JP4086537B2 - 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データから画像種別の判別を自動的に行い、判別結果に基づいて画像処理を行う画像処理方法、該画像処理方法を実行する画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置、コンピュータを前記画像処理装置として実現させるためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記録してあるコンピュータで読み取りが可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式又はインクジェット方式を用いた複写機等の画像形成装置は、従来のアナログ式のほかにデジタル式のものが普及しており、またデジタル画像処理技術の進展によって、カラー画像を高画質に再現するフルカラーのデジタル複写機・複合機等が製品化されている。
【0003】
これらの画像形成装置を用いて複写される原稿に関しては、文字画像、線画画像、写真画像、又はこれらを組合せた文字/写真画像等が存在しており、良好な再現画像を得るためには、それぞれの原稿の種別に応じた適切な画像処理を行う必要がある。
【0004】
このような状況の中で、画像形成装置の操作モードとして、原稿の種別に応じた画像処理を行うために原稿の種別を選択する、文字モード、写真モード、文字/写真モード等が備えられている。しかしながら、操作者が手動により各原稿に対してモードの切り替えを行うことは、非常に煩わしい作業である。また、不適切なモードが選択された場合等には、著しい画像の劣化が見られることが多く、無駄な複写が行われることになる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、画像(原稿)の種別を自動的に判別する処理を行うことが提案されている。例えば、特開2000−32287号公報においては、入力された画像データに対応する画像の種別を自動的に判別し、判別結果に応じて適切な補正処理を施すか否かを判断している。
【0006】
前記公報に記載される画像種別判別処理は、入力された画像データの明度分布情報(1.明度が全階調域に広く分布しているか、又は特定階調に集中して分布しているか、2.明度極大値ポイント数)及び画像の色数を用いて行う。これにより、人工的に作成されたデザイン画又はロゴ等の「グラフィカル画像」であるか、風景画又は人物像のような「ピクトリアル画像」であるか、ディザ又は誤差拡散等の面積階調表現により低階調数化処理を施した画像であるかを判別する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、コンピュータで作成したイラスト等を印刷機又はプリンタで出力した画像は面積階調であるため、明度分布情報及び色数等を正確に求めることができない。つまり、前記公報の方法によれば、このような面積階調の画像を読み込んだ場合、色数が非常に多くなり、色数が多い印画紙写真との区別ができない。また、文字のみの画像と、文字と写真とが混在している画像との画像処理の切り替えを行うことができない。
【0008】
さらに、グラフィカル画像であると判別した場合、カラーバランス補正、コントラスト補正、精細度補正は行わず、ピクトリアル画像であると判別した場合、これらの補正処理を行うが、これら以外のグラフィカル画像及びピクトリアル画像に対する画像処理については記載されていない。これら各々の画像に対しても適切な画像処理が必要である。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、入力された画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別し、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記画像種別の判別結果に対して補正を施すか否かを判定することにより、画像の種別をより厳密に判別し、判別した画像種別に応じて適切な画像処理を行うことができる画像処理方法、該画像処理方法を実行する画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、コンピュータを本発明に係る画像処理装置として実現させるためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取りが可能な記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、入力された画像データから画像の種別を判別し、この判別結果に基づいて画像処理を行う画像処理方法において、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別する第1の過程と、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別する第2の過程と、該第2の過程の判別結果に基づいて、前記第1の過程にて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施す第3の過程とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、入力された画像データから、画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して画像種別を判別することにより、文字画像と、写真が混在している画像との判別を行うことができるのみならず、さらに色情報の特徴を表す特徴量も抽出し、計2つの特徴量に基づいて画像種別を判別することにより、より厳密に画像種別を判別することができる。またこの結果、判別した画像種別に応じた適切な画像処理を行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る画像処理方法は、前記第2の過程は、前記画像データから有彩色のエッジとなる画素数を計数する過程と、前記画像データの色数を計数する過程とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、有彩色のエッジとなる画素数及び色数を計数することにより、コンピュータで作成したイラスト等をプリンタで出力した面積階調の画像と印画紙写真とを異なる画像種別として判別したり、手書きのイラストを個別の画像種別として判別する等、多様な画像データに対して画像種別を厳密に判別することができる。
【0015】
また、本発明に係る画像処理方法は、前記色数を計数する過程は、前記画像データから色分布を算出する過程を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、画像データから色分布を算出することにより、度数値が所定の閾値よりも大きい区分のみを前記画像データ中の色数として計数することができるので、色数を正確に計数することができる。
また、本発明に係る画像処理方法は、前記第2の過程は、計数した前記画素数及び色数と所定の閾値との関係に基づいて、画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別することを特徴とする。
本発明にあっては、入力された画像データから、画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して画像種別を判別することにより、文字画像と、写真が混在している画像との判別を行うことができるのみならず、さらに色情報の特徴を表す特徴量も抽出し、計2つの特徴量に基づいて画像種別を判別することにより、より厳密に画像種別を判別することができる。またこの結果、判別した画像種別に応じた適切な画像処理を行うことができる。
【0017】
また、本発明に係る画像処理装置は、入力された画像データから画像の種別を判別する画像種別判別手段を備え、該画像種別判別手段の判別結果に基づいて画像処理を行う画像処理装置において、前記画像種別判別手段は、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別の判別を行う第1判別手段と、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1判別手段の判別結果に対して補正を施すか否かを判別する第2判別手段と、該第2判別手段の判別結果に基づいて、前記第1判別手段にて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施す手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、入力された画像データの画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して画像種別の判別を行う第1判別手段を備えることにより、文字画像と、写真が混在している画像とを判別することができる。さらに、色情報の特徴を表す特徴量を抽出して第1判別手段の判別結果に対して補正を施すか否かの判別を行う第2判別手段を備えることにより、画像種別の特徴を表す特徴量及び色情報の特徴を表す特徴量の計2つの特徴量に基づいて画像種別を判別するので、より厳密に画像種別を判別することができる。またこの結果、判別した画像種別に応じた適切な画像処理を行うことができる。
【0019】
また、本発明に係る画像処理装置は、前記第2判別手段は、前記画像データから有彩色のエッジとなる画素数を計数する手段と、前記画像データの色数を計数する色数計数手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、第2判別手段が、有彩色のエッジである画素数の多少及び色数とを計数する手段を備えることにより、コンピュータで作成したイラスト等をプリンタで出力した面積階調の画像と印画紙写真とを異なる画像種別として判別したり、手書きのイラストを個別の画像種別として判別する等、多様な画像データに対して画像種別を厳密に判別することができる。
【0021】
また、本発明に係る画像処理装置は、前記色数計数手段は、前記色数を計数すべく前記画像データから色分布を算出する手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、画像データから色分布を算出する手段を備えることにより、度数値が所定の閾値よりも大きい区分のみを前記画像データ中の色数として計数することができるので、色数を正確に計数することができる。
また、本発明に係る画像処理装置は、前記第2判別手段は、計数した前記画素数及び色数と所定の閾値との関係に基づいて、画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別することを特徴とする。
本発明にあっては、入力された画像データから、画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して画像種別を判別することにより、文字画像と、写真が混在している画像との判別を行うことができるのみならず、さらに色情報の特徴を表す特徴量も抽出し、計2つの特徴量に基づいて画像種別を判別することにより、より厳密に画像種別を判別することができる。またこの結果、判別した画像種別に応じた適切な画像処理を行うことができる。
【0023】
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像処理装置の何れかを備え、該画像処理装置が画像処理した画像データに基づき、画像を形成することを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、本発明に係る画像処理装置の何れかを備え、該画像処理装置が画像処理した画像データに基づき、画像を形成することにより、多様な画像データに対して、画像種別をより厳密に判別して適切な画像処理を行うことができるので、入力された画像データを良好に再現する画像を出力する画像形成装置を実現することができる。
【0025】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力された画像データから画像の種別を判別させ、この判別結果に基づいて画像処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別させる第1ステップと、コンピュータに、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1ステップの判別結果に対して補正を施すか否かを判別させる第2ステップと、コンピュータに、前記第2ステップの判別結果に基づいて、前記第1ステップにて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施させる第3ステップとを実行させることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、このコンピュータプログラムが格納されたコンピュータにおいて、入力された画像データに対して厳密に画像種別を判別し、判別した画像種別に応じて適切な画像処理を行うことができる。また、プログラムの書き換えが可能な画像処理装置、画像形成装置等においても、コンピュータプログラムを格納することによって、同様に、画像データの画像種別を判別して適切な画像処理を行わせることができる。
【0027】
さらに、本発明に係るコンピュータで読み取りが可能な記録媒体は、コンピュータに、入力された画像データから画像の種別を判別させ、この判別結果に基づいて画像処理を行わせるためのコンピュータプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、コンピュータに、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別させる第1ステップと、コンピュータに、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1ステップの判別結果に対して補正を施すか否かを判別させる第2ステップと、コンピュータに、前記第2ステップの判別結果に基づいて、前記第1ステップにて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施させる第3ステップとを実行させるためのコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、CD−ROM等としてコンピュータプログラムをコンピュータに読み込ませることができるので、この結果、コンピュータにおいて、入力された画像データに対して厳密に画像種別を判別し、判別した画像種別に応じて適切な画像処理を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置の実施の形態であるデジタルカラー複写機の要部構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、カラー画像処理装置2に、カラー画像入力装置(画像読取手段)1とカラー画像出力装置3とが接続され、全体としてデジタルカラー複写機を構成している。カラー画像入力装置1は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えるスキャナで構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:Red、G:Green、B:Blue)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置2へ出力する。
【0031】
カラー画像入力装置1にて読み取られた画像データは、カラー画像処理装置2を構成するA/D(アナログ/デジタル)変換部10、シェーディング補正部11、画像種別判別部(画像種別判別手段)12、入力階調補正部13、領域識別処理部14、色補正部15、黒生成下色除去部16、空間フィルタ処理部17、出力階調補正部18、及び階調再現処理部19により順次処理され、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック(黒))のデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置3へ出力される。
【0032】
A/D変換部10は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換してシェーディング補正部11へ出力し、シェーディング補正部11は、A/D変換部10から入力されたRGBのデジタル信号に対して、カラー画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系で生じた各種の歪みを取り除く補正を行い、補正したRGBのデジタル信号を画像種別判別部12へ出力する。
【0033】
画像種別判別部12は、入力されたRGBのデジタル信号(RGBの反射率信号)を濃度信号等、カラー画像処理装置2に適した信号に変換し、補色反転してCMY信号に変換する。さらに、入力された画像データに対応する画像が、文字画像であるか、写真画像(印刷写真・印画紙写真)であるか、又は文字及び写真を組み合わせた文字/写真画像であるかの画像種別の判別を自動的に行うと共に、入力された画像データの色情報に基づいて、画像種別の判別結果に対して補正を施すか否かを判別する。補正を施すと判別した場合には、さらに、色鉛筆画・アニメーションの下絵、絵画、イラスト・アニメーションの下絵の何れかとして判別する。画像種別判別部12は、このような判別結果を示す画像種別判別信号をカラー画像処理装置2内の入力階調補正部13及び入力階調補正部13よりも後段に備えられる各処理部へ出力する。
【0034】
入力階調補正部13は、カラーバランスを整えると同時に、画像種別判別部12の判別結果に基づいて下地濃度の除去及びコントラスト等の画質調整処理を行い、領域識別処理部14へ出力する。
領域識別処理部14は、画像データの各画素が文字領域、網点領域、及び写真領域の何れであるかを識別する処理を行い、各画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部16、空間フィルタ処理部17、及び階調再現処理部19へ出力すると共に、入力階調補正部13から入力されたデジタル信号をそのまま後段の色補正部15へ出力する。
【0035】
色補正部15は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づく色濁りを取り除く処理を行い、補正後のCMYの3信号を黒生成下色除去部16へ出力する。
黒生成下色除去部16は、色補正後のCMYの3信号から黒(K)信号を生成する黒生成の処理を行い、生成したK信号を元のCMY信号から差し引いて新たなCMY信号を生成し、生成したK信号及び新たなCMY信号からなるCMYKの4信号を空間フィルタ処理部17へ出力する。
【0036】
なお、黒生成下色除去部16における黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う一般的な方法がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC、M、Y、出力されるデータをC´、M´、Y´、K´、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は、以下の式で表される。
【0037】
K´=f{min(C,M,Y)}
C´=C−αK´
M´=M−αK´
Y´=Y−αK´
【0038】
空間フィルタ処理部17は、黒生成下色除去部16から入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力する画像のぼやけ及び粒状性劣化を防ぐ処理を行い、処理後のCMYK信号を出力階調補正部18へ出力する。
【0039】
出力階調補正部18は、入力されたCMYK信号をカラー画像出力装置3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行い、処理後のCMYK信号を階調再現処理部19へ出力する。階調再現処理部19は、入力されたCMYK信号の画像データを最終的に画素に分離し、それぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を行う。
【0040】
上述した画像処理では、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるために、領域識別処理部14において文字として識別された領域は、空間フィルタ処理部17による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。また、階調再現処理部19では、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化又は多値化処理が選択できるように構成されている。また、領域識別処理部14において網点として識別された領域は、空間フィルタ処理部17により、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理が施される。領域識別処理部14において写真として識別された領域は、階調再現処理部19により、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化処理が行われる。
【0041】
上述した各処理は、カラー画像入力装置1が読み取った原稿の画像データに対して行っているが、デジタルカメラ等の入力機器により入力された画像データ、又は、コンピュータにより作成された画像データに対して行ってもよい。上述した各処理が行われた画像データは、図示しない記憶手段に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置3へ出力される。以上の処理は図示しないCPU(Central Processing Unit )により制御される。また、カラー画像出力装置3としては、画像データを記録シート(例えば紙等)上に出力するものであり、例えば、電子写真方式又はインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0042】
上述した画像種別判別部12について、図2、図3、図4に基づいて、より詳細に説明する。画像種別判別部12は、図2に示すように、第1判別部(第1判別手段)4、第2判別部(第2判別手段)5及び補正処理部(補正を施す手段)6から構成されている。
【0043】
第1判別部4としては、例えば、本件出願人による特願2001−12450に開示した構成を用いることができる。第1判別部4は、図3に示すように、信号変換部41、濃度分布算出部42、第1最大度数濃度区分抽出部43、第2最大度数濃度区分抽出部44、文字画像判定部45、写真画像判定部46、及び画像種別判定部48を備えており、画像種別の特徴を表す特徴量を抽出し、この特徴量に基づいて、例えば、文字画像、写真画像、文字/写真画像の何れであるかの判別を行う。前記原稿の特徴量とは、画像データにおける、総画素数(画像データ全体の画素数)、画像データの濃度分布等のことをいう。
【0044】
信号変換部41は、RGBの反射率信号をRGBの濃度信号に変換し、さらに補色反転してCMY信号に変換する。濃度分布算出部42は、変換されたCMY信号の画像データの各色成分毎に濃度分布を算出する。図5は、濃度分布算出部42により算出された濃度分布を表す濃度ヒストグラムの例である。図5(a)は文字画像、図5(b)は写真画像、図5(c)は文字/写真画像の画像データのある色成分の濃度ヒストグラムであり、横軸は濃度値を示し、縦軸はそれぞれの濃度値を有する区分の度数値を示している。
【0045】
図3に示した第1最大度数濃度区分抽出部43は、算出された濃度分布から、最大度数値(第1最大度数値)を有する濃度区分(第1最大度数濃度区分)を抽出する。第2最大度数濃度区分抽出部44は、前記濃度分布から、第1最大度数濃度区分抽出部43にて抽出した第1最大度数濃度区分及びこの濃度区分に隣接する濃度区分以外で、最大度数値(第2最大度数値)を有する濃度区分(第2最大度数濃度区分)を抽出する。図5の濃度ヒストグラムにおいて、抽出した第1最大度数濃度区分及び第2最大度数濃度区分を斜線で示している。
【0046】
文字画像判定部45は、低度数閾値設定部451、低度数濃度区分数判定部452、第1閾値設定部453、最大度数値判定部454及び第2閾値設定部455からなり、画像データに対応する画像が文字画像であるか否かの判定を行う。
【0047】
低度数濃度区分数判定部452は、低度数閾値設定部451にて予め設定される低度数閾値よりも度数値が小さい濃度区分(低度数濃度区分、図5の濃度ヒストグラムに示す)数を計数する。そして、計数した低度数濃度区分数と、第1閾値設定部453にて予め設定される第1閾値とを比較する。
低度数濃度区分数≧第1閾値 である場合に、文字画像であると判定する。
【0048】
最大度数値判定部454は、低度数濃度区分数判定部452にて文字画像であると判定されなかった画像データに対して、第1最大度数値を総画素数で割った値と、第2閾値設定部455にて予め設定される第2閾値とを比較する。
第1最大度数値/総画素数≧第2閾値 である場合に、文字画像であると判定する。
このようにして、文字画像判定部45は、低度数濃度区分数が多い、又はある濃度の度数値が高い画像データに対して、文字画像であると判定する(図5(a))。
【0049】
写真画像判定部46は、文字画像判定部45にて文字画像であると判定されなかった画像データに対して、写真画像であるか否かの判定を行う。総画素数を、第1最大度数値と第2最大度数値との差で割った値と、第3閾値設定部47にて予め設定される第3閾値とを比較する。
総画素数/(第1最大度数値−第2最大度数値)≧第3閾値 である場合に、写真画像であると判定する。
総画素数/(第1最大度数値−第2最大度数値)<第3閾値 である場合は、文字/写真画像であると判定する。
このようにして、写真画像判定部46は、階調性がある画像データに対して写真画像であると判定し(図5(b))、文字画像及び写真画像の両方の特徴を有する画像データに対して文字/写真画像であると判定する(図5(c))。
【0050】
画像種別判定部48は、文字画像判定部45、写真画像判定部46で行われた判定結果に基づいて、第1判別部4における総合判定を行う。画像データの3色の色成分のうち2色以上で同じ判定結果が得られた場合、画像種別の第1判別部4の判別結果として2色以上で同じであった判定結果を採用する。2色以上で同じ判定結果が得られなかった場合、画像種別は文字/写真画像であると判別する。このようにして、第1判別部4にて文字画像、写真画像、文字/写真画像の何れかとして画像種別の判別を行い、判別結果を示す信号を図2に示した補正処理部6へ出力する。
【0051】
なお、写真画像又は文字/写真画像と判別した場合、写真画像が印刷写真(網点)であるのか又は印画紙写真であるのかの判別をさらに行うようにしてもよい。判別方法の1例を挙げると、以下のとおりである。
注目画素を中心とした例えば3×31の画素よりなるブロックを抽出し、各ラインで隣接する画素の濃度差の絶対値を求め、閾値と比較する。
全てのラインにおける濃度差の絶対値≧閾値 である場合、注目画素を含むラインは網点と判定する。また、前記以外の場合、非網点と判定する。ここでは、ラインに対する判定を例に挙げたが、注目画素のみに対して判定してもよい。
さらに、網点と判定されたライン数(又は画素数)を計数し、この計数したライン数を閾値と比較する。
網点と判定されたライン数≧閾値 である場合、印刷写真であると判別する。そして、前記以外の場合、印画紙写真であると判別する。
【0052】
次に、図2に示した第2判別部5について説明する。第2判別部5は、図4に示すように、色線数計数部(有彩色のエッジとなる画素数を計数する手段)51、色数計数部(色数計数手段)52及び補正判定部53からなり、画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出し、第1判別部4の判別結果に対して補正を施すか否かの判別を行い、判別結果を示す補正信号(オン/オフ)を出力する。前記特徴量とは、有彩色のエッジである画素数(色線数)、全色数、高彩度の色数のことをいう。
【0053】
色線数計数部51は、図示しないエッジ検出部と有彩色判定部とからなり、エッジであり、かつ有彩色である画素の数を計数することにより、色線数を計数する。
前記エッジ検出部は、注目画素を中心とした例えば3×3の画素を抽出し、主走査方向ゾーベルフィルタ・副走査方向ゾーベルフィルタによる処理を行う。処理結果が予め定められた閾値以上である場合に、前記注目画素はエッジであると判定する。
【0054】
前記有彩色判定部は、注目画素のR、G、B信号の最大値と最小値との差が、予め設定された閾値以上である場合に、前記注目画素は有彩色であると判定する。前記エッジ検出部にてエッジであると判定し、かつ、前記有彩色判定部にて有彩色であると判定した画素数を計数することにより、色線数計数部51は色線数を計数する。
【0055】
一方、色数計数部52は色分布算出部(色分布を算出する手段)521を備え、色分布算出部521により画像データから色分布を算出し、算出した色分布から全色数及び高彩度色数を計数する。ここで色分布とは、以下に示す3次元ヒストグラムのような画像の色情報の特徴を表すものであり、カラー画像入力装置1によりサンプリングされた画像データ、すなわち、原稿の色分布を表しているのではない。画像データとしては、RGB信号の画像データを用いてもよいし、又は補色反転したCMY信号の画像データ、CIE1976L* a* b* (CIE:Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会、L* :明度、a* ・b* :色度)信号の画像データを用いてもよく、本実施の形態においてはRGB信号の画像データを用いる。
【0056】
図6は、RGB信号の画像データから算出した色分布を表す3次元ヒストグラムの例である。図6において、各ヒストグラムはR信号成分の区分毎に作成されており、それぞれのグラフにおいてx軸はG信号成分、y軸はB信号成分、z軸は、G信号成分及びB信号成分からなる区分の度数値を示している。なお、図6においては、G、B信号成分をそれぞれ5個の区分に分割しているが、これに限定するものでなく、適宜の区分数であってよい。
【0057】
算出した色分布から全色数及び高彩度の色数を計数する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。図7に示すように、x軸、y軸、z軸として画像データのR、G、B信号成分(データ範囲:0〜255)をとる入力信号空間を作成し、この入力信号空間を同じ間隔S(算出した色分布の区分に相当する間隔)で格子(サンプリング格子)に分割する。なお、図7においては、図6の3次元ヒストグラムに合わせて、入力信号空間を間隔Sで5×5×5個のサンプリング格子に分割した例を示しているが、これに限定するものでなく、適宜の間隔で分割を行うことができる。前記入力信号空間が分割されて形成された各サンプリング格子Cijk (0≦i,j,k≦255/S)ついて、以下の処理を行う。
【0058】
処理対象のサンプリング格子Cijk について、算出した色分布を参照することにより、サンプリング格子Cijk に対応する色分布の区分の度数値を、サンプリング点数Pijk として設定する。そして、設定したサンプリング点数Pijk を、サンプリング格子Cijk に対応する色分布の区分が表す色は存在するものとするか否かを判定するための閾値TH0と比較する。
サンプリング点数Pijk >閾値TH0 である場合、前記色は存在するものとすると判定し、計数すべく全色数N=N+1とし、引き続き以下に示す処理を行う。
サンプリング点数Pijk ≦閾値TH0 である場合、前記色は存在しないものと判定して以下に示す処理を行わず、次のサンプリング格子についての処理を開始する。
【0059】
サンプリング点数Pijk >閾値TH0である場合、引き続いて以下の処理を行う。サンプリング格子Cijk の例えば中心の点等の代表となるRGB成分について、最大値MAX(R,G,B)と、最小値MIN(R,G,B)との差を、サンプリング格子Cijk に対応する色分布の区分が表す色が高彩度の色であるか否かを判定するために閾値TH1と比較する。
最大値MAX(R,G,B)−最小値MIN(R,G,B)>閾値TH1 である場合、前記色は高彩度の色であると判定し、計数すべく高彩度色数M=M+1とし、次のサンプリング格子についての処理を開始する。
最大値MAX(R,G,B)−最小値MIN(R,G,B)≦閾値TH1 である場合、前記色は高彩度の色でないと判定し、次のサンプリング格子についての処理を開始する。
【0060】
入力信号空間の全サンプリング格子に対して以上の処理を行い、全色数N及び高彩度色数Mを出力する。以上のようにして、図4に示した色数計数部52は、全色数及び高彩度色数を計数する。
【0061】
そして、補正判定部53は、色線数計数部51及び色数計数部52の計数値に基づいて、第1判別部4の判別結果に対して補正を施すか否かを判定し、判定結果を第2判別部5の判別結果とし、判別結果を示す補正信号(オン/オフ)を補正処理部6へ出力する。色線数計数部51が計数した色線数が所定の範囲内にある(閾値THcl1≦色線数≦閾値THcl2)、色数計数部52が計数した高彩度色数が所定の閾値以上である(高彩度色数≧閾値THcr)、色数計数部52が計数した全色数が所定の閾値以下である(全色数≦閾値THc)、の3つの条件のうち少なくとも1つを満たす場合、第1判別部4の判別結果に対して補正を施すと判定して補正信号をオンにする。
【0062】
閾値THcl1は、印画紙写真と印刷写真とを区別するための閾値である。印画紙写真では色の分布が一様となっており、印刷写真と比較して色線数が少ないという特徴がある。また、閾値THcl2は、色鉛筆画と色文字とを区別するための閾値である。色鉛筆画は、色文字と比較してエッジがはっきりしていない、すなわち色線数が少ないという特徴がある。
閾値THcl1≦色線数≦閾値THcl2 である場合、画像データに対応する画像は、印画紙写真又は色文字ではなく、デザイン・イラスト(グラフィカル画像)又は色鉛筆画の可能性があるとして第1判別部4の判別結果に対して補正を施すと判定し、補正信号をオンにする。
【0063】
また、閾値THcrはデザイン・イラスト(グラフィカル画像)であるか否かを区別するための閾値である。
高彩度色数≧閾値THcr である場合、グラフィカル画像であるとして第1判別部4の判別結果に対して補正を施すと判定し、補正信号をオンにする。
【0064】
さらに、閾値THcもまたデザイン・イラスト(グラフィカル画像)又は絵画であるか否かを区別するための閾値である。
全色数≦閾値THc である場合、グラフィカル画像又は絵画であるとして第1判別部4の判別結果に対して補正を施すと判定し、補正信号をオンにする。
人工的に作成されたデザイン・イラスト(グラフィカル画像)では、使用される色は限られ、また、自然界には存在しない彩度の高い色が使われることがあり、印画紙写真などの自然画と比較して高彩度の色が多く色数が少ないという特徴がある。絵画においても同様に使われる色は限られるので、印画紙写真と比較して色数が少ないという特徴がある。
【0065】
このように、前述した3つの条件のうち少なくとも1つを満たしている場合、デザイン・イラスト(グラフィカル画像)又は色鉛筆画の可能性があるとして第1判別部4の判別結果に対して補正を施すと判定し、オンの補正信号を図2に示した補正処理部6へ出力し、前述した3つの条件を何れも満たさない場合、第1判別部4の判別結果に対して補正を施さないと判定し、オフの補正信号を補正処理部6へ出力する。
【0066】
図2の補正処理部6は、第2判別部5により入力される補正信号がオンであるか否かを判定し、補正信号がオフであると判定した場合、補正処理を行わず、第1判別部4の判別結果をそのまま画像種別判別部12の判別結果とする。一方、補正信号がオンであると判定した場合、第1判別部4の判別結果に対して以下のように補正を施す。
【0067】
第1判別部4にて文字画像であると判別された場合、色鉛筆画・アニメーションの下絵であると判別する。第1判別部4にて写真画像であると判別された場合、絵画・デザインであると判別する。また、第1判別部4にて文字/写真画像と判別された場合、イラスト・アニメーションの下絵であると判別する。このようにして、画像種別判別部12は画像種別をさらに厳密に判別し、判別結果を示す画像種別判別信号を出力する。
【0068】
次に、上述した画像種別判別部12による画像種別の判別の処理手順を図8、図9、図10、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
図8、図9は画像種別判別部12の第1判別部4の処理手順を示す。第1判別部4は、信号変換部41において、画像データのRGBの反射率信号をRGBの濃度信号に変換し、さらに補色反転してCMY信号に変換する信号変換を行う(ステップS1)。濃度分布算出部42において、変換されたCMY信号の画像データの各色成分毎に濃度分布を算出する(ステップS2)。以下の処理は画像データの各色成分に対して夫々行う。
【0070】
算出した濃度分布から、第1最大度数濃度区分抽出部43において、最大度数値(第1最大度数値)を有する濃度区分(第1最大度数濃度区分)を抽出し(ステップS3)、第2最大度数濃度区分抽出部44において、第2最大度数値を有する第2最大度数濃度区分を抽出する(ステップS4)。文字画像判定部45の低度数濃度区分数判定部452において、計数する低度数濃度区分数が第1閾値以上であるか否かを判定し(ステップS5)、低度数濃度区分数が第1閾値以上であると判定した場合(ステップS5:YES)、画像データに対応する画像は文字画像であると判定してフラグFを「a」に設定する(ステップS8)。
【0071】
ステップS5において、低度数濃度区分数が第1閾値未満であると判定した場合(ステップS5:NO)、文字画像判定部45の最大度数値判定部454において、第1最大度数値を総画素数で割った値が第2閾値以上であるか否かを判定し(ステップS6)、第2閾値以上であると判定した場合(ステップS6:YES)、画像データに対応する画像は文字画像であると判定してフラグFを「a」に設定する(ステップS8)。
【0072】
ステップS6において、第1最大度数値を総画素数で割った値が第2閾値未満であると判定した場合(ステップS6:NO)、写真画像判定部46において、総画素数を、第1最大度数値と第2最大度数値との差で割った値が、第3閾値以上であるか否かを判定し(ステップS7)、第3閾値以上であると判定した場合(ステップS7:YES)、画像データに対応する画像は写真画像であると判定してフラグFを「b」に設定する(ステップS9)。
【0073】
ステップS7において、総画素数を、第1最大度数値と第2最大度数値との差で割った値が、第3閾値未満であると判定した場合(ステップS7:NO)、画像データに対応する画像は文字/写真画像であると判定してフラグFを「c」に設定する(ステップS10)。
【0074】
ステップS8、ステップS9及びステップS10の処理が終了後、画像種別判定部48において、画像データの3色の色成分のうち、2色以上で同じ判定結果が得られたか否か(2色以上でフラグFが一致しているか否か)を判定し(ステップS11)、2色以上で同じ判定結果が得られたと判定した場合(ステップS11:YES)、2色以上で同じであった判定結果を画像種別の判別結果として設定し(ステップS12)、処理を終了する。ステップS11において、2色以上で同じ判定結果が得られなかったと判定した場合(ステップS11:NO)、画像種別の判別結果は文字/写真画像であると判別してフラグFを「c」に設定し(ステップS13)、処理を終了する。
【0075】
図10は、画像種別判別部12の第2判別部5の処理手順を示す。第2判別部5は、色線数計数部51において、画像データから色線数を計数し(ステップS21)、色数計数部52において、色分布算出部521により画像データから色分布を算出し(ステップS22)、算出した色分布から全色数及び高彩度色数を計数する(ステップS23)。
【0076】
ステップS21及びステップS23において計数した値に基づいて、補正判定部53において、例えば以下のような処理により判定を行う。補正判定部53において、色線数計数部51により計数された色線数は閾値THcl1以上閾値THcl2以下であるか否かを判定し(ステップS24)、閾値THcl1以上閾値THcl2以下であると判定した場合(ステップS24:YES)、補正信号をオンにし(ステップS27)、処理を終了する。
【0077】
ステップS24において、色線数計数部51により計数された色線数は閾値THcl1以上閾値THcl2以下でないと判定した場合(ステップS24:NO)、色数計数部52により計数された高彩度色数は閾値THcr以上であるか否かを判定し(ステップS25)、閾値THcr以上であると判定した場合(ステップS25:YES)、補正信号をオンにし(ステップS27)、処理を終了する。
【0078】
ステップS25において、色数計数部52により計数された高彩度色数は閾値THcr未満であると判定した場合(ステップS25:NO)、色数計数部52により計数された全色数は閾値THc以下であるか否かを判定し(ステップS26)、閾値THc以下であると判定した場合(ステップS26:YES)、補正信号をオンにし(ステップS27)、処理を終了する。
【0079】
ステップS26において、色数計数部52により計数された全色数は閾値THcを超えていると判定した場合(ステップS26:NO)、補正信号をオフにし(ステップS28)、処理を終了する。これにより判別結果を示す補正信号が出力される。
【0080】
図11は、画像種別判別部12の補正処理部6の処理手順を示す。補正処理部6は、第2判別部5の補正判定部53により入力される補正信号がオンであるか否かを判定し(ステップS31)、オフであると判定した場合(ステップS31:NO)、補正処理を行わず処理を終了する。これにより、第1判別部4の判別結果である文字画像、写真画像、文字/写真画像を示す画像種別判別信号が出力される。
【0081】
ステップS31において、補正判定部53により入力された補正信号がオンであると判定した場合(ステップS31:YES)、フラグFが「a」であるか否かを判定し(ステップS32)、「a」であると判定した場合(ステップS32:YES)、画像データに対応する画像は色鉛筆画・アニメーションの下絵であると判別し(ステップS34)、処理を終了する。
【0082】
ステップS32において、フラグFが「a」ではないと判定した場合(ステップS32:NO)、フラグFが「b」であるか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33において、フラグFが「b」であると判定した場合(ステップS33:YES)、画像データに対応する画像は絵画・デザインであると判別し(ステップS35)、処理を終了する。
【0083】
ステップS33において、フラグFが「b」ではない(フラグFが「c」である)と判定した場合(ステップS33:NO)、画像データに対応する画像はイラスト・アニメーションの下絵であると判別し(ステップS36)、処理を終了する。これらの処理により、画像種別判別部12から、各画像データに応じた画像種別の判別結果を示す画像種別判別信号が出力される。
【0084】
画像種別判別部12から出力される画像種別判別信号に応じて、入力階調補正部13、領域識別処理部14、色補正部15、黒生成下色除去部16、空間フィルタ処理部17、階調再現処理部19では処理が切り換えられる。上述した各部における処理について、画像データに対応する画像がそれぞれ、文字画像、写真画像、文字/写真画像、色鉛筆画・アニメーションの下絵、絵画・デザイン、イラスト・アニメーションの下絵であると判別された場合に分けて説明する。
【0085】
文字画像であると判別された場合、入力階調補正部13及び階調再現処理部19においては、ハイライト部(ごく低濃度部)は色再現しない(トナー又はインクを出力しない)、コントラストを大きくするような補正曲線を用いて処理を行う。領域識別処理部14においては、文字として識別された領域を有効とし(文字画像であったとしても、画像によっては誤って識別される場合があるため)、網点、写真として識別された領域は誤識別であるとみなして識別結果を反映させないようにする。色補正部15においては、色文字の場合、彩度を重視した変換処理を行う。黒生成下色除去部16においては、黒文字に対し、黒生成量を多めに設定する。空間フィルタ処理部17においては、エッジを強調する強調フィルタを用いて処理を行う。
【0086】
写真画像であると判別された場合、入力階調補正部13及び階調再現処理部19においては、ハイライト部から高濃度部まで階調性が維持されるような補正曲線を用いて処理を行う。領域識別処理部14においては、網点、写真として識別された領域を有効とし、文字として識別された領域は誤識別であるとみなして識別結果を反映させないようにする。色補正部15においては、階調性を重視した変換処理を行う。このとき、印刷写真の場合、印刷写真用の色補正テーブルを用い、印画紙写真の場合、印画紙写真用の色補正テーブルを用いる。黒生成下色除去部16においては、黒生成量を少なく設定する。空間フィルタ処理部17においては、平滑化フィルタを用いて処理を行う。
【0087】
文字/写真画像であると判別された場合、各処理部において、文字画像であると判別された場合と、写真画像であると判別された場合とにおける画像処理の中間パラメータを用いる。文字画像及び写真画像の何れを重視するかによって、入力階調補正部13及び階調再現処理部19においては、文字画像及び写真画像の中間のパラメータ(文字画像を重視する場合は文字画像のパラメータ寄りに設定したパラメータ、また、写真画像を重視する場合は写真画像のパラメータ寄りに設定したパラメータ)を用いてハイライト部の再現及びコントラストの調整を行う。色補正部15においては、彩度の強弱及び階調性のバランスが極端にならないように処理を行う。黒生成下色除去部16においては写真画像に影響が出ない程度に黒生成量の調整を行う。領域識別処理部14においては、識別結果をそのまま反映させる。
【0088】
色鉛筆画・アニメーションの下絵であると判別された場合、黒生成下色除去部16においては、黒文字をハッキリ再現する必要が無いため黒生成量を少なく設定する。この結果、暗い色も良好に色再現することができる。空間フィルタ処理部17においては、線画のエッジを強調しすぎると色が変わるため、文字画像に比べて強調度合いの弱いフィルタ係数を用いて処理を行う。
【0089】
絵画・デザインであると判別された場合、色補正部15においては、absolute colorimetric 法(色再現領域外のデータを最短距離の外縁部に圧縮する方法)を用いる。これにより、階調性は低下することがあるが、目標色(入力された画像データの色)に最も近い色を出力するCMY値に変換することができる。
【0090】
イラスト・アニメーションの下絵であると判別された場合、黒生成下色除去部16においては、黒生成量を少なく設定する。空間フィルタ処理部17においては、文字画像に比べて強調度合いの弱いフィルタ係数を用いて処理を行う。色補正部15においては、relative colorimetric 法(色再現領域外のデータを外縁部の狭い領域に圧縮する方法)を用いて処理を行う。これにより、階調の飽和が発生しやすい外縁部付近の色についても、階調性を維持した色再現を行うことが可能である。また、前述したabsolute colorimetric 法を用いてもよい。
【0091】
なお、本実施の形態においては、カラー画像処理装置を備えるデジタルカラー複写機を想定しているが、上述したカラー画像処理装置と同様の処理動作をコンピュータに実行させるための本発明に係るコンピュータプログラムを記録する本発明に係る可搬型記録媒体(記録媒体)を、図示しないコンピュータが備える外部記憶装置にて読み取り、読み取ったコンピュータプログラムを前記コンピュータが備える内部記憶装置に記憶し、記憶したコンピュータプログラムを前記コンピュータが備えるRAMにロードし、前記コンピュータが備えるCPUが、上述したカラー画像処理装置と同様に、画像種別に応じた適切な画像処理を実行する形態であってもよい。
前記記録媒体としては、磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カード等のカード系等の何れであってもよい。
【0092】
また、本発明に係るコンピュータプログラムを記録するROM等のメモリ(記録媒体)を図示しないコンピュータが備え、記録するコンピュータプログラムを読み出し、読み出したコンピュータプログラムを前記コンピュータが備えるRAMにロードし、前記コンピュータが備えるCPUが、上述したカラー画像処理装置と同様に、画像種別に応じた適切な画像処理を実行する形態であってもよい。
前記記録媒体としては、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )、フラッシュROM等による半導体メモリ等の何れであってもよい。
【0093】
さらに、図示しない通信インタフェースを備えるコンピュータにおいて、前記通信インタフェースと接続している図示しないネットワーク上のサーバ装置から本発明に係るコンピュータプログラムをダウンロードし、前記コンピュータが備えるCPUにて、上述したカラー画像処理装置と同様に、画像種別に応じた適切な画像処理を実行する形態であってもよい。
【0094】
上述した何れの形態においても、コンピュータが、スキャナ又はデジタルカメラ等の画像入力装置から入力される画像データに対して、本発明に係るコンピュータプログラムに基づいて上述したカラー画像処理装置と同様に、画像種別に応じた適切な画像処理を行い、処理後の画像データをプリンタ(画像出力装置)へ出力することにより、画像種別に応じた適切な画像処理後の画像データに基づいて紙等の記録シートへの画像形成を行うことができる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、入力された画像データから、画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して画像種別を判別することにより、文字画像と、写真が混在している画像との判別を行うことができるのみならず、さらに色情報の特徴を表す特徴量も抽出し、計2つの特徴量に基づいて画像種別を判別することにより、より厳密に画像種別を判別することができる。またこの結果、判別した画像種別に応じた適切な画像処理を行うことができる。
【0096】
また、本発明によれば、有彩色のエッジとなる画素数及び色数を計数することにより、コンピュータで作成したイラスト等をプリンタで出力した面積階調の画像と印画紙写真とを異なる画像種別として判別したり、手書きのイラストを個別の画像種別として判別する等、多様な画像データに対して画像種別を厳密に判別することができる。
【0097】
また、本発明によれば、画像データから色分布を算出することにより、度数値が所定の閾値よりも大きい区分のみを前記画像データ中の色数として計数することができるので、色数を正確に計数することができる。
【0098】
また、本発明によれば、本発明に係る画像処理装置の何れかを備え、画像処理装置が画像処理した画像データに基づき、画像を形成することにより、多様な画像データに対して、画像種別をより厳密に判別して適切な画像処理を行うことができるので、入力された画像データを良好に再現する画像を出力する画像形成装置を実現することができる。
【0099】
さらに、本発明によれば、本発明に係るコンピュータプログラムが格納されたコンピュータにおいて、入力された画像データに対して厳密に画像種別を判別し、判別した画像種別に応じて適切な画像処理を行うことができる。また、プログラムの書き換えが可能な画像処理装置、画像形成装置等においても、コンピュータプログラムを格納することによって、同様に、画像データの画像種別を判別して適切な画像処理を行わせることができる。
【0100】
さらに、本発明によれば、CD−ROM等としてコンピュータプログラムをコンピュータに読み込ませることができるので、この結果、コンピュータにおいて、入力された画像データに対して厳密に画像種別を判別し、判別した画像種別に応じて適切な画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルカラー複写機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】画像種別判別部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す第1判別部の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示す第2判別部の構成を示すブロック図である。
【図5】文字画像、写真画像、文字/写真画像の濃度ヒストグラムの例を示す説明図である。
【図6】3次元ヒストグラムの例を示す説明図である。
【図7】RGB信号の入力信号空間を、同じ間隔で格子状に分割する方法を示す説明図である。
【図8】本発明に係る画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カラー画像入力装置
2 カラー画像処理装置
3 カラー画像出力装置
12 画像種別判別部
4 第1判別部
5 第2判別部
6 補正処理部
43 第1最大度数濃度区分抽出部
44 第2最大度数濃度区分抽出部
45 文字画像判定部
46 写真画像判定部
48 画像種別判定部
51 色線数計数部
52 色数計数部
521 色分布算出部
53 補正判定部
Claims (11)
- 入力された画像データから画像の種別を判別し、この判別結果に基づいて画像処理を行う画像処理方法において、
画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別する第1の過程と、
前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別する第2の過程と、
該第2の過程の判別結果に基づいて、前記第1の過程にて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施す第3の過程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記第2の過程は、
前記画像データから有彩色のエッジとなる画素数を計数する過程と、
前記画像データの色数を計数する過程と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 前記色数を計数する過程は、
前記画像データから色分布を算出する過程を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 - 前記第2の過程は、
計数した前記画素数及び色数と所定の閾値との関係に基づいて、画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理方法。 - 入力された画像データから画像の種別を判別する画像種別判別手段を備え、該画像種別判別手段の判別結果に基づいて画像処理を行う画像処理装置において、
前記画像種別判別手段は、
画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別の判別を行う第1判別手段と、
前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1判別手段の判別結果に対して補正を施すか否かを判別する第2判別手段と、
該第2判別手段の判別結果に基づいて、前記第1判別手段にて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施す手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記第2判別手段は、
前記画像データから有彩色のエッジとなる画素数を計数する手段と、
前記画像データの色数を計数する色数計数手段と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記色数計数手段は、
前記色数を計数すべく前記画像データから色分布を算出する手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記第2判別手段は、
計数した前記画素数及び色数と所定の閾値との関係に基づいて、画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1の過程の判別結果に対して補正を施すか否かを判別することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。 - 請求項5乃至8の何れかに記載された画像処理装置を備え、
該画像処理装置が画像処理した画像データに基づき、画像を形成することを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータに、入力された画像データから画像の種別を判別させ、この判別結果に基づいて画像処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別させる第1ステップと、
コンピュータに、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1ステップの判別結果に対して補正を施すか否かを判別させる第2ステップと、
コンピュータに、前記第2ステップの判別結果に基づいて、前記第1ステップにて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施させる第3ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータに、入力された画像データから画像の種別を判別させ、この判別結果に基づいて画像処理を行わせるためのコンピュータプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、
コンピュータに、画像データから画像種別の特徴を表す特徴量を抽出して文字画像、写真画像又は文字及び写真画像の何れかの画像種別を判別させる第1ステップと、
コンピュータに、前記画像データから色情報の特徴を表す特徴量を抽出して画像を判別し、該判別結果に基づいて前記第1ステップの判別結果に対して補正を施すか否かを判別させる第2ステップと、
コンピュータに、前記第2ステップの判別結果に基づいて、前記第1ステップにて判別した画像種別に対して、より厳密な画像種別がなされるべく、補正を施させる第3ステップと
を実行させるためのコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータで読み取りが可能な記録媒体。
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