JP4028010B2 - 車両用自動変速機制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機制御装置に係り、特に、変速初期のショックを低減するための制御を実行する車両用自動変速機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機においては、急激な変速の進行による変速終了時のショックと、逆に変速に時間がかかり過ぎることによる摩擦係合要素の損傷とを回避する必要があることはよく知られている。
【0003】
このため、従来、変速終了時のショックを軽減する技術として、クラッチ油圧を一定勾配で上昇させた後、イナーシャ相期間の後半でクラッチ油圧を一定に保つ様にしたものや(例えば特開昭63−28359号公報参照。)、クラッチ油圧を最初は大きな増加率で上昇させ、イナーシャ相期間においてはその増加率を低下させるようにしたもの(例えば特開平6−341524号公報参照。)が知られている。
【0004】
また、アキュムレータを備えたシステムにおいて、高負荷時にはスロットル開度に応じたゲインにてライン圧を漸増させることでクラッチ油圧の上昇勾配を大きくして変速期間を短縮し、低負荷時には変速中のライン圧を一定に保つことでクラッチ油圧の上昇勾配を小さくして変速ショックを低減する技術も知られている(特開平1−266353号公報)。
【0005】
さらに、イナーシャ相期間におけるフィードバック制御の開始油圧を学習制御によって最適化しようという技術も知られている(特開昭60−227046号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術は、いずれもイナーシャ相における挙動に着目してイナーシャ相開始油圧や、イナーシャ相終了油圧を制御するものばかりであり、それ以前のトルク相に対しては、いずれも一定勾配で油圧を上昇させているだけであった。
【0007】
このため、例えば、アキュムレータを利用したシステムにおいては、図25に示す様に、ライン圧が適正値に対して高めに現れるときは、クラッチ油圧の上昇勾配がきつくなり、その結果、トルク相が短時間で終了してしまい、適正なライン圧におけるトルク変化(図示実線参照。)に比べて急峻なトルク変化を発生し(図示点線参照。)、乗員にショックを感じさせる。また、トルク相終了後、入力軸回転数に基づくライン圧のフィードバック制御が開始するまでの期間のクラッチ油圧の上昇勾配も大きいことから、この間のトルク変化量が大きく、これによっても乗員にショックを感じさせる。こうした変速初期の期間におけるショックは、変速終了時のショック低減技術が進むほど、かえって目立つ様になる。
【0008】
逆に、ライン圧が適正値よりも低めに現れるときはクラッチ油圧は適正な場合よりも緩い勾配で上昇することとなり、図示一点鎖線の様にトルク相開始が遅れると共にトルク相終了も遅れる。さらに、その後のフィードバック制御の開始も大きく遅れる。この結果、トルク相付近におけるトルク勾配が緩やかすぎて、運転者は減速感を強く感じる様になる。そして、ライン圧が適正値よりも大幅に低い場合は、アキュムレータピストンがフルストローク分移動しても変速が終了せず、その後の圧力急上昇により急係合がなされることがある。この様な急係合が生じると、前述の減速感に加えて大きなショックが発生する。
【0009】
こうしたライン圧のずれは、自動変速機を構成する各種部品の個体差によって生じる。また、変速時のトルク相開始油圧やトルク相終了油圧についても、エンジンの出力状態の変化を含む個体差や摩擦係合要素の摩擦材の経時変化などにより変化する。従来の制御では、こうした変速初期に発生するショックが個体差や経年変化などによってばらつくという問題には対処することができない。
【0010】
加えて、このようなショックのばらつきに対しては、イナーシャ相期間のようなフィードバック制御が困難である。それは、変速機入力軸回転数センサでは、トルク相付近の変速挙動を十分に検出できないからである。もちろん、トルクセンサを用いて出力軸トルクを直接検出すれば、トルク相付近の変速挙動に対するフィードバック制御も可能ではある。しかし、トルクセンサの追加装着は多大なコストアップにつながり、現実的ではない。
【0011】
ところで、特開平4−157258号公報では、イナーシャ相の開始が遅れすぎるのを防止するため、ガードタイマがカウントアップする前にイナーシャ相の開始が検出されないときは、それまで一定に保っていたライン圧を徐々に増大させて、適正値に対してライン圧が低すぎる場合の問題をある程度解決している。
【0012】
しかし、この特開平4−157258号公報記載の技術では、ライン圧が高めに現れる様な場合には全く対処することができないという問題がある。
そこで、本発明は、変速初期におけるショックのばらつきを軽減し、個体差等による変速時の違和感を低減することを目的とし、特に、ライン圧が高めに現れる場合にも充分に対処できる様にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、入力軸と、出力軸と、係合状態を調整可能な摩擦係合手段と、該摩擦係合手段の係合状態に応じた変速比で上記入力軸の回転力を上記出力軸に伝達する変速手段とを有する車両用自動変速機を制御する車両用自動変速機制御装置であって、
指示された制御量に応じて油圧を供給することにより、上記摩擦係合手段の係合状態を調整する係合状態調整手段と、
変速初期のイナーシャ相開始前において、上記制御量の経時変化が、単調増加で徐々に変化率が増加する曲線に沿うように、上記制御量を算出し、変化率が所定値に達した後は、変化率を当該所定値に固定して、上記制御量を算出する、または、変速初期のイナーシャ相開始前において、上記制御量の経時変化が、単調減少で徐々に変化率が減少する曲線に沿うように、上記制御量を算出し、変化率が所定値に達した後は、変化率を当該所定値に固定して、上記制御量を算出する制御量算出手段と、
を備えたことを特徴とする車両用自動変速機制御装置を要旨としている。
【0014】
このように構成された本発明では、変速初期のイナーシャ相開始前において、変化率が所定値に達するまで、制御量の経時変化が、単調増加で徐々に変化率が増加し、または単調減少で徐々に変化率が減少する曲線に沿うように、制御量算出手段が制御量を算出し、係合状態調整手段は、その制御量に応じて油圧を供給することにより、上記摩擦係合手段の係合状態を調整する。
【0015】
ここで、制御量を上述のように増加する場合は、次のように油圧を制御することができる。例えば、ライン圧等の特性変化により、制御量がかなり大きくなってから摩擦係合手段の係合状態が変化したとすると、その直後の制御量変化率(=曲線の傾き)は大きくなる。逆に、制御量が小さい内に係合状態が変化したとすると、その直後の制御量変化率は小さくなる。また、制御量を上述のように減少する場合は、制御量がまだ大きい内に係合状態が変化したとすると、その直後の制御量変化率は大きく、制御量が小さくなってから係合状態が変化すると、その直後の制御量変化率は小さくなる。
【0016】
摩擦係合手段の係合状態が変化する油圧はほぼ一定であり、その後、制御量変化率は、係合状態変化時の制御量に対応する値となる。このため、本発明では、摩擦係合手段の係合状態が変化した直後の油圧を良好に制御することができ、延いては、変速ショックを良好に抑制することができるのである。また、本発明においては、制御量の変化率が所定値に達した後、変化率を固定するので、トルク相期間が短くなり過ぎる不具合を排除することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加え、更に、上記曲線を過去の変速状態に応じて学習補正する学習補正手段を備えたことを特徴としている。ここで、変速状態としては、例えば、変速に要した時間や、フィードバック制御を併用する装置であればそのフィードバック制御の総制御量などが挙げられる。このため、本発明では、自動変速機の制御系(例えば電磁弁など)の経時変化に適応した曲線を用いて上記制御量を算出することが可能となり、請求項1記載の発明の効果に加えて、一層良好に、かつ、長期間に渡って変速ショックを抑制することができるといった効果が生じる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成に加え、更に、上記曲線の傾きを、上記係合状態調整手段に供給される油圧と、上記入力トルクとに応じて補正する傾斜補正手段を備えたことを特徴としている。係合状態調整手段に供給される油圧(例えばライン圧など)が高い場合は、それに応じて上記制御量も小さくすることが、トルク変動や変速ショックを抑制する上で望ましい。また、入力トルクが大きい場合は、ある程度トルク変動が生じても変速ショックとして実感されることが少ない。このため、上記制御量を比較的急激に増減させて変速時間を短縮することができる。
【0019】
本発明では、係合状態調整手段に供給される油圧と、入力トルクとに応じて補正しているので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、変速ショックを一層良好に抑制すると共に、変速時間を短縮することができるといった効果が生じる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、更に、上記制御量の初期値が、上記摩擦係合手段および上記係合状態調整手段の特性に応じて設定されたことを特徴としている。制御量の初期値の設定を誤ると、変速の初期に摩擦係合手段に加わる油圧が一旦減少してから増加に転じたり、一旦増加してから減少に転じるなどの不規則な挙動を起こす場合がある。ところが、摩擦係合手段および係合状態調整手段の特性に応じて制御量の初期値を設定すると、このような事態の発生を良好に防止することができる。
【0021】
このため、請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、油圧の上記不規則な挙動を防止して、一層良好に変速ショックを抑制することができるといった効果が生じる。
【0050】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は本発明が適用された車両用自動変速機制御装置の構成を表す模式図である。この装置は自動車用の自動変速機1を制御するもので、先ず、自動変速機1は次のように構成されている。なお、図1では、自動変速機1においてDレンジの3速から4速へのシフトアップに関与する構成のみを記載している。
【0051】
図に示すように、自動変速機1は、変速手段としての遊星歯車装置3と、摩擦係合手段としてのクラッチ5とを備えている。図示しないエンジンからトルクコンバータを介して回転力が入力される入力軸7は、遊星歯車装置3のキャリア31と一体に回転可能に接続されている。キャリア31の先端にはピニオンギヤ33が回転自在に接続され、そのピニオンギヤ33は、遊星歯車装置3のサンギヤ35とリングギヤ37との間に配設されている。サンギヤ35は、クラッチ5のクラッチディスク51と一体に回転可能に接続されると共に、一方向クラッチ39を介してキャリア31と接続され、入力軸7より高速で回転しないようにされている。また、リングギヤ37は、図示しない駆動輪に他の変速ギヤなどを介して回転力を伝達する出力軸9と一体に回転可能に接続されている。
【0052】
クラッチディスク51を挾圧するクラッチプレート53は自動変速機1のハウジング11に固定されている。更に、クラッチ5には、クラッチプレート53にクラッチディスク51を挾圧する挾圧力を印加する油圧シリンダ55が設けられ、この油圧シリンダ55には、係合状態調整手段としての電磁弁57を介してその開弁デューティに応じた油圧が供給される。より具体的には、電磁弁57は、油圧シリンダ55の圧力室と、ライン圧を供給するライン圧供給路と、ライン圧供給路中のドレン経路との分岐位置に設置されており、デューティ制御によってドレン経路及びライン圧供給路と油圧シリンダ55の圧力室との連絡状態を制御して、油圧シリンダ55の圧力室の油圧を直接制御するもので、いわゆるダイレクト制御用のものである。
【0053】
自動変速機1がDレンジの3速に設定されているときは、油圧シリンダ55には油圧が印加されず、クラッチディスク51とクラッチプレート53とは係合していない。このとき、入力軸7がTt方向に回転すると、ピニオンギヤ33も同方向に公転する。すると、ピニオンギヤ33には、公転方向と逆方向(Tp)に自転しようとする力が作用するが、一方向クラッチ39によりこの自転が阻止される。このため、ピニオンギヤ33,サンギヤ35,リングギヤ37,および出力軸9は、一体となって入力軸7と同方向(To)に同一速度で回転する。すなわち、自動変速機1の図示した構成による変速比は1となる。
【0054】
次に、自動変速機1のシフトアップが指令されると、油圧シリンダ55に油圧が印加され、クラッチディスク51とクラッチプレート53とが係合する。するとサンギヤ35の回転が阻止される。このため、ピニオンギヤ33はTt方向に公転しながらその公転方向(Tpの逆方向)へ自転し、リングギヤ37および出力軸9は、入力軸7より速い速度で入力軸7と同方向(To)に回転する。すなわち、自動変速機1の図示した構成による変速比が1より大きくなる。
【0055】
また、この車両用自動変速機制御装置には、駆動回路61を介して電磁弁57を開閉制御する電子制御回路(ECU)63が設けられている。電子制御回路63には、入力軸7の回転数Ntを検出する入力軸回転数センサ65,スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ66,エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ67,トルクコンバータの油温を検出する油温センサ69,および車速Voを検出する車速センサ70など種々のセンサの検出信号が入力されている。
【0056】
この電子制御回路63は、CPU,ROM,RAMを中心とする周知のマイクロコンピュータによって構成され、Dレンジの3速から4速へのシフトアップ時には、上記各種センサの検出信号に基づき電磁弁57を開閉駆動するアップシフト制御処理を実行する。
【0057】
次に、このアップシフト制御処理について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、電子制御回路63は、スロットル開度TA,車速Voなどに基づいて自動変速機1の変速段を決定する周知の変速制御処理も別ルーチンで実行しており、この変速制御処理によりDレンジの3速から4速へのアップシフトが指令されると本ルーチンを実行する。
【0058】
図に示すように、処理を開始すると、ステップ101を実行する。ここでは、予め設定された所定時間、電磁弁のデューティを100%として、ピストンが移動可能な状態となるまで油圧シリンダ55に圧油の急速充填を行う。この急速充填制御が終了すると、ステップ103,105へ順次移行し、スロットル開度TAに基づき、図3(A),(B)のマップを用いて、後述の制御デューティdnの初期値d0 および係数kを演算する。なお、初期値d0 の演算に使用される図3(A)のマップは、クラッチ5の容量と電磁弁57の特性とに基づいて設定されている。また、図3(A),(B)の中で、本ルーチンで使用するのは一点鎖線で示す3速から4速への変速用のマップであるが、1速から2速への変速,2速から3速への変速用のマップも、実線,波線で例示する。
【0059】
続くステップ107では、次式により制御デューティdnを算出する。すると、図示しない他のルーチンにより、電磁弁57を制御デューティdnで開弁する駆動制御が実行される。
【0060】
【数1】
【0061】
なお、Mは制御開始時に0に設定される変数で、最初にこのステップへ移行したときはdn=d0 となる。また、nは予め設定された2以上の整数である。続いて、ステップ111にてMの値を1加算した後ステップ113へ移行し、フィードバック(F/B)条件が成立しているか否かを判断する。
【0062】
ここで、フィードバック条件とは、クラッチ5が係合し始め(すなわち、イナーシャ相が開始され)制御デューティdnのフィードバック制御が可能となったことを表す条件で、例えば、クラッチ5の係合によって入力軸回転数Ntが所定量低下したとき成立するように定義することができる。フィードバック条件が成立していないときは(ステップ113:NO)、再びステップ107へ移行し、前述の処理を繰り返す。すなわち、フィードバック条件が成立するまで、制御デューティdnをn次の曲線に沿って増加させる。
【0063】
フィードバック条件が成立すると(ステップ103:YES)、ステップ115へ移行してフィードバック制御を実行する。ここでは、入力回転数Ntの変化率△Ntが所定の目標値に近づくように制御デューティdnをフィードバック制御する。続くステップ117では、変速が終了したか否か、すなわちクラッチ5が完全に係合したか否かを判断し、変速が終了するまでステップ115の処理を繰り返す。
【0064】
変速が終了し、ステップ117で肯定判断すると、ステップ119へ移行し、初期値d0 および係数kの補正量を算出する。ここでは、変速全体に要した時間およびフィードバック制御(ステップ115)の総制御量に基づき、それらの時間および制御量をより小さくすることができるよう、上記補正量を算出するのである。すると、次回の処理から、ステップ103,105では、図3(A),(B)から読み込んだ値にその補正量を加算した値を、初期値d0 ,係数kとして演算する。例えば、次回の処理では、次式により補正された初期値d0 ′を初期値d0 として使用する。
【0065】
【数2】
【0066】
続くステップ121では、制御デューティdnを比較的急峻に100%まで上昇させる終了制御を行って、一旦処理を終了する。
このように構成された本車両用自動変速機制御装置では、図4に例示するように、変速開始後、急速充填制御が終了して(時点a)からフィードバック制御が可能となる(時点c)までの間、n次の曲線に沿って制御デューティdnを増加させている。このため、その間(時点a〜c)、制御デューティdnは、単調増加で徐々に変化率が増加する曲線に沿って変化することになり、次のようにライン圧のばらつきや電磁弁57の特性のばらつきの影響を除去することができる。
【0067】
例えば、ライン圧が高くて、制御デューティdnが小さい内にイナーシャ相が開始した(時点b)とすると、イナーシャ相が開始してからフィードバック条件が成立するまで(時点b〜c)の制御デューティdnの変化率(=曲線の傾き)は小さくなる。逆に、ライン圧が低くて、制御デューティdnがかなり大きくなってからイナーシャ相が開始したとすると、イナーシャ相が開始してからフィードバック条件が成立するまでの制御デューティdnの変化率は大きくなる。
【0068】
すなわち、イナーシャ相が開始するとき(時点b)、クラッチ5に印加されている油圧はほぼ一定であり、そのときの制御デューティdn変化率は、イナーシャ相開始時の制御デューティdnに対応する値となる。このため、上記時点b〜c間でクラッチ5に印加される油圧の変化を、ライン圧,電磁弁57の特性変化などに関わらずほぼ一定にすることができる。
【0069】
例えば、ライン圧が高いほど制御デューティdnの変化がクラッチに印加される油圧に与える影響は大きくなるが、前述のようにライン圧が高いほど制御デューティdnの変化率が小さくなる。従って、出力トルクToの変動△Tを小さくし、変速ショックを良好に抑制することができる。
【0070】
なお、図4には、イナーシャ相が開始するまで制御デューティdnを直線的に増加させる場合を、比較例として波線で記載した。この場合、イナーシャ相が開始して(時点b′)からフィードバック制御が可能となる(時点c′)までの間で、クラッチ5に加わる油圧には、ライン圧や電磁弁特性の変化がそのまま反映される。従って、図4に例示するようにライン圧が高い場合には、出力トルクToの変動△Tが大きくなり、変速ショックを抑制することができないのである。
【0071】
図5に、ライン圧PLと、出力トルクToの変動△Tとの対応関係を例示する。図5に●で例示する本実施の形態では、ライン圧PLが変動しても△Tは殆ど変化しない。これに対して、○で例示する上記比較例では、ライン圧PLの変動がそのまま△Tに反映され、変速ショックを良好に防止することができない。なお、比較例ではライン圧PLが低下したとき△Tも小さくなる。
【0072】
また、上記実施の形態では、初期値d0 および係数kを、変速に要した時間やフィードバック制御の総制御量に応じて学習補正している(ステップ119)。このため、上記曲線を電磁弁57などの経時変化に適応したものとして、一層良好に、かつ、長期間に渡って変速ショックを抑制することができる。
【0073】
更に、上記実施の形態では、初期値d0 を演算するためのマップをクラッチ5の容量と電磁弁57の特性とに基づいて設定している。初期値d0 の設定を誤ると、変速の初期にクラッチ5の油圧が一旦減少してから増加に転じたりすることがあるが、クラッチ5の容量と電磁弁57の特性とに基づいて初期値d0 を設定すればこのような事態の発生を良好に防止することができる。従って、一層良好に変速ショックを抑制することができる。
【0074】
なお、上記実施の形態において、ステップ107,111が制御量算出手段に、ステップ119が学習補正手段に、それぞれ相当する処理である。
また、本発明は上記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【0075】
例えば、上記実施の形態では、制御デューティdnをn次の曲線に沿って増加させているが、指数関数など、単調増加で徐々に変化率が増加する曲線であれば、種々の曲線に沿って増加させることができる。この場合も、上記実施の形態とほぼ同様の作用・効果が得られる。
【0076】
また、上記実施の形態では、スロットル開度TAに基づいて係数kを設定しているが、図6に例示するようなマップを用い、係数kをライン圧PLおよび入力トルクTtに基づいて設定してもよい。ライン圧PLが高い場合は、それに応じて制御デューティdnも小さくすることが、トルク変動や変速ショックを抑制する上で望ましい。また、入力トルクTtが大きい場合は、ある程度トルク変動が生じても変速ショックとして実感されることが少ない。このため、制御デューティdnを比較的急激に増減させて変速時間を短縮することができる。従って、係数kを図6のマップにより設定すれば、変速ショックを良好に抑制すると共に、変速時間を短縮することができる。
【0077】
なお、この種のマップは、変速の形態(例えば、1速→2速、2速→3速,……)毎に用意するのが望ましい、また、この場合、入力トルクTtは、エンジン回転数センサ67,油温センサ69の出力に基づき、次のように推定することができる。すなわち、先ず、油温センサ69を介して検出したトルクコンバータの油温により、トルクコンバータの容量係数Cを算出する。続いて、エンジン回転数センサ67を介して検出したエンジン回転数Neを二乗した値に基づき、次式により入力トルクTtを推定するのである。
【0078】
【数3】
【0079】
但し、Kは所定係数である。
なお、図6のマップに基づいて係数kを算出する処理が傾斜補正手段に相当する処理である。
更に、上記各実施の形態では、シフトアップ時の変速制御について説明したが、本発明は、シフトダウン時の変速制御にも適用することができる。図7は、本発明をシフトダウンに適用した場合の効果を例示するタイムチャートである。なお、車両用自動変速機制御装置の構成は図1に示したものと同様であるとする。
【0080】
この場合、単調減少で徐々に変化率が減少する曲線に沿って制御デューティdnを徐々に減少させる。すると、クラッチ5に加わる油圧が低下し、その係合が外れ始めると入力回転数Ntが急増する。ライン圧PLが高いと、制御デューティdnがかなり小さくなってから上記係合が外れ始めるので、そのときの制御デューティ変化率(=曲線の傾き)は小さい。逆に、ライン圧PLが低いと、制御デューティdnが大きい内に上記係合が外れ始めるので、そのときの制御デューティ変化率は大きい。上記係合が外れ始めるときの油圧はほぼ一定であり、その後の制御デューティ変化率はライン圧PLと対応した値となるので、上記係合が外れ始めた後の油圧を良好に制御することができる。従って、出力トルクToの変動△Tも小さくなり、変速ショックを良好に抑制することができる。同様に、電磁弁57などの特性変化に対しても変動△Tを小さくして、変速ショックを抑制することができる。
【0081】
なお、図7には、制御デューティdnを直線的に減少させる場合を、比較例として波線で記載した。この場合、前述のシフトアップ時と同様に、係合がはずれ始めた後の油圧変化にライン圧PLなどの変化がそのまま反映され、出力トルクToの変動△Tが大きくなる。
【0082】
また更に、本発明は、クラッチの係合を外すことによってシフトアップする変速制御や、クラッチを係合させることによってシフトダウンする変速制御にも適用することができ、前述と同様の作用・効果が得られる。
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態のシステムの全体構成を示している。
【0083】
このシステムは、自動変速機102とデファレンシャルギア103を介して駆動車輪104に接続された電子制御エンジン101を備えている。
この電子制御エンジン101は、エンジン制御コンピュータ105を備え、このコンピュータにはエンジン回転数を検出するエンジン回転センサ106、車速(自動変速機の出力軸回転数)を検出する車速センサ107、エンジンのスロットル開度を検出するスロットルセンサ108、及び吸入空気量を検出する吸入空気量センサ109の各信号が入力される。
【0084】
エンジン制御用コンピュータ105は、これら入力情報を基に燃料噴射量を決定してエンジン101に指令を出し、また図示しないが点火信号をエンジン101に供給する。この指令に応じて、図示しない燃料供給装置、点火装置が作動し、エンジン101の回転に合わせて燃料の供給と燃焼が行われ、エンジンを運転する。
【0085】
また自動変速機102は、トルクコンバータ110、変速歯車機構111を備える。変速歯車機構111は、図9に示す様に、クラッチやブレーキなどの各種摩擦係合要素を内蔵し、変速制御用コンピュータ114からの指令に基づき駆動されるコントロールバルブ115から適宜油圧が供給され、その油圧を各種摩擦係合要素に作動させることで変速を実現した公知のものである。
【0086】
このコントロールバルブ115には、図8に示す様に、変速制御用コンピュータ114の指令で変速段毎に油圧を供給する経路を切り換える変速制御ソレノイド115a,115bと、油圧の大きさを制御するライン圧制御ソレノイド116とが備えられている。本実施例においては、115a,115bの2本の変速制御ソレノイドを用いる構成としたが、変速段数やコントロールバルブ115内部の構成に応じて、ソレノイドの本数を増やしてもよい。また変速過渡時の作動油の急速な充填、排出のためのタイミングを調節するソレノイドを追加しても良い。さらにライン圧制御ソレノイド116としては、本実施例では以下デューティソレノイドとして説明するが、油圧を可変にできる機構のものであればリニアソレノイドなど他の手段を用いても良い。デューティソレノイドあるいはリニアソレノイドは、図示しない油圧ポンプが発生する油圧を、ライン圧を調整するためのプレッシャレギュレータに導入する部分に設けられ、ドレン割合を調整することで、ライン圧を制御する様に構成されたものである。
【0087】
また、コントロールバルブ115は、図10に示すようなアキュムレータ120を内蔵している。
このアキュムレータ120は、コントロールバルブ115から変速歯車機構110内のクラッチCLに作動油を供給する油路121に設けられ、該油路121中のオリフィス122及び逆止弁123の下流位置に取り付けられている。また、このアキュムレータ120は、段付きの穴に軸方向に移動自在に嵌合されたピストン124と、このピストン124を図示上向きに押圧するコイルスプリング125とを備えている。そして、ピストン124の大径部背面には、油路126を介してライン圧PLを元圧とする油圧が常時付与されている。コイルスプリング125のバネ圧は、この油路126から供給されるライン圧PLよりは小さくなるように設定されている。
【0088】
このアキュムレータ120は、コントロールバルブ115が開いてクラッチCLに対して例えば一定のライン圧PLを供給し始めると、油路121に作動油の充填が完了した時点から一定勾配でクラッチ油圧PCを上昇させる作用を発揮する。コントロールバルブ115にこうしたアキュムレータ120を内蔵すること自体は、従来から行われていたことである。ただし、従来は、変速時のフィードバック制御開始前のライン圧を一定に制御していたが、本実施の形態ではフィードバック制御開始前において、後述の様なライン圧制御を行う点が特徴である。即ち、従来と同様のアキュムレータ120を用いているが、フィードバック開始前のクラッチ油圧の上昇状態が、後述の様に曲線的になることが本実施の形態の特徴である。
【0089】
なお、こうしたライン圧制御等を実施する変速制御用コンピュータ114は、図示しないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなるマイクロコンピュータで構成されている。そして、変速制御用コンピュータ114には、図8に示した様に、入力軸112の回転数を計測する入力軸回転センサ117、車速センサ107、スロットルセンサ108の各信号が入力され、変速すべき条件か否かの判定やライン圧の設定を実施している。
【0090】
また、エンジン制御用コンピュータ105と変速制御用コンピュータ114は、通信ライン118で結ばれ、制御情報や指令を双方向に通信できるようになっている。この通信ライン118は、LAN(Local Area Network)の様な多重通信機構を用いてもよいし、必要な通信毎に制御コンピュータの入出力ポートを接続する配線でもよい。
【0091】
次に、本実施の形態において変速制御コンピュータ114が実行する制御内容について説明する。この制御内容は、アップシフトが行われる場合についてのものである。
変速制御用コンピュータ114は、まず、図11に示す様に、変速判断に必要なスロットル開度θacc 、車速(=出力軸回転数)Nos、入力軸回転数Ntを読み込む(ステップ210)。そして、変速線図に基づいて変速の有無を判定する(ステップ220)。
【0092】
変速線図としては、車速とスロットル開度をパラメータとしたマップを変速制御用コンピュータ114が予め記憶している。このマップは、図14に示す様に、変速段決定の際のチャタリング防止のため、第n速(n=1,2,3)から第n+1速への変速(アップシフト)と第m速(m=2,3,4)から第m−1速への変速(ダウンシフト)とで、アップシフトの場合は実線で、ダウンシフトの場合は破線で示すように異なる判定線を用いるように構成されている。
【0093】
変速制御用コンピュータ114は、この変速線図を用いて、前回の演算における車速−スロットル開度の関係位置と今回の演算におけるその関係位置とを結んだ線が、実線または破線の変速線を横切った場合に変速有りと判定する。
変速有りと判定された場合には、変速線図から求められる新たな変速段に対応するように、変速制御ソレノイド115a,115bのON/OFF状態を切り換える(ステップ230)。
【0094】
変速制御ソレノイド115a,115bのON/OFF状態は、例えば下記表1の様に制御される。この関係も、予め変速制御用コンピュータ114に記憶してある。
【0095】
【表1】
【0096】
次に、タイマt1の値を初期化する(ステップ240)。このタイマt1は、ステップ230のソレノイド切換によって新たに係合されることとなる摩擦係合要素に通じる油路に対して、作動油を急速に充填するための制御に用いられる。こうしてタイマt1の初期化が完了すると、次に、ソレノイドバルブ116に対して最高油圧を達成するための駆動デューティを出力する(ステップ250)。これは、ライン圧PLを最高油圧として、新たな油路に対して急速に作動油を充填するためである。そして、タイマt1の値をインクリメントし(ステップ260)、このタイマt1の値を充填制御期間として定めた所定値TFと比較する(ステップ270)。比較の結果、t1<TF(即ち、ステップ270=NO)と判定された場合には、ステップ250に戻り、最高油圧による充填制御を続行する。一方、t1≧TF(即ち、ステップ270=YES)と判定された場合には、ステップ280の初期油圧増圧制御ルーチンに進む。
【0097】
ここで、以上のステップ250〜270の条件判断ループが、例えば16msec毎に実行されるとすると、TFの値として6を設定しておけば、ライン圧PLとしては、急速充填のための最高油圧が16×6=96msecの間出力されることになる。
【0098】
この急速充填のための油圧は、本実施の形態では出力できる最高油圧としたが、最高油圧であっても良いし、次に述べる初期油圧制御の開始油圧より高い油圧であれば、メカの資質で決まる適当な値としても良い。また、所定の時間は充填時に設定する油圧の大きさやメカの性質で決まり、およそ50〜200msec程度の範囲で設定できる。
【0099】
以上の充填制御の油圧及び時間は、充填指令に起因してクラッチ油圧が高くなるがその油圧でトルク相に入ってしまわないように、選べば良い。その時、ライン圧指令に対するクラッチ油圧の応答遅れを考慮する必要があり、制御の設計に先立って、実験的に適正な油圧値と時間を求めることができる。
【0100】
なおこの充填制御は、次に述べる初期油圧の制御が低い油圧からの増圧となるために、摩擦係合要素につながる油圧回路中を圧油で満たす「充填」に多くの時間がかかるのを防止し、トルク相開始までの時間を短縮するためのものである。特に本実施例で用いている油圧回路中にアキュムレータを持つ構成のものでは、アキュムレータのストローク終了までに変速(イナーシャ相)が終了しない、いわゆる棚外れ変速を防止する上で、大きな効果を持つ。また、アキュムレータを持たない構成であっても、変速指令からトルク相開始までの時間(ひいては変速時間)を短縮する効果を持つ。
【0101】
こうして充填制御が終了したら、ステップ280に進んで初期油圧の増圧制御が実行される。この初期油圧の増圧制御は、図12に示す様な手順で実行される。
まず、最初にタイマtを初期化する(ステップ2810)。続いて、ライン圧PLとして変速開始油圧Piを設定する(ステップ2820)。
【0102】
この変速開始油圧Piは、スロットル開度をパラメータとするマップから求められる。こうしたマップとしては、図15に示す様に、一点鎖線で示される変速時用と、実線で示される変速時以外用の2つが、変速制御コンピュータ114に予め記憶されている。
【0103】
ここで、本実施の形態では、変速時用として従来設定されていた点線のマップPfittよりも、より低いライン圧を変速開始用ライン圧としているのが特徴である。図15に併記した従来の変速時用マップPfittは、システムが設計通りの性能を発揮することを前提に定められたものである。従って、本実施の形態においては、設計条件よりも低めのライン圧をもって変速開始油圧Piとしていることになる。この様に設計条件より低めのライン圧を変速開始油圧とするのが本実施の形態における一つの特徴である。
【0104】
次に、ステップ2830において、下記(4)式に基づいて、この段階におけるライン圧PLの制御値を算出する。この制御値が大きいほど、デューティソレノイド116におけるドレン割合が小さいことになる。よって、ドレン割合として言い換えると、プレッシャレギュレータにおけるポンプ吐出油のドレン割合を徐々に減少させ、かつその減少率が時間と共に大きくなるようにデューティソレノイド116に対する制御指令を算出することになる。
【0105】
【数4】
【0106】
ここで、aは変速機のメカ的特性によって決まる定数である。その設定の目安としては、図15に点線で示した変速時最適油圧マップから得られるPfittと、イナーシャ相開始までに要する設計上の時間をTfittとしたとき、a×Tfitt2 +Piが、Pfittよりやや大きめの値となるように設定するとよい。即ち、変速機が設計通りの性能を発揮している場合に、大きな不具合が生じない様に定めるのである。なお、Piは、前述の様に図15のマップにより求めた変速開始油圧である。また、△piは、後述する学習制御の結果としての補正項である。出荷時には△pi=0に設定されている。
【0107】
従って、一番最初にこのステップ2830が実行されるときは、t=0,△pi=0なので、PL=Piとなる。
そして、続くステップ2840,2850で、上記(4)式の計算結果に基づいてソレノイド116の駆動デューティを決定し、出力する。この駆動デューティは、図16に示す様なマップを用いて決定される。この図16のマップも、変速制御用コンピュータ114に予め記憶されている。
【0108】
さらにその後、ステップ2860に進んで、下記(5)式に基づいてイナーシャ相の開始判定を行う。
【0109】
【数5】
【0110】
ここで、Nosは車速センサ107の出力、gは変速前のギア比、Ntは入力軸回転数、△Ntは所定の定数で例えば50rpmといった数値が設定される。このステップ2860の判定の結果、まだイナーシャ相が開始していないと判定された場合は、ステップ2870に進んで、タイマtをインクリメントし、さらにステップ2830に戻って増圧制御を継続する。なお、このステップ2830〜2860のループ演算は、一定の周期(例えば16msec)で繰り返し実行される。この結果、イナーシャ相が開始されるまでの間、ライン圧PLは(4)式に従って、2次曲線的に増圧されていくことになる。
【0111】
一方、ステップ2860の判定で、イナーシャ相まで変速が進行したと判定されたときにはステップ2880に進み、タイマtの値をメモリに初期油圧制御期間Tiとして格納し、この初期油圧増圧制御ルーチンを抜ける。この初期油圧制御期間Tiは、後述する初期油圧増圧制御パラメータの学習処理に用いられる。
【0112】
こうして初期油圧増圧制御が終了すると、図11のメインルーチンに示す様に、続いて入力軸回転数フィードバック制御が実行される(ステップ290)。このフィードバック制御では、入力軸回転数Ntが上昇から下降に転じる時点を検出し、入力軸回転数Ntが設計条件に従って所定の勾配で低下するように、ライン圧をフィードバック制御するものである。このフィードバック制御自体は、従来から実施されているものと同じなので、詳しい説明は省略する。このフィードバック制御は、ステップ300の変速終了判定において、変速終了と判定されるまで、例えば16msec毎に繰り返し実行される。
【0113】
ステップ300の終了判定は、ここで説明しているアップシフトの場合には、入力軸回転数の変化の向きが反対になる時点、つまり変速の進行によって回転数が低下していたものが再び増加に転じる時点を検出すればよい。あるいは、車速に変速歯車機構111の変速が進行している段のギア比の逆数を掛けた値と入力軸回転数との差が所定値(例えば50rpm)以下になったときに変速終了と判定してもよい。
【0114】
ステップ300で、変速終了と判定された場合には、ステップ310に進んで、初期油圧増圧制御パラメータの学習処理が行われる。この学習処理は、図13(a)に示す様な手順で実行される。
まず、ステップ3110において、初期油圧制御期間Tiと基準時間TBとの差を計算し、時間差toとする。次にステップ3120で、開始油圧補正量△piを時間差toから計算する。開始油圧補正量△piの計算方法は、図13(b)または(c)に示したようなマップにより行う。これらのマップの特徴は、時間差toが小さい時、開始油圧補正量△piを0(ゼロ)とする不感帯を持っていることである。
【0115】
その理由は、トルク相所要時間Tiの誤検出や一時的な変速状態の変化などによる学習処理の過剰反応などによって、学習結果が安定しなくなるのを防止するためである。元々初期油圧増圧制御により、多少の油圧ズレに対して変速ショックのばらつきを吸収できるので、あまり学習処理によって厳密に油圧ズレを合わせ込む必要がないことから、このような処理ができるのである。
【0116】
また基準時間TBは、油圧が適正に出力され、設計通りに変速が進行した場合に、この時間で増圧制御が終了できるという時間を定めている。(4)式のaの設定の目安として説明したTfittに相当するものである。この学習処理が実行された後は、再びアップシフト変速を実行すべき状態になったとき、ステップ2820,2830において、開始油圧がPiではなく、学習結果を反映してPi+△piとされるようになる。
【0117】
以上は、ステップ220において変速と判定された場合の制御であるが、変速と判定されなかった場合は、図11に示す様に、図15の実線の変速時以外用のマップに従ってライン圧PLが設定され(ステップ320)、図16のマップによるデューティ値の演算が実行され(ステップ330)、このデューティ値がソレノイド116に出力される(ステップ340)。
【0118】
次に、この様に構成された本実施の形態による作用効果について図17のタイミングチャートに基づいて説明する。
ステップ220でアップシフトの変速条件になったと判定されるとステップ230が実行されて変速指令が出力される(時刻T0)。そして、ステップ250〜270の実行により、ライン圧指令として最高油圧を達成するデューティが出力される(時刻T0〜T1)。こうして、充填期間TFの間、ライン圧PLが最高油圧に維持される。この充填制御により、油路に作動油が急速に充填され、クラッチ油圧が急速に上昇する。
【0119】
そして、充填期間TFが経過すると、今度は、一転して低めの変速開始油圧Piに相当するデューティに切り換えられ、ライン圧PLは、一旦Piまで低下された後、初期油圧増圧制御により2次曲線を描きながら上昇する(時刻T1〜T4)。この間、クラッチ油圧も一旦低下し、その後、アキュムレータ120の作用によって、やはり2次曲線を描きながら上昇する。この初期油圧増圧制御が進行する内に、変速制御はトルク相に突入し(時刻T2)、やがてトルク相を終了してイナーシャ相が開始される(時刻T3)。そして、時刻T4に至って入力軸回転数Ntが低下し始めると、フィードバック制御に移行する。
【0120】
この様に、本実施の形態によると、急速充填後、入力軸フィードバック制御が実行されるまでの間、クラッチ油圧は2次曲線に従って上昇する。ここで、クラッチ油圧の上昇は、ライン圧が高めの場合ほど、同一時刻における微分係数がより大きな曲線となる。
【0121】
この結果、クラッチ油圧が適正な場合、高めの場合及び低めの場合のそれぞれの場合において、図18(a)に示す様に、トルク相開始油圧からトルク相終了油圧までの所要時間(トルク相所要期間)tTrは、それほど大きく相違しないこととなるのである。
【0122】
ところが、図18(b)に比較例として示す様に、ライン圧を一定にしてアキュムレータの作用だけでトルク相期間を制御しようとすると、ライン圧が高めの変速機ではきつい勾配の状態でトルク相所要期間tTrが決定するのに対し(図示点線の場合)、ライン圧が低めの変速機では緩い勾配の状態でトルク相所要期間tTrが決定し(図示一点鎖線の場合)、トルク相所要期間tTrがライン圧の大小によって大きくばらつく。
【0123】
この様に、本実施の形態によれば、トルク相所要期間tTrがライン圧の高い低いによらず、ほぼ一定となり、出力軸トルクの変化状態もライン圧の高い低いによる影響を受けなくなる。
そして、学習制御によって変速開始油圧をPiからPi+△Piにすることでトルク相開始時期も設計条件に近づけていくことができるのである。
【0124】
即ち、図18(a)をみると分かる様に、ライン圧が低い側にずれるほど、トルク相終了時刻(イナーシャ相開始時刻)は遅くなる。そこで、基準時間TBを超える時間に比例する量だけ初期油圧を高めてやれば、目標とする基準時間に近い時間でイナーシャ相に入ることができるようになるのである。
【0125】
ところで、変速開始油圧の補正は、スロットル開度にかかわりなく常に△piだけ補正しても十分に効果があるが、次の様に、スロットル開度によって学習補正量を修正すると一層好適である。つまり、開始油圧補正量を求めた前回の変速時のスロットル間度がTVO1、今回のスロットル開度がTVO2とすると、下記(6)式によって、補正量を算出しても良い(図15参照)。
【0126】
【数6】
【0127】
この(6)式を用いることにより、スロットル開度に対する開始油圧Piの特性を反映した学習補正を行うことができるのである。
なお、変速開始油圧を学習補正するする方法については、図19に示す様に、時間差toに基づいて、時間差toが大きいほど増圧の2次関数の2次の係数((4)式のa)を大きくする様に補正量△aを学習するようにしてもよい(ステップ3111,3121)。
【0128】
この場合は、ステップ2830で用いる(4)式に代えて、下記(7)式を用いてライン圧PLを計算すればよい。
【0129】
【数7】
【0130】
この場合も、図19(b)または(c)に示す様に、△aは、所定の不感帯を持ったマップから求めることが望ましい。また、この場合にも上述したのと同様のスロツトル開度に対する補正を加えると一層よい。
以上述べたような制御演算によって、変速の開始にあたって適切な油圧制御を実行し、またフィードバック制御を行って、個体差や条件変動があっても安定でばらつきの少ない変速ショックの制御が出来る。
【0131】
この様に、本実施の形態によれば、変速機の個体差、経年変化あるいはその他の要因によりライン圧が設計値からずれてきても、設計条件に近い状態でトルク相を開始でき、また、トルク相所要期間を制御することができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、第2の実施の形態におけるステップ280の中身を、図21の様に変更したものである。
【0132】
まず、この実施の形態において狙いとする作用の方から、図20を基に説明する。
まず第2の実施の形態と同様に、変速指令が出力された直後には急速充填のための制御期間を設ける。そして、これに続く初期油圧増圧制御として、まず最初に緩い増圧勾配(第1の勾配)での油圧指令を出力する。このとき、アキュムレータ120の作用により、クラッチ油圧は徐々に上昇する。
【0133】
この第1の勾配に従った増圧を行うための油圧指令は所定期間T1の間出力され、その後は、第1の勾配よりもきつい勾配(第2の勾配)での油圧指令の出力を行う。この勾配の切り換えタイミングは、図20に実線で示した適正なクラッチ油圧が出力されたときのトルク相終了時刻の手前にくるように設定する。これは、低油圧側にずれたときの増圧を早めるためである。
【0134】
このように設定すると、クラッチ油圧が高い側にずれたときには破線で示すように、また低油圧側にずれたときには一点鎖線で示すようにそれぞれ油圧制御され、トルク相の時間tTrは図20の様になり、図18(b)に示したライン圧一定制御の場合の様に油圧ズレと共に大きく変わることがない。
【0135】
次に、図21のフローチャートについて説明する。
まず、ステップ410において、タイマtを初期化する。続いてステップ420で、ライン圧PLの初期値を図15の一点鎖線で示した増圧制御開始油圧Piに設定する。次に、ステップ430において、下記(8)式に従ってライン圧PLを計算する。
【0136】
【数8】
【0137】
ここで、δp1が上述した第1の増圧勾配である。
ステップ440、450で、この計算結果に基づくデューティ出力を行う。
さらにその後、ステップ460に進んで、前述した(5)式に基づいてイナーシャ相の開始判定を行う。この判定で、まだ変速がイナーシャ相にまで進行していないと判定されたときは、ステップ470に進む。一方、ステップ460の判定で、入力軸12の回転数が変化を始めてイナーシャ相まで変速が進行したと判定されたときには、ステップ540に進む。
【0138】
ステップ470では、タイマtの値と第1の勾配設定期間T1とが比較される。そして、タイマtがT1に満たないときは、ステップ480に進んでタイマtをインクリメントし、さらにステップ430に戻って、第1の勾配での増圧制御を継続する。なおこのループ演算は、一定の周期(例えば16msec)で操り返し実行される。
【0139】
第1の勾配の出力期間が設定期間T1を過ぎても、まだイナーシャ相開始に到っていないときには(ステップ460=NO,ステップ470=YES)、ステップ490に進む。
ステップ490では、下記(9)式に従ってライン圧PLを計算する。
【0140】
【数9】
【0141】
ここで、δp2が上述した第2の増圧勾配であり、この値はδP1より大きく設定される。
その後、ステップ500,510において、この計算結果に基づくデューティ出力を行う。
【0142】
さらにステップ520に進んで、(5)式に基づいてイナーシャ相の開始判定を行う。この判定で、まだ変速がイナーシャ相にまで進行していないと判断されたときは、ステップ530に進んでタイマtをインクリメントし、ステップ490に戻る。一方、イナーシャ相の開始が検出されたときには、ステップ540に進む。ステップ540では、タイマtの値をメモリTiに格納して、ステップ280の制御を終了する。メモリTiは、第2の実施の形態と同様に、初期油圧増圧制御パラメータの学習処理に用いられる。
【0143】
なお学習処理は、イナーシャ相開始検出までの時間Tiと所定時間TBとの差toに応じて、toが大きいほど、開始油圧Pi、第1の増圧勾配δp1又は第2の増圧勾配δp2を大きくするか、あるいは第1の勾配期間T1を短くするいずれかの方法を採用すればよい。
【0144】
以上のような1次関数の組み合わせで増圧する方法は、第2の実施の形態の様な2次関数、あるいはそれ以上の次数の関数で増圧する方法に比べて次のような利点を持つ。
まず、摩擦係合要素の摩擦係数が個体差や経時変化によって異常に低い場合や、エンジントルクが大きく出た場合など、増圧開始油圧が極端に低かった場合には、増圧制御を終了するまでに時間がかかる。
【0145】
そのとき、高次の関数で増圧するときは、低い油圧から比較的短い時間でトルク相に入ることはできるものの、単位時間当たりの油圧増加が大きくなるので、トルク相終了までが急に進行してしまうおそれがある。これを1次関数の組み合わせで、しかも後半ほど勾配を大きくすることによって、高次関数と同等にトルク相に入るまでの時間を短縮し、さらに、トルク相に入ってからの増圧勾配も、第2の勾配で決定されることから、高次関数ほどきつい勾配にならず、トルク相が急速に終了するような問題も発生しないのである。
【0146】
ただし、こうした極端なずれがある場合を除けば、第2の実施の形態の様に2次関数等の曲線で増圧する方が、低めのライン圧となっている場合のトルク相開示時刻を早める上では有利となる。
[第4の実施の形態]
さらに別の実施の形態を説明する。
【0147】
この第4の実施の形態は、第2,第3の実施の形態の両方の利点を組み合わせたもので、図22に示す様に、最初は第2の実施の形態と同様に2次関数で増圧し、増圧勾配がある値になった後は、増圧勾配を固定して1次関数的に増圧するというものである。
【0148】
即ち、増圧開始と共に時間の2次関数で増圧し、その増圧勾配が所定の値になったところで勾配を一定(所定勾配の1次関数)にするのである。このように構成することによって、初期油圧が低いときにトルク相に入るまでの時間短縮については第2の実施の形態と同等の効果を有し、さらに、増圧勾配に制限を設けることで、第3の実施の形態と同様に、トルク相開始からの不必要な急増圧を防ぐことができ、第2,第3の各実施の形態の利点を共に兼ね備えるものとなるのである。
[実験例1]
次に、第1の実施の形態が対象とするいわゆるダイレクト制御のシステムについて実験を行った結果について説明する。
【0149】
実験は、ダイレクト制御用の電磁弁57に対する制御デューティを、図23(a)に示す様に、急速充填後に時間の2次関数に従って増加させる方法を採用し、電磁弁57の上流側圧力であるライン圧PLを0.8MPa,0.7MPa,0.6MPaの3種類に設定したとき、どのような出力軸トルク変化が生じるかを計測したものである。なお、変速は1→2変速とし、スロットル開度TVO=28%とした。
【0150】
この実験の結果は図23(a)中に示す通りである。この結果から明らかな様に、電磁弁57の上流側のライン圧PLが変速機の個体差などによってばらついたとしても、トルク相期間tTrはほぼ一定となり、トルク相からイナーシャ相へ移行する際の出力軸トルク変化△Tもほぼ一定となっていることが確認できる。
【0151】
なお、比較実験として、図23(b)に示す様に、急速充填後の制御デューティを一定値とする制御を行った場合を併記する。図23(b)から分かる様に、電磁弁57の上流のライン圧PLが0.6MPaの場合には結果的に変速ができなかった。また、PL=0.8MPaの場合にはトルク相からイナーシャ相へ移行する際に大きなトルク変化が生じた。トルク相期間tTrについても、グラフからはやや分かり難いが、PL=0.8MPaのときの方がPL=0.7MPaのときよりも短くなり、急にイナーシャ相に突入する傾向が見られた。
[実験例2]
次に、第2の実施の形態が対象とする油路にアキュムレータを備え、ライン圧制御によってクラッチ油圧を制御するタイプのシステムについて実験を行った結果について説明する。
【0152】
実験は、ライン圧制御ソレノイド116に対する制御デューティを急速充填後に時間の2次関数に従って増加させる方法を採用し、ライン圧の初期値が設計条件通りである場合と、設計条件よりも+0.05MPaだけ高めの場合と、−0.05Paだけ低めの場合の3種類について、どのような出力軸トルク変化が生じるかを計測したものである。なお、変速は1→2変速とし、スロットル開度TVO=2/8とした。
【0153】
この実験の結果は図24(a)に示す通りである。この結果から明らかな様に、個体差によってライン圧PLが設計条件からばらついたとしても、トルク相期間tTrはほぼ一定となり、トルク相からイナーシャ相へ移行する際の出力軸トルク変化△Tもほぼ一定となっていることが確認できる。
【0154】
なお、この実験例2についても、比較実験として、急速充填後のライン圧制御ソレノイド116に対する制御デューティを一定値とする制御を行った場合の実験結果を図24(b)として併記する。図24(b)から分かる様に、ライン圧が低めに現れる個体(−0.05MPaの場合)では、トルク相期間tTrが長くなってしまうことが確認できる。
[まとめ]
以上いくつかの実施の形態を説明してきたが、いずれによっても、トルク相の変速ショックを低減し、しかも個体差や運転状態の変化によるショックのばらつきを吸収し、常に同じ感覚の変速感で変速を実行することができ、運転者に違和感を感じさせないようにすることができる。
【0155】
なお、本発明は、上記した各実施の形態に限られず、その要旨を逸脱しない範囲内であれば、さらに種々なる態様にて実施できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のシステムを示す概略構成図である。
【図2】 第1の実施の形態における自動変速機の概略構成図である。
【図3】 第1の実施の形態における変速制御コンピュータによる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 第1の実施の形態において使用する変速線マップに相当するグラフである。
【図5】 第1の実施の形態において使用するライン圧算出用マップに相当するグラフである。
【図6】 第1の実施の形態において使用するライン圧制御デューティ算出用マップに相当するグラフである。
【図7】 第1の実施の形態におけるエンジン制御コンピュータによる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】 第2の実施の形態のシステムを示す概略構成図である。
【図9】 第2の実施の形態における歯車変速機構を示す概略構成図である。
【図10】 第2の実施の形態におけるアキュムレータを示す概略構成図である。
【図11】 第2の実施の形態における変速制御コンピュータによる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】 第2の実施の形態における変速制御コンピュータによる制御処理の内容の内、初期油圧増圧制御の内容を示すフローチャートである。
【図13】 第2の実施の形態における変速制御コンピュータによる制御処理の内容の内、学習処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】 第2の実施の形態において使用する変速線マップに相当するグラフである。
【図15】 第2の実施の形態において使用するライン圧算出用マップに相当するグラフである。
【図16】 第2の実施の形態において使用するライン圧制御デューティ算出用マップに相当するグラフである。
【図17】 第2の実施の形態の作用効果を説明するタイミングチャートである。
【図18】 第2の実施の形態の作用効果を、従来技術との対比において説明するタイミングチャートである。
【図19】 第2の実施の形態における学習処理の変形内容を示すフローチャートである。
【図20】 第3の実施の形態が狙いとする作用効果を説明するタイミングチャートである。
【図21】 第3の実施の形態における変速制御コンピュータによる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図22】 第4の実施の形態が狙いとするクラッチ油圧上昇制御の内容を説明するタイミングチャートである。
【図23】 第1の実施の形態に関する実験例についてのグラフである。
【図24】 第2の実施の形態に関する実験例についてのグラフである。
【図25】 従来技術の問題点を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・・・自動変速機、3・・・遊星歯車装置、5・・・クラッチ、7・・・入力軸、9・・・出力軸、51・・・クラッチディスク、53・・・クラッチプレート、55・・・油圧シリンダ、57・・・電磁弁、63・・・電子制御回路、101・・・電子制御エンジン、102・・・自動変速機、103・・・デファレンシャルギア、104・・・駆動車輪、105・・・エンジン制御コンピュータ、106・・・エンジン回転センサ、107・・・車速センサ、108・・・スロットルセンサ、109・・・吸入空気量センサ、110・・・トルクコンバータ、111・・・変速歯車機構、112・・・変速機入力軸、113・・・出力軸、114・・・変速制御コンピュータ、115・・・コントロールバルブ、115a,115b・・・変速制御ソレノイド、116・・・ライン圧制御ソレノイド、117・・・入力軸回転センサ、118・・・通信ライン、120・・・アキュムレータ。
Claims (4)
- エンジンからの回転力が入力される入力軸と、駆動輪側に回転力を出力する出力軸と、係合状態を調整可能な摩擦係合手段と、該摩擦係合手段の係合状態に応じた変速比で上記入力軸の回転力を上記出力軸に伝達する変速手段とを有する車両用自動変速機を制御する車両用自動変速機制御装置であって、
指示された制御量に応じて油圧を供給することにより、上記摩擦係合手段の係合状態を調整する係合状態調整手段と、
変速初期のイナーシャ相開始前において、上記制御量の経時変化が、単調増加で徐々に変化率が増加する曲線に沿うように、上記制御量を算出し、変化率が所定値に達した後は、変化率を当該所定値に固定して、上記制御量を算出する、または、変速初期のイナーシャ相開始前において、上記制御量の経時変化が、単調減少で徐々に変化率が減少する曲線に沿うように、上記制御量を算出し、変化率が所定値に達した後は、変化率を当該所定値に固定して、上記制御量を算出する制御量算出手段と、
を備えたことを特徴とする車両用自動変速機制御装置。 - 更に、上記曲線を過去の変速状態に応じて学習補正する学習補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用自動変速機制御装置。
- 更に、上記曲線の傾きを、上記係合状態調整手段に供給される油圧と、上記入力軸に加わるトルクとに応じて補正する傾斜補正手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用自動変速機制御装置。
- 更に、上記制御量の初期値が、上記摩擦係合手段および上記係合状態調整手段の特性に応じて設定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用自動変速機制御装置。
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