以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置、例えばLCD用のガラス基板に対してレジスト処理を施すレジスト塗布現像処理装置を示す平面図、図2、図3及び図6は各々その装置内の要部の内部を示す側面図、図4はその装置内の要部を示す平面図、図5は各々その装置内の要部を示す側面図である。
このレジスト塗布現像処理装置1は、被処理基板、例えばLCD用のガラス基板Gを複数枚収容自在に構成された基板収納体、例えばカセットCを少なくとも一つ載置すると共に複数の場合は所定の一方向に沿って載置自在に構成されたカセット配置部2と、このカセット配置部2のカセットCに対してガラス基板Gを搬入或いは搬出すると共に複数のカセットCの載置方向と平行する所定方向Y1を自走自在に構成された搬送機構11を配置する搬送機構配置部5と、で少なくとも構成されたカセットステーション部90と、ガラス基板Gに所定の処理、例えばガラス基板Gに対して洗浄処理を施す洗浄処理部21、ガラス基板Gに対して所定の処理液、例えばレジスト液を塗布して処理を施すレジスト塗布処理部22、レジスト膜が形成されたガラス基板Gに対して所定の処理液、例えば現像液を供給して処理を施す現像処理部23、等の少なくとも一つの処理配置部とおよび、それぞれの処理部の間に各々配置されガラス基板Gを搬送自在に構成され、かつ自走不可に構成された搬送機構12,13,14と、これら搬送機構12,13,14の内の少なくとも一つの搬送機構或いはカセットステーション部90の搬送機構11からガラス基板Gを受渡し自在に構成されカセットステーション部90の搬送機構11の自走方向Y1とほぼ直交する所定方向Y2を自走自在に構成された搬送機構としての基板搬送機構16を配置する搬送機構配置部6と、で構成された処理ステーション部91と、この処理ステーション部91の搬送機構13と直接或いは間接的にガラス基板Gを受渡し自在に構成され処理ステーション部91の搬送機構15の自走方向Y2とほぼ直交する所定方向Y3を自走自在に構成された搬送機構15を配置すると共にガラス基板Gを搬送機構15から直接或いは間接的に他の装置、例えばガラス基板Gに形成されたレジスト膜に対して所定の回路パターンを露光する露光装置10と受渡し自在に構成された搬送機構配置部7としてのインターフェイスステーション部92とでその主要部が構成されている。
次に、処理ステーション部91内の処理配置部の一つである洗浄処理部21の構成について図2を参照して説明を行う。洗浄処理部21は、所定の処理、例えば液系の処理を施す処理部を含む複数の処理部によって構成されている。すなわち、その処理部の一つは、ガラス基板Gに対して所定の液処理としてガラス基板Gに対して洗浄液を供給する洗浄液供給機構としての洗浄液ノズル31から洗浄液をガラス基板Gに対して供給すると共にガラス基板Gに対して回転自在に構成された洗浄ブラシ32を接触させることによりガラス基板Gに付着した不要物としてのゴミ等を除去するよう構成された洗浄部30と、他の処理部の一つとして、ガラス基板Gを真空吸着して保持すると共に回転動且つ上下動自在に構成された保持機構としてのチャック36にて回転の遠心力でガラス基板Gの表面に付着した洗浄液を振切り乾燥自在に構成され、さらにチャック36上のガラス基板Gに対して乾燥気体を複数の穴から供給し乾燥を促進するための気体供給機構としてのシャワーヘッド37とでその主要部が構成された乾燥促進部35と、この乾燥促進部35と洗浄部30との間でガラス基板Gを搬送自在(一方向、つまり洗浄部30から次処理工程を行う乾燥促進部35方向で、搬送機構15の自走方向Y2とほぼ平行な方向に略水平に搬送)に構成されると共にカセットステーション部90の搬送機構11及び搬送機構12から般入出口39を介してガラス基板Gを直接若しくは間接的に受渡し自在に構成されると共にガラス基板Gを点或いは面接触にて搬送自在に構成された搬送機構としてのローラ搬送機構38と、でその主要部が構成されている。
なお、保持機構としてのチャック36についてガラス基板Gを真空吸着して保持するものを述べたが、ガラス基板Gの裏面または側面等を支持するメカチャックを用いてもよい。また、ローラ搬送機構38に対して搬送機構11及び搬送機構12から直接受渡ししてもよいが間接的に受渡しを行う一つの方法として、一旦ローラ搬送機構38の上方位置にてガラス基板Gの裏面または側面等を支持する支持機構(図示せず)として複数の支持ピンによって支持した後、それら複数のピンを同時に下降させてガラス基板Gをローラ搬送機構38のローラ部に移し替える方法等が考えられる。なぜならば、例えばローラ搬送機構38の複数のローラ部が独立して回転されるのではない場合、洗浄処理部21内に複数のガラス基板Gが存在していると複数のローラ部が回転して際に同時に処理の途中でも移動したり、そのような移動中に搬送機構11及び搬送機構12から直接受渡しする際に搬送ミスを起こす可能性があったり、また、複数のローラ部の回転が停止するのを待っていると搬送時間が処理のスループットに影響する恐れがあるためである。したがって、支持機構はガラス基板Gを一旦待機させる待機機構として存在させても良く,ローラ搬送機構38の途中の区間において存在させてもよい。ローラ搬送機構38の複数のローラ部が独立して回転される場合は、特に上述の問題は大きな影響となる可能性は低い。
次に、カセットステーション部90の搬送機構11の構成について説明すると搬送機構11は、前述にも説明したようにその基台40自体が複数のカセットCの載置方向と平行する所定方向Y1を自走自在に構成されており、搬送機構11には、ガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としてのアーム41を積層して複数備えている。これらのアーム41は各々独立して伸縮(X1方向)自在に構成されており、また、これらのアーム41の基台40は複数のアーム41を一括して上下方向(Z1方向)及び回転方向(θ1方向)に移動自在に構成されている。
次に、洗浄処理部21の上方、つまり上部の一方側には、ガラス基板Gの表面に付着した不要物、例えば有機物を除去するために紫外線、例えばエキシマUV等を照射して処理する紫外線処理部24が配置されており、洗浄処理部21の上方の他方側には、ガラス基板Gに対して所定の熱にて処理する第1の熱系の処理部25が配置されている。熱系の処理部25は、ガラス基板Gに対して疎水化処理を施すアドヒージョン処理ユニット26、ガラス基板Gに対して脱水ベークを行う脱水ベークユニット27等で構成される加熱処理部28と、この加熱処理部28の所定の処理ユニットで処理されたガラス基板Gを次工程の処理における処理時の温度に略設定するための温調処理部29が積層して配置されている。
なお、熱系の処理部25において洗浄処理部21に最も近い部分に温調処理部29を配置しその上方に加熱処理部28を配置したが、通常、温調処理部29にて設定するガラス基板Gを次工程の処理における処理時の温度は、加熱処理部28における処理ユニットでの温度より低い温度のため、例えば略室温のため加熱処理部28の熱が洗浄処理部21に影響を及ぼさないように温調処理部29は熱影響を抑制するバッファ的機能としてもその配置位置が配慮されている。さらに、洗浄処理部21への熱影響を抑制するために加熱処理部28においてもより高い温度での処理を行う処理ユニットほど高い位置、つまり洗浄処理部21から遠い位置に配置するようにしたほうが好ましい。また、本実施例において温調処理部29は一つ設けてあるが複数有った方がより洗浄処理部21への熱影響が抑制されることになる。
次に,洗浄処理部21の前述したカセットステーション部90の搬送機構11と対向する側には、搬送機構12が配置されている。この搬送機構12は、前述にも説明した搬送機構11と同様にガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としてのアーム41を積層して複数備えている。これらのアーム41は各々独立して伸縮(X1方向)自在に構成されており、また、これらのアーム41の基台40は複数のアーム41を一括して上下方向(Z1方向)及び回転方向(θ1方向)に移動自在に構成され、洗浄処理部21,アドヒージョン処理ユニット26及び脱水ベークユニット27の加熱処理部28,温調処理部29の各々の般入出口39を介してそれぞれの処理部に対してガラス基板Gを搬入出自在に構成されている。
次に、処理ステーション部91内の処理配置部の他の一つであるレジスト塗布処理部22の構成について図3を参照して説明を行う。レジスト塗布処理部22は、所定の処理、例えば液系の処理を施す処理部を含む複数の処理部によって構成されている。それらの処理部は、例えばガラス基板Gに対して所定の液処理としてガラス基板Gに対してレジスト液を供給するレジスト液供給機構としてのレジスト液供給ノズル61からレジスト液をガラス基板Gに対して供給すると共にガラス基板Gを保持し回転自在に構成された回転機構62の回転による遠心力にてガラス基板G上のレジスト液をガラス基板Gの処理面の全面にわたってレジスト膜を形成するように構成されており、このレジスト膜形成工程時には図示しない機構により上カップ63と下カップ64のいずれか一方が移動し他方に接触しカップ内をある程度の気密状態を維持するよう構成されたレジスト塗布部51と、図示しない機構により上カップ65と下カップ66のいずれか一方が移動し他方に接触し上カップ65と下カップ66により構成されたカップ内を排気機構、例えば真空ポンプ67により、ある程度の減圧状態に設定するよう構成され、レジスト塗布部51により処理されたガラス基板G上のレジスト液の形成膜に対してある程度まで減圧状態で乾燥させる減圧乾燥部52と、この減圧乾燥部52で処理されたガラス基板Gの周縁部のレジスト膜に対して溶剤液、例えばシンナー等を溶剤供給機構としての溶剤液供給ノズル68から供給し、ガラス基板Gの周縁部のレジスト膜を除去する不要レジスト膜除去部53と、でその主要部が構成されている。
さらに、ガラス基板Gを順にレジスト塗布部51、減圧乾燥部52、不要レジスト膜除去部53の処理部に(一方向、つまり次処理工程を行う方向で、搬送機構15の自走方向Y2とほぼ平行な方向に略水平に搬送(Y5方向))搬送自在に構成された搬送機構79としては図4を参照して説明を行う。この搬送機構79は、ガラス基板Gの裏面または側面等を支持或いは保持する保持機構としてのアーム69,70をガラス基板Gに対して対向する位置に配置しており、これらのアーム69,70は互いに近接離間移動(図中Y5方向)するよう構成されると共に上下動して各処理部及び搬送機構12とガラス基板Gを受渡し自在に構成されアーム69,70にてガラス基板Gを保持したまま略水平移動自在に構成されている。
次に、図3に示すようにレジスト塗布処理部22の上方、つまり上部の一方側には、ガラス基板Gに対して所定の熱にて処理する第2の熱系の処理部71が配置されている。この熱系の処理部71は、前述した第1の熱系の処理部25にても配置されたガラス基板Gに対して脱水ベークを行う脱水ベークユニット27で構成される加熱処理部28と、この加熱処理部28の所定の処理ユニットで処理されたガラス基板Gを次工程の処理であるレジスト塗布処理部22内の処理における処理時の温度に略設定するための温調処理部29が積層して配置されている。つまり、レジスト塗布処理部22における処理の前段処理を第1の熱系の処理部25及び第2の熱系の処理部71にてガラス基板Gに対して処理を施すものである。
なお、第1の熱系の処理部25及び第2の熱系の処理部71のユニット構成は同様な構成でも良いが、さらに好ましいのは洗浄処理部21に比べてレジスト塗布処理部22の方が処理の性質から熱の影響が受けやすいために、第1の熱系の処理部25にて配置する各処理ユニットでの処理の熱量の合計熱量より第2の熱系の処理部71のユニットでの処理の熱量の合計熱量が低くなるように構成したり、第1の熱系の処理部25にて配置する温調処理部29の数より第2の熱系の処理部71にて配置する温調処理部29の数が多くなるように構成したり、洗浄処理部21と加熱処理部28との間に介在する温調処理部29の数よりレジスト塗布処理部22と加熱処理部28との間に介在する温調処理部29の数がより多くなるように構成したり、第2の熱系の処理部71のユニット構成は温調処理部29のみにて構成するようにしてもよい。
さらに、レジスト塗布処理部22の上方の他方側には、レジスト塗布処理部22にて処理されたガラス基板Gに形成されたレジスト膜に対して所定の温度を処理してレジスト膜を硬化させる複数の加熱処理ユニット75等で構成される加熱処理部76と、この加熱処理部76の所定の処理ユニット75で処理されたガラス基板Gを次工程の処理における処理時の温度または装置内温度に略設定するための温調処理部77が積層して配置され第3の熱系の処理部72が構成されている。なお、レジスト塗布処理部22と加熱処理部76との間に温調処理部77を介在させるのは前述と同様な理由である。
次に,前述した搬送機構12は、レジスト塗布処理部22内にレジスト塗布処理部22の第一の般入出口39からガラス基板Gを搬入及び加熱処理部28と温調処理部29に対してそれぞれ設けられている般入出口39からガラス基板Gを搬入出自在に構成されている。なお、搬送機構12の動作については基本的に前述に記したとおりである。
次に、レジスト塗布処理部22内で処理されたガラス基板Gをレジスト塗布処理部22の搬入出口39から搬出または加熱処理部76の加熱処理ユニット75或いは温調処理部77の各々に対してそれぞれの搬入出口39を介してガラス基板Gを般入出させる搬送機構13を図5を参照しながら説明する。なお、レジスト塗布処理部22内で処理されたガラス基板Gをレジスト塗布処理部22の搬入出口39または加熱処理部76の加熱処理ユニット75或いは温調処理部77の各々の搬入出口39は、レジスト塗布部51、減圧乾燥部52、不要レジスト膜除去部53の処理部の配置方向に、つまりレジスト塗布処理部22内の搬送機構の自走方向Y4とほぼ直交する方向に位置するよう構成されている。
したがって、搬送機構13は、レジスト塗布処理部22内の搬送機構の自走方向Y4とほぼ直交する方向に位置するよう配置されており、搬送機構13は、前述にも説明した搬送機構12と同様にガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としてのアーム41を積層して複数備えている。これらのアーム41は各々独立して伸縮(X2方向)自在に構成されており、また、これらのアーム41の基台40は複数のアーム41を一括して上下方向(Z2方向)及び回転方向(θ2方向)に移動自在に構成されている。
さらに、搬送機構13は、現像処理部23内に現像処理部23の第一の般入出口39からガラス基板Gを搬入自在に構成されており,さらに現像処理部23の上方、つまり上部の一方側に配置され、ガラス基板Gに対して所定の熱にて処理する第4の熱系の処理部73として、後述する露光装置10にて処理されたガラス基板Gを所定の温度で加熱処理する加熱処理部75と、この加熱処理部75と現像処理部23との間には加熱処理部75の熱が現像処理部23に影響を与えないよう加熱処理部75で処理されたガラス基板Gを現像処理部23での処理温度と略同温、例えば室温に設定する温調処理部77の各々の般入出口39を介してガラス基板Gを搬入出自在に構成されている。
なお、第4の熱系の処理部73と加熱処理部75,77の処理ユニット群は互いに搬入出口39が対抗する方向に配置され、さらに現像処理部23とレジスト塗布処理部22の搬入出口39も対抗するよう配置されている。
次に、現像処理部23の構成について図6を参照して説明を行う。現像処理部23は、所定の処理、例えば液系の処理を施す処理部を含む複数の処理部によって構成されている。すなわち、その処理部の一つは、ガラス基板Gの露光装置10により所定の回路パターンが形成されたレジスト膜に対して所定の液処理としてガラス基板Gに対して現像液を供給する現像液供給機構としての現像液ノズル81から現像液をガラス基板Gに対して供給する現像液供給部80と、他の処理部の一つとして、現像液供給部80でガラス基板G上に盛られた現像液の現像反応を進行させると共に現像反応が終了した後にガラス基板Gに対して純水等のリンス液をリンス液供給ノズル83から供給しガラス基板G上の現像液を除去(現像液からリンス液に置換)すると共にガラス基板Gの乾燥を例えば乾燥エアー等の乾燥促進機構(図示せず)により乾燥を促進させるリンス液供給部82とを備えている。
また、現像処理部23内には、現像液供給部80とリンス液供給部82との間でガラス基板Gを搬送自在(一方向、つまり現像液供給部80側から次処理工程を行うリンス液供給部82方向で、搬送機構15の自走方向Y2とほぼ平行な方向に略水平に搬送)に構成され、搬送機構13及び後述する搬送機構14からそれぞれ般入出口39を介してガラス基板Gを直接若しくは間接的に受渡し自在に構成されると共にガラス基板Gを点或いは面接触にて搬送自在に構成された搬送機構としてのローラによる搬送機構85とを備えている。
なお、現像処理部23内の搬送機構85または洗浄処理部23内の搬送機構38においてローラによる搬送を記したがこれに限定されず例えばレジスト塗布処理部22内の搬送機構79のようなアーム69,70にて搬送機構を構成しても良いしレジスト塗布処理部22内の搬送機構79においてもローラによる搬送機構に置き換えても良く、基板を上述のように搬送可能であればその機構の種類を限定するものではない。
次に、図6に示すように現像処理部23の上方、つまり上部の第4の熱系の処理部73配置側ではない方の一方端側には、第5の熱系の処理部74として現像処理部23にて処理されたガラス基板Gに対して所定の温度で処理を施しガラス基板G上のレジスト膜を乾燥硬化させる加熱処理部100、この加熱処理部100で処理されたガラス基板Gを次工程の処理における処理時の温度または装置内温度に略設定するための温調処理部101が積層して配置され、温調処理部101の下部にはガラス基板Gに対して現像の脱色処理を行うための紫外線処理部としてi線の紫外線を照射する紫外線照射ユニット102(例えば半導体ウエハの処理の場合においては電磁エネルギー処理部、例えばエレクトロンビームを照射するEB処理部等)が設けられ、紫外線照射ユニット102の下部にはガラス基板G上に形成されたレジスト膜の検査を行う検査処理部103が設けられている。
次に、搬送機構14は、前述にも説明した搬送機構13と同様にガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としてのアーム41を積層して複数備えている。これらのアーム41は各々独立して伸縮(X3方向)自在に構成されており、また、これらのアーム41の基台40は複数のアーム41を一括して上下方向(Z3方向)及び回転方向(θ3方向)に移動自在に構成され、現像処理部23内で処理されたガラス基板Gを現像処理部23の搬入出口39から搬出または加熱処理部100或いは温調処理部101或いは紫外線照射ユニット102或いは検査処理部103の各々に対してそれぞれの搬入出口39を介してガラス基板Gを般入出自在に構成されている。
次に、図1に示した基板搬送機構16について図7,図8,図9の斜視図及び図10の要部断面図を参照して説明する。この基板搬送機構16は、図1に示すように処理ステーション部91内の複数の搬送機構12,13,14とそれぞれガラス基板Gを受け渡す受渡し位置(図中P1,P2,P3)にてガラス基板Gを受け渡し自在(TP)に構成され、またカセットステーション部90の搬送機構11ともガラス基板Gを受け渡し自在(TP)に構成されている。
図7に示すように基板搬送機構16は、ガラス基板Gの側方或いは周縁部を保持する周縁部保持部材120と裏面側を保持する裏面部保持部材121とを備えた搬送機構11,12,13または14のアーム41がX方向に移動し基板搬送機構16上に位置した後に、図8に示すようにガラス基板Gの側方或いは周縁部を保持すると共にアーム41と干渉しないように上昇する上下動自在に構成された周縁部保持部材125と、アーム41と干渉しないようにアームのスリット部122から突出してガラス基板Gの裏面側を保持すると共に上下動自在に構成された裏面部保持部材126とでアーム41上のガラス基板Gを受け取り自在構成されている。
さらに、基板搬送機構16は、搬送機構11,12,13または14のアーム41がX方向に移動し基板搬送機構16上から退避した後に、図9に示すように周縁部保持部材125及び裏面部保持部材126が降下した際にガラス基板Gの側方或いは周縁部を保持すると周縁部保持部材128と、ガラス基板Gの裏面側を保持する裏面部保持部材129とを備えている。
さらに、基板搬送機構16の周縁部保持部材128は、図10に示すように、ガラス基板Gの位置決め機構として複数の角度(θ1,θ2)を有した落とし込み部130を備えており、基板搬送機構16の移動中においてもガラス基板Gの位置がずれるのを抑制している。このような位置決め機構は、搬送機構11,12,13または14のアーム41との受渡しの際にも位置がずれるのを抑制する効果を有している。また、搬送機構11,12,13または14のアーム41の周縁部保持部材120もこのような機構を備えておりガラス基板Gの搬送中或いは受渡し時の動作をより確実に行うよう構成されている。なお、基板搬送機構16には、図示しない温調機構が備えられガラス基板Gを所定の温度、例えば搬送に適した所定温度または前述の温調処理部の処理温度と略同温に設定自在に構成されている。
次に、インターフェイスステーション部92について図1を参照しながら説明を行う。インターフェイスステーション部92は、前述にも説明した搬送機構11と同様にガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としてのアーム41を積層して複数備え、これらのアーム41は各々独立して伸縮自在に構成されており、また、これらのアーム41の基台は複数のアーム41を一括して上下方向(Z方向)及び回転方向(θ方向)に移動自在に構成され基台は搬送機構11のY1方向と平行するY3方向に移動自在に構成された搬送機構15を備えている。
さらに、搬送機構15は、処理ステーション部91の搬送機構13及び露光装置10との間で直接或いは間接的にガラス基板Gを受渡し自在に構成されている。
次に、図2における洗浄処理部21,図3におけるレジスト塗布処理部22及び図6における現像処理部23の図中に示すそれぞれの処理部内部の処理部間に示された点線部について図11及び図12を参照して説明する。それぞれの処理部21,22,23内部の処理部間には例えばそれぞれの処理部との雰囲気干渉を抑制するために雰囲気遮断機構として例えば図11または図12で示すような機構を備えている。(ここではガラス基板Gをローラ搬送する例で説明する。)
すなわち、図11に示す雰囲気遮断機構150における開閉機構として上シャッタ152と下シャッタ153が設けられ、いずれか一方の側、例えば下シャッタ153の上シャッタ152との当接面にはシール部材としてシリコンゴム154等が配置されている。また、上シャッタ152と下シャッタ153とは相対的に近接離間(図中Z5)するよう構成されており上シャッタ152と下シャッタ153とが接触した際には処理部間の雰囲気を遮断自在に構成している。
また、図12に示す雰囲気遮断機構150においては、遮断媒体、例えば、気体、例えばクリーエアー等または液体、例えば純水等を供給する遮断媒体供給機構156から開閉機構、例えばバルブ157を介してノズル158からカーテン状に吐出されるよう構成されている。また、ノズル158の下方位置には、ノズル158から吐出された遮断媒体を回収するための遮断媒体受け部159が設けられ、この遮断媒体受け部159の遮断媒体は開閉機構、例えばバルブ160を介して遮断媒体回収機構161により回収されるよう構成されている。さらに、遮断媒体回収機構161は回収した遮断媒体の少なくとも一部をコストダウン等のメリットから遮断媒体供給機構156に対して循環経路162を介して戻し、循環利用自在に構成している。
このような雰囲気遮断機構150の動作については、ガラス基板Gが搬送機構38,79,85により雰囲気遮断機構150を通過する際は、例えばシャッタ152,153を使用する場合は開閉或いは遮断媒体おいて例えば液体を使用する場合はその吐出を停止するよう構成する必要がある。しかしながら、遮断媒体おいて例えば気体を使用する場合は稼動の停止を必要としない場合が多い。つまり、例えば洗浄処理部21内において洗浄部30と乾燥促進部35との間に雰囲気遮断機構150を配置した場合、遮断媒体おいて例えば気体を使用していると洗浄部30で処理されてきたガラス基板G上の洗浄液を吹き飛ばすことになり後段の処理の乾燥促進部35の処理時間が短縮できるという二次的な効果を発生させることができる。この場合特に注意する点として遮断媒体によりガラス基板G上の洗浄液が吹き飛んでミストになった際、このミストが乾燥促進部35で処理するまたは処理後のガラス基板G上に付着しないよう対策を行う必要がある。このような対策の一つとしてガラス基板Gの搬送方向に複数の雰囲気遮断機構150を配置してもよい。以上のことから、雰囲気遮断機構150は配置環境或いは前後の処理環境に応じて適宜選択するようにすることが必要である。
次に、各処理部に設けられた搬入出口39について図13及び図14を参照して説明する。各処理部に設けられた搬入出口39は、各処理部の内部方向から外方向に見た図13に示すように各処理部内の内壁部165には搬入出口39の周囲にシール部材、例えばOリング166が備えられており、図14に示す開閉機構、例えばシャッタ機構167が待機位置から所定の動作、例えば図中のZ0方向に移動しさらにX0方向に移動しOリング166と当接し搬入出口39を開閉自在に構成されている。
さらに、各処理部の開閉自在な開閉機構を備えた搬入出口39は、装置内には通常、クリーンルームからのエアーをフィルター等を介してダウンフローを形成するように構成されており,各処理部の雰囲気の干渉を防止することがその主たる目的の一つである。例えば、加熱処理部75の熱を帯びた雰囲気がレジスト塗布処理部22内に流れ込むとレジスト塗布工程は熱の影響で塗布膜の厚みが変動しやすい性質のためガラス基板Gの処理の歩留まりが発生してしまう。また、例えば洗浄処理部21からの洗浄液等のミストが洗浄処理部21外に飛散し、このミストが搬送中等のガラス基板G上に付着しないよう対策を行う必要がある。このような問題を解消するためにも、このような問題が発生する場合は搬入出口39の開閉機構は有効である。
また、例えばレジスト塗布処理部22内部の雰囲気圧力をレジスト塗布処理部22外部の雰囲気圧力に対して、実質的に高い圧力に設定してレジスト塗布処理部22外部の雰囲気がレジスト塗布処理部22内部に進入するようにし、それによる他の処理部が特段の影響を及ぼさない場合はレジスト塗布処理部22の搬入出口39の開閉機構は特段備えていなくてもよい。
以上のように構成されたレジスト塗布現像処理装置1におけるガラス基板Gの処理工程の手順の一例を以下に説明する。始めに、カセットステーション部90のカセット配置部2に人的搬送或いは機械的搬送、例えばAGVロボットにより少なくとも一つのカセットCが搬送され、このカセット配置部2に配置された未処理のガラス基板Gを複数枚収納するカセットCからガラス基板Gを一枚毎搬送装置11に搬出し、その搬出したガラス基板Gを紫外線処理部24に直接搬入し、紫外線処理部24にて洗浄前処理が施される。
次いで、紫外線処理部24にて処理されたガラス基板Gは搬送装置11により紫外線処理部24の下方に位置する洗浄処理部21に般入出口39を介して搬送され(般入出口39の開閉機構については特に述べない。以下同様)洗浄処理部21内のローラによる搬送機構38に直接或いは間接的に受け渡され、次いで、搬送機構38のローラの回転駆動によりガラス基板Gは洗浄部30の処理位置に略水平に搬送され、洗浄処理が施される。
次いで、洗浄処理が施されたガラス基板Gは搬送機構38のローラの回転駆動により乾燥促進部35の処理位置に略水平に搬送(搬送路の途中に配置する雰囲気遮断機構については前述したので特に述べない。以下同様)され、乾燥処理が施される。乾燥処理が施されたガラス基板Gは搬送機構38のローラの回転駆動により搬送機構12と直接或いは間接的にガラス基板Gを受け渡す受渡位置にガラス基板Gを略水平に搬送し、その後、搬送機構12により洗浄処理部21の般入出口39を介して洗浄処理部21外に搬送し、次いで搬送機構12はガラス基板Gを洗浄処理部21の上方に配置する加熱処理部28の脱水ベークユニット27またはレジスト塗布処理部22の上方の温調処理部29に般入出口39を介して搬送し、ガラス基板Gは脱水ベークユニット27内にて脱水処理が施される。
次いで、脱水ベークユニット27内にて脱水処理が施されたガラス基板Gは、搬送機構12により脱水ベークユニット27内より搬出され搬送機構12により脱水ベークユニット27の下方位置の温調処理部29に搬送され温調処理部29内にて所定の温度まで冷却され所定の温度に維持する処理が施される。
次いで、温調処理部29内にて所定の温度に維持されたガラス基板Gは、搬送機構12により温調処理部29内より搬出され搬送機構12により温調処理部29の上方位置のアドヒージョン処理ユニット26に搬送されアドヒージョン処理ユニット26内にて疎水化処理(HMDS処理)が施される。
次いで、アドヒージョン処理ユニット26内にて処理されたガラス基板Gは、搬送機構12によりアドヒージョン処理ユニット26の下方位置に配置される温調処理部29またはレジスト塗布処理部22の上方に位置する温調処理部29のいずれかの温調処理部29に選択搬送されその選択された温調処理部29内にて所定の温度、例えば次工程の処理を施すレジスト塗布処理部22内での処理における温度とほぼ同温またはその近傍の温度まで冷却され所定の温度、例えば、ほぼ室温に設定する処理が施される。
次いで、温調処理部29内にて所定の温度に維持されたガラス基板Gは、搬送機構12により温調処理部29内より搬出され搬送機構12により温調処理部29の下方に位置するレジスト塗布処理部22に般入出口39を介して搬送されレジスト塗布処理部22内の搬送機構79に直接或いは間接的に受け渡され、次いで、搬送機構79によりガラス基板Gはレジスト塗布部51の処理位置に略水平に搬送され、レジスト液の塗布処理が施される。
次いで、レジスト塗布部51にてレジスト液の塗布処理が施されたガラス基板Gは搬送機構79により減圧乾燥部52の処理位置に略水平に搬送され、減圧することにより乾燥させる処理が施される。減圧処理が施されたガラス基板Gは搬送機構79により不要レジスト膜除去部53の処理位置に略水平に搬送され、ガラス基板Gの周縁部に形成された不要部分のレジスト膜を除去する処理が施される。不要部分のレジスト膜が除去処理されたガラス基板Gは搬送機構79により搬送機構13と直接或いは間接的にガラス基板Gを受け渡す受渡位置にガラス基板Gを略水平に搬送し、その後、搬送機構13によりレジスト塗布処理部22の般入出口39を介してレジスト塗布処理部22外に搬送する。
次いで、搬送機構13はガラス基板Gをレジスト塗布処理部22の上方に配置する加熱処理部76の内の選択された加熱処理ユニット75に搬送し、ガラス基板Gは加熱処理ユニット75内にて加熱処理が施される。
次いで、加熱処理ユニット75内にて加熱処理されたガラス基板Gは、搬送機構13により加熱処理ユニット75の下方位置に配置される温調処理部77内にて所定の温度、例えば搬送に適した温度として搬送機構配置部6内の雰囲気温度とほぼ同温またはその近傍の温度まで冷却され所定の温度に維持する処理が施される。
次いで、温調処理部77内にて処理されたガラス基板Gは、搬送機構13により温調処理部77外に搬出された後に、インターフェイスステーション部92の搬送機構15に対して直接或いは間接的にガラス基板Gを引き渡す。さらに、搬送機構15は露光装置10に対して直接或いは間接的にガラス基板Gを引き渡し、露光装置10内にてガラス基板Gのレジスト膜に所定の回路パターンが露光処理される。
次いで、露光装置10内で露光処理されたガラス基板Gは、露光装置10からインターフェイスステーション部92の搬送機構15に対して直接或いは間接的に引き渡され、さらに、搬送機構15は搬送機構13に対してガラス基板Gを直接或いは間接的に引き渡す。
次いで、ガラス基板Gは搬送機構13により現像処理部23の上方に位置する加熱処理ユニット75に搬送され露光後の加熱処理が施される。加熱処理ユニット75内にて処理されたガラス基板Gは搬送機構13により加熱処理ユニット75の下方位置に配置される温調処理部77またはレジスト塗布処理部22の上方に位置する温調処理部77のいずれかの温調処理部77に選択搬送されその選択された温調処理部77内にて所定の温度、例えば次工程の処理を施す現像処理部23内での処理における温度とほぼ同温またはその近傍の温度まで冷却され所定の温度、例えば、ほぼ室温に設定する処理が施される。
次いで、温調処理部77内にて所定の温度に設定されたガラス基板Gは、搬送機構13により温調処理部77内より搬出され搬送機構13により温調処理部77の下方に位置する現像処理部23に般入出口39を介して搬送され現像処理部23内の搬送機構85に直接或いは間接的に受け渡され、次いで、搬送機構85によりガラス基板Gは現像液供給部80の処理位置に略水平に搬送され、現像液をガラス基板Gに供給することによりガラス基板G上に現像液の液盛り処理が施される。
次いで、現像液供給部80にて現像液の液盛り処理が施されたガラス基板Gは搬送機構85によりリンス液供給部82の処理位置に現像液の液盛りされたガラス基板Gは現像液がガラス基板G上から零れ落ちないよう略水平に搬送され、現像液によるレジスト膜との化学反応が終了した後にリンス液と供給し置換させ、その後、図示しないエアー供給による乾燥或いは振切り乾燥等の乾燥処理が施される。リンス液による処理が施されたガラス基板Gは搬送機構85により搬送機構14と直接或いは間接的にガラス基板Gを受け渡す受渡位置にガラス基板Gを略水平に搬送し、その後、搬送機構14によりガラス基板Gは現像処理部23の般入出口39を介して現像処理部23外に搬出される。
次いで、搬送機構14はガラス基板Gを現像処理部23の上方に配置する紫外線処理部102に搬送し、ガラス基板Gは紫外線処理部102内にて脱色処理が施される。その後、ガラス基板Gは搬送機構14により加熱処理部100に搬送され加熱処理された後、ガラス基板Gは搬送機構14により温調処理部101に搬送され冷却処理される。
次いで、搬送機構14はガラス基板Gを検査処理部103に搬送し、ガラス基板Gのレジスト膜の状態を検査する処理が施される。その後、ガラス基板Gは搬送機構14によりP1(図1中)位置に配置する基板搬送機構16を介して間接的に或いは直接、カセットステーション部90の搬送機構11にガラス基板Gを受け渡す。
次いで、搬送機構11はガラス基板Gをカセット配置部2に配置する処理済のガラス基板Gを収納するカセットCに対して搬入し、一連の処理が終了する。
なお、基板搬送機構16の動作或いは役割としては、上記に述べた他に次のような動作或いは役割を行う。ガラス基板Gの処理が上述した一連の処理ではなく、基板搬送機構16の動作として、例えば洗浄処理までの処理のみを施したい場合においては、洗浄処理部21で終了したP2(図1中)位置に配置しガラス基板Gを搬送機構12を介して間接的に或いは直接受け取り、P1(図1中)位置に移動しカセットステーション部90の搬送機構11にガラス基板Gを受け渡す。また、例えばレジスト塗布処理までの処理のみを施したい場合或いは露光処理までの処理のみを施したい場合或いは露光処理終了後熱系の処理までの処理のみを施したい場合においては、P3(図1中)位置に配置しガラス基板Gを搬送機構13を介して間接的に或いは直接受け取り、P1(図1中)位置に移動しカセットステーション部90の搬送機構11にガラス基板Gを受け渡す。
このように、装置1内の所定の処理を選択する場合或いは装置1の故障或いは停止等のガラス基板Gの処理がそれ以上実行不可となった際の装置1内からのガラス基板Gの払出を行う場合において各搬送機構とアクセスするよう動作する。
以上のように本実施形態によれば、ガラス基板Gに対して所定の処理を施す処理部として洗浄処理部21においては処理の前後の工程を実施する処理部として洗浄部30と乾燥促進部35が一方向に配置され、また、レジスト塗布処理部22においては処理の前後の工程を実施する処理部としてレジスト塗布部51と減圧乾燥部52と不要レジスト膜除去部53が一方向に配置され、また、現像処理部23においては処理の前後の工程を実施する処理部として現像液供給部80とリンス液供給部82が一方向に配置され、さらに洗浄処理部21内及びレジスト塗布処理部22内及び現像液供給部80内には一方向にガラス基板Gを搬送自在の搬送機構38,79,85がそれぞれ備えられ、さらに洗浄処理部21及びレジスト塗布処理部22及び現像液供給部80にはそれぞれの部で処理されたガラス基板Gを搬送する搬送機構12,13,14がそれぞれ設けられている。
すなわち、所定の前後の処理を行う処理部を一体化し、さらに、その一体化された処理システムの内部及び外部にそれぞれ基板を搬送する搬送機構を備えブロック化(例えば、洗浄処理部21と搬送機構12またはレジスト塗布処理部22と搬送機構13または現像処理部23と搬送機構14)したことで、従来の別個に処理部を配置し構成したシステムに比べ例えば、処理部を構成する処理室の隣り合う側方部の処理壁の厚みが削減できるので、その分、スペースを削除できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。また、同様の雰囲気に設定される複数の処理部においては、各々処理部に雰囲気を設定するための機構が必要となるが、一体化することで、それらの雰囲気を設定するための機構を削減することができ、装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。また、装置の価格を低減することができ産業の発展にさらに寄与することができる。
さらに、所定の前後の処理を行う処理部を一体化したことにより、処理部間の搬送の時間を一定にすると共に従来の別個に処理部を配置し構成したシステムに比べ複数の基板の処理条件が一定にすることが可能となり、したがって基板毎の処理のバラツキを抑えることができ、もって歩留まりの低減を図ることが可能となる。
さらに、所定の前後の処理を行う処理部を一体化し、さらにその処理部に一つの搬送機構を備えシステムを構成し、そのシステムを少なくとも一つ或いは複数組み合わせてシステム全体を構成したことにより、従来の別個に処理部を配置し構成したシステムに比べ例えば、処理部を構成する処理室の隣り合う側方部の処理壁の厚みが削減できるので、その分、スペースを削除できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。また、所定の前後の処理を行う処理部(処理部配置部)の上方に処理部配置部で処理された基板に対して所定の処理を施す処理部、例えば加熱処理部を配置したことにより、その分、さらにスペースを削除できるために装置の小型化が図れる。さらに、処理部配置部毎に備えた搬送機構により処理部配置部および加熱処理部にアクセス可能であるため、余分な搬送機構を持つ必要が無くさらにスペースを削除できるために装置の小型化が図れる。
さらに、所定の前後の処理を行う処理部(処理部配置部)の上方に処理部配置部で処理された基板に対して所定の処理を施す処理部、例えば加熱処理部を配置したことにより、加熱処理部を処理部配置部、例えば非加熱処理部の上方側に設けたことにより加熱処理部の熱が下方にいくのを抑制でき、処理部配置部に熱の影響を与えるのを抑制し、もって、歩留まりの低減を図ることが可能となる。
さらに、所定の前後の処理を行う処理部(処理部配置部)毎に専用の搬送機構を備え、それを一体に構成し、それぞれの搬送機構から基板を受渡し自在に構成された少なくとも一つの基板搬送機構を有しているので、メンテナンス、基板の払出等においてシステムの使い勝手の自由度が拡大し、また基板搬送機構の配置エリア、例えば直線状の領域に人が入りメンテナンスエリアとして使用することができる。
さらに、一つの処理部配置部に付属する処理部配置部内の基板の搬送方向に対して同方向に配置される搬送機構と、他の一つの処理部配置部に付属する処理部配置部内の基板の搬送方向に対して垂直方向に配置される搬送機構との少なくとも二つのシステムを有してそれらを組み合わせてシステム全体を構成したことにより、従来の別個に処理部を配置し構成したシステムに比べ例えば、処理部を構成する処理室の隣り合う側方部の処理壁の厚みが削減できるので、その分、スペースを削除できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。
さらに、液処理部(処理部配置部)の上方に加熱処理部を配置、(つまり処理部配置部の般入出口より上方または処理部配置部内の基板の搬送高さよりも上方に配置)したことにより、加熱処理部を液処理部の上方側に設けたことにより加熱処理部の熱が下方にいくのを抑制でき、液処理部に熱の影響を与えるのを抑制し、もって、歩留まりの低減を図ることが可能となる。
さらに、液処理部(処理部配置部)の内部に雰囲気遮断機構を配置したことにより、処理部配置部内の処理部間の雰囲気の干渉を抑制でき、各液処理部間の影響を抑制し、もって、歩留まりの低減を図ることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図15は本発明の第2の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。図16は図15の要部を示す断面図である。なお、第1の実施形態における記号と同一のものについては、その説明を省略するものとする。
図15にも示すようにレジスト塗布現像処理装置109に備えられた、処理部配置部、例えば現像処理部23で処理されたガラス基板Gは、搬送機構14により現像処理部23の上部に配置された第5の熱系の処理部74にて第1の実施形態のように処理を施されるよう構成されている。さらに、搬送機構14は、図16にも示すように他の搬送機構、例えば搬送機構11の搬送領域108上に配置されガラス基板Gに対して熱系の処理を施す熱系処理部110に対してもガラス基板Gを搬送自在に構成されている。さらに、搬送機構14は、図15にも示すように他の搬送機構、例えば基板搬送機構16の搬送領域上に配置されガラス基板Gに対して熱系の処理を施す熱系処理部110に対してもガラス基板Gを搬送自在に構成されている。
熱系処理部110は、図16に示すように、ガラス基板Gに対して所定の熱にて処理する加熱処理ユニット114が複数積層して配置されて構成された加熱処理部115と、この加熱処理部115の下方かつ搬送機構11或いは基板搬送機構16の搬送領域108の上方には加熱処理部115で処理された115ガラス基板Gに対して搬送或いは次の工程における処理時の温度に略設定するための温調処理ユニット116が複数積層して配置されて構成された温調処理部117とで構成されている。
このように第1の実施形態より多くの熱系処理部110を備えて構成したことで、例えば、現像処理部23(処理部配置部)で処理されるガラス基板Gの処理時間が第5の熱系の処理部74にて処理されるガラス基板Gの処理時間より短い場合等の処理時間のずれが生じる場合、第1の実施形態より待機時間による処理のスループットの低下を防止することが可能となる。また、第5の熱系の処理部74にて高さ方向に制限がある場合等にはそこに配置する処理部の数に限界があるので、分散することによりさらに装置内のスペースの有効活用が図れ、装置の小型化が図れる。
また、熱系処理部110にて、加熱処理部115と搬送機構11或いは基板搬送機構16の搬送領域108の間に温調処理ユニット116を配置したので搬送機構11或いは基板搬送機構16にて保持するガラス基板Gへの熱の伝達を抑制でき、もって、歩留まりの低減を図ることが可能となる。さらに熱の影響から考慮するに、例えば他の搬送機構11の上方の熱系処理部110には加熱処理ユニット114のみで構成された熱系処理部110と現像処理部23(処理部配置部)の上方には温調処理ユニット116のみで構成された熱系の処理部74で構成して現像処理部23(処理部配置部)に対して、よりガラス基板Gへの熱の伝達を抑制することもできる。
さらに、このような構成は図15にも示すように、例えば搬送機構14は他の搬送機構、例えば搬送機構16の搬送領域上に配置されガラス基板Gに対して熱系の処理を施す熱系処理部111に対しガラス基板Gを搬送自在に構成され、搬送機構13は複数の他の搬送機構、例えば搬送機構16の搬送領域上に配置されガラス基板Gに対して熱系の処理を施す熱系処理部112に対し、または、他の搬送機構、例えば搬送機構15の搬送領域上に配置されガラス基板Gに対して熱系の処理を施す熱系処理部112に対しガラス基板Gを搬送自在に構成され、前述のような効果と同様な効果を生み出すよう構成されている。
次に、本発明の第3の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置について説明する。図17は本発明の第3の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。図18は図17の要部を示す断面図である。図19は図17の要部を示す斜視図である。なお、第1の実施形態における記号と同一のものについては、その説明を省略するものとする。
図17にも示すようにレジスト塗布現像処理装置170には、第1の実施形態の基板搬送機構が配置されている直線状の搬送配置部171がガラス基板Gを一時待機させるための待機部172により複数分割されており、その分割された複数の領域173にはそれぞれ基板搬送機構16a,16bが配置されている。さらに、基板搬送機構16aと基板搬送機構16bとは待機部172を介してガラス基板Gを受渡し自在に構成され、基板搬送機構16bと搬送機構13とは直接或いは間接的にガラス基板Gを受渡し自在に構成されている。なお、基板搬送機構16a,16bは自走式で図中Y2方向に自走自在に構成されている。
さらに、基板搬送機構16aと基板搬送機構16bは、図18にも示すようにアーム41には、ガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としての保持部材175を複数備えられ、またスリット部176を備えている。さらに、アーム41の下方位置にはアーム41のスリット部176から突出自在のガラス基板Gを保持或いは支持する保持機構としての保持部材177を複数備えた保持部材の基台178と、この基台178を一括して昇降移動させる昇降機構、例えばエアーシリンダ179にて構成されるガラス基板Gを一時待機する機構を備えている。
さらに、基板搬送機構16aと基板搬送機構16bの動作として、搬送機構13と基板搬送機構16bとのガラス基板Gの受渡しとしては、例えば始めに基板搬送機構16bのエアーシリンダ179にて基台178を上昇させ保持部材177を基板搬送機構16bのアーム41より突出させておき、搬送機構13のアーム41によりガラス基板Gを保持部材177に渡す、この後エアーシリンダ179にて基台178を下降させ保持部材177のガラス基板Gを基板搬送機構16bのアーム41の保持部材175に渡す。したがって基板搬送機構16aと基板搬送機構16bには基板を一時待機させる機能も有している。
さらに、基板搬送機構16aと基板搬送機構16bは、それぞれアーム41を有していることから、処理部配置部、例えば、現像処理部23の長手方向、つまり現像処理部23内の搬送機構38によるガラス基板Gの搬送方向と略直交する方向に備えられた搬入出口39からガラス基板Gを搬入出自在に構成し、搬送機構38に対してガラス基板Gを直接或いは間接的に受渡し自在に構成されている。
このような構成においては、処理部配置部のメンテナンス、基板の払出等においてシステムの使い勝手の自由度が拡大し、またガラス基板Gの搬送時間も搬送機構が増したことから搬送におけるスループットも、さらに向上させることができる。また、待機部172を有していることから、基板搬送機構16aと基板搬送機構16bが待機部172にガラス基板Gに一時待機させることもできるので基板搬送機構16a或いは基板搬送機構16bの搬送における搬送遅延を抑制することができ、もってガラス基板Gの搬送或いは処理におけるスループットも、さらに向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置について説明する。図20は本発明の第4の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。なお、第3の実施形態における記号と同一のものについては、その説明を省略するものとする。
図20にも示すようにレジスト塗布現像処理装置180は、第3の実施形態の説明で用いた図17と比べて解かるように、基板搬送機構16bの機能を搬送機構13で補って構成したものである。すなわち、搬送機構13は、搬送機構13を自走式にし、図中Y2方向に移動可能として構成され、基板搬送機構16bのガラス基板Gを一時待機する機構等を付加して構成されている。
このように構成したことで、搬送機構の数を減らすことができ装置価格を抑えることができると共に、搬送機構による装置内雰囲気の乱れをさらに少なくすることができ、ミスト等の付着も抑制することができるので処理の歩留りを向上することができる。さらに、搬送機構の用力等のスペースを削除できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置について説明する。図21は、本発明の第5の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。図22は図21の要部を示す斜視図である。なお、前述した実施形態における記号と同一のものについては、その説明を省略するものとする。
図21にも示すようにレジスト塗布現像処理装置181の直線状の搬送配置部171には、ガラス基板Gを搬送する基板搬送機構16aが配置され、さらにカセットステーション90側に熱系の処理部185が配置されている。この熱系の処理部185は、図22にも示すように、ガラス基板Gを加熱処理する複数の加熱処理ユニット186を有する加熱処理部187と、加熱処理部187の下方位置に設けられガラス基板Gを搬送等に適した所定温度に設定する温調処理ユニット188を有する温調処理部189と、温調処理部189の下方位置に設けられガラス基板Gをカセットステーション部90と処理ステーション部91との間で受け渡す受渡し部190と、を有している。なお、受渡し部190には、ガラス基板Gを搬送等に適した所定温度に設定する温調機構を備えていてもよい。
さらに、図22にも示すように加熱処理ユニット186の加熱処理部187は、現像処理部23の搬入出口39の高さ位置Zaよりも高い位置Zbに配置するよう構成され、加熱処理部187の熱の影響を抑制するよう構成されている。さらに、温調処理ユニット188及び受渡し部190には、搬送機構14及び基板搬送機構16aから(XA方向(処理部配置部内のガラス基板Gの搬送方向或いは基板搬送装置の自走方向と略直交する方向或いは搬送機構11の自走方向と平行する略同方向)及びXB方向(処理部配置部内のガラス基板Gの搬送方向或いは基板搬送装置の自走方向と略同方向或いは搬送機構11の自走方向と略直交方向)から)アクセス可能にXA及びXB方向にガラス基板Gを搬入出自在にそれぞれ搬入出口39が備えられ、さらに受渡し部190には、搬送機構15からアクセス可能にXC方向(処理部配置部内のガラス基板Gの搬送方向或いは基板搬送装置の自走方向と略同方向或いは搬送機構11の自走方向と略直交方向)にガラス基板Gを搬入出自在に搬入出口39が備えられている。また、加熱処理部187の加熱処理ユニット186には、搬送機構14から(XA方向から)のみアクセス可能にXA方向にガラス基板Gを搬入出自在に搬入出口39が備えられている。
このように構成されたシステムにおけるガラス基板Gの処理搬送手順の一例としては、搬送機構14によりガラス基板Gは現像処理部23から搬出され、搬送機構14によりガラス基板Gは選択された加熱処理ユニット186に搬送され処理される。この後、搬送機構14によりガラス基板Gは選択された加熱処理ユニット186から搬出され搬送機構14により選択された温調処理ユニット188に搬送され処理される。この後、搬送機構16aにより選択された温調処理ユニット188からガラス基板Gは搬出され、さらに搬送機構16aにより受渡し部190に搬入される。受渡し部190のXC方向の搬入出口39を開閉機構で開口した後、カセットステーション部90の搬送機構11により搬入出口39からガラス基板Gを取りだし,実質的に処理ステーション部91から搬出する。
このように構成したことで、例えば、カセットステーション部90からの雰囲気が処理ステーション部91側に流れ込まない必要性がある場合、受渡し部190のXC方向の搬入出口39のみなのでカセットステーション部90側のミスト等の影響を抑制することができる。また、例えば処理ステーション部91をカセットステーション部90側より圧力調整機構等により陽圧に設定する場合、圧力調整機構等の風力等の用力、例えば電力がより小さなものですむ為に装置価格を抑えることができると共に、ステーション間の雰囲気の干渉をさらに少なくすることができ、ミスト等の付着も抑制することができるので処理の歩留りを向上することができる。さらに、圧力調整機構等の用力等のスペースを低減できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。
また、温調処理ユニット188を受渡し部190として活用する場合は、温調処理ユニット188のXC方向側にさらに搬入出口39を備え、基板搬送機構16aによる温調処理ユニット188から受渡し部190へのガラス基板Gの搬送の工程を削除することが可能となり、ガラス基板Gの搬送時間のスループットを向上することもできる。また、検査機構を装置内に備えずに他の装置として接続する場合等、搬送機構14からアクセスできるように熱系の処理部185と対向する側に接続して、装置の接続性を上げてもよい。
次に、本発明の第6の実施形態に係るLCD用のガラス基板のレジスト塗布現像装置の他の実施の形態として処理液塗布処理装置について説明する。図23は本発明の第6の実施形態に係るLCD用のガラス基板の処理液塗布処理装置を示す平面図である。図24は図23の処理部配置部の要部を示す平面図、図25は図23の処理部配置部の要部を示す斜視図、図26は処理の説明をする図、図27は図24の処理部配置部の他の実施の形態としての処理部配置部の要部を示す平面図である。なお、前述した実施形態における記号と同一のものについては、その説明を省略するものとする。
図23にも示すように処理液塗布処理装置194は、例えばカラー溶剤等(半導体ウエハの場合は、このような塗布液としては、例えばSODまたはSOG膜を形成するための有機或いは無機の溶剤が考えられる。)の処理液を塗布するための処理部配置部、例えば前述のようなレジスト塗布処理部22と同様の構成の塗布処理部22aと、処理部配置部、例えば洗浄処理部21と、前述の熱系の処理部185と同様の構成であってその構成の中に加熱処理部187を含んでいない熱系の処理部185aと、搬送機構12,16aと、塗布処理部22aと洗浄処理部21との上部に各々一つまたは複数配置された他の処理部配置部としての熱系の処理部200と、で構成された第1の処理ステーション部195と、カセットステーション部90と、搬送機構15aとこの搬送機構15aを挟んで対象に複数、例えば二つ配置された熱系の処理部200を備えた熱系の第2の処理ステーション部196と、でその主要部が構成されている。なお、熱系の処理部200は少なくとも1つ、複数の場合は積層して配置されている。
さらに、熱系の処理部200は、図24に示すように、熱系の処理部200には、ガラス基板Gを搬入或いは搬出するための搬入出口39が少なくとも1つ、例えば複数、例えば3つ備えられており、さらに熱系の処理部200内部には、熱系の処理部200外部に配置された搬送機構16aまたは搬送機構15aと直接或いは間接的にガラス基板Gを受け渡す温調機構を備えると共に図中XP方向(処理部配置部の長手方向)に移動する移動処理部としての移動機構を備えたアーム状の温調処理部205と、ガラス基板Gを所定の温度にて加熱処理する加熱処理部206と、前述したような雰囲気遮断機構150と、でその主要部が構成されている。
さらに、温調処理部205は、温調処理部205の下方から突出自在に構成され、ガラス基板Gを保持或いは支持するための保持部材、例えば保持ピン207と接触しないようにスリット部208を複数備え、さらに、温調処理部205はガラス基板Gを保持或いは支持するための保持部材、例えば保持ピン209を備えている。この温調処理部205の待機位置としては、図のように熱系の処理部200外部に配置された搬送機構16aまたは搬送機構15aと直接或いは間接的にガラス基板Gを受け渡す位置の温調領域210である。
次に、加熱処理部206は加熱処理領域に固定されて配置されており、図25にも示すように蓋部219と基台212とで少なくともいずれか一方が近接することにより処理室を形成するよう構成されている。基台212には、ガラス基板Gを所定の温度にて設定するための加熱体としての熱板213と、この熱板213の周囲に配置され蓋部219の底部と接触し処理室内を密閉空間にするためのシール部材としてのOリング214と、Oリング214と熱板213との間には処理室内を排気する複数の排気口215とを備えており、複数の排気口215は排気機構、例えば真空ポンプ216に開閉機構、例えばバルブ217を介して接続されている。また、熱板213には複数のガラス基板Gを保持或いは支持するための保持部材、例えば保持ピン(図示しない)が突出自在に構成された穴部218が設けられ、さらに熱板213には穴部218に対して突出自在に構成された保持ピンから受け渡されるガラス基板Gを熱板213上に位置決めすると共に保持或いは支持するための保持部材、例えば保持ピン220が設けられている。
また、蓋部219には、基台212と処理室を構成した際にその処理空間内に所定の処理ガス或いは不活性ガス、例えば窒素等の所定のガスを気体供給部223から開閉機構、例えばバルブ224を介して供給する気体供給機構221と、基台212と処理室を構成した際にその処理空間内を開閉機構、例えばバルブ225を介して排気部、例えば真空ポンプ226にて排気する排気機構222とが備えられている。
このように構成されたシステムにおける、ガラス基板Gの処理の手順の一例を下記に説明する。まず始めに、搬送機構11によりカセットCから搬出されたガラス基板Gは、第1の雰囲気下に配置されている搬送機構11により、いずれかの洗浄処理部21に搬入され洗浄処理が施される。さらに、洗浄処理部21にて処理されたガラス基板Gは、搬送機構12により洗浄処理部21から搬出され、塗布処理部22aまたは洗浄処理部21のいずれかの上方の熱系の処理部200に選択搬送される。
搬送機構12と熱系の処理部200との受渡し手順の一例としては、熱系の処理部200の搬入出口39の図示しない開閉機構が開口した後、搬送機構12のガラス基板Gを保持したアーム41が搬入出口39を介して熱系の処理部200内の温調処理部205の上方に位置する。この後、温調処理部205の下方から突出してくる保持ピン207上にガラス基板Gが移し替えられた後に、搬送機構12のアーム41は熱系の処理部200外に退避する。(この後、搬入出口39の図示しない開閉機構が閉じられる)保持ピン207は、ガラス基板Gを保持したまま下降し温調処理部205の保持ピン209にガラス基板Gを受け渡す(この時、温調処理部205は静止状態となっており、温調処理部205の保持ピン209に保持されたガラス基板Gは温調処理部205の温調機構により所定の温度、例えば略室温23℃に温調処理が開始される(加熱処理前温調処理工程))。
次に、温調処理部205は保持ピン209にガラス基板Gを保持した状態で温調領域210(第2の雰囲気)から加熱処理領域211(第3の雰囲気)に、つまり加熱処理部206方向(XP方向)に雰囲気遮断機構150を介し加熱処理部206の熱板213の上方位置に水平移動する。穴部218から保持ピンを突出させこの保持ピンの上昇により温調処理部205のガラス基板Gを保持し受け渡す(この後、温調処理部205は温調領域210に移動し待機する。)。
次に、気体供給機構221から所定の気体を加熱処理領域211内に供給しガラス基板Gの周囲雰囲気をほぼ所定の気体に設定(加熱処理前雰囲気設定工程)した後にガラス基板Gを保持する保持ピンが下降し穴部218内に収納され、ガラス基板Gは熱板213の保持ピン220に受け渡される。この後蓋部219が下降し蓋部219の底部と基台212のOリング214が接触し処理室を形成する。さらに、気体供給機構221から所定の気体を処理室内に導入しつつ排気口215または排気機構222により処理室内を排気してガラス基板Gは加熱処理、例えば加熱温度として200℃以上の温度にて加熱処理される(加熱処理工程)。
次に、処理室内にてガラス基板Gを加熱処理した後に、蓋部219を上昇させ基台212と離間することにより処理室の形成を解除する。穴部218から保持ピンを突出させこの保持ピンの上昇により熱板213よりガラス基板Gを離間し保持する(この時までは気体供給機構221から所定の気体をガラス基板Gに供給している(加熱処理後雰囲気設定工程))。ガラス基板Gが所定の温度まで低下した後、温調処理部205は温調領域210(第2の雰囲気)から移動し熱板213と穴部218から突出した保持ピンで保持されているガラス基板Gとの間の所定位置に位置する。
次に、穴部218から突出した保持ピンは穴部218内に収納されるよう下降し、ガラス基板Gは温調処理部205の保持ピン209に受け渡される。(受け渡されたガラス基板Gは温調処理部205の温調機構により所定の温度に設定するよう冷却され始める。)この後、温調処理部205は保持ピン209にガラス基板Gを保持した状態で加熱処理領域211(第3の雰囲気)から温調領域210(第2の雰囲気)に、つまり温調処理部205の待機方向(XP方向)に雰囲気遮断機構150を介し温調処理部205の待機位置まで移動し静止状態で温調処理部205の温調機構により所定の温度にガラス基板Gを温調処理する。(加熱処理後温調処理工程)(なお、移動途中或いは温調処理部205の待機位置にて温調処理部205の保持ピン209に保持されたガラス基板Gに対して温調処理部205の温調機構の設定温度とほぼ同温のガスを図示しない気体供給機構(温調促進機構)から供給するようにしてガラス基板Gの温調処理のスループットを高めるようにしてもよい。また、雰囲気遮断機構150を前述のように気体にて構成した場合は、その気体を温調処理部205の温調機構の設定温度とほぼ同温にすることで同様の効果を得ることができる。)この後、熱系の処理部200の搬入出口39の図示しない開閉機構が開口した後、搬送機構12にて温調処理部205の下方から突出してくる保持ピン207を介してガラス基板Gを受け取り、熱系の処理部200外に搬入出口39を介してガラス基板Gを搬出する。
このような、処理を施す例として、被処理基板、例えば半導体ウエハにおけるSOD膜、例えばLow−K膜(低誘電率膜)等の加熱処理について図26を参照して具体的に述べる。この図26は、加熱処理前雰囲気設定工程或いは加熱処理後雰囲気設定工程における工程が基板の処理に対する影響を指し示すための表である。Low−K膜の加熱処理においては、基板と基板に形成されたLow−K膜とが同温だと仮定すると、基板の温度が所定の温度、例えば約200℃の温度或いはそれ以上の温度において、基板の周囲の雰囲気の酸素濃度が所定の濃度以上、例えば約30〜100ppm、好ましくは30ppm以上だとLow−K膜が酸化等の不具合を起こしてしまうということを本発明者は発見するに至った。
したがって、加熱処理前雰囲気設定工程において、気体供給機構221により基板の周囲雰囲気を設定する所定の気体としては例えば、不活性ガスとして窒素を使用し、熱板213上方に、熱板213の穴部218から突出する保持ピンにより保持される基板の条件は、所定の温度以下、例えば約200℃の温度以下に維持された状態で、所定の酸素濃度以下、例えば約30〜100ppm、好ましくは30ppm以下に設定した後、基板を熱板213に近接し加熱、例えば200℃以上の温度、例えば450℃の温度で加熱処理する。また、加熱処理後雰囲気設定工程においてはの基板の条件は、所定の温度以下、例えば約200℃の温度以下に基板温度が低下した状態で、所定の酸素濃度以上、例えば約30〜100ppm、好ましくは30ppm以上、に基板の周囲の酸素濃度を大気の酸素濃度に解除する必要がある。
また、基板に所定のエネルギーを加えるものとして熱板213を開示しているが、例えば熱板等の加熱体と置き換えてまたは併用して所定の電磁エネルギー、例えばEB装置によりエレクトロンビーム等を照射してもよい。この際においても、上述したように基板の温度と基板の周囲の酸素濃度の関係は略同様に設定する必要がある。
また、温調領域210(第2の雰囲気)或いは加熱処理領域211(第3の雰囲気)の雰囲気を常に所定の酸素濃度以下に、例えば窒素等で常に供給しつづけて熱系の処理部200内を充満しておくのも有効な手段ではあるが窒素の消費が激しくなりランニングコストが多大なものとなってしまうため、次のような一解決策が考えられる。
すなわち、熱系の処理部200内を気体供給機構221或いは温調促進機構から酸素濃度、例えば30ppm以下の含有する気体、窒素等を供給し、陽圧に維持するために熱系の処理部200の搬入出口39を図示しない開閉機構によって閉じてある程度の気密状態に維持させる。さらに、雰囲気遮断機構150を前述のようなシャッタ機構とし、温調領域210(第2の雰囲気)と加熱処理領域211(第3の雰囲気)の雰囲気を遮断可能に構成する。
さらに、熱系の処理部200外に配置する搬送機構12の配置雰囲気は装置内雰囲気(第1の雰囲気)とすると、搬送機構12が熱系の処理部200に対してアクセスする際、熱系の処理部200の搬入出口39は開閉機構によって開口するために第1の雰囲気が第2の雰囲気にアーム41の進入により流れ込む恐れがある。しかしながら、その際には雰囲気遮断機構150の閉動作により温調領域210と加熱処理領域211とは隔離しておけば加熱処理領域211には影響を及ぼさない。また、雰囲気遮断機構150が開動作の際には加熱処理領域211と温調領域210との雰囲気干渉の問題があるので圧力は実質的に、第1の雰囲気の圧力<第2の雰囲気の圧力または/及び第2の雰囲気の圧力<第3の雰囲気の圧力または/及び酸素濃度は実質的に、第1の雰囲気の酸素濃度>第2の雰囲気の酸素濃度または/及び第2の雰囲気の酸素濃度>第3の雰囲気の酸素濃度となるように設定しておくと雰囲気干渉の問題が無く基板の処理に不具合が生ずるのを抑制することが可能となる。
また、温度は実質的に、第1の雰囲気の温度<第2の雰囲気の温度または/及び第2の雰囲気の温度<第3の雰囲気の温度とし、第3の雰囲気の温度については、例えば所定の温度以下、例えば約200℃以下で第2の雰囲気の温度の温調処理部205の温調に影響を与えない温度とすると加熱処理前にある程度暖められるので基板の処理のスループット等が向上する。
さらに、上記のような酸素濃度の影響は雰囲気中の湿度にも関係が有るため、湿度は実質的に、第1の雰囲気の湿度>第2の雰囲気の湿度または/及び第2の雰囲気の湿度>第3の雰囲気の湿度に設定されている方が好ましい。
次に、図23に示すガラス基板Gの処理手順に戻ると、搬送機構12にて熱系の処理部200外に搬入出口39を介してガラス基板Gを搬出した後、搬送機構12によりガラス基板Gは、塗布処理部22aにて所定の塗布処理が施され、この後、ガラス基板Gは、搬送機構16aにて塗布処理部22aの上部の熱系の処理部200若しくは搬送機構16aにてガラス基板Gは搬送機構15aに直接或いは間接的に渡され(第1の処理ステーション部195側から熱系の第2の処理ステーション部196側に)搬送機構15aにより第2の処理ステーション部196側に配置される複数の熱系の処理部200の内の選択された熱系の処理部200に直接或いは間接的に搬送され、前述のように熱系の処理が施される。
次に、塗布処理部22aの上部の熱系の処理部200に対しては搬送機構16aにて或いは第2の処理ステーション部196側に配置される複数の熱系の処理部200の内の選択された熱系の処理部200で処理されたガラス基板Gは一旦搬送機構15aを介して直接或いは間接的に搬送機構16aに受け渡される。さらに、ガラス基板Gは搬送機構16aにより処理部185aに引き渡され処理部185aから搬送機構11により搬出されカセットCに搬入され一連の処理が終了する。
このように構成したことで、処理部配置部としての熱系の処理部200においては、熱系の処理部200内に複数の処理部として温調領域210と加熱処理領域211とにそれぞれ設けられた加熱処理部206と温調処理部205とにより、すなわち、所定の前後の処理を行う処理部を一体化し、さらに、その一体化された処理システムの内部において基板を搬送する搬送機能をいずれかの少なくとも1つの処理部、ここでは温調処理部205にもたせ、備えブロック化したことで、従来の別個に処理部を配置し構成したシステムに比べ例えば、処理部を構成する処理室の隣り合う側方部の処理壁の厚みが削減できるので、その分、スペースを削除できるために装置の小型化が図れることとなり、その結果、装置のフットプリントを小さくすることが可能となる。また、雰囲気遮断機構150を複数の処理部間、例えば加熱処理部206と温調処理部205との間に備えたことにより処理部の配置領域の雰囲気の干渉を抑制することができる。さらに、熱系の処理部を一体化することで、熱系の処理部配置部外への熱を持った雰囲気が、一旦温調処理部205を介して基板の搬送が行われることから直接、加熱処理部206からの熱が流出するのが抑制でき、他の処理部配置部として例えば液系の処理部配置部に対して熱の影響を抑制することができ、もって基板の処理の歩留りを低減する事が可能となる。
さらに、熱系の処理部200を複数積層してブロック化し、このブロックを少なくとも1つ以上、例えば2つのブロックを配置(例えば図23のように液処理等を行う処理ステーション部195の方向に低加熱処理としての温調処理部205が配置されるように(加熱処理部を処理ステーション部195よりできるだけ離間することにより熱の影響を押さえるよう配置)搬送機構15aを挟んで対抗するように配置)し、搬送機構15aにより複数のブロックの熱系の処理部200に対し基板を搬入あるいは搬送自在に構成されている熱系の処理ステーション部196を設けたことにより、熱系の処理ステーション196部と処理ステーション部195との雰囲気を個々に管理することが可能となり、熱系の処理部200の熱の影響が液処理等を行う処理ステーション部195により作用しないために基板の処理の歩留りを低減する事が可能となる。さらに熱系の処理ステーション部196を一体化したことにより装置システムを構築する際、自由度が向上する。
また、熱系の処理部200の他の実施の形態として、図27を参照して説明する。図27の熱系の処理部200においての基板の搬入出口は、温調処理部205側の搬入出口39bと、加熱処理部206の搬入出口39aとで構成され、図23に示す搬送機構15aは図中Yt方向(処理ステーション部195内の搬送機構16aの自走方向(Y2)の延長線上或いはその延長線上とほぼ平行する線上方向或いは熱系の処理部200の温調処理部205の移動方向(XP)と平行する線上)に自走自在に構成されている。(前述の実施の形態では自走に構成されていないで固定されていた。)このような搬送機構15aにより搬入出口39bを介して温調処理部205に、及び搬入出口39aを介して加熱処理部206に対して基板を搬送自在に構成されている。
このように構成されるシステムでの作用としては、まず、搬送機構15aにより熱系の処理部200の加熱処理部206に対して基板を直接或いは間接的に搬入する。加熱処理部206にて基板の処理が終了した後、温調処理部205が加熱処理部206方向に移動した後、加熱処理部206の基板は温調処理部205に引き渡され、基板は温調処理部205にて温調処理される。
このように構成したことで、例えば加熱処理前に温調工程が必要ではない場合、加熱処理部側に搬入出口39aが配置されていても特段問題とならない、例えば加熱温度が低いとか処理部配置部内の雰囲気を特に設定する必要がない場合等の場合、加熱処理部側に搬入出口39aが配置されていても熱系の処理ステーション部196内にて所定の対策が施され、処理ステーション部195側への熱影響を抑制している場合等においては、熱系の処理部200内に基板を搬入する際に一旦温調処理部205を介在させることが無いので処理のスループットを向上させることができる。
なお、以上に述べた熱系の処理部200については、他の実施の形態で配置されている加熱処理部或いは温調処理部と置き換えてよいということはいうまでもないが、それぞれ個別の加熱処理部或いは温調処理部と熱系の処理部200とを併用して配置しても良い。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず本発明の思想の範囲内で種々の変形、或いは各実施の形態に要部或いは全体を複数組み合わせて構成される変形、例えば、装置のレイアウトはあくまでも例示であり、これに限るものではないし、また、処理に関しても上記のようにレジスト塗布現像処理装置による処理に限られるものではなく、液処理と熱的処理を行う他の装置、例えば、所定の処理液を基板に対して塗布するだけの装置或いは所定の処理液を基板に対して洗浄するだけの装置或いは所定の温度にて基板を温度処理するだけの装置或いはそれらの構成を組み合わせた装置等にも適用することも可能である。さらに被処理基板としてLCD基板や半導体ウエハを用いた場合について示したが、これに限らずカラーフィルター・コンパクトディスク・MD等の他の被処理基板の処理にも適用可能であることはいうまでもない。