JP3932049B2 - エアバッグ用織物の製造方法 - Google Patents
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Description
1.150℃×30minの条件下で測定した残留収縮率が0.5%以上である織物基布に樹脂の水系エマルジョン液を付与し、経糸方向及び/又は緯糸方向に1%以上10%以下伸張させてテンションを加え、加熱することにより、樹脂の皮膜を形成させるエアバッグ用織物の製造方法であって、前記エアバッグ用織物のカバーファクターが2000〜2500であり、前記加熱が、少なくとも100℃以下の設定温度のチャンバーと140℃以上の設定温度のチャンバーとを順に通過させるものであることを特徴とするエアバッグ用織物の製造方法。
2.織物基布が、沸水収縮率6〜15%の糸条を用いてウォータージェットルームで製織されてなる織物であることを特徴とする上記第1に記載のエアバッグ用織物の製造方法。
カバーファクター=(経糸繊度[dtex])1/2×(経糸密度[本/2.54cm])
+(緯糸繊度[dtex])1/2×(緯糸密度[本/2.54cm])・・・・・(式1)
フィラメント数:繊維糸条の断面写真よりフィラメント数を数えた。
沸水収縮率:JIS L−1095 9.24記載の方法で測定した。
織物の密度:JIS L 1096 8.6.1記載の方法で測定した。
厚さ:JIS L−1096 記載の方法で測定した。
クリンプ率:JIS L−1096 記載の方法で測定した。
残留収縮率:JIS L−1096 8.64.4記載の方法で評線を書き加えた試料を準備し、
150℃×30分間、張力を掛けない状態でオーブンに入れ、常温に戻し
評線間を測定した。測定値は、JIS L−1909 9記載の方法を用い
収縮した側をプラスとした。
剤の粘度:JIS K−7117記載の方法を用いB型粘度計で測定した。
通気度:100kPa差圧下での通気度を高圧通気度測定機(OEMシステム(株)製)
を用いて測定した。
カバー率:織物の断面SEM写真を撮影し、写真から、図1のa及びbに当たる長さを
測定し、式2により計算して求める。
カバー率(%)={(a―b)/a}×100・・・・・・・(式2)
表1において、a−bの値が、マイナスとなる場合は、カバー率が、“―”で
表記されている。
総繊度が470dtex、144フィラメント、強度=8.4cN/dtex、沸水収縮率=9.3%のナイロン66の糸を平織りにてウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に次の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の織物の密度、通気度及びカバー率は、表1の通りである。付与されている樹脂量は、加工後の織物の重さから加工前の基布の重さを引き計算により求めた。測定用試料は、20cm×20cmを切り出しその重量を測定し、その重量の差を25倍することで樹脂量(g/m2)を求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度が変更でき、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。経糸方向の伸張率は、送り出し速度と巻き取り速度の比率により設定した。緯糸方向の伸張率=0%は、把持して加工したことを示す。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
配合A
(1)Dehesive 457 83部
(2)Closslinker V72 12部
(3)Silane HF86 5部
配合薬剤は、Wacker Silicone社製(ドイツ)である。配合剤Aの(1)はそれ自体、固形分50重量%の水系エマルジョン状態品で、(2)と合わされることで付加重合型のシリコンゴムの水系エマルジョンとなる。(3)は、接着性改善のためのシランカップリング剤である。配合Aの粘度は、B型粘度計で測定したとき、380cpsであった。
実施例1と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に実施例1配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表1の通りである。付与されている樹脂量は、実施例1と同様に求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度が変更でき、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。経糸方向の伸張率は、送り出し速度と巻き取り速度の比率により設定した。緯糸方向の伸張率=0%は、把持して加工したことを示す。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
実施例1と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に実施例1配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表1の通りである。付与されている樹脂量は、実施例1と同様に求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度が変更でき、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。経糸方向の伸張率は、送り出し速度と巻き取り速度の比率により設定した。緯糸方向の伸張率=0%は、把持して加工したことを示す。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
総繊度が350dtex、144フィラメント、強度=8.4cN/dtex、沸水収縮率=9.5%のナイロン66の糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、50cm×50cmの織物に含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、経緯が固定できる枠に経緯を表1記載の長さ(%)伸張して、50cm×50cmの織物を固定し、第1チャンバー及び第2チャンバーを有する加工炉の温度を調整し、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表1の通りである。付与されている樹脂量は、実施例1と同様に求めた。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
総繊度が350dtex、72フィラメント、強度=8.4cN/dtex、沸水収縮率=9.4%のナイロン66の糸を用い平織りにてウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、50cm×50cmの織カバー率を測定した。物に含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、経緯が固定できる枠に経緯を表1記載の長さ(%)伸張して、50cm×50cmの織物を固定し、第1チャンバー及び第2チャンバー有する加工機の温度を調整し、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表1の通りである。コート剤量は、実施例1と同様に求めた。
カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
実施例1と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表2のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、表2の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表2の通りである。コート剤量は、実施例1と同様に求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度を同速とし、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。両緯端部については把持せずに装置を使用した。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
実施例1と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表2のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、表2の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表2の通りである。コート剤量は、実施例1と同様に求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度を変更しでき、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。経糸方向の伸張率は、送り出し速度と巻き取り速度の比率により設定した。緯糸方向の伸張率=0%は、把持して加工したことを示す。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
実施例1と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表2のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後エンボスロールとゴムロールで構成されたマングルで絞り、表2の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表2の通りである。コート剤量は、実施例1と同様に求めた。本加工には、織物の送り出し速度と巻き取り速度を変更しでき、且つ、両緯端部が把持固定することができ、温度変更のできる第1チャンバーと第2チャンバーのある装置を使用した。経糸方向の伸張率は、織物の送り出し速度と巻き取り速度を変更し設定し、両緯端部を把持せずに装置を使用した。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
実施例7と同じ糸を用い平織りをウォータージェットルームにて製織後、95℃の温水で収縮加工後、130℃で乾燥しコート前物性が、表1のような平織物を得た。この織物に実施例1の配合Aを有する水系シリコーンエマルジョンを用い、含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、50cm×50cmの織物に含浸処理後ゴムロールで構成されたマングルで絞り、経緯が固定できる枠に経緯を表1記載の長さ(%)伸張して、50cm×50cmの織物を固定し、第1チャンバー及び第2チャンバーを有する加工機の温度を調整し、表1の加工温度、加工時間、加工時伸長率で加工を実施した。加工後の密度、カバーファクター、通気度及びカバー率は、表1の通りである。コート剤量は、実施例1と同様に求めた。カバー率を測定したSEM断面より樹脂が、織物の表面と裏面に位置する単糸繊維間に存在することが確認できた。
Claims (2)
- 150℃×30minの条件下で測定した残留収縮率が0.5%以上である織物基布に樹脂の水系エマルジョン液を付与し、経糸方向及び/又は緯糸方向に1%以上10%以下伸張させてテンションを加え、加熱することにより、樹脂の皮膜を形成させるエアバッグ用織物の製造方法であって、前記エアバッグ用織物のカバーファクターが2000〜2500であり、前記加熱が、少なくとも100℃以下の設定温度のチャンバーと140℃以上の設定温度のチャンバーとを順に通過させるものであることを特徴とするエアバッグ用織物の製造方法。
- 織物基布が、沸水収縮率6〜15%の糸条を用いてウォータージェットルームで製織されてなる織物であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用織物の製造方法。
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