JP4045695B2

JP4045695B2 - Stretch roll for film production and method for producing polyester film

Info

Publication number: JP4045695B2
Application number: JP17060399A
Authority: JP
Inventors: 一吉深田; 剛史林; 雅章小野
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1999-06-17
Filing date: 1999-06-17
Publication date: 2008-02-13
Anticipated expiration: 2019-06-17
Also published as: JP2001001397A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールの周速差を利用したフィルム延伸用ロール、特に平滑な、表面性の良好なポリエステルフィルムの製造に適したフィルム延伸用ロールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
１９９５年に実用化された民生用デジタルビデオテープは、厚さ６〜７μｍのベースフィルム上にＣｏの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、ＤＶミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合には、基本仕様（ＳＤ仕様）で１時間の録画時間をもつ。
【０００３】
このデジタルビデオカセット（ＤＶＣ）テープは、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットテープであり、ａ．小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、ｂ．信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が劣化しない、ｃ．雑音の妨害を受けないから、高画質・高音質が楽しめる、ｄ．ダビングを繰り返しても映像が劣化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
【０００４】
ＤＶＣテープは、磁性層が非常に薄く、ポリエステルベースフィルム表面形態がそのままテープの表面形態となるので、ＤＶＣテープ用ポリエステルベースフィルムの表面には傷がないことが、ますます要求されるようになっている。
【０００５】
通常、ポリエステルフィルムは、ロールの周速差を利用した延伸用ロールを用いて製造されるが、平滑なポリエステルフィルムの製造に適したフィルム延伸用ロールとしては、表層にシリコーン等のゴムを用いたロール、表層がクロムメッキ等の金属ロール、表面に樹脂成分、金属およびセラミックのいずれか１種、またはこれら２種以上を組合わせたものとテフロンとが分散するように被覆されたロール（特開昭６０−７８７２４号公報）等があるが、ＤＶＣテープ用のポリエステルベースフィルム等、平滑で表面に傷の少ないポリエステルベースフィルムを製造するには、表層にシリコーン等のゴムを用いたロールでは、延伸とともに経時的にゴムが削れ、ロール表面にすじ状のくぼみ等の欠陥となり、その結果、ロール上で延伸されたフィルムに傷が多量に入りがちであり、表層がクロムメッキ等の金属ロールでは、延伸時、高温になったロール表面にフィルムが粘着し、剥離むらが起こり、粘着跡の表面欠点が発生しがちであり、表面に樹脂成分、金属およびセラミックのいずれか１種またはこれら２種以上を組合わせたものとテフロンとが分散するように被覆されたロールでは、延伸時、高温になったロール表面にフィルムが粘着することに起因する粘着跡の表面欠点は発生しないが、ロール表面性が粗いため、延伸されたフィルムの表面には傷が多量に入りがちであり、ＤＶＣテープ用のポリエステルベースフィルムは製造できなかった。これらの欠陥を解消するために、ロール表面層がフッ素含有ポリマー微細粒子が含有された金属からなり、該表面層の表面粗さＲｙ値が０．３μｍ〜１．０μｍであり、高さあるいは深さ、または高さと深さの和が１．０μｍ以上の表面傷が４０個／１００ｃｍ²以下であることを特徴とするフィルム製造用延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープ用のポリエステルベースフィルムを製造してきた（特開平１０−７６５７１号公報）。
【０００６】
特開平１０−７６５７１号公報に示す延伸ロールにより、ＤＶＣテープ用のポリエステルベースフィルム等、平滑で表面に傷の少ないポリエステルベースフィルムが製造可能となったが、該延伸ロールを製膜ラインに取りつけたり取り外す時に、取り扱いの不注意で、延伸ロール表面に治具等の物体がふれたりした時に延伸ロール表面に傷が入りがちで、それが故に製造しているポリエステルフィルムに傷が入ったり、また該延伸ロール表面が汚れた時に、ロール表面を清浄な布によりふき取り清掃する際、延伸ロール表面に傷が入りがちであり、それが故に製造しているポリエステルフィルムに傷が入りがちであると判ってきた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決し、製造ラインへの取り付け、取り外しの際に傷が付きにくく、平滑で傷のないポリエステルフィルムを製造するのに有用な、耐久性の良い延伸ロールを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面層がポリジメチルシロキサン樹脂を含有する合金層からなり、該ポリジメチルシロキサン樹脂は該合金層中に形成された空隙に含有され、該空隙は溶射法による皮膜形成において形成された空隙であり、該合金層の硬度ＨＶが９００以上であることを特徴とするフィルム製造用延伸ロール、およびそれを用いたポリエステルフィルムの製造法である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明におけるフィルム延伸用ロールとは、周速の異なる加熱したロール間でフィルムを延伸するためのロールであって、駆動回転可能な円筒状のロールである。
【００１０】
ロール表面は、非粘着性樹脂を含有する金属層からなる。非粘着性樹脂としては、非接着性であり、分子内にエポキシ樹脂等の官能性基を持たず、撥水性の樹脂が用いられ、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、ぺルフルオロアルコキシ樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等のフッ素含有ポリマー、ポリジメチルシロキサン、ポリハイドロジエンポリシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、フルオロアルキル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等のシリコーン樹脂、その混合体等が挙げられる。
【００１１】
延伸ロール表面金属層の硬度（ＨＶ）は、９００以上であり、好ましくは１０００〜１６００、より好ましくは１０００〜１５００が望ましい。金属に超硬合金を用いることにより、ＨＶにして９００以上の硬度が達成されやすい。
【００１２】
ＨＶが９００以上であることにより、耐摩耗性に優れ、該延伸ロールを製膜ラインに取りつけたり取り外す時に、取り扱いの不注意で、延伸ロール表面に治具等の物体がふれたりしても、延伸ロール表面に傷が入ることが防止される。また該延伸ロール表面が汚れた時に、ロール表面を清浄な布によりふき取り清掃しても、延伸ロール表面に傷が入るのが防止される。ＨＶが１６００を超えるとロール表面が硬くなりすぎ、表面粗さＲｙ値の制御が難しくなる。
【００１３】
金属層の厚さは、好ましくは１０〜９００μｍ、より好ましくは５０〜５００μｍであるのが望ましい。厚さが１０μｍより薄いと、耐摩耗性が低下し好ましくない。厚さが９００μｍを超えると金属層が割れやすくなり好ましくない。
【００１４】
金属層内に非粘着性樹脂が含有されることによって、延伸時の高温になったロール表面とフィルム間の粘着が防止される。
【００１５】
非粘着性樹脂の含有量は、好ましくは０．１〜３０重量％、より好ましくは０．３〜２０重量％が望ましい。含有量が０．１重量％未満であると、延伸時の高温になったロール表面とフィルム間に粘着が発生し好ましくない。含有量が３０重量％より大であると、非粘着性樹脂が合金層より脱落しやすくなり、好ましくない。
【００１６】
ロール表面層の表面粗さＲｙ値は、好ましくは０．３μｍ〜１．０μｍ、より好ましくは０．５μｍ〜１．０μｍであることが望ましい。
【００１７】
Ｒｙ値が０．３μｍ未満であると、延伸ロール表面が超鏡面となり、フィルムがロール表面上を滑らなくなり、フィルム延伸が困難となり好ましくない。Ｒｙ値が１．０μｍより大であると、延伸ロール表面の荒れが延伸されるフィルムに転写され、延伸フィルムがユズ肌状のうねりを持つようになり好ましくない。
【００１８】
ロール表面層には、高さあるいは深さ、または高さと深さの和が１．０μｍ以上の表面傷が４０個／１００ｃｍ²以下であること、可能であれば皆無が望ましい。
【００１９】
該表面傷が４０個／１００ｃｍ²を越えると、延伸されたフィルムに高さが０．２５μｍ程度以上の傷が多量に入りがちであり好ましくない。表面傷がゼロにちかづくほど、延伸されたフィルムに傷が入りにくくなり好ましい。
【００２０】
本フィルム用延伸ロールは、家庭用デジタルビデオ（ＤＶＣ）テープ用の平滑で傷が非常に少ないポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−２，６−ナフタレートフィルムをロールの周速差を利用して、製造するための延伸ロールとして使用するのに適する。ここでいうポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−２，６−ナフタレートとは、その構成成分の８０％以上がエチレンテレフタレート、またはエチレンナフタレートであるものである。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ｐ−キシリレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、５−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、ｐ−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【００２１】
さらに、上記のポリエステルには、他にポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つを５重量％を越えない程度に混合してもよい。その他光学用途のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−２，６−ナフタレートフィルム等、平滑で傷が非常に少ないことが必要なフィルムの、ロールの周速差を利用して、製造するための延伸ロールとして使用するのに適する。
【００２２】
次に本発明延伸ロールの製法を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００２３】
本発明の延伸ロールは、例えば、円筒状芯の表層に、タングステンカーバイド−ニクロム（ＷＣ−ＮｉＣｒ）、タングステンカーバイド−コバルト（ＷＣ−Ｃｏ）、クロムカーバイド−コバルト（ＣｒＣ−Ｃｏ）等の合金粉末を減圧プラズマ溶射装置、エアロプラズマ溶射装置、アーク溶射装置、フレーム溶射装置等を用いた溶射法によりコートすることにより、表面硬度の高い超硬合金皮膜を形成させ、その後所定の非粘着性樹脂を溶解させた溶液に合金皮膜が形成された円筒状ロールを浸し、非粘着性樹脂を合金皮膜層に所定量、含浸させ、その後、研磨仕上げし、所定の表面性に仕上げることにより作成することができる。溶射法による皮膜形成においては合金層中に空隙が形成され、そこに前記非粘着性樹脂が含有されやすくなり好ましい。なお製法は本手法に限らない。
【００２４】
本発明延伸ロールを用いたポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルムの製造法とは、ロールの周速差を利用し、フィルムのガラス転移温度以上、融点以下の温度で延伸する製造法において、本発明延伸ロールを延伸工程に用いる工程を含むこと、すなわち延伸部に用いることを特徴とする製造方法である。好ましい延伸条件は、延伸温度は９０〜１４０℃で、延伸倍率は２．７〜５．５倍である。本製造方法により製造されるフィルムは、表面傷が非常に少ないので磁気記録用テープ、とりわけＤＶＣテープのようなデジタルデータを記録する磁気記録テープ用ポリエステルフィルムに使用されるのが好ましい。
【００２５】
［特性値の測定法および評価方法］
（１）硬度
硬度としてはビッカース硬度、ＨＶを用いる。
ビッカース硬さ試験機を用い、対面角１３６°の正四角錘ダイヤモンド圧子を用い、試験面にピラミッド形の窪みをつけたときの荷重を、永久窪みの対角線の長さから求めた表面積で除した商であり、ＪＩＳ−Ｚ２２２４に準じて次の式
ＨＶ＝０．１８９１×（Ｆ／ｄ²）
ＨＶ：ビッカース硬さ、Ｆ：荷重[Ｎ] 、ｄ：窪み対角線の長さの平均[mm]
で算出する。
【００２６】
延伸ロール作成の合金材料、溶射法を用いた平板試料を作成し、それを試験片とし、５箇所の測定を行い、平均値を求めることにより決定する。
【００２７】
（２）表面粗さＲｙ値
触針式表面粗さ計により、延伸ロール表面のりょう線方向の表面粗さを測定することにより求める。触針半径は２〜５μm、カットオフ値は０．８ｍｍ、評価長さは４ｍｍ程度とする。Ｒｙ値はＪＩＳＢ０６０１に準じて求める。ロール全体よりほぼ均等に１０箇所測定し、その平均値をＲｙ値とする。
【００２８】
（３）表面傷個数
延伸ロール表面より、架橋性のシリコーンゴムを用いて１０ｃｍ角程度の延伸ロール表面のレプリカをとり、レプリカ表面をレーザー顕微鏡を用いて観測し、高さあるいは深さ、または高さと深さの和が１．０μｍ以上の表面傷個数を求める。なお延伸ロールより均等に１０箇所、表面レプリカを取り、１００ｃｍ²の値に換算して表面傷個数とする。
【００２９】
（４）本発明の製造方法によって製造されたフィルムの表面性の評価
製造されたフィルム表面をレーザー顕微鏡を用いて観測し、高さ０．２５μｍ程度以上の傷の個数を求める。
フィルム表面傷個数に基づき、
５０個／１００ｃｍ²以上 ×
２０〜４９個／１００ｃｍ² △
１０〜１９個／１００ｃｍ² ○
１０個／１００ｃｍ²未満 ◎
と評価した。×レベルが実用不可のレベルである。◎は非常に良好、○は良好、△がなんとか実用にできるレベルである。
【００３０】
【実施例】
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【００３１】
実施例１
鉄製ロール状芯の上に、プラズマ溶射手法によりタングステンカーバイド（８０％）、ニクロム（２０％）の合金皮膜を１２０μｍの厚さで形成し、非粘着性樹脂であるポリジメチルシロキサン樹脂のトルエン溶液に含浸させ、合金層中に１．５重量分率、含有させた。表面研磨仕上げをし、延伸ロールを作成した。
【００３２】
本延伸ロールを製膜機に組込み、縦延伸用の延伸ロールとして用い、９５℃で倍率３．４倍の縦延伸、９５℃で倍率３．４倍の横延伸、２１０℃熱処理からなる２軸延伸法により、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００３３】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００３４】
実施例２
実施例１において、縦延伸を１３０℃、４．１倍、横延伸を１３０℃、４．１倍とする以外は、同様にしてＤＶＣ−ＬＰ（ロングプレイ）テープのベースフィルム用の厚さ４μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレン−２，６−ナフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００３５】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００３６】
実施例３
実施例１の延伸ロール製造において、タングステンカーバイド（８０％）、ニクロム（２０％）の合金皮膜を５５μｍの厚さで形成した。
【００３７】
その他は実施例１と同様にして、延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００３８】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００３９】
実施例４
実施例１の延伸ロール製造において、タングステンカーバイド（８０％）、ニクロム（２０％）の合金皮膜を４８０μｍの厚さで形成した。
【００４０】
その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００４１】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００４２】
実施例５
実施例１の延伸ロール製造において、ポリジメチルシロキサン樹脂の合金層中の含有率を０．３重量％とした。
【００４３】
その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を１０日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００４４】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００４５】
実施例６
実施例１の延伸ロール製造において、ポリジメチルシロキサン樹脂の合金層中の含有率を１５重量％とした。
【００４６】
その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００４７】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００４８】
実施例７
実施例１の延伸ロール製造において、金属メッキの後に表面層のバフ仕上げを行い、表面粗さを低減させた。その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成した。実施例１と同様の延伸法により厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムを作成しようとしたが、縦延伸に用いた本延伸ロールが平滑すぎ非常に延伸時のすべりが悪く、同一の生産速度ではフィルムの製造が困難であり、製膜の速度を３割落して５日間生産を行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００４９】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００５０】
実施例８
実施例１の延伸ロール製造において、使用した鉄製ロール状芯の表面粗さが粗く、同様な製法で製造した延伸ロール表面の表面粗さが大となった。
【００５１】
その他は実施例１と同様にして厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００５２】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００５３】
実施例９
実施例１の延伸ロール製造において、使用した鉄製ロール状芯に傷が多く入っており、同様な製法で製造した延伸ロール表面の傷個数が大となった。
【００５４】
その他は実施例１と同様にして厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００５５】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００５６】
比較例１
実施例１の延伸ロール製造において、ポリジメチルシロキサン樹脂溶液への含浸を行わなかった。
【００５７】
その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成した。実施例１と同様の延伸法により厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムを作成しようとしたが、縦延伸に用いた本延伸ロールに延伸時のフィルムが粘着し、延伸温度を下げる等施してもフィルムの製造が不可能であった。
【００５８】
得られた延伸ロールの特性を表１に示す。
【００５９】
比較例２
実施例１の延伸ロール製造において、合金金属をＮｉに変えた。
【００６０】
その他は実施例１と同様にして延伸ロールを作成し、ＤＶＣテープのベースフィルム用の厚さ６μｍのＲａ値５ｎｍの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムの生産を５日間行った。その後、本延伸ロールを取り外し保管した。このような延伸ロールの使用を繰り返し延べ６０日間本延伸ロールを使用した。
【００６１】
延べ６０日間使用した延伸ロールならびに、延べ６０日間本延伸ロール使用後に製造されたＤＶＣテープのベースフィルム用ポリエステルフィルムの特性を表１に示す。
【００６２】
【表１】

【００６３】
【発明の効果】
表１の特性から明らかな様に、本発明の延伸ロールすなわち、非粘着性樹脂が含有された金属層を表面層に持ち、該表面層の硬度ＨＶが９００以上の延伸ロールは、耐久性が良く、長期間繰り返し使用しても、平滑な非常に傷の少ないポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン−２，６−ナフタレートフィルムを与える。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a roll for film stretching utilizing the difference in peripheral speed of the roll, and particularly to a roll for film stretching suitable for producing a smooth polyester film having good surface properties.
[0002]
[Prior art]
Digital video tape for consumer use, which was put into practical use in 1995, is made by providing a metallic metal thin film of Co on a 6 to 7 μm thick base film by vacuum deposition and coating the surface with a diamond-like carbon film. In the case of a camera-integrated video using a cassette, the basic specification (SD specification) has a recording time of 1 hour.
[0003]
This digital video cassette (DVC) tape is the world's first digital video cassette tape for home use, and a. A small body can record a huge amount of information, b. Since the signal does not deteriorate, the image quality and sound quality will not deteriorate even after many years c. Because it is not affected by noise, it can enjoy high image quality and high sound quality. D. It has the merit that the video does not deteriorate even if dubbing is repeated, and the market is highly evaluated.
[0004]
Since DVC tape has a very thin magnetic layer and the surface form of the polyester base film becomes the surface form of the tape as it is, it is increasingly required that the surface of the polyester base film for DVC tape is not damaged. ing.
[0005]
Usually, the polyester film is manufactured using a roll for stretching utilizing the peripheral speed difference of the roll, but as a film stretching roll suitable for producing a smooth polyester film, rubber such as silicone is used for the surface layer. Roll, metal roll such as chrome plating on the surface, roll coated with Teflon dispersed on the surface of any one of resin component, metal and ceramic, or a combination of two or more thereof In order to produce a polyester base film that is smooth and has few scratches on the surface, such as a polyester base film for DVC tape, a roll using a rubber such as silicone as the surface layer is stretched. At the same time, the rubber was scraped over time, resulting in defects such as streak-like depressions on the roll surface, and as a result, stretched on the roll. The film tends to have a lot of scratches on the film, and when the surface layer is a chrome-plated metal roll, the film sticks to the surface of the roll that has become hot during stretching, causing uneven peeling, and surface defects such as adhesion marks tend to occur. In the roll coated on the surface so that one of the resin component, metal and ceramic, or a combination of two or more thereof and Teflon are dispersed, the surface of the roll heated to a high temperature is stretched. Although the surface defect of the adhesion mark due to the film sticking does not occur, the roll surface property is rough, so the surface of the stretched film tends to have a lot of scratches, and the polyester base film for DVC tape is Could not be manufactured. In order to eliminate these defects, the roll surface layer is made of a metal containing fluorine-containing polymer fine particles, the surface layer has a surface roughness Ry value of 0.3 μm to 1.0 μm, and has a height or depth. Or a roll for producing a film characterized by having 40 or 100 cm ² or less surface scratches with a sum of height and depth of 1.0 μm or more and producing a polyester base film for DVC tape. (Japanese Patent Laid-Open No. 10-76571).
[0006]
The stretching roll shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-76571 makes it possible to produce a polyester base film such as a polyester base film for DVC tape that is smooth and has few scratches on the surface. At the time of removal, careless handling, when the surface of the drawing roll touches an object such as a jig, the surface of the drawing roll tends to be damaged, and therefore the manufactured polyester film may be damaged. When the surface of the drawing roll is soiled, when the surface of the roll is wiped and cleaned with a clean cloth, the surface of the drawing roll tends to be scratched, and thus it has been found that the polyester film produced tends to be scratched. It was.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, and provides a durable stretching roll that is useful for producing a smooth and scratch-free polyester film that is not easily damaged when attached to and detached from a production line. With the goal.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, the surface layer is composed of an alloy layer containing a polydimethylsiloxane resin , and the polydimethylsiloxane resin is contained in voids formed in the alloy layer, and the voids are formed in film formation by a thermal spraying method. A stretching roll for producing a film , which is a void and the hardness HV of the alloy layer is 900 or more, and a method for producing a polyester film using the same.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The roll for film stretching in the present invention is a roll for stretching a film between heated rolls having different peripheral speeds, and is a cylindrical roll that can be driven and rotated.
[0010]
The roll surface is made of a metal layer containing a non-adhesive resin. The non-adhesive resin is non-adhesive and does not have a functional group such as an epoxy resin in the molecule, and a water-repellent resin is used. Specifically, polytetrafluoroethylene, perfluoroalkoxy resin, Fluorine-containing polymers such as ethylene-tetrafluoroethylene resin, polyvinylidene fluoride, and fluororubber, silicone resins such as polydimethylsiloxane, polyhydrodiene polysiloxane, polymethylphenylsiloxane, fluoroalkyl-modified silicone, amide-modified silicone, and epoxy-modified silicone And mixtures thereof.
[0011]
The hardness (HV) of the drawing roll surface metal layer is 900 or more, preferably 1000 to 1600, and more preferably 1000 to 1500. By using a cemented carbide as the metal, a hardness of 900 or higher is easily achieved in HV.
[0012]
When the HV is 900 or more, the wear resistance is excellent, and when the stretching roll is attached to or removed from the film production line, even if an object such as a jig touches the surface of the stretching roll, The surface of the drawing roll is prevented from being damaged. Further, when the surface of the drawing roll is soiled, even if the surface of the roll is wiped and cleaned with a clean cloth, the surface of the drawing roll is prevented from being damaged. When HV exceeds 1600, the roll surface becomes too hard, and it becomes difficult to control the surface roughness Ry value.
[0013]
The thickness of the metal layer is preferably 10 to 900 μm, more preferably 50 to 500 μm. When the thickness is less than 10 μm, the wear resistance is undesirably lowered. If the thickness exceeds 900 μm, the metal layer tends to break, which is not preferable.
[0014]
By containing the non-adhesive resin in the metal layer, the adhesion between the roll surface and the film that has become a high temperature during stretching is prevented.
[0015]
The content of the non-adhesive resin is preferably 0.1 to 30% by weight, more preferably 0.3 to 20% by weight. If the content is less than 0.1% by weight, adhesion occurs between the roll surface and the film that have become hot during stretching, which is not preferable. If the content is more than 30% by weight, the non-adhesive resin is likely to fall off from the alloy layer, which is not preferable.
[0016]
The surface roughness Ry value of the roll surface layer is preferably 0.3 μm to 1.0 μm, and more preferably 0.5 μm to 1.0 μm.
[0017]
If the Ry value is less than 0.3 μm, the stretched roll surface becomes super mirror surface, the film does not slide on the roll surface, and film stretching becomes difficult, which is not preferable. When the Ry value is larger than 1.0 μm, the roughness of the surface of the stretching roll is transferred to the stretched film, and the stretched film has a swell-like undulation, which is not preferable.
[0018]
In the roll surface layer, it is desirable that the number of surface scratches having a height or depth, or a sum of height and depth of 1.0 μm or more is 40/100 cm ² or less, and if possible, none.
[0019]
When the number of surface scratches exceeds 40/100 cm ² , it is not preferable because a large amount of scratches having a height of about 0.25 μm or more tend to enter the stretched film. The closer the surface scratches are to zero, the more difficult it is to scratch the stretched film.
[0020]
The stretching roll for this film is a smooth, scratch-resistant polyester film for digital video (DVC) tapes for home use, especially polyethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate film, utilizing the difference in peripheral speed of the roll. Suitable for use as a stretching roll for manufacturing. Here, polyethylene terephthalate or polyethylene-2,6-naphthalate is one in which 80% or more of its constituent components are ethylene terephthalate or ethylene naphthalate. Examples of the polyester copolymer component other than ethylene terephthalate and ethylene naphthalate include diethylene glycol, propylene glycol, neopentyl glycol, polyethylene glycol, p-xylylene glycol, diol components such as 1,4-cyclohexanedimethanol, adipic acid, Examples thereof include dicarboxylic acid components such as sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid, and 5-sodium sulfoisophthalic acid, polyfunctional dicarboxylic acid components such as trimellitic acid and pyromellitic acid, and p-oxyethoxybenzoic acid.
[0021]
Further, the above-mentioned polyester is mixed with at least one of an alkali metal salt derivative of a sulfonic acid that is non-reactive with the polyester and a polyalkylene glycol substantially insoluble in the polyester so as not to exceed 5% by weight. May be. Used as a stretching roll for manufacturing a film that requires smooth and very few scratches, such as polyethylene terephthalate and polyethylene-2,6-naphthalate films for optical applications, utilizing the peripheral speed difference of the roll. Suitable for doing.
[0022]
Next, although the manufacturing method of this invention extending | stretching roll is demonstrated, this invention is not limited to this.
[0023]
In the drawing roll of the present invention, for example, an alloy powder such as tungsten carbide-nichrome (WC-NiCr), tungsten carbide-cobalt (WC-Co), chromium carbide-cobalt (CrC-Co) is used on the surface layer of a cylindrical core. By coating with a thermal spraying method using a low-pressure plasma spraying device, aeroplasma spraying device, arc spraying device, flame spraying device, etc., a cemented carbide film with high surface hardness is formed, and then a predetermined non-adhesive resin is melted It can be prepared by immersing a cylindrical roll having an alloy film formed in the solution, impregnating the alloy film layer with a predetermined amount of non-adhesive resin, and then polishing and finishing to a predetermined surface property. . In film formation by thermal spraying, voids are formed in the alloy layer, and the non-adhesive resin is easily contained therein, which is preferable. The manufacturing method is not limited to this method.
[0024]
The manufacturing method of the polyester film using the stretching roll of the present invention, particularly polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate film is a manufacturing method in which the difference in peripheral speed of the roll is utilized and the film is stretched at a temperature not lower than the glass transition temperature and not higher than the melting point. The production method is characterized by including a step of using the drawing roll of the present invention in the drawing step, that is, using the drawing roll in a drawing portion. Preferred stretching conditions are a stretching temperature of 90 to 140 ° C. and a stretching ratio of 2.7 to 5.5 times. Since the film produced by this production method has very few surface scratches, it is preferably used for a magnetic recording tape, particularly a polyester film for magnetic recording tape for recording digital data such as a DVC tape.
[0025]
[Measurement method and evaluation method of characteristic values]
(1) Vickers hardness and HV are used as hardness hardness.
Using a Vickers hardness tester and a regular quadrangular pyramid diamond indenter with a diagonal angle of 136 °, the load when a pyramid-shaped depression was made on the test surface was divided by the surface area obtained from the diagonal length of the permanent depression. It is a quotient, and the following formula HV = 0.1891 × (F / d ² ) according to JIS-Z2224
HV: Vickers hardness, F: Load [N], d: Average length of depression diagonal [mm]
Calculate with
[0026]
A flat plate sample using an alloy material for forming a drawn roll and a thermal spraying method is prepared, and this is used as a test piece, and measurement is performed at five locations to determine an average value.
[0027]
(2) Surface roughness Ry value This is obtained by measuring the surface roughness of the surface of the drawing roll in the direction of the line with a stylus type surface roughness meter. The stylus radius is 2 to 5 μm, the cutoff value is 0.8 mm, and the evaluation length is about 4 mm. The Ry value is determined according to JIS B0601. Ten points are measured almost uniformly from the entire roll, and the average value is defined as the Ry value.
[0028]
(3) Number of surface scratches From the surface of the stretching roll, a replica of the stretching roll surface of about 10 cm square is taken using a crosslinkable silicone rubber, and the replica surface is observed using a laser microscope to obtain a height, depth, or height. The number of surface flaws whose sum of depth and depth is 1.0 μm or more is determined. Incidentally, 10 surface replicas are taken evenly from the stretching roll and converted to a value of 100 cm ² to obtain the number of surface scratches.
[0029]
(4) Evaluation of surface properties of the film produced by the production method of the present invention The surface of the produced film is observed using a laser microscope, and the number of scratches having a height of about 0.25 μm or more is determined.
Based on the number of scratches on the film surface,
50 / 100cm ² or more ×
20-49 pieces / 100 cm ² △
10-19 pieces / 100 cm ² ○
10 / less than 100cm ² ◎
It was evaluated. X level is an unusable level. ◎ is very good, ○ is good, and △ is a level that can be practically used.
[0030]
【Example】
Next, based on an Example, this invention is demonstrated.
[0031]
Example 1
An alloy film of tungsten carbide (80%) and nichrome (20%) with a thickness of 120 μm is formed on an iron roll core by plasma spraying technique, and a toluene solution of polydimethylsiloxane resin, which is a non-adhesive resin, is formed. It was impregnated and contained in the alloy layer by 1.5 weight fraction. The surface was polished and a stretching roll was created.
[0032]
This stretching roll is incorporated into a film forming machine and used as a stretching roll for longitudinal stretching. A biaxial structure consisting of longitudinal stretching at 95 ° C. at a magnification of 3.4 times, transverse stretching at 95 ° C. at a magnification of 3.4 times, and heat treatment at 210 ° C. A smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was produced for 5 days by the stretching method. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0033]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0034]
Example 2
In Example 1, the thickness of the DVC-LP (long play) tape for the base film is 4 μm, except that the longitudinal stretching is 130 ° C., 4.1 times, and the lateral stretching is 130 ° C., 4.1 times. A smooth polyethylene-2,6-naphthalate film having a Ra value of 5 nm was produced for 5 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0035]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0036]
Example 3
In the production of the drawing roll of Example 1, an alloy film of tungsten carbide (80%) and nichrome (20%) was formed to a thickness of 55 μm.
[0037]
Others were made in the same manner as in Example 1, and a stretched roll was prepared, and a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was produced for 5 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0038]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0039]
Example 4
In the production of the drawing roll of Example 1, an alloy film of tungsten carbide (80%) and nichrome (20%) was formed to a thickness of 480 μm.
[0040]
Otherwise, a stretching roll was prepared in the same manner as in Example 1, and production of a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was carried out for 5 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0041]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0042]
Example 5
In the production of the drawn roll of Example 1, the content of the polydimethylsiloxane resin in the alloy layer was 0.3% by weight.
[0043]
Otherwise, a stretching roll was prepared in the same manner as in Example 1, and production of a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was carried out for 10 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0044]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0045]
Example 6
In the production of the drawn roll of Example 1, the content of the polydimethylsiloxane resin in the alloy layer was 15% by weight.
[0046]
Otherwise, a stretching roll was prepared in the same manner as in Example 1, and production of a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was carried out for 5 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0047]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0048]
Example 7
In the production of the drawing roll of Example 1, the surface layer was buffed after metal plating to reduce the surface roughness. Others were made in the same manner as in Example 1 to prepare stretching rolls. An attempt was made to produce a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm with a thickness of 6 μm by the same stretching method as in Example 1, but the main stretching roll used for the longitudinal stretching was too smooth and the slippage during stretching was very poor and the same. It was difficult to produce a film at a production rate of 5 mm, and the production was carried out for 5 days at a rate of 30% lower. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0049]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0050]
Example 8
In the production of the drawing roll of Example 1, the surface roughness of the iron roll core used was rough, and the surface roughness of the drawing roll surface produced by the same production method was large.
[0051]
Otherwise, the production of a smooth polyethylene terephthalate film having a thickness of 6 μm and a Ra value of 5 nm was carried out for 5 days in the same manner as in Example 1. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0052]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0053]
Example 9
In the production of the drawing roll of Example 1, the iron roll core used had many scratches, and the number of scratches on the surface of the drawing roll produced by the same production method became large.
[0054]
Otherwise, the production of a smooth polyethylene terephthalate film having a thickness of 6 μm and a Ra value of 5 nm was carried out for 5 days in the same manner as in Example 1. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0055]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0056]
Comparative Example 1
In the production of the drawing roll of Example 1, the polydimethylsiloxane resin solution was not impregnated.
[0057]
Others were made in the same manner as in Example 1 to prepare stretching rolls. An attempt was made to produce a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm with a thickness of 6 μm by the same stretching method as in Example 1, but the film during stretching adhered to the main stretching roll used for longitudinal stretching, and the stretching temperature was lowered. It was impossible to produce a film even when applied equally.
[0058]
The properties of the obtained stretching roll are shown in Table 1.
[0059]
Comparative Example 2
In the production of the drawing roll of Example 1, the alloy metal was changed to Ni.
[0060]
Otherwise, a stretching roll was prepared in the same manner as in Example 1, and production of a smooth polyethylene terephthalate film having a Ra value of 5 nm and a thickness of 6 μm for a base film of a DVC tape was carried out for 5 days. Thereafter, the stretching roll was removed and stored. This stretching roll was used repeatedly for 60 days.
[0061]
Table 1 shows the properties of the stretching film used for a total of 60 days and the polyester film for the base film of the DVC tape manufactured after using the stretching roll for a total of 60 days.
[0062]
[Table 1]

[0063]
【The invention's effect】
As is clear from the characteristics in Table 1, the stretching roll of the present invention, that is, a stretching roll having a metal layer containing a non-adhesive resin on the surface layer and having a hardness HV of 900 or more on the surface layer has durability. Well, even after repeated use over a long period of time, a smooth polyethylene film with very few scratches and a polyethylene-2,6-naphthalate film are obtained.

Claims

The surface layer is composed of an alloy layer containing a polydimethylsiloxane resin , and the polydimethylsiloxane resin is contained in a void formed in the alloy layer, and the void is a void formed in film formation by a thermal spraying method, A stretching roll for film production, wherein the alloy layer has a hardness HV of 900 or more.

The surface roughness Ry value of the alloy layer is 0.3 μm to 1.0 μm, and the number of surface scratches having a height or depth or a sum of height and depth of 1.0 μm or more is 40/100 cm ² or less. Item 2. A stretching roll for film production according to Item 1.

The manufacturing method of the polyester film characterized by using the extending | stretching roll of Claim 1 or 2 for an extending process.

The process according to claim 3, wherein the polyester film is for a magnetic recording medium.

The method according to claim 4, wherein the magnetic recording medium is a digital recording magnetic recording tape.