JP4013329B2 - 積層体および窓用ガラス積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層体に関し、特に、低放射性を有するため高断熱性を有するとともに、穏やかな外観色調を有し、かつその外観色調が、入射角度を変えても変化が少ない積層体に関する。特に、Low−Eガラス(Low Emissivity Glass)に関する。
【0002】
【従来の技術】
北海道等の寒冷地においては、断熱空気層を介して2枚のガラスを積層した構造の複層ガラスが窓ガラスとして用いられている。この複層ガラスは、室外からは太陽光を取り入れるとともに、室内から室外への熱の放射を遮断して、室内の保温性の向上と暖房負荷の軽減に有効なものである。
【0003】
近年、さらに保温性および断熱性能の向上を目的として、図3に示す、2枚のガラス基板31aおよび31bを、周辺部32を密封して、ガラス基板31aと31bの間に断熱空気層33を形成するように積層した複層ガラスにおいて、室内側のガラス基板31bの断熱空気層33側に低放射性被膜34を配設してなるガラスとして、Low−Eガラスと呼ばれる高断熱性を有するガラスを使用した積層体が利用されるようになってきている。このガラス積層体は、太陽光に含まれる波長0.3〜2.0μm程度の光線を透過させて、室内に太陽光を取り入れる一方、断熱空気層によって室内側から室外側へ熱の伝導を遮断する作用において、低放射性被膜34の低い放射性能によって、保温性および断熱性能を向上させることができるものである。
【0004】
ところで、寒冷地ほどの室内の暖房を必要としない地方、例えば、関東地方以西の温暖な地方で用いられる窓ガラスにおいては、室内から室外への熱の放射を遮断するよりも、むしろ室外から室内への熱の流入を遮断するとともに、室外からの太陽光による室内雰囲気の加熱を抑制し、冷房効率を向上させることが求められている。さらに、ビル用、住宅用等の窓ガラスだけでなく、自動車、電車等の車両用窓ガラスにおいても、外観、車室内の居住性、外部視認性等の向上を目的として、大面積化しており、そのため、同様に、室内雰囲気の加熱を抑制することが求められている。
【0005】
そこで、図4に示すとおり、前記図3に示す積層体と同様に、2枚のガラス基板41aおよび41bを、周辺部42を密封して、ガラス基板41aと41bの間に断熱空気層43を形成するように積層した複層ガラスにおいて、室外側のガラス基板41aの断熱空気層43の側に低放射性被膜44を有するLow−Eガラスを使用した積層体が用いられるようになってきている。
【0006】
これらの積層体に用いられるLow−Eガラスとしては、ガラス基板上に、高い赤外反射特性を有する層と、高い可視光線透過率を有する透明誘電体層とを、順次積層して形成した各種のものが、提案されている。これらの複層構造のLow−Eガラスにおいては、赤外線反射特性を有する膜として、Agを主成分とする膜が用いられ、透明誘電体膜としては、ZnO、SnO2 、TiO2 等の酸化物膜、あるいはSiNx 等の窒化物膜が用いられる。
【0007】
しかし、前記の複層構造のLow−Eガラスをガラス基板として用いるガラス積層体は、Low−E膜による光の干渉効果によって色調を表現しているため、ガラス基板側から見た反射光の色調が、入射角度による変化が大きいものであった。そのため、例えば、このガラス積層体からなる窓ガラスを装着した建物を正面から見た場合と、角度を変えて斜めから見た場合とでは、異なる色調に見え、外観が変化して見える不都合があった。
【0008】
このような不都合を改良するために、いくつかの提案がなされている。
例えば、特開平7−165442号公報には、第1誘電物質層、赤外線反射特性を有する金属を基にした第1層、第2誘電物質層、赤外線反射特性を有する金属を基にした第2層、および第3誘電物質層を連続して堆積させた透明な基材であって、金属を基にした第1層の厚さを、金属を基にした第2層の厚さの約50〜80%とする透明な基材が提案されている。
【0009】
また、特表平8−500061号公報には、
(a) 約275Åを超えない厚さで基材の表面に塗布された抗−反射性金属酸化物からなるベースコート、
(b) 前記ベースコートの上に塗布された第1の反射性金属層、
(c) 前記第1の反射性金属層の上に塗布さてた抗−反射性金属酸化物からなる中間層、
(d) 前記中間の抗−反射性層の上に塗布された第2の反射性金属層、および
(e) 前記第2の反射性金属層の上に保持された金属酸化物からなる外側の抗−反射特性層
からなる、表面上の塗膜を有する基材からなる塗布基材が提案されている。
【0010】
また、特開平8−304601号公報では、
▲1▼60〜75nmの光学的厚さを有し、基体に隣接した透明誘電非吸収剤材料の第1層、
▲2▼9〜11nmの幾何学的厚さを有する銀または銀合金の第1層、
▲3▼135〜170nmの光学的厚さを有する透明誘電非吸収剤材料の第2層、
▲4▼12〜15nmの幾何学的厚さを有する銀または銀合金の第2層、
▲5▼45〜65nmの光学的厚さを有する透明誘電非吸収剤材料の第3層
を担持する面を有し、被覆基体が、70%より大なる視感透過率TLC、47%未満のソーラーフアクターFs、及び12%以下の対向面に対する反射法線での色の純度を示すことを特徴とする被覆基体が提案されている。
【0011】
また、特表平4−500184号公報では、誘電材料でできた第1層と、部分反射材料でできた第2層と、誘電材料でできた第3層と、部分反射材料でできた第4層と、誘電材料でできた第5層とを有し、前記第1、第3、及び第5の誘電材料層の各々が、屈折率が1.7から2.7までの範囲内にあるほぼ透明な誘電材料から成り、前記第1及び第5の層は、前記第3層の光学的厚さの33%乃至45%のほぼ同じ光学的厚さを有する、可視反射がほぼ無色の太陽光制御用層状コーテイングが提案されている。
【0012】
また、特開平8−104547号公報では、ガラス板上に、このガラス板側から順に、第1層として金属酸化物膜、第2層としてAgを主成分とする膜、第3層として金属酸化物膜、第4層としてAgを主成分とする膜、第5層として金属酸化物膜が、必要に応じて第6層として保護膜が形成されてなる断熱ガラスにおいて、前記金属酸化物膜が前記第1層、第3層または第5層の層全体として酸化錫及び酸化亜鉛のいずれか一方または双方を主成分とする1または2以上の層からなり、前記第3層の厚さが65nm以上80nm以下、前記第2層の厚さが7nm以上11nm未満、前記第4層の厚さが11nmを越えて14nm以下である断熱ガラスが提案されている。
【0013】
さらに、特開平8−239245号公報では、ガラス基板上に多層系をスパッタ被覆されたスパッタ被覆ガラス製品において、前記ガラ基板から外側へ向かって、a)約300〜550Åの厚さをもつSi3 N4 の層と、
b)約7Åまたはこれ未満の厚さをもつニッケルまたはニクロムの層と、
c)約70〜130Åの厚さをもつ銀の層と、
d)約7Åまたはこれ未満の厚さをもつニッケルまたはニクロムの層と、
e)約700〜1100Åの厚さをもつSi3 N4 の層と、
f)約7Åまたはこれ未満の厚さをもつニッケルまたはニクロムの層と、
g)約70〜190Åの厚さをもつ銀の層と、
h)約7Åまたはこれ未満の厚さをもつニッケルまたはニクロムの層と、
i)約350〜700Åの厚さをもつSi3 N4 の層
とを含む多層系を有するスパッタ被覆ガラス製品が提案されている。
【0014】
しかしながら、これら従来の多層構造の積層体または材料は、外側から見た反射色調が入射角度に応じて変化する特性、即ち反射色調の入射角度依存性の改善という点では未だ十分なものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、穏やかな外観色調を有し、かつ基体側から見た反射光の色調が、入射角度を変えても変化が少ない積層体を提供することにある。
また、本発明の別な目的は、高断熱性を有するとともに、穏やかな外観色調を有し、かつ基体側から見た反射光の色調が、入射角度を変えても変化が少ない窓用ガラス積層体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、基体と、該基体上に、基体側から、順次、酸化物からなる第1層、Agを主成分とする金属からなる第2層、酸化物からなる第3層、Agを主成分とする金属からなる第4層、および酸化物からなる第5層とを有し、第1層の厚さが第5層の厚さの60〜90%である積層体を提供するものである。
【0017】
入射角度による反射色調の変化を少なくするために、第2層と第4層の厚さの比を調整することは、特開平7−165442号公報等にも既に提案されているが、前記の通り、未だ十分な効果を得るには至っていなかった。そこで、本発明者は、第2層と第4層の厚さの比だけでなく、第1層と第5層の酸化物からなる層の厚さの比に注目し、鋭意検討を行った。そこで、図2に示す通り、正面から見た場合(入射角度0度付近)にほぼ同じ反射色調(図中では、CIE色度座標上でのxの値が0.305、yの値が0.343程度)を示し、それぞれ第1層の酸化物の膜厚が第5層の酸化物の膜厚よりも薄い積層板と、第1層の酸化物の膜厚が第5層の酸化物の膜厚よりも薄い積層板とについて、入射角度による反射色調の変化を比較した。図2から明らかなように、第1層の厚さが第5層の厚さよりも薄い場合(図中のAの曲線)の方が、入射角度による反射色調の変化が小さくなることを知見した。この知見に基づいて、第1層の酸化物からなる層の厚さを、第5層の厚さよりも薄くすれば、入射角度による反射色調の変化が小さい積層体を得ることを見出し、本発明を想到するに至った。
【0018】
以下、本発明の積層体について、詳細に説明する。
本発明の積層体は、図1に一例を示すとおり、基本的に、基体11上に、基体側から、順次、第1層1、第2層2、第3層3、第4層4及び第5層5を有するものである。
【0019】
本発明の積層体において、基体は特に制限されず、例えば、ガラス基板等が挙げられる。本発明の積層体を建築用や車両用の窓ガラス用途に用いる場合は、ガラス基板としては、ソ−ダライムガラスが一般的に用いられる。
【0020】
本発明の積層体において、基体上に配設される第1層、第2層の上層に配設される第3層、および第4層の上層に配設される第5層としては、特に制限されず、この種の積層体に常用されるいずれの酸化物材料からなるものでもよい。この第1層、第3層及び第5層の具体例として、建築用や車両用の窓ガラスの被覆材料として頻繁に使用される材料である、Sn、ZnおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物を含む層が挙げられる。特に、第1層、第3層および第5層としては、各層の上層に形成されるAgを主成分とする金属からなる第2層または第4層が安定的に形成される点、および該第2層または第4層が高い結晶性を有しながら形成される点から、Znの酸化物を含む層が好ましい。
【0021】
また、Znの酸化物を含む層としては、層内の内部応力が低下し、基体との密着性の良好な層が得られることから、ZnOを主成分として含み、Sn、Al、Cr、Ti、Si、B、MgおよびGaから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む層が、特に好ましい。ZnOを主成分として含み、特に、ZnOとAlを含む層またはZnOとSnを含む層が、各層の上層に形成されるAgを主成分とする金属からなる第2層または第4層との相性がよい。さらに、ZnOとAlを含む層は、Alが安価な材料であり、かつ層の成膜速度が大きいため、有用である。また、Snは比較的安価な材料である点で、好ましい。
【0022】
本発明において、Znの酸化物からなる層が、ZnOと前記の金属元素を含む層である場合、これらの金属元素の含有割合は、1〜10at%が好ましく、特に2〜6at%であるのが好ましい。これらの金属元素の含有割合が多すぎると、各層の上層に形成されるAgを主成分とする金属からなる第2層または第4層の安定化に必要なZnの酸化物の結晶性が低下する傾向にある。
【0023】
本発明の積層体において、第1層、第3層および第5層は、同じ成分または組成からなる層であってもよいし、異なる成分および組成からなる層であってもよい。また、第1層、第3層、および第5層のそれぞれの層は、複数の酸化物層が積層された構造のものであってもよい。例えば、第1層が、ZnOとSnO2 からなる多層構造の層であってもよい。また、すべての酸化物層を同じ材料で形成することは、インライン型スパッタリング装置を用いて、マルチパス法によって、各層を形成する場合に、ターゲット数を節約できること等の点で有利である。
【0024】
また、本発明の積層体において、第1層の上層に配設される第2層、および第3層の上層に配設される第4層は、Agを主成分とする金属からなる層であり、Agのみからなる層、または、Agを主成分とし、他の金属元素、例えば、Pd、Au、Cu等の他の金属元素を含む層である。第2層または第4層が、Agと他の金属元素を含む場合、他の金属元素の含有割合は、Agと他の金属元素との総量に対して、0.3〜10at%であることが好ましい。他の金属元素が0.3at%未満ではAgの安定化の効果が低下し、また10at%超でも再び安定化の効果が低下する。特に、本発明において、第2層または第4層が、他の金属元素として、Pdを含む層であると、化学的耐久性に優れた層を形成することができるため、好ましい。Pdを含有すると、Ag原子の不動化、すなわちAgのマイグレーションの低減を図ることができる。このAgとPdとからなる層において、Pdの添加量が多くなると成膜速度が低下し、可視光線透過率も低下し、逆に放射率が上昇して、Low−E膜としては好ましくないものとなる。そのため、Pdの添加量は、5.0at%以下が適当である。また、Pdの添加量が増加すると、第2層または第4層形成時の材料費が著しく増加するので、0.5〜2.0at%程度の範囲が適正である。
【0025】
本発明の積層体において、第2層および第4層は、同じ成分または組成からなる層であってもよいし、異なる成分および組成からなる層であってもよい。また、第2層および第4層のそれぞれの層は、複数の金属層が積層された構造の層であってもよい。例えば、第2層は、AgとPdとからなる多層構造の層であってもよい。
【0026】
また、本発明の積層体において、Agを主成分とする金属からなる層と、酸化物からなる層との界面、例えば、第1層と第2層との界面、第2層と第3層との界面、第3層と第4層との界面、第4層と第5層との界面に、Agを主成分とする金属からなる層の安定化を図るため、金属薄膜または窒化物膜からなるバリアー層(Agを主成分とする金属からなる層の酸化を防止する層)を配設してもよい。特に、第2層と第3層との界面、および/または第4層と第5層との界面にバリア−層を配設した本発明の積層体は、Agを主成分とする金属からなる層(第2層または第4層)の上に、酸化物からなる層(第3層または第5層)を、酸素を含む雰囲気中で積層する際に、雰囲気中の酸素により、Agを主成分とする金属からなる層が酸化されることを防止できる点で、有効である。
【0027】
バリアー層を形成する金属薄膜または窒化物膜としては、Ti、Zn、Ta、NiCr、SiNx を主成分とする膜が好適である。その膜厚は、1〜5nmが好ましい。1nmより薄いと、バリアー層としての働きを充分に示さず、逆に5nmより厚いと積層体の可視光線透過率が低下し、また、色調に影響が出るなどの不具合が生じる。ここで、SiNx 膜が完全な透明窒化物膜であれば、その膜厚は5nmを超えてもよい。
【0028】
また、本発明の積層体において、第5層の上に、さらにオーバーコート層を積層してもよい。オーバーコート層としては、Siを含有するSnO2 層が形成されることが好ましい。Siを含有するSnO2 層は、ZnOを主成分とする層との相性がよく、界面で強い密着性が得られるたあめ、有効である。
Siを含有するSnO2 層におけるSnとSiの総量に対するSiの含有割合は、5〜95at%であることが好ましい。特に、30〜90at%、さらには40〜90at%が好ましい。
【0029】
オーバーコート層は、水の侵入を防止する機能(耐水性)を向上させるものである。SnO2 にSiが添加されると、形成される膜が結晶質から非晶質構造となり緻密な膜となる。Siの割合が少なすぎると、膜の耐湿性が低下する。また、膜が非晶質から結晶質に近づき、膜表面の平滑性がなくなる。また、Siの割合が多くなりすぎると、直流スパッタリング法で成膜する際に、アーキングが発生しやすくなり、生産性が低下する。
このSiを含有するSnO2 層の膜厚は、特に限定されないが、耐水性および耐擦傷性を向上させるためには、5nm程度以上必要であり、膜厚が増加するにつれて、耐水性や耐擦傷性が向上する。層の厚さの上限は特にないが、20nmあれば充分な性能が得られる。
【0030】
本発明の積層体において、第1層の厚さは、第5層の厚さの60〜90%である。第1層の厚さが第5層の厚さの60%未満であると、両方の膜厚差が大きくなり過ぎて、無彩色に近い穏やかな反射色調を示す積層体が得られない。また、第1層の厚さが第5層の厚さの90%を超える厚さであると、第1層の酸化物と第5層の酸化物の膜厚がほぼ同程度となり、入射角度を変えても反射色調の変化が少ない積層体を得ることができない。
【0031】
また、本発明の積層体において、第1層の厚さを、第5層の厚さの60〜90%にするとともに、第2層の厚みを、第4層の厚みの、50〜90%にすることにより、入射角度による反射色調の変化を低減する効果を、さらに顕著なものとすることができるため、好ましい。
また、本発明の積層体においては、第1層、第3層および第5層の光学的厚さの和が300nm以下と比較的薄い場合は、第1層の厚さを、第5層の厚さの60〜90%とするとともに、第3層の厚さを、第1層の厚さの300%以上にすることにより、入射角度による反射色調の変化を低減する効果を、さらに顕著なものとすることができるため好ましい。
【0032】
本発明の積層体の第1の好ましい態様として、第1層〜第5層の厚さは、それぞれ、前記第1層の光学的厚さが32nm〜41nm、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nm、第3層の光学的厚さが113nm〜145nm、第4層の幾何学的厚さが8nm〜12nm、かつ第5層の光学的厚さが45nm〜60nmである構成が挙げられる。各層の厚さがこれらの範囲にある積層体は、無彩色に近い穏やかな反射色調を有し、その基体側からの反射色調が入射角度を変えても変化が小さいという特性を示す。また、Low−Eガラスに本来要求される、高い断熱性、建物や車両用の窓ガラスとして実用上支障のない適度の可視光透過率と可視光反射率を有し、さらに遮熱性能にも優れている。
【0033】
本発明の積層体の第2の好ましい態様としては、第1層〜第5層の厚さが、それぞれ、第1層の光学的厚さが41nm〜50nm、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nm、第3層の光学的厚さが150nm〜177nm、第4層の幾何学的厚さが11nm〜15nm、かつ第5層の光学的厚さが62nm〜74nmである構成が挙げられる。この構成では、第1層、第3層、第4層および第5層の厚みが、前記の構成のものより厚いため、第1層、第3層および第5層の厚みが変動した場合の、色調の変化が前記の構成のものより小さいため、安定して製造ができる点で好ましい。
【0034】
本発明の積層体の第3の好ましい態様としては、第1層〜第5層の厚さが、それぞれ、第1層の光学的厚さが63nm〜71nm、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nm、第3層の光学的厚さが165nm〜187nm、第4層の幾何学的厚さが10nm〜14nm、かつ第5層の光学的厚さが72nm〜82nmである構成が挙げられる。
この構成では、第1層、第3層および第5層の厚みが、第2の好ましい態様よりもさらに厚くなっており、第1層、第3層および第5層の厚みが変動した場合の、色調の変化が前記の構成のものよりさらに小さいため、安定して製造ができる。また、第3層の厚さを第1層の厚さの300%以上にしなくても、無彩色に近い穏やかな反射色調を有し、その基体側からの反射色調が入射角度を変えても変化が比較的小さいという特性を示す。
【0035】
本発明の積層体の製造は、表面を清浄化処理した基体に、金属、合金、化合物等からなる層を形成するための常用の方法に従って、第1層から第5層までを、順次、形成することによって行うことができる。これらの層の形成方法は、特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などを用いることができる。特に、窓ガラス等の大面積の基体に対しては、膜厚の均一性を容易に制御でき、生産性にも優れるという点で、直流スパッタリング法が有効である。
【0036】
また、本発明は、複数枚のガラス基板が、それぞれ断熱空気層を介して積層されてなる窓用ガラス積層体であって、少なくとも1つのガラス基板が本発明の積層体である窓用ガラス積層体を提供するものである。本発明の積層体は、窓用ガラス積層体の室外側に配置され、第1層〜第5層を有する面を断熱空気層の側になるように配置される。
本発明の窓用ガラス積層体は、高断熱性を有するとともに、無彩色に近い穏やかな色調を有し、かつ室外側から見た反射光の色調が、入射角度を変えても変化が少ないため、建築物、車両等の窓ガラスとして好適である。例えば、図4の構成を有するガラス積層体において、基体41aとして、本発明の積層体を用いたものは、高断熱性を有するとともに、無彩色に近い穏やかな室外反射色調を有し、かつその反射色調が、入射角度を変えても変化が少ないものである。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例によって、本発明をより具体的に説明する。
【0038】
(実施例1)
ブラシを使用した機械的な研磨洗浄、界面活性剤による洗浄、純粋によるすすぎを順次行って、表面を洗浄処理した、厚み3mmのソーダライムガラス板を、スパッタリング装置内にセットし、下記厚さの5層を順次形成して、ガラス積層体を製造した。
第1層 18.5nm(光学厚さ 37nm)
第2層 7.5nm
第3層 66nm(光学厚さ 132nm)
第4層 9.5nm
第5層 27nm(光学厚さ 54nm)
第1層、第3層および第5層として、Alを5at%含有するZnターゲットを用い、酸素ガスとアルゴンガスの混合ガス雰囲気中(酸素/アルゴンの比は、10/1)で、圧力2.2mtorr、投入電力2.0W/cm2 の条件でスパッタリングを行って、ZnOを主成分とし、Alを含有する層を形成した。
また、第2層および第4層として、Pdを1at%含むAgターゲットを用いて、アルゴンガス雰囲気中で、圧力2.0mtorr、投入電力0.86W/cm2 の条件でスパッタリングを行って、Agを主成分とし、Pdを含有する層を形成した。
【0039】
さらに、第3層および第5層を形成する前に、第2層と第4層の金属膜の酸化を防止するために、Alを5at%含有するZnターゲットを用い、アルゴンガス雰囲気中で、圧力2.0mtorr、投入電力0.2W/cm2 の条件でスパッタリングを行って、第2層と第3層の界面、第4層と第5層の界面に、ZnとAlの金属からなるバリアー層(約3nmの膜厚)を形成した。このバリア−層は、最終的には第3層および第5層と同じ酸化物層となった。
【0040】
得られたガラス積層体のガラス面側からの反射色調を、日本分光工業株式会社製のART−25GTを用いて、380nm〜780nmの波長範囲で、入射角度0°、20°、40°および60°において測定した。
この測定において、入射角度0°および60°における反射色調(CIE色度座標図における座標値)は、下記のとおりであった。
入射角度0°の場合 (0.2986、0.3455)
入射角度60°の場合 (0.3025、0.3278)
入射角度0°の場合の座標値が表わす色調は、完全な無色ではなく、僅かに緑味を帯びた色調である。但し、この緑味を帯びた色調が人間の目に好印象を与え、外観色調が穏やかであると感じられる。
また、入射角度が0°の場合と、60°の場合を比較すると、xの値の変化量が+0.0039、yの値の変化量が−0.0177であった。
【0041】
(実施例2)
膜厚を変えた以外は、実施例1と同様にして、下記厚さの5層を順次形成して、ガラス積層体を製造した。
第1層 24nm(光学厚さ 48nm)
第2層 7.5nm
第3層 81.5nm(光学厚さ 163nm)
第4層 13nm
第5層 32nm(光学厚さ 64nm)
得られたガラス積層体のガラス面側からの反射色調を、実施例1と同様の方法で測定した。
この測定結果において、入射角度0°および60°における反射色調(CIE色度座標図における座標値)は、下記のとおりであった。
入射角度0°の場合 (0.3001、0.3492)
入射角度60°の場合 (0.3029、0.3377)
入射角度0°の場合の反射色調は、実施例1と同様に、穏やかな色調を呈していた。
また、入射角度が0°の場合と、60°の場合を比較すると、xの値の変化量が+0.0028、yの値の変化量が−0.0115であった。
【0042】
(実施例3)
膜厚を変えた以外は、実施例1と同様にして、下記厚さの5層を順次形成して、ガラス積層体を製造した。
第1層 34nm(光学厚さ 68nm)
第2層 7.5nm
第3層 88nm(光学厚さ 176nm)
第4層 11.5nm
第5層 38nm(光学厚さ 76nm)
得られたガラス積層体のガラス面側からの反射色調を、実施例1と同様の方法で測定した。
【0043】
この測定結果において、入射角度0°および60°における反射色調(CIE色度座標図における座標値)は、下記のとおりであった。
入射角度0°の場合 (0.2980、0.3435)
入射角度60°の場合 (0.3020、0.3280)
入射角度0°の場合の反射色調は、実施例1と同様に、穏やかな色調を呈していた。
また、入射角度が0°の場合と、60°の場合を比較すると、xの値の変化量が+0.0040、yの値の変化量が−0.0155であった。
【0044】
(比較例1)
膜厚を変えた以外は、実施例1と同様にして、下記厚さの5層を順次形成して、ガラス積層体を製造した。
第1層 27.5nm(光学厚さ 55nm)
第2層 7.5nm
第3層 56nm(光学厚さ 112nm)
第4層 9.5nm
第5層 23nm(光学厚さ 46nm)
【0045】
得られたガラス積層体のガラス面側からの反射色調を、実施例1と同様の方法で測定した。
この測定結果において、入射角度0°および60°における反射色調(CIE色度座標図における座標値)は、下記のとおりであった。
入射角度0°の場合 (0.3005、0.3427)
入射角度60°の場合 (0.3137、0.3268)
入射角度が0°の場合と、60°の場合を比較すると、xの値の変化量が+0.0132、yの値の変化量が−0.0159であった。
【0046】
本発明の実施例および比較例における各層の膜厚の測定は、Arイオンビームによるスパッタエッチングを併用したX線光電子分光法(XPS)を用い、表面から深さ方向の分析を行うことにより実施した。この測定では、Arイオンビームによるスパッタエッチング時間が表面からの深さ、つまり膜厚に対応する。そして、各層のスパッタエッチング時間は、深さ方向プロファイルにおけるXPSピーク強度の立ち上がりおよび立ち下がりでの最大強度の50%となるスパッタエッチング時間の差で定義した。スパッタエッチング時間から膜厚への換算は膜厚が既知でかつ膜構成が同じ標準試料を用い作成した検量線により求めた。使用したXPS分光装置は、PHI製Quantum2000 であり、X線モノクロメータで単色化した15kV、20WのAlKα線をX線源とした。X線ビームは、試料表面に垂直に入射させ、ビーム径は100μmの条件で試料表面の100μmの微小領域を測定した。また、X線光電子の検出角は45°であり、帯電の影響を避けるため、電子シャワーとArイオンシャワーを併用し帯電補正を行った。スパッタエッチングのためのArイオンビームは、加速電圧1.0keV、電流密度37nA/mm2 であり、エネルギー分布の均一化と中性粒子の除去のため5°屈折させ、試料表面に対し45°の入射角で照射した。
【0047】
実施例の場合も比較例の場合も、入射角度60°の場合は0°の場合に比較して、xの値が増加し、yの値が減少している。CIE色度座標上でこの変化は赤味を帯びる方向である。入射角度が0°の場合は緑味を帯びた穏やかな色調であるので、その色調が赤味を帯びてしまうと反射色調の変化が特に強く感じられてしまう。このため、このxの値の増加量と、yの値の減少量は小さい程良い。
本発明の実施例は比較例に比べてxの値の変化量が小さい、すなわち、赤味が抑えられている。その結果、入射角度を変えても反射色調変化が小さいという印象を与えることができる。
本発明のガラス積層体における基体側からの反射色調に関しては、入射角度0°でのxの値(CIE色度座標図におけるx座標)と60°でのxの値との差の絶対値が、0.01以下であることが好ましく、特に、0.005以下であることが好ましい。
【0048】
(実施例4)
実施例1のガラス積層体を用い、6mmの断熱空気層を介して別の3mmソーダライムガラスと複層ガラス化し、窓用ガラス積層体(以下、積層体Aという)を作製した。一方、6mmの断熱空気層を12mmとした以外は、前記と同様にして窓用ガラス積層体(以下、積層体Bという)を作製した。
実施例1のガラス積層体の放射率の測定値から、その熱貫流率を計算したところ、積層体Aでは2.5、積層体Bでは1.7であった。このことから、これらの窓用ガラス積層体は高い断熱性を有していることが確認できた。
また、反射色調(図3における31a側からの反射色調)については、複層ガラス化することにより白味が強くなったが、穏やかな色調である緑味は十分に認められた。さらに、斜めから見た場合の反射色調の変化は、複層ガラス化しても影響はなく、実施例1の単板の場合と同様の良好な結果であった。また、反対側からの反射色調(図4における41a側からの反射色調)についても前記と同様であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の積層体は、無彩色に近い穏やかな反射色調を有し、かつ基体側から見た反射光の色調が、入射角度を変えても変化が少ないものである。
また、本発明の窓用ガラス積層体は、高断熱性を有するとともに、無彩色に近い穏やかな反射色調を有し、かつ基体側から見た反射光の色調が、入射角度を変えても変化が少ないものである。
そのため、本発明の積層体および窓用ガラス積層体は、その特長を活かして、建築物、車両等の窓ガラス用のガラス基材に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層体の一例の断面図。
【図2】 ガラス積層体について、ガラス面側からの反射色調を入射角度を変えて測定した結果を示す図。
【図3】 Low−Eガラスを用いたガラス積層体の例を示す模式断面図。
【図4】 Low−Eガラスを用いたガラス積層体の他の例を示す模式断面図。
【符号の説明】
1 酸化物からなる第1層
2 Agを主成分とする金属からなる第2層
3 酸化物からなる第3層
4 Agを主成分とする金属からなる第4層
5 酸化物からなる第5層
11 基体
31a ガラス基板
31b ガラス基板
32 周縁部
33 断熱空気層
34 低反射性被膜
41a ガラス基板
41b ガラス基板
42 周縁部
43 断熱空気層
44 低放射性被膜
Claims (4)
- ガラス基体と、該ガラス基体上に、ガラス基体側から、順次、酸化物からなる第1層、Agを主成分とする金属からなる第2層、酸化物からなる第3層、Agを主成分とする金属からなる第4層、および酸化物からなる第5層とを有する積層体であって、前記第1層の厚さが第5層の厚さの60〜90%であり、前記第2層の厚さが第4層の厚さの50〜90%の厚さであり、前記第1層、第3層および第5層の光学的厚さの和が300nm以下であり、前記第3層の厚さが第1層の厚さの300%以上であり、前記第1層の光学的厚さが32nm〜41nmであり、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nmであり、第3層の光学的厚さが113nm〜145nmであり、第4層の幾何学的厚さが8nm〜12nmであり、かつ第5層の光学的厚さが45nm〜60nmであり、
前記ガラス基体側からの反射色調に関して、入射角度0°でのxの値(CIE色度座標図におけるx座標)と60°でのxの値との差の絶対値が、0.005以下である積層体。 - ガラス基体と、該ガラス基体上に、ガラス基体側から、順次、酸化物からなる第1層、Agを主成分とする金属からなる第2層、酸化物からなる第3層、Agを主成分とする金属からなる第4層、および酸化物からなる第5層とを有する積層体であって、前記第1層の厚さが第5層の厚さの60〜90%であり、前記第2層の厚さが第4層の厚さの50〜90%の厚さであり、前記第1層、第3層および第5層の光学的厚さの和が300nm以下であり、前記第3層の厚さが第1層の厚さの300%以上であり、前記第1層の光学的厚さが41nm〜50nm、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nm、第3層の光学的厚さが150nm〜177nm、第4層の幾何学的厚さが11nm〜15nm、かつ第5層の光学的厚さが62nm〜74nmであり、
前記基体側からの反射色調に関して、入射角度0°でのxの値(CIE色度座標図におけるx座標)と60°でのxの値との差の絶対値が、0.005以下である積層体。 - ガラス基体と、該ガラス基体上に、ガラス基体側から、順次、酸化物からなる第1層、Agを主成分とする金属からなる第2層、酸化物からなる第3層、Agを主成分とする金属からなる第4層、および酸化物からなる第5層とを有する積層体であって、前記第1層の厚さが第5層の厚さの60〜90%であり、前記第2層の厚さが第4層の厚さの50〜90%の厚さであり、前記第1層の光学的厚さが63nm〜71nm、第2層の幾何学的厚さが6nm〜9nm、第3層の光学的厚さが165nm〜187nm、第4層の幾何学的厚さが10nm〜14nm、かつ第5層の光学的厚さが72nm〜82nmであり、
前記基体側からの反射色調に関して、入射角度0°でのxの値(CIE色度座標図におけるx座標)と60°でのxの値との差の絶対値が、0.005以下である積層体。 - 複数枚のガラス基板が、それぞれ断熱空気層を介して積層されてなる窓用ガラス積層体であって、少なくとも1つのガラス基板が、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体である窓用ガラス積層体。
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