JP3903294B2 - Human BNIP3L gene - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトの疾患の予防、診断及び治療の指針として有用な遺伝子、より詳しくはヒトNip3遺伝子と高い相同性を有する新規なヒト遺伝子に関し、該遺伝子のcDNA解析、cDNA染色体へのマッピング、cDNAの機能解析等により、該遺伝子を用いた遺伝子診断並びに新しい治療法、例えば癌に対する治療法の開発に利用可能な遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでのヒト遺伝子の解析の結果から、インスリン受容体やLDL受容体等の各種受容体、細胞の増殖・分化に関わるもの、プロテアーゼ、ATPase、スーパーオキシドディスムターゼのような代謝酵素等の、医薬品開発にとって有用な素材となると考えられる多くの遺伝子が見つかっている。しかしながら、ヒト遺伝子の解析とそれら解析された遺伝子の機能及び解析遺伝子と各種疾患との係わりについての研究はまだ始まったばかりであり、不明な点が多く、更なる新しい遺伝子の解析、該遺伝子の機能の解明、該遺伝子と疾患との係わりの研究、惹いては該遺伝子の利用による遺伝子診断、該遺伝子やその発現蛋白の医薬用途への応用研究等が当業界で望まれている。
【0003】
Nip3は、細胞死を抑制する分子であるアデノウィルスE1B19kDとヒトBcl−2蛋白(Boyd, J.M., et al., Cell, 79, 341-351 (1994))と相互作用しあう細胞質性の蛋白であると報告されている。このアデノウィルスE1Bの19kD蛋白は、ウィルス感染或は外部刺激によって誘導された細胞死を防ぐ作用を有することが、相ついで報告されている(Rao, L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 89, 7742-7746 (1992), Debbas, M. and White, E., Genes Dev., 7, 546-554 (1993))。
【0004】
また、細胞性ガン原遺伝子Bcl−2発現蛋白の活性は、E1B19kDによって証明された細胞死抑制作用に類似している(Tarodi, B., et al., Int. J. Oncol., 3, 467-472 (1993); Huang, D.C.S, et al., Oncogene, 14, 405-414 (1997))。これらの蛋白の各々の高レベルの発現は、成長因子の欠乏、放射線照射、グルココルチコイドや様々な細胞毒性を有する薬物によって誘導されるアポトーシスを抑制する。そしてこの2つの細胞死抑制蛋白は、機能的に同等であり、アポトーシスを抑制する能力において区別し得ないようである(Huang, D.C.S, et al., Oncogene, 14, 405-414 (1997))。
【0005】
ボイドらは、E1Bと相互作用をする蛋白質を検出するために、酵母ツーハイブリッド・スクリーニング法(Boyd, J.M., et al., Cell, 79, 341-351 (1994))を用いて、19kDと相互作用する蛋白(Nip1、Nip2、Nip3)と同様に、関連している蛋白をコードする3つのcDNA(BNIP1、BNIP2、BNIP3)を単離した。ボイドらは、E1Bとこれらの蛋白との直接的な相互作用を証明し、それらの3つの全てにおいて、E1Bの19kDa分子に類似のBcl−2蛋白にあるいくつかのモチーフとも相互作用することを示した。この結果より、E1B19kDとBcl−2の両者は、異なる物質であるけれども、ある共通の細胞性蛋白と相互作用することによって、細胞の生存を促進することが示唆された。Nip蛋白の生理学的な役割は、未だ不明であるが、それらは抗アポトーシス機能或はアポトーシスを誘導する機能のどちらかを有すると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、Nipホモローグをコードする新たな遺伝子、即ちヒトNip相同遺伝子を提供することにある。該新たなヒトNip相同遺伝子が提供できれば、各細胞でのその発現レベルやその構造、機能を解析でき、またその発現物の解析等により、之等の関与する疾患、例えば癌を含むアポトーシスに関連する病態の解明や診断、治療等が可能となると考えられる。
【0007】
また、本発明は、上記新規なヒト遺伝子に顕著な相同性を有し、構造的並びに遺伝子発現パターンにおける共通性及びその生物学的機能の類似性により、上記遺伝子のファミリーと認識される一連の新規な関連遺伝子を提供することをも、目的としている。かかる遺伝子が提供できれば、該遺伝子によってコードされる特定領域に相当するアミノ酸配列を有する新規なペプチド及び該ペプチドを有効成分とする医薬を提供することも可能である。
【0008】
本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重ね、以下の知見を得、ここに所望のNipホモローグをコードする新規な遺伝子BNIP3Lのクローニングに成功すると共に、各種癌細胞中への該遺伝子の導入によって、それらが癌細胞の成長抑制作用を有することを見出した。
【0009】
即ち、本発明者らは、ヒト胎盤組織より抽出したmRNAよりcDNAを合成し、これをベクターに組込んでライブラリーを構築し、該ライブラリーでトランスフォームした大腸菌コロニーを寒天培地上に形成させ、該コロニーをランダムにピックアップして96ウェルマイクロプレートに移し、ヒト遺伝子を含む多数の大腸菌クローンを登録した。
【0010】
登録した各クローンを少量培養後、DNAを抽出精製し、抽出したcDNAを鋳型としてデオキシターミネーター法により4種の塩基特異的に停止する伸長反応を行ない、自動DNAシークエンサーにより、遺伝子の5’末端から約400塩基配列を決定した。かくして得られた塩基配列情報について、公知のヒトNip遺伝子に類似性を有する新規な遺伝子を検索した。
【0011】
上記cDNA解析方法については、本発明者のひとりである藤原らによって詳述されている(藤原 力, 細胞工学, 14, 645-654 (1995))。遺伝子解析によって得られた候補遺伝子は、公知のヒト遺伝子との類似性(相同性)より、その遺伝子産物、即ち蛋白質がどのような機能を有するかを類推することがおよそ可能である。更に、その候補遺伝子を発現ベクターに組込み、リコンビナントを作製して、酵素活性や結合活性等の機能を調べることができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むことを特徴とするヒトBNIP3L遺伝子、該アミノ酸配列をコードする、配列番号:2で示される塩基配列を含むことを特徴とするヒトBNIP3L遺伝子、並びに配列番号:3で示される塩基配列であることを特徴とするヒトBNIP3L遺伝子が提供される。
【0013】
本明細書におけるアミノ酸、ペプチド、塩基配列、核酸等の略号による表示は、IUPAC、IUBの規定〔IUPAC-IUB Communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138, 9 (1984)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該分野における慣用記号に従うものとする。また、本明細書において用いられる「ペプチド」なる用語は、その構成アミノ酸数には限定なく、例えばオリゴペプチド、ポリペプチド及びマクロペプチド乃至蛋白質を包含する。
【0014】
本発明により提供される遺伝子の利用によれば、該遺伝子によりコードされるアミノ酸配列を有するペプチドを提供することができ、該ペプチドを有効成分として含有する医薬、特に、アポトーシスのレギュレーションに起因する各種疾患及び病態処置等、例えば癌に対して使用可能な医薬も提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明遺伝子の一具体例としては、後述する実施例に示される「GEN−551D12」と名付けられたクローンの有するDNA配列から演繹されるものを挙げることができる。その塩基配列は、配列番号:3に示される通りである。該遺伝子は、配列番号:1に示すアミノ酸でコードされるヌクレオチド(核酸)のオープンリーディングフレームを有しており、後記実施例に示されるように、BNIP3遺伝子産物とは、N末端蛋白及びサイズにおいて異なるが、一部領域において高い相同性を持ち、特に膜貫通領域はBNIP3との間でよく保存されている。従って、本発明者らはこの新たに単離した遺伝子を、BNIP3L遺伝子と命名した。以下、本発明のヒトNip相同遺伝子であるBNIP3L遺伝子を、「ヒトBNIP3L遺伝子」ということがある。
【0016】
ヒトBNIP3L遺伝子は、各種組織に発現されるNip相同ヒト遺伝子である。該遺伝子が発現する219アミノ酸のペプチドからなる予想蛋白は、膜貫通領域を含んでいる。該遺伝子cDNAの各種癌細胞への導入によれば、該細胞の有意な成長抑制を生じる一方、該遺伝子のアンチセンスcDNAやベクターDNAの導入によれば、そのような効果は示されない。かかる構造的特徴、生理活性、遺伝子発現パターン等を考慮すれば、本発明ヒトBNIP3L遺伝子は、癌抑制因子としての作用を有する膜蛋白の産生遺伝子であると考えられ、これは腫瘍細胞の成長抑制に重要な役割を果たしていると考えられる。
【0017】
本発明ヒトBNIP3L遺伝子のファミリー遺伝子とは、本発明遺伝子の発現産物であるヒトBNIP3Lに配列相同性を有する遺伝子産物を発現し得、構造的特徴及び遺伝子発現パターンにおける共通性、生物学的機能における類似性等を有することから、ひとつの遺伝子ファミリーと認識され得る一連の関連遺伝子をいう。尚、上記配列相同性は、通常、アミノ酸配列全体の約50%以上が同一であることをいう。
【0018】
本発明遺伝子は、例えば配列番号:1の具体例で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を含む遺伝子又は配列番号:2で示される塩基配列の全部或は一部を含むポリヌクレオチドからなる遺伝子として例示される。しかしながら、特にこれらに限定されることなく、例えば、上記特定のアミノ酸配列において一定の改変を有する遺伝子や上記特定の塩基配列と一定の相同性を有する遺伝子であることができる。
【0019】
即ち、本発明遺伝子には、配列番号:1に示されるアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換又は付加された改変されたアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を含む遺伝子もまた包含される。ここで、「アミノ酸の欠失、置換又は付加」の程度及びそれらを行ない得る位置は、改変された蛋白質が、配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質と同様の機能を有する同効物であること、具体的には腫瘍細胞成長抑制活性を保持することを前提として、特に制限されるものではない。
【0020】
尚、上記アミノ酸配列の改変(変異)は、天然において、例えば突然変異や翻訳後の修飾等により生じることもあるが、天然の遺伝子(例えば本発明実施例に従って得られる具体例遺伝子)に基づいて人為的に行なわせることもできる。本発明遺伝子には、このような改変の原因及び手段を問わず、上記特性を有する全ての改変遺伝子が包含される。
【0021】
上記人為的改変手段としては、例えばサイトスペシフィック・ミュータゲネシス〔Methods in Enzymology, 154, 350, 367-382 (1987);同100, 468 (1983);Nucleic Acids Res., 12, 9441 (1984);続生化学実験講座1「遺伝子研究法II」、日本生化学会編, p105 (1986)〕等の遺伝子工学的手法、リン酸トリエステル法やリン酸アミダイト法等の化学合成手段〔J. Am. Chem. Soc., 89, 4801 (1967);同91, 3350 (1969);Science, 150, 178 (1968);Tetrahedron Lett., 22, 1859 (1981);同24, 245 (1983)〕、それらの組合せ方法等を例示できる。
【0022】
また、本発明遺伝子の態様として例示される、配列番号:2で示される塩基配列の全部或は一部を含むポリヌクレオチドからなる遺伝子の塩基配列は、上記アミノ酸配列(配列番号:1)の各アミノ酸残基をコードするコドンの一つの組合せ例である。本発明遺伝子は、この組合せに限らず、各アミノ酸残基に対して任意のコドンを選択し、これらを組合わせた各種の塩基配列を有することも勿論可能である。上記コドンの選択は、常法に従うことができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻度等を考慮することができる〔Ncleic Acids Res., 9, 43 (1981)〕。
【0023】
更に、本発明遺伝子は、例えば配列番号:3として示される具体例のように、一本鎖DNAの塩基配列として表示されるが、本発明はかかる塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオオチドやこれらの両者を含むコンポーネントも当然に包含するものであり、cDNA等のDNAに限定されることもない。
【0024】
加えて、本発明の遺伝子は、前述したとおり、配列番号:3に示される塩基配列と配列相同性を有する塩基配列からなるものをも包含する。かかる遺伝子としては、ストリンジェントな条件で、配列番号:3で示される塩基配列からなるDNAとハイブリダイズし、且つ洗浄しても、これより脱離しないものを挙げることができる。
【0025】
本発明遺伝子は、本明細書に記載の具体的配列情報に基づいて、一般的遺伝子工学的手法により容易に製造・取得することができる〔Molecular Cloning 2d Ed, Cold Spring Harbor Lab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)等参照〕。
【0026】
具体的には、本発明遺伝子が発現される適当な起源より、常法に従ってcDNAライブラリーを調製し、該ライブラリーから、本発明遺伝子に特有の適当なプローブや抗体を用いて所望クローンを選択することにより、目的とする本発明遺伝子を得ることができる〔その方法については例えばProc. Natl. Acad. Sci., USA., 78, 6613 (1981);Science, 222, 778 (1983)等参照〕。
【0027】
上記において、cDNAの起源としては、本発明遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに由来する培養細胞等が例示され、これらからの全RNAの分離、mRNAの分離、精製、cDNAの取得とそのクローニング等はいずれも常法に従うことができる。また、cDNAライブラリーは市販されており、本発明遺伝子の取得は、それら市販の各種cDNAライブラリー、例えばクローンテック社(Clontech Lab. Inc.)等を利用して行なうこともできる。
【0028】
本発明遺伝子をcDNAライブラリーからスクリーニングする方法も、特に制限されず、通常の方法に従うことができる。具体的方法としては、例えばcDNAによって産生される蛋白質に対する特異抗体を使用した免疫的スクリーニングにより対応するcDNAクローンを選択する方法、目的のDNA配列に選択的に結合するプローブを用いたプラークハイブリダイゼーション、コロニーハイブリダイゼーション等やこれらの組合せ等を例示することができる。
【0029】
ここでプローブとしては、本発明遺伝子の塩基配列に関する情報をもとにして化学合成されたDNA等が一般的に使用できるが、勿論、既に取得された本発明遺伝子そのものやその断片を利用することもできる。また、本発明遺伝子の塩基配列情報に基づき設定したセンス・プライマーやアンチセンス・プライマーを、スクリーニング用プローブとして用いることもできる。
【0030】
本発明遺伝子の取得に際しては、PCR法〔Science, 230, 1350 (1985)〕によるDNA/RNA増幅法も好適に利用できる。殊に、ライブラリーから全長のcDNAが得られ難いような場合には、RACE法〔Rapid amplification of cDNA ends;実験医学、12(6), 35 (1994)〕、殊に 5'-RACE法〔M.A. Frohman, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 8, 8998 (1988)〕等が好適に採用できる。該PCR法に用いられるプライマーは、本発明遺伝子の配列情報に基づいて適宜設定でき、常法に従い合成できる。尚、増幅させたDNA/RNA断片の単離、精製は、前述した常法、例えばゲル電気泳動法等に従うことができる。
【0031】
上記で得られる本発明遺伝子や各種DNA断片は、常法、例えばジデオキシ法〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 74, 5463 (1977)〕やマキサム−ギルバート法〔Methods in Enzymology, 65, 499 (1980)〕等に従って、より簡便には市販のシークエンスキット等を用いて、その塩基配列を決定することができる。
【0032】
上記の如くして得られる本発明遺伝子は、例えばその一部又は全部の塩基配列を、個体もしくは各種組織における本発明遺伝子の発現の検出に利用することができる。かかる検出は通常の方法、例えばRT−PCR〔Reverse transcribed-Polymerase chain reaction; E.S. Kawasaki, et al., Amplification of RNA. In PCR Protocol, A Guide to methods and applications, Academic Press, Inc., SanDiego, 21-27 (1991)〕によるRNA増幅、ノーザンブロッティング解析〔Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Lab. (1989)〕、in situ RT−PCR〔Nucl. Acids Res., 21, 3159-3166 (1993)〕、in situ ハイブリダイゼーション等の細胞レベルでのそれら測定法、NASBA法〔Nucleic acid sequence-based amplification, Nature, 350, 91-92 (1991)〕、その他の公知の各種方法により、いずれも良好に実施し得る。
【0033】
尚、PCR法において用いられるプライマーは、本発明遺伝子のみを特異的に増幅できるものである限り何等限定されず、本発明遺伝子の配列情報に基いてその配列を適宜設定することができる。通常、該プライマーは、20〜30ヌクレオチド程度の部分配列を有するものとすることができる。
【0034】
このように、本発明遺伝子には、本発明に係わるBNIP3L遺伝子検出用の特異プライマー及び/又は特異プローブとして利用できるDNA断片もまた包含される。
【0035】
尚、本発明遺伝子を利用する遺伝子治療或は処置においては、必ずしも本発明遺伝子の全て、即ち全配列からなる遺伝子が必要とされる訳ではなく、本発明に係わる遺伝子の所望機能と実質的に同質な機能を保持する限りにおいて、前述した改変体或は一部配列からなる遺伝子を使用することができる。
【0036】
本発明遺伝子(BNIP3L遺伝子)の利用によれば、一般の遺伝子工学的手法により、該遺伝子産物(BNIP3L蛋白)乃至これを含むペプチド(以下「本発明ペプチド」ということがある)を容易に大量に安定して製造することができる。該遺伝子工学的手法によれば、所望の本発明ペプチドは、例えば実施例に具体的に示されるヒトBNIP3L遺伝子及びその配列情報を利用して、通常の遺伝子組換え技術〔例えば、Science, 224, 1431 (1984) ; Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985);Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 80, 5990 (1983)等参照〕に従い、組換え蛋白として得ることができる。
【0037】
即ち、本発明ペプチドは、所望の蛋白をコードする遺伝子が宿主細胞中で発現できる組換えDNAを作成し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養することにより製造することができる。
【0038】
従って、本発明は、BNIP3L遺伝子を含有するベクター(発現ベクター)、該ベクターにより形質転換された宿主細胞、及び該宿主細胞の培養による本発明ペプチドの製法(遺伝子工学的手法)をも提供するものである。
【0039】
ここで宿主細胞には、真核生物及び原核生物のいずれも包含される。該真核生物の細胞には、脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、例えばサルの細胞であるCOS細胞〔Cell, 23, 175 (1981)〕やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞及びそのジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 77, 4216 (1980)〕等がよく用いられているが、これらに限定される訳ではない。
【0040】
脊椎動物の発現ベクターとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使用でき、これは更に必要により複製起点を有していてもよい。該発現ベクターの例としては、例えば、SV40の初期プロモーターを保有するpSV2dhfr〔Mol. Cell. Biol., 1, 854 (1981)〕等を例示できる。また、真核微生物としては、酵母が一般によく用いられ、中でもサッカロミセス属酵母を有利に利用できる。該酵母等の真核微生物の発現ベクターとしては、例えば酸性ホスフアターゼ遺伝子に対するプロモーターを有するpAM82〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 80, 1 (1983)〕等を利用できる。本発明遺伝子の発現ベクターとしては、原核生物遺伝子融合ベクターを好ましく例示できる。該ベクターの具体例としては、例えば分子量26000のGSTドメイン(S. japonicum由来)を有するpGEX−2TKやpGEX−4T−2等を例示できる。
【0041】
原核生物の宿主としては、大腸菌や枯草菌が一般によく用いられる。これらを宿主とする場合、例えば該宿主菌中で複製可能なプラスミドベクターを用い、このベクター中に所望遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプロモーター及びSD(シヤイン・アンド・ダルガーノ)塩基配列、更に蛋白合成開始に必要な開始コドン(例えばATG)を付与した発現プラスミドを利用するのが好ましい。上記宿主としての大腸菌としては、エシエリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株等がよく用いられ、ベクターとしては一般にpBR322及びその改良ベクターがよく用いられるが、これらに限定されず公知の各種の菌株及びベクターも利用できる。プロモーターとしては、例えばトリプトファン(trp) プロモーター、lppプロモーター、lacプロモーター、PL/PRプロモーター等を使用できる。
【0042】
かくして得られる所望の組換えDNAの宿主細胞への導入方法及びこれによる形質転換方法としては、一般的な各種方法を採用できる。得られる形質転換体は、常法に従い培養でき、該培養により目的の蛋白が生産、発現される。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択利用でき、その培養も宿主細胞の生育に適した条件下で実施できる。
【0043】
上記により、形質転換体の細胞内、細胞外乃至細胞膜上に目的とする組換え蛋白が発現、生産、蓄積乃至分泌される。
【0044】
本発明ペプチド(組換え蛋白)は、所望により、その物理的性質、化学的性質等を利用した各種の分離操作〔「生化学データーブックII」、1175-1259 頁、第1版第1刷、1980年 6月23日株式会社東京化学同人発行;Biochemistry, 25(25), 8274 (1986); Eur. J. Biochem., 163, 313 (1987) 等参照〕により分離、精製できる。該方法としては、具体的には例えば通常の再構成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せ等を例示できる。特に好ましい方法としては、本発明ペプチドの特異抗体を結合させたカラムを利用したアフィニティクロマトグラフィーを例示できる。
【0045】
尚、本発明ペプチドをコードする所望遺伝子の設計に際しては、配列番号:2で示されるヒトBNIP3L遺伝子を利用することができる。該遺伝子は、所望により、前記したように各アミノ酸残基を示すコドンを適宜選択変更して利用することも勿論可能である。また、配列番号:1に含まれるヒトBNIP3L遺伝子でコードされるアミノ酸配列において、その一部のアミノ酸乃至アミノ酸配列を置換、欠失、付加等により改変する場合には、例えばサイトスペシフィック・ミュータゲネシス等の前記した各種方法を採用できる。
【0046】
本発明ペプチドは、また、そのアミノ酸配列情報に従って、一般的な化学合成法により製造することもできる。該方法には、通常の液相法及び固相法によるペプチド合成法が包含される。かかるペプチド合成法は、より詳しくは、アミノ酸配列情報に基づいて、各アミノ酸を1個ずつ逐次結合させ鎖を延長させていく所謂ステップワイズエロンゲーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメントを予め合成し、次いで各フラグメントをカップリング反応させるフラグメント・コンデンセーション法とを包含し、本発明ペプチドの合成はそのいずれによることもできる。
【0047】
上記ペプチド合成法に採用できる縮合反応は、常法に従うことができる。具体的には、例えばアジド法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド)法、DCC+添加物(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシサクシンアミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等)法、ウッドワード法等に従うことができる。
【0048】
これら各方法に利用できる溶媒も、この種ペプチド縮合反応に使用されることのよく知られている一般的なものから適宜選択できる。その例としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサホスホロアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等及びこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0049】
尚、上記ペプチド合成反応に際して、反応に関与しないアミノ酸乃至ペプチドにおけるカルボキシル基は、一般にはエステル化により、例えばメチルエステル、エチルエステル、第3級ブチルエステル等の低級アルキルエステル、例えばベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル等のアラルキルエステル等として、保護することができる。
【0050】
また、側鎖に官能基を有するアミノ酸、例えばチロシン残基の水酸基は、アセチル基、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、第3級ブチル基等で保護されてもよいが、必ずしもかかる保護を行なう必要はない。
【0051】
更に、例えばアルギニン残基のグアニジノ基は、ニトロ基、トシル基、p−メトキシベンゼンスルホニル基、メチレン−2−スルホニル基、ベンジルオキシカルボニル基、イソボルニルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基等の適当な保護基により保護することができる。
【0052】
上記保護基を有するアミノ酸、ペプチド及び最終的に得られる本発明ペプチドにおけるこれら保護基の脱保護反応もまた、慣用される方法、例えば接触還元法や、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、メタンスルホン酸等を用いる方法等に従って実施できる。
【0053】
かくして得られる本発明ペプチドは、前記した各種の方法にて、例えばイオン交換樹脂、分配クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、向流分配法等のペプチド化学の分野で汎用される方法に従って、適宜その精製を行ない得る。
【0054】
本発明ペプチドは、BNIP3L蛋白(本発明ペプチドに包含される)の特異抗体を作成するための免疫抗原としても利用できる。該抗原の利用により、所望の抗血清(ポリクローナル抗体)及びモノクローナル抗体を収得することができる。該抗体の製造方法は、当業者によく理解されるところであり、これら常法に従うことができる〔続生化学実験講座「免疫生化学研究法」、日本生化学会編(1986)等参照〕。かくして得られる抗体は、例えばBNIP3L蛋白の精製、該蛋白の免疫学的手法による測定乃至識別等に有利に利用できる。
【0055】
本発明ペプチドは、またこれを有効成分とする医薬品として医薬分野において有用である。
【0056】
該医薬品として有用な本発明ペプチド中には、その医薬的に許容される塩もまた包含される。かかる塩には、周知の方法により調製される、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム等の無毒性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩が包含される。更に上記塩には、本発明ペプチドと適当な有機酸乃至無機酸との反応による無毒性酸付加塩も包含される。代表的無毒性酸付加塩としては、例えば塩酸塩、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、硼酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、スルホン酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩及びナプシレート等を例示できる。
【0057】
本発明範囲にはまた、本発明ペプチドの薬学的有効量を活性成分とし、これを適当な無毒性医薬担体乃至希釈剤と共に含む医薬組成物乃至医薬製剤が含まれる。
【0058】
上記医薬組成物(医薬製剤)に利用できる医薬担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤乃至賦形剤を例示できる。これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用することができる。
【0059】
本発明医薬製剤の投与単位形態としては、各種形態が治療目的に応じて選択できる。その代表的なものとしては、錠剤、丸剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤等の固体投与形態や、溶液、懸濁剤、乳剤、シロップ、エリキシル等の液剤投与形態を例示できる。これらは更に投与経路に応じて経口剤、非経口剤、経鼻剤、経膣剤、坐剤、舌下剤、軟膏剤等に分類され、それぞれ通常の方法に従い、調合、成形乃至調製することができる。
【0060】
錠剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。
【0061】
更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或は二重錠乃至多層錠とすることができる。
【0062】
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0063】
カプセル剤は、常法に従い、通常有効成分を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調整される。
【0064】
経口投与用液体投与形態は、慣用される不活性希釈剤、例えば水、を含む医薬的に許容される溶液、エマルジョン、懸濁液、シロップ、エリキシル等を包含し、更に湿潤剤、乳剤、懸濁剤等の助剤を含ませることができ、これらは常法に従い調製される。
【0065】
非経口投与用の液体投与投与形態、例えば滅菌水性乃至非水性溶液、エマルジョン、懸濁液等への調製に際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びオリーブ油等の植物油等を使用でき、また注入可能なエステル類、例えばオレイン酸エチル等を配合できる。これらには更に通常の溶解補助剤、緩衝剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、分散剤等を添加することもできる。滅菌は、例えばバクテリア保留フィルターを通過させる濾過操作、殺菌剤の配合、照射処理及び加熱処理等により実施できる。また、これらは使用直前に滅菌水や適当な滅菌可能媒体に溶解することのできる滅菌固体組成物形態に調製することもできる。
【0066】
坐剤や膣投与用製剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン及び半合成グリセライド等を使用できる。
【0067】
ペースト、クリーム、ゲル等の軟膏剤の形態に成形するに際しては、希釈剤として、例えば白色ワセリン、パラフイン、グリセリン、セルロース誘導体、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト及びオリーブ油等の植物油等を使用できる。
【0068】
経鼻又は舌下投与用組成物は、周知の標準賦形剤を用いて、常法に従い調製することができる。
【0069】
尚、上記の如くして調製される薬剤中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品等を含有させることもできる。
【0070】
上記医薬製剤の投与方法は、特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独で又はブドウ糖やアミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直腸内投与され、経膣剤は膣内投与され、経鼻剤は鼻腔内投与され、舌下剤は口腔内投与され、軟膏剤は経皮的に局所投与される。
【0071】
上記医薬製剤中に含有されるべき有効成分の量及びその投与量は、特に限定されず、所望の治療効果、投与法、治療期間、患者の年齢、性別その他の条件等に応じて広範囲より適宜選択されるが、一般的には、投与量は、通常、1日当り体重1kg当り、約1〜10mg程度とするのがよく、該製剤は1日に1〜数回に分けて投与することができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、新規なヒトBNIP3L遺伝子が提供される。該遺伝子を用いれば、該遺伝子の各種組織での発現の検出や、その構造及び機能を解析でき、また、該遺伝子によりコードされるヒト蛋白の遺伝子工学的製造が可能となり、これらを利用して、その発現物を解析する等により、之等の関与する疾患、例えばアポトーシスに関連する各種疾患、特に癌、の病態解明や診断、治療等が可能となる。
【0073】
また、本発明によれば、各種癌細胞の成長抑制作用を有し、各種癌の疾患や病態の処置等に有用なペプチド及び該ペプチドを有効成分とする医薬も提供される。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、実施例を挙げる。
【0075】
【実施例1】
ヒトBNIP3L遺伝子(GEN−551D12遺伝子)
(1)ヒトBNIP3L遺伝子のクローニング及びDNAシークエンシング
ZAP−cDNA合成キット(ストラタジーン社製)を使用して、製品の使用指示書に従い、ヒト胎盤mRNAからcDNAライブラリーを構築した。選択したクローンの配列決定は、自動化DNAシークエンサー(ABI PRISMTM377、パーキンエルマー社製)及びALF DNAシークエンサー(ファルマシア社製)によって行なった。公知の配列との相同性を検索するために、FASTAプログラムを使用した(Person,W. R. and Lipman, D. J., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85, 1435-1441 (1988))。
【0076】
その結果、上記cDNAライブラリーより、ヒトBNIP3遺伝子と高い相同性を有する一つのクローンGEN−551D12を選択した。このクローンの1265塩基のcDNA挿入部は、219アミノ酸をコードする657ヌクレオチドのオープン・リーディング・フレームを含んでいた(GenBank accession No. AB004788)。
【0077】
GEN−551D12クローンの遺伝子配列とBNIP3のそれとを比較すると、該クローンのオープン・リーディング・フレームの配列によりコードされる遺伝子産物のコドン35−219番目に相当する配列(配列番号:1に示す35−219アミノ酸配列)と、BNIP3の同コドン17−196番目の配列は、65%同一であり、よく保存されていたが、上記遺伝子産物のN末端部分(配列番号:1に示す1−34アミノ酸配列部分)は、BNIP3のそれとはサイズ及びアミノ酸配列において異なっていた。上記一部領域(コドン35−219)における高い相同性があることから、本発明者らは上記遺伝子(上記クローン即ちGEN−551D12の有する遺伝子)を「BNIP3L遺伝子」と命名し、その発現蛋白を「BNIP3L蛋白」と命名した。
【0078】
PSORTプログラムによると、BNIP3L遺伝子によりコードされる188−208番目のアミノ酸残基は、膜貫通領域(Nakai, K. and Kanehisa, M., Genomics, 14, 897-911(1992))に相当していると推定できた。この推定膜貫通領域は、BNIP3とBNIP3L蛋白との間でよく保存されていた。
【0079】
(2)ノーザンブロット分析
ランダム・オリゴヌクレオチド・プライミング法によって標識したヒトcDNAクローンをプローブとして、正常ヒト組織における本発明遺伝子の発現を、ノーザンブロット分析により評価した。
【0080】
ノーザンブロット分析は、製品仕様書に従い、ヒトMTNブロット(Human Multiple Tissue Nothern blot ; クローンテック社製、パロ・アルト、カリフォルニア、米国)を用いて実施した。
【0081】
即ち、GEN−551D12クローンcDNAクローンを制限酵素EcoRIとXhoIで切断して得られたインサート部分のDNAを、〔32P〕−dCTP(ランダムプライムドDNAラベリングキット、ベーリンガーマンハイム社)により標識してプローブとした。
【0082】
ブロッティングは、6時間プレハイブリダイズ後、42℃で12時間、50%ホルムアミド/5×SSPE/10×デンハルツ溶液/2%SDS溶液(100μg/ml変性サケ精子DNA含有)の溶液中でハイブリダイズすることにより実施した。
【0083】
2×SSC/0.05%SDSにて室温下にて40分洗浄後、0.1×SSC/0.1%SDSにて50℃下に20分間で2回洗浄した。フィルターは−70℃下に12時間、X線フィルム(コダック社製)に対して露光した。
【0084】
その結果、BNIP3L遺伝子と命名した本発明遺伝子は、試験した16の正常ヒト組織(心臓(heart)、脳(brain)、胎盤(placenta)、肺(lung)、肝臓(liver)、骨格筋(skeletal muscle)、腎臓(kidney)、膵臓(pancreas)、脾臓(spleen)、胸腺(thymus)、前立腺(prostate)、精巣(testis)、卵巣(ovary)、小腸(small intestine)、大腸(colon)及び末梢血白血球(peripheral blood leukocyte))の全てにおいて発現していた。
【0085】
(3)FISH法によるコスミド・クローンと染色体の局在
BNIP3L遺伝子を含む染色体クローンを使用して、公知の方法(Inazawa, J., et al., Genomics, 17, 153-162 (1993))に従って、FISH法を実施した。
【0086】
即ち、別途合成したGEN−511D12cDNAクローンを、制限酵素EcoRI及びXhoIで切断して得られたインサート部分のDNAをプローブとして用いて、コスミド・ベクターpWEX15〔ストラタジェン社より入手〕に構築したヒト染色体のコスミド・ライブラリーを常法(Sambrook, J., et al., Molecular Cloning, 2nd Ed., pp.3.1-3.58, Cold Spring Harbor Laboratory Press. Cold Spring Harbor, New York(1989))に従ってスクリーニングした。
【0087】
その結果、2つの独立したコスミド・クローンを単離した。各コスミド・クローンをFISH試験のためのプローブとして用い、染色体の座位決定を、各染色体の標準Gバンドのパターンを比較することによって確認した。各コスミドによって試験された100の分裂中期の細胞標本で、特異的なシグナルを染色体バンド8上の短いアーム上に呈した。シグナル・ポジションは、Gバンドのパターンによって、8p21として決定された。他の染色体上に特異的なシグナルは検出できなかった。
【0088】
(4)コロニー形成アッセイ
本発明遺伝子は、(1)大腸、肺、前立腺、肝を含む多種の癌においてLOH(ヘテロ接合性消失、loss of heterozygosity)が検出されている染色体8p21にマップされ、そして(2)その遺伝子産物は、アポトーシスを抑制する蛋白であるBcl−2と相互作用するNip3に対して有意な類似性を示すことが明らかとなったので、以下、本発明BNIP3L遺伝子が細胞の増殖及び細胞死のいずれかに重要な役割を演じるかどうか調べるためにコロニー形成アッセイを行なった。
【0089】
a)使用癌細胞株
コロニー形成アッセイのために以下の癌細胞株を用いた。
【0090】
ヒト子宮頚癌細胞株D98/AH2から誘導されたD98HB2−4、D98HB2−9、D98V1及びD98V2(Benham, F.J. and Harris, H., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 76, 4016-4019 (1979) 、大腸癌細胞株SW480(ATCC No.CCL228:Leibovitz, A., et al., Cancer Res., 36, 4562-4569 (1976))及び神経膠芽腫瘍細胞株T98G(ATCC No.CRL1690:Stein, G.H., J. Cell Physiol., 99, 43-54 (1979))。
【0091】
D98HB2−4及びD98HB2−9は、高レベルのBcl−2を発現するために調製されたプラスミドで形質転換させた。D98V1及びD98V2は、低レベルのBcl−2を発現するために作成されたベクター・プラスミド(pUC-CAGGS, Niwa, H., Yamamura, K. and Miyazaki, J., Gene, 108, 193-200 (1991))で形質転換させた。
【0092】
尚、上記D98HB2−4、D98HB2−9、D98V1及びD98V2の各細胞は、大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター遺伝医学部門恵口豊助教授より分与を受けた。
【0093】
b)発現ベクターの構築
BNIP3L蛋白を発現するために調製されたプラスミドは、CMVプロモーターとハイグロマイシン(シグマ社製)抵抗性を与える遺伝子を有するpCEP4ベクター(インビトロゲン社製、サンディエゴ市、カルフォルニア州)の中にBNIP3LcDNAの全体のコード領域(657塩基)をクローニングすることによって構築した。
【0094】
センス鎖(pCEP4/BNIP3LSS)を発現するために調製したプラスミドとアンチセンス鎖(pCEP4/BNIP3LAS)を発現するために調製したアンチセンス・プラスミドの2つを構築した。アンチセンス・プラスミドは反対方向に同じ657塩基のBNIP3LcDNAを挿入することによって構築した。
【0095】
c)コロニー形成アッセイ
25cm2フラスコ(2×105細胞/フラスコ)に上記6種の癌細胞株の各々を播いて、24時間後にBNIP3LcDNAのセンス鎖を含むBNIP3L発現ベクター(pCEP4/BNIP3LSS)で形質転換させた。
【0096】
その方法は次の通りである。即ち、トランスフェクションの前日に各細胞株を2×105細胞/25cm2フラスコとなるように播種した。培地としては、D98HB2−4、D98HB2−9、D98V1及びD98V2の各細胞については、10%ウシ胎児血清(FBS)を添加したRPMI−1640培地(日研生物医学研究所)を使用した。SW480細胞については、10%FBS添加Leibovitz’L−15培地(ギブコBRL)を使用した。T98G細胞については10%FBSを添加した最小必須培地(MEM、ギブコBRL)を使用した。
【0097】
次いで、(1)OPTI−MEN(ギブコBRL)250μlにトランスフェクションするDNA5μgを混ぜたもの及び(2)OPTI−MEN250μlにTransItTM−LT1 25μgを混ぜたものの2つを用意し、両者を混和後、20分間放置した。各細胞(1.5mlの各培地、血清入り)に、上記(1)及び(2)の混合物を加え、6時間、37℃で培養した。6時間後、混合物の入った培地を新しい培地に代え、導入した遺伝子の発現を待つために24時間、37℃で培養を続けた。その後、1:8に希釈し、600μg/mlのハイグロマイシンの存在下に14日間培養した。
【0098】
2週間後にメタノールで固定後、ギムザ染色液でコロニー数を計数した。
【0099】
コントロールとして、pCEP4ベクターのみ、或はBNIP3LcDNAを逆方向にもったプラスミド(pCEP4/BNIP3LAS)で6つの細胞株の全てを形質転換させた。
【0100】
5μgのプラスミドDNAと25μgのTranslTM−LT1(パン・ベラ・コーポレーション社製)とを各形質転換に使用し、各形質転換は各々2回行なった。
【0101】
本発明遺伝子による形質転換体とコントロール(ベクターのみ)とを比較した各フラスコにおけるコロニー(各試験に対して80と200コロニー)のフラクション(%)を表1に示した。尚、表1中のコロニーの数(%)は2回の独立した試験の平均値を示している。
【0102】
【表1】
【0103】
上記試験の結果、表1に示されるように、ハイグロマイシン抵抗性クローンの数は、コントロールのベクターで形質転換した細胞やアンチセンスcDNAを発現するために調製されたプラスミドで形質転換された細胞より、センス鎖cDNAで形質転換されたD98HB2−9又はD98V2細胞を含むディシュにおいて有意に少なかった。これらの2つの細胞株を含む6つの癌細胞株におけるコロニー形成アッセイの結果は、表1に示すとおり、試験した細胞株の全てにおいて、アンチセンスcDNAやベクターのみを導入したものに較べて、センスcDNAを誘導したものが、コロニー数において劇的な減少を示すことを明らかにしている。即ち、センス鎖プラスミドで形質転換した形質転換体は、コントロールと比較すると7.0〜26.9%にコロニー数が低下していた。
【0104】
ボイドら(Boyd, J.M., et al., Cancer Res., 52, 5368-5372 (1992))は、アデノウィルス19kDaE1Bを「オトリ」として、酵母ツーハイブリッド・スクリーニング・システムを用いて、3つの蛋白(Nip1、Nip2、Nip3と命名)を単離したが、それらの間には有意な配列相同性は存在しなかった。しかし、イン・ビトロとイン・ビボでの結合アッセイによると、各Nip蛋白がE1B19kDa蛋白とBcl−2蛋白とに結合すると報告している。これらNip蛋白は細胞死を抑制することにおいて不完全であるE1B蛋白の変異体と結合していなかったので、Nip蛋白が細胞死を抑制する経路において重要な役割を演ずると考えられた。ボイドらの結果は、E1B19kDa或はBcl−2が、抗アポプティク活性において共同して働くかもしれないことを示唆した。
【0105】
しかしながら、それらの生理学的な機能は明瞭になっていないので、それらが、抗アポプティック活性に抑制的に作用し、ある種の成長抑制因子の代わりとして作用するかもしれない可能性は、排除することはできない。
【0106】
Bcl−2は、細胞死を抑制するメンバー(Bcl-2, Bcl-XL, Bcl-w, Mcl-1, A1)と細胞死を誘導するメンバー(Bax, Bak, Bcl-XS, Bad, Bid)からなるアポトーシス調節遺伝子産物の一員に属しているが、これらはお互いに二量体を形成し、細胞内にあるプロ・アポプティク蛋白と抗アポプティック蛋白との相対的な量で、細胞死に対するその感受性を決定する(Kroemer, G., Nature Med., 3, 614-620 (1997))と報告されている。またファミリーに属さない他のBcl−2結合蛋白も報告されている(Fernandez-Sarabia, M.J. and Bischoff, J. R., Nature, 366, 274-275 (1993); Wang, H. G., et al., Oncogene, 9, 2751-2756 (1994); Takayama, S., et al., Cell, 80, 279-284 (1995); Wang, H. G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 93, 7063-7068 (1996))。
【0107】
Nip蛋白の生理学的な役割は未だに不確かであり、抗アポプティク作用、或はアポトーシスを誘導する作用のどちらを有することができるのか、更にNip蛋白が、Bcl−2と相互作用した時、どのように機能するのかは、いまだ改名されていない。しかもヒトNip相同遺伝子については、未だ単離・解析されておらず、該遺伝子の解明が当業界で待ち望まれていた。
【0108】
本発明者らは、上記実施例に示されるようE1B関連蛋白の一つであるNip3に対して配列相同性を持つ一つの蛋白をコードする新規な遺伝子BNIP3Lのクローニングを行い、該BNIP3L遺伝子のcDNAの特定を行った。その結果、本発明遺伝子でコードされる推定アミノ酸配列を有するBNIP3L蛋白とNip3蛋白の両蛋白は、高く保存された推定上の膜貫通領域を含んでいることが判明した。全てのNip蛋白は核エンベロープ/小胞体に局在しており、Nip3もまたミトコンドリア膜に存在する(Boyd, J. M. , et al., Cell, 79, 341-351 (1994))。同様に、Bcl−2蛋白はミトコンドリア膜や核膜及び小胞体に局在している(Akao, Y., et al., Cancer Res., 54, 2468-2471 (1994))。またE1B19kD蛋白は、形質転換試験によって核エンベロープ/小包体領域で発現することが認められている(Boyd, J. M. , et al., Cell, 79, 341-351 (1994))。BNIP3L蛋白の細胞における局在部位は未だ決定されていないが、もしこの蛋白がBcl−2と関連するならば、膜に存在していると考えられる。
【0109】
FISHによって、本発明BNIP3L遺伝子が染色体8p21に局在することが判った。一方では、アレリック体の喪失が大腸、肺、前立腺、肝臓を含む各種組織の癌腫において検出されている(Emi, M., et al., Cancer Res., 52, 5368-5372 (1992); Emi, M., et al., Genes Chrom. Cancer, 7, 152-157 (1993); Bova, G. S., Cancer Res., 53, 3869-3873 (1993); Ohata, H., et al., Genes Chrom. Cancer, 7, 85-88 (1993); Fujiwara, Y., et al., Cancer Res., 53, 1172-1174 (1993); Fujiwara, Y., et al., Genes Chrom. Cancer, 10, 7-14 (1994); Macoska, J. A., et al., Cancer Res., 54, 3824-3830(1994))。
【0110】
更に上記実施例に示す、BNIP3L遺伝子を癌細胞中に導入して行なったコロニー形成アッセイの結果より、BNIP3L遺伝子産物の一時的な過剰発現が、癌細胞の有意な成長抑制を起すことが判明した。即ち、本発明のBNIP3L遺伝子の発現蛋白が持つ特徴として、癌細胞の細胞成長抑制作用が証明された。
【0111】
本発明によれば、ヒトNip3遺伝子(BNIP3遺伝子)と高い相同性を有する新規なヒトBNIP3L遺伝子が提供され、該遺伝子を用いれば、該遺伝子の各種組織での発現の検出や、BNIP3L蛋白の遺伝子工学的製造が可能となり、これらにより、アポトーシスの調製異常に関連した各種疾患の機能の解析や、これら関連する疾患の診断等を行なうことができ、またこれら疾患、特に癌の治療及び予防を行なうこともできる。
【0112】
【配列表】
【0113】
【0114】
【0115】
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gene useful as a guideline for prevention, diagnosis and treatment of human diseases, more specifically, a novel human gene having high homology with the human Nip3 gene, cDNA analysis of the gene, mapping to a cDNA chromosome, The present invention relates to a gene that can be used for genetic diagnosis using the gene and development of a new therapeutic method, for example, a therapeutic method for cancer by functional analysis of cDNA.
[0002]
[Prior art]
Based on the results of human gene analysis so far, development of pharmaceuticals such as various receptors such as insulin receptor and LDL receptor, those related to cell proliferation and differentiation, metabolic enzymes such as protease, ATPase, superoxide dismutase, etc. Many genes have been found that are considered to be useful materials. However, research on the analysis of human genes and the functions of these analyzed genes and the relationship between the analyzed genes and various diseases has only just begun, and there are many unclear points, further analysis of new genes, functions of the genes Elucidation of the gene, research on the relationship between the gene and disease, gene diagnosis based on the use of the gene, and application research of the gene and its expressed protein for pharmaceutical use are desired in the art.
[0003]
Nip3 is a molecule that suppresses cell death, adenovirus E1B19kD and human Bcl-2 protein (Boyd, J.M., et al., Cell,79341-351 (1994)), and is reported to be a cytoplasmic protein. The adenovirus E1B 19 kD protein has been reported to have the effect of preventing cell death induced by viral infection or external stimulation (Rao, L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,89, 7742-7746 (1992), Debbas, M. and White, E., Genes Dev.,7, 546-554 (1993)).
[0004]
In addition, the activity of the cellular proto-oncogene Bcl-2 expression protein is similar to the cell death inhibitory action demonstrated by E1B19kD (Tarodi, B., et al., Int. J. Oncol.,Three, 467-472 (1993); Huang, D.C.S, et al., Oncogene,14, 405-414 (1997)). The high level expression of each of these proteins suppresses apoptosis induced by growth factor deficiency, irradiation, glucocorticoids and various cytotoxic drugs. And these two cell death inhibitory proteins are functionally equivalent and appear to be indistinguishable in their ability to inhibit apoptosis (Huang, D.C.S, et al., Oncogene,14, 405-414 (1997)).
[0005]
Boyd et al. Have used a yeast two-hybrid screening method (Boyd, J.M., et al., Cell, to detect proteins that interact with E1B.79, 341-351 (1994)), as well as proteins that interact with 19 kD (Nip1, Nip2, and Nip3), as well as three cDNAs (BNIP1, BNIP2, and BNIP3) that encode related proteins. did. Boyd et al. Demonstrated a direct interaction between E1B and these proteins, and all three of them also interacted with several motifs in the Bcl-2 protein similar to the 19 kDa molecule of E1B. Indicated. This result suggests that both E1B19kD and Bcl-2 are different substances, but promote cell survival by interacting with a certain common cellular protein. The physiological role of Nip proteins is still unclear, but they are thought to have either an anti-apoptotic function or a function to induce apoptosis.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a new gene encoding a Nip homolog, that is, a human Nip homologous gene. If the new human Nip homologous gene can be provided, its expression level, structure and function in each cell can be analyzed, and analysis of the expression product is related to diseases involved, such as apoptosis including cancer. It will be possible to elucidate, diagnose, and treat the pathological condition.
[0007]
In addition, the present invention has a remarkable homology to the novel human gene, and is a series of genes recognized as a family of the gene due to the structural and commonality in gene expression patterns and the similarity of their biological functions. The aim is also to provide new related genes. If such a gene can be provided, it is also possible to provide a novel peptide having an amino acid sequence corresponding to a specific region encoded by the gene and a pharmaceutical comprising the peptide as an active ingredient.
[0008]
The inventors of the present invention have made extensive studies from the above-mentioned purpose, obtained the following knowledge, succeeded in cloning a novel gene BNIP3L encoding a desired Nip homologue, and introduced the gene into various cancer cells. Thus, they found that they have cancer cell growth inhibitory action.
[0009]
That is, the present inventors synthesized cDNA from mRNA extracted from human placenta tissue, built this into a vector, constructed a library, and formed E. coli colonies transformed with the library on an agar medium. The colonies were picked up at random, transferred to a 96-well microplate, and a large number of E. coli clones containing human genes were registered.
[0010]
After culturing a small amount of each registered clone, the DNA is extracted and purified, and an extension reaction that specifically stops four types of bases is performed by the deoxyterminator method using the extracted cDNA as a template. From the 5 ′ end of the gene by an automatic DNA sequencer About 400 base sequences were determined. The nucleotide sequence information thus obtained was searched for a novel gene having similarity to a known human Nip gene.
[0011]
The above cDNA analysis method has been described in detail by Fujiwara et al., One of the present inventors (Fujiwara Tsutomu, Cell Engineering,14, 645-654 (1995)). A candidate gene obtained by gene analysis can be roughly inferred from the similarity (homology) to a known human gene to determine what function the gene product, that is, a protein has. Furthermore, the candidate gene can be incorporated into an expression vector to produce a recombinant, and the functions such as enzyme activity and binding activity can be examined.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, the human BNIP3L gene comprising the base sequence encoding the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, and the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 encoding the amino acid sequence And a human BNIP3L gene characterized by being the base sequence represented by SEQ ID NO: 3.
[0013]
In the present specification, the abbreviations of amino acids, peptides, base sequences, nucleic acids and the like are defined by IUPAC, IUB [IUPAC-IUB Communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem.,138, 9 (1984)], “Guidelines for the preparation of specifications including base sequences or amino acid sequences” (edited by the JPO) and conventional symbols in the field. The term “peptide” used in the present specification is not limited to the number of constituent amino acids, and includes, for example, oligopeptides, polypeptides, and macropeptides or proteins.
[0014]
According to the use of the gene provided by the present invention, a peptide having an amino acid sequence encoded by the gene can be provided, and a medicament containing the peptide as an active ingredient, particularly various types resulting from the regulation of apoptosis. It is also possible to provide a medicament that can be used for treatment of diseases and pathological conditions such as cancer.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As a specific example of the gene of the present invention, a gene deduced from a DNA sequence possessed by a clone named “GEN-551D12” shown in Examples described later can be mentioned. The base sequence is as shown in SEQ ID NO: 3. The gene has an open reading frame of a nucleotide (nucleic acid) encoded by the amino acid shown in SEQ ID NO: 1, and as shown in Examples below, the BNIP3 gene product is an N-terminal protein and a size. Although different, it has high homology in some regions, and in particular, the transmembrane region is well conserved with BNIP3. Therefore, the inventors named this newly isolated gene as the BNIP3L gene. Hereinafter, the BNIP3L gene which is a human Nip homologous gene of the present invention may be referred to as “human BNIP3L gene”.
[0016]
The human BNIP3L gene is a Nip homologous human gene expressed in various tissues. A predicted protein consisting of a 219 amino acid peptide expressed by the gene contains a transmembrane region. Introduction of the gene cDNA into various cancer cells causes significant growth suppression of the cell, while introduction of antisense cDNA or vector DNA of the gene does not show such an effect. Considering such structural features, physiological activity, gene expression pattern, etc., the human BNIP3L gene of the present invention is considered to be a membrane protein production gene having an action as a tumor suppressor, which suppresses tumor cell growth. It is thought that they play an important role.
[0017]
The family gene of the human BNIP3L gene of the present invention can express a gene product having sequence homology to the human BNIP3L, which is the expression product of the gene of the present invention. A series of related genes that can be recognized as one gene family because they have similarities. The sequence homology generally means that about 50% or more of the entire amino acid sequence is the same.
[0018]
The gene of the present invention is, for example, a gene containing a base sequence encoding a protein consisting of the amino acid sequence shown in the specific example of SEQ ID NO: 1 or a polynucleotide containing all or part of the base sequence shown in SEQ ID NO: 2. It is illustrated as a gene. However, the present invention is not particularly limited thereto, and for example, it can be a gene having a certain modification in the specific amino acid sequence or a gene having a certain homology with the specific base sequence.
[0019]
That is, the gene of the present invention includes a gene comprising a base sequence encoding a protein comprising a modified amino acid sequence in which one or more amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 1. Also included. Here, the degree of “amino acid deletion, substitution or addition” and the position where the amino acid can be performed are as follows: the modified protein has the same function as the protein consisting of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 That is, it is not particularly limited on the premise that the tumor cell growth inhibitory activity is retained.
[0020]
The amino acid sequence alterations (mutations) may occur in nature, for example, by mutation or post-translational modification, but based on natural genes (for example, specific genes obtained according to the examples of the present invention). It can also be done artificially. The gene of the present invention includes all modified genes having the above characteristics regardless of the cause and means of such modification.
[0021]
Examples of the artificial alteration means include site-specific mutagenesis (Methods in Enzymology,154, 350, 367-382 (1987);100, 468 (1983); Nucleic Acids Res.,12, 9441 (1984); Biochemistry Experiment Course 1 “Gene Research Method II”, edited by the Japanese Biochemical Society, p105 (1986)], etc., chemical synthesis such as phosphate triester method and phosphate amidite method Means [J. Am. Chem. Soc.,89, 4801 (1967);91, 3350 (1969); Science,150, 178 (1968); Tetrahedron Lett.,twenty two, 1859 (1981);twenty four, 245 (1983)], and combinations thereof.
[0022]
In addition, the base sequence of a gene comprising a polynucleotide containing all or part of the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 exemplified as an embodiment of the gene of the present invention is the amino acid sequence (SEQ ID NO: 1). It is an example of one combination of codons encoding amino acid residues. The gene of the present invention is not limited to this combination, and it is of course possible to select arbitrary codons for each amino acid residue and to have various base sequences combining these. The selection of the codon can be in accordance with a conventional method, for example, the codon usage frequency of the host to be used can be considered [Ncleic Acids Res.,9, 43 (1981)].
[0023]
Further, the gene of the present invention is displayed as a base sequence of single-stranded DNA, for example, as shown in the specific example shown as SEQ ID NO: 3, but the present invention is a polynucleotide comprising a base sequence complementary to this base sequence. Naturally, it includes an tide and a component including both, and is not limited to DNA such as cDNA.
[0024]
In addition, as described above, the gene of the present invention also includes a gene comprising a nucleotide sequence having sequence homology with the nucleotide sequence shown in SEQ ID NO: 3. Such genes include, SuHybridizes with the DNA consisting of the base sequence represented by SEQ ID NO: 3 under a torrent condition; andWashingEven if it purifies, what does not detach | desorb from this can be mentioned.
[0025]
The gene of the present invention can be easily produced and obtained by general genetic engineering techniques based on the specific sequence information described in this specification [Molecular Cloning 2d Ed, Cold Spring Harbor Lab. Press (1989). ; See secondary biochemistry experiment course "gene research method I, II, III", Japan Biochemical Society (1986) etc.].
[0026]
Specifically, a cDNA library is prepared according to a conventional method from an appropriate source from which the gene of the present invention is expressed, and a desired clone is selected from the library using an appropriate probe or antibody specific to the gene of the present invention. Thus, the desired gene of the present invention can be obtained [for the method, see, for example, Proc. Natl. Acad. Sci., USA.,78, 6613 (1981); Science,222, 778 (1983) etc.].
[0027]
In the above, examples of the origin of cDNA include various cells and tissues that express the gene of the present invention, cultured cells derived from them, etc., and separation of total RNA from them, separation and purification of mRNA, acquisition of cDNA, Any of the cloning and the like can follow conventional methods. In addition, cDNA libraries are commercially available, and the gene of the present invention can be obtained using various commercially available cDNA libraries such as Clontech Lab. Inc.
[0028]
The method for screening the gene of the present invention from a cDNA library is not particularly limited, and can be performed according to a usual method. Specific methods include, for example, a method of selecting a corresponding cDNA clone by immunoscreening using a specific antibody against a protein produced by cDNA, plaque hybridization using a probe that selectively binds to a target DNA sequence, Examples include colony hybridization and combinations thereof.
[0029]
Here, as a probe, DNA or the like chemically synthesized based on information on the base sequence of the gene of the present invention can be generally used. Of course, the gene of the present invention itself or a fragment thereof already obtained can be used. You can also. In addition, sense primers and antisense primers set based on the base sequence information of the gene of the present invention can also be used as screening probes.
[0030]
In obtaining the gene of the present invention, the PCR method [Science,230, 1350 (1985)] can be suitably used. In particular, when it is difficult to obtain a full-length cDNA from a library, the RACE method [Rapid amplification of cDNA ends;12(6), 35 (1994)], especially 5'-RACE method [M.A. Frohman, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA.,8, 8998 (1988)] can be preferably employed. Primers used in the PCR method can be appropriately set based on the sequence information of the gene of the present invention, and can be synthesized according to a conventional method. In addition, isolation and purification of the amplified DNA / RNA fragment can be in accordance with the conventional method described above, for example, gel electrophoresis.
[0031]
The gene of the present invention and various DNA fragments obtained above can be obtained by conventional methods such as the dideoxy method [Proc. Natl. Acad. Sci., USA.,74, 5463 (1977)] and the Maxam-Gilbert method (Methods in Enzymology,65, 499 (1980)] etc., the base sequence can be determined more conveniently using a commercially available sequence kit or the like.
[0032]
The gene of the present invention obtained as described above can be used, for example, for detecting the expression of the gene of the present invention in an individual or various tissues, using part or all of the nucleotide sequence. Such detection is performed by a conventional method such as RT-PCR (Reverse transcribed-Polymerase chain reaction; ES Kawasaki, et al., Amplification of RNA.In PCR Protocol, A Guide to methods and applications, Academic Press, Inc., San Diego, 21. -27 (1991)], RNA amplification by Northern blotting analysis (Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Lab. (1989)), in situ RT-PCR [Nucl. Acids Res.,twenty one, 3159-3166 (1993)], in situ hybridization and other measurement methods at the cellular level, NASBA method [Nucleic acid sequence-based amplification, Nature,35091-92 (1991)], and any other known various methods can be carried out satisfactorily.
[0033]
The primer used in the PCR method is not limited as long as it can specifically amplify only the gene of the present invention, and the sequence can be appropriately set based on the sequence information of the gene of the present invention. Usually, the primer can have a partial sequence of about 20 to 30 nucleotides.
[0034]
Thus, the gene of the present invention also includes a DNA fragment that can be used as a specific primer and / or a specific probe for detecting the BNIP3L gene according to the present invention.
[0035]
In gene therapy or treatment using the gene of the present invention, not all of the gene of the present invention, that is, the gene consisting of the entire sequence is necessarily required. As long as the same function is maintained, the above-mentioned variant or a gene consisting of a partial sequence can be used.
[0036]
According to the use of the gene of the present invention (BNIP3L gene), the gene product (BNIP3L protein) or a peptide containing the gene product (BNIP3L protein) (hereinafter sometimes referred to as “the peptide of the present invention”) can be easily produced in large quantities by a general genetic engineering technique. It can be manufactured stably. According to the genetic engineering technique, a desired peptide of the present invention can be obtained by using a conventional gene recombination technique [for example, Science, using the human BNIP3L gene specifically shown in the Examples and its sequence information.224, 1431 (1984); Biochem. Biophys. Res. Comm.,130, 692 (1985); Proc. Natl. Acad. Sci., USA.,80, 5990 (1983) etc.] can be obtained as a recombinant protein.
[0037]
That is, the peptide of the present invention is produced by preparing a recombinant DNA capable of expressing a gene encoding a desired protein in a host cell, introducing it into the host cell, transforming it, and culturing the transformant. can do.
[0038]
Therefore, the present invention also provides a vector (expression vector) containing the BNIP3L gene, a host cell transformed with the vector, and a method for producing the peptide of the present invention (genetic engineering technique) by culturing the host cell. It is.
[0039]
Here, host cells include both eukaryotes and prokaryotes. The eukaryotic cells include vertebrate cells, yeast cells, and the like. Examples of the vertebrate cells include COS cells [Cell,twenty three, 175 (1981)] and Chinese hamster ovary cells and their dihydrofolate reductase-deficient strains [Proc. Natl. Acad. Sci., USA.,77, 4216 (1980)] are often used, but are not limited thereto.
[0040]
As a vertebrate expression vector, a vector having a promoter, an RNA splice site, a polyadenylation site, a transcription termination sequence, etc. that are usually located upstream of the gene to be expressed can be used. You may have. Examples of the expression vector include pSV2dhfr [Mol. Cell. Biol., 1, 854 (1981)] carrying the SV40 early promoter. As eukaryotic microorganisms, yeast is generally used, and among them, Saccharomyces yeasts can be advantageously used. Examples of expression vectors for eukaryotic microorganisms such as yeast include pAM82 [Proc. Natl. Acad. Sci., USA., Which has a promoter for the acid phosphatase gene.80, 1 (1983)]. A preferred example of an expression vector for the gene of the present invention is a prokaryotic gene fusion vector. Specific examples of the vector include a GST domain having a molecular weight of 26000 (S. japonicumPGEX-2TK, pGEX-4T-2, and the like having an origin).
[0041]
As a prokaryotic host, Escherichia coli and Bacillus subtilis are commonly used. When these are used as hosts, for example, a plasmid vector replicable in the host fungus is used, and a promoter and an SD (Shine and Dalgarno) base sequence upstream of the gene so that a desired gene can be expressed in the vector, Furthermore, it is preferable to use an expression plasmid provided with an initiation codon (for example, ATG) necessary for initiation of protein synthesis. As E. coli as the host, Escherichia coli (Escherichia coli) K12 strain and the like are often used, and as a vector, pBR322 and its improved vector are generally used, but not limited thereto, and various known strains and vectors can also be used. As the promoter, for example, tryptophan (trp) promoter, lpp promoter, lac promoter, PL / PR promoter and the like can be used.
[0042]
Various general methods can be adopted as a method for introducing the desired recombinant DNA thus obtained into a host cell and a transformation method thereby. The obtained transformant can be cultured according to a conventional method, and the target protein is produced and expressed by the culture. As the medium used for the culture, various media commonly used according to the employed host cells can be appropriately selected and used, and the culture can also be performed under conditions suitable for the growth of the host cells.
[0043]
As described above, the target recombinant protein is expressed, produced, accumulated, or secreted inside the cell of the transformant, outside the cell or on the cell membrane.
[0044]
The peptide of the present invention (recombinant protein) can be separated by various separation operations utilizing its physical properties, chemical properties, etc. ["Biochemical Data Book II", pages 1175-1259, first edition, first print, June 23, 1980 Published by Tokyo Chemical Co., Ltd .; Biochemistry,twenty five(25), 8274 (1986); Eur. J. Biochem.,163, 313 (1987) etc.]. Specific examples of the method include normal reconstitution treatment, treatment with a protein precipitating agent (salting out method), centrifugation, osmotic shock method, ultrasonic crushing, ultrafiltration, molecular sieve chromatography (gel filtration). And various liquid chromatography such as adsorption chromatography, ion exchange chromatography, affinity chromatography, high performance liquid chromatography (HPLC), dialysis method, and combinations thereof. A particularly preferred method is exemplified by affinity chromatography using a column to which a specific antibody of the peptide of the present invention is bound.
[0045]
In designing a desired gene encoding the peptide of the present invention, the human BNIP3L gene represented by SEQ ID NO: 2 can be used. Of course, the gene can be used by appropriately selecting and changing the codons indicating each amino acid residue as described above, if desired. In addition, in the case where the amino acid sequence encoded by the human BNIP3L gene contained in SEQ ID NO: 1 is altered by substitution, deletion, addition, etc., a part of the amino acid sequence or amino acid sequence, for example, cytospecific mutagenesis, etc. The various methods described above can be employed.
[0046]
The peptide of the present invention can also be produced by a general chemical synthesis method according to the amino acid sequence information. The method includes peptide synthesis methods by a normal liquid phase method and a solid phase method. More specifically, such a peptide synthesis method is based on the so-called stepwise elongation method in which each amino acid is sequentially linked one by one to extend the chain based on amino acid sequence information, and a fragment consisting of several amino acids is synthesized in advance. Then, the fragment condensation method in which each fragment is subjected to a coupling reaction is included, and the peptide of the present invention can be synthesized by any of them.
[0047]
The condensation reaction that can be employed in the peptide synthesis method can be according to a conventional method. Specifically, for example, azide method, mixed acid anhydride method, DCC method, active ester method, redox method, DPPA (diphenylphosphoryl azide) method, DCC + additive (1-hydroxybenzotriazole, N-hydroxysuccinamide, N-hydroxy-5-norbornene-2,3-dicarboximide etc.) method, Woodward method and the like.
[0048]
Solvents that can be used in each of these methods can also be appropriately selected from general solvents that are well known to be used in this kind of peptide condensation reaction. Examples thereof include dimethylformamide (DMF), dimethyl sulfoxide (DMSO), hexaphosphoroamide, dioxane, tetrahydrofuran (THF), ethyl acetate and the like, and mixed solvents thereof.
[0049]
In the peptide synthesis reaction, amino acids that are not involved in the reaction or carboxyl groups in the peptide are generally esterified, for example, lower alkyl esters such as methyl ester, ethyl ester, and tertiary butyl ester, such as benzyl ester, p- It can be protected as aralkyl esters such as methoxybenzyl ester and p-nitrobenzyl ester.
[0050]
An amino acid having a functional group in the side chain, for example, a hydroxyl group of a tyrosine residue may be protected with an acetyl group, a benzyl group, a benzyloxycarbonyl group, a tertiary butyl group or the like, but such protection is necessarily required. There is no.
[0051]
Further, for example, the guanidino group of the arginine residue may be a suitable nitro group, tosyl group, p-methoxybenzenesulfonyl group, methylene-2-sulfonyl group, benzyloxycarbonyl group, isobornyloxycarbonyl group, adamantyloxycarbonyl group, etc. Can be protected by various protecting groups.
[0052]
The deprotection reaction of these protective groups in the amino acids having the above-mentioned protective groups, peptides, and finally obtained peptides of the present invention is also carried out by conventional methods such as catalytic reduction, liquid ammonia / sodium, hydrogen fluoride, bromide. It can be carried out according to a method using hydrogen, hydrogen chloride, trifluoroacetic acid, acetic acid, formic acid, methanesulfonic acid or the like.
[0053]
The peptide of the present invention thus obtained can be appropriately purified by the various methods described above, for example, according to methods commonly used in the field of peptide chemistry such as ion exchange resin, distribution chromatography, gel chromatography, countercurrent distribution and the like. You can do it.
[0054]
The peptide of the present invention can also be used as an immunizing antigen for preparing a specific antibody of BNIP3L protein (included in the peptide of the present invention). By using the antigen, desired antiserum (polyclonal antibody) and monoclonal antibody can be obtained. The method for producing the antibody is well understood by those skilled in the art, and these conventional methods can be followed (see the Biochemistry Experiment Course “Immunobiochemistry Research Method”, edited by the Japanese Biochemical Society (1986), etc.). The antibody thus obtained can be advantageously used for purification of BNIP3L protein, measurement or identification of the protein by immunological techniques, and the like.
[0055]
The peptide of the present invention is also useful in the pharmaceutical field as a pharmaceutical comprising this as an active ingredient.
[0056]
The peptide of the present invention useful as the pharmaceutical also includes a pharmaceutically acceptable salt thereof. Such salts include non-toxic alkali metal salts, alkaline earth metal salts and ammonium salts such as sodium, potassium, lithium, calcium, magnesium, barium, ammonium, etc. prepared by well-known methods. Further, the above salts include non-toxic acid addition salts obtained by reacting the peptide of the present invention with a suitable organic acid or inorganic acid. Representative non-toxic acid addition salts include, for example, hydrochloride, hydrochloride, hydrobromide, sulfate, bisulfate, acetate, oxalate, valerate, oleate, laurate, Borate, benzoate, lactate, phosphate, p-toluenesulfonate (tosylate), citrate, maleate, fumarate, succinate, tartrate, sulfonate, glycolate , Maleate, ascorbate, benzenesulfonate, napsilate and the like.
[0057]
The scope of the present invention also includes a pharmaceutical composition or pharmaceutical preparation containing a pharmaceutically effective amount of the peptide of the present invention as an active ingredient and an appropriate non-toxic pharmaceutical carrier or diluent.
[0058]
As a pharmaceutical carrier that can be used in the above pharmaceutical composition (pharmaceutical preparation), a filler, a bulking agent, a binder, a moistening agent, a disintegrating agent, a surfactant, a lubricant, which are usually used according to the use form of the preparation, are used. Examples thereof include diluents and excipients such as agents. These can be appropriately selected and used depending on the dosage unit form of the resulting preparation.
[0059]
As the dosage unit form of the pharmaceutical preparation of the present invention, various forms can be selected according to the therapeutic purpose. Typical examples thereof include solid dosage forms such as tablets, pills, powders, powders, granules and capsules, and liquid dosage forms such as solutions, suspensions, emulsions, syrups and elixirs. These are further classified into oral preparations, parenteral preparations, nasal preparations, vaginal preparations, suppositories, sublingual preparations, ointments, etc., depending on the administration route, and can be prepared, molded or prepared according to usual methods. it can.
[0060]
In forming into a tablet form, for example, lactose, sucrose, sodium chloride, glucose, urea, starch, calcium carbonate, kaolin, crystalline cellulose, silicic acid, potassium phosphate and other excipients, water, ethanol, Propanol, simple syrup, glucose solution, starch solution, gelatin solution, binders such as carboxymethylcellulose, hydroxypropylcellulose, methylcellulose, polyvinylpyrrolidone, sodium carboxymethylcellulose, carboxymethylcellulose calcium, low-substituted hydroxypropylcellulose, dry starch, sodium alginate Disintegrants such as agar powder, laminaran powder, sodium bicarbonate, calcium carbonate, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, sodium lauryl sulfate, Surfactants such as monoglyceride phosphate, sucrose, stearin, cacao butter, disintegration inhibitors such as hydrogenated oil, quaternary ammonium base, absorption promoters such as sodium lauryl sulfate, humectants such as glycerin and starch, starch, Adsorbents such as lactose, kaolin, bentonite and colloidal silicic acid, lubricants such as purified talc, stearate, boric acid powder and polyethylene glycol can be used.
[0061]
Furthermore, the tablets can be made into tablets with ordinary coatings as required, for example, sugar-coated tablets, gelatin-encapsulated tablets, enteric-coated tablets, film-coated tablets, or double tablets or multilayer tablets.
[0062]
When forming into the form of a pill, as a formulation carrier, for example, excipients such as glucose, lactose, starch, cacao butter, hydrogenated vegetable oil, kaolin, talc, binders such as gum arabic powder, tragacanth powder, gelatin, ethanol, Disintegrants such as laminaran and agar can be used.
[0063]
Capsules are usually prepared by mixing the active ingredients with various preparation carriers exemplified above and filling them into hard gelatin capsules, soft capsules and the like according to conventional methods.
[0064]
Liquid dosage forms for oral administration include pharmaceutically acceptable solutions, emulsions, suspensions, syrups, elixirs, etc., containing conventional inert diluents such as water, as well as wetting agents, emulsions, suspensions. Auxiliaries such as suspending agents can be included and these are prepared according to conventional methods.
[0065]
When preparing liquid dosage forms for parenteral administration, such as sterile aqueous or non-aqueous solutions, emulsions, suspensions, etc., diluents such as water, ethyl alcohol, propylene glycol, polyethylene glycol, ethoxylated isostearyl alcohol Polyoxygenated isostearyl alcohol, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester and vegetable oil such as olive oil can be used, and injectable esters such as ethyl oleate can be blended. Furthermore, usual solubilizers, buffers, wetting agents, emulsifiers, suspending agents, preservatives, dispersing agents and the like can be added to these. Sterilization can be performed by, for example, filtration operation through a bacteria retention filter, blending of a bactericide, irradiation treatment, heat treatment, and the like. They can also be prepared in the form of sterile solid compositions that can be dissolved in sterile water or a suitable sterilizable medium immediately before use.
[0066]
When forming into a suppository or a preparation for vaginal administration, for example, polyethylene glycol, cacao butter, higher alcohol, esters of higher alcohol, gelatin, semi-synthetic glyceride and the like can be used as a preparation carrier.
[0067]
When forming into the form of an ointment such as paste, cream or gel, for example, white petrolatum, paraffin, glycerin, cellulose derivatives, propylene glycol, polyethylene glycol, vegetable oils such as silicon, bentonite and olive oil can be used as a diluent. .
[0068]
The composition for nasal or sublingual administration can be prepared according to a conventional method using a known standard excipient.
[0069]
In addition, in the chemical | medical agent prepared as mentioned above, a coloring agent, a preservative, a fragrance | flavor, a flavoring agent, a sweetening agent etc., other pharmaceuticals, etc. can also be contained.
[0070]
The administration method of the pharmaceutical preparation is not particularly limited, and is determined according to various preparation forms, patient age, sex and other conditions, the degree of disease, and the like. For example, tablets, pills, solutions, suspensions, emulsions, granules and capsules are administered orally, and injections are administered intravenously alone or mixed with normal fluids such as glucose and amino acids. Independently administered intramuscularly, intradermally, subcutaneously or intraperitoneally, suppositories are administered rectally, vaginal agents are administered intravaginally, nasal agents are administered intranasally, sublingual agents are administered orally, Ointments are topically administered transdermally.
[0071]
The amount of the active ingredient to be contained in the pharmaceutical preparation and the dose thereof are not particularly limited, and are appropriately selected from a wide range depending on the desired therapeutic effect, administration method, treatment period, patient age, sex, and other conditions. In general, the dosage is usually about 1 to 10 mg per kg of body weight per day, and the preparation can be administered once to several times a day. it can.
[0072]
【The invention's effect】
According to the present invention, a novel human BNIP3L gene is provided. By using this gene, it is possible to detect the expression of the gene in various tissues, analyze its structure and function, and to perform genetic engineering production of a human protein encoded by the gene. By analyzing the expression, etc., it becomes possible to elucidate the state of disease, diagnose, treat, etc. of the diseases involved, such as various diseases related to apoptosis, particularly cancer.
[0073]
In addition, according to the present invention, there are also provided a peptide having an inhibitory effect on the growth of various cancer cells and useful for treating various cancer diseases and pathological conditions, and a pharmaceutical comprising the peptide as an active ingredient.
[0074]
【Example】
Examples are given below to illustrate the present invention in more detail.
[0075]
[Example 1]
Human BNIP3L gene (GEN-551D12 gene)
(1) Cloning and DNA sequencing of human BNIP3L gene
Using a ZAP-cDNA synthesis kit (Stratagene), a cDNA library was constructed from human placental mRNA according to the instructions for use of the product. Selected clones were sequenced using an automated DNA sequencer (ABI PRISM)TM377, manufactured by Perkin Elmer) and an ALF DNA sequencer (produced by Pharmacia). The FASTA program was used to search for homology with known sequences (Person, W. R. and Lipman, D. J., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,85, 1435-1441 (1988)).
[0076]
As a result, one clone GEN-551D12 having a high homology with the human BNIP3 gene was selected from the cDNA library. The 1265 base cDNA insert of this clone contained a 657 nucleotide open reading frame encoding 219 amino acids (GenBank accession No. AB004788).
[0077]
When the gene sequence of the GEN-551D12 clone was compared with that of BNIP3, the sequence corresponding to the codons 35-219 of the gene product encoded by the open reading frame sequence of the clone (35- 219 amino acid sequence) and the BNIP3 codon 17-196th sequence were 65% identical and well conserved, but the N-terminal part of the gene product (1-34 amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 1) Part) differed in size and amino acid sequence from that of BNIP3. Since there is a high homology in the partial region (codons 35 to 219), the present inventors named the above gene (the clone or the gene possessed by GEN-551D12) as “BNIP3L gene” and expressed the expressed protein. It was named “BNIP3L protein”.
[0078]
According to the PSORT program, the amino acid residues 188-208 encoded by the BNIP3L gene are transmembrane regions (Nakai, K. and Kanehisa, M., Genomics,14, 897-911 (1992)). This putative transmembrane region was well conserved between BNIP3 and BNIP3L protein.
[0079]
(2) Northern blot analysis
Using a human cDNA clone labeled by the random oligonucleotide priming method as a probe, expression of the gene of the present invention in normal human tissues was evaluated by Northern blot analysis.
[0080]
Northern blot analysis was performed using a human MTN blot (Clontech, Palo Alto, California, USA) according to the product specifications.
[0081]
That is, the DNA of the insert part obtained by cleaving the GEN-551D12 clone cDNA clone with restriction enzymes EcoRI and XhoI, [32The probe was labeled with P] -dCTP (random primed DNA labeling kit, Boehringer Mannheim).
[0082]
Blotting is prehybridized for 6 hours and then hybridized in a solution of 50% formamide / 5 × SSPE / 10 × denharz solution / 2% SDS solution (containing 100 μg / ml denatured salmon sperm DNA) at 42 ° C. for 12 hours. Was carried out.
[0083]
After washing with 2 × SSC / 0.05% SDS at room temperature for 40 minutes, it was washed twice with 0.1 × SSC / 0.1% SDS at 50 ° C. for 20 minutes. The filter was exposed to X-ray film (manufactured by Kodak) at -70 ° C for 12 hours.
[0084]
As a result, the gene of the present invention, named BNIP3L gene, was tested in 16 normal human tissues (heart, brain, placenta, lung, liver, skeletal muscle). muscle), kidney, pancreas, spleen, thymus, prostate, testis, ovary, small intestine, colon and peripheral It was expressed in all blood leukocytes.
[0085]
(3) Cosmid clone and chromosome localization by FISH method
Using a chromosomal clone containing the BNIP3L gene, a known method (Inazawa, J., et al., Genomics,17, 153-162 (1993)).
[0086]
That is, the human chromosome constructed in the cosmid vector pWEX15 (obtained from Stratagen) was obtained by using, as a probe, the DNA of the insert portion obtained by cleaving a separately synthesized GEN-511D12 cDNA clone with restriction enzymes EcoRI and XhoI. The cosmid library was screened according to conventional methods (Sambrook, J., et al., Molecular Cloning, 2nd Ed., Pp.3.1-3.58, Cold Spring Harbor Laboratory Press. Cold Spring Harbor, New York (1989)).
[0087]
As a result, two independent cosmid clones were isolated. Each cosmid clone was used as a probe for the FISH test, and chromosomal locus determination was confirmed by comparing the standard G band pattern of each chromosome. In 100 metaphase cell specimens tested by each cosmid, a specific signal appeared on the short arm on chromosome band 8. The signal position was determined as 8p21 by the G band pattern. No specific signal could be detected on other chromosomes.
[0088]
(4) Colony formation assay
The gene of the present invention is (1) mapped to chromosome 8p21 in which LOH (loss of heterozygosity) is detected in various cancers including large intestine, lung, prostate and liver, and (2) its gene product Was found to show significant similarity to Nip3, which interacts with Bcl-2, a protein that suppresses apoptosis. Therefore, hereinafter, the BNIP3L gene of the present invention is either cell proliferation or cell death. A colony formation assay was performed to see if it plays an important role in
[0089]
a) Cancer cell line used
The following cancer cell lines were used for the colony formation assay:
[0090]
D98HB2-4, D98HB2-9, D98V1 and D98V2 derived from the human cervical cancer cell line D98 / AH2 (Benham, F.J. and Harris, H., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,76, 4016-4019 (1979), colon cancer cell line SW480 (ATCC No. CCL228: Leibovitz, A., et al., Cancer Res., 36, 4562-4569 (1976)) and glioblastoma cell line T98G ( ATCC No. CRL 1690: Stein, GH, J. Cell Physiol.,99, 43-54 (1979)).
[0091]
D98HB2-4 and D98HB2-9 were transformed with plasmids prepared to express high levels of Bcl-2. D98V1 and D98V2 are vector plasmids created to express low levels of Bcl-2 (pUC-CAGGS, Niwa, H., Yamamura, K. and Miyazaki, J., Gene,108, 193-200 (1991)).
[0092]
The cells D98HB2-4, D98HB2-9, D98V1 and D98V2 were distributed by Osaka University School of Medicine, Biomedical Education Research Center, Genetic Medicine Division, Assistant Professor Yutaka Eguchi.
[0093]
b) Construction of expression vector
The plasmid prepared to express the BNIP3L protein is the entire BNIP3L cDNA in a pCEP4 vector (Invitrogen, San Diego, Calif.) Having a CMV promoter and a gene that confer resistance to hygromycin (Sigma). The coding region (657 bases) of was constructed by cloning.
[0094]
Two plasmids were constructed: a plasmid prepared to express the sense strand (pCEP4 / BNIP3LSS) and an antisense plasmid prepared to express the antisense strand (pCEP4 / BNIP3LAS). The antisense plasmid was constructed by inserting the same 657 base BNIP3L cDNA in the opposite direction.
[0095]
c) Colony formation assay
25cm2Flask (2 × 10FiveCells / flask) were seeded with each of the above 6 types of cancer cell lines, and after 24 hours, transformed with a BNIP3L expression vector (pCEP4 / BNIP3LSS) containing the sense strand of BNIP3L cDNA.
[0096]
The method is as follows. That is, each cell line was 2 × 10 6 the day before transfection.FiveCell / 25cm2It seed | inoculated so that it might become a flask. As the medium, RPMI-1640 medium (Nikken Biomedical Research Institute) supplemented with 10% fetal bovine serum (FBS) was used for each cell of D98HB2-4, D98HB2-9, D98V1 and D98V2. For SW480 cells, Leibovitz'L-15 medium (Gibco BRL) supplemented with 10% FBS was used. For T98G cells, minimal essential medium (MEM, Gibco BRL) supplemented with 10% FBS was used.
[0097]
Next, (1) OPTI-MEN (Gibco BRL) 250 μl mixed with 5 μg of DNA to be transfected and (2) OPTI-MEN 250 μl with TransItTM-Two of LT1 mixed with 25 μg were prepared, and both were mixed and allowed to stand for 20 minutes. To each cell (with 1.5 ml of each medium and serum), the mixture of (1) and (2) was added and cultured at 37 ° C. for 6 hours. After 6 hours, the medium containing the mixture was replaced with fresh medium, and the culture was continued at 37 ° C. for 24 hours to wait for the expression of the introduced gene. Thereafter, the mixture was diluted 1: 8 and cultured for 14 days in the presence of 600 μg / ml hygromycin.
[0098]
Two weeks later, after fixing with methanol, the number of colonies was counted with Giemsa staining solution.
[0099]
As a control, all six cell lines were transformed with a pCEP4 vector alone or a plasmid (pCEP4 / BNIP3LAS) with BNIP3L cDNA in the reverse direction.
[0100]
5 μg plasmid DNA and 25 μg TranslTM-LT1 (manufactured by Pan Bella Corporation) was used for each transformation, and each transformation was performed twice.
[0101]
Table 1 shows the fraction (%) of colonies (80 and 200 colonies for each test) in each flask comparing the transformant of the gene of the present invention with the control (vector only). In addition, the number (%) of colonies in Table 1 shows the average value of two independent tests.
[0102]
[Table 1]
[0103]
As a result of the above test, as shown in Table 1, the number of hygromycin-resistant clones was higher than that of cells transformed with a control vector or cells transformed with a plasmid prepared to express antisense cDNA. , Significantly less in dishes containing D98HB2-9 or D98V2 cells transformed with sense strand cDNA. As shown in Table 1, the results of the colony formation assay in 6 cancer cell lines including these two cell lines are sensed as compared to those in which only antisense cDNA and vector were introduced in all tested cell lines. It has been clarified that those derived from cDNA show a dramatic decrease in the number of colonies. That is, the number of colonies of the transformant transformed with the sense strand plasmid was reduced to 7.0 to 26.9% as compared with the control.
[0104]
Boyd et al. (Boyd, J.M., et al., Cancer Res.,52, 5368-5372 (1992)) isolated three proteins (named Nip1, Nip2, and Nip3) using a yeast two-hybrid screening system with adenovirus 19 kDa E1B as “Otori”. There was no significant sequence homology. However, according to in vitro and in vivo binding assays, it is reported that each Nip protein binds to E1B19 kDa protein and Bcl-2 protein. Since these Nip proteins were not bound to a mutant of E1B protein that is incomplete in suppressing cell death, it was considered that Nip protein plays an important role in the pathway that suppresses cell death. The results of Boyd et al. Suggested that E1B19 kDa or Bcl-2 might work together in anti-apoptotic activity.
[0105]
However, their physiological function is not clear, so they exclude the possibility that they act in an inhibitory manner on anti-apoptotic activity and may act as a replacement for certain growth inhibitors. I can't.
[0106]
Bcl-2 is a member that suppresses cell death (Bcl-2, Bcl-XL, Bcl-w, Mcl-1, A1) and a member that induces cell death (Bax, Bak, Bcl-XS, Bad, Bid) Belonging to a group of apoptosis-regulating gene products, which form dimers with each other, and the relative amount of pro-apoptotic and anti-apoptotic proteins in the cell, their sensitivity to cell death (Kroemer, G., Nature Med.,Three614-620 (1997)). Other Bcl-2 binding proteins not belonging to the family have also been reported (Fernandez-Sarabia, M.J. and Bischoff, J.R., Nature,366, 274-275 (1993); Wang, H. G., et al., Oncogene,9, 2751-2756 (1994); Takayama, S., et al., Cell,80, 279-284 (1995); Wang, H. G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,93, 7063-7068 (1996)).
[0107]
The physiological role of Nip protein is still uncertain, whether it can have an anti-apoptotic action or an apoptosis-inducing action, and how Nip protein interacts with Bcl-2 It still has n’t been renamed. Moreover, the human Nip homologous gene has not yet been isolated and analyzed, and elucidation of the gene has been awaited in the art.
[0108]
The present inventors cloned a novel gene BNIP3L encoding one protein having sequence homology to Nip3, which is one of E1B-related proteins, as shown in the above Examples, and cDNA of the BNIP3L gene Was identified. As a result, it was found that both BNIP3L protein and Nip3 protein having the deduced amino acid sequence encoded by the gene of the present invention contain a highly conserved putative transmembrane region. All Nip proteins are localized in the nuclear envelope / endoplasmic reticulum, and Nip3 is also present in the mitochondrial membrane (Boyd, J. M., et al., Cell,79, 341-351 (1994)). Similarly, Bcl-2 protein is localized in the mitochondrial membrane, nuclear membrane and endoplasmic reticulum (Akao, Y., et al., Cancer Res.,54, 2468-2471 (1994)). The E1B19kD protein has also been found to be expressed in the nuclear envelope / packet region by transformation studies (Boyd, J. M., et al., Cell,79, 341-351 (1994)). The localization site of BNIP3L protein in cells has not been determined, but if this protein is related to Bcl-2, it is considered to be present in the membrane.
[0109]
It was found by FISH that the BNIP3L gene of the present invention was localized on chromosome 8p21. On the other hand, allelic loss has been detected in carcinomas of various tissues including the large intestine, lung, prostate, and liver (Emi, M., et al., Cancer Res.,52, 5368-5372 (1992); Emi, M., et al., Genes Chrom. Cancer,7, 152-157 (1993); Bova, G. S., Cancer Res.,53, 3869-3873 (1993); Ohata, H., et al., Genes Chrom. Cancer,7, 85-88 (1993); Fujiwara, Y., et al., Cancer Res.,53, 1172-1174 (1993); Fujiwara, Y., et al., Genes Chrom. Cancer,Ten, 7-14 (1994); Macoska, J. A., et al., Cancer Res.,54, 3824-3830 (1994)).
[0110]
Furthermore, from the results of the colony formation assay conducted by introducing the BNIP3L gene into cancer cells shown in the above examples, it was found that temporary overexpression of the BNIP3L gene product causes significant growth suppression of cancer cells. . That is, the cell growth inhibitory action of cancer cells was proved as a feature of the expression protein of the BNIP3L gene of the present invention.
[0111]
According to the present invention, a novel human BNIP3L gene having high homology with the human Nip3 gene (BNIP3 gene) is provided, and by using this gene, the expression of the gene in various tissues and the gene of BNIP3L protein can be detected. Engineering manufacturing is possible, and it is possible to analyze the function of various diseases related to abnormal preparation of apoptosis, diagnose these related diseases, etc., and treat and prevent these diseases, particularly cancer. You can also.
[0112]
[Sequence Listing]
[0113]
[0114]
[0115]
Claims (12)
(a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(b)配列番号:1で示されるアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換又は付加された改変されたアミノ酸配列からなり、且つ腫瘍細胞成長抑制活性を有する蛋白質。Genes encoding the following proteins (a) or (b):
(a) a protein comprising the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1,
(b) A protein comprising a modified amino acid sequence in which one or more amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, and having tumor cell growth inhibitory activity.
(a)配列番号:3で示される塩基配列からなるDNAおよびこれと相補的な塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号:3で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つ腫瘍細胞成長抑制活性を有する蛋白質をコードするDNA。A gene comprising the following DNA (a) or (b):
(a) DNA consisting of the base sequence represented by SEQ ID NO: 3 and DNA consisting of a base sequence complementary thereto,
(b) A DNA that hybridizes with the base sequence represented by SEQ ID NO: 3 under a stringent condition and encodes a protein having tumor cell growth inhibitory activity.
(a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(b)配列番号:1で示されるアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換又は付加された改変されたアミノ酸配列からなり、且つ腫瘍細胞成長抑制活性を有する蛋白質。A tumor cell growth inhibitor comprising the following protein (a) or (b) as an active ingredient:
(a) a protein comprising the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1,
(b) A protein comprising a modified amino acid sequence in which one or more amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, and having tumor cell growth inhibitory activity.
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