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JP3925676B2 - 紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置 - Google Patents

紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、抄紙工程中にある紙の繊維配向性データを取得し、該繊維配向性データを基に抄紙中の紙繊維配向性を所望のものに調整して、用途に見合った繊維配向性を備えた、製品としての紙を得るようにした紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙の繊維配向性は、寸法安定性や強度などに大きく影響し、例えばNIP(non−inpact−printer)用紙の斜傾やPPC用紙のカールなどの紙ぐせと称される問題を引き起こす原因となり得る。このため、製品としての紙の繊維配向性を計測し、取得された繊維配向性に関するデータを抄紙工程に迅速に反映させて、繊維配向性を制御することが重要な課題となる。特に、高速化、広幅化が進んだ抄紙機においては、クロスマシン方向(紙幅方向)の繊維配向がばらつきやすいため、紙幅方向の繊維配向を制御することが重要である。
【0003】
抄紙工程中の繊維配向を制御するための紙の繊維配向制御装置として、例えば、特開平3−45795号公報に記載された紙の繊維配向性の予測方法及び装置や特開平8−246371号公報に記載された抄紙機すき網部の配向性制御装置、特開平9−281135号公報に記載された非接触式速度ベクトル検出装置などがある。
【0004】
特開平3−45795号公報には、抄紙機にヘッドボックスから吐出されてからワイヤ上で未だ流動状態にあるまでの過程の紙料挙動から抄紙中の紙の繊維配向性を予測する方法及び装置が記載されている。また、特開平8−246371号公報には、ヘッドボックスのエアチャンバ付きミキシングチャンバ内の幅方向の少なくとも両端部位置に、隔壁により仕切られた狭幅の分割ゾーンを形成し、各分割ゾーンに、ヘッダから分岐させたサブヘッダを、流量調整弁を備えた供給管を介して接続し、分割ゾーンと対応する粗分岐管を固定の盲板で塞ぎ、分割ゾーン内のエアチャンバ側とヘッダ側を閉塞し、分割ゾーン内に供給管と分散分岐管とを連通させる流路を形成し、配向角センサの信号に基づき流量調整弁の開度をコントロールし、サブヘッダ内の原料を分割ゾーンに対応させて部分流として流出させて配向角を修正するようにした配向性制御装置が記載されている。また、特開平9−281135号公報には、抄紙機のヘッドボックスのスライスよりすき網上へ流出される原料の上方位置に配向性2次元センサを幅方向へ移動可能に配置し、原料の表面上にレーザ光を照射して2つの干渉縞を形成されるようにすると共に反射光を測定させ、原料の速さとその向きに比例した大きさの強度変調信号を検出させ、配向性2次元センサの幅方向への移動量を測定する移動量検出センサを設け、演算制御指令器により、配向性2次元センサと移動量検出センサによる出力信号を演算処理して原料の配向性2次元分布を算出させ、これとパラメータ入力器による設定値との比較結果をCRTにより外部表示させるようにした非接触式速度ベクトル検出装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の紙の繊維配向制御方法や繊維配向制御装置では、いずれも繊維配向を直接的に計測するものではない。すなわち、特開平3−45795号公報に記載された紙の繊維配向性の予測方法及び装置では、ワイヤ上で未だ流動状態にある紙料の速度ベクトルを測定し、その測定点における紙料の速度ベクトルとワイヤ速度とから紙料とワイヤの速度差ベクトルを求めて、紙料とワイヤとの速度差ベクトルの経時変化から紙のマシン方向の繊維配向性の変動を予測するものである。また、特開平8−246371号公報に記載された配向性制御装置の前記配向角センサは、スライスからすき網上へ流出させられる原料の表面を幅方向に走査して配向性を検出するものである。また、特開平9−281135号公報に記載された非接触式速度ベクトル検出装置は、前記配向性2次元センサが、抄紙機のヘッドボックスの下流側のすき網の上方位置に、スライスからすき網上へ流出される原料の表面を幅方向に走査するように設けられているものである。
【0006】
したがって、上述した従来の紙の繊維配向制御方法や繊維配向制御装置では、製品としての紙の繊維配向性を計測するものではなく、繊維配向性を予測するものであったり、ワイヤ上に流出された紙料に関する配向性を計測するものである。
【0007】
ところで、一般に繊維配向や地合などの紙の構造は抄紙機のウェットパートで決定されると考えられている。すなわち、ワイヤパートにおける脱水条件によって大きく影響される。このため、ワイヤ上に流出された際の紙料に関する繊維配向性を計測しただけでは製品としての紙の真の配向性を評価するには不十分であり、原料ジェットの流向を抄紙方向に対して均一化させても、製品としての紙の繊維配向を抄紙方向に均一化することは困難である。
【0008】
しかも、実際の抄紙機では、原料の流れ方向は抄紙方向に対して微妙にずれてしまい、また繊維配向は原料ジェットとワイヤの速度差ベクトルに影響されるため、原料ジェットの流向と製品としての紙の繊維配向角は必ずしも一致しない場合が生じる。
【0009】
さらに、紙の繊維配向は、繊維配向角と繊維配向指数との2つのパラメータで表すことが現実的であり、NIP用紙の斜傾やPPC用紙のカールなどの紙ぐせは、これらのパラメータに影響されるため、繊維配向の制御には繊維配向角に加えて繊維配向指数に関するデータも評価の対象とする必要がある。
【0010】
ところで、本願出願人は、紙面の繊維配向特性を繊維配向角と繊維配向指数に分け、しかも繊維配向分布を測定して評価することによってほぼ正確な配向性を得ることができ、また、高品質な紙を製造すべく測定結果を迅速に反映できるように、オンラインにおいても配向特性を測定することができる紙の繊維配向測定装置を開発し既に提案した(特開平6−257092号参照)。
【0011】
そこで、この発明は、繊維配向性をほぼ正確に取得することができる前記繊維配向測定装置を利用して、取得された配向性データを評価してリアルタイムで連続的に繊維配向を制御することによって所望の紙質を備えた製品としての紙を抄紙機で抄造できるようにした紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る紙の繊維配向制御方法は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとを比較し、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴としている。
【0013】
ワイヤパートを通過し、例えば抄紙機のドライパートの途中や後の工程で走行している紙の繊維配向を計測することにより、安定した状態の繊維配向を計測することができる。このため、計測された繊維配向データを、その後にワイヤパートに供給する抄紙原料の供給時の挙動を制御するデータとして役立てることができる。そして、供給時の挙動の制御は、ヘッドボックスが具備した原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段、具体的には原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって行う。
【0014】
この原料の流れ方向(角度)を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含む。また、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含む。そして、原料の流れ方向(角度)を調整する前記手段と、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する前記手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組合わせて操作することにより、原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整するものである。
【0017】
スライス開度調整手段は、スライス板を上下方向に移動させることによりヘッドボックスの供給口の開度を調整して、開度を調整した部分の原料の流向、流速を変えることができる。再循環開度調整手段は、ヘッドボックスのテーパヘッダー内の圧力分布を調整して原料の流れを調整し、スライスから流出する原料の流向、流速を抄紙機の幅方向に亙って調整することができる。エッジフロー流量調整手段は、テーパヘッダーからタービュレンスジェネレータなどを介さずに直接スライスの側壁面に沿って供給して、スライス端部付近におけるワイヤに供給される原料の流向、流量を調整することができる。ブリード開度調整手段は、スライスの側壁面から原料を排出させることにより、スライス端部付近におけるワイヤに供給される原料の流向、流速を調整することができる。原料ジェット着地位置調整手段は、主として前記スライスを走行方向に移動させることにより、原料のワイヤに対する供給位置を変更させることができる。すなわち、これらの手段の1つまたは2つ以上を操作することによって、ヘッドボックスから流出する原料のワイヤに対する流向や流量を変更させて、速度差ベクトルを調整することができる。
【0018】
前記ワイヤシェーキング手段は、ワイヤをその走行方向に対して直角の水平方向に振動させることにより、原料供給時に抄紙原料の繊維を分散させるものである。また、J/W調整手段は、原料ジェットの流速とワイヤの走行速度とのいずれか一方または双方を調整してこれら速度比(J/W比)を変更することができる。すなわち、これらの手段の1つまたは2つ以上を操作することによって、ヘッドボックスから流出する原料の速度とワイヤの走行速度との相対速度を調整して、速度差ベクトルを調整することができる。
【0019】
そして、抄造すべき紙の紙質に応じた繊維配向プロファイルが予め設定されている。例えば、NIP用紙やPPC用紙、上質紙、新聞紙などそれぞれの紙質に見合った繊維配向プロファイルがあり、この抄造すべき紙に関する繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルとする。そして、抄造時に計測された繊維配向プロファイル、即ち実繊維配向プロファイルとこの理想繊維配向プロファイルとを比較する。そして、前記原料とワイヤとの速度差ベクトルの調整手段を操作しながら実繊維配向プロファイルを変更させて、これを理想繊維配向プロファイルと一致させるようにすれば、所望の紙質の紙を抄造することができる。
【0020】
実繊維配向プロファイルと理想繊維配向プロファイルを、例えばこれら繊維配向プロファイルを表示するCRTモニタなどの表示装置を設けて表示させる。そして、該表示装置に表示された繊維配向プロファイルを視認しながら前記原料の流れ方向(角度)や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整することによって、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに一致するよう変更させることもできる。また、これら繊維配向プロファイルを信号レベルで比較して、その比較信号に応じた駆動信号を原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段の駆動装置などに送出して、該原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作することもできる。
【0021】
また、請求項2の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとの差分プロファイルを求め、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記差分プロファイルのパターンを改善するのに適した適宜な原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作のうちから選択し、前記選択された適宜な原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって原料供給時の速度差ベクトルを調整して、前記差分プロファイルを改善することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴としている。
【0022】
すなわち、前記差分プロファイルを「0」にすれば、これら繊維配向プロファイルが一致した状態となる。しかも、例えば表示装置には差分プロファイルのみを表示させ、これが「0」となるよう原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作すればよいから、表示装置上で繊維配向プロファイルの一致を視認する必要がなく、操作が容易となる。
【0023】
また、請求項3の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、 前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、 前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを均一化させることを特徴としている。
【0024】
すなわち、抄造すべき紙に特定の理想物性を要求される紙質に無関係に、抄造すべき紙の紙質を均一にすることが要求される場合には、理想繊維配向プロファイルは必要がなく、実繊維配向プロファイルを均一化すれば、抄造された紙の紙質を均一にすることができる。
【0025】
また、請求項4の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面またはワイヤ面のいずれか一方で取得することを特徴とし、請求項5の発明に係るの紙の繊維配向制御方法は、前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面とワイヤ面の両面で取得することを特徴としている。
【0026】
例えば、製品としての紙のカールなどが問題とならないような場合には、フェルト面あるいはワイヤ面のいずれかで実繊維配向プロファイルを取得し、これを均一化あるいは理想繊維配向プロファイルと近似させるように調整すればよい。他方、PPC用紙などのようにカールなどが問題となる場合には、紙の表裏の繊維配向を一致させる必要があるから、表裏の実繊維配向プロファイルを取得し、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作して、表裏の実繊維配向プロファイルのそれぞれを均一化させたり理想繊維配向プロファイルと近似させるなどの調整を行えばよい。
【0027】
また、請求項6の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向をフェルト面とワイヤ面とのそれぞれで計測し、前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、フェルト面の実繊維配向プロファイルとワイヤ面の実繊維配向プロファイルとを近似させることを特徴としている。
【0028】
すなわち、紙の表裏の繊維配向が異なると紙のカールが生じるから、表裏の繊維配向を一致させれば、少なくともカール現象の発生を阻止できる。したがって、表裏の実繊維配向プロファイルが一致するように、原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段により調整する。
【0029】
また、請求項7の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の幅方向で求めることを特徴とし、請求項8の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の走行方向で求めることを特徴としている。
【0030】
すなわち、要求される紙質に応じて、幅方向の実繊維配向プロファイルを、均一化したり、理想繊維配向プロファイルに近似させるようにすることも、走行方向の実繊維配向プロファイルを、均一化したり、理想繊維配向プロファイルに近似させるようにすることもできる。
【0031】
また、前述したように、実繊維配向プロファイルはワイヤパートよりも後の工程を走行する紙について取得するものであるが、請求項9の発明に係る紙の繊維配向制御方法は、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機のプレドライヤー直後からリールの直前までの間の位置で取得することを特徴としている。
【0032】
例えば、リール直前やアフタードライヤーの直後、プレドライヤーの直後など繊維配向を計測するための装置を配設するのに適した位置で実繊維配向プロファイルを取得する。なお、製品としての紙の繊維配向が最も安定するのは、抄造された紙を巻き取るためのリールの直前であるので、当該位置で取得された実繊維配向プロファイルに合せて原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作してヘッドボックスからの原料の供給を調整すれば確実である。しかし、リール直前とヘッドボックスとの距離は相当に離れているため、リール直前で取得した実繊維配向プロファイルに基づいて原料の流れ方向(角度)や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度をを調整する場合には、調整の結果に係る実繊維配向プロファイルを取得するまで相当時間を要することになる。このため、アフタードライヤーの直後やプレドライヤーの直後で取得するようにしても構わない。
【0033】
抄紙機によってはアフタードライヤーの直後であっても紙の繊維配向が安定していると考えられるので、当該位置において実繊維配向プロファイルを取得するようにしても構わない。すなわち、抄造されている紙の繊維配向が安定すると共に、ヘッドボックスから最も近い位置で実繊維配向プロファイルを取得することが好ましい。
【0034】
そして、前述した発明に係る紙の繊維配向制御方法を実行するのに適した繊維配向制御装置に関するものとして、請求項10の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、前記繊維配向計測手段によって取得された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとを比較するプロファイル比較手段とを備え、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記プロファイル比較手段の比較信号に基づいて前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴としている。
【0035】
すなわち、実繊維配向プロファイルに関する繊維配向データを前記繊維配向計測手段によって取得し、前記実繊維配向プロファイル作成手段によって実繊維配向プロファイルを作成する。前記プロファイル比較手段によって、この実繊維配向プロファイルを予め設定された前記理想繊維配向プロファイルと比較し、その比較演算に関する結果を比較信号として前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段に送出する。そして、原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって原料の供給時に速度差ベクトルが変更されて、理想繊維配向プロファイルに実繊維配向プロファイルを近似させるよう調整される。ここで、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、原料の流れ方向を調整するこれら手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組合わせて操作して、原料供給時の流れ方向を調整する。また、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整するこれらの手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組合わせて操作することにより、原料供給時の原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する。
【0036】
また、請求項11の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、前記繊維配向計測手段によって取得された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとの差分プロファイルを求める差分プロファイル演算手段と、 前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記差分プロファイルのパターンを改善するのに適した適宜な原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作のうちから選択する選択手段とを備え、前記選択手段によって選択された適宜な原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって原料供給時の速度差ベクトルを調整して、前記差分プロファイルを改善することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴としている。
【0037】
すなわち、差分プロファイルのパターンを前記選択手段によって予め登録されているパターンと比較して、当該時のパターンに対して有効な原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を選択する。そして、この選択された原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作して、供給時の原料の原料の流れ方向(角度)や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整し、差分プロファイルを改善する。
【0038】
また、請求項12の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを均一化させることを特徴としている。
【0039】
すなわち、実繊維配向プロファイルを均一化すれば、抄造された紙の紙質を均一にすることができる。
【0040】
また、請求項13の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面またはワイヤ面のいずれか一方で取得することを特徴し、請求項14の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面とワイヤ面の両面で取得することを特徴としている。
【0041】
また、請求項15の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向(角度)を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向をフェルト面とワイヤ面とのそれぞれで計測する繊維配向計測手段と、前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段とを備え、前記原料の流れ方向 ( 角度 ) を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、前記原料の流れ方向(角度)を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、フェルト面の実繊維配向プロファイルとワイヤ面の実繊維配向プロファイルとを近似させることを特徴としている。
【0042】
すなわち、紙の表裏の繊維配向が異なると紙のカールが生じるから、原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって表裏の繊維配向を一致させるように調整すれば、少なくともカール現象の発生を阻止できる。
【0043】
また、請求項16の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、前記繊維配向計測手段を抄紙機の幅方向に走査させる走査手段を設け、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の幅方向で求めることを特徴としている。
【0044】
前記走査手段が駆動すると、繊維配向計測手段が抄紙機の幅方向に移動して紙の表面を走査して繊維配向データが取得される。紙は走行されているが原料の流れ方向(角度)を調整する手段または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段が操作されなければ、走行方向の繊維配向はほぼ一定であるから、上記の走査によって抄造中の紙の幅方向の繊維配向データを取得することができる。この幅方向の繊維配向データから得られた実繊維配向プロファイルを、原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作することによって、均一化させたり、理想繊維配向プロファイルと近似させるようにする。
【0045】
また、請求項17の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、前記繊維配向計測手段を抄紙機の幅方向における定位置に設置して、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の走行方向で求めることを特徴としている。
【0046】
定位置に設置された繊維配向計測手段で抄造中の紙の繊維配向データを取得することにより、該抄造中の紙の走行方向の実繊維配向プロファイルを求めることができる。
【0049】
そして、請求項18の発明に係る紙の繊維配向制御装置は、前記実繊維配向プロファイルを抄紙機のプレドライヤー直後からリールの直前までの間の位置で取得することを特徴としている。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置を具体的に説明する。
【0051】
図1はこの発明に係る紙の繊維配向制御装置を備えた抄紙機1の概略を示す図である。抄紙原料はヘッドボックス2からワイヤパート3のワイヤ3aに供給され、ワイヤ3aの表面に展開され適宜に搾水されて、後続するプレスパート4に給送される。プレスパート4においてフェルトと共にプレスロールでプレスされて搾水された抄紙原料は、ドライパート5に給送されて、ドライヤー表面から熱が付与されて乾燥する。このドライパート5は、予熱を付与するプレドライヤー51と、該プレドライヤー51に後続して乾燥を促進させるアフタードライヤー52とを備えている。ドライパート5で乾燥されて紙となった抄紙原料はカレンダー6を通過して適宜に圧潰され、リール7に巻き取られる。
【0052】
前記リール7の直前に、繊維配向計測手段としての繊維配向計測計8が配設されている。紙Pのワイヤ面とフェルト面のそれぞれの繊維配向を計測する場合にはワイヤ面とフェルト面のそれぞれに対向させて繊維配向計測計を配設し、一方の面の繊維配向を計測する場合には該一方の面に対向させて配設する。図2は、この繊維配向制御装置の概略のブロック図で、繊維配向計測計8によって取得された繊維配向データは、中央制御室10などに配置されたCPUを主体として構成された制御部11に送出されて、該制御部11で適宜な演算処理がなされて実繊維配向プロファイルが作成される。作成された実繊維配向プロファイルは、制御部11に接続されたCRTモニタなどの表示装置12に表示される。また、制御部11には予めこの抄紙機で抄造する紙に適した理想繊維配向プロファイルが登録されており、この理想繊維配向プロファイルも表示装置12に表示されるようにしてある。あるいは、これら実繊維配向プロファイルも理想繊維配向プロファイルも表示せず、制御部11においてこれら実繊維配向プロファイルと理想繊維配向プロファイルとの差を求めて作成された差分プロファイルを該表示装置12に表示させるようにしても構わない。また、この表示装置12は中央制御室10だけでなく、図1に示すように、必要となる位置、例えばヘッドボックス2の近傍その他適宜な位置に配設することもできる。
【0053】
前記制御部11には、スライス開度調整手段としてのスライス操作部21や、再循環弁開度調整手段としての再循環弁操作部22、エッジフロー流量調整手段としてのエッジフロー操作部23、ブリード開度調整手段としてのブリード操作部24、ワイヤの走行速度を変更するワイヤ駆動部25やワイヤシェーキング駆動部(図示せず)などが接続されており、これら各操作部21〜25との間で所定の情報が交換されている。
【0054】
前記繊維配向計測計8の概略を、図3に示してある。この繊維配向計測計8は、走行する紙Pにその紙面に対して垂直方向から無偏光を照射する投光部81と、照射点を中心とした円周の上方位置で反射光を捕捉するよう配された適宜数の受光部82とによって構成されている。そして、受光部82で捕捉された反射光の強度などに関する情報を前記制御部11に対して出力している。
【0055】
制御部11では、入力された反射光情報を、例えば周期関数を形成するフーリエ級数やフォン・マイス関数、楕円関数などを用いて演算処理することにより入射位置における紙Pの繊維配向指数や繊維配向角などの繊維配向性が求められる。この場合、前記繊維配向計測計8が一定位置に固定されている場合には、紙Pは抄造のために走行されているから、該繊維配向計測計8では抄紙機1の走行方向について紙Pの繊維配向性が取得され、これを所定時間あるいは所定走行距離ごとに求めることにより、所定範囲における走行方向に関する実繊維配向プロファイルが取得される。また、抄紙機1の幅方向に往復移動する走査手段を設け、この走査手段に繊維配向計測計8を支持させ、該走査手段を走行させながら繊維配向データを取得すれば、幅方向に関する実繊維配向プロファイルが取得される。
【0056】
図4はヘッドボックス2の構造を説明する概略の平面図である。抄紙原料はテーパーヘッダー2aに供給され、マニフォールドチューブバンクのチューブ2bを通してタービュレンスジェネレーター2cに給送され乱流が形成される。そして、スライス2dを通ってワイヤ3aに供給されることになる。
【0057】
前記テーパーヘッダー2aの一方の側壁には供給管2eが接続されて、前処理工程で調製された抄紙原料が供給され、他方の側壁に接続された排出管2fから余剰の原料が排出される。該テーパーヘッダー2aの背面壁は、該テーパーヘッダー2aの抄紙機1の走行方向長さが、供給管2eの側で最も大きく、排出管2fの側で最も小さくなくなるよう傾斜させてある。そして、排出管2fには前記再循環弁操作部22によって開閉される再循環弁26が設けられており、その開度によって再循環量が調整されるようにしてある。また、この再循環弁26の開閉は、前記再循環弁操作部22の動作によって行われる。なお、供給管2eが抄紙機1の前側即ちフロント側に、排出管2fが後側即ちバック側にそれぞれ配されている。
【0058】
前記テーパーヘッダー2aの側壁のそれぞれにはエッジフロー管27が接続され、該エッジフロー管27を介してテーパーヘッダー2aと前記スライス2dの側壁内部とを、前記チューブ2bやタービュレンスジェネレータ2cを介することなく連通させてある。また、エッジフロー管27の中間部にはエッジフロー弁27a を介在させてあり、その開度によってエッジフロー流量が調整されるようにしてある。このエッジフロー弁27a の開閉は、前記エッジフロー操作部23の動作によって行われる。
【0059】
また、スライス2dの側壁にはブリード管28が接続されており、スライス2d内の抄紙原料が該ブリード管28から排出されるようにしてある。このブリード管28にはブリード弁28a が設けられており、その開度によってブリード流量が調整されるようにしてある。そして、このブリード弁28a の開閉は前記ブリード操作部24の動作によって行われる。
【0060】
図6はヘッドボックス2のスライス2dの概略の側面を示す図で、スライス2dは、ワイヤ3aに対してほぼ平行に配された下リップ29a と該下リップ29a の上方に位置させた垂直方向に昇降自在な上リップ29b とで構成されている。この上リップ29b の昇降によって下リップ29a との間の距離が変更されることによってスライス開度が変更される。また、上リップ29b は抄紙機1の走行方向に進退自在とされており、この進退位置によってスライス2dからワイヤ3aに抄紙原料が供給される際の原料ジェットのワイヤ3aに対する着地角度が変更される。
【0061】
次に、図8ないし図19を参照して、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度の調整に寄与するJ/W比が変更された場合と、原料の流れ方向(角度)の調整に寄与する再循環弁26の開度が変更された場合、原料ジェットの着地位置が変更された場合のそれぞれについての抄紙原料の供給時の挙動について説明する。
【0062】
図8及び図9は、長網式抄紙機において、抄速700 m/min、抄き幅3mでPPC用紙(坪量64g/m2 )を抄造する際の、原料ジェット速度とワイヤ速度との比(J/W比)を、101、101.6、102、103として計測した繊維配向指数を示す図で、横軸を抄紙機1の幅方向とした図であり、図8はフェルト面について、図9はワイヤ面についてそれぞれ示してある。これらの図に示されるように、繊維配向指数は、J/W比に拘わらずほぼ等しい傾向を示しており、J/W比の変更は抄紙機1の幅方向に関する繊維配向指数の傾向を維持した状態で、繊維配向指数の値が変更される。また、図10はフェルト面とワイヤ面に関する繊維配向指数の差を示す図で、同じくJ/W比に拘わらずほぼ等しい傾向を示している。しかも、図8及び図9より、J/W比が小さくなるにしたがって繊維配向指数は、フェルト面側が大きくなると共に、ワイヤ面側では小さくなり、これらの差が0に近づくことになる。したがって、所望の傾向を示す繊維配向指数が得られた状態で、J/W比を変更すれば、所望の繊維配向指数を示す紙Pを得ることができる。
【0063】
図11及び図12は、長網式抄紙機において、抄速700 m/min、抄き幅3mでPPC用紙(坪量64g/m2 )を抄造する際の、再循環弁26の開度を、45%、56%、65%に変更した場合の、抄紙機1の幅方向に関する繊維配向角を示す図で、横軸を抄紙機1の幅方向とした図であり、図11はフェルト面について、図12はワイヤ面についてそれぞれ示してある。フェルト面は、再循環弁26の開度を大きくすることにより、抄紙機1のバック側近傍で抄造された部分の繊維配向角がマイナス側へ変化し、フロント側近傍の部分の繊維配向角に近づく傾向を示している。すなわち、再循環弁26の開度を大きくすることによってフェルト面の繊維配向角の均一化が図られることになる。ワイヤ面は、幅方向で均一であったものが、再循環弁26の開度を大きくすることにより、バック側近傍で抄造された部分の繊維配向角がプラス側へ変化し、フロント側近傍の部分の繊維配向角から離れる傾向を示している。したがって、フェルト面とワイヤ面のそれぞれにおける繊維配向角の差を示す図13のように、再循環弁26の開度が大きくなると、バック側の繊維配向角がフロント側の繊維配向角に近づき、表裏差が均一化する傾向を示す。
【0064】
図14及び図15は、原料ジェットの着地位置を変更した場合の繊維配向指数を示す図で、横軸を抄紙機1の幅方向とした図であり、図14はフェルト面について、図15はワイヤ面についてそれぞれ示してある。また、図16はフェルト面とワイヤ面に関する繊維配向指数の差を示す図である。図17及び図18は、原料ジェットの着地位置を変更した場合の繊維配向角を示す図で、横軸を抄紙機1の幅方向とした図であり、図17はフェルト面について、図18はワイヤ面についてそれぞれ示してある。また、図19はフェルト面とワイヤ面に関する繊維配向角の差を示す図である。着地位置は、図6に示すように、スライス開度bを一定とし、上リップ29b を抄紙機1の走行方向に移動させ、下リップ29a の先端からの距離Lを1mm、3mm、5mmをした場合について測定した。なお、着地位置は距離Lが大きくなるほど下リップ29a の先端から離隔し、着地角度θは小さくなる。なお、J/W比は100.5%として測定した。
【0065】
図14及び図15に示すように、距離Lを大きくして着地角度を小さくするほど繊維配向指数が小さくなっている。特にワイヤ面では、着地角度が小さくなるほど繊維配向指数は低下している。また、図16に示すように、同様に距離Lが大きい場合の方が表裏差が大きくなっている。また、図17及び図18に示すように、距離Lを小さくして着地角度を大きくするほど、繊維配向角の幅方向のばらつきが小さくなる。しかも、ワイヤ面側の方が繊維配向角のばらつきが小さい。また、繊維配向角の表裏差も着地角度が大きいほど小さい。
【0066】
繊維配向性の変更に寄与する原料供給時の流れ方向(角度)は、前述したスライス開度の変更やエッジフロー弁27a の開度の変更、ブリード弁28a の開度の変更などを行って調整されることが公知である。図5は、エッジフロー流量とブリード流量、再循環流量をそれぞれ増加させた場合の原料の流れ角度を示す図である。基準状態にある流れを、抄紙機1の走行方向としてある。エッジフロー量を増加させた場合では、フロント側とバック側の流れ方向がそれぞれ内向きに変化する。ブリード流量を増加させた場合には、フロント側とバック側の流れ方向がそれぞれ外向きに変化する。また、再循環流量を増加させた場合には、流れ方向は幅方向の全体に亙ってバック側に傾き、バック側の方が走行方向からの傾きが大きくなる。また、スライス2dの開度を変更した場合には、より大きな開度側に原料の流れ方向が傾く。また、ワイヤシェーキングによって原料供給時には、原料ジェットの方向とワイヤの走行方向との関係が変更させる。
【0067】
以上により構成されたこの発明に係る紙の繊維配向制御方法及び繊維配向制御装置の作用を、図7のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。なお、前記繊維配向計測計8は図示しない走査手段に支持されて、抄紙機1の幅方向に往復移動することによって、紙Pの表裏のそれぞれの面(フェルト面とワイヤ面)を走査しながら繊維配向性を取得するものとする。
【0068】
繊維配向計測計8は幅方向に走査しながら所定位置で繊維配向データを取得し、前記制御部11に送出する(ステップ701)。制御部11では表裏面のそれぞれに関して実繊維配向プロファイルを作成し(ステップ702)、作成された実繊維配向プロファイルから表裏差及び理想繊維配向プロファイルとの差分を演算してプロファイルとして作成し(ステップ703)、その結果を表示装置12に表示する(ステップ704)。なお、表示は差分プロファイルと併せて、表裏面のそれぞれの実繊維配向プロファイルを表示するようにしても構わない。
【0069】
前記制御部11によって演算された差より、表裏差及び差分が「0」であるか否かが判断される(ステップ705)。または表裏面に関するそれぞれの実繊維配向プロファイルが、均一か否かが判断される(ステップ705)。表裏差及び差分が「0」または実繊維配向プロファイルが均一である場合には(ステップ705/YES)、ステップ701に戻ってステップ705までの手順が繰り返される。また、表裏差が「0」でない場合または実繊維配向プロファイルが均一でない場合には(ステップ705/NO)、幅方向の表裏差の大きい位置や差分プロファイルなどの形状から幅方向のうちの制御を要する位置が抽出される(ステップ706)。そして、差分プロファイルや表裏差を「0」としたり、表裏面の実繊維配向プロファイルを均一化させるのに適した制御パターンを選択する(ステップ707)。例えば、PPC用紙では、複写機内での紙詰りの原因となる加熱処理後のカールを軽減させるため、繊維配向性の表裏差を小さくする必要があり、紙幅方向における繊維配向プロファイルの均一化が、表裏とも必要である。そこで、取得され演算された差分プロファイルを「0」にするために操作を必要とする原料の流れ方向(角度)を調整する手段または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を選択し、制御部11から対応する前記スライス操作部21、再循環弁操作部22、エッジフロー操作部23、ブリード操作部24、ワイヤ駆動部25などに駆動信号を送出する(ステップ707)。このとき、選択される原料の流れ方向(角度)を調整する手段または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段は、差分プロファイルの改善にとって必要となるものが、これら操作部21、22、23、24、25などのうちから単一であるいは適宜なものが組合わされて選択される。次いで、選択された操作部21、22、23、24、25などが操作されて繊維配向性が変更される(ステップ708)。これらステップ701〜ステップ708の手順を繰り返しながら所定の紙を抄造する。
【0070】
また、例えば、抄造すべき紙の紙質に応じた理想的な繊維配向を示す理想繊維配向プロファイルを制御部11に予め登録し、前記表示装置12にこの理想繊維配向プロファイルを、実繊維配向プロファイルと共に表示させる(ステップ704)。そして、中央制御室10においてこれら繊維配向プロファイルを視認して比較し、制御部11の操作ボタンなどを操作することによって、前記それぞれの操作部21、22、23、24、25を介して、スライス2dや再循環弁26、エッジフロー弁27a 、ブリード弁28a の開度や上リップ29b の進退位置を変更させ、あるいはJ/W比を調整したり、ワイヤシェーキングの振動幅などを調整して原料供給時の速度差ベクトルを変更させながら、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに一致させるようにしたり、あるいは差分プロファイルの改善を図るようにすることもできる。
【0071】
以上の説明では、繊維配向計測計8をリール7の直前に配設した場合について説明したが、図1に示すように、抄造すべき紙によっては、アフタードライヤー52の直後やプレドライヤー51とアフタードライヤー52の間の位置に配設することもできる。また、要求される紙質によっては表裏面の繊維配向の均一化を図る必要がない場合などには、フェルト面あるいはワイヤ面のいずれか一方の繊維配向を測定するようにしても構わない。
【0072】
また、この実施形態では、長網式抄紙機について説明したが、ギャップ型のツインワイヤマシンその他の形式の抄紙機に設置することもできる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る紙の繊維配向制御方法または繊維配向制御装置によれば、抄紙機を走行中の紙の繊維配向を測定し、その実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させるように、原料供給時の原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作するようにしたから、所望によって抄造中の紙の繊維配向性を、要求される紙質を備えた紙のものに容易に合せることができる。すなわち、抄紙機上において迅速に繊維配向を所望のものとすることができ、所望の繊維配向性を備えた紙を確実に抄造することができる。また、原料の流れ方向(角度)の調整を、スライス開度と再循環弁解度、エッジフロー流量、ブリード流量、原料ジェット着地位置の変更のうちの1つまたは2つ以上を組合わせて行うようにしたから、複雑な実繊維配向プロファイルであっても確実にプロファイルの形状を変更させることができる。さらに、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度の調整を、ワイヤシェーキング手段によるワイヤシェーキングとJ/W比調整手段によるJ/W比の変更のうちの1つまたは2つを組合わせて行うようにしたから、複雑な実繊維配向プロファイルであっても確実にプロファイルの形状を変更させることができる。
【0074】
また、請求項2の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項11の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、理想繊維配向プロファイルと実繊維配向プロファイルとの差から求めた差分プロファイルを所定の形状に調整して、実繊維配向プロファイルと理想繊維配向プロファイルとを一致させるようにしたから、実繊維配向プロファイルを直接的に理想繊維配向プロファイルに一致するよう原料の流れ方向(角度)を調整する手段や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を操作する場合よりも操作が簡単となり、抄造中の紙の繊維配向性を容易に所望のものとすることができる。
【0075】
また、請求項3の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項12の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、実繊維配向プロファイルが均一化するように原料の流れ方向(角度)や原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整するから、理想繊維配向プロファイルと比較する必要がなく、繊維配向が所定の方向に揃った紙を容易に抄造することができる。
【0076】
また、請求項4の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項1 3の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、フェルト面またはワイヤ面のいずれか一方の繊維配向性が所望のものであればよい紙を簡単に抄造することができる。
【0077】
また、請求項5の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項14の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、フェルト面とワイヤ面とのそれぞれに所望の繊維配向性を容易に備えさせることができる。
【0078】
また、請求項6の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項15の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、フェルト面とワイヤ面の繊維配向性をほぼ等しくすることができるから、カール現象の発生を防止でき、PPC用紙に適した紙を容易に抄造することができる。
【0079】
また、請求項7の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項16の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、抄紙機の幅方向に沿って実繊維配向プロファイルを取得でき、幅方向に所望の繊維配向性を備えた紙を抄造することができる。
【0080】
また、請求項8の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項17の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、抄紙機の走行方向に沿って実繊維配向プロファイルを取得でき、走行方向に所望の繊維配向性を備えた紙を抄造することができる。
【0081】
また、請求項9の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項20の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、原料の流れ方向(角度)の調整を、スライス開度と再循環弁解度、エッジフロー流量、ブリード流量、原料ジェット着地位置の変更のうちの1つまたは2つ以上を組合わせて行うようにしたから、複雑な実繊維配向プロファイルであっても確実にプロファイルの形状を変更させることができる。
【0082】
また、請求項10の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項21の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度の調整を、ワイヤシェーキング手段によるワイヤシェーキングとJ/W比調整手段によるJ/W比の変更のうちの1つまたは2つを組合わせて行うようにしたから、複雑な実繊維配向プロファイルであっても確実にプロファイルの形状を変更させることができる。
【0083】
また、請求項9の発明に係る紙の繊維配向制御方法または請求項18の発明に係る紙の繊維配向制御装置によれば、プレドライヤーの直後からリールの直前までの間の位置で実繊維配向プロファイルを取得するから、製品として完成された紙に関する繊維配向性を評価することができ、取得された繊維配向データを確実に抄造に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る紙の繊維配向制御装置を備えた抄紙機の概略の構成を示す側面図である。
【図2】紙の繊維配向制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】紙の繊維配向制御装置に用いるのに適した繊維配向計測計の構成を説明する概略の斜視図である。
【図4】ヘッドボックスの概略の平面図で、紙の繊維配向制御装置によって操作される速度差ベクトルの調整手段を説明する図である。
【図5】速度差ベクトルの調整手段が操作された場合の原料の供給時における紙料流れ角度の傾向を説明する図である。
【図6】スライスの上リップの位置と原料ジェットのワイヤ面に対する着地位置との関係を説明する概略の側面図である。
【図7】この発明に係る紙の繊維配向制御装置によって繊維配向性を調整する際の手順を説明するフローチャートである。
【図8】抄紙機において、J/W比を変更した場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、フェルト面の繊維配向指数を示している。
【図9】抄紙機において、J/W比を変更した場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、ワイヤ面の繊維配向指数を示している。
【図10】図8に示すフェルト面と図9に示すワイヤ面のそれぞれの繊維配向指数の差から求めた差分プロファイルを示している。
【図11】抄紙機において、再循環弁の開度を変更した場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、フェルト面の繊維配向角を示している。
【図12】抄紙機において、再循環弁の開度を変更した場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、ワイヤ面の繊維配向角を示している。
【図13】図11に示すフェルト面と図12に示すワイヤ面のそれぞれの繊維配向角の差から求めた差分プロファイルを示している。
【図14】スライスの上リップを下リップに対して移動させることによって原料ジェットの着地位置を変更させた場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、フェルト面の繊維配向指数を示している。
【図15】スライスの上リップを下リップに対して移動させることによって原料ジェットの着地位置を変更させた場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、ワイヤ面の繊維配向指数を示している。
【図16】図14に示すフェルト面と図15に示すワイヤ面のそれぞれの繊維配向指数の差から求めた差分プロファイルを示している。
【図17】スライスの上リップを下リップに対して移動させることによって原料ジェットの着地位置を変更させた場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、フェルト面の繊維配向角を示している。
【図18】スライスの上リップを下リップに対して移動させることによって原料ジェットの着地位置を変更させた場合の繊維配向プロファイルの変化を説明する図で、ワイヤ面の繊維配向角を示している。
【図19】図17に示すフェルト面と図18に示すワイヤ面のそれぞれの繊維配向角の差から求めた差分プロファイルを示している。
【符号の説明】
1 抄紙機
2 ヘッドボックス
2d スライス
3 ワイヤパート
3a ワイヤ
4 プレスパート
5 ドライパート
51 プレドライヤー
52 アフタードライヤー
7 リール
8 繊維配向計測計(繊維配向計測手段)
10 中央制御室
11 制御部
12 表示装置
21 スライス操作部(スライス開度調整手段)
22 再循環弁操作部(再循環弁解度調整手段)
23 エッジフロー操作部(エッジフロー流量調整手段)
24 ブリード操作部(ブリード開度調整手段)
25 ワイヤ駆動部
26 再循環弁
27a エッジフロー弁
28a ブリード弁
29a 下リップ
29b 上リップ

Claims (18)

  1. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、
    抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとを比較し、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御方法。
  2. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、
    抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとの差分プロファイルを求め、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記差分プロファイルのパターンを改善するのに適した適宜な原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を、前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作のうちから選択し、
    前記選択された適宜な原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって原料供給時の速度差ベクトルを調整して、前記差分プロファイルを改善することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御方法。
  3. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測し、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整 手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを均一化させることを特徴とする紙の繊維配向制御方法。
  4. 前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面またはワイヤ面のいずれか一方で取得することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の紙の繊維配向制御方法。
  5. 前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面とワイヤ面の両面で取得することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の紙の繊維配向制御方法。
  6. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御方法において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向をフェルト面とワイヤ面とのそれぞれで計測し、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成し、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、フェルト面の実繊維配向プロファイルとワイヤ面の実繊維配向プロファイルとを近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御方法。
  7. 前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の幅方向で求めることを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の紙の繊維配向制御方法。
  8. 前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の走行方向で求めることを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の紙の繊維配向制御方法。
  9. 前記実繊維配向プロファイルを抄紙機のプレドライヤー直後からリールの直前までの間の位置で取得することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の紙の繊維配向制御方法。
  10. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、
    前記繊維配向計測手段によって取得された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、
    抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プ ロファイルとを比較するプロファイル比較手段とを備え、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記プロファイル比較手段の比較信号に基づいて前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御装置。
  11. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、
    前記繊維配向計測手段によって取得された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、
    抄紙すべき紙質に合せて予め設定された理想繊維配向プロファイルと前記実繊維配向プロファイルとの差分プロファイルを求める差分プロファイル演算手段と、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記差分プロファイルのパターンを改善するのに適した適宜な原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を、前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作のうちから選択する選択手段とを備え、
    前記選択手段によって選択された適宜な原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段によって原料供給時の速度差ベクトルを調整して、前記差分プロファイルを改善することにより、実繊維配向プロファイルを理想繊維配向プロファイルに近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御装置。
  12. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向を計測する繊維配向計測手段と、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段と、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェー キング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、実繊維配向プロファイルを均一化させることを特徴とする紙の繊維配向制御装置。
  13. 前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面またはワイヤ面のいずれか一方で取得することを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の紙の繊維配向制御装置。
  14. 前記実繊維配向プロファイルを紙のフェルト面とワイヤ面の両面で取得することを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の紙の繊維配向制御装置。
  15. 抄紙原料をワイヤ上に供給する際に該原料とワイヤとの速度差ベクトルを調整する手段として、原料の流れ方向を調整する手段及び/または原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段を具備したヘッドボックスを有する抄紙機の紙の繊維配向制御装置において、
    前記抄紙機上であってワイヤパートよりも後の工程を走行する紙の繊維配向をフェルト面とワイヤ面とのそれぞれで計測する繊維配向計測手段と、
    前記計測された繊維配向データから実繊維配向プロファイルを作成する実繊維配向プロファイル作成手段とを備え、
    前記原料の流れ方向を調整する手段には、スライス開度調整手段と、再循環弁開度調整手段と、エッジフロー流量調整手段と、ブリード開度調整手段と、原料ジェット着地位置調整手段とを含み、
    前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段には、ワイヤシェーキング手段と、原料ジェット速度またはワイヤ走行速度を変更してこれらの速度比を調整するJ/W調整手段とを含み、
    前記原料の流れ方向を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作及び/または前記原料の流れ速度とワイヤ走行速度との相対速度を調整する手段のうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた操作によって原料供給時の速度差ベクトルを調整することにより、フェルト面の実繊維配向プロファイルとワイヤ面の実繊維配向プロファイルとを近似させることを特徴とする紙の繊維配向制御装置。
  16. 前記繊維配向計測手段を抄紙機の幅方向に走査させる走査手段を設け、
    前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の幅方向で求めることを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の紙の繊維配向制御装置。
  17. 前記繊維配向計測手段を抄紙機の幅方向における定位置に設置して、
    前記実繊維配向プロファイルを抄紙機の走行方向で求めることを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の紙の繊維配向制御装置。
  18. 前記実繊維配向プロファイルを抄紙機のプレドライヤー直後からリールの直前までの間の位置で取得することを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載の紙の繊維配向制御装置。
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