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JP4018432B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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JP4018432B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁体表面に形成された半導体膜を活性層として作製した半導体装置の作製方法に関する。なお、本明細書において半導体装置とは、トランジスタ、特に電界効果型トランジスタ、代表的にはMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタや薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTと記す)を具備して機能する装置全般を指し、具体的には、その半導体装置を用いて作製された回路を駆動回路や画素部に有する液晶表示装置、該液晶表示装置を表示部に用いた電気器具もその範疇に含まれるとする。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を作成する際、半導体膜や絶縁膜等の薄膜を形成するために、プラズマ化学気相成長(以下、PCVDとする)法が、広く用いられている。PCVD法では、シリコンを含む第一のガスであるSiH4等とシリコンを含まない第二のガスであるN2O、NH3、N2、H2、またはAr等に高周波電力を印加して、或いは、シリコンを含む第一のガスであるTEOS(Si(OC2H5)4:Tetraethylorthosilicate)とシリコンを含まない第二のガスであるO2に高周波電力を印加して、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成する。PCVD法は、試料ガスに高周波電力を印加して、エネルギーの高いプラズマ状態で化学反応を起こす薄膜形成方法であり、ガラスやプラスチック上へも薄膜の形成が可能であることから広い分野で応用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記で示したようなシリコンを含む第一のガスに高周波電力を印加してプラズマを発生させると、数種類のラジカルが存在することが知られている。それらの中にはラジカルとしての寿命が短いものもあり、それが核となり気相中で成長してパーティクル(微粒子)が発生するといわれている。そのため、PCVD法により形成した膜には、これらのパーティクルが膜中に混入して、絶縁耐圧不良(リーク)や特性のバラツキが発生することが問題となっている。
【0004】
近年、サブミクロン・オーダーの微細化技術の開発が極めて重要になってきている。この中で、ゲート絶縁膜の薄膜化が重要な課題となっている。しかし、膜厚が薄くなればなるほど、上記のような絶縁耐圧不良(リーク)や特性のバラツキは、さらに深刻な問題となっていくことは明らかである。
【0005】
本発明は、このようなPCVD法による薄膜の形成方法に関する問題を解決するための技術であり、特に成膜時に発生するパーティクルによる絶縁膜の絶縁耐圧不良(リーク)や特性のバラツキを改善することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、減圧状態を保持可能な反応室内に、シリコンを含む第一のガスと、シリコンを含まない第二のガスとを供給し、第1の電力で放電を発生させて基板上に薄膜を形成する第1の処理と、シリコンを含む第一のガスの供給を止めてシリコンを含まない第二のガスのみ供給を続け、放電を維持したまま、第2の電力を印加する第2の処理とを有している。
【0007】
さらに本発明では、減圧状態を保持可能な反応室内に、シリコンを含む第一のガスと、シリコンを含まない第二のガスとを供給し、第1の電力で放電を発生させて基板上に薄膜を形成する第1の処理と、シリコンを含む第一のガスの供給を止めてシリコンを含まない第二のガスのみ供給を続け、放電を維持したまま、第2の電力を印加して反応室内に存在するパーティクルを排出する第2の処理とを有している。
【0008】
さらに本発明では、減圧状態を保持可能な反応室内に、シリコンを含む第一のガスと、シリコンを含まない第二のガスとを供給し、一定の圧力を保持した状態で、第1の電力で放電を発生させて基板上に薄膜を形成する第1の処理と、シリコンを含む第一のガスの供給を止め、シリコンを含まない第二のガスのみ供給を続け、放電を維持したまま、第1の処理とは異なる圧力条件下にてシリコンを含まない第二のガスのみに第2の電力を印加する第2の処理とを有している。
【0009】
さらに本発明では、減圧状態を保持可能な反応室内に、シリコンを含む第一のガスと、シリコンを含まない第二のガスとを供給し、一定の圧力を保持した状態で、第1の電力で放電を発生させて基板上に薄膜を形成する第1の処理と、シリコンを含む第一のガスの供給を止め、シリコンを含まない第二のガスのみ供給を続け、放電を維持したまま、第1の処理とは異なる圧力条件下にて、第2の電力を印加して反応室内に存在するパーティクルを排出する第2の処理とを有している。
【0010】
上記本発明の構成において、シリコンを含む第一のガスは、SiH4、Si26、またはSi(OC2H5)4から選ばれた一種類を含むものである。シリコンを含まない第二のガスは、N2O、NH3、N2、H2、Ar、またはO2から選ばれた一種類を含むものである。
【0011】
本発明において、放電を発生させるために印加する第2の電力は、第1の電力と同じ電力、または第1の電力よりも低い電力で印加する。
【0012】
また、シリコンを含まない第二のガスに高周波電力を印加するとき、同時に圧力を変化させてもよい。圧力は、電極部の帯電値を弱くする、もしくは0(ゼロ)にする、または正負が反転するように変化させる。その結果、パーティクルが排出されやすくなる。
【0013】
また、シリコンを含まない第二のガスに高周波電力を印加するとき、RFパワーを小さくしても圧力を変化させた時と同様の効果が期待できる。
【0014】
勿論、シリコンを含まない第二のガスに高周波電力を印加するとき、同時に圧力を変化させ、かつ、RFパワーを小さくする事も可能である。
【0015】
このように、シリコンを含む第一のガスとシリコンを含まない第二のガスとを供給し、第1の電力で放電を発生させて目的とする薄膜を形成した後、放電を維持したままシリコンを含む第一のガスのみ供給を遮断し、シリコンを含まない第二のガスのみを供給することで、パーティクルの成長は止まり、しかも減圧状態を保持可能な反応室の気相中に遊離しているパーティクルを反応室外へ排出させることができる。そのため、薄膜へのパーティクルの混入を防ぎ、絶縁耐圧不良(リーク)や特性バラツキの発生を防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
本発明の実施形態について図1を用いて説明する。
【0017】
PCVD法にて絶縁膜を形成する手順は、まず、高周波電源105を有する反応室内において、サセプタ102上に基板101を配置し、シリコンを含む第一のガスであるSiH4等とシリコンを含まない第二のガスであるN2O、NH3、N2、H2、またはAr等を供給し、高周波電力を印加してプラズマ103を発生させる。この時、電極とプラズマ発生領域の間106(以下、シース領域という)にパーティクル104が発生している(図1(a))。絶縁膜108を形成した後、高周波電力を印加したまま、シリコンを含む第一のガスであるSiH4等の供給のみを止め、シース領域106に存在するパーティクル104を排出する(図1(b))。シリコンを含む第一のガスの供給を止めているので、新たにパーティクルが発生することはないため、シース領域106に存在するパーティクル(絶縁膜形成時に発生したパーティクル)を排出することが可能である。その後、高周波電力の印加を止めることで、基板上に落ちてくるパーティクル量を低減することが可能となる(図1(c))。
【0018】
[実施形態2]
本発明の実施形態について図1を用いて説明する。
【0019】
PCVD法にて絶縁膜を形成する手順は、まず、高周波電源105を有する反応室内において、サセプタ102上に基板101を配置し、シリコンを含む第一のガスであるTEOSとシリコンを含まない第二のガスであるO2を供給し、高周波電力を印加してプラズマ103を発生させる。この時、シース領域106にパーティクル104が発生している(図1(a))。絶縁膜108を形成した後、高周波電力を印加したまま、シリコンを含む第一のガスであるTEOSの供給のみを止め、シース領域106に存在するパーティクル104を排出する(図1(b))。シリコンを含む第一のガスの供給を止めているので、新たにパーティクルが発生することはないため、シース領域106に存在するパーティクル(絶縁膜形成時に発生したパーティクル)を排出することが可能である。その後、高周波電力の印加を止めることで、基板上に落ちてくるパーティクル量を低減することが可能となる(図1(c))。
【0020】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例を図2〜図7により説明する。ここでは、同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する方法について詳細に説明する。
【0021】
基板200は、ガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いてもよい。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0022】
次いで、図2(A)に示すように、基板200上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜201を形成する。本実施例では下地膜201として2層構造を用いるが、絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いてもよい。下地膜201の一層目としては、シリコンを含む第一のガスとしてSiH4、シリコンを含まない第二のガスとしてNH3またはN2Oを用い、酸化窒化シリコン膜201aを50〜100nm形成し、続けて、高周波電力を印加したままSiH4の供給を止め、NH3及びN2Oガスでプラズマ処理を行う。次いで、下地膜201のニ層目としては、シリコンを含む第一のガスとしてSiH4、シリコンを含まない第二のガスとしてN2Oを用い、酸化窒化シリコン膜201bを100〜150nmの厚さに積層形成し、続けて、高周波電力を印加したままSiH4の供給を止め、N2Oガスでプラズマ処理を行う。この膜形成法により、下地膜上のゴミを低減することが出来る。
【0023】
次いで、下地膜201上に非晶質半導体膜202を形成する。非晶質半導体膜は、30〜60nmの厚さで形成する。非晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(Si1-xGex;x=0.001〜0.05)合金などで形成するとよい。本実施例では、PCVD法により、SiH4ガスを用いて、非晶質シリコン膜を形成する。
【0024】
本実施例では、非晶質シリコン膜形成にSiH4ガスのみを用いているが、SiH4ガスにシリコンを含まない第二のガスとしてH2やArを同時に用いることも可能である。その様な場合、非晶質シリコン膜形成時にも、本発明を適用することが出来ることは勿論である。
【0025】
また、下地膜と非晶質半導体膜とは同じ成膜方法で形成可能であるため、下地201と非晶質半導体膜202を連続形成することも可能である。
【0026】
次いで、非晶質半導体膜202に公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングする。本実施例では、ニッケルを含有する溶液を非晶質シリコン膜上に保持させた後、脱水素化(500℃、1時間)続けて熱結晶化(550℃、4時間)を行い、更に結晶化を改善するためのレーザーアニール処理を行って、結晶質シリコン膜を形成する。そして、この結晶質シリコン膜にフォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理を行い、半導体層206〜210を形成する(図2(A))。
【0027】
そして、nチャネル型TFTのしきい値(Vth)を制御するためにp型を付与する不純物元素を添加する(図2(B))。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律第13族元素が知られている。本実施例では、ボロン(B)を添加する。
【0028】
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作成する場合には、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いることができる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放出されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いるとよい。結晶化の条件は、実施者が適宜選択すればよい。
【0029】
次いで、島状半導体層206〜210を覆うゲート絶縁膜211を40〜150nmの厚さに形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜211は、シリコンを含む第一のガスとしてSiH4、シリコンを含まない第二のガスとしてN2Oを用い、ゲート絶縁膜211を100〜120nmの厚さに形成し、続けて、高周波電力を印加したままSiH4の供給のみを止め、N2Oガスでプラズマ処理を15秒行った。勿論、このゲート絶縁膜は、シリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いることができる。
【0030】
ここで、従来の膜形成法によるゲート絶縁膜と本発明を用いた膜形成法によるゲート絶縁膜でMOSを作成し、J−E測定(図15)とC−V測定(図16)を行った結果を示す。J−E測定の結果を見ると、従来の膜形成法では、絶縁耐圧不良やバラツキが見られたが、本発明を用いた膜形成法では、絶縁耐圧不良は見られず、バラツキもほとんどなかった。また、C−V測定の結果を見ると、従来の膜形成法と本発明を用いた膜形成法では、大きな差は見られず、ゲート絶縁膜形成後のプラズマ処理によって、ゲート絶縁膜の膜質が大きく変わってしまうことがないことが確認できた。
【0031】
酸化シリコン膜を用いる場合には、PCVD法で、シリコンを含む第一のガスとしてTEOS、シリコンを含まない第二のガスとしてO2を用い、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成し、続けて、高周波電力を印加したままTEOSのみ供給を止め、O2ガスでプラズマ処理を行えばよい。このようにして作製される酸化シリコン膜は、形成後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0032】
次いで、ゲート絶縁膜211上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜(TaN)212と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜(W)213とを積層形成する。ゲート導電膜は、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または当該元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、第1の導電膜をタンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
【0033】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク214〜219を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。
【0034】
この後、レジストからなるマスク214〜219を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させるとよい。
【0035】
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層221〜226(第1の導電層221a〜226aと第2の導電層221b〜226b)を形成する。220はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層221〜226で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0036】
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する(図3(C))。ドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えばよい。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。この場合、導電層221〜225がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域227〜231が形成される。第1の不純物領域227〜231には1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0037】
次に、レジストからなるマスクを除去せずに図4(A)に示すように第2のエッチング処理を行う。エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板側(試料ステージ)には20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧を印加する。この第3のエッチング条件によりW膜をエッチングする。こうして、上記第3のエッチング条件によりW膜を異方性エッチングして第2の形状の導電層233〜238を形成する。
【0038】
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに図4(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keV、本実施例では90keVの加速電圧とし、3.5×1012atoms/cm2のドーズ量で行い、図3(C)で形成された第1の不純物領域より内側の半導体層に新たな不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層233〜237を不純物元素に対するマスクとして用い、第2の導電層233a〜237aの下部における半導体層にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。
【0039】
こうして、第2の導電層233a〜237aと重なる第2の不純物領域239〜243と、第1の不純物領域250〜254とを形成する。n型を付与する不純物元素は、第2の不純物領域で1×1017〜1×1019atoms/cm3の濃度となるようにする。
【0040】
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに図4(B)に示すようにゲート絶縁膜のエッチングを行う。ゲート絶縁膜エッチング中に第2の導電層233a〜238aも同時にエッチングされ、第3の形状の導電層244〜249が形成される。これにより、第2の不純物領域を、第2の導電層244a〜248aと重なる領域と重ならない領域に区別することができる。
【0041】
そして、レジストからなるマスクを除去した後、新たにレジストからなるマスク255〜257を形成して図4(C)に示すように、第3のドーピング処理を行う。この第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に一導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された第4の不純物領域258〜263を形成する。第3の形状の導電層245、248を不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加して自己整合的に第4の不純物領域を形成する。本実施例では、不純物領域258〜263はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成する。この第3のドーピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク255〜257で覆われている。第1のドーピング処理及び第2のドーピング処理によって、不純物領域258〜263にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の濃度を2×1020〜2×1021atoms/cm3となるようにドーピング処理することにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じない。
【0042】
以上までの工程でそれぞれの半導体層に不純物領域が形成される。半導体層と重なる第3の形状の導電層244〜248がゲート電極として機能する。また、249はソース配線、248は保持容量を形成するための第2の電極として機能する。
【0043】
次いで、レジストからなるマスク255〜257を除去し、全面を覆う第1の層間絶縁膜264を形成する(図5(A))。この第1の層間絶縁膜264としては、PCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、PCVD法によりシリコンを含む第一のガスとしてSiH4、シリコンを含まない第二のガスとしてN2Oを用い、膜厚150nmの酸化窒化シリコン膜を形成し、続けて、高周波電力を印加したままSiH4の供給を止め、N2Oガスでプラズマ処理を行う。勿論、第1の層間絶縁膜264は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いてもよい。
【0044】
次いで、図5(A)に示すように、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550℃で行えばよい。なお、熱アニール法の他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。
【0045】
なお、本実施例では、上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッケルが高濃度のリンを含む不純物領域250〜254、258、261にゲッタリングされ、主にチャネル形成領域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。このようにして作製したチャネル形成領域を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
【0046】
また、第1の層間絶縁膜264を形成する前に活性化処理を行ってもよい。ただし、244〜248に用いた配線材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする絶縁膜、例えば窒化シリコン膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好ましい。
【0047】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行ってもよい。
【0048】
また、活性化処理としてレーザーアニール法を用いる場合には、上記水素化を行った後、エキシマレーザーやYAGレーザー等のレーザー光を照射することが望ましい。
【0049】
次いで、第1の層間絶縁膜264上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜265を形成する。次いで、ソース配線249に達するコンタクトホールと各不純物領域250、252、253、258、261に達するコンタクトホールを形成するためのパターニングを行う。
【0050】
そして、駆動回路306において、第1の不純物領域または第4の不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線266〜271を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。
【0051】
また、画素部307においては、画素電極274、ゲート導電膜273、接続電極272を形成する(図5(B))。この接続電極272によりソース配線248は、画素TFT304と電気的な接続が形成される。また、ゲート導電膜273は、第1の電極(第3の形状の導電層247)と電気的な接続が形成される。また、画素電極274は、画素TFTのドレイン領域と電気的な接続が形成され、さらに保持容量を形成する一方の電極として機能する半導体層と電気的な接続が形成される。また、画素電極274としては、AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等、反射性の優れた材料を用いることが望ましい。
【0052】
以上の様にして、nチャネル型TFT301、pチャネル型TFT302、nチャネル型TFT303を有する駆動回路306と、画素TFT304、保持容量305とを有する画素部307を銅一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0053】
駆動回路306のnチャネル型TFT301はチャネル形成領域275、ゲート電極を形成する第3の形状の導電層244と重なる第3の不純物領域239b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域239a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域250を有している。pチャネル型TFT302にはチャネル形成領域276、ゲート電極を形成する第3の形状の導電層245と重なる第4の不純物領域260、ゲート電極の外側に形成される第4の不純物領域259、ソース領域またはドレイン領域として機能する第4の不純物領域258を有している。nチャネル型TFT303にはチャネル形成領域277、ゲート電極を形成する第3の形状の導電層246と重なる第3の不純物領域241b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域242a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域252を有している。
【0054】
画素部の画素TFT304にはチャネル形成領域278、ゲート電極を形成する第3の形状の導電層247と重なる第3の不純物領域242b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域242a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域253を有している。また、保持容量305の一方の電極として機能する半導体層261〜263には第4の不純物領域と同じ濃度で、それぞれp型を付与する不純物元素が添加されている。保持容量305は、絶縁膜(ゲート絶縁膜と同一膜)を誘電体として、第2の電極248と、半導体層261〜263とで形成している。
【0055】
本実施例で作製するアクティブマトリクス基板の画素部の上面図を図6に示す。なお、図2〜図6に対応する部分には同じ符号を用いている。図6中の鎖線A−A’は図5中の鎖線A―A’で切断した断面図に対応している。また、図6中の鎖線B−B’は図5中の鎖線B―B’で切断した断面図に対応している。
【0056】
このように、本実施例の画素構造を有するアクティブマトリクス基板は、一部がゲート電極の機能を果たす第1の電極247とゲート導電膜273とを異なる層に形成し、ゲート導電膜273で半導体層を遮光することを特徴としている。
【0057】
また、本実施例の画素構造は、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間が遮光されるように、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置形成する。
【0058】
また、本実施例の画素電極の表面を公知の方法、例えばサンドブラスト法やエッチング法等により凹凸化させて、鏡面反射を防ぎ、反射光を散乱させることによって白色度を増加させることが望ましい。
【0059】
図7には透過型の液晶表示装置に適したアクティブマトリクス基板の断面図を示す。第2の層間膜形成までは、上記の反射型のものと同じである。第2の層間膜上に透明導電膜を形成する。そして、透明導電膜層282を形成するためにパターニングを行う。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができる。
【0060】
そして、駆動回路306において第1の不純物領域または第4の不純物領域とそれぞれで電気的に接続する配線266〜277を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金(AlとTiとの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。また、画素部307においては、画素電極283、284、ゲート導電膜273、接続電極272を形成する。このように、マスク枚数を1枚増やして透過型の液晶表示装置に適したアクティブマトリクス基板を作製することができる。
【0061】
[実施例2]
本実施例では、実施例1で作製したアクティブマトリクス基板から、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図8を用いる。
【0062】
まず、実施例1に従い、図5(B)の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図5(B)のアクティブマトリクス基板上に配向膜801を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜801を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ806を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0063】
次いで、対向基板803上に着色層804、805、平坦化膜807を形成する。赤色の着色層804と青色の着色層805とを一部重ねて、第2遮光部を形成する。なお、図8では図示しないが、赤色の着色層と緑色の着色層とを一部重ねて、第1遮光部を形成する。
【0064】
次いで、対向電極810を画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜808を形成し、ラビング処理を施した。
【0065】
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール剤802で貼り合わせる。シール剤802にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサ806によって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料には公知の液晶材料を用いればよい。このようにして図8に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
【0066】
本実施例では、実施例1に示す基板を用いている。従って、実施例1の画素部の上面図を示す図6では、少なくともゲート配線273と画素電極274、281の間隙と、ゲート配線273と接続電極272の間隙と、接続電極272と画素電極274の間隙を遮光する必要がある。本実施例では、それらの遮光すべき位置に第1遮光部と第2遮光部が重なるように対向基板を貼り合わせた。
【0067】
[実施例3]
本実施例では同一基板上に画素部と、画素部の周辺に駆動回路を形成するTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する方法について図9〜図11を用いて説明する。
【0068】
まず、図9(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板901上に、好適には、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)から選ばれた一種または複数種を成分とする導電膜からゲート電極902〜904、ソース配線906、907、画素部の保持容量を形成するための容量配線905を形成する。例えば、低抵抗化と耐熱性の観点からはMoとWの合金は適している。また、アルミニウムを用い、表面を酸化処理してゲート電極を形成してもよい。
【0069】
第1のフォトマスクにより作製されるゲート電極は、その厚さを200〜400nm、好ましくは250nmの厚さで形成し、その上層に形成する被膜の被覆性(ステップカバレージ)を向上させるために、端部をテーパー形状となるように形成する。テーパー部の角度は5〜30度、好ましくは15〜25度で形成する。テーパー部はドライエッチング法で形成され、エッチングガスと基板側に印加するバイアス電圧により、その角度を制御する。
【0070】
次いで、図9(B)で示すように、ゲート電極902〜904、ソース配線906、907、画素部の保持容量を形成するための容量配線905を覆う第1の絶縁層908を形成する。第1の絶縁層908はPCVD法またはスパッタ法を用い、その厚さを40〜200nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。例えば、50nmの厚さの窒化シリコン膜908aと、120nmの厚さの酸化シリコン膜908bから第1の絶縁層908を形成する。PCVD法で形成する場合、第1のガスであるSiH4、第2のガスであるN2O及びNH3を用いて酸化窒化シリコン膜を形成し、続けて、高周波電力を印加したまま、第1のガスであるSiH4の供給を止め、N2O及びNH3でプラズマ処理を行う。
【0071】
第1の絶縁層908は、その上層に半導体層を形成して、ゲート絶縁膜として用いるものであるが、基板901からアルカリ金属などの不純物が半導体層に拡散するのを防ぐブロッキング層としての機能も有している。
【0072】
第1の絶縁層908上に結晶質半導体膜909を30〜100nm、好ましくは40〜60nmの厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、代表的にはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SixGe1-x;x=0.01〜10原子%)合金などで形成するとよい。結晶質半導体膜を得る方法は、実施例1を参考にすればよい。
【0073】
多結晶半導体から成る半導体層909は、第2のフォトマスクを用いて所定のパターンに形成する。図9(C)は島状に分割された半導体層910〜913を示す。半導体層910〜912は、ゲート電極902、904と一部が重なるように形成する。
【0074】
その後、分割された半導体層910〜913上に酸化シリコンまたは窒化シリコンから成る絶縁膜を100〜200nmの厚さに形成する。図9(D)は、ゲート電極をマスクとする裏面からの露光プロセスにより、自己整合的にチャネル保護膜とする第3の絶縁層914〜918を半導体層910〜912上に形成する。
【0075】
そして、nチャネル型TFTのLDD領域を形成するための第1のドーピング工程を行う。ドーピングの方法はイオンドープ法もしくはイオン注入法で行えばよい。n型の不純物(ドナー)としてリン(P)を添加し、第3の絶縁層915〜918をマスクとして形成される第1の不純物領域919〜922を形成する。この領域のドナー濃度は1×1016〜2×1017/cm3の濃度とする。
【0076】
第2のドーピング工程はnチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域を形成する工程であり、図10(A)で示すように第3のフォトマスクを用いて、レジストによるマスク923〜925を形成する。マスク924、925はnチャネル型TFTのLDD領域を覆って形成され、第2の不純物領域926〜928には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でドナー不純物を添加する。
【0077】
この第2のドーピング工程に前後して、マスク923〜925が形成された状態でフッ酸によるエッチング処理を行い、第3の絶縁層914、918を除去しておくと好ましい。
【0078】
pチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域は、図10(B)に示すように第3のドーピング処理により行い、イオンドープ法やイオン注入法でp型の不純物(アクセプタ)を添加して第3の不純物領域930、931を形成する。この領域のp型の不純物濃度は2×1020〜2×1021/cm3となるようにする。この工程において、半導体層913にもp型の不純物を添加しておく。
【0079】
次に、図10(C)に示すように、半導体層上に第2の絶縁層を形成する。好適には、第2の絶縁層を複数の絶縁膜で形成する。半導体層上に形成する第2の絶縁層の第1層目932は水素を含有する窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜から成る無機絶縁物で、PCVD法により形成する場合、シリコンを含む第一のガスとしてSiH4、シリコンを含まない第二のガスとしてNH3、H2またはN2Oを用い、50〜200nmの厚さに形成し、続けて、高周波電力を印加したままSiH4の供給を止め、NH3、H2またはN2Oガスでプラズマ処理を行う。その後、それぞれの半導体層に添加された不純物を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法は窒素雰囲気中で400〜600℃、代表的には450〜500℃で行1〜4時間の熱処理を行う。
【0080】
この熱処理により、不純物元素の活性化と同時に第2の絶縁層の第1層目932の窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜の水素が放出され、半導体層の水素化を行うことができる。この工程は水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化をより効率よく行う手段として、第2の絶縁層の第1層932を形成する前にプラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行ってもよい。
【0081】
図11(A)で示す第2の絶縁層の第2層目933は、ポリイミド、アクリルなどの有機絶縁物材料で形成し表面を平坦化する。勿論、PCVD法でTEOSを用いて形成される酸化シリコン膜を適用してもよいが、平坦性を高める観点からは有機物材料を用いることが望ましい。
【0082】
次いで、第5のフォトマスクを用いてコンタクトホールを形成する。そして、第6のフォトマスクを用いてアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などを用いて、駆動回路1005において接続電極934及びソースまたはドレイン配線935〜937を形成する。また、画素部1006において、画素電極940、ゲート配線939、接続電極938を形成する。
【0083】
こうして、同一の基板上にpチャネル型TFT1001とnチャネル型TFT1002を有する駆動回路1005と、画素TFT1003と保持容量1004を有する画素部1006が形成される。駆動回路1005のpチャネル型TFT1001には、チャネル形成領域1007、第3の不純物領域から成るソースまたはドレイン領域1008が形成されている。nチャネル型TFT1002には、チャネル形成領域1009、第1の不純物領域から成るLDD領域1010、第2の不純物領域から成るソースまたはドレイン領域1011が形成されている。画素部1006の画素TFT1003は、マルチゲート構造であり、チャネル形成領域1012、LDD領域1013、ソースまたはドレイン領域1014、1016が形成される。LDD領域の間に位置する第2の不純物領域は、オフ電流を低減するために有用である。保持容量1004は、容量配線905と半導体層913とその間に形成される第1の絶縁層とから形成されている。
【0084】
画素部1006においては、接続電極938によりソース配線907は、画素TFT1003のソースまたはドレイン領域1014と電気的な接続が形成される。また、ゲート配線939は、第1の電極と電気的な接続が形成される。また、画素電極940は、画素TFT1003のソースまたはドレイン領域1016及び保持容量1004の半導体層913と接続している。
【0085】
図11(B)はゲート電極904とゲート配線939のコンタクト部を説明する図である。ゲート電極904は隣接する画素の保持容量の一方の電極を兼ね、画素電極945と接続する半導体層944と重なる部分で容量を形成している。また、図11(C)はソース配線907と画素電極940及び隣接する画素電極946との配置関係を示し、画素電極の端部をソース配線907上に設け、重なり部を形成することにより、迷光を遮り遮光性を高めている。なお、本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0086】
図11に示した画素構造は、反射型の液晶表示装置に適したのものであるが、実施例1と同様に、透明導電膜を用いることで、透過型の液晶表示装置に適した画素構造を持つものも作製できる。
【0087】
[実施例4]
本発明を実施して形成されたTFTは様々な電気光学装置(代表的にはアクティブマトリクス型液晶ディスプレイ等)に用いることができる。即ち、それら電気光学装置や半導体回路を部品として組み込んだ電子機器全てに本発明を実施できる。
【0088】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末機器(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図12、図13及び図14に示す。
【0089】
図12(A)はパーソナルコンピュータであり、本体1201、画像入力部1202、表示部1203、キーボード1204等を含む。本発明を画像入力部1202、表示部1203やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0090】
図12(B)はビデオカメラであり、本体1205、表示部1206、音声入力部1207、操作スイッチ1208、バッテリー1209、受像部1210等を含む。本発明を表示部1206やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0091】
図12(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体1211、カメラ部1212、受像部1213、操作スイッチ1214、表示部1215等を含む。本発明は表示部1215やその他の信号制御回路に適用できる。
【0092】
図12(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体1216、表示部1217、アーム部1218等を含む。本発明は表示部1217やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0093】
図12(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体1219、表示部1220、スピーカー部1221、記録媒体1222、操作スイッチ1223等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示部1220やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0094】
図12(F)はデジタルカメラであり、本体1224、表示部1225、接眼部1226、操作スイッチ1227、受像部(図示しない)等を含む。本発明を表示部1225やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0095】
図13(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置1301、スクリーン1302等を含む。本発明は投射装置1301の一部を構成する液晶表示装置1314やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0096】
図13(B)はリア型プロジェクターであり、本体1303、投射装置1304、ミラー1305、スクリーン1306等を含む。本発明は投射装置1304の一部を構成する液晶表示装置1314やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0097】
なお、図13(C)は、図13(A)及び図13(B)中における投射装置1301、1304の構造の一例を示した図である。投射装置1301、1304は、光源光学系1307、ミラー1308、1310〜1312、ダイクロイックミラー1309、プリズム1313、液晶表示装置1314、位相差板1315、投射光学系1316で構成される。投射光学系1316は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図13(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0098】
また、図13(D)は、図13(C)中における光源光学系1307の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系1307は、リフレクター1318、光源1319、レンズアレイ1320、1321、偏光変換素子1322、集光レンズ1323で構成される。なお、図13(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0099】
ただし、図13に示したプロジェクターにおいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示しており、反射型の電気光学装置の適用例は図示していない。
【0100】
図14(A)は携帯電話であり、表示用パネル1401、操作用パネル1402、接続部1403、センサー内蔵ディスプレイ1404、音声出力部1405、操作キー1406、電源スイッチ1407、音声入力部1408、アンテナ1409等を含む。本発明をセンサー内蔵ディスプレイ1404、音声出力部1405、音声入力部1408やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0101】
図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体1411、表示部1412、記憶媒体1413、操作スイッチ1414、アンテナ1415等を含む。本発明は表示部1412、記憶媒体1413やその他の信号回路に適用することができる。
【0102】
図14(C)はディスプレイであり、本体1416、支持台1417、表示部1418等を含む。本発明は表示部1418に適用することができる。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0103】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0104】
【発明の効果】
本発明により、PCVD法による薄膜形成時に発生するパーティクルを取り除くことが出来るため、パーティクルによる絶縁膜の絶縁耐圧不良(リーク)や特性のバラツキを抑えることが可能となる。すなわち、本発明により、より特性の良いTFTを作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の概念図。
【図2】 本実施例1のTFTの断面図。
【図3】 本実施例1のTFTの断面図。
【図4】 本実施例1のTFTの断面図。
【図5】 本実施例1のTFTの断面図。
【図6】 本実施例1のTFTの断面図。
【図7】 本実施例1のTFTの断面図。
【図8】 本実施例2のTFTの断面図。
【図9】 本実施例3のTFTの断面図。
【図10】 本実施例3のTFTの断面図。
【図11】 本実施例3のTFTの断面図。
【図12】 本実施例4のいろいろな半導体装置を示す図。
【図13】 本実施例4のいろいろな半導体装置を示す図。
【図14】 本実施例4のいろいろな半導体装置を示す図。
【図15】 本発明の一例を示す図。
【図16】 本発明の一例を示す図。

Claims (5)

  1. 基板を設置した反応室内に、シリコンを含む第1のガスと、シリコンを含まない第2のガスとを供給し、
    第1の圧力に保持した状態で高周波電力を印加して前記反応室内にプラズマを発生させて前記基板上に薄膜を形成し、
    前記高周波電力を印加したまま前記第1のガスのみ供給を止め、前記第1の圧力とは異なる第2の圧力に保持した状態で、パーティクルを排出することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 基板を設置した反応室内に、シリコンを含む第1のガスと、シリコンを含まない第2のガスとを供給し、
    第1の圧力に保持した状態で第1の高周波電力を印加して前記反応室内にプラズマを発生させて前記基板上に薄膜を形成し、
    前記第1のガスのみ供給を止め、前記第1の圧力とは異なる第2の圧力に保持した状態で、前記第1の高周波電力よりも低い第2の高周波電力を印加して、パーティクルを排出することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記反応室内の電極部の帯電値は、前記パーティクルを排出する際の方が前記薄膜を形成する際より小さいことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記シリコンを含む第1のガスはSiH4、Si26及びSi(OC25)のうちから選ばれた少なくとも1種類を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記シリコンを含まない第2のガスはN2O、NH3、N2、H2、Ar及びO2のうちから選ばれた少なくとも1種類を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
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