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JP4096559B2 - 車体構造 - Google Patents

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JP4096559B2 JP2002012405A JP2002012405A JP4096559B2 JP 4096559 B2 JP4096559 B2 JP 4096559B2 JP 2002012405 A JP2002012405 A JP 2002012405A JP 2002012405 A JP2002012405 A JP 2002012405A JP 4096559 B2 JP4096559 B2 JP 4096559B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において、リヤフロアパネルの側縁部が結合されるリヤサイドメンバ付近の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両においては、図7〜図9に例示されているように、車体の略前後方向に延びるリヤサイドメンバ1は、リヤフロアパネル2の側縁部下面にフランジaが結合されているが、車体の強度を高めるためにリヤサイドメンバ1の剛性を大きくする必要があって、リヤサイドメンバ1のフランジb及び端縁cとリヤサイドメンバ1の上面を覆うリヤフロアパネル2の端縁d及びフランジeとがそれぞれサイドシル3やリヤホイルハウス4にスポット溶接されることにより、リヤサイドメンバ1がリヤフロアパネル2等と協同して閉断面5を形成するように構成されている。
【0003】
この場合、比較的広い車両床面を形成するリヤフロアパネル2は車両重量の増加を抑制するため薄板となっているので、閉断面5の剛性を向上させるには自ずから限度があり、また、リヤサイドメンバ1付近の剛性を増大させるため、リヤサイドメンバ1にバルクヘッド等の補強部材を追加すればするほど、車体重量の増加を招くという不具合があった。
【0004】
他方、車室内の空間を極力広げるため、リヤフロアパネル2は車両前方側が低くなるように車両前後方向に段付きとなっていると同時に、リヤフロアパネル2の中央部分がその両側縁部よりも低くくぼむように形成されているので、リヤフアパネル2の絞り成形が比較的難しくなるという問題があり、また、リヤフロアパネル2の側縁部で上面が覆われるリヤサイドメンバ1も車両前後方向に段付きとする必要があるが、リヤサイドメンバ1のハット型断面を大きく形成させるには絞り加工上の限界があって、リヤサイドメンバ1の縦壁高さを大きく構成させることが難しいために、リヤサイドメンバ1の強度増加に制限を受けたり、リヤフロアパネル2の中央部分を大きくくぼませることに制約があって、車室内空間の増大に支障がある等の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、車両において、リヤフロアパネルの側縁部が結合されるリヤサイドメンバ付近の強度を容易に高めることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかる車体構造は、車両の側部で上記車両の略前後方向に延び第1閉断面を形成するサイドシルと、少なくとも一部が上記サイドシルの上記車両内方側で上記車両の略前後方向に延び上記サイドシルと協働して第2閉断面を形成すると共に上記車両の内方側端部に上記車両の略前後方向に延びるフランジが形成されたサイドメンバと、上記フランジに側縁部が結合されたフロアパネルとを有し、上記サイドメンバが上側部材と下側部材とにより構成され、上記フランジは上記上側部材及び上記下側部材の上記車両内方側端部でそれぞれ上記車両内方側へ突出した部分が相互に結合されて形成され、上記フロアパネルは上記フランジにおいて上記上側部材と上記下側部材との結合部位より上記車両内方側で上記上側部材のみに結合されている。
【0007】
すなわち、サイドメンバがサイドシルと協働して第2閉断面を形成し、サイドメンバにおける車両の内方側端部に車両の略前後方向に延びるフランジが形成されて、このフランジにフロアパネルの側縁部が結合されており、また、サイドメンバを構成する上側部材及び下側部材は、それぞれ個々に成形することができるためそれらの成形が容易であると共に、それらの板厚も自由に選定できるので、サイドメンバの第2閉断面部分における剛性をフロアパネルとは無関係に容易に大きくして、リヤサイドメンバ付近の強度を従来よりも格段に増大させることができる。
【0008】
以下、本発明の各実施形態例について、同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。
【0009】
図1〜図4に示す実施形態例において、車体の略前後方向に延びるリヤサイドメンバ10は上側部材11と下側部材12とにより構成されていて、上側部材11における車両内方側フランジAの下面に、下側部材12における車両内方側フランジBの上面がスポット溶接されており、両フランジA、Bは中間部分A´、B´でそれぞれ車両前方に向かって下方へ大きく傾斜している。
【0010】
一方、車両の略前後方向に延びて閉断面13を形成するサイドシル14に、上側部材11の車両外方側端縁Cがスポット溶接されていると共に、下側部材12の車両外方側フランジDがサイドシル14にスポット溶接されて、上側部材11、下側部材12及びサイドシル14により閉断面15が形成されている。
【0011】
また、サイドシル14の車両後方において、下側部材12の車両外方側フランジEが上側部材11の下面にスポット溶接され、さらに車両後方においては、上側部材11のフランジF及び下側部材12の端縁Gがリヤホイルハウス16へスポット溶接されていて、閉断面15の車両後方に略連続して上側部材11及び下側部材12により閉断面17が形成されている。
【0012】
さらに、上側部材11のフランジAに沿って車両前後方向に折り曲げられたリヤフロアパネル18は、その側縁部HがフランジAの上面にスポット溶接されて、車両の床面を形成している。
【0013】
この場合、リヤサイドメンバ10を構成する上側部材11及び下側部材12は、それぞれ個々に成形することができるためそれらの成形が容易であると共に、それらの板厚も自由に選定できるので、各閉断面15、17の部分における剛性をフロアパネル18の厚みとは関係なく簡単に増大させることができ、しかも、閉断面15がサイドシル14の閉断面13と車両前後方向に沿い、かつ、各閉断面15、17が車両前後方向に略連続して形成されていることにより、側方衝突等に対するリヤサイドメンバ10付近の車体強度を容易に高めることができる結果、車両の安全性を確保することが可能となると同時に、リヤサイドメンバ10におけるバルクヘッド等の補強部材を容易に節減できて、車体構造の簡略化を図ることも可能となる。
【0014】
また、上側部材11及び下側部材12の成形が容易であって、相互にスポット溶接される上側部材11のフランジA及び下側部材12のフランジBにおける高さを簡単に調整することができ、かつ、リヤフロアパネル18は側縁部HがフランジAにスポット溶接されることによりリヤサイドメンバ10に結合されているため、リヤフロアパネル18を車両前後方向に折れ曲がった簡単な形状とすることができて、その成形が非常に容易となると同時に、リヤフロアパネル18を両フランジA、Bの中間部分A´、B´に対応する部分で下方へ大きく傾斜させることができるので、車体レイアウトの自由度を向上させることができるばかりでなく、リヤフロアパネル18のサイドシル14に隣接した部分を低く配置させることにより、その上方における車室内空間を容易に大きくして、座席レイアウトの自由度を向上させることができ、また、車両の乗降性も容易に向上させることができるようになる。
【0015】
さらに、上記のように、リヤサイドメンバ10付近の車体強度を容易に高めることができて、上側部材11のフランジAに側縁部Hがスポット溶接されるリヤフロアパネル18は薄板であっても特に支障がなく、しかも、上側部材11に対するリヤフロアパネル18のスポット溶接は常に簡単であって、車体の溶接組立てを容易化させることができる大きな利点がある。
【0016】
図5及び図6に示す実施形態例においては、サイドシル14の車両後方で、下側部材12の車両外方側フランジEが上側部材11の下面にスポット溶接され、さらに車両後方では、上側部材11のフランジFがリヤホイルハウス16へスポット溶接されていて、閉断面15の車両後方に略連続して上側部材11及び下側部材12により閉断面17が形成されていて、他の構造は上記実施形態例ととくにかわるところがなく、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明にかかる車体構造にあっては、サイドメンバの第2閉断面部分における剛性をフロアパネルとは無関係に容易に大きくして、リヤサイドメンバ付近の強度を従来よりも格段に増大させることができるので、車体の強度を容易に高めて、車両の安全性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における要部の概略斜視図。
【図2】図1のII−II縦断面図。
【図3】図1の III−III 縦断面図。
【図4】図1のIV−IV縦断面図。
【図5】本発明の他の実施形態例における要部の概略斜視図。
【図6】図5のVI−VI縦断面図。
【図7】従来車両における要部の概略斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII縦断面図。
【図9】図7のIX−IX縦断面図。
【符号の説明】
10 リヤサイドメンバ
11 上側部材
12 下側部材
14 サイドシル
16 リヤホイルハウス
18 リヤフロアパネル

Claims (3)

  1. 車両の側部で上記車両の略前後方向に延び第1閉断面を形成するサイドシルと、少なくとも一部が上記サイドシルの上記車両内方側で上記車両の略前後方向に延び上記サイドシルと協働して第2閉断面を形成すると共に上記車両の内方側端部に上記車両の略前後方向に延びるフランジが形成されたサイドメンバと、上記フランジに側縁部が結合されたフロアパネルとを有し、上記サイドメンバが上側部材と下側部材とにより構成され、上記フランジは上記上側部材及び上記下側部材の上記車両内方側端部でそれぞれ上記車両内方側へ突出した部分が相互に結合されて形成され、上記フロアパネルは上記フランジにおいて上記上側部材と上記下側部材との結合部位より上記車両内方側で上記上側部材のみに結合された車体構造。
  2. 請求項1において、上記フランジの少なくとも一部が車両前方に向かって下方へ傾斜した車体構造。
  3. 請求項において、上記サイドメンバが、上記サイドシルの車両後方において上記サイドシルとは分離され、上記第2閉断面から上記車両の後方へ略連続した第3閉断面を形成して、リヤホイルハウスに沿い上記車両の略後方へ延びた車体構造。
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