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JP4024081B2 - Highly hydrous ophthalmic lens and method for producing the same - Google Patents

Highly hydrous ophthalmic lens and method for producing the same Download PDF

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JP4024081B2 JP2002151854A JP2002151854A JP4024081B2 JP 4024081 B2 JP4024081 B2 JP 4024081B2 JP 2002151854 A JP2002151854 A JP 2002151854A JP 2002151854 A JP2002151854 A JP 2002151854A JP 4024081 B2 JP4024081 B2 JP 4024081B2
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、高含水性眼用レンズ及びその製造方法に係り、特に、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、極めて優れた寸法安定性を実現し、且つ白濁することのない高含水性眼用レンズと、そのような高含水性眼用レンズを有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、コンタクトレンズは、軟質のソフトコンタクトレンズと、硬質のハードコンタクトレンズの2種類に大別され、何れのコンタクトレンズにあっても、角膜に対して充分な酸素が供給され得るように、酸素透過性のより一層優れたものが求められているのである。
【0003】
かかる酸素透過性は、酸素のレンズ素材への溶け込み易さ(溶解)やレンズ素材中における酸素の移動のし易さ(拡散)に大きく依存し、それら酸素の溶解や拡散が行われ易いもの程、酸素透過性に優れたレンズとなる。具体的に、ソフトコンタクトレンズの場合は、シリコーン系素材からなるものを除き、レンズに含まれる水に溶け込んだ酸素が移動することにより、酸素がレンズを透過して角膜に供給されるようになっているところから、含水率の高いレンズ程、優れた酸素透過性が発揮されている。
【0004】
一方、ハードコンタクトレンズの場合には、酸素がレンズ素材の分子間隙を通過する等して、角膜に供給されるようになっているところから、分子間隙を大きくしたり、酸素との親和性が高い成分を使用すること等によって、酸素透過性の更なる向上が図られているのであるが、かかるハードレンズは、眼にゴミ等が入ると大変痛いことから、近年においては、装用感に優れたソフトコンタクトレンズ、中でも、使い捨て型のソフトコンタクトレンズの需要が、急速に伸びてきている。このため、より優れた酸素透過性を実現する、高含水性のソフトコンタクトレンズが、特に、望まれているのである。
【0005】
ところで、ビニルアルコール単位を主成分とするポリビニルアルコール系架橋高分子材料は、含水率が高いことと、N−ビニルピロリドン等のアミドが塩基性であるのに対してアルコール(−OH基)が中性且つ非イオン性であること等から、コンタクトレンズ材料として特に好ましい材料であると考えられ、これまでに、各種のものが提案されている。
【0006】
例えば、特開昭52−65597号公報には、ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体をケン化して得られるポリビニルアルコール系高分子材料が提案されているのであるが、そのような材料からなるコンタクトレンズは、カルボン酸部分が陰イオンとなって、カルシウム等の陽イオンや蛋白質等の汚れを吸着し易くなるといった問題を有していたのである。
【0007】
また、特開昭62−21101号公報や特開平2−15233号公報、特開平7−49470号公報、特開平6−102472号公報等には、脂肪酸ビニルエステルを主成分とし、これと、重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマー等との共重合体をケン化して得られるポリビニルアルコール系架橋高分子材料が提案されている。さらに、特開平9−40719号公報や特開平9−40720号公報、特開平11−133202号公報、特開平11−153775号公報、特開平11−153776号公報等にも、酢酸ビニル等のビニルエステルを、各種の架橋性モノマーと重合して得られる共重合体をケン化したポリビニルアルコール系架橋高分子材料が提案されている。
【0008】
しかしながら、かかる従来から提案されているポリビニルアルコール系架橋高分子材料からなるコンタクトレンズにあっては、目的とする高含水性のもの程、5℃程度といった低温下に長期間晒されたり、また凍結と解凍が繰り返されたり等すると、ポリビニルアルコール鎖の結晶化に起因すると推察される、レンズサイズの縮小やレンズの白濁等といった、眼用レンズにとっては致命的な問題が惹起される恐れを内在しており、冬期においては、その使用が困難であることが、明らかとなったのである。
【0009】
なお、かかる結晶化を防止するために、特開平6−102471号公報には、結晶化を防止する成分となる、耐凍結性を付与してサイズ変化を抑制する成分として、マレイン酸エステルやN−ビニルラクタム類が重合性成分の一つとして添加されたポリビニルアルコール系の含水性コンタクトレンズが提案され、これによって、耐凍結性に優れたレンズが得られるようになったのであるが、かかるレンズは、マレイン酸エステルを共重合成分として用いているところから、共重合後のケン化により、エステルが加水分解されてポリマー鎖にカルボン酸が残り、このため、前記した特開昭52−65597号公報と同様に、レンズがマイナスの電荷を有することとなって、プラス電荷を有するカルシウムイオンや蛋白質等の汚れが吸着され易くなっていたのである。しかも、得られるレンズは、強度が極端に低く、実用に供することが困難であったのである。
【0010】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、極めて優れた寸法安定性を実現し、且つ白濁することのない高含水性眼用レンズと、そのような優れた特性を有する高含水性眼用レンズを有利に製造する方法を、提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の課題とするところは、レンズ素材自体を、陰イオンや陽イオンを生じない非イオン性とすることにより、耐汚れ付着性に優れた眼用レンズを提供することにあり、更に、別の解決課題とするところは、実用上において問題のない、充分な強度を有する眼用レンズを提供することにある。
【0012】
【解決手段】
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビニルアルコール単位を主成分(骨格)とする従来のポリビニルアルコール系架橋高分子材料に、かかるビニルアルコール単位とは炭素数が1つ異なるアリルアルコール単位を導入することによって、従来のポリビニルアルコール系架橋高分子材料において問題となっていた結晶化が有利に抑制乃至は阻止され、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、極めて優れた寸法安定性を実現し、且つ白濁することのない、高含水性眼用レンズが得られることを見出したのである。
【0013】
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、ビニルアルコール単位を主成分として含有する高分子材料からなる、含水率が50%〜90%の高含水性眼用レンズにして、前記高分子材料が、前記ビニルアルコール単位と共に、アリルアルコール単位を必須の構成成分として含有する、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料であり、且つ、かかる高分子材料からなる眼用レンズを、−10℃以下の温度にて12時間以上放置する凍結操作と、15℃〜30℃の温度にて6時間以上放置する解凍操作とを、3回繰り返した後において、及び/又は、1℃〜9℃の温度にて3ヶ月間保存した後において、該眼用レンズの寸法変化率が±2%未満であると共に、白濁しないことを特徴とする高含水性眼用レンズにある。
【0014】
すなわち、かかる本発明に従う高含水性眼用レンズにあっては、ビニルアルコール単位と、該ビニルアルコール単位とは構造が僅かに異なるアリルアルコール単位とを、必須の構成成分として含有する、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料から形成されているところから、かかるビニルアルコール単位の水酸基とアリルアルコール単位の水酸基によって、50%〜90%という高含水性を充分に保持しつつ、しかも、モノマーユニットの僅かな違いにより、そのメカニズムについては未だ充分に明らかにされてはいないものの、結晶化が有利に抑制乃至は阻止され、これによって、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、レンズサイズの縮小やレンズの白濁等といった、眼用レンズにおいては致命的な問題が、何等惹起されることがなく、寸法安定性及び透明性に優れた高含水性眼用レンズが得られることとなったのである。
【0015】
また、そのような本発明に係る眼用レンズを構成する高分子材料に導入されたアリルアルコール単位は、ビニルアルコール単位と同様に、アルコール性OH基を有するのみであって、通常のレンズの使用条件下(中性付近)において、非イオン性であることから、プラス電荷を有するカルシウムイオンや蛋白質等の汚れの他、マイナスの電荷を有する汚れも、著しく付着し難くなっているのである。
【0016】
加えて、本発明に従う高含水性眼用レンズにあっては、アリルアルコール単位の導入によって、従来のポリビニルアルコール系架橋高分子材料と比べて、強度が低下するようなことがなく、このため、眼用レンズに必要とされる強度を充分に確保することが出来るのである。
【0017】
なお、このような本発明に従う高含水性眼用レンズの好ましい態様の一つによれば、前記高分子材料が、カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、カルボン酸アリルエステルを、0.001〜0.8モルの割合において含有し、更に、ケン化により分解されることのない架橋性モノマーを、0.0005〜0.3モルの割合において含有する重合性モノマー組成物を、共重合し、そしてその得られた共重合体をケン化処理することによって、形成されていることが望ましく、このような構成を採用することによって、本発明の目的がより一層有利に実現されることとなる。
【0018】
また、本発明における好ましい態様の他の一つによれば、前記カルボン酸ビニルエステルとしては、86〜1000の分子量を有するモノ、ジ若しくはポリカルボン酸ビニルエステルが好適に採用され得るのであり、また、前記カルボン酸アリルエステルとしては、少なくとも2つのカルボキシル基を含む多塩基カルボン酸の、2つ以上のカルボキシル基がエステル化されてなるポリカルボン酸アリルエステルが好適に採用され得るのである。
【0019】
加えて、本発明における別の好ましい態様の一つによれば、前記カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、前記カルボン酸アリルエステルを、0.001〜0.8モルの割合において含有せしめ、また、ケン化により分解されることのない前記架橋性モノマーを、0.0005〜0.3モルの割合において含有せしめてなる、前記重合性モノマー組成物の100重量部に対して、更に、前記カルボン酸ビニルエステルと共重合し得るレンズ強度向上成分を、0.5〜40重量部の割合において添加して、共重合し、そしてその得られた共重合体をケン化処理せしめることにより、前記高分子材料が形成されていることが望ましい。このようにして、レンズ強度向上成分を更に添加することによって、目的とする眼用レンズの機械的強度が、より一層高められることとなるのである。
【0020】
なお、前記レンズ強度向上成分としては、ハロゲン化アルキルエチレン及び/又は、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーと分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーとを主成分として共重合することにより得られる分子内に少なくとも平均1個の重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーが好適に採用され得る。
【0021】
また、本発明は、上述せる如き高含水性眼用レンズを製造する方法にして、目的とする眼用レンズ形状を与える重合型の成形キャビティ内に、カルボン酸ビニルエステルと共に、カルボン酸アリルエステル及びケン化により分解されることのない架橋性モノマーを、少なくとも含有する重合性モノマー組成物を収容して、光重合又は熱重合せしめた後、その得られた共重合体に対してケン化処理を施すことにより、エステル部分の加水分解を行ない、親水化することを特徴とする高含水性眼用レンズの製造方法も、また、その要旨とするものである。このような本発明に係る製造方法に従って、眼用レンズを作製すれば、上述せる如き寸法安定性や透明性等の特性に優れた、所望とする眼用レンズを、極めて有利に製造することが出来るのである。
【0022】
なお、この本発明に従う高含水性眼用レンズの製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記重合型を雄型と雌型とから構成すると共に、それら雄型と雌型のうちの少なくとも一方を光透過性材料にて形成せしめ、それらを型合せすることにより、それらの型間に形成される前記成形キャビティ内に、前記重合性モノマー組成物を収容して、光重合せしめた後、その得られた共重合体に対してケン化処理を施す構成が、好適に採用されることとなる。特に、このような光重合法を採用することによって、熱重合に比して重合時間を短縮して、生産性の向上を図ることが可能となり、以て、眼用レンズの製造コストを可及的に低くすることが出来るといった効果が享受され得るのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
ここにおいて、本発明に従う高含水性眼用レンズにあっては、それを与える高分子材料が、従来から公知のビニルアルコール単位[−CH2 −CH(OH)−]を主成分(骨格)とするポリビニルアルコール系架橋高分子材料とは異なり、ポリビニルアルコール鎖にアリルアルコール単位が導入された、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料であるところに、大きな特徴があり、かかるアリルアルコール単位[−CH2−CH(CH2OH)−]の導入によって、含水性を高度に確保しつつ、従来のポリビニルアルコール系架橋高分子材料において惹起せしめられていた結晶化が効果的に抑制乃至は阻止され得て、優れた寸法安定性や透明性等の特性が実現されるようになるのである。
【0024】
また、そのようなビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料は、ビニルアルコール単位を与えるカルボン酸ビニルエステルと共に、アリルアルコール単位を与えるカルボン酸アリルエステル及びケン化により分解されることのない架橋性モノマー(架橋剤)を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を、共重合し、そしてそのようにして得られた共重合体を、常法に従って、ケン化処理することによって、形成され得るのである。
【0025】
ところで、上述せる如き重合性モノマー組成物の主成分であるカルボン酸ビニルエステルは、共重合後のケン化処理によって、アルコールに加水分解されて、ビニルアルコール単位を与え、特に優れた含水性(酸素透過性)を付与せしめるためのものである。
【0026】
そして、かかるカルボン酸ビニルエステルとしては、他の重合性モノマー成分との共重合が可能で、共重合後のケン化処理によって容易に加水分解されてビニルアルコール単位を与え、また、ケン化処理後の眼用レンズに必要とされる形状保持性や適度な弾性を実現し得るものであれば、如何なるカルボン酸ビニルエステルであっても良いのであるが、好適には、分子量が86〜1000、より望ましくは、86〜600の範囲にある、モノカルボン酸のビニルエステルやジカルボン酸のビニルエステル、ポリカルボン酸のビニルエステルが望ましい。
【0027】
けだし、そのような分子量が86〜1000、より望ましくは、86〜600の範囲にあるカルボン酸ビニルエステルは、成形後にケン化処理を施して、目的とする眼用レンズを得る場合において、ケン化処理の前後でサイズが大幅に変化するようなことがないことから、換言すれば、成形直後の眼用レンズのサイズとケン化処理後の眼用レンズのサイズとが、大幅に変化するようなことがないことから、望ましいのである。
【0028】
なお、成形直後の眼用レンズのサイズに比して、ケン化処理後の眼用レンズのサイズが大きくなり過ぎるような場合には、重合によって得られた共重合体に、重合歪みや傷、欠け、変形等の欠陥が存在すると、ケン化処理後の膨潤により、これらの欠陥が増幅されたり、不規則な形状になることが推察されるのであり、また逆に、ケン化処理後の眼用レンズのサイズが小さくなり過ぎるような場合には、重合歪みや傷、欠け、変形等の欠陥が存在すると、ケン化処理後の縮小により、これらの欠陥が強化されたり、不規則に反映されることが推察されるからである。
【0029】
例えば、含水率が80%の眼用レンズの場合において、その乾燥レンズの重量割合は、含水レンズ重量の20%であるところから、含水により、レンズ重量が5倍となることになる。従って、共重合後のケン化処理によるサイズ変化を抑制して、80%程度の含水率を有する眼用レンズを得るためには、カルボン酸ビニルエステルとしては、概ね、ビニルアルコールの分子量:44の約5倍の分子量:220前後であるものが、好適に選択されるのである。
【0030】
これに対して、分子量が86である酢酸ビニルよりも分子量が小さなカルボン酸ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル(分子量:72)にあっては、沸点が約50℃と低く、揮発性が高いために、その使用が困難であるところから望ましくない。また、分子量が1000を超えるようなカルボン酸ビニルエステルは、仮に、それが分子量の割に沸点が低いパーフルオロアルキルカルボン酸のビニルエステルであったとしても、精製が実質的に困難で、純度の高いものが得られないために望ましくなく、加えて、共重合後のケン化処理によって、大きなカルボン酸分子が加水分解して外れるために、ケン化処理後において、サイズが大幅に縮小する恐れがあるところからも、望ましくないのである。このため、上述せるように、分子量が86〜1000、より望ましくは、86〜600の範囲にある、モノカルボン酸のビニルエステルやジカルボン酸のビニルエステル、ポリカルボン酸のビニルエステルが好適に採用されることとなる。
【0031】
具体的に、そのようなモノカルボン酸ビニルエステルとしては、分子量が86の酢酸ビニルの他、分子量が86〜1000の範囲にある、ハロゲンやニトロ基、シアノ基、−COR基等の、従来から公知の電子吸引性基が導入されたモノカルボン酸のビニルエステルが、かかる電子吸引性基の導入によって重合性が向上することに起因するのか理由は明らかではないものの、眼用レンズに必要とされる形状保持性や、適度な弾性が極めて効果的に得られることから、より好適に採用され得るのである。
【0032】
ここにおいて、上記した電子吸引性基が導入されたモノカルボン酸としては、例えば、モノクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、2−クロロ酪酸、3−クロロ酪酸、4−クロロ酪酸、2−クロロカプリル酸、3−クロロカプリル酸、2−クロロラウリル酸、3−クロロラウリル酸、ジクロロ酢酸、2,3−ジクロロプロピオン酸、2,3−ジクロロイソ酪酸、トリクロロ酢酸、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピオン酸、パーフルオロデカン酸、ニトロ酢酸、p−ニトロフェニル酢酸、シアノ蟻酸、シアノ酢酸、3−シアノプロピオン酸、2−シアノ−2−メチルプロピオン酸、ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸、3−メチル−2−オキソ酪酸等が挙げられるが、これらに何等限定されるものではない。なお、カルボン酸ビニルエステルを構成するカルボン酸部分には、重合性を有する不飽和結合が存在しないことが必要である。けだし、カルボン酸部分に重合性の不飽和結合があると、この部分でも重合し、ケン化処理後にカルボン酸が外れることなく、骨格となるポリマー部分に酸が残り、汚れの付着やレンズ強度の低下の原因となるからである。
【0033】
さらに、ジカルボン酸のビニルエステルやポリカルボン酸のビニルエステルとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、蓚酸、マロン酸、メチルマロン酸、琥珀酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、メチル琥珀酸、グルタル酸、ジメチル琥珀酸、イソプロピルマロン酸、メチルグルタル酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ジ−n−プロピルマロン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、フェニル琥珀酸、ベンジルマロン酸等のジカルボン酸のビニルエステルや、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸のビニルエステルを挙げることが出来るが、これらに何等限定されるものではない。なお、それらジカルボン酸ビニルエステルやポリカルボン酸ビニルエステルを構成するカルボン酸部分にあっても、上例と同様の理由で、重合性を有する不飽和結合が存在しないことが必要である。
【0034】
なお、上述せる如きジカルボン酸ビニルエステルやポリカルボン酸ビニルエステルは、分子内に2つ以上のカルボキシル基(−COOH)を含む多塩基カルボン酸を、エステル化してなるものであるが、それらの中でも、特に、分子内の全てのカルボキシル基がエステル化されているものが、溶解性等の面から、より望ましい。
【0035】
そして、本発明におけるカルボン酸ビニルエステルとして、上記したもののうちの少なくとも1種が用いられれば充分なのであるが、また、2種以上が組み合わされて用いられても、何等差支えないのである。例えば、低分子量のカルボン酸ビニルエステルは、沸点が余り高くなく、揮発する恐れがあるところから、それを、高分子量のカルボン酸ビニルエステルと組み合わせて使用することにより、重合性モノマー組成物の組成変化を防止することが可能となったり、また、高分子量のものは、粘度が高いために、取扱性が悪いだけでなく、気泡が発生するといった問題が惹起されるところから、粘度が低い低分子量のものと組み合わせて使用することにより、そのような問題を防止することが出来るようになるのである。但し、2種類以上のカルボン酸ビニルエステルを組み合わせ、混合して使用する場合には、組み合わされたカルボン酸ビニルエステル同士の共重合性が良いことが重要な要件となる。尤も、多少の重合性の違いは、架橋性モノマーの選定や使用量の調節等により、解消され、均質な重合体が得られる場合もあるが、重合性が余りにも違い過ぎると、架橋性モノマーや増感剤、重合開始剤、重合条件等の調節では、均質な重合体が得られなくなってしまうため、注意が必要である。
【0036】
一方、上記したカルボン酸ビニルエステルと同様に、重合性モノマー組成物を構成する必須成分の一つであるカルボン酸アリルエステルは、共重合後のケン化処理により、加水分解されて、カルボン酸が遊離してアルコールとなって、アリルアルコール単位を与えるものであり、かかるアリルアルコール単位の存在によって、上述せるように、凍結・解凍を繰り返したり、5℃付近の低温度に長期間保存したり等しても、サイズの縮小や白濁等といった問題が惹起されるようなことが有利に抑制乃至は阻止され得るようになるのである。なお、かかるカルボン酸アリルエステルとしては、前記したカルボン酸ビニルエステル等の、他の重合性モノマー成分と均一に共重合され、また、共重合後のケン化処理によって、加水分解されて、アリルアルコール単位を与えるものであり、更に、ケン化処理後の眼用レンズに必要とされる形状保持性や適度な弾性を確保し得るものであれば、何れのカルボン酸アリルエステルをも採用することが可能である。
【0037】
ところが、カルボン酸アリルエステルは、従来より、カルボン酸ビニルエステルに比して、重合性に劣ることが知られており、例えば、一般的なカルボン酸アリルエステルとして、アルキルカルボン酸アリルエステルの一つである酢酸アリルを、常法に従って、カルボン酸ビニルエステルである酢酸ビニルと共重合せしめても、重合が進まず、液体のままで固化させることが出来ず、一般に、カルボン酸アリルエステルを用いて、カルボン酸ビニルエステルとの共重合体を得ることは困難であると言われている。
【0038】
しかしながら、本発明者による鋭意研究の結果、カルボン酸アリルエステルの中でも、少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有する多塩基カルボン酸(ポリカルボン酸)の、2つ以上のカルボキシル基がエステル化されてなる、ポリカルボン酸アリルエステルを用いて、共重合を行なえば、カルボン酸ビニルエステルと均一に重合した共重合体を容易に得ることが出来ることが明らかとなり、しかも、かかる共重合体にケン化処理を施して得られる眼用レンズにあっては、充分な形状保持性や適度な弾性、また、使用上において充分な強度が得られるのみならず、低温度下における結晶化が有利に抑制乃至は阻止され得て、凍結・解凍を繰り返したり、5℃付近の低温度に長期間保存したり等しても、優れた寸法安定性と透明性が実現され得ることとなるのである。このため、カルボン酸アリルエステルの中でも、上記した多塩基カルボン酸の2つ以上のカルボキシル基がエステル化されてなるポリカルボン酸のアリルエステル、より好ましくは、全てのカルボキシル基がエステル化されてなるポリカルボン酸のアリルエステルが、特に好適に採用され得るのである。
【0039】
ここにおいて、上述せる如きポリカルボン酸のアリルエステルを構成する多塩基カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、蓚酸、マロン酸、メチルマロン酸、琥珀酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、メチル琥珀酸、グルタル酸、ジメチル琥珀酸、イソプロピルマロン酸、メチルグルタル酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ジ−n−プロピルマロン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、フェニル琥珀酸、ベンジルマロン酸等のジカルボン酸や、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸を挙げることが出来、そのような多塩基カルボン酸のアリルエステルが好適に用いられることとなるが、勿論、本発明が、これらの多塩基カルボン酸のアリルエステルに限定されるものではないことは、言うまでもないところである。なお、それらのカルボン酸部分にあっても、上記した同様の理由で、重合性の不飽和結合が存在していないことが重要である。
【0040】
また、上述の如きカルボン酸アリルエステルは、それらのうちの1種が単独で用いられても、また、2種以上が組み合わされて用いられても良く、採用するカルボン酸アリルエステルの重合性等に応じて、それらのうちの少なくとも1種が適宜に選択されることとなる。
【0041】
さらに、上述せる如きカルボン酸アリルエステルの配合割合としては、カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、0.001〜0.8モル、より好適には、0.002〜0.6モルとなる割合が採用される。けだし、かかる配合割合が過小である場合には、カルボン酸アリルエステルによる効果が得られなくなるからであり、つまり、凍結・解凍を繰り返したり、5℃付近の低温度に長期間保存することにより、レンズサイズが縮小したり、レンズが白濁する等といった、結晶化に起因すると推察される問題を効果的に抑制乃至は阻止することが出来なくなるからであり、逆に、かかる配合割合が過大である場合には、実質的にポリアリルアルコールとなり、ポリビニルアルコール系架橋高分子材料の利点である弾性がなくなったり、また重合性が悪くなって、高分子化されない等の欠点が生じる恐れがあるからである。
【0042】
他方、上記したカルボン酸ビニルエステルやカルボン酸アリルエステルと同様に、重合性モノマー組成物を構成する必須成分の一つである架橋性モノマー(架橋剤)としては、従来より、眼用レンズを与える高分子材料に橋かけ結合を形成せしめるために用いられているものであって、カルボン酸ビニルエステルやカルボン酸アリルエステル等の他の重合性モノマー成分との重合性が良く、均一に重合し、また、ケン化によって分解されず(つまり、ケン化によって橋かけ部分が切断されず)、且つ、ケン化処理後の眼用レンズに必要とされる形状保持性や適度な弾性を確保し得る等の条件を満たすものが、採用されることとなる。
【0043】
そして、そのような架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼンや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメリット酸トリアリル、アリルエーテル、アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのジアリルエーテル、アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのジビニルエーテル、アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのアリルエーテルビニルエーテル、特開平9−40720号公報に示される如きジアリリデンペンタエリスリット等を始め、上述せる如き条件を満足するものであれば、従来から公知の各種の架橋性モノマーを例示することが出来、それらのうちの少なくとも1種が、カルボン酸ビニルエステルの種類や重合方法等に応じて、適宜に選択されて用いられることとなるのである。
【0044】
例えば、酢酸ビニルを、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の増感剤の存在下で、光重合する場合には、ジエチレングリコールジビニルエーテル等のポリアルキレングリコールのジビニルエーテルが、好ましく選択され得るのであり、また、酢酸ビニルを、アゾビスイソバレロニトリル等の重合開始剤の存在下で、熱重合する場合には、ジエチレングリコールジアリルエーテル等のポリアルキレングリコールのジアリルエーテルが、好適に採用され、更に、モノクロロ酢酸ビニルを、増感剤の存在下で、光重合する場合には、トリアリルイソシアヌレート等が、より好適に選択され得るのであるが、本発明にあっては、このような組み合わせに何等限定されるものでは決してない。
【0045】
なお、かくの如き架橋性モノマーの配合割合としては、カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、0.0005モル〜0.3モル、より好適には、0.001〜0.2モルとなる割合が採用される。けだし、かかる配合割合が過小である場合には、架橋不足となり、ケン化処理後の眼用レンズに、充分な形状保持性や適度な弾性が得られなくなる恐れがあるからであり、逆に、かかる配合割合が過大である場合には、得られる高分子材料が脆くなって、ケン化処理後の眼用レンズに、必要とされる強度が得られなくなる恐れがあるからである。
【0046】
ところで、上述せる如きカルボン酸ビニルエステルやカルボン酸アリルエステル、ケン化により分解されることのない架橋性モノマーを、少なくとも含有する重合性モノマー組成物には、更に必要に応じて、前記した重合性モノマー成分と均一に共重合され、また、ケン化処理後の眼用レンズに必要とされる形状保持性や適度な弾性を確保し得るものであれば、他の重合性モノマーを含有せしめることも可能であり、例えば、眼用レンズの機械的強度を向上せしめるためのレンズ強度向上成分を、重合性モノマー組成物に対して添加することが出来る。
【0047】
ここにおいて、レンズ強度向上成分としては、ハロゲン化アルキルエチレン、及び/又は、特開昭62−21101号公報や特開平2−15233号公報、特開平6−102471号、特開平6−102472号、特開平7−49470号公報等に開示の如き、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーと分子内に少なくとも2個の重合基を有するモノマーとを主成分として共重合することにより得られる、分子内に少なくとも平均1個の重合基を有する(メタ)アクリレート系ポリマー(以下、マクロモノマーと呼称する)が、好適に採用され得るのである。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」なる表記は、「アクリレート」及び「メタクリレート」を含む総称として用いられている。
【0048】
具体的には、上記のハロゲン化アルキルエチレンとしては、例えば、パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等の、アルキル基の水素原子が全てハロゲン原子で置換されたパーフルオロアルキルエチレンの他、塩化アリル、3−クロロ−1−ブテン、3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン、臭化アリル等が挙げられ、これらは、単独で又は2種以上を混合して用いられることとなる。
【0049】
また一方、マクロモノマーは、高分子量の重合性モノマーであり、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(以下、a成分と呼称する)と、分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマー(以下、b成分と呼称する)とを主成分として共重合したものである。
【0050】
ここにおいて、前記a成分は、分子内のアルキル基が、直鎖状、分岐鎖状又は環状であるアルキル基であっても、更には、かかるアルキル基の水素原子がハロゲン原子で置換されたものであってもよく、具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのa成分は、単独で又は2種以上を混合して用いることが出来る。なお、上記したa成分の中でも、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート系モノマーがより一層望ましく、このようなアルキルメタクリレート系モノマーがa成分として用いられたマクロモノマーにあっては、エステル部分を有していても、共重合後のケン化処理によって、エステル部分が分解されるようなことが、極めて有利に阻止され得るのである。
【0051】
また、b成分の具体例としては、例えば、上述せる如き公報に開示の如き、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレートの他にも、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメリット酸トリアリル、アルキレングリコール若しくはポリルキレングリコールのジアリルエーテル、アルキレングリコール若しくはポリルキレングリコールのジビニルエーテルやアリルエーテルビニルエーテル、ジアリリデンペンタエリスリット等の分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることが出来る。
【0052】
さらに、上記したa成分とb成分とは、モル比で、80:20〜 99.97:0.03、好ましくは、95:5〜 99.95:0.05となる割合において用いられることが望ましく、かかるb成分の配合量が過少である場合には、共重合性の良好なマクロモノマーが得られ難くなり、また、b成分の配合量が過多である場合には、目的とする眼用レンズを与える高分子材料の架橋度が大きくなり過ぎる傾向がある。
【0053】
なお、マクロモノマーは、上述せる如きa成分とb成分を主成分とするものであるが、これらの他にも、マクロモノマーのカルボン酸ビニルエステルへの溶解性が向上され得るような場合にあっては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやN−ビニルピロリドン等の親水性モノマーを、目的とするマクロモノマーを形成せしめるための重合成分として含有せしめることが出来る。但し、これらの親水性モノマーは、少量において、具体的には、a成分1モルに対して0.2モル以下となる割合において添加されることとなる。
【0054】
ところで、かかるマクロモノマーの製造方法としては、例えば、全重合成分を溶媒に溶解して重合開始剤を添加し、撹拌しながら還流温度にて重合を行なう溶液重合法等を例示することが出来る。なお、かかる溶液重合法において採用される溶媒としては、各重合成分の溶解が良好であり、且つ重合反応を阻害しないものであれば、何等限定されるものではなく、従来から公知の、ベンゼンやアセトン等の溶媒が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いられる。また、その使用量にあっても、特に限定されるものではなく、重合温度、時間等の条件や重合成分の種類等に応じて、適宜調整される。
【0055】
また、マクロモノマーの重合に使用される重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の、従来から公知の重合開始剤を例示することが出来、そのような重合開始剤の添加量としては、重合を開始せしめるのに充分な量であればよく、例えば、全重合成分の100重量部に対して、0.01〜5重量部、より好ましくは、0.05〜2重量部であることが望ましい。
【0056】
さらに、重合温度と重合時間は、それらの間に相関関係があって、一概に決定することは困難であるが、比較的低温(50〜80℃)で数分間〜数時間、共重合反応を行なうことが、実用上好ましい。
【0057】
また、マクロモノマーは、その数平均分子量が、目的とする眼用レンズの機械的強度の向上に大きく影響するところから、一般に、5000〜200000、好ましくは、10000〜100000であることが望ましい。けだし、かかる数平均分子量が小さ過ぎる場合には、マクロモノマーを添加しても、眼用レンズの機械的強度を向上することが出来なくなるからであり、逆に、数平均分子量が大き過ぎる場合には、マクロモノマーが他の重合性モノマー成分と均一に混合し難くなって、均質な眼用レンズを得ることが困難となる傾向があるからである。
【0058】
なお、かかるマクロモノマーの重合性基の数は、平均で、1分子当たり、少なくとも1個、好ましくは1.2〜10個であることが望ましい。これは、1分子当たりの平均重合性基の数が少な過ぎる場合には、重合性基を何等有しないものが、マクロモノマーとして多く含まれることとなり、このような重合性基を有しないものは重合しないところから、重合後の溶出処理に長期間を要するといった問題が惹起されるからである。また、1分子当たりの平均重合性基の数が多過ぎる場合には、架橋点が多くなり、このため、眼用レンズを与える高分子材料の自由度が小さくなって、脆いレンズとなる恐れがあるからである。
【0059】
そして、かかるマクロモノマーや、前記したハロゲン化アルキルエチレン等のレンズ強度向上成分は、それらのうちの1種が、単独で、又は、2種以上が組み合わされて、重合性モノマー組成物に添加され得るのであり、また、その添加割合としては、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル及び架橋性モノマーを含有する重合性モノマー組成物、より具体的には、カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、カルボン酸アリルエステル及びケン化により分解されることのない架橋性モノマーを、それぞれ、0.001〜0.8モル及び0.0005〜0.3モルの割合において含有する重合性モノマー組成物の100重量部に対して、前記レンズ強度向上成分は、0.5〜40重量部、好ましくは、1〜30重量部の範囲において用いられることとなる。
【0060】
けだし、かかるレンズ強度向上成分の添加量が過少であると、その添加による効果が充分に得られないからであり、逆に、多過ぎると、眼用レンズの含水率が50%に満たなくなって、眼用レンズに優れた酸素透過性を付与することが出来なくなる恐れがあるからである。
【0061】
加えて、重合性モノマー組成物には、上述せる如きレンズ強度向上成分の他にも、更に必要に応じて、従来から眼用レンズに一般的に用いられている各種の添加剤、例えば、眼用レンズに紫外線吸収性を付与したり、レンズを着色するために、重合性の紫外線吸収性モノマーや色素、紫外線吸収性色素等を、従来と同様に、添加せしめて、重合体中に導入し、レンズ構成成分の一つとすることも可能である。但し、それらの添加剤は、本発明による効果を阻害しないものであり、阻害しない量的範囲において用いられることとなることは、勿論、言うまでもないところである。
【0062】
かくして、上述せる如き各種成分を含有する重合性モノマー組成物を用いて、目的とする眼用レンズを与えるビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料を得るには、先ず、かかる重合性モノマー組成物を共重合せしめて、共重合体を形成せしめ、次いで、そのようにして得られた共重合体に対して、ケン化処理を施すのである。
【0063】
具体的には、重合性モノマー組成物の重合手法としては、例えば、重合開始剤を添加した後、先ず、約30〜50℃にて数時間〜数十時間加熱して重合させ、次いで、約120℃まで十数時間で順次昇温して、重合を完結させる方法(熱重合法)や、増感剤を添加した後、適当な光線(例えば、紫外線等)を照射して重合を行なう方法(光重合法)、又は、それら熱重合法と光重合法とを組み合わせて、重合を行なう方法等が挙げられる。これらの重合法の中でも、特に、光重合法を採用すれば、熱重合に比して、重合時間を短縮して、生産性の向上を図ることが可能となり、以て、眼用レンズの製造コストを可及的に低くすることが出来るといった利点が得られる。更に、重合形式としては、効率が良く、生産性に優れた、通常の塊状重合法が採用されることが望ましいが、必要に応じて溶液重合法が採用されても、何等差支えない。
【0064】
なお、一般に、熱重合の場合には、重合開始剤が使用される一方、紫外線等の光照射にて重合する場合には、増感剤が使用されるのであるが、増感剤及び重合開始剤の何れか一方を用いて、又は、その両方を組み合わせて用いて、光及び/又は熱にて重合することも可能である。
【0065】
ここにおいて、重合開始剤としては、通常の重合開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等が挙げられ、また、増感剤としては、通常の増感剤、例えば、ジエトキシアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロピル−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロピル−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノフェニル−ブタノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0066】
また、これらの重合開始剤及び増感剤は、そのうちの1種又は2種以上を選択して使用すればよく、その使用割合としては、重合性モノマーの1モルに対して、0.00001〜0.05モル、好ましくは、0.00002〜0.03モルとなる割合が採用され得ることとなる。なお、0.05モルを超えるような使用量の場合には、共重合体の平均分子量が大きくならず、レンズに必要とされる強度が確保され得なくなったり、レンズが黄変したり等して、望ましくなく、また0.00001モルに満たない使用量の場合には、残留モノマーが多くなり過ぎて、共重合体が固化しなくなるからである。
【0067】
そして、上記した重合によって得られた共重合体を用い、それに対して、ケン化処理を施すことによって、カルボン酸ビニルエステル−カルボン酸アリルエステル系共重合体のエステル部分が加水分解されて、親水化した材料、つまり、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料が得られることとなるのであるが、ここでいうケン化処理とは、従来より公知のポリビニルアルコール(PVA)を得るためのポリビニルエステルのケン化処理方法と同様の方法が採用され得るのであり、共重合体中のカルボン酸ビニルエステル単位とカルボン酸アリルエステル単位を、アルカリ性化合物又は酸性化合物により処理して、アルコール単位とすることにある。但し、後者の酸性化合物によるケン化は、ケン化速度が遅く、また均一なものが得られ難く、副反応が惹起される等といった欠点があるため、本発明においては、アルカリ性化合物によるケン化手法が、好適に採用されることとなる。
【0068】
なお、上述せる如きケン化処理に採用されるアルカリ性化合物としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、具体的には、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を例示することが出来る。また、これらのアルカリ性化合物は、一般に、固体であるため、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、水等の溶媒に溶解せしめられ、アルカリ性溶液として用いられることとなり、そして、そのようなアルカリ性溶液に共重合体が浸漬されることによって、ケン化処理が施されるのである。なお、かかるアルカリ性溶液の中でも、特に、アルコール類を用いた、0.1〜1.0Nのアルカリアルコール溶液が好ましいが、ケン化処理を効率よく進めるために、該アルカリアルコール溶液に、アルカリ水溶液を混合して用いることも出来る。
【0069】
また、ケン化温度としては、一般に、0〜70℃の範囲の温度に適宜に設定されるが、ケン化処理の効率を上げるためには、ケン化処理を行なう溶液を、加温して、40〜70℃程度の温度範囲に設定することが好ましい。なお、あまり高温でのケン化処理は、眼用レンズの劣化を招来する恐れがあるところから、反応温度は、70℃程度以下となるように設定することが好ましい。また、ケン化時間にあっては、アルカリ性化合物の種類、アルカリ性化合物の濃度、ケン化温度等に応じて、適宜に設定されることとなるが、実用的には、例えば、室温でケン化処理を行なう場合には、数分〜数時間でケン化反応が完了するように、アルカリ性化合物の種類とその濃度を選択することが好ましい。また、不均一系でケン化反応を行なうことも可能である。
【0070】
なお、ケン化度は、90モル%以上、好ましくは95モル%以上であることが望ましい。これは、ケン化度が、90モル%未満である場合には、所望とする含水率が確保され難くなったり、得られる眼用レンズを長期に亘って用いる際に、煮沸処理等を繰り返すこと等によって含水率が変化し、サイズ変化を起こし易くなる等といった長期安定性に劣るものとなる傾向があるからである。
【0071】
次いで、このようにしてケン化処理が施された共重合体には、アルカリ性化合物等が残留しているところから、水や生理食塩水で洗浄されたり等して中和され、また、滅菌されたり等して、生体に対して安全で、含水されたビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料、ひいては眼用レンズとなるのである。
【0072】
ところで、かくの如きビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料にてコンタクトレンズや眼内レンズ等の眼用レンズを製造する方法(加工方法)としては、特に限定されるものではなく、重合を適当な型内又は容器内で行ない、棒状、ブロック状、板状等の素材(重合体)を得た後、切削加工、研磨加工等の機械的加工によって所望の形状に成形する切削加工法や、所望とする眼用レンズ形状を与える重合型を用意し、この型内で前記した重合成分の重合を行なって成形物を得、更に必要に応じて、機械的に仕上げ加工を施す鋳型(モールド)法、及びそれらモールド法と切削加工法を組み合わせた方法等、当業者に従来から公知の各種の手法が、何れも採用され得るのであるが、上記した方法の中でも、特に、モールド法が、生産コストを効果的に低減せしめることが出来るため、好適に採用されることとなる。
【0073】
なお、そのようなモールド法にて、眼用レンズとしてのコンタクトレンズを製造するには、以下の如き方法を、一例として例示することが出来る。すなわち、先ず、所望とするコンタクトレンズ形状を与える成形面を有する雄型と雌型とからなる重合型を用い、それら雄型と雌型を型合せすることによりそれらの型間に形成される成形キャビティ内に、重合のために必要な増感剤及び/又は重合開始剤が添加された重合性モノマー組成物を収容した後、紫外線等の光線を照射して光重合を行なったり、或いは、加熱せしめて熱重合を行なうことにより、カルボン酸ビニルエステル−カルボン酸アリルエステル系共重合体を形成せしめるのである。
【0074】
この際、使用される重合型の材質としては、特に限定されるものではなく、従来から眼用レンズの製造に使用されているものであれば、何れの材質も採用され得るのであるが、光重合を採用する場合には、重合型を構成する雄型と雌型のうちの少なくとも一方が、光線を透過し得る材料(光透過性材料)にて形成されている必要がある。
【0075】
次いで、このようにして得られた共重合体を、常法に従って離型して、前述せる如きケン化処理を行なうことによって、カルボン酸ビニルエステル単位とカルボン酸アリルエステル単位のそれぞれのエステル部分の加水分解を行なって、親水化することにより、本発明に従う眼用レンズ(コンタクトレンズ)が製造されるのである。なお、かかる眼用レンズには、生体に対する充分な安全性が確保されるように、中和処理や滅菌処理等が施されることは、勿論、言うまでもないところである。
【0076】
そして、かくの如くして製造された眼用レンズにあっては、それを形成する高分子材料に、ビニルアルコール単位の他、該ビニルアルコール単位とは炭素数が1つ異なるアリルアルコール単位が導入されているところから、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、極めて優れた寸法安定性が実現され得ると共に、また、白濁することもなく、レンズの透明性が極めて高度に確保され得ているのである。
【0077】
つまり、かかる本発明に従う眼用レンズにあっては、眼用レンズに含まれる水が凍ったり、融けたりする状態が繰り返される、特に厳しい条件下でも、具体的には、−10℃以下の温度にて12時間以上放置する凍結操作と、凍結したレンズを15℃〜30℃の温度にて6時間以上して放置する解凍する操作とを、3回繰り返しても、及び/又は、1℃〜9℃の温度にて3ヶ月間保存しても、優れた寸法安定性と透明性が確保され得るという特徴を有している。
【0078】
さらに、この本発明に従う眼用レンズを構成する高分子材料(共重合体)中に導入されたアリルアルコール単位は、ビニルアルコール単位と同様に、非イオン性であるところから、カルシウムイオンや蛋白質等の汚れも付着し難くなっているのである。しかも、そのようなアリルアルコール単位の導入は、レンズ強度の低下を招来するものではなく、眼用レンズに必要とされる強度は充分に確保され得ているのである。
【0079】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0080】
先ず、下記表1に示されるように、カルボン酸ビニルエステルとして、酢酸ビニルとモノクロロ酢酸ビニルを準備し、また、カルボン酸アリルエステルとしては、アジピン酸ジアリルを準備し、更に、架橋性モノマーとしては、ジエチレングリコールジビニルエーテルとジエチレングリコールジアリルエーテルを準備した。また、増感剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:ダロキュア1173)を準備した。更に、レンズ強度向上成分として、ハロゲン化アルキルエチレンであるパーフルオロブチルエチレンと、下記の所定のマクロモノマーを準備した。
【0081】
【表1】

Figure 0004024081
【0082】
−マクロモノマーの合成−
3つ口丸底フラスコに、メチルメタクリレート95g、アリルメタクリレート0.93g、エチレングリコールジメタクリレート0.49g、ヒドロキシブチルメタクリレート5g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.3g、及び溶媒としてベンゼン600mlを加えて、攪拌しながら70℃にて1.5時間重合させた。次いで、得られた重合液をn−へキサン中に投入して共重合体を沈殿物として得たのち、減圧乾燥し、更に該共重合体をベンゼンに溶解して多量のn−へキサン中に投入し、再沈殿させて精製した。これを減圧乾燥して、マクロモノマーを得た。
【0083】
得られたマクロモノマーは、数平均分子量:23000、分子量分散:50600、1分子当たりの平均アリル基数:1.3、及び1分子当たりの平均メタクリロイル基数:1.1であった。なお、かかる数平均分子量、分子量分散及び1分子当たりの平均重合性基数は、それぞれ、下記の方法により測定した。
[数平均分子量]
ゲルパーミエイションクロマトグラフィにて測定した。
[分子量分散]
上記数平均分子量(Mn)と同様にして重量平均分子量(Mw)を測定し、次式により算出した。
分子量分散=Mw/Mn
[1分子当たりの平均重合性基数]
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ及びフーリエ変換プロトン核磁気共鳴スペクトルにより測定した。
【0084】
一方、重合型(成形型)として、光透過性材料たるポリプロピレンを用いてそれぞれ形成された製の雄型と雌型とから構成されるコンタクトレンズ用の重合型を準備した。
【0085】
−重合性モノマー組成物の調製−
実施例 1
酢酸ビニルの1モルに対して、アジピン酸ジアリルの0.012モルとジエチレングリコールジビニルエーテルの0.006モルとを混合し、更に、ダロキュア1173を0.0024モル添加することにより、実施例1に係る重合性モノマー組成物を調製した。
【0086】
実施例 2
酢酸ビニルの1モルに対して、アジピン酸ジアリルが0.029モル、ジエチレングリコールジビニルエーテルが0.014モルとなるように、混合せしめてなる重合性モノマー組成物の100重量部に対して、更に、パーフルオロブチルエチレンが13.5重量部、ダロキュア1173が0.9重量部、更に、着色剤として、テトラ(4−メタクリルアミド)銅フタロシアニンが0.04重量部となるように、添加、含有せしめることにより、実施例2の重合性モノマー組成物を調製した。
【0087】
実施例 3
酢酸ビニルの1モルに対して、アジピン酸ジアリルが0.010モル、ジエチレングリコールジビニルエーテルが0.014モルとなるように、混合せしめてなる重合性モノマー組成物の100重量部に対して、更に、前記マクロモノマーが25重量部、ダロキュア1173が0.6重量部となるように、添加、含有せしめることにより、実施例3に係る重合性モノマー組成物を調製した。
【0088】
実施例 4
モノクロロ酢酸ビニルの1モルに対して、アジピン酸ジアリルの0.029モルとジエチレングリコールジアリルエーテルの0.014モルとを混合し、更に、ダロキュア1173の0.0037モルを添加することにより、実施例4に係る重合性モノマー組成物を調製した。
【0089】
比較例 1
酢酸ビニルの1モルに対して、ジエチレングリコールジビニルエーテルを0.006モル混合し、更に、ダロキュア1173を0.0024モル添加せしめて、カルボン酸アリルエステルを含まない比較例1に係る重合性モノマー組成物を調製した。
【0090】
−重合性モノマー組成物の重合−
上記のようにして調製された実施例1〜4及び比較例1に係る各種重合性モノマー組成物を、ぞれぞれ、雌型に充填して、雄型と型合せすることによって、重合型の成形キャビティ内に重合性モノマー組成物を充填、収容せしめ、そして、その後、2kWの高圧水銀ランプを用いて、10mW/cm2 の強度の紫外線を15分間照射することによって、各々の重合性モノマー組成物を重合せしめた。重合後、重合型の型開きを行ない、エタノール(実施例1〜3、比較例1)、又はエトキシエタノール(実施例4)中に浸漬せしめることによって、エタノール又はエトキシエタノールで膨潤したコンタクトレンズを型から分離した。
【0091】
−ケン化処理−
上記で得られた膨潤したコンタクトレンズを、バイアル瓶に収容された0.5NのNaOHを含有する65%メタノール水溶液の2mLに浸漬して、そのまま、室温で2時間放置することによって、ケン化処理を実施した。その後、かかるコンタクトレンズを水で洗浄することによって、NaOHを除去するための中和処理を行ない、更に、そのコンタクトレンズを、水の入った耐熱性の瓶に入れて蓋をした後、121℃の温度で20分間、高圧蒸気滅菌した。
【0092】
−含水率の測定−
かかる高圧蒸気滅菌が施されたコンタクトレンズを、20℃の水の中に2時間浸漬した後、吸湿紙で余分な水分を拭き取って、含水状態のレンズの重量(W1 )を測定した。また、コンタクトレンズを、60℃の乾燥機に一夜放置して乾燥させて、乾燥状態のレンズの重量(W2 )を測定した。そして、それら含水状態のレンズの重量(W1 )と乾燥状態のレンズ重量(W2 )とを用いて、下記(I)式により、含水率を算出し、その結果を、下記表2に示した。
含水率(重量%)=[(W1 −W2 )/W1 ]×100 ・・・(I)
【0093】
−寸法安定性・透明性の評価−
(1)評価試験1: 3回の凍結・解凍操作
また、高圧蒸気滅菌後の実施例1〜4及び比較例1に係る各種のコンタクトレンズを、それぞれ、20℃の水の中に浸漬した状態で、2時間放置せしめた後、レンズサイズ(S1 )を測定した。次いで、そのコンタクトレンズを、水が収容されたバイアル瓶の中に、水中に浸漬された状態となるようにして、入れた。そして、かかるバイアル瓶を−30℃の冷凍庫に一夜放置せしめて凍結させ、次いで、その凍結したものを20℃の水中に8時間浸漬して、解凍した。このような凍結・解凍の操作を3回繰り返した。
【0094】
そして、3回目の解凍が終了したコンタクトレンズを、20℃の水中に浸漬した状態で、2時間放置せしめた後、再び、レンズサイズ(S2 )の測定を行ない、そのレンズサイズ(S2 )と凍結・解凍操作前のレンズサイズ(S1 )から、寸法変化率を、下記(II)式により算出し、得られた結果を、凍結・解凍前後のレンズサイズ(S1 ,S2 )と共に、下記表2に併せ示した。なお、比較例1に係るコンタクトレンズにあっては、1回目の凍結・解凍操作にて、目視で、大きな変化が見られたところから、1回目と2回目の解凍後に、レンズサイズの測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
寸法変化率(%)=[(S2 −S1 )/S1 ]×100 ・・・(II)
【0095】
また、3回(比較例1にあっては、2回)の凍結・解凍操作後のコンタクトレンズの外観を、肉眼にて観察することによって、その透明性を評価し、無色透明で白濁を認めない場合を○、それ以外の場合を×として、その結果を、下記表2に示した。
【0096】
(2)評価試験2: 低温(1℃〜9℃)下で長期間(3ケ月)の保存
上記(1)の評価試験1を行なった実施例1〜4に係る各種のコンタクトレンズを、それぞれ、水が収容されたバイアル瓶に、再び入れ、5℃の温度下で、3ヶ月間、保存した。そして、かかる3ヶ月保存したコンタクトレンズを、20℃の水中に2時間浸漬せしめた後、再び、レンズサイズ(S3 )の測定を行ない、そのレンズサイズ(S3 )と保存前のレンズサイズ(S2 )とから、寸法変化率を下記(III)式により算出し、得られた結果を、保存後のレンズサイズ(S3 )と共に、下記表2に併せ示した。
寸法変化率(%)=[(S3 −S2 )/S2 ]×100 ・・・(III)
【0097】
また、かかる3ヶ月保存後のコンタクトレンズの外観を、肉眼にて観察することによって、その透明性を評価し、無色透明で白濁を認めない場合を○、それ以外の場合を×として、その結果を、下記表2に示した。
【0098】
【表2】
Figure 0004024081
【0099】
上記表2の結果から明らかなように、ビニルアルコール単位と共に、アリルアルコール単位を含有するビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料からなる実施例1〜4のコンタクトレンズにあっては、上述せる如き凍結・解凍操作を3回繰返し行なった後においても、或いは、低温度下に長期間晒されても、レンズサイズは殆ど変わらず、優れた寸法安定性を有していると共に、白濁も生じず、優れた透明性も確保され得ていることが分かる。
【0100】
これに対して、アリルアルコール単位を有しないビニルアルコール系架橋高分子材料からなる比較例1のコンタクトレンズにあっては、凍結・解凍操作を1回実施するだけで、レンズサイズは18.2mmから17.5mmとなって、4%程度縮小すると共に、僅かに白濁し、更に、凍結・解凍操作をもう1回実施すると、サイズは17.1mmとなって、計6%程度収縮すると共に、白濁の程度も更にひどくなり、低温環境下においては、実用に供し得ないレンズとなっていることが認められる。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うところの高含水性眼用レンズにあっては、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料から形成されているところから、50%〜90%という高含水性を充分に保持しつつ、ビニルアルコール単位とアリルアルコール単位とを組み合わせてなる相互作用により、その結晶化が効果的に抑制乃至は阻止され得、これによって、凍結と解凍を繰り返したり、5℃程度の低温下に長期間晒されたり等しても、レンズサイズの縮小やレンズの白濁等といった眼用レンズにおいて致命的な問題が何等惹起されることなく、優れた寸法安定性や透明性が実現され得るのである。
【0102】
しかも、かかる眼用レンズを構成する高分子材料中に導入されたビニルアルコール単位及びアリルアルコール単位は、何れも非イオン性であるところから、カルシウムイオンや蛋白質等の汚れが付き難く、また、従来のポリビニルアルコール系架橋高分子材料と遜色のない、充分な強度も確保され得ているのである。
【0103】
また、本発明に従う高含水性眼用レンズの製造法によれば、上述せる如き優れた寸法安定性や透明性を有する高含水性眼用レンズを、有利に製造することが出来るのである。[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a highly water-containing ophthalmic lens and a method for producing the same, and in particular, has excellent dimensional stability even when it is repeatedly frozen and thawed or exposed to a low temperature of about 5 ° C. for a long time. The present invention relates to a highly hydrous ophthalmic lens that is realized and does not become cloudy, and a method for advantageously producing such a highly hydrous ophthalmic lens.
[0002]
[Background]
As is well known, contact lenses are broadly classified into two types: soft soft contact lenses and hard hard contact lenses, and each contact lens supplies sufficient oxygen to the cornea. Thus, there is a need for a material with even better oxygen permeability.
[0003]
Such oxygen permeability greatly depends on the ease of dissolution of oxygen into the lens material (dissolution) and the ease of movement of oxygen in the lens material (diffusion), and the more easily oxygen is dissolved or diffused. It becomes a lens excellent in oxygen permeability. Specifically, in the case of soft contact lenses, oxygen dissolved in the water contained in the lens moves, except for those made of silicone materials, so that oxygen passes through the lens and is supplied to the cornea. Therefore, the higher the water content, the better the oxygen permeability.
[0004]
On the other hand, in the case of a hard contact lens, oxygen is supplied to the cornea by passing through the molecular gap of the lens material, etc., so that the molecular gap is increased or the affinity with oxygen is increased. Although the oxygen permeability is further improved by using high components, etc., such hard lenses are very painful when dust or the like enters the eyes. The demand for soft contact lenses, especially disposable soft contact lenses, is growing rapidly. For this reason, a highly hydrous soft contact lens that realizes better oxygen permeability is particularly desired.
[0005]
By the way, the polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material having a vinyl alcohol unit as a main component has a high water content, and amides such as N-vinylpyrrolidone are basic while alcohol (—OH group) is medium. It is considered to be a particularly preferable material as a contact lens material because it is nonionic and nonionic, and various materials have been proposed so far.
[0006]
For example, JP-A-52-65597 proposes a polyvinyl alcohol polymer material obtained by saponifying a copolymer of a vinyl ester and an ethylenically unsaturated carboxylic acid or a derivative thereof. However, the contact lens made of such a material has a problem that the carboxylic acid portion becomes an anion and it becomes easy to adsorb cations such as calcium and dirt such as protein.
[0007]
JP-A-62-21101, JP-A-2-15233, JP-A-7-49470, JP-A-6-102472, etc. contain a fatty acid vinyl ester as a main component and polymerize it. A polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material obtained by saponifying a copolymer with a (meth) acrylate-based polymer having a functional group has been proposed. Further, JP-A-9-40719, JP-A-9-40720, JP-A-11-133202, JP-A-11-153775, JP-A-11-153976, etc. also describe vinyl acetate and the like. A polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material obtained by saponifying a copolymer obtained by polymerizing an ester with various crosslinking monomers has been proposed.
[0008]
However, contact lenses made of such a conventionally proposed polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material are exposed to a low temperature such as about 5 ° C. for a long period of time, or freezing as the target high water content. Repeated thawing, etc., may cause fatal problems for ophthalmic lenses, such as lens size reduction and lens cloudiness, which are presumed to be caused by crystallization of polyvinyl alcohol chains. It became clear that it was difficult to use in winter.
[0009]
In order to prevent such crystallization, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-102471 discloses maleate esters and N as components for preventing freezing and suppressing size change as components for preventing crystallization. -A polyvinyl alcohol-based water-containing contact lens in which vinyl lactams are added as one of the polymerizable components has been proposed. As a result, a lens having excellent freezing resistance can be obtained. Since maleate ester is used as a copolymerization component, esterification is hydrolyzed by saponification after copolymerization, and a carboxylic acid remains in the polymer chain. For this reason, the above-mentioned JP-A-52-65597 As in the publication, the lens has a negative charge, so that contaminants such as calcium ions and proteins having a positive charge are easily adsorbed. Tsu and than it was. In addition, the obtained lens has extremely low strength and is difficult to be put to practical use.
[0010]
[Solution]
Here, the present invention has been made in the background of such circumstances, and the problem to be solved thereof is repeated freezing and thawing or being exposed to a low temperature of about 5 ° C. for a long time. However, the present invention provides a highly hydrous ophthalmic lens that achieves extremely excellent dimensional stability and does not become cloudy, and a method for advantageously producing a highly hydrous ophthalmic lens having such excellent characteristics. There is to do.
[0011]
Another object of the present invention is to provide an ophthalmic lens having excellent stain resistance by making the lens material itself nonionic that does not generate anions or cations. Furthermore, another problem to be solved is to provide an ophthalmic lens having a sufficient strength that has no practical problem.
[0012]
[Solution]
As a result of intensive studies to solve such problems, the inventor of the present invention, in the conventional polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material having a vinyl alcohol unit as a main component (skeleton), By introducing an allyl alcohol unit having a different carbon number, crystallization which has been a problem in the conventional polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material is advantageously suppressed or prevented, and repeated freezing and thawing, or 5 ° C. It has been found that a highly hydrous ophthalmic lens can be obtained that exhibits extremely excellent dimensional stability and does not become clouded even when exposed to a low temperature for a long time.
[0013]
Accordingly, the present invention has been completed based on such knowledge, and the gist thereof is that the water content is 50% to 90% consisting of a polymer material containing a vinyl alcohol unit as a main component. % High water content ophthalmic lens, the polymer material is a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material containing an allyl alcohol unit as an essential component together with the vinyl alcohol unit, and A freezing operation in which an ophthalmic lens made of such a polymer material is allowed to stand at a temperature of −10 ° C. or lower for 12 hours or more and a thawing operation in which it is left at a temperature of 15 ° C. to 30 ° C. for 6 hours or more are repeated three times. And / or after storage for 3 months at a temperature of 1 ° C. to 9 ° C., the dimensional change rate of the ophthalmic lens is less than ± 2% and does not become cloudy. In highly hydrous ophthalmic lens according to claim.
[0014]
That is, in the highly hydrous ophthalmic lens according to the present invention, a vinyl alcohol-containing a vinyl alcohol unit and an allyl alcohol unit slightly different in structure from the vinyl alcohol unit as essential constituents. Since it is formed from an allyl alcohol-based crosslinked polymer material, the hydroxyl group of the vinyl alcohol unit and the hydroxyl group of the allyl alcohol unit sufficiently maintain a high water content of 50% to 90%, and the monomer unit Although the mechanism has not yet been fully clarified due to slight differences, crystallization is advantageously suppressed or prevented, and thus, freezing and thawing are repeated, and a low temperature of about 5 ° C. is used for a long time. Even when exposed to eye lenses such as lens size reduction and lens cloudiness In its fatal problem, whatever is possible without the raised, it became a a high water-absorptive ocular lens having excellent dimensional stability and transparency is obtained.
[0015]
In addition, the allyl alcohol unit introduced into the polymer material constituting the ophthalmic lens according to the present invention has an alcoholic OH group in the same manner as the vinyl alcohol unit. Since it is nonionic under the conditions (near neutral), dirt having a negative charge, in addition to dirt such as calcium ions and proteins having a positive charge, is extremely difficult to adhere.
[0016]
In addition, in the highly water-containing ophthalmic lens according to the present invention, the introduction of the allyl alcohol unit does not cause a decrease in strength compared to the conventional polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material. The strength required for the ophthalmic lens can be sufficiently secured.
[0017]
According to one of the preferred embodiments of the high water content ophthalmic lens according to the present invention, the polymer material contains 0.001 carboxylic acid allyl ester with respect to 1 mol of the carboxylic acid vinyl ester. A polymerizable monomer composition containing a crosslinkable monomer contained in a proportion of ˜0.8 mol and not decomposed by saponification in a proportion of 0.0005 to 0.3 mol is copolymerized. And, it is desirable to be formed by saponifying the obtained copolymer, and by adopting such a configuration, the object of the present invention can be realized more advantageously. .
[0018]
According to another preferred embodiment of the present invention, as the carboxylic acid vinyl ester, a mono-, di- or polycarboxylic acid vinyl ester having a molecular weight of 86 to 1000 can be suitably employed. As the carboxylic acid allyl ester, a polycarboxylic acid allyl ester obtained by esterifying two or more carboxyl groups of a polybasic carboxylic acid containing at least two carboxyl groups can be suitably used.
[0019]
In addition, according to another preferred embodiment of the present invention, the carboxylic acid allyl ester is contained in a proportion of 0.001 to 0.8 mol with respect to 1 mol of the carboxylic acid vinyl ester, Further, with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer composition, the crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification is contained in a proportion of 0.0005 to 0.3 mol, and By adding a lens strength-improving component that can be copolymerized with a carboxylic acid vinyl ester in a proportion of 0.5 to 40 parts by weight, copolymerization, and saponifying the obtained copolymer, It is desirable that a polymer material is formed. Thus, the mechanical strength of the target ophthalmic lens can be further enhanced by further adding the lens strength improving component.
[0020]
The lens strength improving component is obtained by copolymerizing a halogenated alkylethylene and / or alkyl (meth) acrylate monomer and a monomer having at least two polymerizable groups in the molecule as main components. A (meth) acrylate-based polymer having at least one polymerizable group in the molecule to be obtained can be suitably employed.
[0021]
Further, the present invention provides a method for producing a highly water-containing ophthalmic lens as described above, and a carboxylic acid allyl ester and a carboxylic acid vinyl ester, together with a carboxylic acid vinyl ester, in a polymerization mold cavity that gives the desired ophthalmic lens shape. A polymerizable monomer composition containing at least a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification is accommodated and subjected to photopolymerization or thermal polymerization, and then the obtained copolymer is subjected to saponification treatment. The gist of the method for producing a highly hydrous ophthalmic lens, which is characterized by hydrolyzing the ester portion by hydrolyzing the ester portion. If an ophthalmic lens is produced according to the production method according to the present invention, a desired ophthalmic lens excellent in characteristics such as dimensional stability and transparency as described above can be produced very advantageously. It can be done.
[0022]
According to one of the preferred embodiments of the method for producing a highly water-containing ophthalmic lens according to the present invention, the polymerization mold is composed of a male mold and a female mold, and at least one of the male mold and the female mold. After forming one side with a light-transmitting material and matching them, the polymerizable monomer composition is accommodated in the molding cavity formed between the molds and photopolymerized. The structure which saponifies with respect to the obtained copolymer will be employ | adopted suitably. In particular, by adopting such a photopolymerization method, it is possible to improve the productivity by shortening the polymerization time as compared with the thermal polymerization, thereby increasing the production cost of the ophthalmic lens. The effect that it can be made low can be enjoyed.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Here, in the highly water-containing ophthalmic lens according to the present invention, the polymer material that gives it is a conventionally known vinyl alcohol unit [-CH. 2 Unlike polyvinyl alcohol-based cross-linked polymer materials having —CH (OH) —] as the main component (skeleton), this is a vinyl alcohol-allyl alcohol-based cross-linked polymer material in which allyl alcohol units are introduced into the polyvinyl alcohol chain. However, there is a big feature, such allyl alcohol unit [-CH 2 -CH (CH 2 By introducing OH)-], it is possible to effectively suppress or prevent the crystallization that has been caused in the conventional polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material while ensuring a high water content, and excellent dimensional stability. Properties such as transparency and transparency are realized.
[0024]
In addition, such a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material includes a carboxylic acid vinyl ester that provides a vinyl alcohol unit, a carboxylic acid allyl ester that provides an allyl alcohol unit, and a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification. It can be formed by copolymerizing a polymerizable monomer composition containing at least (crosslinking agent), and subjecting the copolymer thus obtained to a saponification treatment according to a conventional method.
[0025]
By the way, the carboxylic acid vinyl ester which is the main component of the polymerizable monomer composition as described above is hydrolyzed to alcohol by a saponification treatment after copolymerization to give a vinyl alcohol unit, and has particularly excellent water content (oxygen) For imparting transparency).
[0026]
Such a carboxylic acid vinyl ester can be copolymerized with other polymerizable monomer components and is easily hydrolyzed by a saponification treatment after the copolymerization to give a vinyl alcohol unit. Any carboxylic acid vinyl ester may be used as long as it can realize the shape-retaining property and appropriate elasticity required for the ophthalmic lens, and preferably has a molecular weight of 86 to 1000. Desirably, vinyl esters of monocarboxylic acids, vinyl esters of dicarboxylic acids, and vinyl esters of polycarboxylic acids in the range of 86 to 600 are desirable.
[0027]
However, such a carboxylic acid vinyl ester having a molecular weight in the range of 86 to 1000, more preferably 86 to 600 is saponified when a saponification treatment is performed after molding to obtain a target ophthalmic lens. In other words, the size of the ophthalmic lens immediately after molding and the size of the ophthalmic lens after saponification treatment change significantly because the size does not change significantly before and after the treatment. It is desirable because there is nothing.
[0028]
In addition, in the case where the size of the ophthalmic lens after saponification is too large compared to the size of the ophthalmic lens immediately after molding, the copolymer obtained by polymerization is subjected to polymerization distortion and scratches, If defects such as chipping and deformation are present, it is assumed that these defects are amplified or irregularly shaped due to swelling after saponification treatment. If the lens size is too small, defects such as polymerization distortion, scratches, chipping, deformation, etc., may be strengthened or reflected irregularly due to shrinkage after saponification. This is because it is inferred.
[0029]
For example, in the case of an ophthalmic lens having a water content of 80%, the weight ratio of the dry lens is 20% of the weight of the water-containing lens. Therefore, in order to suppress the change in size due to the saponification treatment after copolymerization and obtain an ophthalmic lens having a water content of about 80%, the carboxylic acid vinyl ester generally has a molecular weight of vinyl alcohol of 44. The molecular weight of about 5 times: around 220 is preferably selected.
[0030]
On the other hand, a carboxylic acid vinyl ester having a molecular weight smaller than that of vinyl acetate having a molecular weight of 86, such as vinyl formate (molecular weight: 72), has a low boiling point of about 50 ° C. and high volatility. This is undesirable because of its difficulty in use. Further, a carboxylic acid vinyl ester having a molecular weight exceeding 1000 is substantially difficult to purify even if it is a vinyl ester of a perfluoroalkyl carboxylic acid having a low boiling point relative to the molecular weight. It is not desirable because a high product cannot be obtained. In addition, the saponification treatment after copolymerization may cause large carboxylic acid molecules to be hydrolyzed and removed, which may significantly reduce the size after the saponification treatment. From a certain point, it is not desirable. Therefore, as described above, monocarboxylic acid vinyl esters, dicarboxylic acid vinyl esters, and polycarboxylic acid vinyl esters having a molecular weight in the range of 86 to 1000, more desirably 86 to 600, are preferably employed. The Rukoto.
[0031]
Specifically, as such a monocarboxylic acid vinyl ester, in addition to vinyl acetate having a molecular weight of 86, a halogen, a nitro group, a cyano group, a —COR group, or the like having a molecular weight in the range of 86 to 1000 has been conventionally used. Although it is not clear why a known vinyl ester of a monocarboxylic acid into which an electron-withdrawing group has been introduced is improved in polymerizability by the introduction of such an electron-withdrawing group, it is necessary for ophthalmic lenses. Therefore, it can be more suitably employed because shape retention and moderate elasticity can be obtained very effectively.
[0032]
Here, examples of the monocarboxylic acid into which the electron withdrawing group is introduced include monochloroacetic acid, monofluoroacetic acid, 2-chlorobutyric acid, 3-chlorobutyric acid, 4-chlorobutyric acid, 2-chlorocaprylic acid, 3 -Chlorocaprylic acid, 2-chlorolauric acid, 3-chlorolauric acid, dichloroacetic acid, 2,3-dichloropropionic acid, 2,3-dichloroisobutyric acid, trichloroacetic acid, 2,2-bis (trifluoromethyl) propionic acid Perfluorodecanoic acid, nitroacetic acid, p-nitrophenylacetic acid, cyanoformate, cyanoacetic acid, 3-cyanopropionic acid, 2-cyano-2-methylpropionic acid, pyruvic acid, acetoacetic acid, levulinic acid, 3-methyl- Examples include 2-oxobutyric acid, but are not limited thereto. In addition, it is necessary for the carboxylic acid part which comprises carboxylic acid vinyl ester that the unsaturated bond which has polymerizability does not exist. However, if there is a polymerizable unsaturated bond in the carboxylic acid portion, this portion will also polymerize, and the carboxylic acid will not come off after the saponification treatment, leaving an acid in the polymer portion that becomes the skeleton, causing adhesion of dirt and lens strength. This is because it causes a decrease.
[0033]
Furthermore, vinyl esters of dicarboxylic acid and polycarboxylic acid include, for example, adipic acid, sebacic acid, succinic acid, malonic acid, methyl malonic acid, succinic acid, dimethyl malonic acid, ethyl malonic acid, methyl succinic acid, glutar Acid, dimethyl succinic acid, isopropyl malonic acid, methyl glutaric acid, methyl adipic acid, pimelic acid, suberic acid, di-n-propyl malonic acid, 1,9-nonanedicarboxylic acid, 1,10-decanedicarboxylic acid, 1, Vinyl esters of dicarboxylic acids such as 3-phenylenediacetic acid, phenylsuccinic acid, benzylmalonic acid, 1,2,3-propanetricarboxylic acid, 1,3,5-pentanetricarboxylic acid, 1,2,3,4- Examples include vinyl esters of polycarboxylic acids such as butanetetracarboxylic acid. Not intended to be constant. In addition, even if it exists in the carboxylic acid part which comprises those dicarboxylic acid vinyl ester and polycarboxylic acid vinyl ester, it is necessary for the same reason as the above that the unsaturated bond which has polymerizability does not exist.
[0034]
The dicarboxylic acid vinyl ester and polycarboxylic acid vinyl ester as described above are obtained by esterifying a polybasic carboxylic acid containing two or more carboxyl groups (—COOH) in the molecule. In particular, those in which all carboxyl groups in the molecule are esterified are more desirable from the viewpoint of solubility and the like.
[0035]
And, it is sufficient that at least one of the above-mentioned carboxylic acid vinyl esters in the present invention is used, but there is no problem even if two or more of them are used in combination. For example, a low molecular weight carboxylic acid vinyl ester has a boiling point that is not so high and may volatilize. Therefore, by using it in combination with a high molecular weight carboxylic acid vinyl ester, the composition of the polymerizable monomer composition It is possible to prevent the change, and the high molecular weight type has a low viscosity because the viscosity is high, which causes problems such as not only poor handling but also generation of bubbles. Such a problem can be prevented by using in combination with a molecular weight. However, when two or more kinds of carboxylic acid vinyl esters are combined and used in combination, it is an important requirement that the copolymerization property of the combined carboxylic acid vinyl esters is good. However, some differences in polymerizability can be eliminated by selecting a crosslinkable monomer or adjusting the amount used, and a homogeneous polymer may be obtained. However, if the polymerizability is too different, In adjusting the sensitizer, the polymerization initiator, the polymerization conditions, etc., care must be taken because a homogeneous polymer cannot be obtained.
[0036]
On the other hand, in the same manner as the carboxylic acid vinyl ester described above, the carboxylic acid allyl ester, which is one of the essential components constituting the polymerizable monomer composition, is hydrolyzed by the saponification treatment after the copolymerization, and the carboxylic acid is converted into the carboxylic acid allyl ester. Freely becomes alcohol and gives allyl alcohol units. By the presence of such allyl alcohol units, as described above, repeated freezing and thawing, storing at a low temperature around 5 ° C for a long time, etc. Even so, problems such as size reduction and cloudiness can be advantageously suppressed or prevented. The carboxylic acid allyl ester is homogeneously copolymerized with other polymerizable monomer components such as the above-mentioned carboxylic acid vinyl ester, and is hydrolyzed by saponification after the copolymerization to form allyl alcohol. Any carboxylic acid allyl ester may be employed as long as it provides the unit and can ensure the shape retention and appropriate elasticity required for the ophthalmic lens after saponification treatment. Is possible.
[0037]
However, carboxylic acid allyl esters are conventionally known to be inferior in polymerizability compared to carboxylic acid vinyl esters. For example, as a general carboxylic acid allyl ester, one of alkyl carboxylic acid allyl esters is known. Even if allyl acetate is copolymerized with vinyl acetate, which is a carboxylic acid vinyl ester, in accordance with a conventional method, the polymerization does not proceed and cannot be solidified as a liquid. It is said that it is difficult to obtain a copolymer with a carboxylic acid vinyl ester.
[0038]
However, as a result of intensive studies by the present inventors, among carboxylic acid allyl esters, two or more carboxyl groups of polybasic carboxylic acid (polycarboxylic acid) having at least two or more carboxyl groups are esterified. It is clear that if copolymerization is performed using polycarboxylic acid allyl ester, a copolymer uniformly polymerized with carboxylic acid vinyl ester can be easily obtained, and the copolymer is saponified. In the ophthalmic lens obtained by applying the above, not only sufficient shape retention and appropriate elasticity and sufficient strength in use can be obtained, but also crystallization at low temperatures is advantageously suppressed or Excellent dimensional stability and transparency can be achieved even if it can be blocked and repeated freezing and thawing or stored at a low temperature around 5 ° C for a long time. It is to become a Rukoto. For this reason, among the carboxylic acid allyl esters, allyl esters of polycarboxylic acids obtained by esterifying two or more carboxyl groups of the above-mentioned polybasic carboxylic acid, more preferably, all carboxyl groups are esterified. The allyl ester of polycarboxylic acid can be particularly preferably employed.
[0039]
Here, as the polybasic carboxylic acid constituting the allyl ester of polycarboxylic acid as described above, for example, adipic acid, sebacic acid, succinic acid, malonic acid, methylmalonic acid, succinic acid, dimethylmalonic acid, ethylmalonic acid, Methyl succinic acid, glutaric acid, dimethyl succinic acid, isopropyl malonic acid, methyl glutaric acid, methyl adipic acid, pimelic acid, suberic acid, di-n-propyl malonic acid, 1,9-nonanedicarboxylic acid, 1,10-decane Dicarboxylic acids such as dicarboxylic acid, 1,3-phenylenediacetic acid, phenylsuccinic acid, and benzylmalonic acid, 1,2,3-propanetricarboxylic acid, 1,3,5-pentanetricarboxylic acid, 1,2,3, And polycarboxylic acids such as 4-butanetetracarboxylic acid, and allyls of such polybasic carboxylic acids Although so that the ester is preferably used, of course, the present invention, is not limited to allyl esters of these polybasic carboxylic acids it is understood place. Even in the carboxylic acid moiety, it is important that no polymerizable unsaturated bond exists for the same reason as described above.
[0040]
In addition, the carboxylic acid allyl ester as described above may be used alone or in combination of two or more thereof. Accordingly, at least one of them is appropriately selected.
[0041]
Furthermore, the blending ratio of the carboxylic acid allyl ester as described above is 0.001 to 0.8 mol, and more preferably 0.002 to 0.6 mol with respect to 1 mol of the carboxylic acid vinyl ester. Ratio is adopted. However, when such a blending ratio is too small, the effect of carboxylic acid allyl ester cannot be obtained, that is, by repeating freezing and thawing or storing at a low temperature around 5 ° C. for a long time, This is because it is impossible to effectively suppress or prevent problems that are presumed to be caused by crystallization, such as a reduction in the lens size or the cloudiness of the lens. On the contrary, such a blending ratio is excessive. In some cases, polyallyl alcohol is practically used, and elasticity, which is an advantage of the polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material, may be lost, or polymerizability may be deteriorated, resulting in a disadvantage that the polymer is not polymerized. is there.
[0042]
On the other hand, as in the case of the carboxylic acid vinyl ester and carboxylic acid allyl ester described above, an ophthalmic lens has been conventionally used as a crosslinkable monomer (crosslinking agent) which is one of the essential components constituting the polymerizable monomer composition. It is used to form a bridging bond in a polymer material, and has good polymerizability with other polymerizable monomer components such as carboxylic acid vinyl ester and carboxylic acid allyl ester, and polymerizes uniformly. In addition, it is not decomposed by saponification (that is, the bridging portion is not cut by saponification), and can retain shape retention and appropriate elasticity required for an ophthalmic lens after saponification treatment. Those satisfying the above condition will be adopted.
[0043]
Examples of such crosslinkable monomers include divinylbenzene, triallyl cyanurate, triallyl isocyanurate, diethylene glycol bisallyl carbonate, triallyl trimelliate, allyl ether, alkylene glycol or diallyl ether of polyalkylene glycol, Those satisfying the above-mentioned conditions such as divinyl ether of alkylene glycol or polyalkylene glycol, allyl ether vinyl ether of alkylene glycol or polyalkylene glycol, diarylidenepentaerislit as shown in JP-A-9-40720, etc. If so, various conventionally known crosslinking monomers can be exemplified, and at least one of them is a vinyl carboxylate ester. Depending on the type and polymerization process or the like, and become a be used is selected appropriately.
[0044]
For example, in the case where vinyl acetate is photopolymerized in the presence of a sensitizer such as 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one, a dialkylene glycol such as diethylene glycol divinyl ether is used. Vinyl ether can be preferably selected. When vinyl acetate is thermally polymerized in the presence of a polymerization initiator such as azobisisovaleronitrile, diallyl ether of polyalkylene glycol such as diethylene glycol diallyl ether is used. In the present invention, triallyl isocyanurate and the like can be selected more favorably when the monochlorovinyl acetate is photopolymerized in the presence of a sensitizer. Is in no way limited to such combinations.
[0045]
In addition, as a mixture ratio of such a crosslinkable monomer, it is 0.0005 mol-0.3 mol with respect to 1 mol of carboxylic acid vinyl ester, More preferably, it is 0.001-0.2 mol. Ratio is adopted. However, if the blending ratio is too small, crosslinking is insufficient, and the ophthalmic lens after saponification treatment may not have sufficient shape retention and appropriate elasticity. This is because if the blending ratio is excessive, the resulting polymer material becomes brittle and the saponified ophthalmic lens may not have the required strength.
[0046]
By the way, in the polymerizable monomer composition containing at least a carboxylic acid vinyl ester, a carboxylic acid allyl ester, or a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification as described above, the above-described polymerizable property is further included as necessary. Other polymerizable monomers may be included as long as they are uniformly copolymerized with the monomer component and can secure the shape retention and appropriate elasticity required for ophthalmic lenses after saponification treatment. For example, a lens strength improving component for improving the mechanical strength of the ophthalmic lens can be added to the polymerizable monomer composition.
[0047]
Here, as the lens strength improving component, halogenated alkylethylene and / or JP-A-62-21101, JP-A-2-15233, JP-A-6-102471, JP-A-6-102472, As disclosed in JP-A-7-49470 and the like, it is obtained by copolymerizing, as a main component, an alkyl (meth) acrylate monomer and a monomer having at least two polymerizable groups in the molecule. A (meth) acrylate-based polymer (hereinafter referred to as a macromonomer) having an average of one polymerization group can be suitably employed. In the present specification, the notation “(meth) acrylate” is used as a general term including “acrylate” and “methacrylate”.
[0048]
Specifically, as the halogenated alkylethylene, for example, all the hydrogen atoms of the alkyl group such as perfluorobutylethylene, perfluorohexylethylene, perfluorooctylethylene, perfluorodecylethylene are substituted with halogen atoms. In addition to perfluoroalkylethylene, allyl chloride, 3-chloro-1-butene, 3-chloro-2-chloromethyl-1-propene, allyl bromide and the like can be mentioned. It will be used by mixing.
[0049]
On the other hand, the macromonomer is a high molecular weight polymerizable monomer, an alkyl (meth) acrylate monomer (hereinafter referred to as a component), and a monomer having at least two polymerizable groups in the molecule (hereinafter referred to as “a”). (referred to as component b)) as a main component.
[0050]
In this case, the component a is such that even if the alkyl group in the molecule is a linear, branched or cyclic alkyl group, the hydrogen atom of the alkyl group is further substituted with a halogen atom. Specific examples include, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, cyclohexyl (Meth) acrylate, trifluoroethyl (meth) acrylate, pentafluoropropyl (meth) acrylate, hexafluoroisopropyl (meth) acrylate and the like can be mentioned, and these a components are used alone or in admixture of two or more. I can do it. Of the above-mentioned component a, alkyl methacrylate monomers such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, and hexyl methacrylate are more desirable, and a macromonomer in which such an alkyl methacrylate monomer is used as the component a. In this case, even if it has an ester moiety, it can be very advantageously prevented that the ester moiety is decomposed by the saponification treatment after the copolymerization.
[0051]
Specific examples of the component b include, for example, triallyl cyanurate, divinylbenzene, triallyl isocyanurate, in addition to allyl (meth) acrylate and vinyl (meth) acrylate as disclosed in the above-mentioned publication. Diethylene glycol bisallyl carbonate, triallyl trimellitic acid, alkylene glycol or polyalkylene glycol diallyl ether, alkylene glycol or polyalkylene glycol divinyl ether, allyl ether vinyl ether, diarylidene pentaerythritol, etc. The monomer which has this polymeric group is mentioned, These can be used individually or in mixture of 2 or more types.
[0052]
Furthermore, the a component and the b component described above may be used in a molar ratio of 80:20 to 99.97: 0.03, preferably 95: 5 to 99.95: 0.05. Desirably, when the blending amount of the component b is too small, it becomes difficult to obtain a macromonomer having a good copolymerizability, and when the blending amount of the component b is excessive, the target ophthalmic product is used. There is a tendency that the cross-linking degree of the polymer material giving the lens becomes too large.
[0053]
The macromonomer is mainly composed of the components a and b as described above, but there are other cases where the solubility of the macromonomer in the carboxylic acid vinyl ester can be improved. For example, hydrophilic monomers such as hydroxyethyl (meth) acrylate and N-vinylpyrrolidone can be contained as a polymerization component for forming a target macromonomer. However, these hydrophilic monomers are added in a small amount, specifically, in a ratio of 0.2 mol or less with respect to 1 mol of the component a.
[0054]
As a method for producing such a macromonomer, for example, a solution polymerization method in which all polymerization components are dissolved in a solvent, a polymerization initiator is added, and polymerization is performed at reflux temperature while stirring can be exemplified. The solvent employed in such a solution polymerization method is not particularly limited as long as it dissolves each polymerization component well and does not inhibit the polymerization reaction. Examples of the solvent include acetone, and these may be used alone or in admixture of two or more. Moreover, even if it exists in the usage-amount, it will not specifically limit, It adjusts suitably according to conditions, such as superposition | polymerization temperature and time, and the kind of superposition | polymerization component.
[0055]
Examples of the polymerization initiator used for the polymerization of the macromonomer include conventional azobisisobutyronitrile, azobisdimethylvaleronitrile, t-butyl hydroperoxide, cumene hydroperoxide, benzoyl peroxide, and the like. Examples of known polymerization initiators are as follows. The amount of such a polymerization initiator added is sufficient to initiate polymerization, for example, 100 parts by weight of the total polymerization components And 0.01 to 5 parts by weight, more preferably 0.05 to 2 parts by weight.
[0056]
Furthermore, the polymerization temperature and the polymerization time have a correlation between them, and it is difficult to determine them generally, but the copolymerization reaction is carried out at a relatively low temperature (50 to 80 ° C.) for several minutes to several hours. It is practically preferable to do this.
[0057]
Moreover, since the number average molecular weight of the macromonomer greatly affects the improvement of the mechanical strength of the objective ophthalmic lens, it is generally 5000-200000, preferably 10000-100000. However, if the number average molecular weight is too small, even if the macromonomer is added, the mechanical strength of the ophthalmic lens cannot be improved. Conversely, when the number average molecular weight is too large. This is because the macromonomer tends to be difficult to uniformly mix with other polymerizable monomer components, and it becomes difficult to obtain a homogeneous ophthalmic lens.
[0058]
In addition, it is desirable that the number of polymerizable groups of the macromonomer is on average at least 1 and preferably 1.2 to 10 per molecule. This means that when the number of average polymerizable groups per molecule is too small, those having no polymerizable group are often included as macromonomers, and those having no such polymerizable group are This is because a problem that a long time is required for the elution treatment after the polymerization is caused from the point where the polymerization is not performed. In addition, when the number of average polymerizable groups per molecule is too large, the number of cross-linking points increases, which may reduce the degree of freedom of the polymer material that provides the ophthalmic lens and may lead to a brittle lens. Because there is.
[0059]
Such macromonomer and the above-described lens strength improving component such as halogenated alkylethylene are added to the polymerizable monomer composition, one of them alone or in combination of two or more. The addition ratio thereof is a polymerizable monomer composition containing a carboxylic acid vinyl ester, a carboxylic acid allyl ester, and a crosslinkable monomer, more specifically, with respect to 1 mol of the carboxylic acid vinyl ester. A polymerizable monomer composition containing carboxylic acid allyl ester and a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification in a proportion of 0.001 to 0.8 mol and 0.0005 to 0.3 mol, respectively. The lens strength improving component is 0.5 to 40 parts by weight, preferably 1 to 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight. So that the used Oite.
[0060]
However, if the added amount of the lens strength improving component is too small, the effect of the addition cannot be obtained sufficiently. Conversely, if the added amount is too large, the moisture content of the ophthalmic lens becomes less than 50%. This is because the ophthalmic lens may not be provided with excellent oxygen permeability.
[0061]
In addition, in addition to the lens strength improving component as described above, the polymerizable monomer composition may further include various additives conventionally used in ophthalmic lenses as necessary, for example, ophthalmic lenses. In order to impart ultraviolet absorption to the lens for use or color the lens, a polymerizable ultraviolet absorbing monomer, dye, ultraviolet absorbing dye or the like is added and introduced into the polymer in the same manner as before. It can also be one of the lens components. However, it goes without saying that these additives do not inhibit the effects of the present invention and are used in a quantitative range that does not inhibit them.
[0062]
Thus, in order to obtain a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material that gives a target ophthalmic lens using a polymerizable monomer composition containing various components as described above, first, such a polymerizable monomer composition is used. Is then copolymerized to form a copolymer, and then the copolymer thus obtained is subjected to a saponification treatment.
[0063]
Specifically, as a polymerization method of the polymerizable monomer composition, for example, after adding a polymerization initiator, first, it is polymerized by heating at about 30 to 50 ° C. for several hours to several tens of hours, and then, about A method in which the temperature is raised to 120 ° C. in a tens of hours in order to complete the polymerization (thermal polymerization method), or a method in which polymerization is performed by irradiating an appropriate light beam (for example, ultraviolet rays) after adding a sensitizer. (Photopolymerization method) or a method of performing polymerization by combining the thermal polymerization method and the photopolymerization method. Among these polymerization methods, in particular, when a photopolymerization method is employed, it is possible to shorten the polymerization time and improve productivity as compared with thermal polymerization, and thus, manufacture of an ophthalmic lens. There is an advantage that the cost can be reduced as much as possible. Furthermore, as a polymerization mode, it is desirable to employ a normal bulk polymerization method that is efficient and excellent in productivity, but there is no problem even if a solution polymerization method is employed as necessary.
[0064]
In general, in the case of thermal polymerization, a polymerization initiator is used. On the other hand, in the case of polymerization by irradiation with light such as ultraviolet rays, a sensitizer is used. It is also possible to polymerize with light and / or heat using either one of the agents or a combination of both.
[0065]
Here, examples of the polymerization initiator include ordinary polymerization initiators such as azobisisobutyronitrile, azobisdimethylvaleronitrile, t-butyl hydroperoxide, benzoyl peroxide, and the like, and sensitizers. As usual sensitizers, for example, diethoxyacetophenone, 4- (2-hydroxyethoxy) phenyl- (2-hydroxy-2-propyl) ketone, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropyl-1 -One, 2-methyl-2-morpholino (4-thiomethylphenyl) propyl-1-one, 1-hydroxycyclohexyl-phenylketone, 2-benzyl-2-dimethylamino-4-morpholinophenyl-butanone, benzyldimethyl ketal Etc.
[0066]
These polymerization initiators and sensitizers may be used by selecting one or more of them, and the use ratio thereof is 0.00001 to 1 mol per 1 mol of the polymerizable monomer. A proportion of 0.05 mol, preferably 0.00002 to 0.03 mol, can be employed. When the amount used exceeds 0.05 mol, the average molecular weight of the copolymer does not increase, the strength required for the lens cannot be ensured, the lens is yellowed, etc. If the amount used is less than 0.00001 mol, the residual monomer is excessive and the copolymer does not solidify.
[0067]
Then, by using the copolymer obtained by the above-described polymerization and subjecting it to a saponification treatment, the ester portion of the carboxylic acid vinyl ester-carboxylic acid allyl ester copolymer is hydrolyzed, and thus hydrophilic. Material, that is, a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material is obtained. The saponification treatment referred to here is a polyvinyl ester for obtaining a conventionally known polyvinyl alcohol (PVA). A method similar to the saponification treatment method can be employed, and the carboxylic acid vinyl ester unit and the carboxylic acid allyl ester unit in the copolymer are treated with an alkaline compound or an acidic compound to form an alcohol unit. is there. However, the saponification with the latter acidic compound has the disadvantages that the saponification rate is slow, it is difficult to obtain a uniform product, and side reactions are induced. Is preferably employed.
[0068]
Examples of the alkaline compound used in the saponification treatment as described above include ammonia, alkali metal or alkaline earth metal hydroxide, specifically, ammonium hydroxide, sodium hydroxide, potassium hydroxide, An example is calcium hydroxide. In addition, since these alkaline compounds are generally solid, they can be dissolved in alcohols such as methanol, ethanol, propyl alcohol, and butyl alcohol, ethers such as diethyl ether and tetrahydrofuran, and solvents such as water to obtain an alkaline solution. The saponification treatment is performed by immersing the copolymer in such an alkaline solution. Among these alkaline solutions, a 0.1 to 1.0 N alkaline alcohol solution using alcohols is particularly preferable. In order to proceed the saponification efficiently, an alkaline aqueous solution is added to the alkaline alcohol solution. It can also be used as a mixture.
[0069]
In general, the saponification temperature is appropriately set to a temperature in the range of 0 to 70 ° C. In order to increase the efficiency of the saponification treatment, the solution for saponification treatment is heated, It is preferable to set to a temperature range of about 40 to 70 ° C. It should be noted that the saponification treatment at an excessively high temperature may cause deterioration of the ophthalmic lens, so that the reaction temperature is preferably set to about 70 ° C. or less. The saponification time is appropriately set according to the type of alkaline compound, the concentration of the alkaline compound, the saponification temperature, etc., but practically, for example, saponification treatment at room temperature. In the case of performing the step, it is preferable to select the type and concentration of the alkaline compound so that the saponification reaction can be completed in several minutes to several hours. It is also possible to carry out the saponification reaction in a heterogeneous system.
[0070]
The saponification degree is 90 mol% or more, preferably 95 mol% or more. This means that when the degree of saponification is less than 90 mol%, it becomes difficult to ensure the desired moisture content, or when the obtained ophthalmic lens is used over a long period of time, boiling treatment or the like is repeated. This is because the moisture content tends to change due to, for example, and it tends to be inferior in long-term stability, such as being easy to cause a size change.
[0071]
Next, in the copolymer that has been subjected to the saponification treatment in this manner, since an alkaline compound or the like remains, the copolymer is neutralized by washing with water or physiological saline, and sterilized. In other words, the vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material, which is safe for the living body and contained water, and thus becomes an ophthalmic lens.
[0072]
By the way, the method (processing method) for producing ophthalmic lenses such as contact lenses and intraocular lenses using such a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material is not particularly limited, and polymerization is suitable. Cutting in a mold or container to obtain a rod-like, block-like, plate-like material (polymer), and then cutting into a desired shape by mechanical processing such as cutting or polishing, or A polymerization mold that gives the desired ophthalmic lens shape is prepared, and in the mold, the above-described polymerization components are polymerized to obtain a molded product. Further, if necessary, a mold that is mechanically finished (mold) Various methods conventionally known to those skilled in the art, such as a method and a method combining those molding methods and cutting methods, can be employed, but among the above methods, in particular, the molding method is Because that can allowed to effectively reduce the production cost, and thus is preferably employed.
[0073]
In order to manufacture a contact lens as an ophthalmic lens by such a molding method, the following method can be exemplified as an example. That is, first, a molding formed between a male mold and a female mold using a polymerization mold having a male mold and a female mold having a molding surface that gives a desired contact lens shape is formed between the molds. After containing a polymerizable monomer composition to which a sensitizer and / or polymerization initiator necessary for polymerization is added in the cavity, photopolymerization is performed by irradiating light such as ultraviolet rays, or heating. By carrying out thermal polymerization, a carboxylic acid vinyl ester-carboxylic acid allyl ester copolymer is formed.
[0074]
In this case, the material of the polymerization type used is not particularly limited, and any material can be adopted as long as it is conventionally used for manufacturing ophthalmic lenses. When employing polymerization, at least one of a male mold and a female mold constituting the polymerization mold needs to be formed of a material that can transmit light (light transmissive material).
[0075]
Subsequently, the copolymer thus obtained is released according to a conventional method and subjected to a saponification treatment as described above, whereby each of the ester moieties of the carboxylic acid vinyl ester unit and the carboxylic acid allyl ester unit is obtained. By hydrolyzing and hydrophilizing, an ophthalmic lens (contact lens) according to the present invention is produced. Needless to say, the ophthalmic lens is subjected to neutralization treatment, sterilization treatment, or the like so as to ensure sufficient safety with respect to a living body.
[0076]
In the ophthalmic lens manufactured as described above, in addition to the vinyl alcohol unit, an allyl alcohol unit having one carbon number different from the vinyl alcohol unit is introduced into the polymer material forming the ophthalmic lens. From the point where it is done, even if it is repeatedly frozen and thawed or exposed to a low temperature of about 5 ° C. for a long period of time, extremely excellent dimensional stability can be realized, and without clouding, The transparency of the lens can be secured to a very high degree.
[0077]
That is, in the ophthalmic lens according to the present invention, the water contained in the ophthalmic lens is repeatedly frozen or melted. Even under particularly severe conditions, specifically, a temperature of −10 ° C. or lower. The operation of freezing for 12 hours or longer and the operation of thawing the frozen lens for 5 hours or longer at a temperature of 15 ° C. to 30 ° C. may be repeated three times and / or 1 ° C. to Even if it is stored at a temperature of 9 ° C. for 3 months, it has a feature that excellent dimensional stability and transparency can be secured.
[0078]
Furthermore, since the allyl alcohol unit introduced into the polymer material (copolymer) constituting the ophthalmic lens according to the present invention is nonionic like the vinyl alcohol unit, calcium ions, proteins, etc. This makes it difficult for dirt to adhere. Moreover, the introduction of such allyl alcohol units does not cause a decrease in lens strength, and the strength required for the ophthalmic lens can be sufficiently secured.
[0079]
【Example】
Hereinafter, some examples of the present invention will be shown and the present invention will be more specifically clarified, but the present invention is not limited by the description of such examples. It goes without saying. In addition to the following examples, the present invention includes various changes and modifications based on the knowledge of those skilled in the art without departing from the spirit of the present invention, in addition to the above specific description. It should be understood that improvements can be made.
[0080]
First, as shown in Table 1 below, vinyl acetate and monochlorovinyl acetate are prepared as the carboxylic acid vinyl ester, and diallyl adipate is prepared as the carboxylic acid allyl ester. Diethylene glycol divinyl ether and diethylene glycol diallyl ether were prepared. In addition, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (trade name: Darocur 1173) was prepared as a sensitizer. Furthermore, as a lens strength improving component, perfluorobutylethylene which is a halogenated alkylethylene and the following predetermined macromonomer were prepared.
[0081]
[Table 1]
Figure 0004024081
[0082]
-Synthesis of macromonomer-
In a three-necked round bottom flask, 95 g of methyl methacrylate, 0.93 g of allyl methacrylate, 0.49 g of ethylene glycol dimethacrylate, 5 g of hydroxybutyl methacrylate, 1.3 g of azobisisobutyronitrile as a polymerization initiator, and 600 ml of benzene as a solvent And polymerized at 70 ° C. for 1.5 hours with stirring. Next, the obtained polymerization solution is put into n-hexane to obtain a copolymer as a precipitate, followed by drying under reduced pressure. Further, the copolymer is dissolved in benzene and dissolved in a large amount of n-hexane. And purified by reprecipitation. This was dried under reduced pressure to obtain a macromonomer.
[0083]
The obtained macromonomer had a number average molecular weight: 23000, a molecular weight dispersion: 50600, an average number of allyl groups per molecule: 1.3, and an average number of methacryloyl groups per molecule: 1.1. The number average molecular weight, molecular weight dispersion, and average number of polymerizable groups per molecule were measured by the following methods, respectively.
[Number average molecular weight]
It was measured by gel permeation chromatography.
[Molecular weight dispersion]
The weight average molecular weight (Mw) was measured in the same manner as the number average molecular weight (Mn), and calculated by the following formula.
Molecular weight dispersion = Mw / Mn
[Average number of polymerizable groups per molecule]
It was measured by gel permeation chromatography and Fourier transform proton nuclear magnetic resonance spectrum.
[0084]
On the other hand, as a polymerization mold (molding mold), a polymerization mold for a contact lens composed of a male mold and a female mold each formed using polypropylene as a light transmitting material was prepared.
[0085]
-Preparation of polymerizable monomer composition-
Example 1
According to Example 1 by mixing 0.012 mol of diallyl adipate and 0.006 mol of diethylene glycol divinyl ether with respect to 1 mol of vinyl acetate, and further adding 0.0024 mol of Darocur 1173 A polymerizable monomer composition was prepared.
[0086]
Example 2
With respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer composition mixed such that diallyl adipate is 0.029 mole and diethylene glycol divinyl ether is 0.014 mole per mole of vinyl acetate, Add and incorporate 13.5 parts by weight of perfluorobutylethylene, 0.9 parts by weight of Darocur 1173, and 0.04 parts by weight of tetra (4-methacrylamide) copper phthalocyanine as a colorant. Thus, a polymerizable monomer composition of Example 2 was prepared.
[0087]
Example 3
With respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer composition mixed so that diallyl adipate is 0.010 mol and diethylene glycol divinyl ether is 0.014 mol per 1 mol of vinyl acetate, A polymerizable monomer composition according to Example 3 was prepared by adding and including the macromonomer in an amount of 25 parts by weight and the Darocur 1173 in an amount of 0.6 parts by weight.
[0088]
Example 4
Example 4 was prepared by mixing 0.029 mol of diallyl adipate and 0.014 mol of diethylene glycol diallyl ether with respect to 1 mol of vinyl monochloroacetate, and further adding 0.0037 mol of Darocur 1173. A polymerizable monomer composition according to the above was prepared.
[0089]
Comparative Example 1
0.006 mol of diethylene glycol divinyl ether is mixed with 1 mol of vinyl acetate, 0.0024 mol of Darocur 1173 is further added, and the polymerizable monomer composition according to Comparative Example 1 containing no carboxylic acid allyl ester Was prepared.
[0090]
-Polymerization of polymerizable monomer composition-
Each of the various polymerizable monomer compositions according to Examples 1 to 4 and Comparative Example 1 prepared as described above was filled in a female mold and matched with a male mold to form a polymerization mold. The polymerizable monomer composition is filled and contained in a molding cavity of 10 mW / cm using a 2 kW high-pressure mercury lamp. 2 Each polymerizable monomer composition was polymerized by irradiating ultraviolet rays having the intensity of 15 minutes. After polymerization, the polymerization mold is opened and immersed in ethanol (Examples 1 to 3, Comparative Example 1) or ethoxyethanol (Example 4) to form a contact lens swollen with ethanol or ethoxyethanol. Separated from.
[0091]
-Saponification treatment-
The swollen contact lens obtained above is immersed in 2 mL of a 65% methanol aqueous solution containing 0.5 N NaOH contained in a vial, and left to stand at room temperature for 2 hours, thereby saponification treatment. Carried out. Thereafter, the contact lens is washed with water to perform neutralization treatment to remove NaOH. Further, the contact lens is placed in a heat-resistant bottle containing water and covered, and then 121 ° C. Autoclaved at a temperature of 20 minutes.
[0092]
-Measurement of moisture content-
The contact lens that has been subjected to high-pressure steam sterilization is immersed in water at 20 ° C. for 2 hours, and then excess moisture is wiped off with moisture-absorbing paper. 1 ) Was measured. Also, the contact lens is left to dry overnight in a 60 ° C. dryer, and the weight of the lens in the dry state (W 2 ) Was measured. Then, the weight of the water-containing lens (W 1 ) And dry lens weight (W 2 The water content was calculated by the following formula (I), and the results are shown in Table 2 below.
Moisture content (wt%) = [(W 1 -W 2 ) / W 1 ] × 100 (I)
[0093]
-Evaluation of dimensional stability and transparency-
(1) Evaluation test 1: 3 freeze / thaw operations
In addition, after various types of contact lenses according to Examples 1 to 4 and Comparative Example 1 after high-pressure steam sterilization were immersed in water at 20 ° C. for 2 hours, lens sizes (S 1 ) Was measured. Next, the contact lens was placed in a vial containing water so as to be immersed in water. Then, the vial was left in a freezer at −30 ° C. overnight to freeze, and then the frozen product was immersed in water at 20 ° C. for 8 hours and thawed. Such freezing and thawing operations were repeated three times.
[0094]
After the contact lens that has been thawed for the third time is immersed in water at 20 ° C. for 2 hours, the contact size is again reduced to the lens size (S 2 ) And measure the lens size (S 2 ) And lens size (S 1 ), The dimensional change rate is calculated by the following formula (II), and the obtained result is calculated based on the lens size (S 1 , S 2 ) And are shown in Table 2 below. In the contact lens according to Comparative Example 1, the lens size was measured after the first and second thawing from the point where a large change was visually observed in the first freezing / thawing operation. The results are shown in Table 2 below.
Dimensional change rate (%) = [(S 2 -S 1 ) / S 1 ] × 100 (II)
[0095]
In addition, by observing the appearance of the contact lens after the freeze / thaw operation 3 times (2 times in Comparative Example 1) with the naked eye, its transparency is evaluated, and it is colorless and transparent and white turbidity is recognized. The results are shown in Table 2 below, with ◯ indicating no case and × indicating other cases.
[0096]
(2) Evaluation test 2: Long-term storage (3 months) at low temperature (1 ° C to 9 ° C)
The various contact lenses according to Examples 1 to 4 in which the evaluation test 1 of (1) is performed are again placed in vials containing water, and stored for 3 months at a temperature of 5 ° C. did. Then, after the contact lens stored for 3 months is immersed in 20 ° C. water for 2 hours, the lens size (S Three ) And measure the lens size (S Three ) And lens size (S 2 ), The dimensional change rate is calculated by the following formula (III), and the obtained result is stored as the lens size (S Three ) And are shown in Table 2 below.
Dimensional change rate (%) = [(S Three -S 2 ) / S 2 ] × 100 (III)
[0097]
In addition, by observing the appearance of the contact lens after such storage for 3 months with the naked eye, its transparency was evaluated. Is shown in Table 2 below.
[0098]
[Table 2]
Figure 0004024081
[0099]
As is apparent from the results of Table 2 above, in the contact lenses of Examples 1 to 4 made of a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material containing an allyl alcohol unit together with a vinyl alcohol unit, as described above, Even after repeated freezing and thawing operations three times, or even when exposed to a low temperature for a long time, the lens size remains almost the same and has excellent dimensional stability and no cloudiness. It can be seen that excellent transparency can be secured.
[0100]
On the other hand, in the contact lens of Comparative Example 1 made of a vinyl alcohol-based crosslinked polymer material having no allyl alcohol unit, the lens size can be changed from 18.2 mm by performing the freezing / thawing operation only once. It becomes 17.5 mm, it is reduced by about 4% and becomes slightly cloudy. Furthermore, when the freezing / thawing operation is performed once again, the size becomes 17.1 mm, and the total shrinks by about 6% and becomes cloudy. It is recognized that the lens becomes unusable in a low temperature environment.
[0101]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, the high water content ophthalmic lens according to the present invention is formed from a vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material, and therefore has a high value of 50% to 90%. The crystallization can be effectively suppressed or prevented by the interaction of the combination of the vinyl alcohol unit and the allyl alcohol unit while maintaining sufficient water content. Excellent dimensional stability and transparency without causing any fatal problems in ophthalmic lenses, such as lens size reduction or lens cloudiness, even when exposed to temperatures as low as ℃ for a long time. Can be realized.
[0102]
Moreover, since the vinyl alcohol unit and the allyl alcohol unit introduced into the polymer material constituting such an ophthalmic lens are both nonionic, it is difficult to be contaminated with calcium ions or proteins. Thus, a sufficient strength comparable to that of the polyvinyl alcohol-based crosslinked polymer material can be secured.
[0103]
Further, according to the method for producing a highly hydrous ophthalmic lens according to the present invention, a highly hydrous ophthalmic lens having excellent dimensional stability and transparency as described above can be advantageously produced.

Claims (8)

ビニルアルコール単位を主成分として含有する高分子材料からなる、含水率が50%〜90%の高含水性眼用レンズにして、
前記高分子材料が、カルボン酸ビニルエステルの1モルに対して、カルボン酸アリルエステルを0.001〜0.8モルの割合において配合し、更に、ケン化により分解されることのない架橋性モノマーを0.0005〜0.3モルの割合において配合してなる重合性モノマー組成物を共重合して、その得られた共重合体をケン化処理することにより、形成されたものであって、前記ビニルアルコール単位と共に、アリルアルコール単位を必須の構成成分として含有する、ビニルアルコール−アリルアルコール系架橋高分子材料であり、且つ、かかる高分子材料からなる眼用レンズを、−10℃以下の温度にて12時間以上放置する凍結操作と、15℃〜30℃の温度にて6時間以上放置する解凍操作とを、3回繰り返した後において、及び/又は、1℃〜9℃の温度にて3ヶ月間保存した後において、該眼用レンズの寸法変化率が±2%未満であると共に、白濁しないことを特徴とする高含水性眼用レンズ。
A high water content ophthalmic lens having a water content of 50% to 90%, comprising a polymer material containing a vinyl alcohol unit as a main component,
The polymer material contains 0.001 to 0.8 mole of carboxylic acid allyl ester per mole of carboxylic acid vinyl ester, and further, a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification. Is formed by copolymerizing a polymerizable monomer composition obtained by blending at a ratio of 0.0005 to 0.3 mol, and saponifying the obtained copolymer, A vinyl alcohol-allyl alcohol-based crosslinked polymer material containing an allyl alcohol unit as an essential component together with the vinyl alcohol unit, and an ophthalmic lens made of such a polymer material at a temperature of −10 ° C. After repeating the freezing operation for 12 hours or more and the thawing operation for 6 hours or more at a temperature of 15 ° C. to 30 ° C. three times, and Or, in after storage for 3 months at 1 ° C. to 9 ° C. of temperature, with the rate of dimensional change spectacle lens is less than ± 2%, highly hydrous ophthalmic lens characterized in that it does not cloudy.
前記高分子材料が、ケン化処理によって90モル%以上のケン化度とされている請求項1に記載の高含水性眼用レンズ。The highly water-containing ophthalmic lens according to claim 1, wherein the polymer material has a saponification degree of 90 mol% or more by saponification treatment . 前記カルボン酸ビニルエステルが、86〜1000の分子量を有するモノ、ジ若しくはポリカルボン酸ビニルエステルである請求項1又は請求項2に記載の高含水性眼用レンズ。The highly hydrous ophthalmic lens according to claim 1 or 2, wherein the carboxylic acid vinyl ester is a mono-, di- or polycarboxylic acid vinyl ester having a molecular weight of 86 to 1,000. 前記カルボン酸アリルエステルが、少なくとも2つのカルボキシル基を含む多塩基カルボン酸の、2つ以上のカルボキシル基がエステル化されてなるポリカルボン酸アリルエステルである請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の高含水性眼用レンズ。The carboxylic acid allyl ester, polybasic carboxylic acids containing at least two carboxyl groups, either of the two or more carboxyl groups of polycarboxylic acid allyl ester formed by esterification claims 1 to 3 1 The high water content ophthalmic lens according to Item . 記重合性モノマー組成物の100重量部に対して、更に、前記カルボン酸ビニルエステルと共重合し得るレンズ強度向上成分を、0.5〜40重量部の割合において添加して、共重合し、そしてその得られた共重合体をケン化処理せしめることにより、前記高分子材料が形成されている請求項乃至4の何れか1項に記載の高含水性眼用レンズ。Per 100 parts by weight of the pre-Symbol polymerizable monomer composition, further a lens strength enhancing component copolymerizable with the carboxylic acid vinyl ester was added in proportions of 0.5 to 40 parts by weight, copolymerization and the obtained copolymer by allowed to saponified to, any highly hydrous ophthalmic lens according to one of claims 1 to 4 wherein the polymeric material is formed. 前記レンズ強度向上成分が、ハロゲン化アルキルエチレン及び/又は、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーと分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーとを主成分として共重合することにより得られる分子内に少なくとも平均1個の重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーである請求項5に記載の高含水性眼用レンズ。  Intramolecular obtained by copolymerizing the above-mentioned lens strength-improving component as a main component of halogenated alkylethylene and / or alkyl (meth) acrylate monomer and a monomer having at least two polymerizable groups in the molecule. The high water content ophthalmic lens according to claim 5, which is a (meth) acrylate-based polymer having at least one polymerizable group on the average. 前記請求項1乃至請求項6の何れかに記載の高含水性眼用レンズを製造する方法にして、
目的とする眼用レンズ形状を与える重合型の成形キャビティ内に、カルボン酸ビニルエステルと共に、該カルボン酸ビニルエステルの1モルに対してそれぞれ0.001〜0.8モル及び0.0005〜0.3モルの割合のカルボン酸アリルエステル及びケン化により分解されることのない架橋性モノマーを、少なくとも含有する重合性モノマー組成物を収容して、光重合又は熱重合せしめた後、その得られた共重合体に対してケン化処理を施すことにより、エステル部分の加水分解を行ない、ビニルアルコール単位及びアリルアルコール単位を導入して、親水化することを特徴とする高含水性眼用レンズの製造方法。
A method for producing a highly hydrous ophthalmic lens according to any one of claims 1 to 6,
In the polymerization mold cavity that gives the desired ophthalmic lens shape, together with the carboxylic acid vinyl ester, 0.001 to 0.8 mol and 0.0005 to 0.005 mol per mol of the carboxylic acid vinyl ester, respectively. Obtained after containing a polymerizable monomer composition containing at least 3 mole ratio of carboxylic acid allyl ester and a crosslinkable monomer that is not decomposed by saponification and photopolymerizing or thermally polymerizing the composition. Production of a highly hydrous ophthalmic lens characterized by hydrolyzing a copolymer by hydrolyzing the ester part by introducing a saponification treatment and introducing vinyl alcohol units and allyl alcohol units. Method.
前記重合型を雄型と雌型とから構成すると共に、それら雄型と雌型のうちの少なくとも一方を光透過性材料にて形成せしめ、それらを型合せすることにより、それらの型間に形成される前記成形キャビティ内に、前記重合性モノマー組成物を収容して、光重合せしめた後、その得られた共重合体に対してケン化処理を施すことを特徴とする請求項7に記載の高含水性眼用レンズの製造方法。  The polymerization mold is composed of a male mold and a female mold, and at least one of the male mold and the female mold is formed of a light-transmitting material, and they are combined to form between the molds. 8. The saponification treatment is performed on the obtained copolymer after the polymerizable monomer composition is accommodated in the molding cavity to be photopolymerized. Method for producing a highly hydrous ophthalmic lens.
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