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JP4011049B2 - 磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法,磁気ヘッドの定義方法,ドライブの作動方法,及びハードディスクドライブ - Google Patents

磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法,磁気ヘッドの定義方法,ドライブの作動方法,及びハードディスクドライブ Download PDF

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JP4011049B2 JP2004270879A JP2004270879A JP4011049B2 JP 4011049 B2 JP4011049 B2 JP 4011049B2 JP 2004270879 A JP2004270879 A JP 2004270879A JP 2004270879 A JP2004270879 A JP 2004270879A JP 4011049 B2 JP4011049 B2 JP 4011049B2
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Description

本発明はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive,以下,HDDとも称する。)分野に係り,より詳細には,HDDにおける各磁気ヘッドの書込み性を考慮して磁気ヘッドの書込み特性を最適化する方法,磁気ヘッドの定義方法,ドライブの作動方法及びそれを利用したハードディスクドライブに関する。
HDDは磁気ヘッドによりディスクに書き込まれた情報を読み出すか,またはディスクにデータを書き込む装置である。ディスクはスピンドルモータに回転自在に搭載され,情報はボイスコイルモータ(Voice Coil Motor,以下,VCMとも称する。)により回転されるアクチュエータアームに搭載された磁気ヘッド(読取り/書込みヘッド)によりアクセスされる。VCMは電流により励磁されてアクチュエータを回転させ,ヘッドを移動させる。読出し/書込みヘッドはディスクの表面から出てくる磁気の変化を感知してディスク表面に書き込まれた情報を判読する。データトラックに情報を書き込むために,電流がヘッドに供給される。電流は磁界を発生させ,それによりディスク表面を磁化させる。
HDDの環境条件での性能は,ドライブの信頼性の基本的な,極めて重要な項目である。特に,温度及び湿度条件でのドライブの性能は,隣接トラック消去(Adjacent Track Erase,以下,ATEとも称する。)や弱い書込み(Weak Write,以下,WWとも称する。)のような書込み性と深い関連がある。
ここで,磁気ヘッドに提供される書込み電流によりターゲットトラックに隣接したトラック(以下,隣接トラック)に書き込まれたデータが消去される現象をATEという。
HDDで書込み性は極めて重要な特性であり,このような書込み性能はHDDを取り囲む環境に影響される。
一般的に低温の下ではCoCrPt物質に基づいたメディアの磁性層,例えばハードディスクの磁性層の保磁力が増加して,常温(平常の温度)下の場合と対比して書込み特性が落ちる。これにより,HDDは正確なデータを書き込むことができず,また,以前に書き込まれているデータを正常にオーバーライトできないオーバーライト特性が低下するという問題が生じる。逆に,高温の下では保磁力の減少によって同じ書込みフィールドに対して極めて強く書き込まれるという現象によって,隣接トラックに干渉を与えるトラック侵犯(Track Encroachment,以下,TEとも称する。)かATEのような問題がもたらされる。
磁気ヘッドのATE特性は,高温下ではメディアの磁性層の保磁力減少及び飛行高さ(Flying Height,以下,FHとも称する。)の減少によって劣化され,低温下では,メディアの保磁力増加によって劣化される。
最近,HDDの容量が増えるにつれて,ヘッドの読出し/書込みセンサのサイズは縮小され,FTも次第に低くなる傾向がある。このように磁気ヘッドの物理的サイズが小さくなれば,そのヘッドに提供される書込み電流により隣接トラックのデータが消去される隣接トラック消去現象が起こりやすい。
一般的な場合,WWは低温でのメディアの磁気保持力の増加による書込み特性の低下,及びそれによる誤った情報の入力を示す低温WWが多い。
最近では,高温でのメディア磁性層の保磁力減少によるトラック間干渉(TEまたはATE)の補償または改善のために,オーバーシュートコントロール(Over Shoot Control,以下,OSCとも称する。)や書込み電流(Write Current,以下,WCとも称する。)を高温でのみ低くして使用するが,このような場合に使われるOSCやWC値が磁気ヘッド特性に対比して低過ぎることにより発生する高温WWの問題も生じる。
ここで,書込み電流の波形の一例を示した図1を参照すれば,メディアの磁性層1に書き込まれたデータ2a,2bの転換点3で,書込み電流は鋭く上昇した形状を示しているが,この時の書込み電流のdc成分を上記WCといい,起立成分をOSCという。WCは,磁界の強度を保磁力の近くに維持させる役割をし,OSCは,書込み位置で磁界の強度を保磁力以上に引き上げるトリガとしての役割をする。
現在,ほとんどのHDDは,プリアンプのダイ温度(プリアンプに内蔵された温度センサによりプリアンプが検出する温度)を測定してHDDの周辺環境温度を測定し,これに基づいて,書込み性を改善するために,低温下では,メディアの保磁力増加による高保磁力に対応するようにOSCやWCを一定量に増やし,高温下では,メディアの保磁力の減少による低保磁力に対応するようにOSCやWCを逆に一定量を減らすことによって,温度環境に適した書込み特性を維持している。
すなわち,最近のHDDはドライブの温度測定(実際にはプリアンプ端の温度測定)を通じてWCやOSCを制御する方法によって,低温下では,高いWC及びOSCを使用して保磁力の増加に対応し,高温では,低いWC及びOSCを使用して保磁力減少に対応するようにしている。
特開平12−222703号公報
ところが,磁気ヘッド及びプリアンプは広い特性分布を有するために,従来の方法のように検出された温度のみに基づいて一定量のOSC及びWCが増加または減少された場合にはオーバーライトや書込み性の特性はまだ十分でない。その結果,低温,高温WWの問題が発生してビットエラーまたは記録されているデータの破壊のような問題がもたらされる可能性があった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,HDDでの各磁気ヘッドの書込み性を考慮して,各磁気ヘッドの特性に合わせて最適化されたOSC及びWCを使用することによって,WWの問題を解決することができる,磁気ヘッドの書込み特性を最適化する方法,磁気ヘッドの定義方法,ドライブの作動方法及びそれを利用したハードディスクドライブ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,メディアに読出し/書込みを行える磁気ヘッドの書込み特性を最適化する方法において:各磁気ヘッドを正常ヘッド,低温WW(Weak Write)ヘッド,または高温WWヘッドのいずれかの種類の磁気ヘッドとして定義する段階と;磁気ヘッドの種類及び環境温度によって,最適のオーバーシュートコントロール(OSC:Overshoot Control:オーバーシュート制御信号)及び書込み電流(WC:Write Current)を使用して書込み特性を最適化する段階と;を含むことを特徴とする磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法が提供される。
上記磁気ヘッドの種類を定義する段階は,(a)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンに隣接トラック書込み(ATW:Adjacent Track Write)を第1所定回数実行し,ターゲットトラックで最適のBERを示す第1オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(b)複数のゾーンに対する第1オーバーシュートコントロール平均値を,低温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第1特定値と比較して,磁気ヘッドが低温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;及び/または,(c)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数より多い第2所定回数実行し,ターゲットトラックで最適のビットエラー率(BER:Bit Error Rate)を示す第2オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(d)複数のゾーンに対する第2オーバーシュートコントロール平均値を,高温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第2特定値と比較して,磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;を含んでもよい。
上記磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する段階は,第2オーバーシュートコントロール平均値が第2特定値より大きければ,磁気ヘッドを高温WWヘッドと判断し,第2オーバーシュートコントロール平均値が第2特定値以下であれば,正常ヘッドと判断するようにしてもよい。
上記第2所定回数は第1所定回数より大きくてもよい。
上記ATWはターゲットトラックの両方の隣接トラックの全てのゾーンに対して行われ,第1オーバーシュートコントロール平均値及び第2オーバーシュートコントロール平均値は全てのゾーンに対する平均値であってもよい。
上記第1特定値は第2特定値より大きくてもよい。
上記書込み特性を最適化する段階は,高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対して,高温環境で正常ヘッドに比べてOSC及びWCの値を高めて使用してもよい。
上記書込み特性を最適化する段階は,低温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対して,低温環境で正常ヘッドに比べてOSC及びWCを高めて使用してもよい。
上記書込み特性を最適化する段階は,常温で,高温WWヘッド,低温WWヘッド及び正常ヘッドに対して第1オーバーシュートコントロールを使用する;及び/または,常温で,ATWが行われていない状態での最適のBERで測定されたWCを使用する;ようにしてもよい。
上書込み特性を最適化する段階は,低温環境で,低温WWヘッドに対しては最大オーバーシュートコントロールを使用し,正常ヘッド及び高温WWヘッドに対しては,ATWが行われていない状態での最適のBERを示すOSCの値を使用する;及び/または,低温環境で,低温WWヘッドは正常ヘッドより高いWCを使用し,高温WWヘッドと正常ヘッドは,低温WWヘッドに比べて低温で相対的に低いWCを使用する;ようにしてもよい。
上記書込み特性を最適化する段階は,高温環境で,高温WWヘッドに対しては第2オーバーシュートコントロールより所定段階α高めて使用し,低温WWヘッド及び正常ヘッドに対しては第2オーバーシュートコントロールを使用する;及び/または,高温環境で,正常ヘッド及び低温WWヘッドはATWが行われていない状態での最適のBERで測定されたWCより低いWCを使用し,高温WWヘッドはATWが行われていない状態での最適のBERで測定されたWCを使用する;ようにしてもよい。
上記磁気ヘッドの書込み特性の最適化過程は,ハードディスクドライブ(HDD)に含まれた複数の磁気ヘッドのうち1つの磁気ヘッドまたは選択的に一部の磁気ヘッドに対して行われるか,またはHDDに含まれた複数の磁気ヘッドの全てに対して行われるようにしてもよい。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,(a)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数実行し,ターゲットトラックで最適のBERを示す第1オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(b)複数のゾーンに対する第1オーバーシュートコントロール平均値を,低温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第1特定値と比較して,磁気ヘッドが低温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;及び/または,(c)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数より多い第2所定回数実行し,ターゲットトラックで最適のBERを示す第2オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(d)複数のゾーンに対する第2オーバーシュートコントロール平均値を高温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第2特定値と比較して,磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;を含み,磁気ヘッドが正常ヘッドであるか,低温WWヘッドであるか,高温WWヘッドであるかを定義することを特徴とする磁気ヘッドの定義方法が提供される。
上記磁気ヘッドが低温WWヘッドであるか否かを判断する(b)段階は,第1オーバーシュートコントロール平均値が第1特定値より大きければ,磁気ヘッドを低温WWヘッドと判断し,第1オーバーシュートコントロール平均値が第2特定値以下であれば,正常ヘッドと判断するようにしてもよい。
上記磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する(d)段階は,第2オーバーシュートコントロール平均値が第2特定値より大きければ,磁気ヘッドを高温WWヘッドと判断し,第2オーバーシュートコントロール平均値が第2特定値以下であれば,正常ヘッドと判断するようにしてもよい。
上記第2所定回数は第1所定回数より大きくてもよい。
上記ATWはターゲットトラックの両方の隣接トラックの全てのゾーンに対して行われ,第1オーバーシュートコントロール平均値及び第2オーバーシュートコントロール平均値は全てのゾーンに対する平均値であるようにしてもよい。
上記第1特定値は第2特定値より大きくてもよい。
上記磁気ヘッドの定義過程は,HDDに含まれた複数の磁気ヘッドのうち1つの磁気ヘッドまたは選択的に一部の磁気ヘッドに対して行われるか,またはHDDに含まれた複数の磁気ヘッドの全てに対して行われるようにしてもよい。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,メディアに読出し/書込み機能を行えるドライブの複数の磁気ヘッドの最適化された書込み特性でドライブを作動させる方法において:各磁気ヘッドを正常ヘッド,低温WWヘッド,または高温WWヘッドのいずれかの種類の磁気ヘッドとして定義する段階と;複数の磁気ヘッドの定義された種類及び環境温度によって,複数の磁気ヘッドの書込み特性を最適化する段階と;正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドと定義された対応する磁気ヘッドの種類の定義及び最適化された書込み特性に基づいてメディアに情報を書き込む段階と;を含むことを特徴とするドライブの作動方法が提供される。
上記ドライブの作動方法は,上記ドライブの環境温度が高い時,定義された正常ヘッド及び低温WWヘッドのための書込み特性は定義された高温WWヘッドの書込み特性と異なり;ドライブの環境温度が低い時,定義された正常ヘッド及び高温WWヘッドの書込み特性は定義された低温WWヘッドの書込み特性と異なり;ドライブの環境温度が平常である時,定義された正常ヘッド,高温WWヘッド及び低温WWヘッドの書込み特性は同じであるようにしてもよい。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報を保存するメディアと;メディアへの情報の追加及び/またはメディアからの情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,磁気ヘッドにより行われるメディアへの情報の書込みを制御するための書込み特性は,上記の磁気ヘッドの書込み特性を最適化する方法によって最適化されることを特徴とするハードディスクドライブが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報を保存するメディアと;メディアへの情報の追加及び/またはメディアからの情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,上記の磁気ヘッドの定義方法によって正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの定義に基づいて,磁気ヘッドが制御され,メディアにデータが書き込まれることを特徴とするハードディスクドライブが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報を保存するメディアと;メディアへの情報の追加及び/またはメディアからの情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,上記の磁気ヘッドの定義方法によって正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの定義に基づいて磁気ヘッドが制御され,メディアにデータが書き込まれることを特徴とするハードディスクドライブが提供される。
以上説明したように本発明によれば,HDDで各磁気ヘッドが正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドであるか否かを定義でき,磁気ヘッドの種類による書込み性を考慮し,環境温度を考慮して,各磁気ヘッドの特性に合わせて最適化されたOSC及びWCを使用できるので,低温,高温WW問題が生じない。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
ハードディスクドライブ(以下,HDDとも称する)は,回転するハードディスクの読出し/書込み面に対応する磁気ヘッドを具備する。HDDには通常数枚のハードディスクが同一回転軸上に設置されるので,これに対応していくつかの磁気ヘッドが配置される。磁気ヘッドは,ディスク面の磁気領域を磁化または磁気を検出することにより情報を書き込むか,または読み出す。
HDDで,読出し/書込みは,ベース上に回動可能に設置された磁気ヘッドの組立て体の回動を利用して,その端部の方向に設置された磁気ヘッドを回転ディスク上の適正位置に移動させるスイングアーム駆動方式により行われる。
図2は,HDD構造の一例を概略的に示した平面図である。図2を参照すると,HDD10は,情報が書き込まれるメディアの一例であるハードディスク20と,情報の書込み及び読取りのために磁気ヘッド50をハードディスク20上の任意のトラック位置に移動させる磁気ヘッド移動装置などを具備する。ここで,ハードディスク20は情報が書き込まれる書込み領域22と,このハードディスク20の回転が停止した時に磁気ヘッド50がパーキングされるように備えられたパーキング領域21と,に区分されうる。
ディスク20は,ベース11上に回転自在に設置されてスピンドルモータ(図示せず)により回転される。
磁気ヘッド移動装置は,磁気ヘッド50が搭載され,ベース11上に備えられた回動軸34を中心に回動可能に設置される磁気ヘッド組立て体30(ヘッドアセンブリ)と,磁気ヘッド組立て体30を電磁気力により回動させるためのアクチュエータ40(アクチュエータアセンブリ)と,を具備する。
磁気ヘッド組立て体30は,回動軸34に回転自在に結合されるアクチュエータアーム32の端部に結合されるサスペンション31と,ハードディスク20に情報を書き込み,ハードディスク20に書き込まれている情報を読み出すための磁気ヘッド(図3の70)を具備し,サスペンション31に設置される磁気ヘッドスライダ50と,を含んで構成される。
磁気ヘッドスライダ50は,サスペンション31によりハードディスク20側にバイアスされており,ハードディスク20が回転し始めると,ハードディスク20の回転により発生する空気動圧により,ハードディスク20に対して浮上したまま飛行する。この時,磁気ヘッドスライダ50が浮上したまま飛行する高さはサスペンション31のグラム荷重と,ハードディスク20の回転による空気の流れによる揚力などにより決定される。
ここで,飛行高さとは,ハードディスク20の回転の間,磁気ヘッドスライダ50がハードディスク20に対して浮上したまま飛行する際の,磁気ヘッドスライダ50の先端側に備えられた読出しセンサ,すなわち磁気抵抗ヘッドとハードディスク20の表面との間の間隔である。グラム荷重とは,サスペンション31により発揮された力をいう。
図3は,図2のHDDに使用可能な磁気ヘッド70の一例を示す。図3の示したように,磁気ヘッド70は,読出しのための磁気抵抗(Magnetic Reluctance,以下,MRとも称する。)ヘッド74と,書込みのための誘導書込みヘッドと,を含んでいる。MRヘッド74は,ハードディスク20に書き込まれた磁気信号を感知して読み出す役割をする。誘導書込みヘッドは,ハードディスク20へ漏れる磁束を形成するためのトップポール71とボトムポール72,及び,電流が供給されと磁界が発生する書込み用コイル73を具備し,所望の磁気信号をハードディスク20に書き込む役割をする。
各ハードディスク20の面毎に上記のような磁気ヘッド70が1つずつ対応して配置される。
また,図2を参照すると,アクチュエータ40は,公知であるように,磁石(図示せず)とボイスコイル14とを含む。ボイスコイル14に電流を印加して,磁気ヘッド70をハードディスク20上の所望のトラック位置に移動させる。
スピンドルモータ,ボイスコイル14,磁気ヘッド70は印刷回路基板アセンブリ(Printed Circuit Board Assembly,以下,PCBAとも称する。)15の電子回路と電気的に連結される。電子回路は,プリアンプと,読出し/書込みチャンネル回路と,サーボ制御機と,を含む。電子回路はハードディスクの磁界を感知する磁気ヘッドと電気的に連結される。
磁気ヘッド70はハードディスクの磁界に相応する読出し信号を生成する。読出し信号はプリアンプにより増幅され,読出し/書込みチャンネル回路に送られる。読出し/書込みチャンネル回路は,磁気ヘッド70により読取られて増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変調させ,ユーザーデータを受けてハードディスク20に書き込めるように書込み電流に変換させる信号処理を実行する。サーボ制御機は,HDDを総括的に制御する。
上記のような構成を有するHDDの組立て後には,HDDを検証して最適化するための工程に進む。
上記のHDDを検証して最適化するための工程は,組立てられたHDDの動作を最適化する工程,及び読出し/書込み性能の検証工程を含む。
HDDの動作を最適化する工程には,例えばサーボ較正,チャンネル最適化,PCBAのチェック工程を含む多様な較正工程及びパラメータ最適化工程が含まれる。
サーボ較正段階は,読出し/書込みヘッド,すなわちMRヘッドの機構的,電気的な位置制御のためのパラメータの最適化工程を含む。ここで,最適化すべきパラメータはMRヘッドのスキュー(MR skew),KT値などを含む。KT値はMRへッドが動く時にどれほどの回転力でどれほど加速されたかを示す値である。
チャンネル最適化はMRへッドで正常的な読出し/書込みを行うための読出し/書込み関連パラメータの最適化工程を含む。読出し/書込み関連のパラメータには,例えば読出し電流と書込み電流がある。
PCBAチェックは,PCBAが機構/電気的動作を行えるか否かを検出して,回路システムが正常に動作しているか否かを検査する工程をいう。PCBAの印刷回路基板には読出し/書込み機能を行うための回路(RW IC),コントローラ,モーターを制御するコンボ回路などを含む多数の回路が具備される。
HDDの動作実行のための最適化工程は,上述のようにHDDを構成する多様な部品の機構的/電気的較正工程及び各種パラメータの最適化工程を含む。
HDD内にはハードディスクの読出し/書込み面と対応する複数の磁気ヘッドが具備されている。読出し/書込み性能の検証工程は各磁気ヘッドに対して行われる。例えば,HDD内にN個の磁気ヘッドが具備されているならば,最初の磁気ヘッドに対する性能テスト工程からN番目の磁気ヘッドに対する性能テスト工程まで行われる。読出し/書込みの性能テストにより読出し/書込みを検証する。読出し/書込みの検証はオフトラックの読出し,多様な書込みパターンの変更などを通じて行われる。
本実施形態は,磁気ヘッドの書込み性の特性を検証する工程を通じて,磁気ヘッドを,正常ヘッド,高温WWヘッド及び低温WWヘッドの3種のいずれかであると定義し,各定義されたヘッド特性に合わせて最適化された低温,高温工程で最適にOSC及びWCを使用する方法に関する。
本実施形態の各プロセスは,HDDの動作の最適化工程の段階で行われる。HDDの読出し/書込みの性能検証工程は,本実施形態で低温WWヘッドを定義するために得られる後述のOSC1値を使用して行われる。
本実施形態は,一般的に,潜在的なWWヘッドは正常ヘッドに比べてフリンジフィールドが弱いという事実に基づいて,ターゲットトラックの両側に隣接したトラックに対するATWを実行して,この時に設定されたBERが最も良い時(すなわち,最適である時)のOSC値を測定し,この時に測定されたOSC値のサイズによって低温,高温WWを定義する。
BERは,磁気ヘッドによって読取られた信号に含まれた一定数のデータビットのうちいくつのエラービットが発生したかを示す比率である。
図4は,OSCとBERとの関係を示すグラフの一例である。図4を参照すると,OSCに対するBERは,概略的に最低のBER(BER_min)を湾曲点aとする概略的なV字状を現す。例えば,これはOSCが低ければ,低磁界によりBERが高まり,OSCが高ければ,列的ポールチップ突起(TPTP:Thermal Pole Tip Protrusion)がひどくなるためにBERが高まると解釈することができる。図4で,bは使用範囲内の最大OSC(OSCmax)でのBER(BER_oscmax)を示す。
ここで,現在,HDDは,非金属成分のスライダにパーマロイよりなった金属成分のポールが内蔵された構造の磁気ヘッドを備える。したがって,書込み動作の間,書込み電流が磁気ヘッドに備えられたコイルに流れれば,ジュール熱が発生し,この時に金属と非金属間の熱膨張係数の差によって金属成分のポール周辺が膨らんで突出されるが,これをTPTPという。このようなTPTPにより磁気ヘッドとハードディスク間のインターフェース(Hard Disk Interface,以下,HDIとも称する。)のマージンが減り,磁気ヘッドのFTを下げる効果を出す。したがって,過度のTPTPは磁気ヘッドとハードディスクとの衝突によるポールの損傷,厳しい熱,信号変調などの問題をもたらす。
したがって,OSCが高ければ,TPTPがひどくなり,これによりBERが高まる。
図5は,本実施形態による磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法を概略的に示すフローチャートであり,図6は,図5に適用される本実施形態による磁気ヘッドの定義方法の一実施例を示したフローチャートである。
図5を参照すると,メディア,例えばHDDのハードディスクに読出し/書込みを行える磁気ヘッドの書込み特性を最適化する過程は,対象磁気ヘッドが正常ヘッドであるか,低温WWヘッドであるか,高温WWヘッドであるかの磁気ヘッドの種類を定義する段階(S100)と,磁気ヘッドの定義された種類によって最適のOSC及びWCを使用して対象磁気ヘッドの書込み特性を最適化する段階(S200)と,を含む。
本実施形態による磁気ヘッドの書込み特性の最適化検証は常温で行われる。
本実施形態は,複数のHDDに含まれた複数の磁気ヘッドの書込み特性を最適化するために適用される場合には,一つの磁気ヘッドに対する定義及び書込み特性の最適化が終了した後に,次の段階(S300)に進んで,次の磁気ヘッドに対する定義及び書込み特性の最適化過程が行われ,かかる過程が繰り返される。
後述のように,書込み特性を最適化する段階(S200)で高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対しては,高温環境において正常ヘッドよりもOSC及びWC値を高めて使用する。書込み特性を最適化する段階(S200)で低温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対しては,低温環境において正常ヘッドよりもOSC及びWCを高めて使用する。
図6に示すように,磁気ヘッドの種類は,次のような過程を通じて定義することができる。
まず,BERテストによるATWが全く行われていない状態(ATW=0)のターゲットトラックに対するオントラックOSC値を測定する(S101)。この時測定されたOSC値は,ATWが全く行われていない状態状態(ATW=0)のターゲットトラックに対する最も良いBER値を伴う最適のOSC値であると認められる。
具体的に,与えられたOSC条件でターゲットトラックに所定回数,例えば10回データを書き込んだ後,ターゲットトラックを所定回数,例えば600回ほど読取ってBERを測定する過程をOSC条件を変えながら繰り返して,BER値が最適である(望ましくは,最も低い)OSC値を検出する。この時,OSCはHDDシステムで許容する最小OSC〜最大OSC範囲内の値であって,実際のシステムでOSCは数〜数十段階に区分されて適用される。ここで,最小OSC,最大OSC値及びOSCを区分する段階数はHDDシステムを製造する製造社別に異なりうる。
ここで,ATWが0である状態でBERが最適であるOSCは,低温で正常ヘッドが使用するOSC値である。後述の内容から分かるように,低温WWヘッドと定義されれば,このOSC値を使わずに最大OSC値を使用する。
次に,両方の隣接トラックのあらゆるゾーンにATWを第1所定回数としてM回,例えば100回ほど行った後,ターゲットトラックで最適のBER値を示すOSCを測定する(S103)。この時に測定されたOSC値をOSC1という。OSC1はATWをM回行った時のBERが最も良いOSC値を示す。
具体的に,与えられたOSC条件で目標トラックに隣接したトラックにM回,例えば100回ほどデータを書き込んだ後,ターゲットトラックを所定回数,例えば600回ほど読取ってBER値を測定する過程をOSC条件を変えながら繰り返して,BERが最適である(最も低い)OSC1値を検出する(S103)。
次に,あらゆるゾーンに対して平均したOSC1値が特定値a以下であるか否かを比較する(S105)。ここで,特定値aはOSCの範囲及びHDDの製作条件によって異なる可能性があり,例えば,概略的にOSC範囲の中間程度に該当する値になりうる。
あらゆるゾーンに対して平均したOSC1値が特定値aより大きければ,書込みフリンジフィールドが弱いという意味である。したがって,平均したOSC1値が特定値aより大きければ,磁気ヘッドは低温WWヘッドと定義される(S107)。低温WWヘッドは正常の場合に比べて低温環境においてより高いOSC及びWCを使用する(S109)。望ましくは,このような低温WWヘッドは,低温環境で最大OSC値を使用する。
平均したOSC1値が特定値a以下であれば,この段階でヘッドは正常ヘッドと判断される(S111)。
次に,磁気ヘッドで両方の隣接トラックのあらゆるゾーンにATWを第2所定回数としてN回(ここで,N>M),例えば1000(1k)回ほど行った後,OSC値を測定する(S113)。この時に測定されたOSC値をOSC2という。OSC2はATWをN回行った時のBER値が最も良いOSC値を示す。
具体的に,与えられたOSC条件でターゲットトラックに隣接したトラックにN回,例えば1000回ほどデータを書き込んだ後,ターゲットトラックを所定回数,例えば600回ほど読取ってBER値を測定する過程をOSC条件を変えながら繰り返して,BERが最適である(最も低い)OSC2値を検出する(S113)。
次に,あらゆるゾーンに対して平均したOSC2値が特定値b以下であるか否かを比較する(S115)。ここで,特定値bは特定値aと同様に,OSCの範囲及びHDDの製作条件によって異なる可能性があり,例えば概略的に特定値aの半分程度に該当する値になりうる。
あらゆるゾーンに対して平均したOSC2値が特定値b(ここで,b<a)より大きければ,高温下において低すぎるOSCを使用した時に高温WWが発生する可能性があると判断する。したがって,平均したOSC2値が特定値bより大きければ,磁気ヘッドを高温WWヘッドと定義し(S117),高温WWヘッドは高温環境で正常ヘッドに比べてOSC値を所定段階高めて使用する(S119)。望ましくは,このような高温WWヘッドは,高温環境でOSC2値よりα段階,例えば2段階高めて使用する。
平均したOSC2値が特定値b以下であれば,この段階で磁気ヘッドは正常ヘッドと定義される(S121)。
ここで,正常ヘッド及び低温WWヘッドは何れも高温ではOSC2を使用し,高温WWヘッドの場合にのみ,OSC2+αのように使用することが望ましい。
上述のように,ATW100回を行った後であらゆるゾーンに対して平均したOSC1値がaより大きければ,低温WWヘッドと定義する。また,ATW1000回を行った後であらゆるゾーンに対して平均したOSC2値がbより大きければ,高温WWヘッドと定義する。また,平均したOSC1値がa以下及び/または平均したOSC2値がb以下であれば,正常ヘッドと定義する。
上述のように,対象磁気ヘッドの種類が定義されれば,その次の段階,例えば対象磁気ヘッドの書込み特性を最適化する段階(図5のS200),または次の磁気ヘッドに対して上記の定義過程を繰り返す段階に進む(S123)。
ここで,複数の磁気ヘッドが設置されたHDD内における各磁気ヘッドの書込み特性最適化は,各磁気ヘッドの種類を定義する毎にその都度行われるか,または全ての磁気ヘッドの種類を定義した後に各磁気ヘッドに対して順次行われる場合もある。
磁気ヘッドの書込み特性の最適化は,図6のS109,S119段階で行われうる。図6に示されたように磁気ヘッドの書込み特性の最適化は磁気ヘッドを定義する過程で直ちに行われる場合と,全ての磁気ヘッドの定義を終了した後,各磁気ヘッドに対して行われる場合とがある。
低温環境で,低温WWヘッドは上述のように,最大OSCを使用し,正常ヘッド及び高温WWヘッドはATW=0でのOSC値を使用できる。
常温で,低温WWヘッド,正常ヘッド及び高温WWヘッドの全てはOSC1を使用できる。
また,高温環境で,低温WWヘッド及び正常ヘッドはOSC2を使用し,高温WWヘッドにのみOSC2より所定α段階ほど高めて使用できる。
WCの場合はOSCに比べて書込み性の特性にそれほど影響を及ぼさない。正常ヘッド,低温WWヘッド及び高温WWヘッドの何れも常温ではOSC1とATW=0で最適のBER値で測定されたWCとを使用できる。
低温環境で,低温WWヘッドと定義されたヘッドの場合には,正常ヘッドに比べてさらに高いWCを使用し,高温WWヘッドと正常ヘッドとは低温WWヘッドに比べて低温で相対的に低いWC,望ましくはATW=0で最適のBERで測定されたWCを使用できる。
高温環境で,正常ヘッド及び低温WWヘッドはATW=0で最適のBERで測定されたWCより小さなWCを使用し,高温WWヘッドはATW=0で最適のBERで測定されたWCを使用できる。
HDDで,各磁気ヘッドの書込み特性を最適化する最適のOSC及びWCは電子回路のメモリ(図示せず)に保存されうる。HDDの読出し/書込みの動作時に,各磁気ヘッドはメモリに保存されたOSC及びWC条件値を使用して最適に書込みを行うことができる。
上述のような本実施形態によれば,ATWテストを実行した後,設定されたOSC値によって正常ヘッド,低温WWヘッド,高温WWヘッドと定義して,潜在的なWWヘッドに対して,最適にOSC及びWCを使用できるので,書込み性を向上させることができる。
低温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの場合には,低温環境条件で正常ヘッドよりOSC及びWCをより高く使用すれば,書込み性とオーバーライト特性とを改善させることができる。
一方,高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの場合には,望ましくは高温でOSC及びWCを下げすぎることによってもたらされる高温WW問題を解決するために,高温環境で正常ヘッドに対比してOSC値及びWCを高く使用することが望ましい。
HDDに対しては,上述のような本実施形態による,磁気ヘッドを正常ヘッド,高温WWヘッドまたは低温WWヘッドと定義し,これに対応して最適にOSC及びWCを使用して書込み特性を最適化する過程が磁気ヘッド数反復的に行われることが望ましい。
実質的にHDD内にはハードディスク面とそれぞれ対応する複数の磁気ヘッドが具備されているので上記のような磁気ヘッドの書込み特性最適化過程は,HDD内に含まれた全ての磁気ヘッドに対して行われるまで反復的に行われうる。
また,上述のような工程は必要に応じて1つの磁気ヘッドまたは選択的に一部の磁気ヘッドに対してのみ行われる場合もある。
上記のような各磁気ヘッドに対する正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドの定義データはHDDの電子回路のメモリに保存する。実際のユーザー環境では,本実施形態によれば,磁気ヘッドが正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドのいずれであるかを考慮し,かつ環境温度を考慮して磁気ヘッドの書込み性能を保証する最適のOSC及びWCが使用されるので,本実施形態によれば優秀な書込み特性を保障できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明はハードディスクドライブに適用可能である。
書込み電流の波形図である。 本発明の実施形態にかかるハードディスクドライブの主要部分を概略的に示した平面図である。 図2の磁気ヘッドを概略的に示した斜視図である。 本発明の実施形態にかかるOSCとBERとの関係を示したグラフの一例である。 同実施形態による磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法を概略的に示したフローチャートである。 図5に適用される本実施形態による磁気ヘッドの定義方法の一例を示したフローチャートである。
符号の説明
10 ハードディスクドライブ(HDD)
20 ハードディスク
30 磁気ヘッド組立て体
50,70 磁気ヘッド

Claims (24)

  1. メディアに読出し/書込みを行える磁気ヘッドの書込み特性を最適化する方法において:
    前記磁気ヘッドを正常ヘッド,低温WWヘッド,または高温WWヘッドのいずれかの種類の磁気ヘッドとして定義する段階と;
    前記磁気ヘッドの種類及び環境温度によって,最適のオーバーシュートコントロール(OSC)及び書き込み電流(WC)を使用して書込み特性を最適化する段階と;
    含み,
    前記磁気ヘッドの種類を定義する段階は,
    (a)前記メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第1オーバーシュートコントロールを測定する段階と;
    (b)前記複数のゾーンに対する第1オーバーシュートコントロール平均値を,前記低温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第1特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記低温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    及び/または,
    (c)前記メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを前記第1所定回数より多い第2所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第2オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(d)前記複数のゾーンに対する第2オーバーシュートコントロール平均値を,前記高温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第2特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記高温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    を含むことを特徴とする,磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  2. 前記磁気ヘッドが前記低温WWヘッドであるか否かを判断する段階は,
    前記第1オーバーシュートコントロール平均値が前記第1特定値より大きければ,前記磁気ヘッドを前記低温WWヘッドと判断し,前記第1オーバーシュートコントロール平均値が前記第1特定値以下であれば,前記正常ヘッドと判断することを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  3. 前記磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する段階は,
    前記第2オーバーシュートコントロール平均値が前記第2特定値より大きければ,前記磁気ヘッドを前記高温WWヘッドと判断し,前記第2オーバーシュートコントロール平均値が前記第2特定値以下であれば,前記正常ヘッドと判断することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  4. 前記第2所定回数は前記第1所定回数より大きいことを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  5. 前記ATWは前記ターゲットトラックの両方の隣接トラックの全てのゾーンに対して行われ,
    前記第1オーバーシュートコントロール平均値及び第2オーバーシュートコントロール平均値は全てのゾーンに対する平均値であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  6. 前記第1特定値は前記第2特定値より大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  7. 前記書込み特性を最適化する段階は,
    前記高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対して,高温環境で前記正常ヘッドに比べて前記OSC及び前記WCの値を高めて使用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  8. 前記書込み特性を最適化する段階は,
    前記低温WWヘッドと定義された磁気ヘッドに対して,低温環境で前記正常ヘッドに比べて前記OSC及び前記WCを高めて使用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  9. 前記書込み特性を最適化する段階は,
    常温で,前記高温WWヘッド,前記低温WWヘッド及び前記正常ヘッドに対して前記第1オーバーシュートコントロールを使用する;
    及び/または,
    常温で,前記ATWが行われていない状態での最適の前記BERで測定された前記WCを使用する;
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  10. 前記書込み特性を最適化する段階は,
    低温環境で,前記低温WWヘッドに対しては最大オーバーシュートコントロールを使用し,前記正常ヘッド及び前記高温WWヘッドに対しては,前記ATWが行われていない状態での最適の前記BERを示す前記OSCの値を使用する;
    及び/または,
    低温環境で,前記低温WWヘッドは前記正常ヘッドより高い前記WCを使用し,前記高温WWヘッドと前記正常ヘッドは,低温WWヘッドに比べて低温で相対的に低い前記WCを使用する;
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  11. 前記書込み特性を最適化する段階は,
    高温環境で,前記高温WWヘッドに対しては前記第2オーバーシュートコントロールより所定段階α高めて使用し,前記低温WWヘッド及び前記正常ヘッドに対しては前記第2オーバーシュートコントロールを使用する;
    及び/または,
    高温環境で,前記正常ヘッド及び前記低温WWヘッドは前記ATWが行われていない状態での最適の前記BERで測定された前記WCより低い前記WCを使用し,前記高温WWヘッドは前記ATWが行われていない状態での最適の前記BERで測定された前記WCを使用する;
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  12. 前記磁気ヘッドの書込み特性の最適化過程は,ハードディスクドライブ(HDD)に含まれた複数の前記磁気ヘッドのうち1つの前記磁気ヘッドまたは選択的に一部の前記磁気ヘッドに対して行われるか,または前記HDDに含まれた複数の前記磁気ヘッドの全てに対して行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの書込み特性の最適化方法。
  13. (a)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第1オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(b)前記複数のゾーンに対する第1オーバーシュートコントロール平均値を,低温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第1特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記低温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    及び/または,
    (c)メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを前記第1所定回数より多い第2所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第2オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(d)前記複数のゾーンに対する第2オーバーシュートコントロール平均値を高温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第2特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記高温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    を含み,前記磁気ヘッドが正常ヘッドであるか,前記低温WWヘッドであるか,前記高温WWヘッドであるかを定義することを特徴とする磁気ヘッドの定義方法。
  14. 前記磁気ヘッドが低温WWヘッドであるか否かを判断する(b)段階は,
    前記第1オーバーシュートコントロール平均値が前記第1特定値より大きければ,前記磁気ヘッドを前記低温WWヘッドと判断し,前記第1オーバーシュートコントロール平均値が前記第2特定値以下であれば,前記正常ヘッドと判断することを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  15. 前記磁気ヘッドが高温WWヘッドであるか否かを判断する(d)段階は,
    前記第2オーバーシュートコントロール平均値が前記第2特定値より大きければ,前記磁気ヘッドを前記高温WWヘッドと判断し,前記第2オーバーシュートコントロール平均値が前記第2特定値以下であれば,前記正常ヘッドと判断することを特徴とする請求項13または14に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  16. 前記第2所定回数は前記第1所定回数より大きいことを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  17. 前記ATWは前記ターゲットトラックの両方の隣接トラックの全てのゾーンに対して行われ,
    前記第1オーバーシュートコントロール平均値及び第2オーバーシュートコントロール平均値は全てのゾーンに対する平均値であることを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  18. 前記第1特定値は前記第2特定値より大きいことを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  19. 前記磁気ヘッドの定義過程は,前記HDDに含まれた複数の前記磁気ヘッドのうち1つの前記磁気ヘッドまたは選択的に一部の前記磁気ヘッドに対して行われるか,または前記HDDに含まれた複数の前記磁気ヘッドの全てに対して行われることを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載の磁気ヘッドの定義方法。
  20. メディアに読出し/書込み機能を行えるドライブの複数の磁気ヘッドの最適化された書込み特性でドライブを作動させる方法において:
    前記各磁気ヘッドを正常ヘッド,低温WWヘッド,または高温WWヘッドのいずれかの種類の磁気ヘッドとして定義する段階と;
    前記複数の磁気ヘッドの定義された前記種類及び環境温度によって,前記複数の磁気ヘッドの書込み特性を最適化する段階と;
    前記正常ヘッド,前記低温WWヘッドまたは前記高温WWヘッドと定義された対応する前記磁気ヘッドの前記種類の定義及び前記最適化された書込み特性に基づいてメディアに情報を書き込む段階と;
    含み,
    前記磁気ヘッドの種類を定義する段階は,
    (a)前記メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを第1所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第1オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(b)前記複数のゾーンに対する第1オーバーシュートコントロール平均値を,前記低温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第1特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記低温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    及び/または,
    (c)前記メディアのターゲットトラックに隣接した隣接トラックの複数のゾーンにATWを前記第1所定回数より多い第2所定回数実行し,前記ターゲットトラックで最適のBERを示す第2オーバーシュートコントロールを測定する段階と;(d)前記複数のゾーンに対する第2オーバーシュートコントロール平均値を,前記高温WWヘッドであるか否かを判断する基準になる第2特定値と比較して,前記磁気ヘッドが前記高温WWヘッドであるか否かを判断する段階と;
    を含むことを特徴とするドライブの作動方法。
  21. 前記ドライブの環境温度が高い時,定義された前記正常ヘッド及び前記低温WWヘッドのための書込み特性は定義された前記高温WWヘッドの書込み特性と異なり;
    前記ドライブの環境温度が低い時,定義された前記正常ヘッド及び前記高温WWヘッドの書込み特性は定義された前記低温WWヘッドの書込み特性と異なり;
    前記ドライブの環境温度が平常である時,定義された前記正常ヘッド,前記高温WWヘッド及び前記低温WWヘッドの書き込み特性は同じであることを特徴とする請求項20に記載のドライブの作動方法。
  22. 情報を保存するメディアと;
    前記メディアへの前記情報の追加及び/または前記メディアからの前記情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;
    前記ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,
    前記磁気ヘッドにより行われる前記メディアへの情報の書込みを制御するための書込み特性は,請求項1から12のいずれか1項に記載の方法によって最適化されることを特徴とするハードディスクドライブ。
  23. 情報を保存するメディアと;
    前記メディアへの前記情報の追加及び/または前記メディアからの情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;
    前記ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,
    請求項13から19のいずれか1項に記載の方法により正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの定義に基づいて,前記磁気ヘッドが制御され,前記メディアにデータが書き込まれることを特徴とするハードディスクドライブ。
  24. 情報を保存するメディアと;
    前記メディアへの前記情報の追加及び/または前記メディアからの情報の削除を制御する磁気ヘッドを具備するヘッドアセンブリと;
    前記ヘッドアセンブリを回転させるためのアクチュエータアセンブリと;を具備し,
    請求項20または請求項21に記載の作動方法によって,正常ヘッド,低温WWヘッドまたは高温WWヘッドと定義された磁気ヘッドの定義に基づいて前記磁気ヘッドが制御され,前記メディアにデータが書き込まれることを特徴とするハードディスクドライブ。
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