JP4059643B2 - 噴出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、操作釦に手を掛けて押し下げ、噴出管を押し込むことにより、容器本体内の内容物を吐出して噴出管を通して、操作釦に設けるノズル部から液状・霧状・泡状・粉末状等で噴出する噴出容器に関する。化粧用・芳香用・洗浄用・清掃用・殺虫用・除菌用・塗装用などの各種の噴出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の噴出容器にあっては、たとえば納入時や輸送時や携行時などに、意に反して操作釦を押し下げ、容器本体内の内容物を誤ってノズル部から噴出することがあった。このような誤りをなくすため、従来の噴出容器の中には、不使用時は、操作釦を押し下げた状態で容器本体側にねじ付けて、操作釦の往復動作を規制するものがある。
【0003】
しかし、このような噴出容器においては、内容物を誤って噴出することを阻止すべく、操作釦を押し下げると、内容物がノズル部から噴出するから、そのたびごとに容器本体内の内容物を無駄に消費することとなる問題があった。また、ポンプ式の噴出容器の場合には適用できるが、エアゾール式の噴出容器には適用できない問題があった。
【0004】
このため、従来の噴出容器の中には、たとえば図11に示すように、容器本体1の口部1aにポンプ装置pを取り付け、そのポンプ装置pのネジキャップ2に上向きの規制突起3を一体に形成し、不使用時は図示するとおりその規制突起3で操作釦4の押し下げを規制し、使用時は該操作釦4を矢示方向に水平回動することにより規制突起3とずらせて操作釦4の押し下げを可能とするものがある(特開平8−98784号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の噴出容器には、規制突起3が常に上向きに突出したままの状態であるから、使用時には操作釦4の押し下げ操作の邪魔になる、などの問題があった。
【0006】
そこで、この発明の課題は、携行時等に誤って内容物を噴出するおそれをなくすべく操作釦の押し下げをロックすることができる噴出容器において、内容物の無駄な消費をなくすとともに、使用時における操作釦の操作性を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明は、上述した課題を達成すべく、操作釦を押し下げて噴出管を押し込み、容器本体内の内容物を噴出管を通して、操作釦に設けるノズル部から噴出する噴出容器において、
容器本体に取り付ける取付部材と、その取付部材で案内して上下動可能に設け、不使用時には上動して取付部材で支えてロック位置とし、操作釦の押し下げを阻止する一方、使用時には下動してロック解除位置とし、操作釦の押し下げを可能とするロック部材とを備え、
操作釦を噴出管に取り付けるとともに、取付部材と係合してその噴出管からの外れを防止してなる、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、上述した課題を達成すべく、操作釦を押し下げて噴出管を押し込み、容器本体内の内容物を噴出管を通して、操作釦に設けるノズル部から噴出する噴出容器において、
容器本体に取り付ける取付部材と、その取付部材で案内して上下動可能に設け、不使用時には上動して取付部材で支えてロック位置とし、操作釦の押し下げを阻止する一方、使用時には下動してロック解除位置とし、操作釦の押し下げを可能とするロック部材とを備え、
操作釦を噴出管に取り付けるとともにロック部材に係合する一方、そのロック部材を取付部材に係合することで、そのロック部材を介してして噴出管からの外れを防止してなる、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、上述した課題を達成すべく、請求項1または2に記載の噴出容器において、容器本体で取付部材を位置決めし、その取付部材でロック部材を位置決めし、さらにそのロック部材で操作釦を位置決めし、容器本体に対して操作釦のノズル部の向きを定めてなる、ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明による噴出容器における不使用時の中央部分縦断面を示す。図2には、その側面側から見た外観を示す。
【0011】
図中符号10は、ボトル状の樹脂製容器本体である。容器本体10は、内部に内容物として、たとえば化粧用液体を収納してなる。そして、その口部10aに、ポンプ装置Pを取り付ける。
【0012】
ポンプ装置Pは、容器本体10の口部10aに、取付部材であるネジキャップ12をねじ付けることにより取り付ける。ネジキャップ12は、図3(A)および(B)にも示すように、キャップ部14と、その頂部から上向きに高く突出する内筒部15と、低く突出する外筒部16とを備える。
【0013】
キャップ部14には、環状凹部14aを上向きに開口して設ける。そして、その環状凹部14aの入口外側縁を若干内向きに倒して係合部14bを形成する。
【0014】
内筒部15には、頂部15a中心に、中心孔15bをあけるとともに、頂部15aの外周に、外上向きにのびる突き出し部15cを形成する。
【0015】
また、外筒部16には、周方向に間隔をあけて矩形状の切欠き16aを4つ設け、4つの円弧部16bを残すとともに、それらの1対の対向する円弧部16bの周面に各々突部16cを形成してなる。そして、この外筒部16は、内筒部15との間に環状凹部12aを上向きに開口して設ける。
【0016】
そして、容器本体10およびネジキャップ12のねじを的確に設けることにより、容器本体10に対してネジキャップ12の突部16cの位置がほぼ一定の向きとなるようにする。
【0017】
そのようなネジキャップ12には、外筒部16の外側にロック部材18を取り付ける。ロック部材18は、図4(A)および(B)ならびに図5に示すように、上縁外径が下縁外径よりほんの少し小さな筒形状とし、下縁の外周に上向きの係止段部18aを形成する。
【0018】
そのロック部材18の内面には、180度で1サイクルの連続波形の溝部19Aと、それと同一波形の溝部19Bとを位相差なく下上2段に設ける。そして、それらの溝部19A・19Bの山位置には共通の垂直溝部20を設け、谷位置には個別の嵌合部20A・20Bを水平に設ける。垂直溝部20は、ネジキャップ12の軸方向に上縁までのびている。
【0019】
垂直溝部20には、下方に、突部16cと係合してロック部材18の操作にクリック感を付与する2つの小突起aを間隔をあけて設ける。また、一方の嵌合部20Aには、上方に、同じく突部16cと係合してロック部材18の操作にクリック感を付与する2つの小突起bを間隔をあけて設けてなる。
【0020】
そして、2つの嵌合部20Aに各々下から突部16cを入れてロック部材18をネジキャップ12に被せ、下部を環状凹部14a内に挿入してロック部材18を取り付ける。
【0021】
一方、図1に示すように、ネジキャップ12の内筒部15内には、頂部15aに突き当ててパッキン21を入れる。そして、そのパッキン21を圧縮してシリンダ22を収納する。シリンダ22には、下端部外周に吸上げ管23の上端部を取り付ける。吸上げ管23は、下端部を容器本体内10内の底部までのばしてなる。
【0022】
シリンダ22内には、上向き段部上にコイルスプリング24を載せ、そのコイルスプリング24を介してピストン25を収納し、シリンダ室Sを区画する。ピストン25には、シリンダ室S内と外部とを連通する連通路25aを設け、その連通路25aを塞ぐように弾性弁26を取り付けてなる。
【0023】
ピストン25の上部は、噴出管28内に挿入して円錐部25bを下向き段部28aに押し当てる。噴出管28は、ネジキャップ12の中心孔15bを貫通して上向きに突出する一方、下部をシリンダ22内に収納してなる。そして、噴出管28の下部外周28bをシリンダ22の上部内周に押し当ててそのシリンダ22との間を液密に保持するとともに、内筒部15の頂部15aとの間でパッキン21を圧縮してなる。
【0024】
噴出管28の上部には、噴出管28内の噴出路28cと内部流路30aとを連通して操作釦30を取り付ける。操作釦30には、内部流路30aと連通してノズル部31を設け、そのノズル部31に、噴出口32aを有するノズル部材32を取り付ける。
【0025】
図6には、そのノズル部材32を取り付ける前の操作釦30の中央縦断面を示す。この図6から判るとおり、操作釦30は、上部外周に下向き段部30bを有し、頂面に指掛部30cを設ける。また、下部外周の径方向反対位置に係合突部30dを形成し、下向きにスカート部30eをのばす。スカート部30eの基部内周には、環状突部30fを設ける。
【0026】
そして、ロック部材18を下動してその下部を環状凹部14a内に収納する。すると、容器本体10に対してほぼ一定の向きとしたネジキャップ12の突部16cを垂直溝部20に係合することにより、ロック部材18の位置も容器本体10に対してほぼ一定の向きとする。
【0027】
この状態で、操作釦30を上から取り付け、2つの係合突部30dを各々垂直溝部20に入れ、内部流路30aに先端を圧入して図7および図8に示すように噴出管28にともに押し込み可能に取り付ける。このとき、環状突部30fは、突き出し部15cを乗り越えてその突き出し部15cに下方から接触する。
【0028】
すると、容器本体10に対してほぼ一定の向きにあるロック部材18の垂直溝部20に2つの係合突部30dを入れるから、操作釦30もまた容器本体10に対してほぼ一定の向きとし、例えば外周面に印刷することにより定めた容器本体10の正面と操作釦30のノズル部31の向きを一致させることができる。これにより、体裁を整えて噴出容器の商品としての価値を高めることができる。
【0029】
ところで、図7および図8に示す状態から、ロック部材18を任意の方向に回動すると、突部16cがクリック感を持って小突起aを乗り越え、溝部19A内を移動する。そして、ロック部材18を上動し、やがて突部16cを嵌合部20Aに、係合突部30dを嵌合部20Bに入れ、突部16cを一方の小突起bを乗り越えて2つの小突起b間に位置し、突部16cの上端面mに嵌合部20Aの下向き段部nを突き当てる。
【0030】
これにより、図1および図2に示すように、ロック部材18の下動を阻止し、ロック部材18をロック位置で位置決め保持し、操作釦30の頂面30cに指を掛けて操作釦30を押し下げようとしても、下向き段部30bをロック部材18の上端面に当ててその操作釦30の押し下げを阻止する。
【0031】
また、このときは、環状突部30fを突き出し部15cに当てて操作釦30を抜け止めする。かつ、係合突部30dを嵌合部20Bに入れるとともに、係止段部18aを係合部14bに係合することで、ロック部材18を介して操作釦30を抜け止めする。
【0032】
そして、不使用時には、このように筒形状のロック部材18を上動してロック位置とし、噴出管28のまわりを被うから、見栄えをよくすることができるとともに、ロック部材18内に操作釦30のノズル部31を収納するから、別途キャップカバーを被せる必要なく、ノズル部31等にほこりがつくことを防止することができる。
【0033】
さて、いま、この噴出容器を使用するときは、図1および図2に示す状態から、ロック部材18を持って任意の方向に回動する。そして、小突起bを乗り越えて突部16cを嵌合部20A内から出し、突部16cの上端面mと嵌合部20A内の下向き段部nとの係合を外して溝部19A内に入れ、同時に係合突部30dも嵌合部20Bから出して溝部19B内に入れる。
【0034】
そして、溝部19A・19B内を通して突部16cおよび係合突部30dをそれぞれ移動してロック部材18を下動し、ロック部材18の下部をネジキャップ12の環状凹部14a内に収納し、突部16cおよび係合突部30dを垂直溝部20内に入れる。
【0035】
その後、ロック部材18をさらに回動して一方の小突起aを乗り越えて突部16cを2つの小突起a間に入れる。これにより、図7および図8に示すように、ロック部材18を、操作釦30の押し下げを可能とするロック解除位置とする。
【0036】
その後、容器本体10を持って操作釦30の噴出口32aを目的部位に向け、頂面30cに指を当てて操作釦30を押し下げ、係合突部30dが垂直溝部20内を移動し、図9および図10に示すように噴出管28を押し込んでコイルスプリング24に抗してピストン25を押し下げ、シリンダ室S内の容積を狭めてそのシリンダ室S内の圧力を高める。
【0037】
そして、シリンダ室S内の圧力の高まりとともに、やがて弾性弁26を開き、吸上げ管23を介してシリンダ室S内まで吸上げた容器本体10内の内容物を、連通路25aを通して吐出し、噴出管28に対してピストン25が相対移動して下向き段部28aから円錐部25bを離し、噴出路28cを通して操作釦30の内部流路30aに入れ、操作釦30のノズル部31に設ける噴出口32aから噴出する。
【0038】
ピストン25の内外圧力差が低下すると、コイルスプリング24の付勢力でピストン25が上動して円錐部25bが下向き段部28aに押し当たり、噴出口32aからの内容物の噴出を停止する。その後、操作釦30から指を離すと、コイルスプリング24の付勢力で噴出管28が自動復帰する。
【0039】
使用後は、再びロック部材18を持って任意の方向に回動する。そして、小突起aを乗り越えて突部16cを垂直溝部20内から出し、溝部19A内に入れ、同時に係合突部30dも嵌合部20Bから出して溝部19B内に入れる。
【0040】
そして、溝部19A・19B内を通して突部16cおよび係合突部30dをそれぞれ移動してロック部材18を上動し、ロック部材18の下部をネジキャップ12の環状凹部14a内から出し、突部16cおよび係合突部30dを嵌合部20A・20B内に入れる。
【0041】
その後、ロック部材18をさらに回動して一方の小突起bを乗り越えて突部16cを再び2つの小突起b間に入れ、図1および図2に示すように突部16cの上端面mに下嵌合凹部19cの下向き段部nを突き当てて該ロック部材18の下動を阻止し、ロック部材18をロック位置で位置決め保持してなる。
【0042】
このように、図示例では、使用時は、ロック部材18を下動してロック解除位置とし、操作釦30の押し下げを可能とするから、使用時にはロック部材18が邪魔にならず、操作釦30の操作性を向上することができる。
【0043】
また、垂直溝部20および嵌合部20Aには、それぞれ突部16cと係合してロック部材18の操作にクリック感を付与する小突起a・bを設けるから、ロック部材18をロック位置またはロック解除位置に位置決める位置決め操作性を向上するとともに、クリック感により操作を確認して位置決め操作の確実性を高めることができる。
【0044】
なお、ネジキャップ12やロック部材18は、ポリアセタールやポリオレフィン系樹脂などでつくるが、それら両部材を同材質でつくると、クリック感をよくし、一層位置決め操作性を向上するとともに、位置決め操作の確実性を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
したがって、この発明によれば、不使用時は、ロック部材を上動してロック位置とし、操作釦の押し下げを阻止するから、操作釦のロック操作時に容器本体の内容物を無駄に消費することがない。また、使用時は、ロック部材を下動して操作釦の押し下げを可能とするから、ロック部材が邪魔にならず、使用時における操作釦の操作性を向上することができる。ポンプ式の噴出容器に限らず、エアゾール式の噴出容器にも適用することができる。
【0046】
また、この発明によれば、操作釦を直接またはロック部材を介して取付部材と係合して噴出管から抜け止めするから、不用意に操作釦が外れるトラブルの発生を防止することができる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、加えて、容器本体に対して操作釦のノズル部の向きを定めるから、体裁を整えて噴出容器の商品としての価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による噴出容器における不使用時の中央部分縦断面図である。
【図2】その噴出容器の側面図である。
【図3】それで使用するネジキャップで、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図4】同じく上記噴出容器で使用するロック部材の中央縦断面図である。
【図5】その平面図である。
【図6】ノズル部材を取り除いた状態における上記噴出容器で使用する操作釦の中央縦断面図である。
【図7】上記噴出容器におけるロック解除状態の中央部分縦断面図である。
【図8】その噴出容器の側面図である。
【図9】上記噴出容器における噴出状態の中央部分縦断面図である。
【図10】その噴出容器の側面図である。
【図11】従来の噴出容器の外観斜視図である。
【符号の説明】
10 容器本体
12 ネジキャップ(取付部材)
12a 環状凹部
14 キャップ部
14a 環状凹部
14b 係合部
15 内筒部
15c 突き出し部
16 外筒部
16b 円弧部
16c 突部
18 ロック部材
18a 係止段部
19A 溝部(ガイド部)
19B 溝部
20 垂直溝部
20A 嵌合部
20B 嵌合部
28 噴出管
30 操作釦
30b 下向き段部
30d 係合突部
30e スカート部
30f 環状突部
31 ノズル部
32a 噴出口
a 小突起
b 小突起
m 突部の上端面
n 嵌合部の下向き段部
Claims (3)
- 操作釦を押し下げて噴出管を押し込み、容器本体内の内容物を前記噴出管を通して、前記操作釦に設けるノズル部から噴出する噴出容器において、
前記容器本体に取り付ける取付部材と、その取付部材で案内して上下動可能に設け、不使用時は上動して前記取付部材で支えてロック位置とし、前記操作釦の押し下げを阻止する一方、使用時は下動してロック解除位置とし、前記操作釦の押し下げを可能とするロック部材とを備え、
前記操作釦を前記噴出管に取り付けるとともに、前記取付部材と係合してその噴出管からの外れを防止してなる、噴出容器。 - 操作釦を押し下げて噴出管を押し込み、容器本体内の内容物を前記噴出管を通して、前記操作釦に設けるノズル部から噴出する噴出容器において、
前記容器本体に取り付ける取付部材と、その取付部材で案内して上下動可能に設け、不使用時は上動して前記取付部材で支えてロック位置とし、前記操作釦の押し下げを阻止する一方、使用時は下動してロック解除位置とし、前記操作釦の押し下げを可能とするロック部材とを備え、
前記操作釦を前記噴出管に取り付けるとともに前記ロック部材に係合する一方、そのロック部材を前記取付部材に係合することで、前記ロック部材を介して前記噴出管からの外れを防止してなる、噴出容器。 - 前記容器本体で前記取付部材を位置決めし、その取付部材で前記ロック部材を位置決めし、さらにそのロック部材で前記操作釦を位置決めし、前記容器本体に対して前記操作釦の前記ノズル部の向きを定めてなる、請求項1または2に記載の噴出容器。
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