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JP4066090B2 - 画像処理装置、画像処理プログラム、および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像処理プログラム、および画像処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号の輝度レベルに応じて、彩度レベルのゲイン調整を行う画像処理装置およびその方法に関する。
本発明は、この画像処理装置をコンピュータ上で実現するための画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像信号の輝度レベルに応じて、彩度レベルのゲイン調整を行う電子カメラが知られている。
このような電子カメラでは、画像信号の低輝度領域において彩度レベルを抑制することにより、低輝度領域の色ノイズを低減することができる。
さらに、このような電子カメラでは、画像信号の高輝度領域において彩度レベルを抑制することにより、高輝度領域に見られる不自然な色付きを抑制することもできる(例えば、特開平5−244623号公報を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像信号の色彩表現は、光源の色温度、被写体の色や明るさ、さらには電子カメラの撮像条件などによっても、敏感に変化する。
このような色彩表現の変化を考慮せずに、低輝度領域の色ノイズを一定の割合で低減した場合、低輝度領域の色ノイズが十分に除去しきれなかっり、逆に低輝度領域の色あいが必要以上に失われてしまうなどの弊害が懸念される。
本発明は、このような問題点に鑑みて、多様な画像信号に対して、彩度変調特性(輝度レベルに対して彩度レべルのゲインを定めた特性のこと)を的確に決定することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。
《請求項1》
請求項1の画像処理装置は、撮像部で生成された画像信号を処理する画像処理装置であって、彩度変調制御部と彩度変調部とを備える。
この彩度変調制御部は、画像信号の色彩表現に影響を与えるとともに各々の影響度が異なり、かつ撮像で画像信号を生成するときの撮影条件を含む複数種類の色彩関連情報を情報取得して、前記影響度の相違を加味して前記各色彩関連情報の値をそれぞれ変換し、該変換後の各色彩関連情報に基づく彩度変調特性の組み合わせに応じて、『輝度レベルに対して彩度レべルのゲインを定めた彩度変調特性』をコントロールする。
また、彩度変調部は、彩度変調制御部でコントロールされる彩度変調特性に従って、画像信号の輝度レベルに応じて彩度レベルのゲイン調整を行う。
このような動作により、色彩関連情報から推測される色彩表現の変化に対処して、彩度変調特性をコントロールすることが可能になる。
《請求項2》
請求項2の画像処理装置は、色彩関連情報の少なくとも一つとして、撮像部の撮像感度を採用する。彩度変調制御部は、画像信号を撮像した際の撮像感度を情報取得し、この撮像感度に応じて彩度変調特性をコントロールする。
このような動作により、撮像感度から推測される色彩表現の変化に対処して、彩度変調特性をコントロールすることが可能になる。
《請求項3》
請求項3の画像処理装置は、色彩関連情報の少なくとも一つとして、画像信号に施した階調変換特性を採用する。
彩度変調制御部は、この階調変換特性に応じて彩度変調特性をコントロールする。
このような動作により、階調変換特性から推測される色彩表現の変化に対処して、彩度変調特性をコントロールすることが可能になる。
《請求項4》
請求項4の画像処理プログラムは、コンピュータを、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の彩度変調制御部および彩度変調部として機能させることを特徴とする。
《請求項5》
請求項5の画像処理方法は、撮像部で生成された画像信号を画像処理する画像処理方法であって、画像信号の色彩表現に影響を与えるとともに各々の影響度が異なり、かつ撮像で画像信号を生成するときの撮影条件を含む複数種類の色彩関連情報を情報取得し、前記影響度の相違を加味して前記各色彩関連情報の値をそれぞれ変換し、該変換後の各色彩関連情報に基づく彩度変調特性の組み合わせに応じて『輝度レベルに対して彩度レベルのゲインを定めた彩度変調特性』をコントロールするステップと、コントロールされた彩度変調特性に従って、画像信号の輝度レベルに応じて彩度レベルのゲイン調整を行うステップとを有することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施形態を説明する。
【0006】
[電子カメラ11の概略説明]
図1は、本実施形態の電子カメラ11(画像処理装置を含む)の構成を説明する図である。まず、図1を用いて、電子カメラ11の構成および概略動作について説明を行う。
図1において、電子カメラ11には、撮影レンズ12が装着される。この撮影レンズ12の内部には、レンズ内MPU12aが内蔵される。この撮影レンズ12の像空間側には、シャッタ機構(不図示)を間に介して、撮像素子13の受光面が配置される。
【0007】
この撮像素子13から出力される画像信号は、アンプ14において撮像感度に従ってゲイン調整された後、A/D変換部16に出力される。A/D変換部16は、この画像信号を画素単位にデジタル化して、ホワイトバランス処理部17、色分布評価部17a、および輝度分布評価部25へ出力する。
色分布評価部17aは、この画像信号の色分布評価を行って、光源の色温度を推定する。ホワイトバランス処理部17は、この色温度の推定値に従って、画像信号にホワイトバランス調整を施す。
【0008】
補間処理部18は、このホワイトバランス調整後の画像信号に対して、欠落信号成分を補間する処理を実施する。
ノイズ抑制部19は、この補間処理後の画像信号に対して、局所積和演算などのノイズ抑制処理を施す。
ガンマ変換部20は、輝度分布評価部25の輝度分布評価に従って、階調変換特性を選択する。ガンマ変換部20は、選択した階調変換特性を従って、ノイズ抑制後の画像信号に対して階調変換を施す。
【0009】
マトリクス変換部21では、この階調変換後の画像信号を色座標変換して、YCbCrなどの信号成分に変換する。このとき、マトリクス変換部21は、色に関する信号成分CbCrの変換ゲインを画像全体に対して一律にコントロールし、画像全体の色再現性を調整する。この色信号成分の変換ゲイン(すなわち、色再現性の調整値)は、ユーザーの手動設定や、被写体の測光コントラストなどに基づいて設定される値である。
【0010】
マトリクス変換部21では、輝度成分Yを輪郭調整部22へ出力し、色再現性の調整された色差成分CbCrを色ノイズ抑制部23へ出力する。
輪郭調整部22では、輝度成分Yに対してアンシャープマスクなどの輪郭強調処理を施す。
一方、色ノイズ抑制部23では、輝度成分Yの信号レベルに応じて、色差成分CbCrの信号ゲインを下式の従って変化させる。
Cb′=Cb・K(Y)/128
Cr′=Cr・K(Y)/128
ここで、K(Y)は、輝度成分Yに応じて彩度レベルのゲインを定めた関数テーブル(例えば図3参照)を参照して決定される値である。ここでの処理により、例えば、画像の低輝度領域や高輝度領域に現れやすい色ノイズを選択的に抑制することができる。
【0011】
このような一連の信号処理を完了した後、電子カメラ11は、画像信号YCbCrに対して圧縮・記録保存などの処理を施す。
なお、上述したような信号処理の構成とは別に、電子カメラ11内には、撮像動作のための構成として、分割測光センサ29、内蔵または外付けの閃光装置30、および撮影制御部31が設けられる。
【0012】
この分割測光センサ29は、被写界をTTL(Through The Lens)方式または直に分割測光して、分割測光値を出力する。この分割測光値に基づいて、撮影制御部31は撮像時の露出条件を決定し、撮影レンズ12の絞り値、撮像素子13のシャッタ速度、アンプ14の撮像感度(ゲイン)、および閃光装置30の発光タイミングなどをそれぞれコントロールする。
さらに、電子カメラ11には、本発明の特徴的な構成要素として、彩度変調制御部24が設けられる。
【0013】
[発明との対応関係]
次に、特許請求の範囲の記載事項と本実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮影レンズ12、撮像素子13、アンプ14、および撮影制御部31に対応する。
請求項記載の彩度変調制御部は、彩度変調制御部24に対応する。
請求項記載の彩度変調部は、色ノイズ抑制部23が有する『色差成分CbCrのゲインを輝度レベルに応じて可変する機能』に対応する。
【0014】
[彩度変調制御部24の動作説明]
図2は、彩度変調制御部24の動作を説明する流れ図である。以下、図2のステップ番号に沿って、彩度変調制御部24の動作説明を行う。
【0015】
ステップS1: 彩度変調制御部24は、処理対象の画像信号について、画像信号の色彩表現に影響を与える色彩関連情報を情報取得する。
なお、この『色彩表現』とは、画像信号を表示やプリントした際の色の見え方を意味する。例えば、『色彩表現』としては、色の鮮やかさやくっきり感、色のくすみ感、色相の偏り、色の調子(ハイキー、ローキー、温調、冷調など)、微妙な色の違いの見え方、平坦部の色の見え方、エッジ部の色の見え方、ディテール部の色の見え方、低輝度領域の色の見え方、ハイライト部の色の見え方、色ズレ、不自然な色つき、または色ノイズなどが該当する。
彩度変調制御部24は、例えば、下記のような色彩関連情報を情報収集する。
(A)マトリクス変換部21から伝達される色再現性の調整値
(B)撮影制御部31から伝達される撮像感度の情報
(C)ガンマ変換部20から伝達される階調変換特性の情報
(D)分割測光センサ29の測光値(分割測光値)
(E)閃光装置内MPU30aから伝達される照明情報
(F)撮影制御部31から伝達される露出条件
(G)レンズ内MPU12aから伝達されるレンズ情報
(H)色分布評価部17aから伝達される色彩情報(例えば、光源の色温度,色相角度,彩度など)
(I)色分布評価部17aから伝達される色集中度(色彩の画面占有度を示す値)
【0016】
ステップS2: 彩度変調制御部24は、これらの色彩関連情報をそれぞれ正規化する。なお、正規化の適正な刻みは、使用する撮像素子13の特性などによって大きく変動する。そこで、電子カメラ11の撮像実験を行って色彩関連情報が色彩表現に与える影響をそれぞれ求め、その影響の大きな色彩関連情報ほど、細かな刻みで正規化を行うことが好ましい。
【0017】
ステップS3: 彩度変調制御部24は、個々の色彩関連情報の正規化値を組み合わせて、一意なデータ参照アドレスを生成する。このデータ参照アドレスは、彩度変調制御部24の内部データ領域のアドレスに対応する。この内部データ領域には、正規化値の組み合わせの個々に対応して、彩度変調特性の指示ナンバーが格納される。これら彩度変調特性の指示ナンバーは、実写評価や後述する規則に従って、予め決定されたものである。
【0018】
ステップS4: 彩度変調制御部24は、このデータ参照アドレスに基づいて内部データ領域を参照し、彩度変調特性の指示ナンバーを得る。彩度変調制御部24は、このように求めた指示ナンバーを色ノイズ抑制部23に伝達する。色ノイズ抑制部23は、この指示ナンバーに従って内部の関数テーブルから彩度変調特性を選択し、画像信号の彩度変調を実行する。
【0019】
[彩度変調特性の調整傾向について]
個々の電子カメラでは、使用する撮像素子13のダイナミックレンジやノイズ特性などの違いによって、最適な彩度変調特性が大きくばらつく。そこで、本明細書では、個々の電子カメラについて具体的な調整値をあげる代わりに、より本質的な『彩度変調特性の調整傾向』を詳細に説明する。
当業者は、予め定めた標準的な彩度変調特性(以下『標準特性』という)を、これから説明する調整傾向に従って変化させることによって、本実施形態を具体的に実施することが可能になる。
【0020】
(1)色再現性の調整値に基づく彩度変調特性
図3は、色再現性の調整値に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。この図3には、彩度変調特性のカーブが複数示されている。これらカーブの中から、低輝度領域のカーブと高輝度領域のカーブをそれぞれ選択して組み合わせることにより、彩度変調特性を高い自由度で選択することができる。
通常、色再現性の調整値が高くなると、色信号の信号レベルが全般に大きくなる。この場合、低輝度領域の色ノイズや、高輝度領域の不自然な色付きが強調され、目立ちやすくなる。そこで、彩度変調制御部24は、図3に示すように、色再現性の調整値が高くなるに従って、低輝度領域および高輝度領域の彩度ゲインを標準特性よりも低めにコントロールする。その結果、色再現性が通常より高く設定されても、低輝度領域および高輝度領域の彩度レベルは適度に抑制され、色ノイズや不自然な色付きはさほど強調されなくなる。
【0021】
(2)撮像感度の調整値に基づく彩度変調特性
図4は、撮像感度の設定値に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。
通常、撮像感度の設定値が高くなると、色信号のS/Nが全般に悪化する。この場合、低輝度領域の色ノイズや、高輝度領域の不自然な色付きが悪化して、目立ちやすくなる。そこで、彩度変調制御部24は、図4に示すように、撮像感度の設定値が高くなるに従って、低輝度領域および高輝度領域の彩度ゲインを低めにコントロールする。その結果、撮像感度が高く設定されると、低輝度領域および高輝度領域の彩度レベルは抑制され、色ノイズや不自然な色付きはさほど強調されなくなる。
【0022】
(3)階調変換特性の調整値に基づく彩度変調特性
図5は、軟調の階調変換特性の一例を示す図である。この軟調の階調変換特性は、ガンマカーブ状の特性であり、低輝度ゲイン(低輝度領域の階調変換の傾き)が大きく、かつ高輝度ゲイン(高輝度領域の階調変換の傾き)が中程度に設定される。
一方、図6は、硬調の階調変換特性の一例を示す図である。この硬調の階調変換特性は、中間輝度領域のコントラストを拡大するS状の特性であり、低輝度ゲインが小さく、かつ高輝度ゲインも小さく設定される。
彩度変調制御部24は、階調変換特性の低輝度ゲインおよび高輝度ゲインに応じて、彩度変調特性をコントロールする。
図7は、階調変換特性の設定に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。
階調変換特性の設定により低輝度ゲインが大きくなると、低輝度領域の色信号の振幅レベルが大きくなり、色ノイズが悪化する。そこで、彩度変調制御部24は、図7に示すように、低輝度ゲインが大きくなるに従って、低輝度領域の彩度ゲインを低めにコントロールする。その結果、階調変換特性において低輝度ゲインが大きく設定されても、低輝度領域の彩度レベルは適度に抑制され、色ノイズはさほど強調されなくなる。
一方、階調変換特性の設定により高輝度ゲインが大きくなると、高輝度領域の色信号の振幅レベルが大きくなり、不自然な色つきが目立つようになる。そこで、彩度変調制御部24は、図7に示すように、高輝度ゲインが大きくなるに従って、高輝度領域の彩度ゲインを低めにコントロールする。その結果、階調変換特性において高輝度ゲインが大きく設定されても、高輝度領域の彩度レベルは適度に抑制され、不自然な色つきはさほど強調されなくなる。
【0023】
[実施形態の補足事項]
上述した実施形態では、色再現性、撮像感度、および階調変換特性といった色彩関連情報を複数使用して、彩度変調特性をコントロールしている。そのため、どれか一つの色彩関連情報において色ノイズや色付きが悪化すると判断した場合、彩度を抑制するといった安全なコントロールが実現する。また逆に、一部の色彩関連情報において色ノイズや色付きが悪化しても、別の色彩関連情報において色ノイズや色付きが改善されると判断される場合、彩度の抑制度合いを弱めるといった協調的なコントロールを実現することもできる。
【0024】
このように、本実施形態では、色彩関連情報を複数使用することにより、画像信号の色彩表現の状況を詳細かつ正確に把握し、彩度変調特性をより適切にコントロールすることが可能になる
【0025】
なお、このような協調的なコントロールでは、標準特性の更新を各色彩関連情報ごとに順番に実施し、最終的な更新結果を彩度変調特性として選択する処理が簡単で好ましい。さらに、その順番については、色ノイズや色付きに与える影響の大きな色彩関連情報を、(特に、抑制的に働く情報ほど)後で実施することが、安全かつ正確で好ましい。なお、この順番を固定的に実施する場合には、上述した実施形態のようにテーブル参照により発明を実施することが簡単かつ迅速で好ましい。
【0026】
また、上述した実施形態では、信号成分CbCrの値を操作して彩度変調を行っている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。一般に、任意の表色系(例えば、原色表色系、補色表色系、輝度色差表色系、Lab表色系、またはHSB表色系など)において、彩度に関係する信号成分を操作すればよい。
【0027】
なお、上述した実施形態では、彩度レベルを抑制するタイプの彩度変調特性(例えば、図3参照)について説明した。しかしながら、本発明の彩度変調特性は、このような抑制するタイプに限定されるものではない。一部の輝度領域において彩度レベルを強調するタイプの彩度変調特性を選択肢にしてもよい。このように一部の輝度領域において彩度を強調することにより、色彩関連情報の影響による一部の輝度領域(肌色の輝度領域など)の色のくすみに対処して、色のくすみを補正することなどが可能になる。
【0028】
また、上述した実施形態では、電子カメラ11について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明を、撮像部(電子カメラやビデオカメラなど)とは別に、単体の画像処理装置として実現してもよい。
【0029】
さらに、上述した本発明に関連する処理動作をプログラムコード化することにより、画像処理プログラム(請求項に対応)を作成してもよい。この画像処理プログラムを実行することにより、コンピュータを本発明の画像処理装置として機能させることが可能になる。さらに、上述したような画像処理方法を、インターネットなどの通信回線を介して、サービス提供することも可能である。
【0030】
なお、以上の説明では、色彩関連情報の例を具体的に上げて詳細に説明した。しかしながら、本発明は、これらの色彩関連情報の例に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に示される精神または主要な特徴から逸脱しなければ、色々な形で実施することが可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明では、画像信号の色彩表現に影響を与えるとともに各々の影響度が異なり、かつ撮像で画像信号を生成するときの撮影条件を含む複数種類の色彩関連情報を情報取得し、影響度の相違を加味して各色彩関連情報の値をそれぞれ変換し、該変換後の各色彩関連情報に基づく彩度変調特性の組み合わせに応じて、最終的な彩度変調特性をコントロールする。
したがって、本発明では、色彩関連情報から把握される色彩表現の変化状況に合わせて、彩度変調処理の特性をフレキシブルにコントロールすることが可能になる。
このような本発明の適用により、例えば、色彩関連情報から低輝度領域の色ノイズの程度を推定して、低輝度領域の彩度ゲインを的確に抑制するなどの対処が容易に実現できる。また例えば、色彩関連情報から高輝度領域の不自然な色つきの程度を推定して、高輝度領域の彩度ゲインを的確に抑制するなどの対処が容易に実現できる。さらに例えは、色彩関連情報から特定輝度域の彩度変化(過度な鮮やかさや不自然なくすみなど)を推定して、その彩度変化を抑制するなどの対処が容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子カメラ11(画像処理装置を含む)の構成を説明する図である。
【図2】彩度変調制御部24の動作を説明する流れ図である。
【図3】色再現性の調整値に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。
【図4】撮像感度の設定値に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。
【図5】軟調の階調変換特性の一例を示す図である。
【図6】硬調の階調変換特性の一例を示す図である。
【図7】階調変換特性の設定に基づく彩度変調特性の調整傾向を示す図である。
【符号の説明】
11 電子カメラ
12 撮影レンズ
12a レンズ内MPU
13 撮像素子
14 アンプ
16 A/D変換部
17 ホワイトバランス処理部
17a 色分布評価部
17b 光源推定部
18 補間処理部
19 ノイズ抑制部
20 ガンマ変換部
21 マトリクス変換部
22 輪郭調整部
23 色ノイズ抑制部
24 彩度変調制御部
25 輝度分布評価部
29 分割測光センサ
30 閃光装置
31 撮影制御部

Claims (5)

  1. 撮像部で生成された画像信号を処理する画像処理装置であって、
    前記画像信号の色彩表現に影響を与えるとともに各々の影響度が異なり、かつ撮像で前記画像信号を生成するときの撮影条件を含む複数種類の色彩関連情報を情報取得し、前記影響度の相違を加味して前記各色彩関連情報の値をそれぞれ変換し、該変換後の前記各色彩関連情報に基づく彩度変調特性の組み合わせに応じて、『輝度レベルに対して彩度レべルのゲインを定めた彩度変調特性』をコントロールする彩度変調制御部と、
    前記彩度変調制御部でコントロールされる前記彩度変調特性に従って、前記画像信号の前記輝度レベルに応じて前記彩度レベルのゲイン調整を行う彩度変調部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記色彩関連情報の少なくとも一つは、前記撮像部の撮像感度であり、
    前記彩度変調制御部は、前記画像信号を撮像した際の前記撮像感度を情報取得し、前記撮像感度に応じて前記彩度変調特性をコントロールする
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記色彩関連情報の少なくとも一つは、前記画像信号に施した階調変換特性であり、
    前記彩度変調制御部は、前記階調変換特性を情報取得し、前記階調変換特性に応じて前記彩度変調特性をコントロールする
    ことを特徴とする画像処理装置。
  4. コンピュータを、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の前記彩度変調制御部および前記彩度変調部として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
  5. 撮像部で生成された画像信号を画像処理する画像処理方法であって、
    前記画像信号の色彩表現に影響を与えるとともに各々の影響度が異なり、かつ撮像で前記画像信号を生成するときの撮影条件を含む複数種類の色彩関連情報を情報取得し、前記影響度の相違を加味して前記各色彩関連情報の値をそれぞれ変換し、該変換後の前記各色彩関連情報に基づく彩度変調特性の組み合わせに応じて『輝度レベルに対して彩度レベルのゲインを定めた彩度変調特性』をコントロールするステップと、
    コントロールされた前記彩度変調特性に従って、前記画像信号の前記輝度レベルに応じて前記彩度レベルのゲイン調整を行うステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
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