JP3928148B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等のばね上の揺れを抑えて快適な乗り心地を提供するサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサスペンション制御装置の一例として、図9に示すように、ソレノイド1及びソレノイド1を流れる電流に応じて変位するスプール2を有しこのスプール2の変位に応じて液体3の通過量を調整する比例ソレノイドバルブ4(アクチュエータ)と、車体(図示省略)と4つの車輪(図示省略)との間に介装されて前記通電電流、ひいてはスプール2の変位に応じた大きさの減衰力を発生するショックアブソーバ5と、車体の上下方向の加速度等の車両の状態を検出する車両状態センサSと、ソレノイド1及び車両状態センサSに接続された装置本体回路6と、ソレノイド1への電流供給を行うバッテリ7と、から大略構成されている。
【0003】
ショックアブソーバ5は、ソレノイド1を流れる電流が大きくなるのに従い、縮み側の減衰力が小さい値から大きい値に変化する一方、伸び側の減衰力が大きい値から小さい値に変化するようになっており(図2参照)、同等電流値では、伸び側及び縮み側の減衰力のうち一方が小さいとき他方が大きい(一方が大きいとき他方が小さい)特性を有する、いわゆる減衰力反転型のものになっている。
【0004】
装置本体回路6は、ソレノイド1への電流の大きさ等を定めるCPU8と、ベースが補正回路9を介してCPU8に接続されエミッタがバッテリ7に接続されコレクタがソレノイド1の一端部に接続されCPU8からの電流指令に応じてソレノイド1への電流を調整するソレノイド1用のpnp形のトランジスタ10と、を備えている。
【0005】
補正回路9の入力部は2入力のコンパレータ11を介してソレノイド1の他端部に接続されている。コンパレータ11の一方の入力部とソレノイド1とを接続する線路12に分岐してシャント抵抗13の一端部が接続されており、シャント抵抗13の他端部は車両のボディに接地されている。シャント抵抗13の他端部がコンパレータ11の他方の入力部に接続されている。
【0006】
そして、装置本体回路6が、車両状態センサSの検出信号に応じてソレノイド1へ供給する電流、ひいては、比例ソレノイドバルブ4の液体3の通過量を調整し、これにより車両状態センサSの検出信号に応じた大きさの減衰力をショックアブソーバ5に発生させて車体(ばね上)の揺れを抑え、快適な乗り心地を得られるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術の装置では、比例ソレノイドバルブ4を組み立てる際、異物が混入しスプール2がスプール2を取り囲むハウジングに対して固着する虞があった。
このスプール2の固着を検出するための一方法として、同出願人が出願した特願平9−126344号に示すように、比例ソレノイドバルブのコイルに電流を流した際、スプールの固着有無によって電流の波形が異なったものになることに基づいて、スプールの固着有無を判定する方法がある。
しかしながら、上記固着検出方法では、比例ソレノイドバルブに非磁性領域を設けるための加工を施す必要がある上、固着検出時には通常の制御時とは異なる波形の電流が流れることにより通常制御時には固着検出を行えないという制約があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、アクチュエータの可動体の固着検出すなわち、アクチュエータの故障検出を通常制御時に行える簡易な構成のサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、車両の車体と各車輪との間に伸縮自在に介装された減衰力反転型のショックアブソーバと、通電に応じて該ショックアブソーバの減衰力特性を調整するアクチュエータと、前記ショックアブソーバ毎の上下方向加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段の検出信号に応じて前記アクチュエータを駆動して前記ショックアブソーバの減衰力特性を制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置において、前記制御手段は、一の前記加速度検出手段のみが車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏り、かつ、偏り状態が継続された場合に、該加速度検出手段に対応した前記アクチュエータが故障していると判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のサスペンション制御装置において、前記故障判定手段は、一の前記加速度検出手段の加速度が上方向または下方向の予め設定されたしきい値の一方を越え、かつ、該一の前記加速度検出手段の加速度が上方向または下方向の予め設定されたしきい値の一方を越えた後の所定時間以内に他のしきい値を越えないことを判断することにより、一の前記加速度検出手段が車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏りを生じていると判断することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のサスペンション制御装置において、前記故障判定手段は、一の前記加速度検出手段が車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏りを生じているとする前記判断を、前記制御手段が前記減衰力反転型のショックアブソーバの減衰特性を伸縮共にソフトに制御しているときに行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施の形態のサスペンション制御装置を図1ないし図6に基づいて説明する。なお、図9と同等の部材、部分については同等の符号で示す。
【0011】
図1において、このサスペンション制御装置は、ソレノイド1及びソレノイド1を流れる電流(通電電流)に応じて変位するスプール(可動体)2を有しこのスプール2の変位に応じて液体3の通過量を調整する比例ソレノイドバルブ(アクチュエータ)4と、車体(図示省略)と4つの車輪(図示省略)との間に介装されて前記通電電流、ひいてはスプール2の変位に応じた大きさの減衰力を発生する減衰力反転型のショックアブソーバ5と、右側の前輪(FR)、左側の前輪(FL)、右側の後輪(RR)に対応して車体に設けられて車体の上下方向の加速度を検出する加速度センサ(加速度検出手段)16(16FR,16FL,16RR)と、ソレノイド1及び加速度センサ16に接続された装置本体回路6と、ソレノイド1への電流供給を行うバッテリ7と、から大略構成されている。
【0012】
ショックアブソーバ5は、図2に示すように、ソレノイド1を流れる電流が大きくなるのに従い、縮み側の減衰力が小さい値から大きい値に変化する一方、伸び側の減衰力が大きい値から小さい値に変化するようになっており、同等電流値では、伸び側及び縮み側の減衰力のうち一方が小さいとき他方が大きい(一方が大きいとき他方が小さい)特性を有する、いわゆる減衰力反転型のものになっている。
【0013】
装置本体回路6は、ソレノイド1への電流の大きさ等を定めるCPU8と、CPU8に接続して設けられた不揮発性のメモリ17と、ベースが補正回路9を介してCPU8に接続されエミッタがバッテリ7に接続されコレクタがソレノイド1の一端部に接続されCPU8からの電流指令に応じてソレノイド1への電流を調整するソレノイド1用のpnp形のトランジスタ10と、を備えている。メモリ17には、後述する判定回数が更新可能に記憶されている。
【0014】
補正回路9の入力部は2入力のコンパレータ11を介してソレノイド1の他端部に接続されている。コンパレータ11の一方の入力部とソレノイド1とを接続する線路12に分岐してシャント抵抗13の一端部が接続されており、シャント抵抗13の他端部は車両のボディに接地されている。シャント抵抗13の他端部がコンパレータ11の他方の入力部に接続されている。コンパレータ11は前述したように補正回路9の入力部に接続されているが、この接続線14にはCPU8の出力線15が分岐接続されており、コンパレータ11からの信号の補正を行えるようになっている。
【0015】
CPU8は、図3に示すように、前記3つの加速度センサ16(16FR,16FL,16RR)からの検出信号に基づいて、右側の前輪(FR)に対応するストラット部分、左側の前輪(FL)に対応するストラット部分、右側の後輪(RR)に対応するストラット部分及び左側の後輪(RL)に対応するストラット部分における車体の上下方向の加速度A(以下、適宜、それぞれ右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARLという。)を求め、求めたこの上下方向の加速度A(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)を補正回路9及びトランジスタ10を介して比例ソレノイドバルブ4に通電する主演算部20と、この主演算部20からの加速度A(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)に対して予め設定して格納された上方向しきい値S1 、下方向しきい値S2 とを比較して、右側前輪、左側前輪、右側後輪側及び左側後輪側の比較データを求める比較部21(故障判定手段)と、比較部21から入力する前記比較データに基づいてスプール2の固着有無の判定を行う判定部22(故障判定手段)とを、備えている。
【0016】
本実施の形態のスプール2の固着検出は、ショックアブソーバ5が減衰力反転型であり、スプール2が所定の部分で固着した場合、車体の上下方向の動きに対して、車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏り、かつ同等の偏り状態が継続されることを利用して行うようにしている。
例えば、図2点線23で示す部分でスプール2が固着した場合、ショックアブソーバ5は縮み方向の減衰力が大きい(ハード)ので、車体を突き上げる方向に力が働いて上方向の加速度が大きくなりやすい。一方、伸び側の減衰力は小さい(ソフト)ので、路面の穴等に落ち込んだときでも車体に対する衝撃は少なく下向きの加速度は小さくなる。そして、スプール2が正常に作動している際には、装置本体回路6からの電流ひいてはスプール2の変位に応じて上下方向の加速度A(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)が変化するのに対し、固着スプール2が固着している場合、上記特性が継続されることを利用してスプール2の固着有無の検出を行うようにしている。
【0017】
ここで、CPU8の制御内容を図4及び図5に基づいて説明する。
図4に示すように、まず、CPU8への電流供給によりイニシャライズを行い(ステップS1)、判定回数情報をメモリ17から読出す(ステップS2)。次に、制御周期が経過したか否かの判定をYES と判定するまで行う(ステップS3)。ステップS3でYES と判定すると、前制御周期で算出された信号に基づいてソレノイド1(ひいては比例ソレノイドバルブ4)を駆動する(ステップS4)。
ステップS4に続いて、ソレノイド1以外の部材、部分(LED等)に出力する(ステップS5)。
【0018】
次のステップS6で加速度センサ16(16FR,16FL,16RR)等の検出値が入力される。続くステップS7で、ステップS5で読み込まれた加速度センサ16(16FR,16FL,16RR)の検出値に基づいて、車体の制振に必要な減衰力及びこの減衰力を発生させるために必要な目標電流としての指令電流を求め、この指令電流を各ソレノイド1へ供給して、比例ソレノイドバルブ4の液体3の通過量を調整し、これにより加速度センサ16(16FR,16FL,16RR)の検出信号に応じた大きさの減衰力をショックアブソーバ5に発生させて車体(ばね上)の揺れを抑え、快適な乗り心地を得る。続くステップS8のサブルーチンでスプール2の固着検出を行い、ステップS3に戻る。
【0019】
ステップS8のサブルーチン〔CPU8に設けられた比較部21及び判定部22の処理内容を示す。〕では、図5に示すように、まず、スプールの固着があるか否かを判定する(ステップS11 )。YES の場合は、スプール固着処理を行う(ステップS12 )。このスプール固着処理では、車両が安全走行可能なように故障していない車輪に対応するショックアブソーバの減衰力を制御する。ステップS11 でNOと判定した場合は、各車輪(4輪)の減衰力指示が伸び方向及び縮み方向共にソフト/ソフトであるか否かを判定し(ステップS13 )、YES であった場合は、主演算部20からの4つの加速度信号値(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)が上方向しきい値S1 または下方向しきい値S2 を越えているか否かを判定する(ステップS14 )。ステップS14 でYES と判定すると、4つの加速度信号Aのうち同等のしきい値(上方向のしきい値または下方向のしきい値)を越えているのが、一つであるか否かを判定する(ステップS15 )。
【0020】
ステップS15 でYES と判定すると、図6に示すように、加速度信号AがステップS14 でしきい値(図6では上方向しきい値S1 )を越えたと判定した時点から所定時間t内で、加速度信号A(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)がステップS14 で越えたしきい値と異なる方の他方のしきい値(図6では下方向しきい値S2 )を越えていないかどうかを判定する(ステップS16 。越えていないとき YES と判定し、越えているときNOと判定する)。
【0021】
ステップS16 でYES (時間t内で加速度信号が他方のしきい値を越えていない)と判定すると、ステップS15 でYES と判定した〔4つの加速度信号のうち同等のしきい値を越えているのが、一つである〕一つの加速度信号に対応する車輪を対象とした判定回数(以下、便宜上、一つの車輪の判定回数という)を「1」インクリメントする(ステップS17 )と共にメモリ17に書き込む。
ステップS17 に続いて、前記一つの車輪の判定回数が予め設定した回数基準値を越えたか否かを判定する(ステップS18 )。ステップS18 でYES と判定すると、スプール2が固着したと判定して(ステップS19 )固着処理を行った後(ステップS20 )サブルーチンを終了して、図4のメインルーチンに戻る。ステップS18 でNOと判定すると、ステップS19 及びステップS20 を行わずにサブルーチンを終了して、図4のメインルーチンに戻る。
【0022】
前記ステップS13 ないしステップS16 でNOと判定すると、サブルーチンを終了する。
ステップS16 でNOと判定した場合は、ステップS17 のカウント値のインクリメント作動を行わずにサブルーチンを終了するようにしたのは、ステップS16 でNOと判定したこと(時間t内で加速度信号が他方のしきい値を越えていないとの判定)が、スプール2の固着と結びつかず、むしろ、ショックアブソーバ5が減衰力反転型であることにより、正常状態である可能性が高いことに基づくものである。
【0023】
ステップS15 でNOと判定した(4つの加速度信号のうち同等のしきい値を越えているのが、二つ以上である)場合に、サブルーチンを終了するのは、2以上のスプール2の固着が同時に発生することが極めてまれであることに基づくものであり、この分、スプール2の固着検出の精度向上を図るようにしている。
【0024】
上述したように、本実施の形態では、スプール2の固着検出のために従来技術で必要とされた比例ソレノイドバルブへの非磁性領域の設置が不要となり、その分、簡易な構成とすることができる。
また、スプール2の固着検出を、固着検出のための部品を特別に追加することなく果たしているので、その分、さらに簡易な構成とすることができる。
また、上述した従来技術では、通常時にサスペンション制御とは別個に固着検出のための電流供給など行わなければならなかったが、これに比して、本実施の形態では、走行中の通常のサスペンション制御を行いつつスプール2の固着検出を行えるので、利便性の向上を図ることができる。
【0025】
上記実施の形態では、4つの加速度信号(右前輪側加速度AFR、左前輪側加速度AFL、右後輪側加速度ARR及び左後輪側の加速度ARL)のうち同等のしきい値を越えているのが、一つである場合、すなわち、一の加速度信号の大きさが他の加速度信号に比して異なる場合にのみ、ステップS16 (加速度信号は時間t内で他方のしきい値を越えていないか?)の判定を行う場合を例にしたが、ステップS15 ,S16 の順番を変えて、2以上の車輪を対象にした判定回数を求め、2以上の判定回数が回数基準値を越えたときにスプール2の固着が発生したと判定するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明の第二実施の形態のサスペンション制御装置を図7及び図8に基づいて説明する。なお、前述の第一実施の形態と同等の部分については同等の符号を示し、異なる部分についてのみ説明する。
【0027】
図7に示した第二実施の形態のサブルーチンは、第一実施の形態のサブルーチンのステップS13 に代えてステップS13Aを実行すること、また、ステップS16 を省略したことのみが異なる。
【0028】
第二実施の形態は、高い制御効果が得られるうねり路制御を行っている時にスプール2の固着を判定するものである。すなわち、緩やかに波打つような路面(うねり路)では、ショックアブソーバ5の減衰力調整が追従しやすく、高い制御効果が得られる(車体の上下方向の発生加速度を抑えられる)が、スプール2が固着した場合は減衰力調整が不可能になり制御効果が低下し、このときの上下方向の加速度の大きさからスプール2の固着を判定するようにしている。
【0029】
ステップS11 でスプール2の固着があるか否かを判定し、NOの場合はうねり路で制御中であるか否かを判定する(ステップS13A)。このうねり路制御の判定は、例えば車体の上下方向の加速度の変化率を演算し、この変化率が小さい場合にうねり路制御と判定するようにする。ステップS13AでYES (うねり路制御中である)と判定すると、4つの加速度信号Aが所定のしきい値S(上方向S1 、下方向S2 のいずれかを設定すればよい)を越えているか否かを判定する(ステップS14 )。ステップS14 でYES と判定すると、4つの加速度信号Aのうちしきい値を越えているのが一つであるのか否かを判定する(ステップS15 )。ステップS15 でYES と判定すると、ステップS17 を処理し、以下、第一実施の形態と同様の処理を行う。
【0030】
前述の第一実施の形態では、減衰力反転型のショックアブソーバにおいて、4つの車輪に対応するショックアブソーバの減衰力指示値が、伸び方向及び縮み方向共にソフト/ソフトであるときにスプールの固着を検出するようにしているが、第二実施の形態では、第一実施の形態と同様の作用効果を奏すると共に、減衰力がソフトの状態でスプールが固着した場合であっても固着の判定が可能である。減衰力非反転型のショックアブソーバの減衰力特性の一例を参考として図8に示す。
【0031】
なお、上記各実施の形態では、上下方向の加速度によりスプールの固着(アクチュエータの故障)を判定するようにしているが、上下方向の絶対速度、加速度変化率によって判定するようにしてもよい。
【0032】
なお、上記各実施の形態では、アクチュエータが比例ソレノイドバルブである場合を例にしたが、これに代えて、シャッタを回動させて流体通路の断面積を調整するロータリアクチュエータとしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、故障判定手段が、ショックアブソーバ毎の上下方向の加速度検出手段のうち一の加速度検出手段のみが車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏り、かつ、偏り状態が継続された場合に、該加速度検出手段に対応した前記アクチュエータが故障していると判定しており、アクチュエータの故障検出を図る上で従来技術で必要とされた非磁性領域を設置することなく、アクチュエータの故障検出を行えることになり、その分、簡易な構成とすることができる。また、上述した従来技術では、通常時にサスペンション制御とは別個に固着検出のための電流供給を行わなければならなかったが、これに比して、本発明では、故障判定手段が加速度検出手段の検出信号に基づいてアクチュエータの故障判定を行うので、走行中の通常のサスペンション制御を行いつつアクチュエータの故障検出を行うことが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態のサスペンション制御装置を模式的に示す図である。
【図2】図1のショックアブソーバの減衰力特性を示す図である。
【図3】図1のCPUの構成を模式的に示す図である。
【図4】図1のCPUの処理内容を示すフローチャートである。
【図5】図5のスプール判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図1のサスペンション制御装置の作用を説明するための波形図である。
【図7】本発明の第二実施形態のスプール判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】減衰力非反転型のショックアブソーバの減衰力特性を示す図である。
【図9】従来技術の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
2 スプール
4 比例ソレノイドバルブ(アクチュエータ)
5 ショックアブソーバ
8 CPU
21 比較部(故障判定手段)
22 判定部(故障判定手段)
Claims (3)
- 車両の車体と各車輪との間に伸縮自在に介装された減衰力反転型のショックアブソーバと、通電に応じて該ショックアブソーバの減衰力特性を調整するアクチュエータと、前記ショックアブソーバ毎の上下方向加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段の検出信号に応じて前記アクチュエータを駆動して前記ショックアブソーバの減衰力特性を制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置において、
前記制御手段は、一の前記加速度検出手段のみが車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏り、かつ、偏り状態が継続された場合に、該加速度検出手段に対応した前記アクチュエータが故障していると判定する故障判定手段を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置。 - 前記故障判定手段は、一の前記加速度検出手段の加速度が上方向または下方向の予め設定されたしきい値の一方を越え、かつ、該一の前記加速度検出手段の加速度が上方向または下方向の予め設定されたしきい値の一方を越えた後の所定時間以内に他のしきい値を越えないことを判断することにより、一の前記加速度検出手段が車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏りを生じていると判断することを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
- 前記故障判定手段は、一の前記加速度検出手段が車体に生じる上下方向の加速度が上方向と下方向で偏りを生じているとする前記判断を、前記制御手段が前記減衰力反転型のショックアブソーバの減衰特性を伸縮共にソフトに制御しているときに行うことを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
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