JP4035457B2 - Method for manufacturing functional device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔を有する構造体(多孔質体)に機能性材料を充填して形成される機能デバイスの製造方法に関し、具体的には電子デバイス、光デバイス、及び記録デバイスなどに関するものである。
【0002】
【背景技術】
近年、機能デバイスの構成部材として微細構造体への関心が高まっている。
こうした微細構造体の作製手法としては、フォトリソグラフィーなどの微細パターン形成技術を代表される半導体加工技術によって直接的に微細構造体を作製する手法が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、上述の半導体加工技術とは別に、材料の自己組織化(self−organization)現象を利用する手法がある。即ち、自然に形成される規則的な構造をべースに、新規な微細構造体を実現しようというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−55545号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この自己組織化現象あるいは自己形成化現象を利用する手法では、ミクロンオーダーは勿論、ナノオーダーの構造体を実現できる可能性があるため、多くの研究が行われているものの、その手法は十分に確立されているとはいえず、新規な微細構造体の提供やその製造方法の確立が求められているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、新規な機能デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る機能デバイスの製造方法は、基板を用意する工程、該基板上に分散して配置されている柱状構造体と、該柱状構造体を取り囲む領域とを含み構成される膜をスパッタリング法により形成する工程、前記膜から前記柱状構造体を除去して多孔質体を形成する工程、及び前記多孔質体に機能性材料を充填する工程を有し、且つ前記柱状構造体は多結晶アルミニウムであり、前記領域は非晶質Si x Ge 1-x (0<x<1)で構成され、且つ前記膜には、前記Si x Ge 1-x が30atomic%以上60atomic%以下の割合で含まれるように該膜が形成されていることを特徴とする.
【0031】
【発明の実施の形態】
(1)柱状の部材を有する構造体、及びその製造方法
まず、本発明に適用できる柱状の部材を有する構造体について図1を用いて説明する。
【0032】
同図において、1000は柱状の部材、1002は柱状の部材を取り囲む領域、1001はそれらを含む構造体であり、柱状の部材1000が領域1002に分散している様子が示されている。なお、1003は基板である。
【0033】
本発明においては柱状の部材を除去して、当該除去により形成される孔内に機能性材料を充填するため、構造体1002から柱状の部材1003を選択的に除去できることが重要である。ここで、選択的に除去とは、実質的に柱状の部材が除去可能であればよく、柱状の部材の除去に際し、それを取り囲む領域が部分的に除去されることも含み、更には柱状の部材が完全に除去されるのではなく部分的に残留する場合をも含むものである。
【0034】
図1における構造体1001は、第1の材料を含み構成される柱状の部材1000が、第2の材料を含み構成される領域1002に取り囲まれており、且つ該構造体には該第2の材料が、該第1の材料と第2の材料の全量に対して20atomic%以上70atomic%以下の割合で含まれていることが好ましい。発明者らの検討によると、上記割合の範囲であれば、実質的に柱状の部材がそれを取り囲むマトリックス領域に分散した構造体の実現が可能であった。なお、構造体が形成される下地の基板形状にもよるが、該基板形状が水平であれば柱状の部材は、当該基板に垂直な配置をとる。
【0035】
上記割合は、構造体を構成する前記第1の材料と第2の材料の全量に対する前記第2の材料の割合のことであり、好ましくは25atomic%以上65atomic%以下、より好ましくは30atomic%以上60atomic%以下である。上記割合は例えば誘導結合型プラズマ発光分析法で定量分析することにより得られる。
【0036】
なお、実質的に柱状形状が実現していればよく、例えば柱状の部材の成分として第2の材料が含まれていてもよいし、前記領域に第1の材料が含まれていてもよい。また、上記柱状の部材やその周囲の領域に酸素、アルゴンなどが少量含まれていてもよい。
【0037】
ここで第1の材料としては、AlやAuやAgやMgなどが挙げられる。第2の材料としては、Si、Ge、SiとGeの混合物(以降、Six Ge1-x (0<x<1)と記載することがある。)、あるいはCなどが挙げられる。特に第2の材料としては、非晶質となり得る材料であることが望ましい。
【0038】
また、第1及び第2の材料としては、両者の成分系相平衡図において、共晶点を有する材料(いわゆる共晶系の材料)であることが好ましい。特に共晶点が300℃以上好ましくは400℃以上であるのがよい。
【0039】
なお、第1の材料と第2の材料として好ましい組み合わせとしては、第1の材料としてAlを用い、第2の材料としてSiを用いる形態、あるいは第1の材料としてAlを用い、第2の材料としてSix Ge1-x (0<x<1)を用いる形態が挙げられる。
【0040】
前記柱状の部材は、少なくとも一部が多結晶であり、前記柱状の部材を取り囲む領域は、非晶質であることが望ましい。第2の材料としてSiやSiGeを用いた場合、当該領域は主として非晶質となる。前記柱状の部材の平面形状としては円形あるいは楕円形状である。
【0041】
前記構造体には、前記第2の材料を含み構成されるマトリックス中に複数の前記柱状の部材が分散していることになる。柱状の部材の径(平面形状が円の場合は直径)は、主として前記構造体の組成(即ち、前記第2の材料の割合)に応じて制御可能であるが、その平均径は、0.5nm以上50nm以下、好ましくは1nm以上20nm以下、さらに好ましくは2nm以上10nm以下である。特に20nm未満の径であることが好適である。ここで平均径とは、例えば、実際のSEM写真(約100nm×100nmの範囲)で観察される柱状の部分を、その写真から直接、あるいはコンピュータで画像処理して、導出される値である。もっとも、用いる材料や組成あるいは、構造体の用途によって最適な径や下記間隔は変動し得る。
【0042】
また、複数の柱状の部材間の中心間距離は、2nm以上30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下、更に好ましくは5nm以上15nm以下である。勿論、中心間距離の下限として上記2Rは柱状構造体どうしが接触しない間隔は最低限備えている必要がある。なお、上記第2の材料(即ち、柱状の部材を取り囲む領域の構成材料)として、複数の元素の混合物(例えば、Six Ge1-x )を用いれば、その混合比の割合によっても上記中心間距離の制御が可能となる。
【0043】
また、前記構造体は、膜状の構造体であることが好ましく、かかる場合、前記柱状の部材は膜の面内方向に対して略垂直になるように前記第2の材料を含み構成されるマトリックス中に分散していることになる。膜状構造体の膜厚としては、特に限定されるものではないが、1nm〜100μmの範囲で適用できる。プロセス時間等を考慮してより現実的な膜厚としては、1nm〜1μm程度である。特に300nm以上の膜厚でも柱状構造が維持されていることが好ましい。また、柱状の部材は、厚さ方向(長さ方向)に対しては、実質的に分岐をもたない構造である。
【0044】
柱状の部材の深さ方向の長さと、それを取り囲む領域の厚さとは実質的に等しくなるので、当該柱状の部材を除去して得られる多孔質体においては、柱状の孔の深さ方向の長さと該孔を取り囲む領域の厚さが実質的に等しくすることが可能である。
【0045】
前記構造体は膜状の構造体であることが好ましく、基板上に当該構造体が設けられていてもよい。基板(図1における1003)としては、特に限定されるものではないが、絶縁物や表面に絶縁層を有する基板であったり、石英ガラスなどの絶縁性基板、シリコン基板、ガリウム砒素、あるいはインジウム燐などの半導体基板、アルミニウムなどの金属基板あるいは支持部材としての基板上に上記構造体が形成できるのであれば、フレキシブル基板(例えばポリイミド樹脂など)も用いることができる。また、カーボン基板や、SOI基板、P型、N型、高抵抗、低抵抗のシリコン基板も適用可能である。
【0046】
このような構造体1002の製造方法に関して説明する。
説明に際して柱状の部材を構成する材料としてアルミニウムを、それを取り囲む領域を構成する材料としてシリコンを例にとり説明する。
【0047】
本発明に係る構造体は非平衡状態で成膜する方法を利用して作製することができる。その代表例がスパッタリング法による成膜である。具体的には、図2に示すようにスパッタリング装置内にアルミニウムのターゲット基板2003上にシリコン片(シリコンチップ)2002を配置し、アルゴン雰囲気下でスパッタリングを行うと基板1003表面に、本発明に係る構造体が成膜される。成膜されて得られる構造体におけるシリコンの量(第2の材料)が構造体中のアルミニウムとシリコンの全量に対して、20atomic%以上70atomic%以下の割合で含まれていれば、実質的に柱状の部材がそれを取り囲むマトリックス領域に分散した構造体が実現されていた。なお、図2における2000は、Arプラズマである。
【0048】
成膜方法としては、スパッタリング法が好ましいが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)、イオンプレーティング法をはじめとする非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。スパッタリング法で行う場合には、マグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、ECRスパッタリング、DCスパッタリング法を用いることができる。スパッタリング法で行う場合は、アルゴンガス雰囲気中で反応装置内の圧力を0.2から1Pa程度にして成膜を行うのがよい。スパッタリングの際には、ターゲット原料として前記第1の材料と第2の材料をそれぞれ別途用意しても良いが、予め所望の割合で第1の材料と第2の材料が焼成されたターゲット材料を用いてもよい。なお、スパッタリング法で行う場合には、特に膜が成長する基板自体に、プラズマが接しない状態でスパッタリングを行うことが好ましい。
【0049】
また、基板上に形成される前記構造体は、基板温度を、300℃以下、好適には20℃以上200℃以下にして形成され、特に100℃以上150℃以下で形成されることが好ましい。
【0050】
(2)次に、本発明に適用できる構造体における第1の材料(第1の材料は、柱状の部材を構成する。)と第2の材料(第2の材料は、柱状の部材を取り囲む領域を構成する。)の割合について説明する。
【0051】
本発明に記載の多孔質体が提供できるようになったのは、本発明者らの鋭意努力により以下に説明する構造体が得られたからである。上記同様図2を用いて説明する。
【0052】
ガラス基板1003上に、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して55atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜(即ち、本発明に適用できる構造体)を約200nm形成する。
【0053】
ターゲットには、図2に示すように、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を8枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0054】
なお、ここではターゲット2003として、アルミニウムターゲット上にシリコンチップ13を8枚置いたものを用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定されるものではなく、スパッタ条件により変化し、アルミニウムシリコン混合膜の組成が約55atomic%近辺になれば良い。また、ターゲットはアルミニウムターゲット上にシリコンチップを置いたものに限定したものではなく、シリコンターゲット上にアルミニウムチップを置いたものでも良いし、シリコンとアルミニウムの粉末を焼結したターゲットを用いても良い。
【0055】
次に、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約55atomic%であった。なお、ここでは測定の都合上、基板として、カーボン基板上に堆積したアルミニウムシリコン混合膜を用いた。
【0056】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。シリコンに囲まれた円形のアルミニウムナノ構造体が二次元的に配列していた。アルミニウムナノ構造体部分の孔径は3nmであり、その平均中心間間隔は7nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、高さは200nmであり、それぞれのアルミニウムナノ構造体部分はお互いに独立していた。
【0057】
また、X線回折法でこの試料を観察した所、結晶性を示すシリコンのピークは確認できず、シリコンは非晶質であった。なお、アルミニウムの結晶性を示すピークが複数確認でき、少なくともアルミニウムの一部は多結晶であることが示された。
【0058】
従って、シリコンに周囲を囲まれた間隔2Rが7nm、径2rが3nm、高さLが200nmのアルミニウム細線を含んだアルミニウムシリコンナノ構造体を作製することができた。
【0059】
このように、アルミニウムシリコン混合膜をスパッタ法などの非平衡状態で物質を形成する成膜法で形成することで、基板表面上のシリコンマトリックス内に数nmスケールのアルミニウム量子ドットあるいはアルミニウム量子細線などのアルミニウムナノ構造体を有するアルミニウムシリコンナノ構造体を形成することを、本発明者らは見出した。
【0060】
(比較例)
また、比較試料Aとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して15atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を2枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0061】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Aを観察した。基板真上方向から見た表面の形状は、アルミニウム部分は円形状にはなっておらず、アルミニウムが連続的に繋がった形状になっていた。即ち、アルミニウムの柱状構造体がシリコン領域内に均質に分散した微細構造体となっていなかった。さらに、その大きさは10nmを遥かに超えていた。また、断面をFE−SEMにて観察した所、アルミニウム部分の幅は15nmを超えていた。なお、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約15atmic%であった。
【0062】
さらに、比較試料Bとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して75atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を14枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0063】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Bを観察した。基板真上方向から見た試料表面には、アルミニウム部分を観察することができなかった。また、断面をFE−SEMにて観察しても、明確にアルミニウム部分を観察することができなかった。なお、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約75atomic%であった。
【0064】
また、比較試料Aを作製した場合と、シリコンチップの枚数の条件のみを変え、アルミニウムシリコン混合体の全量に対するシリコンの割合が、20atomic%、35atomic%、50atomic%、60atomic%、70atomic%である試料を作製した。アルミニウムの柱状構造体がシリコン領域内に分散した微細構造体となっている場合を○、なっていない場合を×としたものを以下に示す。なお、柱状構造体の均一性という点では、シリコンの割合が30以上60atomic%であることが好ましい。また、シリコンの割合が65や70atomic%の場合は、アルミニウムの結晶性が低く、アモルファス状態に近くなっていた。
【0065】
【表1】
【0066】
このように、アルミニウムとシリコンの全量に対するシリコン含有量を、20atomic%以上70atomic%以下に調整することで、アルミニウムの柱状構造体がシリコン領域内に分散した構造体が実現できる。アルミニウムとシリコンの組成を変化させることで、柱状構造体の孔径の制御が可能であり、また、直線性に優れたアルミニウム細線の作製が可能になる。なお、構造の確認には、SEMの他にもTEM(透過型電子顕微鏡)等を利用するのがよい。
【0067】
さらに、比較試料Cとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して55atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を8枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は350℃とした。
【0068】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Cを観察した。基板真上方向から見た試料表面には、大きなアルミニウムの塊が確認できた。また、エックス線回折測定により、シリコンが結晶化していることが確認された。つまり、柱状構造を有するアルミニウムナノ構造体を確認することができず、シリコン領域も非晶質ではなく結晶化していた。即ち、基板温度が高すぎると、より安定な状態に変化してしまうため、このようなアルミニウムナノ構造体を形成する膜成長ができていないと思われる。
【0069】
なお、柱状の部材が分散した構造体を得る為に、ターゲットの組成をAl:Si=55:45などに設定することも好ましい形態である。
第1の材料としてアルミニウムを、第2の材料としてシリコンを用いた場合を説明したが、第1あるいは第2の材料として適用できる既述の材料を用いた場合も同様であった。
【0070】
上述の構造体から柱状の部材を選択的に除去することにより多孔質体が形成される。当該除去は、エッチングや陽極酸化などにより行うことができる。細孔形成後、あるいは細孔形成と同時に、酸化処理を行なってもよい。なお、第1の材料として例えばアルミニウムを用いた場合は、得られる多孔質体に含まれる第1の材料(例えばアルミニウム)の含有量は酸素を除くすべての元素に対して、0.01〜20atomic%の範囲であり、好ましくは0.1〜10atomic%の範囲である。
【0071】
(3)多孔質体への機能性材料の充填
(第1の実施形態:機能デバイス)
上述した構造体1001から柱状の部材1000を除去することにより多孔質体が形成される。本発明においては、柱状の部材を構成する第1の材料と、その周りの領域を構成する第2の材料とを、除去の際の選択比が十分に取れるような材料の組み合わせで実現できているため、上記多孔質体が得られる。除去方法としては、ウェットエッチングやドライエッチング、あるいは陽極酸化処理などが該当する。好適な材料の組み合わせとしては、例えば第1の材料としてアルミニウム、第2の材料としてシリコン(あるいはシリコンとゲルマニウムの混合体)などである。ウェットエッチング場合は、燐酸、塩酸、硫酸などの酸が好適である。選択比が取れるのであれば、アルカリ等を用いることも可能である。
【0072】
なお、多孔質体を形成する前記領域1002を、前記構造体から前記柱状の部材1000を除去する前、除去の途中、あるいは除去した後に、酸化処理したり窒化処理することも必要に応じて行うことができる。また、細孔を形成後、当該細孔を拡大する処理を行うこともできる。これにより、細孔径の制御が可能となる。
【0073】
柱状の部材が除去された部分が孔となっている多孔質体の当該孔の部分に機能性材料を充填する。ここで、機能性材料とは、導電性材料、磁性材料、発光材料、半導体材料、絶縁性材料など、どのような機能デバイスを形成したいかにより種々選択できる。なお、本発明において、多孔質体の孔内へ充填するとは、孔を所望の材料で完全に埋め尽くすことは勿論、必要に応じて孔の深さ方向全部ではなく、所望の深さまで充填したり、孔の内壁表面を主として上記機能性材料で被覆することも含むものである。なお、多孔質体上面にマスクなどのパターン形成部材を配置して、複数の細孔の内、充填する部分と充填しない部分に領域分けすることも可能である。
【0074】
上述した構造体1001から多孔質体を形成する前には、当該多孔質体の孔の部分は、柱状の部材1000で充填されていることになるが、多孔質体形成後に充填される機能性材料としては、上記柱状の部材の構成材料と異なるものであることが望ましい。
多孔質体への機能性材料の充填方法としては、蒸着法やCVD法やスパッタリング法、電着法やメッキ法などがある。
【0075】
こうして、種々の機能性材料を充填することにより機能デバイスが実現される。機能材料として磁気記録材料を適用すれば記録デバイスが実現され、メタルなどの導電性材料を適用すれば、電極などの導電部材としては勿論、量子ドット、量子細線、量子細線トランジスタ、単電子トランジスタ、あるいは単電子メモリなどの電子デバイスが実現され、発光材料を充填すれば発光デバイスが実現される。勿論、充填する際に複数種類の材料を充填することも可能である。なお、サイズに関しては種々のデバイスに応じてその好適な値は定まるが、上述した多孔質体の細孔の平均孔径が20nm以下であり、細孔同士の平均間隔が30nm以下であることも好ましい。
【0076】
以下、上述の構造体1001から当該柱状の部材を除去して得られる多孔質体に機能性材料を充填する場合(A)、除去後(あるいは除去中)に酸化処理して得られる多孔質体に機能性材料を充填する場合(B)、除去工程を陽極酸化によって行い、そこで得られる多孔質体に機能性材料を充填する場合(C)に分けて説明しておく。
【0077】
(A)上述した構造体から柱状の部材をエッチングして除去して得られる多孔質体は、ナノオーダーの細孔を有することになる。このようなナノホール内に金属や半導体等を充填する技術や、ナノホールのレプリカ技術を用いることより、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサ、さらには、量子細線、MIM素子などの量子効果デバイスを含むさまざまデバイスの提供が可能となる。
【0078】
なお、微小細孔を、基板に垂直に、かつ、非常に高密度に作製した構造は、量子効果を利用したデバイスへの応用、あるいは超高密度記録媒体を作製する為には重要である。例えば、孔径が10nm以下のナノホールを間隔15nm以下で形成し、その中に金属や半導体などの電気伝導材料を形成することで単電子メモリ、単電子トランジスタなどの量子効果デバイスに適応できる。
【0079】
また、本実施形態に係る発明のシリコンナノ構造体の細孔に、伝導性材料を充填することで、量子効果を利用した単電子メモリ、単電子トランジスタなどとして応用することができる。さらには、磁性体を充填することで磁気記録媒体(ここでいう磁気記録媒体には、長手記録方式あるいは垂直方式で用いられる記録媒体はもとより、磁気記録のみならず、光磁気記録媒体としての利用も考えられる。以降も同様である。)としても応用することができる。例えば、本発明のシリコンナノ構造体は、それ自体発光デバイス、光デバイス、マイクロデバイスなどの機能材料として使用可能である。
【0080】
以下、図19を用いて、単電子メモリの模式図を示す。上述した構造体1001から柱状の部材を除去し、当該箇所に導電性材料、例えばアルミニウムや金や白金や銅を充填した場合である。
【0081】
2191は基板、2192は絶縁体(例えば酸化シリコン)、2193は柱状の導電性材料が例えばシリコン中に分散した構造体、2194はドレイン領域、2195はゲート絶縁領域、2196はゲート電極、2197はソース領域である。
【0082】
図19のようにアルミニウムを量子ドットとすることで、量子ドットに蓄積された電荷の影響によりチャネル部分の電気的特性を制御することができる。また、量子ドットには長い時間電荷を蓄積できるので、電源も切っては情報が消えない不揮発性メモリを形成できる。なお、柱状の部材が分散した構造体が得られるのであれば、他の材料を利用することもできる。
このように量子効果を利用した単電子メモリ、あるいは同様な原理を用いて、単電子トランジスタなどとしても利用することができる。
【0083】
(B)つぎに、多孔質体が酸化処理(勿論、窒化処理等により絶縁性化してもよい。)されている場合に、機能性材料を充填し、機能デバイスを作製する場合について説明する。
【0084】
多孔質体が有するナノホール内に金属や半導体等を充填する技術や、ナノホールのレプリカ技術を用いることより、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサ、さらには、量子細線、MIM素子などの量子効果デバイスの提供が可能となる。
【0085】
例えば、直径が10nm以下のナノホールを間隔15nm以下で形成し、その中に金属や半導体などの電気伝導材料を形成することで単電子メモリ、単電子トランジスタなどの量子効果デバイスに適応できる。さらに、磁性体金属を充填することで、超高密度記録媒体としても応用できる。
【0086】
細孔の平均孔径が10nm以下、好ましくは1〜9nmであり、かつ、平均間隔が15nm以下、好ましくは3〜10nmであることにより、量子効果が室温等でも十分に観測可能になり、ナノ構造体のデバイスへの応用範囲をより拡大させることができる。また、ナノ構造体を構成する材料がシリコン酸化物とすることで、細孔内に電気伝導材料あるいは半導体材料を充填した場合、お互いが電気的に絶縁され、トンネル電流の観測やクーロンブロケード、バンドギャップの拡大、エネルギー準位の離散化などの量子効果が期待でき、ナノ構造体のデバイスへの応用範囲をより拡大させることができる。
【0087】
また、本実施形態に係る発明のシリコン酸化物ナノ構造体は、細孔下部に絶縁体などの膜が形成されないため、基板と細孔が直接つなげることが可能である。また、本発明のシリコン酸化物ナノ構造体の細孔に、伝導性材料を充填することで、量子効果を利用した単電子メモリ、単電子トランジスタなどとして応用することができる。また、磁性体を充填することで高密度記録媒体としても使用できる。
【0088】
また、本発明は、シリコン酸化物中の細孔をさまざまな形態で応用することを可能とするものであり、その応用範囲を著しく広げるものである。例えば、本発明のシリコン酸化物ナノ構造体は、それ自体発光デバイス、光デバイス、マイクロデバイスなどの機能材料として使用可能である。
【0089】
(C)上述した構造体から柱状の部材を除去するに際して、陽極酸化処理により多孔質体を形成した場合に、当該多孔質体内へ機能性材料を充填することに関して説明する。
【0090】
陽極酸化により得られる多孔質体のナノホール内に金属や半導体等を充填する技術や、ナノホールのレプリカ技術を用いることより、着色、磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサ、さらには、量子細線、MIM素子などの量子効果デバイスの提供が可能となる。
【0091】
例えば、直径が10nm以下のナノホールを間隔15nm以下で形成し、その中に金属や半導体などの電気伝導材料を形成することで単電子メモリ、単電子トランジスタなどの量子効果デバイスに適応できる。さらに、磁性体金属を充填することで、超高密度記録媒体としても応用できる。
【0092】
また、本実施形態に係る発明のシリコン酸化物ナノ構造体の細孔に、伝導性材料を充填することで、量子効果を利用した単電子メモリ、単電子トランジスタなどとして応用することができる。さらに、磁性体材料を充填することで高密度記録媒体としても応用することができる。また、本実施形態に係る発明は、シリコン酸化物中の細孔をさまざまな形態で応用することを可能とするものであり、その応用範囲を著しく広げるものである。
【0093】
なお、多孔質体を形成するために用いられる構造体、即ち柱状の部材を有する構造体の材料としては、既述のものを用いることができる。
【0094】
柱状の部材を構成する第1の材料としては、AlやAuなどが挙げられる。当該柱状の部材を取り囲む領域を構成する第2の材料としては、Si、Ge、SiとGeの混合物(以降、Six Ge1-x (0<x<1)と記載することがある。)、あるいはCなどが挙げられる。特に第2の材料としては、非晶質となり得る材料であることが望ましい。なお、後述の実施例では、主としてAlとSiを用いた場合について説明しているが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
【0095】
(第2の実施形態:配向下地+AlSiやAlSiGeなど)
以下では、機能デバイスとして磁気記録デバイス(具体的には、磁気記録媒体)や、磁気記録再生装置、さらには該磁気記録再生装置を用いた情報処理装置について説明する。
【0096】
まず、磁気記録デバイスに関して簡単に説明しておく。
近年の情報処理の飛躍的な増大に伴って、磁気ディスク装置などの情報記録技術も大幅な大容量化が求められている。特にハードディスクにおいては現在単位面積当たりの記録情報量が年率60%を超える勢いで増加している。今後も情報記録量の増大が望まれており、また携帯用などの記録装置としても小型化、高密度化が望まれている。
【0097】
従来利用されてきたハードディスク用磁気記録媒体は水平磁気記録方式であり、磁化はディスク表面に平行に記録されている。この水平磁気記録方式では高密度化に伴い磁区内の反磁界を抑え、且つ磁化状態を検出させるため媒体上方に磁界を出すために磁気記録層を薄くしていく必要がある。そのため磁性微粒子1つ当たりの体積が極度に小さくなり、超常磁性効果が発生しやすい傾向にある。すなわち磁化方向を安定させているエネルギーが熱エネルギーより小さくなり、記録された磁化が時間とともに変化し、記録を消してしまうことが起こる。このため近年では水平磁気記録に代わって記録層の膜厚を大きくとれる垂直磁気記録方式へ移行する研究が盛んに行われている。
【0098】
垂直磁気記録用の媒体としては、単層の磁気記録層を用いるタイプと高透磁率な軟磁性層を裏打ち層としてその上に硬磁性な記録層を用いる2層タイプが提案されている。後者の場合は、垂直磁気ヘッドからの磁界を記録層へ集中させ、磁界を軟磁性層に水平に通してヘッド側へ戻す磁気回路を構成するものである。
【0099】
図13の従来型垂直磁気記録媒体の説明図を用いて、以下に詳しく説明する。基板5541としてはガラスやアルミニウムの他、カーボン基板やプラスティック基板、Si基板などが使用可能であり、アルミ基板の場合は硬度を確保するため図13(a)に示すようにNiP層5542をめっき法などにより下地層として作製しておくことが多い。裏打ち層5543としては高透磁率なNiFe合金(パーマロイ)などが数μm〜数10μmの厚みで用いられる。記録層5544としては一般にCo−Cr合金が用いられており、スパッタリング法で作製すると、図13(b)に示す様に、Co組成が多いコア部5546とその周りのCr組成が比較的多いシェル部5547に分離された状態で成長する。コア部5546は円柱に近い形状であり六方稠密格子構造(以下、hcp構造という)を有する硬磁性となり、記録部分となる。シェル部5547はCr組成が多く軟磁性、もしくは非磁性的な特性になり隣接するコア部同士の相互作用を弱める役割も果たす。コア部5546ではc軸が基板面に垂直方向を向いており、結晶磁気異方性の作用により磁化は基板面に垂直方向を向くようになる。上記記録層5544にはCo−Cr以外にTa、Pt、Rh、Pd、Ti、Nb、Hfなどを添加することが行われている。
【0100】
今後さらなる高記録密度化に対しては、Co−Cr系ではコア部分5546の微細化が困難であることが予想される。また、微細化に伴い超常磁性効果が顕著になることから、近年注目されているCoPt,FePt,FePdのL10 規則合金が今後有力な材料であると考えられている。特に、前記規則合金を微粒子化して、それらを非磁性母体中に分散させた膜(グラニュラー膜)にし、Co−Cr系の磁性粒子の微細化に伴う超常磁性効果に耐えうる媒体も提案されている(特開2001−273622号公報)。
【0101】
しかし、規則合金の配向までは完全に制御されておらず、垂直磁気記録媒体としては、配向性の制御が必要となっている。
また、図13には示されていないが、記録層5544と裏打ち層5543の間に、記録層の結晶性を高める目的で下地層の成膜を行ったり、記録層5544と裏打ち層5543の磁気的結合を若干弱める為に酸化物などの下地層を成膜することが行われている(特開平7−73429号公報参照)。
また、記録媒体の表面には保護層45を薄く成膜しておくことが一般的であり、材料としてはカーボンの他カーバイト、窒化物などが検討されている。
【0102】
上記従来のスパッタリングにより成膜されたCoCr系記録層では磁性微粒子の直径が十数nmと大きく、形状にばらつきが多かった。また、L10 規則構造を有するグラニュラー膜では、磁性粒子の配向性の制御が困難であり、また体積、大きさを均一に保つことも困難であった。L10 規則構造を有するMPt(M=Co,Fe,Ni)微結晶のサイズ、あるいは各微粒子のバラツキはそのまま微粒子の保持力のバラツキに反映され、記録媒体としての特性を悪くする。勿論、微結晶の結晶軸の方位のバラツキも特性を悪くする原因となっている。
【0103】
本実施形態2に係る発明は、この様な問題点に鑑みてなされたものである。
具体的には、本実施形態2に係る磁気記録媒体に関する発明は、基板上に下地層及び記録層を有する磁気記録媒体であって、該記録層は磁性材料を含み構成される柱状の部材と、該柱状の部材を取り囲む酸化シリコン(あるいはSiGe酸化物)を成分とする領域を備え、該下地層は該基板の面内方向に正方状の結晶配列を有し、且つ該柱状の部材は該基板の垂直方向にc軸配向したL10 規則構造からなる硬磁性体部分を含むものである。
【0104】
上記領域は、必要に応じて酸化物にしておけばよく、非酸化物であってもよい。なお、多孔質体全体ではなく、細孔壁の壁面が選択的に酸化物となっていてもよい。
【0105】
以下に、本実施形態に係る発明の垂直磁気記録媒体の構成について説明する。特に、本実施形態に係る発明は、記録層の部分に、図1に示した構造体1001を利用した点に特徴がある。
【0106】
ここでいう構造体とは、第1の材料を含み構成される柱状の部材1000が、第2の材料を含み構成される領域1002に取り囲まれており、且つ該構造体から該柱状の部材が選択的に除去可能なものである。特に、該第2の材料が、該第1の材料と第2の材料の全量に対して20atomic%以上70atomic%以下の割合で含まれていることが望ましい。なお、以下では、第1の材料としてアルミニウムを、第2の材料としてシリコン(あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物)を用いた場合に説明するが、上記構造体から既述のように柱状の部材が選択的に除去できるのであれば、材料の選択や各材料の混合比は適宜設定可能である。
【0107】
<磁気記録媒体の構成>
本発明の垂直磁気記録媒体を図面に基づいて説明する。図3は本発明の磁気記録媒体の実施態様の一例を示す模式図である。さらに、図4は本発明の垂直磁気記録媒体における記録層の実施態様の一例を示す模式図である。
【0108】
図3において、3010は基板、3011は下地層A、3012は軟磁性層、3013は下地層B、3014は記録層、3015は保護層、3016は潤滑層である。また、図4において、4020は非磁性体部分、4021は柱状構造物部分、4022は柱状構造物の直径、4023は柱状構造物の間隔、4024は細孔である。図4の下地層405は、図3の下地層A3011、軟磁性層3012、下地層B3013をまとめて示したものである。
【0109】
本発明では、基板3010の上には順に下地層A3011、軟磁性層3012、下地層B3013、記録層3014、保護層3015、そして潤滑層3016が配置されている。
【0110】
特に記録層3014においては、非磁性体部分4020と柱状構造物部分(柱状の部材)4021からなる。それら柱状構造物の直径4022は、第2の材料としてシリコンを選択した場合には、例えば1〜9nmの範囲であり、柱状構造物の間隔4023が、例えば3〜10nmの範囲の値で配置される。
【0111】
なお、第2の材料としてシリコンとゲルマニウムの混合物を用いる場合は、例えば柱状構造物の直径22は、1〜15nmの範囲であり、柱状構造物の間隔23は、例えば3〜20nmの範囲の値である。
【0112】
本発明において、記録層4014の形成方法は、下地層上に基板垂直方向に立ったアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分と、該柱状アルミニウム部分の側面を囲むように配置されるシリコン(あるいはSiGe)を成分とするシリコン部分(あるいはSiGe部分)を有する構造体を形成し、該構造体の柱状アルミニウム部分を除去して細孔を形成し、シリコン(あるいはSiGe)を成分とするシリコン部分(あるいはSiGe部分)を酸化して酸化シリコン(あるいはSiGe酸化物)とした後、該細孔中に硬磁性体部分を含む柱状構造物を充填して記録層を形成する。
【0113】
本発明に用いるアルミニウムシリコン構造体について、図5を用いて説明する。なお、以下では第2の材料としてシリコンを選択した場合を例にとり説明するが、シリコンの代わりにSiGeを用いることもできる。
【0114】
アルミニウムシリコン構造体5034は、柱状アルミニウム部分5031が基板垂直方向に真直ぐ立っており、その円柱の側面を囲むようにシリコン部分5030が配置された構造を有することが特徴である。なお、アルミニウム部分にはシリコンが、シリコン部分にはアルミニウムが僅かに混入している。また、この構造体を形成するには、アルミニウムとシリコンの非平衡状態における同時成膜を行うことが好ましい。また、柱状アルミニウム部分5031は基板垂直方向に真直ぐ立っており、リン酸等のシリコンが溶解せず、柱状アルミニウム部分5031が溶解するような酸やアルカリに浸漬することで柱状アルミニウム部分5031を主として選択的に溶解、除去できることが特徴である。
【0115】
また、このアルミニウムシリコン構造体を硫酸等の水溶液中で陽極酸化することでも柱状アルミニウム部分31を除去することが可能である。このとき、シリコン部分5030は陽極酸化中に酸化され、(AlX Si1-X )Y O1-Y となる。そこで、xの範囲はx=0.01〜0.2の範囲に入ることが好ましい。また、陽極酸化の終了は、下地層へ細孔が到達した時点から30〜60secの間に終了することが好ましい。または、陽極酸化の電流値が極小値に達した時点まで陽極酸化を行っても良い。
【0116】
なお、第2の材料としてSiGeを用いた場合には、SiGe部分5030は陽極酸化中に酸化され、(Alp (Siq Ge1-q )1-p )r O1-r となる。そこで、pの範囲は0<p≦0.2、qの範囲は0<q<1の範囲に入ることが好ましい。また、好ましくは、0<p≦0.1である。また、qの範囲は0≦q≦1とすることも可能である。また、酸化状態は0.334≦r≦0.9の範囲であり、好ましくは、0.334≦r≦0.5の範囲である。
【0117】
このアルミニウムシリコン構造体は、組成にも依存するが柱状アルミニウムの直径5032の範囲が1nm〜9nmで、柱状アルミニウムの間隔5033の範囲が3nm〜10nmであるのがよい。なお、Al−SiGeの構造体の場合は、組成にも依存するが柱状Alの直径5032の範囲が1nm〜15nmで、柱状Alの間隔5033の範囲が3nm〜20nmであることを特徴とする。
【0118】
本実施形態に係る発明では、図4の柱状構造物部分4021をL10 規則構造を有するMPt(M=Co,Fe,Ni)を主成分とする硬磁性体とすることにより、高密度記録や十分な信号検出がより好適に行える。柱状構造物の直径4022としては1〜9nmの範囲(第2の材料にSiGeを用いる場合は、1〜15nmの範囲)、柱状構造物の間隔4023は3〜10nmの範囲(第2の材料にSiGeを用いる場合は、3〜20nmの範囲)が好適であり、その円柱のアスペクト比は2〜10程度であることが望ましい。特に好ましくは、柱状構造物の直径4022は3〜7nm(第2の材料にSiGeを用いる場合は、5〜10nm)で、柱状構造物の間隔4023は4〜8nmの範囲(第2の材料にSiGeを用いる場合は、7〜12nm)である。
【0119】
細孔(ナノホール)4024の断面形状は、円形であることが好ましく、各々の断面が均一であることが好ましい。また、柱状構造物は、下地層に対して直線的で、かつ垂直に立っていることが望ましい。
【0120】
また、非磁性体部分4020は、(AlX Si1-X )Y O1-Y からなるが、このときのxの範囲は、x=0.01〜0.2であることが好ましい。なお、第2の材料にSiGeを用いる場合は、非磁性体部分は、(Alx (Siy Ge1-y )1-x )z O1-z からなるが、このときのxの範囲は0<x≦0.2でyの範囲は0<y<1であることが好ましい。また、好ましくは、0<x≦0.1である。また、yの範囲は0≦y≦1とすることも可能である。また、酸化状態は0.334≦z≦0.9の範囲であり、好ましくは、0.334≦z≦0.5の範囲である。
【0121】
また、細孔中に充填物を埋め込むには真空蒸着法やCVD法やスパッタリング法なども利用可能であるが、アスペクト比が大きな細孔へ埋め込むには電着法が好ましい。電着法で積層膜を作製するには電着途中で電着液を変える方法以外にも、電解電位の異なるイオンを含む溶液中でパルス電着する方法が可能である。すなわち電解電位の大きいCoイオンが含まれる電着溶液にPtやCuやNiなど電解電位の小さいイオンを小さい比率で加えておき、電解電位の小さいイオンのみを低電圧で析出させた後、高電圧で濃度の濃いCoを析出させることが可能である。L10 規則構造を有するMPt(M=Co,Fe,Ni)の形成においてもパルス電着で積層膜を成膜後、熱処理してもよい。
【0122】
また、記録層4014の下部に位置する下地層B3013としては各種の金属が利用可能であるが、細孔中に電着法により積層膜を作製するには電着制御性の観点からfcc構造であるPt,Pd,Cu,Ir,Rhやその他の貴金属とそれらの合金で基板垂直方向に(001)配向していることが好ましい。また、この配向をとる範囲内であれば、主な成分以外に、W,Nb,Ti,Si,Oなどを一種類以上含んでも良い。さらに、L10 、L11 またはL12 の各規則構造のいずれかを有し、基板面内方向に正方状に結晶配列した膜を下地層B3013としても良い。具体的には、MPt(M=Co,Fe,Ni)、FePd、TiAl、CuAuを主成分とするL10 規則構造、またはCuPtを主成分とするL11 規則構造、またはCu3 Au、Al3 Ti、FePd3 、Ni3 X(X=Fe,Mn,Al)、Pt3 X(X=Co,Fe,Mn,Ag,Al)、PtX3 (X=Ag,Au,Fe,Mn,Ni)を主成分とするL12 規則構造等から選択してもよい。さらに、これら下地層B3013の配向制御のために(001)配向したMgOを挿入することが好ましい。
【0123】
ここでの基板の面内方向に正方状に結晶配列した膜(層)というのは、fcc構造では基板垂直方向に(001)配向した膜(層)であり、L10 ,L12 規則構造では基板垂直方向が{001}面で構成されている膜(層)、つまりc軸が立っている膜(層)であり、L11 規則構造では、基板垂直方向が{001}面で構成されている膜(層)である場合を指す。
【0124】
なお、本発明において、L10 規則構造とは図10(a)に示す構造である。L11 規則構造とは図10(b)に示す構造である。L12 規則構造とは図10(c)に示す構造である。
また、本明細書中記載のfccとは面心立方(face centered cubic)の略である。
【0125】
また、上記の記録層3014における柱状構造物部分4021の構成としては、上部から下地層B3013との接点にかけて、例えば図6および図7に示す様に、硬磁性体(L10 規則構造)6051(図6(a))、または硬磁性体(L10 規則構造)6051/非磁性体6054(図6(b))、または硬磁性体(L10 規則構造)6051/軟磁性体6055(図6(c))、または硬磁性体(L10 規則構造)6051/軟磁性体6055/非磁性体6054(図6(e))、または硬磁性体(L10 規則構造)6051/非磁性体6054/軟磁性体6055(図6(d))という形態をとることが可能である。
【0126】
ここで、硬磁性体(L10 規則構造)は基板垂直方向にc軸配向しており、非磁性体及び軟磁性体は基板垂直方向に(001)配向したfcc構造をもつことを特徴とする。また、硬磁性体(L10 規則構造)部分は、MPt(M=Co,Fe,Ni)を主成分とし、Ag,Pd,Ir,Rh,Cu,Cr,P,Bのうち一種類以上を含んでいても良い。また、非磁性体部分は、fcc構造で貴金属とCuのいずれかを主成分とし、基板垂直方向に(001)配向していることが好ましい。また、主成分の貴金属とCu以外に、W,Nb,Ti,Si,Oなどを一種類以上含んでも良い。
【0127】
また、軟磁性体部分は、NiZ Fe1-Z を主成分とし、Zの範囲は0.65から0.91であることが好ましく、さらに一部Ag,Pd,Ir,Rh,Cu,Cr,P,Bなどを含んでも良い。非磁性体部分は、Al,Si,Geのうち一つまたは複数の酸化物、窒化物、またシリコン、カーボンなどが好ましい。
【0128】
さらに、上記の硬磁性体(L10 規則構造)、非磁性体、軟磁性体以外にもL12 規則構造部分が存在することも可能である。例えば、柱状構造物の構成が上からL12 規則構造(Fe3 Pt)/L10 規則構造(FePt)(図7(f))やL10 規則構造(FePt)/L12 規則構造(FePt3 )(図7(g))のような場合が可能である。このとき、各構造間の境界は明瞭であっても良いし、順次変化していても良い。特にアニールによる相互拡散の影響の結果で出現する可能が高く、この場合には規則相間の境界は不明瞭になると考えられる。
【0129】
さらに、上記柱状構造物部分は、エピタキシャルに成長させたものが好ましいが、これは、下地層B13のfcc構造、またはL10 規則構造、L11 規則構造またはL12 規則構造の基板面内方向に正方状に結晶配列した面に影響を受けて、柱状構造物部分がある結晶方位を保ったまま成長することを意味している。これは、単結晶でない場合、さらに下地層B13との格子不整合の場合等を否定するものではない。さらに、熱処理により高度に基板垂直方向にL10 規則構造のc軸を配向させることも可能である。このとき、下地層B3013と柱状構造物部分4021は一部相互拡散を生じてもかまわない。
【0130】
上記の基板3010としては、ガラス、アルミニウム、カーボン、プラスティック、Siなどを基板として使用することが好ましい。また、アルミニウム基板の場合は硬度を確保するためにNiP膜をメッキ法などにより下地層として形成しておくことが望ましい。
【0131】
また、基板3010と下地層B3013の間に軟磁性層3012を裏打ち層として形成することが有効であるが、そのとき軟磁性層3012の形成に必要であれば下地層A3011を挿入しておくことが好ましい。また、その裏打ち層としては、NiZ Fe1-Z を主成分とする膜が使用可能であり、Zの範囲は0.65から0.91であることが望ましく、さらに一部Ag,Pd,Ir,Rh,Cu,Cr,P,Bなどを含んでも良い。また、このとき下からMgO層、下地層A3011、軟磁性層3012、下地層B3013という順番、または軟磁性層3012、MgO層、下地層B3013という順番でもよく、軟磁性層はNiZ Fe1-Z の場合(001)配向していることが好ましいが、その他の軟磁性体も採用可能であるためアモルファスなど他の状態であってもよい。
【0132】
また、磁気記録媒体の上部表面は、ダイヤモンドスラリー等を用いた精密研磨されており、そのRms(2乗平均の平方根)は1nm以下である。さらに表面には保護層3015を形成することが好ましく、ヘッドとの摩擦に対して耐磨耗性を持たせるために、カーボンの他カーバイト、窒化物等の高硬度の非磁性材料を用いることが有効である。
【0133】
また、潤滑層はPFPE(パーフルオロポリエーテル)を塗布することが好ましい。
【0134】
なお、多孔質体の形成は、上述の構造体の陽極酸化ではなく、エッチングにより行うこともできる。また、多孔質は必要に応じて酸化物であればよく、非酸化物であってもよい。例えば、多孔質体がアモルファスシリコンであったり、細孔壁が選択的に酸化物となっている構成も可能である。
【0135】
<垂直磁気記録媒体の製造方法>
以下、本実施形態に係る発明の垂直磁気記録媒体の製造方法について詳細に説明する。
なお、柱状の部材とそれを取り囲む領域を有する構造体(図1の1001)において、当該領域を構成する第2の材料としてシリコンを選択する場合について説明するが、他の材料、例えばSiGeを選択した場合も同様に適用できる。
【0136】
図11は、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図11において、本実施形態に係る垂直磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、該基板垂直方向に立っている柱状構造物が充填された細孔と、該細孔を有する酸化シリコンを成分とする層を有する記録層を有する垂直磁気記録媒体の製造方法に係るものであり、下記の(a)工程〜(d)工程を有することを特徴とする。
【0137】
(a)工程:基板上に下地層を形成する。
基板上に、基板面に対して平行に正方状の結晶配列を有する下地層を形成する。
(b)工程:次に、非平衡状態でのアルミニウムとシリコンの同時堆積の過程により、前記基板にアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分と該柱状アルミニウム部分の周囲を取り囲むように配置されるシリコンを成分とするシリコン部分を有するアルミニウムシリコン構造体を形成する。
【0138】
(c)工程:該アルミニウムシリコン構造体の柱状アルミニウム部分を除去して細孔を形成し、シリコンを成分とするシリコン部分の酸化を行う。
(d)工程:該細孔中にMPt(M=Co,Fe,Ni)を主成分とする部分を電着により形成した後、アニールを行い、基板垂直方向にc軸配向したL10 規則構造からなる硬磁性体部分を含む柱状構造物を充填して記録層を形成する。
(e)工程:該記録層上に、保護層および潤滑層を順次形成する。
【0139】
次に、上記の各工程について、順に追って説明する。
(a)工程:下地層形成工程
基板上に、基板面に対して平行に正方状の結晶配列を有する下地層を形成する。
下地層を形成する方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、分子線成長法などにより行うことができる。下地層は、1層または2層でもよい。また、図1における様に、基板上に下地層A11と下地層B13の2層を軟磁性層12を介して設けたものでもよい。
【0140】
(b)工程:アルミニウムシリコン構造体の形成工程
次に、非平衡状態でのアルミニウムとシリコンの同時堆積の過程により、前記基板にアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分と該柱状アルミニウム部分の周囲を取り囲むようにシリコンを成分とするシリコン部分を有するアルミニウムシリコン構造体を形成する。
【0141】
本発明は、特にアルミニウムシリコン構造体を形成する工程に特徴を有し、この工程について以下に説明する。
アルミニウムとシリコンを非平衡状態で物質を形成する成膜法を用いて、基板の下地層上にアルミニウムシリコン構造体を形成する。ここでは、非平衡状態で物質を形成する成膜法として、スパッタリング法を用いた例を示す。
【0142】
図11に示す様に、下地層5を形成した基板10上に、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、アルミニウムシリコン構造体6を形成する。アルミニウムシリコン構造体6は、アルミニウムを成分とする組成からなる柱状アルミニウム部分7と、その周囲のシリコンを成分とするシリコン部分8から構成される。
【0143】
図2を再度用いて、非平衡状態で成膜する方法として、スパッタリング法を用いてアルミニウムシリコン構造体を成膜する方法について説明する。なお、図2において、1003が基板、2003がスパッタリングターゲットである。スパッタリング法を用いる場合は、アルミニウムとシリコンの割合を簡単に変化させることができる。
【0144】
図2に示したように、基板1003上に、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、アルミニウムシリコン構造体を形成する。
【0145】
原料としてのシリコン及びアルミニウムは、図2のようにアルミニウムのターゲット2003上にシリコンチップ2002を配することで達成される(なお、第2の材料にSiGeを用いる場合は、例えば、Si片とGeの片を適量配置するのである)。シリコンチップは、図2では、複数に分けて配置しているが、勿論これに限定されるものではなく、所望の成膜が可能であれば、1つであっても良い。但し、均一なアルミニウムを含む柱状構造体をシリコン領域内に均一に分散させるには、基板1003に対象に配置しておくのがよい。
【0146】
また、所定量のアルミニウムとシリコンとの粉末を焼成して作製したアルミニウムシリコン焼成物を成膜のターゲット材として用いることもできる。
また、アルミニウムターゲットとシリコンターゲットを別々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリングする方法を用いても良い。
【0147】
形成される膜中のシリコンの量は、アルミニウムとシリコンの全量に対して20〜70atomic%であり、好ましくは25〜65atomic%、さらに好ましくは30〜60atomic%である。シリコン量が斯かる範囲内であれば、シリコン領域内にアルミニウムの柱状構造体が分散したアルミニウムシリコン構造体を得ることができる。(なお、第2の材料としてSiGeを選択した場合には、形成される膜中のSiGeの量は、AlとSiGeの全量に対して20〜70atomic%であり、好ましくは25〜65atomic%、さらに好ましくは30〜60atomic%である。SiGe量がかかる範囲内であれば、SiGe領域内にAlの柱状構造体が分散したAl−SiGe構造体を得ることができる。また、ここでSiGeの組成比はいくつでも良く、組成の違いは、柱状Alの直径や間隔の違いとして反映される。)
【0148】
上記のアルミニウムとシリコンの割合を示すatomic%とは、シリコンとアルミニウムの原子の数の割合を示し、atom%あるいはat%とも記載され、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法でアルミニウムシリコン構造体中のシリコンとアルミニウムの量を定量分析したときの値である。
【0149】
なお、上記割合においては、atomic%を単位として用いているが、wt%を単位として用いる場合は、シリコンが20atomic%以上70atomic%以下の場合は、20.65wt%以上70.84wt%以下となる。atomic%からwt%への換算は、アルミニウムの原子量を26.982、シリコンの原子量を28.086としてアルミニウムとシリコンの重量比を求め、(重量比)×(atomic%)の値からwt%に換算することができる。
また、基板温度としては、例えば200℃以下である。
【0150】
なお、このような方法でアルミニウムシリコン構造体を形成すると、アルミニウムとシリコンが準安定状態の共晶型組織となり、アルミニウムが数nmレベルの柱状構造体を形成し、自己組織的に分離する。そのときのアルミニウムはほぼ円柱状形状であり、その孔径は例えば1〜9nmであり、間隔は例えば3〜10nmである。(なお、第2の材料としてSiGeを選択した場合には、その孔径は1〜15nmであり、間隔は3〜20nmである。)
アルミニウムシリコン構造体のシリコンの量は、例えばアルミニウムターゲット上に置くシリコンチップの量を変えることで制御できる。
【0151】
非平衡状態で成膜を行う場合、特にスパッタリング法の場合は、アルゴンガスを流したときの反応装置内の圧力は、0.2〜1Pa程度がよい。しかし、特に、これに限定されるものではなく、アルゴンプラズマが安定に形成される圧力であればよい。
【0152】
非平衡状態で物質を形成する成膜法は、スパッタ法が好ましいが抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。
【0153】
また、成膜する方法としては、シリコンとアルミニウムを同時に形成する同時成膜プロセスを用いても良いし、シリコンとアルミニウムを数原子層づつ積層する積層成膜プロセスを用いてもよい。
【0154】
上記の様にして成膜されたアルミニウムシリコン構造体1001は、アルミニウムを主成分とする組成からなる柱状アルミニウム部分1000と、その周囲のシリコンを主成分とするシリコン部分1002を備える。
【0155】
アルミニウムを含有する柱状アルミニウム部分7の組成は、アルミニウムを主成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、シリコン、酸素、アルゴンなどの他の元素を含有していてもよい。なお、主成分とは、柱状構造体部の成分構成比においてアルミニウムの割合が80atomic%以上、好ましくは90atomic%以上が望ましい。
【0156】
また、柱状アルミニウム部分の周囲を取り囲んでいるシリコン部分8の組成は、シリコンを成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、アルミニウム、酸素、アルゴンなどの各種の元素を含有してもよい。なお、主成分とは、シリコン部分の成分構成比においてシリコンの割合が80atomic%以上、好ましくは80〜98atomic%、さらに好ましくは93〜98atomic%が望ましい。(なお、第2の材料として、SiGeを選択した場合には、柱状Al部分の周囲を取り囲んでいるSiGe部分の組成は、SiGeを成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、Al,O,Arなどの各種の元素を含有してもよい。なお、主成分としては、SiGe部分の成分構成比においてSiGeの割合が80atomic%以上、好ましくは85〜99atomic%の範囲が好ましい。)
【0157】
上記の様に、基板上にアルミニウムとシリコンを同時にスパッタすることで、基板垂直方向に立った無数の柱状アルミニウム部分とその側面を取り囲むように配置されるシリコン部分からなるアルミニウムシリコン構造体が形成される。好ましくは、このときの柱状アルミニウムの直径は1〜9nmであり、その柱状アルミニウム間の間隔は3〜10nmである。これらの直径と間隔はアルミニウムとシリコンとの組成比から決定される。
【0158】
上記の構造体の柱状アルミニウム部分7の周囲を取り囲んでいるシリコン部分8は、硬磁性体の柱状構造物部分21の周囲を取り囲む非磁性材料からなる非磁性体部分20となる。シリコン部分8は、Alx Si1-x の組成からなるのが好ましい。x=0.01〜0.2、好ましくは0.02〜0.07を示す。(なお、第2の材料としてSiGeを選択した場合には、柱状Alの直径は1〜15nmであり、その柱状Al間の間隔は3〜20nmである。これらの直径と間隔はAlとSiとGeとの組成比から決定される。
【0159】
上記の構造体の柱状Al部分7の周囲を取り囲んでいるSiGe部分8は、酸化された後硬磁性体の柱状構造物部分21の周囲を取り囲む非磁性材料からなる非磁性体部分20となる。酸化前のSiGe部分8は、Alx (Siy Ge1-y )1-x の組成からなるのが好ましく、xの範囲は0<x≦0.2で、好ましくは、0<x≦0.1である。またyの範囲は0<y<1であるが、0≦y≦1とすることも可能である。)
【0160】
(c)工程:該構造体に細孔を形成し、シリコン部分を酸化する工程
次に、前記アルミニウムシリコン構造体の柱状アルミニウム部分を除去して細孔を形成し、シリコンを成分とするシリコン部分の酸化を行う。
この工程は次の2つの方法により行なうことができる。
【0161】
第一は酸溶液中における陽極酸化によりアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分のみをエッチングして細孔を形成する工程である。硫酸などの溶液中での陽極酸化により、柱状アルミニウム部分を溶出させ、微細な細孔を形成する。この場合には、シリコン部分は陽極酸化で酸化され、(Alx Si1-x )OY 1-Y (X=0.01〜0.2)となる。(なお、第2の材料としてSiGeを選択した場合には、SiGe部分は陽極酸化で酸化され、(Alx (Siy Ge1-y )1-x )z O1-z で0<x≦0.2、0<y<1となる。また、好ましくは、0<x≦0.1であり、yの範囲は0≦y≦1とすることも可能である。)
【0162】
第二は、酸溶液中に浸漬してアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分を選択的にエッチングして細孔を形成する工程である。リン酸のようにシリコンを溶かさずアルミニウムのみを溶かす溶液に浸漬することでアルミニウムを除去し、微細な細孔を形成することが可能である。この場合には、シリコン部分の酸化は、別工程で酸化雰囲気中でのアニールを行って酸化シリコンを生成する。
【0163】
(d)工程:該細孔中に硬磁性体部分を含む柱状構造物を充填し、記録層を形成する工程
次に、前記細孔中にMPt(M=Co,Fe,Ni)を主成分とする部分を電着により形成した後、アニールを行い、基板垂直方向にc軸配向したL10 規則構造からなる硬磁性体部分を含む柱状構造物を充填して記録層を形成する。
【0164】
アニールは、規則合金化のために行う。アニールの方法は、相互拡散を押さえるためRTA(Rapid Thermal Annealing)により行うことが好ましい。
【0165】
この工程では、細孔中に柱状構造物のMPt(M=Co,Fe,Ni)を主成分とする部分を電着する工程の前または後に、基板面に対して平行に正方状の結晶配列を有するfcc構造、L10 またはL12 規則構造のいずれかの構造からなる部分を電着する工程を行ってもよい。
【0166】
また、電着法で充填した場合、細孔の上部に溢れ出した磁性体は、ダイヤモンドスラリー、コロイダルシリカ等を用いた精密研磨を施し、そのRms(2乗平均の平方根)は1nm以下にすることが好ましい。
以上の工程を行うことにより、前述した記録層を形成することができる。
【0167】
(e)工程:該記録層上に、保護層および潤滑層を順次形成する工程
保護層はプラズマCVD法により形成することが好ましい。また、潤滑層はスピンコート、または浸漬して引き上げる方法により形成することが好ましい。
【0168】
本発明の磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体として有効であり、磁気記録再生装置として用いるには、図8に示すように、上記磁気記録媒体8061以外に読み取り書き込み磁気ヘッド8063、モーターなどの駆動制御装置、信号処理回路、防塵ケース等を組み込むことが必要である。しかし、磁気記録再生装置において、磁気記録媒体の駆動は回転のみ、磁気ヘッドの駆動は円周上のスライドのみに限定されるものではない。なお、8062は磁気記録媒体駆動部、8065は信号処理部、8064は磁気ヘッド駆動部である。
【0169】
また、前記磁気記録再生装置を情報処理装置として用いるには、図9に示す様に、磁気記録再生装置9072以外にメモリ部9074と演算部9073と電源9075と外部入出力部9076とそれらを接続する配線9077を格納容器9071に納めた情報処理装置を形成することが必要である。情報処理装置において、配線は有線、無線のどちらでも可能である。
【0170】
(第3の実施形態:軟磁性層にAlSiを適用)
本実施形態においては、機能デバイスとして磁気記録デバイス(具体的には、磁気記録媒体)や、磁気記録再生装置、さらには該磁気記録再生装置を用いた情報処理装置について説明する。特に、高密度記録に適した2層垂直磁気記録媒体の軟磁性層に関する発明を説明する。
【0171】
近年の情報処理の飛躍的な増大に伴って、磁気ディスク装置などの情報記録技術も大幅な大容量化が求められている。特にハードディスクにおいては現在単位面積当たりの記録情報量が年率60%を超える勢いで増加している。今後も情報記録量の増大が望まれており、また携帯用などの記録装置としても小型化、高密度化が望まれている。
【0172】
従来利用されてきたハードディスク用磁気記録媒体は長手方向磁気記録方式であり、磁化はディスク表面に平行に記録されている。この長手方向磁気記録方式では高密度化に伴い磁区内の反磁界を抑え、且つ磁化状態の検出に媒体上方に磁界を出すために磁気記録層を薄くしていく必要がある。そのため磁性微粒子1つ当たりの体積が極度に小さくなり、超常磁性効果が発生しやすい傾向にある。すなわち、磁化方向を安定させているエネルギーが熱エネルギーより小さくなり、記録された磁化が時間とともに変化し、記録を消してしまうことが起こる。このため近年では長手方向磁気記録に代わって記録層の膜厚を大きくとれる垂直磁気記録方式へ移行する研究が盛んに行われている。
【0173】
垂直磁気記録方式では、基板垂直方向への膜厚の制限が弱まり、記録領域の縮小に伴う体積の減少が格段に抑制できることが強みである。現在、垂直磁気記録媒体は、単層の磁気記録層を用いるタイプと高透磁率な軟磁性層を裏打ち層としてその上に硬磁性な記録層を用いる2層タイプが提案されている。後者の場合は垂直磁気ヘッドからの磁界を記録層へ集中させ、磁界を軟磁性層に水平に通してヘッド側へ戻す磁気回路を構成するものである。この裏打ち層を用いた2層タイプ(特開平52−78403号公報)では記録再生特性を向上させる効果を示すことが知られている。
【0174】
しかし、裏打ち層である軟磁性層を用いた2層垂直磁気記録媒体では、記録再生において、スパイク状のノイズが観測され、バルクハウゼンノイズと呼ばれている。これは、軟磁性層中に存在する磁壁の状態変化が問題であると考えられており、この磁壁の安定化がノイズを無くすためには必須である。
【0175】
そこで、磁壁の移動を抑える目的でバイアス磁界を印加する方法、また図14に示されるようなグラニュラー膜にすることで磁壁の存在をなくす(特開2001−101644号公報)等の対策が講じられている。特に、磁壁を無くすために軟磁性粒子部分1531と非磁性体部分1530からなるグラニュラー膜にすることは有効であるが、軟磁性粒子部分1531の形状、大きさの分布制御やグラニュラー膜中の粒子密度の制御が非常に難しい。つまり、軟磁性粒子の直径1532と軟磁性粒子の間隔1533を均一化することが望まれる。即ち、上記従来技術においては、グラニュラー膜中の軟磁性粒子の形状、大きさの分布、粒子密度の分布が問題となって、平均透磁率を一様にすることが困難であった。
【0176】
本発明者らは、非磁性母材中に軟磁性材料を分散させるときの形状としては、基板に垂直方向に立った柱状構造が好ましいことを見出した。この場合、基板に垂直方向には膜厚と同じ高さの柱状軟磁性体が存在し、その高さ揺らぎは極度に抑えることが可能である。また、面内方向においても、柱状軟磁性体における直径の揺らぎの小さなものが作製可能である。
【0177】
即ち、本実施形態においては、軟磁性層を構成する部材として、図1により示した構造体1001を適用する。
以下、具体的に本実施形態に係る発明について説明する。
【0178】
第3の実施形態に係る発明は、基板上に軟磁性層と記録層を有する磁気記録媒体であって、該軟磁性層が柱状の軟磁性体と該軟磁性体を取り囲む非磁性体領域を含み構成されていることを特徴とする。ここで、軟磁性体は、前記基板に対して垂直方向に立っていることが好ましい。
【0179】
本実施形態に係る磁気記録媒体に関する発明を図面に基づいて説明する。
図3において、3010は基板、3011は下地層A、3012は軟磁性層、3013は下地層B、3014は記録層、3015は保護層、3016は潤滑層である。また、図15において、1620は非磁性領域、1621は柱状軟磁性体、1622は柱状軟磁性体の直径、1623は柱状軟磁性体の間隔である。
【0180】
基板3010の上に、順に下地層A3011、軟磁性層3012、下地層B3013、記録層3014、保護層3015および潤滑層3016が配置されており、特に軟磁性層3012においては、図15に示すように、非磁性領域1620と柱状軟磁性体1621からなり、それら柱状磁性体の直径1622が1〜9nmの範囲のいずれかで、柱状軟磁性体の間隔1623が3〜10nmの範囲のいずれかの値で配置されている。なお、これらの数値は、図1における構造体1001の第1の材料としてアルミニウム、第2の材料としてシリコンを適用した場合(アルミニウムシリコン混合体)の値である。本実施形態において、軟磁性層を構成する部材として、このアルミニウムシリコン混合体を利用する場合について説明するが、シリコンに代えてSiGeを適用できることは勿論である。
【0181】
上記の下地層A3011は、基板3010と軟磁性層3012との間に設けられた単層または2層以上の非磁性導電膜からなり、軟磁性層3012における柱状軟磁性体1621の形成において、電着法で作製する場合には電極となり、かつ配向性を制御するための役割も担うことが好ましい。特に、Pt,Pd,Cu,Agなどを成分とした金属膜を用いることが好ましい。また、単層膜に限らず、目的により複数の膜を用いることも可能である。
【0182】
上記の下地層B3013は、軟磁性層3012と記録層3014との間に設けられた単層または2層以上の非磁性導電膜からなり、記録層3014における配向性を制御するための役割を担うことが好ましい。特に、Pt,Pd,Cu,Agなどを成分とした金属膜を用いることが好ましい。特に、これらの(111)面、(001)面のように配向性を持たせておくことが好ましい。従って、前もってMgOのような金属膜の配向性も制御する層を追加し、複数の膜を下地層として用いることも可能である。
【0183】
上記の基板3010は、表面が平坦なものであればどのようなものでも使用可能であるが、特にガラス、アルミニウム、カーボン、プラスティック、MgO、Siなどを基板として使用するのが好ましい。アルミニウム基板の場合は硬度を確保するためにNiP膜をメッキ法などにより下地層として形成しておくことが望ましい。
【0184】
上記の軟磁性層3012において、非磁性領域1620はシリコン、またはその酸化物、窒化物などが用いられる。特に、酸素雰囲気中やアンモニア雰囲気中でのアニールによる形成法を用いてもよいが、硫酸、蓚酸、リン酸溶液中などにおける陽極酸化での酸化によってシリコンを酸化しても良い。即ち、柱状のアルミニウムがシリコンの領域に分散した構造体を用意し、当該アルミニウム部分を除去等して当該アルミニウム部分と軟磁性材料とを置換するのである。
【0185】
1621の柱状軟磁性体は、CoFe、NiFeなどからなるのが好ましい。また、非磁性領域1620のシリコン部分は、Alx Si1-x (x=0.01〜0.2)であることが好ましい。また、これらの酸化物であることも好ましく、(Alx Si1-x )y O1-y (x=0.01〜0.2)で、yの値は特に限定するものではない。
【0186】
上記の記録層3014は、Co50Pt50、Fe50Pt50、または(CoFe)50Pt50を主成分とするL10 規則構造を有し、1〜9nm程度の直径の円柱形状からなり、かつ各々は非磁性材料3〜10nmの間隔で分離された構造からなるのが好ましい。また、記録層として、Mx Pt1-x (M=Fe,Co,Ni)の少なくとも1つを含み構成されていてもよい。なお、xの範囲としては、0.3から0.7、より好適には0.4から0.6である。
【0187】
上記の保護層3015は、カーボン膜など、特にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなるのが好ましい。
上記の潤滑層3016は、ハードディスクに塗布される市販品、またはその類似物などからなるのが好ましい。
【0188】
<垂直磁気記録媒体の製造方法>
以下、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法について詳細に説明する。
図16は、本実施形態に係る発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図16において、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、下記の(a)工程〜(d)工程を有することを特徴とする。
【0189】
(a)工程:基板上に下地層Aを形成する。
(b)工程:次に、非平衡状態でのアルミニウムとシリコンの同時堆積の過程により、前記基板にアルミニウムを主成分とする柱状構造部分と該柱状構造部分の周囲を取り囲むようにシリコンを主成分とする非磁性領域を形成する。
【0190】
(c)工程:該アルミニウムを主成分とする柱状構造部分を柱状軟磁性体に置換する工程からなる。酸溶液中に浸漬してアルミニウムを主成分とする柱状構造部分のみをエッチングして微細柱状空孔を形成するか、あるいは酸溶液中における陽極酸化によりアルミニウムを主成分とする柱状構造部分のみをエッチングして微細柱状空孔を形成し、該微細柱状空孔に軟磁性体を充填して軟磁性層を形成する。
(d)工程:該軟磁性層上に、下地層B、記録層、保護層および潤滑層を順次形成する。
【0191】
次に、上記の各工程について、順に追って説明する。
(a)工程:下地層成膜工程
基板上に下地層Aを形成する。下地層Aの成膜は、Pt,Pd,Cu,Agなどを成分とした金属膜をスパッタリング法により、形成することが好ましい。また、単層膜または複数の膜を用いることもができる。ただし、成膜方法については、平坦に成膜可能であれば手段は選ぶ必要が無く、スパッタリング法に限定するものではない。
【0192】
(b)工程:アルミニウムシリコン層形成工程
次に、非平衡状態でのアルミニウムとシリコンの同時堆積の過程により、前記基板にアルミニウムを主成分とする柱状構造部分と該柱状構造部分の周囲を取り囲むようにシリコンを主成分とするシリコン領域(非磁性領域)を有するアルミニウムシリコン層を形成する。
【0193】
本発明は、特にアルミニウムシリコン層を形成する工程に特徴を有するので、この工程について以下に説明する。
アルミニウムとシリコンを非平衡状態で物質を形成する成膜法を用いて、基板の下地層A上にアルミニウムシリコン層を形成する。ここでは、非平衡状態で物質を形成する成膜法として、スパッタリング法を用いた例を示す。
【0194】
図12に示す様に、基板3010上に形成した下地層A3011の上に、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、アルミニウムシリコン層1835を形成する。アルミニウムシリコン層1835は、アルミニウムを主成分とする組成からなるアルミニウム柱状構造体1837と、その周囲のシリコンを主成分とするシリコン領域1838から構成される。
【0195】
図2を用いて、非平衡状態で成膜する方法として、スパッタリング法を用いてアルミニウムシリコン層を成膜する方法について説明する。なお、図2において、1003が基板、2003がスパッタリングターゲットである。スパッタリング法を用いる場合は、アルミニウムとシリコンの割合を簡単に変化させることができる。図2に示したように、基板1003上に、(必要に応じて下地層を介して)非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、アルミニウムシリコン層を形成する。
【0196】
原料としてのシリコン及びアルミニウムは、図2のようにアルミニウムのターゲット2003上にシリコンチップ2002を配することで達成される。シリコンチップは、図2では、複数に分けて配置しているが、勿論これに限定されるものではなく、所望の成膜が可能であれば、1つであっても良い。但し、均一なアルミニウムを含む柱状構造体をシリコン領域内に均一に分散させるには、基板1003に対象に配置しておくのがよい。
【0197】
また、所定量のアルミニウムとシリコンとの粉末を焼成して作製したアルミニウムシリコン焼成物を成膜のターゲット材として用いることもできる。
また、アルミニウムターゲットとシリコンターゲットを別々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリングする方法を用いても良い。
【0198】
形成される膜中のシリコンの量は、アルミニウムとシリコンの全量に対して20〜70atomic%であり、好ましくは25〜65atomic%、さらに好ましくは30〜60atomic%である。シリコン量が斯かる範囲内であれば、シリコン領域内にアルミニウムの柱状構造体が分散したアルミニウムシリコン層が得られる。
また、基板温度としては、200℃以下であり、好ましくは100℃以下であるのがよい。
【0199】
なお、このような方法でアルミニウムシリコン層を形成すると、アルミニウムとシリコンが準安定状態の共晶型組織となり、アルミニウムが数nmレベルの円柱状構造を形成し、自己組織的にシリコンと分離する。そのときの円柱状形状アルミニウムの直径は1〜10nmであり、間隔は3〜15nmである。
【0200】
アルミニウムシリコン層のシリコンの量は、例えばアルミニウムターゲット上に置くシリコンチップの量を変えることで制御できる。
非平衡状態で成膜を行う場合、特にスパッタリング法の場合は、アルゴンガスを流したときの反応装置内の圧力は、0.2〜1Pa程度がよい。しかし、特に、これに限定されるものではなく、アルゴンプラズマが安定に形成される圧力であればよい。
【0201】
非平衡状態で物質を形成する成膜法は、スパッタ法が好ましいが抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。
【0202】
また、成膜する方法としては、シリコンとアルミニウムを同時に形成する同時成膜プロセスを用いても良いし、シリコンとアルミニウムを数原子層づつ積層する積層成膜プロセスを用いてもよい。
【0203】
上記の様にして成膜されたアルミニウムシリコン層1835は、アルミニウムを主成分とする組成からなるアルミニウム柱状構造体1837と、その周囲のシリコンを主成分とするシリコン領域1838を備える。
【0204】
アルミニウムを含有する柱状構造体部1837の組成は、アルミニウムを主成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、シリコン、酸素、アルゴンなどの他の元素を含有していてもよい。なお、主成分とは、柱状構造体部の成分構成比においてアルミニウムの割合が80atomic%以上、好ましくは90atomic%以上が望ましい。この場合、酸に容易に溶解する成分構成比になっていることが重要である。
【0205】
また、アルミニウム柱状構造体の周囲を取り囲んでいるシリコン領域1838の組成は、シリコンを主成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、アルミニウム、酸素、アルゴンなどの各種の元素を含有してもよい。なお、主成分とは、シリコン領域の成分構成比においてシリコンの割合が80atomic%以上、好ましくは80〜98atomic%、さらに好ましくは93〜98atomic%が望ましい。
【0206】
上記の様に、基板上にアルミニウムとシリコンを同時にスパッタリングすることで、基板垂直方向に立った無数の柱状アルミニウムとその側面を取り囲むように配置されるシリコンからなるアルミニウムシリコン層が形成される。好ましくは、このときの柱状アルミニウムの直径は1〜9nmであり、その柱状アルミニウム間の間隔は3〜10nmである。これらの直径と間隔はアルミニウムとシリコンとの組成比から決定される。
【0207】
上記のアルミニウム柱状構造体の周囲を取り囲んでいるシリコン領域1838は、柱状軟磁性体の周囲を取り囲む非磁性材料からなる非磁性領域となる。シリコン領域1838、すなわち非磁性領域は、Alx Si1-x の組成からなるのが好ましい。x=0.01〜0.2、好ましくは0.02〜0.07を示す。勿論、実質的にAlが当該シリコン領域に含まれていないことも好ましい。
【0208】
(c)工程:柱状構造部分を柱状軟磁性体に置換する工程
次に、前記アルミニウムを主成分とする柱状構造部分を柱状軟磁性体に置換する工程を行う。この工程は次の2つの方法により行なうことができる。
【0209】
第一は、酸溶液中に浸漬してアルミニウムを主成分とする柱状構造部分のみをエッチングして微細柱状空孔を形成する工程である。リン酸のようにシリコンを溶かさずアルミニウムのみを溶かす溶液に浸漬することでアルミニウムを除去し、微細な空孔を形成することが可能である。
【0210】
第二は酸溶液中における陽極酸化によりアルミニウムを主成分とする柱状構造部分のみをエッチングして微細柱状空孔を形成する工程である。硫酸などの溶液中での陽極酸化により、アルミニウム部分を溶出させ、微細な空孔を形成する。この場合には、シリコン部分の酸化も達成される。この場合、陽極酸化溶液の温度は何℃でもよく、10℃〜30℃が好ましい。また、濃度においても限定がなく、0.3mol/l〜7mol/lまで使用可能である。さらに、陽極酸化電圧に関しては、10V以下であることが好ましいが、特に下地層A11との密着性が弱い時には、2V以下であることが好ましい。
【0211】
次に、形成された該微細柱状空孔に軟磁性体を充填して軟磁性層を形成する。軟磁性体用のめっき液に浸漬し、めっき法により微細な空孔に軟磁性体を充填することが可能である。つまり、めっき可能である軟磁性体は、すべて用いることができる。特に、CoFe、NiFeはめっきの点から考えて有効である。このとき、下地層A3011は、電解めっきのときには電極として、無電解めっきのときは触媒として作用することが好ましい。
【0212】
また、電着法で充填した場合、微細な空孔の上部に溢れ出した軟磁性体は、ダイヤモンドスラリー、コロイダルシリカ等を用いた精密研磨を施し、そのRms(2乗平均の平方根)は1nm以下にすることが好ましい。
【0213】
(d)工程:該軟磁性層上に、下地層B、記録層、保護層および潤滑層を順次形成する。
上記の下地層Bの成膜はスパッタリング法、保護層の成膜はCVD法、スパッタリング法により形成することが好ましい。また、単層膜または複数の膜を用いることもができる。また、記録層については、本発明の軟磁性層と同様の製造方法で、磁性体をCo50Pt5 0 、Fe50Pt50、または(CoFe)50Pt50等にすることで形成されることが好ましい。また、潤滑層は、潤滑材料に浸漬、またはスピンコートすることで形成することが好ましい。
【0214】
なお、本実施形態においては、軟磁性層を形成するに際して上述のAlSi構造体を利用した場合を説明したが、その他の部分例えば記録層自体もこのAlSi構造体を移用することも勿論可能である。
【0215】
本実施形態に係る垂直磁気記録媒体は、磁気記録再生装置として用いるには、図8に示すように、上記垂直磁気記録媒体8061以外に読み取り書き込み磁気ヘッド8063、モーターなどの駆動制御装置、信号処理回路、防塵ケース等を組み込むことが必要である。しかし、磁気記録再生装置において、垂直磁気記録媒体の駆動は回転のみ、磁気ヘッドの駆動は円周上のスライドのみに限定されるものではない。
【0216】
また、前記磁気記録再生装置を情報処理装置として用いるには、図9に示す様に、磁気記録再生装置9072以外にメモリ部9074と演算部9073と電源9075と外部入出力部9076とそれらを接続する配線9077を有していることが必要である。しかし、情報処理装置において、配線は有線、無線のどちらでも可能である。9071は格納容器である。
【0217】
また、本実施形態に適用できる多孔質体は必要に応じて酸化物であればよく、非酸化物であってもよい。例えば、多孔質体がアモルファスシリコンであったり、細孔壁が選択的に酸化物となっている構成も可能である。
【0218】
【実施例】
(実施例1:発光デバイス)
本実施例においては、図1を用いて説明した構造体1001から柱状の部材1000を除去した部分に発光材料を充填して発光デバイスを作製した場合について説明する。以下では、構造体1001において、柱状の部材を構成する第1の材料としてアルミニウムを、その周りを取り囲む領域にシリコンを用いた場合を例に挙げ説明するが、既述の通り柱状の部材を選択的に当該構造体から除去できるのであれば、種々の材料の選択が可能である。斯かる点は、以降の全ての実施例においても同様である。
【0219】
まず、スパッタリング法を用いて、ガラス基板上にPd20nmを成膜した上に、AlSi構造体を50nm成膜したものを準備した。このとき、AlSi膜の状態は、柱状アルミニウムが基板垂直方向に立っており、その側面を囲うようにシリコンが配置された構造体を自己組織的に形成していることが確認された。柱状アルミニウムの直径は4nmで各々の間隔は7nmであった。これをリン酸5wt%(重量%)に浸漬して、アルミニウム部分をエッチングで除去し、4nmのナノホールを形成した。このとき、ホール底部にはPd層が露出しているので、これを電極としてZnOの電着が可能である。
【0220】
電着は、60℃の硝酸亜鉛水溶液0.1mol/lを用い、陰極に酸化したAlSiナノホールを配置し、電圧−0.5Vで行った。この場合電着は、ホールから溢れた時点で終了し、研磨で溢れた部分を除去した。またAlSiナノホールは、リン酸でのエッチング以外に陽極酸化、酸素雰囲気中でのアニールなどで微細孔を有する(AlX Si1-x )y O1-y 膜をしても使用可能である。
【0221】
さらに、電着液は硫酸亜鉛水溶液に限らず、塩化物系などその他のものでも良い。とくに、水溶液でなく可溶な有機溶媒に0.005mol/l程度というように、少量溶解させたものでも可能である。
【0222】
発光特性を見るために、この試料のフォトルミネッセンス測定を行った。励起光源としてHe−Cdレーザ325nmを使用し、試料上面から、つまりナノホールに平行に入射させ、同じ方向にその発光を取り出した。
【0223】
その結果、ZnOのバルクからの発光が示す波長よりも、本試料からの発光が短波長側に位置することが確認できた。これは、AlSiナノホールにより結晶粒のサイズが制限されることと関係しており、ホールサイズで発光波長を制御可能である。
【0224】
(実施例2:磁性デバイス)
ガラス基板上にPt20nmを成膜した上に、AlSi構造体を50nm成膜したものを準備した。このとき、AlSi膜の状態は、柱状アルミニウムが基板垂直方向に立っており、その側面を囲うようにシリコンが配置された構造体を自己組織的に形成していることが確認された。柱状アルミニウムの直径は4nmで各々の間隔は7nmであった。これを、硫酸水溶液7mol/l、20℃中にて、電圧2Vを印加して陽極酸化を行った。その結果、柱状アルミニウム部分が除去され、シリコン部分が酸化され、微細孔を有する(AlX Si1-x )y O1-y 膜が形成されていた。これらは、多少の揺らぎはあるもののx=0.01〜0.2の範囲であることが組成分析で判明した。次に、水酸化ナトリウム水溶液1mol/l中で2分間浸漬し、微細孔の底部の均一化を行った。これで、ホール底部にはPt層が露出しているので、これを電極として磁性材料の電着を実施した。実施例1同様にリン酸でのエッチングで形成されるAlSiナノホールも使用可能である。
【0225】
まず、NiFeの充填には硫酸ニッケル(II)7水和物と硫酸鉄(II)7水和物を1:1で混合したものを使用し、24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.0Vの電圧を印加して電着した。また、FePtの電着には、硫酸鉄(II)7水和物0.3mol/lと6塩化白金酸0.03mol/lを10:1の混合比で使用し、24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.5Vの電圧を印加して電着した。
【0226】
これらの、磁気特性をヒステリシス曲線で観測すると、NiFeにおいては10Oe程度の保持力を有し、軟磁性的な特性を示した。また、FePtの場合はアニール処理により規則合金化させたため、13kOeの印加磁場に対して基板垂直方向に6kOeの高い保持力を有し、基板面内方向では保持力が弱く、高い垂直磁気異方性を示した。
このように、図1に示した構造体を用いれば機能デバイスとして、磁気デバイスの提供ができることが分かる。
【0227】
(実施例3)
本実施例は、記録層の製造方法と、それぞれの形状や配向性に関するものである。
表面にMgO膜を形成したガラス基板上に、下地層としてスパッタ蒸着法により貴金属とCuよりPt,Pd,Cu,Ir,Rhを選択し、各5nm別々に成膜し、すべてにAlSi構造体(Al50Si50層(Al50atomic%、Si50atomic%の組成))を200nm成膜したものを準備した。
【0228】
スパッタリングターゲットには、直径4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に、15mm角のシリコンチップを6枚置いたものを用いた。スパッタリング条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
【0229】
なお、ここではターゲットとして、アルミニウムターゲット上にシリコンチップを6枚置いたものを用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定されるものではなく、スパッタリング条件により変化し、AlSi層の組成が所定のシリコン含有量近辺になれば良い。また、ターゲットはアルミニウムターゲット上にシリコンチップを置いたものに限定するものではなく、シリコンターゲット上にアルミニウムチップを置いたものでも良いし、シリコンとアルミニウムを焼結したターゲットを用いても良い。
【0230】
このとき、AlSi構造体の状態は、図1に示すように柱状アルミニウム部分が基板垂直方向に立っており、その側面を囲うようにシリコン部分が配置された構造体を自己組織的に形成していることが確認された。柱状アルミニウムの直径は4nmで各々の間隔は7nmであった。
【0231】
次いで、硫酸水溶液7mol/l、20℃中にて、電圧5Vを印加して陽極酸化を行った。その結果、柱状アルミニウム部分が除去され、シリコン部分が酸化され、微細孔を有する(AlX Si1-x )y O1-y 膜が形成された。これらは、多少の揺らぎはあるもののx=0.01〜0.2の範囲であることが組成分析で判明した。次に、水酸化ナトリウム水溶液1mol/l中で2分間浸漬し、微細孔の底部の均一化を行った。このとき、Pt,Pd,Cu,Ir,Rh膜は各々基板垂直方向に対して(001)方向に配向しており、ナノホール底部において各々Pt,Pd,Cu,Ir,Rh面が露出して良好な導電性を持っていた。
【0232】
以上、代表例として下地層がPtの試料に硬磁性体であるCoPtとFePtを細孔中に充填した。ここで、CoPtの電着には、塩化白金酸6水和物0.003mol/l水溶液を5mlと、硫酸コバルト(II)7水和物0.3mol/l、硼酸30g/l、硫酸マグネシウム7水和物50g/lからなる水溶液25mlを混合し、24℃で使用した。FePtの電着では、上記CoPtの溶液の硫酸コバルトを硫酸鉄(II)7水和物0.3mol/lにしたものを用いた。
【0233】
電着は、以上の溶液中にて参照極としてAg/AgClを用いて、−2.0V、−1.2V、−0.6Vで攪拌しながら行った。
さらに、これらの試料を粒径が1/4μmのダイヤモンドスラリーを用いて表面に溢れ出した電着物を研磨し取り除いた。この時、表面のRmsは1nm以下であった。
【0234】
以上の試料を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察すると細孔にCoPt、FePtがそれぞれ存在しており、断面からの観察によりナノホールの直線性も優れていることが確認できた。
これらのICPによる組成分析を行った結果、下地層のPtの影響を考慮すると以下の表2のような組成となった。
【0235】
【表2】
【0236】
以上から、−0.6Vで電着した試料はCoやFeの組成が低く、また、−2.0Vにおいては十分大きく、L10 規則構造の組成から大きくずれていた。−1.2Vにおいては、主にCoPt、FePtともにfcc(002)の回折が見られた。
【0237】
−1.2Vで電着した試料を、真空中、CoPtを700℃、FePtを650℃で十分アニールした後に再度X線回折測定を行った。すると、−1.2Vで電着した試料において、CoPt、FePtともにL10 規則構造(001)と(002)のピークが観察できた。CoPtについて、JCPDSにある粉末試料の回折強度比で校正すると全体の78%が基板垂直方向にc軸が向いており、残りがその他の方向であった。FePtでは74%であった。また、下地層がPt(111)面である場合は、L10 規則構造のCoPt(111)が優先的に現れることからも、下地層をPt(001)にすることで、L10 規則構造のc軸を基板垂直方向に優先的に配向させることが確認できる。
【0238】
(実施例4)
本実施例では、記録層の下部の下地層が規則構造である場合について実施例3と同様の測定を行った。
以下、下地層としてFePtを用いた例について述べる。
【0239】
まず、表面にMgO膜を形成したガラス基板上に、スパッタ装置でL10 規則構造のFePt5nm(膜厚)と、L11 規則構造のCuPt5nmと、L12 規則構造のFePt3 5nmをそれそれ別々に成膜し、その後すべてにスパッタリング法によりAlSi構造体を200nm成膜した。
【0240】
これら3つの試料を実施例1と同様の条件で陽極酸化した。これはPt下地層の場合と同様に正方配列面が基板垂直方向に配向しており、ナノホール底部において、それぞれの下地層の面が露出して良好な導電性を持っていることを確認した。特に、L10 規則構造の場合は、そのc軸が基板垂直方向に配向していることを確認した。
【0241】
以上、下地層がL10 規則構造である場合に対して、硬磁性体であるFePtをナノホール中に充填した。ここで、FePtの電着には、塩化白金酸6水和物0.003mol/l水溶液を5mlと、硫酸鉄(II)7水和物0.3mol/l、硼酸30g/l、硫酸マグネシウム7水和物50g/lからなる水溶液25mlを混合し、24℃で使用した。
【0242】
電着は、以上の溶液中にて参照極としてAg/AgClを用いて、−1.2Vで電着を行った。さらに、これらの試料を粒径が1/4μmのダイヤモンドスラリーを用いて表面に溢れ出した電着物を研磨し取り除いた。この時、表面のRmsは1nm以下であった。
【0243】
X線回折測定の結果、主にfcc構造−FePt(002)のピークを示した。これらの試料を真空中650℃で十分アニールした後に再度X線回折測定を行った。すると、L10 規則構造FePt(001)と(002)のピークが見られ、JCPDSにある粉末試料の回折強度比で校正すると全体の80%が基板垂直方向にc軸が向いていることが確認できる。
以上から、下地層としてL10 規則構造FePtを用いた場合にも優先的にL10 規則構造FePtのc軸が基板垂直方向に配向することが確認できる。
【0244】
(実施例5)
本実施例では、細孔中の充填物の構成における非磁性体、軟磁性体部分の製造方法と配向性、さらにその結果もたらされる硬磁性体(L10 規則構造)部分の配向性に関するものである。
【0245】
まず、充填物の構成には、図6および図7に示す様に、実施例3の硬磁性体(L10 規則構造)のみ(図6(a))以外に、図6(b)の硬磁性体(L10 規則構造)/非磁性体、または図6(c)の硬磁性体(L10 規則構造)/軟磁性体、または図6(d)硬磁性体(L10 規則構造)/非磁性体/軟磁性体、または図6(e)硬磁性体(L10 規則構造)/軟磁性体/非磁性体、または図7(f)硬磁性体(L12 規則構造)/硬磁性体(L10 規則構造)、または図7(g)硬磁性体(L10 規則構造)/硬磁性体(L12 規則構造)などの形態をとることが可能である。
【0246】
まず、実施例3に示すように記録層の下部の下地層にPt,Pd,Cu,Ir,Rhをそれぞれ採用した微細孔を有する試料を5つ準備し、非磁性体、軟磁性体をそれぞれ単独、または両方を積層する場合について電着を行った。その結果、電着後の配向は、下地層のまま保たれており、(001)面に配向していることを確認した。
【0247】
本実施例では、特に下地層がPtの場合について詳細を述べる。
まず、非磁性体としてPtを電着するために、塩化白金酸6水和物からなる0.03mol/l水溶液を使用し、24℃でAg/AgCl参照極に対して−0.5Vの電圧を印加して電着した。
【0248】
軟磁性体としては、NiFeを採用し、硫酸ニッケル(II)7水和物と硫酸鉄(II)7水和物を1:1で混合し、同じく24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.0Vの電圧を印加して電着した。
また、別々の浴で双方を一層づつ積層したものを、すなわち非磁性体/軟磁性体、軟磁性体/非磁性体の2種類を、上記の条件のもとに作製した。
【0249】
また、上記のPtとNiFeの電着液を1:10で混合した混合浴で、Ag/AgCl参照極に対して非磁性体層のときは−0.5V、軟磁性体層のときは−1.0Vで電着すると電着液を変えることなく積層が可能となる。だだし、少量は他方の成分が混入することは避けることができない。
【0250】
以上の試料のX線回折による結果により、Pt単体の場合が最も基板垂直方向にfcc(001)配向しており、JCPDSの粉末試料からの回折強度で校正すると94%が配向していることが確認できる。また、どの組み合わせ、特に混合浴からの電着を行った試料においても全体の80%以上が基板垂直方向にfcc(001)配向していることが確認できる。
【0251】
さらに、上記で得られた条件で最後の層に硬磁性体(L10 規則構造)であるFePtを追加した場合のX線回折による結果を示す。FePtの電着条件は実施例3、4における最適条件−1.2Vを用い、その後RTA(Rapid Thermal Annealing)で650℃2min加熱している。これは、非磁性または軟磁性層との相互拡散を抑えるためである。
【0252】
また、図6(b)のような構成の場合、真空中で700℃で1時間アニールすると、例えば充填物のPtとFePtの相互拡散が進み、図7の(g)のようになることを確認した。また、FePtの組成を一対一でなくFeを過剰にすることで、同様のアニールで図7の(f)のようになることを確認した。このように、硬磁性体がL10 規則構造のみでなく、L12 規則構造部分がアニールの効果で出現する場合も確認された。
【0253】
以上の結果、相互拡散の影響が少ない場合には、拡散効果により生じるL12 規則構造FePt3 からの回折ピークはなく、L10 規則構造FePtからの(001)と(002)のピークがみられ、その(002)配向の程度を比較例として、比較例を1としたときの比を表3に示す。
【0254】
【表3】
【0255】
以上より、細孔中の充填物の構成において、非磁性体、軟磁性体層は硬磁性体層のc軸配向性にも影響を与えることが確認できた。おそらく、下地層のPt(001)表面は陽極酸化後、一部酸化している、もしくは一部酸化物が残留していると予想され、これを同じ結晶構造をもつ材料で覆うことで後の層における配向性が向上したと考えられる。また、その他の下地層においても同様の効果が得られる。
【0256】
(実施例6)
本実施例では、下地層の下に配置される軟磁性層に関するものである。
Si基板上に下地層MgO(001)面上にNiFe軟磁性層を膜厚2μmに成膜後、Pt下地層を形成したが、X線回折から基板垂直方向に(001)配向していることが確認できた。さらに、スパッタリング法で200nmのAlSi膜を成膜後、陽極酸化を7mol/l硫酸水溶液中で20℃、印加電圧5Vで行い、記録層の母体を形成した。また、FE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)でその断面を観察すると、NiFe層がない場合と同様に細孔の底部は均一であった。
【0257】
さらに、記録層の細孔中にL10 規則構造のFePtを形成した後、保護層のダイヤモンドライクカーボン(DLC)を膜厚4nmに成膜し、PFPE(パーフルオロポリエーテル)からなる潤滑層を形成し磁気記録媒体を形成した。この磁気記録媒体に磁気ヘッドをコンタクトさせて記録を行うと、Pt下地層の下に軟磁性層がない試料と比べると、記録に必要な磁場の強度が0.82倍であり、軟磁性層により磁束集中が促進されることが確認できる。
【0258】
また、記録ビット間の遷移領域の半値幅であるPW50を測定した。軟磁性層がある場合のPW50を1.0として、軟磁性層がない場合と比較した結果、1.03であった。したがって、軟磁性層によりヘッドからの磁束が広がらず遷移領域も鋭くなっていることが確認できる。
以上から、下地層下にNiFe軟磁性体層を挿入することは有効であることが認められる。
【0259】
(実施例7)
本実施例は、図8に示す構成の磁気記録装置に関するものである。
本発明の磁気記録媒体では、充填物の柱状構造物の平均直径が9nm以下で十分小さく、無数の充填物の磁化方向によって情報を記録することが可能である。
【0260】
そこで、本発明の磁気記録媒体を図8のような磁気記録媒体駆動部8062と磁気ヘッド8063と磁気ヘッド駆動部8064と信号処理部8065からなる装置に組み立てることで、磁気記録装置を形成することが可能である。
ただし、本実施例により磁気記録媒体の駆動は回転のみ、磁気ヘッドの駆動は円周上のスライドのみに限定されるものではない。
【0261】
(実施例8)
本実施例は、情報処理装置に関するものである。
前記、実施例7に記載の磁気記録再生装置9072は、情報の出し入れが可能であるため、図9に示すように、前記磁気記録再生装置9072とメモリ部分9074と演算部9073と外部入出力部9076と電源9075と、これらをつなぐ配線9077を格納容器9071に収めた情報処理装置を形成することが可能である。
【0262】
上記の実施例に示す様に、本発明により、AlSiの構造体を用いて作製した細孔に充填される硬磁性体の配向性に関して、平均直径9nm以下の微細孔でのc軸配向を可能にする磁気記録媒体の製造方法を提供できた。これは、下地層にPt,Pd,Cu,Ir,Rhのいずれかを採用し、基板垂直方向に対して(001)配向していることが影響しており、さらにPt,Pd,Cu,Ir,Rhのいずれかの非磁性体層、NiFe軟磁性体層を電着することによってL10 規則構造MPt(M=Co,Fe,Ni)硬磁性体の配向性を向上させることも可能である。
【0263】
以上のように、本発明の構成と製造方法により従来困難とされてきた磁性体の配向性を取り入れた平均直径9nm以下の微細孔を用いた垂直磁気記録媒体を可能にした。また、これを用いた図8、図9のような構成の磁気記録再生装置、情報処理装置も駆動可能である。
【0264】
(実施例9)
本実施例においては、記録層の製造方法と、それぞれの形状や配向性に関するものである。
【0265】
表面にMgO膜を形成したSi基板上に、スパッタ蒸着法により貴金属とCuよりPt,Pd,Cu,Ir,Rhを選択し、各5nm別々に準備し、すべてにAl−SiGe構造体を200nm成膜したものを準備した。このとき、AlとSiGeの組成は、全量に対してSiGeが38atomic%であった。
【0266】
スパッタリングターゲットには、直径4インチ(101.6mm)の円形のAlターゲット上に15mm角のSiチップ2枚とGeチップ2枚を対称に配置したものを用いた。スパッタリング条件は、RF電源を用いて、Ar流量50sccm、放電圧力0.7Pa、投入電力300Wとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
【0267】
なお、ここではターゲットとして、Alターゲット上にSiとGeチップを計4枚置いたものを用いたが、SiとGeチップの枚数と比率は、これに限定されるものではなく、スパッタリング条件により変化し、Al−SiGe構造体の組成が所定のSiGe含有量近辺になればよい。また、ターゲットはAlターゲット上にSiとGeチップを置いたものに限定するものではなく、SiGeターゲットにAlチップを置いたものでも良いし、AlとSiとGeを焼結したものでも良い。また、SiGeのチップをAlターゲット上に置いてもよい。
【0268】
このとき、Al−SiGe膜の状態は、図3に示すように柱状Alが基板垂直方向に立っており、その側面を囲うようにSiGeが配置された構造体を自己組織的に形成していることが確認された。柱状Alの直径は6nmで各々の間隔は10nmであった。これを、硫酸水溶液7mol/l、20℃中にて、電圧2Vを印加して陽極酸化を行った。その結果、柱状Al部分が除去され、SiGe部分が酸化され、微細孔を有するSiGe酸化膜が形成されていた。これらは、多少の揺らぎはあるもののAlが0.02≦x≦0.2で含まれていることが分析で判明した。次に、水酸化ナトリウム水溶液1mol/l中で2分間浸漬し、微細孔の底部の均一化を行った。このとき、Pt,Pd,Cu,Ir,Rh膜は各々基板垂直方向に対して(001)方向に配向しており、ナノホール底部において各々Pt,Pd,Cu,Ir,Rh面が露出して良好な導電性を持っていた。
【0269】
以上、代表例として下地層がPtの試料に硬磁性体であるCoPtとFePtを細孔中に充填した。ここで、CoPtの電着には、塩化白金酸6水和物0.03mol/l水溶液を5mlと、硫酸コバルト(II)7水和物0.3mol/l、硼酸30g/l、硫酸マグネシウム7水和物50g/lからなる水溶液25mlを混合し、24℃で使用した。FePtの電着では、上記CoPtの溶液の硫酸コバルトを硫酸鉄(II)7水和物0.3mol/lにしたものを用いた。
【0270】
電着は、以上の溶液中にて参照極としてAg/AgClを用いて、−2.0V、−1.2V、−0.6Vで攪拌しながら行った。
【0271】
さらに、これらの試料を1/4μmのダイヤモンドスラリーを用いて表面に溢れ出した電着物を研磨し取り除いた。この時、表面のRmsは1nm以下であった。
【0272】
以上の試料を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察すると細孔にCoPt、FePtがそれぞれ存在しており、断面からの観察によりナノホールの直線性も優れていることが確認できた。
【0273】
これらのICPによる組成分析を行った結果、下地層のPtの影響を考慮すると以下の表4のような組成となった。
【0274】
【表4】
【0275】
以上から、−0.6Vで電着した試料はCoやFeの組成が低く、また、−2.0Vにおいては、十分大きく、L10 規則構造の組成から大きくずれていた。−1.2Vにおいては、主にCoPt、FePtともにfcc(002)の回折が見られた。
【0276】
−1.2Vで電着した試料を真空中CoPtを700℃、FePtを650℃で十分アニールした後に再度X線回折測定を行った。すると、−1.2Vで電着した試料において、CoPt、FePtともにL10 規則構造(001)と(002)のピークが観察できた。CoPtについて、JCPDSにある粉末試料の回折強度比で校正すると全体の78%が基板垂直方向にc軸が向いており、残りがその他の方向であった。FePtでは、72%であった。また、下地層がPt(111)面である場合は、L10 規則構造CoPt(111)が優先的に現れることからも、下地層をPt(001)にすることで、L10 規則構造のc軸を基板垂直方向に優先的に配向させることが確認できる。
【0277】
(実施例10)
本実施例では、記録層下部の下地層が規則構造である場合について実施例9同様の測定を行った。
以下、FePtを例にして述べる。
【0278】
まず、表面にMgO膜を形成したシリコン基板上にスパッタ装置でL10 規則構造:FePt5nmとL11 規則構造のCuPt5nmとL12 規則構造のFePt3 5nmをそれそれ別々に成膜し、その後すべてにスパッタリング法によりAl−SiGe構造体を200nm成膜した。
【0279】
これら3つの試料を実施例1と同様の条件で陽極酸化した。これはPt下地層の場合同様、正方配列面が基板垂直方向に配向しており、ナノホール底部においてそれぞれの下地層の面が露出して良好な導電性を持っていることを確認した。特に、L10 規則構造の場合は、そのc軸が基板垂直方向に配向していることを確認した。
【0280】
以上、下地層がL10 規則構造である場合に対して、硬磁性体であるFePtをナノホール中に充填した。ここで、FePtの電着には、塩化白金酸6水和物0.03mol/l水溶液を5mlと、硫酸鉄(II)7水和物0.3mol/l、硼酸30g/l、硫酸マグネシウム7水和物30g/lからなる水溶液25mlを混合し、24℃で使用した。
【0281】
電着は、以上の溶液中にて参照極としてAg/AgClを用いて、−1.2Vで電着を行った。さらに、これらの試料を粒径が1/4μmのダイヤモンドスラリーを用いて表面に溢れ出した電着物を研磨し取り除いた。この時、表面のRmsは1nm以下であった。
【0282】
X線回折測定の結果、主にfcc構造のFePt(002)のピークを示した。これらの試料を真空中650℃で十分アニールした後に再度X線回折測定を行った。すると、L1o規則構造FePt(001)と(002)のピークが見られ、JCPDSにある粉末試料の回折強度比で校正すると全体の78%が基板垂直方向にc軸が向いていることが確認できる。
以上から、下地層としてL10 規則構造FePtを用いた場合にも優先的にL10 規則構造FePtのc軸が基板垂直方向に配向することが確認できる。
【0283】
(実施例11)
本実施例では、細孔中の充填物の構成における非磁性体、軟磁性体部分の製造方法と配向性、さらにその結果もたらされる硬磁性体(L10 規則構造)部分の配向性に関するものである。
【0284】
まず、充填物の構成には、図6に示す様に、実施例1の硬磁性体(L10 規則構造)のみ(図6(a))以外に、図6(b)の硬磁性体(L10 規則構造)/非磁性体、または図6(c)の硬磁性体(L10 規則構造)/軟磁性体、または図6(d)硬磁性体(L10 規則構造)/非磁性体/軟磁性体、または図6(e)硬磁性体(L10 規則構造)/軟磁性体/非磁性体、または図6(f)硬磁性体(L12 規則構造)/硬磁性体(L10 規則構造)、または図6(g)硬磁性体(L10 規則構造)/硬磁性体(L12 規則構造)などの形態をとることが可能である。
【0285】
まず、実施例9に示すように記録層の下部の下地層にPt,Pd,Cu,Ir,Rhをそれぞれ採用した微細孔を有する試料を5つ準備し、非磁性体、軟磁性体をそれぞれ単独、または両方を積層する場合について電着を行った。その結果、電着後の配向は、下地層のまま保たれており、(001)面に配向していることを確認した。
【0286】
本実施例では、特に下地層がPtの場合について詳細を述べる。
まず、非磁性体としてPtを電着するために、塩化白金酸6水和物からなる0.03mol/l水溶液を使用し、24℃でAg/AgCl参照極に対して−0.5Vの電圧を印加して電着した。
【0287】
軟磁性体としては、NiFeを採用し、硫酸ニッケル(II)7水和物と硫酸鉄(II)7水和物を1:1で混合し、同じく24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.0Vの電圧を印加して電着した。
また、別々の浴で双方を一層づつ積層したものを、すなわち非磁性体/軟磁性体、軟磁性体/非磁性体の2種類を、上記の条件のもとに作製した。
【0288】
また、上記のPtとNiFeの電着液を1:10で混合した混合浴で、Ag/AgCl参照極に対して非磁性体層のときは−0.5V、軟磁性体層のときは−1.0Vで電着すると電着液を変えることなく積層が可能となる。だだし、少量は他方の成分が混入することは避けることができない。
【0289】
以上の試料のX線回折による結果により、Pt単体の場合が最も基板垂直方向にfcc(001)配向しており、JCPDSの粉末試料からの回折強度で校正すると93%が配向していることが確認できる。また、どの組み合わせ、特に混合浴からの電着を行った試料においても全体の79%以上が基板垂直方向にfcc(001)配向していることが確認できる。
【0290】
さらに、上記で得られた条件で最後の層に硬磁性体(L10 規則構造)であるFePtを追加した場合のX線回折による結果を示す。FePtの電着条件は実施例1、2における最適条件−1.2Vを用い、その後RTAで650℃2min加熱している。これは、非磁性または軟磁性層との相互拡散を抑えるためである。
【0291】
また、図5(b)のような構成の場合、真空中で700℃で1時間アニールすると、例えば充填物PtとFePtの相互拡散が進み、図5の(g)のようになることを確認した。また、FePtの組成を一対一でなくFeを過剰にすることで、同様のアニールで図5の(f)のようになることを確認した。このように、硬磁性体がL10 規則構造のみでなく、L12 規則構造部分がアニールの効果で出現する場合も確認された。
【0292】
以上の結果、相互拡散影響が少ない場合には、L10 規則構造FePtの(001)と(002)のピークがみられ、(002)配向の程度を比較例として、比較例を1としたときの比を表5に示す。
【0293】
【表5】
【0294】
以上より、細孔中の充填物の構成において、非磁性体、軟磁性体層は硬磁性体層のc軸配向性にも影響を与えることが確認できた。おそらく、下地層のPt(001)表面は陽極酸化後、一部酸化しているもしくは一部酸化物が残留していることが予想され、これを同じ結晶構造をもつ材料で覆うことで後の層における配向性が向上したと考えられる。また、その他の下地層においても同様の効果が得られる。
【0295】
(実施例12)
本実施例では、下地層下に配置される軟磁性層に関するものである。
Si基板上に下地層MgO(001)面上にNiFe軟磁性層2μm成膜後、Pt下地層を形成したがX線回折から基板垂直方向に(001)配向していることが確認できる。さらに、スパッタリング法でAl−SIGe膜30nmを成膜後、陽極酸化を硫酸浴7mol/l中20℃、印加電圧2Vで行い、記録層の母体を形成した。また、FE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)でその断面を観察すると、NiFe層がない場合と同様細孔底部は均一であった。
【0296】
さらに、記録層の細孔中にL10 規則構造のFePt形成後、保護層のDLCを3nm成膜し、潤滑層を形成した。この媒体に磁気ヘッドをコンタクトさせて記録を行うと、Pt下地層の下に軟磁性層がない試料と比べると、記録に必要な磁場の強度が0.80倍であり、軟磁性層により磁束集中が促進されることが確認できる。
【0297】
また、記録ビット間の遷移領域の半値幅であるPW50を測定した。軟磁性層がある場合のPW50を1.0として軟磁性層がない場合と比較した結果、1.04であった。したがって、軟磁性層によりヘッドからの磁束が広がらず遷移領域も鋭くなっていることが確認できる。
以上から、下地層下に軟磁性体層を挿入することは有効である。
【0298】
(実施例13)
本実施例は、本発明における垂直磁気記録媒体の軟磁性層の構成と製造方法に関するものである。
まず、ガラス基板上にPtを20nm、Al50Si50層(Al50atomic%、Si50atomic%の組成)を300nmの厚さに成膜した。
ガラス基板上に下地層のPtは、スパッタリング法により成膜した。
【0299】
Al50Si50層は、下地層を形成したガラス基板上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、300nmの厚さに形成した。ターゲットには、直径4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に、15mm角のシリコンチップを6枚置いたものを用いた。スパッタリング条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
【0300】
なお、ここではターゲットとして、アルミニウムターゲット上にシリコンチップを6枚置いたものを用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定されるものではなく、スパッタリング条件により変化し、AlSi層の組成が所定のシリコン含有量近辺になれば良い。また、ターゲットはアルミニウムターゲット上にシリコンチップを置いたものに限定したものではなく、シリコンターゲット上にアルミニウムチップを置いたものでも良いし、シリコンとアルミニウムを焼結したターゲットを用いても良い。
【0301】
これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、図5に示す様に、柱状アルミニウム部分5031とシリコン部分5030からなる膜が形成されていることが確認された。
【0302】
さらに、リン酸に十分な時間浸漬した後に再度SEMで観察すると、前述の柱状アルミニウム部分41が微細な空孔となっていることが確認された。また、空孔は表面から下地層であるPtまで貫通していることも断面からのSEM観察で確認した。また、Pd,Cu,Ag下地層に対しても同様に形成可能であることを確認した。
【0303】
引き続き、空孔中への軟磁性体の充填を行うために、NiFe電着液を準備した。これは、硫酸ニッケル(II)7水和物と硫酸鉄(II)7水和物を1:1で混合したものである。電着は、24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.0Vの電圧を印加して電着した。
【0304】
電着後溢れ出した軟磁性体を研磨し、SEM観察をおこない、すべての空孔が軟磁性体で充填されていることが確認できた。
軟磁性体の直径は6nm、間隔は9nmであった。
【0305】
次に、該軟磁性層上に、下地層のMgO(001)、さらにその上にPt(001)、記録層のFePtのL10 規則合金、保護層のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)および潤滑層を形成して垂直磁気記録媒体を得た。
【0306】
(実施例14)
本実施例は、本発明における垂直磁気記録媒体の軟磁性層の構成ともう一つの製造方法に関するものである。
ガラス基板上にPtを20nm、Tiを1nm、Al50Si50を300nmの厚さに成膜した。もちろん、図5に示されるように、柱状アルミニウム部分5031とシリコン部分5030からなる膜が形成された。
【0307】
ここで、20℃の硫酸水溶液(濃度7mol/l)中で上記の膜を陽極として、陰極をアルミニウム板として、攪拌しながら、5Vの電圧を印加して陽極酸化を行った。
【0308】
陽極酸化の終了は、図17に示す電流値減少開始点から60秒後に終了した。引き続き、水酸化ナトリウム(濃度0.1mol/l)中に30min浸漬し、十分水洗した。その後SEM観察により、空孔が形成されていることを確認した。
【0309】
また、実施例13の場合はシリコン部分5030がそのまま残っていたが、本実施例ではシリコン部分5030が酸化されシリカになっていた。さらに、酸化のため空孔の径は実施例1の場合に比べて、僅かに小さくなっていることも確認した。特に、空孔は下地層のPtまで貫通していることも断面からのSEM観察で確認した。また、Pd,Cu,Ag下地層に対しても同様に形成可能であることを確認した。
【0310】
引き続き、空孔中への軟磁性体の充填を行うために、実施例13と同様のNiFe電着液を準備し、電着は、24℃でAg/AgCl参照極に対して−1.0Vの電圧を印加して電着した。
電着後溢れ出した軟磁性体を研磨し、SEM観察を行うと、すべての空孔が軟磁性体で充填されていることが確認できた。
軟磁性体の直径は5nm、間隔は9nmであった。
【0311】
次に、該軟磁性層上に、下地層のMgO(001)、さらにその上にPt(001)、記録層のFePtのL10 規則合金、保護層のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)および潤滑層を形成して垂直磁気記録媒体を得た。
【0312】
(実施例15)
本実施例では、軟磁性層の軟磁性体の分布に関する。
実施例13および14で作製した軟磁性層を形成したものを試料A,Bとし、図14に示すシリカとのグラニュラー膜のものを試料Cとする。すべて、軟磁性層の膜厚は300nmで統一した。
なお、試料Cは、スパッタリング法により作製した。
【0313】
試料Aの柱状軟磁性体の直径分布は5nmを中心として図18のaで示される。試料Bの柱状軟磁性体の直径分布は4nmを中心として図18のbで示される。また、試料Cのグラニュラー膜における軟磁性体粒子の直径は8nmを中心として図18のcで示される。
【0314】
これらの分布を比較するとグラニュラー膜の方が体積に換算すると、直径の揺らぎの3乗となり、柱状形状の場合に比べても体積の揺らぎが大きい。また、垂直磁気記録において、図14に示すように、グラニュラー膜の方が基板または記録領域に対して垂直方向にも軟磁性粒子がランダムに分散している点においても、磁束のパスに不均一を生じさせることがわかる。
【0315】
(実施例16)
本実施例は、再生時のノイズに関する。
実施例15と同様の試料A,B,Cで適度な膜厚にすることで飽和磁束密度Bsを一定にしたものを準備して、それぞれA’、B’,C’とした。また、軟磁性層を連続膜にしたものをD’として準備した。記録層は、CoCrPtの厚さ30nmの膜で統一した。
【0316】
これらを単磁極ヘッドで書き込んだ後に記録パターンをGMRヘッドで読み取ると、D’はスパイク状ノイズが頻繁に出現したが、A’,B’,C’はスパイク状ノイズが少なかった。これは、磁壁が存在しないことに対応していると考えられる。
【0317】
次に、これらA’,B’,C’における記録ビット間の遷移領域の半値幅であるPW50を測定した。A’を1.0とした場合、B’,C’のそれはそれぞれ0.98、1.04であった。これは、軟磁性層の軟磁性粒子の分布による不均一に関係している。
以上から、軟磁性層の軟磁性体の直径、もしくは体積の揺らぎによる局所的なBsの不均一がノイズの低減を阻害していることが分かる。
【0318】
(実施例17)
本実施例は、磁気記録再生装置に関するものである。
上記の各実施例15、16で試みたように本発明の垂直磁気記録媒体は、従来の軟磁性層に比べてスパイク状ノイズが格段に減少しており、低ノイズで記録再生することが可能である。そこで、本発明の垂直磁気記録媒体を、図8のような磁気記録媒体駆動部8062と磁気ヘッド8063と磁気ヘッド駆動部8064と信号処理部8065からなる装置に組み立てることで、磁気記録装置を形成することが可能である。ただし、本実施例により磁気記録媒体の駆動は回転のみ、磁気ヘッドの駆動は円周上のスライドのみに限定されるものではない。
【0319】
(実施例18)
本実施例は、情報処理装置に関するものである。
前記、実施例17に示す磁気記録再生装置は、情報の出し入れが可能であるため、図9に示すように、前記磁気記録再生装置9072とメモリ部分9074と演算部9073と外部入出力部9076と電源9075とこれらをつなぐ配線9077を格納容器9071に収めた情報処理装置を形成することが可能である。
【0320】
【発明の効果】
本発明によれば、柱状の部材とそれを取り囲む領域を含み構成される構造体から、該柱状の部材を除去して得られる多孔質体に機能性材料を充填することにより種々の機能デバイスの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される柱状の部材とそれを取り囲む領域を含み構成される構造体の模式図である。
【図2】本発明に適用される構造体の製造方法を模式的に示すものである。
【図3】本発明に係る機能デバイスの一例を模式的に示した図である。
【図4】本発明に適用される構造体の模式図である。
【図5】本発明に適用される構造体の模式図である。
【図6】本発明に係る孔内への充填材料の例を示す図である。
【図7】本発明に係る孔内への充填材料の例を示す図である。
【図8】本発明の磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置を示す模式図である。
【図9】本発明の磁気記録再生装置を用いた情報処理装置の概念図である。
【図10】各規則構造を示す模式図である。
【図11】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。
【図12】本発明を説明する為の模式図である。
【図13】従来技術を説明する為の模式図である。
【図14】磁気記録媒体における従来技術の一例を示す模式図である。
【図15】本発明を説明する為の模式図である。
【図16】本発明に係る機能デバイスの製造方法を説明する為の模式図である。
【図17】本発明に係る実施例を説明する為の図である。
【図18】本発明に係る実施例を説明する為の図である。
【図19】本発明に係る機能デバイスを説明する為の模式図である。
【符号の説明】
1000 柱状の部材
1001 構造体
1002 領域
1003 基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is formed by filling a structure (porous body) having pores with a functional material.Functional deviceMore particularly, the present invention relates to an electronic device, an optical device, a recording device, and the like.
[0002]
[Background]
In recent years, there has been an increasing interest in fine structures as constituent members of functional devices.
As a method for manufacturing such a fine structure, a method for directly manufacturing a fine structure by a semiconductor processing technique typified by a fine pattern formation technique such as photolithography (see, for example, Patent Document 1) can be given.
[0003]
In addition to the semiconductor processing technology described above, there is a method that utilizes a self-organization phenomenon of materials. In other words, a new fine structure is to be realized based on a regularly formed regular structure.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-5-55545 (page 3, FIG. 1)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Although there is a possibility that a nano-order structure as well as a micron order can be realized with this self-organization phenomenon or self-organization phenomenon, a lot of research has been done. Although it is not established, it is the actual situation that provision of a novel fine structure and establishment of a manufacturing method thereof are required.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the object of the present invention is toManufacturing method of new functional deviceThe purpose is to provide.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A method for manufacturing a functional device according to the present invention includes:A step of preparing a substrate, which is distributed on the substrate.ColumnarStructureWhen,ColumnarStructureArea surroundingWhenIncludingFilm is formed by sputtering methodThe process ofThe membraneFromSaidColumnarStructureRemoving the substrate to form a porous body, andSaidHas a process of filling a porous material with a functional material.And the columnar structure is polycrystalline aluminum and the region is amorphous Si. x Ge 1-x (0 <x <1), and the film includes the Si x Ge 1-x Is formed at a rate of 30 atomic% or more and 60 atomic% or less.It is characterized by that.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(1) Structure having columnar member and method for manufacturing the same
First, a structure having a columnar member applicable to the present invention will be described with reference to FIG.
[0032]
In this figure, 1000 is a columnar member, 1002 is a region surrounding the columnar member, 1001 is a structure including them, and the state where the
[0033]
In the present invention, in order to remove the columnar member and fill the hole formed by the removal with the functional material, it is important that the
[0034]
A
[0035]
The above ratio is the ratio of the second material to the total amount of the first material and the second material constituting the structure, and is preferably 25 atomic% or more and 65 atomic% or less, more preferably 30 atomic% or more and 60 atomic%. % Or less. The above ratio can be obtained, for example, by quantitative analysis by inductively coupled plasma emission spectrometry.
[0036]
In addition, what is necessary is just to implement | achieve substantially columnar shape, for example, the 2nd material may be contained as a component of a columnar member, and the 1st material may be contained in the said area | region. Further, the columnar member and the surrounding area may contain a small amount of oxygen, argon, or the like.
[0037]
Here, examples of the first material include Al, Au, Ag, and Mg. As the second material, Si, Ge, a mixture of Si and Ge (hereinafter, Six Ge1-x (0 <x <1). ), Or C. In particular, the second material is preferably a material that can be amorphous.
[0038]
Further, the first and second materials are preferably materials having eutectic points (so-called eutectic materials) in both component phase equilibrium diagrams. In particular, the eutectic point is 300 ° C. or higher, preferably 400 ° C. or higher.
[0039]
As a preferable combination as the first material and the second material, Al is used as the first material, Si is used as the second material, or Al is used as the first material. As Six Ge1-x The form using (0 <x <1) is mentioned.
[0040]
It is desirable that at least a part of the columnar member is polycrystalline, and a region surrounding the columnar member is amorphous. When Si or SiGe is used as the second material, the region is mainly amorphous. The planar shape of the columnar member is circular or elliptical.
[0041]
In the structure, a plurality of the columnar members are dispersed in a matrix including the second material. The diameter of the columnar member (the diameter when the planar shape is a circle) can be controlled mainly in accordance with the composition of the structure (that is, the ratio of the second material). It is 5 nm to 50 nm, preferably 1 nm to 20 nm, more preferably 2 nm to 10 nm. Particularly, the diameter is preferably less than 20 nm. Here, the average diameter is a value derived, for example, from a columnar portion observed in an actual SEM photograph (in the range of about 100 nm × 100 nm) directly from the photograph or by image processing with a computer. However, the optimum diameter and the following interval may vary depending on the material and composition used or the use of the structure.
[0042]
The center-to-center distance between the plurality of columnar members is 2 nm to 30 nm, preferably 5 nm to 20 nm, and more preferably 5 nm to 15 nm. Of course, as the lower limit of the center-to-center distance, the above-mentioned 2R needs to have a minimum interval at which the columnar structures do not contact each other. As the second material (that is, the constituent material of the region surrounding the columnar member), a mixture of a plurality of elements (for example, Six Ge1-x ), The center distance can be controlled by the ratio of the mixing ratio.
[0043]
The structure is preferably a film-like structure, and in this case, the columnar member includes the second material so as to be substantially perpendicular to the in-plane direction of the film. It will be dispersed in the matrix. Although it does not specifically limit as a film thickness of a film-like structure, It can apply in the range of 1 nm-100 micrometers. A more realistic film thickness in consideration of process time and the like is about 1 nm to 1 μm. In particular, the columnar structure is preferably maintained even with a film thickness of 300 nm or more. Further, the columnar member has a structure that does not substantially branch in the thickness direction (length direction).
[0044]
Since the length in the depth direction of the columnar member is substantially equal to the thickness of the region surrounding the columnar member, in the porous body obtained by removing the columnar member, the depth direction of the columnar hole The length and the thickness of the region surrounding the hole can be substantially equal.
[0045]
The structure is preferably a film-like structure, and the structure may be provided on a substrate. The substrate (1003 in FIG. 1) is not particularly limited, but is an insulator or a substrate having an insulating layer on the surface, an insulating substrate such as quartz glass, a silicon substrate, gallium arsenide, or indium phosphide. As long as the structure can be formed on a semiconductor substrate such as aluminum, a metal substrate such as aluminum, or a substrate as a supporting member, a flexible substrate (for example, a polyimide resin) can also be used. Further, a carbon substrate, an SOI substrate, a P-type, an N-type, a high-resistance, and a low-resistance silicon substrate can also be applied.
[0046]
A method for manufacturing such a
In the description, aluminum will be described as an example of the material constituting the columnar member, and silicon will be described as an example of the material surrounding the region surrounding it.
[0047]
The structure according to the present invention can be manufactured using a method of forming a film in a non-equilibrium state. A typical example is film formation by sputtering. Specifically, as shown in FIG. 2, when a silicon piece (silicon chip) 2002 is placed on an
[0048]
As a film forming method, a sputtering method is preferable, but a film forming method for forming a substance in a non-equilibrium state such as resistance heating vapor deposition, electron beam vapor deposition (EB vapor deposition), or ion plating method is applicable. When the sputtering method is used, magnetron sputtering, RF sputtering, ECR sputtering, or DC sputtering can be used. When the sputtering method is used, it is preferable to form the film in an argon gas atmosphere at a pressure in the reaction apparatus of about 0.2 to 1 Pa. In the sputtering, the first material and the second material may be separately prepared as target raw materials, but a target material obtained by firing the first material and the second material at a desired ratio in advance is used. It may be used. In the case of performing sputtering, it is preferable to perform sputtering in a state where plasma is not in contact with the substrate itself on which the film is grown.
[0049]
The structure formed over the substrate is formed at a substrate temperature of 300 ° C. or lower, preferably 20 ° C. or higher and 200 ° C. or lower, particularly preferably 100 ° C. or higher and 150 ° C. or lower.
[0050]
(2) Next, in the structure applicable to the present invention, the first material (the first material constitutes a columnar member) and the second material (the second material surrounds the columnar member). The ratio of the area) will be described.
[0051]
The reason why the porous body described in the present invention can be provided is that the structure described below has been obtained by the diligent efforts of the present inventors. A description will be given with reference to FIG.
[0052]
An aluminum silicon mixed film (that is, a structure applicable to the present invention) containing silicon at 55 atomic% with respect to the total amount of aluminum and silicon is formed on the
[0053]
As shown in FIG. 2, the target used was eight 15 mm square silicon chips 13 on a 4-inch aluminum target. Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was room temperature.
[0054]
Here, as the
[0055]
Next, the amount (atomic%) of silicon with respect to the total amount of aluminum and silicon was analyzed by ICP (inductively coupled plasma emission analysis) for the aluminum silicon mixed film thus obtained. As a result, the amount of silicon with respect to the total amount of aluminum and silicon was about 55 atomic%. Here, for convenience of measurement, an aluminum silicon mixed film deposited on a carbon substrate was used as the substrate.
[0056]
The aluminum silicon mixed film was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope). Circular aluminum nanostructures surrounded by silicon were two-dimensionally arranged. The pore diameter of the aluminum nanostructure part was 3 nm, and the average center-to-center spacing was 7 nm. Moreover, when the cross section was observed with FE-SEM, the height was 200 nm and each aluminum nanostructure part was mutually independent.
[0057]
Further, when this sample was observed by an X-ray diffraction method, a silicon peak showing crystallinity could not be confirmed, and the silicon was amorphous. Note that a plurality of peaks indicating the crystallinity of aluminum were confirmed, indicating that at least a part of aluminum was polycrystalline.
[0058]
Therefore, an aluminum silicon nanostructure including an aluminum fine wire surrounded by silicon and having an interval 2R of 7 nm, a diameter 2r of 3 nm, and a height L of 200 nm could be produced.
[0059]
In this way, an aluminum silicon mixed film is formed by a film forming method that forms a material in a non-equilibrium state such as sputtering, so that a few nanometers of aluminum quantum dots or aluminum quantum wires are formed in a silicon matrix on the substrate surface. The present inventors have found that an aluminum silicon nanostructure having an aluminum nanostructure is formed.
[0060]
(Comparative example)
Further, as a comparative sample A, an aluminum silicon mixed film containing silicon at 15 atomic% with respect to the total amount of aluminum and silicon was formed on a glass substrate by a sputtering method with a thickness of about 200 nm. The target used was two 15 mm square silicon chips 13 on a 4-inch aluminum target. Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was room temperature.
[0061]
Comparative sample A was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope). The shape of the surface viewed from directly above the substrate was such that the aluminum portion was not circular, and aluminum was continuously connected. That is, the aluminum columnar structure was not a fine structure uniformly dispersed in the silicon region. Furthermore, its size was far over 10 nm. Moreover, when the cross section was observed with FE-SEM, the width | variety of the aluminum part exceeded 15 nm. The aluminum silicon mixed film thus obtained was analyzed by ICP (inductively coupled plasma emission analysis) for the amount of silicon (atomic%) relative to the total amount of aluminum and silicon. As a result, the amount of silicon relative to the total amount of aluminum and silicon was about 15 atomic%.
[0062]
Further, as a comparative sample B, an aluminum silicon mixed film containing 75 atomic% of silicon with respect to the total amount of aluminum and silicon was formed on a glass substrate by sputtering to a thickness of about 200 nm. The target used was 14 pieces of 15 mm square silicon chips 13 on a 4-inch aluminum target. Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was room temperature.
[0063]
Comparative sample B was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope). An aluminum portion could not be observed on the sample surface viewed from directly above the substrate. Further, even when the cross section was observed with FE-SEM, the aluminum portion could not be clearly observed. The aluminum silicon mixed film thus obtained was analyzed by ICP (inductively coupled plasma emission analysis) for the amount of silicon (atomic%) relative to the total amount of aluminum and silicon. As a result, the amount of silicon with respect to the total amount of aluminum and silicon was about 75 atomic%.
[0064]
Further, the sample in which the comparative sample A is manufactured and the condition of the number of silicon chips is changed, and the ratio of silicon to the total amount of the aluminum silicon mixture is 20 atomic%, 35 atomic%, 50 atomic%, 60 atomic%, and 70 atomic%. Was made. A case in which the aluminum columnar structure is a fine structure dispersed in the silicon region is indicated by ◯, and a case in which the aluminum columnar structure is not formed is indicated by ×. In terms of the uniformity of the columnar structure, the silicon ratio is preferably 30 or more and 60 atomic%. When the ratio of silicon was 65 or 70 atomic%, the crystallinity of aluminum was low, and it was close to an amorphous state.
[0065]
[Table 1]
[0066]
As described above, by adjusting the silicon content with respect to the total amount of aluminum and silicon to 20 atomic% or more and 70 atomic% or less, a structure in which the aluminum columnar structure is dispersed in the silicon region can be realized. By changing the composition of aluminum and silicon, the hole diameter of the columnar structure can be controlled, and an aluminum thin wire excellent in linearity can be produced. For confirmation of the structure, a TEM (transmission electron microscope) or the like may be used in addition to the SEM.
[0067]
Further, as a comparative sample C, an aluminum-silicon mixed film containing silicon at 55 atomic% with respect to the total amount of aluminum and silicon was formed on a glass substrate by sputtering using a sputtering method. The target used was 8 pieces of 15 mm square silicon chips 13 on a 4-inch aluminum target. Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was 350 ° C.
[0068]
Comparative sample C was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope). A large lump of aluminum was observed on the sample surface viewed from directly above the substrate. Further, X-ray diffraction measurement confirmed that silicon was crystallized. That is, an aluminum nanostructure having a columnar structure could not be confirmed, and the silicon region was not crystallized but crystallized. That is, if the substrate temperature is too high, the state changes to a more stable state, so that it is considered that film growth for forming such an aluminum nanostructure cannot be performed.
[0069]
In order to obtain a structure in which columnar members are dispersed, it is also preferable to set the target composition to Al: Si = 55: 45 or the like.
Although the case where aluminum is used as the first material and silicon is used as the second material has been described, the same applies to the case where the above-described materials applicable as the first or second material are used.
[0070]
A porous body is formed by selectively removing the columnar member from the structure. The removal can be performed by etching or anodization. An oxidation treatment may be performed after the pore formation or simultaneously with the pore formation. In addition, when aluminum is used as the first material, for example, the content of the first material (for example, aluminum) contained in the obtained porous body is 0.01 to 20 atomic with respect to all elements except oxygen. %, Preferably in the range of 0.1 to 10 atomic%.
[0071]
(3) Filling the porous material with functional material
(First embodiment: functional device)
By removing the
[0072]
Note that the
[0073]
A functional material is filled in the hole portion of the porous body from which the columnar member has been removed. Here, the functional material can be variously selected depending on what functional device is desired to be formed, such as a conductive material, a magnetic material, a light emitting material, a semiconductor material, and an insulating material. In the present invention, filling the pores of the porous body means filling the pores with a desired material, as well as filling the pores with a desired depth instead of the whole depth direction as necessary. Or covering the surface of the inner wall of the hole mainly with the functional material. It is also possible to arrange a pattern forming member such as a mask on the upper surface of the porous body to divide the region into a portion to be filled and a portion not to be filled among the plurality of pores.
[0074]
Before the porous body is formed from the
Examples of the method for filling the porous material with the functional material include a vapor deposition method, a CVD method, a sputtering method, an electrodeposition method, and a plating method.
[0075]
Thus, a functional device is realized by filling various functional materials. If a magnetic recording material is applied as a functional material, a recording device is realized, and if a conductive material such as metal is applied, it can be used as a conductive member such as an electrode, as well as a quantum dot, a quantum wire, a quantum wire transistor, a single electron transistor, Alternatively, an electronic device such as a single-electron memory is realized, and a light emitting device is realized by filling a light emitting material. Of course, it is possible to fill a plurality of types of materials when filling. In addition, although the suitable value becomes settled according to various devices regarding a size, it is also preferable that the average hole diameter of the pore of the porous body mentioned above is 20 nm or less, and the average space | interval of pores is 30 nm or less. .
[0076]
Hereinafter, when the porous material obtained by removing the columnar member from the
[0077]
(A) A porous body obtained by etching and removing a columnar member from the structure described above has nano-order pores. By using such technology as filling metal or semiconductor in the nanohole, or using nanohole replica technology, coloring, magnetic recording medium, EL light emitting element, electrochromic element, optical element, solar cell, gas sensor, Various devices including quantum effect devices such as quantum wires and MIM elements can be provided.
[0078]
Note that a structure in which micropores are formed perpendicularly to the substrate and at a very high density is important for application to a device utilizing the quantum effect or for producing an ultrahigh density recording medium. For example, nanoholes having a hole diameter of 10 nm or less are formed at intervals of 15 nm or less, and an electrically conductive material such as a metal or a semiconductor is formed therein, so that it can be applied to a quantum effect device such as a single electron memory or a single electron transistor.
[0079]
Further, by filling the pores of the silicon nanostructure of the invention according to this embodiment with a conductive material, it can be applied as a single-electron memory, a single-electron transistor, or the like utilizing the quantum effect. Furthermore, the magnetic recording medium is filled with a magnetic material (the magnetic recording medium here is used not only as a recording medium used in the longitudinal recording method or the perpendicular method, but also as a magneto-optical recording medium as well as magnetic recording). The same applies to the following. For example, the silicon nanostructure of the present invention can itself be used as a functional material such as a light-emitting device, an optical device, and a microdevice.
[0080]
A schematic diagram of a single-electron memory is shown below using FIG. This is a case where the columnar member is removed from the
[0081]
2191 is a substrate, 2192 is an insulator (for example, silicon oxide), 2193 is a structure in which a columnar conductive material is dispersed in, for example, silicon, 2194 is a drain region, 2195 is a gate insulating region, 2196 is a gate electrode, and 2197 is a source. It is an area.
[0082]
By using aluminum as quantum dots as shown in FIG. 19, the electrical characteristics of the channel portion can be controlled by the influence of electric charges accumulated in the quantum dots. In addition, since charge can be accumulated in the quantum dots for a long time, a nonvolatile memory in which information is not lost even when the power is turned off can be formed. Note that other materials can be used as long as a structure in which columnar members are dispersed can be obtained.
Thus, it can be used as a single-electron transistor or the like using a single-electron memory using a quantum effect or a similar principle.
[0083]
(B) Next, a case where a functional device is manufactured by filling a functional material when the porous body is oxidized (of course, may be made insulating by nitriding or the like) will be described.
[0084]
By using the technology of filling the nanoholes in the porous body with metal or semiconductor, or using the nanohole replica technology, coloring, magnetic recording media, EL light emitting elements, electrochromic elements, optical elements, solar cells, gas sensors, Can provide quantum effect devices such as quantum wires and MIM elements.
[0085]
For example, nanoholes having a diameter of 10 nm or less are formed at intervals of 15 nm or less, and an electrically conductive material such as a metal or a semiconductor is formed therein, so that it can be applied to a quantum effect device such as a single electron memory or a single electron transistor. Furthermore, it can be applied as an ultra-high density recording medium by filling a magnetic metal.
[0086]
When the average pore diameter of the pores is 10 nm or less, preferably 1 to 9 nm, and the average interval is 15 nm or less, preferably 3 to 10 nm, the quantum effect can be sufficiently observed even at room temperature or the like. The range of application to body devices can be further expanded. In addition, since the material constituting the nanostructure is silicon oxide, when the pores are filled with an electrically conductive material or a semiconductor material, they are electrically insulated from each other, and tunnel current observation, Coulomb brocade, Quantum effects such as gap expansion and energy level discretization can be expected, and the range of applications of nanostructures to devices can be further expanded.
[0087]
In addition, since the silicon oxide nanostructure of the invention according to this embodiment does not form a film such as an insulator below the pores, the substrate and the pores can be directly connected. Further, by filling the pores of the silicon oxide nanostructure of the present invention with a conductive material, it can be applied as a single-electron memory, a single-electron transistor, or the like utilizing the quantum effect. Moreover, it can be used as a high-density recording medium by filling a magnetic material.
[0088]
In addition, the present invention makes it possible to apply pores in silicon oxide in various forms, and greatly expands the application range. For example, the silicon oxide nanostructure of the present invention can itself be used as a functional material for a light emitting device, an optical device, a microdevice and the like.
[0089]
(C) When removing the columnar member from the structure described above, when a porous body is formed by anodization, the filling of the functional material into the porous body will be described.
[0090]
By using a technology that fills the nanoholes of a porous body obtained by anodization with a metal or semiconductor, or a replica technology of nanoholes, coloring, magnetic recording media, EL light emitting devices, electrochromic devices, optical devices, solar cells , Gas sensors, and quantum effect devices such as quantum wires and MIM elements can be provided.
[0091]
For example, nanoholes having a diameter of 10 nm or less are formed at intervals of 15 nm or less, and an electrically conductive material such as a metal or a semiconductor is formed therein, so that it can be applied to a quantum effect device such as a single electron memory or a single electron transistor. Furthermore, it can be applied as an ultra-high density recording medium by filling a magnetic metal.
[0092]
Further, by filling the pores of the silicon oxide nanostructure of the invention according to this embodiment with a conductive material, it can be applied as a single-electron memory, a single-electron transistor, or the like utilizing the quantum effect. Furthermore, it can be applied as a high-density recording medium by filling a magnetic material. In addition, the invention according to the present embodiment makes it possible to apply pores in silicon oxide in various forms, and greatly expands the application range.
[0093]
In addition, as the material of the structure used for forming the porous body, that is, the structure having a columnar member, the materials described above can be used.
[0094]
Examples of the first material constituting the columnar member include Al and Au. As the second material constituting the region surrounding the columnar member, Si, Ge, a mixture of Si and Ge (hereinafter, Six Ge1-x (0 <x <1). ), Or C. In particular, the second material is preferably a material that can be amorphous. In addition, although the below-mentioned Example demonstrates mainly the case where Al and Si are used, this invention is not limited to these materials.
[0095]
(Second embodiment: orientation base + AlSi, AlSiGe, etc.)
Hereinafter, a magnetic recording device (specifically, a magnetic recording medium), a magnetic recording / reproducing apparatus, and an information processing apparatus using the magnetic recording / reproducing apparatus will be described as functional devices.
[0096]
First, the magnetic recording device will be briefly described.
With the dramatic increase in information processing in recent years, information recording technology such as a magnetic disk device is also required to have a large capacity. Particularly in hard disks, the amount of recorded information per unit area is increasing at a rate exceeding 60% per year. In the future, it is desired to increase the amount of information recorded, and it is also desired to reduce the size and increase the density of portable recording devices.
[0097]
Conventionally used magnetic recording media for hard disks are of the horizontal magnetic recording system, and the magnetization is recorded parallel to the disk surface. In this horizontal magnetic recording system, it is necessary to reduce the thickness of the magnetic recording layer in order to suppress the demagnetizing field in the magnetic domain as the density increases and to detect the magnetic state above the medium in order to detect the magnetization state. Therefore, the volume per magnetic fine particle becomes extremely small, and the superparamagnetic effect tends to occur. That is, the energy that stabilizes the magnetization direction becomes smaller than the thermal energy, the recorded magnetization changes with time, and the recording is erased. For this reason, in recent years, research has been actively conducted to shift to a perpendicular magnetic recording method in which the thickness of the recording layer can be increased in place of horizontal magnetic recording.
[0098]
As a medium for perpendicular magnetic recording, a type using a single magnetic recording layer and a two-layer type using a soft magnetic layer having a high magnetic permeability as a backing layer and a hard magnetic recording layer thereon have been proposed. In the latter case, a magnetic circuit that concentrates the magnetic field from the perpendicular magnetic head on the recording layer and passes the magnetic field horizontally through the soft magnetic layer to the head side is configured.
[0099]
This will be described in detail below with reference to the explanatory diagram of the conventional perpendicular magnetic recording medium of FIG. In addition to glass and aluminum, a carbon substrate, a plastic substrate, a Si substrate, or the like can be used as the substrate 5541. In the case of an aluminum substrate, a
[0100]
For further higher recording density in the future, it is expected that it is difficult to reduce the size of the core portion 5546 in the Co—Cr system. In addition, since the superparamagnetic effect becomes conspicuous with the miniaturization, L1 of CoPt, FePt, and FePd attracting attention in recent years.0 Ordered alloys are considered to be a promising material in the future. In particular, a medium that can withstand the superparamagnetic effect associated with the refinement of Co-Cr magnetic particles by making the ordered alloy into fine particles and forming a film (granular film) in which the ordered alloy is dispersed in a nonmagnetic matrix has been proposed. (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-273622).
[0101]
However, the orientation of the ordered alloy is not completely controlled, and the orientation of the perpendicular magnetic recording medium is required to be controlled.
Although not shown in FIG. 13, an underlayer is formed between the recording layer 5544 and the backing layer 5543 for the purpose of improving the crystallinity of the recording layer, or the magnetic properties of the recording layer 5544 and the backing layer 5543 are increased. In order to slightly weaken the mechanical coupling, an underlayer such as an oxide is formed (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-73429).
Further, it is common to form a thin protective layer 45 on the surface of the recording medium. As materials, carbonite, nitride, etc. have been studied.
[0102]
In the CoCr-based recording layer formed by the conventional sputtering described above, the diameter of the magnetic fine particles was as large as a few tens of nanometers, and the shape varied greatly. L10 With a granular film having a regular structure, it is difficult to control the orientation of the magnetic particles, and it is also difficult to keep the volume and size uniform. L10 The size of the MPt (M = Co, Fe, Ni) crystallites having a regular structure or the variation in each fine particle is directly reflected in the variation in the holding force of the fine particle, which deteriorates the characteristics as a recording medium. Of course, variations in the orientation of the crystal axes of the microcrystals also cause the characteristics to deteriorate.
[0103]
The invention according to the second embodiment has been made in view of such problems.
Specifically, the invention relating to the magnetic recording medium according to the second embodiment is a magnetic recording medium having a base layer and a recording layer on a substrate, and the recording layer includes a columnar member configured to include a magnetic material; And a region composed of silicon oxide (or SiGe oxide) surrounding the columnar member, the underlayer has a tetragonal crystal arrangement in the in-plane direction of the substrate, and the columnar member is L1 with c-axis orientation in the vertical direction of the substrate0 It includes a hard magnetic part having an ordered structure.
[0104]
The region may be an oxide if necessary, and may be a non-oxide. In addition, the wall surface of the pore wall may be selectively an oxide instead of the entire porous body.
[0105]
The configuration of the perpendicular magnetic recording medium according to the present invention will be described below. In particular, the invention according to this embodiment is characterized in that the
[0106]
The structure here means that a
[0107]
<Configuration of magnetic recording medium>
The perpendicular magnetic recording medium of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 3 is a schematic view showing an example of an embodiment of the magnetic recording medium of the present invention. FIG. 4 is a schematic diagram showing an example of an embodiment of the recording layer in the perpendicular magnetic recording medium of the present invention.
[0108]
In FIG. 3, 3010 is a substrate, 3011 is an underlayer A, 3012 is a soft magnetic layer, 3013 is an underlayer B, 3014 is a recording layer, 3015 is a protective layer, and 3016 is a lubricating layer. In FIG. 4, 4020 is a non-magnetic part, 4021 is a columnar structure part, 4022 is the diameter of the columnar structure, 4023 is the interval between the columnar structures, and 4024 is a pore. The underlayer 405 in FIG. 4 collectively shows the underlayer A3011, the soft magnetic layer 3012, and the underlayer B3013 in FIG.
[0109]
In the present invention, a base layer A 3011, a soft magnetic layer 3012, a base layer B 3013, a recording layer 3014, a protective layer 3015, and a lubricating layer 3016 are arranged in this order on the substrate 3010.
[0110]
In particular, the recording layer 3014 includes a nonmagnetic portion 4020 and a columnar structure portion (columnar member) 4021. The diameter 4022 of these columnar structures is, for example, in the range of 1 to 9 nm when silicon is selected as the second material, and the interval 4023 between the columnar structures is arranged with a value in the range of 3 to 10 nm, for example. The
[0111]
When a mixture of silicon and germanium is used as the second material, for example, the diameter 22 of the columnar structures is in the range of 1 to 15 nm, and the interval 23 of the columnar structures is a value in the range of, for example, 3 to 20 nm. It is.
[0112]
In the present invention, the recording layer 4014 is formed by a columnar aluminum portion containing aluminum as a component standing on a base layer in a direction perpendicular to the substrate, and silicon (or SiGe) disposed so as to surround the side surface of the columnar aluminum portion. Forming a structure having a silicon portion (or SiGe portion) having a component, removing columnar aluminum portions of the structure to form pores, and forming a silicon portion (or SiGe) having silicon (or SiGe) as a component. After the portion is oxidized to silicon oxide (or SiGe oxide), a columnar structure including a hard magnetic portion is filled in the pores to form a recording layer.
[0113]
The aluminum silicon structure used in the present invention will be described with reference to FIG. In the following, a case where silicon is selected as the second material will be described as an example, but SiGe can be used instead of silicon.
[0114]
The aluminum silicon structure 5034 is characterized in that a columnar aluminum portion 5031 stands straight in the direction perpendicular to the substrate, and the silicon portion 5030 is disposed so as to surround the side surface of the column. Note that silicon is slightly mixed in the aluminum portion and aluminum is slightly mixed in the silicon portion. In order to form this structure, it is preferable to perform simultaneous film formation in a non-equilibrium state of aluminum and silicon. Further, the columnar aluminum portion 5031 stands straight in the vertical direction of the substrate, and the columnar aluminum portion 5031 is mainly selected by being immersed in an acid or alkali that does not dissolve silicon such as phosphoric acid but dissolves the columnar aluminum portion 5031. It can be dissolved and removed.
[0115]
The columnar aluminum portion 31 can also be removed by anodizing the aluminum silicon structure in an aqueous solution such as sulfuric acid. At this time, the silicon portion 5030 is oxidized during anodization, and (AlX Si1-X )Y O1-Y It becomes. Therefore, the range of x is preferably in the range of x = 0.01 to 0.2. The end of the anodic oxidation is preferably completed within 30 to 60 seconds from the time when the pores reach the underlayer. Alternatively, the anodic oxidation may be performed until the current value of the anodic oxidation reaches a minimum value.
[0116]
When SiGe is used as the second material, the SiGe portion 5030 is oxidized during anodic oxidation, and (Alp (Siq Ge1-q )1-p )r O1-r It becomes. Therefore, it is preferable that the range of p falls within the range of 0 <p ≦ 0.2 and the range of q falls within the range of 0 <q <1. Also preferably, 0 <p ≦ 0.1. The range of q can be 0 ≦ q ≦ 1. The oxidation state is in the range of 0.334 ≦ r ≦ 0.9, and preferably in the range of 0.334 ≦ r ≦ 0.5.
[0117]
The aluminum silicon structure preferably has a columnar aluminum diameter 5032 in the range of 1 nm to 9 nm and a columnar aluminum interval 5033 in the range of 3 nm to 10 nm, depending on the composition. In the case of an Al—SiGe structure, although depending on the composition, the columnar Al diameter 5032 ranges from 1 nm to 15 nm, and the columnar Al interval 5033 ranges from 3 nm to 20 nm.
[0118]
In the invention according to this embodiment, the columnar structure portion 4021 of FIG.0 By using a hard magnetic material whose main component is MPt (M = Co, Fe, Ni) having a regular structure, high-density recording and sufficient signal detection can be performed more suitably. The diameter 4022 of the columnar structures is in the range of 1 to 9 nm (in the case of using SiGe as the second material, it is in the range of 1 to 15 nm), and the interval 4023 between the columnar structures is in the range of 3 to 10 nm (in the second material) In the case of using SiGe, the range of 3 to 20 nm is preferable, and the aspect ratio of the cylinder is desirably about 2 to 10. Particularly preferably, the diameter 4022 of the columnar structures is 3 to 7 nm (5 to 10 nm when SiGe is used as the second material), and the interval 4023 between the columnar structures is in the range of 4 to 8 nm (in the second material). When SiGe is used, it is 7 to 12 nm).
[0119]
The cross-sectional shape of the pores (nanoholes) 4024 is preferably circular, and each cross-section is preferably uniform. Further, it is desirable that the columnar structure is straight and perpendicular to the base layer.
[0120]
Further, the non-magnetic portion 4020 is made of (AlX Si1-X )Y O1-Y In this case, the range of x is preferably x = 0.01 to 0.2. When SiGe is used as the second material, the nonmagnetic part is (Alx (Siy Ge1-y )1-x )z O1-z In this case, it is preferable that the range of x is 0 <x ≦ 0.2 and the range of y is 0 <y <1. Also preferably, 0 <x ≦ 0.1. The range of y can be 0 ≦ y ≦ 1. The oxidation state is in the range of 0.334 ≦ z ≦ 0.9, and preferably in the range of 0.334 ≦ z ≦ 0.5.
[0121]
In addition, vacuum deposition, CVD, sputtering, or the like can be used to embed fillers in the pores, but electrodeposition is preferred for embedding in pores having a large aspect ratio. In addition to changing the electrodeposition solution during electrodeposition, a method of performing pulse electrodeposition in a solution containing ions having different electrolytic potentials can be used to produce a laminated film by electrodeposition. That is, ions having a small electrolysis potential such as Pt, Cu, Ni, etc. are added at a small ratio to an electrodeposition solution containing Co ions having a large electrolysis potential, and only ions having a small electrolysis potential are deposited at a low voltage, and then a high voltage is applied. It is possible to deposit Co at a high concentration. L10 Also in the formation of MPt (M = Co, Fe, Ni) having an ordered structure, a heat treatment may be performed after forming a laminated film by pulse electrodeposition.
[0122]
Various metals can be used as the base layer B3013 located below the recording layer 4014. However, in order to produce a laminated film in the pores by electrodeposition, an fcc structure is used from the viewpoint of electrodeposition controllability. It is preferable that a certain Pt, Pd, Cu, Ir, Rh, other noble metals and their alloys are (001) oriented in the direction perpendicular to the substrate. Moreover, as long as it is in the range which takes this orientation, you may contain 1 or more types of W, Nb, Ti, Si, O etc. other than the main component. Furthermore, L10 , L11 Or L12 A film having any one of the following regular structures and crystallized in a square shape in the in-plane direction of the substrate may be used as the base layer B3013. Specifically, L1 mainly composed of MPt (M = Co, Fe, Ni), FePd, TiAl, CuAu.0 Regular structure or L1 mainly composed of CuPt1 Regular structure or CuThree Au, AlThree Ti, FePdThree , NiThree X (X = Fe, Mn, Al), PtThree X (X = Co, Fe, Mn, Ag, Al), PtXThree L1 whose main component is (X = Ag, Au, Fe, Mn, Ni)2 You may select from a rule structure etc. Furthermore, it is preferable to insert (001) -oriented MgO for controlling the orientation of the foundation layer B3013.
[0123]
The film (layer) arranged in a square shape in the in-plane direction of the substrate here is a film (layer) oriented in the (001) direction perpendicular to the substrate in the fcc structure.0 , L12 The regular structure is a film (layer) in which the vertical direction of the substrate is constituted by {001} planes, that is, a film (layer) in which the c-axis stands,1 In the regular structure, the case where the vertical direction of the substrate is a film (layer) composed of {001} planes is indicated.
[0124]
In the present invention, L10 The regular structure is a structure shown in FIG. L11 The regular structure is a structure shown in FIG. L12 The regular structure is a structure shown in FIG.
Further, fcc described in the present specification is an abbreviation for face centered cubic.
[0125]
Further, as the configuration of the columnar structure portion 4021 in the recording layer 3014 described above, as shown in FIGS. 6 and 7, for example, as shown in FIG. 6 and FIG.0 Regular structure) 6051 (FIG. 6A), or hard magnetic material (L1)0 Regular structure) 6051 / non-magnetic material 6054 (FIG. 6B), or hard magnetic material (L1)0 Regular structure) 6051 / soft magnetic body 6055 (FIG. 6C), or hard magnetic body (L1)0 Regular structure) 6051 / soft
[0126]
Here, the hard magnetic material (L10 The (regular structure) is c-axis oriented in the substrate vertical direction, and the non-magnetic and soft magnetic materials have an fcc structure (001) oriented in the substrate vertical direction. Also, hard magnetic material (L10 The (regular structure) portion is mainly composed of MPt (M = Co, Fe, Ni) and may contain one or more of Ag, Pd, Ir, Rh, Cu, Cr, P, and B. In addition, the non-magnetic portion preferably has an fcc structure and contains either noble metal or Cu as a main component and is (001) oriented in the substrate vertical direction. In addition to the main component precious metal and Cu, one or more of W, Nb, Ti, Si, O, and the like may be included.
[0127]
The soft magnetic material portion is NiZ Fe1-Z The main component is Z, and the range of Z is preferably 0.65 to 0.91, and may further include Ag, Pd, Ir, Rh, Cu, Cr, P, B, and the like. The non-magnetic part is preferably one or a plurality of oxides, nitrides, silicon, carbon, etc. of Al, Si, Ge.
[0128]
Further, the hard magnetic material (L10 Other than regular structure), non-magnetic material, soft magnetic material, L12 It is also possible for a regular structure part to be present. For example, the structure of the columnar structure is L1 from the top.2 Regular structure (FeThree Pt) / L10 Regular structure (FePt) (FIG. 7 (f)) and L10 Regular structure (FePt) / L12 Regular structure (FePtThree ) (FIG. 7G) is possible. At this time, the boundary between each structure may be clear and may change sequentially. In particular, it is highly likely to appear as a result of the effect of interdiffusion due to annealing, and in this case, the boundary between ordered phases is considered to be unclear.
[0129]
Further, the columnar structure portion is preferably epitaxially grown. This is because the fcc structure of the base layer B13 or L1.0 Regular structure, L11 Regular structure or L12 This means that the columnar structure portion grows while maintaining a certain crystal orientation, influenced by the plane of the crystal structure arranged in a square shape in the in-plane direction of the substrate. This does not deny the case of not being a single crystal, or the case of lattice mismatch with the underlying layer B13. In addition, the heat treatment makes L1 highly perpendicular to the substrate0 It is also possible to orient the c-axis of the regular structure. At this time, the base layer B3013 and the columnar structure portion 4021 may partially diffuse each other.
[0130]
As the substrate 3010, glass, aluminum, carbon, plastic, Si, or the like is preferably used as the substrate. In the case of an aluminum substrate, it is desirable to form a NiP film as a base layer by plating or the like in order to ensure hardness.
[0131]
In addition, it is effective to form the soft magnetic layer 3012 as a backing layer between the substrate 3010 and the base layer B3013. At that time, if necessary to form the soft magnetic layer 3012, the base layer A3011 is inserted. Is preferred. As the backing layer, NiZ Fe1-Z Is preferable, and the range of Z is preferably 0.65 to 0.91, and some of them include Ag, Pd, Ir, Rh, Cu, Cr, P, B, etc. But it ’s okay. At this time, the MgO layer, the base layer A3011, the soft magnetic layer 3012, and the base layer B3013 may be arranged in this order from the bottom, or the soft magnetic layer 3012, the MgO layer, and the base layer B3013.Z Fe1-Z In this case, (001) orientation is preferable, but other soft magnetic materials can also be used, and other states such as amorphous may be used.
[0132]
The upper surface of the magnetic recording medium is precisely polished using diamond slurry or the like, and its Rms (root mean square) is 1 nm or less. Further, it is preferable to form a protective layer 3015 on the surface, and in order to have wear resistance against friction with the head, non-hard materials with high hardness such as carbonite and nitride are used in addition to carbon. Is effective.
[0133]
The lubricating layer is preferably coated with PFPE (perfluoropolyether).
[0134]
The formation of the porous body can be performed by etching instead of the anodic oxidation of the above-described structure. Further, the porous material may be an oxide as necessary, and may be a non-oxide. For example, a configuration in which the porous body is amorphous silicon or the pore walls are selectively oxides is also possible.
[0135]
<Method for Manufacturing Perpendicular Magnetic Recording Medium>
Hereinafter, the method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium according to the present invention will be described in detail.
Note that in the structure (1001 in FIG. 1) having a columnar member and a region surrounding the columnar member, the case where silicon is selected as the second material constituting the region will be described. However, another material such as SiGe is selected. The same applies to the case.
[0136]
FIG. 11 is a process diagram showing one embodiment of the method for producing a perpendicular magnetic recording medium of the present invention. In FIG. 11, the method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium according to the present embodiment comprises a fine hole filled with a columnar structure standing in a direction perpendicular to the substrate, and silicon oxide having the fine hole. The present invention relates to a method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium having a recording layer, and includes the following steps (a) to (d).
[0137]
(A) Process: A base layer is formed on a substrate.
An underlayer having a square crystal arrangement is formed on the substrate in parallel to the substrate surface.
(B) Step: Next, by the process of simultaneous deposition of aluminum and silicon in a non-equilibrium state, a columnar aluminum portion containing aluminum as a component and silicon disposed so as to surround the columnar aluminum portion are formed on the substrate. An aluminum silicon structure having a silicon portion as a component is formed.
[0138]
Step (c): The columnar aluminum portion of the aluminum silicon structure is removed to form pores, and the silicon portion containing silicon as a component is oxidized.
Step (d): A portion containing MPt (M = Co, Fe, Ni) as a main component in the pores is formed by electrodeposition, and then annealed to perform c-axis oriented L1 in the substrate vertical direction.0 A recording layer is formed by filling a columnar structure including a hard magnetic part having a regular structure.
Step (e): A protective layer and a lubricating layer are sequentially formed on the recording layer.
[0139]
Next, each process will be described in order.
(A) Process: Underlayer forming process
An underlayer having a square crystal arrangement is formed on the substrate in parallel to the substrate surface.
The underlayer can be formed by a sputtering method, a vacuum deposition method, a molecular beam growth method, or the like. The underlayer may be one layer or two layers. Further, as shown in FIG. 1, two layers of a base layer A <b> 11 and a base layer B <b> 13 may be provided on the substrate via the soft magnetic layer 12.
[0140]
(B) Process: Formation process of aluminum silicon structure
Next, an aluminum having a columnar aluminum portion containing aluminum as a component on the substrate and a silicon portion containing silicon as a component surrounding the columnar aluminum portion by the process of simultaneous deposition of aluminum and silicon in a non-equilibrium state A silicon structure is formed.
[0141]
The present invention is particularly characterized in the step of forming an aluminum silicon structure, which will be described below.
An aluminum silicon structure is formed on the base layer of the substrate by using a film forming method in which a material is formed in a non-equilibrium state between aluminum and silicon. Here, an example in which a sputtering method is used as a film formation method for forming a substance in a non-equilibrium state is shown.
[0142]
As shown in FIG. 11, an aluminum silicon structure 6 is formed on a substrate 10 on which an underlayer 5 has been formed by magnetron sputtering, which is a film forming method for forming a material in a non-equilibrium state. The aluminum silicon structure 6 includes a columnar aluminum portion 7 having a composition containing aluminum as a component and a silicon portion 8 having silicon as a component around the aluminum portion.
[0143]
With reference to FIG. 2 again, a method for forming an aluminum silicon structure by sputtering will be described as a method for forming a film in a non-equilibrium state. In FIG. 2, 1003 is a substrate, and 2003 is a sputtering target. When the sputtering method is used, the ratio of aluminum and silicon can be easily changed.
[0144]
As shown in FIG. 2, an aluminum silicon structure is formed on a
[0145]
Silicon and aluminum as raw materials are achieved by disposing a
[0146]
Alternatively, a fired aluminum silicon product obtained by firing a predetermined amount of aluminum and silicon powder can be used as a target material for film formation.
Alternatively, a method of separately preparing an aluminum target and a silicon target and simultaneously sputtering both targets may be used.
[0147]
The amount of silicon in the formed film is 20 to 70 atomic%, preferably 25 to 65 atomic%, more preferably 30 to 60 atomic%, based on the total amount of aluminum and silicon. If the amount of silicon is within such a range, an aluminum silicon structure in which aluminum columnar structures are dispersed in the silicon region can be obtained. (Note that when SiGe is selected as the second material, the amount of SiGe in the formed film is 20 to 70 atomic%, preferably 25 to 65 atomic%, based on the total amount of Al and SiGe. If the amount of SiGe is within such a range, an Al—SiGe structure in which Al columnar structures are dispersed in the SiGe region can be obtained. Any number is acceptable, and the difference in composition is reflected as the difference in the diameter and interval of columnar Al.)
[0148]
The atomic% indicating the ratio of aluminum to silicon indicates the ratio of the number of atoms of silicon and aluminum, and is also described as atom% or at%. For example, in an inductively coupled plasma atomic emission spectrometry, It is a value when the amount of silicon and aluminum is quantitatively analyzed.
[0149]
In the above ratio, atomic% is used as a unit. However, when wt% is used as a unit, when silicon is 20 atomic% or more and 70 atomic% or less, it is 20.65 wt% or more and 70.84 wt% or less. . Conversion from atomic% to wt% is carried out by calculating the weight ratio of aluminum to silicon by setting the atomic weight of aluminum to 26.982 and the atomic weight of silicon to 28.086, and from the value of (weight ratio) × (atomic%) to wt%. It can be converted.
The substrate temperature is, for example, 200 ° C. or lower.
[0150]
Note that when an aluminum silicon structure is formed by such a method, aluminum and silicon form a metastable eutectic structure, and aluminum forms a columnar structure having a level of several nanometers and is separated in a self-organizing manner. The aluminum at that time has a substantially cylindrical shape, the pore diameter is, for example, 1 to 9 nm, and the interval is, for example, 3 to 10 nm. (When SiGe is selected as the second material, the pore diameter is 1 to 15 nm and the interval is 3 to 20 nm.)
The amount of silicon in the aluminum silicon structure can be controlled, for example, by changing the amount of silicon chips placed on the aluminum target.
[0151]
When film formation is performed in a non-equilibrium state, particularly in the case of sputtering, the pressure in the reaction apparatus when argon gas is flowed is preferably about 0.2 to 1 Pa. However, it is not particularly limited to this, and any pressure may be used as long as argon plasma is stably formed.
[0152]
A sputtering method is preferable as a film forming method for forming a material in a non-equilibrium state, but a film forming method for forming a material in any non-equilibrium state such as resistance heating vapor deposition and electron beam vapor deposition (EB vapor deposition) can be applied. is there.
[0153]
As a method for forming a film, a simultaneous film formation process in which silicon and aluminum are formed at the same time may be used, or a stacked film formation process in which silicon and aluminum are stacked in several atomic layers may be used.
[0154]
The
[0155]
The composition of the columnar aluminum portion 7 containing aluminum is mainly composed of aluminum, but may contain other elements such as silicon, oxygen, and argon as long as a microstructure having a columnar structure is obtained. . Note that the main component means that the proportion of aluminum is 80 atomic% or more, preferably 90 atomic% or more in the component composition ratio of the columnar structure portion.
[0156]
Further, the composition of the silicon portion 8 surrounding the columnar aluminum portion is composed of silicon, but if a fine structure having a columnar structure is obtained, it contains various elements such as aluminum, oxygen, and argon. May be. Note that the main component is a silicon component ratio of 80 atomic% or more, preferably 80 to 98 atomic%, more preferably 93 to 98 atomic% in the component composition ratio of the silicon portion. (Note that when SiGe is selected as the second material, the composition of the SiGe portion surrounding the columnar Al portion is composed of SiGe, but a fine structure having a columnar structure is obtained. It may contain various elements such as Al, O, Ar, etc. In addition, as a main component, the ratio of SiGe in the component composition ratio of the SiGe portion is 80 atomic% or more, preferably in the range of 85 to 99 atomic%. preferable.)
[0157]
As described above, by simultaneously sputtering aluminum and silicon on the substrate, an aluminum-silicon structure composed of innumerable columnar aluminum portions standing in the vertical direction of the substrate and silicon portions arranged so as to surround the side surfaces thereof is formed. The Preferably, the diameter of the columnar aluminum at this time is 1 to 9 nm, and the interval between the columnar aluminums is 3 to 10 nm. These diameters and intervals are determined from the composition ratio of aluminum and silicon.
[0158]
The silicon portion 8 surrounding the columnar aluminum portion 7 of the structure becomes a nonmagnetic portion 20 made of a nonmagnetic material surrounding the periphery of the columnar structure portion 21 of the hard magnetic material. Silicon part 8 is made of Alx Si1-x It is preferable to consist of the following composition. x = 0.01-0.2, Preferably 0.02-0.07 is shown. (Note that when SiGe is selected as the second material, the diameter of the columnar Al is 1 to 15 nm, and the interval between the columnar Al is 3 to 20 nm. These diameters and intervals are Al and Si. It is determined from the composition ratio with Ge.
[0159]
The SiGe portion 8 surrounding the columnar Al portion 7 of the structure becomes a nonmagnetic portion 20 made of a nonmagnetic material surrounding the periphery of the columnar structure portion 21 of the hard magnetic material after being oxidized. The SiGe portion 8 before oxidation is Alx (Siy Ge1-y )1-x The range of x is 0 <x ≦ 0.2, preferably 0 <x ≦ 0.1. Further, the range of y is 0 <y <1, but 0 ≦ y ≦ 1 is also possible. )
[0160]
(C) Step: Step of forming pores in the structure and oxidizing the silicon portion
Next, the columnar aluminum portion of the aluminum silicon structure is removed to form pores, and the silicon portion containing silicon as a component is oxidized.
This step can be performed by the following two methods.
[0161]
The first is a step of forming pores by etching only columnar aluminum portions containing aluminum as a component by anodic oxidation in an acid solution. The columnar aluminum portion is eluted by anodic oxidation in a solution such as sulfuric acid to form fine pores. In this case, the silicon portion is oxidized by anodic oxidation and (Alx Si1-x ) OY 1-Y (X = 0.01 to 0.2). (Note that when SiGe is selected as the second material, the SiGe portion is oxidized by anodic oxidation, and (Alx (Siy Ge1-y )1-x )z O1-z Therefore, 0 <x ≦ 0.2 and 0 <y <1. Also preferably, 0 <x ≦ 0.1, and the range of y can be 0 ≦ y ≦ 1. )
[0162]
The second is a step of forming pores by selectively etching a columnar aluminum portion containing aluminum as a component by dipping in an acid solution. It is possible to remove aluminum and form fine pores by immersing in a solution that dissolves only aluminum without dissolving silicon, such as phosphoric acid. In this case, the silicon portion is oxidized by performing annealing in an oxidizing atmosphere in a separate process to generate silicon oxide.
[0163]
(D) Step: A step of filling a columnar structure containing a hard magnetic material in the pores to form a recording layer
Next, a portion mainly composed of MPt (M = Co, Fe, Ni) is formed in the pores by electrodeposition, and then annealed to perform c-axis alignment L1 in the substrate vertical direction.0 A recording layer is formed by filling a columnar structure including a hard magnetic part having a regular structure.
[0164]
Annealing is performed for order alloying. The annealing method is preferably performed by RTA (Rapid Thermal Annealing) in order to suppress mutual diffusion.
[0165]
In this step, before or after the step of electrodepositing the main part of MPt (M = Co, Fe, Ni) of the columnar structure in the pores, a tetragonal crystal arrangement parallel to the substrate surface Fcc structure with L1,0 Or L12 You may perform the process of electrodepositing the part which consists of any structure of a regular structure.
[0166]
In addition, when filled by electrodeposition, the magnetic material overflowing above the pores is subjected to precision polishing using diamond slurry, colloidal silica, etc., and its Rms (root mean square) is 1 nm or less. It is preferable.
By performing the above steps, the recording layer described above can be formed.
[0167]
(E) Step: Step of sequentially forming a protective layer and a lubricating layer on the recording layer
The protective layer is preferably formed by a plasma CVD method. The lubricating layer is preferably formed by spin coating or dipping and pulling up.
[0168]
The magnetic recording medium of the present invention is effective as a perpendicular magnetic recording medium. For use as a magnetic recording / reproducing apparatus, as shown in FIG. 8, in addition to the magnetic recording medium 8061, read / write magnetic head 8063, drive control of a motor, etc. It is necessary to incorporate a device, a signal processing circuit, a dustproof case, and the like. However, in the magnetic recording / reproducing apparatus, the driving of the magnetic recording medium is not limited to the rotation, and the driving of the magnetic head is not limited to the slide on the circumference. Reference numeral 8062 denotes a magnetic recording medium driving unit, 8065 denotes a signal processing unit, and 8064 denotes a magnetic head driving unit.
[0169]
In order to use the magnetic recording / reproducing apparatus as an information processing apparatus, as shown in FIG. 9, in addition to the magnetic recording / reproducing apparatus 9072, a memory unit 9074, a calculation unit 9073, a power supply 9075, and an external input / output unit 9076 are connected. It is necessary to form an information processing apparatus in which the wiring 9077 to be stored is stored in the storage container 9071. In the information processing apparatus, the wiring can be either wired or wireless.
[0170]
(Third embodiment: AlSi is applied to the soft magnetic layer)
In this embodiment, a magnetic recording device (specifically, a magnetic recording medium), a magnetic recording / reproducing apparatus, and an information processing apparatus using the magnetic recording / reproducing apparatus will be described as functional devices. In particular, an invention relating to a soft magnetic layer of a two-layer perpendicular magnetic recording medium suitable for high density recording will be described.
[0171]
With the dramatic increase in information processing in recent years, information recording technology such as a magnetic disk device is also required to have a large capacity. Particularly in hard disks, the amount of recorded information per unit area is increasing at a rate exceeding 60% per year. In the future, it is desired to increase the amount of information recorded, and it is also desired to reduce the size and increase the density of portable recording devices.
[0172]
Conventionally used magnetic recording media for hard disks are of the longitudinal magnetic recording system, and magnetization is recorded parallel to the disk surface. In this longitudinal magnetic recording system, it is necessary to reduce the thickness of the magnetic recording layer in order to suppress the demagnetizing field in the magnetic domain as the density increases and to generate a magnetic field above the medium in order to detect the magnetization state. Therefore, the volume per magnetic fine particle becomes extremely small, and the superparamagnetic effect tends to occur. That is, the energy that stabilizes the magnetization direction becomes smaller than the thermal energy, the recorded magnetization changes with time, and the recording is erased. For this reason, in recent years, research has been actively conducted to shift to a perpendicular magnetic recording system in which the thickness of the recording layer can be increased in place of the longitudinal magnetic recording.
[0173]
The strength of the perpendicular magnetic recording method is that the restriction on the film thickness in the direction perpendicular to the substrate is weakened, and the volume reduction accompanying the reduction of the recording area can be remarkably suppressed. At present, a perpendicular magnetic recording medium has been proposed as a type using a single magnetic recording layer and a two-layer type using a soft magnetic layer having a high magnetic permeability as a backing layer and a hard magnetic recording layer thereon. In the latter case, a magnetic circuit that concentrates the magnetic field from the perpendicular magnetic head on the recording layer and passes the magnetic field horizontally through the soft magnetic layer to the head side is configured. It is known that the two-layer type using this backing layer (Japanese Patent Laid-Open No. 52-78403) exhibits the effect of improving the recording / reproducing characteristics.
[0174]
However, in a two-layer perpendicular magnetic recording medium using a soft magnetic layer as a backing layer, spike-like noise is observed during recording and reproduction, which is called Barkhausen noise. This is considered to be a problem of the state change of the domain wall existing in the soft magnetic layer, and stabilization of this domain wall is essential for eliminating noise.
[0175]
Therefore, measures are taken such as a method of applying a bias magnetic field for the purpose of suppressing the movement of the domain wall, or eliminating the domain wall by using a granular film as shown in FIG. 14 (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-101644). ing. In particular, it is effective to use a granular film composed of a soft magnetic particle portion 1531 and a nonmagnetic material portion 1530 in order to eliminate a domain wall. However, the shape and size distribution of the soft magnetic particle portion 1531 and the particles in the granular film are effective. It is very difficult to control the density. That is, it is desired to make the soft magnetic particle diameter 1532 uniform and the soft magnetic particle spacing 1533 uniform. That is, in the above prior art, the shape, size distribution, and particle density distribution of the soft magnetic particles in the granular film are problematic, and it is difficult to make the average magnetic permeability uniform.
[0176]
The present inventors have found that a columnar structure standing in a direction perpendicular to the substrate is preferable as the shape when the soft magnetic material is dispersed in the nonmagnetic base material. In this case, a columnar soft magnetic body having the same height as the film thickness exists in the direction perpendicular to the substrate, and the height fluctuation can be extremely suppressed. Also, in the in-plane direction, a columnar soft magnetic material having a small diameter fluctuation can be produced.
[0177]
That is, in this embodiment, the
The invention according to this embodiment will be specifically described below.
[0178]
The invention according to the third embodiment is a magnetic recording medium having a soft magnetic layer and a recording layer on a substrate, wherein the soft magnetic layer includes a columnar soft magnetic material and a nonmagnetic material region surrounding the soft magnetic material. It is characterized by comprising. Here, it is preferable that the soft magnetic material stands in a direction perpendicular to the substrate.
[0179]
The invention relating to the magnetic recording medium according to the present embodiment will be described with reference to the drawings.
In FIG. 3, 3010 is a substrate, 3011 is an underlayer A, 3012 is a soft magnetic layer, 3013 is an underlayer B, 3014 is a recording layer, 3015 is a protective layer, and 3016 is a lubricating layer. In FIG. 15, 1620 is a nonmagnetic region, 1621 is a columnar soft magnetic body, 1622 is a diameter of the columnar soft magnetic body, and 1623 is an interval between the columnar soft magnetic bodies.
[0180]
On the substrate 3010, an underlayer A3011, a soft magnetic layer 3012, an underlayer B3013, a recording layer 3014, a protective layer 3015, and a lubricating layer 3016 are arranged in this order, and particularly in the soft magnetic layer 3012, as shown in FIG. Further, the non-magnetic region 1620 and the columnar soft magnetic body 1621 have a diameter 1622 in the range of 1 to 9 nm and the columnar soft magnetic interval 1623 is in the range of 3 to 10 nm. Arranged by value. Note that these numerical values are values when aluminum is used as the first material of the
[0181]
The base layer A3011 is composed of a single layer or two or more nonmagnetic conductive films provided between the substrate 3010 and the soft magnetic layer 3012. In forming the columnar soft magnetic body 1621 in the soft magnetic layer 3012, In the case of producing by a deposition method, it is preferable to serve as an electrode and also to play a role for controlling orientation. In particular, it is preferable to use a metal film containing Pt, Pd, Cu, Ag, or the like as a component. In addition to a single layer film, a plurality of films can be used depending on the purpose.
[0182]
The underlayer B3013 is made of a single layer or two or more nonmagnetic conductive films provided between the soft magnetic layer 3012 and the recording layer 3014, and plays a role in controlling the orientation in the recording layer 3014. It is preferable. In particular, it is preferable to use a metal film containing Pt, Pd, Cu, Ag, or the like as a component. In particular, it is preferable to provide orientation such as these (111) plane and (001) plane. Therefore, it is possible to add a layer for controlling the orientation of the metal film such as MgO in advance and use a plurality of films as the underlayer.
[0183]
Any substrate 3010 can be used as long as it has a flat surface, but glass, aluminum, carbon, plastic, MgO, Si, or the like is particularly preferably used as the substrate. In the case of an aluminum substrate, it is desirable to form a NiP film as a base layer by plating or the like in order to ensure hardness.
[0184]
In the soft magnetic layer 3012 described above, the nonmagnetic region 1620 is made of silicon, its oxide, nitride, or the like. In particular, a formation method by annealing in an oxygen atmosphere or an ammonia atmosphere may be used, but silicon may be oxidized by anodization in sulfuric acid, oxalic acid, phosphoric acid solution, or the like. That is, a structure in which columnar aluminum is dispersed in a silicon region is prepared, and the aluminum portion and the soft magnetic material are replaced by removing the aluminum portion.
[0185]
The columnar soft magnetic material 1621 is preferably made of CoFe, NiFe or the like. The silicon portion of the nonmagnetic region 1620 is made of Al.x Si1-x (X = 0.01 to 0.2) is preferable. Further, these oxides are also preferable, and (Alx Si1-x )y O1-y (X = 0.01 to 0.2), and the value of y is not particularly limited.
[0186]
The recording layer 3014 is made of Co50Pt50, Fe50Pt50Or (CoFe)50Pt50L1 mainly composed of0 It is preferable to have a regular structure, a cylindrical shape having a diameter of about 1 to 9 nm, and a structure in which each is separated by a nonmagnetic material of 3 to 10 nm. In addition, as a recording layer, Mx Pt1-x It may include at least one of (M = Fe, Co, Ni). Note that the range of x is 0.3 to 0.7, and more preferably 0.4 to 0.6.
[0187]
The protective layer 3015 is preferably made of DLC (diamond-like carbon), such as a carbon film.
The lubricating layer 3016 is preferably made of a commercially available product applied to a hard disk or the like.
[0188]
<Method for Manufacturing Perpendicular Magnetic Recording Medium>
Hereinafter, a method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium of the present invention will be described in detail.
FIG. 16 is a process diagram showing one embodiment of the method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium according to the present invention. In FIG. 16, the method for manufacturing a perpendicular magnetic recording medium of the present invention is characterized by having the following steps (a) to (d).
[0189]
(A) Process: The base layer A is formed on the substrate.
(B) Step: Next, by the process of simultaneous deposition of aluminum and silicon in a non-equilibrium state, the substrate is mainly composed of columnar structure portions mainly composed of aluminum and surrounding the columnar structure portions. A nonmagnetic region is formed.
[0190]
(C) Process: It consists of the process of replacing the columnar structure part which has this aluminum as a main component with a columnar soft magnetic body. Etching only columnar structures mainly composed of aluminum by immersion in acid solution to form fine columnar vacancies, or etching only columnar structures mainly composed of aluminum by anodic oxidation in acid solution Thus, fine columnar holes are formed, and the soft magnetic layer is formed by filling the fine columnar holes with a soft magnetic material.
Step (d): An underlayer B, a recording layer, a protective layer, and a lubricating layer are sequentially formed on the soft magnetic layer.
[0191]
Next, each process will be described in order.
(A) Process: Underlayer film forming process
A base layer A is formed on the substrate. The underlayer A is preferably formed by sputtering using a metal film containing Pt, Pd, Cu, Ag, or the like as a component. A single-layer film or a plurality of films can also be used. However, the film forming method is not limited to the sputtering method as long as the film can be formed flat, and is not limited to the sputtering method.
[0192]
(B) Process: Aluminum silicon layer formation process
Next, by the process of simultaneous deposition of aluminum and silicon in a non-equilibrium state, a columnar structure portion containing aluminum as a main component on the substrate and a silicon region containing silicon as a main component so as to surround the columnar structure portion ( An aluminum silicon layer having a nonmagnetic region is formed.
[0193]
Since the present invention is particularly characterized in the step of forming the aluminum silicon layer, this step will be described below.
An aluminum silicon layer is formed on the base layer A of the substrate by using a film forming method in which a material is formed in a non-equilibrium state between aluminum and silicon. Here, an example in which a sputtering method is used as a film formation method for forming a substance in a non-equilibrium state is shown.
[0194]
As shown in FIG. 12, an aluminum silicon layer 1835 is formed on a base layer A3011 formed on a substrate 3010 by a magnetron sputtering method which is a film forming method for forming a substance in a non-equilibrium state. The aluminum silicon layer 1835 includes an aluminum columnar structure 1837 having a composition containing aluminum as a main component and a silicon region 1838 having silicon as a main component around it.
[0195]
A method for forming an aluminum silicon layer by sputtering will be described as a method for forming a film in a non-equilibrium state with reference to FIG. In FIG. 2, 1003 is a substrate, and 2003 is a sputtering target. When the sputtering method is used, the ratio of aluminum and silicon can be easily changed. As shown in FIG. 2, an aluminum silicon layer is formed on a
[0196]
Silicon and aluminum as raw materials are achieved by disposing a
[0197]
Alternatively, a fired aluminum silicon product obtained by firing a predetermined amount of aluminum and silicon powder can be used as a target material for film formation.
Alternatively, a method of separately preparing an aluminum target and a silicon target and simultaneously sputtering both targets may be used.
[0198]
The amount of silicon in the formed film is 20 to 70 atomic%, preferably 25 to 65 atomic%, more preferably 30 to 60 atomic%, based on the total amount of aluminum and silicon. If the amount of silicon is within such a range, an aluminum silicon layer in which aluminum columnar structures are dispersed in the silicon region can be obtained.
Further, the substrate temperature is 200 ° C. or lower, preferably 100 ° C. or lower.
[0199]
Note that when an aluminum silicon layer is formed by such a method, aluminum and silicon form a metastable eutectic structure, aluminum forms a columnar structure with a level of several nanometers, and is separated from silicon in a self-organizing manner. The diameter of the columnar aluminum at that time is 1 to 10 nm, and the interval is 3 to 15 nm.
[0200]
The amount of silicon in the aluminum silicon layer can be controlled, for example, by changing the amount of silicon chips placed on the aluminum target.
When film formation is performed in a non-equilibrium state, particularly in the case of sputtering, the pressure in the reaction apparatus when argon gas is flowed is preferably about 0.2 to 1 Pa. However, it is not particularly limited to this, and any pressure may be used as long as argon plasma is stably formed.
[0201]
A sputtering method is preferable as a film forming method for forming a material in a non-equilibrium state, but a film forming method for forming a material in any non-equilibrium state such as resistance heating vapor deposition and electron beam vapor deposition (EB vapor deposition) can be applied. is there.
[0202]
As a method for forming a film, a simultaneous film formation process in which silicon and aluminum are formed at the same time may be used, or a stacked film formation process in which silicon and aluminum are stacked in several atomic layers may be used.
[0203]
The aluminum silicon layer 1835 formed as described above includes an aluminum columnar structure 1837 having a composition containing aluminum as a main component and a silicon region 1838 having silicon as a main component around it.
[0204]
The composition of the columnar structure portion 1837 containing aluminum is mainly composed of aluminum. However, if a microstructure having a columnar structure is obtained, it may contain other elements such as silicon, oxygen, and argon. Good. Note that the main component means that the proportion of aluminum is 80 atomic% or more, preferably 90 atomic% or more in the component composition ratio of the columnar structure portion. In this case, it is important that the component composition ratio is easily dissolved in acid.
[0205]
In addition, the composition of the silicon region 1838 surrounding the aluminum columnar structure is mainly composed of silicon. If a microstructure having a columnar structure is obtained, various elements such as aluminum, oxygen, and argon are used. It may contain. Note that the main component is preferably a ratio of silicon of 80 atomic% or more, preferably 80 to 98 atomic%, more preferably 93 to 98 atomic% in the component composition ratio of the silicon region.
[0206]
As described above, aluminum and silicon are simultaneously sputtered on the substrate, thereby forming an aluminum silicon layer made of innumerable columnar aluminum standing in the vertical direction of the substrate and silicon arranged so as to surround the side surface thereof. Preferably, the diameter of the columnar aluminum at this time is 1 to 9 nm, and the interval between the columnar aluminums is 3 to 10 nm. These diameters and intervals are determined from the composition ratio of aluminum and silicon.
[0207]
The silicon region 1838 surrounding the aluminum columnar structure is a nonmagnetic region made of a nonmagnetic material surrounding the columnar soft magnetic body. The silicon region 1838, ie the non-magnetic region, is made of Alx Si1-x It is preferable to consist of the following composition. x = 0.01-0.2, Preferably 0.02-0.07 is shown. Of course, it is also preferable that Al is not substantially contained in the silicon region.
[0208]
(C) Process: The process of replacing a columnar structure part with a columnar soft magnetic body
Next, a step of replacing the columnar structure portion containing aluminum as a main component with a columnar soft magnetic material is performed. This step can be performed by the following two methods.
[0209]
The first is a step of forming fine columnar vacancies by immersing in an acid solution and etching only columnar structure portions mainly composed of aluminum. It is possible to remove the aluminum by immersing it in a solution that dissolves only aluminum without dissolving silicon, such as phosphoric acid, and form fine pores.
[0210]
The second is a step of forming fine columnar vacancies by etching only columnar structure portions mainly composed of aluminum by anodic oxidation in an acid solution. The aluminum portion is eluted by anodic oxidation in a solution of sulfuric acid or the like to form fine pores. In this case, oxidation of the silicon part is also achieved. In this case, the temperature of the anodic oxidation solution may be any temperature, and preferably 10 ° C to 30 ° C. Moreover, there is no limitation also in a density | concentration, It can use from 0.3 mol / l-7 mol / l. Further, regarding the anodic oxidation voltage, it is preferably 10 V or less, but is particularly preferably 2 V or less when the adhesion to the underlayer A11 is weak.
[0211]
Next, a soft magnetic layer is formed by filling the formed fine columnar holes with a soft magnetic material. It is possible to immerse in a plating solution for a soft magnetic material and fill the fine holes with the soft magnetic material by a plating method. That is, any soft magnetic material that can be plated can be used. In particular, CoFe and NiFe are effective from the viewpoint of plating. At this time, the base layer A3011 preferably functions as an electrode during electroplating and as a catalyst during electroless plating.
[0212]
In addition, when filled by the electrodeposition method, the soft magnetic material overflowing above the fine pores is subjected to precision polishing using diamond slurry, colloidal silica, etc., and its Rms (root mean square) is 1 nm. The following is preferable.
[0213]
Step (d): An underlayer B, a recording layer, a protective layer, and a lubricating layer are sequentially formed on the soft magnetic layer.
The underlayer B is preferably formed by sputtering, and the protective layer is preferably formed by CVD or sputtering. A single-layer film or a plurality of films can also be used. For the recording layer, the magnetic material is made of Co by the same manufacturing method as the soft magnetic layer of the present invention.50PtFive 0 , Fe50Pt50Or (CoFe)50Pt50It is preferable to form by making it equal. The lubricating layer is preferably formed by dipping or spin coating in a lubricating material.
[0214]
In the present embodiment, the case where the above-described AlSi structure is used when forming the soft magnetic layer has been described, but it is of course possible to transfer the AlSi structure to other portions, for example, the recording layer itself. is there.
[0215]
To use the perpendicular magnetic recording medium according to the present embodiment as a magnetic recording / reproducing apparatus, as shown in FIG. 8, in addition to the perpendicular magnetic recording medium 8061, a read / write magnetic head 8063, a drive control device such as a motor, signal processing, and the like. It is necessary to incorporate a circuit and a dustproof case. However, in the magnetic recording / reproducing apparatus, the driving of the perpendicular magnetic recording medium is not limited to rotation, and the driving of the magnetic head is not limited to only the slide on the circumference.
[0216]
In order to use the magnetic recording / reproducing apparatus as an information processing apparatus, as shown in FIG. 9, in addition to the magnetic recording / reproducing apparatus 9072, a memory unit 9074, a calculation unit 9073, a power supply 9075, and an external input / output unit 9076 are connected. It is necessary to have wiring 9077 to be connected. However, the information processing apparatus can be wired or wireless. Reference numeral 9071 denotes a storage container.
[0217]
Moreover, the porous body applicable to this embodiment should just be an oxide as needed, and may be a non-oxide. For example, a configuration in which the porous body is amorphous silicon or the pore walls are selectively oxides is also possible.
[0218]
【Example】
(Example 1: Light-emitting device)
In this embodiment, a case where a light emitting device is manufactured by filling a light emitting material in a portion where the
[0219]
First, using a sputtering method, a Pd film having a thickness of 50 nm was prepared on a glass substrate having a Pd film thickness of 20 nm. At this time, it was confirmed that the state of the AlSi film was that the columnar aluminum was standing in the vertical direction of the substrate, and a structure in which silicon was arranged so as to surround the side surface was formed in a self-organized manner. The diameter of the columnar aluminum was 4 nm and the distance between each was 7 nm. This was immersed in 5 wt% (wt%) phosphoric acid, and the aluminum portion was removed by etching to form 4 nm nanoholes. At this time, since the Pd layer is exposed at the bottom of the hole, ZnO can be electrodeposited using this as an electrode.
[0220]
Electrodeposition was performed at a voltage of −0.5 V by using a 0.1 mol / l zinc nitrate aqueous solution at 60 ° C., and placing oxidized AlSi nanoholes on the cathode. In this case, the electrodeposition was finished when the hole overflowed, and the portion overflowed by polishing was removed. In addition to etching with phosphoric acid, AlSi nanoholes have micropores by anodic oxidation and annealing in an oxygen atmosphere (AlX Si1-x )y O1-y It can be used even with a film.
[0221]
Furthermore, the electrodeposition solution is not limited to the zinc sulfate aqueous solution, but may be other types such as a chloride system. In particular, it may be dissolved in a small amount such as about 0.005 mol / l in a soluble organic solvent instead of an aqueous solution.
[0222]
In order to see the light emission characteristics, photoluminescence measurement of this sample was performed. A He—Cd laser of 325 nm was used as an excitation light source, and the light was emitted from the upper surface of the sample, that is, in parallel with the nanohole, and the emitted light was extracted in the same direction.
[0223]
As a result, it was confirmed that the light emission from this sample was located on the short wavelength side than the wavelength indicated by the light emission from the bulk of ZnO. This is related to the fact that the crystal grain size is limited by the AlSi nanohole, and the emission wavelength can be controlled by the hole size.
[0224]
(Example 2: Magnetic device)
On the glass substrate, Pt of 20 nm was formed, and an AlSi structure having a thickness of 50 nm was prepared. At this time, it was confirmed that the state of the AlSi film was that the columnar aluminum was standing in the direction perpendicular to the substrate, and a structure in which silicon was arranged so as to surround the side surface was formed in a self-organized manner. The diameter of the columnar aluminum was 4 nm and the distance between each was 7 nm. This was anodized by applying a voltage of 2 V in an aqueous sulfuric acid solution of 7 mol / l and 20 ° C. As a result, the columnar aluminum portion is removed, the silicon portion is oxidized, and has micropores (AlX Si1-x )y O1-y A film was formed. It was found by composition analysis that these were in the range of x = 0.01 to 0.2 with some fluctuations. Next, it was immersed in 1 mol / l of sodium hydroxide aqueous solution for 2 minutes, and the bottom of the micropores was made uniform. Thus, the Pt layer was exposed at the bottom of the hole, and this was used as an electrode for electrodeposition of a magnetic material. Similarly to Example 1, AlSi nanoholes formed by etching with phosphoric acid can also be used.
[0225]
First, for the filling of NiFe, a mixture of nickel sulfate (II) heptahydrate and iron sulfate (II) heptahydrate in a ratio of 1: 1 was used, and at 24 ° C. against the Ag / AgCl reference electrode— A voltage of 1.0 V was applied for electrodeposition. For the electrodeposition of FePt, 0.3 mol / l of iron (II) sulfate heptahydrate and 0.03 mol / l of hexachloroplatinic acid were used at a mixing ratio of 10: 1, and Ag / AgCl at 24 ° C. Electrodeposition was performed by applying a voltage of -1.5 V to the reference electrode.
[0226]
When these magnetic characteristics are observed with a hysteresis curve, NiFe has a coercive force of about 10 Oe and exhibits a soft magnetic characteristic. In addition, in the case of FePt, since it was regularly alloyed by annealing, it has a high holding force of 6 kOe in the direction perpendicular to the substrate with respect to the applied magnetic field of 13 kOe, the holding force is weak in the in-plane direction of the substrate, and high perpendicular magnetic anisotropy. Showed sex.
Thus, it can be seen that a magnetic device can be provided as a functional device by using the structure shown in FIG.
[0227]
(Example 3)
The present embodiment relates to a method for manufacturing a recording layer, and the shape and orientation of each.
On the glass substrate with the MgO film formed on the surface, Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh are selected from noble metals and Cu as the underlayer by sputtering vapor deposition, and each 5 nm is deposited separately, and all the AlSi structures ( Al50Si50A layer (a composition of Al 50 atomic%, Si 50 atomic%)) having a thickness of 200 nm was prepared.
[0228]
The sputtering target used was a 6-inch 15 mm square silicon chip placed on a circular aluminum target having a diameter of 4 inches (101.6 mm). Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was room temperature (25 ° C.).
[0229]
In this case, a target having six silicon chips placed on an aluminum target was used as the target. However, the number of silicon chips is not limited to this, and changes depending on sputtering conditions, and the composition of the AlSi layer is predetermined. It suffices if the silicon content is near. The target is not limited to a silicon chip placed on an aluminum target, and an aluminum chip placed on a silicon target may be used, or a target obtained by sintering silicon and aluminum may be used.
[0230]
At this time, the AlSi structure is in a self-organized structure in which the columnar aluminum portion stands in the vertical direction of the substrate as shown in FIG. 1 and the silicon portion is disposed so as to surround the side surface. It was confirmed that The diameter of the columnar aluminum was 4 nm and the distance between each was 7 nm.
[0231]
Next, anodization was performed by applying a voltage of 5 V in an aqueous sulfuric acid solution of 7 mol / l and 20 ° C. As a result, the columnar aluminum portion is removed, the silicon portion is oxidized, and has micropores (AlX Si1-x )y O1-y A film was formed. It was found by composition analysis that these were in the range of x = 0.01 to 0.2 with some fluctuations. Next, it was immersed in 1 mol / l of sodium hydroxide aqueous solution for 2 minutes, and the bottom part of the fine hole was made uniform. At this time, the Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh films are each oriented in the (001) direction with respect to the vertical direction of the substrate, and the Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh surfaces are exposed at the bottom of the nanohole. Had good electrical conductivity.
[0232]
As described above, as a representative example, CoPt and FePt, which are hard magnetic materials, are filled in pores in a sample having an underlayer of Pt. Here, for the electrodeposition of CoPt, 5 ml of 0.003 mol / l aqueous solution of chloroplatinic acid hexahydrate, 0.3 mol / l of cobalt (II) sulfate heptahydrate, 30 g / l of boric acid, 7 mg of magnesium sulfate 25 ml of an aqueous solution consisting of 50 g / l of hydrate was mixed and used at 24 ° C. In the electrodeposition of FePt, a solution in which the cobalt sulfate in the above CoPt solution was converted to iron (II) sulfate heptahydrate 0.3 mol / l was used.
[0233]
Electrodeposition was performed in the above solution using Ag / AgCl as a reference electrode and stirring at −2.0 V, −1.2 V, and −0.6 V.
Furthermore, the electrodeposits overflowing on the surface of these samples using a diamond slurry having a particle diameter of 1/4 μm were polished and removed. At this time, the surface Rms was 1 nm or less.
[0234]
When the above samples were observed with a field emission scanning electron microscope (FE-SEM), it was confirmed that CoPt and FePt were present in the pores, and the nanohole linearity was also excellent by observation from the cross section.
As a result of the ICP composition analysis, the composition shown in Table 2 below was obtained in consideration of the influence of Pt of the underlayer.
[0235]
[Table 2]
[0236]
From the above, the sample electrodeposited at -0.6 V has a low composition of Co and Fe, and is sufficiently large at -2.0 V.0 There was a large deviation from the composition of the ordered structure. At -1.2 V, the diffraction of fcc (002) was mainly observed for both CoPt and FePt.
[0237]
The sample electrodeposited at −1.2 V was sufficiently annealed at 700 ° C. for CoPt and 650 ° C. for FePt in vacuum, and then X-ray diffraction measurement was performed again. Then, in the sample electrodeposited at −1.2 V, both CoPt and FePt were L1.0 The peaks of the regular structures (001) and (002) were observed. When CoPt was calibrated with the diffraction intensity ratio of the powder sample in JCPDS, 78% of the samples were c-axis oriented in the direction perpendicular to the substrate, and the rest were in other directions. FePt was 74%. When the underlayer is a Pt (111) plane, L10 Since the regular structure CoPt (111) appears preferentially, by setting the underlayer to Pt (001), L10 It can be confirmed that the c-axis of the regular structure is preferentially oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0238]
Example 4
In this example, the same measurement as in Example 3 was performed when the underlying layer below the recording layer had a regular structure.
Hereinafter, an example using FePt as the underlayer will be described.
[0239]
First, L1 is sputtered on a glass substrate having a MgO film formed on the surface.0 Regular structure FePt 5nm (film thickness) and L11 CuPt5nm with regular structure and L12 Ordered FePtThree Each of 5 nm was formed separately, and then an AlSi structure was formed by 200 nm on all by sputtering.
[0240]
These three samples were anodized under the same conditions as in Example 1. As in the case of the Pt underlayer, it was confirmed that the square array surface was oriented in the direction perpendicular to the substrate, and the surface of each underlayer was exposed and had good conductivity at the bottom of the nanohole. In particular, L10 In the case of the regular structure, it was confirmed that the c-axis was oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0241]
As described above, the base layer is L1.0 In contrast to the regular structure, FePt, which is a hard magnetic material, was filled in the nanohole. Here, for the electrodeposition of FePt, 5 ml of 0.003 mol / l aqueous solution of chloroplatinic acid hexahydrate, 0.3 mol / l of iron (II) sulfate heptahydrate, 30 g / l of boric acid, 7 mg of magnesium sulfate 25 ml of an aqueous solution consisting of 50 g / l of hydrate was mixed and used at 24 ° C.
[0242]
Electrodeposition was performed at −1.2 V using Ag / AgCl as a reference electrode in the above solution. Furthermore, the electrodeposits overflowing on the surface of these samples using a diamond slurry having a particle diameter of 1/4 μm were polished and removed. At this time, the surface Rms was 1 nm or less.
[0243]
As a result of the X-ray diffraction measurement, the peak of fcc structure-FePt (002) was mainly shown. These samples were sufficiently annealed at 650 ° C. in vacuum, and then X-ray diffraction measurement was performed again. Then, L10 The peaks of the regular structures FePt (001) and (002) are seen, and when calibrated by the diffraction intensity ratio of the powder sample in JCPDS, it can be confirmed that 80% of the whole is oriented in the direction perpendicular to the substrate in the c-axis.
From the above, L1 as the underlayer0 Even when the ordered structure FePt is used, L1 is preferentially used.0 It can be confirmed that the c-axis of the ordered structure FePt is oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0244]
(Example 5)
In this example, the method and orientation of the nonmagnetic material and soft magnetic material in the structure of the filler in the pores, and the resulting hard magnetic material (L10 This is related to the orientation of the (regular structure) portion.
[0245]
First, as shown in FIG. 6 and FIG. 7, the structure of the filler includes the hard magnetic material (L10 In addition to (regular structure) only (FIG. 6 (a)), the hard magnetic material (L1) of FIG.0 Regular structure) / non-magnetic material, or hard magnetic material (L1 in FIG. 6C)0 Regular structure) / soft magnetic material, or FIG. 6 (d) hard magnetic material (L10 Regular structure) / non-magnetic material / soft magnetic material, or FIG. 6 (e) hard magnetic material (L10 Regular structure) / soft magnetic material / non-magnetic material, or FIG. 7 (f) hard magnetic material (L1)2 Regular structure) / Hard magnetic material (L10 Regular structure), or FIG. 7 (g) hard magnetic material (L1)0 Regular structure) / Hard magnetic material (L12 (Regular structure) or the like.
[0246]
First, as shown in Example 3, five samples having fine holes respectively employing Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh are prepared in the underlayer below the recording layer, and a non-magnetic material and a soft magnetic material are respectively prepared. Electrodeposition was performed for the case of laminating alone or both. As a result, it was confirmed that the orientation after electrodeposition was maintained as the underlayer and was oriented in the (001) plane.
[0247]
In the present embodiment, details will be described particularly when the underlayer is Pt.
First, in order to electrodeposit Pt as a non-magnetic material, a 0.03 mol / l aqueous solution composed of chloroplatinic acid hexahydrate was used, and a voltage of −0.5 V with respect to an Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C. Was applied for electrodeposition.
[0248]
As the soft magnetic material, NiFe is used, and nickel (II) sulfate heptahydrate and iron (II) sulfate heptahydrate are mixed at a ratio of 1: 1 to the Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C. Electrodeposition was performed by applying a voltage of -1.0V.
In addition, two layers, ie, a non-magnetic material / soft magnetic material and a soft magnetic material / non-magnetic material, were prepared under the above-mentioned conditions.
[0249]
Further, in the mixed bath in which the above electrodeposition solution of Pt and NiFe is mixed at 1:10, −0.5 V for the nonmagnetic layer and −5 V for the soft magnetic layer with respect to the Ag / AgCl reference electrode. When electrodeposition is performed at 1.0 V, lamination is possible without changing the electrodeposition solution. However, it is inevitable that the other component is mixed in a small amount.
[0250]
According to the results of X-ray diffraction of the above sample, the case of Pt alone is most fcc (001) oriented in the direction perpendicular to the substrate, and 94% is oriented when calibrated with the diffraction intensity from the JCPDS powder sample. I can confirm. In addition, it can be confirmed that 80% or more of all the samples subjected to electrodeposition from the mixed bath, particularly the mixed bath, are fcc (001) -oriented in the substrate vertical direction.
[0251]
Further, a hard magnetic material (L1) is formed in the last layer under the conditions obtained above.0 The result by X-ray diffraction at the time of adding FePt which is a regular structure is shown. As the electrodeposition conditions for FePt, the optimum condition of -1.2 V in Examples 3 and 4 was used, and then heating was performed at 650 ° C. for 2 minutes by RTA (Rapid Thermal Annealing). This is to suppress mutual diffusion with the nonmagnetic or soft magnetic layer.
[0252]
In the case of the configuration as shown in FIG. 6B, when annealing is performed at 700 ° C. for 1 hour in a vacuum, for example, the interdiffusion of Pt and FePt in the packing proceeds, and the state as shown in FIG. confirmed. Further, it was confirmed that the FePt composition was not one-to-one but Fe was excessive so that the same annealing was performed as shown in FIG. Thus, the hard magnetic material is L1.0 L1 as well as the regular structure2 It was also confirmed that the ordered structure part appeared due to the effect of annealing.
[0253]
As a result, when the influence of mutual diffusion is small, L1 generated by the diffusion effect2 Regular structure FePtThree No diffraction peak from L10 Peaks of (001) and (002) from the ordered structure FePt are observed. The degree of the (002) orientation is shown as a comparative example, and the ratio when the comparative example is 1 is shown in Table 3.
[0254]
[Table 3]
[0255]
From the above, it was confirmed that the nonmagnetic material and the soft magnetic material layer also affect the c-axis orientation of the hard magnetic material layer in the structure of the packing in the pores. Probably, the Pt (001) surface of the underlayer is expected to be partially oxidized or partially oxide remaining after anodic oxidation, and by covering this with a material having the same crystal structure, It is thought that the orientation in the layer was improved. The same effect can be obtained with other underlayers.
[0256]
(Example 6)
In this embodiment, the present invention relates to a soft magnetic layer disposed under a base layer.
A Pt underlayer was formed after forming a NiFe soft magnetic layer with a film thickness of 2 μm on the surface of the underlayer MgO (001) on the Si substrate, but it was (001) oriented in the substrate vertical direction from X-ray diffraction. Was confirmed. Further, after a 200 nm AlSi film was formed by sputtering, anodic oxidation was performed in a 7 mol / l sulfuric acid aqueous solution at 20 ° C. and an applied voltage of 5 V to form a base of the recording layer. When the cross section was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope), the bottom of the pores was uniform as in the case where there was no NiFe layer.
[0257]
Further, L1 in the pores of the recording layer0 After the regular structure FePt was formed, diamond-like carbon (DLC) as a protective layer was formed to a thickness of 4 nm, and a lubricating layer made of PFPE (perfluoropolyether) was formed to form a magnetic recording medium. When recording is performed with a magnetic head in contact with this magnetic recording medium, the magnetic field intensity required for recording is 0.82 times that of a sample having no soft magnetic layer under the Pt underlayer. Thus, it can be confirmed that the magnetic flux concentration is promoted.
[0258]
Also, PW50, which is the half width of the transition region between recording bits, was measured. The PW50 with a soft magnetic layer was 1.0, which was 1.03 as a result of comparison with the case without a soft magnetic layer. Therefore, it can be confirmed that the soft magnetic layer does not spread the magnetic flux from the head and the transition region is also sharp.
From the above, it is recognized that it is effective to insert a NiFe soft magnetic layer under the underlayer.
[0259]
(Example 7)
This embodiment relates to a magnetic recording apparatus having the configuration shown in FIG.
In the magnetic recording medium of the present invention, the average diameter of the columnar structure of the filler is sufficiently small at 9 nm or less, and information can be recorded by the innumerable magnetization directions of the filler.
[0260]
Therefore, the magnetic recording medium of the present invention is assembled into an apparatus including the magnetic recording medium driving unit 8062, the magnetic head 8063, the magnetic head driving unit 8064, and the signal processing unit 8065 as shown in FIG. Is possible.
However, according to this embodiment, the driving of the magnetic recording medium is not limited to the rotation, and the driving of the magnetic head is not limited to the slide on the circumference.
[0261]
(Example 8)
The present embodiment relates to an information processing apparatus.
Since the magnetic recording / reproducing apparatus 9072 described in Example 7 can input and output information, as shown in FIG. 9, the magnetic recording / reproducing apparatus 9072, the memory portion 9074, the arithmetic unit 9073, and the external input / output unit It is possible to form an information processing device in which a storage container 9071 houses 9076, a power supply 9075, and a wiring 9077 connecting them.
[0262]
As shown in the above examples, according to the present invention, c-axis orientation is possible with fine pores having an average diameter of 9 nm or less with respect to the orientation of the hard magnetic material filled in the pores produced using the AlSi structure. A method of manufacturing a magnetic recording medium can be provided. This is due to the fact that any of Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh is used for the underlayer and is (001) oriented with respect to the vertical direction of the substrate. Further, Pt, Pd, Cu, Ir , Rh, and L1 by electrodepositing a non-magnetic material layer and a NiFe soft magnetic material layer.0 It is also possible to improve the orientation of the ordered structure MPt (M = Co, Fe, Ni) hard magnetic material.
[0263]
As described above, the perpendicular magnetic recording medium using the fine holes with an average diameter of 9 nm or less incorporating the orientation of the magnetic material, which has been conventionally difficult, has been made possible by the configuration and the manufacturing method of the present invention. In addition, a magnetic recording / reproducing apparatus and an information processing apparatus configured as shown in FIGS. 8 and 9 can be driven.
[0264]
Example 9
The present embodiment relates to a recording layer manufacturing method and the shape and orientation of each recording layer.
[0265]
On a Si substrate with an MgO film formed on the surface, Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh are selected from noble metals and Cu by sputtering vapor deposition, and each 5 nm is prepared separately, and an Al-SiGe structure is formed on all 200 nm. A film was prepared. At this time, the composition of Al and SiGe was 38 atomic% with respect to the total amount of SiGe.
[0266]
The sputtering target used was a symmetrical arrangement of two 15 mm square Si chips and two Ge chips on a circular Al target having a diameter of 4 inches (101.6 mm). The sputtering conditions were an RF power source, an Ar flow rate of 50 sccm, a discharge pressure of 0.7 Pa, and an input power of 300 W. The substrate temperature was room temperature (25 ° C.).
[0267]
Here, the target used was a total of four Si and Ge chips placed on an Al target. However, the number and ratio of Si and Ge chips are not limited to this and vary depending on the sputtering conditions. However, the composition of the Al—SiGe structure may be in the vicinity of the predetermined SiGe content. Further, the target is not limited to the one in which the Si and Ge chips are placed on the Al target, but may be one in which the Al chips are placed on the SiGe target, or one in which Al, Si and Ge are sintered. Alternatively, a SiGe chip may be placed on the Al target.
[0268]
At this time, as shown in FIG. 3, the state of the Al—SiGe film is a self-organized structure in which columnar Al stands in the direction perpendicular to the substrate and SiGe is disposed so as to surround the side surface. It was confirmed. The diameter of the columnar Al was 6 nm and the distance between each was 10 nm. This was anodized by applying a voltage of 2 V in an aqueous sulfuric acid solution of 7 mol / l and 20 ° C. As a result, the columnar Al portion was removed, the SiGe portion was oxidized, and a SiGe oxide film having fine holes was formed. The analysis revealed that Al contained 0.02 ≦ x ≦ 0.2 although there was some fluctuation. Next, it was immersed in 1 mol / l of sodium hydroxide aqueous solution for 2 minutes, and the bottom part of the fine hole was made uniform. At this time, the Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh films are each oriented in the (001) direction with respect to the vertical direction of the substrate, and the Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh surfaces are exposed at the bottom of the nanohole. Had good electrical conductivity.
[0269]
As described above, as a representative example, CoPt and FePt, which are hard magnetic materials, are filled in pores in a sample having an underlayer of Pt. Here, for the electrodeposition of CoPt, 5 ml of 0.03 mol / l aqueous solution of chloroplatinic acid hexahydrate, 0.3 mol / l of cobalt (II) sulfate heptahydrate, 30 g / l of boric acid, 7 mg of magnesium sulfate 25 ml of an aqueous solution consisting of 50 g / l of hydrate was mixed and used at 24 ° C. In the electrodeposition of FePt, a solution in which the cobalt sulfate in the above CoPt solution was converted to iron (II) sulfate heptahydrate 0.3 mol / l was used.
[0270]
Electrodeposition was performed in the above solution using Ag / AgCl as a reference electrode and stirring at −2.0 V, −1.2 V, and −0.6 V.
[0271]
Further, the electrodeposits overflowing on the surface of these samples using a 1/4 μm diamond slurry were polished and removed. At this time, the surface Rms was 1 nm or less.
[0272]
When the above samples were observed with a field emission scanning electron microscope (FE-SEM), it was confirmed that CoPt and FePt were present in the pores, and the nanohole linearity was also excellent by observation from the cross section.
[0273]
As a result of these ICP composition analysis, the composition shown in Table 4 below was obtained in consideration of the influence of Pt of the underlayer.
[0274]
[Table 4]
[0275]
From the above, the sample electrodeposited at -0.6 V has a low composition of Co and Fe, and is sufficiently large at -2.0 V.0 There was a large deviation from the composition of the ordered structure. At -1.2 V, the diffraction of fcc (002) was mainly observed for both CoPt and FePt.
[0276]
The sample electrodeposited at −1.2 V was sufficiently annealed at 700 ° C. for CoPt and 650 ° C. for FePt in a vacuum, and then X-ray diffraction measurement was performed again. Then, in the sample electrodeposited at −1.2 V, both CoPt and FePt were L1.0 The peaks of the regular structures (001) and (002) were observed. When CoPt was calibrated with the diffraction intensity ratio of the powder sample in JCPDS, 78% of the samples were c-axis oriented in the direction perpendicular to the substrate, and the rest were in other directions. In FePt, it was 72%. When the underlayer is a Pt (111) plane, L10 Since the regular structure CoPt (111) appears preferentially, by setting the base layer to Pt (001), L10 It can be confirmed that the c-axis of the regular structure is preferentially oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0277]
(Example 10)
In this example, the same measurement as in Example 9 was performed when the underlying layer below the recording layer had a regular structure.
Hereinafter, FePt will be described as an example.
[0278]
First, on a silicon substrate having an MgO film formed on the surface, L1 is applied by a sputtering apparatus.0 Regular structure: FePt 5nm and L11 Regular structure CuPt5nm and L12 Ordered FePtThree Each of 5 nm was deposited separately, and then an Al—SiGe structure was deposited to 200 nm on all by sputtering.
[0279]
These three samples were anodized under the same conditions as in Example 1. As in the case of the Pt underlayer, it was confirmed that the square array plane was oriented in the direction perpendicular to the substrate, and the surface of each underlayer was exposed at the bottom of the nanohole and had good conductivity. In particular, L10 In the case of the regular structure, it was confirmed that the c-axis was oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0280]
As described above, the base layer is L1.0 In contrast to the regular structure, FePt, which is a hard magnetic material, was filled in the nanohole. Here, for electrodeposition of FePt, 5 ml of 0.03 mol / l aqueous solution of chloroplatinic acid hexahydrate, 0.3 mol / l of iron (II) sulfate heptahydrate, 30 g / l of boric acid, 7 mg of magnesium sulfate 25 ml of an aqueous solution consisting of 30 g / l of hydrate was mixed and used at 24 ° C.
[0281]
Electrodeposition was performed at −1.2 V using Ag / AgCl as a reference electrode in the above solution. Furthermore, the electrodeposits overflowing on the surface of these samples using a diamond slurry having a particle diameter of 1/4 μm were polished and removed. At this time, the surface Rms was 1 nm or less.
[0282]
As a result of X-ray diffraction measurement, a peak of FePt (002) having an fcc structure was mainly shown. These samples were sufficiently annealed at 650 ° C. in vacuum, and then X-ray diffraction measurement was performed again. Then, the peaks of the L1o ordered structure FePt (001) and (002) are observed, and it can be confirmed that 78% of the entire sample is calibrated with the diffraction intensity ratio of the powder sample in JCPDS and the c-axis is oriented in the direction perpendicular to the substrate. .
From the above, L1 as the underlayer0 Even when the ordered structure FePt is used, L1 is preferentially used.0 It can be confirmed that the c-axis of the ordered structure FePt is oriented in the direction perpendicular to the substrate.
[0283]
(Example 11)
In this example, the method and orientation of the nonmagnetic material and soft magnetic material in the structure of the filler in the pores, and the resulting hard magnetic material (L10 This is related to the orientation of the (regular structure) portion.
[0284]
First, as shown in FIG. 6, the structure of the packing includes the hard magnetic material (L1 of Example 1).0 In addition to (regular structure) only (FIG. 6 (a)), the hard magnetic material (L1) of FIG.0 Regular structure) / non-magnetic material, or hard magnetic material (L1 in FIG. 6C)0 Regular structure) / soft magnetic material, or FIG. 6 (d) hard magnetic material (L10 Regular structure) / non-magnetic material / soft magnetic material, or FIG. 6 (e) hard magnetic material (L10 Regular structure) / soft magnetic material / non-magnetic material, or FIG. 6 (f) hard magnetic material (L1)2 Regular structure) / Hard magnetic material (L10 Regular structure), or FIG. 6 (g) hard magnetic material (L1)0 Regular structure) / Hard magnetic material (L12 (Regular structure) or the like.
[0285]
First, as shown in Example 9, five samples having fine holes respectively employing Pt, Pd, Cu, Ir, and Rh were prepared in the underlayer below the recording layer, and a non-magnetic material and a soft magnetic material were respectively prepared. Electrodeposition was performed for the case of laminating alone or both. As a result, it was confirmed that the orientation after electrodeposition was maintained as the underlayer and was oriented in the (001) plane.
[0286]
In the present embodiment, details will be described particularly when the underlayer is Pt.
First, in order to electrodeposit Pt as a non-magnetic material, a 0.03 mol / l aqueous solution composed of chloroplatinic acid hexahydrate was used, and a voltage of −0.5 V with respect to an Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C. Was applied for electrodeposition.
[0287]
As the soft magnetic material, NiFe is used, and nickel (II) sulfate heptahydrate and iron (II) sulfate heptahydrate are mixed at a ratio of 1: 1 to the Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C. Electrodeposition was performed by applying a voltage of -1.0V.
In addition, two layers, ie, a non-magnetic material / soft magnetic material and a soft magnetic material / non-magnetic material, were prepared under the above-mentioned conditions.
[0288]
Further, in the mixed bath in which the above electrodeposition solution of Pt and NiFe is mixed at 1:10, −0.5 V for the nonmagnetic layer and −5 V for the soft magnetic layer with respect to the Ag / AgCl reference electrode. When electrodeposition is performed at 1.0 V, lamination is possible without changing the electrodeposition solution. However, it is inevitable that the other component is mixed in a small amount.
[0289]
According to the results of X-ray diffraction of the above sample, the case of Pt alone is most fcc (001) oriented in the direction perpendicular to the substrate, and 93% is oriented when calibrated with the diffraction intensity from the JCPDS powder sample. I can confirm. In addition, it can be confirmed that 79% or more of all the samples subjected to electrodeposition from the mixed bath, particularly the mixed bath, are fcc (001) oriented in the substrate vertical direction.
[0290]
Further, a hard magnetic material (L1) is formed in the last layer under the conditions obtained above.0 The result by X-ray diffraction at the time of adding FePt which is a regular structure is shown. As the electrodeposition conditions for FePt, the optimum condition of -1.2 V in Examples 1 and 2 was used, followed by heating at 650 ° C. for 2 min by RTA. This is to suppress mutual diffusion with the nonmagnetic or soft magnetic layer.
[0291]
Further, in the case of the configuration as shown in FIG. 5B, it is confirmed that when the annealing is performed at 700 ° C. for 1 hour in a vacuum, for example, the interdiffusion of the filler Pt and FePt progresses and the state as shown in FIG. did. Further, it was confirmed that the FePt composition was not one-to-one but Fe was excessive, so that the same annealing was performed as shown in FIG. Thus, the hard magnetic material is L1.0 L1 as well as the regular structure2 It was also confirmed that the ordered structure part appeared due to the effect of annealing.
[0292]
As a result of the above, when the mutual diffusion influence is small, L10 The peaks of (001) and (002) in the regular structure FePt are observed. Table 5 shows the ratio when the degree of (002) orientation is a comparative example and the comparative example is 1.
[0293]
[Table 5]
[0294]
From the above, it was confirmed that the nonmagnetic material and the soft magnetic material layer also affect the c-axis orientation of the hard magnetic material layer in the structure of the packing in the pores. Probably, the Pt (001) surface of the underlayer is expected to be partially oxidized or partially oxide remaining after anodic oxidation, and by covering this with a material having the same crystal structure, It is thought that the orientation in the layer was improved. The same effect can be obtained with other underlayers.
[0295]
Example 12
In this embodiment, the present invention relates to a soft magnetic layer disposed under the underlayer.
A Pt underlayer was formed after forming a NiFe soft magnetic layer of 2 μm on the surface of the underlayer MgO (001) on the Si substrate, but it can be confirmed from X-ray diffraction that it is (001) oriented in the substrate vertical direction. Further, an Al-SIGe film having a thickness of 30 nm was formed by a sputtering method, and then anodization was performed at 20 ° C. in a sulfuric acid bath 7 mol / l at an applied voltage of 2 V to form a recording layer base. Further, when the cross section was observed with an FE-SEM (field emission scanning electron microscope), the pore bottom was uniform as in the case without the NiFe layer.
[0296]
Further, L1 in the pores of the recording layer0 After formation of the regular structure FePt, a protective layer of DLC was formed to a thickness of 3 nm to form a lubricating layer. When recording is performed with a magnetic head in contact with this medium, the strength of the magnetic field required for recording is 0.80 times that of a sample having no soft magnetic layer under the Pt underlayer, and the magnetic flux is increased by the soft magnetic layer. It can be confirmed that concentration is promoted.
[0297]
Also, PW50, which is the half width of the transition region between recording bits, was measured. The PW50 with a soft magnetic layer was 1.0, and the result was 1.04 as compared with the case without a soft magnetic layer. Therefore, it can be confirmed that the soft magnetic layer does not spread the magnetic flux from the head and the transition region is also sharp.
From the above, it is effective to insert a soft magnetic layer under the underlayer.
[0298]
(Example 13)
The present embodiment relates to the structure and manufacturing method of the soft magnetic layer of the perpendicular magnetic recording medium according to the present invention.
First, Pt is 20 nm on a glass substrate, Al50Si50A layer (a composition of Al 50 atomic% and Si 50 atomic%) was formed to a thickness of 300 nm.
An underlayer Pt was formed on a glass substrate by a sputtering method.
[0299]
Al50Si50The layer was formed to a thickness of 300 nm on the glass substrate on which the base layer was formed, using a magnetron sputtering method. The target used was a 6-inch 15 mm square silicon chip placed on a circular aluminum target having a diameter of 4 inches (101.6 mm). Sputtering conditions were as follows: using an RF power source, Ar flow rate: 50 sccm, discharge pressure: 0.7 Pa, and input power: 1 kW. The substrate temperature was room temperature (25 ° C.).
[0300]
In this case, a target having six silicon chips placed on an aluminum target was used as the target. However, the number of silicon chips is not limited to this, and changes depending on sputtering conditions, and the composition of the AlSi layer is predetermined. It suffices if the silicon content is near. The target is not limited to a silicon chip placed on an aluminum target, and an aluminum chip placed on a silicon target may be used, or a target obtained by sintering silicon and aluminum may be used.
[0301]
When this was observed with a scanning electron microscope (SEM), it was confirmed that a film composed of a columnar aluminum portion 5031 and a silicon portion 5030 was formed as shown in FIG.
[0302]
Furthermore, after immersing in phosphoric acid for a sufficient time and observing again with SEM, it was confirmed that the columnar aluminum portion 41 described above was a fine void. In addition, it was confirmed by SEM observation from the cross section that the holes penetrated from the surface to Pt as the base layer. Further, it was confirmed that it could be similarly formed on the Pd, Cu, and Ag underlayers.
[0303]
Subsequently, a NiFe electrodeposition solution was prepared in order to fill the holes with the soft magnetic material. This is a mixture of nickel (II) sulfate heptahydrate and iron (II) sulfate heptahydrate 1: 1. Electrodeposition was performed by applying a voltage of −1.0 V to the Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C.
[0304]
The soft magnetic material overflowing after electrodeposition was polished and observed by SEM, and it was confirmed that all the holes were filled with the soft magnetic material.
The diameter of the soft magnetic material was 6 nm, and the interval was 9 nm.
[0305]
Next, MgO (001) as an underlayer is formed on the soft magnetic layer, Pt (001) is further formed thereon, and L1 of FePt is formed as a recording layer.0 An ordered alloy, a protective layer DLC (diamond-like carbon) and a lubricating layer were formed to obtain a perpendicular magnetic recording medium.
[0306]
(Example 14)
The present embodiment relates to the configuration of the soft magnetic layer of the perpendicular magnetic recording medium according to the present invention and another manufacturing method.
Pt 20nm, Ti 1nm, Al on glass substrate50Si50Was formed to a thickness of 300 nm. Of course, as shown in FIG. 5, a film composed of columnar aluminum portions 5031 and silicon portions 5030 was formed.
[0307]
Here, in the sulfuric acid aqueous solution (concentration 7 mol / l) at 20 ° C., the above film was used as an anode, the cathode was used as an aluminum plate, and anodization was performed by applying a voltage of 5 V while stirring.
[0308]
The end of the anodic oxidation was completed 60 seconds after the current value decrease starting point shown in FIG. Subsequently, it was immersed in sodium hydroxide (concentration: 0.1 mol / l) for 30 minutes and sufficiently washed with water. Thereafter, it was confirmed by SEM observation that holes were formed.
[0309]
In Example 13, the silicon portion 5030 remained as it was, but in this example, the silicon portion 5030 was oxidized to become silica. Further, it was confirmed that the diameter of the pores was slightly smaller than that in Example 1 due to oxidation. In particular, it was confirmed by SEM observation from the cross section that the holes penetrated to Pt of the underlayer. Further, it was confirmed that it could be similarly formed on the Pd, Cu, and Ag underlayers.
[0310]
Subsequently, in order to fill the pores with the soft magnetic material, a NiFe electrodeposition liquid similar to that in Example 13 was prepared, and the electrodeposition was −1.0 V with respect to the Ag / AgCl reference electrode at 24 ° C. The electrode was subjected to electrodeposition.
When the soft magnetic material overflowing after electrodeposition was polished and observed by SEM, it was confirmed that all the holes were filled with the soft magnetic material.
The diameter of the soft magnetic material was 5 nm, and the interval was 9 nm.
[0311]
Next, MgO (001) as an underlayer is formed on the soft magnetic layer, Pt (001) is further formed thereon, and L1 of FePt is formed as a recording layer.0 An ordered alloy, a protective layer DLC (diamond-like carbon) and a lubricating layer were formed to obtain a perpendicular magnetic recording medium.
[0312]
(Example 15)
The present embodiment relates to the distribution of the soft magnetic material in the soft magnetic layer.
Samples A and B on which the soft magnetic layers prepared in Examples 13 and 14 were formed are referred to as Samples A and B, and those having a granular film with silica shown in FIG. In all cases, the thickness of the soft magnetic layer was unified at 300 nm.
Sample C was produced by a sputtering method.
[0313]
The diameter distribution of the columnar soft magnetic material of Sample A is shown by a in FIG. The diameter distribution of the columnar soft magnetic material of Sample B is shown by b in FIG. Further, the diameter of the soft magnetic particles in the granular film of Sample C is indicated by c in FIG.
[0314]
When these distributions are compared, the volume of the granular film becomes the cube of the diameter fluctuation when converted to volume, and the volume fluctuation is larger than that of the columnar shape. Further, in perpendicular magnetic recording, as shown in FIG. 14, the granular film is non-uniform in the magnetic flux path in that soft magnetic particles are randomly dispersed also in the direction perpendicular to the substrate or recording area. It turns out that it produces.
[0315]
(Example 16)
This embodiment relates to noise during reproduction.
Samples A, B, and C similar to Example 15 were prepared by making the saturation magnetic flux density Bs constant by setting the film thickness to an appropriate thickness, and designated as A ', B', and C ', respectively. A soft magnetic layer made of a continuous film was prepared as D '. The recording layer was unified with a CoCrPt film having a thickness of 30 nm.
[0316]
When these were written with a single pole head and the recording pattern was read with a GMR head, spike noise appeared frequently in D ', but spike noise was small in A', B ', and C'. This is considered to correspond to the absence of the domain wall.
[0317]
Next, PW50, which is the half-value width of the transition area between the recording bits in A ′, B ′, and C ′, was measured. When A ′ was 1.0, those of B ′ and C ′ were 0.98 and 1.04, respectively. This is related to non-uniformity due to the distribution of soft magnetic particles in the soft magnetic layer.
From the above, it can be seen that local non-uniformity of Bs due to fluctuations in the diameter or volume of the soft magnetic layer of the soft magnetic layer hinders noise reduction.
[0318]
(Example 17)
The present embodiment relates to a magnetic recording / reproducing apparatus.
As attempted in each of Examples 15 and 16, in the perpendicular magnetic recording medium of the present invention, spike-like noise is significantly reduced as compared with the conventional soft magnetic layer, and recording / reproduction can be performed with low noise. It is. Therefore, the perpendicular magnetic recording medium of the present invention is assembled into an apparatus comprising the magnetic recording medium driving unit 8062, the magnetic head 8063, the magnetic head driving unit 8064, and the signal processing unit 8065 as shown in FIG. Is possible. However, according to this embodiment, the driving of the magnetic recording medium is not limited to the rotation, and the driving of the magnetic head is not limited to the slide on the circumference.
[0319]
(Example 18)
The present embodiment relates to an information processing apparatus.
Since the magnetic recording / reproducing apparatus according to the seventeenth embodiment can input and output information, as shown in FIG. 9, the magnetic recording / reproducing apparatus 9072, the memory part 9074, the arithmetic unit 9073, the external input / output unit 9076, An information processing device in which the power supply 9075 and the wiring 9077 that connects them is housed in the storage container 9071 can be formed.
[0320]
【The invention's effect】
According to the present invention, various functional devices can be obtained by filling a porous material obtained by removing a columnar member from a structure including a columnar member and a region surrounding the columnar member. Provision is possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a structure including a columnar member applied to the present invention and a region surrounding it.
FIG. 2 schematically shows a method for manufacturing a structure applied to the present invention.
FIG. 3 is a diagram schematically showing an example of a functional device according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of a structure applied to the present invention.
FIG. 5 is a schematic view of a structure applied to the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing an example of a filling material into holes according to the present invention.
FIG. 7 is a view showing an example of a filling material into holes according to the present invention.
FIG. 8 is a schematic view showing a magnetic recording / reproducing apparatus using the magnetic recording medium of the present invention.
FIG. 9 is a conceptual diagram of an information processing apparatus using the magnetic recording / reproducing apparatus of the present invention.
FIG. 10 is a schematic diagram showing each regular structure.
FIG. 11 is a process diagram showing one embodiment of a method for producing a magnetic recording medium according to the present invention.
FIG. 12 is a schematic diagram for explaining the present invention.
FIG. 13 is a schematic diagram for explaining the prior art.
FIG. 14 is a schematic diagram showing an example of a conventional technique in a magnetic recording medium.
FIG. 15 is a schematic view for explaining the present invention.
FIG. 16 is a schematic view for explaining the method for manufacturing a functional device according to the present invention.
FIG. 17 is a diagram for explaining an embodiment according to the present invention.
FIG. 18 is a diagram for explaining an embodiment according to the present invention.
FIG. 19 is a schematic diagram for explaining a functional device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1000 Columnar member
1001 Structure
1002 area
1003 Substrate
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