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JP4089516B2 - 材料試験機 - Google Patents

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JP4089516B2 JP2003155307A JP2003155307A JP4089516B2 JP 4089516 B2 JP4089516 B2 JP 4089516B2 JP 2003155307 A JP2003155307 A JP 2003155307A JP 2003155307 A JP2003155307 A JP 2003155307A JP 4089516 B2 JP4089516 B2 JP 4089516B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、治具の使用限界を検出するようにした材料試験機に関する。
【0002】
【背景技術】
引張試験機では、上下つかみ具に設けた一対のつかみ歯間に試験片を挟持して試験片に負荷を与える。つかみ歯の挟持面にはやすり目が形成されているが、使用によりやすり目が摩耗する。摩耗すると、引張力を与えたときに試験片との間で滑りが発生して正しい試験結果が得られない。従来は、作業者が試験結果からつかみ歯の摩耗状況を推測して交換の時期を見計らっている。しかしながら、経験の浅い作業者は試験結果からつかみ歯の摩耗を推測することができない。
【0003】
本発明は、つかみ歯などの試験治具の使用限界を検出することができる材料試験機を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の発明の材料試験機は、予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、無線タグが装着された治具と、無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、情報は、つかみ具に滑りが発生したときの荷重(滑り荷重)であり、制御手段は、滑り荷重の値が試験条件である試験荷重の範囲に含まれる場合に使用限界と判定することを特徴とする。
(2)請求項2の発明の材料試験機は、予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、無線タグが装着された治具と、無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、治具は、つかみ具または圧盤であり、情報は、つかみ具または圧盤の使用回数、および試験時の荷重(試験荷重)であり、制御手段は、試験荷重により無線タグから送信された使用回数を補正し、その補正した使用回数が、予め設定した基準回数より大きいときにつかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じてつかみ具または圧盤の無線タグに記録する使用回数を更新することを特徴とする。
(3)請求項3の発明の材料試験機は、予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、無線タグが装着された治具と、無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、治具は、つかみ具または圧盤であり、情報は、つかみ具または圧盤の識別番号、および試験時の荷重(試験荷重)であり、制御手段は、無線タグから送信された識別番号を読取り、当該つかみ具または圧盤の使用回数を読み出し、試験荷重により使用回数を補正し、その補正した使用回数が予め設定した基準回数より大きいときにつかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて該当する識別番号のつかみ具または圧盤の使用回数を更新することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3の材料試験機において、情報は、試験片の材質であり、制御手段は、材質により使用回数を補正することを特徴とする。
(5)請求項5の発明の材料試験機は、予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、無線タグが装着された治具と、無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、治具は、つかみ具または圧盤であり、情報は、つかみ具または圧盤の使用回数、および試験片の材質であり、制御手段は、材質により無線タグから送信された使用回数を補正し、その補正した使用回数が、予め設定した基準回数より大きいときにつかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じてつかみ具または圧盤の無線タグに記録する使用回数を更新することを特徴とする。
(6)請求項6の発明の材料試験機は、予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、無線タグが装着された治具と、無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、治具は、つかみ具または圧盤であり、情報は、つかみ具または圧盤の識別番号、および試験片の材質であり、制御手段は、無線タグから送信された識別番号を読取り、当該つかみ具または圧盤の使用回数を読み出し、材質により使用回数を補正し、その補正した使用回数が予め設定した基準回数より大きいときにつかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて該当する識別番号のつかみ具または圧盤の使用回数を更新することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの材料試験機において、制御手段は、治具の使用限界を超えていると判定した場合、負荷手段の駆動を禁止することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
―第1の実施の形態―
図1〜図4により本発明の一実施の形態による材料試験機を説明する。図1は材料試験機の正面図である。基台1の両側に一対の支柱2が立設され、一対の支柱2の上端はクロスヨーク3で接続されている。一対の支柱2の内部には不図示のねじ棹がそれぞれ支柱2に沿って配設され、クロスヘッド4にそれぞれ内設されているナットにねじ棹が螺合されている。すなわち、ねじ棹間にクロスヘッド4が横架され、ねじ棹の回転によりクロスヘッド4は昇降する。クロスヘッド4の下面にはロードセル6を介して上つかみ具7が設置され、基台1には下つかみ具8が設置されている。クロスヘッド4を上昇させて上下つかみ具間で試験片に引張負荷を加える。
【0006】
上下つかみ具7,8の構造は略同様であり、図2にその概略構成を示す。つかみ具7,8は、連結ロッド71、81と、つかみ具本体72、82と、一対のくさび状のつかみ歯73,83とを有する。つかみ歯の試験片把持面にはやすり目が形成されている。つかみ具本体72,82は対向するテーパ面を有し、このテーパ面にそれぞれつかみ歯73,83が摺動可能に保持されている。つかみ具本体72,82と一対のつかみは73,83との負荷軸方向の相対位置関係を図示しない機構により変更して一対のつかみ歯間に試験片TPを挟持することができる。試験片TPの把持力は、試験片TPに引張力が作用したときのつかみ歯73,83のくさび効果で増加する。
【0007】
つかみ歯73,83には、いわゆる無線タグ30が埋め込まれている。無線タグ30は半導体メモリを内蔵している。半導体メモリには、リーダ/ライター31を用いて誘導電磁波あるいは電波によって非接触でデータが書き込まれる。また、リーダ/ライター31を用いて半導体メモリからデータが非接触で読み出される。第1の実施の形態では、無線タグ30の半導体メモリにつかみ歯の使用回数が記録される。リーダ/ライター31は無線タグ30の通信可能領域内に設置されている。
【0008】
なお、上下つかみ具7,8のつかみ歯73、83にそれぞれ設けられる無線タグ30を区別する場合、上つかみ具7の無線タグに符号30Uを、下つかみ具8の無線タグに符号30Lを付して区別する。同様に、リーダ/ライター31についても、上つかみ具用リーダ/ライターに符号31Uを、下つかみ具用リーダ/ライターに符号31Lを付して区別する。
【0009】
材料試験機は制御装置20を備えている。図3に示すように、この制御装置20は、主にCPUで構成される演算処理装置21と、キーボード22と、試験開始ボタン23aを有する制御パネル23と、モニタ24とを有する。材料試験機の各種試験条件はキーボード22により設定される。試験条件は、引張試験速度、試験片の材質などである。試験結果はモニタ24に表示される。上述したリーダ/ライター31U,31Lは演算処理装置21と接続されている。
【0010】
図4は試験開始ボタン23aが操作されると実行されるプログラムの処理手順を示すフローチャートである。プログラムは演算処理装置21に格納されている。ステップS1において、リーダ/ライター31を介して無線タグ30の半導体メモリに記憶されている使用回数Naを読み込む。なお、この実施の形態では、上下つかみ具7、8は必ずセットで使用されることを前提にするため、上つかみ具用無線タグ30Uとリーダ/ライター31Uとの間でデータの授受を行うものとする。
【0011】
なお、上下つかみ具7,8が必ずしもセットで使用されない場合もあり、その場合は、上下つかみ具7,8の使用回数を読み込む。そして、2つの使用回数に応じて後述する警報や試験禁止の処理が実行される。
【0012】
ステップS2に進み、使用回数Naが第1の規定回数Nr1を越え、かつ第2の規定回数Nr2未満であると判定されるとステップS3に進む。ここで、第1の規定回数Nr1<第2の規定回数Nr2に設定される。ステップS3では、モニタ24につかみ歯が交換時期であることを表示し、ステップS4において試験を行う。すなわち、モータを駆動して試験片TPに引張荷重を与える。次いで、ステップS5において、リーダ/ライター31を介して、無線タグ30の半導体メモリに書き込まれている使用回数のデータを1歩進する。換言すると、半導体メモリの使用回数カウンタに1を加算する。ステップS6において、試験終了が判定されるまで試験を続行し、試験終了が判定されると試験を終了する。
【0013】
ステップS2が否定されるとステップS7に進み、使用回数Naが第2の規定回数Nr2以上であるか判定する。否定されるとステップS4に進み試験を行う。使用回数Naが第2の規定回数Nr2以上と判定されると、ステップS8に進み、試験を禁止する処理を行う。たとえば、ねじ棹用駆動モータの電源回路を開路する。さらに、ステップS9において、モニタ24につかみ歯が交換時期であることを表示し、試験が禁止されたことを報知する。
【0014】
このように、この実施の形態の材料試験機では、試験開始ボタン23aが操作されるたびに、つかみ具に内蔵した無線タグ30の使用回数カウンタに1を加算する。カウンタの値が第1の規定回数Nr1を超えると、制御装置20は、つかみ歯の使用時期であることを警告する。したがって、経験の浅い作業者でも簡単につかみ歯の交換時期を知ることができる。また、カウンタの値が第2の規定回数Nr2を超えると、制御装置20は試験を禁止してつかみ歯の使用限界を越えていることを作業者に報知するようにしているので、使用限界を超えたつかみ具を使用した試験による信頼性の低いデータ採取を未然に防止できる。
【0015】
また、つかみ具に装着した無線タグ30につかみ具の使用回数を記録し、この使用回数を制御装置20が読み込んで試験の許可、禁止を判定するようにしたので、同一のつかみ具を異なる材料試験機で使用する場合でも、つかみ具の使用限界を確実に検出できる。その結果、やすり目が摩耗したつかみ具による試験を確実に禁止できる。
【0016】
―第2の実施の形態―
第2の実施の形態の材料試験機では、無線タグ30の半導体メモリにつかみ具の識別番号を書き込み、制御装置20はリーダ/ライター31を介して識別番号を読取る。なお、つかみ具の識別番号は事前にリーダ/ライター31を介して記録しておく。使用して制御装置20の記憶領域には予め識別番号に対応した記憶領域が設定されており、その記憶領域に使用回数のデータを書き込む。使用回数データは演算処理装置21の記憶領域に書き込まれる。この記録領域を便宜上、使用回数カウンタと呼ぶ。すなわち、試験が1回行われると使用回数カウンタに1が加算される。使用回数カウンタのカウント値が第1の規定値と第2の規定値との間であればつかみ歯の交換時期であることを報知して試験を行い、第2の規定値Nr2以上であれば試験を禁止するとともに、つかみ歯の交換時期であることと試験が禁止されたことをモニタ24に表示する。
【0017】
図5のフローチャートを参照して第2の実施の形態の処理手順を説明する。試験開始ボタン23aが操作されたときに図5の処理が開始される。ステップS11において、制御装置20はリーダ/ライター31を介して無線タグ30からつかみ具の識別番号を読取る。ステップS12において、演算処理装置21に設けた使用回数カウンタから識別番号に対応したカウント値Naを読み出す。その後の処理は、第1の実施の形態のステップS2〜ステップS9と同様である。ただし、ステップS5におけるカウントアップは、ステップS11で読み込まれた識別番号に対応する使用回数カウンタのカウント値をアップする。
【0018】
第2の実施の形態においても、使用回数が第1規定回数Nr1以下の場合、予め設定された試験条件により引っ張り試験を行い、使用回数が第1規定回数Nr1を越え、かつ、第2の規定回数Nr2未満の場合は、つかみ歯の交換時期をモニタ24により報知し、試験は続行する。また、使用回数が第2の規定回数Nr2以上の場合、試験を禁止するとともに、つかみ歯が交換時期であることを表示し、試験が禁止されたことを報知する。したがって、初心者でも簡単につかみ具の交換時期を誤ることがなく、信頼性の高い試験を行うことができる。
【0019】
―第3の実施の形態―
使用回数だけでつかみ歯の摩耗状況を確実に把握することができない。たとえば、大きな引張荷重による試験では、小さな引張荷重による試験に比べて摩耗の程度が大きい。そこで第3の実施の形態では、使用回数ととともに引張荷重データ、試験片の材質を記録し、このデータを用いて使用回数を補正することにより、第1および第2の実施の形態と同様に試験の許可/禁止を行う。
【0020】
第3の実施の形態では、使用回数Naに次式(1)により重み付けを行って補正する。
【数1】
補正後の使用回数Nh=実測使用回数Na×α ……(1)
ただし、αは荷重による重み付け係数であり、次式(2)で算出することができる。
【数2】
α=Fs/Fr ……(2)
ここで、Frは基準荷重、Fsは試験荷重であり、基準荷重Frではαが1.0である。例えば、基準荷重を100kgとすれば、試験荷重が1000kgであればαは10.0となる。
【0021】
なお、硬い材料の引張試験に比べて柔らかい材料の引張試験では摩耗の程度が小さい。そこで、計測した使用回数に次式(3)により重み付けを行い、使用回数を補正してもよい。
【0022】
【数3】
補正後の使用回数Nh=実測使用回数Na×β ……(3)
βは材料による重み付け係数であり、硬い材料ほど大きな値となる。ただし、基準の材料を1.0としたときに、0.5以上2以下の値である。例えば、鉄系金属材料を基準材料としたとき、ステンレス系の材料は1.5、銅系の材料は0.7のように決定すればよい。
【0023】
なお、使用回数を無線タグ30に書き込む第1の実施の形態、使用回数を制御装置20に書き込む第2の実施の形態のいずれの場合にも、第3の実施の形態を適用することができる。第1の実施の形態では、引張荷重データは試験時の最大荷重を無線タグに書き込む。また、試験片の材質は試験条件として作業者が制御装置20に予め入力しているから、その試験条件ファイルから読み込んで無線タグに書き込めばよい。第2の実施の形態では、試験荷重と材質を演算処理装置21に割り当てられた識別番号ごとの記憶領域に記録する。
【0024】
第3の実施の形態においても、第1および第2の実施の形態と同様に、補正後の使用回数に応じて引っ張り試験の許可、禁止を制御するとともに、つかみ歯の交換時期を報知する。したがって、初心者でも簡単につかみ具の交換時期を誤ることがなく、信頼性の高い試験を行うことができる。
【0025】
―第4の実施の形態―
第4の実施の形態の材料試験機では、無線タグ30の半導体メモリや制御装置20のメモリに試験荷重や試験片の材質を書き込む代わりに、無線タグ30の半導体メモリに、試験中に滑ったときの試験荷重と試験片の材質を書き込む。これらを実試験結果データと呼ぶ。試験中に滑ったときの試験荷重は、クロスヘッド4の変位量が急激に増加し始める時の荷重を制御装置20で判定すれば検出できる。試験片の材質は、上述したように、試験条件として作業者が制御装置20に予め入力しているから、その試験条件ファイルから読み込めばよい。
【0026】
第6図は第4の実施の形態で行われる処理手順を示すフローチャートである。試験開始ボタン23aが操作されると、図6の処理が実行される。ステップS21において、無線タグ30の半導体メモリから実試験結果データを読み込む。ステップS22において、予め設定した試験条件ファイルから試験条件を読み込み、ステップS23で読み取った実試験結果データと試験条件データとを相互に比較する。
【0027】
相互の試験条件が一致する場合、その試験条件では滑りが発生して信頼性あるデータを得られない。そこで、ステップS24に進んで試験を禁止し、さらに、ステップS25において、実試験結果データと試験条件とが一致したので試験を禁止したことをモニタ24に表示する。ステップS23の比較の結果、相互の試験条件が不一致と判定されると、ステップS26に進み、試験を開始する。
【0028】
ステップS27で試験終了が判定されると、ステップS28において、試験データに基づいて、すなわち、荷重−伸び線図に基づいて、試験中に滑りが発生したか否かを判定する。滑りが発生している場合、ステップS29において、でリーダ/ライター31を介して、滑りが発生した荷重と試験片の材質を無線タグ30の半導体メモリに書き込む。
【0029】
ステップS24で試験が禁止された場合、試験を許容できる試験条件を演算してモニタ24に表示することが好ましい。例えば、破断に至るまでではなく、比例限度内の荷重−伸び特性を算出する試験は許容されること、あるいは、試験が禁止されている材質より柔らかい材料の試験片に対する試験は許容されることなどをモニタ24に表示する。
【0030】
第4の実施の形態においても、つかみ歯が試験片と滑らない状態で試験を行うことができ、初心者でも信頼性の高い試験結果を得ることができる。
【0031】
以上では、つかみ歯のヤスリ目の摩耗に伴う試験結果の信頼性の低下を防止するため、無線タグを用いて使用回数を記録し、つかみ具の使用限界を判定して試験の許容と禁止を制御するようにした。しかしながら、本発明は、つかみ歯の摩耗を原因とする試験の禁止と許可を制御するものに限定されない。たとえば、圧縮試験で使用する圧盤に無線タグを装着してその摩耗や劣化状況を検出して試験の禁止と許可を制御してもよい。すなわち、試験回数に応じて劣化する種々の治具に無線タグを装着して劣化状況を検出することにより、試験の禁止と許可を制御する種々の材料試験機に本発明を適用することができる。
【0032】
また、第1の規定回数Nr1で使用限界を報知し、第2の規定回数Nr2で試験を禁止するようにしたが、いずれか一方の規定回数を使用して、警報だけ、あるいは、試験の禁止だけを行ってもよい。さらに、負荷手段は一対のねじ棹とクロスヘッド4で構成したが、その他、種々の形式の材料試験機の負荷機構を用いることができる。制御手段も実施の形態に限定されない。さらにまた、無線タグは、半導体メモリを備え、近距離通信により使用回数などのデータを授受できるものであって、試験治具に装着できるものであれば、その形式は問わない。
【0033】
以上では、治具の使用状況を使用回数で判定したが、各治具にポイントを与え、試験条件などに応じてポイントを減算し、所定ポイント以下で治具の交換時期であることを警告し、ポイントゼロで使用禁止を警告してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、試験で使用された回数に応じて劣化するつかみ具などの治具に無線タグを装着し、無線タグの情報に基づいて治具の劣化状況を検出してその使用限界を出力するようにしたので、初心者でも信頼性の高い試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による材料試験機の一実施の形態を示す図
【図2】図1のつかみ具の概略構成を示す図
【図3】図1の制御装置を説明するブロック図
【図4】つかみ具の使用回数により試験を禁止する第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャート
【図5】つかみ具の使用回数により試験を禁止する第2の実施の形態の処理手順を示すフローチャート
【図6】つかみ具の使用回数により試験を禁止する第4の実施の形態の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
4:クロスヘッド 7:上つかみ具
8:下つかみ具 20:制御装置
30,30U,30L:無線タグ 31,31U、31L:リーダ/ライター

Claims (7)

  1. 予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、
    無線タグが装着された治具と、
    前記無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え
    前記情報は、つかみ具に滑りが発生したときの荷重(滑り荷重)であり、
    前記制御手段は、前記滑り荷重の値が試験条件である試験荷重の範囲に含まれる場合に使用限界と判定することを特徴とする材料試験機。
  2. 予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、
    無線タグが装着された治具と、
    前記無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、
    前記治具はつかみ具または圧盤であり、
    前記情報はつかみ具または圧盤の使用回数、および試験時の荷重(試験荷重)であり、
    前記制御手段は、前記試験荷重により前記無線タグから送信された使用回数を補正し、その補正した使用回数が、予め設定した基準回数より大きいときに前記つかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて前記つかみ具または圧盤の無線タグに記録する使用回数を更新することを特徴とする材料試験機。
  3. 予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、
    無線タグが装着された治具と、
    前記無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、
    前記治具はつかみ具または圧盤であり、
    前記情報はつかみ具または圧盤の識別番号、および試験時の荷重(試験荷重)であり、
    前記制御手段は、前記無線タグから送信された識別番号を読取り、当該つかみ具または圧盤の使用回数を読み出し、前記試験荷重により前記使用回数を補正し、その補正した使用回数が予め設定した基準回数より大きいときに前記つかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて該当する識別番号のつかみ具または圧盤の使用回数を更新することを特徴とする材料試験機。
  4. 請求項2または3の材料試験機において、
    前記情報は、試験片の材質であり、
    前記制御手段は、前記材質により前記使用回数を補正することを特徴とする材料試験機。
  5. 予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、
    無線タグが装着された治具と、
    前記無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、
    前記治具は、つかみ具または圧盤であり、
    前記情報は、つかみ具または圧盤の使用回数、および試験片の材質であり、
    前記制御手段は、前記材質により前記無線タグから送信された使用回数を補正し、その補正した使用回数が、予め設定した基準回数より大きいときに前記つかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて前記つかみ具または圧盤の無線タグに記録する使用回数を更新することを特徴とする材料試験機。
  6. 予め定めた試験条件にしたがって試験片に負荷を与える負荷手段と、
    無線タグが装着された治具と、
    前記無線タグから送信された情報に基づいて、その治具の使用状況を判定する制御手段とを備え、
    前記治具は、つかみ具または圧盤であり、
    前記情報は、つかみ具または圧盤の識別番号、および試験片の材質であり、
    前記制御手段は、前記無線タグから送信された識別番号を読取り、当該つかみ具または圧盤の使用回数を読み出し、前記材質により前記使用回数を補正し、その補正した使用回数が予め設定した基準回数より大きいときに前記つかみ具または圧盤の使用限界と判定するとともに、試験完了に応じて該当する識別番号のつかみ具または圧盤の使用回数を更新することを特徴とする材料試験機。
  7. 請求項1〜6のいずれかの材料試験機において、
    前記制御手段は、前記治具の使用限界を超えていると判定した場合、前記負荷手段の駆動を禁止することを特徴とする材料試験機。
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