JP4056237B2 - 同期機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
同期電動機や同期発電機等の同期機の制御装置において,制御に用いる前記同期機のインダクタンスを計測する機能に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば永久磁石形同期電動機の場合,回転子の磁気的突極性があるために,一般に永久磁石による磁界方向のインダクタンスが小さくそれと直交する方向のインダクタンスが大きい。そこで永久磁石による磁界方向をd軸と定義し,それと直交する方向をq軸と定義する。そしてd軸のインダクタンスをLd,q軸のインダクタンスをLq,永久磁石の磁束をφとすると永久磁石形同期電動機の出力トルクTは(1)式で表される。また,永久磁石形同期電動機の銅損を最小にするには,d軸電流idとq軸電流iqとの関係は(2)式を満たす必要がある。つまり所望の出力トルクTが得られしかも銅損最小とするには,(1)式と(2)式を同時に満たすidとiqを永久磁石形同期電動機に流せばいいことになる。
【0003】
【数1】
【0004】
このことは永久磁石形同期発電機においても同様であり,(2)式を満たすidとiqを永久磁石形同期発電機に流せば銅損が最小となるので,前記発電機の損失が銅損のみとすれば前記発電機を最大効率で運転できるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記d軸インダクタンスLdやq軸インダクタンスLqのそれぞれが,前記永久磁石形同期電動機や永久磁石形同期発電機の回転子や固定子の磁気飽和により,idやiqに依存して大きく変化することが知られている。よって,(1)式や(2)式にはd軸のインダクタンスLdやq軸のインダクタンスLqが使用されているので,idやiqに応じたLdやLqの値を正しく認識していないと(1)式や(2)式に用いるLdやLqに誤差を生じ,永久磁石形同期電動機や永久磁石形同期発電機において所望のトルクが得られなくなり,また銅損最小の運転ができなくなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では,前記問題点を解決するために,
請求項1において,同期電動機に電力を供給する電力変換器と前記同期電動機の回転子の突極性から生じるインダクタンスの分布において最もインダクタンスが小さい方向をd軸としそれと直交する軸をq軸としたdq軸を回転子に設け,前記同期電動機における前記d軸のインダクタンスと前記q軸のインダクタンスを用いた電動機制御器により前記電力変換器を介して前記同期電動機の挙動を制御する同期機の制御装置において,
前記d軸から任意の位相だけずれた方向に交番する電圧を固定子から印加して,前記d軸の電流成分idと前記q軸の電流成分iqの値に応じた前記d軸のインダクタンスLdと前記q軸のインダクタンスLqを求めるインダクタンス計測器と,前記idとiqの値に応じて前記インダクタンス計測器で計測された前記Ld,Lqを記憶するインダクタンステーブルとを備える。
また請求項2において,前記同期電動機の代わりに同期発電機を適用する。
【0007】
【発明の実施の形態】
発明の実施例を図1に示し,この図に基づいて説明する。電力変換器1は永久磁石形同期電動機2に電力を供給する。d軸位相推定器6は永久磁石形同期電動機2の回転子の突極性から生じるインダクタンスの分布において最もインダクタンスが小さい方向であるd軸の位相θを推定または検知する。例えば永久磁石形同期電動機2の回転子に位置検出器を取り付ければ容易にd軸の位相を検知できる。電流成分変換器7は,電流検出器3の出力である永久磁石形同期電動機2の固定子電流を入力して,d軸位相推定器6出力のd軸位相θに基づいてd軸成分電流idとq軸成分電流iqに分けて出力する。電動機制御器11は電流指令生成器4と電流制御器5で構成される。電流指令生成器4は,(1)式と(2)式に基づいて永久磁石形同期電動機2の出力トルクが所望の値Tとなり,永久磁石形同期電動機2の銅損が最小となるようなd軸電流指令idrとiqrを出力する。電流制御器5は,id,iqがそれらの指令idr,iqrに追従するような電力変換器1の制御信号S0をスイッチ10を介して電力変換器1へ出力する。インダクタンステーブル9は,テーブル参照によりid,iqに応じたd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqを出力する。
【0008】
通常は以上の構成で運転されるが,インダクタンステーブル9の内容が,無い場合や永久磁石形同期電動機2に合っていない場合は,永久磁石形同期電動機2に合った内容に更新する必要があり,その場合は,スイッチ10がインダクタンス計測器8の出力のS1を選択して電力変換器1へ出力する。インダクタンス計測器8は,d軸から任意の位相αだけずれた方向に交番する電圧を永久磁石同期電動機2に印加するような制御信号S1を出力し,idとiqの値に応じたLdとLqを求めてインダクタンステーブル9に出力する。インダクタンステーブル9は,入力したLd,Lqに内容を更新する。
【0009】
以下はインダクタンス計測器8によりidとiqに応じたLdとLqを計測する方法例について説明する。
図2は,d軸から45度程度ずれた位相に矩形波状の交番した電圧を印加した場合の電圧,電流,磁束の各軸の波形例を示す。d軸磁束ψdはd軸電圧vdを時間積分したものであり,q軸磁束ψqはq軸電圧vqを時間積分したものである。これらの波形より,図3に示されるようなグラフが描ける。図3は,横軸をidとし,縦軸にψdとiqをとっている。ψdは図3のようなヒステリシス曲線となり,左半分のψdのヒステリシス曲線の平均値である点線を求める。例えばid=id1でのLdは,点線のid=0での交点であるF0点とid1での点線の値とを結ぶ直線F0−F1の傾きで求めることができ,その時のiqはid=id1でのiqの値であるiq1となる。つまり,id=id1,iq=iq1でのLdの値は図中の直線F0−F1の傾きで求めることができるわけである。図3と同様に,横軸をiqとして縦軸にψqとidをとったグラフを描けば,例えばiq=iq2,id=id2でのLqの値を求めることができる。なお例えば図3におけるiqの最大値より大きなq軸電流でのLdは,図3からは求めることができない。そこで矩形波状の交番した電圧を印加するd軸からの位相を変えて同様方法でインダクタンスを計測する。例えば位相を90度近くにすれば大きなq軸電流が流れるのでより大きなiqでのLdやLqを求めることができる。以上により,必要とされるあらゆる各軸電流でのLdとLqを求めることができる。
【0010】
永久磁石形同期発電機の場合は,図1の永久磁石形同期電動機2を永久磁石形同期発電機に置き換えることで構成でき,この場合は永久磁石形同期発電機2から電力変換器1が電力を吸収することになる。
【0011】
【発明の効果】
本発明により,電流の値に応じたインダクタンスを用いることができるので,高精度なトルク制御や損失最小の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表したブロック図である。
【図2】インダクタンス計測器により,インダクタンスを計測する際の各種波形である。
【図3】インダクタンス計測器により,各軸電流に応じたインダクタンスを求める原理を説明したものである。
【符号の説明】
1・・・電力変換器
2・・・永久磁石形同期電動機または永久磁石形同期発電機
3・・・電流検出器
4・・・電流指令生成器
5・・・電流制御器
6・・・d軸位相推定器
7・・・電流成分変換器
8・・・インダクタンス計測器
9・・・インダクタンステーブル
10・・スイッチ
11・・電動機制御器
Claims (2)
- 同期電動機に電力を供給する電力変換器と前記同期電動機の回転子の突極性から生じるインダクタンスの分布において最もインダクタンスが小さい方向をd軸としそれと直交する軸をq軸としたdq軸を回転子に設け,前記同期電動機における前記d軸のインダクタンスと前記q軸のインダクタンスを用いた電動機制御器により前記電力変換器を介して前記同期電動機の挙動を制御する同期機の制御装置において,
前記d軸から任意の位相だけずれた方向に交番する電圧を固定子から印加して,前記d軸の電流成分idと前記q軸の電流成分iqの値に応じた前記d軸のインダクタンスLdと前記q軸のインダクタンスLqを求めるインダクタンス計測器と,前記idとiqの値に応じて前記インダクタンス計測器で計測された前記Ld,Lqを記憶するインダクタンステーブルとを備えたことを特徴とする同期機の制御装置。 - 同期電動機の代わりに同期発電機を適用することを特徴とした請求項1記載の同期機の制御装置。
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