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JP4022823B2 - トレリス符号検出器およびトレリス検出方法、復号装置および復号方法、記録媒体、並びに、プログラム - Google Patents

トレリス符号検出器およびトレリス検出方法、復号装置および復号方法、記録媒体、並びに、プログラム Download PDF

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JP4022823B2 JP2003535192A JP2003535192A JP4022823B2 JP 4022823 B2 JP4022823 B2 JP 4022823B2 JP 2003535192 A JP2003535192 A JP 2003535192A JP 2003535192 A JP2003535192 A JP 2003535192A JP 4022823 B2 JP4022823 B2 JP 4022823B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレリス符号検出器および復号装置に関し、例えば、デジタルビデオテープレコーダ、あるいはコンピュータ用をはじめとするハードディスクドライブなどの磁気記録再生装置、および、光磁気ディスクドライブなどの光磁気記録再生装置などの各種記録再生装置、並びに、各種通信装置において、デジタル伝送信号の誤り率を低減することを目的として用いられるトレリス符号の符号検出時に、使用する符号の最大ランレングスの大幅な低減を可能とする、トレリス符号検出器および復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種記録再生装置や通信装置において、デジタル伝送信号の符号誤り率を低減させるための有効な手段のひとつとして、トレリス符号化変調(TCM; Trellis coded modulation)方式に関する研究開発が盛んに行われている。トレリス符号化変調方式では、伝送路の特性を考慮した畳み込み符号法、またはブロック符号法と、例えば、ビタビ復号など、それら符号の状態遷移図に基づいたトレリス線図を利用した復号法とを組み合わせ、符号化規則を符号検出器における尤度計算に利用し、符号検出器に用いられるトレリスの符号系列間の最小ユークリッド距離dminを増加させることによってデジタル伝送信号の誤り率を低減することができる。
【0003】
図1に、一般的な記録再生装置における、デジタル信号処理回路のブロック図を示す。
【0004】
符号化部1は、入力されたデータをm:nの比に符号化する。ここで、mは符号化前のデータビット長、nは符号化後のデータビット長である。D/A変換部2は、入力された記録符号をデジタル信号からアナログ信号、すなわち、記録矩形波に変換する。記録再生部3は、例えば、磁気ヘッドや光ピックアップ、およびそれらの駆動を制御するための制御回路などで構成され、D/A変換部2から入力された記録波を、図示しない記録媒体に記録する。
【0005】
また、記録再生部3は、記録媒体に記録されている信号を再生して、アナログの再生波を、アナログ等化部4に出力する。アナログ等化部4は、記録再生部3から入力された再生波を所定の目標等化特性に等化する。A/D変換部5は、入力されたアナログの等化波をデジタル再生信号である等化信号に変換する。符号検出部6には、近年では、一般的に最尤検出器が用いられ、入力されたデジタル再生信号、すなわち、等化信号を符号に変換する。換言すれば、符号検出部6は、符号を検出する。復号部7は、入力された検出符号をn:mの比で復号し、出力データを生成して出力する。
【0006】
A/D変換部5には、位相同期ループ(PLL:Phase Locked Loop)が含まれる。PLLには、位相誤差検出のみをデジタル部で行うハイブリッドデジタルPLLを用いても良いし、位相誤差検出と信号同期の両方をデジタル部で行うフルデジタルPLLを用いても良い。
【0007】
また、アナログ等化部4における等化が不十分な場合には、A/D変換部5と符号検出部6との間にデジタル等化部を設けても良い。
【0008】
トレリス符号化変調方式を用いて符号検出を実行する場合、符号化部1で用いられる符号化規則が、符号検出部6において用いられる。
【0009】
近年、磁気記録再生装置用の信号処理方式として、特に、トレリス符号化変調方式とパーシャルレスポンス等化方式とを組み合わせたTCPR(Trellis Coded Partial Response)が盛んに検討されている。TCPRとは、符号化の方法によって、自由2乗ユークリッド距離を増大させ、結果的にS/N(Signal/Noise:信号対雑音比)を改善して高密度の記録を可能にする技術である。以下、自由2乗ユークリッド距離を、自由距離とも称するものとする。
【0010】
ここで、自由距離とは、パーシャルレスポンスチャンネルの出力シーケンスを表すトレリス線図上で、ある共通の状態から始まり、ある共通の状態で終わる、2つの異なったパス同士の最小ユークリッド距離のことである。また、トレリス線図は、検出トレリスとも称する。ビタビ検出は、このトレリス線図に基づいて行われる。なお、始まりと終りの状態は同一でなくてもよい。
【0011】
TCPR変調方式に用いられるトレリス符号のひとつとして、符号系列の累積直流電荷RDS(Running Digital Sum)、あるいは、累積交流電荷ADS(Alternating Digital Sum)、もしくは、RDSとADSの両方を有限値に制限することによって、周波数軸上での符号スペクトルのヌルポイントと、パーシャルレスポンス等化された信号スペクトルのヌルポイントとを一致させるようにしたMSN(Matched Spectral Null)符号が知られている。
【0012】
MSN符号の特性およびその符号検出方法については、例えば、R.Karabed and P.Siegel, "Matched Spectral-Null Codes for Partial-Response Channels," IEEE Trains. on Info. Theory, vol. 37, No.3, PP.818-855,May 1991の論文などにおいて、詳細に解説されている。
【0013】
RDSとは、符号のシンボル「1」または「0」に、それぞれ+1または−1を割り当てて、符号系列の開始時点、すなわち、始点からのシンボルの総和をとったものである。符号RDSの振幅DSV(Digital Sum Variation)が有限に制限された符号は、符号のパワースペクトラムの直流成分にスペクトラルヌルを有する。
【0014】
このような符号は、1−Dの等化特性を有するダイコードチャネルのMSN符号として知られている。ここで、Dは、周波数軸上で1ビット分の遅延を表す遅延素子である。このように、符号のDSVが有限に制限された符号は、MSN符号に限らず、一般的にDCフリー符号と称される。ただし、ここで、DSVは2以上である。
【0015】
例えば、ダイコードチャネルにおける符号検出トレリスの最小2乗(自乗)ユークリッド距離dmin2は2であるが、DSVの制限規則と1−Dの等化特性とを組み合わせた符号検出トレリスを用いることにより、2<DSVのとき、式(1)が成立し、2=DSVのとき、式(2)が成立する。
【0016】
Figure 0004022823
【0017】
ここで、符号化前の符号検出部6の最小ユークリッド距離をduncoded、符号化後の符号検出部6の最小ユークリッド距離をdcodedとすれば、符号検出部6の符号化による利得、すなわち符号化利得は、次の式(3)で示される。
【0018】
Figure 0004022823
【0019】
この場合、2<DSVが成り立つ場合、3dBとなり、DSV=2が成り立つ場合、6dBとなる。
【0020】
ただし、1−Dの等化方式をそのまま実用化するのは難しい。なぜならば、1−Dの等化が、高周波数帯域において非常に大きな雑音増幅を行うため、多くの場合において、良好な信号対雑音比を得ることが困難であるからである。
【0021】
そして、ADSとは、NRZ変調の場合、+1または0を割り当てた符号系列のシンボルに、1ビットおきに−1を乗じたものをNRZ変調して、その開始時点からのシンボルの総和をとったものであり、NRZI変調の場合、全てのシンボルを全反転したものをNRZI変調して、その開始時点からのシンボルの総和をとったものである。符号ADSの振幅A−DSV(Alternating Digital Sum Variation)が有限の範囲に制限された符号は、符号のパワースペクトラムのナイキスト周波数成分にヌルを有している。
【0022】
このような符号は、(1+D)x(xは自然数)の等化特性を有するチャネルのMSN符号として知られている。このように、符号のA−DSVが有限に制限された符号は、MSN符号に限らず、一般的にナイキストフリー符号と称される。ただし、ここで、A−DSVは2以上である。
【0023】
(1+D)xの等化は、再生信号の高周波数帯域の雑音を抑圧するため、記録再生装置において、良好な信号対雑音比を与えることが知られている。ここで、(1+D)xの等化において、例えば、x=1、すなわち、1+Dの等化は、一般的にPR1(Partial Response Class−I)等化と称されている。PR1等化方式は、例えば、3.8mmおよび8mmテープストリーマ磁気記録再生装置などにおいて実用化されている。
【0024】
このようなパーシャルレスポンス方式のクラス分類は、Kretzmerによるものであり、一般的に、E.R.Kretzmer, "Generation of a Technique for Binary Data Communication," IEEE Trans. on com. Tech., pp.67-68, Feb. 1966の論文に記載されている内容に従ったパーシャルレスポンスのクラス分類法が使用されている。
【0025】
例えば、PR1チャネルにおける符号検出トレリスの最小2乗ユークリッド距離dmin2は2であるが、A−DSVと、PR1の等化特性とを組み合わせた符号検出トレリスを用いることによって、2<A−DSVが成立する場合、次の式(4)が成立し、A−DSV=2が成立する場合、次の式(5)が成立する。
【0026】
Figure 0004022823
【0027】
ただし、(1+d)xの等化方式は、DC成分を必要とすることから、DC成分を伝送しない磁気記録再生装置にこの等化方式を用いる場合、系の信号対雑音比の劣化を避けるためには、一般的に、符号のDSVを有限に制限しなくてはならない。また、一般的にDC成分を伝送する光記録再生装置においても、PLLの安定化やサーボ信号の検出のために、同じく、符号のDSVを有限に制限しなくてはならない。
【0028】
このように、符号のDSVとA−DSVとの両方が有限に制限された符号は、DCとナイキスト周波数点とのいずれにもスペクトラルヌルを有している。このような符号は、MSN符号に限らず、一般的にDC−ナイキストフリー符号と称される。すなわち、(1+d)xの等化チャネルが用いられる磁気記録再生装置においては、MSN符号が用いられる場合には、DC−ナイキストフリー符号が用いられる。
【0029】
PR1用のMSN符号は、8mmテープストリーマ磁気記録再生装置の規格であるAIT2(Advanced Intelligent Tape drive II)システムにおいて、既に実用化されている。
【0030】
また、DC−ナイキストフリー符号は、(1−D)(1+D)xの等化特性をもつチャネルのMSN符号としても知られている。(1−D)(1+D)xの等化は、再生信号のDCを含む低周波数帯域と高周波数帯域との両方の雑音を抑圧するため、記録再生装置、特にDC成分を伝達しない磁気記録再生装置において、良好な信号対雑音比を与えることが知られている。
【0031】
(1−D)(1+D)xの等化において、x=1、すなわち(1−D)(1+D)であるので、1−D2の等化は、一般的にPR4(Partial Response Class-IV)等化と称される。DCとナイキスト周波数点とのいずれにもスペクトラルヌルを有しているPR4の詳細については、Lyle J.Fredrickson, "On the Shannon Capacity of DC− and Nyquist-Free Code" IEEE Transactions on Information Theory, Vol. 37, No.3, pp.918-923, May 1991の論文に記載されている。また、PR4は、ハードディスク装置や、民生用デジタルVCR(Video cassette recorder)装置などにおいて、既に実用化されている。
【0032】
例えば、PR4チャネルにおける符号検出トレリスの最小2乗ユークリッド距離dmin2は2であるが、DSVおよびA−DSVの制限規則と、PR4の等化特性とを組み合わせた符号検出トレリスを用いることによって、ダイコードチャネルの場合と同様に、dmin2は4あるいは6となる。
【0033】
ただし、ここで、符号のDSVと、A−DSVとの両方の制限規則を符号検出トレリスに反映させてしまうと、非常に複雑なトレリス検出器となってしまう。しかしながら、1−D2の等化特性をもつPR4等化信号は、1ビットおきに観測すると、1−Dの等化特性となっているという特徴を有する。このため、PR4用のMSN符号は、通常、符号を1ビット毎に区別して検出することを前提とし、ダイコードチャネル用のMSN符号を1ビット毎にインターリーブすることによって、容易に構成される。
【0034】
DCフリー符号であるダイコードチャネル用MSN符号を1ビット毎にインターリーブすると、記録符号は、DSVとA−DSVがいずれも同時に制限されたDC−ナイキストフリー符号となる。この場合、符号スペクトルのヌル点と、PR4等化スペクトルのヌル点とは、完全に一致し、この符号は、PR4用MSN符号となる。
【0035】
換言すれば、PR4チャネルにおいてMSN符号を用いる場合、DSVを有限に制限したダイコードチャネル用MSN符号を1ビット毎にインターリーブして記録媒体に記録し、再生時には、等化信号を1ビットづつデインターリーブして符号検出する方法が一般的に用いられている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、MSN符号は大きな符号化利得を得ることができるにもかかわらず、従来、実際の装置において、PR4用の符号は実用化が難しかった。
【0037】
この理由の一つとして、従来は、その符号化率が、4/5と小さく、高線記録密度での信号対雑音比の劣化が大きかったため、実用に適さないという問題があった。しかしながら、近年、例えば、本願発明者による特開平11−186917号公報、および、M.Noda, "High-Rate Matched Spectral Null code," IEEE Trans. on Magn., vol.34, No.4, pp. 1946-1948, July 1998に開示されているように、8/9の高符号化率を有するMSN符号に関する技術により、この問題点は改善されている。
【0038】
PR4用のMSN符号を実用化することが困難となるもう一つの原因として、符号を記録する際の最大磁化反転間隔Tmaxが大きくなってしまうことが挙げられる。符号を記録する際の最大磁化反転間隔Tmaxは、NRZI記録の場合、データ0の最大連続長(最大ラン長)+1である。PR4用のMSN符号において、最大磁化反転間隔Tmaxが大きくなってしまうのは、2つの独立したダイコードチャネル用MSN符号を、1ビットずつインターリーブしているためである。すなわち、インターリーブ後の符号の最大磁化反転間隔Tmaxは、インターリーブ前の符号の最大磁化反転間隔Tmaxの2倍となってしまう。
【0039】
最大磁化反転間隔Tmaxとは、NRZI記録の場合、データ0の最大連続長、すなわち最大ラン長に1を加えたものであり、NRZ記録の場合、最大ラン長に等しい。
【0040】
例えば、磁気再生装置において、符号のTmaxを小さくすることは、再生信号のオーバーライト雑音の低減、PLLの安定化などに大きな効果がある。具体的に言えば、符号のTmaxが大きい場合、PLLの同期をとるための情報が少なくなってしまうので、誤動作の原因になる。
【0041】
また、Tmaxが大きい場合、アジマス記録を行った時には、隣接トラックからのクロストークが大きくなり、再生データの質を悪化させる。このように、符号のTmaxを小さくすることは、記録再生装置の性能向上において有益なことは良く知られている。
【0042】
記録再生装置の中でも、特に、回転ドラムを用いたヘリカルスキャンテープシステムにおいては、ロータリートランスの巻線インダクタンスと、記録ヘッドの巻線直流抵抗とで、ハイパスフィルタが形成されるため、記録電流波形の低周波数成分が遮断されるので、Tmaxが大きな記録波形信号を磁気テープへ書き込むのは困難となる。
【0043】
従って、一般的な記録再生装置においては、クロック時間間隔をTとした場合、用いる符号のTmaxを、Tmax≦9T程度に設計するのが一般的である。上述した符号化率8/9のダイコードチャネル用MSN符号のTmaxは7Tであるが、それに対して、この符号を1ビットずつインターリーブして用いた場合、そのTmaxは、2倍の14Tとなってしまう。すなわち、2つの独立したダイコードチャネル用MSN符号を、1ビットずつインターリーブすることにより、そのTmaxが、実用に適さない大きな値になってしまうという問題があった。
【0044】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出法を用いる場合において、ダイコードチャネル用MSN符号を、1ビットずつインターリーブすることなく、PR4等化を行い、かつ、符号スペクトルの直流成分、あるいはナイキスト成分のいずれか一方の制限規則と、3ビット分の符号間干渉規則との両方の規則を含むトレリス線図を用いて符号検出することができるようにするものである。
【0045】
【課題を解決するための手段】
本発明のトレリス符号検出器は、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出部を備えることを特徴とする。
【0046】
符号検出部には、直流成分のスペクトラルヌルの符号化規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を適応させたトレリス線図を用いて符号検出をおこなわせるようにすることができる。
【0047】
符号は、非ゼロ復帰逆転変調前の値が1である信号の連続数が有限の値に制限されている符号の組み合わせであるものとすることができる。
【0048】
符号は、符号化率が8/9以上である符号の組み合わせであるものとすることができる。
【0049】
符号は、インターリーブ処理されていない状態の符号列であるものとすることができる。
【0050】
符号は、少なくとも符号系列の累積直流電荷の振幅、もしくは、累積交流電荷の振幅のうちのいずれかが所定の値n(nは2以上の整数)に制限されているものとすることができ、符号検出部には、2n以上の状態数の遷移状態を形成するために、状態数と同数のACS回路を備えさせるようにすることができる。
【0051】
本発明のトレリス符号検出方法は符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップを含むことを特徴とする。
【0052】
符号検出ステップの処理では、直流成分のスペクトラルヌルの符号化規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を適応させたトレリス線図を用いて符号検出を行わせるようにすることができる。
【0053】
符号は、非ゼロ復帰逆転変調前の値が1である信号の連続数が有限の値に制限されている符号の組み合わせであるものとすることができる。
【0054】
符号は、符号化率が8/9以上である符号の組み合わせであるものとすることができる。
【0055】
符号は、インターリーブ処理されていない状態の符号列であるものとすることができる。
【0056】
符号は、少なくとも符号系列の累積直流電荷の振幅、もしくは、累積交流電荷の振幅のうちのいずれかが所定の値n(nは2以上の整数)に制限されているものとすることができ、符号検出ステップの処理においては、2n以上の状態数の遷移状態を形成するために、状態数と同数の演算ステップを含ませるようにすることができる。
【0057】
本発明の第1の記録媒体に記録されているプログラムおよび第1のプログラムは、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップを含むことを特徴とする。
【0058】
本発明の復号装置は、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出部と、符号検出部により検出された符号を復号する復号部とを備えることを特徴とする。
【0059】
本発明の復号方法、第2の記録媒体に記録されているプログラム、および第2のプログラムは、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップと、符号検出ステップの処理により検出された符号を復号する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0060】
本発明のトレリス検出器およびトレリス符号検出方法、並びにプログラムにおいては、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則が同時に適応されてトレリス符号が検出される。
【0061】
本発明の復号装置および復号方法、並びにプログラムにおいては、符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則が同時に適応されてトレリス符号が検出され、検出された符号が復号される。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0063】
図2は、本発明を適応した記録再生装置における、デジタル信号処理回路のブロック図を示す。なお、従来の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する(以下、同様)。すなわち、図2の記録再生装置は、符号化部1に代わって符号化部31が設けられ、符号検出部6に代わって符号検出部31が設けられている以外は、図1における場合と同様の構成を有している。
【0064】
図3は、符号化部31の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0065】
符号化部31は、非インターリーブ型で構成されている。mビットの入力データは、m/n符号化部41において、nTsの時間間隔でnビットの記録符号に変換され、並列/直列変換部42に入力される。ここで、Tsはシステムのクロック時間間隔である。並列/直列変換部42は、入力された記録符号を、Tsの時間間隔の1ビットの記録符号に変換し、図2のA/D変換部2に出力する。
【0066】
図3を用いて説明した符号化部31の構成は、従来のTCPR4変調方式以外の、他の変調方式において用いられる、非インターリーブ型の一般的な符号化回路である。すなわち、本発明を適応した記録再生装置においては、TCPR4変調方式において、非インターリーブ型の符号化回路と同様の構成を有する符号化部31が用いられている点に特徴がある。TCPR4変調方式とは、換言すれば、トレリス符号化変調方式と、(1−D2)のISI規則(符号間干渉規則;Inter-Symbol-Interference Rule)とを組み合わせた変調方式である。
【0067】
このような非インターリーブ型の符号化部31から出力された記録符号は、図1を用いて説明した場合と同様にして、D/A変換部2で記録矩形波に変換され、記録再生部3で、図示しない記録媒体に記録される。
【0068】
そして、記録再生部3により読み出された、記録媒体に記録されている信号は、図1を用いて説明した場合と同様にして、アナログ等化部4で、所定の目標等化特性に等化され、A/D変換部5で、aビットに量子化されたデジタルの等化信号に変換されて、符号検出部32に出力される。
【0069】
図4は、符号検出部32の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0070】
符号検出部32は、非デインターリーブ型で構成されている。aビットに量子化された等化信号は、符号検出部51において、nビット符号に変換される。すなわち符号が検出される。そして、検出符号は、ラッチ52によって同期されて、復号部7に出力される。
【0071】
図4に示されるように、本発明を適応した符号検出部32においては、符号検出部51は、唯1つだけでよい。このような構成は、図3を用いて説明した符号化部31と同様に、従来のTCPR4変調方式以外の、他の変調方式において用いられる、非デインターリーブ型の一般的な符号検出回路である。すなわち、本発明を適応した記録再生装置においては、TCPR4変調方式において、従来ではTCPR4変調方式以外の他の変調方式において用いられていた、非デインターリーブ型の符号検出回路と同様の構成を有する符号検出部32が用いられている点に特徴がある。
【0072】
符号検出部32から出力された検出符号は、図1を用いて説明した場合と同様にして、復号部7で、n:mの比で復号され、出力データとして出力される。
【0073】
図2乃至図4を用いて説明した記録再生装置において用いられる符号のDSV、あるいはA−DSVは、トレリス符号検出器を簡単にするためには、出来るだけ小さい方が良いが、どのような値でもかまわない。また、この記録再生装置には、NRZ(Non-return to zero:非ゼロ復帰)変調、およびNRZI(Non Return to Zero Inverted(Non Return to Zero on one):非ゼロ復帰逆転)変調の、いずれの変調方式も適応可能である。ここでは、DSV=8のNRZI変調用の24/27変換符号を用いるものとして説明する。従って、図3および図4におけるnの値は、n=27である。
【0074】
図5に、符号のDSVを8に制限する、NRZI変調を前提とした符号生成のための8状態の状態遷移図を示す。
【0075】
符号には、図5に示される状態遷移図において、状態2および3を始点として、状態4および5を終点とする24/27変換符号と、状態4および5を始点として、状態2および3を終点とする24/27変換符号とを交互に用いた。
【0076】
この状態遷移図によると、シンボル0が最も続く場合が、状態が7,5,3,1,2,4,6,8と遷移した場合であり、Tmax=7Tである。
【0077】
この符号化方法は、符号の最尤検出時に推定符号の確定ができない可能性のある符号系列、すなわち、準破壊的符号系列QCS(Quasi−catastrophic sequence)を除去すると同時に、高符号化率の24/27符号を12/13変換符号と12/14変換符号とに分割して符号化、および復号することが可能であるため、数千ゲート程度の実用的な回路規模で、符号化部、および復号部を構成することができる。
【0078】
なお、この符号化方法の詳細は、本願発明者による特開平11−186917号公報、および、M.Noda, "High-Rate Matched Spectral Null code," IEEE Trans. on Magn., vol.34, No.4, pp. 1946-1948, July 1998の論文に開示されている。ただし、これらに開示されている技術においては、符号を1ビット毎にインターリーブして使用していたが、本発明を適応した記録再生装置においては、図3を用いて説明したように、この符号をインターリーブせずに用いている。従って、この符号のTmaxは、7Tとすることができる。
【0079】
図6は、図4を用いて説明した符号検出部32の符号検出部51において用いられる、チャネルクロックを基準とした、2時刻分(2T)の16状態トレリス線図である。図5を用いて説明した状態遷移図を用いて、符号を1ビット毎にインターリーブして使用する場合、トレリス線図は、後述するように8状態となるが、本発明を適応した記録再生装置においては、インターリーブを行わないので、トレリス線図は、16状態となる。
【0080】
図6において、白抜きもしくは黒塗りで示される各状態は、NRZI変調後の記録符号の正負の極性を示し、円形もしくは四角形で示される各状態は、1ビット前のNRZI変調後の記録符号の正負の極性を示し、それぞれ、1つのRDS値に対して、1状態ずつ割り当てられている。また、それぞれの状態から出力される実線および点線は、NRZI変調前の符号が1であったか、0であったかを、それぞれ示している。
【0081】
図6に示されるトレリス線図は、符号のDSVの制約条件と、3ビット分の符号間干渉とが考慮されたトレリス線図であり、その最小2乗ユークリッド距離は4である。ただし、このトレリス線図は、2時刻分の基本繰り返し単位であり、実際の装置においては、このトレリス線図が繰り返し用いられる。
【0082】
なお、図6においては、QCSが除去されている様子が特に示されていないが、実際には、上述した符号の状態遷移規則に従って、その検出時刻に依存して、トレリス線図中の状態の一部が削除されることにより、QCSが除去される。
【0083】
図7は、DSV=8のNRZI変調用の24/27変換符号を用いる場合、すなわち、図6を用いて説明した16状態のトレリス線図を用いて符号を検出するようになされている、図4を用いて説明した符号検出部32の符号検出部51の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0084】
aビットに量子化された等化信号は、2系統に分岐され、同期符号検出部61および遅延部62に入力される。同期符号検出部61は、トレリス線図の中で各時点の各状態毎に、メトリック最小のパスを求めて最尤復号を行う、一般的なビタビ検出法を用いて符号検出を行い、同期符号が検出されたか否かを示す1ビットのリセット信号を時刻カウンタ63に出力する。
【0085】
時刻カウンタ63は、同期符号検出部61から入力されるリセット信号に従ってリセットされる1乃至54の6ビット時刻情報を16状態トレリス符号検出部64に出力する。ただし、時刻カウンタ63が、符号後のビット数27に対して、その倍の54までカウントを実行しているのは、この符号が、上述したように、1符号毎に異なる変換を実行しているためである。
【0086】
そして、遅延部62は、aビットに量子化された等化信号の入力を受け、同期符号検出部61から出力されるリセット信号との位相が一致するように、等化信号を遅延させ、aビットの遅延等化信号を16状態トレリス符号検出部64に出力する。
【0087】
16状態トレリス符号検出部64は、遅延等化信号および時刻情報の入力を受け、符号検出を実行し、27ビットの検出符号を出力する。図8は、16状態トレリス符号検出部64の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0088】
時刻カウンタ63から入力される6ビットの時刻情報は、分配器71およびバスメモリ73に入力される。遅延部62から入力されるaビットの遅延等化情報は、ACS(add, compare and select)回路72−1乃至72−16に入力される。
【0089】
また、ここで、メトリック計算のためのブランチメトリックのみを予め計算しておき、そのブランチメトリックをACS回路72−1乃至72−16に入力するようにしても良い。
【0090】
分配器71は、入力された時刻情報と、図6を用いて説明した16状態のトレリス線図に基づいて、ACS回路72−1乃至72−16に入力される2つのメトリックの各パスが切れているか否かを示す16種類の2ビット時変情報を生成するとともに、bビットに量子化された16個の前時刻のメトリックの中から、ACS回路72−1乃至72−16のそれぞれにつき2つの適切なメトリックを選択し、ACS回路72−1乃至72−16に出力する。従って、分配器71は、合計で16×(2b+2)ビットの情報を出力する。
【0091】
ACS回路72−1乃至72−16は、全て同一の回路構成を有している。ACS回路72−1乃至72−16は、加算、比較、および選択の各演算処理を行うことにより、現時刻のメトリックを分配器71に帰還させるとともに、生き残りパスを示す1ビットの状態アドレスとをそれぞれバスメモリ73に出力する。
【0092】
1ビットの状態アドレスの入力を受けたバスメモリ73は、これらのアドレス情報、時刻カウンタ63から入力された6ビットの時刻情報、および、図6を用いて説明した16状態のトレリス線図に基づいて、正しいパスを選択し、最も尤度の高い27ビットの検出符号を出力する。
【0093】
以上説明したように、図2乃至図8を用いて説明した記録再生装置においては、図6に示される16状態トレリス線図を用いて、非インターリーブ、および非デインターリーブ型を適応して、TCPR4変調方式を実現することができるので、Tmaxの値を増やすことがない。
【0094】
次に、図9のフローチャートを参照して、復号処理について説明する。
【0095】
ステップS1において、同期符号検出部61および遅延部62は、aビットに量子化された等化信号の入力を受ける。
【0096】
ステップS2において、同期符号検出部61は、トレリス線図の中で各時点の各状態毎に、メトリック最小のパスを求めて最尤復号を行う、一般的なビタビ検出法を用いて符号検出を行い、同期符号が検出されたか否かを示す1ビットのリセット信号を時刻カウンタ63に出力する。
【0097】
ステップS3において、時刻カウンタ63は、同期符号検出部61から入力されるリセット信号に従ってリセットされる1乃至54の6ビット時刻情報を16状態トレリス符号検出部64に出力する。時刻カウンタ63は、同期符号検出部61から入力されるリセット信号に従ってリセットされる1乃至54の6ビット時刻情報を16状態トレリス符号検出部64に出力する。ただし、時刻カウンタ63は、この符号が、1符号毎に異なる変換を実行しているため、符号後のビット数27に対して、その倍の54までカウントを実行する。
【0098】
ステップS4において、遅延部62は、ステップS1において入力された、aビットに量子化された等化信号が、同期符号検出部61から出力されるリセット信号との位相が一致するように、等化信号を遅延させ、aビットの遅延等化信号を16状態トレリス符号検出部64に出力する。
【0099】
ステップS5において、16状態トレリス符号検出部64は、遅延等化信号および時刻情報の入力を受け、図8を用いて説明したように、符号検出を実行し、27ビットの検出符号を、ラッチ52に出力する。
【0100】
ステップS6において、ラッチ52は、入力された検出符号を同期して、復号部7に出力する。
【0101】
ステップS7において、復号部7は、入力された検出符号をn:mの比で復号し、出力データを生成して出力し、処理が終了される。
【0102】
図2乃至図9を用いて、本発明を適応した、TCPR4用の非インターリーブ、および非デインターリーブ型の記録再生装置について説明したが、続いて、比較例として、TCPR4用インターリーブおよびデインターリーブ型の記録再生装置について説明する。
【0103】
図10は、比較例において、図3を用いて説明した符号化部31に代わって用いられる、インターリーブ型の符号化部の構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
mビットの入力データは、m/n符号化部41に入力されて、nTsの時間間隔でnビットの記録符号に変換される。m/n符号化部41から出力されるnビットの符号は、2系列に分岐され、一方の系列は、ラッチ81において、nTsの時間間隔で遅延された後、ラッチ82において、2nTsの時間間隔で遅延され、1ビットインターリーバ84に出力される。そして、他方の系列は、ラッチ83において、2nTsの時間間隔で遅延され、1ビットインターリーバ84に出力される。
【0105】
この2系統のnビットの符号は、1ビットインターリーバ84に入力され、1ビット毎にインターリーブされた後、図1を用いて説明したD/A変換部2に出力される。
【0106】
図10を用いて説明した構成の符号化部は、TCPR4変調方式を用いる場合において、一般的に用いられるものである。換言すれば、図1を用いて説明した従来の記録再生装置において、TCPR4変調方式を用いる場合の符号化部1は、図10を用いて説明した構成である。また、その詳細は、例えば、J.W.Rae, et al. , IEEE Trans. on Magn. , vol.31, No.2, pp.1208-1214, Mar. 1995の論文などに開示されている。
【0107】
図11は、比較例において、図4を用いて説明した符号検出部32に代わって用いられる符号検出部の構成の一例を示すブロック図である。
【0108】
入力されたaビットの等化信号は、aビットデインターリーバ91に入力され、デインターリーブされ、2系統に分岐される、2系統のうちの一方は、符号検出部92−1に入力され、他方は、符号検出部92−2に入力されて、それぞれ、2nTsの時間間隔で符号検出される。符号検出部92−1および符号検出部92−2で検出されたnビットの検出符号は、nビットインターリーバ93に入力され、nTsの時間間隔でnビットずつインターリーブされて、復号部7に出力される。
【0109】
以下、符号検出部92−1および符号検出部92−2を個々に区別する必要がない場合、単に符号検出部92と総称する。
【0110】
図11を用いて説明したように、インターリーブされて生成された符号を検出する場合には、符号検出部92が2つ必要である。符号検出部92は、それぞれ、1−Dの特性を有するダイコードチャネル用MSN符号のためのトレリス検出器である。入力される等化信号が、1ビット毎にデインターリーブされながら符号検出されることにより、図11に示される符号検出部は、全体として、1−D2のPR4チャネル用MSN符号の検出回路を構成する。
【0111】
図11を用いて説明した構成の符号検出部は、TCPR4変調方式を用いる場合において、一般的に用いられるものである。換言すれば、図1を用いて説明した従来の記録再生装置において、TCPR4変調方式を用いる場合の符号検出部6は、図11を用いて説明した構成である。また、その詳細は、図10を用いて説明した構成の符号化部と同様に、例えば、J.W.Rae, et al. , IEEE Trans. on Magn. , vol.31, No.2, pp.1208-1214, Mar. 1995の論文などに開示されている。
【0112】
図12は、図11の符号検出部92において用いられる2時刻分の8状態トレリス線図である。
【0113】
図12において、白抜きもしくは黒塗りで示される各状態は、NRZI変調後の記録符号の正負の極性を示し、1つのRDS値に対して、それぞれ1状態ずつ割り当てられている。
【0114】
図12に示されるトレリス線図は、符号のDSVの制約条件と、2ビット分の符号間干渉とが考慮されたトレリス線図であり、その最小2乗ユークリッド距離は、図6を用いて説明した16状態のトレリス線図の場合と同様に4である。ただし、このトレリス線図は、図6を用いて説明した場合と同様に、2時刻分の基本繰り返し単位であり、実際の装置においては、このトレリス線図が繰り返し用いられる。
【0115】
なお、図12においても、QCSが除去されている様子が特に示されていないが、実際には、上述した符号の状態遷移規則に従って、その検出時刻に依存して、トレリス線図中の状態の一部が削除されることにより、QCSが除去される。
【0116】
図13は、比較例において、図12を用いて説明した8状態のトレリス線図を用いて符号を検出するようになされている、図11を用いて説明した符号検出部の符号検出部92の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0117】
aビットに量子化された等化信号は、同期符号検出部101および遅延部102に入力される。同期符号検出部101は、一般的なビタビ検出法を用いて符号検出を行い、同期符号が検出されたか否かを示す1ビットのリセット信号を時刻カウンタ103に出力する。
【0118】
時刻カウンタ103は、同期符号検出部101から入力されるリセット信号に従ってリセットされる1乃至54の6ビット時刻情報を8状態トレリス符号検出部104に出力する。
【0119】
そして、遅延部102は、aビットに量子化された等化信号の入力を受け、同期符号検出部101から出力されるリセット信号との位相が一致するように、等化信号を遅延させ、aビットの遅延等化信号を8状態トレリス符号検出部104に出力する。
【0120】
8状態トレリス符号検出部104は、遅延等化信号および時刻情報の入力を受け、符号検出を実行し、27ビットの検出符号を出力する。図14は、8状態トレリス符号検出部104の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0121】
時刻カウンタ103から入力される6ビットの時刻情報は、分配器111およびバスメモリ113に入力される。遅延部102から入力されるaビットの遅延等化情報は、ACS回路112−1乃至112−8に入力される。
【0122】
また、ここで、メトリック計算のためのブランチメトリックのみを予め計算しておき、そのブランチメトリックをACS回路112−1乃至112−8に入力するようにしても良い。
【0123】
分配器111は、入力された時刻情報と、図12を用いて説明した8状態のトレリス線図に基づいて、ACS回路112−1乃至112−8に入力される2つのメトリックの各パスが切れているか否かを示す8種類の2ビット時変情報を生成するとともに、bビットに量子化された8個の前時刻のメトリックの中から、ACS回路112−1乃至112−8のそれぞれにつき2つの適切なメトリックを選択し、ACS回路112−1乃至112−8に出力する。従って、分配器111は、合計で8×(2b+2)ビットの情報を出力する。
【0124】
ACS回路112−1乃至112−8は、全て同一の回路構成を有している。ACS回路112−1乃至112−8は、加算、比較、および選択の各演算処理を行うことにより、現時刻のメトリックを分配器111に帰還させるとともに、生き残りパスを示す1ビットの状態アドレスとをそれぞれバスメモリ113に出力する。
【0125】
1ビットの状態アドレスの入力を受けたバスメモリ113は、これらのアドレス情報、時刻カウンタ103から入力された6ビットの時刻情報、および、図12を用いて説明した8状態のトレリス線図に基づいて、正しいパスを選択し、最も尤度の高い27ビットの検出符号を出力する。
【0126】
次に、図2乃至図8を用いて説明した本発明を適応した記録再生装置、および、図10乃至図14を用いて説明した比較例の記録再生装置の性能を比較する。
【0127】
両方の記録再生装置を用いて、100万ビットのランダムデータをそれぞれ符号化した。次に、この符号を、本発明を適応した記録再生装置においては、1/(1−D)処理に相当するNRZI変調を行った後、1−D2のPR4等化処理を行い、比較例の記録再生装置においては、1/(1−D2)処理に相当するインターリーブドNRZI変調を行った後、1−D2のPR4等化処理を行い、それぞれ白色雑音を付加した。
【0128】
そして、それぞれのPR4等化信号について、図4、図7、および図8を用いて説明した本願発明を適応した符号検出部32と、図11、図13、および図14を用いて説明した符号検出部を用いて、トレリス符号検出を実行し、それぞれのビットエラーレートを測定した。
【0129】
図15を参照して、本発明を適応した記録再生装置、および、比較例の記録再生装置における、信号対雑音比と、ビットエラーレートとの関係について説明する。
【0130】
図15において、縦軸は、対数で表されるビットエラーレートであり、横軸は、信号対雑音比である。図中黒丸でポイントされているグラフが、本発明を適応した記録再生装置の測定結果であり、図中白丸でポイントされているグラフが、比較例の記録再生装置の測定結果である。
【0131】
本発明を適応した場合、比較例と比較して、信号対雑音比でわずかに0.1dB程度劣っている。これは、本発明を適応した場合、比較例と比較して、最小2乗ユークリッド距離はいずれも4で同一であるが、状態数が8から16に増加しているため、最小2乗ユークリッド距離のエラーが発生する確率が、わずかながら増大しているためであると推定される。しかしながら、このように、本発明を適応した符号検出法のエラーレートの劣化は、ごく僅かであるので、ほぼ同等のエラーレートとみなしても良いため、実使用上問題はない。
【0132】
このように、本発明を適応した符号検出方法を用いた場合、従来利用されてきたインターリーブおよびデインターリーブ型を用いる場合と比較して、エラーレートを殆ど劣化させることなく、使用するトレリス符号のTmaxを、2xからxに減少させる、すなわち、従来の1/2にすることができる。本実施の形態においては、x=7Tであったので、使用するトレリス符号のTmaxは、14Tから7Tに減少される。
【0133】
このため、トレリス検出の状態数は、従来においてy状態であった場合、本発明においては2yの状態数が必要となり、従来の2倍の状態数となってしまう。しかしながら、トレリス検出部は2個から1個に減少する。そのため、トレリス検出に必要な回路規模は、いずれもおよそ2yに比例することになり、殆ど変わらない。すなわち、本発明を適応した記録再生装置の符号検出部32は、比較例の符号検出部と、ほぼ同等の回路規模で実現することが可能である。本実施の形態においては、y=8であったので、状態数は、16状態となるが、トレリス検出に必要な回路規模は、従来における場合と同等である。
【0134】
なお、図5を用いて説明した状態遷移図において、符号の0と1とを全て逆にすると、NRZI変調を前提として、A−DSV=8の制限を与える状態遷移図となる。本発明においては、このような、A−DSVを有限に制限した符号を用いて、それに対応したトレリス線図を生成することにより、符号検出を行うことも可能である。
【0135】
DSV、もしくはA−DSVのうち、いずれを有限に制限しても、PR4等化された信号において符号検出を行うためのトレリス線図における最小2乗ユークリッド距離は4であるため、符号検出部においては、ほぼ同等のビットエラーレートを得ることができる。
【0136】
例えば、A−DSV=10の制限を加え、本実施の形態と同様に、24/27変換符号を、12/13変換符号と12/14変換符号とに分割して構成すると、Tmax=8T、かつ、NRZIデータ1の最大連続数9のPR4チャネル用トレリス符号を構成することができる。
【0137】
すなわち、符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出を実行するにあたって、本発明が適応された場合、再生信号に対してパーシャルレスポンスクラIV等化が実行され、かつ、符号スペクトルの直流成分、もしくはナイキスト周波数成分の、いずれか一方のスペクトラルヌルの符号化規則と、3ビット分の符号間干渉規則との、両方の規則を含むトレリス線図が用いられて符号検出が行われるものである。
【0138】
また、ここでは、符号検出に用いられるトレリス線図が、DSV、もしくはA−DSVの制限数に対して2倍の状態数を有する場合について説明したが、状態数は、制限数Nに対して、2N以上のいかなる値をとることも可能である。
【0139】
なお、本発明において用いられる符号は、A−DSVが制限されているよりも、DSVが制限されている方が望ましい。なぜならば、DSVを制限することにより、DSVの値よりも大きなランを発生する符号が除去されるため、A−DSVを、DSVと同じ値に制限した符号を用いる場合よりも、符号のTmaxを短くすることが可能であるためである。
【0140】
また、DVC(Digital Video Cassette recorder)システムにおいて用いられているような位相同期方法、すなわち、再生信号を一旦積分検出した後にPLLを実行し、その後、1−D2処理して、PR4等化信号を再生する方式においても、積分検出信号の高品質化のためには、同様にして、符号のDSVは有限に制限されることが望ましい。
【0141】
また、再生信号の0の連続数の最大値が有限に制限されていないと、符号検出部32において、QCSを発生してしまうとともに、PLLにおいて、フェーズロックがかからなくなるなど、PLLの回路動作が不安定になる恐れがある。
【0142】
これに対して、本発明を適応し、インターリーブを行わずに符号を記録する場合、符号において、NRZIデータの0および1の最大連続数を、いずれも有限に制限することにより、PR4等化された再生信号の0の連続数の最大値を有限に制限することができる。
【0143】
NRZIデータの0の最大連続数を有限に制限することは、Tmaxを有限とすることと等価である。上述したDSV=8に制限した24/27変換符号においては、NRZIデータの1の最大連続数を15に制限することが可能である。
【0144】
なお、比較例のように符号をインターリーブしている場合においては、インターリーブの前のNRZIデータの0の最大連続数を制限することにより、再生信号の0の最大連続数を制限することができるので、NRZIデータの1の最大連続数を制限する必要はない。
【0145】
また、実際に回路化するにあたっては、図8を用いて説明したパスメモリ73のメモリ長を有限とする際の符号検出利得の劣化を防ぐために、一般的には、QCSを予め符号から除去しておくようになされる。
【0146】
このため、本実施の形態においては、符号検出時のNRZIデータの1の連続以外のQCSを除去するために、特に特開平11−186917号公報、および、M.Noda, "High-Rate Matched Spectral Null code," IEEE Trans. on Magn., vol.34, No.4, pp. 1946-1948, July 1998に開示されているQCS除去方法を用いたが、本発明において用いられる符号のQCS削除方法はこの方法に限定されるものではなく、どのような方法を用いて符号のQCSを削除するようにしても良いことはもちろんである。
【0147】
符号のQCSを削除する他の具体的方法としては、例えば、L.Fredrickson, et al., "Improved trellis-coding for partial-response channels," IEEE Trans. on Magn., vol. 31, No.2, pp. 1141-1148, Mar.1995の論文などに開示されている。
【0148】
ただし、符号化率が低い場合は、PR4等化による高周波数帯域の雑音強調が大きくなってしまうため、再生信号のエラーレートが劣化してしまう。従って、本願発明を適応する場合のトレリス符号の符号化率は、8/9以上の、できるだけ高い値であることが望ましい。
【0149】
上述したように、本発明を適応したパーシャルレスポンスクラスIVチャネル用のトレリス符号検出法を用いた場合、エラーレートと回路規模を、従来における場合とほぼ同様としつつ、利用するトレリス符号の最大磁化反転間隔Tmaxを、従来における場合の1/2にすることが可能となる。符号の最大磁化反転間隔Tmaxが小さくなることにより、実際の記録再生装置においては、信号記録再生時のオーバーライト雑音が低減され、PLLが安定するので、その工業的価値は非常に大きい。
【0150】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0151】
この記録媒体は、図16に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク141、光ディスク142、光磁気ディスク143、もしくは半導体メモリ144などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。磁気ディスク141は、フレキシブルディスクを含み、光ディスク142は、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Diskを含み、光磁気ディスク143は、MD(Mini-Disk)(商標)を含む。
【0152】
図16を用いて、パーソナルコンピュータ121について説明する。
【0153】
CPU(Central Processing Unit)131は、入出力インターフェース132および内部バス133を介して、ユーザが、入力部134を用いて入力した各種指令に対応する信号や、ネットワークインターフェース140を介して、他のパーソナルコンピュータが送信した制御信号の入力を受け、入力された信号に基づいた各種処理を実行する。ROM(Read Only Memory)135は、CPU131が使用するプログラムや演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータを格納する。RAM(Random Access Memory)136は、CPU131の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータを格納する。CPU131、ROM135、およびRAM136は、内部バス133により相互に接続されている。
【0154】
内部バス133は、入出力インターフェース132とも接続されている。入力部134は、例えば、キーボード、タッチパッド、ジョグダイヤル、あるいはマウスなどからなり、ユーザがCPU131に各種の指令を入力するとき操作される。表示部137は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などからなり、各種情報をテキスト、あるいはイメージなどで表示する。
【0155】
HDD(hard disk drive)138は、ハードディスクを駆動し、それらにCPU131によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ドライブ139には、必要に応じて磁気ディスク141、光ディスク142、光磁気ディスク143、および半導体メモリ144が装着され、データの授受を行う。
【0156】
ネットワークインターフェース140は、他のパーソナルコンピュータや、パーソナルコンピュータ以外の各種装置と所定のケーブルを用いて有線で、もしくは無線で接続され、それらの機器との情報の授受を行ったり、インターネットを介してウェブサーバにアクセスし、情報の授受を行う。
【0157】
これらの入力部134乃至ネットワークインターフェース140は、入出力インターフェース132および内部バス133を介してCPU131に接続されている。
【0158】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0159】
なお、本発明の符号検出方法は、ごく一般的に知られる雑音白色化法、例えば、ノイズプレディクタと組み合わせて用いても良い。
【0160】
【発明の効果】
本発明のトレリス検出器およびトレリス符号検出方法、並びにプログラムによれば、符号スペクトルの直流成分もしくはナイキスト成分のいずれか一方がスペクトラルヌルとなる符号化規則、および、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則を適応してトレリス符号を検出するようにしたので、エラーレートと回路規模を、従来における場合とほぼ同様としつつ、利用するトレリス符号の最大磁化反転間隔Tmaxを、従来における場合の1/2にすることができる。
【0161】
本発明の復号装置および復号方法、並びにプログラムによれば符号スペクトルの直流成分もしくはナイキスト成分のいずれか一方がスペクトラルヌルとなる符号化規則、および、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則を適応してトレリス符号を検出し、検出された符号を復号するようにしたので、エラーレートと回路規模を、従来における場合とほぼ同様としつつ、利用するトレリス符号の最大磁化反転間隔Tmaxを、従来における場合の1/2にすることができ、信号記録再生時のオーバーライト雑音の低減やPLLの安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明を適応した記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2の符号化部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】 図2の符号検出部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明で用いられる8状態の状態遷移図について説明するための図である。
【図6】 本発明で用いられる16状態のトレリス線図について説明するための図である。
【図7】 図4の符号検出部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】 図7の16状態トレリス符号検出部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】 復号処理について説明するためのフローチャートである。
【図10】 比較例であるインターリーブ型の符号化部の構成を示すブロック図である。
【図11】 比較例であるデインターリーブ型の符号検出部の構成を示すブロック図である。
【図12】 比較例において用いられる8状態のトレリス線図について説明するためのブロック図である。
【図13】 図11の符号検出部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】 図13の8状態トレリス符号検出部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図15】 本発明を適応した符号検出部と比較例である符号検出部とにおけるビットエラーレートと信号雑音比との関係について説明するための図である。
【図16】 パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
31 符号化部, 32 符号検出部, 41 m/n符号化部, 42 並列/直列変換部, 51 符号検出部, 52 ラッチ, 61 同期符号検出部, 62 遅延部, 63 時刻カウンタ, 64 16状態トレリス符号検出部, 71 分配器, 72 ACS, 73 バスメモリ

Claims (18)

  1. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出器において、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出部
    を備えることを特徴とするトレリス符号検出器。
  2. 前記符号検出部は、前記直流成分のスペクトラルヌルの符号化規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を適応させたトレリス線図を用いて符号検出を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレリス検出器。
  3. 前記符号は、非ゼロ復帰逆転変調前の値が1である前記信号の連続数が有限の値に制限されている符号の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレリス検出器。
  4. 前記符号は、符号化率が8/9以上である符号の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレリス検出器。
  5. 前記符号は、インターリーブ処理されていない状態の符号列である
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレリス検出器。
  6. 前記符号は、少なくとも符号系列の累積直流電荷の振幅、もしくは、累積交流電荷の振幅のうちのいずれかが所定の値n(nは2以上の整数)に制限されており、
    前記符号検出部は、2n以上の状態数を有し、2n以上の状態数の遷移状態を形成するために、前記状態数と同数のACS回路を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレリス検出器。
  7. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出方法において、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップ
    を含むことを特徴とするトレリス符号検出方法。
  8. 前記符号検出ステップの処理では、前記直流成分のスペクトラルヌルの符号化規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を適応させたトレリス線図を用いて符号検出を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載のトレリス検出方法。
  9. 前記符号は、非ゼロ復帰逆転変調前の値が1である前記信号の連続数が有限の値に制限されている符号の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項7に記載のトレリス検出方法。
  10. 前記符号は、符号化率が8/9以上である符号の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項7に記載のトレリス検出方法。
  11. 前記符号は、インターリーブ処理されていない状態の符号列である
    ことを特徴とする請求項7に記載のトレリス検出方法。
  12. 前記符号は、少なくとも符号系列の累積直流電荷の振幅、
    もしくは、累積交流電荷の振幅のうちのいずれかが所定の値n(nは2以上の整数)に制限されており、
    前記符号検出ステップの処理では、2n以上の状態数の遷移状態を形成するために、前記状態数と同数の演算ステップを含む
    ことを特徴とする請求項7に記載のトレリス検出方法。
  13. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出器用のプログラムであって、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則、および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップ
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  14. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行うトレリス符号検出器を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップ
    を含むことを特徴とするプログラム。
  15. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行う復号装置において、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出部と、
    前記符号検出部により検出された前記符号を復号する復号部と
    を備えることを特徴とする復号装置。
  16. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行う復号装置の復号方法において、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップと、
    前記符号検出ステップの処理により検出された前記符号を復号する復号ステップと
    を含むことを特徴とする復号方法。
  17. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行う復号装置用のプログラムであって、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップと、
    前記符号検出ステップの処理により検出された前記符号を復号する復号ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  18. 符号化規則を尤度計算に利用して符号検出を行う復号装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    符号スペクトルの直流成分またはナイキスト成分のいずれか一方のみがスペクトラルヌルとなる符号化規則、パーシャルレスポンスクラスIVの符号間干渉規則および、受信信号をデインターリーブした場合と比較して2倍の状態数となる少なくとも3ビット分の符号間干渉規則を同時に適応してトレリス符号検出を行う符号検出ステップと、
    前記符号検出ステップの処理により検出された前記符号を復号する復号ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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