JP3914132B2 - アゾレーキ顔料組成物、その製造方法および印刷インキ組成物 - Google Patents
アゾレーキ顔料組成物、その製造方法および印刷インキ組成物 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の用途の着色剤として有用であるアゾレーキ顔料組成物、その製造方法およびそれを用いた印刷インキ組成物に関し、さらに詳しくは、印刷インキの調製に使用した場合に、耐熱性、透明性、鮮明性、着色力、流動性等に優れたインキを与えるアゾレーキ顔料組成物、その製造方法およびそれを用いた印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水溶性基を有する芳香族アミンのジアゾニウム塩とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とから得られるアゾレーキ顔料は、耐溶剤性、耐光性等が良好なことから、印刷インキ、プラスチック、塗料等の着色に広く使用され、特に、ピグメントレッド57:1(C.I.15850)はプロセスインキ用紅顔料として大量に使用されている。
【0003】
しかし、このインキを用いたプロセス印刷には、多色の重ね刷りを行うことから、透明性に優れた印刷インキが要求されており、従来のピグメントレッド57:1は、透明性向上のためにロジンで処理され、ロジンを10〜30重量%も含有している。そのために処理顔料は着色力の低下が避けられず、また、インキの流動性も悪い。また、オフセットインキは、その印刷機構上湿し水を使用するため、処理顔料に含まれているロジンが、インキ乳化水の表面張力を低下させて、版汚れ等の印刷上の問題を発生させ易く、必ずしも十分な印刷適性を有するものではなかった。そこで、ロジンの処理量をできるだけ少なくする(10重量%以下に)検討が種々行われてきたが、不透明で着色力のない顔料しか得られなかった。
【0004】
顔料処理時のロジンの処理量を減らして、処理顔料の透明化をはかる方法として、特許文献1および2には、顔料製造におけるジアゾ化時に、本来のジアゾ成分とともに、それとは異なるアニリン誘導体(置換基として−SO2 NR1R2や−CONHR(R1、R2およびRは水素原子または置換基)を有する)を添加する方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記の開示された方法によって得られたアゾレーキ顔料は、顔料粉末を3本ロールミルでインキ化する場合には、インキ化工程中の温度上昇はさほどでもなく問題はないが、ビーズミル等でインキ化する場合や顔料ペーストをフラッシングしてインキ化する場合には、インキ化工程中の温度は100℃近くに上昇することから、顔料の結晶粒子が成長し、得られるインキ中の顔料が不透明になることは避けられない。また、フラッシング時の廃水着色が大きいという欠点もあった。
【0006】
このような事情から、特許文献3〜6にはインキ化時の顔料の不透明化を改良するために、本来のジアゾ成分に、アミノフタルイミド系化合物や、置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基またはハロゲン原子を有するアニリン誘導体を加えたジアゾ成分を用いてカップリングする方法が提案されている。しかしながら、その改良効果は十分とはいえず、インキ化工程中に温度が高温に上昇しても結晶化による不透明化が抑制され、フラッシング時の廃水着色の少ないアゾレーキ顔料の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−49537号公報
【特許文献2】
特公平8−13936号公報
【特許文献3】
特許第3087996号公報
【特許文献4】
特許第3272949号公報
【特許文献5】
特許第3272950号公報
【特許文献6】
特許第3277122号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、種々の着色用途に有用であるとともに、例えば、印刷インキの調製に使用した場合に、耐熱性、透明性、着色力、流動性等に優れたインキを与えると共に、色相が鮮明で、又、フラッシング時の廃水着色の少ないアゾレーキ顔料組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、ジアゾ成分として、水溶性基を有する芳香族アミンのジアゾニウム塩とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とをカップリングし、カップリング後またはカップリングと同時にレーキ化して得られるアゾレーキ顔料であって、アゾレーキ顔料は上記芳香族アミンの一部を下記一般式(I)で表される化合物で置換して得られたものであることを特徴とするアゾレーキ顔料組成物、その製造方法および上記アゾレーキ顔料組成物を着色剤とする印刷インキ組成物である。
(但し、式中のR1は水素、またはハロゲン、ニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種の置換基を表す。R2およびR3は同じでも異なってもよく、水素またはアルキル基を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
次に発明をさらに詳細に説明する。
本発明において言うアゾレーキ顔料とは、スルホン酸基、カルボン酸基等の水溶性基を有する染料を、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、その他の多価金属イオンにより水不溶化したものであり、例えば、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド2B、レーキレッドC、リゾールレッド、ブリリアントスカーレットG、レーキレッドD、ボルドー10B、オレンジII、カーミン3B、ピグメントルビンG、ボンマルーンメジアム等が挙げられる。このようなアゾレーキ顔料およびその製造方法自体は周知である。
【0011】
これらの顔料のジアゾ成分である水溶性基を有する芳香族アミンとしては、例えば、1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノナフタレン−2−スルホン酸等の水溶性基を有するアニリン誘導体およびナフチルアミン誘導体が挙げられる。
【0012】
本発明では、これらのジアゾ成分の一部を前記一般式(I)で表わされる化合物で置換して混合ジアゾ成分とし、これを常法によりジアゾ化し、得られるジアゾ化物とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とをカップリングして染料を合成し、該染料を金属でレーキ化するかまたはジアゾ化液に予め上記金属を添加してカップリングと同時にレーキ化してアゾレーキ顔料組成物を得ることを特徴としている。
本発明のアゾレーキ顔料組成物は、その製造時におけるジアゾ液、下漬液、染料あるいは顔料スラリーの適当な段階で、各種の脂肪族アミン、水溶性樹脂、界面活性剤、その他の添加剤を本発明の目的を妨げない程度の量で加えて顔料組成物のさらなる処理を行うこともできる。
【0013】
本発明の一般式(I)で表される化合物(置換基のアルキル基の炭素数およびアルコキシ基のアルキレン鎖の炭素数は、1〜10程度である。)としては、例えば、5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−クロロ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−クロロ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−ブロモ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−ブロモ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−メチル−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−メチル−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−メトキシ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−メトキシ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N−メチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N−エチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N,N′−ジメチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N,N′−ジエチル−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
一般式(I)で表される化合物の使用量は、全ジアゾ成分中0.1〜30モル%を占める量が好ましい。該化合物の使用量が0.1モル%未満である場合には、本発明の目的とする効果が充分でなく、一方、30モル%を超える使用量になると、アゾレーキ顔料の本来の優れた性質が低下するので好ましくない。最も効果的な使用量の範囲は、全ジアゾ成分中0.1〜10モル%を占める量である。本発明の印刷インキ組成物は、上記の本発明のアゾレーキ顔料組成物を着色剤として使用するものであり、その他の成分は各種インキで従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。
【0015】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、以下の文中の部または%は、特に断わりの無い限り重量基準である。
【0016】
実施例1
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸17.8部と水酸化ナトリウム3.8部とを水360部に加え、常温で撹拌溶解する。35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加、溶解する。次いで、得られた溶液に、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部とを加えて撹拌溶解し、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0017】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを10〜11に調整し、ロジンソープ(ガムロジン3.2部(顔料に対し7%)と水酸化ナトリウム0.4部とを水60部に溶解した溶液)を添加後、塩化カルシウム(2水塩)19部(染料1モルに対し1.3モル)を加えてレーキ化する。1時間撹拌後、80℃に昇温し、濾過および水洗いしてプレスケーキとし、また、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量45.6部)を得た。
【0018】
実施例2
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに5−アミノ−N,N′−ジメチル−ベンズイミダゾロン0.88部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0019】
比較例1
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを18.7部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例1と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0020】
比較例2
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに4−アミノ−フタルイミド0.81部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0021】
比較例3
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに3−アミノ−4−メトキシベンズアミド0.83部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0022】
実施例3
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸17.8部と水酸化ナトリウム3.8部とを水360部に加え、常温で撹拌溶解する。得られた水溶液に35%塩酸25部を加え、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加し、さらに、塩化カルシウム(2水塩)19部(染料1モルに対し1.3モル)を加えて5℃とする。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。
【0023】
一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部を加えて撹拌溶解し、ロジンソープ(ガムロジン3.2部(顔料に対し7%)と水酸化ナトリウム0.4部を水60部に溶解した溶液)を添加後、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下してカップリング反応と同時にレーキ化反応させた。1時間撹拌後、80℃に昇温し、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量45.6部)を得た。
【0024】
比較例4
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを18.7部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例3と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0025】
実施例4
1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸21.0部と水酸化ナトリウム3.8部とを水400部に加えて80℃で加熱溶解し、さらに35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加する。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−ナフトール14.4部と水酸化ナトリウム8.0部とを加えて加熱溶解し、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0026】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを7〜8に調整し、ロジンソープ(ガムロジン2.3部(顔料に対し5%)と水酸化ナトリウム0.3部とを水46部に溶解した溶液)を添加後、90℃に昇温し、塩化バリウム(2水塩)16部を加えてレーキ化する。30分間撹拌後、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量46.7部)を得た。
【0027】
比較例5
1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを22.1部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例4と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0028】
実施例5
1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸21.0部と水酸化ナトリウム3.8部とを水400部に加えて80℃で加熱溶解し、35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加する。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部とを加えて常温で撹拌溶解し、水量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0029】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを10〜11に調整し、ロジンソープ(ガムロジン1.0部(顔料に対し2%)と水酸化ナトリウム0.2部を水20部に溶解した溶液)を添加後、50℃に昇温し、塩化ストロンチウム(2水塩)34部を加えてレーキ化する。更に90℃に昇温し、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量51.6部)を得た。
【0030】
比較例6
1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸だけを22.1部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例5と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0031】
実施例6〜10、比較例7〜12
各実施例及び比較例の顔料組成物および顔料のプレスケーキおよび粉末を用い、以下のインキ作製方法に従って平版インキとし、各種の試験を行った。尚、以下では顔料組成物も顔料と記す。
〔ベースインキの作製〕
(1)プレスケーキのインキ化
テストフラッシャーに平版インキワニス300部を投入し、顔料プレスケーキを顔料重量で100部加え、温度70℃で混練し、一次分離水を除去する。さらに、減圧下110℃で二次分離水を除去後、ワニス100部を追加して混練した後テストフラッシャーから混練物を取り出し、3本ロールミルを通してベースインキを作製する。
【0032】
(2)粉末顔料のインキ化
(1)粉末顔料100部と平版インキワニス400部をプレミキシングした後、85℃でビーズミルを通してベースインキを作製する。
(2)粉末顔料100部と平版インキワニス400部をプレミキシングした後、3本ロールミルを通してベースインキを作製する。
【0033】
〔インキの調製〕
(1)および(2)で得られた各ベースインキを平版ワニスとソルベントによりタック値を10〜10.5(インコメーター、30℃、1,200rpm、20秒)に調整してインキとした。
【0034】
〔インキ試験〕
RIテスターにて黒帯アート紙に校正刷りを行ない、色相および透明性は各比較例の顔料(ジアゾ成分の一部置換はない)を使用した場合を標準として目視により評価し、稠度(流動性)、濃度および光沢を以下の方法で評価した。
稠度:スプレッドメーター(平行板粘度計:JIS規格)100秒値
濃度:反応濃度計(グレタグ濃度計)で測定
光沢(%):光度計(60度)で測定
【0035】
顔料プレスケーキをフラッシング法でインキ化した評価結果を表1に、顔料粉末のビーズミル法でインキ化した評価結果を表2に、また、顔料粉末のビーズミル法と3本ロールミル法でインキ化した場合の透明性評価結果を表3に示す。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
以上の様に、比較例の顔料はいずれも不透明で、温度による変化が大きいが、本発明のアゾレーキ顔料組成物は透明で、且つ温度による変化が少ない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって得られたアゾレーキ顔料組成物は、色相が青み傾向になるが、従来のアゾレーキ顔料に比較して透明で耐熱性に優れ、顔料ペーストを高温でフラッシングしても、また、顔料粉末を高温でビーズミル等で分散しても、顔料の熱変化が極めて少ない。その結果、インキは透明で、着色力があり、かつ流動性および光沢にも優れている。又、ロジンを減少できた分、版汚れ等が起きにくく、印刷適性も向上した。
また、本発明のアゾレーキ顔料組成物は、グラビアインキに使用した場合、粘度の経時安定性が良好で、流動性に優れた適性を示し、さらに、プラスチック等の用途にも有用であり、本発明のアゾレーキ顔料組成物の用途は平版インキに限定されるものではない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の用途の着色剤として有用であるアゾレーキ顔料組成物、その製造方法およびそれを用いた印刷インキ組成物に関し、さらに詳しくは、印刷インキの調製に使用した場合に、耐熱性、透明性、鮮明性、着色力、流動性等に優れたインキを与えるアゾレーキ顔料組成物、その製造方法およびそれを用いた印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水溶性基を有する芳香族アミンのジアゾニウム塩とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とから得られるアゾレーキ顔料は、耐溶剤性、耐光性等が良好なことから、印刷インキ、プラスチック、塗料等の着色に広く使用され、特に、ピグメントレッド57:1(C.I.15850)はプロセスインキ用紅顔料として大量に使用されている。
【0003】
しかし、このインキを用いたプロセス印刷には、多色の重ね刷りを行うことから、透明性に優れた印刷インキが要求されており、従来のピグメントレッド57:1は、透明性向上のためにロジンで処理され、ロジンを10〜30重量%も含有している。そのために処理顔料は着色力の低下が避けられず、また、インキの流動性も悪い。また、オフセットインキは、その印刷機構上湿し水を使用するため、処理顔料に含まれているロジンが、インキ乳化水の表面張力を低下させて、版汚れ等の印刷上の問題を発生させ易く、必ずしも十分な印刷適性を有するものではなかった。そこで、ロジンの処理量をできるだけ少なくする(10重量%以下に)検討が種々行われてきたが、不透明で着色力のない顔料しか得られなかった。
【0004】
顔料処理時のロジンの処理量を減らして、処理顔料の透明化をはかる方法として、特許文献1および2には、顔料製造におけるジアゾ化時に、本来のジアゾ成分とともに、それとは異なるアニリン誘導体(置換基として−SO2 NR1R2や−CONHR(R1、R2およびRは水素原子または置換基)を有する)を添加する方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記の開示された方法によって得られたアゾレーキ顔料は、顔料粉末を3本ロールミルでインキ化する場合には、インキ化工程中の温度上昇はさほどでもなく問題はないが、ビーズミル等でインキ化する場合や顔料ペーストをフラッシングしてインキ化する場合には、インキ化工程中の温度は100℃近くに上昇することから、顔料の結晶粒子が成長し、得られるインキ中の顔料が不透明になることは避けられない。また、フラッシング時の廃水着色が大きいという欠点もあった。
【0006】
このような事情から、特許文献3〜6にはインキ化時の顔料の不透明化を改良するために、本来のジアゾ成分に、アミノフタルイミド系化合物や、置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基またはハロゲン原子を有するアニリン誘導体を加えたジアゾ成分を用いてカップリングする方法が提案されている。しかしながら、その改良効果は十分とはいえず、インキ化工程中に温度が高温に上昇しても結晶化による不透明化が抑制され、フラッシング時の廃水着色の少ないアゾレーキ顔料の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−49537号公報
【特許文献2】
特公平8−13936号公報
【特許文献3】
特許第3087996号公報
【特許文献4】
特許第3272949号公報
【特許文献5】
特許第3272950号公報
【特許文献6】
特許第3277122号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、種々の着色用途に有用であるとともに、例えば、印刷インキの調製に使用した場合に、耐熱性、透明性、着色力、流動性等に優れたインキを与えると共に、色相が鮮明で、又、フラッシング時の廃水着色の少ないアゾレーキ顔料組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、ジアゾ成分として、水溶性基を有する芳香族アミンのジアゾニウム塩とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とをカップリングし、カップリング後またはカップリングと同時にレーキ化して得られるアゾレーキ顔料であって、アゾレーキ顔料は上記芳香族アミンの一部を下記一般式(I)で表される化合物で置換して得られたものであることを特徴とするアゾレーキ顔料組成物、その製造方法および上記アゾレーキ顔料組成物を着色剤とする印刷インキ組成物である。
(但し、式中のR1は水素、またはハロゲン、ニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種の置換基を表す。R2およびR3は同じでも異なってもよく、水素またはアルキル基を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
次に発明をさらに詳細に説明する。
本発明において言うアゾレーキ顔料とは、スルホン酸基、カルボン酸基等の水溶性基を有する染料を、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、その他の多価金属イオンにより水不溶化したものであり、例えば、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド2B、レーキレッドC、リゾールレッド、ブリリアントスカーレットG、レーキレッドD、ボルドー10B、オレンジII、カーミン3B、ピグメントルビンG、ボンマルーンメジアム等が挙げられる。このようなアゾレーキ顔料およびその製造方法自体は周知である。
【0011】
これらの顔料のジアゾ成分である水溶性基を有する芳香族アミンとしては、例えば、1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノナフタレン−2−スルホン酸等の水溶性基を有するアニリン誘導体およびナフチルアミン誘導体が挙げられる。
【0012】
本発明では、これらのジアゾ成分の一部を前記一般式(I)で表わされる化合物で置換して混合ジアゾ成分とし、これを常法によりジアゾ化し、得られるジアゾ化物とβ−ナフトールまたはβ−オキシナフトエ酸とをカップリングして染料を合成し、該染料を金属でレーキ化するかまたはジアゾ化液に予め上記金属を添加してカップリングと同時にレーキ化してアゾレーキ顔料組成物を得ることを特徴としている。
本発明のアゾレーキ顔料組成物は、その製造時におけるジアゾ液、下漬液、染料あるいは顔料スラリーの適当な段階で、各種の脂肪族アミン、水溶性樹脂、界面活性剤、その他の添加剤を本発明の目的を妨げない程度の量で加えて顔料組成物のさらなる処理を行うこともできる。
【0013】
本発明の一般式(I)で表される化合物(置換基のアルキル基の炭素数およびアルコキシ基のアルキレン鎖の炭素数は、1〜10程度である。)としては、例えば、5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−クロロ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−クロロ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−ブロモ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−ブロモ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−メチル−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−メチル−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、6−メトキシ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、7−メトキシ−5−アミノ−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N−メチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N−エチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N,N′−ジメチル−ベンズイミダゾロン、5−アミノ−N,N′−ジエチル−ベンズイミダゾロン等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
一般式(I)で表される化合物の使用量は、全ジアゾ成分中0.1〜30モル%を占める量が好ましい。該化合物の使用量が0.1モル%未満である場合には、本発明の目的とする効果が充分でなく、一方、30モル%を超える使用量になると、アゾレーキ顔料の本来の優れた性質が低下するので好ましくない。最も効果的な使用量の範囲は、全ジアゾ成分中0.1〜10モル%を占める量である。本発明の印刷インキ組成物は、上記の本発明のアゾレーキ顔料組成物を着色剤として使用するものであり、その他の成分は各種インキで従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。
【0015】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、以下の文中の部または%は、特に断わりの無い限り重量基準である。
【0016】
実施例1
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸17.8部と水酸化ナトリウム3.8部とを水360部に加え、常温で撹拌溶解する。35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加、溶解する。次いで、得られた溶液に、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部とを加えて撹拌溶解し、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0017】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを10〜11に調整し、ロジンソープ(ガムロジン3.2部(顔料に対し7%)と水酸化ナトリウム0.4部とを水60部に溶解した溶液)を添加後、塩化カルシウム(2水塩)19部(染料1モルに対し1.3モル)を加えてレーキ化する。1時間撹拌後、80℃に昇温し、濾過および水洗いしてプレスケーキとし、また、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量45.6部)を得た。
【0018】
実施例2
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに5−アミノ−N,N′−ジメチル−ベンズイミダゾロン0.88部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0019】
比較例1
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを18.7部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例1と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0020】
比較例2
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに4−アミノ−フタルイミド0.81部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0021】
比較例3
5−アミノ−ベンズイミダゾロンの代わりに3−アミノ−4−メトキシベンズアミド0.83部(全ジアゾ成分の5モル%)を使用した他は実施例1と同様にしてアゾレーキ顔料組成物を得た。
【0022】
実施例3
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸17.8部と水酸化ナトリウム3.8部とを水360部に加え、常温で撹拌溶解する。得られた水溶液に35%塩酸25部を加え、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加し、さらに、塩化カルシウム(2水塩)19部(染料1モルに対し1.3モル)を加えて5℃とする。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。
【0023】
一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部を加えて撹拌溶解し、ロジンソープ(ガムロジン3.2部(顔料に対し7%)と水酸化ナトリウム0.4部を水60部に溶解した溶液)を添加後、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下してカップリング反応と同時にレーキ化反応させた。1時間撹拌後、80℃に昇温し、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量45.6部)を得た。
【0024】
比較例4
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを18.7部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例3と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0025】
実施例4
1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸21.0部と水酸化ナトリウム3.8部とを水400部に加えて80℃で加熱溶解し、さらに35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加する。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−ナフトール14.4部と水酸化ナトリウム8.0部とを加えて加熱溶解し、水をさらに加えて液量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0026】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを7〜8に調整し、ロジンソープ(ガムロジン2.3部(顔料に対し5%)と水酸化ナトリウム0.3部とを水46部に溶解した溶液)を添加後、90℃に昇温し、塩化バリウム(2水塩)16部を加えてレーキ化する。30分間撹拌後、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量46.7部)を得た。
【0027】
比較例5
1−アミノ−4−クロル−5−メチルベンゼン−2−スルホン酸だけを22.1部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例4と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0028】
実施例5
1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸21.0部と水酸化ナトリウム3.8部とを水400部に加えて80℃で加熱溶解し、35%塩酸25部を加え、氷を投入して5℃とし、5−アミノ−ベンズイミダゾロン0.74部(全ジアゾ成分の5モル%)を添加する。次いで、亜硝酸ソーダ6部を水20部に溶解した溶液を一気に加えてジアゾ化し、5〜8℃で30分間撹拌してジアゾ液とする。一方、水800部にβ−オキシナフトエ酸18.8部と水酸化ナトリウム10.0部とを加えて常温で撹拌溶解し、水量を1000部に、温度を10℃に調整して下漬液とする。
【0029】
上記ジアゾ液を、この下漬液に20分間で滴下し、カップリング反応させて染料を作製後、1時間撹拌する。次いでpHを10〜11に調整し、ロジンソープ(ガムロジン1.0部(顔料に対し2%)と水酸化ナトリウム0.2部を水20部に溶解した溶液)を添加後、50℃に昇温し、塩化ストロンチウム(2水塩)34部を加えてレーキ化する。更に90℃に昇温し、濾過及び水洗いしてプレスケーキとし、又、その一部を乾燥及び粉砕して粉末とし、本発明のアゾレーキ顔料組成物(乾燥収量51.6部)を得た。
【0030】
比較例6
1−アミノ−4−メチル−5−クロルベンゼン−2−スルホン酸だけを22.1部使用し、5−アミノ−ベンズイミダゾロンを使用しない他は実施例5と同様にして従来のアゾレーキ顔料を得た。
【0031】
実施例6〜10、比較例7〜12
各実施例及び比較例の顔料組成物および顔料のプレスケーキおよび粉末を用い、以下のインキ作製方法に従って平版インキとし、各種の試験を行った。尚、以下では顔料組成物も顔料と記す。
〔ベースインキの作製〕
(1)プレスケーキのインキ化
テストフラッシャーに平版インキワニス300部を投入し、顔料プレスケーキを顔料重量で100部加え、温度70℃で混練し、一次分離水を除去する。さらに、減圧下110℃で二次分離水を除去後、ワニス100部を追加して混練した後テストフラッシャーから混練物を取り出し、3本ロールミルを通してベースインキを作製する。
【0032】
(2)粉末顔料のインキ化
(1)粉末顔料100部と平版インキワニス400部をプレミキシングした後、85℃でビーズミルを通してベースインキを作製する。
(2)粉末顔料100部と平版インキワニス400部をプレミキシングした後、3本ロールミルを通してベースインキを作製する。
【0033】
〔インキの調製〕
(1)および(2)で得られた各ベースインキを平版ワニスとソルベントによりタック値を10〜10.5(インコメーター、30℃、1,200rpm、20秒)に調整してインキとした。
【0034】
〔インキ試験〕
RIテスターにて黒帯アート紙に校正刷りを行ない、色相および透明性は各比較例の顔料(ジアゾ成分の一部置換はない)を使用した場合を標準として目視により評価し、稠度(流動性)、濃度および光沢を以下の方法で評価した。
稠度:スプレッドメーター(平行板粘度計:JIS規格)100秒値
濃度:反応濃度計(グレタグ濃度計)で測定
光沢(%):光度計(60度)で測定
【0035】
顔料プレスケーキをフラッシング法でインキ化した評価結果を表1に、顔料粉末のビーズミル法でインキ化した評価結果を表2に、また、顔料粉末のビーズミル法と3本ロールミル法でインキ化した場合の透明性評価結果を表3に示す。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
以上の様に、比較例の顔料はいずれも不透明で、温度による変化が大きいが、本発明のアゾレーキ顔料組成物は透明で、且つ温度による変化が少ない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって得られたアゾレーキ顔料組成物は、色相が青み傾向になるが、従来のアゾレーキ顔料に比較して透明で耐熱性に優れ、顔料ペーストを高温でフラッシングしても、また、顔料粉末を高温でビーズミル等で分散しても、顔料の熱変化が極めて少ない。その結果、インキは透明で、着色力があり、かつ流動性および光沢にも優れている。又、ロジンを減少できた分、版汚れ等が起きにくく、印刷適性も向上した。
また、本発明のアゾレーキ顔料組成物は、グラビアインキに使用した場合、粘度の経時安定性が良好で、流動性に優れた適性を示し、さらに、プラスチック等の用途にも有用であり、本発明のアゾレーキ顔料組成物の用途は平版インキに限定されるものではない。
Claims (5)
- 一般式(I)で表される化合物が、全ジアゾ成分中0.1〜30モル%を占める請求項1に記載のアゾレーキ顔料組成物。
- 一般式(I)で表される化合物が、全ジアゾ成分中0.1〜30モル%を占める請求項3に記載のアゾレーキ顔料組成物の製造方法。
- 請求項1に記載の、または請求項3に記載の方法で得られるアゾレーキ顔料組成物を着色剤とする印刷インキ組成物。
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