JP3906584B2 - 電子部品用リード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品用リードに関し、特に、電子機器配線用導体としてのリード、あるいは半導体装置のアウターリードなどとして好適な電子部品用リードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオード、抵抗器、コンデンサ、あるいはトランジスタ等の電子部品に使用されるリードとして、たとえば、銅あるいは銅合金のワイヤーにSn‐Pb合金、つまり、はんだめっきを施したものが知られている。
また、ICパッケージ等の半導体装置においては、電解法、あるいは溶解法によりアウターリードの表面にはんだめっき層を形成することが行われている。
【0003】
このような構成のリードは、熱酸化に対する優れた耐性と良好なはんだ濡れ性を備えていることによって特徴づけられ、電子機器の配線、あるいは電子品のプリント基板への実装等の用途において多用されており、この種リードによる接合プロセスは、高密度な接合技術を必要とする電子部品の分野において完全に定着している。
【0004】
しかし、このようなはんだめっき層を形成したリードによると、めっき層の中のPb成分が、酸性雨などによって溶出される性質のものであることから、地下水汚染、延いては人体への影響が懸念されており、このため、環境保護上の観点からその使用に制約が加えられる趨勢にある。
【0005】
このため、Pbを含有しないはんだ合金の開発が各方面で活発に進められている。開発に当たっては、特性面のみに偏重せずに経済性についての配慮も充分に行う必要があり、これらの観点から提案された代表例として、Snめっき層を形成したリードを挙げることができる。
このリードは、シンプルな材料系であり、Pbフリー合金との濡れ性もよく、強度的にも適している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、Snめっき層を形成したリードによると、ウイスカーを発生させやすい点において大きな難点があり、Sn‐Pb合金の代替めっきとしては、特性的に充分とは言えない。
【0007】
従って、本発明の目的は、従来多用されてきたSn‐Pb合金めっきのリードと同等の性能を有し、経済的にも不利益のない電子部品用リードを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、 酸洗された銅、あるいは銅合金からなるワイヤーと、前記ワイヤーの上に形成されためっき層から構成され、前記めっき層は、電解法により形成された厚さ6μmのSnめっきによる下地層と、前記下地層の上に電解法により形成された厚さ0.05μmのSn−3.5重量%Ag合金めっきによる外層とにより構成されたことを特徴とする電子部品用リードを提供するものである。
【0010】
上記のSn‐Ag合金におけるAgの含有量は微小でよく、たとえば、数%程度で充分であり、また、Sn‐Ag合金により構成される外層の厚さは、Snの下地層のたとえば百分の一程度でも充分である。従って、Agを使用することによる経済的負担増の懸念はない。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による電子部品用リードの実施の形態について説明する。
【実施例】
図1は、実施の形態における電子部品用リードの断面構造を示したもので、1は外径0.6mmの銅合金から成るワイヤー、2は酸洗されたワイヤー1上に形成されためっき層を示す。
【0012】
このめっき層2は、電解法により形成された厚さ6μmのSnめっきによる下地層3と、下地層3の上に電解法により形成されたSn‐Ag合金めっきによる外層4とから構成されている。
外層4を構成するSn‐Ag合金は、3.5重量%のAgを含有し、さらに、この外層4は0.05μmの厚さに形成されている。
【0013】
【従来例】
図2において、Sn‐Pb合金による厚さ6μmのめっき層5を電解法により形成し、所定の電子部品用リードとした。
【0014】
【参考例】
図2において、めっき層5を電解法による厚さ6μmのSnめっきにより構成し、所定の電子部品用リードを得た。
【0015】
表1に、以上の実施例、従来例、および参考例により得られた電子部品用リードの特性試験結果を示す。
試験項目としては、めっき層の密着性、はんだ濡れ性、耐変色性、およびウイスカーの発生頻度を選択した。
【0016】
めっき層の密着性は、水素雰囲気中においてサンプルを350℃で15分間加熱し、引き続きこれを大気中において250℃で2時間加熱した後、自己径巻き付けを行ったときのめっき層の剥離の有無によって評価した。
【0017】
自己径巻き付けは、サンプルの一端をバイスに挟み、他端を90°に曲げた状態で固定することによりサンプルを所定の個所に張り、これに90°に曲げた部分を支点としてサンプルを巻付棒に数十回巻き付けることによって行った。
めっき層に剥離が発生しない場合を1、若干の剥離発生を2、完全な剥離発生を3として評価した。
【0018】
はんだ濡れ性は、MIL−STD−202D−208Bの試験法に基づき、フラックスなしの状態で密着性試験におけるのと同じ加熱処理を施したときの、はんだ濡れ面積によって評価した。濡れ面積が90%以上を1、70〜90%未満を2、70%未満を3として評価した。
【0019】
耐変色性は、40℃/95%RHの恒温恒湿の雰囲気にサンプルを10日間放置したときの変色の有無により評価し、変色なしを1、若干変色を2、変色を3として評価した。
【0020】
ウイスカーの発生有無は、121℃/60%RHの恒温恒湿の雰囲気にサンプルを24時間放置した後の目視判定により確認した。発生なしを1、若干発生を2、発生を3として評価した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1によれば、実施例による電子部品用リードが、めっき層の密着性、はんだ濡れ性、耐変色性、およびウイスカー発生有無のいずれにおいても従来例と同一レベルの1の評価を得ている。
【0023】
これらの項目は、従来、長い間にわたって電子部品の接合プロセスに定着してきたSn‐Pb合金めっきリードの優れた特質を評価するのに適した試験項目であり、従って、これらの項目において、Sn‐Pb合金めっきリードと比べて遜色のない試験結果を示していることは、本発明によるリードが、Sn‐Pb合金めっきリードに代わる電子部品用リードとして、有効に活用可能であることを意味している。また、使用するAgの量は微量であり、経済的に不利益とはならない。
【0024】
Snめっき層を形成した参考例のリードの場合には、ウイスカー発生有無のテスト結果が悪く、実用性において問題がある。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電子部品用リードによれば、リード母材の上に形成するめっき層を、Snめっきによる下地層とSn‐Ag合金めっきによる外層とより構成することによって、従来多用されてきたSn‐Pb合金めっきリードと同等の特性を有し、経済的不利益もない電子部品用リードを提供し得るものであり、その有用性は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品用リードの実施の形態を示す説明図。
【図2】従来の電子部品用リードの説明図。
【符号の説明】
1 ワイヤー
2 めっき層
3 下地層
4 外層
Claims (1)
- 酸洗された銅、あるいは銅合金からなるワイヤーと、前記ワイヤーの上に形成されためっき層から構成され、
前記めっき層は、電解法により形成された厚さ6μmのSnめっきによる下地層と、前記下地層の上に電解法により形成された厚さ0.05μmのSn−3.5重量%Ag合金めっきによる外層とにより構成されたことを特徴とする電子部品用リード。
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JP29386598A JP3906584B2 (ja) | 1998-10-15 | 1998-10-15 | 電子部品用リード |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000123636A JP2000123636A (ja) | 2000-04-28 |
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JP29386598A Expired - Fee Related JP3906584B2 (ja) | 1998-10-15 | 1998-10-15 | 電子部品用リード |
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JP (1) | JP3906584B2 (ja) |
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1998
- 1998-10-15 JP JP29386598A patent/JP3906584B2/ja not_active Expired - Fee Related
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