JP3937527B2 - ディスプレイ一体型情報処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパソコンやワープロなどの表示部を開閉可能に回転させることのできるディスプレイ一体型情報処理装置に関し、詳しくは、回転部を通過する信号ケーブルの不要輻射防止を行うようにしたディスプレイ一体型情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転部における信号ケーブルの不要輻射防止を行うようにしたディスプレイ一体型情報処理装置は特開平3−35308号に記載されたものが知られている。
【0003】
図5及び図6は従来のディスプレイ一体型情報処理装置を示す外観斜視図である。図5のように、回動するアース接点41とアース板バネ42を組み合わせたものや、図6のように表示部51と本体部52を大きなシート状の導電体53によって接続するものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらのディスプレイ一体型情報処理装置においては、図5の例ではアース接点41とアース板バネ42が点接触であるため、不要輻射防止効果が十分とは言えず、表示部と本体部のユニット間の抵抗値、高周波インピーダンスを小さくすることが構造上の課題である。また、図6の例では、表示部51の開閉に伴う導電体53の回転寿命を満足することが要求されている。
【0005】
本発明は、十分な回転寿命を確保しつつ、表示部と本体部のユニット間の抵抗値、高周波インピーダンスを小さく接続し、高い不要輻射防止効果を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、表示部と本体部とを接続するケーブルが貫通する金属チューブと導電面を内面に持つ筐体との間に、クッション性があり表面耐摺動性の高い導電材料を設置するように構成したものである。
【0007】
これにより、表示部と本体部を構成するそれぞれのキャビネット内面のメッキなどによって形成された導電グランド面がそれぞれ、広い接触面を確保でき、低い抵抗値、高周波インピーダンスで接続される。さらに各部の接触面圧力を低く押さえることができるため、接触面の安定性が向上し、回転摺動の繰り返しに対する耐久性も向上し、前記抵抗値、高周波インピーダンスの安定化をあわせ持つことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、主回路基板等を収容する本体部と、回転軸を介し前記本体部に回転可能に取り付けられた表示部と、前記表示部と前記本体部とを接続するケーブルと、前記回転軸と同軸に設置され前記ケーブルが貫通する円筒形状の金属チューブと、金属メッキなどの導電面を内面に持つ本体部及び表示部を構成する各筐体と、前記各筐体と前記金属チューブとの間にクッション性の導電材料とを設置したことを特徴としたものであり、十分な回転寿命を確保しつつ、表示部と本体部のユニット間の抵抗値、高周波インピーダンスを小さく接続し、高い不要輻射防止効果を得るという作用を有する。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載のディスプレイ一体型情報処理装置において、複数の被覆されたリード線をまとめ1つの絶縁被覆で覆うようにしたケーブルの、金属チューブ内の一部のみ前記絶縁被覆を取り除いたことを特徴としたものであり、単線を複数本束ねた形のケーブルのねじり戻りの運動が、外周の絶縁被覆の圧力を受けることなく自由に行われ、ケーブルのねじり戻りの繰り返し寿命を大幅に改善する効果がある。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態を示し、図1は、ディスプレイ一体型情報処理装置全体の概略外観斜視図を示し、図2は、図1のA部を拡大透視した図である。また、図3は導電材料の構造を示す外観斜視図である。
【0011】
図において、1は主回路基板(図示せず)等を収容する本体部で、導電性の金属メッキ面を内面に持つ本体部筐体1aを備える。2は液晶表示装置(図示せず)を内蔵し本体部1に回転軸3を介し回転可能に取り付けられた表示部で、本体部筐体1aと同様に導電性の金属メッキ面を内面に持つ表示部筐体2aを備える。4は表示部2の液晶表示装置と本体部1の主回路基板とを接続するケーブル、5は回転軸3と同軸に設置されケーブル4が貫通する円筒形状の導電性の金属チューブ、また6及び7は本体部筐体1a及び表示部筐体2aと金属チューブ5との間に設けられるクッション性があり表面耐摺動性の高い導電材料である。
【0012】
本体部1の主回路基板と表示部2の液晶表示装置とを信号接続するためのケーブル4が貫通する金属チューブ5は、本体部筐体1aのセンターカバー部1bと表示部筐体2aの足部2bにまたがって導電材料6、7により回転軸3と同軸に設置される。
【0013】
また、本体部筐体1aのセンターカバー部1bと、表示部筐体2aの足部2bのそれぞれの内面には導電性の金属メッキ面1c、2cが形成されており、金属チューブ5との間のクッション性の導電材料6、7により電気的に導通している。
【0014】
ここで、導電材料6の構造を図3に示す。
図3において、導電材料はスポンジゴム6aの周囲を表面耐摺動性の高い導電布6bで巻き成形したものであり、二面間で挟み込まれた時に適当な圧力が発生し、離れた二面間の電気的導通を持たせるものである。
【0015】
クッション性の導電材料6は、表示部2の回転に伴って金属チューブ5の表面と摺動するため、表示部2の回転のどの位置においても、それぞれの相対する二面間で均一な接触圧が保持される。したがって、本体部筐体1aのセンターカバー部1bと、表示部筐体2aの足部2bのそれぞれの金属メッキ面1c、2cと金属チューブ5は、表示部2の回転のどの時点でも、電気的導通状態が安定し、これにより高い不要輻射防止効果が得られる。
【0016】
さらに、金属チューブ5は単に円筒形状のパイプを使用でき、ケーブルとの接続固定の必要はないため、高い組み立て性を有している。
【0017】
なお、以上の説明では、導電材料をクッション性の導電布で構成した例で説明したが、他の導電性の弾性体についても、ある程度の面積を確保し、接触圧を小さくして使用すれば、同様に実施可能である。
【0018】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態のディスプレイ一体型情報処理装置の回転部を示す断面図である。
【0019】
図において、ケーブル4は外周の絶縁被覆4aの一部を取り除き、金属チューブ5に覆われている範囲の一部を単線リード線4bのみとしている。
【0020】
ケーブル4は表示部2の回転軸3と同軸にあるため、この金属チューブ5の内部で表示部2の回転に応じて、ねじれ変形が起こる。この際、ねじり戻りの応力が、外周の絶縁被覆4aが連続している場合に比べ、大幅に分散される。単線リード線4bは、回転によって、若干外形の変動を生じるため、そのままでは、外郭のキャビネットなどとのこすれによる傷つきが問題となるが、本実施の形態では金属チューブ5の内面に収まっており外部との接触がなく強度的な問題は発生しないため、大幅に繰り返し寿命を高めることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表示部と本体部を構成するそれぞれの筐体内面の金属メッキなどによって形成された導電面がそれぞれ、広い接触面を確保した形になり、低い抵抗値、高周波インピーダンスで接続される。さらに各部の接触面圧力を低く押さえることができるため、接触面の安定性が向上し、回転摺動の繰り返しに対する耐久性の向上と、高い不要輻射防止効果をあわせ持つことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるディスプレイ一体型情報処理装置を示す外観斜視図
【図2】図1のA部を拡大透視した図
【図3】導電材料の構造を示す外観斜視図
【図4】本発明の一実施の形態によるディスプレイ一体型情報処理装置の回転部を示す断面図
【図5】従来のディスプレイ一体型情報処理装置を示す外観斜視図
【図6】従来のディスプレイ一体型情報処理装置を示す外観斜視図
【符号の説明】
1 本体部
1a 本体部筐体
1c 金属メッキ面
2 表示部
2a 表示部筐体
2c 金属メッキ面
4 ケーブル
5 金属チューブ
6、7 導電材料
Claims (2)
- 主回路基板等を収容する本体部と、回転軸を介し前記本体部に回転可能に取り付けられた表示部と、前記表示部と前記本体部とを接続するケーブルと、前記回転軸と同軸に設置され前記ケーブルが貫通する円筒形状の金属チューブと、金属メッキなどの導電面を内面に持つ本体部及び表示部を構成する各筐体と、前記各筐体と前記金属チューブとの間にクッション性の導電材料とを設置したことを特徴としたディスプレイ一体型情報処理装置。
- 複数の被覆されたリード線をまとめ1つの絶縁被覆で覆うようにしたケーブルの、金属チューブ内の一部のみ前記絶縁被覆を取り除いたことを特徴とした請求項1記載のディスプレイ一体型情報処理装置。
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