JP3920704B2 - Cutter plate of shaft excavator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地下深層部に石油貯蔵所や放射性廃棄物の貯留所等の地下構造物を築造する際に、所定の深さまで垂直な立坑を掘削するのに適した立坑掘削機におけるカッタ板の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、立坑を所定深さまで掘削する手段として、小径の立坑の場合には先端に掘削ビットを装着しているバケットを使用して行い、大径の立坑の場合には発破によって掘り下げていくことが一般に行われているが、いずれの掘削手段においても、所定径の立坑を正確に且つ能率よく掘削することが困難であり、そのため、近年、岩盤トンネル掘削機(TBM)を用いてこのトンネル掘削機のカッタ板を直下方向に向けた状態にして立坑を掘削することが実施されつつある。
【0003】
上記トンネル掘削機は、水平坑や斜坑を掘削するのに広く使用され、前面に多数のローラビットを装着しているカッタ板を回転させながら推進してこのカッタ板によって掘削されたズリをベルトコンベアやスクリューコンベア等の搬出手段により後方に搬出するように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記トンネル掘削機によって水平坑や斜坑を掘削する場合にはカッタ板によって掘削されたズリを、該カッタ板の背面側におけるトンネル掘削機の筒状胴体の前端下周部上に形成されたズリ取込室に落下、堆積させ、このズリ取込室に臨ませた搬出手段によってズリを後方に搬出することができるが、立坑を掘削する場合には、カッタ板はローラビットを装着している掘削面を下向きにし、背面を上方に向けた状態となっているために、このカッタ板によって掘削された土砂は常に切羽面上に滞留してカッタ板に設けているズリ取込み開口部を通じてカッタ板の背面側、即ち、上方の機内側に取り込むことができない。
【0005】
そのため、上記ズリ取込み開口部におけるカッタ板の回転方向に面した側端縁にスクレーパを設けて、このスクレーパによりズリを上記ズリ取込み開口部を通じて上方の機内側に掻き上げるようにしているが、ズリが一旦、ズリ取込み開口部内に取り込まれてもスクレーパから離れると、再びズリ取込み開口部を通じて下方、即ち、切羽面側に自然と排出されることになって、機内から上方へのズリの搬出が円滑に行えなく、立坑掘削用のトンネル掘削機としての使用には適さないという問題点があった。
【0006】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、掘削したズリや土砂等の掘削物を掘削物取込み開口部を通じて機内の下端中心部に集中的に寄せ集めて掘削物の搬出を円滑且つ確実に行えるようにすると共に、能率のよい立坑の掘削を可能にし得る立坑掘削機におけるカッタ板を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の立坑掘削機のカッタ板は、請求項1に記載したように、筒状胴体の下端に回転自在に配設されて地盤を直下方向に掘削していく立坑掘削機のカッタ板であって、カッタ板を、その回転中心側から外周端に向かって放射状に設けた複数本のスポークと、隣接するスポーク間に設けている掘削物取込み開口部と、切羽面に面したスポークの下面に突設している複数個のローラビットとから構成してあり、各スポークにおけるカッタ板の回転方向に面した側端縁を、カッタ板の径方向に対し、そのカッタ板中心側の端から外周側の端に向かってカッタ板の回転方向に傾斜させていると共に、この傾斜側端縁にスクレーパを固着し且つこのスクレーパにおける切羽面に面した下端縁部から上端縁部に向かって掘削物を機内に掻き上げる方向に傾斜させていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、筒状胴体の下端に回転自在に配設されて地盤を直下方向に掘削していく立坑掘削機のカッタ板であって、カッタ板は、回転中心側から外周端に向かって複数本のスポークを放射状に設けてこれらのスポークの下面に複数個のローラビットを突設していると共に隣接するスポーク間に掘削物取込み開口部を形成してなり、さらに、この掘削物取込み開口部におけるカッタ板の回転方向に面した側端縁に、掘削物をカッタ板の外周端側から中心側に向かって掻き寄せながら上記掘削物取込み開口部を通じてカッタ板の背面側に掻き上げるスクレーパを取付けてなり、且つ、各スポークにおける機内側に向けている上面における上記スクレーパを装着させている側端縁と反対側の他側端縁に沿って一定高さの掘削物ガイドを突設してあり、この掘削物ガイドの外端部をスクレーパを装着させている上記側端縁の外端部に向かって円弧状に湾曲させてスポークの外周端上を幅方向に横断し、その外端をスクレーパの外周端面に当接させた構造としている。
【0009】
【作用】
立坑掘削機のカッタ板におけるローラビットを突設している前面を下向きに向けた状態にしてこのカッタ板を回転させながら立坑掘削機を垂直下方に推進させることによって、岩盤地山を切り下げ掘削していく。ローラビットによって掘削されたズリや土砂等の掘削物は、スクレーパによって掘削物取込み開口部を通じて機内下端部における上方に向いているカッタ板の背面上に取り込まれながら、カッタ板の回転に従って該カッタ板の外周端側から内周端部に向かって掻き寄せられ、カッタ板の背面中心部上に集められる。
【0010】
このようなスクレーパによる掘削物の機内への掻き上げとカッタ板の外周端側から内周端側に向かう掻き寄せを行わせる構造としては、カッタ板の回転方向に面した掘削物取込み開口部の側端縁を、内周端側から外周端に向かってカッタ板の回転方向に傾斜させた形状に形成しておき、この傾斜側端縁に沿ってスクレーパを固着し且つこのスクレーパをその切羽面に面した下端縁部から上記上端縁部に向かって掘削物を機内に掻き上げる方向に傾斜させた構造が採用され、この構造によって、スクレーパの下端縁側から上端縁側に向かって掘削物を掻き上げる方向に傾斜している傾斜面によりカッタ板の回転に従って掘削物を掘削物取込み開口部から機内側に向かって掻き上げると共に、スクレーパを、その外周端側を内周端側よりもカッタ板の回転方向に先行して移動させて、掘削物を掻き上げながらカッタ板の中心に向かって該掘削物を確実に且つ円滑に掻き寄せることができるものである。
【0011】
一方、上記掘削物取込み開口部が設けられていないカッタ板の下面中心部においては、該中心部に設けているローラビットによって掘削された掘削物は、中心部下面に突設している掻き送り板によって掘削物取込み開口部の内周端側に送られ、上記スクレーパにより掻き上げ、掻き寄せられる掘削物と共に掘削物取込み開口部を通じてカッタ板の背面中心部上に送り込まれる。
【0012】
カッタ板の背面中心部上には掘削物貯留凹部が形成されてあり、上記掘削物がこの掘削物貯留凹部に集合状態で貯留したのち、該掘削物貯留凹部に下端を臨ませている掘削物搬出手段によって上方に搬出される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は立坑掘削機の簡略縦断面図であって、この立坑掘削機の本体である筒状胴体11は垂直状に配設されてその下端開口部にカッタ板1を回転自在に支持している。このカッタ板1は図2、図3に示すように、その回転中心部2から外周端に向かって複数本のスポーク3、3、3・・を周方向に一定の角度間隔毎に放射状に設けて隣接するスポーク3、3間に切羽面Aに面している下面(前面)から機内に連通する掘削物取込み開口部4を形成している。なお、上記全てのスポーク3の外周端面はカッタ板1の外周縁部を形成しているリング部材5に、周方向に一定間隔毎に一体に固着している。
【0014】
上記全てのスポーク3には、長さ方向に一定間隔毎にローラビット6を回転自在に装着していると共にリング部材5にもスポーク3の外端取付部分にローラビット6を装着している。ローラビット6は公知のように、算盤玉形状に形成されていてその中心部をスポーク3やリング部材5の所定個所に回転自在に軸支されていると共に外周部の一部をスポーク3やリング部材5の下面、即ち、切羽面Aに面しているカッタ板1の下面(前面)から下方に突出させた状態にして岩盤を切削するように構成している。なお、ローラビット6は、その回転方向をカッタ板1の回転方向と一致するようにスポーク3やリング部材5に軸支されている。
【0015】
さらに、上記各掘削物取込み開口部4におけるカッタ板の回転方向に面した側端縁、即ち、各スポーク3におけるカッタ板1の回転方向に面した側端縁3aに、カッタ板1によって掘削されるズリや土砂等の掘削物(以下、単にズリという)をカッタ板1の回転に従って該カッタ板1の外周端側から内周端側に向かって掻き寄せながら上記掘削物取込み開口部4を通じてカッタ板の背面側、即ち、機内に面した上面側に掻き上げるスクレーパ7を取付けている。
【0016】
このように、カッタ板1の回転に従ってスクレーパ7により掘削ズリをカッタ板1の外周端側から内周端側に向かって掻き寄せながら機内へ掻き上げるように構成するには、上記各スポーク3におけるカッタ板1の回転方向に面した側端縁3aを、カッタ板1の上記回転中心部2に連設している内周端からリング部材5に連設している外周端に向かってカッタ板1の回転方向に傾斜させ、この傾斜側端縁3aに沿って図4に示すように、長方形板状に形成されているスクレーパ7の幅方向の上半部を固着し、且つ、切羽面A側に向かって突設している下端縁部から機内側に向いている上端縁部に向かってズリを機内に掻き入れる方向、即ち、カッタ板1の回転方向に対して逆方向に傾斜させた構造としている。なお、このスクレーパ7のスポーク3からの突出幅は上記ローラビット6のスポーク3からの突出寸法に略等しくしている。
【0017】
このスクレーパ7は、一定厚みを有する矩形状の短片を複数枚、スポーク3の側端縁3aに順次、並列状態に接続させながらボルト等の適宜な固着具によって固着することにより細幅の長方形板状に形成されてあり、スポーク3から切羽面Aに向かって突設している下端側の長辺縁部(先端縁部)をズリ掻取り刃7aに形成していると共にこのズリ掻取り刃7aからスポーク3の側端縁3aに固着している上端縁に向かって上述したようにカッタ板1の反回転方向に傾斜させて、カッタ板1の回転に従ってこのスクレーパ7により掘削ズリを機内に向かって掻き上げるように構成しているものである。
【0018】
なお、図2、3においてはこのスクレーパ7を固着させているスポーク3の上記側端縁3aをカッタ板1の中心を通る半径方向の仮想線Yに対してカッタ板1の回転方向と反対方向に小間隔を存して該仮想線Yに平行な直線状側端縁3aに形成してているが、図5に示すようにカッタ板1の中心を通る半径方向の仮想線Yの外端にこの側端縁3aの外周端を略合致させ、内周端に向かうに従って上記仮想線Yからカッタ板1の回転方向と反対方向に傾斜した直線状側端縁3aに形成しておいてもよい。さらに、図5の二点鎖線で示すように、外周端から内周端に向かってカッタ板1の回転方向と反対方向に凹円弧状に湾曲させた曲線状側端縁に形成しておいてもよく、要するに、カッタ板1の回転方向に対して外周端側が内周端側よりも先行して、掘削ズリを該側端縁3aの外周端側から内周端側に向かってかき寄せるように形成しておけばよい。
【0019】
また、カッタ板1の回転中心部2は、その上下面が水平方向に平坦な面に形成された平板形状に形成されてあり、この回転中心部2の下面に複数個のローラビット6aを装着していると共に回転中心部2の下面外周部から上記スポーク3の下面内周端部にかけて、これらのローラビット6aによって掘削されたズリを上記掘削物取込み開口部4の内周端部に向かって送り込む掘削物掻き送り板8を突設している。この掘削物掻き送り板8は回転中心部2側の内端からスポーク3の内周端部側の外端に向かってカッタ板1の回転方向に対して反対方向に緩やかな凸円弧状に湾曲させてあり、この湾曲面によってローラビット6aにより掘削されたズリを上述したように掘削物取込み開口部4の内周端部に向かって送り込むように形成している。
【0020】
一方、上記各スポーク3の上面、即ち、機内に面した裏面には、図3に示すように、スポーク3における上記スクレーパ7を装着させている側端縁3aと反対側の他側端縁3bに沿って一定高さの掘削物ガイド9を突設してあり、この掘削物ガイド9の外端部をスクレーパ7を装着させている上記側端縁3aの外端部に向かって円弧状に湾曲させてスポーク3の外周端上を幅方向に横断し、その外端をスクレーパ7の外周端面に当接させている。従って、スクレーパ7によりカッタ板1内に掻き上げられたズリをこの掘削物ガイド9によって掘削物取込み開口部4から再び切羽面A側に落下するのを阻止しながらスポーク3の背面上(上面上)を上記回転中心部2に向かって寄せ集めるものである。
【0021】
カッタ板1を構成している上記各スポーク3は、回転中心部2から外周端に向かって水平状に突設させておいてもよいが、図1に示すスポーク3においては、回転中心部2から外周端に向かって上方に向かって緩やかに傾斜させた形状にして上記回転中心部2の上面側(背面側)に掘削物貯留凹部10を形成している。
【0022】
このカッタ板1を下端開口部に回転自在に配設している立坑掘削機の上記筒状胴体11は、互いに屈折自在に連結した下側胴体11a と上側胴体11b とからなり、下側胴体11a に隔壁12を設けてこの隔壁12の下面に下方に向けて突設している固定円筒壁体13の下端部内周面に上記カッタ板1の外周端から内周に向かって突設している複数本のアーム部材1aの内端に固着した環部材1bを回転自在に支持させ、この環部材1bの内周面に形成しているラック13に、隔壁12の上面に設置している駆動モータ14の回転軸に固着したピニオン15を噛合させて、駆動モータ14によりカッタ板1を回転させるように構成している。
【0023】
さらに、筒状胴体11の中心部にはバケットコンベアからなる掘削物搬出手段16が垂直状に設置、配設されてあり、この掘削物搬出手段16の下端を上記カッタ板1の回転中心部2上の掘削物貯留凹部10内に臨ませていると共に上端部を上側胴体11b の中心部から上方に突出させてその上端部において反転するバケットからのズリを上側貯留部(図示せず)に一旦、貯留させ、次の適宜な搬出手段によってこの貯留部から地上に排出するようにしている。なお、このような掘削物搬出手段16としては、バケットコンベア以外にスクリューコンベア等の別な搬出手段を採用してもよい。
【0024】
また、下側胴体11a の下端部と上側胴体11b には掘削地盤に圧着して立坑掘削機を支持する複数個のフロントグリッパ17とリアグリッパ18を配設してあり、これらのグリッパ17、18はそれぞれ油圧ジャッキによって内外径方向に伸縮して掘削地盤に対して圧着、離脱するように構成していると共に、上側胴体11b の内周面には、周方向に一定間隔毎に複数本の推進ジャッキ19を装着し、これらの推進ジャッキ19のロッドを上側胴体11b の上端から上方に向かって伸縮自在にして掘削された立坑Tの内周面に施工される覆工セグメントSの下端面に当接させ、該セグメントSに推進反力を支持させるように構成している。
【0025】
さらに、上側胴体11b の長さ方向の中間部に中間隔壁20を張設してあり、この中間隔壁20と下側胴体11a の上記隔壁12とを複数本の調節ジャッキ21によって連結してこれらの調節ジャッキ21の作動により下側胴体11a を上側胴体11b に対してその掘り下げ方向の向きを調整できるようにしている。図中、22は上側胴体11b の上端開口部側に配設したエレクタである。
【0026】
このように構成した立坑掘削機によって立坑Tを垂直状に掘り下げていくには、フロントグリッパ17とリアグリッパ18との少なくとも一方を立坑Tの掘削壁面に摺動可能に押し付けて立坑掘削機が下動可能に支持した状態にして、駆動モータ14によりカッタ板1を回転させると共に既に施工している覆工セグメントSに推進ジャッキ19の推進反力を支持させてこれらの推進ジャッキ19のロッドを伸長させる。なお、立坑掘削機はその自重によって常にカッタ板1を切羽面Aに押し付ける方向に作用しており、この立坑掘削機の自重が全て切羽面Aに作用しないように上記フロントグリッパ17とリアグリッパ18によって立坑Tに支持させながら推進ジャッキ19を伸長させるものであるから、この推進ジャッキ19の推進力は小さくて済む。
【0027】
この推進ジャッキ19の伸長によって立坑掘削機を垂直下方に推進させると、カッタ板1は切羽面Aに押し付けた状態で回転しながらその回転中心部2から放射状に突設している複数本のスポーク3に装着したローラビット6により切羽の岩盤を切り下げ掘削していく。このローラビット6によって掘削されたズリは、カッタ板1を構成している各スポーク3の側端縁3aから突設したスクレーパ7によって掘削物取込み開口部4を通じてカッタ板1の裏面側、即ち、上面側に掻き上げられると共にスポーク3の外周端側から内周端側に向かって掻き寄せられながら、それぞれのスポーク3の裏面、即ち、上面上に送り出され、各スポーク3における上記スクレーパ7を装着した側端縁3aと反対側の他側端縁3bに沿って突設している掘削物ガイド9により、ズリが掘削物取込み開口部4から再び切羽面A側に落下するのを阻止しながらこの掘削物ガイド9に沿ってズリをカッタ板1の回転中心部上の掘削物貯留凹部10に寄せ集められる。
【0028】
一方、カッタ板1の回転中心部2の下面に装着している複数個のローラビット6aによって掘削されたズリは、この回転中心部2から上記スポーク3の下面内周端部にかけて突設している掘削物掻き送り板8によって掘削物取込み開口部4の内周端部に向かって送られ、上記スクレーパ7によって貯留凹部10側に向かって掻き寄せられるズリと共に掘削物取込み開口部4の内周端部内から上記掘削物貯留凹部10に集められる。
【0029】
こうして、掘削物貯留凹部10上に寄せ集められたズリは、掘削物搬出手段16のバケット等によってすくいとられながら上方に搬出される。また、この立坑掘削機を推進させながらカッタ板1により所定深さの立坑部分が掘削される毎に、上側胴体11b 側に配設しているエレクタ22によって掘削壁面にセグメントSをリング状に組み立て、再び、このセグメントSの下端面に推進ジャッキ19の推進反力を支持させながら上述したように立坑掘削機により立坑Tを切り下げ掘削し、掘削ズリを上述したようにスクレーパ7でカッタ板1の回転中心部上の貯留凹部10に寄せ集めて掘削物搬出手段16により上方に搬出し、この作業をくり返し行って所定深さまで垂直な立坑Tを掘削するものである。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明の立坑掘削機のカッタ板によれば、請求項1に記載したように、筒状胴体の下端に回転自在に配設されて地盤を直下方向に掘削していく立坑掘削機のカッタ板であって、複数の掘削物取込み開口部を周方向に一定間隔毎に設けていると共に切羽面に面した下面に多数のローラビットを突設してあり、さらに、上記掘削物取込み開口部におけるカッタ回転方向に面した側端縁に、掘削物をカッタ板の外周端側から中心側に向かって掻き寄せながら上記掘削物取込み開口部を通じてカッタ板の背面側に掻き上げるスクレーパを取付けているので、カッタ板がその掘削面を垂直下方に向いているにもかかわらず、ローラビットによって掘削された掘削物をスクレーパにより掘削物取込み開口部を通じてこのカッタ板上、即ち、機内に掻き上げることができると共にカッタ板の中心部に向かって掻き寄せて、掘削物が上記掘削物取込み開口部から再び切羽面側に落下させることなくカッタ板の中心部上に集合させることができる。従って、機内を通じての掘削物の搬出が円滑に且つ確実に行うことができる。
【0031】
さらに、上記カッタ板は、回転中心側から外周端に向かって複数本のスポークを放射状に設けてこれらのスポークの下面に複数個のローラビットを突設していると共に隣接するスポーク間に掘削物取込み開口部を形成してなり、各スポークにおけるカッタ板の回転方向に面した側端縁を、カッタ板の径方向に対し、そのカッタ板中心側の端から外周側の端に向かってカッタ板の回転方向に傾斜させていると共に、この傾斜側端縁にスクレーパの上半部を固着し且つこのスクレーパにおける切羽面に面した下端縁部から上端縁部に向かって掘削物を機内に掻き上げる方向に傾斜させているので、下端縁側から上端縁側に向かって掘削物を掻き上げる方向に傾斜しているスクレーパの傾斜面によりカッタ板の回転に従って掘削物を掘削物取込み開口部から機内側に向かって確実に掻き上げることができると共に、スクレーパは、その外周端側を内周端側よりもカッタ板の回転方向に先行するように移動して、掘削物を掻き上げながらカッタ板の中心に向かって円滑に掻き寄せることができる。
【0032】
また、請求項2に係る発明によれば、カッタ板を構成している上記各スポークには、機内側に向けている上面にスクレーパによって掘削物取込み開口部を通じて掻き上げられた掘削物をカッタ板の上面中心部に案内する掘削物ガイドを突設しているので、この掘削物ガイドによって掘削物が掘削物取込み開口部から再び切羽面側に落下するのを確実に阻止することができると共にこの掘削物ガイドに沿って掘削物をカッタ板の回転中心部に向かって円滑に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 立坑掘削機の縦断面図、
【図2】 立坑掘削機の下方から見たカッタ板の正面図、
【図3】 立坑掘削機の上方から見たカッタ板の背面図、
【図4】 そのスポーク部分の縦断面図、
【図5】 カッタ板の別な構造を示す簡略正面図。
【符号の説明】
1 カッタ板
2 回転中心部
3 スポーク
3a 側端縁
4 掘削物取込み開口部
6 ローラビット
7 スクレーパ
8 掘削物掻き送り板
9 掘削物ガイド
10 掘削物貯留凹部
11 筒状胴体
A 切羽面
T 立坑[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a structure of a cutter plate in a shaft excavator suitable for excavating a vertical shaft up to a predetermined depth when building an underground structure such as an oil storage or a radioactive waste storage in the deep underground layer. It is about.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a means of excavating a shaft to a predetermined depth, in the case of a small-diameter shaft, a bucket having a drilling bit attached to the tip is used, and in the case of a large-diameter shaft, it is drilled down by blasting. However, in any excavation means, it is difficult to accurately and efficiently excavate a shaft having a predetermined diameter. Therefore, in recent years, this tunnel excavation has been performed using a rock tunnel excavator (TBM). The excavation of a shaft is being carried out with the cutter plate of the machine oriented in the direction directly below.
[0003]
The above-mentioned tunnel excavator is widely used for excavating horizontal pits and inclined pits, and propelled while rotating a cutter plate equipped with a number of roller bits on the front surface, and a belt conveyor conveys the excavation caused by this cutter plate. It is configured to be carried out backward by carrying-out means such as a screw conveyor.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, when excavating a horizontal or inclined pit with the tunnel excavator, the gap excavated by the cutter plate is formed on the lower peripheral portion of the front end of the tubular body of the tunnel excavator on the back side of the cutter plate. It is possible to drop and deposit in the slipping chamber, and to transport the slip backward by the unloading means facing this slipping chamber, but when excavating a shaft, the cutter plate is equipped with a roller bit. Since the excavated surface is facing downward and the rear surface is facing upward, the earth and sand excavated by this cutter plate always stays on the face and cuts through the slit intake opening provided on the cutter plate. It cannot be taken into the back side of the plate, that is, the upper machine interior.
[0005]
For this reason, a scraper is provided at a side edge facing the rotation direction of the cutter plate in the slip-in opening, and the scraper is scraped up to the inside of the upper machine through the slip-in opening. Once it has been taken into the slot take-in opening, if it leaves the scraper, it will be naturally discharged again through the slot take-up opening, i.e., the face side, so that it will be taken out from the machine upward. There was a problem that it could not be performed smoothly and was not suitable for use as a tunnel excavator for shaft excavation.
[0006]
The present invention has been made in view of the above problems, and its object is to intensively bring excavated items such as excavated sludge and earth and sand to the center of the lower end in the machine through the excavated material intake opening. An object of the present invention is to provide a cutter plate in a shaft excavator that can collect and excavate smoothly and reliably, and can efficiently excavate a shaft.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the cutter plate of the shaft excavator of the present invention is a shaft that is rotatably disposed at the lower end of the cylindrical body and excavates the ground directly downward as described in
[0008]
Further, the invention according to
[0009]
[Action]
The rock excavator is pushed down vertically by rotating the cutter plate with the roller bit protruding front side of the cutter plate of the shaft excavator facing downwards. To go. The excavated material such as sludge and earth and sand excavated by the roller bit is taken in by the scraper through the excavated material intake opening onto the back surface of the cutter plate facing upward at the lower end of the machine, and the cutter plate follows the rotation of the cutter plate. From the outer peripheral end side toward the inner peripheral end portion and collected on the center of the back surface of the cutter plate.
[0010]
As a structure for scraping the excavated material into the machine by the scraper and scraping the cutter plate from the outer peripheral end side to the inner peripheral end side of the cutter plate, the excavated material intake opening facing the rotating direction of the cutter plate can be used. The side edge is formed in a shape that is inclined in the rotational direction of the cutter plate from the inner peripheral end side to the outer peripheral end, and the scraper is fixed along the inclined side end edge and the scraper is fixed to the face surface. A structure in which the drilled material is inclined in the direction of scooping up into the machine from the lower edge facing the upper edge to the upper edge, and by this structure, the drilled material is scraped from the lower edge of the scraper toward the upper edge. As the cutter plate rotates by the inclined surface inclined in the direction, the excavated material is scraped up from the opening for taking in the excavated material toward the inside of the machine, and the scraper is disposed at the outer peripheral end side more than the inner peripheral end side. It is moved ahead of the rotational direction, in which excavated material can be a towards the center of the cutter plate while scooping gather reliably and smoothly scrape off the drilling thereof.
[0011]
On the other hand, in the center portion of the lower surface of the cutter plate not provided with the excavated material intake opening, the excavated material excavated by the roller bit provided in the center portion is scraped to protrude from the lower surface of the center portion. It is sent to the inner peripheral end side of the excavation object taking-in opening by the plate, scraped up by the scraper, and sent to the center of the back surface of the cutter plate through the excavation taking-in opening with the excavated article being scraped.
[0012]
The excavated material storage recess is formed on the center of the back surface of the cutter plate, and after the excavated material is stored in the excavated material storage recess in an aggregated state, the excavated material has its lower end facing the excavated material storage recess. It is unloaded upward by the unloading means.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, a specific embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a simplified longitudinal sectional view of a shaft excavator, and a
[0014]
All the
[0015]
Further, the
[0016]
In this way, in order to construct the
[0017]
The
[0018]
2 and 3, the
[0019]
The
[0020]
On the other hand, on the upper surface of each of the
[0021]
Each of the
[0022]
The
[0023]
Further, the excavated material unloading means 16 comprising a bucket conveyor is vertically installed and disposed at the center of the
[0024]
Also, a plurality of
[0025]
Further, an
[0026]
In order to dig up the vertical shaft T vertically by the vertical shaft excavator configured as described above, at least one of the
[0027]
When the shaft excavator is propelled vertically downward by the extension of the
[0028]
On the other hand, the gap excavated by the plurality of
[0029]
In this way, the slip gathered on the excavated
[0030]
【The invention's effect】
As described above, according to the cutter plate of the shaft excavator of the present invention, as described in
[0031]
Further, the cutter plate is provided with a plurality of spokes radially from the rotation center side toward the outer peripheral end, a plurality of roller bits projecting from the lower surface of these spokes, and an excavated object between adjacent spokes. Cutter plate that forms a take-in opening and that faces the edge of each spoke facing the rotation direction of the cutter plate in the radial direction of the cutter plate from the end on the center side of the cutter plate toward the end on the outer peripheral side The upper half of the scraper is fixed to the inclined side edge, and the excavated material is scraped up into the machine from the lower edge facing the face of the scraper toward the upper edge. Since the sloped surface of the scraper is inclined in the direction of scraping the drilled material from the lower edge to the upper edge, the drilled material is taken in and opened according to the rotation of the cutter plate. While scraping up the excavated material, the scraper can move up so that the outer peripheral end side precedes the rotational direction of the cutter plate from the inner peripheral end side. It can be scraped smoothly toward the center of the cutter plate.
[0032]
Further, according to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a shaft excavator,
FIG. 2 is a front view of the cutter plate as seen from below the shaft excavator,
FIG. 3 is a rear view of the cutter plate as seen from above the shaft excavator,
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of the spoke part,
FIG. 5 is a simplified front view showing another structure of the cutter plate.
[Explanation of symbols]
1
10 Excavation storage recess
11 Tubular fuselage A Face face T Vertical shaft
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