JP4077647B2 - 酸化マンガンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リチウム二次電池の正極材として使用されるリチウム・マンガン複合酸化物(LiMnO2 , LiMn2O4 )の製造原料等として好適な酸化マンガンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池の正極活物質として、従来からのLiCoO2 やLiNiO2 等に代えてリチウム・マンガン複合酸化物(LiMnO2 , LiMn2O4 )を適用する気運が高まってきた。
【0003】
このリチウム・マンガン複合酸化物は一般にマンガン酸化物とリチウム塩(炭酸リチウム等)とを反応させることによって製造されるが、原料となるマンガン酸化物としては、マンガン乾電池用材料として開発された電解二酸化マンガンや化学合成二酸化マンガンなどの種々の二酸化マンガン(MnO2 )、あるいはこれら二酸化マンガンを熱処理して得られた三酸化二マンガン( Mn2O3 )等が使用されている。
【0004】
しかし、これらの酸化マンガンは粒径が比較的大きく(最大粒径100μm以上,平均粒径25μm以上)、そのためこれらを原料としたリチウム・マンガン複合酸化物も粒径が大きくなってしまうため、これを塗布して得られるリチウム二次電池用の電極が十分な平滑性面を呈しにくいという問題が指摘された。
なお、これらの酸化マンガンを粉砕して粒径を小さくすることによりリチウム二次電池用としての特性を改善させることが試みられているが、一次電池用の材料は元々構造が多孔質であるので粉砕して粒径が小さくなるとタップ密度が著しく小さくなり(1.5g/cm3を大きく下回ってしまう)、電極への塗布性が悪くなるだけではなく、体積当りのエネルギ−密度も低下した。
【0005】
そこで、リチウム二次電池の正極材としても十分に満足できる微細でかつ高タップ密度を持つリチウム・マンガン複合酸化物等の製造に好適な“高密度の微細粒酸化マンガン”の製造手段として、特開2000−281349号公報や特開2000−281351号公報に示されるような「炭酸マンガンを低酸素含有雰囲気中(低酸化雰囲気中)で焙焼してから引き続いて高酸素含有雰囲気中で焙焼する2段階焙焼により酸化マンガン(Mn2O3)を得る方法」が提案された。
この炭酸マンガンの2段階焙焼による酸化マンガンの製造方法は、メジアン径が10μm以下でタップ密度1.8g/cm3以上を示す球状の微細粒高密度酸化マンガンを得ることを可能とし、これを原料として製造されたリチウム・マンガン複合酸化物は微細で高いタップ密度を示すのでリチウム二次電池正極材の性能向上に大きく寄与するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、省力化,省エネルギ−化,低コスト化の要求が各方面で益々厳しくなっている最近の状況を踏まえつつ前記“炭酸マンガンの2段階焙焼による酸化マンガンの製造方法”について再検討した結果、当該方法は「製造歩留りや作業能率の点で更なる改善の余地が残る」と結論されるに至った。
【0007】
即ち、前記“炭酸マンガンの2段階焙焼による酸化マンガンの製造方法”では確かに高密度の微細粒酸化マンガンを得ることができるもののその製造効率は必ずしも良好であるとは言えず、例えばタップ密度が2.0g/cm3以上の酸化マンガンを得ようとすると製造歩留りが50%そこそこに止まる場合が多かった。一方、製造歩留りを向上させようとすると少ロット生産を余儀なくされ、作業能率の点で不利を余儀なくされざるを得なかった。
【0008】
このようなことから、本発明が目的としたのは、リチウム二次電池の正極材として使用されるリチウム・マンガン複合酸化物の製造原料等として十分に満足できるタップ密度の高い酸化マンガンを高い製造歩留り,作業能率の下で安定生産し得る手段を確立することであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、次の事項を知ることができた。
a) 前記特開2000−281349号公報あるいは特開2000−281351号公報に示される“炭酸マンガンの2段階焙焼による酸化マンガンの製造方法”では、この種材料の焙焼において一般的に適用される“静置した反応容器内に炭酸マンガン粉末を装入して焙焼する静置焙焼”が採用されているが、静置焙焼によると反応容器の上部と下部とで“得られる酸化マンガン”の性状(タップ密度,比表面積)に差が生じてしまい、これが目的とする製品(酸化マンガン)の製造歩留り低下につながってしまう。なお、反応容器に装入する原料を少量とすれば上記不都合が緩和されるものの、この場合には作業能率の極端な低下は否めない。
【0010】
b) ところが、炭酸マンガンの焙焼にロ−タリ−キルンを適用し、その炉内を低酸化雰囲気にして炭酸マンガンを焙焼しながら、ロ−タリ−キルンの所定位置で焙焼原料に空気等の酸素含有ガスを吹き込んで焙焼を続けると、ロ−タリ−キルンへの炭酸マンガンの装入を連続して実施できる上、ロ−タリ−キルン方式では静置焙焼のような炉容器の上部と下部といった位置による焙焼条件の差が生じないので性状の均質な酸化マンガンが得られ、目的性状の酸化マンガンを大幅に高い製造歩留りでかつ高い作業能率の下で得ることが可能になる。しかも、連続装入された炭酸マンガンはまず低酸化雰囲気で焙焼され、続いて酸素含有ガス吹き込み位置近傍にて酸素濃度の高い雰囲気状態で焙焼されるために、前述した特開2000−281349号公報や特開2000−281351号公報に示される“炭酸マンガンの2段階焙焼による酸化マンガンの製造方法”の場合と同様の焙焼条件が実現され、メジアン径が小さくて(例えば10μm以下)タップ密度が高い(例えば1.2g/cm3以上、 更には1.8g/cm3以上)酸化マンガンの高能率生産が可能となる。
【0011】
c) その上、ロ−タリ−キルン内の雰囲気温度を調整することにより、得られる酸化マンガンのタップ密度,比表面積を調整することもできる。
【0012】
本発明は、上記知見事項等を基にして完成されたものであり、次に示す微細粒高密度酸化マンガンの製造方法を提供するものである。
▲1▼ 炭酸マンガンを焙焼して酸化マンガンを製造するにあたり、焙焼炉としてロ−タリ−キルンを用いると共に、その炉内を低酸化雰囲気としながら原料装入口から炭酸マンガンを供給して焙焼を開始し、かつロ−タリ−キルンの原料装入口から距離を隔てた炉内位置で焙焼原料に酸素含有ガスを吹き込みつつ焙焼を続けることを特徴とする、微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
▲2▼ 少なくとも酸素含有ガスの吹き込み位置までの炉内雰囲気を酸素濃度15%未満の雰囲気とする、前記▲1▼項記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
▲3▼ 焙焼原料に吹き込む酸素含有ガスとして酸素濃度が15%以上のガスを用いる、前記▲1▼項あるいは▲2▼項記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
▲4▼ 炉内の雰囲気温度を400〜600℃とする、前記▲1▼乃至▲3▼項の何れかに記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をその作用と共に詳述する。
まず、本発明法にて原料として用いる炭酸マンガンには特に制限はないが、球状で微細粒である特開2000−281347号公報に示されたもの(メジアン径:10μm以下,タップ密度:1.2g/cm3以上)を適用するのが望ましい。
なお、この特開2000−281347号公報に示される炭酸マンガンは、金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液にて溶解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域でCO2 ガスを吹き込む処理によって得られるものである。
【0014】
さて、本発明においては、酸化マンガンの製造原料である炭酸マンガンはロ−タリ−キルンによって焙焼処理される。
図1はロ−タリ−キルンの1例を示した概要図であるが、このロ−タリ−キルンは回転する炉芯管1がヒ−タボックス2で加熱される形式のものであり、炭酸マンガンは原料装入ホッパ−3を通してロ−タリ−キルンの原料装入口(炉芯管の原料装入口)から炉内へ供給される。なお、符号4は酸素含有ガスの供給パイプであって、その先端部には、後述する“原料装入口から距離を隔てた炉内の所定位置”にて焙焼原料に酸素含有ガスが吹き込むための“炉芯管の下部内壁に対向するノズル孔”が開口している。
【0015】
ロ−タリ−キルンの炉内を低酸化雰囲気とするには、雰囲気中の酸素濃度をコントロ−ルすれば良い。例えば、空気の混入割合を調整した窒素ガスを炉内に流通させる手法等を採用することができる。
ロ−タリ−キルンの原料装入口から連続供給された炭酸マンガンは、まず炉内の低酸化雰囲気中で加熱され、
MnCO3 +xO2 =( Mn3O4 、又は Mn3O4 と Mn2O3 の混合物)
なる反応によって多孔質のMnO2 を生じることなく低酸化状態のマンガン酸化物となる。
この低酸化状態のマンガン酸化物は Mn2O3 と Mn3O4 の混合物(加熱温度、 即ち雰囲気温度が低い場合や加熱処理の初期では Mn3O4 が主体)であって、色調は赤紫を呈している。そして、この混合物がロ−タリ−キルン内を進行し焙焼が進むにつれて混入している Mn3O4 は Mn2O3 へと変化してタップ密度が増加する。
【0016】
なお、高タップ密度の酸化マンガンを生成させるためには、炉内雰囲気(特に原料装入口近傍の炉内雰囲気)中の酸素濃度は15%未満(好ましくは10%以下、より望ましくは5%以下)とするのが良い。なぜなら、この酸素濃度が15%以上であると多孔性のMnO2 が生成しタップ密度が減少しがちとなるからである。
【0017】
本発明法では、低酸化雰囲気中で焙焼されつつロ−タリ−キルン内を進行する焙焼原料( Mn2O3 と Mn3O4 との混合物であるマンガン酸化物)が原料装入口から距離を隔てた炉内の所定位置{焙焼原料(マンガン酸化物)のタップ密度増加が飽和する傾向を見せ始める位置であって、 予めの調査結果に基づいて決めれば良い}に到達すると、当該位置で焙焼原料に酸素含有ガスが吹き込まれる。
このように酸素含有ガスを吹き込みつつ焙焼を続けることによって、未変化の Mn3O4 が Mn2O3 に変換する時間が短縮され、比較的短時間で Mn2O3 単相のマンガン酸化物が得られるようになる。
【0018】
上記焙焼原料(マンガン酸化物)に吹き込む酸素含有ガスとしては、酸素濃度を15%以上(好ましくは20%以上)に調整したガス(例えば空気あるいは空気を混入させた窒素ガス等)を用いるのが良い。この酸素含有ガスの酸素濃度が15%未満であると、混入している Mn3O4 が Mn2O3 に速やかに変換されず、処理に長時間を要したり製品性能の悪化を招くおそれが出てくる。
【0019】
ロ−タリ−キルン内の雰囲気温度は400〜600℃とするのが良い。炉内の雰囲気温度が400℃未満であると、炭酸マンガンが効果的に低酸化状態のマンガン酸化物に変化しないばかりか、生成した Mn3O4 が Mn2O3 へと速やかに変換されずに処理に長時間を要したり製品性能の悪化を招くおそれがある。一方、炉内の雰囲気温度が600℃を超えると、マンガン酸化物の粒子同士が凝集・焼結して微細で高タップ密度の製品マンガン酸化物が得られなくなる懸念が出てくる。
【0020】
しかも、ロ−タリ−キルン内の雰囲気温度を400〜600℃の範囲内で調整することにより、得られる酸化マンガン(Mn2O3)のタップ密度,比表面積を調整することもできる。
例えば、雰囲気温度を450〜500℃とすることによってタップ密度が1.9g/cm3程度で比表面積が 2.5m2/g 程度の酸化マンガンを得るのが容易となり、また雰囲気温度を500〜550℃とすることによりタップ密度が2.2g/cm3程度で比表面積が 2.2m2/g 程度の酸化マンガンを得るのが容易となる。
【0021】
上述した本発明法によれば、メジアン径が小さくてタップ密度が高い酸化マンガンを80〜90%の製造歩留りの下で高能率生産することが可能である。
なお、ロ−タリ−キルンの回転数やロ−タリ−キルン内における原料の滞留時間は、被処理炭酸マンガンの量,得られるマンガン酸化物の均質度,ロ−タリ−キルンの寸法,雰囲気温度,雰囲気中の酸素濃度等に応じて調整すれば良い。
【0022】
ところで、そのメジアン径が10μm以下でタップ密度が1.8g/cm3以上の比表面積が大きい微細粒高密度酸化マンガンは、例えばリチウム二次電池用のマンガン酸リチウム(LiMnO2, LiMn2O4 )の製造原料として使用した場合に電池特性(電流負荷特性,サイクル特性等)の顕著な向上をもたらす。また、酸化マンガン粒子の形状が球状であるほどこれらの特性を得るのに有利であるが、酸化マンガン粒子の形状を球状とするためには、その製造原料である炭酸マンガンとして球状で極力均一なものを選んだり、これを焙焼して酸化マンガンを得る際の雰囲気温度が過度に高くならないように留意する必要がある。
【0023】
次に、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
【実施例】
まず、前述した特開2000−281347号公報に示された方法(金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液にて溶解すると共に溶解液のpHが 8.5以上の領域でCO2 ガスを吹き込む処理)により、メジアン径が10μm,タップ密度が1.2g/cm3の炭酸マンガンを準備した。
【0024】
次に、前記図1で示した様式のロ−タリ−キルン(炉芯管の内径が200mmで長さが3000mm)を用い、これに上記炭酸マンガンを0.06kg/minの装入速度で連続装入して焙焼処理を行った。
この際、炉内には酸素濃度が5%となるように調整した空気と窒素の混合ガスを10L/min の流量で通気すると共に、炉芯管の回転数を3rpm に、そして装入原料の進行速度を200mm/minにそれぞれ調整した。そして、酸素含有ガスの供給パイプを通じ、原料装入口から1200mmの距離を隔てた炉内の下部内壁上に位置する焙焼原料に、酸素濃度が20%となるように調整した空気と窒素の混合ガスを45L/min の流量で連続して吹き込み続けた。
【0025】
なお、焙焼処理は、炉内の雰囲気温度がそれぞれ450℃,500℃,550℃,600℃及び650℃である5つの条件で実施した。
この焙焼処理によって得られた酸化マンガン(Mn2O3)の性状を調査し、その結果を表1にまとめて示した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示される結果からは、本発明法によると、タップ密度が1.8g/cm3以上の微細粒高密度酸化マンガンを作業性良く高歩留りで製造できることが分かる。
このように、タップ密度が高い微細粒高密度酸化マンガンは、これをリチウム二次電池用マンガン酸リチウムの製造原料等とした場合には得られる製品の性能向上に大きく資することになる。
ただ、上記結果からは、雰囲気温度が650℃と高くなると粒子の焼結が進んで粒子形状がいびつになり、比表面積も低下することも窺える。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明した如く、この発明によれば、タップ密度が高い微細粒高密度酸化マンガンを高歩留り、かつ高能率で安定製造することが可能となり、これを原料とすることで例えば十分に満足できる電池特性を有したリチウム二次電池用マンガン酸リチウムを安価に製造できるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する際に使用するロ−タリ−キルンの1例を示した概要図である。
【符号の説明】
1 炉芯管
2 ヒ−タボックス
3 原料装入ホッパ−
4 酸素含有ガスの供給パイプ
Claims (4)
- 炭酸マンガンを焙焼して酸化マンガンを製造するにあたり、焙焼炉としてロ−タリ−キルンを用いると共に、その炉内を低酸化雰囲気としながら原料装入口から炭酸マンガンを供給して焙焼を開始し、かつロ−タリ−キルンの原料装入口から距離を隔てた炉内位置で焙焼原料に酸素含有ガスを吹き込みつつ焙焼を続けることを特徴とする、微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
- 少なくとも酸素含有ガスの吹き込み位置までの炉内雰囲気を酸素濃度15%未満の雰囲気とする、請求項1記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
- 焙焼原料に吹き込む酸素含有ガスとして酸素濃度が15%以上のガスを用いる、請求項1あるいは2記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
- 炉内の雰囲気温度を400〜600℃とする、請求項1乃至3の何れかに記載の微細粒高密度酸化マンガンの製造方法。
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