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JP4035591B2 - Vascular disease condition improving agent - Google Patents

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JP4035591B2
JP4035591B2 JP2003015563A JP2003015563A JP4035591B2 JP 4035591 B2 JP4035591 B2 JP 4035591B2 JP 2003015563 A JP2003015563 A JP 2003015563A JP 2003015563 A JP2003015563 A JP 2003015563A JP 4035591 B2 JP4035591 B2 JP 4035591B2
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hsp72
expression
subarachnoid hemorrhage
vasospasm
gga
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利男 田中
洋史 二階堂
宏 角田
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株式会社三重ティーエルオー
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管障害病態改善剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血管障害は、虚血性心疾患、脳血管障害、末梢血管障害などの基本的病態であり、臨床医学上極めて重要である。脳血管障害の一つである脳血管攣縮とは、クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage;以下には、「SAH」と称することがある)後に起こる大脳動脈の攣縮のことを言う。この脳血管攣縮には、早発性のものと遅発性のものとがある。このうち、遅発性脳血管攣縮は、クモ膜下出血の発症から3日後〜9日後に発症する。クモ膜下出血患者の27%〜38%において、遅発性神経虚血性障害(脳血管攣縮)が起こると言われている。また、頭蓋内動脈瘤の外科的処置や術後の処置が成功した場合であっても、そのような患者のうちの26%〜38%は後遺症に苦しむようになり、血管攣縮による死亡例も見られる。
従来から、遅発性脳血管攣縮に内在するメカニズムの調査が広く行われてきており、多くの先端治療が施されているが(非特許文献1参照)、未だに成功したとの報告例は見出されない。
【0003】
一方、近年には、バイオテクノロジーの驚異的な発展により、多くの遺伝子が同定されるに至っている。しかしながら、これらの遺伝子については、一次構造は知られているものの、機能が判明しているとは言い難いものの多い。また、DNAマイクロアレイによれば、多くの遺伝子の発現プロフィールを見ることができることから、種々のショック(例えば、熱ショック、薬剤投与など)が遺伝子発現に与える影響を確認する研究が進行している。
【0004】
ところで、ヒートショックプロテイン(HSP)は、細胞や個体が平常温度よりも5℃〜10℃程度高い温度変化を急激に受けたとき(熱ショック)に、合成が誘導されるタンパク質群の総称である。HSPの合成は、熱ショックの他に、様々な化学物質(例えば、電子伝達系の阻害剤、遷移金属、SH試薬、エタノールなど)によっても誘導される。このためHSPは、ストレスタンパク質とも呼ばれている。真核生物では、HSP90、HSP70、ユビキチン、及びHSP26などの低分子量HSP群が代表的HSPであり、それぞれのアミノ酸配列は進化の過程で良く保存されている。このうち、ヒトHSP70には、少なくとも約10種類のHSP70遺伝子が存在する。
【0005】
HSPの機能は多岐に渡っている。例えば、HSP70には、変性タンパク質に結合し、その会合沈殿を防ぐ機能・ATP依存的に結合タンパク質を遊離する機能が知られている。また、HSP60には、フォールディング中間体モルテングロビュール構造を認識し結合する機能がある。
【0006】
一方、一般式(1)
【化2】

Figure 0004035591
で表される6,10,14,18−テトラメチル−5,9,13,17−ノナデカテトラエン−2−オンは、種々の消化性潰瘍や胃炎の治療予防に有効であることが知られている(特許文献1,特許文献2参照)。しかしながらこれまでの知見において、かかる化合物と遅発性脳血管攣縮との関係については全く知られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭53−145922号公報
【特許文献2】
特開昭62−10013号公報
【非特許文献1】
Mayberg M.R.,"Cerebral vasospasm". Neurosurgery Clinics of North America, アメリカ合衆国,1998年,第9巻,p.615-627
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、血管障害(特に、血管攣縮)が、遺伝子発現プロフィールに与える変化を解明し、この血管攣縮を抑制する薬剤を見出す方法、及びその方法によって得られた血管攣縮抑制剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、出血(特に、クモ膜下出血)後の遺伝子発現プロフィールの変化を確認した結果、血管攣縮を抑えられる物質としてヒートショックプロテインを見出した。
更に、一般式(1)
【化3】
Figure 0004035591
で表される化合物が、出血を起こした障害部位において、ヒートショックプロテインの発現を誘導することにより、血管攣縮に対して効果のあることを見出すことにより、基本的には本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、第1の発明は、出血を起こした障害部位にヒートショックプロテインの発現を誘導することにより、血管障害に関する病態を改善する血管障害病態改善剤である。
【0011】
この発明において、「出血を起こした障害部位」は、例えば脳である(この場合に、出血は、例えばクモ膜下出血である)。また、本明細書中において、「ヒートショックプロテイン」とは、熱、活性酸素、放射線などのストレス(ショック)により発現するタンパク質を意味しており、HSP60ファミリー、HSP70ファミリー、HSP90ファミリーなどのファミリーを含む。特に、これらのファミリーのうち、HSP70ファミリー(HSP70,HSP72,HSP73等)であることが好ましく、このうちHSP72であることが更に好ましい。
【0012】
「血管障害に関する病態」とは、例えば、出血後に起こる早発性または遅発性の血管攣縮がある。なお、この場合に、「血管障害病態改善剤」は、血管攣縮抑制剤となる。
【0013】
また、第1の発明において、血管障害病態改善剤、又は血管攣縮抑制剤は、一般式(1)
【化4】
Figure 0004035591
で表される6,10,14,18−テトラメチル−5,9,13,17−ノナデカテトラエン−2−オン(別名:ゲラニルゲラニルアセトン、一般名:テプレノン、以下、「GGA」と称する。)を有効成分とすることが好ましい。GGAは、プレニルケトン系化合物であり、その構造から見て、種々の異性体が考えられる。本発明は、それら各種の異性体を含むものであり、例えば5,9,13位がそれぞれE体、Z体のいずれでもよく、1種類のみの異性体からなる単独物、または2種類以上の異性体の混合物でもよい。但し、好ましくは、(5E,9E,13E)体単独、(5Z,9E,13E)体単独、またはこれら二種類の異性体の任意の混合比による混合物であり、更に好ましくは、(5E,9E,13E)体と(5Z,9E,13E)体との質量比が3:2の混合物である。GGAは、例えば特開昭53−145922号公報に記載されている製造方法に準じて製造することができる。
【0014】
上記化合物は、ヒートショックプロテインの発現を誘導することにより、血管攣縮の予防剤及び/または治療剤として用いられ、好ましくは脳血管攣縮の予防剤及び/または治療剤として、更に好ましくはクモ膜下出血後に発症する遅発性脳血管攣縮の予防剤及び/または治療剤として用いることができる。本発明に係る化合物の投与形態は特に制限されず、例えば経口的・非経口的に投与することができる。経口投与のための剤型は、固体又は液体の剤型、具体的には錠剤、被羅錠剤、丸剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等が好ましい。非経口投与のための剤型は、注射用製剤、点滴剤、外用剤、坐剤等が好ましい。
【0015】
また、上記化合物は、慣用される方法により製剤化することが可能であり、通常用いられる賦形剤(例えば、乳糖、白糖、でんぷん、マンニトール等)、結合剤(例えば、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク等)、着色剤、矯味矯臭剤等、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤等を使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して定法により製剤化される。上記化合物の投与量は、症状、年齢、体重などの条件により適宜定められるが、成人一日当たり20mg〜2000mg、好ましくは50mg〜1000mg、さらに好ましくは100mg〜500mgである。
【0016】
また、第2の発明は、第1の発明に係る剤をスクリーニングするための方法であって、ヒートショックプロテイン(特に、HSP72)の発現誘導を指標とすることを特徴とする。
本発明において、「発現誘導」とは、▲1▼ヒートショックプロテインが実質的に全く発現されていない状態から、ヒートショックプロテインの発現を誘導すること、及び、▲2▼既に発現されているヒートショックプロテインの量を増加させることの両者を含む。「剤」とは、比較的低分子量の化合物、核酸(DNA及びRNAを含む)、タンパク質等を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく、様々に改変して実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【0018】
<実験例1> 蛍光ディファレンシャルディスプレイ法(FDD法)による発現プロフィールの変化
クモ膜下出血後に遺伝子発現プロフィールがどのような変化を起こしているかをFDD法により確認した。FDD(蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ)法は、多数のサンプルを同時に発現比較する遺伝子発現解析法原理としては、全RNAから蛍光アンカープライマーで第一鎖DNAを合成し、任意プライマーと蛍光アンカープライマーを用いたPCRを行い、複数のcDNA断片を増幅する。PCR産物を変性ポリアクリルアミドゲルで分離後、蛍光イメージを取得し、バンド強度(発現量)が異なるDNAバントを切り出し、再増幅、クローニング、塩基配列を決定するものである。このFDD法の結果、クモ膜下出血から血管攣縮に伴って、HPS72の発現が高度に増加していることを確認した。
<実験例2> 実験動物、及び脳血管攣縮モデル
なお、以下の実験例においては、実験動物の取扱に関する実験手順は、三重大学医学部の動物実験のガイドラインに従った。スプレーグ−ドーリーラット(SDラット;11〜12週齢、340〜380g;JAPAN SLC社)に抱水クローラル(400mg/kg)を腹腔内注射にて投与して麻酔をかけた。なお、ラットは自発呼吸できるようにしておいた。24ゲージカテーテルを右橈骨動脈に配置し、自家動脈血を取りだした。動物は、頭を30度曲げた状態でヘッドホルダーに配置した。外科顕微鏡による後頭の正中切開にて、前環椎後頭膜を露出させ、27ゲージの針を小脳延髄槽に穿刺した。0.1mlの髄液を上記針にて取り出し、その後0.3mlの自家血液または生理食塩水を5分間かけてゆっくりと注入した。ラットは、頭を下にして10分間放置した後、覚醒させた。
ラット脳血管攣縮モデルは、文献記載の方法に準じて行った(The Journal of Clinical Investigation,1999,Jul,104(1),59−66)。即ち、SDラット大槽内に自家動脈血を1回注入した脳血管攣縮モデル(1回出血モデル)を用いた。1回出血モデルにおいて、自家動脈血の大槽内への注入量は、0.4mlとした。また、対照として、上記自家動脈血に代えて、生理食塩水、またはビヒクルを用いて同様に操作した。
【0019】
<実験例3> 血管造影法
血管造影法(椎骨動脈造影)は、造影剤1ml(IOMERON400;エーザイ株式会社製)を右橈骨動脈へ注射していった。被爆データは、50mAS、150kV、0.5秒であった。また、焦点−対物間距離を50cm、焦点−フィルム間距離を100cmとして測定した。
【0020】
<実験例4> 動脈径の測定
脳底動脈の直径は、3箇所(椎骨動脈の節点の0.5mm上方、中間点、後脳大動脈の分岐点のすぐ下)で測定した。3人の熟練した技術者が、治療群に関する情報を知らされない状態で、コンピュータモニターにて脳底動脈の直径を3回測定した。NIH(米国国立医療研究所)の画像解析ソフト、高解像度スキャナー、マッキントッシュ社製コンピュータを用いて平均値を決定した。
【0021】
<実験例5> RT−PCR分析
全RNAは、ISOGEN試薬(ニッポンジーン社製)を用いて、脳底動脈から単離した。このRNA(0.5μg)をSuperscripts II reverse transcriptase(GIBCO BRL社製)を用いて提供業者のプロトコルに従って、逆転写した。結果物のcDNAは、PCR増幅用のテンプレートとして使用した。
ラットHSP72mRNA(L16764)の増幅用プライマーとして、フォワードプライマーには、5’−TGCTGACCAGATGAAG−3’(配列番号1)を、リバースプライマーには、5’−AGAGTCGATCTCCAGGC−3’(配列番号2)を用いた。PCR産物は、2%アガロースゲルで電気泳動を行い、エチジウムブロマイドで染色して検出した。
【0022】
<実験例6> リアルタイムRT−PCR分析
リアルタイムRT−PCR分析は、TaqMan Universal PCR Master Mix(PE Biosystems社製)を用いて、供給業者のプロトコルに従って実施した。
ラットHSP72mRNAの増幅用プライマーとして、フォワードプライマーには、5’−CCGGAGAGAAGGAGTAACTTGATAAG−3’(配列番号3)を、リバースプライマーには、5’−TGGATTAGAGGCTTTTCTGGCTC−3’(配列番号4)を用いた。また、ラットHSP72mRNAの検出用プローブとして、5’(FAM)−TGCACCAGCAGCCATCAAGAGTCTGT−(TAMRA)p3’(配列番号5)を用いた。
【0023】
ラットβ−アクチンの増幅用プライマーとして、フォワードプライマーには、5’−TGAACACGGCATTGTAACCAAC−3’(配列番号6)を、リバースプライマーには、5’−CAGTGGTACGACCAGAGGCATA−3’(配列番号7)を用いた。また、ラットβ−アクチンmRNAの検出用プローブとして、5’(FAM)−TGTACGTAGCCATCCAGGCTCTCTTG−(TAMRA)p3’(配列番号8)を用いた。
【0024】
なお、PCR反応と、その結果起きる蛍光染色発光は、7700−sequence detector(Perkin−Elmer社製)を用いて、リアルタイムにモニターした。シグナルは、sequence detector V1.6.3 program(Perkin−Elmer社製)を使用して分析した。
【0025】
<実験例7> ホスホロチオエート型オリゴヌクレオチドの大槽への注射
アンチセンスHSP72オリゴヌクレオチド(以下、「ODN」という)シークエンスとして、5’−TGTTTTCTTGGCCAT−3’(配列番号9)を用いた。センスHSP72ODNシークエンスとして、5’−ATGGCCAAGAAAACA−3’(配列番号10)を用いた。アンチセンスHSP72ODN及びセンスHSP72ODNは、それぞれ生理食塩水で希釈して、200μMの濃度とした。
ODN溶液は、2回に渡って大槽に注射した。最初の注射(0.5ml)は、クモ膜下出血を起こす48時間前に投与した。次の注射(0.5ml)は、クモ膜下出血を起こす24時間前に投与した。なお、各ODN溶液については、細胞毒性は観察されなかった。シークエンスの類似性は、ジーンバンクに存在する報告済みのDNAシークエンスと比べてチェックした。
【0026】
<実験例8> ウエスタンブロット分析
タンパク質の50μg当量を10%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)で分離し、ニトロセルロース膜へ転写した。この膜をラットHSP72に対するウサギポリクローナル抗体、SPA−760(StressGen Biotechnologies社製)の1:20000の希釈溶液を使用してインキューベートした。シグナル増幅は、高度化学発光(ECL)検出キットを用いて行った。
【0027】
<実験例9> GGAの経口投与
GGAは、GGA100質量%に対してアラビアゴム5質量%及びトコフェロール0.008質量%を加えて、エマルジョン化して経口投与した。
脳内あるいは脳底動脈内におけるHSP72の発現の時間依存性を調査するため、GGAを単一の投与量(400mg/kg)で投与してから0時間、4時間、12時間、24時間、48時間後にラットを死亡させた。
【0028】
また、HSP72発現の投与量依存性を調べるため、ラットはGGAを各種の投与量(0,400,600,800mg/kg)で投与してから24時間後に死亡させた。
GGAやビヒクルの投与による処置を伴うクモ膜下出血後、脳底動脈内のHSP72誘導はRT−PCR、ウエスタンブロット法や血管造影にて評価した。GGA投与群ラットは、12時間毎にGGA(400mg/kg)を経口投与した。クモ膜下出血群のラットは、自家血0.4mlを注射し、同量(400mg/kg)のビヒクルを12時間毎に経口投与した。クモ膜下出血とGGA群のラットは、自家血0.4mlを注射し、12時間毎にGGA(400mg/kg)を経口投与した。
【0029】
<実験結果>
RT−PCR法によると、クモ膜下出血後第1日目及び第2日目のHSP72mRNAの発現は、クモ膜下出血を起こさない場合に比べて、3倍以上に増加した。また、生理食塩水を投与した場合に比べると、クモ膜下出血後第2日目のHSP72mRNAの発現は、3倍以上に増加した(図1)。クモ膜下出血後の脳底動脈における構成的HSP73mRNAは、生理食塩水の投与によっては変わらなかった(図1)。リアルタイムRT−PCR法の結果からも、クモ膜下出血後第2日目のHSP72mRNAは、有意に(1.8倍程度)誘導されていることが判明した(図2)。しかしながら、生理食塩水投与後またはクモ膜下出血後において、第1日目のHSP72mRNAの発現量には、違いが見られなかった。HSP72タンパク質の発現は、誘導的HSP72に対して特異的に反応する抗体を用いたウエスタンブロット法により確認した。その結果、第2日目には、HSP72タンパク質が有意に誘導されている(2.3倍)ことが分かった(図3)。
【0030】
脳底動脈におけるクモ膜下出血後の血管攣縮試験は、血管造影法によって実施された(図7)。クモ膜下出血を起こしたラットにおいては、血管攣縮は第1日目から観察され、第2日目において最高値となり、動脈径はベースライン(開始前の径)に比べて86%に減少した。その後、血管攣縮は徐々に解消し、第7日目にはベースラインに戻った。
【0031】
脳底動脈におけるHSP72の発現の重要性を確認するために、HSP72に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)を用いて、HSP72タンパク質の発現を抑制した。RT−PCR法の結果によれば、アンチセンスHSP72−ODNを投与した場合には、第2日目におけるHSP72mRNAの発現増加は抑制されていることが分かった(図4)。デンシトメータを用いた解析によれば、アンチセンスHSP72−ODNを投与した場合には、センスHSP72−ODNを投与した場合に比べると、HSP72mRNAの発現量は、63%に減少していた。また、リアルタイムRT−PCR法の結果からも、アンチセンスHSP72−ODNを投与した場合には、第2日目のHSP72mRNA発現量は有意に抑制されている(0.74倍)ことが判明した(図5)。
【0032】
アンチセンスHSP72−ODNによる転写段階での抑制が、タンパク質レベルでの発現を抑制しているかどうかを確認するために、ウエスタンブロット解析を行った。その結果、アンチセンスHSP72−ODNは、HSP72タンパク質の発現を抑制していることが分かった(図6)。デンシトメータを用いた解析によれば、アンチセンスHSP72−ODNは、センスHSP72−ODNに比べると、HSP72タンパク質を約75%に抑えていた。
【0033】
血管造影法によれば、アンチセンスHSP72−ODN、又はセンスHSP72−ODNを大槽に投与した場合には、クモ膜下出血後第2日目と第3日目の動脈径には、有意な差異が認められた(図7)。すなわち、アンチセンスHSP72−ODNを大槽内に投与した場合には、血管攣縮は有意に増悪した。これに対して、センスHSP72−ODNを投与した場合には、クモ膜下出血後の血管攣縮には、影響を与えなかった。いずれの群においても、血管攣縮は、クモ膜下出血後第7日目には回復した。
【0034】
脳または脳底動脈におけるHSP72の発現に対するGGAの用量依存的な影響を確認するために、経口投与後24時間目の評価を行った(図8)。脳及び脳底動脈のいずれにおいても、HSP72の発現は、400mg/kgの投与量で認められ、用量に依存して600mg/kgの投与量でピークに至った。
【0035】
また、脳または脳底動脈におけるHSP72の発現に対するGGAの時間依存的な影響を確認するために、単一の用量(400mg/kg)を投与した後の経時的な評価を行った(図9)。脳におけるHSP72の発現は、GGA投与後4時間でピークに達し、その後徐々に減少して48時間目には見られなくなった。一方、脳底動脈におけるHSP72の発現は、GGA投与後4時間目から認められ、12時間目でピークに達した後、徐々に減少して48時間目には見られなくなった。
【0036】
脳底動脈において、GGA投与によるHSP72の発現変化を、RT−PCR法及びウエスタンブロット法を用いて検討した(図10及び図11)。生食大槽内投与後、4回GGAを経口投与した2日目では、2回GGAを投与した1日目に比べ、脳底動脈のHSP72mRNAの発現レベル有意に上昇は、投与量依存性であった。これは、くも膜下出血後も同様に、投与量依存性に上昇していた。さらに、2日目の各群を比較すると、生食大槽内投与に比べ、SAHでは、HSP72mRNAの発現レベルが有意に上昇していた。GGA経口投与、ヴィークル経口投与ともに、くも膜下出血後2日目、3日目で、HSP蛋白質の顕著な誘導がみられた。
GGA投与後、2日目では、生食大槽内投与とくも膜下出血ではHSP72蛋白質の発現レベルは同程度であったが、3日目ではくも膜下出血でHSP72蛋白質の発現が有意に上昇していた。
【0037】
血管造影法によれば、GGAまたはビィークルを投与した後にクモ膜下出血を起こすと、第1日目〜第3日目において、動脈径に有意な変化が認められた(図12)。図から明らかなように、GGAを経口投与すると、血管攣縮は改善された。
【0038】
【発明の効果】
クモ膜下出血後の遺伝子発現プロフィールの変化から解析したところ、ヒートショックプロテインの発現誘導を行う物質をスクリーニングすることにより、クモ膜下出血後の血管攣縮を抑制できる物質を見出すことに成功した。
また、このスクリーニングによって見出されたGGAを投与することにより、脳底動脈にヒートショックプロテインを誘導し、クモ膜下出血後の脳血管攣縮を抑制することができた。
【0039】
【配列表】
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591

【図面の簡単な説明】
【図1】 大槽内に生理食塩水、または自己動脈血(クモ膜下出血モデル)を注入した後のHSP72,HSP73,及びβアクチンの発現量を確認するために、脳底動脈におけるRT−PCRを行ったサンプルのSDS−PAGE写真図である。
【図2】 大槽内に生理食塩水、または自己動脈血(クモ膜下出血モデル)を注入した後に、リアルタイムRT−PCR法を行ったときのHSP72/βアクチン発現量比を示すグラフ図である。
【図3】 大槽内に生理食塩水、または自己動脈血(クモ膜下出血モデル)を注入した後に、HSP72に対するウエスタンブロット法を行ったときの写真図である。
【図4】 クモ膜下出血を起こす前にアンチセンスHSP72−ODNまたは、センスHSP72−ODNを大槽内に投与した場合において、クモ膜下出血後のHSP72mRNA発現量を確認したRT−PCRサンプルのSDS−PAGE写真図である。
【図5】 クモ膜下出血を起こす前にアンチセンスHSP72−ODNまたは、センスHSP72−ODNを大槽内に投与した場合において、クモ膜下出血後のHSP72mRNAの発現をリアルタイムRT−PCR法で確認したときのHSP72/βアクチン発現量比を示すグラフ図である。
【図6】 クモ膜下出血を起こす前にアンチセンスHSP72−ODNまたは、センスHSP72−ODNを大槽内に投与した場合において、クモ膜下出血後にHSP72に対するウエスタンブロット法を行ったときの写真図である。
【図7】 クモ膜下出血を起こす前にアンチセンスHSP72−ODNまたは、センスHSP72−ODNを大槽内に投与した場合において、クモ膜下出血を起こした後の血管攣縮を経時的に血管造影法で確認したときの結果を示すグラフである。
【図8】 GGA(0,400,600,800mg/kg)投与後、24時間目において、脳または脳底動脈でのHSP72の発現をRT−PCR法で確認したときのSDS−PAGE写真図である。
【図9】 GGA(400mg/kg)投与後、脳または脳底動脈におけるHSP72の経時的な発現をRT−PCR法で確認したときのSDS−PAGE写真図である。
【図10】 各処置(クモ膜下出血+ビヒクル、生理食塩水+GGA、クモ膜下出血+GGA)を行った場合において、HSP72の発現をRT−PCR法で確認したときのSDS−PAGE写真図である。
【図11】 各処置(クモ膜下出血+ビヒクル、生理食塩水+GGA、クモ膜下出血+GGA)を行った場合において、HSP72タンパク質の発現をウエスタンブロット法で確認したときの写真図である。
【図12】 ビィークルまたはGGAを前投与した場合に、クモ膜下出血を起こした後の血管攣縮を経時的に血管造影法で確認したときの結果を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vascular disorder condition improving agent.
[0002]
[Prior art]
Vascular disorders are fundamental pathological conditions such as ischemic heart disease, cerebrovascular disorders, peripheral vascular disorders, and are extremely important in clinical medicine. Cerebral vasospasm, which is one of cerebrovascular disorders, refers to cerebral artery spasm that occurs after subarachnoid hemorrhage (hereinafter sometimes referred to as “SAH”). This cerebral vasospasm may be early-onset or late-onset. Among these, delayed cerebral vasospasm develops 3 to 9 days after the onset of subarachnoid hemorrhage. It is said that late neuroischemic injury (cerebral vasospasm) occurs in 27% to 38% of patients with subarachnoid hemorrhage. In addition, even if surgical or post-surgical procedures for intracranial aneurysms are successful, 26% to 38% of such patients will suffer from sequelae, and deaths due to vasospasm It can be seen.
Conventionally, investigation of the mechanism inherent in delayed cerebral vasospasm has been widely conducted, and many advanced treatments have been performed (see Non-Patent Document 1), but there are no reports of successful reports. Not issued.
[0003]
On the other hand, in recent years, many genes have been identified by the remarkable development of biotechnology. However, for these genes, although the primary structure is known, it is difficult to say that the function is known. In addition, since DNA microarrays allow the expression profiles of many genes to be seen, research is ongoing to confirm the effects of various shocks (eg, heat shock, drug administration, etc.) on gene expression.
[0004]
By the way, heat shock protein (HSP) is a general term for a protein group in which synthesis is induced when a cell or an individual undergoes a temperature change of about 5 ° C. to 10 ° C. higher than normal temperature (heat shock). . In addition to heat shock, HSP synthesis is also induced by various chemical substances (for example, inhibitors of electron transport systems, transition metals, SH reagents, ethanol, etc.). For this reason, HSP is also called a stress protein. In eukaryotes, low molecular weight HSP groups such as HSP90, HSP70, ubiquitin, and HSP26 are representative HSPs, and each amino acid sequence is well conserved during the evolution process. Among these, human HSP70 has at least about 10 types of HSP70 genes.
[0005]
The functions of HSP are diverse. For example, HSP70 is known to have a function of binding to a denatured protein and preventing its associated precipitation and a function of releasing the binding protein in an ATP-dependent manner. HSP60 also has a function of recognizing and binding a folding intermediate molten globule structure.
[0006]
On the other hand, the general formula (1)
[Chemical 2]
Figure 0004035591
It is known that 6,10,14,18-tetramethyl-5,9,13,17-nonadecatetraen-2-one represented by the formula is effective for the treatment and prevention of various peptic ulcers and gastritis. (See Patent Document 1 and Patent Document 2). However, in the knowledge so far, the relationship between such a compound and delayed cerebral vasospasm is not known at all.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-53-145922
[Patent Document 2]
JP-A-62-10013
[Non-Patent Document 1]
Mayberg MR, "Cerebral vasospasm". Neurosurgery Clinics of North America, USA, 1998, Vol. 9, p.615-627
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and its object is to elucidate changes that a vascular disorder (particularly, vasospasm) has on a gene expression profile and to find a drug that suppresses this vasospasm. And a vasospasm inhibitor obtained by the method.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have confirmed a change in gene expression profile after bleeding (particularly, subarachnoid hemorrhage), and as a result, have found heat shock protein as a substance capable of suppressing vasospasm.
Furthermore, the general formula (1)
[Chemical 3]
Figure 0004035591
In order to complete the present invention, it is found that the compound represented by the formula is effective against vasospasm by inducing the expression of heat shock protein at the site of bleeding causing injury. It came.
[0010]
That is, the first invention is a vascular disorder condition-improving agent that improves the pathological condition related to vascular disorders by inducing the expression of heat shock protein at the disordered site where bleeding has occurred.
[0011]
In the present invention, the “damaged site causing bleeding” is, for example, the brain (in this case, bleeding is, for example, subarachnoid hemorrhage). In the present specification, “heat shock protein” means a protein expressed by stress (shock) such as heat, active oxygen, and radiation, and includes families such as HSP60 family, HSP70 family, and HSP90 family. Including. In particular, among these families, the HSP70 family (HSP70, HSP72, HSP73, etc.) is preferable, and among them, HSP72 is more preferable.
[0012]
“Disease related to vascular disorder” includes, for example, early or late vasospasm that occurs after bleeding. In this case, the “vasopathological condition improving agent” is a vasospasm inhibitor.
[0013]
In the first invention, the vascular disorder condition improving agent or vasospasm inhibitor is represented by the general formula (1)
[Formula 4]
Figure 0004035591
6, 10,14,18-tetramethyl-5,9,13,17-nonadecatetraen-2-one (also known as geranylgeranylacetone, generic name: teprenone, hereinafter referred to as “GGA”). ) As an active ingredient. GGA is a prenyl ketone compound, and various isomers can be considered in view of its structure. The present invention includes these various isomers. For example, the 5, 9 and 13 positions may be either E-form or Z-form, respectively, or a single product consisting of only one kind of isomer, or two or more kinds. It may be a mixture of isomers. However, it is preferably a (5E, 9E, 13E) isomer alone, a (5Z, 9E, 13E) isomer alone, or a mixture of these two isomers at an arbitrary mixing ratio, and more preferably (5E, 9E). , 13E) and (5Z, 9E, 13E) isomers in a mass ratio of 3: 2. GGA can be produced according to the production method described in, for example, JP-A No. 53-145922.
[0014]
The compound is used as a prophylactic and / or therapeutic agent for vasospasm by inducing the expression of heat shock protein, preferably as a prophylactic and / or therapeutic agent for cerebral vasospasm, more preferably subarachnoid. It can be used as a preventive and / or therapeutic agent for delayed cerebral vasospasm that develops after bleeding. The administration form of the compound according to the present invention is not particularly limited, and can be administered, for example, orally or parenterally. The dosage forms for oral administration are solid or liquid dosage forms, specifically tablets, coated tablets, pills, fine granules, granules, powders, capsules, syrups, emulsions, suspensions, An injection or the like is preferable. The dosage form for parenteral administration is preferably an injectable preparation, an instillation, an external preparation, a suppository and the like.
[0015]
Further, the above compound can be formulated by a commonly used method, and commonly used excipients (eg, lactose, sucrose, starch, mannitol, etc.), binders (eg, pregelatinized starch, gum arabic) , Carboxymethylcellulose, polyvinylpyrrolidone, etc.), lubricants (magnesium stearate, talc, etc.), colorants, flavoring agents, etc., and if necessary, stabilizers, emulsifiers, absorption promoters, surfactants, etc. In general, it is formulated by a conventional method by blending ingredients used as raw materials for pharmaceutical preparations. The dose of the above compound is appropriately determined depending on conditions such as symptoms, age, and body weight, and is 20 mg to 2000 mg, preferably 50 mg to 1000 mg, more preferably 100 mg to 500 mg per day for an adult.
[0016]
The second invention is a method for screening the agent according to the first invention, characterized in that expression of heat shock protein (particularly HSP72) is used as an index.
In the present invention, “expression induction” means (1) induction of heat shock protein from a state in which substantially no heat shock protein is expressed, and (2) heat that has already been expressed. Includes both increasing the amount of shock protein. “Agent” includes relatively low molecular weight compounds, nucleic acids (including DNA and RNA), proteins, and the like.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings, but the technical scope of the present invention is not limited by the following embodiment, without changing the gist thereof, Various modifications can be made. Further, the technical scope of the present invention extends to an equivalent range.
[0018]
<Experimental example 1> Change in expression profile by fluorescence differential display method (FDD method)
The changes in gene expression profile after subarachnoid hemorrhage were confirmed by the FDD method. The FDD (fluorescent differential display) method is a gene expression analysis method for simultaneously comparing the expression of a large number of samples. First strand DNA is synthesized from a total RNA using a fluorescent anchor primer, and an arbitrary primer and a fluorescent anchor primer are used. PCR is performed to amplify a plurality of cDNA fragments. After separating the PCR product with a denaturing polyacrylamide gel, a fluorescence image is obtained, DNA bunts having different band intensities (expression levels) are cut out, re-amplified, cloned, and base sequences are determined. As a result of this FDD method, it was confirmed that the expression of HPS72 was highly increased with subarachnoid hemorrhage and vasospasm.
<Experimental example 2> Experimental animal and cerebral vasospasm model
In the following experimental examples, the experimental procedure for handling experimental animals followed the guidelines for animal experiments at Mie University School of Medicine. Sprague-Dawley rats (SD rats; 11-12 weeks old, 340-380 g; JAPAN SLC) were administered with chloral hydrate (400 mg / kg) by intraperitoneal injection and anesthetized. Rats were allowed to breathe spontaneously. A 24-gauge catheter was placed in the right radial artery and autologous arterial blood was removed. The animal was placed in the head holder with its head bent 30 degrees. The medial incision of the occipital region with a surgical microscope was used to expose the frontal atlanto-occipital membrane and puncture a cerebellar medullary tub with a 27 gauge needle. 0.1 ml of cerebrospinal fluid was removed with the needle and then 0.3 ml of autologous blood or saline was slowly infused over 5 minutes. The rats were awakened after being left for 10 minutes with their heads down.
The rat cerebral vasospasm model was performed according to a method described in the literature (The Journal of Clinical Investigation, 1999, Jul, 104 (1), 59-66). That is, a cerebral vasospasm model (single bleeding model) in which autologous arterial blood was injected once into the SD rat cisterna was used. In the single bleeding model, the amount of autologous arterial blood injected into the cisterna was 0.4 ml. As a control, the same operation was performed using physiological saline or vehicle instead of the autologous arterial blood.
[0019]
<Experiment 3> Angiography
In angiography (vertebral arteriography), 1 ml of contrast medium (IOMERON400; manufactured by Eisai Co., Ltd.) was injected into the right radial artery. The exposure data were 50 mAS, 150 kV, and 0.5 seconds. Further, the focus-object distance was 50 cm, and the focus-film distance was 100 cm.
[0020]
<Experimental example 4> Measurement of arterial diameter
The diameter of the basilar artery was measured at three locations (0.5 mm above the vertebral artery node, midpoint, and just below the posterior cerebral aortic bifurcation). Three skilled technicians measured the diameter of the basilar artery three times on a computer monitor without being informed of information about the treatment group. Average values were determined using NIH (National Medical Research Institute) image analysis software, high resolution scanner, and Macintosh computer.
[0021]
<Experimental example 5> RT-PCR analysis
Total RNA was isolated from the basilar artery using ISOGEN reagent (Nippon Gene). This RNA (0.5 μg) was reverse-transcribed using Superscripts II reverse transcriptase (GIBCO BRL) according to the supplier's protocol. The resulting cDNA was used as a template for PCR amplification.
As a primer for amplification of rat HSP72 mRNA (L16764), 5′-TGCTGACCAGATGAAG-3 ′ (SEQ ID NO: 1) was used as a forward primer, and 5′-AGAGTCGATCTCCCAGGC-3 ′ (SEQ ID NO: 2) was used as a reverse primer. . PCR products were detected by electrophoresis on 2% agarose gel and staining with ethidium bromide.
[0022]
<Experimental example 6> Real-time RT-PCR analysis
Real-time RT-PCR analysis was performed using TaqMan Universal PCR Master Mix (PE Biosystems) according to the supplier's protocol.
As a primer for amplification of rat HSP72 mRNA, 5′-CCCGGAGAGAAGGAGTAACTTTGAATAAG-3 ′ (SEQ ID NO: 3) was used as a forward primer, and 5′-TGGATAGTAGGCTGTTTCTGGCTC-3 ′ (SEQ ID NO: 4) was used as a reverse primer. In addition, 5 ′ (FAM) -TGCACCAGCAGCCATCAAGAGTCCTGT- (TAMRA) p3 ′ (SEQ ID NO: 5) was used as a probe for detecting rat HSP72 mRNA.
[0023]
As a primer for amplifying rat β-actin, 5′-TGAACACGGCATTGTAACCAAC-3 ′ (SEQ ID NO: 6) was used as a forward primer, and 5′-CAGTGGGACGACCAGAGGCATA-3 ′ (SEQ ID NO: 7) was used as a reverse primer. As a probe for detecting rat β-actin mRNA, 5 ′ (FAM) -TGTACGTAGCCATCCAGGCCTCTCTTG- (TAMRA) p3 ′ (SEQ ID NO: 8) was used.
[0024]
The PCR reaction and the resulting fluorescent staining luminescence were monitored in real time using a 7700-sequence detector (Perkin-Elmer). The signal was analyzed using the sequence detector V1.6.3 program (Perkin-Elmer).
[0025]
<Experimental example 7> Injection of phosphorothioate-type oligonucleotide into the cisterna magna
As an antisense HSP72 oligonucleotide (hereinafter referred to as “ODN”) sequence, 5′-TGTTTTCTTGGCCAT-3 ′ (SEQ ID NO: 9) was used. 5′-ATGGCCAAGAAAACA-3 ′ (SEQ ID NO: 10) was used as the sense HSP72ODN sequence. Antisense HSP72ODN and sense HSP72ODN were each diluted with physiological saline to a concentration of 200 μM.
The ODN solution was injected twice into the cisterna. The first injection (0.5 ml) was administered 48 hours before subarachnoid hemorrhage occurred. The next injection (0.5 ml) was administered 24 hours before the occurrence of subarachnoid hemorrhage. Note that no cytotoxicity was observed for each ODN solution. Sequence similarity was checked against reported DNA sequences present in Genebank.
[0026]
<Experimental example 8> Western blot analysis
50 μg equivalent of protein was separated on 10% sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel (SDS-PAGE) and transferred to a nitrocellulose membrane. The membrane was incubated using a 1: 20000 dilution of a rabbit polyclonal antibody against rat HSP72, SPA-760 (StressGen Biotechnologies). Signal amplification was performed using an advanced chemiluminescence (ECL) detection kit.
[0027]
<Experimental example 9> Oral administration of GGA
GGA was orally administered after adding 5% by mass of gum arabic and 0.008% by mass of tocopherol to 100% by mass of GGA.
In order to investigate the time dependence of HSP72 expression in the brain or in the basilar artery, 0 hours, 4 hours, 12 hours, 24 hours, 48 hours after GGA was administered at a single dose (400 mg / kg) Rats were killed after hours.
[0028]
In order to examine the dose dependency of HSP72 expression, rats were killed 24 hours after administration of GGA at various doses (0,400,600,800 mg / kg).
After subarachnoid hemorrhage accompanied by treatment with GGA or vehicle administration, HSP72 induction in the basilar artery was evaluated by RT-PCR, Western blotting or angiography. GGA administration group rats were orally administered GGA (400 mg / kg) every 12 hours. Rats in the subarachnoid hemorrhage group were injected with 0.4 ml of autologous blood and orally administered the same amount (400 mg / kg) of vehicle every 12 hours. Rats in the subarachnoid hemorrhage and GGA group were injected with 0.4 ml autologous blood and orally administered GGA (400 mg / kg) every 12 hours.
[0029]
<Experimental result>
According to the RT-PCR method, the expression of HSP72 mRNA on the first and second days after subarachnoid hemorrhage increased more than 3 times compared to the case where no subarachnoid hemorrhage occurred. In addition, the expression of HSP72 mRNA on the second day after subarachnoid hemorrhage increased more than 3 times compared to the case where physiological saline was administered (FIG. 1). Constitutive HSP73 mRNA in the basilar artery after subarachnoid hemorrhage did not change with saline administration (FIG. 1). The results of the real-time RT-PCR method also revealed that HSP72 mRNA on the second day after subarachnoid hemorrhage was significantly (about 1.8 times) induced (FIG. 2). However, there was no difference in the expression level of HSP72 mRNA on the first day after administration of physiological saline or after subarachnoid hemorrhage. The expression of HSP72 protein was confirmed by Western blotting using an antibody that specifically reacts with inducible HSP72. As a result, it was found that the HSP72 protein was significantly induced (2.3 times) on the second day (FIG. 3).
[0030]
A vasospasm test after subarachnoid hemorrhage in the basilar artery was performed by angiography (FIG. 7). In rats with subarachnoid hemorrhage, vasospasm was observed from the first day, peaked on the second day, and arterial diameter decreased to 86% compared to baseline (the diameter before the start) . Thereafter, vasospasm gradually disappeared and returned to baseline on the seventh day.
[0031]
In order to confirm the importance of HSP72 expression in the basilar artery, antisense oligonucleotide (ODN) against HSP72 was used to suppress the expression of HSP72 protein. According to the results of the RT-PCR method, it was found that when antisense HSP72-ODN was administered, the increase in expression of HSP72 mRNA on the second day was suppressed (FIG. 4). According to the analysis using a densitometer, when the antisense HSP72-ODN was administered, the expression level of HSP72 mRNA was reduced to 63% compared to the case where the sense HSP72-ODN was administered. Further, the results of the real-time RT-PCR method also revealed that when antisense HSP72-ODN was administered, the expression level of HSP72 mRNA on the second day was significantly suppressed (0.74 times) ( FIG. 5).
[0032]
In order to confirm whether the suppression at the transcription stage by antisense HSP72-ODN suppressed the expression at the protein level, Western blot analysis was performed. As a result, antisense HSP72-ODN was found to suppress the expression of HSP72 protein (FIG. 6). According to the analysis using a densitometer, the antisense HSP72-ODN suppressed the HSP72 protein to about 75% compared to the sense HSP72-ODN.
[0033]
According to angiography, when antisense HSP72-ODN or sense HSP72-ODN was administered to the cisterna, the arterial diameter on the second and third days after subarachnoid hemorrhage was significantly Differences were observed (Figure 7). That is, when antisense HSP72-ODN was administered into the cisterna, vasospasm was significantly exacerbated. In contrast, when sense HSP72-ODN was administered, vasospasm after subarachnoid hemorrhage was not affected. In either group, vasospasm recovered on day 7 after subarachnoid hemorrhage.
[0034]
To confirm the dose-dependent effect of GGA on HSP72 expression in the brain or basilar artery, an evaluation at 24 hours after oral administration was performed (FIG. 8). In both the brain and basilar artery, HSP72 expression was observed at a dose of 400 mg / kg and peaked at a dose of 600 mg / kg depending on the dose.
[0035]
In addition, in order to confirm the time-dependent effect of GGA on the expression of HSP72 in the brain or basilar artery, evaluation over time after administration of a single dose (400 mg / kg) was performed (FIG. 9). . The expression of HSP72 in the brain reached a peak at 4 hours after GGA administration, and then gradually decreased and disappeared at 48 hours. On the other hand, the expression of HSP72 in the basilar artery was observed from 4 hours after GGA administration, reached a peak at 12 hours, and then gradually decreased and disappeared at 48 hours.
[0036]
In the basilar artery, the change in the expression of HSP72 by GGA administration was examined using the RT-PCR method and the Western blot method (FIGS. 10 and 11). On the second day after oral administration of 4 times GGA after administration in the saline basin, the expression level of HSP72 mRNA in the basilar artery was significantly increased compared to the first day after administration of GGA twice. It was. This was also dose-dependently elevated after subarachnoid hemorrhage. Furthermore, when each group on the second day was compared, the expression level of HSP72 mRNA was significantly increased in SAH as compared to administration in the saline basin. In both GGA oral administration and vehicle oral administration, significant induction of HSP protein was observed on the second and third days after subarachnoid hemorrhage.
On the second day after GGA administration, the expression level of HSP72 protein was similar in the administration in the saline cistern and in the subarachnoid hemorrhage, but on the third day, the expression of HSP72 protein was significantly increased in the subarachnoid hemorrhage. It was.
[0037]
According to angiography, when subarachnoid hemorrhage occurred after administration of GGA or vehicle, a significant change in arterial diameter was observed from the first day to the third day (FIG. 12). As is clear from the figure, vasospasm was improved when GGA was orally administered.
[0038]
【The invention's effect】
Analysis of changes in gene expression profiles after subarachnoid hemorrhage revealed that a substance capable of suppressing vasospasm after subarachnoid hemorrhage was successfully screened by screening for substances that induce heat shock protein expression.
Moreover, by administering GGA found by this screening, heat shock protein was induced in the basilar artery, and cerebral vasospasm after subarachnoid hemorrhage could be suppressed.
[0039]
[Sequence Listing]
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591
Figure 0004035591

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 RT-PCR in the basilar artery to confirm the expression levels of HSP72, HSP73, and β-actin after injecting physiological saline or autologous arterial blood (subarachnoid hemorrhage model) into the cisterna magna It is a SDS-PAGE photograph figure of the sample which performed.
FIG. 2 is a graph showing the HSP72 / β-actin expression ratio when a real-time RT-PCR method is performed after injecting physiological saline or autologous arterial blood (subarachnoid hemorrhage model) into the cisterna magna. .
FIG. 3 is a photograph when Western blotting is performed on HSP72 after injecting physiological saline or autologous arterial blood (subarachnoid hemorrhage model) into the cisterna magna.
FIG. 4 shows an RT-PCR sample in which the expression level of HSP72 mRNA after subarachnoid hemorrhage was confirmed when antisense HSP72-ODN or sense HSP72-ODN was administered into the cisterna magna before subarachnoid hemorrhage occurred. It is a SDS-PAGE photograph figure.
FIG. 5: Real-time RT-PCR confirms the expression of HSP72 mRNA after subarachnoid hemorrhage when antisense HSP72-ODN or sense HSP72-ODN is administered into the cisterna magna before subarachnoid hemorrhage occurs It is a graph which shows HSP72 / (beta) actin expression level ratio when doing.
FIG. 6 is a photograph when Western blotting for HSP72 is performed after subarachnoid hemorrhage when antisense HSP72-ODN or sense HSP72-ODN is administered into the cisterna magna before subarachnoid hemorrhage occurs. It is.
FIG. 7 shows angiography over time of vasospasm after subarachnoid hemorrhage when antisense HSP72-ODN or sense HSP72-ODN was administered into the cisterna before subarachnoid hemorrhage occurred. It is a graph which shows a result when confirmed by the method.
FIG. 8 is an SDS-PAGE photograph when the expression of HSP72 in the brain or basilar artery is confirmed by RT-PCR at 24 hours after administration of GGA (0,400,600,800 mg / kg). is there.
FIG. 9 is an SDS-PAGE photograph showing the time-dependent expression of HSP72 in the brain or basilar artery after administration of GGA (400 mg / kg) by RT-PCR.
FIG. 10 is a photograph of SDS-PAGE when the expression of HSP72 was confirmed by RT-PCR method when each treatment (subarachnoid hemorrhage + vehicle, physiological saline + GGA, subarachnoid hemorrhage + GGA) was performed. is there.
FIG. 11 is a photograph when HSP72 protein expression is confirmed by Western blotting when each treatment (subarachnoid hemorrhage + vehicle, physiological saline + GGA, subarachnoid hemorrhage + GGA) is performed.
FIG. 12 is a graph showing the results when vasospasm after subarachnoid hemorrhage was confirmed by angiography over time when vehicle or GGA was pre-administered.

Claims (2)

クモ膜下出血部位にHSP72の発現を誘導することにより、脳における血管攣縮を抑制するものであって、式(1)
Figure 0004035591
で表される6,10,14,18−テトラメチル−5,9,13,17−ノナデカテトラエン−2−オンを有効成分として含有することを特徴とする脳血管攣縮抑制剤
By inducing the expression of HSP72 in subarachnoid hemorrhage site, it is one that inhibit vasospasm in the brain, the formula (1)
Figure 0004035591
A cerebral vasospasm inhibitor comprising, as an active ingredient, 6,10,14,18-tetramethyl-5,9,13,17-nonadecatetraen-2-one represented by:
HSP72の発現誘導を指標として脳における血管攣縮抑制する脳血管攣縮抑制剤をスクリーニングすることを特徴とする脳血管攣縮抑制剤のスクリーニング方法。The screening method of the cerebral vasospasm inhibitor which is characterized in that the screening of cerebral vasospasm inhibitor to inhibit vasospasm in the brain inducing the expression as an indicator of HSP72.
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