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JP3920017B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP3920017B2
JP3920017B2 JP2000307873A JP2000307873A JP3920017B2 JP 3920017 B2 JP3920017 B2 JP 3920017B2 JP 2000307873 A JP2000307873 A JP 2000307873A JP 2000307873 A JP2000307873 A JP 2000307873A JP 3920017 B2 JP3920017 B2 JP 3920017B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ユーザの要求に応じて両面画像形成を可能にする構成に変更が可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、省資源や環境保護の一環から、用紙の両面に画像を形成する両面プリントの機能を備える傾向が高まってきており、その傾向は比較的低速の小型の機種にまで及んできている。
その一方、低速で小型の機種では、相変わらず従来どおり両面機能を省略し、省スペースで低コストな機械を望む需要も引き続きある。
こうした市場の要求に対応するため、後付けで両面機能を付加できるいわゆるオプション対応の両面ユニットが、従来より提案されている(例えば特開平10−268585号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなオプション対応の両面ユニットは、それを取付ける際の取付性を重視して、画像形成装置の外側に取付ける構成になっているため、それを取付けたときには両面ユニットの分だけ装置全体が幅方向に大きくなってしまうという欠点があった。
【0004】
そうかといって、例えば特公平8−18724号公報に記載されているように、オプションを考慮せずに最初から両面機能を搭載するようにすれば、両面機能を必要とせず、低コストを望むユーザに対しては不本意な装置を提供してしまうようになるといった問題点があった。
また、この装置の構成には、手差し給紙がないため、不定型サイズの用紙や、OHPや葉書等を使用して画像形成を行おうとしても、それができないということもあった。
【0005】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、用紙の両面に画像を形成する両面機能をユーザの希望に応じて選択的に持たせることができ、その両面機能を持たせたときでも装置の幅方向の大きさを最小限に抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
また、両面機能を持たせたときでも、手差し給紙ができるようにすることも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、装置本体内に作像部と、用紙を搬送する用紙搬送経路とを備えた画像形成装置において、上記作像部の付近の上記用紙搬送経路を構成する対をなす用紙搬送系を上記用紙搬送経路を境にして2分し、その一方を装置本体側に設け、他方を装置本体に対して取外し可能にした搬送ユニットに設けると共に、上記対をなす用紙搬送系の他方と、上記作像部を通過した後の用紙を受け入れて再び上記作像部に表裏が反転された状態で搬送する再給紙経路とを備え、装置本体に対して上記搬送ユニットに代えて取付け可能な両面ユニットを設けたものである。
【0007】
また、上記画像形成装置において、上記搬送ユニットと上記両面ユニットとに手差し給紙装置をそれぞれ設けるとよい。
さらに、その画像形成装置において、上記作像部を通過した後の用紙を受け入れてその用紙の進行方向を変えて上記再給紙経路に搬送可能な反転ユニットを装置本体に対して取外し可能に設けるとよい。
【0008】
また、上記搬送ユニットと上記両面ユニットのそれぞれ上記手差し給紙装置の駆動系を装置本体側に設けられている駆動系に接続する回転力接続機構をそれぞれ設け、上記両面ユニットには上記再給紙経路上の搬送系のみを駆動する駆動源を設けるとよい。
【0009】
さらに、上記手差し給紙装置からの手差し給紙経路を上記再給紙経路に合流させると共に、その手差し給紙経路と合流した後の上記再給紙経路を上記用紙搬送経路の上記作像部の用紙搬送方向上流側に設けたレジストローラの用紙搬送方向上流側に合流させるようにし、上記再給紙経路の上記手差し給紙経路と合流する地点に対して用紙搬送方向上流側に用紙を検知するセンサを設けると共に、両面画像形成中に上記手差し給紙装置を使用する割り込みが発生したときには上記センサが用紙を検知すると上記再給紙経路上の搬送系の駆動を停止させる制御手段を設けるとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明による画像形成装置に両面画像形成機能を持たせたときの一実施形態例を示す構成図、図2は同じくその画像形成装置を片面画像形成専用としたときの構成を示す構成図である。
【0011】
この画像形成装置は、図2に示すように装置本体1の右方に、縦方向に延びる搬送ユニット16を支軸23で回動自在に支持し、それを矢示A方向に開放可能にしている。この搬送ユニット16は、詳しい説明を後述するが、図1に示す両面ユニット26と交換が可能な構成になっている。
【0012】
この画像形成装置は、装置本体1の下部に給紙カセット14を設け、その給紙カセット14内にセットした用紙Pを給紙ローラ15とフリクションパッド10とにより1枚に分離して、それを用紙搬送経路2に送り出すようにしている。
その用紙搬送経路2上の作像部には、ドラム状の感光体9を矢示B方向に回転可能に設け、その感光体9の回りには、帯電ローラ11と、現像ローラ19と、バネにより感光体9に接触されている転写ローラ13と、クリーニングブレード12とを、それぞれ設けている。
【0013】
その感光体9に対して用紙搬送方向下流側(図2で上側)には、互いに圧接する定着ローラ6と加圧ローラ7とからなる定着装置を設けている。そして、その定着装置の用紙搬送方向下流側には、対のローラからなる排出ローラ8と、その排出ローラ8により排出される用紙Pを受ける排紙トレイ25とを設けている。
【0014】
用紙搬送経路2の用紙搬送系は、複数のそれぞれ対をなすガイド板5a,5bと5c,5dと5e,5fと5g,5hと5i,5jと、対をなすレジストローラ3a,3bと対をなす搬送ローラ4a,4b等からなる。
そして、その用紙搬送経路2のうち、感光体9のある作像部の付近の用紙搬送経路を構成する対をなす上記用紙搬送系を構成するそれぞれ対をなすガイド板、5a,5bと5c,5dと5e,5fと5g,5h、及び対をなす搬送ローラ3a,3bと4a,4bを、用紙搬送経路2を境にして2分している。
【0015】
すなわち、対をなすガイド板5a,5bと5c,5dと5e,5fと5g,5hのうち、それぞれ一方のガイド板5b,5d,5f,5hを、装置本体1側にそれぞれ固定している。
また、対をなすレジストローラ3a,3b及び搬送ローラと4a,4bのうち、一方のレジストローラ3aと一方の搬送ローラと4aを、装置本体1側にそれぞれ回転可能に取付けている。
【0016】
一方、装置本体1に対して取外し可能な搬送ユニット16側には、他方のガイド板5aと5cと5eと5gを固定すると共に、対をなすレジストローラ3a,3b及び搬送ローラ4a,4bのうち、他方であり従動側となるレジストローラ3bと搬送ローラ4bを、それぞれ回転自在に取付けている。
また、その搬送ユニット16には、転写ローラ13を回転可能に取付けると共に、手差し給紙装置17も設けている。
【0017】
なお、転写ローラ13や他方のレジストローラ3bは、装置本体1側に設けるようにしてもよい。また、他方のガイド板5a,5c,5e,5gも、ジャム処理に支障を来さない範囲で、それらのいくつかを装置本体1側に固定するようにしてもよい。
【0018】
手差し給紙装置17は、手差し台17aの用紙送出端側の上部に手差し給紙コロ18と、フリクションパッド34とを設け、それらによって手差し台17a上にセットした用紙を1枚に分離して、それを手差し給紙経路36を介して用紙搬送経路2に搬送できるようにしている。
その手差し給紙装置17からの手差し給紙経路36は、用紙搬送経路2に合流するようになっており、その合流点をレジストローラ3a,3bの用紙搬送方向上流側にしている。
なお、手差し給紙装置17を使用するときには、手差し台17aを図2で矢示C方向に開放する。
【0019】
搬送ユニット16は、前述したように支軸23を支点として装置本体1に対して回動可能であり、それを開放させると図2に示したように所定の開放角度で、その位置が樹脂製のバンド41が延びきる(たるみがなくなる)ことにより規制されるようになっている。
また、搬送ユニット16の装置本体1に対する固定は、搬送ユニット16側に揺動可能に取付けられたロックレバー21が装置本体1側のステー22に、図2に実線で示したように係合することにより行われる。
【0020】
なお、ロックレバー21は図示しないバネにより、図2で時計回り方向に回動付勢されて、同図に実線図示の位置に回動が規制されている。したがって、搬送ユニット16を開放位置から閉じると、その過程でロックレバー21の図2で左方上部の鉤部がステー22に当接して一旦反時計回り方向に若干量回動した後に、実線図示の位置に係合して固定される。
【0021】
この画像形成装置は、画像形成動作を開始させると、感光体9が矢示B方向に回転し、その表面が帯電ローラ11により一様に帯電され、その帯電面が図示しない露光装置からの光Lにより露光され、そこに静電潜像が形成される。
その静電潜像は、現像ローラ19によりトナーが付着されて顕像化される。
【0022】
また、装置本体1内の下部に設けられている給紙カセット14から用紙Pが給紙され、それが対のレジストローラ3a,3bで一旦停止された後に、感光体9上の画像と一致する正確なタイミングで転写ローラ13のある転写位置に向けて搬送される。
そして、その用紙Pに、感光体9上のトナー像が転写ローラ13により転写され、その用紙Pは定着ローラ6と加圧ローラ7とからなる定着装置へ搬送され、そこでトナー像が熱と加圧力により定着される。
【0023】
そして、その用紙Pは、排出ローラ8により排紙トレイ25上にスタックされる。
また、転写,分離が終了した感光体9の表面は、クリーニングブレード12により残留トナーが除去され、次の画像形成に備える。
【0024】
ところで、この画像形成装置は、前述したように搬送ユニット16と交換が可能な図1に示した両面ユニット26を設けている。
その両面ユニット26は、感光体9が設けられている作像部を通過した後の用紙を受け入れてそれを再び作像部に表裏が反転された状態で搬送する再給紙経路20を備えている。
【0025】
そして、その両面ユニット26は、図1に仮想線で示すように支軸23を支点にして、同図に仮想線で示すように樹脂製のバンド41が延びきって規制される位置まで開放することができるようになっている。
【0026】
その両面ユニット26は、再給紙経路20上に複数のそれぞれ対をなす再給紙ローラ対27,28,29をそれぞれ回転可能に設けており、それらの再給紙ローラ対により反転ガイド板32aと32bとの間に送り込まれた用紙を、再び用紙搬送経路2に送り出す。
なお、この両面ユニット26にも、手差し給紙装置17を設け、手差し台17a上にセットした用紙を1枚に分離して再給紙ローラ対29に向けて給紙できるようにしている。
【0027】
手差し給紙装置17からの手差し給紙経路43は、再給紙経路20に合流するようになっており、その手差し給紙経路43と合流した後の再給紙経路20を用紙搬送経路2の作像部の用紙搬送方向上流側に設けた対のレジストローラ3a,3bの用紙搬送方向上流側に合流させるようにしている。
この両面ユニット26の手差し給紙装置17を使用して手差し台17aから用紙を給紙すると、その用紙は再給紙ローラ対29により搬送が中継されて用紙搬送経路2の対のレジストローラ3a,3bに搬送される。
【0028】
このように、再給紙ローラ対29を中継用のローラとして使用することにより、手差し給紙コロ18からレジストローラ3a,3bまでの距離がある程度離れていても、小サイズの用紙の搬送不良を防止することができる。また、再給紙経路20用に設けた再給紙ローラ対29を、上述したように手差し給紙時の中継ローラとして使用することで、新たに中継ローラを設ける必要がなくなるので、その分だけコストアップを抑えることができると共に、スペースの増大を防ぐことができる。
【0029】
この画像形成装置では、作像部を通過した後の用紙を受け入れてその用紙の進行方向を変えて(スイッチバック搬送)再給紙経路20に搬送可能な反転ユニット24を装置本体1に対して取外し可能に設けている。
その反転ユニット24は、分岐爪33と、対の反転ローラ31と、対のガイド板と、反転センサ42等からなり、それが装置本体1に定着ローラ6の直後に取外し可能に取付けられている。したがって、両面機能を必要としないユーザの場合には、この反転ユニット24を図2に示したように取付けないようにすれば、その分だけコストを安価にすることができる。
【0030】
なお、この反転ユニット24は、装置本体1側に一体に固定しておいても片面画像形成に支障を来すものではないので、それを最初から装置本体1側に一体に固定する構成にしてもよい。そうすれば、両面画像形成を可能にする場合に、搬送ユニット16を両面ユニット26に代えるだけで済むので、組替え作業が簡単になる。
【0031】
分岐爪33は、図示しない電磁ソレノイドにより駆動されて図1に実線で示す位置と仮想線で示す位置とに回動され、両面プリント時には同図に実線で示す位置に移動した後に、用紙の排出時に仮想線で示す位置に移動する。
【0032】
反転ローラ31は、図示しないモータにより正逆両方向に回転が可能であり、定着ローラ6と加圧ローラ7とにより用紙が図1で上方に搬送されているときには、その用紙を矢示E方向に搬送する方向に回転するが、反転ローラ31と分岐爪33との間に配設している反転センサ42が用紙の後端を検出すると、逆方向に回転する。
したがって、その用紙は、それまでの後端側が先端側になって、両面ユニット26の再給紙経路20へ搬送されていく。
【0033】
その用紙Pは、再給紙ローラ対27,28,29によって対のレジストローラ3a,3bへ表裏が反転された状態で搬送され、作像部の感光体9上の画像が転写ローラ13により、今度は裏面に転写される。
そして、その用紙Pは定着ローラ6と加圧ローラ7とにより画像が定着され、図1に仮想線で示す位置に回動位置が切り換えられている分岐爪33に案内されて、排出ローラ8により排紙トレイ25上に排出される。
【0034】
このように、この画像形成装置は片面画像形成専用の搬送ユニット16と、両面画像形成も可能にする両面ユニット26とを、それらを互いに交換可能に互換性を持たせて設けている。
したがって、例えば両面ユニット26を通常のオプションとすれば、ユーザ先で搬送ユニット16を両面ユニット26に交換し、さらに反転ユニット24を取付けるようにすれば、簡単に両面機能を追加することができる。
【0035】
また、工場オプションとして、工場出荷時に両面ユニット26と反転ユニット24を組付けるようにすれば、簡単に両面機能を付加させて出荷することができる。
そして、この画像形成装置では、両面機能を付加する場合でも、両面ユニット26の用紙搬送経路2を構成する対をなす用紙搬送系の一方、すなわちガイド板5b,5d,5f,5hと、対をなす一方のレジストローラ3aと、対をなす一方の搬送ローラ4aとを装置本体1側に設けて、それらの用紙搬送系を片面専用の搬送ユニット16(図2参照)と両面機能を持つ両面ユニット26の両方に共用できるようにしている。
【0036】
したがって、搬送ユニット16の外側に更に両面ユニット26を単純に追加する場合に比べて、装置全体の幅方向の大きさを小さくすることができるので、省スペースになる。
さらに、両面機能を追加したときでも、手差し給紙装置17を使用して手差し給紙ができる。
【0037】
なお、この両面ユニット26にも、図2で説明したロックレバー21と形状は若干異なるが同様な機能を果すロックレバー21′を設けているので、その両面ユニット26を開放位置から閉じると、その過程でロックレバー21′の図1で左方上部の鉤部がステー22に当接して一旦反時計回り方向に若干量回動した後に、実線図示の位置に係合して固定される。
【0038】
次に、搬送ユニット16に設けている手差し給紙装置の駆動系について図3及び図4をも参照して説明する。
図2に示した手差し給紙装置17の手差し台17aから手差し給紙する際の負荷トルクは、給紙圧やフリクションパッド34による分離摩擦力により、約2Kgf・cmとなる。
【0039】
したがって、手差し給紙コロ18を駆動するモータは、その負荷トルクに打ち勝って給紙を可能にするだけの大きな出力を持ったモータにする必要がある。
そこで、このような大きな出力を持つモータを搬送ユニット16に設けると、それだけ搬送ユニット16が大型化してしまうと共に、装置本体1に対して着脱が可能な搬送ユニット16の重量も増してしまう。
【0040】
そのため、この画像形成装置では、装置本体1側に備えている各種駆動系を駆動させるモータの駆動力を利用して、手差し給紙コロ18を駆動する構成にしている。
すなわち、図3及び図4に示すように、装置本体1側に電磁クラッチ37を取付けると共に、その電磁クラッチ37のクラッチ軸37aにギヤ45を固定し、そのギヤ45と噛み合うように揺動ギヤ38を回転可能に支持している。
【0041】
クラッチ軸37aには、クラッチギヤ46(図3ではギヤ45と重なって見えるので図4を参照)が相対回転可能に取付けられており、そのクラッチギヤ46は、装置本体1内の各種駆動系を駆動させるモータからの回転力により回転されるギヤ44に噛み合っている。
【0042】
したがって、電磁クラッチ37がオフ時には、回転するギヤ44によりクラッチギヤ46がクラッチ軸37aに対して空回りしているが、電磁クラッチ37をオンにすると、クラッチギヤ46がクラッチ軸37aに連結されることにより、クラッチ軸37aがギヤ45と一体で回転する。
【0043】
それにより、揺動ギヤ38が回転し、その揺動ギヤ38に搬送ユニット16側の駆動ギヤ47が噛み合っているときには、その駆動ギヤ47が回転することにより、その駆動ギヤ47により回転される手差し給紙コロ18(図2参照)が給紙方向に回転する。
【0044】
なお、揺動ギヤ38は、電磁クラッチ37のクラッチ軸37aを中心にして図3の矢示G方向に揺動するように図示しない支持部材により支持されている。したがって、搬送ユニット16が図3に示す開放位置から反時計回り方向に回動させて所定の位置まで閉じると、搬送ユニット16側の駆動ギヤ47が揺動ギヤ38に当接することにより、その駆動ギヤ47が同図で反時計回り方向に若干回動し、駆動ギヤ47と揺動ギヤ38とが互いに噛み合う。
【0045】
そして、この実施の形態では、電磁クラッチ37とギヤ44とギヤ45とクラッチギヤ46と揺動ギヤ38と駆動ギヤ47とが、搬送ユニット16の手差し給紙装置17の駆動系を装置本体1側に設けられている駆動系に接続する回転力接続機構として機能する。
【0046】
次に、両面ユニット26に設けている手差し給紙装置の駆動系について図5を参照して説明する。なお、図5において図3と対応する部分には同一の符号を付してある。
この両面ユニット26においても、搬送ユニット16と同様に、装置本体側からの駆動力により手差し給紙装置17の手差し給紙コロ18を回転させる構成になっている。
【0047】
しかしながら、この両面ユニット26は、手差し給紙コロ18の位置が搬送ユニット16の手差し給紙コロ18の位置と若干異なるため、2個のアイドラギヤ39a,39bを追加することで、両面ユニット26と搬送ユニット16とが互いに互換性を有するようにしている。そして、揺動ギヤ38側のアイドラギヤ39aが、揺動ギヤ38に噛み合うようになっている。
それ以外の装置本体側の構成は図3で説明したものと同一である。
【0048】
したがって、この両面ユニット26は、それを装置本体1の所定の位置に取付けて閉じると(図1に実線図示位置)、装置本体1内の各種駆動系を駆動させるモータからの回転力が、ギヤ44、クラッチギヤ46(図4)、クラッチ軸37a、ギヤ45、揺動ギヤ38の順に順次伝達される。
そして、その揺動ギヤ38の回転力が、アイドラギヤ39a、アイドラギヤ39b、駆動ギヤ47の順に伝達され、その駆動ギヤ47により手差し給紙コロ18(図1参照)が給紙方向に回転する。
【0049】
このように、この両面ユニット26は、手差し給紙コロ18の駆動力を装置本体1側のモータから得るようにしているので、両面ユニット26には再給紙ローラ対27,28,29のみを駆動するモータを設けるだけでよい。
なお、この実施の形態では、電磁クラッチ37とギヤ44とギヤ45とクラッチギヤ46と揺動ギヤ38とアイドラギヤ39a,39bと駆動ギヤ47とが、両面ユニット26の手差し給紙装置17の駆動系を装置本体1側に設けられている駆動系に接続する回転力接続機構として機能する。
【0050】
ところで、通常の両面ユニットにおいて、その両面ユニットに設けられている駆動系を動作させるモータに注目すると、そのモータに加わる負荷としては、再給紙経路上に設けられている搬送系となる複数の再給紙ローラ対を駆動する負荷と、手差し給紙装置の手差し給紙コロを駆動させる負荷とがある。
これらの負荷を全て両面ユニットに設ける1つのモータで駆動しようとすると、上述した手差し給紙の負荷トルクだけで一般的に約2Kgf・cmもあるため、使用するモータは、かなり大きなトルク容量のものを使用しなければならなくなる。
【0051】
そのため、例えばステッピングモータの場合には、低コストのPM(永久磁石)タイプのものは容量的に使用できず、高コストのHB(ハイブリッド)タイプのモータを使用しなければならなくなる。したがって、コスト高になってしまう。
しかしながら、この実施の形態による画像形成装置では、両面ユニット26に設けるモータは、再給紙ローラ対27,28,29が用紙を1枚搬送するだけの搬送力が得られればよいだけの小さな出力(トルク小)のものとし、負荷トルクの大きな手差し給紙コロ18の駆動は、装置本体1側に設けられているモータからの駆動力により駆動させる構成にしているので、両面ユニット26側のモータを非常にトルク(出力)の小さなモータにすることができる。
【0052】
したがって、両面ユニット26の小型軽量化が図れると共に、コスト面でも安価にすることができる。また、軽量になる分だけ両面ユニット26を装置本体1に取付ける際の作業性が向上する。
【0053】
図6はこの発明による画像形成装置の他の実施形態を示す図1と同様な構成図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施形態による画像形成装置は、再給紙経路20の手差し給紙経路43と合流する地点aに対して用紙搬送方向上流側に用紙を検知するセンサ40を設けると共に、両面画像形成中に手差し給紙装置17を使用する割り込みが発生したときにはセンサ40が用紙の先端を検知すると再給紙経路20上の搬送系である再給紙ローラ対27,28及び29の駆動を、モータ51の回転を停止させることによりそれぞれ停止させる制御手段として機能する制御装置50を設けている。
【0054】
その制御装置50は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
【0055】
この制御装置50は、画像形成装置の装置本体1に設けられている操作パネル上の割り込みキー52が押されたときに出力される割り込み信号や、その他の各種キーが押された時に出力される各種操作指令信号をそれぞれ入力すると共に、片面画像形成モードあるいは両面画像形成モード、さらには手差し給紙モード等の各種のモード信号を入力する。
また、装置本体1内に設けられている各種のセンサ類から、各種のセンサ信号等を所定のタイミングで入力する。
さらに、センサ40から、それが用紙を検知したときに出力される用紙検知信号を入力する。
【0056】
そして、この制御装置50は、装置本体1に設けられている各種の駆動系をそれぞれ駆動するための各種の駆動信号を駆動系に対してそれぞれ所定のタイミングで出力すると共に、再給紙ローラ対27,28及び29を回転駆動させるモータ51に対して、それを回転させたり停止させたりする信号を出力する。
【0057】
この画像形成装置は、両面画像形成モードが選択されて両面画像形成が行われている最中に、手差し給紙を行うために割り込みキー52が押されることにより割り込みが発生したときには、制御装置50は再給紙経路20上を搬送される用紙の先端をセンサ40が検知すると、すぐにモータ51の回転を停止させ、それにより再給紙ローラ対27,28及び29による用紙搬送を停止させる。
【0058】
したがって、その再給紙経路20上の用紙はセンサ40の部分で停止して待機状態になるので、両面画像形成中の再給紙経路20を搬送される用紙と、手差し給紙装置17から給紙した用紙との干渉を防止して、確実に手差し給紙を行うことができる。
したがって、両面画像形成中に手差しで画像形成を行いたい人がいたときでも、両面画像形成が終了するまで待つ必要がないので便利である。
【0059】
特に、画像形成装置がデジタル複合機である場合には、プリンタ機能で両面プリントを複数枚実行中に、手差しでコピーを行いたい人がいる場合に、その両面プリントが全て終了するまで待っていたのでは大変不便であるが、この実施の形態による画像形成装置では、このような場合には割り込みキー52を押せば、両面プリント中の用紙は再給紙経路20上のセンサ40のある位置で一旦停止されるので、すぐに手差し給紙によるコピーができる。
【0060】
なお、制御装置50は、センサ40から反転ユニット24の搬送路の分岐位置までの距離Lと用紙の搬送方向の長さLがL>Lのときに上述した手差し給紙の割り込みを許容し、それがL<Lの関係にあるときには、上記割り込みを許可せずに、両面プリント中の用紙の搬送を停止させずに、その用紙が排紙トレイ25に排出された後に手差し給紙の割込みを許容するように制御する。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、次に記載する効果を奏する。
請求項1の画像形成装置によれば、片面画像形成のみを行うユーザは搬送ユニットを装置本体に取り付ければ、両面画像形成に必要なユニットは装着されないので、その分だけ装置の構成が簡単になって小型化できると共に安価になる。
【0062】
また、両面画像形成も行うユーザに対しては、搬送ユニットに変えて両面ユニットを取付ければ、簡単に両面画像形成が可能な装置になる。しかも、作像部の付近の用紙搬送経路を構成する対をなす用紙搬送系を2分して、その一方を装置本体側に設けることにより、両面ユニットには上記用紙搬送系の他方のみが設けられているので、対をなす用紙搬送系の全てを両面ユニット側に設けた場合に比べて装置の幅方向の大きさを最小限に抑えることができる。
【0063】
請求項2の画像形成装置によれば、搬送ユニットと両面ユニットとに手差し給紙装置をそれぞれ設けているので、搬送ユニット又は両面ユニットのいずれを取付けたときでも、手差し給紙装置を使用して、不定型サイズの用紙やOHPや葉書等を手差しで給紙することができる。
【0064】
請求項3の画像形成装置によれば、作像部を通過した後の用紙を受け入れてその用紙の進行方向を変えて再給紙経路に搬送可能な反転ユニットを装置本体に対して取外し可能に設けているので、片面画像形成のみを行うユーザ向けの装置の場合には反転ユニットを装着しないようにすれば、その分だけ装置を安価にすることができる。
【0065】
請求項4の画像形成装置によれば、搬送ユニットと両面ユニットには手差し給紙装置の駆動系を駆動させる駆動源を設けずに、装置本体側に設けられている駆動系からの駆動力を利用して手差し給紙装置の駆動系を駆動させ、両面ユニットには再給紙経路上の用紙を搬送する搬送系のみを駆動する駆動源を設けているだけであるため、その駆動源は極めて小さな出力のものでよいので、装置の小型化が図れると共に安価にできる。
また、駆動源が小型でよい分だけ両面ユニットが軽量になるので、その分だけ両面ユニットを装置本体に取付ける際の作業性が向上する。
【0066】
請求項5の画像形成装置によれば、両面画像形成中に手差し給紙装置を使用する割り込みが発生したときには、再給紙経路上を搬送されている用紙をセンサが検知すると、その再給紙経路の搬送系の駆動が停止されることにより再給紙経路上の用紙が停止されるので、両面画像形成中の用紙と手差し給紙した用紙との干渉を防止して、確実に手差し給紙を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像形成装置に両面画像形成機能を持たせたときの一実施形態例を示す構成図である。
【図2】同じくその画像形成装置を片面画像形成専用としたときの構成を示す構成図である。
【図3】同じくその画像形成装置を片面画像形成専用にする際に装着する搬送ユニットに設けられている手差し給紙装置の駆動系を説明するための概略図である。
【図4】同じくその手差し給紙装置の駆動系におけるギヤの噛み合いを示す平面図である。
【図5】同じくその画像形成装置に両面画像形成もできるようにする際に装着する両面ユニットに設けられている手差し給紙装置の駆動系を説明するための概略図である。
【図6】この発明による画像形成装置の他の実施形態を示す図1と同様な構成図である。
【符号の説明】
1:装置本体 2:用紙搬送経路
3a,3b:レジストローラ
4a,4b:搬送ローラ(用紙搬送系)
5a〜5j:ガイド板(用紙搬送系)
16:搬送ユニット 17:手差し給紙装置
20:再給紙経路 24:反転ユニット
26:両面ユニット
36,43:手差し給紙経路 37:電磁クラッチ
38:揺動ギヤ
39a,39b:アイドラギヤ 40:センサ
45:ギヤ 46:クラッチギヤ
47:駆動ギヤ 50:制御装置
51:モータ 52:割り込みキー

Claims (5)

  1. 装置本体内に作像部と、用紙を搬送する用紙搬送経路とを備えた画像形成装置において、
    前記作像部の付近の前記用紙搬送経路を構成する対をなす用紙搬送系を前記用紙搬送経路を境にして2分し、その一方を前記装置本体側に設け、他方を前記装置本体に対して取外し可能にした搬送ユニットに設けると共に、
    前記対をなす用紙搬送系の他方と、前記作像部を通過した後の用紙を受け入れて再び前記作像部に表裏が反転された状態で搬送する再給紙経路とを備え、前記装置本体に対して前記搬送ユニットに代えて取付け可能な両面ユニットを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、前記搬送ユニットと前記両面ユニットとに手差し給紙装置をそれぞれ設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記作像部を通過した後の用紙を受け入れてその用紙の進行方向を変えて前記再給紙経路に搬送可能な反転ユニットを前記装置本体に対して取外し可能に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2記載の画像形成装置において、前記搬送ユニットと前記両面ユニットのそれぞれ前記手差し給紙装置の駆動系を前記装置本体側に設けられている駆動系に接続する回転力接続機構をそれぞれ設け、前記両面ユニットには前記再給紙経路上の搬送系のみを駆動する駆動源を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2記載の画像形成装置において、前記手差し給紙装置からの手差し給紙経路を前記再給紙経路に合流させると共に、その手差し給紙経路と合流した後の前記再給紙経路を前記用紙搬送経路の前記作像部の用紙搬送方向上流側に設けたレジストローラの用紙搬送方向上流側に合流させるようにし、前記再給紙経路の前記手差し給紙経路と合流する地点に対して用紙搬送方向上流側に用紙を検知するセンサを設けると共に、
    両面画像形成中に前記手差し給紙装置を使用する割り込みが発生したときには前記センサが用紙を検知すると前記再給紙経路上の搬送系の駆動を停止させる制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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