JP4028439B2 - 回路基板内蔵型コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタハウジング内に回路基板が組み込まれた回路基板内蔵型コネクタに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
コネクタは一般に導体の電気的接続に用いるものであるが、コネクタハウジング内に回路基板を組み込めば、コネクタにインテリジェンス機能（例えばアドレス信号を識別して所定の制御を行なう等）を持たせることが可能である。
【０００３】
このような回路基板内蔵型コネクタを組み立てるには、コネクタハウジング内に回路基板を組み込んで固定する必要がある。一般にプラスチック製のハウジング内に回路基板を簡単に固定する手段としては、ハウジングの内壁面にクラッシュリブを設けておいて、回路基板を組み込むときに、このクラッシュリブを回路基板の端縁で押し潰しながら組み込む方法が公知である。この方法によれば、回路基板をハウジングに押し込むだけで簡単に固定することができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
回路基板内蔵型コネクタの場合は、コネクタハウジングの所定位置に組み込まれた接続端子のリード部と、回路基板の端子接続部（スルーホール部等）とを電気的に接続する必要があるため、回路基板をコネクタハウジングに押し込んだときに、回路基板の端子接続部を接続端子のリード部に正確に一致させる必要がある。しかしながらコネクタハウジングの内壁面に前述のようなクラッシュリブを設けただけでは、クラッシュリブの潰れ方が一様にならないため、回路基板の板面方向の位置ずれが起こりやすく、回路基板の端子接続部を接続端子のリード部に正確に一致させることが困難である。特に回路基板のスルーホールに接続端子のリード部を挿入して接続するタイプの場合は、回路基板の位置ずれが起こると、回路基板のスルーホールに接続端子のリード部を挿入できず、回路基板をコネクタハウジングに組み込めなくなるという問題がある。
【０００５】
本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、コネクタハウジング内に回路基板を押し込んで固定するときに、回路基板を適正位置に正確に位置決めできる回路基板内蔵型コネクタを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回路基板内蔵型コネクタは、内部に回路基板収容スペースを有するコネクタハウジングと、このコネクタハウジングの前記回路基板収容スペースに組み込まれた回路基板と、前記コネクタハウジングに組み込まれてリード部が前記回路基板に接続された接続端子とを備えたものであって、
前記回路基板収容スペースを挟んで相対する内壁面の少なくとも一方の内壁面に、回路基板固定用のクラッシュリブを設けると共に、このクラッシュリブの近くに回路基板を適正位置に案内するガイド突起を設け、
前記クラッシュリブ及びガイド突起の上端部は、内壁面から離れるほど低くなるように形成され、
前記ガイド突起の内壁面からの突出寸法は、押し込まれた回路基板によって押し潰されないように設定され、前記クラッシュリブの内壁面からの突出寸法は、前記ガイド突起の突出寸法よりも大きく設定されている、
ことを特徴とするものである。
【０００７】
本発明は、接続端子のリード部が回路基板のスルーホールに挿入された状態で回路基板に半田付け接続されるタイプの回路基板内蔵型コネクタに適用した場合に特に効果的である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【０００９】
図１及び図２は本発明の一実施形態を示す。図において、10はプラスチック製のコネクタハウジング、12はコネクタハウジング10の回路基板収容スペースＳ内に組み込まれた回路基板、14はコネクタハウジング10の入力端側に組み込まれた圧接端子、16はコネクタハウジング10の出力端側に組み込まれた雌端子である。
【００１０】
コネクタハウジング10は本体10Ａと蓋体10Ｂとから構成されている。本体10Ａと蓋体10Ｂは公知の結合手段（図示せず）により互いに結合されるようになっている。前記回路基板12及び端子14、16はハウジング本体10Ａ側に組み込まれている。回路基板12には所要の電子部品例えばコンデンサ18やＩＣ20などが実装されている。圧接端子14はリード部14ａを有しており、その先端部はハウジング本体10Ａの底面から立ち上がるように形成されている。雌端子16も同様にリード部16ａを有しており、その先端部はハウジング本体10Ａの底面から立ち上がるように形成されている。回路基板12には圧接端子14のリード部14ａが挿入される第一のスルーホール22と、雌端子16のリード部16ａが挿入される第二のスルーホール24が形成されている。
【００１１】
ハウジング本体10Ａの、各圧接端子14の間には第一の仕切り壁26が形成され、圧接端子14群の両側には第一の側壁28が形成されている。各圧接端子14はこれら仕切り壁26及び側壁28によって所定の位置にセットされている。同様に、ハウジング本体10Ａの、各雌端子16の間には第二の仕切り壁30が形成され、雌端子14群の両側には第二の側壁32が形成されている。各雌端子14はこれら仕切り壁30及び側壁32によって所定の位置にセットされている。
【００１２】
ハウジング本体10Ａ内には、回路基板収容スペースＳ内で回路基板12を一定の高さに支持する段部34が形成されている。また回路基板収容スペースＳを囲む内壁面のうち、第一の側壁28の内端面28ａ（これも内壁面を構成する）と収容スペースＳを挟んで相対する第一の内壁面36Ａには、第一のクラッシュリブ38Ａ及びガイド突起40Ａが接近して形成されている。同様に第二の仕切り壁30及び側壁32の内端面30ａ、32ａ（これも内壁面を構成する）と収容スペースＳを挟んで相対するする第二の内壁面36Ｂにも、第二のクラッシュリブ38Ｂ及びガイド突起40Ｂが接近して形成されている。
【００１３】
クラッシュリブ38Ａ及びガイド突起40Ａの上端部は、図２に示すように、回路基板12の押し込みを容易にするため、内壁面36Ａから離れるほど低くなるように斜めに形成されている。クラッシュリブ38Ｂ及びガイド突起40Ｂの上端部も同様に形成されている。ガイド突起40Ａ、40Ｂの内壁面36Ａ、36Ｂからの突出寸法は、押し込まれた回路基板12が、ガイド突起40Ａ、40Ｂを押し潰すことなく、第一の側壁28の内端面28ａ及び第二の仕切り壁30及び側壁32の内端面30ａ、32ａに突き当たって、適正位置に収まるように設定されている。一方、クラッシュリブ38Ａ、38Ｂの内壁面36Ａ、36Ｂからの突出寸法は、ガイド突起40Ａ、40Ｂの突出寸法よりも大きく設定され、かつクラッシュリブ38Ａ、38Ｂの厚さは回路基板12の押し込みにより潰れる程度に設定されている。
【００１４】
その結果、回路基板12を収容スペースＳ内に、クラッシュリブ38Ａ、38Ｂを押し潰しながら、段部34に突き当たるまで押し込むと、回路基板12は、ガイド突起40Ａ、40Ｂによって適正位置に案内され、端子14、16のリード部14ａ、16ａが正確にスルーホール22、24内に挿入されると共に、押し潰されたクラッシュリブ38Ａ、38Ｂの反力により、適正位置に固定される。スルーホール22、24内に挿入されたリード部14ａ、16ａの先端部は回路基板12のランド部42に半田付け（図示省略）により接続される。
【００１５】
回路基板12がハウジング本体10Ａに組み込まれ、端子14、16のリード部14ａ、16ａが回路基板12に半田付けされた後、蓋体10Ｂを被せると、回路基板内蔵型コネクタが完成する。蓋体10Ｂを被せた状態では、図１（Ｂ）に示すように、圧接端子14の上半部が蓋体10Ｂの凹部内に突出する。この圧接端子14の上半部には押し込み部材44によって電線46が圧接接続される。また雌端子16には機器側の雄端子が差込み接続される。コネクタの端子14、16の形態は、上記以外のものであってもよい。
【００１６】
なお図１及び図２では、段部34上面からのクラッシュリブ38Ａ、38Ｂの高さをガイド突起40Ａ、40Ｂの高さより高くしたが、これとは反対にガイド突起の高さをクラッシュリブの高さより高くしてもよい。このようにすると、収容スペースＳに押し込まれる回路基板12は、まずガイド突起により適正位置に案内された後、クラッシュリブを押し潰して固定されることになる。
【００１７】
また上記実施形態では、収容スペースＳを挟んで相対する内壁面の一方にクラッシュリブ及びガイド突起を形成した場合を説明したが、クラッシュリブ及びガイド突起は相対する内壁面の両方に（例えば第一の内壁面36Ａと第一の側壁28内端面28ａの両方に）形成してもよい。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コネクタハウジングの回路基板収容スペースに回路基板を押し込むだけで、回路基板を簡単に固定できると共に、回路基板をコネクタハウジング内の適正位置に正確に位置決めすることができる。このため接続端子のリード部と回路基板の端子接続部とを正確に一致させることができ、回路基板内蔵型コネクタの組立を高精度で容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る回路基板内蔵型コネクタの一実施形態を示す、（Ａ）は蓋体を外した状態での平面図、（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ（Ａ）のＢ−Ｂ線、Ｃ−Ｃ線における蓋体を被せた状態での断面図。
【図２】 本発明に係る回路基板内蔵型コネクタにおけるクラッシュリブ及びガイド突起の関係を示す（Ａ）は断面図、（Ｂ）は斜視図。
【符号の説明】
10：コネクタハウジング
10Ａ：ハウジング本体
10Ｂ：蓋体
12：回路基板
Ｓ：回路基板収容スペース
14：圧接端子
14ａ：リード部
16：雌端子
16ａ：リード部
22、24：スルーホール
26：第一の仕切り壁
28：第一の側壁
28ａ：内端面
30：第二の仕切り壁
30ａ：内端面
32：第二の側壁
32ａ：内端面
34：段部
36Ａ、36Ｂ：内壁面
38Ａ、38Ｂ：クラッシュリブ
40Ａ、40Ｂ：ガイド突起
46：電線
Claims (2)
- 内部に回路基板収容スペースを有するコネクタハウジングと、このコネクタハウジングの前記回路基板収容スペースに組み込まれた回路基板と、前記コネクタハウジングに組み込まれてリード部が前記回路基板に接続された接続端子とを備えた回路基板内蔵型コネクタであって、
前記回路基板収容スペースを挟んで相対する内壁面の少なくとも一方の内壁面に、回路基板固定用のクラッシュリブを設けると共に、このクラッシュリブの近くに回路基板を適正位置に案内するガイド突起を設け、
前記クラッシュリブ及びガイド突起の上端部は、内壁面から離れるほど低くなるように形成され、
前記ガイド突起の内壁面からの突出寸法は、押し込まれた回路基板によって押し潰されないように設定され、前記クラッシュリブの内壁面からの突出寸法は、前記ガイド突起の突出寸法よりも大きく設定されている、
ことを特徴とする回路基板内蔵型コネクタ。 - 請求項１記載のコネクタであって、接続端子のリード部が回路基板のスルーホールに挿入された状態で回路基板に接続されていることを特徴とする回路基板内蔵型コネクタ。
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- 2003-06-13 JP JP2003168576A patent/JP4028439B2/ja not_active Expired - Lifetime
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