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JP4021286B2 - Hgf遺伝子からなる医薬 - Google Patents

Hgf遺伝子からなる医薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遺伝子治療などに用いられる医薬に関する。さらに、詳しくはHGF(Hepatocyte Growth Factor)遺伝子からなる医薬、及びHGF遺伝子を含有するリポソームに関する。
【0002】
【従来の技術】
HGFは様々な薬理作用を示す生理活性ペプチドであり、その薬理作用については、例えば実験医学 Vol.10, No.3(増刊)330-339(1992)に記載されている。HGFはその薬理作用から肝硬変治療剤、腎疾患治療剤、上皮細胞増殖促進剤、抗ガン剤、ガン療法用副作用防止剤、肺障害治療剤、胃・十二指腸損傷治療剤、脳神経障害治療剤、免疫抑制副作用防止剤、コラーゲン分解促進剤、軟骨障害治療剤、動脈疾患治療剤、肺繊維症治療剤、肝臓疾患治療剤、血液凝固異常治療剤、血漿低蛋白治療剤、創傷治療剤、神経障害改善薬、造血幹細胞増加剤、育毛促進剤等(特開平 4-18028号公報、特開平 4-49246号公報、EP 492614号公報、特開平 6-25010号公報、WO 93/8821、特開平 6-172207、特開平 7-89869号公報、特開平 6-40934号公報、WO 94/2165、特開平 6-40935号公報、特開平 6-56692号公報、特開平 7-41429号公報、WO 93/3061、特開平 5-213721等)として有用である。
【0003】
遺伝子治療に関しては、アデノシン・デアミナーゼ欠損症、AIDS遺伝子治療、癌遺伝子治療、嚢胞性繊維症性遺伝子治療、血友病遺伝子治療等について現在活発な開発研究が国際的になされている。
しかし、HGF遺伝子を用いた遺伝子治療についてはまだ知られておらず、また遺伝子治療が可能であるかについても不明であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
HGFは血中半減期の短い薬物の1つである。従って、局所における持続的な投与が望まれていた。
また、HGFは多種多様の薬理作用を有することから、種々の治療剤としての開発が期待されている反面、その多種多様の薬理作用から全身的な投与では副作用が問題となることもありうる。また、HGFそのものを静脈内に投与すれば、かなりのHGFが肝臓に滞留するため、治療目的の臓器に到達する量が少なくなるという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は、
(1)HGF遺伝子からなる医薬、
(2)HGF遺伝子を含有するリポソーム、
(3)センダイウイルスと融合させた膜融合リポソームである上記(2)記載のリポソーム、
(4)上記(2)又は(3)記載のリポソームからなる医薬、
(5)動脈疾患治療剤である(1)又は(4)記載の医薬、及び
(6)軟骨傷害治療剤である(1)又は(4)記載の医薬に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される「HGF遺伝子」とは、HGFを発現し得る遺伝子をいい、当該遺伝子には、発現されるポリペプチドがHGFと実質的に同効である限り、その遺伝子配列の一部が欠失又は他の塩基により置換されていたり、他の塩基配列が一部挿入されていたり、5′末端及び/又は3′末端に塩基が結合したような遺伝子も包含される。かかるHGF遺伝子としては、例えば、Nature, 342, 440 (1989) 、特開平5-111383号公報、Biochem. Biophys. Res. Commun. 163, 967 (1989) などに記載のHGF遺伝子が例示され、これらの遺伝子を本発明で使用することができる。
HGF遺伝子は、適当なベクターに組み込んだものを使用する。例えば、後に挙げるウイルスの遺伝子にHGF遺伝子を組み込んだウイルスベクター、又はHGF遺伝子を組み込んだ適当な発現ベクターとして使用する。
【0007】
本発明における「医薬」とは、HGFの有する薬理作用に基づいたヒトの疾患の治療剤又は予防剤をいい、例えば上記の治療剤又は予防剤が挙げられる。本発明によってHGF遺伝子が細胞に導入された後、該細胞でHGFが発現され、そのHGFが薬理作用を示す。従って、本発明の医薬は、HGFの対象疾患と同様の対象疾患に有効である。
例えば、HGF遺伝子を細胞内に導入した場合、実施例に記載の様に、血管内皮細胞の増殖は促進されるが、血管平滑筋細胞の増殖は促進されない。さらに、実施例に記載のように、ラットを用いた動物実験において、生体内心臓にHGF遺伝子を導入した場合、血管新生が見られる。従って、HGF遺伝子は動脈疾患、特に血管平滑筋細胞の異常な増殖を主体とする障害に起因する各種疾患(例えば、血管拡張術(PTCA)後の再狭窄、動脈硬化症、抹梢循環不全等)の治療・予防、心筋梗塞、心筋症、末梢性血管閉塞症、心不全などの疾患の予防・治療に有用である。なお、HGF自体も、血管内皮細胞の増殖は促進するが、血管平滑筋細胞の増殖を促進せず、同様の治療剤・予防剤として有用であり、HGF遺伝子による効果は、HGF自体の効果に基づくものである。
また、実施例に記載の様に、関節内にHGF遺伝子を導入すると、関節軟骨細胞の修復が促進され、プロテオグリカンを合成する細胞の増殖が促進される。従って、HGF遺伝子は種々の軟骨傷害、例えば骨形成異常症、変形性関節症、変形性椎間板症、骨折の修復・治癒不全、スポーツによる外傷、キーパンチャー病などの疾患の予防、治療に有効である。HGF自体も軟骨細胞の修復・増殖を促進し、同様の治療剤・予防剤として有用であり、HGF遺伝子による効果は、HGF自体の効果に基づくものである。
【0008】
「リポソーム」とは、内部に水層を有する脂質二重層でできた閉鎖小胞体であり、その脂質2分子膜構造は生体膜に極めて近似していることが知られている。本発明のリポソームを製造する際に使用するリン脂質としては、例えばレシチン、リゾレシチン等のホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジル酸等の酸性リン脂質、又はこれらのアシル基をラウロイル基、ミリストイル基、オレオイル基等に置換したリン脂質、ホスファチジル・エタノールアミン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質等などがある。また、コレステロール等を添加することもできる。リポソームは、例えば通常の細胞膜中に存在する脂質など天然の材料から通常知られた方法で製造することができる。本発明のHGF遺伝子を含有するリポソームは、例えば精製したリン脂質の薄膜をHGF遺伝子を含有する溶液に懸濁し、超音波処理等を施して製造することができる。
【0009】
また、本発明のHGF遺伝子を含有するリポソームは、適宜ウイルス等と融合させて膜融合リポソームとしてもよい。その場合、ウイルスを、例えば、紫外線等で不活性化することが好ましい。特に好ましい膜融合リポソームとして、センダウイルス(Hemagglutinating virus of Japan:HVJ)と融合させた膜融合リポソームが挙げられる。この膜融合リポソームは、日経サイエンス、1944年4月号、32-38頁、J. Biol Chem., 266(6), 3361-3364 (1991) 等記載の方法で製造することができ、例えば、紫外線照射等で不活性化した精製HVJとHGF遺伝子ベクターを含有するリポソーム懸濁液とを混合し、緩やかに撹拌した後、結合しなかったHVJをショ糖密度勾配遠心法で除去することにより、HVJ融合リポソーム(HVJ−リポソーム)を調製することができる。また、リポソームに、標的細胞に親和性を有するものを結合させて細胞への遺伝子導入効率を上げることができる。標的細胞に親和性を有するものとしては、例えば、抗体、レセプター等のリガンド等が挙げられる。
【0010】
HGF遺伝子の細胞内への導入方法としては、ウイルスベクターによるもの、及びその他のものに大別される(日経サイエンス、1994年4月号、20-45頁、月刊薬事、36(1),23-48 (1994) 、及びこれらの引用文献等)。本発明の医薬においてはいずれの方法も適用することができる。
ウイルスベクターによる導入方法としては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、シンビス他のRNAウイルス等にHGF遺伝子を組み込んで導入する方法が挙げられる。この中で、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス等を用いた方法が特に好ましい。
その他の導入方法としては、リポソーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられ、リポソーム法が特に好ましい。
【0011】
また、HGF遺伝子を実際に医薬として作用させるには、HGF遺伝子を直接体内に導入するIn Vivo法、及びヒトからある種の細胞を採取し体外でHGF遺伝子を該細胞に導入しその細胞を体内に戻すEx Vivo法がある(日経サイエンス, 1994年4月号, 20-45頁、月刊薬事, 36(1), 23-48 (1994) 、及びこれらの引用文献等)。本発明の医薬においては治療目的の疾患、標的臓器等に応じて、適宜いずれかの方法を選択して適用することができる。
In Vivo法は、Ex Vivo法に比べて費用と手間が少なく、また簡便である。Ex Vivo法は、HGF遺伝子の細胞内導入の効率がよい。
【0012】
本発明の医薬において、In Vivo 法により投与する場合は治療目的の疾患、標的臓器等に応じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与するか、又は腎臓、肝臓、肺、脳、神経等の疾患の対象部位に直接投与することができる。疾患部位に直接投与すれば、臓器選択的に治療することができる。例えば、「PTCA後の再狭窄」に対する遺伝子を用いる治療では、動脈内に投与することで実施でき(実験医学、12 (15増刊), 1298-1933 (1994))、好ましくはPTCAにおけるバルーンの先に本発明の医薬をつけて、血管にこすりつければそのまま血管内皮細胞及び血管平滑筋細胞に導入することも可能である。
【0013】
また、Ex Vivo法による場合には、常法に準じ、ヒトの細胞(例えば、リンパ球、造血幹細胞等)を採取し、それに本発明の医薬を感作させて遺伝子導入を行った後、HGF産生細胞をヒトへ戻すことが行われる。
In Vivo法により投与する場合は、種々の製剤形態(例えば、液剤等)をとりうるが、一般的には有効成分であるHGF遺伝子を含有する注射剤等とされる。また、必要に応じて、慣用の担体を加えてもよい。当該注射剤等は常法により調製することができ、例えば、HGF遺伝子を適切な溶剤(例えば、滅菌された水、緩衝液、生理食塩水等)に溶解した後、フィルター等で濾過して滅菌し、次いで無菌的な容器に充填することにより調製することができ、またHGF遺伝子に代え、HGF遺伝子を組み込んだウイルスベクターを製剤化してもよい。さらに、HGF遺伝子を包埋したリポソーム(又はHJV−リポソーム)においては、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍結剤などのリポソーム製剤の形態とすることができる。
製剤中のHGF遺伝子の含量は、治療目的の疾患、標的臓器、患者の年齢、体重などにより適宜調製することができるが、通常HGF遺伝子として0.0001mg〜 100mg、好ましくは0.001mg〜10mgであり、これを数日ないし数月に1回投与するのが適当である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、使用した実験材料及び方法の概要は以下のとおりである。
【0015】
実験材料及び方法
(1) HGF発現ベクター
HGF発現ベクターの調製は、pUC−SRα発現ベクター(FEBS, 333, 61-66 (1993))のEco RIとNot Iサイトの間にヒトHGF cDNA(2.2kb :Biochem. Biophys. Res. Commun.,172, 321-327 (1990);日本特許公開平5-111383)を挿入することにより行なった。このプラスミドベクターにおいて、HGF cDNAの転写はSRαプロモーターにより制御される(Nature 342, 440-443 (1989))。
【0016】
(2) 細胞培養
ラットの冠動脈内皮細胞は、8週令のスプラギュードウリィ(SD)ラットの心臓を酵素的に消化したものから密度勾配遠心法により単離した(Transplantation 57, 1653-1660 (1994))。ラットの大動脈平滑筋細胞(以下、VSMCという)は、12週令SDラットから酵素処理により得た(J. Clin. Invest., 93, 355-360 (1994))。これらの細胞は、10%(vol/vol)ウシ胎児血清、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含有するDMEM培地で維持した。細胞は、37℃、95%空気−5%CO2の加湿雰囲気中、2日ごとに培地を交換してインキュベートした。これらの細胞は、免疫組織学的及び形態的観察により、それぞれ内皮細胞及び平滑筋細胞であることが示された。
ヒト大動脈内皮細胞(5代継代)及びヒトVSMC(5代継代)は、クラボ社より入手したものを用い、上記と同様な方法で、5%ウシ胎児血清、上皮成長因子(10ng/ml)、塩基性繊維芽細胞成長因子(2ng/ml)及びデキサメサゾン(1μM)を含有するMCDB131培地で培養した。
なお、静止期の内皮細胞は、J. Clin. Invest. 86, 1690-1697 (1990) ; ibid. 94, 824-829 (1994) に従って調製した。
【0017】
(3) HVJ−リポソームの In Vitro 遺伝子導入
感作される内皮細胞又はVSMCは、108個を6ウエルプレートに播種し、80%コンフルエンスまで増殖させた。細胞は、2mM塩化カルシウムを含む平衡塩類溶液(137mM NaCl, 5.4mM KCl, 10mM Tris-HCl, pH7.6、以下「BSS」という)で3回洗浄し、実施例1で得たHVJ−リポソーム−DNA(2.5 mgの脂質及び10μgの包埋DNA含有)の溶液1ml又は比較例1で得たHVJ−リポソーム−contの溶液1mlを加え、4℃で5分間、さらに37℃で30分間インキュベートした。細胞は洗浄し、10%ウシ血清を含む新鮮培地中、CO2インキュベーターで維持した。
【0018】
(4) 内皮細胞及びVSMCH中のHGF濃度の測定
感作される内皮細胞及びVSMCが産生するHGF濃度の測定はELISA法で行なった。即ち、ラット又はヒトの内皮細胞又はVSMCは6ウエルプレート(コーニング社製)に5×104細胞/cm2の細胞密度で播種し、24時間培養した。感作後24時間して、培地を交換し更に48時間培養した。HGFの放出を検討するため、感作された細胞(感作48時間後)は洗浄し、インスリン(5×10-7M)、トランスフェリン(5μg/ml)及びアスコルベート(0.2mM)を含有する無血清培地1mlに加えた。24時間後、培養培地を集め、600gで10分間遠心し、−20℃で保存した。
培地中のHGF濃度は、抗ラットHGF抗体又は抗ヒトHGF抗体を用いた酵素免疫法で測定した(Exp. Cell Res. 210, 326-335 (1994) ; Jpn. J. Cancer Res., 83, 1262-1266 (1992))。ウサギ抗ラット又は抗ヒトHGF IgGを、96ウエルプレート(コーニング社製)に4℃で15時間コートした。3%ウシ血清アルブミンを含むPBS(リン酸緩衝食塩液)でブロッキングした後、培養培地を各ウエルに加え、25℃で2時間インキュベートした。ウエルは、0.025%トゥイーンを含むPBS(PBS-トゥイーン)で3回洗浄後、ビオチン化ウサギ抗ラットHGF IgG又は抗ヒトHGF IgGを添加し、25℃で2時間インキュベートした。PBS-トゥイーンで洗浄後、ウエルは西洋ワサビ パーオキシダーゼ結合ストレプトアビジン−ビオチン複合体(PBS-トゥイーン溶液)とインキュベートした。酵素反応は、基質溶液(2.5mM O-フェニレンジアミン、100mM リン酸ナトリウム、50mM クエン酸、0.015%過酸化水素含有)を添加することにより開始した。酵素反応は、1M硫酸を添加することにより停止し、490nmの吸光度を測定した。なお、抗ヒトHGF抗体はヒトHGFとのみ交差反応し、ラットHGFとは反応せず、また抗ラットHGF抗体はラットHGFとのみ交差反応し、ヒトHGFとは反応しない。
【0019】
(5) HGF
使用したヒト及びラット組換HGFは、ヒト又はラットHGF cDNAを含む発現プラスミドで感作されたCHO細胞又はC−127細胞の培養液から精製したものを使用した(Cell, 77, 261-271 (1994) ; J. Clin. Invest. 93, 355-360 (1994))。
【0020】
(6) 統計的解析
全ての実験は少なくとも3回行い、測定値は平均値±標準誤差で示した。測定値の統計的解析は、ダンカン法(Duncan's test)で行った。
【0021】
(7) ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色、アザン(Azan)染色
HGF遺伝子を導入したラットを遺伝子導入後10日に、ヘバリンを加えた生理食塩水を潅流して屠殺し、引き続きPBSで調製した4%パラホルムアルデヒドによる固定を一晩行った。固定後にパラフィン包埋を行って切片を作製し、通常の方法によりHE染色、Azan染色を行った。顕微鏡下にて微小血管数を数えた。
【0022】
実施例1
HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソームの調製
テトラヒドロフランに、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン及びコレステロールを重量比で1:4.8 :2で混合した。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで留去することで、この脂質の混合物(10mg)を容器壁に析出させた。ウシ胸腺から精製したHMG 1 核蛋白(high mobility group 1 nuclear protein)96μgとプラスミドDNA(300μg)のBSS(200μl)溶液と20℃で1時間混合し、次いで上記の脂質に添加した。リポソーム−DNA−HMG 1複合体懸濁液はボルテックスで混合し、3秒間超音波処理をし、30分間撹拌した。
精製したHVJ(Z株)は、使用直前に3分間紫外線照射 (110erg/mm2 sec)で不活性化した。上記で得られたリポソーム懸濁液(0.5 ml, 脂質10mgを含有)とHVJ(20,000 hemagglutinating units)を全液量が4mlとなる様にBSSを加えて、混合した。この混合物を4℃で10分間インキュペートし、さらに37℃で30分間ゆっくりと撹拌した。融合していないHVJは、ショ糖密度勾配遠心法で、HVJ−リポソームから除去した。すなわち、ショ糖密度勾配における上層を集めることで、HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソーム(10μg/mlのHGF発現ベクターを含有する)を得た。以下、HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソームを、HVJ−リポソーム−DNAと称する。
【0023】
実施例2
HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソームのラットへの投与
HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソームの調製は、HMG 1 核蛋白を64μg、プラスミドDNAを200μg用いて、実施例に記載の方法に従って行った。また、リポソーム懸濁液(0.5 ml, 脂質10mgを含有)とHVJ(35,000 hemagglutinating units)を全液量が2mlとなる様にBSSを加えて混合した。
SDラット(400−500g;日本チャールズリバー社より購入)に対しベントバルビタール・ナトリウム塩(0.1ml/100mg)を腹腔内投与して麻酔し、保温して自動呼吸器により呼吸を確保した。ラットに左側開胸術を施し、HVJ−リポソームDNA又はHVJ−リポソーム−cont(20μl)を30Gの注射針を用いて、心尖に直接、慎重に注入した。
【0024】
比較例1
HGF発現ベクターを含有しないHVJ−リポソームの製造
HGF遺伝子を含まないベクターに、実施例1記載の方法と同様の操作を行って、HGF発現ベクターを含有しないHVJ−リポソームの製造した。以下、HGF発現ベクターを含有しないHVJ−リポソームを、HVJ−リポソーム−contと称する。
【0025】
比較例2
ヒトTGF−β発現ベクターを含有するHVJ−リポソームの調製
ヒトTGF−β発現ベクターを用いて、実施例1と同様にしてヒトTGF−β発現ベクターを含有するHVJ−リポソームを調製した。
ここで、ヒトTGF−β発現ベクターとしては、文献?に従って調製されたベクターを用いた。
以下、ヒトTGF−β発現ベクターを含有するHVJ−リポソームを、HVJ−リポソーム−DNA(TGF−β)と称する。
【0026】
試験例1
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞のHGFの発現
HVJ−リポソーム−DNA(リポソーム中のHGF発現ベクター濃度:10μg/ml)を、ラット冠動脈内皮細胞(細胞数:108個)に感作し、HGFの産生量をELISA法で測定した。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを用いて、上記と同様な試験を行った。更に、非感作ラット冠動脈内皮細胞についてもHGF産生量を測定した(無処置群)。その結果を図1に示す(n=6)。図中、HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞群である。
図1に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞は高いレベルでHGFを産生し、分泌した。それに対して、無処置群及びHVJ−リポソーム−contで感作したラット冠動脈内皮細胞群には、実質上、HGF産生は認められなかった。
細胞数で測ってみると、HGF発現群では有意に高い細胞数であった。
【0027】
試験例2
内皮細胞の増殖に対する感作されたHGFの発現ベクターの効果
ヒト内皮細胞にHVJ−リポソーム−contを感作し、外因的に添加した組換ヒトHGFの存在下(1、10及び100ng/ml)又は非存在下に培養し、細胞数の増加率(%)を測定した。その結果を図2(折線グラフ)に示す(n=6)。図中、DSFはHVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞群、HGFは所定濃度の組換ヒトHGFの存在下に培養した群を示す(*:P<0.05, **:P<0.01対DSF)。
図2の折線グラフに示されるように、外因的に添加したHGFにより内皮細胞の増殖は促進されることが明らかになった。
一方、HVJ−リポソーム−DNA(濃度:10μg/ml)を感作した内皮細胞を培養し、細胞数の増加を測定し、増加率(%)を求めた。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞を培養し、細胞数の増加を測定し、増加率(%)を求めた。その結果を図2(棒グラフ)に示す(n=6)。図中、DSFはHVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞群、HGFベクターはHVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞群を示す(**;P<0.01対DSF、#:P<0.05対HGF 100ng/ml)。
図2の棒グラフに示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞の増加率は対照に比べて著しく高く、また外因的に添加したHGFの効果に対しても有意に高いことが明らかになった。
【0028】
更に、上記のHVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞の培養をウサギ抗ヒトHGF抗体の存在下又は非存在下に行ない、細胞数の増加を測定し、増加率(%)を求めた。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞を培養し、同様に細胞数の増加率(%)を求めた。なお、ウサギ抗ヒトHGF抗体は文献(Jpn. J. Cancer Res., 83, 1262-1266 (1992))に記載の方法により精製し、この抗体は10μg/mlの濃度において10ng/mlの生物活性を中和することができる。更に、抗ヒトHGF抗体はヒトHGFとのみ交差反応し、ラットHGFとは反応せず、抗ラットHGF抗体はラットHGFとのみ交差反応し、ヒトHGFとは反応しない。また、正常ウサギ血清IgG(10μg/ml)をコントロールとして用いた。
その結果を図3に示す(n=6)。図中、対照はIgGコントロールの存在下に培養したHVJ−リポソーム−cont感作内皮細胞群;HGFはIgGコントロールの存在下に培養したHVJ−リポソーム−DNA感作内皮細胞群;HGFabはウサギ抗ヒトHGF抗体の存在下に培養したHVJ−リポソーム−DNA感作内皮細胞群を示す。なお、増加率(%)は、対照の増加率を100とした相対%で示した(*:P<0.01対対照、#:P<0.05対HGF)。
図3に示されるように、抗ヒトHGF抗体の存在により、HVJ−リポソーム−DNA感作内皮細胞の増殖は抑制され、対照と同程度の細胞増加率であった。このことより、HGFは、内皮細胞の増殖因子であることが明らかになった。
【0029】
試験例3
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清のラット冠動脈内皮細胞への効果
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清を、静止期にあるラット冠動脈内皮細胞培養系(細胞数:105個)に加え、3日間培養し、当該内皮細胞数の増加を調べた。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清を用いて、同様にして内皮細胞数の増加を調べた。その結果を図4に示す(n=6)。図中、対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清を添加した群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清を添加した群である。
図4に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清を添加した群においては、内皮細胞数の有意な増加がみられた。
【0030】
上記のHVJ−リポソーム−DNA又はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清のHGF濃度を、抗ヒトHGF抗体及び抗ラットHGF抗体を用いたELISA法で測定した。また、非感作のVSMCの培養上清中のHGF濃度も測定した(無処置群)。
抗ヒトHGF抗体を用いた測定結果を図5に、抗ラットHGF抗体を用いた結果を図6に示す(いずれもn=6)。図中、対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清群である。
図5に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清にはHGFが検出され、その値は対照に対して有意に高かった。
また、図6に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清にはラットHGFも検出され、その値は対照に対して有意に高かった。
なお、図5及び図6に示されるように、無処理群及び対照群では培養上清中にELISA法で測定できる程度の量のHGFは存在しなかった。
【0031】
試験例4
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清のラット冠動脈内皮細胞への効果
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を静止期のラット冠動脈内皮細胞培養系(細胞数:105個)に加え、3日間培養し、当該内皮細胞数の増加を調べた。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を用いて、同様にして内皮細胞数の増加を調べた。その結果を図7に示す。図中、AはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群(n=8);BはHVJ−リポソーム−contを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群(n=8);Cは無処置群(n=15)である。
図7に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群においては、内皮細胞数の有意な増加がみられたのに対し、対照群では細胞数は無処置群と同程度であった。(対照群:0.117 ±0.002 , A群:0.148 ±0.03 P<0.01)。
【0032】
次に、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清に抗HGF抗体を加え、上記と同様にして内皮細胞数の増加を調べた。その結果を図8に示す(n=8)。図中、AはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;BはHVJ−リポソーム−contを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;CはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清に抗HGF抗体を添加した群;DはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清にコントロール抗体を添加した群である。
図8のA及びCに示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清の細胞増殖促進活性は、抗HGF抗体を添加により完全に消失した。このことより、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清の細胞増殖促進活性はHGFに起因することが明らかになった。
【0033】
試験例5
HVJ−リポソーム−DNAを感作したヒトVSMCのヒト内皮細胞への効果
ヒトVSMC細胞培養インサート(コースター社製、孔径0.45μm)に播種し、10%ウシ血清を添加したDMEM培地で増殖させた。一方、ヒト内皮細胞は、6ウエルプレートに播種し、10%ウシ血清を添加したDMEM培地で維持した。VSMCが80%コンフルエントになったときに、HVJ−リポソーム−DNA(リポソームの中のDNA含量:10μg)又はHVJ−リポソーム−contと4℃で5分間、次いで37℃で30分間インキュベートした。感作した後、感作VSMCを含むインサートを静止期のヒト内皮細胞を含むウエルに加えた。VSMCと内皮細胞とを、0.5%ウシ血清を含むDMEM培地中で3日間共培養し、WST−細胞数測定キット(ワコー社製)を用いて細胞数の測定を行なった。その結果を図9に示す(n=6)。図中、対照はHVJ−リポソーム−contで感作したVSMCとの共培養群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAで感作したVSMCの培養上清群である。
図9に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAで感作したヒトVSMCは、静止期にある非感作ヒト内皮細胞の増殖を有意に増加させることが明らかになった。
【0034】
試験例6
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCのラット冠動脈内皮細胞への効果
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMC(細胞数:108個)と静止期にあるラット冠動脈内皮細胞(細胞数:105個)とを、3日間共培養し、当該冠動脈内皮細胞の増加数を調べた。また、対照として、HVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCを用いて、同様に共培養して内皮細胞数の増加を調べた。その結果を図10に示す(n=6)。図中、HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMC群、対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMC群である。
図10に示される様に、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCより放出されたHGFにより内皮細胞の増殖が刺激され、細胞数の増加が認められた(対照群:0.126 ±0.006、HGF群:0.156 ±0.01 P<0.05)。
【0035】
試験例7
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの増殖
HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCとHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCをそれぞれ個別に培養し、細胞数の増加を比較検討したが、HVJ−リポソーム−DNAを感作は細胞増殖になんら影響は与えなかった。このことから、HGFにはVSMCに対する細胞増殖促進活性はないことが判明した。
【0036】
試験例8
HVJ−リポソーム−DNAを直接注入したラット心筋における新生血管増生
HVJ−リポソーム−DNAを直接注入したラット心筋、HVJ−リポソーム−contを直接注入したラット心筋及び無処置のラット心筋をHE染色、Azan染色し、検鏡して微小血管数を数えた。その結果を図11に示す。図中、HGFはHVJ−リポソーム−DNAを直接注入したラット心筋の微小血管数、対照はHVJ−リポソーム−contを直接注入したラット心筋の微小血管数である。
図11で示されるように、HVJ−リポソーム−DNAを注入したラット心筋では、HVJ−リポソーム−contを注入したラット心筋及び無処置のラット心筋と比較して、有意に微小血管数が増加した。このことは、内皮細胞増殖作用を持つHGFが生体において血管新生作用を持つことを示している。
【0037】
試験例9
HVJ−リポソーム−DNAを関節内に直接導入することによる関節軟骨の修復
10週齢のフィッシャーラットの大腿骨顆間部に直径1.8mmのキルシュナー鋼線を用い軟骨下骨を貫く損傷を作製した。術後1週の時点で、実施例1で作製したHVJ−リポソーム−DNA(100μl/膝)を直接的に関節内へ導入した。コントロールとして、比較例1で作製したHVJ−リポソーム−contおよび比較例2で作製したHVJ−リポソーム−DNA(TGF−β)を同量関節内に投与した。これらの遺伝子等の導入後1、3、4週でラットを屠殺し、組織学的に修復部位を観察した。
その結果、図12に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAの関節内への投与後3週で修復組織に一部にトルイジンブルー染色にて染色されるプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞の出現を認めることができた。また、図13に示されるように、HVJ−リポソーム−DNAの関節内への投与後4週ではさらにプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞の出現範囲が広がる傾向を認めた。
図14に示されるように、比較例2で作製したHVJ−リポソーム−DNA(TGF−β)の関節内への投与の場合には、投与後4週でこの様な軟骨様細胞の出現は認められなかった。また、図15に示されるように、比較例1で作製したHVJ−リポソーム−contの関節内への投与の場合には、投与後4週でこの様な軟骨様細胞の出現は認められなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の医薬は、HGFそのものの投与に比べ治療効果が持続的であり、また局所選択的に作用させることができるため、HGFの副作用を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、試験例1における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞でのHGFの発現を示す図である。
【図2】図2の折線グラフは、試験例2における、HVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞のHGF存在下又は非存在下における細胞増加率を示す図である。図中、HGFはHVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞群、HGFは所定濃度の組換ヒトHGFの存在下に培養した群を示す。図2の棒グラフは、試験例2における、HVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞の細胞増加率を示す図である。図中、DSFはHVJ−リポソーム−contを感作した内皮細胞群、HGFベクターはHVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞群を示す。
【図3】図3は、試験例2における、抗HGF抗体の存在下又は非存在下におけるHVJ−リポソーム−DNAを感作した内皮細胞の細胞増加率を示す図である。図中、対照はIgGコントロールの存在下に培養したHVJ−リポソーム−cont感作内皮細胞群;HGFはIgGコントロールの存在下に培養したHVJ−リポソーム−DNA感作内皮細胞群;HGFabはウサギ抗ヒトHGF抗体の存在下に培養したHVJ−リポソーム−DNA感作内皮細胞群を示す。なお、増加率(%)は、対照の増加率を100とした相対%で示した。
【図4】図4は、試験例3における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清のラット冠動脈内皮細胞に対する細胞増殖効果を示す図である。図中、対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清を添加した群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清を添加した群である。
【図5】図5は、試験例3における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清のHGF濃度を、抗ヒトHGF抗体を用いて測定した結果を示す図である。図中、無処置は非感作VSMCの培養上清群;対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清群である。
【図6】図6は、試験例3における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清のHGF濃度を、抗ラットHGF抗体を用いて測定した結果を示す図である。図中、無処置は非感作VSMCの培養上清群;対照はHVJ−リポソーム−contを感作したラットVSMCの培養上清群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCの培養上清群である。
【図7】図7は、試験例4における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清のラット冠動脈内皮細胞に対する細胞増殖効果を示す図である。図中、AはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;BはHVJ−リポソーム−contを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;Cは無処置群である。
【図8】図8は、試験例4における、抗HGF抗体の存在下での、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清のラット冠動脈内皮細胞に対する細胞増殖効果を示す図である。図中、AはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット感動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;BはHVJ−リポソーム−contを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清を添加した群;CはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清に抗HGF抗体を添加した群;DはHVJ−リポソーム−DNAを感作したラット冠動脈内皮細胞の培養上清にコントロール抗体を添加した群である。
【図9】図9は、試験例5における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したヒトVSMCと非感作ヒト内皮細胞を共培養したときの内皮細胞の細胞増加を示す図である。図中、対照はHVJ−リポソーム−contで感作したVSMCとの共培養群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAで感作したVSMCの培養上清群である。
【図10】図10は、試験例6における、HVJ−リポソーム−DNAを感作したラットVSMCと非感作ラット冠動脈内皮細胞を共培養したときの内皮細胞の細胞増加を示す図である。図中、対照はHVJ−リポソーム−contで感作したVSMCとの共培養群;HGFはHVJ−リポソーム−DNAで感作したVSMCの培養上清群である。
【図11】図11は、試験例8における、HVJ−リポソーム−DNAを直接注入したラット心筋の微小血管数の増加を示す図である。図中、HGFはHVJ−リポソーム−DNAを直接注入したラット心筋の微小血管数、対照はHVJ−リポソーム−contを直接注入したラット心筋の微小血管数である。
【図12】図12は、試験例9における、HVJ−リポソーム−DNAの関節内への投与後3週でのトルイジンブルー染色にて染色されるプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞の出現を示す図である。
【図13】図13は、試験例9における、HVJ−リポソーム−DNAの関節内への投与後4週でのトルイジンブルー染色にて染色されるプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞の出現を示す図である。
【図14】図14は、試験例9における、比較例2で作製したHVJ−リポソーム−DNA(TGF−β)の関節内への投与後4週でのトルイジンブルー染色にて染色されるプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞が認められないことを示す図である。
【図15】図15は、試験例9における、比較例1で作製したHVJ−リポソーム−contの関節内への投与後4週でのトルイジンブルー染色にて染色されるプロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞が認められないことを示す図である。

Claims (2)

  1. HGF発現ベクターを含有するHVJ−リポソームを有効成分とする、関節内に投与するための医薬であって、軟骨傷害を治療するための医薬。
  2. 関節内に導入された場合に、プロテオグリカンの合成を認める軟骨様細胞の出現を促進する、請求項1の医薬。
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