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JP4023554B2 - アミノスルホン酸の誘導体、プソイドペプチドの合成における同誘導体の利用、およびその製造法 - Google Patents

アミノスルホン酸の誘導体、プソイドペプチドの合成における同誘導体の利用、およびその製造法 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、アミノスルホン酸の誘導体、および少なくとも1つのスルホアミド型結合を含むことを特徴としかつ潜在的な薬理活性を有するプソイドペプチド(pseudopeptides)の合成における同誘導体の利用に関する。本発明は、前記アミノスルホン酸の誘導体の合成法、並びに前記プソイドペプチドの合成におけるそれらの利用にも関する。
当該技術分野の状態
知られているように、ペプチドはタンパク質のような更に複雑な物質の研究における遷移用語(transition term)であるので、それらは長期間研究されてきており、その上ペプチドはそれ自体既に極めて重要な化合物であり、生物学的系の媒介物であり、かつ生理学および医学の分野において非常に重要であることが明らかにされてきた。
これらの特徴により、ペプチドは本質において基本的生物学的役割を現し、多くの場合に幾つかの病理学的条件において用いられる薬剤である。これに関して、50年代以来多くの研究がなされて、多くの生物学的に活性なペプチドの構造が決定されてきており、構造の決定により、検討が行なわれているペプチドの合成が開始されるようになり、それによりそれらの潜在的な治療効果が研究されるようになってきた。
多くの場合に、このような研究では満足な結果が得られており、数年でその構造を決定することができ、従って薬理活性を有する多くのペプチドおよびタンパク質を合成することができた。この分野で達成された更に重要な結果の一つは、アミノ酸の全系列の決定およびインシュリンの合成であり、他の研究は例えば生細胞の多くに見られるトリペプチドであるグルタチオン、39個のアミノ酸によって構成されかつ副腎皮質刺激ホルモンACTHの一成分であるα−コルチコトロピン、ノナペプチドであり子宮の収縮に関与する脳下垂体のホルモンであるオキシトシンに関するものであり、後者のペプチドは、V. du VIGNEAUD, C. RESSLER, J.M. SWAN, C.W. ROBERTS, P.G. KATSOYANNIS, S. GORDON, J. Am. Chem. Soc., 75, 4879(1953)に報告されているように、長い研究の後、単離され、特性決定され、合成された。このような研究により、この物質は、今日では送達の際に収縮を誘発するのに普通に用いられる真の薬剤である。8個のアミノ酸から構成され、R.HUGUENINら、Helv. Chim. Aota, 49, 695(1966)およびI. VAVRAら、Lancet, 1, 948(1968)によって合成されたバソプレシンの類似体も臨床上興味深いものであり、これは尿崩症(diabetes insipidus)の治療に用いられる強力で選択的な抗利尿薬であることが明らかになった。
バソプレシンの他のペプチド類似体が合成されており、これらも抗利尿活性を示しておりかつ血圧増加の促進に有用であることが明らかになっている。
知られているように、ペプチドの構造は、ペプチド結合によっても示されるアミド結合の存在によって特徴付けられるが、このような結合はそれらを認識する加水分解酵素(プロテアーゼ)によって容易に加水分解可能であるという大きな弱点を有する。これらの酵素による上記の加水分解活性は、分子の分解を引き起こして、様々な長さの、出発ペプチドを特徴付ける薬理活性を通常は欠いているフラグメントとなる。
従って、ペプチドの薬剤としての利用には、多くの場合に薬理活性を備えた分子は、循環に入ると直ぐに加水分解酵素によって攻撃され、幾つかのペプチド結合の加水分解が引き起こされ、ほとんど常に薬理活性を全く欠いている多くのフラグメントに減少されるので、上記の薬理活性を発揮すべき標的には到達しないという重大な弱点を伴う。その上、ペプチドは一般的には低いまたは実在しない経口バイオアベイラビリティーを示すので、投与の問題が起こる。
上記の欠点を除くため、ペプチドと同様な構造および特徴を有する化合物を同定し、薬理活性を保持するのに好適であるが、ペプチド分子が分解して低分子量のフラグメントとなることによる既に記載したそれらの不安定性に関与する1個以上のペプチド結合が異なる型の結合で置換されることを特徴とする多くの研究が行なわれてきた。
例えば、Chiron Corp.のREYNA J. SIMONら[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 89, 9367(1992)]によって、構造中に天然アミノ酸と同じ側鎖を有するが、N−置換グリシンの数個の分子の間の結合から生じ、従って下記の式に示されるように天然ペプチドに特徴的なアミド結合を欠いているので、酵素分解に対して耐性を有しかつ「擬似ペプチド(peptidomimetic)」薬剤として潜在的に利用可能な化合物である、いわゆる「ペプトイド(peptoids)」が記載されている。
Figure 0004023554
「擬似ペプチド」化合物の合成に利用される他の方法では、前置配列(prefixed sequence)の構成においていわゆるビニログアミノ酸(vinylogaminoacids)を用いており、例えばC & EN、1993年9月20日、34頁によって報告されているように、ビニログアミノ酸は、エチレン基(すなわち、二重結合によって合体された2個の炭素原子)がα位の炭素原子と通常のアミノ酸のカルボニル炭素原子との間に挿入されている化合物である。ビニログアミノ酸(Tirosina vinilaga)は、例えば環状ペプチドであるシクロテオナミド(cyclotheonamide)の1成分であるトロンビン阻害剤である[SCHREIBER S.L.ら、JACS, 114, 6570(1992);SCHREIBERら、JACS,115,12619(1993)]。
擬似ペプチドの合成におけるビニログアミノ酸の利用により、得られた化合物に、例えば相当する通常のペプチドと比較して異なりかつ更に顕著な薬理活性を誘発することができるが、このようにして得られた擬似ペプチドにも存在するペプチドの結合の加水分解の上記した問題点は解決しない特別な化学的物理的およびコンホメーション特性が付与される。
いずれにしても、上記欠点を除くため世界中の多くの研究グループは、ペプチド構造内部の少なくとも一つのアミド結合を同様な特徴を有するが加水分解酵素によっては最早認識されない結合で置換し、この方法で分子を加水分解に対して余り感受性でなくし、同時にペプチドを構成する天然アミノ酸の配列をできるだけ変更しないままにして、その特徴的な薬理活性を保存する可能性について研究を行なってきた。この型の方法は、ペプチド結合の「等配電子置換(isosteric substitution)」として知られており、例えばこのようなペプチド結合(−CO−NH−)の、ケトメチレン等配電子体(ketomethylene isosters)(−CO−CH2−)、アミン(−CH2−NH−)、エチレン結合(−CH=CH−)、α−ジフルオロケトン(CO−CF2−)、シクロプロパン等配電子体などの基による置換にある[Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 30, 1283-1301(1991)]。上記の方法により、アミド結合のこのような置換によって、このようにして得られたプソイドペプチドに溶解性および投与の問題点が生じたが、かなり高い生物安定性を有する「プソイドペプチド」を得ることができた。等配電子置換の特定の試みは、D.B. SHERMAN, A.F. SPATOLA, J. Am. Chem. Soc., 112, 433-441(1990)によって報告されており、彼らはこのような置換を行なうため、アミド酸素が硫黄で置換されているためペプチド結合(−CO−NH−)とは異なるチオアミド結合(−CS−NH−)を用いたが、不運なことには、チオアミドはアミドによく似ているが、これらのプソイドペプチドについて行なった生物学的研究では、チオアミド結合を含む化合物の生物学的挙動は予見できないものであることを示していた。
いずれにせよ、ペプチド結合の等配電子置換の分野では、アミド結合の代わりに少なくとも1個のスルホンアミド結合の存在を特徴とするプソイドペプチドも研究されており[MOREE, W. J.ら、Tetrahedron Letters, 33, 6389(1992);KRICHELDORF, H.R. ら、Synthesis, 43(1976);LUISI, G. ら、Tetrahedron Letters, 34,2391(1993)]、この変化によりペプチド結合の代用物を生じるが、これは極性、生成する水素結合の容量、および分子の酸−塩基特性がかなり変化していることを特徴としている。
その上、スルホンアミド結合はアミド結合と比較して代謝安定性が大きく、アミド結合の酵素加水分解に関与する四面体遷移状態と構造が類似しており、少なくとも1個のスルホンアミド結合を含むプソイドペプチドは酵素阻害剤および新規薬剤の開発における興味深い候補となる[LEVENSON, C.H.ら、J. Med. Chem., 27, 228(1984);GUEGAN, R. ら、J. Med. Chem., 29, 1152(1986);MAZDIYASNI, H.ら、Tetrahedron Letters, 34, 435(1993)]。
少なくとも1個のスルホンアミド結合を有することを特徴とするプソイドペプチドを得るため、α−アミノスルホンアミドの使用が試みられてきたが、これは不安定であり、フラグメント化によって直ちに分解することが知られている[FRANKEL, M. ら、Tetrahedron, 9, 289(1960);GILMORE, W.F. ら、J. Org. Chem., 43, 4335(1978);MOE, G.R. ら、Tetrahedron Letters, 22,537(1981);GARRIGUES, B. ら、Synthesis, 810(1988);MERRICKS, D. ら、J. Chem. Soc., Perkin I, 2169(1991)]。代替物としては、安定な化合物であるβ−アミノスルホンアミドが用いられてきたが、生成するプソイドペプチドは、プソイドペプチドの骨格に導入される炭素−炭素単結合[−HNCHR−CH2SO2−]はその軸の回りを回転することができるため分子の自由度を増加させ、その結果可能なコンホメーションが増加するので、コンホメーションの柔軟性が高すぎる。薬理活性は、活性成分を構成する分子のコンホメーション状態によって大きく変化することを強調する価値がある。
発明の目的
本発明の目的は、酵素加水分解活性に対して安定な結合を有するプソイドペプチドの合成に利用するのに適したアミノスルホン酸から誘導される生成物を実現化することである。
本発明のもう一つの目的は、潜在的な薬理活性を有するようなプソイドペプチドの合成に置いて用いるのに好適なアミノスルホン酸から誘導される生成物を提供することである。
本発明の更にもう一つの目的は、対応するペプチド化合物と比較して更に良好なバイオアベイラビリティー並びに酵素阻害剤として利用するのに一層好ましい化学的−物理的特徴を有するプソイドペプチドを提供することである。
更にもう一つの本発明の目的は、工業的実現および応用が容易でありかつ顕著な経済的利益を提供するようなアミノスルホン酸の誘導体の合成法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、少なくとも1つのスルホンアミド結合を含んでなるプソイドペプチドの合成におけるアミノスルホンの誘導体を使用する方法を実現することである。
発明の説明
下記の説明によって更に明確に強調されるこれらおよび更に他の目的および関連の利点は、プソイドペプチドの合成に用いるのに適した生成物によって達成され、この生成物は、本発明によれば、下記の一般式を有する。
Figure 0004023554
(式中、
Rは、水素、天然アミノ酸特にタンパク質生成アミノ酸の側鎖、置換および未置換の線状、分岐状または環状アルキル鎖、アリールアルキル鎖、アリールおよびヘテロ芳香族性基に相当するフラグメントから選択され、
Yは水素を表し、ここで相当するアミンの可能な塩形態、またはアミン基の保護に普通に用いられる任意の保護基を包含し、
XはCl、OH、OCH2CH3、OCH3、ONBu4、NHCH2Phを表す。)
但し、YがPhCH2CO、(CH33COCOから選択され、XがOCH2CH3、ONBu4から選択されるとき、または
YがPhOCH2COとして選択され、XがOCH2CH3として選択されるとき、または
Yが相当するアミンの塩形態であり、XがOHとして選択されるときには、
RはCH3とは異なる。
更に特別には、本発明によれば、上記のRはタンパク質生成アミノ酸に含まれる側鎖から選択され、上記のYは(CH33C−OCO−保護基に等しく、上記のXはOR1に等しく、但しR1は下記の式によれば、−CH3およびCH2CH3から選択される。
Figure 0004023554
但し、R1がCH2CH3であるときには、RはCH3とは異なる。
α,β−不飽和スルホネート、すなわちエチルおよびt−ブチルアンモニウムスルホネートであって、アミンの保護基が(CH33COCO、PhCH2COまたはPhOCH2COであって、α,β−エポキシスルホネートの合成における中間体として、Bull. Soc. Chim. Fr., (1990), 127, 835-842(Carreteroら)に記載のアラニナール(alaninal)誘導体からもっぱら得られるものを、細菌性D,D−ペプチダーゼの有力な阻害剤として試験した。
明らかなように、一般式(I)を有する本発明による誘導体であって、Rが水素、天然アミノ酸特にタンパク質生成アミノ酸の側鎖、置換および未置換の線状、分岐状または環状アルキル鎖、アリールアルキル鎖、アリールおよびヘテロ芳香族性基に相当するフラグメントから選択され、Yは水素を表し、この場合には相当するアミンの可能な塩形態、またはアミン基の保護に普通に用いられる任意の保護基を包含し、XはCl、OH、OCH2CH3、OCH3、ONBu4、NHCH2Phを表すもの、またはγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体は、例えば下記の式によれば、二重結合に共役した少なくとも一つのスルホンアミドを含むことを特徴とするプソイドペプチドの合成におけるシントン(syntones)として用いられる。
Figure 0004023554
(式中、R2は水素、天然アミノ酸特にタンパク質生成アミノ酸の側鎖、置換および未置換の線状、分岐状または環状アルキル鎖、アリールアルキル鎖、アリールおよびヘテロ芳香族性基から選択され、Rと等しいこともある。)
特に、Yが保護基(CH33C−OCO−と等しいときには、この式は下記の通りである。
Figure 0004023554
上記の誘導体(I)を用いることによって得られたプソイドペプチド化合物は、本発明によれば、対応するペプチドと比較して酵素の加水分解活性に対して感受性が少なく、少なくとも1つのスルホンアミド型結合の存在を特徴とし、これはアミド結合とは異なりタンパク質分解酵素による加水分解を受けず、逆にこれの潜在的な阻害剤であることが明らかである。従って、このようにして得られたスルホンアミドプソイドペプチドは対応するペプチドより安定であり、この安定性によりこれは更に容易に標的に到達することができ、ここで可能な薬理活性を発揮することができる。上記の酵素加水分解に対する安定性が大きいことから、このスルホンアミドプソイドペプチドを治療に利用する場合には、低用量で投与することができるので、通常の許容度(tolerability)の利点を有する。
本発明によるα−β位の二重結合が存在することにより、β−アミノ,α−スルホン酸単位を含んでなり、誘導されたプソイドペプチドに上記のように高すぎるコンホメーション柔軟性を付与する類似のプソイドペプチドと比較して構造剛性が大幅に増加したスルホンアミド型のプソイドペプチドを得ることができる。本発明によるγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の上記誘導体を利用することによって得られたスルホンアミドプソイドペプチドに特徴的な構造剛性により、分子によって想定される可能なコンホメーション状態が減少し、その上、上記の構造剛性によりスルホンアミドプソイドペプチドに、対応するペプチドと類似の幾つかの特徴が付与され、これらは例えば分子内水素結合、すなわち分子を構成する各種部分間の結合の形成が可能であることによるものであることも分かっている。例えば、本発明によれば、式(I)の誘導体であって、
XがClとなるように選択され、
Yが(CH33C−OCO−となるように選択され、
RがMeとなるように選択されているもの、
は下記の式を有する化合物(IV)の製造に利用される。
Figure 0004023554
明らかなように、好適溶媒の溶液中の化合物(IV)は、式において「a」で示されたカルボニル基と「b」で示された−NH−基との間に水素結合が形成されることを特徴としており、上記型の水素結合が形成されることから、上記化合物(IV)に14の原子の環に相当する空間配置を想定して、顕著なコンホメーション剛性に換えられる適切なコンホメーション拘束を有する必要がある。知られているように、従来のペプチド化合物の特徴的コンホメーションは、分子内水素結合の形成の可能性によって部分的に影響されるのであり、このような水素結合は分子の可能な自由度を制限し、可能なコンホメーションを著しく減少させる。
本発明によるγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体を用いて、相当するスルホンアミドプソイドペプチドを得ることにより、十分なバイオアベイラビリティーを特徴としかつその結果、容易に投与できる潜在能力のある薬剤を得ることもできる。
本発明によれば、上記のγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体を既知の方法によって二重結合に官能化することもでき、例えば如何なる場合にも分子に剛性を付与するのに好適なα−β位のエポキシ基、またはシクロプロパン基を得ることができる。この二重結合の官能化は、一般式(I)のγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体について行ない、次いで上記のスルホンアミドプソイドペプチドの合成においてこのようにして官能化した誘導体を用いることも、または少なくとも1つのスルホンアミド結合の存在を特徴とし、本発明によって得られたプソイドペプチドについて直接行なうこともできる。
本発明によれば、一般式(I)のγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体の合成法は、既知の方法によって天然アミノ酸をα−アミノアルデヒドに転換し、次いでWittig-Horner反応によって上記誘導体(I)に転換することにある。
本発明によれば、γ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸の誘導体(I)は、(L)型または(D)型のタンパク質生成アミノ酸から出発して有利に得ることができ、このタンパク質生成アミノ酸は極めて入手しやすく、かつ大部分について低価格で発売されているので、この誘導体(I)は、工業的水準でも容易かつ経済的に製造される。
本発明によれば、例えば式(III)のように少なくとも1つのスルホンアミド結合を有することを特徴とする上記のプソイドペプチドは、例えばγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸エステル(II)(式中、上記Rはタンパク生成アミノ酸に含まれる側鎖から選択され、上記のYは(CH33COCO−保護基に等しく、上記のXはOR1に等しく、但し、R1は−CH3および−CH2CH3から選択される)をスルホン化した塩に転換し、次にこれを活性化して、例えば式(II)の同じ基であって、アミン基が予め放出されてしまっている基のような好適な反応性基を有する化合物に結合させることを含んでなる方法によって得られる。このようにして得られた生成物(III)を更に処理して、例えばスルホン酸基またはアミン基の交互になった放出および活性化の可能性を提供し、続いてこの生成物(III)を適当な位置で予め放出された同じ化合物(II)と結合させ、このやり方で保護、放出および結合法に基づいた相互作用型の本発明によるスルホンアミドプソイドペプチドの合成法を行なうことができる。
本発明によれば、上記誘導体(II)をスルホン酸エステルまたはアミン基でいずれか一方を放出させ、天然アミノ酸と相互作用的に結合させることができる。
また、この方法は、出発生成物の立体化学的特徴が実質的に変更されないままである限り極めて好適であり、このやり方で既に記載した各種の保護、放出および活性化工程を立体保存的やり方で行なうことができる。この方法によって得られた本発明によるスルホンアミドプソイドペプチドは、純度を決定する目的で行なった実験の装置の限界を考慮すれば、光学的に純粋である。
例1
本発明によれば、下記の式
Figure 0004023554
を有する化合物を上記の方法で合成し、本発明の非制限的例によって詳述する。
a) N−BOC−アラニノールの調製
塩化メチレン22mlに溶解した(S)アラニノール1g(0.0112モル)から構成される溶液を、(BOC)2Oの2.45g(0.0112モル)で、攪拌下0℃の温度で処理し、室温で撹拌し、溶媒を蒸発させ、残渣をジエチルエーテル20mlに溶解した。このようにして得たエーテル相をH3PO4の0.5M溶液で洗浄した後、塩水で処理し、次いでNaHCO3の1.0M溶液で処理し、次に再度塩水で処理した。有機相を硫酸ナトリウム上で脱水し、溶媒を減圧留去し、1.95g(収率99%)の(S)N−BOC−アラニノールを得た。1H−NMR(200MHz,ppm,CDCl3):1.15(3H,d,J=6.7Hz);1.46(9H,s);2.1(1H,broad);3.5(1H,m);3.65(2H,m);4.66(1H,broad)。
b) N−BOC−アラニナールの調製
塩化メチレン12mlに溶解した塩化オキサリル1.9g(1.3ml、15ミリモル)から構成される溶液を、窒素下および−63℃の温度で塩化メチレン6.1mlにジメチルスルホキシド1.58g(1.435ml、20ミリモル)から構成される溶液で処理した。
次に、生成する溶液に塩化メチレン71.4mlに溶解した(S)N−BOC−アラニノール1.75g(10ミリモル)から構成される溶液を30分以内に加えた。10分後、塩化メチレン12.2mlにトリエチルアミン4.07g(5.61ml、40ミリモル)を溶解したものを反応混合物に加え、この添加は20分間で行ない、反応混合物の曇りを観察した。TLC分析(溶離剤、ヘキサン:酢酸エチル1:1[v/v])では、−63℃の温度で10分後には、反応が完結したことを示していた。次に、水8mlを徐々に加えて反応を中断し、温度を−63℃に保持したまま、反応混合物を激しく攪拌した。
次に、混合物を手早くn−ヘキサン120mlに投入し、KHSO4飽和溶液10mlを水40mlで希釈することによって得たKHSO4溶液50mlで洗浄した。水相をエチルエーテルで抽出した。このようにして得た有機相を合わせて、NaHCO3(2×45ml)、水(3×45ml)および塩水(2×45ml)の飽和溶液で洗浄した。このようにして得た有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧留去し、(S)N−BOC−アラニナール1,6g(収率92%)を得た。1H−NMR(200MHz,ppm,CDCl3):1.35(3H,d,J=6.5Hz);1.46(9H,s);4.25(1H,m);5.1(1H,broad);9.57(1H,s)。
c) α,β−不飽和スルホン酸エチル(V)の調製
エチル−ジエチルホスホリル−メタンスルホネート(EtO)2PO−CH2SO3Etの5.0g(19.2ミリモル)(CARRETERO J.C.ら、Tetrahedron, 43, 5125(1987)に記載の方法で調製)をTHF72.0mlに溶解したものを、窒素下にて−78℃の温度で1.6M n−BuLi/n−ヘキサン溶液13.2ml(21.1ミリモル)で処理した。混合物を−78℃の温度で攪拌下に20分間保持した後、b)に記載の方法で得た(S)N−BOC−アラニナール3.3g(19.2ミリモル)をTHF5.0mlに溶解したものを加えた。30分後、混合物をリン酸緩衝液、pH7で処理することによって反応を中断し、水相をエチルエーテルで抽出した。抽出した有機相を合わせて、硫酸ナトリウム上で脱水し、溶媒を減圧留去した。このようにして得た粗製混合物を、n−ヘキサン:酢酸エチル7:3(v/v)を溶離剤混合物として用いるフラッシュクロマトグラフィによって精製し、スルホネート(V)の4.18g(収率78%)を得た。
1H−NMR(200MHz,ppm,CDCl3):1.33(3H,d,J=6.9Hz);1.39(3H,t,J=7.2Hz);1.46(9H,s);4.18(2H,q,J=7.2Hz);4.44(1H,m);4.6(1H,broad);6.30(1H,dd,J=15.10Hz,J=1.61Hz);6.83(1H,dd,J=15,10Hz,J=4.96Hz)。
13C−NMR(200MHz,ppm,CDCl3):14.65(CH3);19.58(CH3);28.13([CH33);47.14(CHN);66.85(CH2);123.86(CH=);149.61(CH=)。
融点=69〜71℃。
[α]D=−18.06°(c=0.98,CHCl3)。
例2
本発明により、下式
Figure 0004023554
を有する化合物を下記のようにして、本発明の非制限的例として合成する。
a) N−BOC−バリノールの調製
(S)バリノールから出発し、例1、工程a)について記載した手続きに従って、(S)N−BOC−バリノールを97%の収率で得た。
Figure 0004023554
b) N−BOC−バリナールの調製
(S)N−BOC−バリノールから出発し、例1、工程b)に記載の手続きに従って、(S)N−BOC−バリナールを90%の収率で得た。
Figure 0004023554
c) α,β−不飽和スルホン酸エチル(VI)の調製
(S)N−BOC−バリナールから出発し、例1、工程c)に記載の手続きに従って、式(VI)のスルホネートを77%の収率で得た。
Figure 0004023554
例3
本発明により、下式
Figure 0004023554
を有する化合物を下記のようにして、本発明の非制限的例として合成した。
例1、工程a)、b)およびc)に記載の手続きを(S)アラニノールから出発して行なったが、エチル−ジエチルホスホリル−メタンスルホネート(EtO)2PO−CH2SO3Etの代わりにメチル−ジエチルホスホリル−メタンホスホネートを用いた。
粗製混合物を、n−ヘキサン:酢酸エチル75:25(v/v)を溶離剤混合物として用いてフラッシュクロマトグラフィによって精製し、結晶させた(n−ヘキサン/酢酸エチル7/3)ところ、アルファ,β−不飽和メチルスルホネート(VII)を75%の収率で得た。
Figure 0004023554
例6
(S)N−BOC−プロリノール
上記の手続きに従って、所望なアルコールが98%の収率で得られる。
Figure 0004023554
(S)N−BOC−プロリナール
上記の手続きに従って、(S)N−BOC−プロリナールが96%の収率で得られる。
Figure 0004023554
上記の手続きに従って、粗製混合物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィ(n−ヘキサン/AcOEt=6/4)によって精製し、所望なスルホネート(XX)を60%の収率で得た。
Figure 0004023554
同様にして、スルホネート(XXI)を調製し、これは粗製混合物として得られ、フラッシュクロマトグラフィ(n−ヘキサン/AcOEt=90/10)によって精製して、所望な生成物を46%の収率で得た。
Figure 0004023554
上記の手続きに従って、スルホネート(XXII)を粗製混合物として得て、フラッシュクロマトグラフィ(n−ヘキサン/AcOEt=65/35)によって精製して、所望な生成物を56%の収率で得た。
Figure 0004023554
例4
本発明による少なくとも1つのスルホンアミド結合を有することを特徴とするプソイドペプチドを得ることができる上記方法を、例えば生成物(V)を出発材料として用いるときには、下記のように模式化することができる。
スキーム1
Figure 0004023554
これを、下記の例において詳細に説明する。
a) スルホネート塩(VIII)の調製
α,β−不飽和エチルスルホネート(V)1.0g(3.6ミリモル)をアセトン20mlに溶解したものを、窒素雰囲気下にて攪拌しながら95/5酢酸エチル/メタノール混合物によって再結晶したn−Bu4NIの1.33g(3.6ミリモル)で処理した。
反応混合物を、出発生成物をn−ヘキサン:酢酸エチル6:4(v/v)を溶離剤系として用いて出発生成物が次第に消失するのをTLCによってチェックしながら16時間還流した。溶媒を減圧留去した後、スルホネート塩(VIII)1.774g(収率100%)を得た。
Figure 0004023554
b) アミン塩酸塩(IX)の調製
α,β−不飽和エチルスルホネート(V)250mg(0.89ミリモル)を、窒素雰囲気下にて3M HCl/メチルアルコール溶液5mlで処理した。反応混合物を5時間攪拌し、n−ヘキサン:酢酸エチル6:4(v/v)を溶離剤系として用いて出発生成物が次第に消失するのをTLCによってチェックした。次に、溶媒を減圧留去し、生成物を真空下(0.1mmHg)に置いた。塩酸塩192mg(収率100%)が得られ、これを更に精製すること無く次の反応に用いた。
c) スルホンアミドプソイドペプチド(XI)の調製
塩化スルホリル180mg(0.107ml、1.33モル)を、トリフェニルホスフィンPhP320mg(1.224ミリモル)を塩化メチレン1.5mlに溶解したものに0°で、窒素雰囲気下にて、3A°モレキュラーシーブの存在下にて加えた。スルホネート塩(VIII)302mg(0.611ミリモル)を塩化メチレン2.0mlに溶解したものを、次に攪拌下、室温および窒素雰囲気下にて加えた。
反応混合物を室温にて150分間攪拌した後、溶媒を減圧留去し、粗製生成物をn−ヘキサン:酢酸エチル6:4(v/v)を溶離剤混合物として用いてフラッシュクロマトグラフィによって精製した。塩化スルホニル(X)142mg(収率85%)を得た。
Figure 0004023554
上記のようにして得た塩化スルホニル(X)142mg(0.525ミリモル)を塩化メチレン4.0mlに溶解した後、DBUの0.052ml(0.35ミリモル)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)8.4mg(0.070ミリモル)を含んでなる塩化メチレン2.0ml中74.6mg(0.35ミリモル)の(IX)から構成される溶液を全量を一度に加えた。
添加の後、DBUの0.078ml(0.525ミリモル)を塩化メチレン1.0mlに溶解したものを更に、徐々に3時間で加えた。混合物を5時間還流した後、混合物を塩化メチレンで希釈し、リン酸緩衝液、pH7、2.0mlで処理した。水相を塩化メチレンで抽出し、有機抽出液を合わせて、硫酸ナトリウム上で脱水し、蒸発させた。粗生成物を得て、これをn−ヘキサン:酢酸エチル混合物1:1(v/v)を溶離剤として用いてフラッシュクロマトグラフィによって精製し、(XI)を50%の収率で得た。
Figure 0004023554
例5
本発明により、下記の式
Figure 0004023554
を有する化合物を、例4、5および6に記載の方法に従って化合物(V)および化合物(VI)から出発して調製し、この化合物(XII)は粗製形態で得られ、下記のような特徴を有していた。
粗生成物(XII)を、n−ヘキサン:酢酸エチル混合物6:4(v/v)を用いてフラッシュクロマトグラフィによって精製した。
Figure 0004023554
例7
Figure 0004023554
生成物(I)(式中、Y=BOC、R=CH2Ph、X=Cl)(181.5mg、0.525ミリモル)/CH2Cl2(4ml)に、アミン塩酸塩としての(XII)(131.9mg、0.35ミリモル)をCH2Cl2(1ml)に溶解したものであって、DBU(0.052ml、0.35ミリモル)およびDMAP(8.4mg、0.070ミリモル)を含むものを加えた。次に、更にDBU(0.078ml、0.525ミリモル)をCH2Cl2(1ml)に溶解したものおよび塩化スルホニル(60.5mg、0.175ミリモル)を加えた。5時間後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、リン酸緩衝液(2ml)を加えた。水相をCH2Cl2で抽出し、合わせて乾燥した有機抽出液を蒸発させて粗製混合物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィ(n−ヘキサン/AcOEt=55/45)によって精製し、生成物(XXIII)を60%の収率で得た。
Figure 0004023554
下記の式を有する生成物(XXIV)を、本発明に従って32%の収率で調製した。
Figure 0004023554
例8
Figure 0004023554
収率60%が得られた。
Figure 0004023554
Figure 0004023554
収率30%が得られた。
Figure 0004023554
例9
本発明により、上記の例で記載した合成スキームに従って、生成物(XXVIII)を下記のようにして調製した。
Figure 0004023554
上記の手続きによって相当する塩化スルホニルに転換した(XX)(200mg、0.67ミリモル)をCH2Cl2(6.7ml)に溶解したものに、窒素雰囲気下にて、Glyメチルエステル塩酸塩(169.8mg、1.35ミリモル)、DBU(205.8mg、1.35ミリモル、201.4μl)およびDMAP(16.5mg、0.135ミリモル)をCH2Cl2(2ml)に溶解したものを加えた。30分後、更にDBU(0.5当量、50.3μl、0.34ミリモル)を加えた。30分後、塩化スルホニル0.5当量(100mg、0.33ミリモル)およびDBUの0.5当量(0.34ミリモル、50.3μl)を加えた。1時間後、リン酸緩衝液(10ml)を加え、水相をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥し、(Na2SO4)、溶媒を真空留去した。このようにして得られた粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィ(n−ペンタン/AcOEt=4/6)によって精製し、(XXVII)(285mg、収率80%)を得た。
Figure 0004023554
相当する塩化スルホニル(133mg、0.447ミリモル)に転換した(VI)をCH2Cl2(4.47ml)に溶解したものに、窒素雰囲気下にて、脱保護し相当する塩酸塩に転換した(XXVII)(84.85mg、0.298ミリモル)、DBU(90.6mg、0.596ミリモル、88.6μl)、およびDMAP(7.28mg、0.0596ミリモル)をCH2Cl2(2ml)に溶解したものを加えた。1時間後、リン酸緩衝液(5ml)を加え、水相をCH2Cl2で抽出し、有機抽出物を合わせて、乾燥し(Na2SO4)、留去すると、粗製混合物が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィ(n−ヘキサン/AcOEt=40/60)によって精製して、生成物(XXVIII)を41%の収率で得た。
Figure 0004023554
同様にして、下記の生成物を得た。
Figure 0004023554
例10
更に、下記のメタンスルホニル誘導体も、相当するアミンクロリドレート(amine chloridrates)とメタンスルホニルクロリドとの反応によって調製した。
Figure 0004023554
収率70%が得られた。
Figure 0004023554
収率83%が得られた。
Figure 0004023554

Claims (26)

  1. アミノスルホン酸の誘導体であって、下記の一般式を有することを特徴とする誘導体。
    Figure 0004023554
    (式中、
    Rは、水素、Ph、CH3、OHまたはCOOHによる置換または未置換の線状、分岐状または環状のC1〜C4アルキル鎖から選択され、
    Yは水素を表し、この場合には相当するアミンの可能な塩形態、またはアミン基の保護に普通に用いられる任意の保護基を包含し、
    XはCl、OH、OCH2CH3、OCH3、ONBu4、NHCH2Phを表す。
    但し、YがPhCH2CO、(CH3)3COCOから選択され、XがOCH2CH3、ONBu4から選択されるとき、または
    YがPhOCH2COとして選択され、XがOCH2CH3として選択されるとき、または
    Yが相当するアミンの塩形態であり、XがOHとして選択されるときには、
    RはCH3とは異なる。)
  2. Rが−CH3に等しく選択され、Yが(CH33C−OCO−保護基に等しく選択され、XがClに等しく選択される、請求の範囲第1項に記載のアミノスルホン酸の誘導体。
  3. Yが水素に等しく選択され、上記の相当するアミンが塩酸塩の形態を有し、RがCH3に等しく選択され、XがOCH2CH3に等しく選択される、請求の範囲第1項に記載のアミノスルホン酸の誘導体。
  4. Rがタンパク生成アミノ酸の側鎖から選択され、Yが(CH33C−OCO−保護基に等しく、XがOR1に等しく、但しR1は−CH3および−CH2CH3から選択され、下記の式を有し、但し、R1が−CH2CH3であるとき、RはCH3とは異なる、請求の範囲第1項に記載のアミノスルホン酸の誘導体。
    Figure 0004023554
  5. Rが(CH32CH−に等しく、R1が−CH2CH3に等しい、請求の範囲第4項に記載のアミノスルホン酸の誘導体。
  6. RがCH3に等しく、R1が−CH3に等しい、請求の範囲第4項に記載のアミノスルホン酸の誘導体。
  7. アミノスルホン酸の誘導体であって、下記の一般式を有することを特徴とする誘導体。
    Figure 0004023554
    (式中、
    Rは、水素、Ph、CH3、OHまたはCOOHによる置換または未置換の線状、分岐状または環状のC1〜C4アルキル鎖から選択され、
    Yは水素を表し、この場合には相当するアミンの可能な塩形態、またはアミン基の保護に普通に用いられる任意の保護基を包含し、
    XはCl、OH、OCH2CH3、OCH3、ONBu4、NHCH2Phを表し、α−β位においてシクロプロパン基が挿入されて二重結合が官能化される。)
  8. 下記の一般式を有するアミノスルホン酸の誘導体からなる、プソイドペプチドの合成のためのシントン。
    Figure 0004023554
    (式中、
    Rは、水素、Ph、CH3、OHまたはCOOHによる置換または未置換の線状、分岐状または環状のC1〜C4アルキル鎖から選択され、
    Yは水素を表し、この場合には相当するアミンの可能な塩形態、またはアミン基の保護に普通に用いられる任意の保護基を包含し、
    XはCl、OH、OCH2CH3、OCH3、ONBu4、NHCH2Phを表す。)
  9. 請求の範囲第項に記載のシントンを用いて得たプソイドペプチドであって、下記の式を有するプソイドペプチド。
    Figure 0004023554
    (式中、R2は水素、Ph、CH3、OHまたはCOOHによる置換または未置換の線状、分岐状または環状のC1〜C4アルキル鎖から選択され、Rと等しいかまたは異なる。)
  10. Yが(CH33C−OCO−保護基と等しく、RがR2と等しくかつCH3と等しく、Xが−NHCH2Phと等しい、請求の範囲第項に記載のプソイドペプチド。
  11. Yが(CH3)3C−OCO保護基と等しく、RがR2と等しくかつCH3と等しく、Xが−OCH2CH3と等しい、請求の範囲第項に記載のプソイドペプチド。
  12. Yが(CH33C−OCO−保護基と等しく、RがCH3であり、R2が(CH32CH−であり、Xが−OCH2CH3と等しい、請求の範囲第項に記載のプソイドペプチド。
  13. スルホンアミド基と比較してα−β位で少なくとも1つの二重結合に官能化されて、エポキシまたはシクロプロパン基を与える、請求の範囲第項に記載のプソイドペプチド。
  14. 請求の範囲第1項に記載のスルホン酸性アミノ酸の誘導体の製造法であって、下記の工程を含んでなる、方法。
    天然のα−アミノ酸のα−アミノアルデヒドへの転換、
    上記α−アミノアルデヒドの、Wittig-Horner反応による上記アミノスルホン酸の誘導体への転換。
  15. 上記の天然のα−アミノ酸が(L)型または(D)型のタンパク形成アミノ酸である、請求の範囲第14項に記載のアミノスルホン酸の誘導体の製造法。
  16. 請求の範囲第項に記載のプソイドペプチドの製造法であって、下記の工程を含んでなる方法。
    (I)から誘導されるγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸エステルの相当するスルホネート塩への転換、
    上記スルホネート塩を活性化することによる活性化したスルホネート塩の生成、
    上記活性化したスルホネート塩と好適に活性化してアミン基としたアミノスルホン酸の誘導体(I)の結合、
    によるスルホンアミド結合を有するプソイドペプチドの生成。
  17. 請求の範囲第項に記載の前記プソイドペプチドを、アミン基またはスルホン酸基の放出および活性化を行ない、更に、適当に活性化した(I)と結合させて、このやり方で相互作用型の方法を実現し、スルホンアミド結合を有するプソイドペプチドを生成させることを特徴とする、プソイドペプチドの製造法。
  18. 請求の範囲第項に記載のプソイドペプチドの製造法であって、下記の工程を含んでなる方法。
    (I)から誘導されるγ−アミノ−α,β−不飽和スルホン酸エステルの相当するスルホン化塩への転換、
    上記のスルホン化塩の活性化による、活性化したスルホン化塩の生成、
    上記活性化したスルホン化塩と適当に活性化した天然アミノ酸との結合、
    によるスルホンアミド結合を有し、少なくとも1つの遊離の、保護された、塩形成した、または活性化したカルボキシル基を有するプソイドペプチドの生成。
  19. プソイドペプチドの製造法であって、請求の範囲第18項に記載のプソイドペプチドを、交互にアミン基またはカルボキシル基の放出および活性化を行ない、更に、天然アミノ酸または適当に活性化した(I)と結合して、このやり方で相互作用型の方法を実現し少なくとも1つのスルホンアミド結合を有するプソイドペプチドを生成させることを特徴とする、方法。
  20. 下記の化学式を有する、アミノスルホン酸の誘導体。
    Figure 0004023554
  21. 下記の化学式を有する、アミノスルホン酸の誘導体。
    Figure 0004023554
  22. 請求の範囲第項に記載の二重結合に結合する少なくとも1つのスルホンアミド型結合を有するプソイドペプチドであって、下記の化学式を有するプソイドペプチド。
    Figure 0004023554
  23. 請求の範囲第項に記載の二重結合に結合する少なくとも1つのスルホンアミド型結合を有するプソイドペプチドであって、下記の化学式を有するプソイドペプチド。
    Figure 0004023554
  24. 請求の範囲第18項に記載の方法に従って得られる二重結合に結合する少なくとも1つのスルホンアミド型結合を有するプソイドペプチドであって、下記の化学式を有するプソイドペプチド。
    Figure 0004023554
  25. 下記の化学式を有するアミノスルホン酸の誘導体。
    Figure 0004023554
  26. 二重結合に結合する少なくとも1つのスルホンアミド型結合を有し、下記の一般式を有するプソイドペプチド。
    Figure 0004023554
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