JP3900225B2 - フリクション巻軸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中心駆動軸と、この中心駆動軸の外周に嵌めた多数の巻取カラーとを備え、巻取カラーにより帯状シート巻取用の筒状の巻芯を保持することができ、巻取カラーを中心駆動軸により摩擦駆動することができるフリクション巻軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フリクション巻軸では、帯状シートの巻取張力が大きくなって巻取トルクが巻取カラーに伝達される回転力より大きくなろうとすると、その巻取カラーは中心駆動軸に対し個々にスリップして巻取張力が過大になるのを防ぐので、巻取中に巻取ロール相互間の巻取径に差が生じても、帯状シートの張力が過大になったり、帯状シートが弛んだりするのを防ぐことができる。そのため、フリクション巻軸は、プラスチックフィルム、紙、金属の薄板等の広幅帯状シートを複数の狭幅シートに分割しながら、分割された狭幅シートを一斉に巻き取るシート分割巻取装置で使用する。
【0003】
従来、上述のようなフリクション巻軸には、中心駆動軸上の各巻取カラーが、その外周に円周方向に間隔を保って底が傾斜した複数の傾斜溝と、各傾斜溝内に転動可能に脱落不能に収容した球体とからなる巻芯固定機構を備えているものがある。このフリクション巻軸では、巻芯と巻取カラーとが相対的に回転すると、球体が傾斜溝の底面上を浅部へ転動し、それと同時に球体の一部が傾斜溝から突出して巻芯の内周に係合し、それによって巻芯が巻取カラーに固定される。つまり巻芯固定機構は巻芯と巻取カラーとの相対回転により動作する(たとえば特許第2678482号公報参照)。
【0004】
また、巻芯と巻取カラーとが相対回転しなくても巻芯を巻取カラーに固定することができるフリクション巻軸として、バネで軸心長手方向の一方の方向に可動部材を押圧し、その可動部材の外周に形成した傾斜溝により、弾性リングでリング状につないだ爪部材を押し上げて直径方向に拡大させ、その拡大した爪部材で巻芯を把持し、巻芯を解放するとき、供給した圧縮空気で可動部材をバネの押圧力に抗して押し戻すことにより爪部材を縮小させる形式のチャック機構を巻取カラーに備えたものがある(たとえば特許第2515159号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のように巻芯を固定するための球体を備えたフリクション巻軸では、巻芯と巻取カラーとの相対回転力が無くなると、球体を傾斜溝の浅い部分へ移動させる力が失われるので、巻芯の保持が不安定な状態になる。そのため、たとえば巻取られた帯状シートの終端に別の帯状シートを継ぎ足してシートロールを完成させる場合には、帯状シートを接合するために巻取運転を一時停止しなければならず、そのとき、巻芯の端面と内周面の角に一部分しか係ってない球体がその巻芯の角に長手方向の力を作用させること等に起因して、巻芯が横ズレすることもあり得る。そして巻芯が横ズレした状態で巻取りを再開すればシートロールの端面が不揃いになる。
【0006】
また、上述のバネ、圧縮空気の力で爪部材を拡大、縮小させて巻芯を把持解放するフリクション巻軸では、バネ、圧縮空気の力で往復動する、爪部材を拡張収縮させるための可動部材、並びにその可動部材を外周側に保持する巻取カラーは、複雑な形状になるので、それをシールするのは非常に困難である。しかも爪部材は巻芯が巻取トルクによって空回りしないように保持する必要があるため、その把持力は大きいものでなければならず、可動部材を押すバネの力を強くする必要があり、そのバネの力や摺動面の摩擦力に抗して可動部材を押し戻す圧縮空気も圧力が比較的大きいものが必要である。したがって上述のバネ及び圧縮空気で爪部材を拡張収縮させるフリクション巻軸ではエア漏れが生じ易い。また加工が困難で組立にも手間がかかり高価になる。更にシール交換などの保守が非常に面倒になる。
【0007】
本発明は、上述のような問題点に鑑み、巻取カラーに備えた巻芯固定手段が巻取カラーと巻芯との相対回転により動作するフリクション巻軸であって、巻取停止中でも巻芯を横ズレしないように保持でき、しかも加工、組立及び保守が比較的容易なものを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中心駆動軸と、前記中心駆動軸の外周に回転可能に装着した多数の巻取カラーとを備え、前記中心駆動軸により前記巻取カラーを摩擦駆動することができ、しかも前記巻取カラーはその外周に嵌めたシート巻取用の筒状の巻芯と当該巻取カラーとの相対回転により動作して前記巻芯を当該巻取カラーに同心状に固定する巻芯固定機構を備える、フリクション巻軸であって、前記巻取カラー相互間に、前記中心駆動軸で回転可能に貫通し、かつ前記中心駆動軸の長手方向に拘束した横ズレ防止リングを備え、前記横ズレ防止リングは、その外周側に形成した陥没部と、前記巻芯内周に係合する係合部を有し、かつ前記係合部が進出後退できるように前記陥没部内に収容した爪部材と、上記係合部が進出するように前記爪部材を付勢するバネ装置と、前記爪部材の係合部を後退させるための、当該横ズレ防止リングの内周側から供給される圧縮空気で働く押し戻し装置と、当該横ズレ防止リングの内周側に装着した一対のリング状のシールとを備え、前記中心駆動軸は、前記一対のシールの間にそれぞれ圧縮空気を供給するため孔と、前記孔に通じる、長手方向に伸びた共通の通路を備えることを特徴とする。
【0009】
帯状シート巻取中、巻取カラーはそれと同心かつ一緒に回転するように巻芯を保持する。横ズレ防止リングの押し戻し装置は、巻芯、シートロールをフリクション巻軸に着脱するとき、爪部材の係合部を後退させるために働かせる。そして横ズレ防止リングの爪部材の係合部は、押し戻し装置が働いていないとき、バネ装置に付勢され、巻取カラーの外周に嵌めた巻芯の内周に押し付けられる。また横ズレ防止リングは中心駆動軸で回転可能に貫通しており、中心駆動軸の長手方向に拘束してある。それゆえ横ズレ防止リングは、巻芯を取り外したり取り付けたりするとき以外は巻芯を横ズレしないように保持すると共に、中心駆動軸により実質的に摩擦駆動されることがなく、巻芯の回転に従動する。したがって、巻取りを停止したとき巻取カラーに巻芯が固定されなくても、巻芯の横ズレを横ズレ防止リングによって防ぐことができる。そして横ズレ防止リングの爪部材が巻芯端に少ししか係らない状態でも横ズレ防止リングは巻芯と一緒に回転するため、爪部材がシート巻取中に巻芯の端部を削り取るのを防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施態様に係るフリクション巻軸の全体図、図2は図1におけるA−A矢示断面図、図3は図1に示すフリクション巻軸の要部を示す縦断面図、図4は図1におけるB−B矢示断面図である。
【0012】
図1において、フリクション巻軸は、中心駆動軸1と、中心駆動軸1の外周に回転可能に装着したリング状の多数の巻取カラー2とを備える。巻取カラー2は巻芯固定機構3を備え、この巻芯固定機構3は、巻取カラー2外周に嵌めた、帯状シートSをロール状に巻取るための筒状の巻芯Cを巻取カラー2に固定することができる。中心駆動軸1は、帯状シートの巻取時には軸受4と回転センタ装置5により両端部を支持され、図示しない回転駆動機構により回転駆動される。
【0013】
図2及び図3に示すように、中心駆動軸1は、中空部1aと、各巻取カラー2に対応するように設けた、外周側から中空部1aに通じる保持孔6と、中空部1a内に挿入した膨張収縮可能なチューブ7と、保持孔6に挿入した摩擦部材8とを備える。そして各巻取カラー2をそれぞれ一対の軸受9を介して支持しており、チューブ7の内部に圧縮空気を供給してチューブ7を膨張させ、このチューブ7で摩擦部材8を押し上げて摩擦部材8の上端を巻取カラー2の内周に押し付け、その摩擦部材8と巻取カラー2の内周との摩擦力に応じた回転力を中心駆動軸1から巻取カラー2へ伝達することができる。したがって中心駆動軸1は巻取カラー2を摩擦駆動することができる。
【0014】
巻芯固定機構3は、巻取カラー2の外周側の円周方向の6箇所に等間隔に配設され、外周面に対し接線方向に底面が傾斜した傾斜溝10と、各傾斜溝10にそれぞれ収容した球体11と、各球体11をが傾斜溝10から脱落しないよう、しかも相互間隔を維持して、傾斜溝10の底面に沿って深部10aから浅部10b方向へ、あるいはその逆方向へ転動できるように保持する保持リング12とからなる公知のもの(特許第2678482号公報参照)である。巻取カラー2上に嵌めた巻芯Cが巻取カラー2に対して図2の矢印の方向に回転すると、各球体11は、巻芯Cの内周との摩擦力により、互いの間隔を保った状態で傾斜溝10の浅部10bへ移動し、それぞれ保持リング12の外周から同じ量だけ突出する。したがって巻芯固定機構3は、巻取カラー2の外周に嵌めた巻芯Cと巻取カラー2との相対回転により動作して巻芯Cを巻取カラー2と同心に、かつ巻取カラー2と一緒に回転するように保持することができる。この巻芯固定機構3では、球体11を巻芯Cの内周に係合させるので、巻取中に巻芯Cの内周面や、巻芯Cの端面と内周面の角が削られず、紙粉が飛散するのを防ぐことができる。また必要に応じて球体11を、両端部に丸味をもつローラと替えてもよい。
【0015】
中心駆動軸1は、巻取カラー2の相互間隔を保つと共に各巻取カラー2の横ズレが累積するのを防ぐためのスペーサリング13を備えており、このスペーサリング13の端面は、その両側の巻取カラー2の軸受9の内輪側面に当接している。
【0016】
本発明では、隣り合う巻取カラー2の相互間に、中心駆動軸1で緩く貫通した横ズレ防止リング14を備える。この横ズレ防止リング14は、その幅をスペーサリング13の幅より僅かに狭くしてあり、両側の巻取カラー2の軸受9の外輪側面隣接している。したがって横ズレ防止リング14は中心駆動軸1の長手方向に拘束されており、中心駆動軸1に対して回転可能である。
【0017】
図4に示すように、横ズレ防止リング14は、その外周側の円周方向の4箇所に形成した陥没部15と、巻芯Cの内周に係合する係合部16aを有し、この係合部が16aが進出後退できるように陥没部15内に収容した爪部材16と、係合部16aが巻芯Cの内周に係合するように爪部材16を付勢するバネ装置17と、バネ装置17による付勢力に抗して係合部16aを後退させるための押し戻し装置18とを備える。
【0018】
爪部材16は、横ズレ防止リング14の円周方向に伸びており、横ズレ防止リング14にピン19で枢着してあり、係合部16aを一端側に有する。図4に示す係合部16aは確実に巻芯Cを保持するために突起を有しているが、必要に応じて平坦面としてもよい。バネ装置17は、横ズレ防止リング14の陥没部15に形成した穴20に収容した圧縮コイルバネ21と、圧縮コイルバネ21の上部に装着した、爪部材16に係合する金具22とからなり、爪部材16の係合部16a側を押し上げる。押し戻し装置18は、横ズレ防止リング14の幅を狭くするためにバネ装置17に対し横ズレ防止リング14の円周方向に間をおいて配置してあり、横ズレ防止リング14の陥没部15に形成した穴23に嵌めたピストン24からなる。そして横ズレ防止リング14の内周側から供給される圧縮空で働き、爪部材16の他の一端側を押し上げる。
【0019】
横ズレ防止リング14は、更に、図3に示すようにその内周側に装着したリング状の一対のシール25、25を備える。また中心駆動軸1は、一対のシール25、25の間にそれぞれ圧縮空気を供給するための、中空部1aに通じる孔26を、各横ズレ防止リング14に対応するように備える。また中心駆動軸1の一方の端部には、図1に示すようにチューブ7へ圧縮空気を導く導入孔27と、チューブ7の外周と中心駆動軸1の内周との隙間へ圧縮空気を導く導入孔28とが設けてあり、これらの導入孔27、28に、中心駆動軸1の一端に取り付けた回転継ぎ手29を通じて、それぞれ必要なときに圧縮空気を供給できるようにしてある。そして導入孔28に導入した圧縮空気は、チューブ7の外周と中心駆動軸1の内周との隙間30を通して各孔26へ供給される。そして隙間30に供給された圧縮空気が漏れないようにするために、摩擦部材8には、リング状シール31が装着してある。またスペーサリング13の内周と中心駆動軸1の外周との間には孔26を挟むようにシール32が配設してある。更に中心駆動軸1のもう一方の端部は塞いである。したがって、チューブ7の外周と中心駆動軸1の内周との間の隙間30は、各孔26にそれぞれ圧縮空気を供給するための圧縮空気の共通の通路となっている。
【0020】
図1に示すように、中心駆動軸1上の一連の巻取カラー2及び横ズレ防止リング14は、中心駆動軸1の大径部分1bの端面と、図示しない止めネジで中心駆動軸1の外周に固定した円筒体33の端面とで挟んで、中心駆動軸1の長手方向に拘束してある。
【0021】
図1に示すフリクション巻軸で帯状シートを巻取るには、フリクション巻軸を巻取位置から図1の左方へ移動させて回転センタ装置5と中心駆動軸1の先端との間を開けると共に、圧縮空気を回転継ぎ手29を経て導入孔28へ供給する。そうすると圧縮空気はチューブ7の外周と中心駆動軸1の内周との隙間30及び孔26を経て各横ズレ防止リング14の内周側の一対のシール25、25間に至り、図5に示すようにピストン24が働き、爪部材16の、係合部16aの反対側が押し上げられ、係合部16が陥没部15内へ後退する。その後、必要な巻芯Cを中心駆動軸1の先端から嵌め、フリクション巻軸上の所要位置につけ、導入孔28への圧縮空気の供給を停止する。そうすると、図3に示すように爪部材16は係合部16a側をバネ装置17により押し上げられ、係合部16aが巻芯Cの内周に係合して巻芯Cを横ズレ防止リング14上に横ズレしないように保持する。それと同時に、ピストン25は、ピン19を中心に揺動した爪部材16の、係合部16aの反対側で押し下げられる。
【0022】
その後、フリクション巻軸を図1に示すように巻取位置へ復帰させ、巻芯Cの外周に帯状シートSの先端を止め、中心駆動軸1を回転駆動すると共に、導入孔27よりチューブ7に所要圧力の圧縮空気を供給して摩擦部材8を巻取カラー2の内周に摩擦係合させる。そうすると、巻取カラー2は、中心駆動軸1で巻取カラー2を摩擦駆動され、帯状シートを止めた巻芯Cに対して回転し、それにより、図2に示すように、巻芯固定機構3の球体11が傾斜溝10の深部10aから浅部10bへ移動して巻取カラー2の外周から突出し、巻芯Cが巻取カラー2上に保持され、巻芯C巻取カラー2とが同心にかつ一緒に回転し、帯状シートはシート摩擦駆動力に応じた張力で巻芯Cのまわりに巻取られる。帯状シートの巻取中、横ズレ防止リング14は、爪部材16で巻芯Cを保持しているので巻芯Cと共に回転する。そして中心駆動軸1の長手方向に拘束されているので、巻取りが停止して巻芯固定機構3による巻芯Cの保持が不安定になっても、巻芯Cを横ズレしないように保持することができる。
【0023】
フリクション巻軸からシートロールRを取り外すには、再び、フリクション巻軸を図1の左方へ移動させて回転センタ装置5と中心駆動軸1の先端との間を開けると共に、圧縮空気を、中心駆動軸1の端部の導入孔28よりチューブ7の外周と中心駆動軸1の内周との間の隙間30及び孔26を経て各横ズレ防止リング14の内周側の一対のシール19、19間に供給する。
【0024】
本発明の実施の態様は必要に応じて多様に変わり得る。例えば、押し戻し装置としてのピストンを、ゴム等の弾力的素材からなり圧縮空気により膨張可能な袋状の膨張収縮体に替えてもよい。また巻取カラーは、特開昭61−12558号公報、特開昭61−211257号公報等に開示されるような、弾力的に膨張、収縮可能なリングを巻芯内周に係合させる巻芯固定機構を備えたものでもよい。また中心駆動軸は、膨張収縮可能なチューブにより押し上げられる摩擦部材に替え、特公昭63−33869号公報の第4図に示すように、上端を巻取カラーの内周に押し付けるピストンを備えたものでもよい。また一対のシールの間にそれぞれ圧縮空気を供給するため孔に通じる、長手方向に伸びた共通の通路は、中空軸の端部より形成した小さな孔でもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、巻取トルクによる巻芯の空回りを防ぐための巻取カラーと、巻芯の横ズレを防ぐための横ズレ防止リングを別々に備える。巻取カラーは巻取中に巻芯を円周方向及び長手方向に拘束し、横ズレ防止リングは、押し戻し装置を働かせない限り、バネで付勢された爪部材により巻芯を長手方向に拘束する。それゆえ、巻取りを一時停止したとき巻取カラーの巻芯固定機構による保持が不安定な状態になっても、巻芯は横ズレ防止リングにより横ズレしないように保持され、巻取りを再開したとき端面が不揃いになるのを防ぐことができる。更に、巻取停止中に巻芯を長手方向に移動させる横ズレ力は、通常ほとんど生じず、また生じたとしても小さいので、横ズレ防止リングによる巻芯の長手方向の拘束力は比較的小さくてもよい。それゆえ爪部材を付勢するバネは比較的力の弱いもので足り、爪部材をバネの力に抗して押し戻すための圧縮空気も高圧のものでなくてよい。また横ズレ防止リングは軸受を必要としないので中心駆動軸への装着が簡単である。また押し戻し装置として、構造が簡単で圧縮空気で動作する、エア漏れの極めて少ないピストン等を用いることができ、押し戻し装置を小型化できる。したがってエア漏れが極め少なく、加工、組立が比較的容易なフリクション巻軸を提供できる。そして巻取カラー及び横ズレ防止リングの個々の構造が簡単になるので、それぞれを小型化でき、巻取カラー及び横ズレ防止リングの取付ピッチや、中心駆動軸外周から横ズレ防止リングの外周までの高さ即ち横ズレ防止リングの厚みを比較的小さくすることもできる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、幅の狭い横ズレ防止リングを得ることができる。また爪部材を確実に保持することができる。更にピストンを動作させるための圧縮空気の通路を簡単に構成できるので加工が容易になり、エア漏れが非常に少なく動作が確実なフリクション巻軸を提供することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、圧縮空気を横ズレ防止リングへ供給するための通路の加工が簡単になる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、紙管のような機械的強度の弱い巻芯を用いたとき、球体又はローラは、巻芯端部に少ししか係らない状態にあっても巻芯端部内周を削り取ることがないので、爪部材を係合させて巻芯を拘束する従来の巻軸を用いた場合に生じる、巻取中に爪部材で巻芯管内周が削られ、その粉末が多量に飛散して巻取ロールの品質が低下するという不都合を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るフリクション巻軸の全体図である。
【図2】図1におけるA−A矢示断面図である。
【図3】図1におけるB−B矢示断面図である。
【図4】図1に示すフリクション巻軸の要部を示す縦断面図である。
【図5】横ズレ防止リングの押し上げ装置が動作した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
C 巻芯
1 中心駆動軸
2 巻取カラー
3 巻芯固定機構
7 チューブ
8 摩擦部材
10 傾斜溝
11 球体
12 保持リング
14 横ズレ防止リング
15 陥没部
16 爪部材
17 バネ装置
18 押し戻し装置
19 ピン
25 シール
26 孔
30 圧縮空気の共通の通路(隙間)
Claims (4)
- 中心駆動軸と、前記中心駆動軸の外周に回転可能に装着した多数の巻取カラーとを備え、前記中心駆動軸により前記巻取カラーを摩擦駆動することができ、しかも前記巻取カラーはその外周に嵌めたシート巻取用の筒状の巻芯と当該巻取カラーとの相対回転により動作して前記巻芯を当該巻取カラーに同心状に固定する巻芯固定機構を備える、フリクション巻軸であって、前記巻取カラー相互間に、前記中心駆動軸で回転可能に貫通し、かつ前記中心駆動軸の長手方向に拘束した横ズレ防止リングを備え、前記横ズレ防止リングは、その外周側に形成した陥没部と、前記巻芯内周に係合する係合部を有し、かつ前記係合部が進出後退できるように前記陥没部内に収容した爪部材と、上記係合部が進出するように前記爪部材を付勢するバネ装置と、前記爪部材の係合部を後退させるための、当該横ズレ防止リングの内周側から供給される圧縮空気で働く押し戻し装置と、当該横ズレ防止リングの内周側に装着した一対のリング状のシールとを備え、前記中心駆動軸は、前記一対のシールの相互間にそれぞれ圧縮空気を供給するため孔と、前記孔に通じる、長手方向に伸びた共通の通路を備えることを特徴とするフリクション巻軸。
- 前記爪部材は、前記横ズレ防止リングの円周方向に伸びており、横ズレ防止リングにピンで枢支してあり、かつ前記係合部を一端側に有し、前記バネ装置は前記爪部材の一端側を押し上げ、前記押し戻し装置は、前記爪部材の他の一端側を押し上げるピストンからなる請求項1記載のフリクション巻軸。
- 前記中心駆動軸は、中空部と、前記巻取カラーに対応して設けた、外周側から前記中空部に通じる案内孔と、前記中空部内に挿入した膨張収縮可能なチューブと、前記案内孔に挿入した摩擦部材とを備え、前記チューブの外周と前記中心駆動軸内周との隙間を前記圧縮空気の共通の通路とした請求項1記載のフリクション巻軸。
- 前記巻取カラーの巻芯固定機構は少なくとも3箇所に設けた傾斜溝にそれぞれ球体又は両端部に丸味をもつローラを備え、前記球体又はローラを巻芯内周に係合させる請求項1記載のフリクション巻軸。
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