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JP4027782B2 - あご紐およびそれを備えたヘルメット - Google Patents

あご紐およびそれを備えたヘルメット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、あご紐およびそれを備えたヘルメットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のヘルメットのあご紐は、例えば、図7に示すように、あご紐を装着する際に、両あご紐をワンタッチフック等の止着具により連結するようになっていた。そして、あご紐の締め付け具合などの長さ調節は、バックルに通したあご紐を順送りして移動させることにより行っていた。
【0003】
しかしながら、上記従来のバックルによるあご紐の長さ調節では、手間と時間がかかって不便である等の問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−244007号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、あご紐の長さの調節が容易かつ安全性に優れたヘルメットを提供することが可能なあご紐およびそれを備えたヘルメットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1)可撓性を有するあご紐本体と、前記あご紐本体の一端側に設けられた第1の取り付け部材と、前記あご紐本体の他端側に設けられた第2の取り付け部材とを有するあご紐であって、前記あご紐の一端側には、前記あご紐と並設して長手方向に沿って複数のラチェット歯を有する帯状の被掛け留め部と、前記ラチェット歯と係合する爪部を有する掛け留め部とが設けられ、前記掛け留め部は、前記被掛け留め部と並設するあご紐本体が伸びきった際に前記ラチェット歯の長手方向の一端側に位置することを特徴とするあご紐。
(2)前記掛け留め部は、前記ラチェット歯と係合する爪部と、前記爪部の係合を解除可能な係合解除部とを有するものである第(1)に記載のあご紐。
(3)前記あご紐本体が伸びる方向に張力がかかった場合には、前記ラチェット歯が前記爪部に対して動かないものである第(1)または(2)に記載のあご紐。
(4)前記第2の取り付け部材は、あご紐より離脱可能なものである第(1)ないし(3)のいずれかに記載のあご紐。
(5)前記あご紐と前記第2の取り付け部材とは、雄雌嵌合コネクターを介して接合されているものである第(1)ないし(4)のいずれかに記載のあご紐。
(6)あご紐本体の両端側部分には、頭部ベルトの両端側部分が設置されているものである第(1)ないし(5)のいずれかに記載のあご紐。
(7)前記掛け留め部と前記被掛け留め部との係合位置により、あご紐本体の長さ調整が可能なものである第(1)ないし(6)のいずれかに記載のあご紐。
(8)前記掛け留め部と被掛け留め部による係合が外れた場合にも、前記ラチェット歯に並設するあご紐本体部分によりあご紐の長さがそれ以上伸びないものである第(1)ないし(7)のいずれかに記載のあご紐。
(9)第(1)ないし(8)のいずれかに記載のあご紐を備えたヘルメット。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のあご紐を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のあご紐の一例を示す平面図である。本発明のあご紐1は、図1に示すように、あご紐本体2と、あご紐本体2の一端側に設けられた第1の取り付け部材3と、あご紐本体2の他端側に設けられた第2の取り付け部材4とを有している。
あご紐本体2の一端側には、あご紐本体2と並設して長手方向に沿って複数のラチェット歯51を有する帯状の被掛け留め部5と、ラチェット歯51と係合する爪部611を有する掛け留め部6とが設けられている。
掛け留め部6は、被掛け留め部5と並設するあご紐本体2が伸びきった際にラチェット歯51の長手方向の一端側に位置している。
【0008】
以下、これらの各要素について順次説明する。
あご紐本体2は、例えば自由に湾曲できる帯状の材料で形成される。前記材料としては、例えば布、樹脂材料の成形体およびそれらの複合体等が挙げられる。
あご紐本体2の一端には、第1の取り付け部3が設けられる。第1の取り付け部材3は、金具であり、あご紐本体2を挿入する挿入部31と、上側の中央部に貫通孔32が設けられる。
挿入部31には、あご紐本体2の一端が挿入される。
挿入部31に挿入されたあご紐本体2の一端は、パット(クッション)部8で固定される。
第1の取り付け部材3の貫通孔32は、ヘルメットに設けられた突起部(不図示)に挿入される。これにより、あご紐をヘルメットに固定できる。
【0009】
パット(クッション)部8は、帯状であり、上端側に袋状の部分81を有している。パット部8は、その内面側が柔軟な材料で形成される。
袋状の部分81には、あご紐本体2が挿入される。
パット部8の下端側には、頭部ベルト11を固定するための雄型の面ファスナー82が設けられる。
【0010】
あご紐本体2の第1の取り付け部材3の付近には、被掛け留め部5が設けられている。
被掛け留め部5の一端は、あご紐本体2に固定部材52により固定されている。
被掛け留め部5は、あご紐本体2と並設して長手方向に複数のラチェット歯51を有している。
ラチェット歯51は、断面で山型であり、一方側は垂直になっており、他方側は斜めになっている。これにより、爪部611でラチェット歯51を係止することができる。
【0011】
ラチェット歯51は、被掛け留め部5の長手方向に複数のラチェット歯が等間隔で設けられている。
また、複数のラチェット歯51は、被掛け留め部5の幅方向の中央部分に設けられ、かつ、その部分が凸型となっている。
ラチェット歯51は、掛け留め部6があご紐本体2を締め付ける方向へ移動することを許容するが、弛緩する方向へは阻止するように構成されている。これにより、本発明のあご紐を用いたヘルメットの装着の容易性および装着後の安定性を向上することができる。
【0012】
掛け留め部6は、被掛け留め部5と並設するあご紐本体2が伸びきった際にラチェット歯51の長手方向の一端側に位置する。
図2は、掛け留め部6の平面図(a)および正面図(b)である。
掛け留め部6は、爪部611を有する舌片61と、ラチェト歯51の係合を解除できる係合解除部62と、ラチェット歯51を案内する案内穴63とを有している。
舌片61は、弾性を有しており、掛け留め部6の上面の基端側から片持ちで支持されている。
舌片61は、その内面側(図中の掛け留め部6の下側)に爪部611と、係合解除部62と当接する傾斜部612とを有している。
爪部611の断面は、一方が垂直面で、他方が斜め面になっている。なお、垂直面と斜め面の向きは、前述したラチェット歯51の垂直面と斜め面の向きと逆になっている。
傾斜部612の傾斜面は、中央部から外側(図中の掛け留め部6の上側)に向かって広がっている。
【0013】
係合解除部62は、被掛け留め部5の両横側に設けられている。
係合解除部62は、弾性を有しており、掛け留め部6の側面の基端側から片持ちで支持されている。
係合解除部62は、その先端側につまみ621および爪部611とラチェット歯51との係合を解除するための押圧部622を有している。
【0014】
爪部611と、係合解除部62は、共に弾性を有しており、弾性変形するものである。
係合解除部62のつまみ621を押す(図4中のA方向)と、押圧部622が傾斜部612と当接する。
つまみ621を押すと、押圧部622と傾斜部612との摺動により、爪部611が持ち上げられ、ラチェット歯51と爪部611との係合が解除される。
また、つまみ621を離すと、爪部611と、係合解除部62は弾性変形により元に戻り、爪部611とラチェット歯51とが係合する。
【0015】
掛け留め部6と、被掛け留め部5と、あご紐本体2との関係について図3および4を用いて説明する。
図3は、掛け留め部6と被掛け留め部5とであご紐本体2を締め付けている状態を示すものである。
掛け留め部6がラチェット歯51を進むと、あご紐本体2は緩んでくるようになる。
掛け留め部6は、ラチェット歯51と爪部611との係合により、あご紐本体2を締め付ける方向には進むが、緩む方向には進まない。
【0016】
図4は、あご紐本体2が伸びきっている状態を示すものである。図4に示すようにあご紐本体2が伸びきっている際、掛け留め部6は、ラチェット歯51の長手方向の一端側に位置している。
したがって、あご紐本体2がこれ以上伸びないので、掛け留め部6と、被掛け留め部5との係合は外れない。また、万が一、被掛け留め部5が撓むことにより、掛け留め部6と被掛け留め部5との係合が外れた場合であってもあご紐本体2により、あご紐はこれ以上伸びないものである。これにより、あご紐の長さがこれ以上伸びることがないのであご紐があごから外れないため、ヘルメットが外れることがなく安全性が確保される。
【0017】
第2の取り付け部材4は、図1に示すようにあご紐本体2の他端側(第1の取り付け部材3の反対側)に設けられる。第2の取り付け部材4は、金具であり、あご紐本体2を挿入する挿入部41と、上側の中央部に貫通孔42が設けられる。
挿入部41には、あご紐本体2の一端が挿入される。
挿入部41に挿入されたあご紐本体2の一端は、パット部9で固定される。
第2の取り付け部材4の貫通孔42は、ヘルメットに設けられた突起部(不図示)に挿入される。これにより、あご紐をヘルメットに固定できる。
【0018】
パット(クッション)部9は、帯状であり、上端側に袋状の部分91を有している。パット部9は、その内面側が柔軟な材料で形成される。
袋状の部分91には、あご紐本体2が挿入される。
パット部9の下端側には、頭部ベルト11を固定するための雄型の面ファスナー92が設けられる。
【0019】
図1に示すようにあご紐本体2の他端側(第2の取り付け部材4側)には、雄雌嵌合コネクター7が設けられており、分離、接合可能となっている。
図5に示すように雄雌嵌合コネクター7は、第2の取り付け部材4側に設けられた雌部材71と、第1の取り付け部材3側に設けられた雄部材72とで構成される。
雌部材71の一端側(第2の取り付け部材4側)は、あご紐本体2が挿入できるあご紐挿入部711が形成されている。
あご紐挿入部711には、あご紐が挿入されて繋止される。
また、雌部材71の他端側は、雄部材72が挿入できる空間部712が形成されている。
雌部材71の中央部は、雄部材72の凸部721と嵌合可能な凹部713が形成されている。
【0020】
雄部材72は、あご紐を繋止する繋止部722と、雌部材71の空間部712へ挿入する凸部721が形成される。
繋止部722は、両側面に形成された側枠723と、あご紐を案内するガイド穴と、側枠の間に設けられた係止部724とを有している。
繋止部722には、あご紐本体2が係止部724に折り返すように巻き付けられ、あご紐本体2の長さを調整できるようになっている。
雄部材72の他端側は、凸部721が形成され、雌部材71の空間部712へ挿入される。
凸部721の一端は、雌部材71の凹部713と嵌合する。
凸部721は、弾性を有しており、先端部を押すと嵌合が解除されるようになっている。
【0021】
図1に示すようにあご紐本体2の中央部には、あご当て10が設けられている。
あご当て10は、あごの先端に適合する形をしており、その位置が調整可能となっている。
あご当て10は、二つの貫通孔101、102を有している。あご紐本体2は、あご当て10の内面側(あごに当接する側)から貫通孔101に挿入される。
あご紐本体2は、あご当て10の外面を沿って設けられ、貫通孔102に挿入される。
あご当て10は、その内面部は凹状となっており(不図示)、あご紐本体2が固定されやすくなっている。
【0022】
図6に示すように頭部ベルト11は、自由に湾曲できる帯状の材料で形成される。頭部ベルト11の材質は、あご紐本体2と異なってもよいが、同じであることが好ましい。
頭部ベルト11の両端には、頭部ベルト11をあご紐本体2に固定するための雌型の面ファスナー111が設けられる。
頭部ベルト11の中央部には、ヘルメットに取り付けるための取り付け部材112が設けられる。
【0023】
本発明のヘルメットは、上述のあご紐を備えたヘルメットである。
あご紐1および頭部ベルト11に設けられた取り付け部材により、あご紐1をヘルメットに固定する。
【0024】
次に本発明のあご紐の動作について説明する。
本発明のあご紐1を用いたヘルメットを頭部に装着する場合、次のように行う。
第1の取り付け部材3と、第2の取り付け部材4と、頭部ベルト11の取り付け部112とをヘルメット内部に取り付けてあご紐1をヘルメットに固定する。
次に、図4の状態で掛け留め部6に被掛け留め部5のラチェット歯51を少し挿入する。
そして、雄雌嵌合コネクター7を分離し、上記あご紐本体2が固定されたヘルメットを頭部に装着する。
あご紐本体2をあご周辺部に装着し、あご当て10をあごに当接し、雄雌嵌合コネクター7を接合する。
次に、雄部材72の繋止部722であご紐本体2の長さをある程度調整する。
【0025】
そして、あご部の周囲の長さまで被掛け留め部5を挿入し、あご紐を固定する。これにより、あご紐の長さを容易に調節できる。
【0026】
この際、掛け留め部6の爪部611と被掛け留め部5のラチェット歯51とが係合し、被掛け留め部5はあご紐本体2を締め付ける方向には移動するが、弛緩する方向には移動しないようになっている。
また、あご紐本体2が伸びきっている際、掛け留め部6は、ラチェット歯51の長手方向の一端側に位置している。
したがって、あご紐本体2はこれ以上伸びないので、掛け留め部6と、被掛け留め部5との係合は外れない。また、万が一、被掛け留め部5が撓むことにより、掛け留め部6と被掛け留め部5との係合が外れた場合であってもあご紐本体2により、あご紐はこれ以上伸びないものである。これにより、あご紐の長さがこれ以上伸びることがないのであご紐があごから外れないため、ヘルメットが外れることがなく安全性が確保される。
【0027】
すなわち、本発明のあご紐本体2は、雄雌嵌合コネクター7であご部の周囲の長さとあご紐本体の長さを同程度に締め付けた後、掛け留め部6と被掛け留め部5との係合により、更にあご紐本体2の長さを短くして締め付けることができる。
これにより、ヘルメット装着時の安定性に優れ、その結果安全性を向上することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、あご紐の長さの調節が容易かつ安全性に優れたヘルメットを提供することが可能なあご紐およびそれを備えたヘルメットを提供することができる。
また、第2の取り付け部材を離脱可能なものとすることにより、装着性に優れたあご紐およびそれを備えたヘルメットを提供することができる。
また、掛け留め部と被掛け留め部による係合が外れた場合にも、前記ラチェット歯に並設するあご紐本体部分によりあご紐の長さがそれ以上伸びないあご紐とした場合、万が一被掛け留め部が撓むことにより、掛け留め部と被掛け留め部との係合が外れた場合であってもあご紐本体により、あご紐はこれ以上伸びず、あご紐があごから外れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるあご紐の一例を示す平面図である。
【図2】 本発明における掛け留め部の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図3】 本発明のあご紐において、掛け留め部と被掛け留め部とであご紐本体を締め付けている状態を示す側面図である。
【図4】 本発明のあご紐において、掛け留め部と被掛け留め部とであご紐本体が伸びきっている状態を示す側面図である。
【図5】 本発明における雄雌嵌合コネクターの一例を示す図であり、(a)は雄雌嵌合コネクターの平面図であり、(b)は雄部材の平面図であり、(c)は雌部材の平面図である。
【図6】 本発明における頭部ベルトの一例を示す平面図である。
【図7】 従来のあご紐の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 あご紐
2 あご紐本体
3 第1の取り付け部材
31 挿入部
32 貫通孔
4 第2の取り付け部材
41 挿入部
42 貫通孔
5 被掛け留め部
51 ラチェット歯
52 固定部材
6 掛け留め部
61 舌片
611 爪部
612 傾斜部
62 係合解除部
621 つまみ
622 押圧部
63 案内穴
7 雄雌嵌合コネクター
71 雌部材
711 あご紐挿入部
712 空間部
713 凹部
72 雄部材
721 凸部
722 繋止部
723 側枠
724 係止部
8 パット部
81 袋状の部分
82 雄型の面ファスナー
9 パット部
91 袋状の部分
92 雄型の面ファスナー
10 あご当て
101 貫通孔
102 貫通孔
11 頭部ベルト
111 雌型の面ファスナー
112 取り付け部材

Claims (9)

  1. 可撓性を有するあご紐本体と、前記あご紐本体の一端側に設けられた第1の取り付け部材と、前記あご紐本体の他端側に設けられた第2の取り付け部材とを有するあご紐であって、
    前記あご紐の一端側には、前記あご紐と並設して長手方向に沿って複数のラチェット歯を有する帯状の被掛け留め部と、前記ラチェット歯と係合する爪部を有する掛け留め部とが設けられ、
    前記掛け留め部は、前記被掛け留め部と並設するあご紐本体が伸びきった際に前記ラチェット歯の長手方向の一端側に位置することを特徴とするあご紐。
  2. 前記掛け留め部は、前記ラチェット歯と係合する爪部と、前記爪部の係合を解除可能な係合解除部とを有するものである請求項1に記載のあご紐。
  3. 前記あご紐本体が伸びる方向に張力がかかった場合には、前記ラチェット歯が前記爪部に対して動かないものである請求項1または2に記載のあご紐。
  4. 前記第2の取り付け部材は、あご紐より離脱可能なものである請求項1ないし3のいずれかに記載のあご紐。
  5. 前記あご紐と前記第2の取り付け部材とは、雄雌嵌合コネクターを介して接合されているものである請求項1ないし4のいずれかに記載のあご紐。
  6. あご紐本体の両端側部分には、頭部ベルトの両端側部分が設置されているものである請求項1ないし5のいずれかに記載のあご紐。
  7. 前記掛け留め部と前記被掛け留め部との係合位置により、あご紐本体の長さ調整が可能なものである請求項1ないし6のいずれかに記載のあご紐。
  8. 前記掛け留め部と被掛け留め部による係合が外れた場合にも、前記ラチェット歯に並設するあご紐本体部分によりあご紐の長さがそれ以上伸びないものである請求項1ないし7のいずれかに記載のあご紐。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のあご紐を備えたヘルメット。
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