JP4048959B2 - Exhaust gas purification device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路に触媒を配設した内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の排気浄化装置においては、触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比を中心として強制的に振動させる制御(以下、「パータベーション制御」と称呼することもある。)を行うと触媒が活性化して同触媒の浄化率が向上することが知られている。そして、特許文献1は、かかるパータベーション制御を実行する際に常に触媒の最大浄化率を確保できる排気浄化装置(空燃比制御装置)を開示している。
【0003】
より具体的に述べると、この排気浄化装置は、触媒が吸蔵している酸素量(以下、「酸素吸蔵量」と称呼する。)と、同触媒が吸蔵し得る酸素の最大量(以下、「最大酸素吸蔵量」と称呼する。)とに基づいて酸素利用率を演算し、同演算された酸素利用率に基づいて触媒の浄化率が最大となるように内燃機関に供給される混合気の空燃比を強制振動させる。同時に、この排気浄化装置は、排気ガス量に相当する空間速度及び触媒温度に応じて強制振動の周波数、及び振幅の変更速度を直線的に或いは双曲線的に更新していくようになっている。そして、特許文献1には、かかる構成によって、内燃機関の運転状態や触媒の状態に応じて常に触媒の最大浄化率を確保して排気ガスのエミッション特性を向上させることができると記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−259600号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排気浄化装置が行うパータベーション制御では、内燃機関に供給される混合気の空燃比は、上記演算された酸素利用率(触媒の浄化率)に着目して強制振動せしめられていて、触媒から流出する排ガスの状態、例えば、同排ガスの空燃比、同排ガス中の特定成分の排出量等に直接着目して強制振動せしめられていない。従って、内燃機関の運転状態により、触媒の浄化率が良好であっても同触媒から流出する排ガスの空燃比が一時的に理論空燃比から大きく偏移するような状況があった場合、同排ガス中のエミッションが多量に排出されてしまうという問題があった。
【0006】
【発明の概要】
従って、本発明の目的は、触媒から流出する排ガスの状態に直接着目して触媒に流入するガスの空燃比をパータベーション制御することで、エミッションの排出量を安定的、且つ確実に低減し得る排気浄化装置を提供することにある。
【0007】
かかる目的を達成するための本発明による内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に介装された単数の触媒又は同排気通路に直列に介装された複数の触媒からなる触媒装置と、前記触媒装置を同触媒装置に流入するガスの流れ方向に沿って複数のブロックに分割して捉えたときの最下流に位置するブロックよりも上流に位置する1つのブロックである制御用ブロックから流出するガスの空燃比に関連する値を取得するガス空燃比関連値取得手段と、前記取得されたガスの空燃比に関連する値が同ガスの空燃比が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンの所定のリーン空燃比に制御するとともに、同ガスの空燃比に関連する値が同ガスの空燃比が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチの所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比から前記所定のリッチ空燃比又は前記所定のリッチ空燃比から前記所定のリーン空燃比へと交互に切り替えて強制的に振動させる空燃比強制振動手段と、を備える。
【0008】
ここにおいて、前記「ブロック」は、触媒装置が単数の(1つの)触媒からなる場合、前記1つの触媒を排ガスの流れ方向に沿って複数のブロックに仮想的に分割したときの同複数のブロックの各々である。また、触媒装置が複数の触媒からなる場合、触媒単位で捉えられたブロックと、1つの触媒を仮想的に分割したときの複数のブロックとが混在してもよい。
【0009】
また、前記制御用ブロックから流出するガスの空燃比に関連する値を取得するガス空燃比関連値取得手段は、例えば、同制御用ブロックの下流の排気通路(同制御用ブロックの下流側に単数又は複数のブロックが存在するから、具体的には、同制御用ブロックの下流であって同制御用ブロックの下流側の最上流に位置するブロックの上流の排気通路)に配設された空燃比センサにより同制御用ブロックから流出するガスの空燃比を同ガスの空燃比に関連する値として物理的に検出する手段であっても、同制御用ブロックから流出するガス中の特定成分の量に関する値(例えば、特定成分の濃度、又は特定成分の絶対量等)を同ガスの空燃比に関連する値として同制御用ブロック内における反応を考慮した計算により推定(取得)する手段であってもよい。前記特定成分とは、例えば、一酸化炭素CO、炭化水素HC、窒素酸化物NOx等の触媒で浄化すべき成分や、酸素O2(の過不足量)等のことを云う。なお、前記ガス空燃比関連値取得手段が前記空燃比センサから構成される場合、制御用ブロックは、同空燃比センサの上流に位置する直近の触媒内の最下流に位置するブロックに限られる。
【0010】
また、前記触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させる空燃比強制振動手段は、例えば、機関に供給される混合気の空燃比を強制振動させる手段であってもよく、或いは、同機関に吸入される混合気の空燃比の制御を行うとともに、同触媒装置の上流の排気通路に備えられたノズル等から空気や燃料を供給することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させる手段であってもよい。なお、機関に供給される混合気の空燃比を制御すれば、触媒装置に流入するガスの空燃比を制御することができる。
【0011】
これによれば、前記触媒装置の一部を構成する制御用ブロックから流出するガスの空燃比に関連する値に直接着目して、同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比から前記所定のリーン空燃比、或いは同所定のリーン空燃比から同所定のリッチ空燃比へと切り替えるパータベーション制御を行うので、同制御用ブロックから流出するガスの空燃比を安定的、且つ確実に理論空燃比近傍に維持することができ、その結果、少なくとも制御用ブロックの下流側の有害成分の排出量を安定的、且つ確実に低減することができる。
【0012】
この場合、前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の特定成分の量に関する値を前記ガスの空燃比に関連する値として計算により取得するように構成されることが好適である。
【0013】
制御用ブロックの下流の排気通路に配設された空燃比センサ(例えば、O2センサ)により同制御用ブロックから流出するガスの空燃比を同ガスの空燃比に関連する値として検出する場合、制御用ブロックから流出した排ガスは同流出した時点から所定時間後に空燃比センサに到達し、その後、空燃比センサの応答遅れ時間が経過した時点で、その空燃比が検出される。従って、制御用ブロックから流出するガスの空燃比の変化が空燃比センサの出力変化として現れるまでには所定の時間が必要である。
【0014】
これに対し、上記のように、前記制御用ブロックから流出するガス中の特定成分の量に関する値を前記ガスの空燃比に関連する値として計算により取得するように構成すれば、より適切なタイミングで触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比から前記所定のリーン空燃比、或いは同所定のリーン空燃比から同所定のリッチ空燃比へと切り替えることが可能となる。この結果、制御用ブロックから流出するガスの空燃比をより確実に理論空燃比近傍に維持することができる。
【0015】
また、上記排気浄化装置においては、前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の酸素の過不足量に関する値を前記ガス中の特定成分の量に関する値として取得するように構成され、前記空燃比強制振動手段は、前記ガス中の酸素の過不足量に関する値が同ガス中の酸素の不足の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比に制御するとともに、同ガス中の酸素の過不足量に関する値が同ガス中の酸素の過剰の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成されることが好適である。
【0016】
制御ブロックから流出するガスの空燃比は同ガス中の酸素が過剰となっているときリーン空燃比となり、同ガス中の酸素が不足しているときリッチ空燃比となる。従って、ガス中の酸素の過不足量は同ガスの空燃比を示す(空燃比に関連する)値となり得る。従って、上記のように構成すれば、計算により取得される「制御用ブロックから流出するガス中の酸素の過不足量に関する値」という一つの値に基づいて触媒装置に流入するガスの空燃比を制御することができ、空燃比制御に必要な計算を簡易なものとすることができる。
【0017】
或いは、上記排気浄化装置においては、前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の酸化剤の量に関する値と還元剤の量に関する値とをそれぞれ前記ガス中の特定成分の量に関する値として取得するように構成され、前記空燃比強制振動手段は、前記ガス中の還元剤の量に関する値が同ガス中の還元剤の量が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比に制御するとともに、前記ガス中の酸化剤の量に関する値が同ガス中の酸化剤の量が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成されることが好適である。ここにおいて、前記ガス中の「酸化剤」は、例えば、窒素酸化物NOx、酸素O2であり、前記ガス中の「還元剤」は、例えば、一酸化炭素CO、炭化水素HCである。
【0018】
制御ブロックから流出するガスの空燃比は、同ガス中の酸化剤の量が多くなっているとき(このとき同ガス中の還元剤の量は微量となっている。)リーン空燃比となり、同ガス中の還元剤の量が多くなっているとき(このとき同ガス中の酸化剤の量は微量となっている。)リッチ空燃比となる。従って、ガス中の酸化剤の量及び還元剤の量は同ガスの空燃比を示す(空燃比に関連する)値となり得る。また、制御ブロックから流出するガス中の酸化剤の量は、触媒内(制御ブロック内)における酸素を吸蔵するO2ストレージ機能(以下、「酸素吸蔵機能」と称呼する。)に関連する酸素吸蔵速度に依存する一方で、同流出するガス中の還元剤の量は、前記酸素吸蔵機能に関連する酸素放出(吸脱)速度に依存する。従って、上記のように構成すれば、例えば、触媒内(制御ブロック内)での酸素吸蔵速度と酸素放出速度とを個別に設定してこれらの反応速度差を考慮することでそれぞれ個別に且つ正確に算出され得る同制御ブロックから流出する酸化剤の量及び還元剤の量に基づいて、触媒装置に流入するガスの空燃比の切り替え時期を決定することができ、この結果、制御用ブロックから流出するガスの空燃比をさらに確実に理論空燃比近傍に維持することができる。
【0019】
更には、上記本発明による排気浄化装置では、前記ガス空燃比関連値取得手段により取得される前記ガスの空燃比に関連する値が、最下流に位置するブロックよりも上流に位置する制御用ブロックから流出するガスに係わる。
【0020】
これによれば、排ガスの空燃比を前記触媒装置の中間ブロックの流出口の位置で理論空燃比近傍に維持することができる(或いは、排ガス中の特定成分の量を略「0」とすることができる)。従って、パータベーション制御(空燃比フィードバック制御)の不可避的な制御遅れにより前記中間ブロックから有害成分が流出した場合でも、その流出量は微量であって同中間ブロックより下流側に位置するブロックによりこれを浄化することができるので、触媒装置の最下流位置から流出する排ガス中の有害成分の排出量をより低減し得る。換言すると、前記中間ブロックよりも下流側のブロックを予備的な触媒として機能させることが可能となる。
【0021】
更には、上記本発明による排気浄化装置では、前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記触媒装置が吸蔵し得る酸素の最大量(最大酸素吸蔵量)の低下に応じて前記制御用ブロックの位置を下流側に移動するように構成される。
【0022】
上記したパータベーション制御においては、触媒装置に流入するガスの空燃比が所定のリッチ空燃比に制御されているとき、最上流に位置するブロックから前記制御用ブロックまでの各ブロック内に吸蔵されている酸素が総て消費されて各ブロック内の酸素吸蔵量が総て実質的に「0」に到達した時点以降、同制御用ブロックから流出するガスの空燃比がリッチに転じることで同触媒装置に流入するガスの空燃比が所定のリーン空燃比に切り替えられる。同様に、触媒装置に流入するガスの空燃比が前記所定のリーン空燃比に制御されているとき、同各ブロック内の酸素吸蔵量が総て実質的に最大酸素吸蔵量に到達した時点以降、同制御用ブロックから流出するガスの空燃比がリーンに転じることで同触媒装置に流入するガスの空燃比が前記所定のリッチ空燃比に切り替えられる。換言すれば、上記パータベーション制御における空燃比の切り替え周期は、最上流に位置するブロックから前記制御用ブロックまでの各ブロックで構成される触媒装置の上流部分(或いは、触媒装置全体)の最大酸素吸蔵量が小さいほど短くなる。
【0023】
従って、触媒装置が劣化する等の理由により、同触媒装置(の上流部分)の最大酸素吸蔵量がある程度まで小さくなると、パータベーション制御における空燃比の切り替え周期が極端に短くなることで同空燃比が大きく変動(ハンチング)し、その結果、同パータベーション制御が破綻するという問題が発生する。これに対し、上記のように、前記触媒装置の最大酸素吸蔵量の低下に応じて前記制御用ブロックの位置を下流側に移動するように構成すれば、前記触媒装置の上流部分の最大酸素吸蔵量が同制御用ブロックの位置を下流側に移動した分だけ増大する。従って、触媒装置が劣化していっても、同触媒装置の上流部分の最大酸素吸蔵量をパータベーション制御の破綻を来さない程度に大きい値に維持することができる。この結果、上述した空燃比のハンチングが回避され、排ガス中の有害成分の排出量の増大を回避することができる。
【0024】
より具体的には、上記排気浄化装置は、値nを自然数とするとき前記複数のブロックのうち最上流に位置するブロックである第1番目のブロックから第n番目のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部の最大酸素吸蔵量を取得する酸素吸蔵能力取得手段を備え、前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記取得された最大酸素吸蔵量に基づいて所定値よりも大きい最大酸素吸蔵量を有すると判定される前記触媒装置上流部のうち前記値nが最も小さい触媒装置上流部を構成する第n番目のブロックを前記制御用ブロックとして設定するように構成されることが好適である。
【0025】
これによれば、最上流に位置するブロックから前記制御用ブロックまでの各ブロックで構成される触媒装置上流部の最大酸素吸蔵量を前記パータベーション制御の破綻を来さない程度に設定され得る所定値よりも大きい値に維持できるとともに、前述した予備的な触媒として機能し得る同制御用ブロックよりも下流側のブロック数を最大とすることができる。従って、上述した空燃比のハンチングを回避しつつ、触媒装置の最下流位置から流出する有害成分の排出量を極力低減し得る。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明による排気浄化装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置(空燃比制御装置)を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1においては、一つの気筒の断面が示されているが、他の気筒も同様の構成を備えている。
【0028】
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
【0029】
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
【0030】
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)39を備えている。
【0031】
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、及び、スロットル弁駆動手段を構成するDCモータからなるスロットル弁アクチュエータ43aを備えている。
【0032】
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ(排気管)52、エキゾーストパイプ52に配設(介装)された上流側の第1触媒(上流側三元触媒、又はスタート・コンバータとも云う。)53、及び第1触媒53の下流のエキゾーストパイプ52に配設(介装)された第2触媒(下流側三元触媒、又は、車両のフロア下方に配設されるため、アンダ・フロア・コンバータとも云う。)54を備えている。ここで、排気ポート34、エキゾーストマニホールド51、及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。また、互いに直列に配設された第1触媒53、及び第2触媒54は、触媒装置を構成している。
【0033】
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、スロットルポジションセンサ62、カムポジションセンサ63、クランクポジションセンサ64、水温センサ65、第1触媒53の上流の排気通路に配設された空燃比センサ66(以下、「最上流空燃比センサ66」と称呼する。)、第1触媒53の下流であって第2触媒54の上流の排気通路に配設された空燃比センサ67(以下、「第1触媒下流空燃比センサ67」と称呼する。)、第2触媒54の下流の排気通路に配設された空燃比センサ68(以下、「第2触媒下流空燃比センサ68」と称呼する。)、及びアクセル開度センサ69を備えている。
【0034】
熱線式エアフローメータ61は、吸気管41内を流れる吸入空気の質量流量AFM(=Ga)に応じた電圧を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ62は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ63は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ64は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。水温センサ65は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
【0035】
最上流空燃比センサ66は、図2に示したように、空燃比A/Fに応じた電流を出力し、この電流に応じた電圧vabyfsを出力するようになっている。図2から明らかなように、最上流空燃比センサ66によれば、広範囲にわたる空燃比A/Fを精度良く検出することができる。第1触媒下流空燃比センサ67、及び第2触媒下流空燃比センサ68は、図3に示したように、理論空燃比において急変する電圧Voxs1,Voxs2をそれぞれ出力するようになっている。より具体的に述べると、第1,第2触媒下流空燃比センサ67,68は、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンのときは略0.1(V)、同排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチのときは略0.9(V)、及び同排ガスの空燃比が理論空燃比のときは略0.5(V)の電圧を出力するようになっている。アクセル開度センサ69は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量を検出し、同アクセルペダル81の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
【0036】
更に、このシステムは電気制御装置70を備えている。電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、及び定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74、並びにADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜69と接続され、CPU71にセンサ61〜69からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、及びスロットル弁アクチュエータ43aに駆動信号を送出するようになっている。
【0037】
(第1実施形態のパータベーション制御)
次に、上記排気浄化装置のパータベーション制御について説明する。図4は、かかるパータベーション制御におけるタイムチャートであり、(A)は機関10に供給される混合気の空燃比(従って、第1触媒上流の排ガスの空燃比)を示し、(B)は後述する触媒モデルにより算出される後述する制御用ブロック(中間ブロック、第1触媒53及び第2触媒54からなる触媒装置としてのi番目のブロック、以下、「ブロックi」とも称呼する。)から流出する制御用酸素濃度CgoutO2cを示している。
【0038】
ここで前記触媒装置の一部を構成する制御用ブロック(ブロックi)から流出する制御用酸素濃度CgoutO2cについて簡単に説明する。後述する触媒モデルにおいては、図5に示したように、円筒形の触媒を同円筒形の軸線に直交する平面にて同触媒の上流から等間隔で仮想的に分割して複数の概念上のブロックを形成する。そして、触媒モデルは、各触媒の各ブロック毎に所定の計算を行い、同各ブロックから流出する特定成分(例えば、酸素、一酸化炭素、炭化水素等、窒素酸化物等)の濃度Cgoutを求める。各ブロックは、触媒毎に、各触媒の最上流(排ガスが流入する側)から順に、1番目のブロック、2番目のブロック、…n番目のブロックと定められている。
【0039】
また、本実施形態の触媒モデルは、第1触媒53をr個(rは2以上の整数)、第2触媒54をm個(mは2以上の整数)のブロックにそれぞれ分割して各種演算を行う。本明細書においては、特定成分をXとするとともに、着目しているブロックを各触媒のk番目のブロック(ブロックk)とすると、第1触媒53のブロックkから流出する排ガス中の特定成分X(Xは、酸素の場合O2、一酸化炭素の場合CO、炭化水素の場合HC、窒素酸化物の場合NO)の濃度はCgoutSC,X<k>、第2触媒54のk番目のブロックから流出する排ガス中の特定成分Xの濃度はCgoutUF,X<k>と表記する。
【0040】
以上から明らかなように、上記制御用酸素濃度CgoutO2cは、前記制御用ブロック(ブロックi)が第1触媒53のr個のブロックのうちの一つに設定されているとき(1<i≦r)は第1触媒53のブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度CgoutSC,O2< i >であって、同制御用ブロックが第2触媒54のm個のブロックのうちの一つに設定されているとき(r<i<(r+m))は第2触媒54のブロック(i−r)から流出する排ガス中の酸素濃度CgoutUF,O2<i-r>である。即ち、値「i」は「1」より大きく「r+m」より小さい整数に定められている(1<i<(r+m))。ここで、上記制御用酸素濃度CgoutO2cは、「第1触53及び第2触媒54からなる触媒装置を同触媒装置に流入する排ガスの流れ方向に沿って複数の((r+m)個の)ブロックに仮想的に分割したとき(複数のブロックに分割して捉えたとき)の最下流に位置するブロック(第2触媒54のブロックm)よりも上流に位置する中間ブロック(制御用ブロック、ブロックi)から流出するガスの空燃比に関連する値」ということになる。また、制御用酸素濃度CgoutO2cは、正の値であるときは酸素が過剰であってブロックiからNOxが流出している状態であることを意味し、負の値であるときは酸素が不足して同ブロックiから未燃CO,HCが流出している状態であることを意味していている。従って、制御用酸素濃度CgoutO2cは、制御用ブロックから流出する排ガス中の酸素の過不足量に関する値とも云える。
【0041】
再び、図4を参照すると、本排気浄化装置は、後述するように設定される制御用ブロックiから流出する制御用酸素濃度CgoutO2cを触媒モデルにより求め、同制御用酸素濃度CgoutO2cを「0」付近に維持するように機関10に供給される混合気の空燃比をパータベーション制御する。より具体的に述べると、本排気浄化装置は、CgoutO2cが負の閾値Crefmnsより小さくなったとき(即ち、酸素の不足の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき、或いは、ガスの空燃比が所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき)、制御用ブロックiから未燃成分が多く流出し始めたことを意味するので、機関10に供給される混合気の目標空燃比を理論空燃比よりも所定値α1だけリーンに設定するとともに機関10に供給される混合気の実際の空燃比が同目標空燃比になるように制御する(時刻t1,t3を参照。)。
【0042】
これに対し、CgoutO2cが正の閾値Crefplsより大きくなったとき(即ち、酸素の過剰の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき、或いは、ガスの空燃比が所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき)、制御用ブロックiから酸素(従って、NOx)が多く流出し始めたことを意味するので、機関10に供給される混合気の目標空燃比を理論空燃比よりも所定値α2だけリッチに設定するとともに前記実際の空燃比が同目標空燃比になるように制御する(時刻t2を参照。)。なお、所定値α1と所定値α2とは異なる値でもよく、等しい値であってもよい。このようにして触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させる(切り替える)手段が空燃比強制振動手段に相当する。
【0043】
(触媒モデル)
次に、本排気浄化装置が採用する触媒モデル(推定モデル)について説明する。なお、触媒モデルを構築するにあたり、第1触媒53と第2触媒54とは、同様な構成及び機能を備えているので、以下、主として第1触媒53を例にとって説明する。
【0044】
第1触媒53は、図6に外観を示したように、断面が楕円形(断面積がdA一定)の柱状のモノリス触媒コンバータと称呼される三元触媒であり、軸に直交する平面で同第1触媒53を切断した拡大断面図である図7に示したように、セラミックの一種であるコージェライトからなる担体53aにより、その内部が軸方向に延在する軸線方向空間に細分されている。各軸線方向空間は、軸線に垂直な平面で切断すると略正方形状を有していて、セルとも称呼される。担体53aは、アルミナのコート層53bによりコーティングされていて、同コート層53bは白金(Pt)等の貴金属からなる活性成分(触媒成分)及びセリア(CeO2)等の成分を担持している。
【0045】
かかる第1触媒53は、白金等の貴金属を担持しているから、同第1触媒53に流入する排ガスの空燃比が理論空燃比のときに未燃成分(HC,CO)を酸化し、同時に窒素酸化物(NOx)を還元する触媒機能を有する。また、第1触媒53は、上記セリア等の成分を担持することにより、同第1触媒53に流入する排ガス中の酸素分子を吸蔵(貯蔵,吸着)及び放出する上述の酸素吸蔵機能を有していて、この酸素吸蔵機能により、空燃比が理論空燃比からある程度まで偏移したとしても、HC,CO、及びNOxを浄化することができる。
【0046】
従って、図4に示したようなパータベーション制御においては、第1触媒53に流入するガスの空燃比が所定のリッチ空燃比(理論空燃比よりも前記所定値α2だけリッチな空燃比)に制御されているとき、第1触媒53及び第2触媒54から構成されている触媒装置内に吸蔵されている酸素は第1触媒53の最上流に位置するブロック内のものから第2触媒54の最下流に位置するブロック内のものまで順に消費されていき、同触媒装置内の総ての((r+m)個の)ブロック内に吸蔵されている酸素が実質的に総て消費された時点以降、第2触媒54の最下流ブロックmから未燃成分HC,COが多く流出し始めて同最下流ブロックmから流出する排ガス中の酸素濃度CgoutUF,O2<m>が前記負の閾値Crefmnsより小さくなる。
【0047】
一方、第1触媒53に流入するガスの空燃比が所定のリーン空燃比(理論空燃比よりも前記所定値α1だけリーンな空燃比)に制御されているとき、前記触媒装置内に流入した酸素は第1触媒53の最上流に位置するブロック内から順に吸蔵されていき、同触媒装置内の総ての((r+m)個の)ブロックの酸素吸蔵量が実質的に総て最大酸素吸蔵量に到達した時点以降、第2触媒54の最下流ブロックmから窒素酸化物NOxが多く流出し始めて同第2触媒54の最下流ブロックmから流出する排ガス中の酸素濃度CgoutUF,O2<m>が前記正の閾値Crefplsより大きくなる。
【0048】
よって、第2触媒54から流出する排ガス中の酸素濃度CgoutUF,O2<m>を時間遅れなく推定できれば、同酸素濃度に着目したパータベーション制御を行うことで、未燃成分(HC,CO)、窒素酸化物NOx等の有害成分の排出を高精度に抑制することができる。更に、前記触媒装置において第2触媒54の最下流ブロックmよりも上流位置の前記中間ブロックi(制御用ブロック)から流出する排ガス中の酸素濃度を推定し、同推定した酸素濃度を所定の値(例えば、前記負の閾値Crefmnsから正の閾値Crefplsまでの間の値)に維持するようにパータベーション制御を行えば、同制御に不可避的な制御遅れが存在していても、触媒装置の最下流位置から流出する有害成分の量を確実に低減できる。換言すると、中間ブロックiよりも下流側のブロックを予備的な触媒(バッファ)として用いることができる。
【0049】
また、このように中間ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度を利用する場合、上記パータベーション制御における空燃比の切り替え周期は、第1触媒53の最上流に位置するブロックから同中間ブロックまでの各ブロックで構成される触媒装置の上流部分の最大酸素吸蔵量が小さいほど短くなる。従って、前記触媒装置が劣化することにより、前記触媒装置の上流部分の最大酸素吸蔵量がある程度まで小さくなると、パータベーション制御における空燃比の切り替え周期が極端に短くなることで同空燃比が大きく変動(ハンチング)し、その結果、同パータベーション制御が破綻する場合がある。よって、前記触媒装置の上流部分の最大酸素吸蔵量が前記パータベーション制御の破綻を来さない程度に大きい値である閾値Cthよりも常に大きい値になるように、同触媒装置の劣化に応じて中間ブロックiの位置を順次下流側に移動するように構成すれば、上述した空燃比のハンチングの発生が回避され得る。
【0050】
以上の要求から、本排気浄化装置は、触媒モデルを使用することにより、触媒53,54毎、且つ、ブロック毎に、各ブロックから流出する排ガス中の酸素濃度を含む各特定排ガス成分の濃度、及び、最大酸素吸蔵量を推定する。そして、本排気浄化装置は、第1触媒53の最上流に位置する第1番目のブロックから順に現段階における各ブロックの最大酸素吸蔵量を積算していき、同第1番目のブロックから第n番目(値nは自然数であって、1<n<(r+m))のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部の各ブロックの最大酸素吸蔵量の積算値が前記閾値Cthよりも大きい値をとる同触媒装置上流部のうち値nが最も小さい触媒装置上流部を構成する第n番目のブロックを現段階における前記中間ブロックi(制御用ブロック)として設定し、同設定した中間ブロックiから流出する排ガス中の制御用酸素濃度CgoutO2cに基づいて上述した図4に示したパータベーション制御を実行する。従って、前記中間ブロックiは、触媒装置が劣化してその最大酸素吸蔵量が低下するにつれて徐々に下流側に移動することになる。
【0051】
以下、触媒モデルの具体的構成・内容について説明する。この触媒モデルは、第1触媒53及び第2触媒54の何れにも適用されるものであるが、以下、説明の便宜上、第1触媒53に対する触媒モデルについて説明する。
【0052】
先ず、触媒モデルにおいては、前述したように、第1触媒53を排ガスの入口(流入側、最上流側)Frから出口(流出側、最下流側)Rrに向う軸線に直交する面により複数の領域であるブロックに分割する(図5を参照)。即ち、第1触媒53を排ガスの流れ方向に沿って複数のブロックに仮想的に分割する。分割された各ブロックの軸線方向の長さはL(微小の長さでありdxとも書く。)である。なお、第1触媒53の軸方向に直交する平面で切断した断面の面積をdAとする。
【0053】
次に、任意のブロック(以下、「特定領域」と称呼する。)に注目し、同特定領域を通過する特定の化学種(特定成分)の物質の収支を考える。化学種は、排ガス中に含まれる成分であり、例えば、酸素O2、一酸化炭素CO、炭化水素HC、及び窒素酸化物NOxである。なお、化学種は、触媒に流入する排ガスの空燃比がリッチのときに同排ガス中に含まれる成分を総合したもの(リッチ成分)、或いは、触媒に流入する排ガスの空燃比がリーンのときに同排ガス中に含まれる成分を総合したもの(リーン成分)とすることもできる。触媒モデルにおいては、下記表1のように、種々の値が定義される。
【0054】
【表1】
【0055】
いま、時刻t〜t+Δtの所与の期間における特定領域での化学種の収支を考えると、図8に示したように、特定領域の排ガス相(単に、「ガス相」とも称呼する。)における化学種の変化量ΔMは、下記の(1)式に示したとおり、同特定領域に流入した同化学種の量Minから、同特定領域から流出した同化学種の量Moutと同特定領域のコート層に奪われた同化学種の量Mcoatとを減算した量と等しい。このように、触媒モデルは各特定領域における特定成分の物質収支に基づいて構築される。
【0056】
【数1】
【0057】
以下、(1)式の各項について個別に検討する。先ず、(1)式の左辺にある化学種の変化量ΔMは、下記(2)式により求めることができる。(2)式は、上記所与の期間における化学種の濃度変化量(化学種の濃度Cgの時間変化量を所与の期間に渡り積分した量)に微小体積σ・dA・dxを乗じた値を着目しているブロック(特定領域)の全体に渡って軸方向に積分したものである。
【0058】
【数2】
【0059】
(1)式の右辺第1項のMinは、単位時間あたりに特定領域に流入する排ガスの体積に相当する値である「特定領域に流入する排ガスの流速vginと同特定領域の断面積dAの積vgin・dA(実際には、断面積dAで開口率σの触媒内に流速vginの排ガスが流れ込むので、触媒内部での排ガスの流速はvgin/σとなり、この実際の流速vgin/σと触媒の実質的な断面積σ・dAの積)」に同流入する排ガス中の化学種の濃度Cginを乗じた値Cgin・vgin・dAを所与の期間に渡り積分した値である。また、(1)式の右辺第2項のMoutは、特定領域から流出する排ガスの流速vgoutと同特定領域の断面積dAの積vgout・dA(実際には、排ガスの流速vgout/σと実質的な断面積σ・dAの積)に同流出する排ガス中の前記化学種の濃度Cgoutを乗じた値Cgout・vgout・dAを所与の期間に渡り積分した値である。即ち、上記(1)式の右辺第1項及び第2項は下記(3)式のように記述することができる。
【0060】
【数3】
【0061】
ところで、特定領域に流入する排ガスの流速vginと同特定領域から流出する排ガスの流速vgoutとの間に大きな差異はないので、vg=vgin=vgoutとおくと、(3)式は、下記(4)式のように変形される。
【0062】
【数4】
【0063】
次に、(1)式の右辺第3項のコート層に伝達される(移動する)化学種の量Mcoatについて検討する。幾何学的表面積Sgeoは触媒の単位体積あたりの化学種の反応に寄与する表面積であるから、特定領域において化学種の反応に寄与する表面積はSgeo・dA・dxであり、同特定領域の単位長あたりに同反応に寄与する面積はSgeo・dAとなる。また、コート層に伝達される化学種の量は、フィックの法則から、排ガス相の化学種の濃度Cgとコート層の化学種の濃度Cwとの差に比例すると考えることができる。これらから、下記の(5)式が得られる。なお、hDは比例定数であるが、上記の表1に示したように、物質伝達率と称呼される値である。
【0064】
【数5】
【0065】
従って、上記(1),(2),(4)式、及び(5)式から、以下の(6)式が得られる。
【0066】
【数6】
【0067】
この(6)式に準定常(quasi state)近似を適用すると、(6)式の左辺は「0」(∂Cg/∂t=0)であると考えることができるから(即ち、濃度Cgは瞬間的に定常値に至ると考えられるから)、下記の(7)式が得られる。
【0068】
【数7】
【0069】
ここで、見かけの拡散速度(実質的な拡散速度)RDを(8)式のようにおけば、(7)式は(9)式に書き直される。
【0070】
【数8】
【0071】
【数9】
【0072】
次に、特定領域のコート層における化学種の収支(特定成分の物質収支)を上記と同様に考えると、下記(10)式に示したように、コート層内における化学種の時間的変化量(単位時間あたりの変化量)ΔMcは、単位時間あたりに排ガス相からコート層へ伝達される同化学種の量Mdから、同単位時間あたりにコート層にて反応により消費される同化学種の量Mrを減じた量である。
【0073】
【数10】
【0074】
(10)式の左辺(コート層内における化学種の時間的変化量)ΔMcは、下記(11)式に示したように、化学種の濃度変化(∂Cw/∂t)に体積((1−σ)・dA・dx)を乗じることにより求められ、右辺第1項(単位時間あたりに排ガス相からコート層へ伝達される化学種の量Md)は(5)式で説明した理由と同じ理由により、即ち、フィックの法則から考えると、下記(12)式のように記述することができる。
【0075】
【数11】
【0076】
【数12】
【0077】
また、(10)式の右辺第2項(単位時間あたりにコート層にて反応により消費される化学種の量Mr)は、コート層での化学種の消費速度Rを用いた下記(13)式により求められる。
【0078】
【数13】
【0079】
従って、(10)〜(13)式から、下記の(14)式が得られる。
【0080】
【数14】
【0081】
この(14)式に準定常(quasi state)近似を適用すると(∂Cw/∂t=0)、下記の(15)式が得られる。
【0082】
【数15】
【0083】
ここで、(15)式に(8)式を適用すれば、下記の(16)式が得られる。
【0084】
【数16】
【0085】
以上を要約すると、(9)式及び(16)式が触媒モデルの基本式である。(9)式は、ある化学種の「特定領域への流入量」と「排ガス相からコート層への拡散量+特定領域からの流出量」とが釣り合っていることを示し、(16)式は、同化学種の「排ガス相からコート層への拡散量」と「コート層での消費量」とが釣り合っていることを示している。
【0086】
次に、かかる触媒モデルを使用して特定領域から流出する特定の化学種iの濃度Cgoutを実際に算出するための方法について説明する。先ず、(9)式を離散化すると、下記(17)式が得られる。なお、以下においては上記dxをLとして表す。
【0087】
【数17】
【0088】
ここで、図9に概念的に示したように、特定領域Iから流出する化学種の濃度Cgoutは同特定領域Iの化学種の濃度Cg(I)の影響を強く受けると考えられるので、下記の(18)式のように置くことができる。かかる考え方は「風上法」と称呼される。換言すると、風上法とは、「特定領域Iに隣接する上流側の領域(I−1)における濃度Cg(I-1)の化学種が、特定領域Iに流入する。」という考え方であり、下記(19)式のように記述することもできる。
【0089】
【数18】
【0090】
【数19】
【0091】
ところで、反応速度論に基けば、ある化学種のコート層での消費速度Rは、その化学種のコート層の平均濃度Cwの関数fcw(例えば、Cwのn乗に比例する関数)となるので、この関数fcwを最も簡便となるようにCwに比例すると設定すれば、消費速度Rは(20)式にて示したように置くことができる。なお、以下において、(20)式中のR*を便宜上「消費速度定数」と称呼する。
【0092】
【数20】
【0093】
この(20)式を上記(16)式(R=RD・(Cg-Cw)…(16))に適用すると下記(21)式が得られ、同(21)式を変形することにより下記(22)式が得られる。
【0094】
【数21】
【0095】
【数22】
【0096】
また、上述した風上法によれば、Cg=Cgoutであるから、(22)式は下記(23)式に書き換えられる。
【0097】
【数23】
【0098】
そして、Cg=Cgoutなる関係を上記(17)式に適用してCgを消去するとともに、同(17)式と上記(23)式とからCwを消去すると、下記(24)式が得られる。
【0099】
【数24】
【0100】
そこで、値SPを下記(25)式のようにおけば、(24)式は(26)式のように書き直すことができる。値SPは、見かけの拡散速度RDと消費速度定数R*のうちの小さい方の値に強い影響を受ける値であるから、Cgoutの変化が物質の伝達(RD)又は化学的反応(R*)の何れにより律速されているかを示す値となっており、従って、「反応律速因子」と呼ぶこともできる。
【0101】
【数25】
【0102】
【数26】
【0103】
以上のことから、消費速度定数R*と見かけの拡散速度RDとを決定できれば、特定領域に流入する化学種濃度Cginを与えることにより、(25)式と(26)式とに基づいて同特定領域から流出する化学種の濃度Cgoutを求めることができる。また、これにより、次の特定領域に流入する化学種濃度Cginが定まるので、同次の特定領域の化学種の濃度Cgoutを算出することが可能となる。以上が、化学種の濃度Cgoutを算出する触媒モデルの基本的考え方である。
【0104】
次に、上記消費速度定数R*と見かけの拡散速度RDを決定するとともに、特定領域から流出する化学種濃度Cgoutを求める際のより具体的な方法の一例について説明する。この例(触媒モデル)では、触媒での酸化・還元反応である三元反応は瞬時に且つ完全に終了するものと仮定し、その結果としての酸素の過不足に基く酸素の吸蔵・放出反応に着目することとする。なお、この仮定(触媒モデル)は、現実的であり且つ精度の良いものである。
【0105】
この場合、着目する化学種iは、例えば、酸素O2や窒素酸化物の一つである一酸化窒素NOのように酸素を生成する(酸素をもたらす)化学種(ストレージ・エージェント)、及び、一酸化炭素COや炭化水素HCのように酸素を消費する化学種(リダクション・エージェント)から選ばれた化学種である。
【0106】
また、以下において、ストレージ・エージェントの化学種i(この場合、化学種iはO2又はNO等)のCgoutをCgout,stor,i、同化学種iのCwをCw,stor,i、同化学種iのCginをCgin,stor,i、同化学種iの見かけの拡散速度RDをRD,i、同化学種iの消費速度をRstor,i、同化学種iの消費速度定数をR*stor,i、及び同化学種iの反応律速因子をSPstor,iと表す。
【0107】
同様に、リダクション・エージェントの化学種i(この場合、化学種iはCO又はHC等)のCgoutをCgout,reduc,i、同化学種iのCwをCw,reduc,i、同化学種iのCginをCgin,reduc,i、同化学種iの見かけの拡散速度RDをRD,i、同化学種iの消費速度をRreduc,i、同化学種iの消費速度定数をR*reduc,i、及び同化学種iの反応律速因子SPreduc,iと表す。このように各値を表すと、上記(20),(23),(25),(26)式から以下の(27)〜(34)式が得られる。
【0108】
【数27】
【0109】
【数28】
【0110】
【数29】
【0111】
【数30】
【0112】
【数31】
【0113】
【数32】
【0114】
【数33】
【0115】
【数34】
【0116】
これらの式に基づいて、Cgout,sotr,i(具体的には、特定領域から流出する酸素の濃度Cgout,O2、特定領域から流出する一酸化窒素の濃度Cgout,NO)及びCgout,reduc,i(具体的には、特定領域から流出する一酸化炭素の濃度Cgout,CO、特定領域から流出する炭化水素の濃度Cgout,HC)を求めるため、先ず、消費速度定数R*stor,i及び消費速度定数R*reduc,iを求める。
【0117】
ところで、反応速度論によれば、特定領域のコート層で酸素が吸蔵される速度(酸素の吸蔵速度)であるストレージ・エージェントの消費速度Rstor,iは、同コート層のストレージ・エージェント(O2、NOx等)の濃度Cw,stor,i(例えば、Cw,O2、Cw,NO)の関数f1(Cw,stor,i)の値に比例するとともに、特定領域のコート層の最大酸素吸蔵密度と実際の酸素吸蔵密度との差(Ostmax-Ost)の関数f2(Ostmax-Ost)の値とに比例すると考えられる。この最大酸素吸蔵密度と酸素吸蔵密度との差(Ostmax-Ost)は、着目している特定領域における酸素吸蔵余裕量を表す。
【0118】
そこで、簡単のために関数f1(x)=f2(x)=xとすると、下記の(35)式が得られる。下記(35)式のkstor,iは酸素吸蔵速度係数(吸蔵側反応速度係数,ストレージ・エージェントの消費速度係数)であって、よく知られたアレニウスの式で表される温度に依存して変化する係数であり、別途検出又は推定される触媒温度Tempと所定の関数(酸素吸蔵速度係数kstor,iと触媒温度Tempとの間の関係を規定したマップでも良い。)とに基づいて求めることができる。なお、酸素吸蔵速度係数kstor,iは、触媒劣化程度に応じても変化するので、同触媒劣化程度に応じて求めてもよい。
【0119】
【数35】
【0120】
従って、(27)式と(35)式とから、消費速度定数R*stor,iは下記(36)式により求めることができる。
【0121】
【数36】
【0122】
また、酸素の吸蔵(吸着)と放出のみに着目しているこの触媒モデルにおいては、還元剤であるリダクション・エージェントはコート層に吸蔵されている酸素の放出のみに使用されるから、同リダクション・エージェントの消費速度Rreduc,iはコート層に吸蔵されている酸素が放出される速度(酸素の放出速度)Rrel,iと等しい。
【0123】
そこで、酸素の放出速度Rrel,iについて検討すると、同放出速度Rrel,iは、酸素の吸蔵速度Rstor,iと同様に反応速度論に基き、同コート層において酸素を消費する化学種(例えば、CO,HC)の濃度Cw,reduc,i(例えば、Cw,CO、Cw,HC)の関数g1(Cw,reduc,i)の値に比例するとともに、酸素吸蔵密度Ostの関数g2(Ost)の値とに比例すると考えられる。
【0124】
そこで、簡単のために関数g1(x)=g2(x)=xとすると、下記の(37)式が得られる。下記(37)式のkrel,iは酸素放出速度係数(吸脱側反応速度係数)であって、酸素吸蔵速度係数kstor,iと同様にアレニウスの式で表される温度に依存して変化する係数であり、別途検出又は推定される触媒温度Tempに基づいて所定の関数(酸素放出速度係数krel,iと触媒温度Tempとの間の関係を規定したマップでも良い。)に基づいて求めることができる。なお、酸素放出速度係数krel,iは、触媒劣化程度に応じても変化するので、同触媒劣化程度に応じて求めてもよい。
【0125】
【数37】
【0126】
この結果、上述したようにリダクション・エージェントの消費速度Rredcu,iはコート層の酸素の放出速度Rrel,iと等しいから、消費速度定数R*reduc,iは(31)式と(37)式とを比較することにより得られる下記(38)式に基づいて求めることができる。
【0127】
【数38】
【0128】
以上のことから、酸素吸蔵密度Ostが求められれば(酸素吸蔵密度Ostの求め方については、後述する。)、(36)式から消費速度定数R*stor,i(例えば、R*O2)を求めることができる。一方、見かけの拡散速度RD,i(例えば、RD,O2)は(8)式のようにSgeo・hD,iであるから、温度と流量の関数(触媒の温度と同触媒を通過する排ガスの流量の関数)として実験的に求めておくことができる。この結果、(29)式からSPstor,i(例えば、SPstor,O2)が決定されるので、境界条件としてCgin,stor,i(例えば、Cgin,O2)が与えられるとき、(30)式からCgout,stor,i(例えば、Cout,O2)が求められる。そして、新たなCw,stor,i(例えば、Cw,O2)が(28)式により求められる。
【0129】
同様に、酸素吸蔵密度Ostが求められれば、(38)式から消費速度定数R*reduc,i(例えば、R*reduc,CO)を求めることができる。一方、見かけの拡散速度RD,i(例えば、RD,CO)は(8)式のようにSgeo・hD,iであるから、温度と流量の関数(触媒の温度と同触媒を通過する排ガスの流量の関数)として実験的に求めておくことができる。この結果、(33)式からSPreduc,i(例えば、SPreduc,CO)が決定されるので、境界条件としてCgin,reduc,i(例えば、Cgin,CO)が与えられるとき、(34)式からCgout,reduc,i(例えば、Cgout,CO)が求められる。そして、新たなCw,reduc,i(例えば、Cw,CO)が(32)式により求められる。
【0130】
次に、Cgout,stor,i、Cgout,reduc,iを求めるために必要となる酸素吸蔵密度Ostの求め方について説明する。
【0131】
先ず、コート層での化学種としての酸素の収支について着目すると、同収支はコート層での酸素の吸蔵分と酸素の放出分の差であるから、下記(39)式により記述される。(39)式でdA・Lは特定領域の体積dVである。
【0132】
【数39】
【0133】
この(39)式を変形すると、下記(40)式が得られる。
【0134】
【数40】
【0135】
この(40)式を、(35)式と(37)式とを用いながら離散化すると、下記の(41)式が得られる。
【0136】
【数41】
【0137】
この(41)式を変形すると、下記(42)式〜(44)式が得られ、これらから酸素吸蔵密度Ostを求めること(更新して行くこと)ができる。
【0138】
【数42】
【0139】
【数43】
【0140】
【数44】
【0141】
このように、式(42)〜(44)式から酸素吸蔵密度Ostが求められるので、上述したようにCgout,stor,i、Cgout,reduc,iを求めることができる。以上のようにして、各ブロックから流出する排ガス中の酸素濃度を求める手段がガス空燃比関連値取得手段に相当する。また、酸素吸蔵密度Ostが求められるから、下記(45)式に基づいて特定領域の酸素吸蔵量OSAを求めることができる。
【数45】
【0142】
従って、触媒に流入する化学種濃度Cgin,iが境界条件として与えられたとき、触媒上流のブロック(特定領域)から、順次、(45)式を用いて各ブロックの酸素吸蔵量OSAを求めることができ、これにより、触媒内部の酸素吸蔵量の分布が精度良く推定される。また、各ブロックの酸素吸蔵量OSAを触媒全体について積算すれば、同触媒全体の酸素吸蔵量についても精度良く推定することができる。以上が、本排気浄化装置が使用する触媒モデルである。そして、本排気浄化装置は、先に説明したように、別途後述するように求めた各ブロック毎の最大酸素吸蔵量に基づいて、第1触媒53の各ブロック及び第2触媒54の各ブロックの中から上述した制御用ブロックi(中間ブロックi、1<i<(r+m))を決定(選択)し、触媒モデルにより推定されている同決定された制御用ブロックiから流出する排ガス中の制御用酸素濃度CgoutO2cを用いて図4に示した空燃比のパータベーション制御を行う。
【0143】
(実際の作動)
次に、上記排気浄化装置の第1実施形態の実際の作動について、CPU71が実行するルーチンを示したフローチャートを参照しながら説明する。なお、本排気浄化装置の触媒モデルは、酸素及び一酸化窒素をストレージエージェントとして考慮し、一酸化炭素及び炭化水素をリダクションエージェントとして考慮している。これに対し、酸素のみでストレージエージェントを代表させてもよいし、一酸化炭素のみでリダクションエージェントを代表させてもよい。
【0144】
CPU71は、各気筒のクランク角が各吸気上死点前の所定クランク角度(例えば、BTDC90°CA)となる毎に、図10に示したルーチンを繰り返し実行するようになっている。従って、任意の気筒のクランク角度が前記所定クランク角度になると、CPU71はステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、エアフローメータ61により計測された吸入空気流量Gaと、エンジン回転速度NEと、後述するルーチンにより求められている目標空燃比abyfr(k)とに基いて、機関に供給される混合気の空燃比を同目標空燃比abyfr(k)とするための基本燃料噴射量Fbaseをマップから求める。
【0145】
次いで、CPU71はステップ1010に進み、基本燃料噴射量Fbaseに係数Kを乗じた値に後述する空燃比フィードバック補正量(メインフィードバック制御量)DFiを加えた値を最終燃料噴射量Fiとして設定する。この係数Kの値は、通常は「1.00」であり、後述するように、各触媒53,54の各最大酸素吸蔵量CmaxSCall,CmaxUFallを求めるために強制的に空燃比を変更するとき、「1.00」以外の所定値に設定される。
【0146】
ついで、CPU71はステップ1015に進み、最終燃料噴射量Fiの燃料を噴射するための指示をインジェクタ39に対して行う。その後、CPU71はステップ1020に進み、その時点の燃料噴射量合計量mfrに最終燃料噴射量Fiを加えた値を新たな燃料噴射量積算値mfrに設定する。この燃料噴射量積算値mfrは、後述する酸素吸蔵量を算出する際に用いられる。その後、CPU71はステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。以上により、フィードバック補正された最終燃料噴射量Fiの燃料が吸気行程を迎える気筒に対して噴射される。
【0147】
次に、制御用ブロック及び制御用酸素濃度CgoutO2cの決定方法について説明すると、CPU71は図11に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1100から処理を開始し、ステップ1105に進んで判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChに「0」を設定し、続くステップ1110にてカウンタ値nの値を「0」に設定する。次いで、CPU71はステップ1115に進み、カウンタ値nの値を「1」だけ増大してステップ1120に進み、現時点の判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChに、その時点で求められている第1触媒53のブロックnにおける最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>(この時点ではカウンタ値nの値は「1」であるから、第1触媒53のブロック1における最大酸素吸蔵量CmaxSC<1>)を加えて新たな判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChを求める。
【0148】
次に、CPU71はステップ1125に進み、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChが所定の閾値Cthより大きいか否かを判定する。このとき、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChが所定の閾値Cthより小さければ、CPU71はステップ1125にて「No」と判定してステップ1130に進みカウンタ値nの値が第1触媒53の総ブロック数rと等しいか否かを判定する。
【0149】
現時点ではカウンタ値nの値は「1」である。従って、CPU71はステップ1130にて「No」と判定し、再びステップ1115に戻ってカウンタ値nの値を「1」だけ増大し、ステップ1120及びステップ1125の処理を実行する。この結果、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChは、第1触媒53の最上流のブロックである第1番目のブロックと第2番目のブロックの最大酸素吸蔵量の積算値CmaxSC<1>+CmaxSC<2>となる。そして、この積算値CmaxSC<1>+CmaxSC<2>が閾値Cthを超えなければCPU71はステップ1125から再びステップ1130に進み、更に、カウンタ値nの値が前記ブロック数rと等しくなければ再びステップ1115にてカウント値nの値を「1」だけ増大し、ステップ1120の処理を実行する。この結果、その時点の判定用最大酸素吸蔵量CmaxSCh(この時点ではCmaxSC<1>+CmaxSC<2>)に第1触媒53のブロックnの最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>(この時点ではn=3であるあるからCmaxSC<3>)が加算され、新たな判定用最大酸素吸蔵量CmaxSCh(=CmaxSC<1>+CmaxSC<2>+CmaxSC<3>)が求められる。
【0150】
このような処理は、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChが閾値Cthを超えない限り繰り返し行われる。従って、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChは、第1触媒53の最上流のブロックである第1番目のブロックから第n番目のブロックまでの各ブロックnの最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>の積算値(合計値)として求められる。
【0151】
このような処理の実行中、判定用最大酸素吸蔵量CmaxSChが所定の閾値Cthより大きくなった場合、CPU71はステップ1125にて「Yes」と判定してステップ1135に進み、制御用酸素濃度CgoutO2cに第1触媒53の第n番目のブロックnから流出する後述する排ガス中の酸素濃度CgoutSC,O2<n>を設定し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合、制御用ブロック(中間ブロック)iは、第1触媒53の第n番目のブロックnとなる(i=n)。
【0152】
また、第1触媒53の第1番目のブロックから第r番目のブロックの総べてのブロックの各最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>の積算値(即ち、第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCall)が所定の閾値Cthより小さいとき、CPU71はステップ1125にて「Yes」と判定することはなく、カウンタ値nの値がrとなったときにステップ1130にて「Yes」と判定し、ステップ1140に進んで判定用最大酸素吸蔵量CmaxUFhに第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCallを設定する。次いで、CPU71は、ステップ1145にてカウンタ値nの値を「0」に設定し、ステップ1150以降に進む。
【0153】
ステップ1150〜ステップ1165までの処理は、ステップ1115〜ステップ1130までの処理と同様である。簡単に説明すると、CPU71は、ステップ1150及びステップ1155にて第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCallに第2触媒54の最上流のブロック(第1番目のブロック)から同第2触媒54の第n番目のブロックまでの各ブロックnの最大酸素吸蔵量CmaxUF<n>の積算値を加えた値を、判定用最大酸素吸蔵量CmaxUFhとして求める。第2触媒54の第n番目となるブロックnは第1触媒53の最上流のブロックから数えて(r+n)番目のブロックということになる。従って、(r+n)をpとするとき、判定用最大酸素吸蔵量CmaxUFhは、第1触媒53及び第2触媒54を一つの触媒装置とみなしたときの最上流のブロックである第1番目のブロックから第p番目のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部の各ブロックの最大酸素吸蔵量の積算値ということになる。
【0154】
そして、CPU71は、判定用最大酸素吸蔵量CmaxUFhが所定の閾値Cthより大きくなった場合、ステップ1160にて「Yes」と判定してステップ1170に進み、制御用酸素濃度CgoutO2cに第2触媒54の第n番目のブロックから流出する後述する排ガス中の酸素濃度CgoutUF,O2<n>を設定し、ステップ1995に進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合、制御用ブロック(中間ブロック)iは、第2触媒54の第n番目のブロックnとなる(i=r+n)。
【0155】
また、第1触媒53〜第2触媒54の各最大酸素吸蔵量の和(CmaxSCall+CmaxUFall)が所定の閾値Cthより小さいとき、CPU71はステップ1160にて「Yes」と判定することはなく、カウンタ値nの値が第2触媒54のブロック数mとなったときステップ1165にて「Yes」と判定し、この場合は上記ステップ1170を経由してステップ1195に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0156】
このように、nを自然数とし、第1触媒53〜第2触媒54を一つの触媒装置とみなしたとき、その触媒装置の第1番目のブロックから第n番目のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部の各ブロックの最大酸素吸蔵量の積算値(判定用最大酸素吸蔵量)が所定の閾値Cthを超える触媒装置上流部のうち、前記値nが最も小さい触媒装置上流部の最下流のブロック(第1触媒53の第1番目のブロックから数えて第n番目のブロック)である制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度が制御用酸素濃度CgoutO2cとして設定される。従って、制御用ブロックiは、触媒装置が劣化してその最大酸素吸蔵量が低下するにつれて徐々に下流側に移動することになる。
【0157】
次に、上記目標空燃比abyfr(k)の算出について説明すると、CPU71は図12に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1200から処理を開始し、ステップ1205に進んで、後述する空燃比強制設定制御実行中フラグXHANの値が「0」であるか否かを判定する。なお、空燃比強制設定制御実行中フラグXHANは、その値が「1」のとき最大酸素吸蔵量CmaxSCall,CmaxUFallの算出のために強制的に空燃比を変更する空燃比制御(アクティブ制御)を実行していることを示し、その値が「0」のとき同最大酸素吸蔵量CmaxSCall,CmaxUFallの算出のための空燃比制御を実行していないことを示す。
【0158】
いま、最大酸素吸蔵量算出のための空燃比制御を実行しておらず、且つ、上述した図11のルーチンにて求められている制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度である制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefpls以下の状態から同正の閾値Crefplsより大きい状態へと変化したとして説明を続ける。この場合、CPU71はステップ1205にて「Yes」と判定してステップ1210に進み、CgoutO2cが正の閾値Crefplsより大きいか否かを判定する。前述の仮定に従えば、CgoutO2cは正の閾値Crefplsより大きいので、CPU71はステップ1210にて「Yes」と判定してステップ1215に進み、同ステップ1215にて本ルーチンを前回実行したときの(前回の)CgoutO2cが閾値Crefpls以下であるか否かを判定する。前述の仮定に従えば、前回のCgoutO2cは正の閾値Crefpls以下であるので、CPU71はステップ1215にて「Yes」と判定してステップ1220に進み、同ステップ1220にて目標空燃比abyfr(k)に理論空燃比stoichよりも所定値α2だけリッチの空燃比を設定し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0159】
このように、本排気浄化装置は、制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefpls以下の状態から同正の閾値Crefplsより大きい状態へと変化したとき、目標空燃比abyfr(k)を理論空燃比stoichよりも所定値α2だけリッチの空燃比に変更し、これ以降、CPU71は図10のステップ1005に進んだとき基本燃料噴射量Fbaseを、機関に供給される混合気の空燃比(従って、第1触媒53に流入する空燃比)を同目標空燃比abyfr(k)(理論空燃比stoich−α2)とするための値に変更する。この結果、第1,第2触媒53,54にリッチな空燃比の排ガスが流入するようになり、図4の時刻t2〜t3に示したように、制御ブロックiから流出する酸素濃度CgoutO2cが略「0」に維持されるようになる。
【0160】
なお、今回及び前回の制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefplsより大きいとき、CPU71はステップ1210にて「Yes」、ステップ1215にて「No」と判定し、そのままステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、目標空燃比abyfr(k)は理論空燃比stoich−α2に維持され、機関に供給される混合気の空燃比も理論空燃比−α2に近づくように調整される。
【0161】
一方、最大酸素吸蔵量算出のための空燃比制御を実行しておらず、且つ、制御用ブロックiから流出する酸素濃度CgoutO2cが負の閾値Crefmns以上の状態から同負の閾値Crefmnsより小さい状態へと変化したとして説明を続ける。この場合、CPU71はステップ1205にて「Yes」、ステップ1210にて「No」と判定してステップ1225に進み、CgoutO2cが負の閾値Crefmnsより小さいか否かを判定する。前述の仮定に従えば、CgoutO2cは負の閾値Crefmnsより小さいので、CPU71はステップ1225にて「Yes」と判定してステップ1230に進み、同ステップ1230にて本ルーチンを前回実行したときの(前回の)CgoutO2cが閾値Crefmns以上であるか否かを判定する。前述の仮定に従えば、前回のCgoutO2cは閾値Crefmns以上であるので、CPU71はステップ1230にて「Yes」と判定してステップ1235に進み、同ステップ1235にて目標空燃比abyfr(k)に理論空燃比stoichよりも所定値α1だけリーンの空燃比を設定し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0162】
このように、本排気浄化装置は、制御用酸素濃度CgoutO2cが負の閾値Crefmns以上の状態から同負の閾値Crefmnsより小さい状態へと変化したとき、目標空燃比abyfr(k)を理論空燃比stoichよりも所定値α1だけリーンの空燃比に変更し、これ以降、CPU71は図10のステップ1005に進んだとき基本燃料噴射量Fbaseを、機関に供給される混合気の空燃比を同目標空燃比abyfr(k)(理論空燃比stoich+α1)とするための値に変更する。この結果、第1,第2触媒53,54にリーンな空燃比の排ガスが流入するようになり、図4の時刻t1〜t2及び時刻t3〜t4に示したように、制御ブロックiから流出する酸素濃度CgoutO2cが略「0」に維持されるようになる。
【0163】
なお、今回及び前回の酸素濃度CgoutO2cが負の閾値Crefmnsより小さいとき、CPU71はステップ1210にて「No」、ステップ1225にて「Yes」、ステップ1230にて「No」と判定し、そのままステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、目標空燃比abyfr(k)は理論空燃比stoich+α1に維持され、機関に供給される混合気の空燃比も理論空燃比+α1に近づくように調整される。
【0164】
また、最大酸素吸蔵量算出のための空燃比制御を実行中であれば空燃比強制設定制御実行中フラグXHANの値が「1」になっているので、CPU71はステップ1205にて「No」と判定してステップ1240に進み、同ステップ1240に目標空燃比abyfr(k)の値を理論空燃比stoichに設定し(上述したように最大酸素吸蔵量算出のための空燃比制御は図10のステップ1010の係数Kの値を変更することで行う。)、次いでステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上のように、目標空燃比abyfr(k)は、制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度である制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefplsと負の閾値Crefmnsとの間の所定値になるように決定される。
【0165】
次に、上記メインフィードバック制御量DFiの算出について説明すると、CPU71は図13にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1300から処理を開始し、ステップ1305に進んで空燃比フィードバック制御条件(メインフィードバック条件)が成立しているか否かを判定する。この空燃比フィードバック制御条件は、例えば、機関の冷却水温THWが第1所定温度以上であり、機関の一回転当りの吸入空気量(負荷、筒内吸入空気量Mc)が所定値以下であり、最上流空燃比センサ66が正常(活性状態であることを含む。)であり、且つ、後述する空燃比強制設定制御実行中フラグXHANの値が「0」のときに成立する。
【0166】
いま、空燃比フィードバック制御条件が成立しているものとして説明を続けると、CPU71はステップ1305にて「Yes」と判定してステップ1310に進み、現時点の最上流空燃比センサ66の出力vabyfsを図2に示したマップに基いて変換することにより、現時点における第1触媒53上流の実空燃比abyfsを求める。
【0167】
次に、CPU71はステップ1315に進み、現時点からNストローク(N回の吸気行程)前に吸気行程を迎えた気筒の吸入空気量である筒内吸入空気量Mc(k−N)を前記求めた実空燃比abyfsで除することにより、現時点からNストローク前の筒内燃料供給量Fc(k−N)を求める。値Nは、内燃機関の排気量、燃焼室25から最上流空燃比センサ66までの距離等により異なる値である。
【0168】
このように、現時点からNストローク前の筒内燃料供給量Fc(k−N)を求めるために、現時点からNストローク前の筒内吸入空気量Mc(k−N)を現時点における実空燃比abyfsで除するのは、燃焼室25内で燃焼された混合気が最上流空燃比センサ66に到達するまでには、Nストロークに相当する時間を要しているからである。なお、筒内吸入空気量Mcは、各気筒の吸気行程に対応されながらRAM73内に記憶されるようになっている。
【0169】
次いで、CPU71はステップ1320に進み、現時点からNストローク前の筒内吸入空気量Mc(k−N)を現時点からNストローク前の時点において図12のルーチンにて既に求められている目標空燃比abyfr(k−N)で除することにより、現時点からNストローク前の目標筒内燃料供給量Fcr(k−N)を求める。そして、CPU71はステップ1325に進んで目標筒内燃料供給量Fcr(k−N)から筒内燃料供給量Fc(k−N)を減じた値を筒内燃料供給量偏差DFcとして設定する。つまり、筒内燃料供給量偏差DFcは、Nストローク前の時点で筒内に供給された燃料の過不足分を表す量となる。次に、CPU71はステップ1330に進み、下記数46に基いてメインフィードバック制御量DFiを求める。
【0170】
【数46】
DFi=(Gp・DFc+Gi・SDFc)・KFB
【0171】
上記数46において、Gpは予め設定された比例ゲイン(比例定数)、Giは予め設定された積分ゲイン(積分定数)である。なお、数46の係数KFBはエンジン回転速度NE、及び筒内吸入空気量Mc等により可変とすることが好適であるが、ここでは「1」としている。また、値SDFcは筒内燃料供給量偏差DFcの積分値であり、次のステップ1335にて更新される。即ち、CPU71は、ステップ1335にてその時点における筒内燃料供給量偏差DFcの積分値SDFcに上記ステップ1325にて求めた筒内燃料供給量偏差DFcを加えて、新たな筒内燃料供給量偏差の積分値SDFcを求め、ステップ1395にて本ルーチンを一旦終了する。
【0172】
以上により、メインフィードバック制御量DFiが比例積分制御により求められ、このメインフィードバック制御量DFiが前述した図10のステップ1010により燃料噴射量に反映されるので、Nストローク前の燃料供給量の過不足が補償され、内燃機関に供給される混合気の空燃比の平均値が目標空燃比abyfrと略一致せしめられるようにフィードバック制御される。
【0173】
一方、ステップ1305の判定時において、空燃比フィードバック制御条件が不成立であると、CPU71は同ステップ1305にて「No」と判定してステップ1340に進み、メインフィードバック制御量DFiの値を「0」に設定し、その後ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。このように、空燃比フィードバック制御条件が不成立であるとき(空燃比強制設定制御実行中を含む)は、メインフィードバック制御量DFiを「0」として空燃比(基本燃料噴射量Fbase)の補正を行わない。
【0174】
次に、最大酸素吸蔵量算出のために強制的に空燃比を変更する最大酸素吸蔵量取得制御について説明する。CPU71は図14〜図18のフローチャートにより示された各ルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。
【0175】
従って、所定のタイミングになると、CPU71は図14のステップ1400から処理を開始し、ステップ1405に進んで最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値が「0」であるか否かを判定する。いま、最大酸素吸蔵量算出のための最大酸素吸蔵量取得制御を行っておらず、且つ、最大酸素吸蔵量取得制御開始条件が成立していないとして説明を続けると、最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値は「0」となっている。従って、CPU71はステップ1405にて「Yes」と判定してステップ1410に進み、先に説明した図10のステップ1010にて使用される係数Kの値を1.00に設定する。
【0176】
次いで、CPU71はステップ1415にて最大酸素吸蔵量取得制御の開始条件が成立しているか否かを判定する。この最大酸素吸蔵量取得制御の開始条件は、冷却水温THWが所定温度以上であり、図示しない車速センサにより得られた車速が所定の高車速以上であり、スロットル弁開度TAの単位時間あたりの変化量が所定量以下である等の機関が定常運転されている条件が成立し、第1,第2触媒下流空燃比センサ出力voxs1,voxs2が共に理論空燃比よりもリッチな空燃比に相当する出力を発生し、且つ、前回の最大酸素吸蔵量取得制御実行時点から所定時間が経過している場合等に成立する。現段階では、上述したように、最大酸素吸蔵量取得制御の開始条件は成立していないから、CPU71はステップ1415にて「No」と判定してステップ1495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0177】
次に、現時点では最大酸素吸蔵量取得制御を行っていないが、最大酸素吸蔵量取得制御の開始条件が成立したものとして説明を続けると、この場合、CPU71はステップ1405にて「Yes」と判定してステップ1410に進み、同ステップ1410にて係数Kの値を1.00に設定する。次いで、CPU71は、開始条件が成立しているので、ステップ1415にて「Yes」と判定してステップ1420に進み、同ステップ1420にて最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値を「1」に設定する。
【0178】
そして、CPU71はステップ1425に進み、第1モードに移行するためにModeの値を「1」に設定するとともに、続くステップ1430にて係数Kの値を0.98に設定し、ステップ1495に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、前述の空燃比フィードバック制御条件が成立しなくなるから、CPU71は図13のステップ1305にて「No」と判定してステップ1340に進むようになり、空燃比フィードバック補正量DFiの値は「0」に設定される。この結果、図10のステップ1010の実行により、基本燃料噴射量Fbaseが0.98倍された値が最終燃料噴射量Fiとして算出され、この最終燃料噴射量Fiの燃料が噴射されるので、機関に供給される混合気の空燃比(従って、第1触媒53に流入するガスの空燃比)は理論空燃比よりもリーンな所定のリーン空燃比に制御される。
【0179】
以降、CPU71は図14のルーチンの処理をステップ1400から繰り返し実行するが、最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値が「1」となっていることから、ステップ1405にて「No」と判定して直ちにステップ1495に進み、本ルーチンを一旦終了するようになる。
【0180】
一方、CPU71は図15に示した第1モード制御ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングとなると、CPU71はステップ1500から処理を開始してステップ1505に進み、同ステップ1505にてModeの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、Modeの値が「1」でなければ、CPU71は直ちにステップ1595に進んで本ルーチンを一旦終了する。以下、先の図14のステップ1425の処理によりModeの値が「1」に変更された直後であるとして説明を続けると、この場合、CPU71はステップ1505にて「Yes」と判定してステップ1510に進み、第1触媒下流空燃比センサ出力voxs1、及び第2触媒下流空燃比センサ出力voxs2が共に理論空燃比よりもリーンな空燃比に相当する出力(酸素が過剰に存在する場合の出力)となったか否かを判定する。
【0181】
現時点では、機関に供給される混合気の空燃比を所定のリーン空燃比に変更した直後であるから、第1触媒下流空燃比センサ出力voxs1、及び第2触媒下流空燃比センサ出力voxs2が共に理論空燃比よりもリーンな空燃比に相当する出力とはなっていないので、CPU71はステップ1510にて「No」と判定し、ステップ1595にて本ルーチンを一旦終了する。
【0182】
以降、CPU71は図15のステップ1500〜1510を繰り返し実行する。また、空燃比は所定のリーン空燃比に維持されているから、時間経過に伴って第1触媒53から第2触媒54の順に各酸素吸蔵量が各触媒の最大酸素吸蔵量に到達する。従って、これに応じて第1触媒下流空燃比センサ出力voxs1、及び第2触媒下流空燃比センサ出力voxs2は、順に理論空燃比よりもリーンな空燃比に相当する出力に変化する。これにより、CPU71はステップ1510に進んだとき、同ステップ1510にて「Yes」と判定してステップ1515に進み、同ステップ1515にてModeの値を「2」に設定するとともに、続くステップ1520にて係数Kの値を1.02に設定し、その後ステップ1595にて本ルーチンを一旦終了する。この結果、機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりリッチな所定のリッチ空燃比に制御される。
【0183】
また、CPU71は図16にフローチャートにより示した第2モード制御ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、CPU71は、所定のタイミングになると、ステップ1600から処理を開始し、ステップ1605にてModeの値が「2」であるか否かを判定し、Modeの値が「2」でなければステップ1605からステップ1695に進んで本ルーチンを一旦終了するように作動している。
【0184】
一方、先のステップ1515の処理によりModeの値が「2」に変更されると、CPU71はステップ1605に進んだとき「Yes」と判定してステップ1610に進み、同ステップ1610にて第1触媒下流空燃比センサ67の出力voxs1が理論空燃比よりリーンな空燃比を示す値から同理論空燃比よりリッチな空燃比を示す値に変化したか否かを判定する。この時点では、空燃比が前記所定のリッチ空燃比に変更された直後であるから、CPU71はステップ1610にて「No」と判定し、ステップ1695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0185】
これ以降、機関に供給される混合気の空燃比は前記所定のリッチ空燃比に維持されるから、第1触媒53に貯蔵されている酸素が消費されて行き、所定の時間が経過すると同第1触媒53の酸素吸蔵量が「0」に至る。この結果、第1触媒53から未燃HC,COが流出し始めるので、第1触媒下流空燃比センサ67の出力voxs1が理論空燃比よりリーンな空燃比を示す値から同理論空燃比よりリッチな空燃比を示す値に変化する。これにより、CPU71は、ステップ1610に進んだとき同ステップ1610にて「Yes」と判定してステップ1615に進み、同ステップ1615にてModeの値を「3」に変更し、ステップ1695にて本ルーチンを一旦終了する。
【0186】
同様に、CPU71は、所定時間の経過毎に繰り返し実行する図17にフローチャートにより示した第3モード制御ルーチンにおいて、ステップ1705にてModeの値が「3」であるか否かを判定し、Modeの値が「3」でなければステップ1705からステップ1795に進んで本ルーチンを一旦終了している。
【0187】
一方、先のステップ1615の処理によりModeの値が「3」に変更されると、CPU71はステップ1705に進んだとき「Yes」と判定してステップ1710に進み、同ステップ1710にて第2触媒下流空燃比センサ68の出力voxs2が理論空燃比よりリーンな空燃比を示す値から同理論空燃比よりリッチな空燃比を示す値に変化したか否かを判定する。この時点では、第1触媒53から未燃HC,COが流出し始めた直後であり、第2触媒54から未燃HC,COは流出してこないので、CPU71はステップ1710にて「No」と判定し、ステップ1795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0188】
その後、機関に供給される混合気の空燃比は、引き続いて前記所定のリッチ空燃比に維持されるから、第2触媒54に貯蔵されている酸素が消費されて行き、所定の時間が経過すると同第2触媒54の酸素吸蔵量が「0」に至る。この結果、第2触媒54から未燃HC,COが流出し始めるので、第2触媒下流空燃比センサ68の出力voxs2が理論空燃比よりリーンな空燃比を示す値から同理論空燃比よりリッチな空燃比を示す値に変化する。これにより、CPU71はステップ1710からステップ1715に進み、Modeの値を「0」に再設定し、続くステップ1720にて最大酸素吸蔵量取得制御から前述したパータベーション制御に移行するため目標空燃比abyfr(k)を理論空燃比stoichから前記所定値α1だけリーンな空燃比に設定した後、続くステップ1725にて最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値を「0」に設定し、ステップ1795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0189】
この状態となると、CPU71は図14のルーチンを実行する際、ステップ1405にて「Yes」と判定してステップ1410に進むので、係数Kの値が1.00に戻される。また、図10のステップ1005にて機関に供給される混合気の空燃比をリーン空燃比(stoich+α1)に設定されている目標空燃比abyfr(k)とするための基本燃料噴射量Fbaseが算出され、また、空燃比フィードバック制御条件が成立していれば、CPU71は図13のルーチンのステップ1305にて「Yes」と判定するから、空燃比フィードバック制御(メインフィードバック制御)が再開される。
【0190】
以上、説明したように、最大酸素吸蔵量取得制御の開始条件が成立すると、機関に供給される混合気の空燃比が所定のリーン空燃比、所定のリッチ空燃比の順に1回づつ強制的に制御される。
【0191】
次に、最大酸素吸蔵量取得のための酸素吸蔵量の算出における作動について説明する。CPU71は図18のフローチャートにより示されたルーチンを所定時間(演算周期tsample)の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1800から処理を開始し、ステップ1805に進んで下記数47により酸素吸蔵量変化量ΔO2を求める。
【0192】
【数47】
ΔO2=0.23・mfr・(stoich − abyfsave)
【0193】
上記数47において、値「0.23」は大気中に含まれる酸素の重量割合である。mfrは所定時間tsample内の燃料噴射量Fiの合計量であり、stoichは理論空燃比(例えば、14.7)である。abyfsaveは所定時間tsampleにおいて最上流空燃比センサ66により検出された空燃比A/Fの平均値である。この数47に示したように、所定時間tsample内の噴射量の合計量mfrに、検出された空燃比A/Fの平均値の理論空燃比からの偏移(stoich − abyfsave)を乗じることで、同所定時間tsampleにおける空気の消費量(不足量)が求められる。この空気の消費量に酸素の重量割合を乗じることで同所定時間tsampleにおける酸素の消費量(酸素吸蔵量変化量ΔO2)が求められる。
【0194】
次いで、CPU71はステップ1810に進んでModeの値が「2」であるか否か(第2モードであるか否か)を判定し、Modeの値が「2」であれば同ステップ1810にて「Yes」と判定してステップ1815に進み、その時点の酸素吸蔵量OSA1に上記酸素吸蔵量変化量ΔO2を加えた値を新たな酸素吸蔵量OSA1として設定し、その後ステップ1830に進む。
【0195】
このような処置(ステップ1800〜1815)は、Modeの値が「2」である限り繰り返し実行される。この結果、第1触媒53の上流の空燃比が所定のリッチ空燃比とされる第2モード(Mode=2)において、第1触媒53の酸素吸蔵量OSA1が算出されて行く。第2モードにおいては、第1触媒53に貯蔵されている酸素が消費されて行くからである。なお、ステップ1810での判定において「No」と判定される場合、CPU71は同ステップ1810からステップ1820に直接進む。
【0196】
CPU71は、ステップ1820に進んだ場合、Modeの値が「3」であるか否か(第3モードであるか否か)を判定し、Modeの値が「3」であれば同ステップ1820にて「Yes」と判定してステップ1825に進み、その時点の酸素吸蔵量OSA2に上記酸素吸蔵量変化量ΔO2を加えた値を新たな酸素吸蔵量OSA2として設定し、その後ステップ1830に進む。
【0197】
このような処置(ステップ1800,1805,1810,1820,1825)は、Modeの値が「3」である限り繰り返し実行される。この結果、第1触媒53の上流の空燃比が所定のリッチ空燃比とされる第3モード(Mode=3)において、第2触媒54の酸素吸蔵量OSA2が算出されて行く。第3モードにおいては、第2触媒54に貯蔵されている酸素が消費されて行くからである。なお、ステップ1820での判定において「No」と判定される場合、CPU71は同ステップ1820からステップ1830に直接進む。そして、CPU71は、ステップ1830に進むと、燃料噴射量Fiの合計量mfrを「0」に設定し、その後ステップ1895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0198】
次に、第1,第2触媒53,54の各最大酸素吸蔵量CmaxSCall,CmaxUFall、及び各触媒の各ブロックの最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>,CmaxUF<n>を算出する際の作動について説明する。CPU71は図19のフローチャートにより示されたルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。
【0199】
従って、所定のタイミングになると、CPU71は図19のステップ1900から処理を開始し、ステップ1905に進んで最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値が「1」から「0」に変化したか否かをモニタする。このとき、最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値が変化していなければ、CPU71はステップ1905からステップ1995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0200】
一方、前述した第3モードが終了した直後であるとすると、図17のステップ1725にて最大酸素吸蔵量取得制御実行中フラグXHANの値が「1」から「0」に変更されるから、CPU71はステップ1905にて「Yes」と判定してステップ1910に進み、その時点の酸素吸蔵量OSA1,OSA2を、それぞれ第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCall、第2触媒54全体の最大酸素吸蔵量CmaxUFallとして格納する。
【0201】
次いでCPU71はステップ1915に進み、カウンタ値nの値を「0」に設定した後、ステップ1920に進んで第1触媒53のブロック毎の最大酸素吸蔵量を算出する処理を開始する。まず、CPU71はステップ1920においてカウンタ値nの値を「1」だけ増大して「1」に設定した後、ステップ1925に進んで上記ステップ1910にて取得した第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCallの値と、カウンタ値nの値と、ステップ1925内に記載した式とに基いて第1触媒53のブロックnにおける最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>を算出する。この時点ではカウンタ値nの値は「1」であるから、第1触媒53のブロック1における最大酸素吸蔵量CmaxSC(1)が算出される。
【0202】
ここで、ステップ1925内に記載した式について図20を用いて簡単に説明する。図20は、第1触媒53のブロック毎の最大酸素吸蔵量CmaxSC<n> (n=1,・・・,r)を求める考え方を示した最大酸素吸蔵量分布マップであり、斜線で示された部分の面積は第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCallの値に対応している。
【0203】
このように、第1触媒53のブロック毎の各最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>は、同各最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>の総和が第1触媒53全体の最大酸素吸蔵量CmaxSCallの値となるように設定されるとともに、上流側のブロック1から下流側のブロックrに推移するに従い、所定の勾配をもって線形的に増加するように設定される。これは、第1触媒53の上流側部分の方が下流側部分に比して、内部に流入する排ガス中の鉛や硫黄等により被毒し易いので、同上流側部分の最大酸素吸蔵量が同下流側部分のものに比して低下し易くなるからである。
【0204】
かかる図20に示した最大酸素吸蔵量分布マップに基いて第1触媒53のブロック毎の各最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>を求める式がステップ1925内に記載の式である。前記ステップ1925内に記載の式において、値A1は正の定数であって、上記所定の勾配に相当する値である。なお、第1触媒53のブロック毎の各最大酸素吸蔵量は、上流側のブロックから下流側のブロックに推移するに従い増加するように設定されていればよく、例えば、非線形的に増加するように設定されていてもよい。
【0205】
再び、図19を参照すると、CPU71はステップ1925からステップ1930に進んでカウンタ値nの値が第1触媒53のブロック数rと等しいか否かを判定する。現時点ではカウンタ値nの値は「1」であるから、CPU71はステップ1930にて「No」と判定し、再びステップ1920に戻ってカウンタ値nの値を「1」だけ増大した後ステップ1925及びステップ1930の処理を実行する。即ち、ステップ1920及びステップ1925の処理は、カウンタ値nの値が第1触媒53のブロック数rと等しくなるまで繰り返し実行される。これにより、第1触媒53の最上流のブロック1から最下流のブロックrまでの各ブロックnの最大酸素吸蔵量CmaxSC<n>の値が順次算出されていく。
【0206】
前述のステップ1920の処理が繰り返されることによりカウンタ値nの値が第1触媒53のブロック数rと等しくなると、CPU71はステップ1930にて「Yes」と判定してステップ1935に進み、カウンタ値nの値を「0」に設定した後、ステップ1940に進んで第2触媒54のブロック毎の各最大酸素吸蔵量CmaxUF<n> (n=1,・・・,m)を算出する処理を開始する。
【0207】
この第2触媒54のブロック毎の各最大酸素吸蔵量CmaxUF<n>を算出する処理は、上述したステップ1920〜ステップ1930の処理と同様であるステップ1940〜ステップ1950までの処理を第2触媒54のブロック数m回だけ繰り返し実行することにより達成される。ステップ1945における最大酸素吸蔵量CmaxUF<n>の算出は、上記ステップ1910にて取得した第2触媒54全体の最大酸素吸蔵量CmaxUFallの値と、カウンタ値nの値と、前記ステップ1925内に記載の式と同様のステップ1945内に記載した式とに基いて行われる。これにより、第2触媒54の最上流のブロック1から最下流のブロックmまでの各ブロックnの最大酸素吸蔵量CmaxUF<n>の値が順次算出されていく。ステップ1945内に記載の式において、値A2は前記値A1と同様に正の定数であって、上記所定の勾配に相当する値である。なお、値A2は値A1と同一の値であっても異なる値であってもよい。
【0208】
ステップ1940の処理が繰り返されることによりカウンタ値nの値が第2触媒54のブロック数mと等しくなると、CPU71はステップ1950にて「Yes」と判定してステップ1955に進み、酸素吸蔵量OSA1,OSA2の各々の値を「0」に設定した後、ステップ1995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0209】
次に、触媒モデルにより第1触媒53の各特定成分のCgoutSCを算出するためのルーチンについて説明する。このルーチンは図21〜図25の一連のフローチャートにより示されていて、CPU71はこれらのルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行することで第1触媒53の各ブロックj(j=1,・・・,r)から流出する酸素濃度CgoutSC,O2<j>、一酸化窒素濃度CgoutSC,NO<j>、一酸化炭素濃度CgoutSC,CO<j>、及び炭化水素濃度CgoutSC,HC<j>を逐次算出する。
【0210】
従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ2100から処理を開始し、ステップ2105に進んで第1触媒53用の酸素吸蔵速度係数kstorSC,O2(k)<j>及びkstorSC,NO(k)<j>と、酸素放出速度係数krelSC,CO(k)<j>及びkrelSC,HC(k)<j>とを、第1触媒53の温度TempSCと同第1触媒53の劣化程度を表す劣化指標値REKKASCと図26に示したようなマップ(ルックアップテーブル)とから決定する。なお、例えば、kstorSC,O2(k)<j>のように、SCが付与されている値は第1触媒用の値であることを意味し、<j>が付与されている値はブロックj(j番目のブロック)に対する値であることを意味する(以下、同じ。)。
【0211】
上記触媒温度TempSC及び後述する第2触媒54の触媒温度TempUFは、機関10の運転状態(例えば、吸入空気流量Gaとエンジン回転速度NE)に応じて推定される。上記第1触媒53の劣化指標値REKKASC及び後述する第2触媒54の劣化指標値REKKAUFは、前述の第1触媒53の最大酸素吸蔵量CmaxSCall及び第2触媒54の最大酸素吸蔵量CmaxUFallに応じてそれぞれ求められる。例えば、劣化指標値REKKASCは最大酸素吸蔵量CmaxSCallが減少するほど増大する値として、劣化指標値REKKAUFは最大酸素吸蔵量CmaxUFallが減少するほど増大する値として求められる。
【0212】
次に、CPU71はステップ2110に進んで変数jの値を「0」に設定する。この変数jは、以下において何番目のブロックについての演算を行うのかを決定する変数である。次いで、CPU71は、ステップ2115にて変数jの値を「1」だけ増大するとともに、ステップ2120にて変数jの値がr+1と等しくなったか否か、即ち、第1触媒53の総べてのブロックについて各特定成分の算出が終了したか否かを判定する。
【0213】
現段階での変数jの値は「1」であるから、CPU71はステップ2120にて「No」と判定してステップ2125に進み、前回の本ルーチンの演算時において後述するステップ2160にて算出された第1触媒53のj番目のブロック(ブロックj)のコート層の酸素濃度CwSC,O2(k+1)<j>を今回のコート層の酸素濃度CwSC,O2(k)<j>に設定し、続くステップ2130にて前回の本ルーチンの演算時において後述する図25のステップ2515にて算出された酸素吸蔵密度OstSC(k+1)<j>を今回の酸素吸蔵密度Ostの値OstSC(k)<j>に設定する。なお、今回の演算が機関10の始動後初めてである場合、上記各値には適当な初期値が与えられる。
【0214】
次いで、CPU71は、ステップ2135にて同ステップ2135内に記載した式(上記(36)式を参照。)に従って酸素の消費速度定数R*storSC,O2(k)<j>を求める。ステップ2135にて用いる最大酸素吸蔵密度OstSCmax<j>は、一定値としてもよいが、前記劣化指標値REKKASC(又は、最大酸素吸蔵量CmaxSCall)に応じて決定されることが望ましい(以下、同じ。)。その後、CPU71はステップ2140にて見かけの拡散速度RDSC,O2(k)<j>を触媒温度TempSCとマップMapRDSCO2とから決定する。
【0215】
続いて、CPU71はステップ2145にて酸素の反応律速因子SPstorSC,O2<j>を同ステップ2145内に記載した式(上記(29)式を参照。)により求め、ステップ2150にて第1触媒53のブロックjよりも前の(即ち、上流の)ブロックj−1から流出する酸素濃度CgoutSC,O2(k)<j-1>を同ブロックjに流入する酸素濃度CginSC,O2(k)<j>として取り込む。
【0216】
この段階でjの値は「1」であるから、ブロックjは第1触媒53の最も上流のブロックであって、それより前の(上流の)ブロックj−1は存在しない。従って、ステップ2150における前のブロックのCgoutSC,O2(k)<j-1>は、同第1触媒53に流入する排ガスの酸素濃度CginSC,O2である。この第1触媒53に流入する排ガスの酸素濃度CginSC,O2(=Cgin,O2)は、同第1触媒53に流入する排ガスの空燃比と同排ガスの流量とに基く関数fO2により求められる。下記の(48)式の右辺は、この関数fO2の具体例である。(48)式で用いられる排ガスの空燃比AFは、エアフローメータ61が計測する単位時間あたりの吸入空気質量Gaを最終燃料噴射量Fiとエンジン回転速度NEとに基づいて求められる単位時間あたりの供給燃料質量Gfで除することにより求められる。なお、この排ガスの空燃比AFは、最上流空燃比センサ66の出力vabyfsと図2に示したマップとから求めても良い。
【0217】
【数48】
【0218】
上記(48)式の導出過程を簡単に述べると、第1触媒53に流入する排ガスの空燃比AFはGa/Gfであり、Gfに対して理論空燃比を得るために必要な空気質量をGastoichとすると、理論空燃比AFstoichはGastoich/Gfとなる。一方、供給燃料質量がGfであるときに空燃比がAFとなったとき、理論空燃比AFstoichを得るために必要な空気質量に対する過剰な空気質量はGa−Gastoichであるから、酸素の質量をMassO2とおくと、下記(49)式が得られ、この(49)式から上記(48)式が得られる。
【0219】
【数49】
【0220】
次に、CPU71はステップ2155に進み、同ステップ2155に記述した式(上記(30)式を参照。)に従ってCgoutSC,O2(k+1)<j>を求める。vgの値はエアフローメータ61が検出した吸入空気流量AFM(=Ga)とする。このように、ステップ2155では、対象としているブロックjから流出する酸素濃度CgoutSC,O2を新たに算出する。次いで、CPU71はステップ2160に進み、同ステップ2160に記述した式(上記(28)式を参照。)に従ってCwSC,O2(k+1)<j>を求める。即ち、CPU71は、ステップ2160にて対象としている第1触媒53のブロックjのコート層の酸素濃度CwSC,O2を新たに算出し、ステップ2165を経由して図22に示したステップ2200に進む。このように、図21により示したルーチンは、第1触媒53のブロックj(特定領域j)における排ガス相の酸素濃度推定手段、及びコート層の酸素濃度推定手段を構成している。
【0221】
図22に示したルーチンは、一酸化窒素NOについての演算を行うルーチンであり、酸素O2についての演算を行うための先に説明した図21のルーチンと同様なルーチンである。簡単に説明すると、CPU71はステップ2200からステップ2205に進んで、前回の本ルーチンの演算時において後述するステップ2235にて算出された第1触媒53のj番目のブロック(ブロックj)のコート層の一酸化窒素濃度CwSC,NO(k+1)<j>を今回のコート層の一酸化窒素濃度CwSC,NO(k)<j>に設定する。なお、今回の演算が機関10の始動後初めてである場合、上記CwSC,NO(k)<j>には適当な初期値が与えられる。
【0222】
次いで、CPU71は、ステップ2210にて同ステップ2210内に記載した式(上記(36)式を参照。)に従って消費速度定数R*storSC,NO(k)<j>を求める。ここで、酸素吸蔵密度OstSC(k)<j>,及び最大酸素吸蔵密度OstSCmax<j>は、前述のステップ2135にて使用した値をそれぞれ用いる。その後、CPU71はステップ2215にて見かけの拡散速度RDSC,NO(k)<j>を触媒温度TempSCとマップMapRDSCNOとから決定する。
【0223】
続いて、CPU71はステップ2220にて一酸化窒素の反応律速因子SPstorSC,NO<j>を同ステップ2220内に記載した式(上記(29)式を参照。)により求め、ステップ2225にて第1触媒53のブロックjよりも前の(即ち、上流の)ブロックj−1から流出する一酸化窒素濃度CgoutSC,NO(k)<j-1>を同ブロックjに流入する一酸化窒素濃度CginSC,NO(k)<j>として取り込む。
【0224】
この段階でjの値は「1」であるから、対象としているブロックjは第1触媒53の最も上流のブロックであって、それより上流のブロックj−1は存在しない。従って、ステップ2225における前のブロックのCgoutSC,NO(k)<j-1>は、同第1触媒53に流入する排ガスの一酸化窒素濃度CginSC,NOである。この場合、第1触媒53に流入する排ガスの空燃比A/F(「Ga/Gf」として計算により求められる。)と一酸化窒素濃度CginSC,NOとの関係は図27のグラフに示したようであるから、この関係を予め実験により求めてマップとして記憶しておき、計算により求められる実際の排ガスの空燃比A/Fと同マップとから一酸化窒素濃度CginSC,NOを求める。
【0225】
次に、CPU71はステップ2230に進み、同ステップ2230に記述した式(上記(30)式を参照。)に従ってCgoutSC,NO(k+1)<j>を求める。即ち、対象としているブロックjから流出する一酸化窒素濃度CgoutSC,NOを新たに算出する。次いで、CPU71はステップ2235に進み、同ステップ2235に記述した式(上記(28)式を参照。)に従ってCwSC,NO(k+1)<j>を求める。即ち、CPU71は、ステップ2235にて対象としている第1触媒53のブロックjのコート層の一酸化窒素濃度CwSC,NOを新たに算出し、ステップ2295を経由して図23に示したステップ2300に進む。このように、図22により示したルーチンは、第1触媒53のブロックj(特定領域j)における排ガス相の一酸化窒素濃度推定手段、及びコート層の一酸化窒素濃度推定手段を構成している。
【0226】
図23に示したルーチンは、一酸化炭素COについての演算を行うルーチンである。CPU71はステップ2200からステップ2205に進んで、前回の本ルーチンの演算時において後述するステップ2335にて算出されたコート層の一酸化炭素濃度CwSC,CO(k+1)<j>を今回のコート層の一酸化炭素濃度CwSC,CO<j>(k)に設定する。なお、今回の演算が機関10の始動後初めてである場合、上記CwSC,CO<j>(k)には適当な初期値が与えられる。
【0227】
次に、CPU71は、ステップ2310にて同ステップ2310内に記載した式(上記(38)式を参照。)に従って消費速度定数R*reducSC,CO(k)<j>を求め、その後、ステップ2315にて見かけの拡散速度RDSC,CO(k)<j>を触媒温度TempSCとマップMapRDSCCOとから決定する。
【0228】
続いて、CPU71はステップ2320にて一酸化炭素の反応律速因子SPreducSC,CO<j>を同ステップ2320内に記載した式(上記(33)式を参照。)により求め、ステップ2325にて、第1触媒53のブロックjよりも前の(即ち、上流の)ブロックj−1から流出する一酸化炭素濃度CgoutSC,CO(k)<j-1>を、ブロックjに流入する一酸化炭素濃度CginSC,CO(k)<j>として取り込む。
【0229】
この段階でjの値は「1」であるから、対象としているブロックjは第1触媒53の最も上流のブロックであって、それより上流のブロックj−1は存在しない。従って、ステップ2325における前のブロックのCgoutSC,CO(k)<j-1>は、同第1触媒53に流入する排ガスの一酸化炭素濃度CginSC,COである。この場合、第1触媒53に流入する排ガスの空燃比A/F(「Ga/Gf」として計算により求められる。)と一酸化炭素濃度CginSC,COとの関係は図28のグラフに示したようであるから、この関係を予め実験により求めてマップとして記憶しておき、計算により求められる実際の排ガスの空燃比A/Fと同マップとから一酸化炭素濃度CginSC,COを求める。
【0230】
次に、CPU71はステップ2330に進み、同ステップ2330に記述した式(上記(34)式を参照。)に従ってCgoutSC,CO(k+1)<j>を求める。即ち、第1触媒53のブロックjから流出する一酸化炭素濃度CgoutSC,COを新たに算出する。次いで、CPU71はステップ2335に進み、同ステップ2335に記述した式(上記(32)式を参照。)に従ってCwSC,CO(k+1)<j>を求める。即ち、CPU71は、ステップ2335にて対象としている第1触媒53のブロックjのコート層の一酸化炭素濃度CwSC,COを新たに算出し、ステップ2395を経由して図24に示したステップ2400に進む。このように、図23により示したルーチンは、第1触媒53のブロックjにおける排ガス相の一酸化炭素濃度推定手段、及びコート層の一酸化炭素濃度推定手段を構成している。
【0231】
図24に示したルーチンは、炭化水素HCについての演算を行うルーチンであり、一酸化炭素COについての演算を行うための先に説明した図23のルーチンと同様なルーチンである。簡単に説明すると、CPU71はステップ2400からステップ2405に進んで、前回の本ルーチンの演算時において後述するステップ2435にて算出されたコート層の炭化水素濃度CwSC,HC(k+1)<j>を今回のコート層の炭化水素濃度Cw,HCの値であるCwSC,HC(k)<j>に設定する。なお、今回の演算が機関10の始動後初めてである場合、上記各値には適当な初期値が与えられる。
【0232】
次に、CPU71は、ステップ2410にて同ステップ2410内に記載した式(上記(38)式を参照。)に従って消費速度定数R*reducSC,HC(k)<j>を求め、その後、ステップ2415にて見かけの拡散速度RDSC,HC(k)<j>を触媒温度TempSCとマップMapRDSCHCとから決定する。
【0233】
続いて、CPU71はステップ2420にて炭化水素の反応律速因子SPreducSC,HC<j>を同ステップ2420内に記載した式(上記(33)式を参照。)により求め、ステップ2425にて、第1触媒53のブロックjよりも前の(即ち、上流の)ブロックj−1から流出する炭化水素濃度CgoutSC,HC(k)<j-1>をブロックjに流入する炭化水素濃度CginSC,HC(k)<j>として取り込む。
【0234】
この段階でjの値は「1」であるから、ブロックjは第1触媒53の最も上流のブロックであって、それより上流のブロックj−1は存在しない。従って、ステップ2425におけるCgout,HC(k)<j-1>は、同第1触媒53に流入する排ガスの炭化水素濃度Cgin,HCである。この場合、第1触媒53に流入する排ガスの空燃比A/F(「Ga/Gf」として計算により求められる。)と炭化水素濃度Cgin,HCとの関係は図29のグラフに示したようであるから、この関係を予め実験により求めてマップとして記憶しておき、計算により求められる実際の排ガスの空燃比A/Fと同マップとから炭化水素濃度Cgin,HCを求める。
【0235】
次に、CPU71はステップ2430に進み、同ステップ2430に記述した式(上記(34)式を参照。)に従ってCgoutSC,HC(k+1)<j>を求める。即ち、第1触媒53のブロックjから流出する炭化水素濃度CgoutSC,HCを新たに算出する。次いで、CPU71はステップ2435に進み、同ステップ2435に記述した式(上記(32)式を参照。)に従ってCwSC,HC(k+1)<j>を求める。即ち、CPU71は、ステップ2435にて第1触媒53のブロックjのコート層の炭化水素濃度Cw,HCを新たに算出し、ステップ2495を経由して図25に示したステップ2500に進む。このように、図24により示したルーチンは、第1触媒53のブロックj(特定領域j)における排ガス相の炭化水素濃度推定手段、及びコート層の炭化水素濃度推定手段を構成している。
【0236】
図25に示したルーチンは、酸素吸蔵密度Ostについての演算を行うルーチンである。CPU71は、ステップ2500からステップ2505に進むと、上記(43)式に基く同ステップ2505内に記述した式により係数P<j>を求めるとともに、続くステップ2510にて上記(44)式に基く同ステップ2510に記述した式により係数Q<j>を求める。次いで、CPU71はステップ2515にて上記(42)式に基く同ステップ2515に記述した式により酸素吸蔵密度OstSC(k+1)<j>を求め、次のステップ2520にて上記(45)式に基づく同ステップ2520に記述した式によりこのブロックjの酸素吸蔵量OstSC(k+1)<j>・dA・Lをブロック1〜ブロックj−1までの酸素吸蔵量OSASC(j-1)に加えることにより、ブロック1〜ブロックjまでの酸素吸蔵量OSASC(j)を求め、ステップ2595を経由して図21のステップ2115に戻る。なお、酸素吸蔵量OSASC(0)の値は「0」に設定してある。このように、図25に示したルーチンは、第1触媒53のブロックjの酸素吸蔵密度算出手段、及び第1触媒53のブロック1〜ブロックjまでの酸素吸蔵量算出手段を構成している。
【0237】
図21のステップ2115に戻ったCPU71は、変数jの値を「1」だけ増大するから、上述と同様にして第1触媒53内の次に下流にあるブロックの各種値が順次演算されて行く。そして、ブロックrまでの各種値が演算されると、変数jの値はステップ2115にてr+1と等しくされるので、CPU71はステップ2120にて「Yes」と判定し、ステップ2195に進んで、第1触媒53の各特定成分のCgoutSCを算出するための図21〜図25に示した一連のルーチンを一旦終了する。
【0238】
次に、触媒モデルにより第2触媒54の各特定成分のCgoutUFを算出するためのルーチンについて説明する。このルーチンは前述の図21〜図25の一連のフローチャートに示されたルーチンとそれぞれ同様の図30〜図34の一連のフローチャートにより示されていて、CPU71はこれらのルーチンを実行することで第2触媒54の各ブロックj(j=1,・・・,m)から流出する酸素濃度CgoutUF,O2<j>、一酸化窒素濃度CgoutUF,NO<j>、一酸化炭素濃度CgoutUF,CO<j>、及び炭化水素濃度CgoutUF,HC<j>を算出する。かかる図30〜図34の一連のルーチンは前述の図21〜図25の一連のルーチンと同様であるので、これらの詳細な説明を省略する。
【0239】
なお、変数jの値が「1」である場合、CPU71は、図30のステップ3050、図31のステップ3125、図32のステップ3225、及び図33のステップ3325にてそれぞれ必要となる値である第2触媒54に流入する排ガスの酸素濃度CginUF,O2(=CginUF,O2(k)<1>)、同排ガスの一酸化窒素濃度CginUF,NO(=CginUF,NO(k)<1>)、同排ガスの一酸化炭素濃度CginUF,CO(=CginUF,CO(k)<1>)、及び同排ガスの炭素水素濃度CginUF,HC(=CginUF,HC(k)<1>)として、第1触媒53から流出する排ガス中の酸素濃度CgoutSC,O2<r>の値、同排ガス中の一酸化窒素濃度CgoutSC,NO<r>の値、同排ガス中の一酸化炭素濃度CgoutSC,CO<r>の値、及び同排ガス中の炭素水素濃度CgoutSC,HC<r>の値をそれぞれ使用する。第1触媒53から流出した排ガスは外部との授受がないまま第2触媒54に流入するので、第2触媒54に流入する排ガス中の各特定成分の濃度は第1触媒53から流出した排ガス中の各特定成分の濃度と等しいと考えられるからである。
【0240】
以上、図30により示したルーチンは、第2触媒54のブロックj(特定領域j)における排ガス相の酸素濃度推定手段、及びコート層の酸素濃度推定手段を構成している。図31により示したルーチンは、第2触媒54のブロックj(特定領域j)における排ガス相の一酸化窒素濃度推定手段、及びコート層の一酸化窒素濃度推定手段を構成している。図32により示したルーチンは、第2触媒54のブロックjにおける排ガス相の一酸化炭素濃度推定手段、及びコート層の一酸化炭素濃度推定手段を構成している。図33により示したルーチンは、第2触媒54のブロックj(特定領域j)における排ガス相の炭化水素濃度推定手段、及びコート層の炭化水素濃度推定手段を構成している。図34に示したルーチンは、第2触媒54のブロックjの酸素吸蔵密度算出手段、及び第2触媒54のブロック1〜ブロックjまでの酸素吸蔵量算出手段を構成している。
【0241】
このように、CPU71は触媒モデルを使用し、第1,第2触媒53,54からなる触媒装置の劣化の進行(最大酸素吸蔵量の減少)に応じて下流側に移動する制御用ブロック(中間ブロック)iから流出するガスの空燃比に関連する値、即ち、制御用ブロックiから流出する特定成分の量に関する値としての酸素の過不足量に関する値である制御用酸素濃度CgoutO2cを取得し、同制御用酸素濃度CgoutO2cが所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき(負の閾値Crefmnsよりも小さい値となったとき)同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリーン空燃比(理論空燃比よりも所定値α1だけリーンな空燃比)に制御するとともに、同制御用酸素濃度CgoutO2cが所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき(正の閾値Crefplsよりも大きい値となったとき)同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリッチ空燃比(理論空燃比よりも所定値α2だけリッチな空燃比)に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させる(従って、パータベーション制御する)。
【0242】
従って、本排気浄化装置は、制御用ブロックiの下流に設けられた空燃比センサの出力変化よりも早い時点で同制御用ブロックiから流出するガスの空燃比の変化の情報(この場合、制御用酸素濃度CgoutO2c)を取得し、この取得した制御用ブロックiから流出するガスの空燃比の変化の情報に直接着目して、触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に切り替えるタイミングを決定するパータベーション制御を行うので、同制御用ブロックiから流出するガスの空燃比を安定的、且つ確実に理論空燃比近傍に維持することができ、その結果、制御用ブロックiの下流側の有害成分の排出量を安定的、且つ確実に低減することができた。
【0243】
また、本排気浄化装置は、値nを自然数とするとき単数又は複数の触媒(第1,第2触媒53,54)からなる触媒装置の最上流のブロックである第1番目のブロックから第n番目のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部の各ブロックの最大酸素吸蔵量を積算して同触媒装置上流部の最大酸素吸蔵量積算値(判定用酸素吸蔵量)を求める積算値算出手段(ステップ1120、1155)を備え、前記最大酸素吸蔵量積算値が所定の閾値Cthより大きい値をとる前記触媒装置上流部のうち前記値nが最も小さい第n番目のブロックまでからなる前記触媒装置上流部の第n番目のブロックを制御用ブロック(中間ブロック)iとして設定する。換言すれば、触媒装置の劣化の進行(最大酸素吸蔵量の減少)に応じて制御用ブロックiは下流側に移動する。
【0244】
この結果、触媒装置の最上流に位置するブロックから中間ブロックiまでの各ブロックで構成される触媒装置上流部の酸素吸蔵能力をパータベーション制御の破綻を来さない程度に設定された前記所定の閾値Cthに相当する所定の酸素吸蔵能力よりも大きい値に維持できるとともに、予備的な触媒(バッファ的な触媒)として機能し得る同中間ブロックiよりも下流側のブロック数を最大とすることができる。従って、触媒装置に流入するガスの空燃比のハンチングを回避しつつ、触媒装置の最下流位置から流出する有害成分の排出量を極力低減できた。
【0245】
<第2実施形態>
次に、本発明による排気浄化装置の第2実施形態について説明すると、この排気浄化装置は、前記制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度である制御用酸素濃度CgoutO2cに代えて、同制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸化剤の量に関する値である一酸化窒素濃度(制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc)、及び同制御用ブロックiから流出する排ガス中の還元剤の量に関する値である一酸化炭素濃度(制御用一酸化炭素濃度CgoutCOc)を利用して、触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に切り替えるタイミングを決定するパータベーション制御を行う点においてのみ、上記第1実施形態の排気浄化装置と異なっている。従って、以下、かかる相違点についてのみ説明する。
【0246】
(第2実施形態の空燃比制御(パータベーション制御))
先ず、第2実施形態に係る排気浄化装置の空燃比制御について説明する。図35は、第2実施形態によるパータベーション制御におけるタイムチャートであり、(A)は機関10に供給される混合気の空燃比(従って、第1触媒上流の排ガスの空燃比)を示し、(B)は前述した触媒モデルにより算出される前述の制御用ブロックiから流出する制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcを示し、(C)は同制御用ブロックiから流出する制御用一酸化窒素濃度CgoutNOcを示している。図35に示すように、本排気浄化装置は、前記制御用ブロックiから流出する(正の値のみを採る)制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc、及び制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcを触媒モデルにより求め、同制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc、及び制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcを「0」付近に維持するように機関10に供給される混合気の空燃比をパータベーション制御する。
【0247】
より具体的に述べると、本排気浄化装置は、CgoutCOcが正の閾値Crefpls1より大きくなったとき(即ち、還元剤の量(濃度)が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき、或いは、ガスの空燃比が所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき)、制御用ブロックiから未燃成分が多く流出し始めたことを意味するので、機関10に供給される混合気の目標空燃比を理論空燃比よりも所定値α1だけリーンに設定するとともに機関10に供給される混合気の実際の空燃比が同目標空燃比になるように制御する(時刻t11,t13を参照。)。
【0248】
これに対し、CgoutNOcが正の閾値Crefpls2より大きくなったとき(即ち、酸化剤の量(濃度)が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき、或いは、ガスの空燃比が所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき)、制御用ブロックiから窒素酸化物NOxが多く流出し始めたことを意味するので、機関10に供給される混合気の目標空燃比を理論空燃比よりも所定値α2だけリッチに設定するとともに前記実際の空燃比が同目標空燃比になるように制御する(時刻t12を参照。)。なお、所定値α1と所定値α2とは異なる値でもよく、等しい値であってもよい。また、正の閾値Crefpls1と正の閾値Crefpls2とは異なる値でもよく、等しい値であってもよい。
【0249】
(実際の作動)
次に、上記排気浄化装置の実際の作動について、CPU71が実行するルーチンを示したフローチャートを参照しながら説明する。本排気浄化装置のCPU71は、図11、図12に代わる図36、図37にフローチャートにより示したルーチンを実行する点を除き、第1実施形態に係る排気浄化装置のCPU71と同一のルーチンを実行する。図36、図37おいて図11、図12と同一のステップには同一の符号を付している。
【0250】
図36のルーチンは、制御用ブロックiから流出する排ガス中の酸素濃度である制御用酸素濃度CgoutO2cに代えて、同制御用ブロックiから流出する排ガス中の一酸化窒素濃度、及び一酸化炭素濃度である制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc、及び制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcを求めるため、ステップ1135、1170に代えてステップ3635、3670を採用している点においてのみ図11のルーチンと相違する。従って、図36のルーチンの詳細な説明は省略する。
【0251】
また、図37のルーチンは、正負の値を採りえる制御用酸素濃度CgoutO2cに代えて、常に正の値のみを採る制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc、及び制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcの各値を利用して触媒装置に流入するガスの空燃比を切り替えるため、ステップ1210、1215、1225、及び1230に代えてステップ3710、3715、3725、3730を採用している点においてのみ図12のルーチンと相違する。従って、図37のルーチンの詳細な説明は省略する。
【0252】
このように、第2実施形態に係る排気浄化装置は、触媒モデルにより触媒装置内での酸素吸蔵反応速度及び酸素放出反応速度をそれぞれ決定する酸素吸蔵速度係数(kstorSC,O2(k)<j>及びkstorSC,NO(k)<j>)及び酸素放出速度係数(krelSC,CO(k)<j>及びkrelSC,HC(k)<j>)を個別に設定し、これらの反応速度差を考慮してそれぞれ個別に且つ正確に算出され得る制御用一酸化窒素濃度CgoutNOc、及び制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcの各値に基づいて、触媒装置に流入するガスの空燃比の切り替え時期を決定する。この結果、制御用ブロックiから流出するガスの空燃比をさらに確実に理論空燃比近傍に維持することができ、触媒装置の最下流位置から流出する有害成分の排出量をさらに一層低減できた。
【0253】
なお、上記第2実施形態は、制御用ブロックiから流出する制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcが正の閾値Crefpls1より大きくなったとき、及び制御用ブロックiから流出する制御用一酸化窒素濃度CgoutNOcが正の閾値Crefpls2より大きくなったときに触媒装置に流入するガスの空燃比を切り替えるように構成されているが、制御用ブロックiから流出する炭化水素濃度である制御用炭化水素濃度CgoutHCc及び同制御用一酸化炭素濃度CgoutCOcが共に正の閾値Crefpls1より大きくなったとき、並びに制御用ブロックiから流出する酸素濃度である制御用酸素濃度CgoutO2c及び同制御用一酸化窒素濃度CgoutNOcが共に正の閾値Crefpls2より大きくなったときに触媒装置に流入するガスの空燃比を切り替えるように構成してもよい。
【0254】
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態においては、上述の触媒モデルを使用することなく、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)が所定の酸素吸蔵能力よりも大きい(所定の閾値Cthよりも大きい)ときは同第1触媒53の下流であって第2触媒54の上流の排気通路に配置された第1触媒下流空燃比センサ67の出力を、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)が所定の酸素吸蔵能力以下(所定の閾値Cth以下)のときは同第2触媒54の下流の排気通路に配置された第2触媒下流空燃比センサ68の出力を制御用空燃比センサ出力として選択し、選択された制御用空燃比センサ出力が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値(例えば、0.7V以上)となったとき触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリーン空燃比に制御するとともに、同選択された制御用空燃比センサ出力が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値(例えば、0.3V以下)となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。
【0255】
また、上記各実施形態においては、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)が所定の酸素吸蔵能力よりも大きい(所定の閾値Cthよりも大きい)ときは同第1触媒53から流出する排ガス中の特定成分の量に関する値(例えば、CgoutSC,X<r>。Xは酸素の場合O2、一酸化炭素の場合CO、炭化水素の場合HC、窒素酸化物の場合NO)を、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)が所定の酸素吸蔵能力以下(所定の閾値Cth以下)のときは同第2触媒54から流出する排ガス中の特定成分の量に関する値(例えば、CgoutUF,X<m>)を制御用特定成分量(例えば、制御用特定成分濃度CgoutXc)として選択し、選択された制御用特定成分量が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき(例えば、制御用酸素濃度CgoutO2cが負の閾値Crefmnsよりも小さいとき)触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリーン空燃比に制御するとともに、同選択された制御用特定成分量が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき(例えば、制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefplsよりも大きいとき)同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。
【0256】
また、上記各実施形態においては、制御用ブロックiは第1,第2触媒53,54からなる触媒装置の最上流に位置するブロック(第1触媒53のブロック1)から最下流に位置するブロック(第2触媒54のブロックm)までのブロックの中から選択されるように構成されているが、制御用ブロックiは第1触媒53のみからなる触媒装置の最上流に位置するブロック(第1触媒53のブロック1)から最下流に位置するブロック(第1触媒53のブロックr)までのブロックの中から選択されるように構成し、第2触媒54は予備的な触媒(バッファ的な触媒)として機能させるように構成してもよい。
【0257】
この場合、第2触媒54を省略してもよい。また、第2触媒54を省略した場合、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)の大きさに係わらず、常に第1触媒下流空燃比センサ67の出力を制御用空燃比センサ出力として使用し、同制御用空燃比センサ出力が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値(例えば、0.7V以上)となったとき触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリーン空燃比に制御するとともに、同選択された制御用空燃比センサ出力が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値(例えば、0.3V以下)となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。
【0258】
また、第2触媒54を省略した場合、第1触媒53の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量CmaxSCall)の大きさに係わらず、常に第1触媒53から流出する排ガス中の特定成分の量に関する値(例えば、CgoutSC,X<r>。Xは酸素の場合O2、一酸化炭素の場合CO、炭化水素の場合HC、窒素酸化物の場合NO)を制御用特定成分量(例えば、制御用特定成分濃度CgoutXc)として使用し、同制御用特定成分量が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき(例えば、制御用酸素濃度CgoutO2cが負の閾値Crefmnsよりも小さいとき)触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリーン空燃比に制御するとともに、同選択された制御用特定成分量が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき(例えば、制御用酸素濃度CgoutO2cが正の閾値Crefplsよりも大きいとき)同触媒装置に流入するガスの空燃比を所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。
【0259】
また、上記各実施形態においては、第1,第2触媒53,54からなる触媒装置の下流の排気通路に配設された第2触媒下流空燃比センサ68の出力を常に制御用空燃比センサ出力として使用し、同制御用空燃比センサ出力に基づいて上記と同様に同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。また、第1,第2触媒53,54からなる触媒装置から流出する排ガス中の特定成分の量に関する値(例えば、CgoutUF,X<m>。Xは酸素の場合O2、一酸化炭素の場合CO、炭化水素の場合HC、窒素酸化物の場合NO)を常に制御用特定成分量(例えば、制御用特定成分濃度CgoutXc)として使用し、同制御用特定成分量の値に基づいて上記と同様に同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成してもよい。
【0260】
また、上記各実施形態においては、酸素吸蔵能力を示す値である前述の触媒装置上流部の最大酸素吸蔵量に基づいて制御用ブロックiを選択していたが、触媒装置の酸素吸蔵能力を間接的に示す車両の走行距離、触媒装置の温度、吸入空気流量Gaに基づいて制御用ブロックiを選択してもよい。
【0261】
この場合、走行距離の増加に応じて、触媒温度の低下に応じて、吸入空気流量Gaの増加に応じて、制御ブロックiの位置を下流側に移動するように構成することが好適である。走行距離の増加に伴って触媒装置が劣化してその最大酸素吸蔵量が低下するからであり、触媒装置の温度の低下に伴って同触媒装置の酸素吸蔵能力が低下するからであり、また、吸入空気量Gaの増大に伴って触媒装置が吸蔵し得る酸素量(即ち、酸素吸蔵能力である実質的な最大酸素吸蔵量)が低下するからである。
【0262】
また、上記各実施形態においては、上記パータベーション制御における理論空燃比からの振幅α(α1,α2により表される。)は、図38に示したように、第1触媒53の温度TempSC(第2触媒54の温度TempUF)、吸入空気量Ga、及び第1触媒53の劣化指標値REKKASC(第2触媒54の劣化指標値REKKAUF)等の少なくとも一つに応じて可変としてもよい。これによれば、触媒装置の酸素による一次被毒を適切に解消して、同触媒装置の状態をより良好に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置を搭載した内燃機関の概略図である。
【図2】 図1に示した最上流空燃比センサの出力と空燃比との関係を示したグラフである。
【図3】 図1に示した第1触媒下流空燃比センサ及び第2触媒下流空燃比センサの各出力と空燃比との関係を示したグラフである。
【図4】 図1に示した排気浄化装置によるパータベーション制御を説明するためのタイムチャートである。
【図5】 触媒モデルを説明するための触媒の模式図である。
【図6】 図1に示した触媒の外観図である。
【図7】 図6に示した触媒の部分断面図である。
【図8】 触媒モデルを説明するための模式図である。
【図9】 触媒モデルで使用する風上法を説明するための模式図である。
【図10】 図1に示したCPUが実行する燃料噴射量計算のためのルーチンを示したフローチャートである。
【図11】 図1に示したCPUが実行する制御用酸素濃度を決定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図12】 図1に示したCPUが実行する目標空燃比を設定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図13】 図1に示したCPUが実行する空燃比フィードバック補正量を計算するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図14】 図1に示したCPUが実行する最大酸素吸蔵量取得制御を開始するか否かを決定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図15】 図1に示したCPUが実行する第1モードのルーチンを示したフローチャートである。
【図16】 図1に示したCPUが実行する第2モードのルーチンを示したフローチャートである。
【図17】 図1に示したCPUが実行する第3モードのルーチンを示したフローチャートである。
【図18】 図1に示したCPUが実行する酸素吸蔵量を算出するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図19】 図1に示したCPUが実行する最大酸素吸蔵量を算出するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図20】 第1触媒全体の最大酸素吸蔵量から同第1触媒のブロック毎の最大酸素吸蔵量を求めるためのマップである。
【図21】 触媒モデルにしたがって第1触媒内部における酸素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図22】 触媒モデルにしたがって第1触媒内部における一酸化窒素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図23】 触媒モデルにしたがって第1触媒内部における一酸化炭素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図24】 触媒モデルにしたがって第1触媒内部における炭化水素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図25】 触媒モデルにしたがって第1触媒の酸素吸蔵密度と酸素吸蔵量を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図26】 触媒劣化度と触媒温度とから触媒モデルにて使用する各係数(各乗数)を求めるためのマップである。
【図27】 触媒に流入する一酸化窒素濃度を決定するために使用される排ガスの空燃比と同一酸化窒素濃度との関係を規定したマップである。
【図28】 触媒に流入する一酸化炭素濃度を決定するために使用される排ガスの空燃比と同一酸化炭素濃度との関係を規定したマップである。
【図29】 触媒に流入する炭化水素濃度を決定するために使用される排ガスの空燃比と同炭化水素濃度との関係を規定したマップである。
【図30】 触媒モデルにしたがって第2触媒内部における酸素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図31】 触媒モデルにしたがって第2触媒内部における一酸化窒素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図32】 触媒モデルにしたがって第2触媒内部における一酸化炭素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図33】 触媒モデルにしたがって第2触媒内部における炭化水素濃度を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図34】 触媒モデルにしたがって第2触媒の酸素吸蔵密度と酸素吸蔵量を求めるためのルーチンを示したフローチャートである。
【図35】 本発明の第2実施形態に係る排気浄化装置によるパータベーション制御を説明するためのタイムチャートである。
【図36】 第2実施形態に係る排気浄化装置のCPUが実行する制御用一酸化窒素濃度、及び制御用一酸化炭素濃度を決定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図37】 第2実施形態に係る排気浄化装置のCPUが実行する目標空燃比を設定するためのルーチンを示したフローチャートである。
【図38】 各実施形態のパータベーション制御における空燃比の制御幅を示したグラフである。
【符号の説明】
10…内燃機関、53…第1触媒、54…第2触媒、66…最上流空燃比センサ、67…第1触媒下流空燃比センサ、68…第2触媒下流空燃比センサ、70…電気制御装置、71…CPU[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an exhaust emission control device for an internal combustion engine in which a catalyst is disposed in an exhaust passage.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in this type of exhaust purification device, control for forcibly oscillating the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst around the theoretical air-fuel ratio (hereinafter sometimes referred to as “perturbation control”). It is known that when this is done, the catalyst is activated and the purification rate of the catalyst is improved. And
[0003]
More specifically, this exhaust gas purification apparatus is configured such that the amount of oxygen stored in the catalyst (hereinafter referred to as “oxygen storage amount”) and the maximum amount of oxygen that can be stored in the catalyst (hereinafter referred to as “ And the oxygen utilization rate is calculated based on the calculated oxygen utilization rate, and the mixture gas supplied to the internal combustion engine is maximized based on the calculated oxygen utilization rate. Force the air-fuel ratio to oscillate. At the same time, this exhaust purification device updates the frequency of forced vibration and the change speed of the amplitude linearly or hyperbola in accordance with the space velocity corresponding to the amount of exhaust gas and the catalyst temperature.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 7-259600 A
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the perturbation control performed by the conventional exhaust purification apparatus, the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the internal combustion engine is forced to vibrate by paying attention to the calculated oxygen utilization rate (catalyst purification rate). It is not forcedly vibrated by directly paying attention to the state of the exhaust gas flowing out from the catalyst, for example, the air-fuel ratio of the exhaust gas, the discharge amount of the specific component in the exhaust gas, and the like. Therefore, if there is a situation in which the air-fuel ratio of the exhaust gas flowing out from the catalyst temporarily deviates greatly from the stoichiometric air-fuel ratio due to the operating state of the internal combustion engine, even if the purification rate of the catalyst is good, There was a problem that a large amount of emissions were discharged.
[0006]
SUMMARY OF THE INVENTION
Therefore, the object of the present invention is to reduce the emission emission amount stably and reliably by directly controlling the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst by paying attention directly to the state of the exhaust gas flowing out from the catalyst. An object is to provide an exhaust emission control device.
[0007]
In order to achieve this object, an exhaust emission control device for an internal combustion engine according to the present invention comprises a single catalyst provided in an exhaust passage of the internal combustion engine or a catalyst device comprising a plurality of catalysts provided in series in the exhaust passage. ,in frontTouchWhen the medium device is divided into multiple blocks along the flow direction of the gas flowing into the catalyst deviceControl block that is one block located upstream from the most downstream blockGas air-fuel ratio related value acquisition means for acquiring a value related to the air-fuel ratio of the gas flowing out from the gas, and the value related to the air-fuel ratio of the acquired gas is such that the air-fuel ratio of the gas is a predetermined degree than the stoichiometric air-fuel ratio The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device when the value indicates that the air-fuel ratio is rich.Leaner than theoretical air-fuel ratioWhen controlling to a predetermined lean air-fuel ratio, and the value related to the air-fuel ratio of the same gas becomes a value indicating that the air-fuel ratio of the same gas is a lean air-fuel ratio that exceeds the theoretical air-fuel ratio by a predetermined degree The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst deviceRicher than the theoretical air-fuel ratioBy controlling to a predetermined rich air-fuel ratio, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is reduced.By alternately switching from the predetermined lean air-fuel ratio to the predetermined rich air-fuel ratio or from the predetermined rich air-fuel ratio to the predetermined lean air-fuel ratioAir-fuel ratio forced oscillation means for forcibly oscillating.
[0008]
Here, the “block” isWhen the catalyst device is composed of a single (one) catalyst, the oneEach of the plurality of blocks when the catalyst is virtually divided into a plurality of blocks along the exhaust gas flow directionIs. Moreover, when a catalyst apparatus consists of a some catalyst, the block caught by the catalyst unit and the some block when one catalyst is divided | segmented virtually may be mixed.
[0009]
The gas air / fuel ratio related value acquisition means for acquiring a value related to the air / fuel ratio of the gas flowing out from the control block is, for example, an exhaust passage downstream of the control block (single on the downstream side of the control block). Or there are multiple blocksFrom, specifically,The air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block is reduced by an air-fuel ratio sensor disposed in the exhaust passage upstream of the block located downstream of the control block and downstream of the control block. Even if it is means for physically detecting the value related to the air-fuel ratio of the same gas, the value related to the amount of the specific component in the gas flowing out from the control block (for example, the concentration of the specific component or the absolute value of the specific component) (Amount etc.) may be estimated (acquired) as a value related to the air-fuel ratio of the gas by calculation taking into account the reaction in the control block. Examples of the specific component include components to be purified with a catalyst such as carbon monoxide CO, hydrocarbon HC, nitrogen oxide NOx, and oxygen O2(Excess and deficiency). When the gas air-fuel ratio related value acquisition means is composed of the air-fuel ratio sensor, the control block is limited to the block located in the most downstream in the nearest catalyst located upstream of the air-fuel ratio sensor.
[0010]
The air-fuel ratio forced oscillation means for forcibly oscillating the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device may be means for forcibly oscillating the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine, or The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device by controlling the air-fuel ratio of the air-fuel mixture sucked into the engine and supplying air or fuel from a nozzle or the like provided in the exhaust passage upstream of the catalyst device It may be a means for forcibly vibrating. If the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine is controlled, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device can be controlled.
[0011]
According to this, one of the catalyst devicesPartDirectly paying attention to the value related to the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is changed from the predetermined rich air-fuel ratio to the predetermined lean air-fuel ratio, or the predetermined predetermined air-fuel ratio. Since the perturbation control for switching from the lean air-fuel ratio to the predetermined rich air-fuel ratio is performed, the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block can be stably and reliably maintained in the vicinity of the theoretical air-fuel ratio, As a result, it is possible to stably and reliably reduce the discharge amount of harmful components at least downstream of the control block.
[0012]
In this case, the gas air-fuel ratio related value acquisition means is configured to acquire a value related to the amount of the specific component in the gas flowing out from the control block as a value related to the air-fuel ratio of the gas. Is preferred.
[0013]
When the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block is detected as a value related to the air-fuel ratio of the gas by an air-fuel ratio sensor (for example, an O2 sensor) disposed in the exhaust passage downstream of the control block, The exhaust gas flowing out from the block reaches the air-fuel ratio sensor after a predetermined time from the time when it flows out, and then the air-fuel ratio is detected when the response delay time of the air-fuel ratio sensor elapses. Therefore, a predetermined time is required until the change in the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block appears as the change in the output of the air-fuel ratio sensor.
[0014]
On the other hand, as described above, if the value related to the amount of the specific component in the gas flowing out from the control block is obtained by calculation as a value related to the air-fuel ratio of the gas, more appropriate timing can be obtained. Thus, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device can be switched from the predetermined rich air-fuel ratio to the predetermined lean air-fuel ratio, or from the predetermined lean air-fuel ratio to the predetermined rich air-fuel ratio. As a result, the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block can be more reliably maintained near the stoichiometric air-fuel ratio.
[0015]
Further, in the exhaust purification apparatus, the gas air-fuel ratio related value acquisition means acquires a value related to an excess / deficiency amount of oxygen in the gas flowing out from the control block as a value related to the amount of the specific component in the gas. The air-fuel ratio forced oscillation means is configured such that the value relating to the excess / deficiency of oxygen in the gas becomes a value indicating that the degree of oxygen deficiency in the gas exceeds a predetermined level. The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to the predetermined lean air-fuel ratio, and the value relating to the excess / deficiency of oxygen in the gas exceeds the predetermined extent of the oxygen excess in the gas The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to the predetermined rich air-fuel ratio by forcing the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device to oscillate. To be done It is suitable.
[0016]
The air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block becomes a lean air-fuel ratio when oxygen in the gas is excessive, and becomes a rich air-fuel ratio when oxygen in the gas is insufficient. Therefore, the excess or deficiency of oxygen in the gas can be a value (related to the air / fuel ratio) indicating the air / fuel ratio of the gas. Therefore, if configured as described above, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is determined based on one value obtained by calculation, which is “a value relating to the excess or deficiency of oxygen in the gas flowing out from the control block”. Therefore, the calculation required for air-fuel ratio control can be simplified.
[0017]
Alternatively, in the exhaust emission control device, the gas air-fuel ratio related value acquisition means specifies a value relating to the amount of oxidant in the gas flowing out from the control block and a value relating to the amount of reducing agent respectively in the gas. The air-fuel ratio forced oscillation means is configured to obtain a value relating to the amount of a component, and the value relating to the amount of reducing agent in the gas is an amount in which the amount of reducing agent in the gas exceeds a predetermined level. When the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to the predetermined lean air-fuel ratio, the value related to the amount of oxidant in the gas is the value of the oxidant in the gas. Gas flowing into the catalyst device by controlling the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device to the predetermined rich air-fuel ratio when the amount becomes a value indicating that the amount exceeds a predetermined level Force the air-fuel ratio of It is preferably configured so as to dynamic. Here, the “oxidant” in the gas is, for example, nitrogen oxide NOx, oxygen O2The “reducing agent” in the gas is, for example, carbon monoxide CO or hydrocarbon HC.
[0018]
The air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block becomes a lean air-fuel ratio when the amount of oxidizing agent in the gas is large (the amount of reducing agent in the gas is very small at this time), and the same When the amount of reducing agent in the gas is large (the amount of oxidizing agent in the gas is very small at this time), the air-fuel ratio becomes rich. Therefore, the amount of the oxidizing agent and the amount of the reducing agent in the gas can be a value indicating the air / fuel ratio of the gas (related to the air / fuel ratio). Further, the amount of oxidant in the gas flowing out from the control block is the amount of oxygen stored in the catalyst (in the control block).2While depending on the oxygen storage speed related to the storage function (hereinafter referred to as “oxygen storage function”), the amount of reducing agent in the outflowing gas depends on the oxygen release (storage) related to the oxygen storage function. De) depends on speed. Therefore, if configured as described above, for example, the oxygen storage rate and the oxygen release rate in the catalyst (in the control block) are individually set and the difference between these reaction rates is considered individually and accurately. The switching timing of the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device can be determined on the basis of the amount of oxidant flowing out from the control block and the amount of reducing agent that can be calculated in the control block. It is possible to maintain the air-fuel ratio of the gas to be in the vicinity of the theoretical air-fuel ratio more reliably.
[0019]
Furthermore, in the exhaust emission control device according to the present invention, the control block in which the value related to the air / fuel ratio of the gas acquired by the gas / air / fuel ratio related value acquisition means is located upstream of the block located in the most downstream position. Related to gas flowing out of
[0020]
According to this, the air-fuel ratio of the exhaust gas can be maintained in the vicinity of the theoretical air-fuel ratio at the position of the outlet of the intermediate block of the catalyst device (or the amount of the specific component in the exhaust gas is made substantially “0”). Can do). Therefore, even if harmful components flow out of the intermediate block due to an unavoidable control delay of perturbation control (air-fuel ratio feedback control), the amount of outflow is very small and the block located downstream from the intermediate block Therefore, it is possible to further reduce the discharge amount of harmful components in the exhaust gas flowing out from the most downstream position of the catalyst device. In other words, the block downstream of the intermediate block can function as a preliminary catalyst.
[0021]
Furthermore, in the exhaust emission control device according to the present invention,The gas air-fuel ratio related value acquisition means is the catalyst device.Maximum amount of oxygen that can be stored (maximum oxygen storage amount)According to the decline ofFor controlConfigured to move the block position downstreamThe
[0022]
In the perturbation control described above, when the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to a predetermined rich air-fuel ratio, the block located at the uppermost stream isFor controlAfter all the oxygen stored in each block up to the block is consumed and the oxygen storage amount in each block reaches substantially “0”,For controlWhen the air-fuel ratio of the gas flowing out from the block turns rich, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is switched to a predetermined lean air-fuel ratio. Similarly, when the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to the predetermined lean air-fuel ratio, all the oxygen storage amounts in the respective blocks substantially reach the maximum oxygen storage amount, sameFor controlWhen the air-fuel ratio of the gas flowing out from the block changes to lean, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is switched to the predetermined rich air-fuel ratio. In other words, the air-fuel ratio switching period in the perturbation control is changed from the block located at the uppermost stream to the above-mentioned.For controlOf the upstream part (or the entire catalytic device) of the catalytic device composed of each block up to the blockMaximum oxygen storage capacityThe smaller the value, the shorter.
[0023]
Therefore, due to the deterioration of the catalytic device, the catalytic device (upstream part)Maximum oxygen storage capacityWhen the air-fuel ratio becomes small to some extent, the air-fuel ratio switching period in the perturbation control becomes extremely short, so that the air-fuel ratio largely fluctuates (hunts), and as a result, the perturbation control fails. In contrast, as described above, the catalytic deviceMaximum oxygen storage capacityAccording to the decline ofFor controlIf the block position is configured to move downstream, the upstream portion of the catalytic deviceMaximum oxygen storage capacitySameFor controlThe block position is increased by the amount moved downstream. Therefore, even if the catalyst device is deteriorated, the upstream portion of the catalyst deviceMaximum oxygen storage capacityCan be maintained at a value large enough not to cause perturbation control failure. As a result, the air-fuel ratio hunting described above can be avoided, and an increase in the emission amount of harmful components in the exhaust gas can be avoided.
[0024]
More specifically, the exhaust emission control device is configured by blocks from a first block to an nth block which are the most upstream blocks among the plurality of blocks when the value n is a natural number. The upstream of the catalytic deviceMaximum oxygen storage capacityOxygen storage capacity acquisition means for acquiring the gas air-fuel ratio related value acquisition means,Maximum oxygen storage capacityBased on the prescribedvalueBigger thanMaximum oxygen storage capacityThe nth block constituting the upstream portion of the catalytic device having the smallest value n among the upstream portion of the catalytic device determined to haveFor controlSuitably configured to be set as a block.
[0025]
According to this, from the block located in the most upstream, the saidFor controlOf the upstream part of the catalytic device composed of each block up toMaximum oxygen storage capacityCan be set to a level that does not cause the perturbation control to failvalueCan be maintained at a higher value, and can function as a preliminary catalyst as described above.For controlThe number of blocks downstream from the blocks can be maximized. Therefore, the amount of harmful components discharged from the most downstream position of the catalyst device can be reduced as much as possible while avoiding the air-fuel ratio hunting described above.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<First Embodiment>
Embodiments of an exhaust emission control device according to the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 shows a schematic configuration of a system in which an exhaust emission control device (air-fuel ratio control device) according to a first embodiment of the present invention is applied to a spark ignition type multi-cylinder (four-cylinder)
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
The
[0033]
On the other hand, this system includes a hot-wire
[0034]
The hot-wire
[0035]
As shown in FIG. 2, the most upstream air-
[0036]
In addition, the system includes an
[0037]
(Perturbation control of the first embodiment)
Next, the perturbation control of the exhaust purification device will be described. FIG. 4 is a time chart in the perturbation control. FIG. 4A shows the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine 10 (accordingly, the air-fuel ratio of the exhaust gas upstream of the first catalyst), and FIG. Out of a later-described control block (i.e., an i-th block as a catalyst device comprising an intermediate block, a
[0038]
Here, the control oxygen concentration CgoutO2c flowing out from the control block (block i) constituting a part of the catalyst device will be briefly described. In the catalyst model to be described later, as shown in FIG. 5, a cylindrical catalyst is virtually divided at equal intervals from the upstream side of the catalyst on a plane orthogonal to the axis of the cylinder. Form a block. The catalyst model performs a predetermined calculation for each block of each catalyst, and obtains a concentration Cgout of a specific component (for example, oxygen, carbon monoxide, hydrocarbon, nitrogen oxide, etc.) flowing out from each block. . Each block is defined as a first block, a second block,..., An nth block in order from the most upstream (the side into which exhaust gas flows) of each catalyst.
[0039]
In the catalyst model of the present embodiment, the
[0040]
As is apparent from the above, the control oxygen concentration CgoutO2c is set when the control block (block i) is set to one of r blocks of the first catalyst 53 (1 <i ≦ r ) Is the oxygen concentration CgoutSC, O2 <i> in the exhaust gas flowing out from the block i of the
[0041]
Referring to FIG. 4 again, the present exhaust purification apparatus obtains the control oxygen concentration CgoutO2c flowing out from the control block i set as described later from the catalyst model, and calculates the control oxygen concentration CgoutO2c near “0”. The air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the
[0042]
On the other hand, when CgoutO2c becomes larger than the positive threshold Crefpls (that is, when the oxygen excess level exceeds a predetermined level, or when the gas air-fuel ratio is a predetermined level) This means that a large amount of oxygen (and therefore NOx) has started to flow out of the control block i, so that the air-fuel ratio supplied to the
[0043]
(Catalyst model)
Next, a catalyst model (estimated model) employed by the exhaust purification apparatus will be described. In constructing the catalyst model, since the
[0044]
As shown in FIG. 6, the
[0045]
Since the
[0046]
Therefore, in the perturbation control as shown in FIG. 4, the air-fuel ratio of the gas flowing into the
[0047]
On the other hand, when the air-fuel ratio of the gas flowing into the
[0048]
Therefore, if the oxygen concentration CgoutUF, O2 <m> in the exhaust gas flowing out from the
[0049]
When the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from the intermediate block i is used in this way, the air-fuel ratio switching period in the perturbation control is from the block located at the most upstream of the
[0050]
From the above requirements, the exhaust gas purification apparatus uses the catalyst model, so that the concentration of each specific exhaust gas component, including the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from each block, for each
[0051]
Hereinafter, the specific configuration and contents of the catalyst model will be described. This catalyst model is applied to both the
[0052]
First, in the catalyst model, as described above, the
[0053]
Next, paying attention to an arbitrary block (hereinafter referred to as “specific region”), the balance of a substance of a specific chemical species (specific component) passing through the specific region is considered. A chemical species is a component contained in exhaust gas, for example, oxygen O2Carbon monoxide CO, hydrocarbon HC, and nitrogen oxides NOx. The chemical species is a combination of the components contained in the exhaust gas when the air-fuel ratio of the exhaust gas flowing into the catalyst is rich (rich component), or when the air-fuel ratio of the exhaust gas flowing into the catalyst is lean It can also be a combination of components contained in the exhaust gas (lean component). In the catalyst model, various values are defined as shown in Table 1 below.
[0054]
[Table 1]
[0055]
Considering the balance of chemical species in a specific region in a given period from time t to t + Δt, as shown in FIG. 8, in the exhaust gas phase (simply referred to as “gas phase”) in the specific region. As shown in the following formula (1), the change amount ΔM of the chemical species is calculated from the amount Min of the same species flowing into the specific region, and the amount Mout of the same species flowing out of the specific region. It is equal to the amount obtained by subtracting the amount Mcoat of the same chemical species taken away by the coat layer. Thus, the catalyst model is constructed based on the mass balance of specific components in each specific region.
[0056]
[Expression 1]
[0057]
In the following, each term in equation (1) will be examined individually. First, the change amount ΔM of the chemical species on the left side of the equation (1) can be obtained by the following equation (2). Equation (2) is obtained by multiplying the concentration change of the chemical species in the given period (the amount obtained by integrating the time change of the concentration Cg of the chemical species over the given period) by the microvolume σ · dA · dx. The value is integrated in the axial direction over the entire block (specific area) in which the value is focused.
[0058]
[Expression 2]
[0059]
Min in the first term on the right side of equation (1) is a value corresponding to the volume of exhaust gas flowing into the specific area per unit time “the flow velocity vgin of the exhaust gas flowing into the specific area and the cross-sectional area dA of the specific area. Product vgin · dA (Actually, exhaust gas at a flow rate of vgin flows into the catalyst having a cross-sectional area dA and an aperture ratio σ, so the flow rate of exhaust gas inside the catalyst is vgin / σ, and this actual flow rate vgin / σ and the catalyst Is a value obtained by integrating the value Cgin · vgin · dA over a given period by multiplying the concentration Cgin of the chemical species in the inflowing exhaust gas by the product (substantial cross-sectional area σ · dA). Also, Mout in the second term on the right side of equation (1) is the product vgout · dA of the flow velocity vgout of the exhaust gas flowing out from the specific region and the cross-sectional area dA of the specific region (actually, the actual flow rate vgout / σ of the exhaust gas) Value obtained by multiplying a value Cgout · vgout · dA over a given period by multiplying the concentration Cgout of the chemical species in the exhaust gas flowing out to the product (a product of a typical sectional area σ · dA). That is, the first term and the second term on the right side of the above equation (1) can be described as the following equation (3).
[0060]
[Equation 3]
[0061]
By the way, since there is no significant difference between the flow velocity vgin of the exhaust gas flowing into the specific region and the flow velocity vgout of the exhaust gas flowing out from the specific region, when vg = vgin = vgout, the equation (3) is expressed as (4 It is transformed like
[0062]
[Expression 4]
[0063]
Next, the amount Mcoat of the chemical species transmitted (moved) to the coat layer in the third term on the right side of the equation (1) will be examined. Since the geometric surface area Sgeo is the surface area that contributes to the reaction of chemical species per unit volume of the catalyst, the surface area that contributes to the reaction of chemical species in a specific region is Sgeo · dA · dx, and the unit length of the specific region The area contributing to this reaction is Sgeo · dA. The amount of chemical species transmitted to the coating layer can be considered to be proportional to the difference between the concentration Cg of the chemical species in the exhaust gas phase and the concentration Cw of the chemical species in the coating layer from Fick's law. From these, the following equation (5) is obtained. HDIs a proportionality constant, but as shown in Table 1 above, it is a value called mass transfer rate.
[0064]
[Equation 5]
[0065]
Accordingly, the following expression (6) is obtained from the expressions (1), (2), (4), and (5).
[0066]
[Formula 6]
[0067]
If the quasi state approximation is applied to this equation (6), the left side of equation (6) can be considered to be “0” (∂Cg / ∂t = 0) (that is, the concentration Cg is The following equation (7) is obtained because it is considered that the steady value is reached instantaneously.
[0068]
[Expression 7]
[0069]
Where apparent diffusion rate (substantial diffusion rate) RD(7) can be rewritten as (9).
[0070]
[Equation 8]
[0071]
[Equation 9]
[0072]
Next, considering the balance of chemical species (material balance of specific components) in the coating layer in a specific area as described above, the amount of change in chemical species in the coating layer over time as shown in the following equation (10) (Change amount per unit time) ΔMc is the amount of the same chemical species that is transmitted from the exhaust gas phase to the coat layer per unit time from the amount Md of the same chemical species consumed by the reaction in the coat layer per unit time. The amount obtained by subtracting the amount Mr.
[0073]
[Expression 10]
[0074]
The left side of equation (10) (temporal change of chemical species in the coat layer) ΔMc is expressed in the concentration change (∂Cw / ∂t) of the species ((1 -Σ) · dA · dx), the first term on the right side (the amount of chemical species Md transferred from the exhaust gas phase to the coating layer per unit time) is the same as the reason explained in Equation (5) For the reason, that is, from Fick's law, it can be described as the following equation (12).
[0075]
## EQU11 ##
[0076]
[Expression 12]
[0077]
The second term on the right side of the equation (10) (the amount of chemical species consumed by the reaction in the coat layer per unit time Mr) is the following (13) using the consumption rate R of the chemical species in the coat layer. It is calculated by the formula.
[0078]
[Formula 13]
[0079]
Therefore, the following expression (14) is obtained from the expressions (10) to (13).
[0080]
[Expression 14]
[0081]
When a quasi-state approximation is applied to this equation (14) (∂Cw / ∂t = 0), the following equation (15) is obtained.
[0082]
[Expression 15]
[0083]
Here, if the equation (8) is applied to the equation (15), the following equation (16) is obtained.
[0084]
[Expression 16]
[0085]
In summary, Equations (9) and (16) are basic equations of the catalyst model. Equation (9) shows that the “inflow amount into a specific region” of a certain chemical species is balanced with “the diffusion amount from the exhaust gas phase to the coating layer + the outflow amount from the specific region”. Indicates that the “amount of diffusion from the exhaust gas phase to the coat layer” and the “consumption amount in the coat layer” are balanced.
[0086]
Next, a method for actually calculating the concentration Cgout of a specific chemical species i flowing out from a specific region using such a catalyst model will be described. First, when the equation (9) is discretized, the following equation (17) is obtained. In the following, the above dx is represented as L.
[0087]
[Expression 17]
[0088]
Here, as conceptually shown in FIG. 9, it is considered that the concentration Cgout of the chemical species flowing out from the specific region I is strongly influenced by the concentration Cg (I) of the chemical species in the specific region I. (18) can be placed. This concept is called “windward method”. In other words, the upwind method is an idea that “a chemical species having a concentration Cg (I-1) in the upstream region (I-1) adjacent to the specific region I flows into the specific region I”. The following equation (19) can also be used.
[0089]
[Formula 18]
[0090]
[Equation 19]
[0091]
By the way, based on the reaction kinetics, the consumption rate R in a coat layer of a certain chemical species is a function fcw of the average concentration Cw of the coat layer of the chemical species (for example, a function proportional to the nth power of Cw). Therefore, if this function fcw is set to be proportional to Cw so as to be the simplest, the consumption speed R can be set as shown in the equation (20). In the following, R * in equation (20) is referred to as “consumption rate constant” for convenience.
[0092]
[Expression 20]
[0093]
This equation (20) is replaced with the above equation (16) (R = RDWhen applied to (Cg-Cw) (16)), the following formula (21) is obtained, and the following formula (22) is obtained by modifying the formula (21).
[0094]
[Expression 21]
[0095]
[Expression 22]
[0096]
Further, according to the above-mentioned upwind method, since Cg = Cgout, equation (22) can be rewritten as the following equation (23).
[0097]
[Expression 23]
[0098]
Then, the relationship Cg = Cgout is applied to the above equation (17) to eliminate Cg, and when Cw is eliminated from the equation (17) and the above equation (23), the following equation (24) is obtained.
[0099]
[Expression 24]
[0100]
Therefore, if the value SP is set as the following formula (25), the formula (24) can be rewritten as the formula (26). The value SP is the apparent diffusion rate RDAnd the consumption rate constant R * is a value that is strongly influenced by the smaller value.D) Or a chemical reaction (R *), it is a value indicating that the rate is limited, and can therefore be called a “reaction rate-limiting factor”.
[0101]
[Expression 25]
[0102]
[Equation 26]
[0103]
From the above, consumption rate constant R * and apparent diffusion rate RDCan be determined, the concentration Cgout of the chemical species flowing out from the specific region can be obtained based on the equations (25) and (26) by giving the chemical species concentration Cgin flowing into the specific region. Further, since the chemical species concentration Cgin flowing into the next specific region is determined in this way, it is possible to calculate the chemical species concentration Cgout of the same specific region. The above is the basic concept of the catalyst model for calculating the concentration Cgout of the chemical species.
[0104]
Next, the consumption rate constant R * and the apparent diffusion rate RDAn example of a more specific method for determining the chemical species concentration Cgout flowing out from the specific region will be described. In this example (catalyst model), it is assumed that the three-way reaction, which is an oxidation / reduction reaction at the catalyst, ends instantaneously and completely, and the resulting oxygen storage / release reaction is based on the excess or deficiency of oxygen. Pay attention. This assumption (catalyst model) is realistic and accurate.
[0105]
In this case, the chemical species i of interest is, for example, oxygen O2And oxygen species such as nitrogen monoxide NO, which is one of the nitrogen oxides (contains oxygen), and oxygen is consumed like carbon monoxide CO and hydrocarbon HC It is a chemical species selected from chemical species (reduction agents).
[0106]
In the following, the chemical species i of the storage agent (in this case, the chemical species i is O2Or NO, etc.) Cgout is Cgout, stor, i, Cw of the same species i is Cw, stor, i, Cgin of the same species i is Cgin, stor, i, and apparent diffusion rate R of the same species iDRD, i, the consumption rate of the chemical species i is represented as Rstor, i, the consumption rate constant of the chemical species i is represented as R * stor, i, and the reaction rate limiting factor of the chemical species i is represented as SPstor, i.
[0107]
Similarly, Cgout of reduction agent chemical species i (in this case, chemical species i is CO or HC, etc.) is Cgout, reduced, i, Cw of chemical species i is Cw, reduced, i, chemical species i Cgin, Cgin, reduced, i, apparent diffusion rate R of the same species iDRD, i, the consumption rate of the chemical species i is represented by Rreduc, i, the consumption rate constant of the chemical species i is represented by R * reduc, i, and the reaction rate limiting factor SPreduc, i of the chemical species i. When each value is represented in this way, the following equations (27) to (34) are obtained from the above equations (20), (23), (25), and (26).
[0108]
[Expression 27]
[0109]
[Expression 28]
[0110]
[Expression 29]
[0111]
[30]
[0112]
[31]
[0113]
[Expression 32]
[0114]
[Expression 33]
[0115]
[Expression 34]
[0116]
Based on these equations, Cgout, sotr, i (specifically, the concentration Cgout, O2 of oxygen flowing out from the specific region, the concentration Cgout, NO of nitrogen monoxide flowing out from the specific region) and Cgout, reduc, i (Specifically, in order to obtain the concentration Cgout, CO of carbon monoxide flowing out from the specific region and the concentration Cgout, HC of hydrocarbon flowing out from the specific region), first, the consumption rate constant R * stor, i and the consumption rate Find the constant R * reduc, i.
[0117]
By the way, according to the reaction kinetics, the consumption rate Rstor, i of the storage agent, which is the rate at which oxygen is occluded in the coat layer in a specific region (oxygen occlusion rate), is the storage agent (O2, NOx, etc.) is proportional to the value of the function f1 (Cw, stor, i) of the concentration Cw, stor, i (for example, Cw, O2, Cw, NO), and the maximum oxygen storage density of the coat layer in a specific region It is considered that it is proportional to the value of the function f2 (Ostmax-Ost) of the difference (Ostmax-Ost) from the actual oxygen storage density. The difference (Ostmax−Ost) between the maximum oxygen storage density and the oxygen storage density represents the oxygen storage margin in the specific region of interest.
[0118]
Therefore, for the sake of simplicity, assuming that the function f1 (x) = f2 (x) = x, the following equation (35) is obtained. In the following equation (35), kstor, i is the oxygen storage rate coefficient (storage side reaction rate coefficient, storage agent consumption rate coefficient), which varies depending on the temperature expressed by the well-known Arrhenius equation And is obtained based on a separately detected or estimated catalyst temperature Temp and a predetermined function (may be a map defining the relationship between the oxygen storage rate coefficient kstor, i and the catalyst temperature Temp). it can. The oxygen storage rate coefficient kstor, i varies depending on the degree of catalyst deterioration, and may be obtained according to the degree of catalyst deterioration.
[0119]
[Expression 35]
[0120]
Therefore, the consumption rate constant R * stor, i can be obtained from the following equation (36) from the equations (27) and (35).
[0121]
[Expression 36]
[0122]
In addition, in this catalyst model that focuses only on oxygen storage (adsorption) and release, the reduction agent, which is a reducing agent, is used only to release oxygen stored in the coat layer. The agent consumption rate Rreduc, i is equal to the rate at which oxygen stored in the coat layer is released (oxygen release rate) Rrel, i.
[0123]
Therefore, when the oxygen release rate Rrel, i is examined, the release rate Rrel, i is based on the reaction kinetics in the same manner as the oxygen storage rate Rstor, i, and is a chemical species that consumes oxygen in the coat layer (for example, (CO, HC) concentration Cw, reduc, i (for example, Cw, CO, Cw, HC) is proportional to the value of function g1 (Cw, reduc, i), and oxygen storage density Ost of function g2 (Ost) It is considered to be proportional to the value.
[0124]
Therefore, for the sake of simplicity, assuming that the function g1 (x) = g2 (x) = x, the following equation (37) is obtained. In the following equation (37), krel, i is an oxygen release rate coefficient (adsorption-desorption side reaction rate coefficient), and changes depending on the temperature expressed by the Arrhenius equation, as does the oxygen storage rate coefficient kstor, i. It is a coefficient, and is obtained based on a predetermined function (may be a map defining the relationship between the oxygen release rate coefficient krel, i and the catalyst temperature Temp) based on the catalyst temperature Temp separately detected or estimated. it can. Note that the oxygen release rate coefficient krel, i changes depending on the degree of catalyst deterioration, and may be obtained according to the degree of catalyst deterioration.
[0125]
[Expression 37]
[0126]
As a result, since the consumption rate Rredcu, i of the reduction agent is equal to the oxygen release rate Rrel, i of the coating layer as described above, the consumption rate constant R * reduc, i is expressed by the equations (31) and (37). Can be obtained based on the following equation (38) obtained by comparing.
[0127]
[Formula 38]
[0128]
From the above, if the oxygen storage density Ost is obtained (the method for obtaining the oxygen storage density Ost will be described later), the consumption rate constant R * stor, i (for example, R * O2) is calculated from the equation (36). Can be sought. On the other hand, apparent diffusion rate RD, i (for example, RD, O2) is Sgeo · h as shown in equation (8).D, i can be experimentally obtained as a function of temperature and flow rate (a function of the catalyst temperature and the flow rate of exhaust gas passing through the catalyst). As a result, SPstor, i (for example, SPstor, O2) is determined from the expression (29). Therefore, when Cgin, stor, i (for example, Cgin, O2) is given as the boundary condition, Cgout from the expression (30) , stor, i (eg, Cout, O2). Then, new Cw, stor, i (for example, Cw, O2) is obtained by the equation (28).
[0129]
Similarly, if the oxygen storage density Ost is obtained, the consumption rate constant R * reduc, i (for example, R * reduc, CO) can be obtained from the equation (38). On the other hand, apparent diffusion rate RD, i (for example, RD, CO) is Sgeo · h as shown in equation (8).D, i can be experimentally obtained as a function of temperature and flow rate (a function of the catalyst temperature and the flow rate of exhaust gas passing through the catalyst). As a result, SPreduc, i (for example, SPreduc, CO) is determined from the expression (33). Therefore, when Cgin, reduc, i (for example, Cgin, CO) is given as the boundary condition, Cgout from the expression (34) , reduce, i (eg, Cgout, CO). Then, new Cw, reduc, i (for example, Cw, CO) is obtained by the equation (32).
[0130]
Next, how to obtain the oxygen storage density Ost required for obtaining Cgout, stor, i and Cgout, reduc, i will be described.
[0131]
First, paying attention to the balance of oxygen as a chemical species in the coat layer, the balance is the difference between the amount of occluded oxygen and the amount of released oxygen in the coat layer, and is described by the following equation (39). In equation (39), dA · L is the volume dV of the specific region.
[0132]
[39]
[0133]
When this equation (39) is modified, the following equation (40) is obtained.
[0134]
[Formula 40]
[0135]
When this equation (40) is discretized using the equations (35) and (37), the following equation (41) is obtained.
[0136]
[Expression 41]
[0137]
When the equation (41) is modified, the following equations (42) to (44) are obtained, and the oxygen storage density Ost can be obtained (updated) from these.
[0138]
[Expression 42]
[0139]
[Expression 43]
[0140]
(44)
[0141]
In this way, since the oxygen storage density Ost is obtained from the equations (42) to (44), Cgout, stor, i, Cgout, reduce, i can be obtained as described above. As described above, the means for obtaining the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from each block corresponds to the gas air-fuel ratio related value obtaining means. Further, since the oxygen storage density Ost is obtained, the oxygen storage amount OSA of the specific region can be obtained based on the following equation (45).
[Equation 45]
[0142]
Therefore, when the chemical species concentration Cgin, i flowing into the catalyst is given as a boundary condition, the oxygen storage amount OSA of each block is obtained sequentially from the block upstream of the catalyst (specific region) using equation (45). As a result, the distribution of the oxygen storage amount inside the catalyst is accurately estimated. Further, if the oxygen storage amount OSA of each block is integrated for the entire catalyst, the oxygen storage amount of the entire catalyst can also be accurately estimated. The above is the catalyst model used by the present exhaust purification apparatus. Then, as described above, the present exhaust purification apparatus, based on the maximum oxygen storage amount for each block obtained as described later separately, for each block of the
[0143]
(Actual operation)
Next, the actual operation of the first embodiment of the exhaust emission control device will be described with reference to a flowchart showing a routine executed by the
[0144]
The
[0145]
Next, the
[0146]
Next, the
[0147]
Next, the method for determining the control block and the control oxygen concentration CgoutO2c will be described. The
[0148]
Next, the
[0149]
At present, the value of the counter value n is “1”. Accordingly, the
[0150]
Such processing is repeated as long as the maximum oxygen storage amount CmaxSCh for determination does not exceed the threshold value Cth. Therefore, the determination maximum oxygen storage amount CmaxSCh is an integrated value of the maximum oxygen storage amount CmaxSC <n> of each block n from the first block to the nth block, which is the most upstream block of the
[0151]
When the determination maximum oxygen storage amount CmaxSCh becomes larger than the predetermined threshold Cth during execution of such processing, the
[0152]
Further, the integrated value of the maximum oxygen storage amounts CmaxSC <n> of all the blocks from the first block to the r-th block of the first catalyst 53 (that is, the maximum oxygen storage amount of the entire first catalyst 53). When CmaxSCall) is smaller than the predetermined threshold Cth, the
[0153]
The processing from
[0154]
When the determination maximum oxygen storage amount CmaxUFh becomes larger than the predetermined threshold Cth, the
[0155]
Further, when the sum of the maximum oxygen storage amounts (CmaxSCall + CmaxUFall) of the
[0156]
As described above, when n is a natural number and the
[0157]
Next, the calculation of the target air-fuel ratio abyfr (k) will be described. The
[0158]
Currently, the air-fuel ratio control for calculating the maximum oxygen storage amount is not executed, and the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from the control block i obtained in the routine of FIG. The description will be continued assuming that the oxygen concentration CgoutO2c has changed from a state below the positive threshold Crefpls to a state greater than the positive threshold Crefpls. In this case, the
[0159]
As described above, when the control oxygen concentration CgoutO2c changes from a state below the positive threshold Crefpls to a state above the same positive threshold Crefpls, the exhaust purification apparatus changes the target air-fuel ratio abyfr (k) to the stoichiometric air-fuel ratio stoich. After that, the
[0160]
When the current and previous control oxygen concentration CgoutO2c is larger than the positive threshold value Crefpls, the
[0161]
On the other hand, from the state in which the air-fuel ratio control for calculating the maximum oxygen storage amount is not executed and the oxygen concentration CgoutO2c flowing out from the control block i is greater than or equal to the negative threshold Crefmns is smaller than the negative threshold Crefmns. The explanation will continue as if it had changed. In this case, the
[0162]
Thus, when the control oxygen concentration CgoutO2c changes from a state equal to or higher than the negative threshold value Crefmns to a state smaller than the negative threshold value Crefmns, the present exhaust purification device changes the target air-fuel ratio abyfr (k) to the stoichiometric air-fuel ratio stoich. After that, the
[0163]
When the current and previous oxygen concentrations CgoutO2c are smaller than the negative threshold value Crefmns, the
[0164]
Further, if the air-fuel ratio control for calculating the maximum oxygen storage amount is being executed, the value of the air-fuel ratio forced setting control execution flag XHAN is “1”, so that the
[0165]
Next, the calculation of the main feedback control amount DFi will be described. The
[0166]
Now, assuming that the air-fuel ratio feedback control condition is satisfied, the
[0167]
Next, the
[0168]
Thus, in order to obtain the in-cylinder fuel supply amount Fc (k−N) before the N stroke from the current time, the in-cylinder intake air amount Mc (k−N) before the N stroke from the current time is determined as the actual air-fuel ratio abyfs at the current time. This is because it takes a time corresponding to the N stroke until the air-fuel mixture burned in the
[0169]
Next, the
[0170]
[Equation 46]
DFi = (Gp · DFc + Gi · SDFc) · KFB
[0171]
In the above equation 46, Gp is a preset proportional gain (proportional constant), and Gi is a preset integral gain (integral constant). Note that the coefficient KFB of Equation 46 is preferably variable depending on the engine speed NE, the in-cylinder intake air amount Mc, and the like, but is set to “1” here. The value SDFc is an integral value of the in-cylinder fuel supply amount deviation DFc, and is updated in the
[0172]
As described above, the main feedback control amount DFi is obtained by the proportional integral control, and this main feedback control amount DFi is reflected in the fuel injection amount by the above-described
[0173]
On the other hand, if the air-fuel ratio feedback control condition is not satisfied at the time of determination in
[0174]
Next, the maximum oxygen storage amount acquisition control for forcibly changing the air-fuel ratio for calculating the maximum oxygen storage amount will be described. The
[0175]
Therefore, when the predetermined timing comes, the
[0176]
Next, the
[0177]
Next, although the maximum oxygen storage amount acquisition control is not currently performed, if the description is continued assuming that the start condition of the maximum oxygen storage amount acquisition control is satisfied, the
[0178]
Then, the
[0179]
Thereafter, the
[0180]
On the other hand, the
[0181]
At present, since the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine has just been changed to a predetermined lean air-fuel ratio, both the first catalyst downstream air-fuel ratio sensor output voxs1 and the second catalyst downstream air-fuel ratio sensor output voxs2 are theoretically both. Since the output does not correspond to an air-fuel ratio that is leaner than the air-fuel ratio, the
[0182]
Thereafter, the
[0183]
Further, the
[0184]
On the other hand, when the value of Mode is changed to “2” by the processing in the
[0185]
Thereafter, since the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine is maintained at the predetermined rich air-fuel ratio, the oxygen stored in the
[0186]
Similarly, the
[0187]
On the other hand, when the value of Mode is changed to “3” by the processing of the
[0188]
Thereafter, the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine is continuously maintained at the predetermined rich air-fuel ratio, so that oxygen stored in the
[0189]
In this state, when the
[0190]
As described above, when the start condition of the maximum oxygen storage amount acquisition control is satisfied, the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine is forcibly changed once in the order of the predetermined lean air-fuel ratio and the predetermined rich air-fuel ratio. Be controlled.
[0191]
Next, the operation in calculating the oxygen storage amount for obtaining the maximum oxygen storage amount will be described. The
[0192]
[Equation 47]
ΔO2 = 0.23 ・ mfr ・ (stoich − abyfsave)
[0193]
In the above formula 47, the value “0.23” is the weight ratio of oxygen contained in the atmosphere. mfr is the total amount of the fuel injection amount Fi within the predetermined time tsample, and stoich is the stoichiometric air fuel ratio (for example, 14.7). abyfsave is an average value of the air-fuel ratio A / F detected by the most upstream air-
[0194]
Next, the
[0195]
Such treatment (
[0196]
When the
[0197]
Such treatment (
[0198]
Next, the operation when calculating the maximum oxygen storage amounts CmaxSCall, CmaxUFall of the first and
[0199]
Accordingly, when the predetermined timing is reached, the
[0200]
On the other hand, if it is immediately after the end of the third mode, the value of the maximum oxygen storage amount acquisition control execution flag XHAN is changed from “1” to “0” in
[0201]
Next, the
[0202]
Here, the equations described in
[0203]
Thus, each maximum oxygen storage amount CmaxSC <n> for each block of the
[0204]
An equation for obtaining the maximum oxygen storage amount CmaxSC <n> for each block of the
[0205]
Referring to FIG. 19 again, the
[0206]
When the value of the counter value n becomes equal to the block number r of the
[0207]
The processing for calculating each maximum oxygen storage amount CmaxUF <n> for each block of the
[0208]
When the process of
[0209]
Next, a routine for calculating CgoutSC of each specific component of the
[0210]
Therefore, when the predetermined timing is reached, the
[0211]
The catalyst temperature TempSC and the catalyst temperature TempUF of the
[0212]
Next, the
[0213]
Since the value of the variable j at the current stage is “1”, the
[0214]
Next, in step 2135, the
[0215]
Subsequently, the
[0216]
Since the value of j is “1” at this stage, the block j is the most upstream block of the
[0217]
[Formula 48]
[0218]
The derivation process of the above equation (48) will be briefly described. The air-fuel ratio AF of the exhaust gas flowing into the
[0219]
[Equation 49]
[0220]
Next, the
[0221]
The routine shown in FIG. 22 is a routine for performing an operation on nitric oxide NO, and is the same routine as the routine of FIG. 21 described above for performing an operation on oxygen O2. Briefly, the
[0222]
Next, the
[0223]
Subsequently, the
[0224]
Since the value of j is “1” at this stage, the target block j is the most upstream block of the
[0225]
Next, the
[0226]
The routine shown in FIG. 23 is a routine for performing computation on carbon monoxide CO. The
[0227]
Next, in
[0228]
Subsequently, the
[0229]
Since the value of j is “1” at this stage, the target block j is the most upstream block of the
[0230]
Next, the
[0231]
The routine shown in FIG. 24 is a routine for performing an operation on hydrocarbon HC, and is the same routine as the routine of FIG. 23 described above for performing an operation on carbon monoxide CO. Briefly, the
[0232]
Next, in
[0233]
Subsequently, the
[0234]
Since the value of j is “1” at this stage, the block j is the most upstream block of the
[0235]
Next, the
[0236]
The routine shown in FIG. 25 is a routine for calculating the oxygen storage density Ost. When the
[0237]
Since the
[0238]
Next, a routine for calculating CgoutUF of each specific component of the
[0239]
When the value of the variable j is “1”, the
[0240]
As described above, the routine shown in FIG. 30 constitutes the oxygen concentration estimation means for the exhaust gas phase and the oxygen concentration estimation means for the coat layer in the block j (specific region j) of the
[0241]
As described above, the
[0242]
Therefore, the present exhaust gas purification apparatus provides information on the change in the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block i at a time earlier than the output change of the air-fuel ratio sensor provided downstream of the control block i (in this case, the control The oxygen concentration CgoutO2c) is acquired, and the timing for forcibly switching the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is determined by paying attention directly to the information on the change in the air-fuel ratio of the gas flowing out from the acquired control block i. Since the perturbation control is performed, the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block i can be stably and surely maintained in the vicinity of the theoretical air-fuel ratio. As a result, harmful effects on the downstream side of the control block i The discharge amount of the components could be stably and reliably reduced.
[0243]
In addition, the present exhaust purification apparatus has the first to nth blocks that are the most upstream block of the catalyst apparatus including one or a plurality of catalysts (first and
[0244]
As a result, the oxygen storage capacity of the upstream portion of the catalyst device constituted by each block from the block located in the uppermost stream of the catalyst device to the intermediate block i is set to the predetermined value set so as not to cause perturbation of perturbation control. The number of blocks downstream from the intermediate block i which can be maintained as a value larger than a predetermined oxygen storage capacity corresponding to the threshold value Cth and can function as a preliminary catalyst (buffer catalyst) is maximized. it can. Therefore, the amount of harmful components discharged from the most downstream position of the catalyst device can be reduced as much as possible while avoiding hunting of the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device.
[0245]
Second Embodiment
Next, a second embodiment of the exhaust gas purification apparatus according to the present invention will be described. This exhaust gas purification apparatus uses the same control in place of the control oxygen concentration CgoutO2c which is the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from the control block i. Nitric oxide concentration (control nitrogen monoxide concentration CgoutNOc), which is a value related to the amount of oxidant in the exhaust gas flowing out from the control block i, and a value related to the amount of reducing agent in the exhaust gas flowing out from the control block i The above first implementation is performed only in that perturbation control is performed using a certain carbon monoxide concentration (control carbon monoxide concentration CgoutCOc) to determine the timing for forcibly switching the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device. It differs from the exhaust gas purification device of the form. Accordingly, only such differences will be described below.
[0246]
(Air-fuel ratio control (perturbation control) of the second embodiment)
First, the air-fuel ratio control of the exhaust emission control device according to the second embodiment will be described. FIG. 35 is a time chart in the perturbation control according to the second embodiment. FIG. 35A shows the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the engine 10 (accordingly, the air-fuel ratio of the exhaust gas upstream of the first catalyst). B) shows the control carbon monoxide concentration CgoutCOc flowing out from the control block i calculated by the above-mentioned catalyst model, and (C) shows the control nitric oxide concentration CgoutNOc flowing out from the control block i. Show. As shown in FIG. 35, the present exhaust purification system obtains the control nitrogen monoxide concentration CgoutNOc and the control carbon monoxide concentration CgoutCOc flowing out from the control block i (taking only positive values) by the catalyst model. Then, perturbation control is performed on the air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the
[0247]
More specifically, this exhaust gas purification apparatus is a value indicating that the amount (concentration) of the reducing agent exceeds the predetermined level when CgoutCOc becomes larger than the positive threshold value Crefpls1. Or when the air / fuel ratio of the gas reaches a value that indicates a rich air / fuel ratio exceeding a predetermined level), this means that a large amount of unburned components have started to flow out of the control block i. Therefore, the target air-fuel ratio of the air-fuel mixture supplied to the
[0248]
On the other hand, when CgoutNOc becomes larger than the positive threshold Crefpls2 (that is, when the amount (concentration) of the oxidizer exceeds the predetermined level), or When the air / fuel ratio reaches a value indicating that the air / fuel ratio is a lean air / fuel ratio exceeding a predetermined level), it means that a large amount of nitrogen oxide NOx starts to flow out from the control block i, and is supplied to the
[0249]
(Actual operation)
Next, the actual operation of the exhaust emission control device will be described with reference to a flowchart showing a routine executed by the
[0250]
In the routine of FIG. 36, instead of the control oxygen concentration CgoutO2c which is the oxygen concentration in the exhaust gas flowing out from the control block i, the nitrogen monoxide concentration and the carbon monoxide concentration in the exhaust gas flowing out from the control block i 11 is different from the routine of FIG. 11 only in that steps 3635 and 3670 are employed instead of
[0251]
In the routine of FIG. 37, instead of the control oxygen concentration CgoutO2c which can take positive and negative values, the control nitric oxide concentration CgoutNOc and the control carbon monoxide concentration CgoutCOc which always take only positive values are obtained. 12 differs from the routine of FIG. 12 only in that steps 3710, 3715, 3725, and 3730 are employed instead of
[0252]
As described above, the exhaust gas purification apparatus according to the second embodiment has the oxygen storage rate coefficient (kstorSC, O2 (k) <j>) that determines the oxygen storage reaction rate and the oxygen release reaction rate in the catalyst device by the catalyst model. And kstorSC, NO (k) <j>) and oxygen release rate coefficients (krelSC, CO (k) <j> and krelSC, HC (k) <j>) are set individually, and the reaction rate difference between them is considered. Then, based on the respective values of the control nitric oxide concentration CgoutNOc and the control carbon monoxide concentration CgoutCOc that can be calculated individually and accurately, the switching timing of the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is determined. As a result, the air-fuel ratio of the gas flowing out from the control block i can be more reliably maintained in the vicinity of the theoretical air-fuel ratio, and the amount of harmful components discharged from the most downstream position of the catalyst device can be further reduced.
[0253]
In the second embodiment, when the control carbon monoxide concentration CgoutCOc flowing out from the control block i becomes larger than the positive threshold Crefpls1, and when the control nitric oxide concentration CgoutNOc flowing out from the control block i is Although it is configured to switch the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device when the positive threshold value Crefpls2 becomes larger, the control hydrocarbon concentration CgoutHCc, which is the hydrocarbon concentration flowing out from the control block i, and the same control When both the carbon monoxide concentration CgoutCOc for use is larger than the positive threshold value Crefpls1, the control oxygen concentration CgoutO2c that is the oxygen concentration flowing out from the control block i and the control nitric oxide concentration CgoutNOc are both positive threshold values Crefpls2 You may comprise so that the air fuel ratio of the gas which flows into a catalyst apparatus when it becomes larger may be switched.
[0254]
The present invention is not limited to the above embodiments, and various modifications can be adopted within the scope of the present invention. For example, in each of the above embodiments, the oxygen storage capacity (maximum oxygen storage amount CmaxSCall) of the
[0255]
In the above embodiments, when the oxygen storage capacity (maximum oxygen storage amount CmaxSCall) of the
[0256]
In each of the above embodiments, the control block i is located on the most downstream side of the block located on the most upstream side of the catalyst device composed of the first and
[0257]
In this case, the
[0258]
Further, when the
[0259]
Further, in each of the above embodiments, the output of the second catalyst downstream air-
[0260]
In each of the above embodiments, the control block i is selected based on the maximum oxygen storage amount in the upstream portion of the catalyst device, which is a value indicating the oxygen storage capability. However, the oxygen storage capability of the catalyst device is indirectly determined. The control block i may be selected based on the vehicle travel distance, the temperature of the catalyst device, and the intake air flow rate Ga.
[0261]
In this case, it is preferable that the position of the control block i is moved to the downstream side in accordance with the increase in the travel distance, the decrease in the catalyst temperature, and the increase in the intake air flow rate Ga. This is because the maximum oxygen storage amount of the catalyst device deteriorates as the travel distance increases, and the oxygen storage capacity of the catalyst device decreases as the temperature of the catalyst device decreases. This is because as the intake air amount Ga increases, the amount of oxygen that can be stored by the catalyst device (that is, the substantial maximum oxygen storage amount that is the oxygen storage capacity) decreases.
[0262]
Further, in each of the above embodiments, the amplitude α (expressed by α1, α2) from the theoretical air-fuel ratio in the perturbation control is represented by the temperature TempSC (the first temperature of the first catalyst 53) as shown in FIG. The temperature TempUF of the second catalyst 54), the intake air amount Ga, the deterioration index value REKKASC of the first catalyst 53 (the deterioration index value REKKAUF of the second catalyst 54), and the like. According to this, primary poisoning due to oxygen in the catalyst device can be appropriately eliminated, and the state of the catalyst device can be better maintained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an internal combustion engine equipped with an exhaust purification device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between the output of the most upstream air-fuel ratio sensor shown in FIG. 1 and the air-fuel ratio.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between each output of the first catalyst downstream air-fuel ratio sensor and the second catalyst downstream air-fuel ratio sensor shown in FIG. 1 and the air-fuel ratio.
4 is a time chart for explaining perturbation control by the exhaust emission control device shown in FIG. 1; FIG.
FIG. 5 is a schematic diagram of a catalyst for explaining a catalyst model.
FIG. 6 is an external view of the catalyst shown in FIG.
7 is a partial cross-sectional view of the catalyst shown in FIG.
FIG. 8 is a schematic diagram for explaining a catalyst model.
FIG. 9 is a schematic diagram for explaining an upwind method used in a catalyst model.
FIG. 10 is a flowchart showing a routine for fuel injection amount calculation executed by a CPU shown in FIG. 1;
FIG. 11 is a flowchart showing a routine for determining a control oxygen concentration executed by the CPU shown in FIG. 1;
12 is a flowchart showing a routine for setting a target air-fuel ratio that is executed by the CPU shown in FIG. 1; FIG.
FIG. 13 is a flowchart showing a routine for calculating an air-fuel ratio feedback correction amount executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 14 is a flowchart showing a routine for determining whether or not to start maximum oxygen storage amount acquisition control executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 15 is a flowchart showing a first mode routine executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 16 is a flowchart showing a second mode routine executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 17 is a flowchart showing a third mode routine executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 18 is a flowchart showing a routine for calculating an oxygen storage amount executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 19 is a flowchart showing a routine for calculating a maximum oxygen storage amount executed by the CPU shown in FIG. 1;
FIG. 20 is a map for obtaining the maximum oxygen storage amount for each block of the first catalyst from the maximum oxygen storage amount of the entire first catalyst.
FIG. 21 is a flowchart showing a routine for obtaining the oxygen concentration in the first catalyst according to the catalyst model.
FIG. 22 is a flowchart showing a routine for obtaining the concentration of nitric oxide in the first catalyst according to the catalyst model.
FIG. 23 is a flowchart showing a routine for obtaining the carbon monoxide concentration in the first catalyst according to the catalyst model.
FIG. 24 is a flowchart showing a routine for obtaining a hydrocarbon concentration in the first catalyst according to a catalyst model.
FIG. 25 is a flowchart showing a routine for obtaining an oxygen storage density and an oxygen storage amount of a first catalyst according to a catalyst model.
FIG. 26 is a map for obtaining each coefficient (each multiplier) used in the catalyst model from the degree of catalyst deterioration and the catalyst temperature.
FIG. 27 is a map that defines the relationship between the air-fuel ratio of exhaust gas used to determine the concentration of nitric oxide flowing into the catalyst and the same nitric oxide concentration.
FIG. 28 is a map that defines the relationship between the air-fuel ratio of exhaust gas used to determine the concentration of carbon monoxide flowing into the catalyst and the same carbon oxide concentration.
FIG. 29 is a map that defines the relationship between the air-fuel ratio of exhaust gas used to determine the hydrocarbon concentration flowing into the catalyst and the hydrocarbon concentration.
FIG. 30 is a flowchart showing a routine for obtaining the oxygen concentration in the second catalyst according to the catalyst model.
FIG. 31 is a flowchart showing a routine for obtaining a nitric oxide concentration in the second catalyst according to a catalyst model.
FIG. 32 is a flowchart showing a routine for obtaining a carbon monoxide concentration in the second catalyst according to a catalyst model.
FIG. 33 is a flowchart showing a routine for obtaining a hydrocarbon concentration in the second catalyst according to a catalyst model.
FIG. 34 is a flowchart showing a routine for obtaining an oxygen storage density and an oxygen storage amount of a second catalyst according to a catalyst model.
FIG. 35 is a time chart for explaining perturbation control by the exhaust gas purification apparatus according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 36 is a flowchart showing a routine for determining a control nitrogen monoxide concentration and a control carbon monoxide concentration executed by the CPU of the exhaust gas purification apparatus according to the second embodiment.
FIG. 37 is a flowchart showing a routine for setting a target air-fuel ratio that is executed by the CPU of the exhaust emission control system according to the second embodiment.
FIG. 38 is a graph showing the control range of the air-fuel ratio in the perturbation control of each embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記触媒装置を同触媒装置に流入するガスの流れ方向に沿って複数のブロックに分割して捉えたときの最下流に位置するブロックよりも上流に位置する1つのブロックである制御用ブロックから流出するガスの空燃比に関連する値を取得するガス空燃比関連値取得手段と、
前記取得されたガスの空燃比に関連する値が同ガスの空燃比が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリッチな空燃比であることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンの所定のリーン空燃比に制御するとともに、同ガスの空燃比に関連する値が同ガスの空燃比が理論空燃比よりも所定の程度を超えるリーンな空燃比であることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチの所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比から前記所定のリッチ空燃比又は前記所定のリッチ空燃比から前記所定のリーン空燃比へと交互に切り替えて強制的に振動させる空燃比強制振動手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記触媒装置が吸蔵し得る酸素の最大量の低下に応じて前記制御用ブロックの位置を下流側に移動するように構成された内燃機関の排気浄化装置。 A catalyst device comprising a single catalyst interposed in an exhaust passage of an internal combustion engine or a plurality of catalysts interposed in series in the exhaust passage;
One block located upstream of the block located most downstream is control block when captured is divided into a plurality of blocks along the flow direction of the gas flowing before the catalyst device Kisawa medium device Gas air-fuel ratio related value acquisition means for acquiring a value related to the air-fuel ratio of the gas flowing out from
The gas that flows into the catalyst device when the value related to the air-fuel ratio of the acquired gas becomes a value indicating that the air-fuel ratio of the gas is a rich air-fuel ratio that exceeds a predetermined degree than the stoichiometric air-fuel ratio. The air-fuel ratio of the gas is controlled to be a predetermined lean air-fuel ratio that is leaner than the stoichiometric air-fuel ratio, and the value related to the air-fuel ratio of the gas is a lean air-fuel ratio that exceeds the stoichiometric air-fuel ratio. The air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled by controlling the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device to a predetermined rich air-fuel ratio richer than the stoichiometric air-fuel ratio when a value indicating that the fuel ratio is reached. An air-fuel ratio forced oscillation means for forcibly switching the predetermined lean air-fuel ratio to the predetermined rich air-fuel ratio or from the predetermined rich air-fuel ratio to the predetermined lean air-fuel ratio alternately, and forcibly oscillating;
In an exhaust gas purification apparatus for an internal combustion engine comprising :
The exhaust gas purifying apparatus for an internal combustion engine, wherein the gas air / fuel ratio related value acquiring means is configured to move the position of the control block to the downstream side in accordance with a decrease in the maximum amount of oxygen that can be stored in the catalyst device.
値nを自然数とするとき前記複数のブロックのうち最上流に位置するブロックである第1番目のブロックから第n番目のブロックまでのブロックにより構成される触媒装置上流部が吸蔵し得る酸素の最大量である最大酸素吸蔵量を取得する酸素吸蔵能力取得手段を備え、
前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記取得された最大酸素吸蔵量に基づいて所定値よりも大きい最大酸素吸蔵量を有すると判定される前記触媒装置上流部のうち前記値nが最も小さい触媒装置上流部を構成する第n番目のブロックを前記制御用ブロックとして設定するように構成された内燃機関の排気浄化装置。An exhaust emission control device for an internal combustion engine according to claim 1 ,
When the value n is a natural number, the maximum amount of oxygen that can be stored in the upstream portion of the catalyst device constituted by the blocks from the first block to the n-th block, which is the most upstream block among the plurality of blocks. Oxygen storage capacity acquisition means for acquiring a large amount of maximum oxygen storage capacity ,
The gas air-fuel ratio related value acquisition means is a catalyst having the smallest value n in the upstream portion of the catalyst device that is determined to have a maximum oxygen storage amount larger than a predetermined value based on the acquired maximum oxygen storage amount. An exhaust emission control device for an internal combustion engine configured to set an nth block constituting an upstream portion of the device as the control block.
前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の特定成分の量に関する値を前記ガスの空燃比に関連する値として計算により取得するように構成された内燃機関の排気浄化装置。The exhaust gas purification apparatus for an internal combustion engine according to claim 1,
The gas air-fuel ratio related value acquisition means is configured to acquire a value related to the amount of a specific component in the gas flowing out from the control block as a value related to the air-fuel ratio of the gas by calculation. Purification equipment.
前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の酸素の過不足量に関する値を前記ガス中の特定成分の量に関する値として取得するように構成され、
前記空燃比強制振動手段は、前記ガス中の酸素の過不足量に関する値が同ガス中の酸素の不足の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比に制御するとともに、同ガス中の酸素の過不足量に関する値が同ガス中の酸素の過剰の程度が所定の程度を超えていることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成された内燃機関の排気浄化装置。The exhaust emission control device for an internal combustion engine according to claim 3 ,
The gas air-fuel ratio related value acquisition means is configured to acquire a value related to an excess / deficiency amount of oxygen in the gas flowing out of the control block as a value related to the amount of a specific component in the gas,
The air-fuel ratio forced oscillation means flows into the catalyst device when a value relating to the excess or deficiency of oxygen in the gas becomes a value indicating that the deficiency of oxygen in the gas exceeds a predetermined level. A value indicating that the excess or deficiency of oxygen in the gas exceeds a predetermined level, while controlling the air / fuel ratio of the gas to the predetermined lean air / fuel ratio. An internal combustion engine configured to forcibly vibrate the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device by controlling the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device to the predetermined rich air-fuel ratio. Exhaust purification device.
前記ガス空燃比関連値取得手段は、前記制御用ブロックから流出するガス中の酸化剤の量に関する値と還元剤の量に関する値とをそれぞれ前記ガス中の特定成分の量に関する値として取得するように構成され、
前記空燃比強制振動手段は、前記ガス中の還元剤の量に関する値が同ガス中の還元剤の量が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき前記触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリーン空燃比に制御するとともに、前記ガス中の酸化剤の量に関する値が同ガス中の酸化剤の量が所定の程度を超えた量になっていることを示す値となったとき同触媒装置に流入するガスの空燃比を前記所定のリッチ空燃比に制御することで同触媒装置に流入するガスの空燃比を強制的に振動させるように構成された内燃機関の排気浄化装置。The exhaust emission control device for an internal combustion engine according to claim 3 ,
The gas air-fuel ratio related value acquisition means acquires a value relating to the amount of oxidant in the gas flowing out from the control block and a value relating to the amount of reducing agent as values relating to the amount of the specific component in the gas. Composed of
The catalytic device when the air-fuel ratio forced oscillation means has a value indicating that the amount of the reducing agent in the gas exceeds the predetermined level. The air-fuel ratio of the gas flowing into the gas is controlled to the predetermined lean air-fuel ratio, and the value relating to the amount of oxidant in the gas is an amount in which the amount of oxidant in the gas exceeds a predetermined level. When the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is controlled to the predetermined rich air-fuel ratio, the air-fuel ratio of the gas flowing into the catalyst device is forcibly oscillated. Exhaust gas purification device for internal combustion engine.
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