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JP3907981B2 - データ処理プログラム及びデータ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種モジュールを組み合わせて一連のデータ処理を行わせるデータ処理技術において、特に、処理経路の変更を容易にしつつ、処理能力を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報処理分野では、各種装置,回路,メモリ,プログラムなどを機能単位に分割し、追加,削除又は変更を容易に行えるようにした「モジュール」という概念が公知である。そして、モジュールの応用技術として、例えば、特開平11−39269号公報に開示されるように、各種モジュールを組み合わせて、一連のデータ処理を行わせるデータ処理装置が開発されている。
【0003】
かかるデータ処理装置では、モジュール間におけるデータの流れ(処理経路)を設定すべく、処理対象データに、処理順序番号,モジュール識別情報などからなる処理シーケンス情報が付加される。そして、処理対象データを受信したモジュールでは、処理シーケンス情報に基づいてデータ処理が行われると共に、次にデータ処理を行うモジュールに対して処理対象データが送出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデータ処理装置では、処理順序が不問であるデータであっても処理順序番号を付さねばならず、特定モジュールの負荷が高まった場合には、ボトルネックが発生して処理能力が低下してしまうおそれがあった。また、同一機能を奏するモジュールが複数ある場合、どのモジュールを指定したかで、処理能力が低下してしまうおそれもあった。さらに、例えば、モジュール機能の強化に伴い新規なモジュールが追加されると、処理シーケンス情報を大幅に変更しなければならず、処理経路の変更に要する労力が大であった。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、必要に応じて処理経路を動的に変更することで、処理経路の変更を容易にしつつ、処理能力を向上させたデータ処理技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明に係るデータ処理技術では、各種モジュールに対する処理経路を設定し、設定された処理経路に基づいて各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う一方、設定された処理経路を必要に応じて動的に変更することを特徴とする。このとき、処理経路は、各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールを追加、又は、各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールを削除することで、動的に変更される。ここで、処理経路の動的な変更は、その必要性を判定可能なモジュールでのデータ処理、又は、処理対象データの授受制御の際に行うようにすればよい。
【0007】
かかる構成によれば、通常のデータ処理においては、設定された処理経路に基づいて、各種モジュールに対する処理対象データの授受制御が行われる。一方、各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールがあるとき、又は、各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールがあるときには、設定された処理経路が動的に変更される。このため、処理順序が不問であるデータについては、例えば、処理経路に含まれる各種モジュールの処理状況に応じて、負荷が少ないモジュールでの処理を優先させることで、ボトルネックの発生を回避し、処理能力を向上させることができる。また、例えば、モジュール機能の強化に伴い新規なモジュールが追加された場合であっても、必要に応じてそのモジュールへの処理経路が追加されるので、処理経路の変更を容易にすることができる。さらに、処理不要であるモジュールへの処理経路が含まれていた場合、このモジュールへの処理経路も削除されるため、データ処理結果に何の変化も及ぼさないモジュールへの経由を回避でき、この見地からも処理能力を向上させることができる。
【0008】
また、各種モジュールに対する処理経路は、処理対象データの処理内容に応じたテーブルを参照して設定されるようにすればよい。このようにすれば、処理経路の設定に要する負荷が低下し、応答速度,メンテナンス性などを向上させることができる。
さらに、処理経路は、モジュールの処理順序を指定する経路指定と、モジュールのみを指定する処理部指定と、経路指定と処理部指定とを組み合わせた複合指定と、が選択的に指定可能なようにすればよい。このようにすれば、様々なデータ処理に対して柔軟に対応可能となり、汎用性が付与される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係るデータ処理技術を適用したネットワークサーバを用い、ネットワーク・トラフィックをインテリジェントに制御するシステム構成を示す。ネットワークサーバは、少なくとも、中央処理装置(CPU)とメモリとを備えたコンピュータ上に構築され、メモリにロードされたプログラムにより各種機能が実現される。なお、以下の説明では、コンピュータとネットワークとを接続する周辺機器であるネットワーク・インターフェース・カードを「NIC」、仮想的に構築した専用のネットワークであるバーチャル・プライベート・ネットワークを「VPN」と略記することとする。
【0010】
ネットワークサーバ10を用いて構築されたLAN(Local Area Network)20は、VPNとしてのインターネット30を介して、リモートサイト40及びWWW(World Wide Web)サーバ50に夫々接続される。LAN20では、イーサネットなどの構内回線を介して、ネットワークサーバ10,クライアント22及びミラーサーバ24が相互接続される。
【0011】
ネットワークサーバ10は、NIC(ローカル)10Aと、NIC(グローバル)10Bと、経路情報設定部10Cと、ポリシー管理部10Dと、制御部10Eと、各種モジュールとしての機能を奏する負荷分散10F,帯域制御10G,第1VPN10H,第2VPN10I及びプロキシ10Jと、を含んで構成される。ここで、「モジュール」とは、各種装置,回路,メモリ,プログラムなどを機能単位に分割し、追加,削除又は変更を容易に行えるようにしたものをいう。
【0012】
なお、経路情報設定部10Cにより、経路情報設定機能及び経路情報設定手段が実現される。また、制御部10Eにより、制御機能,制御手段,処理経路変更機能及び処理経路変更手段が実現される。さらに、各種モジュール10F〜10Jにより、処理経路変更機能及び処理経路変更手段が実現される。
NIC(ローカル)10Aでは、クライアント22とのインターフェースが行われる。NIC(グローバル)10Bでは、ミラーサーバ24及びインターネット30とのインターフェースが行われる。経路情報設定部10Cでは、ポリシー管理部10Dにより管理されるテーブルが参照され、処理対象データに経路情報を付加したフレームデータが作成される。ここで、「経路情報」とは、各種モジュールでの処理経路を設定した情報(詳細は後述する)のことをいう。
【0013】
ポリシー管理部10Dでは、図2に示すように、データ処理内容に対応した経路情報が管理される。経路情報は、各種モジュールの処理順序を指定する「経路指定」(図3(A)参照)と、モジュールのみを指定する「処理部指定」(図3(B)参照)と、経路指定と処理部指定とを組み合わせた「複合指定」(図3(C)参照)と、が選択的に指定できるように構成される。ここで、「経路指定」では、処理経路に順序性があるものが扱われ、「処理部指定」では、処理経路に順序性がないものが扱われる。そして、このようにすれば、様々なデータ処理に対して柔軟に対応可能となり、汎用性が付与される。
【0014】
制御部10Eでは、フレームデータに含まれる経路情報に基づいて、フレームデータが各種モジュールへと選択的に授受される。負荷分散10Fでは、負荷を分散させるべく、クライント22からの要求が適切なミラーサーバ24へと転送される。帯域制御10Gでは、サービス内容や業務内容に応じたネットワーク・トラフィックの分類及び制御を通して、ネットワーク帯域が制御される。第1VPN10H及び第2VPN10Iでは、夫々、VPNへのネットワーク・トラフィックが制御される。プロキシ10Jでは、ローカルIP(Internet Protocol)アドレスとグローバルIPアドレスとの変換処理が行われる。
【0015】
次に、経路情報設定部10C,制御部10E及び各種モジュール10F〜10Jの作用について説明する。
図4は、NIC(ローカル)10Aがクライアント22からのパケットデータを受信したときに、経路情報設定部10Cで実行される処理内容を示す。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、NIC(ローカル)10Aから転送されたパケットデータが受信される。
【0016】
ステップ2では、ポリシー管理部10Dにより管理されるテーブルが参照され、パケットデータの内容に適合した経路情報が取得される。
ステップ3では、図5に示すように、パケットデータに対して、経路情報が付加されたフレームデータが作成される。
なお、ステップ2及びステップ3の処理が、処理経路設定機能及び処理経路設定手段に該当する。
【0017】
ステップ4では、作成されたフレームデータが制御部10Eに送出される。
かかるステップ1〜ステップ4の処理によれば、経路情報設定部10Cにおいては、処理対象データたるパケットデータに、その内容に応じた経路情報が付加されたフレームデータが作成される。そして、作成されたフレームデータは、経路情報に応じた一連のデータ処理をさせるべく、制御部10Eへと送出される。このため、ポリシー管理部10Dにより管理されるテーブルを変更するだけで、処理経路を極めて容易に追加,削除又は変更することができ、処理経路の変更に要する労力を大幅に軽減することが可能となる。
【0018】
図6は、経路情報設定部10Cにおける処理に引き続いて、制御部10Eで実行される処理内容を示す。
ステップ11では、経路情報設定部10Cから送出されたフレームデータが受信される。
ステップ12では、フレームデータの経路情報の変更が必要であるか否かが判定される。即ち、あるモジュールにおけるデータ処理について、例えば、経路情報に含まれない他のモジュールでの処理が必要である場合、このモジュールへの処理経路が追加される。そして、経路情報の変更が必要であれば(Yes)、ステップ13において経路情報が動的に変更される。一方、経路情報の変更が必要でなければ(No)、ステップ14へと進む。経路情報の変更については、後述する具体例により明確になるであろう。
【0019】
なお、ステップ12及びステップ13の処理が、処理経路変更機能及び処理経路変更手段に該当する。
ステップ14では、フレームデータに経路情報があるか否か、即ち、次に処理を行うモジュールがあるか否かが判定される。そして、フレームデータに経路情報があれば(Yes)、ステップ15において次に処理を行うモジュールに対してフレームデータが送出される。一方、フレームデータに経路情報がなければ(No)、全てのデータ処理が終了したと判定し、ステップ16においてNIC(グローバル)10Bに対してパケットデータが送出される。
【0020】
なお、ステップ14〜ステップ16の処理が、制御機能及び制御手段に該当する。
かかるステップ11〜ステップ16の処理によれば、制御部10Eにおいては、フレームデータを受信すると、必要に応じて、経路情報の変更が行われる。そして、経路情報があれば、次に処理を行うべきモジュールに対してフレームデータが送出される一方、経路情報がなければ、全てのデータ処理が終了したと判定して、パケットデータがNIC(グローバル)10Bに送出される。このため、経路情報設定部10Cで設定された経路情報は、例えば、各種モジュールの処理状況に応じて動的に変更されるので、ボトルネックなどによる処理能力の低下を抑制することができる。
【0021】
図7は、各種モジュール10F〜10Jで実行される処理内容を示す。
ステップ21では、制御部10Eから送出されたフレームデータが受信される。
ステップ22では、フレームデータの経路情報の変更が必要であるか否かが判定される。そして、経路情報の変更が必要であれば(Yes)、ステップ23において経路情報が変更される。一方、経路情報の変更が必要でなければ(No)、ステップ24へと進む。なお、ステップ22及びステップ23の処理が、処理経路変更機能及び処理経路変更手段に該当する。
【0022】
ステップ24では、フレームデータのパケットデータに対して、モジュール特有のデータ処理が施される。
ステップ25では、フレームデータの経路情報から、自モジュールへの処理経路が削除される。
ステップ26では、制御部10Eに対してフレームデータが送出される。
【0023】
かかるステップ21〜ステップ26の処理によれば、各種モジュール10F〜10Jにおいては、フレームデータを受信すると、必要に応じて、経路情報の変更が行われる。そして、モジュール特有のデータ処理が行われた後、自モジュールにおける処理経路が削除されたフレームデータが制御部10Eへと送出される。このため、経路情報設定部10Cにおいて同一機能を奏するモジュールを複数設定した場合であっても、処理不要である処理経路が動的に削除されるので、処理能力の低下を抑制することができる。
【0024】
次に、かかる構成からなるデータ処理装置の動作について、具体的な事例を用いて明確にする。
図8及び図9に示す第1事例では、クライアント22からLAN20内のミラーサーバ24へのアクセス要求があったときに、ネットワークサーバ10で実行される処理内容を説明する。なお、図8及び図9中の(1)〜(7)は、処理経路を示すと共に、その処理経路において伝達されるフレームデータの内容を示す(以下同様)。
【0025】
クライアント22からのミラーサーバ24へのアクセス要求は、パケットデータとして、NIC(ローカル)10Aを介して経路情報設定部10Cに伝達される((1)及び(2))。
パケットデータを受信した経路情報設定部10Cでは、ポリシー管理部10Dにより管理されるテーブル(図2参照)が参照され、ミラーサーバ24へのアクセス要求に応じた経路情報(負荷分散10F)が取得される。経路情報が取得されると、パケットデータに経路情報が付加されたフレームデータが作成され、これが制御部10Eへと送出される(3)。
【0026】
フレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報が解析され、フレームデータを送出すべきモジュールとしての負荷分散10Fに対して、フレームデータが送出される(4)。
フレームデータを受信した負荷分散10Fでは、例えば、ミラーサーバ24の処理状況に応じて、アクセスすべき最適なミラーサーバ24が特定される。ミラーサーバ24が特定されると、フレームデータの経路情報から負荷分散10Fが削除され、これが制御部10Eへと送出(返却)される(5)。
【0027】
負荷分散10Fが削除されたフレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報が再度解析され、フレームデータを送出すべきモジュールがないと判定し、パケットデータがNIC(グローバル)10Bへと送出される(6)。
パケットデータを受信したNIC(グローバル)10Bでは、アクセスすべき最適なミラーサーバ24に対してパケットデータが送出される(7)。
【0028】
図10及び図11に示す第2事例では、クライアント22からインターネット30へのアクセス要求があったときに、ネットワークサーバ10で実行される処理内容を説明する。
クライアント22からのインターネット30へのアクセス要求は、パケットデータとして、NIC(ローカル)10Aを介して経路情報設定部10Cに伝達される((1)及び(2))。パケットデータを受信した経路情報設定部10Cでは、インターネット30へのアクセス要求に応じた経路情報(プロキシ10J→帯域制御10G)が付加されたフレームデータが作成され、これが制御部10Eへと送出される(3)。フレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、プロキシ10Jに対してフレームデータが送出される(4)。フレームデータを受信したプロキシ10Jでは、ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスとの変換処理が実行され、フレームデータの経路情報からプロキシ10Jが削除された後、これが制御部10Eへと送出(返却)される(5)。
【0029】
プロキシ10Jが削除されたフレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、帯域制御10Gに対してフレームデータが送出される(6)。フレームデータを受信した帯域制御10Gでは、ネットワーク帯域の制御処理が実行され、フレームデータの経路情報から帯域制御10Gが削除された後、これが制御部10Eへと送出(返却)される(7)。
【0030】
帯域制御10Gが削除されたフレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、フレームデータを送出すべきモジュールがないと判定し、パケットデータがNIC(グローバル)10Bへと送出される(8)。パケットデータを受信したNIC(グローバル)10Bでは、インターネット30に対してパケットデータが送出される(9)。
【0031】
図12及び図13に示す第3事例では、クライアント22からリモートサイト40への接続要求があったときに、ネットワークサーバ10で実行される処理内容を説明する。
クライアント22からのリモートサイト40への接続要求は、パケットデータとして、NIC(ローカル)10Aを介して経路情報設定部10Cに伝達される((1)及び(2))。パケットデータを受信した経路情報設定部10Cでは、リモートサイト40への接続要求に応じた経路情報(帯域制御10G→第1VPN10H及び第2VPN10I)が付加されたフレームデータが作成され、これが制御部10Eへと送出される(3)。ここで、同一階層に並べられた第1VPN10H及び第2VPN10Iは、処理順序が不問であって、どちらでフレームデータを先に処理してもよいことを表わしている。フレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、帯域制御10Gに対してフレームデータが送出される(4)。フレームデータを受信した帯域制御10Gでは、ネットワーク帯域の制御処理が実行され、フレームデータの経路情報から帯域制御10Gが削除された後、これが制御部10Eへと送出(返送)される(5)。
【0032】
帯域制御10Gが削除されたフレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、フレームデータを送出すべきモジュールとして、例えば、ラウンドロビン,優先度順又は処理状況(負荷分散)に応じて、第1VPN10Hに対してフレームデータが送出される(6)。このとき、VPN処理は1度実行されればよいので、フレームデータの経路情報から第2VPN10Iが削除される。フレームデータを受信した第1VPN10Hでは、VPNへのトラフィック処理が実行され、フレームデータの経路情報から第1VPN10Hが削除された後、これが制御部10Eへと送出(返却)される(7)。
【0033】
なお、処理不要である第2VPN10Iは、制御部10Eで削除される構成に限らず、モジュール(具体的には、第1VPN10H)で削除される構成としてもよい。即ち、モジュールでのデータ処理が不要である経路情報は、処理不要であることを判定可能な制御部10E又はモジュール10F〜10Jにおいて削除されるようにすればよい。また、本事例では、経路情報を削除する構成であるが、例えば、必要に応じて経路情報を追加又は変更するような構成としてもよい。
【0034】
第1VPN10Hが削除されたフレームデータを受信した制御部10Eでは、その経路情報の解析結果に応じて、フレームデータを送出すべきモジュールがないと判定し、パケットデータがNIC(グローバル)10Bへと送出される(8)。パケットデータを受信したNIC(グローバル)10Bでは、リモートサイト40に対してパケットデータが送出される(9)。
【0035】
以上説明した第1事例〜第3事例によれば、経路情報設定部10Cにおいて設定された処理経路は、制御部10E又はモジュール10F〜10Jで動的に変更される。このため、処理順序が不問であるデータについては、例えば、処理経路に含まれる各種モジュールの処理状況に応じて、負荷が少ないモジュールでの処理を優先させることで、ボトルネックの発生を回避し、処理能力を向上させることができる。また、例えば、モジュール機能の強化に伴い新規なモジュールが追加された場合であっても、必要に応じてそのモジュールへの処理経路が追加されるので、処理経路の変更を容易にすることができる。さらに、処理不要であるモジュールへの処理経路が含まれていた場合、このモジュールへの処理経路も削除されるため、データ処理結果に何の変化も及ぼさないモジュールへの経由を回避でき、この見地からも処理能力を向上させることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、処理対象データと経路情報とは一体化されているが、処理対象データの授受制御に際し、処理対象データとは別体の経路情報を用いるようにしてもよい。この場合、経路情報設定部10Cから制御部10Eへは、処理対象データと共に経路情報が送出される。
このような機能を実現するプログラムを、例えば、磁気テープ,磁気ディスク,磁気ドラム,ICカード,CD−ROM,DVD−ROM等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録しておけば、本発明に係るデータ処理プログラムを市場に流通させることができる。そして、かかる記録媒体を取得した者は、一般的なコンピュータを利用して、本発明に係るデータ処理装置を容易に構築することができる。
【0037】
また、インターネットに接続されたサーバ上に、本発明に係るデータ処理プログラムを登録させておけば、例えば、電気通信回線を介して、かかるプログラムをダウンロードすることで、本発明に係るデータ処理装置を容易に構築することができる。
【0038】
(付記1)各種モジュールに対する処理経路を設定する処理経路設定機能と、前記処理経路設定機能により設定された処理経路に基づいて、前記各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う制御機能と、前記処理経路設定機能により設定された処理経路を必要に応じて動的に変更する処理経路変更機能と、をコンピュータに実現させるためのデータ処理プログラム。
【0039】
(付記2)前記処理経路変更機能は、前記各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールを追加することを特徴とする付記1記載のデータ処理プログラム。
【0040】
(付記3)前記処理経路変更機能は、前記各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールを削除することを特徴とする付記1又は付記2に記載のデータ処理プログラム。
【0041】
(付記4)前記処理経路変更機能は、前記モジュール又は制御機能に備えられていることを特徴とする付記1〜付記3のいずれか1つに記載のデータ処理プログラム。
【0042】
(付記5)前記処理経路設定機能は、前記処理対象データの処理内容に応じた処理経路が設定されたテーブルを参照して、前記各種モジュールに対する処理経路を設定することを特徴とする付記1〜付記4のいずれか1つに記載のデータ処理プログラム。
【0043】
(付記6)前記処理経路設定機能は、前記モジュールの処理順序を指定する経路指定と、前記モジュールのみを指定する処理部指定と、前記経路指定と処理部指定とを組み合わせた複合指定と、が選択的に指定可能なことを特徴とする付記1〜付記5のいずれか1つに記載のデータ処理プログラム。
【0044】
(付記7)各種モジュールに対する処理経路を設定する処理経路設定機能と、前記処理経路設定機能により設定された処理経路に基づいて、前記各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う制御機能と、前記処理経路設定機能により設定された処理経路を必要に応じて動的に変更する処理経路変更機能と、をコンピュータに実現させるためのデータ処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0045】
(付記8)前記処理経路変更機能は、前記各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールを追加、又は、前記各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールを削除することを特徴とする付記7記載のデータ処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0046】
(付記9)各種モジュールに対する処理経路を設定する処理経路設定手段と、前記処理経路設定手段により設定された処理経路に基づいて、前記各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う制御手段と、前記処理経路設定手段により設定された処理経路を必要に応じて動的に変更する処理経路変更手段と、を含んで構成されたことを特徴とするデータ処理装置。
【0047】
(付記10)前記処理経路変更手段は、前記各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールを追加、又は、前記各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールを削除することを特徴とする付記9記載のデータ処理装置。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るデータ処理技術によれば、必要に応じて処理経路を動的に変更することで、処理経路の変更を容易にしつつ、処理能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりネットワーク・トラフィックをインテリジェントに制御するシステムの構成図
【図2】ポリシー管理部により管理されるテーブルの説明図
【図3】処理順序の指定方法を示し、(A)は経路指定方法の説明図、(B)は処理部指定方法の説明図、(C)は複合指定方法の説明図
【図4】経路情報設定部における処理内容を示すフローチャート
【図5】フレームデータの説明図
【図6】制御部における処理内容を示すフローチャート
【図7】各種モジュールにおける処理内容を示すフローチャート
【図8】ミラーサーバへのアクセス要求を処理する第1事例を示し、(A)はデータ流れの説明図、(B)は処理シーケンスの説明図
【図9】第1事例におけるフレームデータ内容の説明図
【図10】インターネットへのアクセス要求を処理する第2事例を示し、(A)はデータ流れの説明図、(B)は処理シーケンスの説明図
【図11】第2事例におけるフレームデータ内容の説明図
【図12】リモートサイトへの接続要求を処理する第3事例を示し、(A)はデータ流れの説明図、(B)は処理シーケンスの説明図
【図13】第3事例におけるフレームデータ内容の説明図
【符号の説明】
10 ネットワークサーバ
10C 経路情報設定部
10D ポリシー管理部
10E 制御部
10F 負荷分散
10G 帯域制御
10H 第1VPN
10I 第2VPN
10J プロキシ

Claims (5)

  1. 各種モジュールに対する処理経路を設定する処理経路設定機能と、
    前記処理経路設定機能により設定された処理経路に基づいて、前記各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う制御機能と、
    前記処理経路設定機能により設定された処理経路を必要に応じて動的に変更する処理経路変更機能と、
    をコンピュータに実現させるためのデータ処理プログラムであって、
    前記処理経路設定機能は、前記モジュールの処理順序を指定する経路指定,前記モジュールのみを指定する処理部指定及び前記経路指定と処理部指定とを組み合わせた複合指定が選択的に指定可能なことを特徴とするデータ処理プログラム。
  2. 前記処理経路変更機能は、前記各種モジュールにおけるデータ処理で必要なモジュールを追加することを特徴とする請求項1記載のデータ処理プログラム。
  3. 前記処理経路変更機能は、前記各種モジュールにおけるデータ処理に伴い不要となったモジュールを削除することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理プログラム。
  4. 前記処理経路変更機能は、前記モジュール又は制御機能に備えられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のデータ処理プログラム。
  5. 各種モジュールに対する処理経路を設定する処理経路設定手段と、
    前記処理経路設定手段により設定された処理経路に基づいて、前記各種モジュールに対する処理対象データの授受制御を行う制御手段と、
    前記処理経路設定手段により設定された処理経路を必要に応じて動的に変更する処理経路変更手段と、
    を含んで構成され、
    前記処理経路設定手段は、前記モジュールの処理順序を指定する経路指定,前記モジュールのみを指定する処理部指定及び前記経路指定と処理部指定とを組み合わせた複合指定が選択的に指定可能なことを特徴とするデータ処理装置。
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