JP3935588B2 - 多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器に関し、更に詳しくは、ラミネ−ト強度に優れ、更に、内容物の保香性等に優れた多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の物品を充填包装するために、プラスチック基材、紙基材、あるいは金属箔、その他等を使用し、これらを任意に積層して、種々の包装用材料が開発され、提案されている。
而して、これらの包装用材料は、通常、その最内層にヒ−トシ−ル材層を設け、該ヒ−トシ−ル材層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用容器を製造し、而して、該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造しているものである。
ところで、最内層に設けるヒ−トシ−ル材としては、通常、プラスチック基材、紙基材、あるいは、バリア材としての金属箔等の基材ないし中間材の内面側に、ラミネ−ト用接着剤、あるいは、ラミネ−ト用押し出し樹脂層等を介してヒ−トシ−ル性フィルム、例えば、ポリエチレン系樹脂のフィルム等を積層して形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなヒ−トシ−ル材においては、ヒ−トシ−ル性フィルムのラミネ−ト強度が低く、そのヒ−トシ−ル材層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して密封包装しても、層間剥離等の現象を起こし、充分に満足し得る包装製品を製造することが困難であるというのが実状である。
また、上記のようなポリエチレン系樹脂のフィルム等からなるヒ−トシ−ル材においては、充填包装する内容物、特に、例えば、歯磨き、洗剤、化粧品等の保香性成分を含有するものである場合には、その保香性成分等がポリエチレン系樹脂のフィルム等からなるヒ−トシ−ル材を通して包装用材料内に浸透し、内容物の保香性に欠けるという問題点がある。
更に、上記のように保香性成分等がポリエチレン系樹脂のフィルム等からなるヒ−トシ−ル材を通して包装用材料内に浸透すると、包装用容器を構成する包装用材料の層間において剥離現象等を起こし、例えば、内容物の漏洩等の問題点を有するものである。
そこで本発明は、ラミネ−ト強度に優れ、更に、内容物の保香性等に優れたヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点について種々研究の結果、第1のヒ−トシ−ル性層、中間層、および、第2のヒ−トシ−ル性層の順であり、更に第1と第2のヒ−トシ−ル性層を最外層にして積層して多層積層ヒ−トシ−ル材を製造し、次に、該多層積層ヒ−トシ−ル材の第1または第2のヒ−トシ−ル性層のいずれかの一方の面に、少なくとも、基材フィルムを積層して積層体を製造し、更に、該積層体を使用し、その他方のヒ−トシ−ル性層を対向させて重ね合わせ、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して包装用容器を製造し、而して、該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造したところ、多層積層ヒ−トシ−ル材のラミネ−ト強度に優れ、層間剥離等の現象は殆ど認められず、また、内容物中の保香性成分等の浸透に対しても中間層で遮蔽し、極めて優れた保香性能を示し、かつ、それに伴う層間剥離現象も認められず、かつ、内容物の漏洩等もなく、極めて有用な多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、第1のヒ−トシ−ル性層、中間層、および、第2のヒ−トシ−ル性層の順であり、更に第1と第2のヒ−トシ−ル性層を最外層にして積層してなることを特徴とする多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器の構成についてその二三を例示して図面を用いて説明すると、図1および図2は、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材の層構成を示す概略的断面図であり、図3は、上記の図1または図2に示す多層積層ヒ−トシ−ル材を使用して製造した本発明にかかる積層体の層構成を示す概略的断面図であり、図4は、図3に示す積層体を使用して製造した本発明にかかる包装用容器の構成を示す概略的斜視図であり、図5は、図4に示す包装用容器を使用して内容物を充填包装した包装製品の構成を示す概略的斜視図である。
【0007】
まず、本発明において、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材について説明すると、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材としては、例えば、図1に示すように、第1のヒ−トシ−ル性層1、中間層2、および、第2のヒ−トシ−ル性層3の順であり、更に、第1と第2とのヒ−トシ−ル性層1、3を最外層にして積層した構成を基本構造とする多層積層ヒ−トシ−ル材Aを挙げることができる。
また、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材としては、図2に示すように、第1のヒ−トシ−ル性層1、中間層2、および、第2のヒ−トシ−ル性層3の各層間を、後述する多層インフレ−ション成形、多層Tダイキャスト成形、または、多層共押し出しラミネ−ト成形の押し出し接着性樹脂層4、4aを介して積層した構成からなる多層積層ヒ−トシ−ル材Bを使用することができる。
上記の例示は、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材についてその一二例を例示したものであり、本発明はこれによって限定されるものではなく、例えば、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材は、例えば、充填する内容物、その包装目的、その他等により、各層間に更に別の基材を積層することができるものである。
【0008】
次に、本発明において、本発明にかかる積層体について説明すると、本発明にかかる積層体としては、図3に示すように、上記の図1に示す多層積層ヒ−トシ−ル材Aの第1または第2のヒ−トシ−ル性層1、3のいずれか一方の面に、少なくとも、基材フィルム5を積層した構成からなる積層体Cを使用することができる。
更に、本発明にかかる積層体としては、図示しないが、上記の図3に示す積層体Cの基材フィルム5の他方の面に、更に、ヒ−トシ−ル性フィルム等を積層した積層体を使用することができる。
上記の例示は、本発明にかかる積層体についてその一例を例示したものであり、本発明はこれによって限定されるものではなく、例えば、本発明にかかる積層体は、例えば、充填する内容物、その包装目的、その他等により、各層間に更に別の基材を積層することができるものである。
【0009】
次に、本発明において、本発明にかかる包装用容器について説明すると、本発明にかかる包装用容器としては、例えば、図4に示すように、上記の図3に示す積層体Cを使用した例で説明すると、上記の積層体C、Cを使用し、そのヒ−トシ−ル性層3、3の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、例えば、その三方の外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部6、6、6を形成して、本発明にかかる包装用容器Dを製造することができる。
而して、本発明においては、図5に示すように、上記で製造した包装用容器Dの上方の開口部から内容物7を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部8を形成して、本発明にかかる包装用容器Dを使用してなる包装製品Eを製造することができる。
上記の例示は、本発明にかかる包装用容器の一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではなく、例えば、上記の図2に示した積層体を使用し、上記と同様にして、本発明にかかる包装用容器袋を製造することができるものである。
また、本発明において、包装用容器の形態としては、自立性袋(スタンディングパウチ)、ガゼットシ−ル形包装用袋、ピロ−包装形包装用袋、ラミネ−トチュ−ブ容器、その他等の種々の形態からなる包装用容器を製造することができるものである。
【0010】
次に、本発明において、上記のような多層積層ヒ−トシ−ル材、これを使用した積層体、および、包装用容器等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明において、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材を構成する第1と第2のヒ−トシ−ル性層を形成する材料としては、押し出し成形が可能であり、かつ、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
なお、本発明において、上記のような樹脂を使用して第1と第2のヒ−トシ−ル性層を形成する際に、同種の樹脂、あるいは、異種の樹脂を組み合わせて形成することができ、具体的には、例えば、第1のヒ−トシ−ル性層と第2のヒ−トシ−ル性層とを、同種のポリエチレン系樹脂を使用して形成してもよく、また、第1のヒ−トシ−ル性層と第2のヒ−トシ−ル性層とを、異種のポリエチレン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ポリエチレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体とを使用して形成することもできる。
【0011】
ところで、本発明においては、上記のような樹脂の中でも、特に、線状低密度ポリエチレンを使用することが好ましいものである。
上記の線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
【0012】
更に、本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性を有する樹脂としての線状低密度ポリエチレンとしては、具体的には、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0013】
次にまた、本発明において、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材を構成する中間層を形成する材料としては、充填包装する内容物中に含まれる香料成分等の吸着が少なく保香性に富み、更に、変味、異臭等を生じない性質を有し、かつ、押し出し成形が可能である樹脂を使用することができ、具体的には、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂若しくはそのエチレン成分および/またはテレフタレ−ト成分の一部を他のジまたはたその以上の多価アルコ−ル成分またはジカルボン酸成分で共重合ないし変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレ−ト系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂の中でも、保香性を有すると共に酸素ガスあるいは水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂を使用することが望ましく、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に富む樹脂を使用することが望ましいものである。
【0014】
次に、本発明において、上記のような材料を使用して本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材の製造法について説明すると、その製造法としては、例えば、性質の異なる樹脂を多層フィルム化する成形方法、例えば、Tダイ法、インフレ−ション法、多層共押し出しラミネ−ト法等を採用するものである。
具体的には、フィ−ドブロック法、マルチマニホ−ルド法等の多層Tダイキャスト成形法、あるいは、多層インフレ−ション成形法、更には、多層共押し出しラミネ−ト成形法等の成形方法を使用して、例えば、ポリエチレン系樹脂からなる第1のヒ−トシ−ル性層/酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなる中間層/酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層/ポリエチレン系樹脂からなる第2のヒ−トシ−ル性層等の3種5層積層体、あるいは、ポリエチレン系樹脂からなる第1のヒ−トシ−ル性層層/酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなる中間層/酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物からなる中間層/酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層/ポリエチレン系樹脂からなる第2のヒ−トシ−ル性層等の3種7層積層体等を製造することができるものである。
【0015】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材を構成する各層の厚さとしては、例えば、第1または第2のヒ−トシ−ル性層の厚さとしては、約1〜200μm位、好ましくは、5〜100μm位が望ましく、また、中間層としては、約1〜100μm位、好ましくは、5〜50μm位が望ましく、更に、第1または第2のヒ−トシ−ル性層と中間層との各層間の接着性樹脂層としては、約1〜100μm位、好ましくは、5〜50μm位が望ましい。
【0016】
次にまた、本発明において、本発明にかかる積層体を構成する基材フィルムとしては、これが包装用容器を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、剛性等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、剛性等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が最も望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0017】
次にまた、本発明において、上記の積層体を構成する基材フィルムとしては、例えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用することができ、具体的には、本発明において、紙基材としては、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
【0018】
なお、本発明において、本発明にかかる積層体においては、積層体を構成する基材フィルムの他方の面には、更に、熱によって溶融し相互に融着し得るヒ−トシ−ル性樹脂のフィルム、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂のフィルムないしシ−トを積層することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜300μm位、好ましくは、10μm〜100μm位が望ましい。
【0019】
次にまた、本発明においては、本発明にかかる積層体を製造する際に、更に、中間基材として、例えば、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水蒸気、水、酸素等のガス等を透過しない性質等を有する材料、その他を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。
具体的には、例えば、遮光性とバリア−性を有するアルミニュウム箔またはその蒸着膜を有する樹脂のフィルム、バリア−性を有する酸化珪素、酸化アルミニュウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
更に、上記において、アルミニュウム箔としては、5μmないし30μm位の厚さのもの、また、アルミニュウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ100Åないし2000Å位のものを使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニ
ルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
【0020】
更に、上記において、上記の無機酸化物の蒸着膜層を構成する無機酸化物としては、例えば、ケイ素酸化物(SiOx )、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等を使用することができる。
更に、本発明においては、無機酸化物としては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、あるいはケイ素酸化物と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。
而して、本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビ−ム法、電子ビ−ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等によって蒸着膜を構成することによって形成することができる。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さとしては、十分なバリア−性を得るために、通常、100Å〜2000Å位であることが好ましく、特に、本発明においては、200Å〜1500Å位が望ましい。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さが、1500Åを超えると、特に、2000Åを超えると、無機酸化物の薄膜層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア−性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくはなく、また、100Å未満、特に、200Å未満では、その効果が認められることが困難であり、好ましくない。
【0021】
更にまた、本発明においては、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0022】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネ−トする方法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムおよび/または樹脂層に施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知の前処理、アンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0023】
次に、本発明において、上記のような積層体を使用して製袋ないし製函する方法について説明すると、例えば、包装用容器がプラスチックフィルム等からなる軟包装袋の場合、上記のような方法で製造した積層体を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けて袋体を構成することができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
【0024】
次にまた、包装用容器として、紙基材を含む液体充填用紙容器の場合、例えば、積層体として、紙基材を積層した積層体を製造し、これから所望の紙容器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
【0025】
本発明において、上記のようにして製造した包装用容器は、種々の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、洗剤、医薬品、ケミカルカイロ等の雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使用されるものである。
【0026】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.924、メルトインデックス、MI=0.8)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.924、メルトインデックス、MI=1.5)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレン含量32モル%、密度=1.19、メルトインデックス、MI=1.3)との3種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる3種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ10μmの低密度ポリエチレン層の一方の面をコロナ処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層面に厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層/接着剤層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層
【0027】
実施例2
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=0.6)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.5)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレン含量38モル%、密度=1.17、メルトインデックス、MI=1.6)と、メタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=2.0)との4種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる4種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ30μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化ケイ素の蒸着膜面にウレタン系アンカ−コ−ト剤層(厚さ0.5g/m2 )を介してサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層・酸化ケイ素の蒸着膜/アンカ−コ−ト剤層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
【0028】
実施例3
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=0.6)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.924、メルトインデックス、MI=1.5)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.5)と、酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体(接着性樹脂、密度=0.93、メルトインデックス、MI=0.7)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物1(エチレン含量32モル%、密度=1.19、メルトインデックス、MI=1.3、耐湿性小、バリア性大)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物2(エチレン含量44モル%、密度=1.14、メルトインデックス、MI=5.5、耐湿性大、バリア性小)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量6モル%、密度=0.93、メルトインデックス、MI=1.0)との7種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる7種7層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物1層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物2層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ5μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、ポリ塩化ビニリデン樹脂をコ−ティングした厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムにウレタン系アンカ−コ−ト剤層(厚さ0.5g/m2 )を介してサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
ポリ塩化ビニリデン樹脂コ−ト厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム/アンカ−コ−ト剤層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物1層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物2層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層
【0029】
実施例4
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=4.5)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.90、メルトインデックス、MI=4.4)と、酸無水物グラフト重合ポリプロピレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.0)とテレフタル酸・エチレングリコ−ル・1.4−シクロヘキサンジメタノ−ル共重合体熱可塑性非晶性ポリエステル(密度=1.27)と、ランダム共重合ポリプロピレン(密度=0.90、メルトインデックス、MI=7.0)の5種類の樹脂を使用し、多層Tダイキャスト法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる5種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのテレフタル酸・エチレングリコ−ル・1.4−シクロヘキサンジメタノ−ル共重合体熱可塑性非晶性ポリエステル層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合ポリプロプレン層/厚さ5μmのランダム共重合ポリプロピレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ5μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムにウレタン系アンカ−コ−ト剤層(厚さ0.5g/m2 )を介してサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルム層/アンカ−コ−ト剤層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのテレフタル酸・エチレングリコ−ル・1.4−シクロヘキサンジメタノ−ル共重合体熱可塑性非晶性ポリエステル層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合ポリプロプレン層/厚さ5μmのランダム共重合ポリプロピレン層
【0030】
実施例5
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.929、メルトインデックス、MI=3.0)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.888、メルトインデックス、MI=7.2)と、ポリアクリロニトリル系熱可塑性非晶性樹脂(密度=1.15、メルトインデックス、MI=3.0)と、エチレン−メタクリル酸ランダム共重合体(酸含量、9モル%、密度=0.93、メルトインデックス、MI=3.0)の4種類の樹脂を使用し、多層Tダイキャスト法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる4種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのポリアクリロニトリル系熱可塑性非晶性樹脂層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−メタクリル酸ランダム共重合体層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ20μmの低密度ポリエチレン層の面をコロナ処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層面にポリ塩化ビニリデン樹脂をコ−ティングした厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
ポリ塩化ビニリデン樹脂コ−ト厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層/接着剤層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのポリアクリロニトリル系熱可塑性非晶性樹脂層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−メタクリル酸ランダム共重合体層
【0031】
実施例6
酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜面にウレタン系アンカ−コ−ト剤を厚さ0.5g/m2 (ドライ)塗布してアンカ−コ−ト剤層を形成して第1給紙として供給し、他方、第2給紙として厚さ25μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレンフィルム(密度=0.915)を供給して、該第1給紙のアンカ−コ−ト剤層面と第2給紙を、高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.918、メルトインデックス、MI=7.0)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.90、メルトインデックス、MI=4.4)とポリメタキシレンジアジパミド樹脂(芳香族系ナイロン樹脂、三菱瓦斯化学工業株式会社製、商品名、MX−Ny、融点、Tm=240℃、メルトインデックス、MI=7.0、相対粘度、2.1)との3種類の樹脂を使用し、多層共押し出しラミネ−ト法により、下記Aの層構成からなる押し出し樹脂層をサンド層として該サンド層の第1給紙と対向する面にオゾン処理を施しつつ積層成形を行い、下記Bの層構成からなる多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
A:厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのポリメタキシレンジアジパミド樹脂層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層
B:厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化ケイ素の蒸着膜層/アンカ−コ−ト剤層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのポリメタキシレンジアジパミド樹脂層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ25μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレンフィルム層
【0032】
実施例7
上記の実施例2で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材を2枚用意し、その厚さ30μmの低密度ポリエチレン層面を対向させて重ね合わせ、しかる後その両者を熱融着させて、下記の層構成からなる多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層の面をコロナ処理し、しかる後、該コロナ処理面に、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化アルミニウムの蒸着膜面を対向させてドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層・酸化アルミニウムの蒸着膜/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
【0033】
比較例1
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.924、メルトインデックス、MI=0.8)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.924、メルトインデックス、MI=1.5)との2種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる2種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ10μmの低密度ポリエチレン層の一方の面をコロナ処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層面に厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層/接着剤層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層
【0034】
比較例2
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=0.6)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.5)と、メタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=2.0)との3種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる3種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ30μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化ケイ素の蒸着膜面を対向させてサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層・酸化ケイ素の蒸着膜/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
【0035】
比較例3
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=0.6)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.924、メルトインデックス、MI=1.5)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.5)と、酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体(接着性樹脂、密度=0.93、メルトインデックス、MI=0.7)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量6モル%、密度=0.93、メルトインデックス、MI=1.0)との5種類の樹脂を使用し、多層インフレ−ション法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる5種7層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ5μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、ポリ塩化ビニリデン樹脂をコ−ティングした厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムをサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
ポリ塩化ビニリデン樹脂コ−ト厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合エチレン−酢酸ビニル共重合体層/厚さ5μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体層
【0036】
比較例4
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.92、メルトインデックス、MI=4.5)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.90、メルトインデックス、MI=4.4)と、酸無水物グラフト重合ポリプロピレン(接着性樹脂、密度=0.91、メルトインデックス、MI=3.0)と、ランダム共重合ポリプロピレン(密度=0.90、メルトインデックス、MI=7.0)の4種類の樹脂を使用し、多層Tダイキャスト法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる4種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合ポリプロプレン層/厚さ5μmのランダム共重合ポリプロピレン層次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ5μmの低密度ポリエチレン層の面に、低密度ポリエチレンを厚さ20μmに押し出しながら、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムをサンドラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルム層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン押し出し層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合ポリプロプレン層/厚さ5μmのランダム共重合ポリプロピレン層
【0037】
比較例5
高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.929、メルトインデックス、MI=3.0)と、酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.888、メルトインデックス、MI=7.2)と、エチレン−メタクリル酸ランダム共重合体(酸含量、9モル%、密度=0.93、メルトインデックス、MI=3.0)の3種類の樹脂を使用し、多層Tダイキャスト法により多層フィルム化成形を行い、下記の層構成からなる3種5層の多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−メタクリル酸ランダム共重合体層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ20μmの低密度ポリエチレン層の面をコロナ処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層面にポリ塩化ビニリデン樹脂をコ−ティングした厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
ポリ塩化ビニリデン樹脂コ−ト厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層/接着剤層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合直鎖状低密度ポリエチレン層/厚さ5μmのエチレン−メタクリル酸ランダム共重合体層
【0038】
比較例6
酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜面にウレタン系アンカ−コ−ト剤を厚さ0.5g/m2 (ドライ)塗布してアンカ−コ−ト剤層を形成して第1給紙として供給し、他方、第2給紙として厚さ25μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレンフィルム(密度=0.915)を供給して、該第1給紙のアンカ−コ−ト剤層面と第2給紙を、高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.918、メルトインデックス、MI=7.0)と、酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン(接着性樹脂、密度=0.90、メルトインデックス、MI=4.4)との2種類の樹脂を使用し、多層共押し出しラミネ−ト法により、下記Aの層構成からなる押し出し樹脂層をサンド層として該サンド層の第1給紙と対向する面にオゾン処理を施しつつ積層成形を行い、下記Bの層構成からなる多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
A:厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層
B:厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化ケイ素の蒸着膜層/アンカ−コ−ト剤層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン樹脂層/厚さ5μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの低密度ポリエチレン層/厚さ25μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレンフィルム層
【0039】
比較例7
上記の比較例2で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材を2枚用意し、その厚さ30μmの低密度ポリエチレン層面を対向させて重ね合わせ、しかる後その両者を熱融着させて、下記の層構成からなる多層積層ヒ−トシ−ル材を製造した。
厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
次に、上記で製造した多層積層ヒ−トシ−ル材の厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層の面をコロナ処理し、しかる後、該コロナ処理面に、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化アルミニウムの蒸着膜面を対向させてドライラミネ−トして、下記の層構成からなる積層体を製造した。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム層・酸化アルミニウムの蒸着膜/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ30μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの酸無水物グラフト重合低密度ポリエチレン層/厚さ30μmのメタロセン系α−オレフィン共重合体ポリエチレン層
【0040】
実験例
次に、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜7で製造した積層体を使用し、まず、該積層体を打ち抜き加工してブランク板を製造し、背貼り部を、210〜250℃位の範囲で、3〜5秒間、3〜5Kg/cm2 の熱溶着条件で、ヒ−トシ−ル性層が内面側になるように、ヒ−トシ−ルして、直径35mm、高さ160mmのチュ−ブ容器の胴部となる円筒体を製造した。
次いで、上記ので製造した円筒体をチュ−ブ容器成形用のマンドレルに装着し、次に該円筒体の一方の端部に、常法により円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部からなる頭部を、高密度ポリエチレン98.0重量部に、乳白顔料を2.0重量%添加した高密度ポリエチレン組成物を使用し、樹脂温度245℃で圧縮成形法で成形した。
次に、上記の頭部を有する円筒体の口頸部に、キャップを螺旋し、次いで該円筒体をマンドレルからはずし、しかる後該円筒体の他方の開口部から、市販の練歯磨き150gを充填し、次いで、該円筒体の開口部をヒ−トシ−ルした。
次に、上記で製造した各チュ−ブ包装体を、50℃、2週間保存し、しかる後、チュ−ブ容器のラミネ−ト強度の測定と、内容物の保香性について官能評価した。
その結果を下記の表1に示す。
なお、上記のチュ−ブ容器のラミネ−ト強度は、定速伸長型引っ張り試験機を用い、剥離速度50mm/minにて測定した。
また、内容物の保香性について官能評価は、パネラ−による味覚試験にて評価した。
【0041】
【表1】
上記の表1において、ラミネ−ト強度残率の%は、内容物充填前のラミネ−ト強度に対する保存後のラミネ−ト強度比率であり、また、保香性において、◎は、内容物香気がほとんど変化していないことを意味し、○は、内容物香気の若干の減少を意味し、△は、内容物香気の著しい減少を意味し、×は、内容物が変質し、異臭を生じていたことを意味する。
【0042】
上記の結果より明らかなように、本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材、積層体、および、包装用容器は、何れも、良好な結果を示し、実用に耐えるものであった。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、第1のヒ−トシ−ル性層、中間層、および、第2のヒ−トシ−ル性層の順であり、更に第1と第2のヒ−トシ−ル性層を最外層にして積層して多層積層ヒ−トシ−ル材を製造し、次に、該多層積層ヒ−トシ−ル材の第1または第2のヒ−トシ−ル性層のいずれかの一方の面に、少なくとも、基材フィルムを積層して積層体を製造し、更に、該積層体を使用し、その他方のヒ−トシ−ル性層を対向させて重ね合わせ、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して包装用容器を製造し、而して、該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造して、多層積層ヒ−トシ−ル材あるいは、積層体のラミネ−ト強度に優れ、層間剥離等の現象は殆ど認められず、また、内容物中の保香性成分等の浸透に対しても中間層で遮蔽し、極めて優れた保香性能を示し、かつ、それに伴う層間剥離現象も認められず、かつ、内容物の漏洩等もなく、極めて有用な多層積層ヒ−トシ−ル材、それを使用した積層体および包装用容器を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる多層積層ヒ−トシ−ル材の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】上記の図1または図2に示す多層積層ヒ−トシ−ル材を使用して製造した本発明にかかる積層体の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】図3に示す積層体を使用して製造した本発明にかかる包装用容器の構成を示す概略的斜視図である。
【図5】図4に示す包装用容器を使用して内容物を充填包装した包装製品の構成を示す概略的斜視図である。
【符号の説明】
1 第1のヒ−トシ−ル性層
2 中間層
3 第2のヒ−トシ−ル性層
4 接着性樹脂層
4a 接着性樹脂層
5 基材フィルム
6 シ−ル部
7 内容物
8 上端シ−ル部
A 多層積層ヒ−トシ−ル材
B 多層積層ヒ−トシ−ル材
C 積層体
D 包装用容器
E 包装製品
Claims (3)
- 押し出し成形が可能であり、かつ、熱によって溶融し相互に融着し得るヒ−トシ−ル性樹脂と、充填包装する内容物中に含まれる香料成分の吸着が少なく保香性を有し、更に、変味、異臭を生じない性質を有し、かつ、押し出し成形が可能な保香性樹脂と、酸変性ポリオレフィン系樹脂とを使用し、
これらを多層共押し出し成形して、上記のヒ−トシ−ル性樹脂からなる第1のヒ−トシ−ル性樹脂層、上記の酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層、上記の保香性樹脂からある保香性樹脂層、上記の酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる接着性樹脂層および上記のヒ−トシ−ル性樹脂からなる第2のヒ−トシ−ル性樹脂層の少なくとも5層からなる多層積層ヒ−トシ−ル材を形成し、
更に、上記の多層積層ヒ−トシ−ル材の一方のヒ−トシ−ル性樹脂層の面に、少なくとも、その一方の面に酸化珪素または酸化アルミニウムの蒸着膜を有する基材フィルムを、その酸化珪素または酸化アルミニウムの蒸着膜の面を対向させて積層して積層体を構成し、次いで、上記の積層体を使用し、その他方のヒ−トシ−ル性樹脂層を対向させて重ね合わせ、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けてなることを特徴とする包装用容器。 - ヒ−トシ−ル性樹脂が、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または、エチレン−メタクリル酸共重合体からなることを特徴とする上記の請求項1に記載する包装用容器。
- 保香性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する包装用容器。
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