JP4069595B2 - Loudspeaker - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅や事務所等で用いられる拡声通話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通話時にハンドセットを持つ必要がなく、通話端末から離れた通話者に対して相手側の通話端末から伝送されてくる音声信号をスピーカによって拡声出力し、かつ、上記通話者の発する音声をマイクロホンにより集音して相手側通話端末へ伝送することで拡声通話(ハンズフリー通話)を実現する拡声通話装置が提供されている。このような拡声通話装置においては、通話者が発した音声の一部が相手側通話端末のスピーカからマイクロホンヘの音響結合や通話端末と伝送路との間のインピーダンスの不整合によって生じる反射などが原因で再び受話信号と重畳して帰還することがあり、この帰還成分のレベルが大きい場合には、不快なエコー(音響エコーあるいは回線エコー)として通話者に聴こえてしまう。また、上記音響結合や反射、および自端末における音響結合により通話系に閉ループが形成され、閉ループの一巡利得が1倍を超える周波数成分が存在する場合には、その周波数においてハウリングを生じ、安定した通話を継続することが不可能となる。したがって、通話端末としての拡声通話装置を設計する上で、上述した不快なエコーやハウリングを如何に抑圧するかが重要な課題となる。
【0003】
このような課題に対して、従来、通話状態(送話状態、受話状態など)を常時推定し、推定結果に基づき適切な配分で送話路および受話路に対して損失を挿入する音声スイッチを用いて閉ループの一巡利得を低減し不快なエコーやハウリングを抑圧する方式が広く用いられてきた。しかしながら、このような方式では、遠端側および近端側の通話者が同時に発声した場合、どちらか一方の音声信号が音声スイッチの挿入損失により大幅に減衰してしまい、相手側の通話者には聴こえないレベルになってしまう。すなわち、原理的に双方向の同時通話(全二重通話)が実現できない。これは、通話端末の設置場所付近における騒音レベルが高く、相手側通話者の発した音声のレベルが騒音レベルよりも低い場合には、受話音声が途切れて聴こえてしまうことも意味する。音声スイッチを用いた従来方式が持つこのような短所がしばしば問題となり、最近では双方向の同時通話が実現できる方式を採用した拡声通話装置も提供され始めている。
【0004】
図24は拡声通話装置としてのインターホン親機(以下、「親機」と略す)M’と、相手側通話端末としてのドアホン子機Sとからなり、双方向の同時通話を実現可能とした所謂ハンズフリーインターホンの従来例を示すブロック図である。親機M’は、マイクロホン1、スピーカ2、2線−4線変換回路3、マイクロホンアンプG1、回線(2線の伝送路)への送話信号を増幅する回線出力アンプG2、回線からの受話信号を増幅する回線入力アンプG3、スピーカアンプG4、送話音量調整用増幅器G5、受話音量調整用増幅器G6、並びに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bで構成される。また、ドアホン子器Sはマイクロホン1′、スピーカ2′、2線−4線変換回路3′、マイクロホンアンプG1′並びにスピーカアンプG4′で構成される。
【0005】
第1のエコーキャンセラ30Aは適応フィルタ31Aと減算器32Aからなる従来周知の構成を有し、スピーカ2−マイクロホン1間の音響結合により形成される帰還経路(音響エコー経路)HACのインパルス応答を適応フィルタ31Aにより適応的に同定し、参照信号(スピーカアンプG4への入力信号)から推定したエコー成分(音響エコー)を減算器32AによりマイクロホンアンプG1の出力信号(図24における点Aの信号)から減算することでエコー成分を相殺して消去するものである。また、第2のエコーキャンセラ30Bも適応フィルタ31Bと減算器32Bからなる従来周知の構成を有し、2線一4線変換回路3と伝送路との間のインピーダンスの不整合による反射およびドアホン子機Sにおけるスピーカ2’−マイクロホン1’間の音響結合とにより形成される帰還経路(回線エコー経路)HLINのインパルス応答を適応フィルタ31Bにより適応的に同定し、参照信号(回線出力アンプG2への入力信号、すなわち送話信号)から推定したエコー成分(回線エコー)を減算器32Bにより受話信号(図24における点Cの信号)から減算することでエコー成分を相殺して消去するものである。
【0006】
而して、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにより帰還経路HACおよびHLINのエコー成分を相殺して閉ループを断ち切るため、不快なエコーおよびハウリングを抑制することができる。また、上記従来例によれば、マイクロホンアンプG1の出力信号に含まれるエコー以外の成分、すなわち、親機M’に対して通話者が発声した音声信号および親機M’の周囲の騒音については全く損失を与えずにドアホン子機S側へ伝送することができ、同様に受話信号に含まれるエコー以外の成分、すなわち、ドアホン子機Sに対して通話者が発声した音声信号およびドアホン子機Sの周囲の騒音については全く損失を与えずに親機M’側へ伝送することができる。したがって、双方向の同時通話を実現することができる。なお、図24に示す従来構成において、さらに低損失の音声スイッチを2つのエコーキャンセラ30A,30Bの間の送受話路に設けた構成も従来より提案されているが、動作原理は基本的には同様であるから詳しい説明は省略する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの適応フィルタ31A,31Bが帰還経路HAC,HLINのインパルス応答を同定するのに通常数秒の学習時間を要する。言い換えれば、通話開始直後から数秒間は、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bによって帰還経路HAC,HLINを断ち切ることができず、通話系に閉ループが形成された状態にある。このような状態においては、通話者が発声した音声がエコーとして通話者自身に聴こえてしまい、不快感を与える。また、増幅器の利得が大きければハウリングを生じてしまう。
【0008】
したがって、通話開始直後のエコーキャンセラ30A,30Bが収束していない状態(インパルス応答を同定するための学習状態)においてもハウリングを生じないためには、閉ループの一巡利得が1倍を超えないように各増幅器の利得を設計する必要がある。これは、明らかに通話音量に対して制約を与えることとなり、スピーカ2とマイクロホン1との距離が近くて音響結合利得が大きいハウジングを有する親機M’においては、実用上支障のない充分な通話音量が得られなくなってしまうことがある。また、図24に示した従来構成において低損失の音声スイッチを2つのエコーキャンセラ30A,30Bの間の送受話路に設けた場合も同様に、通話音量に関して制約を生じることとなる。
【0009】
以上のことは第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの適応フィルタ31A,31Bの係数が通話開始時に全て0にリセットされていることを前提としている。一方、予め適応フィルタ31A,31Bに係数の初期値を与えておく方式も考えられるが、適応フィルタ31A,31Bにより同定すべき帰還経路HAC,HLINの特性がハウジングの設置環境によって異なるものであるため、予め設定した初期値では帰還経路HAC,HLINの相殺効果が全く得られないこともあり得る。したがって、そのような方式においても通話音量に対して制約が生じてしまうことは避けられない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、実用上支障のない充分な通話音量を得ながら、通話開始時並びに通話中ともに不快なエコーやハウリングを生じることなく、通話開始後、エコーキャンセラのフィルタ係数が所定の範囲値内に収束するのに要する時間を経過した後には、双方向の同時通話が実現可能な拡声通話装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの送話信号を増幅する送話側増幅手段と、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される受話信号を増幅する受話側増幅手段と、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、ハウリングやエコーを抑制して拡声通話を可能とする通話処理手段とを備えた拡声通話装置において、通話処理手段は、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラに挟まれた送話信号並びに受話信号の信号経路上に設けられる通話音量調整用増幅手段と、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなり、総損失量算出部は、各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、相手側通話端末との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した後の期間には更新モードで動作するものであって、第1のエコーキャンセラは、音響エコー経路の特性を適応的に同定する適応フィルタと、送話信号から適応フィルタの出力を減算する減算器と、受話信号の瞬時パワーを推定する第1の信号パワー推定部と、ダブルトークを検出するダブルトーク検出部とを有し、第2のエコーキャンセラは、回線エコー経路の特性を適応的に同定する適応フィルタと、受話信号から適応フィルタの出力を減算する減算器と、送話信号の瞬時パワーを推定する第2の信号パワー推定部と、ダブルトークを検出するダブルトーク検出部とを有し、第1及び第2のエコーキャンセラは、第1の信号パワー推定部の推定値が送話信号に音声成分が含まれていると見なせる所定の閾値を超えるとともに第2の信号パワー推定部の推定値が受話信号に音声成分が含まれると見なせる所定の閾値を超え、且つ第1及び第2のエコーキャンセラのダブルトーク検出部によりダブルトークが検出されない状態でのみ適応フィルタの係数を更新するとともに、その他の状態では適応フィルタの係数を固定し、通話開始後に適応フィルタの係数更新を行った累積時間をカウントする係数更新累積時間カウンタを設けてなり、総損失量算出部は、係数更新累積時間カウンタのカウント値が所定の閾値を超えても音響側帰還利得及び回線側帰還利得の各推定値の少なくとも何れか一方が所定の閾値以下とならない場合には更新モードに移行せずに固定モードの動作を継続することを特徴とし、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できる。また、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話音量調整用増幅手段を含む増幅利得に対して制約が与えられないため、マイクロホンとスピーカとの位置関係や距離等の諸条件に応じて実用上支障のない充分な通話音量が得られるように増幅利得を設計することができる。しかも、適応フィルタのインパルス応答長よりも残響時間が長くなるような環境に設置される場合等において、総損失量算出部が固定モードの動作を継続することで不快なエコーやハウリングを抑制することができ、安定した半二重通話が維持できる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、不揮発性の記憶装置からなり総損失量の初期値を記憶する初期値記憶手段と、相手側通話端末との通話開始前に初期値記憶手段に記憶した総損失量の初期値を総損失量算出部へ設定する初期値設定手段とを備えたことを特徴とし、相手側通話端末との通話系に応じて初期値記憶手段に記憶する初期値を変更するだけで請求項1の発明と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、通話処理手段は、送話信号が単一周波数のトーン信号か否かを検出する送話信号シングルトーン検出器と、受話信号が単一周波数のトーン信号か否かを検出する受話信号シングルトーン検出器と、これら2つのシングルトーン検出器の検出結果に基づいてハウリングの有無を検出するハウリング検出部とを備え、ハウリング検出部にてハウリングを検出すると第1及び第2のエコーキャンセラが具備する適応フィルタの係数を初期化するとともに音声スイッチの総損失量算出部の動作モードを固定モードとすることを特徴とし、通話中にハウリングが生じても総損失量算出部の動作モードを固定モードとすることで直ちにハウリングを抑制し、安定した通話を再開することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、更新モードで動作する総損失量算出部は、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値と利得余裕値とから総損失量所望値を求め、総損失量所望値が更新前の総損失量よりも大きければ総損失量を所定の増加量だけ増加した値に更新し、総損失量所望値が更新前の総損失量よりも小さければ総損失量を所定の減少量だけ減少させた値に更新するとともに、総損失量所望値が更新前の総損失量と等しければ総損失量を更新しないことを特徴とし、総損失量の所定時間当たりでの増減量を抑えることにより、相手側通話端末との通話開始直後のように第1及び第2のエコーキャンセラが収束に向かって活発に係数を更新しているために音響側帰還利得及び回線側帰還利得の変化が激しい状態においても、聴感上の違和感をなくすことができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、第1及び第2のエコーキャンセラはダブルトークを検出するダブルトーク検出部を備え、挿入損失量制御手段は、挿入損失量分配処理部が送話状態と推定しているとき、あるいは第1のエコーキャンセラのダブルトーク検出部がダブルトークを検出しているときには音響側帰還利得の推定値を更新せずにそれ以前の推定値を保持するとともに、挿入損失量分配処理部が受話状態と推定しているとき、あるいは第2のエコーキャンセラのダブルトーク検出部がダブルトークを検出しているときには回線側帰還利得の推定値を更新せずにそれ以前の推定値を保持することを特徴とし、マイクロホンで集音されるエコー以外の成分、すなわちダブルトークの成分の重畳により音響側帰還利得及び回線側帰還利得の推定値の誤差が増大するのを防ぐことができる。その結果、通話開始から双方向の同時通話が可能となるまでに要する時間を第1及び第2のエコーキャンセラが収束するのに要する時間程度にすることができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、通話音量調整用増幅手段は、入力信号のレベルに応じて利得を可変するとともに入力信号に対する利得の特性が少なくとも1つの変曲点を有する利得制御機能付増幅器からなることを特徴とし、微少あるいは過大なレベルの騒音に相当する入力信号に対して利得を低減するとともに音声のレベルに相当する入力信号に対して利得を増加させることで音響側帰還利得及び回線側帰還利得を低減しつつ適切な通話音量が得られる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、通話音量調整用増幅手段は、出力信号が所定のレベルを超えないような利得の特性を有することを特徴とし、マイクロホンに過大なレベルの音が集音された場合でも、音割れや第1及び第2のエコーキャンセラの発散、あるいは音声スイッチにおける通話状態の誤推定などを生じることなく、通話を継続することができる。
【0018】
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、不揮発性の記憶装置からなり通話音量調整用増幅手段の特性を決定する1乃至複数のパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、相手側通話端末との通話開始前にパラメータ記憶手段に記憶したパラメータを通話音量調整用増幅手段に設定するパラメータ設定手段とを備えたことを特徴とし、通話系の条件に応じてパラメータを変更するだけで常に所望の通話音量が得られる。
【0019】
請求項9の発明は、請求項6又は7又は8の発明において、通話開始時には通話音量調整用増幅手段の利得を略零とし、その後、所定時間内で通話音量調整用増幅手段の利得を徐々に増加させる通話開始時利得調整手段を備えたことを特徴とし、固定モードにおける総損失量の初期値を低減することができるため、通話開始後の総損失量算出部が固定モードで動作する期間において、損失量の切り換えに伴う通話の切断感を低減することができる。
【0020】
請求項10の発明は、請求項6〜9の何れかの発明において、通話を終了する際に所定時間内で通話音量調整用増幅手段の利得を徐々に減少させるとともに通話終了前に通話音量調整用増幅手段の利得を略零とする通話終了時利得調整手段を備えたことを特徴とし、通話路を開放したときに発生するノイズ(所謂、ボツ音)を抑えることができる。
【0021】
請求項11の発明は、請求項6〜8の何れかの発明において、マイクロホン、送話側増幅手段、スピーカ、受話側増幅手段、伝送処理手段並びに通話処理手段を収納するハウジングと、通話中に通話音量調整用増幅手段の利得の増加及び減少を指示する利得指示手段と、利得指示手段の指示に応じて通話音量調整用増幅手段の利得の特性を変更する利得特性変更手段とを備え、利得指示手段は、ハウジングに対して外部から操作可能に設けられた操作部を有し、操作部の操作に応じて利得の増加又は減少を指示することを特徴とし、周囲の騒音レベルが低い場合、例えば夜間の住宅街などにおいて使用する際に、操作部を操作して通話音量調整用増幅手段の利得を減少させ、通話音量を所望のレベルまで下げることができる。
【0022】
請求項12の発明は、上記目的を達成するため、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの送話信号を増幅する送話側増幅手段と、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される受話信号を増幅する受話側増幅手段と、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、ハウリングやエコーを抑制して拡声通話を可能とする通話処理手段とを備えた拡声通話装置において、通話処理手段は、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラに挟まれた送話信号並びに受話信号の信号経路上に設けられる通話音量調整用増幅手段と、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰 還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなり、総損失量算出部は、各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、相手側通話端末との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した後の期間には更新モードで動作するものであって、通話処理手段は、受話信号に含まれる遠端側の背景雑音レベルを推定する遠端側背景雑音レベル推定部と、遠端側背景雑音レベルの推定値が所定値以上の値であれば総損失量算出部の動作モードを更新モードとし、遠端側背景雑音レベルの推定値が所定値よりも大きくない値であれば総損失量算出部の動作モードを固定モードとする動作モード切換制御部とを備えたことを特徴とし、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できる。また、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話音量調整用増幅手段を含む増幅利得に対して制約が与えられないため、マイクロホンとスピーカとの位置関係や距離等の諸条件に応じて実用上支障のない充分な通話音量が得られるように増幅利得を設計することができる。しかも、遠端側の通話端末における周囲騒音のレベルが低い場合には総損失量算出部を固定モードで動作させることで近端側の通話音声以外の音が全て遠端側の通話端末に漏れることがなくなり、プライバシーの保護が図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態を説明する前に、本発明の実施形態と基本構成が共通である参考例について説明する。
(参考例1)
図1は本参考例の拡声通話装置を示すブロック図である。なお、本参考例は従来例で説明したハンズフリーインターホンの親機Mとして拡声通話装置を構成したものであり、従来例の親機M’と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、図1では相手側通話端末であるドアホン子機Sの図示を省略している。さらに本参考例では図示並びに説明を省略するが、親機Mは、通話ボタンの押操作によって発生しドアホン子機Sとの通話開始のトリガ信号となる通話開始信号等を受信し、親機Mが具備する通話制御用のスイッチやリレー等の接続、開放の制御等を行う通話制御手段を備えている。
【0024】
本参考例では、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bに挟まれた送話信号及び受話信号の信号経路上に設けられる送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6の間に音声スイッチ10が設けてある。この音声スイッチ10は、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段たる送話側減衰器11と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段たる受話側減衰器12と、送話側及び受話側の各減衰器11,12から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御部13とを具備する。挿入損失量制御部13は、受話側減衰器12の出力点Routから音響エコー経路HACを介して送話側減衰器11の入力点Tinへ帰還する経路(以下、「音響側帰還経路」という)の音響側帰還利得αを推定するとともに、送話側減衰器11の出力点Toutから回線エコー経路HLINを介して受話側減衰器12の入力点Rinへ帰還する経路(以下、「回線側帰還経路」という)の回線側帰還利得βを推定し、音響側及び回線側の各帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和(送話側減衰器11の挿入損失量と受話側減衰器12の挿入損失量の和)を算出する総損失量算出部14と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部14の算出値に応じて送話側減衰器11及び受話側減衰器12の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部15とからなる。なお、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bと音声スイッチ10を含む通話処理手段は、DSP(Digital Signal Processor)やCPUを用いて従来周知の技術により実現可能である。
【0025】
総損失量算出部14では、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて送話側減衰器11の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて受話側減衰器12の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、音響側帰還経路HACにて想定される最大遅延時間において受話側減衰器12の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で送話側減衰器11の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を音響側帰還利得αの推定値α’とするとともに、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて受話側減衰器12の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて送話側減衰器11の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、回線側帰還経路HLINにて想定される最大遅延時間において送話側減衰器11の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で受話側減衰器12の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を回線側帰還利得βの推定値β’とする。そして、総損失量算出部14は音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの各推定値α’,β’から所望の利得余裕MGを得るために必要な総損失量Ltを算出し、その値Ltを挿入損失量分配処理部15に出力する。
【0026】
挿入損失量分配処理部15では、送話側減衰器11の入出力信号及び受話側減衰器12の入出力信号を監視し、これらの信号のパワーレベルの大小関係並びに音声信号の有無などの情報から通話状態(受話状態、送話状態等)を判定するとともに、判定された通話状態に応じた割合で総損失量Ltを送話側減衰器11と受話側減衰器12に分配するように各減衰器11,12の挿入損失量を調整する。
【0027】
ところで本参考例における総損失量算出部14は、上述のように各帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、相手側通話端末(ドアホン子機S)との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した後の期間には更新モードで動作する。すなわち、総損失量算出部14では音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの推定値α’,β’がともに通話開始から所定時間(数百ミリ秒)以上継続して所定の閾値ε(例えば、通話開始時における各推定値α’,β’に対して10dB〜15dB小さい値)を下回った時点で第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束したものとみなし、上記時点以前には総損失量を初期値に固定する固定モードで動作し、上記時点以降には各推定値α’,β’に基づいて総損失量を適応更新する更新モードに動作モードを切り換える。なお、固定モードにおける総損失量の初期値は更新モードにおいて随時更新される総損失量よりも充分に大きな値に設定される。
【0028】
而して、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部14によって充分に大きな値に設定される初期値の総損失量が閉ループに挿入されるため、不快なエコー(音響エコー並びに回線エコー)やハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話を実現することができる。また、通話開始から時間が経過して第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した状態においては、総損失量算出部14の動作モードが固定モードから更新モードに切り換わって閉ループに挿入する総損失量が初期値よりも充分に低い値に減少するため、双方向の同時通話が実現できるものである。しかも、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束していない状態のハウリング防止のために閉ループの一巡利得が1倍を超えないように各増幅器の利得を設計するという制約がなくなり、親機Mのハウジング(図示せず)の形状や構造等に関わらずに所望の通話音量が得られるように増幅器の利得を設計することができる。
【0029】
次に、更新モードにおける総損失量算出部14の具体的な動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
総損失量算出部14は、固定モードから更新モードに移行した時点(t=t1)から所定のサンプリング周期で音響側帰還利得α並びに回線側帰還利得βの推定処理を実行してその推定値α'(n),β'(n)を算出し(ステップ1)、これら2つの推定値α'(n),β'(n)の積と利得余裕MGとから、閉ループの利得余裕をMG[dB]に保つために必要とされる総損失量所望値Lr(n)を下式により算出する(ステップ2)。
【0031】
Lr(n)=20log|α'(n)・β'(n)|+MG[dB]
なお、α'(n),β'(n),Lr(n)はそれぞれ更新モード移行時点からn回目のサンプリングによって算出された帰還利得の推定値並びに総損失量所望値を示す。さらに、総損失量算出部14は上式から算出したn回目の総損失量所望値Lr(n)と、前回(n−1回目)の総損失量Lt(n-1)、すなわち前回の処理で決定されて実際に挿入された総損失量に対して今回算出した総損失量所望値Lr(n)が大きい場合、前回の総損失量Lt(n-1)に微少な増加量Δi[dB]を加算した値を今回の総損失量Lt(n)=Lt(n-1)+Δiとし(ステップ3、ステップ4)、前回の総損失量Lt(n-1)に対して今回算出した総損失量所望値Lr(n)が小さい場合、前回の総損失量Lt(n-1)から微少な減少量Δd[dB]を減算した値を今回の総損失量Lt(n)=Lt(n-1)−Δdとする(ステップ5、ステップ6)。
【0032】
このように総損失量算出部14による総損失量の増減をΔi又はΔdの微少な値に抑えることにより、相手側通話端末(ドアホン子機S)との通話開始直後のように第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束に向かって活発に係数を更新しているために音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの変化が激しい状態においても、聴感上の違和感をなくすことができる。
【0033】
(参考例2)
図3は本参考例の拡声通話装置たる親機Mを示すブロック図である。なお、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
親機Mは、通話ボタンの押操作によって発生しドアホン子機Sとの通話開始のトリガ信号となる通話開始信号等を受信し、親機Mが具備する通話制御用のスイッチやリレー等の接続、開放の制御を行う通話路制御モジュール21、初期値設定手段たる総損失量初期値設定モジュール22を実装したCPUからなる通話制御部20と、総損失量算出部14の総損失量の初期値を記憶する初期値記憶手段たる不揮発性メモリ23とを備えている。
【0035】
ここで、本参考例の親機Mは、図4に示すようなハンズフリーインターホンシステムを構成する通話端末であって、有線又は無線の伝送系Wを介して複数台のドアホン子機Sやテレビモニタ機能付の親機MM、あるいは親機Mと類似の構成を有する副親機SM等の他の通話端末と通話が可能となっている。このように親機Mからみた相手側通話端末が複数台存在し、且つこれらの種類が異なるような場合、何れの通話端末との間で通話路が形成されるかによって総損失量の初期値が異なることとなる。何故なら、相手側通話端末の種類によって2線一4線変換回路3における反射率や相手側通話端末における音響結合利得が異なることによって、回線側帰還利得βの初期値(第2のエコーキャンセラ30Bが初期化されているときの値)が変化するためである。また、通話中の相手側通話端末以外にどのような通話端末が伝送系Wに接続されているかによっても2線一4線変換回路3から伝送路W側をみたときのインピーダンスが変わるため、回線側帰還利得βの初期値が異なる値となる。さらに、相手側通話端末の台数や種類に応じて音量調整のために送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6の利得を変更するようなシステムにおいては、音響側帰還利得αの初期値(第1のエコーキャンセラ30Aが初期化されているときの値)も相手側通話端末の種類により異なる値となる。
【0036】
そこで、本参考例では上述の種々の状況に応じた総損失量の適切な初期値を不揮発性メモリ23に予め記憶させておき、通話制御部20の通話路制御モジュール21にて親機Mと相手側通話端末との通話路が確定された後、総損失量初期値設定モジュール22が確定された通話路に適した初期値を不揮発性メモリ23から読み出すとともに、通話開始前に総損失量算出部14に対して読み出した初期値を転送して設定する。そして、総損失量算出部14では設定された初期値を用いて固定モードの動作を行うのである。而して、このように音響側帰還利得α並びに回線側帰還利得βの値が異なる通話系毎に最適化された総損失量の初期値を不揮発性メモリ23に記憶させておけば、回路構成を変更すること無しに種々の通話系に容易に対応することができ、本参考例で例示したように親機Mとともにハンズフリーインターホンシステムを構成する相手側通話端末が3台以上ある場合に特に有効である。
【0037】
(実施形態1)
図5は本実施形態の要部を示すブロック図である。本実施形態は第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bに特徴があり、それ以外の構成は参考例1と同一であり、且つ第1のエコーキャンセラ30Aと第2のエコーキャンセラ30Bとは同一の構成を有している。したがって、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略するとともに、第1のエコーキャンセラ30Aについてのみ説明する。
【0038】
本実施形態における第1のエコーキャンセラ30Aは、適応フィルタ31A及び減算器32Aに加えて、遠端信号パワー推定部33A、ダブルトーク検出処理部34A並びに係数更新累積時間カウンタ35Aを備えている。遠端信号パワー推定部33Aは、遠端側の信号(第1のエコーキャンセラ30Aにおいては受話信号、第2のエコーキャンセラ30Bにおいては送話信号、以下同じ)Xnの瞬時パワーを推定するものであり、ダブルトーク検出処理部34Aは、適応フィルタ31Aの収束を劣化させるレベルの信号がマイクロホンアンプG1の出力信号Ynに含まれているか否かにより、親機Mと相手側通話端末とで話者がほぼ同時に話す状態、すなわちダブルトークを検出するものである。適応フィルタ31Aでは、遠端信号パワー推定部33Aの推定値が遠端信号Xnに音声成分が含まれると見なせる所定の閾値を超え、且つダブルトーク検出処理部34Aによりダブルトークが検出されない状態でのみ、所定のアルゴリズム(例えば、学習同定法等)に基づいて係数を更新するとともに、その他の状態では係数を更新せずにそれ以前の値に固定する。また、係数更新累積時間カウンタ35Aは通話開始後に上記条件に従って適応フィルタ31Aが係数更新を行った累積時間をカウントし、そのカウント値を総損失量算出部14に転送する。
【0039】
総損失量算出部14においては、係数更新累積時間カウンタ35Aのカウント値が所定の閾値Tmax(親機Mの通常の設置環境において第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束するのに要する時間よりも十分に大きい値であり、20〜30秒程度)を超えても音響側帰還利得αの推定値α’が所定の閾値ε(第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの初期化時における値よりも10〜15dB程度小さい値)よりも小さくならない場合には、以後、音響側帰還利得αの推定処理を行わず、総損失量を初期値とする固定モードで動作する。同様に、第2のエコーキャンセラ30Bにも係数更新累積時間カウンタ35Aを設けているので、結局、総損失量算出部14においては、何れか一方の係数更新累積時間カウンタ35Aが閾値Tmaxを超えたときに、閾値Tmaxを超えた方の係数更新累積時間カウンタ35Aを有するエコーキャンセラ30A,30Bに対応する側の帰還利得(αもしくはβ)の推定値(α’又はβ’)が閾値εを下回らない場合、以後、音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの推定処理を中止して、総損失量を初期値とする固定モードで動作する。
【0040】
而して本実施形態では、上述のように係数更新累積時間カウンタ35Aのカウント値が所定の閾値Tmaxを超えても音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの各推定値α’,β’の少なくとも何れか一方が所定の閾値ε以下とならない場合、すなわち、第1のエコーキャンセラ30Aにおける係数更新累積時間カウンタ35Aのカウント値が閾値Tmaxを超えても音響側帰還利得αの推定値α’が閾値ε以下とならない場合、または第2のエコーキャンセラ30Bにおける係数更新累積時間カウンタ35Bのカウント値が閾値Tmaxを超えても回線側帰還利得βの推定値β’が閾値ε以下とならない場合には、総損失量算出部14が更新モードに移行せずに固定モードの動作を継続するため、適応フィルタ31Aのインパルス応答長よりも残響時間が長くなるような環境に親機Mが設置される場合等において、総損失量算出部14が固定モードの動作を継続することで不快なエコーやハウリングを抑制することができ、安定した半二重通話が維持できる。逆に、総損失量算出部14がこのような処理を行わない場合、残響時間の長い環境に設置したときには音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの変化が激しく変動し、総損失量算出部14におけるこれら帰還利得α,βの推定処理が追従できずに不快なエコーやハウリングを生じてしまう虞がある。
【0041】
(実施形態2)
図6は本実施形態の拡声通話装置たる親機Mを示すブロック図である。なお、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。また、詳細な構成の図示は省略しているが、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの構成は実施形態1と同一である。
【0042】
本実施形態は、送話信号が単一周波数のトーン信号か否かを検出する送話信号シングルトーン検出器40と、受話信号が単一周波数のトーン信号か否かを検出する受話信号シングルトーン検出器41と、これら2つのシングルトーン検出器40,41の検出結果に基づいてハウリングの有無を検出するハウリング検出部42とを親機Mに備え、ハウリング検出部42にてハウリングを検出すると第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが具備する適応フィルタ31A,31Bの係数を初期化するとともに音声スイッチ10の総損失量算出部14の動作モードを固定モードとする点に特徴がある。
【0043】
2つのシングルトーン検出器40,41は、例えば送話信号あるいは受話信号の高速フーリエ変換を利用したり、複数の帯域分割フィルタを用いて送話信号あるいは受話信号のパワーを比較することでトーン信号か否かを検出するものであるが、何れの検出方式についても従来周知の技術を用いて実現可能であるから詳しい説明は省略する。
【0044】
ハウリング検出部42では、シングルトーン検出器40,41がともに単一周波数のトーン信号を検出する状態が所定時間(例えば、200〜300ms程度)だけ継続した場合にハウリングが生じているものとして第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにハウリング検出信号を出力し、これ以外の場合にはハウリング検出信号を出力しない。
【0045】
次に、図7のフローチャートを参照して本実施形態の動作説明を行う。通話が開始されると、音声スイッチ10と第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにおいて初期化処理が行われ(ステップ1)、音声スイッチ10では、初期化処理によって総損失量算出部14の動作モードが固定モードとなる(ステップ2)。総損失量算出部14ではハウリング検出部42の出力状態を監視しており(ステップ3)、固定モードで動作中にハウリング検出部42からハウリング検出信号が出力されると上記初期化処理に戻り、音声スイッチ10と第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにおいて初期化処理が行われ(ステップ1)、総損失量算出部14も全ての変数を初期化した後に再度固定モードで動作する(ステップ2)。
【0046】
一方、ハウリング検出部42からハウリング検出信号が出力されない場合、総損失量算出部14においては、実施形態1で説明したように何れか一方の係数更新累積時間カウンタ35A,35Bが閾値Tmaxを超えたときに、閾値Tmaxを超えた方の係数更新累積時間カウンタ35A,35Bを有するエコーキャンセラ30A,30Bに対応する側の帰還利得(αもしくはβ)の推定値(α’又はβ’)が閾値εを下回らなければ、閾値εを下回らない方のエコーキャンセラ30A又は30Bにおいて推定値が収束不能と判断し(ステップ4)、更新モードに移行せずに固定モードの動作を継続する(ステップ2)。これに対して帰還利得α,βの推定値α’,β’が閾値εを下回れば、総損失量算出部14では一応帰還利得α,βの推定値α’,β’が収束可能と判断し、さらに所定時間継続して帰還利得α,βの推定値α’,β’が閾値εを下回るか否かを監視する(ステップ5)。総損失量算出部14は、帰還利得α,βの推定値α’,β’が所定時間継続して閾値εを下回らなければ更新モードに移行せずに固定モードの動作を継続し(ステップ2)、帰還利得α,βの推定値α’,β’が所定時間継続して閾値εを下回れば更新モードに移行する(ステップ6)。
【0047】
そして、更新モードで動作中にハウリング検出部42からハウリング検出信号が出力されると上記初期化処理に戻り、音声スイッチ10と第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにおいて初期化処理が行われ(ステップ1)、総損失量算出部14も全ての変数を初期化した後に再度固定モードで動作する(ステップ2)。
【0048】
このように本実施形態では、固定モード又は更新モードの何れの動作モードにおいても、通話中にハウリングが検出された際には速やかに2つのエコーキャンセラ30A,30Bの適応フィルタ31A,31Bの係数を初期化するとともに、総損失量を初期値に戻して第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束するまでは総損失量算出部14が固定モードで動作するため、通話系に形成される閉ループの一巡利得を抑制してハウリングに対する充分なマージンを得ることができる。その結果、通話中に万が一ハウリングが生じたとしても、直ちに(数百ms以内)ハウリングを抑制し、安定した通話を再開することができる。
【0049】
(実施形態3)
図8は本実施形態の要部を示すブロック図である。但し、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bは同じ構成を有するので第1のエコーキャンセラ30Aのみを図示し、音声スイッチ10についても本実施形態の要旨に係る部分のみを図示して、参考例1及び実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0050】
本実施形態は、実施形態1と同様に第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにダブルトーク検出処理部34A,34Bを設け、挿入損失量制御部13において、挿入損失量分配処理部15が送話状態と推定しているとき、あるいは第1のエコーキャンセラ30Aのダブルトーク検出処理部34Aがダブルトークを検出しているときには音響側帰還利得αの推定値α’を更新せずにそれ以前の推定値を保持するとともに、挿入損失量分配処理部15が受話状態と推定しているとき、あるいは第2のエコーキャンセラ30Bのダブルトーク検出処理部34Bがダブルトークを検出しているときには回線側帰還利得βの推定値β’を更新せずにそれ以前の推定値を保持する処理を行う点に特徴がある。
【0051】
図8では総損失量算出部14における音響側帰還利得αの推定値α’を算出する処理系についてのみ図示しており、参考例1で説明したように帰還利得α,βの各推定値α’,β’から所望の利得余裕MGを得るために必要な総損失量Ltを算出する処理系については図示を省略している。なお、回線側帰還利得βの推定値β’を算出する処理系については音響側帰還利得αの推定値α’を算出する処理系と同一であるから図示並びに説明を省略する。
【0052】
総損失量算出部14は、受話信号に対して第1のエコーキャンセラ30Aの適応フィルタ係数から音響結合系の群遅延を推定して遅延処理を施すエコーパス遅延補償処理部16と、エコーパス遅延補償処理部16から出力される信号(遅延補償信号)のパワーProを求める受話信号パワー演算部17と、送話信号に含まれるエコー成分のパワーPtiを求める音響エコーパワー演算部18と、遅延補償信号パワーProとエコー成分パワーPtiの比から音響側帰還利得αの推定値α’を算出する推定値算出部19とを具備する。この推定値算出部19は、帰還利得αの推定値α’を算出する際に、遅延補償信号パワーProとエコー成分パワーPtiの他に、第1のエコーキャンセラ30Aのダブルトーク検出処理部34Aからダブルトーク検出フラグ(DTF)と、挿入損失量分配処理部15で推定された通話状態を示す通話状態情報とを参照する。
【0053】
すなわち、推定値算出部19では、ダブルトーク検出処理部34Aでダブルトークが検出されずにダブルトーク検出フラグDTFが立っていない状態(DTF=0)であり、且つ挿入損失量分配処理部15で推定された通話状態が送話状態以外のときにα’=Pti/Proとして推定値α’を算出する。一方、ダブルトーク検出処理部34Aでダブルトークが検出されてダブルトーク検出フラグDTFが立っている状態(DTF=1)、または挿入損失量分配処理部15で推定された通話状態が送話状態のときには、推定値算出部19は推定値α’を新たに算出せずに前回の値を保持する。
【0054】
而して上述のような処理を行うことにより、近端側(図8においてはマイクロホン1側)からの発声が行われて送信信号に無視できないレベルの音声成分が含まれていると判断されるような状況下では、総損失量算出部14において帰還利得αの推定値α’の演算を行わず、送話信号がほぼ音響エコー成分に等しいと判断される状況下でのみ推定値α’の演算を行うことができる。したがって、マイクロホン1で集音されるエコー以外の成分、すなわちダブルトークの成分の重畳により帰還利得α,βの推定値α’,β’の誤差が増大するのを防ぐことができる。その結果、通話開始から双方向の同時通話が可能となるまでに要する時間を第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束するのに要する時間程度にすることができる。
【0055】
(実施形態4)
図9は本実施形態の拡声通話装置たる親機Mを示すブロック図である。なお、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0056】
本実施形態は、音量調整のための送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6を、入力信号(送話信号又は受話信号)のレベルに応じて利得を可変するとともに入力信号に対する利得の特性が少なくとも1つの変曲点を有する利得制御機能(AGC)付増幅器からなることを特徴とする。なお、利得制御機能付増幅器については従来周知であるから詳しい説明を省略する。
【0057】
本実施形態では、入力信号に対する利得の特性が少なくとも2つの変曲点を有する利得制御機能付増幅器を送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6に用いており、図10に送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6の入出力特性を示している。すなわち、入力信号レベルが音声とみなし得る入力信号の最小値Xp1[dBV]以下の範囲では利得がG1[dB]、入力信号レベルが前記最小値Xp1から、想定される通話音声レベルの最大値Xp2[dBV]までの範囲では利得がG2[dB]、入力信号レベルが前記最大値Xp2[dBV]以上の範囲では利得がG3[dB]となっており、入力信号の最小値Xp1以下の範囲の利得G1と最大値Xp2以上の範囲の利得G3を比較的小さな値に設定するとともに、入力信号の最小値Xp1以上且つ最大値Xp2以下の範囲の利得G2を利得G1,G3よりも充分に大きな値に設定している。
【0058】
本実施形態は上述のように構成してものであるから、マイクロホン1で集音される音響信号が通話音声とみなせる場合には所望の通話音量を得るために必要な利得G2とし、通話音声とみなし得ないような微少レベルの周囲騒音や過大レベルの環境騒音(風切り音、工事騒音、自動車騒音など)に対しては小さな利得G1又はG3とするため、帰還利得α,βを低減しつつ適切な通話音量が得られるという利点がある。
【0059】
ところで、送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6に用いる利得制御機能付増幅器としては、出力信号が所定のレベルを超えないような入出力特性を持つことが望ましい。例えば、図11に示すように入力信号レベルがXm以上の範囲では出力信号レベルが上限値Lsatに制限されるようにすればよい。このように出力信号レベルが上限値Lsatを超えないようにすれば、アナログ信号系におけるアンプ出力信号の歪みやディジタル信号系におけるオーバーフローを防止することができる。すなわち、マイクロホン1が過大なレベルの音響信号を集音した場合においても、音割れ、エコーキャンセラ並びに音声スイッチ10の不具合動作のない通話を継続することができる。
【0060】
(実施形態5)
図12は本実施形態の拡声通話装置たる親機Mを示すブロック図である。なお、参考例1,2並びに実施形態4と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
親機Mは、参考例2で説明したように通話ボタンの押操作によって発生しドアホン子機Sとの通話開始のトリガ信号となる通話開始信号等を受信し、親機Mが具備する通話制御用のスイッチやリレー等の接続、開放の制御を行う通話路制御モジュール21、パラメータ設定手段たるパラメータ設定モジュール24を実装したCPUからなる通話制御部20と、実施形態4で説明した利得制御機能付増幅器からなる送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータ(利得G1〜G3、変曲点の入力信号レベルXp1,Xp2、出力信号レベルの上限値Lsat等)を記憶するパラメータ記憶手段たる不揮発性メモリ23とを備えている。
【0062】
而して、参考例2で説明したように、親機Mがハンズフリーインターホンシステムを構成する通話端末であって、有線又は無線の伝送系Wを介して複数台のドアホン子機Sやテレビモニタ機能付の親機MM、あるいは親機Mと類似の構成を有する副親機SM等の他の通話端末と通話が可能となっていて、親機Mからみた相手側通話端末が複数台存在し、且つこれらの種類が異なるような場合、何れの通話端末との間で通話路が形成されるかによって送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータの最適値が異なることとなる。何故なら、相手側通話端末の種類によって2線一4線変換回路3における伝送損失や相手側通話端末における音響結合利得が異なるためである。また、通話中の相手側通話端末以外にどのような通話端末が伝送系Wに接続されているかによっても2線一4線変換回路3における電動損失が異なるため、送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータの最適値が異なる。
【0063】
そこで、本実施形態では上述の種々の状況に応じた送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータの最適値を不揮発性メモリ23に予め記憶させておき、通話制御部20の通話路制御モジュール21にて親機Mと相手側通話端末との通話路が確定された後、パラメータ設定モジュール24が確定された通話路に適した送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータの最適値を不揮発性メモリ23から読み出すとともに、送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6に対して読み出したパラメータ値を転送する。そして、送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6では各パラメータに転送された最適値を設定して動作するのである。而して、このように音響側帰還利得α並びに回線側帰還利得βの値等が異なる通話系毎に送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6のパラメータの最適値を不揮発性メモリ23に記憶させておけば、回路構成を変更すること無しに種々の通話系に容易に対応することができ、本実施形態で例示したように親機Mとともにハンズフリーインターホンシステムを構成する相手側通話端末が3台以上ある場合に特に有効である。
【0064】
(実施形態6)
本実施形態は、図13に示すように送話音量調整用増幅器G5の出力側に通話開始時利得調整器40を設けるとともに、通話制御部20のCPUに通話開始トリガ発生モジュール25を実装している点に特徴があり、これ以外の構成及び動作については実施形態5と共通であるから、共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0065】
通話開始時利得調整器40は、通話制御部20の通話開始トリガ発生モジュール25から通話開始を表すトリガ信号(通話開始トリガ信号)を受信した際、利得Gをゼロ(すなわち、ミュート状態)として動作を開始し、その後、図14に示すように時間tの経過とともに直線的に利得Gを増加させ、所定の立ち上がり時間Triseが経過したら利得Gを1に固定する動作を行う。すなわち、通話開始時利得調整器40では、通話開始時点から立ち上がり時間Triseまでの間の利得Gを1未満とすることで実質的に通話路への挿入損失量を増大させており、通話開始時の通話音量を小さくし、その後、徐々に音量を上昇させて立ち上がり時間Trise経過後には所望の通話音量となるような通話を実現している。
【0066】
而して、本実施形態は上述のように構成しているので、立ち上がり時間Triseを適当な値に設定することで音声スイッチ10における総損失量の初期値を低減できるため、通話開始後の総損失量算出部14が固定モードで動作する期間において、損失量の切り換えに伴う通話の切断感を低減することができる。例えば、図14に示すように経過時間とともに利得Gが0から連続して1まで単調増加するため、利得Gが不連続的にいきなり値を変えることがないので、瞬時に接続が行われたときに感じるような不連続的違和感がなく、さらに通話開始直後のハウリングを抑制できる。
【0067】
(実施形態7)
本実施形態は、図15に示すように送話音量調整用増幅器G5の出力側に通話終了時利得調整器41を設けるとともに、通話制御部20のCPUに通話終了トリガ発生モジュール26を実装している点に特徴があり、これ以外の構成及び動作については実施形態5と共通であるから、共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0068】
通話終了時利得調整器41は、通話制御部20の通話終了トリガ発生モジュール26から通話終了を表すトリガ信号(通話終了トリガ信号)を受信した際、利得Gを1(すなわち、スルー状態)として動作し、その後、図16に示すように時間tの経過とともに直線的に利得Gを減少させ、所定時間(ミュート時間)Tmuteが経過したら利得Gを0とする動作を行う。すなわち、通話ボタン操作等による通話終了要求に応じた通話終了トリガ信号が通話終了時利得調整器41に入力されてからミュート時間Tmuteが経過した後、通話路制御モジュール21により各部のスイッチやリレー等をオフして通話路を開放することができる。
【0069】
而して、本実施形態は上述のように構成しているので、通話終了時にスピーカアンプG4に駆動電源を与えて動作状態としたままで通話路を開放したときに生じるノイズ(所謂、ボツ音とかポップノイズと称される、略インパルス性のノイズ)を抑えることができる。
【0070】
(実施形態8)
本実施形態は、図17に示すように通話制御部20のCPUに利得特性変更手段たる利得変更モジュール27を実装するとともに、利得指示手段たる通話音量調整スイッチを親機Mのハウジング50に設けた点に特徴がある。
【0071】
図18に示すように、親機Mのハウジング50は合成樹脂により矩形箱型に形成され、実施形態4で説明した音声スイッチ10、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30B、通話制御部20等を内部に収納するとともに、マイクロホン1並びにスピーカ2を前面からその一部が露出するようにして収納している。また、ドアホン子機Sからの呼出に応答して通話を開始するための通話ボタン51とともに、通話音量調整スイッチの操作部たるアップボタン52a並びにダウンボタン52bがハウジング50の前面に配設されている。アップボタン52a又はダウンボタン52bが押操作されると通話制御部20の利得変更モジュール27に対して各々の操作信号が入力され、利得変更モジュール27ではアップボタン52aの操作信号が入力される毎に送話音量調整用増幅器G5の利得G[dB]を微少量Δ[dB]だけ増大させ、ダウンボタン52bの操作信号が入力される毎に送話音量調整用増幅器G5の利得Gを微少量Δだけ減少させるものである。すなわち、本実施形態では、送話音量調整用増幅器G5に用いる利得制御機能付増幅器として、図19に示すように変曲点が1つであって出力信号レベルが上限値Lsatに制限されるような入出力特性を有するものを用いており、アップボタン52aを押操作する毎に利得Gが微少量Δだけ増大して通話音量が大きくなり、反対にダウンボタン52bを押操作する毎に利得Gが微少量Δだけ減少して通話音量が小さくなる。
【0072】
而して、本実施形態は上述のように構成したものであるから、設定可能な通話音量の上限にはハウリングマージン等による制約が有るものの、通話音量の下限については拡声通話システムの仕様に応じて所望の値に設計することができる。すなわち、周囲の騒音レベルが低い場合、例えば夜間の住宅街などにおいて使用する際に、ダウンボタン52bを操作して送話音量調整用増幅器G5の利得Gを減少させ、通話音量を所望のレベルまで下げることができるというように、時間帯や周囲の状況に応じて通話音量を適切な値に簡単に調整することができるものである。
【0073】
(参考例3)
図20は本参考例の要部を示すブロック図である。但し、参考例1と共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0074】
本参考例は、受話信号に含まれる遠端側(相手側の通話端末)の背景雑音レベルを推定する遠端側背景雑音レベル推定部43と、送話信号に含まれる近端側(マイクロホン1側)の背景雑音レベルを推定する近端側背景雑音レベル推定部44と、遠端側背景雑音レベル並びに近端側背景雑音レベルの各推定値に応じて送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6の利得を調整する通話音量調整用利得制御部45とを、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30B並びに音声スイッチ10を含む通話処理手段に備えた点に特徴がある。すなわち、遠端側背景雑音レベル推定部43、近端側背景雑音レベル推定部44並びに通話音量調整用利得制御部45は第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bや音声スイッチ10とともにDSP等を用いて実現される。
【0075】
遠端側背景雑音レベル推定部43並びに近端側背景雑音レベル推定部44は何れも、立ち上がりが緩やかであり且つ立ち下がりが急峻な特性をもつ積分回路又はデジタルフィルタ等によって実現され、遠端側背景雑音レベル推定部43では受話音量調整用増幅器G6から出力される受話信号中に定常的に存在する暗騒音(背景雑音)レベルを推定し、近端側背景雑音レベル推定部44では送話音量調整用増幅器G5から出力される送話信号中に定常的に存在する背景雑音レベルを推定する。
【0076】
通話音量調整用利得制御部45は、遠端側背景雑音レベル推定部43による相手端末側の背景雑音レベルの推定値PFnに応じて送話音量調整用増幅器G5の利得を可変するとともに、近端側背景雑音レベル推定部44によるマイクロホン1及びスピーカ2側の背景雑音レベルの推定値PNnに応じて受話音量調整用増幅器G6の利得を可変する。すなわち、推定値PFnが大きいほど通話相手側における周囲騒音が大きいと考えられるから、この場合には通話音量調整用利得制御部45が送話音量調整用増幅器G5の利得を増大させることで送話信号の音量を大きくし、受聴者(相手端末を使用する通話者)に送話者(拡声通話装置を使用する通話者)の声が聞き取り難くなるのを防止でき、反対に推定値PFnが小さいほど通話相手側における周囲騒音が小さいと考えられるから、この場合には通話音量調整用利得制御部45が送話音量調整用増幅器G5の利得を減少させることで送話信号の音量を小さくし、周囲が静かな状況で音量が大きすぎて受聴者に不快感を与えることを防止できる。同様に、推定値PNnが大きいほど拡声通話装置側における周囲騒音が大きいと考えられるから、この場合には通話音量調整用利得制御部45が受話音量調整用増幅器G6の利得を増大させることで受話信号の音量を大きくし、受聴者(拡声通話装置を使用する通話者)に送話者(相手端末を使用する通話者)の声が聞き取り難くなるのを防止でき、反対に推定値PNnが小さいほど拡声通話装置側における周囲騒音が小さいと考えられるから、この場合には通話音量調整用利得制御部45が受話音量調整用増幅器G6の利得を減少させることで受話信号の音量を小さくし、周囲が静かな状況で音量が大きすぎて受聴者に不快感を与えることを防止できる。
【0077】
(参考例4)
図21は本参考例の要部を示すブロック図である。但し、参考例1並びに参考例3と共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0078】
本参考例は、遠端側背景雑音レベル推定部43と、近端側背景雑音レベル推定部44と、挿入損失量分配処理部15(図示略)で監視している受話信号を増幅する受話偏重モード設定用増幅器GRと、挿入損失量分配処理部15で監視している送話信号を増幅する送話偏重モード設定用増幅器GTと、遠端側背景雑音レベル並びに近端側背景雑音レベルの各推定値に応じて受話偏重モード設定用増幅器GR並びに送話偏重モード設定用増幅器GTの各利得を調整する偏重モード制御部46とを、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30B並びに音声スイッチ10を含む通話処理手段に備えた点に特徴がある。
【0079】
偏重モード制御部46は、遠端側背景雑音レベルの推定値PFnが近端側背景雑音レベルの推定値PNnよりも充分に大きい値であれば(PFn≫PNn)、送話偏重モード設定用増幅器GTの利得をG[dB]、受話偏重モード設定用増幅器GRの利得を0[dB]とすることで音声スイッチ10を送話偏重モードに設定し、近端側背景雑音レベルの推定値PNnが遠端側背景雑音レベルの推定値PFnよりも充分に大きい値であれば(PNn≫PFn)、受話偏重モード設定用増幅器GRの利得をG[dB]、送話偏重モード設定用増幅器GTの利得を0[dB]とすることで音声スイッチ10を受話偏重モードに設定し、遠端側背景雑音レベルの推定値PFnと近端側背景雑音レベルの推定値PNnの差が充分に大きい値でなければ、受話偏重モード設定用増幅器GR並びに送話偏重モード設定用増幅器GTの各利得を0[dB]として音声スイッチ10を中立モードに設定する。
【0080】
すなわち、遠端側の周囲騒音レベルと近端側の周囲騒音レベルとの差が大きい場合、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定する挿入損失量分配処理部15では、例えば遠端側の周囲騒音レベルが大きい状況においては常に受話状態と判定し、近端側の周囲騒音レベルが大きい状況においては常に送話状態と判定してしまい、実際の通話状態に関係なく、受話状態又は送話状態の何れか一方に通話状態を固定してしまう現象(所謂音声スイッチ10の片倒れ)が生じることがある。
【0081】
そこで本参考例では、上述のように偏重モード制御部46が遠端側背景雑音レベルの推定値PFnと近端側背景雑音レベルの推定値PNnを比較し、遠端側背景雑音レベルの推定値PFnの方が充分に大きい場合は挿入損失量分配処理部15で監視する送話信号を送話偏重モード設定用増幅器GTで利得G[dB]だけ増幅することにより、挿入損失量分配処理部15が送話状態と判定し易い状態(送話偏重モード)に設定し、反対に近端側背景雑音レベルの推定値PNnの方が充分に大きい場合は挿入損失量分配処理部15で監視する受話信号を受話偏重モード設定用増幅器GRで利得G[dB]だけ増幅することにより、挿入損失量分配処理部15が受話状態と判定し易い状態(受話偏重モード)に設定することにより、音声スイッチ10の片倒れを抑制して音声スイッチ10の良好な切換特性を得ることができる。
【0082】
(参考例5)
図22は本参考例の要部を示すブロック図である。但し、参考例1並びに参考例4と共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0083】
本参考例は、受話偏重モード設定用増幅器GRと、送話偏重モード設定用増幅器GTと、受話偏重モード設定用増幅器GR並びに送話偏重モード設定用増幅器GTの各利得を調整することにより音声スイッチ10を送話偏重モード、受話偏重モードあるいは中立モードの何れかに設定する偏重モード制御部46とを、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30B並びに音声スイッチ10を含む通話処理手段に備えるとともに、使用者によって操作可能な操作部47を有し、操作部47の操作に応じて音声スイッチ10の設定モードを偏重モード制御部46に指示する指示手段を設けた点に特徴がある。
【0084】
図23(b)に示すように本参考例は例えばテレビモニタ付の親機MMとして構成され、ハウジング60の前面下部にロータリスイッチ(図示せず)を操作する操作部47が回動自在に配設されている。このロータリスイッチは3つの切換位置を有し、各切換位置が送話偏重モード、受話偏重モード並びに中立モードに対応させてある。そして、指示手段たる通話制御部20がロータリスイッチの切換位置を監視し、各切換位置に対応したモードを偏重モード制御部46に指示する。偏重モード制御部46は通話制御部20から与えられる指示に従って受話偏重モード設定用増幅器GR並びに送話偏重モード設定用増幅器GTの各利得を制御し、音声スイッチ10を上記指示に応じた何れかのモードに設定する。
【0085】
而して、通話方向が送話又は受話の何れかに片倒れしていると使用者が判断した場合に操作部47を操作して受話偏重モード又は送話偏重モードに設定することで片倒れを解消することができる。
【0086】
(実施形態9)
図23は本実施形態の要部を示すブロック図である。但し、参考例1並びに参考例3と共通する構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0087】
本実施形態は、遠端側背景雑音レベル推定部43と、遠端側背景雑音レベルの推定値PFnが所定値Pth以上の値であれば(PFn≧Pth)、総損失量算出部14の動作モードを更新モードとし、遠端側背景雑音レベルの推定値PFnが所定値Pthよりも大きくない値であれば(PFn<Pth)、総損失量算出部14の動作モードを固定モードとする動作モード切換制御部48とを、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30B並びに音声スイッチ10を含む通話処理手段に備えた点に特徴がある。
【0088】
すなわち、遠端側の周囲騒音レベルがある程度低い状況ではマイクロホン1で集音される通話音声以外の音、例えば本実施形態の拡声通話装置がハンズフリーインターホンの親機として構成されている場合においては親機が設置されている室内の音が全て遠端側の通話端末(ドアホン子器)に漏れる虞があるが、上述のように遠端側背景雑音レベルの推定値PFnが所定値Pthよりも大きくない値であれば動作モード切換制御部48が総損失量算出部14の動作モードを固定モードとし、固定モードで動作する総損失量算出部14によって充分に大きな値に設定される初期値の総損失量が閉ループに挿入されるため、遠端側の通話端末における周囲騒音のレベルが低い場合でも近端側の通話音声以外の音が全て遠端側の通話端末に漏れることがなくなり、プライバシーの保護が図れる。
【0089】
【発明の効果】
請求項1の発明は上述のように構成したものであり、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できるという効果がある。また、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話音量調整用増幅手段を含む増幅利得に対して制約が与えられないため、マイクロホンとスピーカとの位置関係や距離等の諸条件に応じて実用上支障のない充分な通話音量が得られるように増幅利得を設計することができるという効果がある。しかも、適応フィルタのインパルス応答長よりも残響時間が長くなるような環境に設置される場合等において、総損失量算出部が固定モードの動作を継続することで不快なエコーやハウリングを抑制することができ、安定した半二重通話が維持できるという効果がある。
【0090】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、相手側通話端末との通話系に応じて初期値記憶手段に記憶する初期値を変更するだけで請求項1の発明と同様の効果を奏することが可能となる。
【0091】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明の効果に加えて、通話中にハウリングが生じても総損失量算出部の動作モードを固定モードとすることで直ちにハウリングを抑制し、安定した通話を再開することができるという効果がある。
【0092】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明の効果に加えて、総損失量の所定時間当たりでの増減量を抑えることにより、相手側通話端末との通話開始直後のように第1及び第2のエコーキャンセラが収束に向かって活発に係数を更新しているために音響側帰還利得及び回線側帰還利得の変化が激しい状態においても、聴感上の違和感をなくすことができるという効果がある。
【0093】
請求項5の発明は、請求項4の発明の効果に加えて、マイクロホンで集音されるエコー以外の成分、すなわちダブルトークの成分の重畳により音響側帰還利得及び回線側帰還利得の推定値の誤差が増大するのを防ぐことができ、その結果、通話開始から双方向の同時通話が可能となるまでに要する時間を第1及び第2のエコーキャンセラが収束するのに要する時間程度にすることができるという効果がある。
【0094】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明の効果に加えて、例えば、微少あるいは過大なレベルの騒音に相当する入力信号に対して利得を低減するとともに音声のレベルに相当する入力信号に対して利得を増加させることで音響側帰還利得及び回線側帰還利得を低減しつつ適切な通話音量が得られるという効果がある。
【0095】
請求項7の発明は、請求項6の発明の効果に加えて、マイクロホンに過大なレベルの音が集音された場合でも、音割れや第1及び第2のエコーキャンセラの発散、あるいは音声スイッチにおける通話状態の誤推定などを生じることなく、通話を継続することができるという効果がある。
【0096】
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明の効果に加えて、通話系の条件に応じてパラメータを変更するだけで常に所望の通話音量が得られるという効果がある。
【0097】
請求項9の発明は、請求項6又は7又は8の発明の効果に加えて、固定モードにおける総損失量の初期値を低減することができるため、通話開始後の総損失量算出部が固定モードで動作する期間において、損失量の切り換えに伴う通話の切断感を低減することができるという効果がある。
【0098】
請求項10の発明は、請求項6〜9の何れかの発明の効果に加えて、通話路を開放したときに発生するノイズ(所謂、ボツ音)を抑えることができるという効果がある。
【0099】
請求項11の発明は、請求項6又は7又は8の発明の効果に加えて、周囲の騒音レベルが低い場合、例えば夜間の住宅街などにおいて使用する際に、操作部を操作して通話音量調整用増幅手段の利得を減少させ、通話音量を所望のレベルまで下げることができるというように、時間帯や周囲の状況に応じて通話音量を適切な値に簡単に調整することができるという効果がある。
【0100】
請求項12の発明は、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの送話信号を増幅する送話側増幅手段と、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される受話信号を増幅する受話側増幅手段と、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、ハウリングやエコーを抑制して拡声通話を可能とする通話処理手段とを備えた拡声通話装置において、通話処理手段は、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラに挟まれた送話信号並びに受話信号の信号経路上に設けられる通話音量調整用増幅手段と、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなり、総損失量算出部は、各帰還利得の推定値に基 づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、相手側通話端末との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した後の期間には更新モードで動作するものであって、通話処理手段は、受話信号に含まれる遠端側の背景雑音レベルを推定する遠端側背景雑音レベル推定部と、遠端側背景雑音レベルの推定値が所定値以上の値であれば総損失量算出部の動作モードを更新モードとし、遠端側背景雑音レベルの推定値が所定値よりも大きくない値であれば総損失量算出部の動作モードを固定モードとする動作モード切換制御部とを備えたので、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できるという効果がある。また、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話音量調整用増幅手段を含む増幅利得に対して制約が与えられないため、マイクロホンとスピーカとの位置関係や距離等の諸条件に応じて実用上支障のない充分な通話音量が得られるように増幅利得を設計することができるという効果がある。しかも、遠端側の通話端末における周囲騒音のレベルが低い場合には総損失量算出部を固定モードで動作させることで近端側の通話音声以外の音が全て遠端側の通話端末に漏れることがなくなり、プライバシーの保護が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1を示すブロック図である。
【図2】 同上の動作説明用のフローチャートである。
【図3】 本発明の参考例2を示すブロック図である。
【図4】 同上を用いたハンズフリーインターホンシステムのシステム構成図である。
【図5】 実施形態1を示す一部省略したブロック図である。
【図6】 実施形態2を示すブロック図である。
【図7】 同上の動作説明用のフローチャートである。
【図8】 実施形態3を示す一部省略したブロック図である。
【図9】 実施形態4を示すブロック図である。
【図10】 同上における通話音量調整用増幅器の入出力特性を示す図である。
【図11】 同上における通話音量調整用増幅器の他の入出力特性を示す図である。
【図12】 実施形態5を示すブロック図である。
【図13】 実施形態6の要部を示すブロック図である。
【図14】 同上の動作説明図である。
【図15】 実施形態7の要部を示すブロック図である。
【図16】 同上の動作説明図である。
【図17】 実施形態8の要部を示すブロック図である。
【図18】 同上の正面図である。
【図19】 同上の動作説明図である。
【図20】 本発明の参考例3の要部を示すブロック図である。
【図21】 本発明の参考例4の要部を示すブロック図である。
【図22】 (a)は本発明の参考例5の要部を示すブロック図、(b)は親機の外観図である。
【図23】 実施形態9の要部を示すブロック図である。
【図24】 従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 マイクロホン
2 スピーカ
10 音声スイッチ
13 挿入損失量制御部
14 総損失量算出部
15 損失量分配処理部
30A 第1のエコーキャンセラ
30B 第2のエコーキャンセラ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a loudspeaker device used in a house or an office.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, it is not necessary to have a handset during a call, and a voice signal transmitted from the other party's call terminal is output to the caller away from the call terminal using a speaker, and the voice emitted by the caller is output. 2. Description of the Related Art There is provided a loudspeaker call device that realizes a loudspeaker call (hands-free call) by collecting sound with a microphone and transmitting the collected sound to a counterpart call terminal. In such a loudspeaker, a part of the voice uttered by the caller is reflected by acoustic coupling from the speaker of the other party's call terminal to the microphone or impedance mismatch between the call terminal and the transmission line. For this reason, there may be a case where feedback is again superimposed on the received signal, and if the level of the feedback component is high, the caller hears it as an unpleasant echo (acoustic echo or line echo). In addition, when a closed loop is formed in the communication system due to the above acoustic coupling and reflection, and acoustic coupling at the terminal itself, and there is a frequency component in which the loop gain of the closed loop exceeds one time, howling occurs at that frequency, and stable It becomes impossible to continue the call. Therefore, how to suppress the above-mentioned unpleasant echo and howling is an important issue in designing a loudspeaker device as a call terminal.
[0003]
Conventionally, a voice switch that always estimates the call state (transmission state, reception state, etc.) and inserts losses into the transmission path and reception path with appropriate distribution based on the estimation results. A method of reducing closed loop loop gain and suppressing unpleasant echoes and howling has been widely used. However, in such a system, when the far-end and near-end parties speak at the same time, one of the audio signals is greatly attenuated due to the insertion loss of the voice switch, so that Will be unheard of. That is, in principle, two-way simultaneous calls (full duplex calls) cannot be realized. This also means that if the noise level in the vicinity of the place where the call terminal is installed is high and the level of the voice uttered by the other party is lower than the noise level, the received voice will be interrupted and heard. Such disadvantages of the conventional system using a voice switch often become a problem, and recently, a speech communication apparatus adopting a system capable of realizing two-way simultaneous communication has begun to be provided.
[0004]
FIG. 24 includes an interphone master unit (hereinafter abbreviated as “master unit”) M ′ as a loudspeaker device and a doorphone slave unit S as a counterpart call terminal, which enables so-called two-way simultaneous calls. It is a block diagram which shows the prior art example of a hands-free intercom. Base unit M ′ includes
[0005]
The
[0006]
Thus, the first and
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Incidentally, the
[0008]
Therefore, in order to prevent howling even when the
[0009]
The above is based on the premise that the coefficients of the
[0010]
The present invention has been made in view of the above problems, and its object is to produce unpleasant echoes and howling both at the start of a call and during a call while obtaining a sufficient call volume without any practical problems. Rather, it is an object of the present invention to provide a loudspeaker device capable of realizing a two-way simultaneous call after a time required for the filter coefficient of the echo canceller to converge within a predetermined range value after the start of the call.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0012]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, an initial value storage means comprising a non-volatile storage device for storing an initial value of the total loss amount, and an initial value storage means prior to the start of a call with the counterpart call terminal And an initial value setting means for setting the initial value of the total loss amount stored in the initial value storage means according to the communication system with the other party's call terminal. It is possible to achieve the same effect as that of the first aspect of the invention only by changing the value.
[0013]
Claim3The invention of
[0014]
Claim4The invention of claim1 or 2 or 3In the invention, the total loss amount calculation unit operating in the update mode obtains a desired total loss amount from the estimated values of the feedback gains on the acoustic side and the line side and the gain margin value, and the desired total loss amount is not updated. If the total loss amount is larger than the total loss amount, the total loss amount is updated to a value increased by a predetermined increase amount. If the desired total loss amount is smaller than the total loss amount before the update, the total loss amount is decreased by a predetermined decrease amount. The total loss amount is not updated if the total loss amount desired value is equal to the total loss amount before the update, and the increase / decrease amount per predetermined time of the total loss amount is suppressed, In a state where the acoustic side feedback gain and the line side feedback gain change drastically because the first and second echo cancellers actively update the coefficients toward convergence as immediately after the start of a call with the other party's telephone terminal. To eliminate the sense of incongruity It can be.
[0015]
Claim5The invention of claim4In the invention, the first and second echo cancellers are provided with a double-talk detection unit for detecting double-talk, and the insertion loss amount control means is configured when the insertion loss amount distribution processing unit estimates that the transmission state is present, or When the double talk detecting unit of the first echo canceller detects double talk, the estimated value of the acoustic feedback gain is not updated and the previous estimated value is held, and the insertion loss distribution processing unit is in the receiving state. Or when the double-talk detector of the second echo canceller detects double-talk, the estimated value of the line-side feedback gain is not updated and the previous estimated value is retained. The errors in the estimated values of the acoustic side feedback gain and the line side feedback gain increase due to the superposition of components other than the echo collected by the microphone, that is, the double talk component. To be able to prevent. As a result, it is possible to reduce the time required for the first and second echo cancellers to converge from the start of the call until the two-way simultaneous call becomes possible.
[0016]
Claim6The invention of
[0017]
Claim7The invention of claim6In the invention, the call volume adjusting amplifying means has a gain characteristic such that the output signal does not exceed a predetermined level, and even if an excessive level of sound is collected by the microphone, the sound is broken. In addition, the call can be continued without causing the first and second echo cancellers to diverge or the voice switch to erroneously estimate the call state.
[0018]
Claim8The invention of claim6 or 7In the present invention, a parameter storage means comprising a non-volatile storage device for storing one or a plurality of parameters for determining the characteristics of the call volume adjustment amplifying means, and stored in the parameter storage means prior to the start of a call with the counterpart call terminal And a parameter setting means for setting the parameter to the call volume adjustment amplifying means, and a desired call volume can always be obtained simply by changing the parameter according to the call system conditions.
[0019]
Claim9The invention of claim6 or 7 or 8In the invention, there is provided a call start gain adjusting means for setting the gain of the call volume adjusting amplifying means to be substantially zero at the start of the call and thereafter gradually increasing the gain of the call volume adjusting amplifying means within a predetermined time. As a feature, the initial value of the total loss amount in the fixed mode can be reduced, so that the total loss amount calculation unit after the start of the call reduces the feeling of disconnection due to the switching of the loss amount during the period of operation in the fixed mode. can do.
[0020]
Claim10The invention of claim6-9In any of the inventions, when the call is terminated, the gain of the call volume adjustment amplifying means is gradually reduced within a predetermined time and the call volume adjustment gain means is made substantially zero before the call ends. A time gain adjusting means is provided, and noise (so-called “bottom sound”) generated when the communication path is opened can be suppressed.
[0021]
Claim11The invention of claimAny of 6-8In this invention, a microphone, a transmitting side amplifying means, a speaker, a receiving side amplifying means, a transmission processing means, a housing for housing the call processing means, and an instruction to increase or decrease the gain of the call volume adjusting amplifying means during a call. The gain instruction means includes gain characteristic changing means for changing the gain characteristic of the call volume adjusting amplification means in response to an instruction from the gain instruction means, and the gain instruction means is provided so as to be operable from the outside with respect to the housing. The operation unit is instructed to increase or decrease the gain according to the operation of the operation unit, and when the ambient noise level is low, for example, when used in a residential area at night, the operation unit is By operating, the gain of the call volume adjusting amplification means can be reduced, and the call volume can be lowered to a desired level.
[0022]
Claim12The invention ofIn order to achieve the above object, a microphone that outputs the collected sound as a transmission signal, a transmission side amplification means that amplifies the transmission signal from the microphone, and a ringing sound according to the reception signal from the other party's call terminal A receiving side amplifying means for amplifying the received signal output to the speaker, a transmission processing means for performing transmission processing and reception processing of the transmitted signal and received signal between the other party's telephone terminal, howling and In a loudspeaker communication device comprising a speech processing unit capable of performing a loudspeaking call while suppressing echo, the call processing unit includes a first echo canceller for canceling an acoustic echo generated by acoustic coupling of a microphone and a speaker, and the other party side A second echo canceller for canceling a line echo caused by acoustic coupling in the telephone terminal or signal wraparound in the transmission processing means; And a speech volume adjusting amplifying means provided on the signal path of the transmission signal and the reception signal sandwiched between the second echo canceller and the first and second echo cancellers, and an acoustic echo path and line A voice switch that reduces a loop gain of a closed loop formed by an echo path and suppresses howling, and the voice switch includes a transmission-side loss insertion unit that inserts a loss into a signal path on the transmission side; Receiving loss insertion means for inserting a loss into the signal path of the receiver, and insertion loss amount control means for controlling the amount of loss inserted from each loss insertion means on the transmission side and reception side, the insertion loss amount control means, Then, return from the output point of the receiver-side loss insertion means to the input point of the transmitter-side loss insertion means via the acoustic echo path. Estimate the acoustic side feedback gain of the return path, and estimate the line side feedback gain of the path returning from the output point of the transmission side loss insertion means to the input point of the reception side loss insertion means via the line echo path, A total loss amount calculation unit that calculates the total amount of loss to be inserted into the closed loop based on the estimated values of the feedback gains on the acoustic side and the line side, and estimates the call state by monitoring the transmission signal and the reception signal, The total loss amount is composed of an insertion loss amount distribution processing unit that determines the distribution of each insertion loss amount of the transmission side loss insertion means and the reception side insertion loss means according to the estimation result and the calculated value of the total loss amount calculation unit. The calculation unit calculates two sums of loss amounts to be inserted into the closed loop based on the estimated values of the feedback gains, an update mode for adaptively updating, and a fixed mode for fixing the total loss amount to a predetermined initial value. Mode, and the other party's call terminal The first and second echo cancellers operate in the fixed mode during the period from the start of the call until the first and second echo cancellers sufficiently converge, and the update mode operates in the period after the first and second echo cancellers sufficiently converge. AndThe call processing means includes a far-end background noise level estimator for estimating a far-end background noise level included in the received signal, and a total loss if the estimated value of the far-end background noise level is a predetermined value or more. An operation mode switching control unit which sets the operation mode of the amount calculation unit as an update mode and sets the operation mode of the total loss calculation unit as a fixed mode if the estimated value of the far-end background noise level is not greater than a predetermined value; It is characterized by having,In the state where the first and second echo cancellers immediately after the start of the call have not converged, the total loss amount is fixed to a sufficiently large initial value by the total loss amount calculation unit operating in the fixed mode, so that an unpleasant echo In the state where the first half and the second echo canceller are sufficiently converged, the total loss amount is reduced by the total loss amount calculation unit operating in the update mode. Since it is updated as needed, two-way simultaneous calls can be realized. In addition, by setting the initial value of the total loss to an appropriate value, there is no restriction on the amplification gain including the call volume adjustment amplifying means. Therefore, the positional relationship between the microphone and the speaker, the distance, etc. The amplification gain can be designed so as to obtain a sufficient call volume with no practical problem depending on conditions. Moreover,If the ambient noise level at the far-end phone terminal is low, operating the total loss calculator in fixed mode may cause all sounds other than the near-end phone call to leak to the far-end phone terminal. It can be eliminated and privacy can be protected.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. However, before describing the embodiment of the present invention, a reference example having the same basic configuration as the embodiment of the present invention will be described.
(Reference example1)
Figure 1 shows a bookReference exampleIt is a block diagram which shows this loudspeaker apparatus. BookReference exampleIs a loudspeaker device configured as the base unit M of the hands-free intercom described in the conventional example, and the same components as those in the base unit M ′ of the conventional example are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted. Further, in FIG. 1, the illustration of the door phone slave unit S which is the counterpart call terminal is omitted. More booksReference exampleHowever, although the illustration and description are omitted, the base unit M receives a call start signal or the like that is generated by pressing the call button and serves as a trigger signal for starting a call with the doorphone slave unit S, and the base unit M has a call. Call control means for controlling connection and release of control switches and relays is provided.
[0024]
BookReference exampleThen, the
[0025]
The total loss
[0026]
The insertion loss amount
[0027]
By the way, bookReference exampleThe total loss
[0028]
Thus, when the first and second echo cancellers 30A and 30B immediately after the start of the call are not sufficiently converged, the total loss
[0029]
Next, a specific operation of the total loss
[0030]
The total loss
[0031]
Lr (n) = 20 log | α ′ (n) · β ′ (n) | + MG [dB]
Note that α ′ (n), β ′ (n), and Lr (n) indicate an estimated value of feedback gain and a desired total loss amount calculated by sampling n times from the update mode transition point, respectively. Further, the total loss
[0032]
In this way, by suppressing the increase / decrease in the total loss amount by the total loss
[0033]
(Reference example2)
Figure 3 shows the bookReference exampleIt is a block diagram which shows the main | base station M which is a loud voice communication apparatus. In addition,Reference exampleThe same components as those in FIG.
[0034]
The base unit M receives a call start signal or the like that is generated by pressing the call button and serves as a trigger signal for starting a call with the doorphone slave unit S, and is connected to a call control switch or relay provided in the base unit M. , A call
[0035]
Where the bookReference example4 is a call terminal that constitutes a hands-free intercom system as shown in FIG. 4, and a plurality of doorphone slave units S and a master unit with a TV monitor function via a wired or wireless transmission system W. It is possible to talk with other call terminals such as the MM or the secondary master unit SM having a configuration similar to that of the master unit M. In this way, when there are a plurality of other party call terminals viewed from the base unit M and these types are different, the initial value of the total loss amount depends on which call terminal the call path is formed with. Will be different. This is because the reflectivity in the two-wire / four-
[0036]
So bookReference exampleThen, an appropriate initial value of the total loss amount according to the various situations described above is stored in advance in the
[0037]
(Embodiment1)
FIG. 5 is a block diagram showing a main part of the present embodiment. This embodiment is characterized by the first and second echo cancellers 30A and 30B, and other configurations are as follows.Reference example1 and the first echo canceller 30A and the second echo canceller 30B have the same configuration. Therefore,Reference exampleThe same components as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals, description thereof is omitted, and only the first echo canceller 30A will be described.
[0038]
The
[0039]
In the total
[0040]
Thus, in the present embodiment, as described above, even if the count value of the coefficient update
[0041]
(Embodiment2)
FIG. 6 is a block diagram showing a base unit M as a loudspeaker device according to the present embodiment. In addition,Reference exampleConstituent elements identical to those in FIG. Although detailed illustration of the configuration is omitted, the configuration of the first and second echo cancellers 30A and 30B is an embodiment.1Is the same.
[0042]
This embodiment includes a transmission signal
[0043]
The two
[0044]
The howling detection unit 42 assumes that howling occurs when the state in which the
[0045]
Next, the operation of this embodiment will be described with reference to the flowchart of FIG. When a call is started, initialization processing is performed in the
[0046]
On the other hand, when the howling detection signal is not output from the howling detection unit 42, the total loss
[0047]
When a howling detection signal is output from the howling detection unit 42 during operation in the update mode, the process returns to the initialization process, and the
[0048]
As described above, in this embodiment, in any operation mode of the fixed mode or the update mode, when howling is detected during a call, the coefficients of the
[0049]
(Embodiment3)
FIG. 8 is a block diagram showing a main part of the present embodiment. However, since the first and second echo cancellers 30A and 30B have the same configuration, only the first echo canceller 30A is illustrated, and only the portion related to the gist of the present embodiment is illustrated for the
[0050]
This embodiment is an embodiment1Similarly, the first and second echo cancellers 30A and 30B are provided with double-talk
[0051]
In FIG. 8, only the processing system for calculating the estimated value α ′ of the acoustic feedback gain α in the total
[0052]
The total loss
[0053]
That is, the estimated
[0054]
Thus, by performing the processing as described above, it is determined that the voice signal from the near-end side (the
[0055]
(Embodiment4)
FIG. 9 is a block diagram showing a base unit M which is a loudspeaker device according to the present embodiment. In addition,Reference exampleConstituent elements identical to those in FIG.
[0056]
In this embodiment, the transmission volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6 for volume adjustment vary the gain according to the level of the input signal (transmission signal or reception signal) and gain for the input signal. It is characterized by comprising an amplifier with a gain control function (AGC) having at least one inflection point. The gain control function-provided amplifier is well known in the art and will not be described in detail.
[0057]
In this embodiment, an amplifier with a gain control function having a gain characteristic with respect to an input signal having at least two inflection points is used for the transmission volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6. The input / output characteristics of the volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6 are shown. That is, when the input signal level is equal to or less than the minimum value Xp1 [dBV] of the input signal that can be regarded as voice, the gain is G1 [dB], and the input signal level is the minimum value Xp2 of the assumed call voice level from the minimum value Xp1. In the range up to [dBV], the gain is G2 [dB], and in the range where the input signal level is not less than the maximum value Xp2 [dBV], the gain is G3 [dB], and the input signal level is not more than the minimum value Xp1. The gain G3 in the range of the gain G1 and the maximum value Xp2 or more is set to a relatively small value, and the gain G2 in the range of the minimum value Xp1 or more and the maximum value Xp2 or less of the input signal is sufficiently larger than the gains G1 and G3. Is set.
[0058]
Since the present embodiment is configured as described above, when the acoustic signal collected by the
[0059]
By the way, it is desirable that the amplifier with a gain control function used for the transmission volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6 has input / output characteristics such that the output signal does not exceed a predetermined level. For example, as shown in FIG. 11, the output signal level may be limited to the upper limit value Lsat in the range where the input signal level is Xm or more. Thus, if the output signal level does not exceed the upper limit value Lsat, it is possible to prevent distortion of the amplifier output signal in the analog signal system and overflow in the digital signal system. That is, even when the
[0060]
(Embodiment5)
FIG. 12 is a block diagram showing a base unit M as a loudspeaker device according to the present embodiment. In addition,Reference example1, 2 andEmbodiment 4The same components as those in FIG.
[0061]
Base unit MReference example2, a call start signal that is generated by pressing the call button and serves as a trigger signal for starting a call with the doorphone slave unit S is received. A communication
[0062]
Thus,Reference exampleAs described in FIG. 2, the base unit M is a call terminal that constitutes a hands-free intercom system, and a plurality of doorphone slave units S and a base unit MM with a TV monitor function are connected via a wired or wireless transmission system W. Or, it is possible to make a call with another call terminal such as the sub-master unit SM having a configuration similar to that of the master unit M, and there are a plurality of counterpart call terminals viewed from the master unit M, and these types are In such a case, the optimum values of the parameters of the transmission volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6 differ depending on which call terminal is used to form the communication path. This is because the transmission loss in the two-wire / four-
[0063]
Therefore, in the present embodiment, the optimum values of the parameters of the transmission volume adjustment amplifier G5 and the reception volume adjustment amplifier G6 according to the various situations described above are stored in advance in the
[0064]
(Embodiment6)
In the present embodiment, as shown in FIG. 13, a call
[0065]
When a call
[0066]
Thus, since the present embodiment is configured as described above, the initial value of the total loss amount in the
[0067]
(Embodiment7)
In this embodiment, as shown in FIG. 15, a call
[0068]
When the call
[0069]
Thus, since the present embodiment is configured as described above, noise (so-called “bottom sound”) generated when the communication path is opened while the driving power is supplied to the speaker amplifier G4 at the end of the call and the operation state is maintained. Or substantially impulsive noise called pop noise).
[0070]
(Embodiment8)
In the present embodiment, as shown in FIG. 17, a
[0071]
As shown in FIG. 18, the
[0072]
Thus, since the present embodiment is configured as described above, the upper limit of the call volume that can be set is limited by a howling margin or the like, but the lower limit of the call volume depends on the specifications of the voice call system. Can be designed to a desired value. That is, when the ambient noise level is low, for example, when used in a residential area at night, the
[0073]
(Reference example 3)
Figure 20 shows the bookReference exampleIt is a block diagram which shows the principal part. However,Reference exampleConstituent elements common to 1 are denoted by the same reference numerals, and illustration and description thereof are omitted.
[0074]
BookReference exampleThe far-end side background noise
[0075]
The far-end side background noise
[0076]
The call volume adjustment
[0077]
(Reference example 4)
Figure 21 shows a bookReference exampleIt is a block diagram which shows the principal part. However,Reference example1 andReference example 3Constituent elements common to each other are denoted by the same reference numerals, and illustration and description thereof are omitted.
[0078]
BookReference exampleIs used for setting the reception bias mode for amplifying the reception signal monitored by the far-end side background noise
[0079]
If the estimated value PFn of the far-end side background noise level is sufficiently larger than the estimated value PNn of the near-end side background noise level (PFn >> PNn), the eccentric
[0080]
That is, when the difference between the ambient noise level on the far end side and the ambient noise level on the near end side is large, the insertion loss amount
[0081]
BookReference exampleThen, as described above, the bias
[0082]
(Reference Example 5)
Figure 22 shows the bookReference exampleIt is a block diagram which shows the principal part. However,Reference example1 andReference example 4Constituent elements that are common to each other are denoted by the same reference numerals, and illustration and description thereof are omitted.
[0083]
BookReference
[0084]
As shown in FIG.Reference exampleIs configured as a base unit MM with a television monitor, for example, and an
[0085]
Thus, when the user determines that the direction of the call has fallen to either the transmission or reception, the user can operate the
[0086]
(Embodiment9)
FIG. 23 is a block diagram showing the main part of this embodiment. However,Reference example1 andReference example 3Constituent elements that are common to each other are denoted by the same reference numerals, and illustration and description thereof are omitted.
[0087]
In the present embodiment, when the far-end side background noise
[0088]
That is, in a situation where the ambient noise level on the far end side is low to some extent, sound other than the call voice collected by the
[0089]
【The invention's effect】
The invention according to
[0090]
In addition to the effect of the invention of
[0091]
Claim3The invention of
[0092]
Claim4The invention of
[0093]
Claim5The invention of claim4In addition to the effect of the present invention, it is possible to prevent an increase in errors in the estimated values of the acoustic side feedback gain and the line side feedback gain due to the superposition of components other than the echo collected by the microphone, that is, the double talk component. As a result, it is possible to reduce the time required from the start of the call until the simultaneous two-way call becomes possible to the time required for the first and second echo cancellers to converge.
[0094]
Claim6The invention of
[0095]
Claim7The invention of claim6In addition to the effects of the invention, even when an excessive level of sound is collected by the microphone, sound cracking, divergence of the first and second echo cancellers, or erroneous estimation of the speech state in the voice switch may occur. There is an effect that the call can be continued.
[0096]
Claim8The invention of claim6 or 7In addition to the effect of the present invention, there is an effect that a desired call volume can always be obtained only by changing the parameter according to the call system conditions.
[0097]
Claim9The invention of claim6 or 7 or 8In addition to the effect of the invention, since the initial value of the total loss amount in the fixed mode can be reduced, the call accompanying the switching of the loss amount during the period in which the total loss amount calculation unit after the call starts operates in the fixed mode. There is an effect that the feeling of cutting can be reduced.
[0098]
Claim10The invention of claim6-9In addition to the effect of any one of the inventions, there is an effect that it is possible to suppress noise (so-called “bottom sound”) generated when the communication path is opened.
[0099]
Claim11The invention of claim6 or 7 or 8In addition to the effect of the present invention, when the ambient noise level is low, for example, when used in a residential area at night, the operation unit is operated to decrease the gain of the call volume adjusting amplification means, and the call volume is desired. There is an effect that the call volume can be easily adjusted to an appropriate value in accordance with the time zone and the surrounding situation.
[0100]
Claim12The invention ofA microphone that outputs the collected sound as a transmission signal, a transmission side amplification means that amplifies the transmission signal from the microphone, a speaker that rings according to the reception signal from the other party's call terminal, and the output to the speaker A receiving side amplifying means for amplifying the received receiving signal, a transmission processing means for performing transmission processing and reception processing of the transmission signal and the receiving signal between the other party's telephone terminal, and a speech communication with suppressing howling and echoing In the loudspeaker communication device including the call processing means that enables the speech processing means, the call processing means includes a first echo canceler that eliminates acoustic echo generated by acoustic coupling between the microphone and the speaker, and acoustic coupling or A second echo canceler for canceling line echo caused by signal wraparound in the transmission processing means, and first and second echo cancelers; Between the first and second echo cancellers and formed by the acoustic echo path and the line echo path. A voice switch that suppresses howling by reducing the loop gain of the closed loop, and the voice switch has a loss insertion means for inserting loss in the signal path on the transmission side, and a loss in the signal path on the reception side. Receiving loss insertion means for inserting, insertion loss amount control means for controlling the amount of loss to be inserted from each loss insertion means on the transmission side and reception side, the insertion loss amount control means, the receiving side loss insertion means The feedback feedback gain of the path returning from the output point to the input point of the transmission side loss insertion means via the acoustic echo path is estimated, and from the output point of the transmission side loss insertion means via the line echo path Total loss for estimating the line-side feedback gain of the path returning to the input point of the talk-side loss insertion means and calculating the total amount of loss to be inserted into the closed loop based on the estimated values of the feedback gains on the acoustic and line sides The amount calculation unit and the call state are estimated by monitoring the transmission signal and the reception signal, and each of the transmission side loss insertion unit and the reception side insertion loss unit according to the estimation result and the calculated value of the total loss amount calculation unit An insertion loss amount distribution processing unit that determines the distribution of the insertion loss amount, and the total loss amount calculation unit is based on the estimated value of each feedback gain. Therefore, there are two operation modes: an update mode for calculating and summing the amount of loss to be inserted into the closed loop and adaptively updating it, and a fixed mode for fixing the total loss amount to a predetermined initial value. The first and second echo cancellers operate in the fixed mode during the period from the start of the call until the first and second echo cancellers sufficiently converge, and the update mode operates in the period after the first and second echo cancellers sufficiently converge. AndThe call processing means includes a far-end background noise level estimator for estimating a far-end background noise level included in the received signal, and a total loss if the estimated value of the far-end background noise level is a predetermined value or more. An operation mode switching control unit that sets the operation mode of the amount calculation unit as an update mode, and sets the operation mode of the total loss amount calculation unit as a fixed mode if the estimated value of the far-end background noise level is not greater than a predetermined value; So thatIn the state where the first and second echo cancellers immediately after the start of the call have not converged, the total loss amount is fixed to a sufficiently large initial value by the total loss amount calculation unit operating in the fixed mode, so that an unpleasant echo In the state where the first half and the second echo canceller are sufficiently converged, the total loss amount is reduced by the total loss amount calculation unit operating in the update mode. Since it is updated as needed, there is an effect that a two-way simultaneous call can be realized. In addition, by setting the initial value of the total loss to an appropriate value, there is no restriction on the amplification gain including the call volume adjustment amplification means. There is an effect that the amplification gain can be designed so as to obtain a sufficient call volume with no practical problem depending on conditions. Moreover,If the ambient noise level at the far-end phone terminal is low, operating the total loss calculator in fixed mode may cause all sounds other than the near-end phone call to leak to the far-end phone terminal. This has the effect of protecting privacy.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]Reference example of the present invention1 is a block diagram showing 1. FIG.
FIG. 2 is a flowchart for explaining the operation.
[Fig. 3]Reference example of the present invention2 is a block diagram showing 2. FIG.
FIG. 4 is a system configuration diagram of a hands-free intercom system using the same as above.
FIG. 51FIG.
FIG. 6 is an embodiment.2FIG.
FIG. 7 is a flowchart for explaining the operation.
FIG. 83FIG.
FIG. 94FIG.
FIG. 10 is a diagram showing input / output characteristics of the call volume adjusting amplifier in the same as above.
FIG. 11 is a diagram showing another input / output characteristic of the call volume adjusting amplifier in the same as above.
FIG. 12 is an embodiment.5FIG.
FIG. 13 is an embodiment.6It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 14 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 15 is an embodiment.7It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 16 is an operation explanatory view of the above.
FIG. 17 is an embodiment.8It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 18 is a front view of the above.
FIG. 19 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 20Reference Example 3 of the present inventionIt is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 21Reference Example 4 of the present inventionIt is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 22 (a) isReference Example 5 of the present inventionThe block diagram which shows the principal part of (b) is an external view of a main | base station.
FIG. 239It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 24 is a block diagram showing a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 Microphone
2 Speaker
10 Voice switch
13 Insertion loss control unit
14 Total loss calculator
15 Loss amount distribution processing section
30A First echo canceller
30B Second echo canceller
Claims (12)
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