガイド孔(カム孔)である。ガイド孔5’には摺動部材7’の軸部22がスライド自在に係合している。ガイド孔5’の前後端(下端)はカバー3の下端に開口せず、カバー3から軸部22が外れ出ないようになっている。
【0042】
摺動部材7’は合成樹脂材で形成され、ワイヤハーネス6に挟持固定又はコルゲートチューブ21(図1)の凹溝との係合で周方向回動自在に固定される環状部23と、環状部23から径方向に突出した一対の軸部22とを備えている。環状部23は例えば左右に分割され、係止手段で相互に固定される。あるいは突出片(図示せず)でワイヤハーネス6にテープ巻き等で固定される。あるいはワイヤハーネス外周の保護チューブに一体に形成される。
【0043】
図5の形態によれば、ガイド孔5’によって摺動部材7’のスライド位置が正確に規定されるから、プロテクタ4内でのワイヤハーネス6の収縮が正確な径で行われ、摺動部材7’の上下方向のガタ付きも防止される。
【0044】
図1のスライドドアの全閉時に、摺動部材7は摺接ガイド5の後端(後半の傾斜部5aの下端側)に位置している。ワイヤハーネス6は摺動部材7から摺接ガイド5の傾斜部5aに沿って上向きに傾斜しつつプロテクタ4の後半で下向きに小さな輪を描いてワイヤハーネス後部21と交差しつつ上側の口部13に向けて後壁12に沿って符号6aの如く湾曲状に立ち上がっている。ワイヤハーネス後部21は下側の口部16から車両ボディ側のハーネス固定部17に向けて後方に引っ張られている。
【0045】
図2のスライドドアの半開時に(スライドドアを全ストロークの半分程度まで後方に開けた状態で)、車両ボディ側のハーネス固定部17は不動であり、プロテクタ4がスライドドアと一体に半ストロークほど後退し、それに伴って摺動部材7が摺接ガイド5の後半の傾斜部5aに沿って上昇し、摺接ガイド5のほぼ頂部5cに位置する。
【0046】
これにより、プロテクタ4の前半部内でワイヤハーネス6が大きな輪を描き、下側の口部16からハーネス固定部17までの間でワイヤハーネス6が弛むことなく、下側の口部16からプロテクタ4内にワイヤハーネス6がループ状に収容される。これにより、スライドドアの半開時におけるスライドドアと車両ボディとの間でのワイヤハーネス6の余長(弛み)が確実に吸収される。
【0047】
図3のスライドドアの全開時に、プロテクタ4はスライドドアと一体に後退し、摺動部材7は摺接ガイド5の前半の傾斜部5bに沿って下降し、傾斜部5bの前端に位置する。これに伴ってワイヤハーネス6はプロテクタ4の前半部内で小さく縮径されつつ、車両ボディのハーネス固定部17に向けて前方に引き出される。スライドドアの開閉に伴ってワイヤハーネス6は下側の口部16に沿って前後に揺動する。
【0048】
上記の如く、スライドドアの開閉に伴って略山型の摺接ガイド5(5’)に沿って摺動部材7(7’)がスライド移動することで、ワイヤハーネス6がプロテクタ4内でループ状に拡径しつつ余長吸収され、ループ状に縮径しつつ車両ボディ側に引き出され、ワイヤハーネス6の収縮動作がスムーズ且つ確実に行われる。
【0049】
図1において摺動部材7からハーネス固定部17までのワイヤハーネス部分21はプロテクタ4の外側に露出されるのでコルゲートチューブ等の可撓性の保護チューブ(外装部材)(符号21で代用)を被着させて防水・防塵等を図ることが好ましい。
【0050】
また、摺動部材7から上側の口部13にかけてのワイヤハーネス部分は、ループ状に屈曲させるために剛性を高めることが好ましい(柔軟ではスムーズに輪を描くことができず、ループ形状が崩れてしまう)。特に外気温度や湿度が高い時にワイヤハーネス6の剛性が低下しないようにすることが好ましい。
【0051】
このため、例えば図6の如く、ワイヤハーネス6を構成する各電線24の心線25を覆う絶縁被覆26をポリエチレンやフッ素樹脂等、温度の影響を受け難い材質で形成したり、あるいは図7の如く、複数本の電線24’(電線束)を包む保護チューブ28を図6と同様に温度や湿度で剛性の低下しない材料で形成することが好ましい。図6と図7の構成を同時に採用する(絶縁被覆26と保護チューブ28を同時に用いる)ことも有効である。
【0052】
図6や図7の構成(剛性安定樹脂材)は、摺動部材7(図1)からプロテクタ4内側に続くワイヤハーネス部分6bに限らず、摺動部材7からプロテクタ4外側に続くワイヤハーネス部分(符号21で代用する)にも一体的に適用可能である。
【0053】
また、図8(a)(b)に示す如く、ワイヤハーネス6のループ状屈曲部(ループ部)6bの屈曲外側面に合成樹脂製ないし金属製の湾曲状(円弧状)の剛性部材29をあてがって、ワイヤハーネス6をループ化しやすくすることも有効である。剛性部材29は一対の湾曲板30を中央のヒンジ(支点)31で回動(開閉)自在に連結させて構成される。湾曲板30は幅方向(ワイヤハーネス径方向)にも湾曲していてもよい。湾曲板30はテープ32等でワイヤハーネス6に固定される。
【0054】
剛性部材29が合成樹脂材の場合、ヒンジ31は薄肉ヒンジであってもよい。剛性部材29はワイヤハーネス6をプロテクタ4の内面との摩擦等から保護する補助プロテクタとしても作用する。なお、剛性部材29の形状は板状に限らず湾曲形の棒状であってもよい。
【0055】
スライドドアの全閉ないし全開時に、図8(a)の如くワイヤハーネス6が小さく縮径しつつ剛性部材29が閉じ方向に回動して、ワイヤハーネス6のループ形状を確保し、スライドドアの半開時に、図8(b)の如くワイヤハーネス6が大きく拡径しつつ剛性部材29が開き方向に回動して、ワイヤハーネス6のループ形状を確保する。このように、剛性部材29によってワイヤハーネス6のループ形状が正確に維持され、スライドドアの開閉に伴うワイヤハーネス6の余長が確実に吸収される。
【0056】
図9〜図11は、本発明に係る給電装置の第二の実施形態を示すものである。この給電装置33は自動車のスライドドア(スライド構造体)内に縦置き(垂直)に設けられるものであり、図9はスライドドアを全閉にした状態、図10はスライドドアを半開にした状態、図11はスライドドアを全開にした状態をそれぞれ示している。図1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0057】
図9の如く、給電装置33は、高さを低く抑えた合成樹脂製のケース34と、ケース34に被着される合成樹脂製のカバー35(鎖線で示している)と、ケース34及びカバー35に対向して設けられた左右一対の傾斜状の摺接ガイド37と、一対の摺接ガイド37の間でループ状に屈曲したワイヤハーネス6に固定され、摺接ガイド37に沿って前後方向スライド自在な摺動部材7とを備えたものである。
【0058】
ケース34とカバー35とでプロテクタ36が構成される。プロテクタ36内にハーネス収納用の横長の空間が形成される。ケース34は横長の略矩形状に形成され、前後の壁部38,39の上側に、ワイヤハーネス6のループ状屈曲部6bに沿う湾曲部40を有している。前後の壁部38,39は平行な上下の壁部41,42に続き、各壁部38〜42で垂直な基板部43の周りの周壁が構成され、カバー35の下端と下壁42との間に水平方向の横長なハーネス導出(揺動)用の口部44が形成され、後壁39の下部にハーネス導出(固定)用の狭い口部45が形成されている。ワイヤハーネス6の一方21は横長の口部44からハーネス固定部17を経て車両ボディ側に配索され、ワイヤハーネス6の他方6dは後側の口部45の近傍で固定されつつスライドドア側に配索される。
【0059】
摺接ガイド37は直線状に傾斜し、摺接ガイド37の上端37aはプロテクタ36の後壁39の上部内側に位置し、摺接ガイド37の下端37bは前壁38の下部内側に位置している。ワイヤハーネス6に摺動部材7が固定され、摺動部材7が摺接ガイド37に沿って前後に進退しつつ上下に昇降する。
【0060】
摺接ガイド37や摺動部材7は図4や図5で示す形態をそのまま使用可能である。すなわち、図4の如くプロテクタ36のケース34とカバー35の左右一対の傾斜状のレールにワイヤハーネス6の球状の摺動部材7をスライド自在に係合させたり、図5の如くプロテクタ36のケース34とカバー35の傾斜状のガイド孔5’にワイヤハーネス6の環状の摺動部材7’の軸部22をスライド自在に係合させる。図9では図4の形態を示している。
【0061】
図9のスライドドアの全閉時に、摺動部材7は摺接ガイド37の後部上端37aに位置し、ワイヤハーネス6は横長のプロテクタ36内で大きな径で横長ループ状に屈曲し、摺動部材7からプロテクタ36の後壁39に沿って垂下しつつ横長の口部44の後端側から車両ボディ側に導出されている。
【0062】
図10のスライドドアの半開時に、プロテクタ36はスライドドアと一体に後退し、車両ボディ側のハーネス固定部17の位置は不変であり、摺動部材7は摺接ガイド37に沿って半分程移動し、摺接ガイド37の長手方向中間部に位置し、ワイヤハーネス6は図9の全閉時よりも小径に屈曲し、ループ部6bがプロテクタ36の前半部に位置する。ループ部6bに続くワイヤハーネス部分6dはプロテクタ36の下壁42に沿って水平方向に真直に延びて後端のハーネス固定側の口部45に達している。
【0063】
図11のスライドドアの全開時に、プロテクタ36はスライドドアと一体に車両後方に移動し、それに伴って摺動部材7は摺接ガイド37に沿って前方に移動しつつ下降して摺接ガイド37の前端(下端)37bに位置し、ワイヤハーネス6のループ部6bは図10の半開状態よりも小径に縮径される。ループ部6bに続くハーネス部分6dはプロテクタ36の下壁42に沿って真直に延びている。スライドドアの開閉に伴って、摺動部材7からプロテクタ外側に続くワイヤハーネス部分21は長形の口部44に沿って前後に揺動する。
【0064】
このように、スライドドアの開閉動作に伴って、ワイヤハーネス6が横長のプロテクタ36内でループ状に屈曲しつつ横方向に伸縮して余長を吸収する。このため、従来の板ばねでワイヤハーネスの余長を上向きに吸収するのと異なり、プロテクタ36が高さ方向にコンパクト化される。
【0065】
図6で示す電線24を剛性アップさせる構造や、図7で示すワイヤハーネス6を剛性アップさせる構成や、図7(a)(b)で示す剛性部材の構成は、図9〜図11の実施形態においても適用可能であり、作用効果は前記実施形態と同様に、高温多湿の条件においてもワイヤハーネス6の剛性を確保して、常にワイヤハーネス6をループ化させやすくし、ループ形状を崩れなく維持して、スムーズで確実な余長吸収を達成することができる。
【0066】
なお、上記各実施形態の給電装置は自動車のスライドドア以外にも種々の形態のスライドドアや後述の自動車のスライドシート等のスライド構造体において適用可能である。この場合、車両ボディからスライドドアへのハーネス配索構造は、固定構造体からスライド構造体へのハーネス配索構造となる。
【0067】
また、樹脂成形が可能であれば、ケース2,34とカバー3,35とを一体のプロテクタ4,36として形成してもよい。また、摺接ガイド5,37はプロテクタ4,36と一体ではなく別体に形成してプロテクタ4,36に固定することも可能である。また、摺接ガイド5,5’,37を一対ではなくケース2,34又はカバー3,35に一本のみ形成し、一本の摺接ガイドで摺動部材7,7’を案内させることも可能である。この場合、ケース2,34に摺接ガイド5,5’,37を設けたとすると、摺動部材7,7’はカバー3,35の内面にガタ付きなく接していることが好ましい。また、前記摺接ガイドとしてのガイド孔5’に代えてガイド溝を用いることも可能である。また、図9の摺接ガイド37は直線的な傾斜ではなく湾曲状の傾斜であってもよい。この場合、図1の摺接ガイド5とは異なり、摺接ガイド37の一端37aは他端37bよりも高い位置にあり、中間部は一端37aよりも常に低い位置にあって、摺接ガイド37が一端から他端にかけて漸次低くなるものとする。また、摺動部材5は球状に限らず、たとえ球状であっても、一対のレール5に対するスライド係合用の凹溝部を有しているものであってもよい。
【0068】
また、ワイヤハーネス6はプロテクタ4,36内に収容した状態で一つの製品すなわち給電装置1,33を構成することから、ワイヤハーネス6を給電装置1,33の一構成部品と見ることもできる。また、プロテクタ4,36をスライドドアではなく車両ボディ側に設けることも可能である。この場合、プロテクタ4,36を車両ボディ側に水平横置きとし、ケース2,34の下壁9,42を開放してハーネス導出兼揺動用の横長の口部16,44とすることも可能である。また、固定部14を用いずプロテクタ4,36の狭い口部13,45からワイヤハーネス6を導出させてスライドドア側の固定手段で固定させることも可能である。
【0069】
図12〜図16は、本発明に係る給電装置とそれを用いたハーネス配索構造の第三の実施形態として、給電装置を自動車のスライド式のシートに適用した例を示すものである。
【0070】
図12の如く、シート46は略門型のシートベース47の上に固定され、シートベース47は滑車47aでフロア側の左右二本のレール48に前後方向スライド自在に係合し、シートベース47の下側に給電装置49が配設される。給電装置49はシート46側の乗員検知センサやシートヒータ、パワーシート、シートベルトセンサ、サイドエアバックといった補機に給電を行う。本例の給電装置49は図9と類似の形態のものを使用しており、図9と同じ作用部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。摺動部材7’(図13)や摺接ガイド37’は図5の形態のものを使用している。
【0071】
図13の鎖線の如くシートベース47は前後に大きくスライドし、シートベース47の下側において給電装置49が図14の如くフロアパネル50に横置き(水平)に配置される。本例において給電装置49はフロアパネル50の凹部内に埋入固定され、上側のカバー35の前後方向の長形の口部44から揺動側のワイヤハーネス6が導出されてシートベース47側でコネクタ18でシート46側のワイヤハーネスや補機(図示せず)に接続されている。固定側のワイヤハーネスは一側端の壁部41においてコネクタ15で車両ボディ側(電源側)のワイヤハーネス(図示せず)に接続されている。
【0072】
図13の実線の如くシート46(シートベース47)が前方に位置した状態で、図9と同様にプロテクタ36の前半部内でワイヤハーネス6が横長に大きなループ状に屈曲して位置する。プロテクタ36内にハーネス収納用の空間が形成されている。鎖線の如くシート46を後方にスライドさせるに伴って、プロテクタ36内で摺動部材7’が傾斜状の摺接ガイド37’に沿って長形の口部44側に向けてスライドし、ワイヤハーネス6がプロテクタ36の後部内で図10〜図11の如く縮径して、シート46のスライド量を吸収する。ワイヤハーネス6は長形の口部44に沿って後方に揺動する。
【0073】
プロテクタ36が長形の口部44に沿って長く、口部44と直交する方向に短く形成されているから、プロテクタ36の取付側がシート46の横幅方向に省スペース化され、あらゆるシート46に汎用的に装着可能である。プロテクタ36からのワイヤハーネス6の導出(露出)長さを増せば、プロテクタ36を図13よりも長手方向に短縮させることができる。
【0074】
図15〜図16は、給電装置49をフロアパネル50ではなくシートベース47に配置した例を示すものであり、シートベース47の裏面にプロテクタ36が固定され、プロテクタ36内にハーネス収納用の空間が形成され、プロテクタ36の下側のカバー35に長形の口部44が設けられ、口部44からワイヤハーネス6が下向きに導出されてフロアパネル50側(電源側)のワイヤハーネスにコネクタ18で接続されている。プロテクタ36の側端部に固定側のワイヤハーネスのコネクタ15が位置してシート46側のワイヤハーネスにコネクタ接続されている。
【0075】
図16の如く給電装置49はシート46と一体に進退し、それに伴ってワイヤハーネス6(図15)がプロテクタ36の長形の口部44に沿って揺動しつつ、プロテクタ36内で図13と同様にループ状に伸縮して余長吸収される。図15の実施形態は図13の形態に較べてプロテクタ36からのワイヤハーネス6の露出長さが短く、ワイヤハーネス6の保護性が良好である。
【0076】
なお、上記各実施形態においては、例えばスライドドア内やスライドシート内にプロテクタ4,36を配置したが、プロテクタ4,36を用いずに、例えばスライドドア62(図17参照)のインナパネル66とアウタパネル又はインナパネル66とドアトリム(図示せず)とに摺接ガイド5,5’,37を一体ないし別体に設けることも可能である。この場合、インナパネル66とアウタパネルとの間、又はインナパネル66とドアトリムとの間の空間がハーネス収納用の空間として活用される。
【0077】
図17〜図20は、本発明に係る給電装置とそれを用いたハーネス配索構造の第四の実施形態を示すものである。
【0078】
この給電装置51は、自動車のスライドドア(スライド構造体)の開閉に伴うワイヤハーネス55の弛みを吸収させるものであり、図17〜図18の如く、長辺側の壁部52にハーネス導出用(揺動側)のスリット状の長形の口部53を有する合成樹脂製の横長のプロテクタ54と、プロテクタ54内の空間内を略U字ないしJ字状に屈曲可能なワイヤハーネス55に設けられ、長形の口部53に沿って摺動可能な略球状の摺動部材7とを備えるものである。
【0079】
プロテクタ54は前半の幅広部56と後半の幅狭部57とで構成され、四方を壁部で囲まれて、内部にハーネス屈曲用の空間を有している。図1の実施形態のようにプロテクタ54をケースとカバーとで構成することも可能である。口部53を有する長辺側の壁部52は長い真直部52aと前側の短い傾斜部52bとで構成され、両部分52a,52bは湾曲状に滑らかに続いている。傾斜部52bは短い壁部58に交差して続き、短い壁部58にハーネス導出用(固定側)の口部59が設けられている。
【0080】
ワイヤハーネス55は両口部53,59から外部に導出され、プロテクタ54の空間内で屈曲自在で、空間内で略U字状の屈曲部55a(図18)を構成する。摺動部材7はワイヤハーネス55の外周部に固定されており、摺動部材7から固定側の口部59までのワイヤハーネス55の長さや、摺動部材7から可動側のコネクタ60までのワイヤハーネス55の長さは不変である。長辺側の壁部52は摺動部材7に対する摺接ガイド及びストッパとして作用する。
【0081】
長形の口部53は長辺側の壁部52の幅方向中央に設けられ、前後の短い壁部58,71の間近まで延長されている。長形の口部53の幅方向両側の壁部52の内面が摺動部材7に対する摺接ガイドとして作用する。摺動部材7は図1の実施形態のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。摺動部材7はワイヤハーネス55の外周のコルゲートチューブ72と一体でも別体でも構わない。コルゲートチューブ72は周方向の凹溝と凸条とを長手方向に交互に配列したもので、良好な屈曲性と電線保護性を有している。
【0082】
上記給電装置51は図19〜図20の如く車両ボディ(固定構造体)71のステップ69の後部側に水平に配置され、ワイヤハーネス55の一方がプロテクタ54の固定側の口部59から車両ボディ71側に水平に配索されて、コネクタ73で車両ボディ側のワイヤハーネス(図示せず)に接続され、ワイヤハーネス55の他方が可動側の長形の開口53(図17)からスライドドア62側に水平に配索されて、コネクタ60でスライドドア側のワイヤハーネス74に接続される。
【0083】
図19のスライドドア62の全閉状態でワイヤハーネス55はプロテクタ54内で図18の如く略U字状に屈曲しつつ前方へ引き出される。摺動部材7はプロテクタ54の壁部の52の傾斜部52bに沿って(接して)口部53の前端53a側に位置する。
【0084】
図19の全閉状態からスライドドア62を後方へスライド移動させるに伴って、図20の如くワイヤハーネス55がプロテクタ54内で伸長しつつ後方へ引っ張られ、長形の口部53に沿って揺動する。摺動部材7は図18の壁部(摺接ガイド)52の傾斜部52bから真直部52aに沿って移動し、図20のスライドドア62の全開状態で図17の如く真直部52aから離間してプロテクタ54の内側に位置する。
【0085】
プロテクタ54の壁部52の傾斜部52bはスライドドア62を全閉から開いて車両外側に離間させる際のスライドドア厚さ方向のストロークあるいは閉じ直前の状態から車両内側に向けて完全に閉じる際のスライドドア厚さ方向のストロークを吸収するためのものである。傾斜部52bに沿って摺動部材7が案内されることで、スライドドア62の厚さ方向のストロークがスムーズに吸収され、ワイヤハーネス55の垂れ下がりが防止される。
【0086】
なお、図17の実施形態の球状の摺動部材7に代えて図5と同様のピン状の摺動部材7’を用いることも可能である。この場合、長形の口部53の幅方向両側の壁部52の内面が摺動部材7’に対する摺接ガイドとして作用する。あるいはプロテクタ54の両側の壁部(図17の符号56,57で代用)に図5と同様なガイド孔5’を長形の口部53に沿って略くの字状に設けることも可能である。
【0087】
また、図19においてプロテクタ54をスライドドア62の厚さ以下の幅で形成すれば、プロテクタ54を車両ボディ側ではなくスライドドア側に水平に配置することも可能である。この場合、プロテクタ54は図19と左右対称に配置され、壁部(摺接ガイド)52の傾斜部52bでスライドドア厚さ方向のストロークが吸収される。
【0088】
スライドドア62にプロテクタ54を垂直に配置する場合は、図19とはプロテクタ54の前後を逆にして、スライドドア62の閉じ直前の位置で摺動部材7が摺接ガイド52の傾斜部52bに接して位置するようにして、スライドドア厚さ方向のストロークを吸収させる。長形の口部53は垂直な壁部(図17の符号56,57で代用)の下端側(壁部52寄り)に設けることが好ましい。
【0089】
また、図19のようにプロテクタ54を水平にした状態で図14〜図15の如くスライドシート46又はフロアパネル50に配置することも可能である。この場合、摺接ガイド52の傾斜部52bはスライドシート46に近づいて位置し、その際のワイヤハーネス55の弛みを吸収する。
【0090】
また、図19においてプロテクタ54を車両ボディ71又は車両パネル等と一体化させ(プロテクタ54を廃止し)、摺動部材7を案内する長形の口部53を車両ボディ71又は車両パネルに設けることも可能である。この構成はスライドドア側やスライドシート側にプロテクタ54を配置する場合においても同様に可能である。
【0091】
また、図17の形態のワイヤハーネス55に図6〜図7の温湿変化で剛性低下しにくい電線24や保護チューブ6を用いたり、ワイヤハーネス55の屈曲部55a(図18)に図8の剛性部材29を設けることも可能である。
【0092】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、空間側の摺接ガイドに沿ってワイヤハーネス側の摺動部材を移動させつつワイヤハーネスのループ部を拡縮又は屈曲部を伸縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、ループ部の径方向や屈曲部の屈曲方向に吸収することで、ハーネス収納用の空間が高さ方向や横方向に省スペース化される。これらにより、給電構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向等のスペース制限があるものに給電装置やワイヤハーネスを省スペースで組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
また、ワイヤハーネスの屈曲や揺動によって摺動部材の向きが変わっても、球状の摺動部材は一対の摺接ガイド上を常にスムーズに摺動するから、ワイヤハーネスの余長吸収がスムーズ且つ確実に行われる。
【0093】
請求項2記載の発明によれば、空間側の摺接ガイドに沿ってワイヤハーネス側の摺動部材を移動させつつループ部を拡縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、ループ部の径方向や横方向に吸収することで、ハーネス収納用の空間が高さ又は横方向に省スペース化される。これらにより、給電構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアといった高さ方向等のスペース制限があるものに給電装置やワイヤハーネスを省スペースで組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0094】
請求項3記載の発明によれば、空間側の摺接ガイドに沿ってワイヤハーネス側の摺動部材を移動させつつ屈曲部を伸縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、屈曲部の屈曲方向に吸収することで、ハーネス収納用の空間が高さ方向又は横方向に省スペース化される。これらにより、給電構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向等のスペース制限があるものに給電装置やワイヤハーネスを省スペースで組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0095】
請求項4記載の発明によれば、プロテクタの摺接ガイドに沿ってワイヤハーネス側の摺動部材を移動させつつループ部を拡縮又は屈曲部を伸縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、ループ部の径方向や屈曲部の屈曲方向に吸収することで、プロテクタが高さ方向等にコンパクト化される。これらにより、構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向等のスペース制限があるものにおいて省スペースでプロテクタを組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0096】
請求項5記載の発明によれば、スライド構造体の移動に伴って、山型状の摺接ガイドに沿って摺動部材が例えば昇降し、ワイヤハーネスのループ部が強制的に拡縮され、ループ部の径方向に余長吸収されるから、従来の板ばねを用いた給電装置に較べてハーネス収納用の空間又はプロテクタが高さ方向に省スペース化、コンパクト化され、汎用性が拡大する。
【0097】
請求項6記載の発明によれば、スライド構造体の移動に伴って、傾斜状の摺接ガイドに沿って摺動部材が例えば昇降し、ループ部が摺接ガイドに沿う方向(横方向)に拡縮され、横方向に余長が吸収されるから、従来の板ばねを用いた給電装置に較べてハーネス収納用の空間又はプロテクタが高さ方向に省スペース化、コンパクト化され、汎用性が拡大する。
【0098】
請求項7記載の発明によれば、摺接ガイドの傾斜部によってスライド構造体の厚さ方向のストロークがスムーズに吸収され、プロテクタ外でのワイヤハーネスの垂れ下がりが防止され、スライド構造体と固定構造体との間でのワイヤハーネスの挟み込みが防止される。これにより、スライド構造体への常時給電の信頼性が向上する。
【0101】
請求項記載の発明によれば、プロテクタの長辺側の壁部が摺接ガイドを兼ねるから、構造が簡素化・低コスト化され、また、プロテクタ内の空間が全て利用されるから、プロテクタがコンパクト化される。これにより、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向等のスペース制限があるものにおいて省スペースでプロテクタを組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0102】
請求項記載の発明によれば、スライド構造体の進退動作に伴ってワイヤハーネスが長形の口部に沿って前後に揺動つつループ部が拡縮又は屈曲部が伸長されることで、スライドドアの前後方向の移動と車両ボディから外側に離間する方向の移動とにスムーズ且つ確実に対応してワイヤハーネスの余長を確実に吸収させることができる。
【0105】
請求項10記載の発明によれば、スライド構造体の進退に伴ってワイヤハーネスのループ部や屈曲部が剛性部材で常に湾曲形状に維持されつつ拡縮又は屈曲されるから、ワイヤハーネスの余長吸収が一層スムーズ且つ確実に行われ、スライド構造体への給電の信頼性が向上する。
【0106】
請求項11記載の発明によれば、空間側の摺接ガイドに沿ってワイヤハーネスの摺動部材を移動させつつループ部を拡縮又は屈曲部を伸縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、ループ部の径方向や屈曲部の屈曲方向に吸収することで、空間が高さ方向等に省スペース化される。これらにより、構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向等のスペース制限があるものに給電装置やワイヤハーネスを省スペースで組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0107】
請求項12記載の発明によれば、プロテクタ内の摺接ガイドに沿ってワイヤハーネスの摺動部材を移動させつつループ部を拡縮又は屈曲部を伸縮させることで、従来の板ばねやその固定部材等を用いることなく、少ない部品でワイヤハーネスの余長をスムーズ且つ確実に吸収することができ、しかも余長を従来のように上向きではなく、ループ部の径方向や屈曲部の屈曲方向に吸収することで、プロテクタが高さ方向等にコンパクト化される。これらにより、構造が簡素化、低コスト化されると共に、自動車のスライドドアや車両ボディといった高さ方向や横方向のスペース制限があるものにおいて省スペースでプロテクタを組み付けて、多くの車種等に汎用させることができる。
【0108】
請求項13記載の発明によれば、スライドドアの場合はスライドドア内の高さ方向の省スペース化が図られ、給電装置をスライドドアに難なく組み付けることができ、シートの場合は、例えばシート下のスペースを有効活用しつつ横幅方向の省スペース化を図って給電装置をコンパクトに配置することができる。このように、給電装置の汎用化により、低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給電装置の第一の実施形態を示すスライドドア全閉時の状態の斜視図である。
【図2】同じく給電装置のスライドドア半開時の状態を示す斜視図である。
【図3】同じく給電装置のスライドドア全開時の状態を示す斜視図である。
【図4】プロテクタ内の摺動部材と摺接ガイドの一実施形態を示す縦断面図である。
【図5】プロテクタ内の摺動部材と摺接ガイドの他の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】ワイヤハーネスを構成する電線の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】ワイヤハーネスの一実施形態を示す斜視図である。
【図8】剛性部材の一実施形態を示し、(a)はワイヤハーネス縮径時の正面図、(b)はワイヤハーネス拡径時の正面図である。
【図9】本発明に係る給電装置の第二の実施形態を示すスライドドア全閉時の状態の斜視図である。
【図10】同じくスライドドア半開時の状態を示す斜視図である。
【図11】同じくスライドドア全開時の状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る給電装置とそれを用いたハーネス配索構造をスライドシートに適用した第三の実施形態を示す分解斜視図である。
【図13】同じくスライドシートを進退させた時のハーネス配索状態を示す平面図である。
【図14】同じく給電装置とそれを用いたハーネス配索構造を示す正面図である。
【図15】上記の給電装置とそれを用いたハーネス配索構造の配置を変えた実施形態を示す正面図である。
【図16】同じく給電装置とそれを用いたハーネス配索構造を示す側面図である。
【図17】本発明に係る給電装置の第四の実施形態を示すハーネス伸長時の斜視図である。
【図18】同じく給電装置のハーネス屈曲時の斜視図である。
【図19】同じく給電装置を用いたハーネス配索構造を示すスライドドア全閉時の斜視図である。
【図20】同じくハーネス配索構造を示すスライドドア全開時の斜視図である。
【図21】従来の給電装置とそれを用いたハーネス配索構造を示すスライドドア全閉時の状態の斜視図である。
【図22】同じくスライドドア全開近くの状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,33,49,51 給電装置
4,36,54 プロテクタ
5,37 摺接ガイド(レール)
5’,37’ 摺接ガイド(ガイド孔)
6,55 ワイヤハーネス
6b ループ部
6a,6d,21 ワイヤハーネス部分
7,7’ 摺動部材
13,45,59 固定側の口部
16,44,53 長形の口部
24 電線
26 絶縁被覆
28 保護チューブ
29 剛性部材
31 ヒンジ
52 壁部(摺接ガイド)
52a 真直部
52b 傾斜部
55a 屈曲部

Claims (13)

  1. ワイヤハーネスを屈曲させて収容する空間と、該ワイヤハーネスに設けられた一つの球状の摺動部材と、該空間側に設けられ、該摺動部材を案内する一対の摺接ガイドとを備え、該ワイヤハーネスが該一対の摺接ガイドの間に挿通され、該摺動部材が該ワイヤハーネスと一体に該一対の摺接ガイド上を回動自在であることを特徴とする給電装置。
  2. 前記ワイヤハーネスをループ状に屈曲させて収容する前記空間と、該ワイヤハーネスのループ部を拡径又は縮径させる方向に前記摺動部材を案内する前記摺接ガイドとを備えることを特徴とする請求項1記載の給電装置。
  3. 前記ワイヤハーネスを略U字状に屈曲させて収容する前記空間と、該ワイヤハーネスの屈曲部を伸縮させる方向に前記摺動部材を案内する前記摺接ガイドとを備えることを特徴とする請求項1記載の給電装置。
  4. 前記空間がプロテクタ内に設けられ、前記摺接ガイドが該プロテクタの長手方向に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の給電装置。
  5. 前記摺接ガイドが山型状に形成されたことを特徴とする請求項2又は4記載の給電装置。
  6. 前記摺接ガイドが一端から他端にかけて傾斜状に形成されたことを特徴とする請求項2又は4記載の給電装置。
  7. 前記摺接ガイドが真直部と該真直部に続く傾斜部とを有することを特徴とする請求項3又は4記載の給電装置。
  8. 前記摺接ガイドが前記プロテクタの長辺側の壁部であることを特徴とする請求項7記載の給電装置。
  9. 前記プロテクタの長手方向にワイヤハーネス揺動用の長形の口部が設けられ、該プロテクタの端部側にワイヤハーネス固定側の口部が設けられたことを特徴とする請求項4〜の何れか1項に記載の給電装置。
  10. 前記ワイヤハーネスのループ部又は屈曲部に、ヒンジで開閉自在な湾曲状の剛性部材が装着されたことを特徴とする請求項2〜の何れか1項に記載の給電装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の給電装置の前記空間がスライド構造体又は固定構造体に設けられ、該スライド構造体が固定構造体にスライド自在に係合し、前記摺動部材に続くワイヤハーネス部分が該空間から該固定構造体又は該スライド構造体側に導出され、前記ループ部に続くワイヤハーネス部分が該スライド構造体又は該固定構造体側に導出されつつ固定されたことを特徴とする給電装置を用いたハーネス配索構造。
  12. 請求項4〜10の何れか1項に記載の給電装置の前記プロテクタがスライド構造体又は固定構造体に配置され、該スライド構造体が固定構造体にスライド自在に係合し、前記摺動部材に続くワイヤハーネス部分が該プロテクタの長形の口部から該固定構造体又は該スライド構造体側に導出され、前記ループ部に続くワイヤハーネス部分が該スライド構造体又は該固定構造体側に導出されつつ固定されたことを特徴とする給電装置を用いたハーネス配索構造。
  13. 前記給電装置が縦置き又は横置きに配置されたことを特徴とする請求項11又は12記載の給電装置を用いたハーネス配索構造。
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