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JP4030726B2 - はんだ印刷検査装置 - Google Patents

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JP4030726B2
JP4030726B2 JP2001086018A JP2001086018A JP4030726B2 JP 4030726 B2 JP4030726 B2 JP 4030726B2 JP 2001086018 A JP2001086018 A JP 2001086018A JP 2001086018 A JP2001086018 A JP 2001086018A JP 4030726 B2 JP4030726 B2 JP 4030726B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ印刷状態検査装置に係り、例えばプリント基板等の部品実装技術分野において基板上に設けられたクリームはんだの印刷状態を検査する際に用いられるはんだ印刷状態検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリント基板上に電子部品を実装する場合、まずプリント基板上に配設された所定の電極パターン上にクリームはんだが印刷される。次に、該クリームはんだの粘性に基づいてプリント基板上に電子部品が仮止めされる。その後、前記プリント基板がリフロー炉へ導かれ、所定のリフロー工程を経ることではんだ付けが行われる。昨今では、リフロー炉に導かれる前段階においてクリームはんだの印刷状態を検査する必要があり、かかる検査に際してはんだ印刷検査装置が用いられる。
【0003】
上記のような検査に際しては、予めはんだの形成される領域(候補領域)が設定され、その領域を検査枠として、印刷の施された各基板につき、クリームはんだの印刷状態が検査される。より詳しくは、所定の高さ基準レベルを設定するとともに、該設定された高さ基準レベルをもって、クリームはんだの高さや体積が計算される。そして、その高さや体積が所定条件を満たしている場合には良品と判定され、満たしていない場合には不良品と判定される。
【0004】
ところで、上記高さ基準レベルを設定する手法として、例えば特開平6−74719号公報に開示されたものが挙げられる。同公報においては、検査対象のはんだに対してレーザー光を照射して輝度画像を得、その輝度画像に対して、予め指定された輝度条件をもとに、はんだ印刷範囲(境界位置)を抽出し、さらにその境界位置における高低レベル値を高さ基準レベルとして設定する旨が記載されている。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記技術においては、輝度画像に基づいて境界位置を抽出するようにしている。ここで、境界位置というのは、はんだ部分とパターン部分との境界を指すものであって、パターン部分の露出部分がほとんどない場合や、非常に狭いような場合には、前記輝度画像に基づいて境界位置を抽出できなくなってしまったり、計測精度の悪化を招くおそれがある。
【0006】
また、輝度画像に基づいて境界位置を抽出するためには、そのための複雑な装置を設置する必要があるとともに、複雑な演算処理が必要となり、検査に要する時間が長引いてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、はんだの印刷状態を検査する際に用いられるはんだ印刷状態検査装置において、装置の複雑化を招くことなく正確な基準高さを得るとともに、比較的短い処理時間で精度の高い検査を行うことのできるはんだ印刷検査装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0009】
手段1.少なくとも基板上に設けられたはんだの高さを、三次元計測によって求めることに基づいて、はんだの印刷状態を検査するはんだ印刷検査装置であって、少なくとも所定部位につき、前記三次元計測によって得られた高さデータが、設定された基準高さに対しどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを求めるよう構成するとともに、前記基準高さを、前記三次元計測を行うことで得られた高さ情報に基づいて設定するようにしたことを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0010】
手段1によれば、少なくとも所定部位につき、三次元計測によって得られた高さデータが、設定された基準高さに対しどの程度の高さを有しているかに基づいて、はんだの高さが求められる。ここで、基準高さは、前記三次元計測を行うことで得られた高さ情報に基づいて設定される。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さ情報に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い検査を行うことができる。
【0011】
手段2.少なくとも所定部位につき、三次元計測によって高さデータを計測する高さデータ計測手段と、基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段とを備え、前記基準高さ設定手段は、前記所定部位を含む予め設定された検査領域につき、三次元計測によって得られた高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0012】
手段2によれば、高さデータ計測手段では、少なくとも所定部位につき、三次元計測によって高さデータが計測される。また、基準高さ設定手段では、基準となる高さが設定される。そして、はんだ高さ算出手段では、基準高さに対し、高さデータ計測手段にて計測された高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、はんだの高さが算出される。ここで、基準高さ設定手段は、所定部位を含む予め設定された検査領域につき、三次元計測によって得られた高さ情報に基づいて基準高さを設定するものである。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さ情報に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い検査を行うことができる。
【0013】
手段3.少なくとも所定部位につき、三次元計測によって高さデータを計測する高さデータ計測手段と、基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、少なくとも良否判定を行う検査手段とを備え、前記基準高さ設定手段は、前記所定部位を含む予め設定された検査領域につき、三次元計測によって得られた高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0014】
手段3によれば、高さデータ計測手段では、少なくとも所定部位につき、三次元計測によって高さデータが計測される。また、基準高さ設定手段により基準となる高さが設定される。そして、はんだ高さ算出手段では、設定された基準高さに対し、高さデータ計測手段にて計測された高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、はんだの高さが算出される。さらに、はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、検査手段では少なくとも良否判定が行われる。ここで、基準高さ設定手段は、所定部位を含む予め設定された検査領域につき、三次元計測によって得られた高さ情報に基づいて基準高さを設定するものである。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さ情報に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い良否判定を含む検査を行うことができる。
【0015】
手段4.予め設定された検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータを計測する高さデータ計測手段と、基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、少なくとも良否判定を行う検査手段とを備え、前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0016】
ここで、「所定単位」としては、例えば、三次元計測を行う際に用いられる撮像手段の画素単位を挙げることができる(以下同様)。
【0017】
手段4によれば、高さデータ計測手段では、予め設定された検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータが計測される。また、基準高さ設定手段では、基準となる高さが設定される。そして、はんだ高さ算出手段では、設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、はんだの高さが算出される。さらに、検査手段では、はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、少なくとも良否判定が行われる。ここで、基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて基準高さを設定する。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さ情報に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い良否判定を含む検査を行うことができる。
【0018】
手段5.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算することに基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段4に記載のはんだ印刷検査装置。
【0019】
手段5によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算されることに基づいて的確な高さ情報が得られる。
【0020】
手段6.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記一方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す連結成分を形成することに基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段4に記載のはんだ印刷検査装置。
【0021】
手段6によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記一方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す連結成分が形成されることに基づいて的確な高さ情報が得られる。
【0022】
手段7.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、第1方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第1方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分を形成することと、前記高さデータ群に基づき、前記第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第2方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分を形成することと、に基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段4に記載のはんだ印刷検査装置。
【0023】
手段7によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、第1方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記第1方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分が形成される。また、高さデータ群に基づき、第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記第2方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分が形成される。そして、これら第1及び第2の連結成分に基づいて高さ情報が得られる。従って、はんだの形状等にかかわらず、より的確な高さ情報を得ることができ、もって、より精度の高い検査を行うことができる。
【0024】
手段8.前記基準高さ設定手段は、前記連結成分を位置に関し微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段6又は7に記載のはんだ印刷検査装置。
【0025】
手段8によれば、基準高さ設定手段では、連結成分が位置に関し微分される。そして、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが設定される。従って、印刷されたはんだが立ち上がる起点部分に相当する部分が基準高さに相当する部分とされることから、より的確に基準高さを設定することができる。
【0026】
手段9.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段4乃至7のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0027】
手段9によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が微分される。そして、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが設定される。従って、印刷されたはんだが立ち上がる起点部分に相当する部分が基準高さに相当する部分とされることから、より的確に基準高さを設定することができる。
【0028】
手段10.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段4乃至7のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0029】
手段10によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが的確に設定される。なお、この場合において、「高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置は、前記積算に際し積算の対象となった単位数が所定数以上の位置であること」とするのが望ましい(手段11においても同様)。このように構成することで、妥当でない値が基準高さとして設定されてしまうといった事態が抑制される。
【0030】
手段11.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとを考慮することに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段4乃至7のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0031】
手段11によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が微分された上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとの双方が考慮されることに基づいて基準高さが設定される。このため、双方のメリットを生かして、より一層的確に基準高さを設定することができる。
【0032】
手段12.前記基準高さ設定手段は、複数の位置に対応する前記高さを平均した値を基準高さとして設定するものであることを特徴とする手段8乃至11のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0033】
手段12によれば、基準高さ設定手段では、複数の位置に対応する前記高さが平均した値が基準高さとして設定される。このため、各部位において基板の反りや変形があったとしても、それらが相殺された上で妥当な基準高さが設定されることとなる。
【0034】
手段13.前記はんだ高さ算出手段は、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータの位置情報に応じて採用する基準高さを変更することを特徴とする手段4乃至12のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0035】
手段13によれば、はんだ高さ算出手段では、高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータの位置情報に応じて、採用される基準高さが変更される。従って、その位置に適した基準高さが採用されうることとなり、この場合、より一層精度の高い検査を行うことができる。
【0036】
なお、手段4乃至13のいずれかにおいて、「前記はんだ高さ算出手段にて算出されたはんだ高さに基づき、はんだの体積を算出するはんだ体積算出手段を設けるとともに、前記検査手段は、前記はんだの高さに代えて、又は、加えて、前記はんだ高さに基づいて算出されたはんだの体積に基づいて、はんだに関し良否判定を行うことを特徴とするはんだ印刷検査装置」としてもよい。
【0037】
手段14.少なくとも撮像手段を具備し、予め設定された検査領域につき、画素単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータを計測する高さデータ計測手段と、基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さ、及び、高さに基づいて算出されたはんだの体積の少なくとも一方に基づいて、はんだに関し良否判定を行う検査手段とを備えたはんだ印刷検査装置であって、前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、画素単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づいて、第1方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第1方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分を形成することと、前記高さデータ群に基づき、前記第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第2方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分を形成することとを行い、さらに、前記各連結成分を、位置に関し微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0038】
手段14によれば、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さデータ群に基づいて形成された各連結成分に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い良否判定を含む検査を行うことができる。
【0039】
手段15.予め設定された検査領域につき、基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さを参酌することにより、基板上のはんだの体積を算出するはんだ体積算出手段と、前記はんだ体積算出手段により算出されたはんだの体積に基づいて、少なくとも良否判定を行う検査手段とを備え、前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
【0040】
手段15によれば、基準高さ設定手段では、予め設定された検査領域につき、基準となる高さが設定される。そして、はんだ体積算出手段では、設定された基準高さが参酌されることで、はんだの体積が算出される。さらに、検査手段では、はんだ体積算出手段により算出されたはんだの体積に基づいて、少なくとも良否判定が行われる。ここで、基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて基準高さを設定する。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行わずに、高さ情報に基づいて基準高さが設定されるので、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い良否判定を含む検査を行うことができる。
【0041】
手段16.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算することに基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段15に記載のはんだ印刷検査装置。
【0042】
手段16によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算されることに基づいて的確な高さ情報が得られる。
【0043】
手段17.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記一方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す連結成分を形成することに基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段15に記載のはんだ印刷検査装置。
【0044】
手段17によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記一方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す連結成分が形成されることに基づいて的確な高さ情報が得られる。
【0045】
手段18.前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、第1方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第1方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分を形成することと、前記高さデータ群に基づき、前記第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第2方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分を形成することと、に基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とする手段15に記載のはんだ印刷検査装置。
【0046】
手段18によれば、基準高さ設定手段では、高さデータ群に基づき、第1方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記第1方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分が形成される。また、高さデータ群に基づき、第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に基板の高さ以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値が前記第2方向と直交する方向に求められて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分が形成される。そして、これら第1及び第2の連結成分に基づいて高さ情報が得られる。従って、はんだの形状等にかかわらず、より的確な高さ情報を得ることができ、もって、より精度の高い検査を行うことができる。
【0047】
手段19.前記基準高さ設定手段は、前記連結成分を位置に関し微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段17又は18に記載のはんだ印刷検査装置。
【0048】
手段19によれば、基準高さ設定手段では、連結成分が位置に関し微分される。そして、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが設定される。従って、印刷されたはんだが立ち上がる起点部分に相当する部分が基準高さに相当する部分とされることから、より的確に基準高さを設定することができる。
【0049】
手段20.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段15乃至18のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0050】
手段20によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が微分される。そして、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが設定される。従って、印刷されたはんだが立ち上がる起点部分に相当する部分が基準高さに相当する部分とされることから、より的確に基準高さを設定することができる。
【0051】
手段21.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段15乃至18のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0052】
手段21によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが的確に設定される。なお、この場合において、「高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置は、前記積算に際し積算の対象となった単位数が所定数以上の位置であること」とするのが望ましい(手段22においても同様)。このように構成することで、妥当でない値が基準高さとして設定されてしまうといった事態が抑制される。
【0053】
手段22.前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとを考慮することに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする手段15乃至18のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0054】
手段22によれば、基準高さ設定手段では、高さ情報が微分された上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとの双方が考慮されることに基づいて基準高さが設定される。このため、双方のメリットを生かして、より一層的確に基準高さを設定することができる。
【0055】
手段23.前記基準高さ設定手段は、複数の位置に対応する前記高さを平均した値を基準高さとして設定するものであることを特徴とする手段19乃至22のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0056】
手段23によれば、基準高さ設定手段では、複数の位置に対応する前記高さが平均した値が基準高さとして設定される。このため、各部位において基板の反りや変形があったとしても、それらが相殺された上で妥当な基準高さが設定されることとなる。
【0057】
手段24.前記はんだ体積算出手段は、位置情報に応じて採用する基準高さを変更することを特徴とする手段15乃至23のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
【0058】
手段24によれば、はんだ体積算出手段では、位置情報に応じて、採用される基準高さが変更される。従って、その位置に適した基準高さが採用されうることとなり、この場合、より一層精度の高い検査を行うことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
【0060】
図1は、本実施の形態における三次元計測装置2を具備するはんだ印刷検査装置1を模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、はんだ印刷検査装置1は、クリームはんだCの印刷されてなるプリント基板Kを載置するためのテーブル(図示略)と、プリント基板Kの表面に対し斜め上方から正弦波状の複数の位相変化する光パターンを照射するための照明装置3と、プリント基板K上の前記照射された部分を撮像するための撮像手段を構成するCCDカメラ4とを備えている。なお、本実施の形態におけるクリームはんだCは、プリント基板K上に設けられた銅箔からなる電極パターン上に印刷形成されている。
【0061】
テーブルには、図示しないモータが設けられており、該モータによって、テーブル上に載置されたプリント基板Kが任意の方向(x軸方向及び該x軸に直交するy軸方向)へ適宜スライドさせられるようになっている。
【0062】
照明装置3は、公知の液晶光学シャッターを備えており、プリント基板Kに対し、斜め上方から4分の1ピッチづつ位相変化する光パターンを照射するようになっている。従って、光源からの光は液晶光学シャッターを介してプリント基板K上に照射されるようになっており、特にプリント基板Kに対し照度が正弦波状に変化する縞状の光パターン(正弦波パターン)が照射されるようになっている。
【0063】
なお、照明装置3において、図示しない光源からの光は光ファイバーにより一対の集光レンズに導かれ、そこで平行光にされる。その平行光が、液晶素子を介して恒温制御装置内に配置された投影レンズに導かれる。そして、投影レンズから4つの位相変化する光パターンが照射される。このように、照明装置3に液晶光学シャツターが使用されていることによって、縞状の光パターンを作成した場合に、その照度が理想的な正弦波に近いものが得られ、これにより、三次元計測の測定分解能が向上するようになっている。また、光パターンの位相シフトの制御を電気的に行うことができ、制御系のコンパクト化を図ることができるようになっている。
【0064】
また、三次元計測装置2は、前記CCDカメラ4、照明装置3、モータ等を駆動制御するとともに、CCDカメラ4により撮像された撮像データに基づき種々の演算を実行するための三次元計測装置制御部7が設けられている。該三次元計測装置制御部7は、画像処理手段11を構成するものであって、画像処理手段11は、三次元計測装置制御部7の他にも、基準高さを設定するための基準高さ設定手段としての基準高さ設定部8と、はんだ印刷検査部9とを備えている。すなわち、プリント基板Kがテーブル2上に載置されると、三次元計測装置制御部7は、まずモータを駆動制御して所定の位置(最初は初期位置)に移動させる。ここで、所定の位置というのは、別途記憶されている所定の検査枠(検査領域)に対応する位置を指す。また、所定の位置は、例えばCCDカメラ4の視野の大きさを1単位としてプリント基板Kの表面を予め分割しておいた中の1つの位置でもある。
【0065】
そして、三次元計測装置制御部7は、照明装置3を駆動制御して光パターンの照射を開始させると共に、この光パターンの位相を例えば4分の1ピッチずつシフトさせて4種類の照射を順次切換制御する。さらに、このようにして光パターンの位相がシフトする照明が行われている間に、三次元計測装置制御部7はCCDカメラ4を駆動制御して、これら各照射ごとに検査エリア部分を撮像し、それぞれ4画面分の画像データを得る。
【0066】
三次元計測装置制御部7は画像メモリを備えており、4画面分の画像データを順次記憶する。この記憶した画像データに基づいて、三次元計測装置制御部7は各種画像処理を行う。かかる画像処理が行われている間に、三次元計測装置制御部7は、モータを駆動制御してテーブルを次の検査エリアへと移動せしめる。三次元計測装置制御部7は、ここでの画像データについても画像メモリへ格納する。一方、画像メモリでの画像処理が一旦終了した場合、すでに画像メモリには次の画像データが記憶されているので、速やかに次の画像処理を行うことができる。つまり、検査は、一方で次なる検査エリア(n+1番目)への移動及び画像入力を行い、他方ではn番目の画像処理及び比較判定を行う。以降、全ての検査エリアでの検査が完了するまで、交互に同様の上記並行処理が繰り返し行われる。このように、本実施の形態のはんだ印刷検査装置1においては、三次元計測装置制御部7の制御により検査エリアを移動しながら、順次画像処理を行う。そして、はんだ印刷検査部9では、前記画像処理データのうち、特に高さデータに基づいて、プリント基板K上のクリームはんだCの印刷状態を高速かつ確実に検査することができるようになっている。
【0067】
ここで、三次元計測装置制御部7にて行われる画像処理及びはんだ印刷検査部9での検査の基本的な内容について説明する。プリント基板Kに投影された光パターンに関して、プリント基板K面上とクリームはんだCとの間では、その高さの相違に基づく位相のずれが生じる。そこで、三次元計測装置制御部7では、光パターンの位相が4分の1ピッチずつシフトした際の検査エリアの画像データ(本実施の形態では4画面の画像データ)に基づき、例えば位相シフト法(縞走査法)によって検査エリア内の各部の反射面の高さデータを算出するのである。
【0068】
このようにして得られた高さデータは、撮像画面の画素単位に演算され、三次元計測装置制御部7のメモリに格納される。そして、はんだ印刷検査部9では、各検査領域に関し、予め設定されている高さ許容データと、算出されたはんだ高さとが比較され、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、その検査枠におけるクリームはんだCの印刷状態の良否が判定されるのである。もちろん、前記はんだ高さの代わりに、はんだ体積に関して検査を行うこととしてもよい。
【0069】
次に、前記はんだ印刷検査装置1における検査に際しての処理内容について詳細に説明する。すなわち、図3は、はんだ印刷検査装置1において行われる検査手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、ステップS101において、テーブル上の所定位置にプリント基板Kがセットされる。そして、検査領域毎に三次元計測を行い、三次元映像情報を取得する。
【0070】
次に、ステップS102において、所定の検査領域内の三次元映像情報につき、各画素単位の高さデータ(絶対的な高さ)を求める。そして、それらの高さデータをy軸方向に積算する。そして、このような積算を、x軸方向にずらしながら検査領域内の全ての画素に関して行う。また、前記高さデータをx軸方向にも積算する。さらに、このような積算を、y軸方向にずらしながら検査領域内の全ての画素に関して行う。ここで、積算の対象となる画素は、少なくともプリント基板Kの上面以上の高さデータを有する画素についてのみである。このような積算を行うための手法としては、プリント基板Kの上面に関するデータを予め入力しておき、そのデータ以上の高さデータのみを積算することとしてもよいし、また、三次元計測装置2が、元来プリント基板K上面に関して高さデータを算出しないような構成となっている場合には、算出されたデータのみを積算の対象とすることとしてもよい。
【0071】
また、上記各積算値を、該積算の対象となった画素数で除算することで、x軸方向及びy軸方向の高さ情報を得る。すなわち、本実施の形態にいうところの高さ情報というのは、例えば、図2(a)に示すように、前記除算することによって得られたx軸及びy軸方向の各位置におけるクリームはんだC高さの連結成分(x軸に対する高さの関係を示す曲線(第1の連結成分)又はy軸に対する高さの関係を示す曲線(第2の連結成分))に相当する。なお、図では、パターンの1種として平面円形状のパッド部が設けられており、その上にクリームはんだCが印刷されている例が示されている。
【0072】
次に、ステップS103においては、前記高さ情報につき、x,y(位置)に関してそれぞれ微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さを求める。図2(a),(b)に示す例において、第1の連結成分(高さ情報)に関しては、それぞれ点P1,P2がそれぞれ極大値、極小値を示し、第2の連結成分(高さ情報)に関しては、それぞれ点P3,P4がそれぞれ極大値、極小値を示しているとする。点P1〜P4に対応する高さは、それぞれh1、h2,h3,h4であり、これら各高さh1〜h4が、ここにいう極大値及び極小値を示す位置に対応する高さである。
【0073】
続いて、ステップS104では、ステップS103で求めた高さの平均値を現在検査対象となっているパターンの高さとして設定する。つまり、図2を例にとると、各高さh1〜h4を加算して、加算した数たる「4」で除算した値をパターン(パッド部)の高さとして設定する。
【0074】
次に、ステップS105において、予め定めた設定距離範囲内にある全てのパターンについて、同様にパターン高さを求める。例えば、現在検査対象となっているパターンを中心として設定距離(例えば半径5mm)以内に存在する他のパターンに関しても、上記各ステップを経ることでパターン高さを求める。そして、現在検査対象となっているパターン高さを含む各パターン高さを平均し、その平均値を基準高さとして設定する。
【0075】
そして、ステップS106においては、今回設定した基準高さを参酌してはんだ高さ(パターン上面からはんだ上面までの高さ:相対的な高さ)(、及び/又ははんだ体積)を算出する。より詳しくは、現在対象となっている検査領域に関し、絶対的な高さデータと前記基準高さとの差がはんだの高さ(相対的な高さ)とされる。また、体積は、前記高さが積分されることで求められる。
【0076】
さらに、続くステップS107において、今回算出したはんだ高さ、体積に関し、良否判定を行い、その後の処理を一旦終了する。すなわち、前記はんだの高さと、高さ許容データとが比較され、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、その検査領域におけるクリームはんだCの印刷状態の良否が判定されるのである。
【0077】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、基準高さ設定部8では、検査領域につき、画素単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群にいて高さ情報が得られ、それに基づいて基準高さが設定される。ここで、高さデータ群に基づき、y軸方向にプリント基板Kの上面以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値がx軸方向に全て求められて、x軸方向の位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分が得られ、また、高さデータ群に基づき、x軸方向にプリント基板Kの上面以上の高さデータが積算され、該積算値が積算の対象となった単位数で除算され、該除算値がy軸方向に全て求められて、y軸方向の位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分が得られ、そして、これら第1及び第2の連結成分に基づいて高さ情報が得られる。さらに、各連結成分がx、yについて微分され、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さが設定される。このように、輝度画像に基づいて境界部分を抽出することを行っていた従来技術とは異なり、輝度画像を用いずに、高さ情報(第1及び第2の連結成分)に基づいて基準高さが設定される。このため、たとえパターン部分が狭くとも、基準高さを正確に設定することが可能となる。また、別途基準高さを求めるための装置等を必要としないため、装置の簡素化を図ることができ、比較的短い処理時間で精度の高い良否判定を含む検査を行うことができる。
【0078】
特に、本実施の形態では、2方向から高さ情報を求め、それぞれの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さを算出することとしたため、パターンの形状等にかかわらず的確な基準高さを設定することができる。
【0079】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0080】
(a)上記実施の形態では、照明装置3が光パターンをシフトさせることができる構成となっていたが、プリント基板K(ひいてはクリームはんだC)を移動させることにより、位相を変化させることとしてもよい。
【0081】
(b)上記実施の形態では、撮像回数を4回としたが、3回であってもよいし、5回以上であってもよい。
【0082】
(c)上記実施の形態では三次元計測として、位相シフト法を採用しているが、他にも光切断法や、モアレ法、ステレオ法、格子縞投影法等といった各種三次元計測方法を採用することもできる。
【0083】
(d)上記実施の形態では、第1及び第2の連結成分をx、yについて微分した上で、そのときの極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて基準高さを設定することとしている。これに対し、連結成分が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さを考慮することに基づいて基準高さを設定することとしてもよい。
【0084】
(e)また、連結成分を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、連結成分が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとを考慮することに基づいて、つまり両者を組み合わせることで、基準高さを設定することとしてもよい。
【0085】
(f)上記実施の形態では、2方向、つまり、x軸方向とy軸方向との双方につき連結成分を求めることとしているが、一方の連結成分のみを求め、それにより基準高さを設定することとしてもよい。
【0086】
(g)上記実施の形態では、複数の位置に対応する高さ(4つの値)の平均値がパターンの高さとして設定され、これに基づいて基準高さが設定されるようになっている。これにより、各部位においてプリント基板Kの反りや変形があったとしても、それらが相殺された上で妥当な基準高さが設定されることとなっている。これに対し、必ずしも平均値をパターンの高さとしなくてもよい。例えば、上から2番目又は3番目の値をパターンの高さとしてもよい。さらに例えば、上記実施の形態における4つの高さをそのまま基準高さとしてもよい。そして、検査対象となる部位に応じて採用すべき基準高さを変更できることとしてもよい。この場合、その位置に適した基準高さが採用されうることとなり、この場合、より一層精度の高い検査を行うことができる。
【0087】
(h)上記実施の形態におけるステップS105の処理を省略することとしてもよい。すなわち、設定距離内にある他のパターンの考慮することなく、当該パターンの高さをそのまま基準高さとしてもよい。
【0088】
(i)はんだの高さを求めることなく、基準高さを参酌することにより直接はんだの体積を算出することとしてもよい。例えば、基準高さよりも高い部分の断面積を長手方向に積分することで、はんだ体積を算出することとしてもよい。そして、この場合に、算出されたはんだ体積に基づいて良否判定を行うこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における三次元計測装置を具備するはんだ印刷検査装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】プリント基板の模式平面図と高さ情報を説明するためのグラフとを組み合わせた説明図である。
【図3】印刷状態の検査に際し実行される処理内容を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…はんだ印刷検査装置、2…三次元計測装置、3…照明装置、4…撮像手段としてのCCDカメラ、7…三次元計測装置制御部、8…基準高さ設定部、9…はんだ印刷検査部、K…基板を構成するプリント基板、C…はんだとしてのクリームはんだ。

Claims (9)

  1. 予め設定された検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータを計測する高さデータ計測手段と、
    基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、
    前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、
    前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、少なくとも良否判定を行う検査手段と
    を備え、前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであり、
    前記基準高さ設定手段は、前記高さデータ群に基づき、少なくとも一方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記一方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す連結成分を形成することに基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
  2. 予め設定された検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータを計測する高さデータ計測手段と、
    基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、
    前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、
    前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さに基づいて、少なくとも良否判定を行う検査手段と
    を備え、前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、所定単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づく高さ情報に基づいて前記基準高さを設定するものであり、
    前記基準高さ設定手段は、
    前記高さデータ群に基づき、第1方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第1方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分を形成することと、
    前記高さデータ群に基づき、前記第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第2方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分を形成することと、
    に基づいて前記高さ情報を得るものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
  3. 前記基準高さ設定手段は、前記連結成分を位置に関し微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のはんだ印刷検査装置。
  4. 前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のはんだ印刷検査装置。
  5. 前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のはんだ印刷検査装置。
  6. 前記基準高さ設定手段は、前記高さ情報を微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さと、前記高さ情報が最小値又はほぼ最小値を示す位置に対応する高さとを考慮することに基づいて前記基準高さを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のはんだ印刷検査装置。
  7. 前記基準高さ設定手段は、複数の位置に対応する前記高さを平均した値を基準高さとして設定するものであることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
  8. 前記はんだ高さ算出手段は、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータの位置情報に応じて採用する基準高さを変更することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のはんだ印刷検査装置。
  9. 少なくとも撮像手段を具備し、予め設定された検査領域につき、画素単位毎に三次元計測によって絶対的な高さデータを計測する高さデータ計測手段と、
    基準となる高さを設定する基準高さ設定手段と、
    前記基準高さ設定手段にて設定された基準高さに対し、前記高さデータ計測手段にて計測された絶対的な高さデータがどの程度の高さを有しているかに基づいて、前記はんだの高さを算出するはんだ高さ算出手段と、
    前記はんだ高さ算出手段により算出されたはんだの高さ、及び、高さに基づいて算出されたはんだの体積の少なくとも一方に基づいて、はんだに関し良否判定を行う検査手段と
    を備えたはんだ印刷検査装置であって、
    前記基準高さ設定手段は、前記検査領域につき、画素単位毎に三次元計測によって計測された絶対的な高さデータ群に基づいて、第1方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第1方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第1の連結成分を形成することと、
    前記高さデータ群に基づき、前記第1方向と直交又はほぼ直交する第2方向に前記基板の高さ以上の高さデータを積算し、該積算値を積算の対象となった単位数で除算し、該除算値を前記第2方向と直交する方向に求めて、位置に対する高さの関係を示す第2の連結成分を形成することとを行い、
    さらに、前記各連結成分を、位置に関し微分した上で、極大値及び極小値を示す位置に対応する高さに基づいて前記基準高さを設定するものであることを特徴とするはんだ印刷検査装置。
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