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JP3999923B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、非晶質ケイ素膜を結晶化した結晶性ケイ素膜を活性領域として用いた素子を備えた半導体装置およびその製造方法に関し、特に絶縁表面を有する基板上に設けられた薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置,密着型イメージセンサー,三次元IC等の半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型で高解像度の液晶表示装置、高速で高解像度の密着型イメージセンサー、三次元IC等への実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上や絶縁膜上に高性能な素子を形成する試みがなされている。これらの装置に用いられる素子には、薄膜状のケイ素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状のケイ素半導体としては、非晶質ケイ素半導体(a−Si)からなるものと結晶性を有するケイ素半導体からなるものの2つに大別される。
【0003】
上記非晶質ケイ素半導体は、作製温度が低く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性に富むため、最も一般的に用いられているが、導電性等の物性が結晶性を有するケイ素半導体に比べて劣っているため、より高速特性を得るには、結晶性を有するケイ素半導体からなる半導体装置の作製方法の確立が強く求められている。なお、結晶性を有するケイ素半導体としては、多結晶ケイ素、微結晶ケイ素等が知られている。
【0004】
これら結晶性を有する薄膜状のケイ素半導体を得る方法としては、
(1) 成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する方法
(2) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、レーザー光のエネルギーにより結晶性を有する膜を形成する方法
(3) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、熱エネルギーを加えることにより結晶性を有する膜を形成する方法
等が知られている。しかしながら、(1)の方法では、成膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性ケイ素を得るにはケイ素膜の厚膜化が不可欠であり、良好な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡って均一に成膜することが技術上困難である。
【0005】
また、(2)の方法では、溶融固化過程の結晶化現象を利用するため、小粒径ながら粒界が良好に処理され、比較的高品質な結晶性ケイ素膜が得られるが、現在最も一般的に使用されているエキシマレーザーを例にとると、未だ十分な安定性のものが得られておらず、素子としての性能面でも十分ではない。
【0006】
また、(3)の方法は、(1),(2)の方法と比較すると、基板内の均一性,安定性において有利であるが、600℃で30時間程の長時間にわたる加熱処理が必要であり、処理時間が長く、スループットが低いという問題がある。また、この(3)の方法では、結晶構造が双晶構造となるため、一つの結晶粒は数μmと比較的大きいが、結晶粒内に多数の双晶欠陥を含み、上記(2)の方法に比べて結晶性は劣る。結晶性を向上させる手段としては、さらに1000℃程度で酸素雰囲気にて加熱処理を施すような手法も用いられているが、このときには安価なガラス基板が使用できるプロセスではなく、素子特性としてもTFTにおいて電界効果移動度100cm2/Vs程度の低い特性しか得られていない。
【0007】
これらの方法に対して、上記(3)の方法を改善し、高品質な結晶性ケイ素膜を得る方法が、
(i) 特開平10−199805号公報
(ii) 特開平10−200113号公報
で提案されている。この(i),(ii)の方法では、非晶質ケイ素膜の結晶化を助長する触媒元素を利用することで、加熱温度の低温化および処理時間の短縮化を図ると共に、結晶性の向上を図っている。具体的には、非晶質ケイ素膜の表面にニッケルやパラジウム等の金属元素を微量に導入した後に加熱することにより低温結晶化を行うものである。
【0008】
この低温結晶化のメカニズムは、まず金属元素を核とした結晶核発生が早期に起こり、その後その金属元素が触媒となって結晶成長を助長し、結晶化が急激に進行することで理解される。そういった意味で以後これらの金属元素を触媒元素と呼ぶ。これらの触媒元素により結晶化が助長されて結晶成長した結晶性ケイ素膜は、通常の固相成長法(上記(3)の方法)で結晶化した結晶性ケイ素膜の一つの粒内が双晶構造であり、多数の結晶欠陥を有しているのに対して、その粒内は何本もの柱状結晶ネットワークで構成されており、それぞれの柱状結晶内部はほぼ理想的な単結晶状態となっている。
【0009】
さらに、上記(i),(ii)の方法では、非晶質ケイ素膜の一部に選択的に触媒元素を導入して加熱することで、他の部分を非晶質ケイ素膜の状態として残したまま、選択的に触媒元素が導入された領域のみを結晶化し、さらに加熱時間を延長することで、その導入領域から横方向(基板と平行な方向)に結晶成長を行わせている。この横方向結晶成長領域の内部では、成長方向が略一方向に揃った柱状結晶がひしめき合っており、触媒元素が直接導入されてランダムに結晶核の発生が起こった領域に比べて、結晶性がさらに良好な領域となっている。よって、この横方向結晶成長領域の結晶性ケイ素膜を半導体装置の活性領域に用いることにより、素子の高性能化が行える。
【0010】
上記(i),(ii)の方法は、このときの非晶質ケイ素膜への触媒元素の選択的な導入方法に関し、その導入パターンに注目することで、横方向に結晶成長させる領域の成長方向をより一方向に近づけ、横方向に結晶成長させた領域の結晶性の向上を目指している。
【0011】
具体的に、上記(i)では、触媒元素導入領域を、素子サイズに比べて非常に長い線状とし、その線状領域をストライプ状態に並べるよう配置している。これにより、線状領域に導入された触媒元素は、その線状領域に対して垂直方向に結晶成長を起こし(すなわち、成長方向が四方八方へと発散せず)、その横方向に結晶成長した領域は、その結晶成長方向がほぼ一方向に揃った高品質な結晶性ケイ素膜となる。さらに2本の線状領域で挟まれた領域では、横方向の結晶成長が安定するため、この領域の結晶性ケイ素膜を用いて、半導体装置の活性領域を形成している。そして、素子の高性能化と作成プロセスの安定化とを図っている。
【0012】
また、上記(ii)も同様に、触媒元素の導入領域を線状として、横方向結晶成長領域における結晶成長の一方向性を強めるものであり、半導体装置の高性能化を目的としている。特に、上記(ii)では、素子領域と触媒元素の線状導入領域との位置関係を限定し、結晶成長の一方向性が良好な領域を用いて、半導体装置の活性領域を形成するようにしている。
【0013】
このように、触媒元素を選択的に導入することにより非晶質ケイ素膜を横方向に結晶化する方法は、加熱温度の低温化や加熱時間の短縮化が図れ、さらに結晶化後に得られるケイ素膜の結晶性は、他の結晶化方法に比べ明らかに優れている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に、上記(i),(ii)の技術を用いてTFTを作成した場合、一般的にばらつきが小さいと思われている固相成長技術を応用して作成されているにもかかわらず、素子特性のばらつきが比較的大きいことがわかってきた。特に、数十μm程度の間隔で隣接しているようなTFTの特性ばらつきが大きく、そのばらつきに関しては、ばらつきが問題となっているレーザー光を用い結晶化する場合と比べてもほぼ同程度であることがわかった。ただし、レーザー光を用いて結晶化する方法では、さらに基板内におけるマクロな基板内分布も加わるため、全体的に見るとばらつきはより大きい。
【0015】
このことは、ミクロ的に見て、数十μmのスケールでTFTのチャネル領域を構成する結晶性ケイ素膜の状態が大きく異なっていることを予感させる。本出願人は、結晶性ケイ素薄膜の最新の評価手法であるEBSP(Electron Backscattering Pattern)法を導入し、上記2つの(i),(ii)の技術を用いて作成された結晶性ケイ素膜に対して、結晶方位の二次元的なマッピングを行った。図9はその結果を示しており、触媒元素が導入された線状領域601に対して、その線状領域601で挟まれた横成長領域602は、線状領域601に対してほぼ垂直方向に向き、数十μm幅とサイズの結晶方位が大きく異なる複数の領域(以下、ドメインという)605が互いに隣接しあって構成されていることが初めて明らかとなった。この横成長領域602内の点線で分けられた各領域が、結晶方位が異なるドメイン605である。ここで、図9において、603は、横方向の結晶成長における成長方向であり、604は、隣り合う線状導入領域からそれぞれ結晶成長させた横成長領域がぶつかり合って形成された結晶成長の境界である。このように、触媒元素による横方向の結晶成長は、一様な結晶状態にはなってはおらず、結晶方位の異なる数十μm幅という大きなサイズの様々な柱状結晶(ドメイン605)群が互いに隣接しあっていることがわかった。また、その横方向の成長過程において、隣同士のドメイン605の競合が起こり、優勢なドメインがより幅を拡げて成長していっていることが判明した。
【0016】
実際のTFTにおけるチャネル領域のサイズは、小さなもので数μmから数十μmであり、これに比べて、上記の結晶方位がほぼ揃った領域(ドメイン605)の大きさは、数十μmとなっている。したがって、数十μmという近い距離で並んでいるTFTにおいて、それぞれのチャネル領域がどのドメインで構成されるか、ドメイン境界が含まれているかいないか等の違いが生じることになる。したがって、TFTのチャネル領域を構成する結晶性ケイ素膜の結晶状態が異なる。よって、上記(i),(ii)の技術を用いてTFTを作成した場合に現れる特性の大きなばらつきは当然の事であり、その主原因は、活性領域を構成する横方向結晶成長のケイ素膜における結晶方位の異なる柱状結晶(ドメイン)群のばらつきである。
【0017】
さらに、この横方向結晶成長領域におけるケイ素膜の結晶性をさらに向上させる手段として、以下の2つの方法が特に有効であることがわかっている。
【0018】
一つは、酸素等の酸化雰囲気において、結晶成長させた温度よりもより高い温度で熱処理を施し、ケイ素膜表面を酸化する方法であり、もう一つは、レーザー等の強光を照射する工程を追加する方法である。しかしながら、前者の熱処理を用いた方法では、結晶性ケイ素膜の面方位により、酸化レートが大きく異なるため、ドメインの結晶性の差をより助長する結果となり、ばらつきはさらに悪化する。また、後者の強光を用いた方法でも、アニール光源であるレーザー等の強光に対して、結晶性ケイ素膜の面方位により吸収効率が異なるため、これもドメインの結晶性の差をより助長する結果となり、ばらつきはさらに悪化する。したがって、上記(i),(ii)の技術では、素子の性能を上げるべく、上記のような結晶性を向上させる追加処理を行った場合、特性の平均値は向上するが、従来の素子間の特性差をより増大させ、ばらつきをより悪化させることになっていた。
【0019】
以上のように、結晶性ケイ素膜を活性領域とするTFT等を用いた半導体装置において、上記(i),(ii)の方法では、特性の高性能化と均一化を両立させることはできない。
【0020】
そこで、この発明の目的は、特性ばらつきが少なく、安定した特性を有する高性能な半導体装置を提供すると共に、大面積基板にも対応可能な高歩留りの安定した製造プロセスが可能な生産性の高い半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の半導体装置は、絶縁表面を有する基板上に形成された結晶性ケイ素膜を活性領域として用いた素子を備えた半導体装置であって、上記結晶性ケイ素膜は、非晶質ケイ素膜にその結晶成長を促進する触媒元素を選択的に導入して、上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させたものであり、上記素子の活性領域におけるチャネル領域は、上記チャネル領域内の一点を囲む外周部側から半径方向内向きにその一点に向かって結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成されていることを特徴としている。
【0022】
本出願人の実験により、非晶質ケイ素膜に触媒元素を選択的に導入して、横方向に略一次元的に結晶成長させた結晶性ケイ素膜は、一様な結晶状態ではなく、実は、様々な面方位のドメインが隣接した非常にばらつきの大きい状態であり、このドメインの違いが、半導体装置における特性ばらつきを生じさせる主原因であることがわかった。この結果をもとに、半導体装置の素子特性を均一化させる方法として、この発明の半導体装置では、TFT等の素子の活性領域(ソース/ドレン領域、チャネル領域)のうちの少なくとも素子の動きを司る領域であるチャネル領域を複数のドメイン(異なる面方位からなる柱状結晶群)で構成することで、それぞれの素子のチャネル領域における結晶状態、すなわちドメインの状態を均一化させ、結果として各素子間の特性を均一化するものである。結晶面から、横方向結晶成長した結晶性ケイ素膜のドメインを一様な面方位に形成するアプローチもあるが、現実的には非常に困難である。この発明の半導体装置は、触媒元素を用いて横方向に結晶成長させた結晶性ケイ素膜は、面方位の異なるドメインが隣接して構成されているのを前提として、結晶性ケイ素膜の均一性が良くなくても、素子間の特性ばらつきを大幅に低減できるという点で、非常に意味が大きい。
【0023】
【0024】
また、上記素子の活性領域のチャネル領域は、2以上の異なる方向より結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成されており、2つ以上の異なる結晶ドメインで素子のチャネル領域が構成されていることを意味し、それぞれの素子のチャネル領域における結晶状態が均一化され、結果として各素子間の特性が均一化された半導体装置となる。
【0025】
【0026】
【0027】
また、一実施形態の半導体装置は、上記チャネル領域の中央部に、上記複数の結晶成長領域がぶつかり合って収束していることを特徴としている。
【0028】
上記実施形態の半導体装置によれば、上記チャネル領域の中央部に、上記複数の結晶成長領域がぶつかり合って収束していることによって、それぞれの素子のチャネル領域は、複数の結晶ドメインで構成されるだけでなく、ほぼ同一の結晶状態が得られ、各素子間の特性をより効果的にかつ確実に均一化できる。
【0029】
上記いずれの半導体装置において、その活性領域(特にチャネル領域)は、触媒元素を用いて加熱処理で結晶化された高品質な結晶性ケイ素膜により構成されるものである。したがって、この発明により得られる半導体装置では、その活性領域に残留した触媒元素を幾分か含んでおり、それが、この発明の半導体装置を特定化できる根拠となる。この発明において利用できる触媒元素の種類としては、Ni、Co、Fe、Pd、Pt、Cu、Auが挙げられる。これらから選ばれた一種または複数種類の元素であれば、微量で結晶化助長の効果があり、比較的、半導体(結晶性ケイ素)中での不活性な傾向が強く、半導体装置における電気的な悪影響を抑えることができる。したがって、この発明の半導体装置では、これらの元素の内の何れかが、活性領域にある程度の量、含まれている訳である。
【0030】
また、一実施形態の半導体装置は、上記非晶質ケイ素膜の結晶化を促進する触媒元素がNiであることを特徴としている。
【0031】
上記実施形態の半導体装置によれば、触媒元素にNiを用いた場合に最も顕著な効果が得られることがわかっている。その理由については、次のようなモデルが考えられる。すなわち、触媒元素は単独では作用せず、ケイ素膜と結合してシリサイド化することで結晶成長に作用し、そのときの結晶構造が、非晶質ケイ素膜結晶化時に一種の鋳型のように作用して、非晶質ケイ素膜の結晶化を促すというモデルである。このモデルでは、1つのNiと2つのSiでNiSi2のシリサイドを形成する。このNiSi2は螢石型の結晶構造を示し、その結晶構造は、単結晶ケイ素のダイヤモンド構造と非常に類似したものである。しかも、NiSi2はその格子定数が5.406Åであり、結晶シリコンのダイヤモンド構造の格子定数5.430Åに非常に近い値をもつ。よって、NiSi2は、非晶質ケイ素膜を結晶化させるための鋳型としては最高のものであり、実際に得られる結晶性ケイ素膜の結晶性およびその結晶化促進の触媒効果を見ても、触媒元素としてNiが最も良いのは間違いない。したがって、この発明の半導体装置においては、Niを触媒元素として用い、その活性領域にNiがある程度の量残存していることが、この発明の効果を最も有効に引き出した結果および証拠となっている。
【0032】
また、一実施形態の半導体装置は、上記活性領域中におけるNiの濃度が1×1016〜5×1017atoms/cm3であることを特徴としている。
【0033】
上記実施形態の半導体装置によれば、上記活性領域中のNiの濃度が5×1017atoms/cm3を越えるような量であれば、ニッケルシリサイドとして活性領域(ケイ素膜)中に偏在する領域が多数現れだし、素子の特性に悪影響を及ぼすようになる。一方、Niの濃度が5×1017atoms/cm3以下の量では、Niは、ほとんどシリサイドとして析出はせず、ケイ素膜中に固溶し、また結晶欠陥に組み込まれているような状態になっていると考えられる。このような状態では、素子への悪影響は見られず、ニッケルシリサイドが析出し出したときに特性上の悪影響が見られる。また、逆に、活性領域中に残存するNiの濃度が1×1016atoms/cm3よりも少ないようでは、Niの触媒効果を用いて十分に結晶化されたとは考えられず、この発明の効果は得られない。例えば、結晶化後の後工程において、活性領域のニッケル量を低減するような方法を用いたとしても、触媒として十分な量のNiを導入して結晶成長させた場合、1×1016atoms/cm3以下の量にまで低下させることはできず、これ以上の量のNiが必ず残る。したがって、この発明の半導体装置においては、活性領域中に含まれているNiの濃度が、1×1016〜5×1017atoms/cm3であるときに、この発明の効果を最も引き出した状態となっている。
【0034】
また、この発明の半導体装置の製造方法は、絶縁表面を有する基板上に形成された結晶性ケイ素膜を活性領域として用いた素子を備えた半導体装置の製造方法であって、上記絶縁表面を有する基板上に非晶質ケイ素膜を形成する工程と、上記非晶質ケイ素膜の一部に、上記素子の活性領域となる領域を囲むように、その非晶質ケイ素膜結晶化を促進する触媒元素を選択的に導入する工程と、上記触媒元素を選択的に導入した後、加熱処理によって、上記触媒元素が導入された領域から上記触媒元素が導入されていない領域に上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させる工程と、上記加熱処理によって結晶化した結晶性ケイ素膜のうちの上記横方向に結晶成長させた領域に、少なくとも上記素子の活性領域におけるチャネル領域を配置するように、上記結晶性ケイ素膜をパターニングする工程とを有し、上記非晶質ケイ素膜の一部に上記触媒元素を選択的に導入する工程において、上記非晶質ケイ素膜上にマスクを設け、上記マスクに覆われていない上記非晶質ケイ素膜の領域に上記触媒元素を添加すると共に、上記マスクは正多角形形状または円形状であって、その正多角形形状または円形状のマスクの中心部が上記素子のチャネル領域となる領域内に配置され、上記素子の活性領域におけるチャネル領域は、上記チャネル領域内の上記マスクの中心部を囲む外周部側から半径方向内向きにその中心部に向かって結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成されることを特徴としている。
【0035】
上記半導体装置の製造方法によれば、上記絶縁表面を有する基板上に形成された非晶質ケイ素膜の一部に、素子の活性領域となる領域を囲むように、その結晶化を促進する触媒元素を選択的に導入する。そして、加熱処理を行って、非晶質ケイ素膜のうちの触媒元素が導入された領域から触媒元素が導入されていない領域に、上記基板の絶縁表面に沿って横方向(基板と平行)に結晶成長を行わせる。このときの触媒元素は、後の活性領域となる領域を囲むように選択的に導入される訳であるから、熱処理により、まず触媒元素が直接導入された領域が結晶化された後に、後に素子の活性領域となる領域に向かって、四方八方より横方向に結晶成長が進行する。そして、この触媒元素の導入領域に囲まれ、横方向に結晶成長した結晶性ケイ素膜を用いて、少なくとも素子の活性領域におけるチャネル領域を形成することによって、素子のチャネル領域は、複数のドメインにより構成されることになる。この半導体装置の製造方法では、従来と比較して、工程を増加させることなく、触媒元素が導入されるパターン形状を変更するだけであり、非常に簡便でかつ生産性が高く、素子の特性均一化にも非常に大きな効果がある。また、上記非晶質ケイ素膜への触媒元素を選択的に導入する手段としては、非晶質ケイ素膜の形成後に、非晶質ケイ素膜上に形成・加工されたマスクを設け、上記マスク上より触媒元素を添加することにより行う方法が有効である。すなわち、フォトリソ工程により加工されたマスクを用いることによって、導入パターンの形状および素子領域との位置関係を正確に制御することが可能となる。特に、この半導体装置の製造方法では、触媒元素の導入パターン形状と素子領域との位置関係が、従来以上に重要である。また、上記触媒元素を非晶質ケイ素膜に選択的に導入するときのマスクのパターン形状として、平面的に見て正多角形形状のマスクを形成し、そのマスクの外側の非晶質ケイ素膜の領域に触媒元素を導入して、正多角形形状の略中心部に素子のチャネル領域を配置することによって、正多角形形状の各辺からの成長ドメインがその正多角形形状の中心部の下側の領域 ( 素子のチャネル領域 ) へと向かって、均一に結晶成長する。さらに、上記触媒元素の選択導入マスクパターンとして、上記正多角形形状以外に円形が非常に有効である。すなわち、図8に示すように、触媒元素を非晶質ケイ素膜に選択的に導入するときのマスクのパターン形状として、平面的に見て円形状のマスク500を形成し、その外側の領域501に触媒元素を導入し、円形状の略中心部506に素子のチャネル領域507を配置することが望ましい。マスクパターンが円形の場合、正多角形形状のときのように各辺から内側に結晶成長し、隣り合う辺からそれぞれ結晶成長させた領域がぶつかり合うような成長境界は現れない。図8に示すように、その中心部506においてのみ円周部から内側 ( 503の方向 ) に結晶成長させた領域がぶつかり合った ( 収束した ) 境界部が見られる。なぜなら、マスクが円形の場合には、正多角形形状のときと決定的に異なる点として、結晶成長がぶつかり合うことでドメインが消滅していくのではなく、自然なドメインの競合が起こり、優勢な結晶ドメインのみが、その成長過程において生き残っていくのである。したがって、その中心部では、円周部より結晶成長させた異なる複数のドメインで構成されているだけではなく、結晶成長に優勢な方位のドメインがそれぞれ残るため、その結晶状態は、多角形形状のマスクを用いた場合に比べても、より均一性が高い。
【0036】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記マスクの中心部が上記素子のチャネル領域となる領域の中央部であり、上記触媒元素が導入された領域から生じる横方向の結晶成長は、上記素子のチャネル領域となる領域の中央部に向かって進み、上記チャネル領域の中央部において、異なる方向から結晶成長させた横方向の結晶成長領域がぶつかり合うように収束させたことを特徴としている。
【0037】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記触媒元素が導入された領域から生じる横方向への結晶成長を、後に形成する素子のチャネル領域となる領域中央部へと向かって進ませ、チャネル領域の中央部で異なる方向から結晶成長させた横方向の結晶成長領域がぶつかり合うように収束させることにより、それぞれの素子のチャネル領域は、複数の結晶ドメインで構成されるだけでなく、ほぼ同一の結晶状態が得られ、その結果、各素子間の特性をより効果的にかつ確実に均一化できる。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記正多角形形状のマスクの各辺側からそれぞれ上記マスクの中心部の下側に向かって結晶成長させた結晶成長領域がぶつかり合って収束することにより形成される境界部が、上記素子のチャネル領域となる領域内に含まれることを特徴としている。
【0043】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記正多角形形状のマスクの中心部では、正多角形形状の各辺よりそれぞれ内側(多角形の中心部)に向かって結晶成長させた結晶領域がぶつかり合って、少なくとも多角形の角数以上の異なるドメインが隣接しあう。このマスクの中心部の下側の領域に素子のチャネル領域を配置することで、そのチャネル領域は、確実に複数の結晶ドメインを含む。
【0044】
特に、この正多角形形状のマスクの中心点すなわち結晶成長の境界部が素子のチャネル領域内に含まれるように、この半導体装置を構成することで、素子のチャネル領域は、少なくとも正多角形の角数以上の異なる結晶ドメインにより構成されることになる。この半導体装置では、基板上のどの素子を見ても同じ状態となっており、このようにして形成された素子は、全て活性領域がほぼ同じ状態で構成され、素子間の特性ばらつきを大きく低減できる。これを図で説明すると、図6のようになり、多角形として六角形を用いた場合について示している。図6において、300はマスク、301は触媒元素の導入領域、302は横成長領域、303は結晶成長方向、304は横方向結晶成長のぶつかり合った成長境界、305は面方位の異なる柱状結晶(ドメイン)群、306は各辺からの結晶成長がぶつかり合って収束する中心点、307は素子のチャネル領域である。
【0045】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記マスクが正方形形状であることを特徴としている。
【0046】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記マスクが正方形形状であるので、素子レイアウト上、正方形が最もレイアウトが行いやすく、また、デッドスペースを最も小さくできるため、素子の高密度化、すなわち高集積化に有利となる。つまり、触媒元素が導入された領域は、非常に高濃度の触媒元素が残存しており、活性領域内に用いるのは避けた方がよいので、素子レイアウトにおけるデッドスペースとなっている。また、素子の平面形状は略矩形であるため、正方形のマスクの場合、各辺を合わせてスペースを詰めることができ、デッドスペースは最も小さくて済む。この正方形形状のマスクを用いた場合には、図7に示すように、マスク400の各4辺からのそれぞれ内側(正方形の中心部;403方向)に向かって結晶成長させた結晶領域402がぶつかり合って、中心点406が形成されるため、そこには少なくとも4つ以上の異なるドメイン405が隣接しあうことになる。その結果、素子のチャネル領域407は、最低4つの異なる結晶ドメインで構成されることになり、図6の六角形に比べるとチャネル領域内を構成するドメインの数は減少するのは確かである。しかしながら、これでも、従来(ドメインが1つまたは2つ)と比べると、素子の特性均一性は大きく向上し、その均一性は実用レベルに達している。
【0047】
【0048】
【0049】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記円形状のマスクの円周部より上記マスクの中心の下側領域に向かって結晶成長させた結晶成長領域がぶつかり合って収束することにより形成される境界部が、上記素子のチャネル領域となる領域内に含まれることを特徴としている。
【0050】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記円形状のマスクの中心点、すなわち、結晶成長の収束する点が、少なくとも素子のチャネル領域内に含まれるようにすることで、素子のチャネル領域は、複数の異なる結晶ドメインにより構成されるだけでなく、特に結晶成長に優勢な方位の結晶ドメインで構成されることになる。これは、基板上のどの素子を見ても同じ状態となっており、このようにして形成された素子は、全てのチャネル領域がほぼ同じ状態で構成され、素子間の特性ばらつきを特に小さく抑えることができる。
【0051】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させた結晶性ケイ素膜のうちの少なくとも上記素子のチャネル領域となる領域以外の領域に、5族Bから選ばれた元素を導入する工程と、上記5族Bから選ばれた元素を導入した後、加熱処理によって、上記5族Bから選ばれた元素が導入された上記結晶性ケイ素膜の領域に上記触媒元素を移動させる工程とを有することを特徴としている。
【0052】
触媒元素による非晶質ケイ素膜の結晶成長は、まず触媒元素と非晶質ケイ素とのシリサイド反応が起こり、シリサイドがその非晶質ケイ素膜の結晶成長を引き起こす。すなわち、結晶成長の先端には、常に触媒元素のシリサイドが存在しており、それが前方にある非晶質ケイ素を次々と結晶化していく訳である。最終的に横方向結晶成長がぶつかり合って収束することにより形成される成長境界というのは、その成長過程で常に先端に存在する触媒元素のシリサイドが吹きだまりとなり、非常に高濃度で存在している領域である。触媒元素は金属類を主としており、このような元素が半導体中に多量に存在していることは、これら半導体を用いた素子の信頼性や電気的安定性を阻害するものであり、決して好ましいことでない。特に、これらのシリサイドは、TFTにおいてオフ動作時のリーク電流が増大するという大きな問題を引き起こす。このような複数の結晶ドメインでチャネル領域を構成するため、チャネル領域に特に触媒元素が高濃度で局在している。このため、チャネル領域内において、成長境界に高濃度で局在している触媒元素を如何にして低減するかが大きな問題となる。
【0053】
これに対して、この半導体装置の製造方法では、触媒元素を非晶質ケイ素膜の結晶化処理に利用した後、そのケイ素膜中に残存する触媒元素の大部分を、素子形成領域以外の領域に移動させることで、この問題を解決している。具体的には、触媒元素による結晶化を行った後、結晶性ケイ素膜の少なくとも後に素子のチャネル領域となる領域以外の領域に、5族Bから選ばれた元素を導入し、加熱処理によって、結晶成長に使われ主に成長境界に残存する触媒元素を、上記5族Bから選ばれた元素が導入された領域に移動させることにより、結果として素子のチャネル領域中の触媒元素量を大きく低減することができる。この半導体装置の製造方法は、半導体特性に対して悪影響が大きいシリサイド状態の触媒元素に特に有効である。そして、5族B元素が導入され、触媒元素が集められた領域を除去して、最終的な素子の活性領域を形成すれば、基板上には触媒元素の高濃度領域は全く残らない。
【0054】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記5族Bから選ばれた元素を導入する工程において、上記非晶質ケイ素膜の一部に上記触媒元素を選択的に導入する工程で用いたマスクを用いることを特徴としている。
【0055】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、5族Bから選ばれた元素を導入するときのマスクとして、先の工程で上記触媒元素を選択的に導入するときに用いたマスクをそのまま用いれば、新たにマスクを加工・形成する必要もなく、工程が大きく増えることもない。したがって、簡便にかつ効率よく触媒元素量を低減することができる。
【0056】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記5族Bから選ばれた元素として、P,N,As,SbおよびBiのうちの少なくとも1つの元素を用いたことを特徴としている。
【0057】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記5族Bから選ばれた元素としては、P、N、As、Sb、Biから選ばれた少なくとも1つの元素を用いることができる。これらから選ばれた一種または複数種類の元素であれば、上記触媒元素を効率よく移動させることができ、十分な効果が得られる。このメカニズムに関しては、未だ詳しい知見は得られていないが、これらの元素の中でも、最も効果が高いのはPであることがわかっている。
【0058】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、触媒元素として、Ni,Co,Fe,Pd,Pt,CuおよびAuのうちの少なくとも1つの元素を用いたことを特徴としている。
【0059】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記触媒元素としてNi、Co、Fe、Pd、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類の元素であれば、微量で結晶化助長の効果があり、比較的、半導体(結晶性ケイ素)中での不活性な傾向が強く、半導体装置における電気的な悪影響を抑えることができる。そして、特に、これらの触媒元素の中でも、Niを用いた場合に最も顕著な効果が得られる。
【0060】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記結晶性ケイ素膜を用いて、上記結晶性ケイ素膜をパターニングして、上記素子の活性領域を形成する工程と、上記パターニングの工程の後、酸化雰囲気で加熱処理によって、上記活性領域表面を酸化させる工程とを有することを特徴としている。
【0061】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、触媒元素により結晶化されたケイ素膜の結晶性をより向上し、半導体装置の性能、特に電流駆動能力をより向上させる方法として、非晶質ケイ素膜を加熱処理により結晶化させ、素子の活性領域をパターニングした後、さらに酸化雰囲気での加熱処理を行い、上記活性領域表面を酸化する方法が有効である。この酸化処理を行うと、酸化作用により生じる過飽和Si原子がケイ素膜中へ供給され、これらが、ケイ素膜中の結晶欠陥(特に不対結合手;ダングリングボンド)に入り込み、欠陥を消滅させることができる。これにより、触媒元素により結晶化されたケイ素膜中の欠陥密度が大きく低減され、移動度が大幅に向上する。この結果、半導体装置の性能は飛躍的に向上する。特に、触媒元素により結晶成長させたケイ素膜は、柱状結晶のネットワーク構造で構成され、個々の柱状結晶内部は元々結晶性が良好なため、通常の固相成長のケイ素膜に比べて、この効果が極めて大きい。
【0062】
すなわち、通常の固相成長のケイ素膜では、双晶欠陥を多量に含んでいるため、かなりの酸化処理を行っても、十分な改善は果たせない。また、従来の触媒元素を用いた結晶成長法である特開平10−199805号公報や特開平10−200113号公報の技術に、この酸化による結晶性向上技術を適用した場合には、結晶性ケイ素膜の面方位により、酸化レートが大きく異なるため、ドメインの結晶性の差をより助長する結果となり、素子特性のばらつきは非常に大きくなる。
【0063】
この半導体装置の製造方法では、チャネル領域内に複数の異なる結晶ドメインを含むため、酸化レートが各結晶ドメインでばらつき、ドメイン間の結晶性の違いがより大きくなっても、個々の半導体装置におけるチャネル領域内のトータル的な結晶性はほぼ同様であり、特性ばらつきの増大を抑えることができる。これによって、初めて、この酸化による結晶性向上技術が実用となり、特性ばらつきが小さく、非常に高性能な半導体装置を実現できる。
【0064】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記結晶性ケイ素膜を用いて、上記結晶性ケイ素膜をパターニングして、上記素子の活性領域を形成する工程と、上記パターニングの工程の後、上記活性領域に強光を照射する工程とを有することを特徴としている。
【0065】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記の酸化方法以外に、この発明において、触媒元素により結晶化されたケイ素膜の結晶性をより向上し、半導体装置の性能、特に電流駆動能力をより向上させるもう一つの有効な方法として、非晶質ケイ素膜を加熱処理により結晶化させ、素子の活性領域をパターニングした後、その結晶性ケイ素膜に紫外レーザー光等の強光を照射し、その結晶性をさらに向上させる方法がある。結晶性ケイ素膜にレーザー等の強光を照射した場合、結晶性ケイ素膜と非晶質ケイ素膜との融点の相違から結晶粒界部や微小な残留非晶質領域(未結晶化領域)が集中的に処理される訳であるが、通常の固相成長法で形成した結晶性ケイ素膜では、結晶構造が双晶状態であるため、強光照射後も結晶粒内部は双晶欠陥として残る。それに比べ、触媒元素を導入して結晶化された結晶性ケイ素膜は、柱状結晶で形成されており、その内部は単結晶状態に近いため、強光の照射により結晶粒界部が処理され、非常に良質の結晶性ケイ素膜が得られる。また、元々結晶性ケイ素膜に対してレーザー照射を行うのであるから、非晶質ケイ素膜に直接レーザー照射し結晶化する方法とは異なり、レーザー照射のばらつきは大きく緩和され、均一性上の問題も生じない。
【0066】
しかしながら、従来の触媒元素を用いた結晶成長法である特開平10−199805号公報や特開平10−200113号公報の技術に、このレーザー等強光照射による結晶性向上技術を適用した場合には、アニール光源であるレーザー等の強光に対して、面方位により吸収効率が異なるため、ドメインの結晶性の差をより助長する結果となり、素子の特性ばらつきは非常に大きくなる。
【0067】
これに対してこの半導体装置の製造方法では、チャネル領域内に複数の異なる結晶ドメインを含むため、吸収効率が各結晶ドメインでばらつき、ドメイン間の結晶性の違いがより大きくなっても、個々の素子におけるチャネル領域内のトータル的な結晶性はほぼ同様であり、特性ばらつきの増大を抑えることができる。これによって、初めて、このレーザー等強光による結晶性向上技術が実用となり、特性ばらつきが小さく、非常に高性能な半導体装置を実現できる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の半導体装置およびその製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0069】
(第1実施形態)
この発明の第1実施形態の半導体装置では、ガラス基板上にN型TFTを作製するときの工程について説明を行う。なお、このN型TFTはアクティブマトリクス型の液晶表示装置のドライバー回路や画素部分は勿論のこと、薄膜集積回路を構成する素子としても利用することができる。この第1実施形態では、それらの代表として、基板上に数十万から数百万のN型TFTを特に均一に作製する必要がある液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の画素駆動用TFTについて説明する。
【0070】
図1(A)〜(C),図2(A),(B)はこの第1実施形態で説明するアクティブマトリクス基板上のTFTの作製工程の概要を示す平面図である。実際には、アクティブマトリクス基板は数十万個以上のTFTによる構成されるが、この第1実施形態では、3行×4列の12個のTFTに簡略化して説明する。
【0071】
また、図3(A)〜(F)は、図1における任意の1つのTFTにおけるIII−III線から見た断面図であり、図3(A)〜(F)の順にしたがって作製工程が順次進行する。
【0072】
まず、図3(A)に示すように、ガラス基板101上に例えばスパッタリング法によって厚さ300〜500nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜102を形成する。この酸化ケイ素膜からなる下地膜102は、ガラス基板からの不純物の拡散を防ぐために設ける。次に、プラズマCVD法または減圧CVD法によって、厚さ20〜80nm(例えば35nm)の真性(I型)の非晶質ケイ素膜(a−Si膜)103を成膜する。この第1実施形態では、平行平板式のプラズマCVD装置を用い、加熱温度を300℃とし、SiH4ガスとH2ガスを材料ガスに用い、RFパワーのパワー密度を10〜200mW/cm2(例えば80mW/cm2)とした。次に、a−Si膜103上に酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜等の絶縁性薄膜を堆積し、フォトリソ工程によりパターニングしてマスク104を形成する。この第1実施形態においては、マスク104の形成は、酸化ケイ素膜を用い、TEOS(Tetra Ethoxy ortho Silicate)を原料とし、酸素とともにRFプラズマCVD法で分解・堆積した。このマスク104の厚さは、100nm〜400nmであることが望ましく、この第1実施形態では、上記酸化ケイ素膜の厚さを150nmとした。また、マスク104のパターン形状は、図1(A)に示す略円形とした。図1(A)からわかるように、後に作成される12個のTFT(図2(B)に示す)に対して、マスク104がそれぞれ12個設けられる。マスク104で覆われていない領域においてa−Si膜103が露呈している。
【0073】
次に、a−Si膜103およびマスク膜104表面にニッケル105の微量添加を行う。このニッケル105の微量添加は、ニッケルを溶かした溶液をa−Si膜103,マスク104上に保持し、スピナーにより溶液をガラス基板101上に均一に延ばし乾燥させることにより行った。この第1実施形態では、溶質としては酢酸ニッケルを用い、溶媒としてはエタノールを用い、溶液中のニッケル濃度を3ppmとした。このようにして添加されたa−Si膜103およびマスク104表面上のニッケル濃度を全反射蛍光X線分析(TRXRF)法により測定すると、2×1013atoms/cm2程度であった。
【0074】
そして、この状態でこの基板を不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)下で、加熱温度530〜600℃(例えば570℃)で4時間アニールすることによりa−Si膜103を結晶化させる。このとき、マスク104の外側(直接ニッケルが添加された領域)のa−Si膜103においては、a−Si膜103表面に存在するニッケル105を核としてa−Si膜103の結晶化が起こり、結晶性ケイ素膜103aがまず形成される。そして、引き続いてマスク104下の領域では、図1(A)および図3(B)において、矢印106で示すようにマスク104の中心に向かって、先に結晶化されたケイ素膜領域103aから横方向(基板と平行な方向)に結晶成長が行われる。そして、最終的に、矢印106の方向の横方向結晶成長は、マスク104の中心部に収束し、マスク104下は横方向結晶成長領域である結晶性ケイ素膜103bで埋め尽くされ、横方向結晶成長が収束したところには、結晶成長境界(収束点103c)が形成される。このとき、マスク104上に存在するニッケル105は、マスク104に阻まれ、マスク104の下層のa−Si膜へは到達せず、直接ニッケルが添加された領域において導入されたニッケル105のみによりa−Si膜103の結晶化が行われる。
【0075】
次に、図3(C)に示すように、基板101上方よりリン107を全面にイオンドーピングする。このときのリン107のドーピング条件としては、加速電圧を5〜10kVとし、ビーズ量を5×1015〜1×1016cm-2とした。この工程により、露呈している領域の結晶性ケイ素膜103a(図3(B)に示す)にリンを注入して、リンドープされた結晶性ケイ素領域103Aを形成する。一方、マスク104によって覆われている領域の結晶性ケイ素膜103b(図3(B)に示す)には、リンはドーピングされない。平面的には、図1(B)において斜線で示された部分の結晶性ケイ素領域103Aにリン107がドーピングされる。
【0076】
そして、この状態で、この基板を不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)下にて500〜700℃の温度で数時間から数十時間の加熱処理を施す。この第1実施形態では、一例として600℃にて6時間の処理を行った。この加熱処理において、結晶性ケイ素領域103Aにドーピングされたリン107がその結晶性ケイ素領域103Aに存在するニッケルをまずトラップする。そして、図1(B),図3(C)に示すように、さらにマスク104下の結晶性ケイ素膜103b、特に結晶成長境界の収束点103cに存在しているニッケル105を矢印108に示す方向(すなわち先の結晶成長時の106と逆方向)に、回りの結晶性ケイ素領域103Aへと引き出す。その結果、マスク104下の結晶性ケイ素膜103b領域におけるニッケル濃度は大きく低減する。このときの実際の結晶性ケイ素膜103b中のニッケル濃度を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定したところ、5×1016atoms/cm3程度にまで低減された。なお、上記加熱処理によりニッケル濃度を低減する工程前の結晶性ケイ素膜103bの膜中ニッケル濃度は、5×1017〜1×1018atoms/cm3程度であった。
【0077】
次に、マスクとして用いた酸化ケイ素膜のマスク104をエッチング除去する。エッチャントとしては、下層のケイ素膜103と十分に選択性のある1:10バッファードフッ酸(BHF)を用い、ウェットエッチングにより行った。
【0078】
その後、マスク104に覆われていた領域の結晶性ケイ素膜103bを用い、その他の不要な部分のケイ素膜を除去して素子間分離を行う。すなわち、上記工程により、図1(C)に示すような配置で、ケイ素膜103bの領域を用いて、後にTFTの活性領域(ソース/ドレイン領域、チャネル領域)となる島状の結晶性ケイ素膜109を形成する。このとき、島状の結晶性ケイ素膜109内の最終的にチャネル領域となる領域に、結晶成長の収束点103c(図3(B),(C)に示す)が含まれるように、島状の結晶性ケイ素膜109を配置している。このようにして、図2(B)および図3(D)の状態が得られる。
【0079】
次に、図3(D)に示すように、レーザー光110を照射することで活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜109の結晶性をさらに向上させる。このときのレーザー光としては、XeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用いた。レーザー光の照射条件は、照射時に基板を200〜450℃(例えば400℃)に加熱し、エネルギー密度250〜450mJ/cm2(例えば350mJ/cm2)で照射した。また、レーザー光のビームサイズは、基板101表面で150mm×1mmの長尺形状となるように成型されており、長手方向に対して垂直方向に0.05mmのステップ幅で順次走査を行う。これにより、島状の結晶性ケイ素膜109の任意の一点において、計20回のレーザー照射が行われることになる。
【0080】
次に、図3(E)に示すように、上記活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜109を覆うように厚さ20〜150nm(例えば100nm)の酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜111として成膜する。ここで、酸化ケイ素膜の形成には、TEOS(Tetra Ethoxy ortho Silicate)を原料とし、酸素とともに基板温度150〜600℃(好ましくは300〜450℃)で、RFプラズマCVD法で分解・堆積する。また、TEOSを原料としてオゾンガスとともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度を350〜600℃(好ましくは400〜550℃)として形成してもよい。そして、酸化ケイ素膜の成膜後、ゲート絶縁膜自身のバルク特性および結晶性ケイ素膜/ゲート絶縁膜の界面特性を向上するために、不活性ガス雰囲気下で400〜600℃で1〜4時間のアニールを行う。
【0081】
引き続いて、スパッタリング法によって、厚さ400〜800nm(例えば600nm)のアルミニウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニングして、ゲート電極113を形成する。さらに、このアルミニウムのゲート電極113の表面を陽極酸化して、表面に酸化物層114を形成する。この状態が図3(E)に相当する。上記ゲート電極113は、平面的にはゲートバスラインを同時構成しており、この状態を平面的に見ると、図2(A)に示すような状態となっている。このときの陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液中で行い、最初一定電流で220Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させる。そうして得られた酸化物層114の厚さは200nmである。なお、この酸化物層114は、後のイオンドーピング工程において、オフセットゲート領域を形成する厚さとなるので、オフセットゲート領域の長さを上記陽極酸化工程で決めることができる。
【0082】
次に、イオンドーピング法によって、ゲート電極113とその周囲の酸化物層114をマスクとして活性領域(島状の結晶性ケイ素膜109)の一部に不純物(リン)を注入する。ドーピングガスとしてフォスフィン(PH3)を用い、加速電圧を60〜90kV(例えば80kV)、ビーズ量を1×1015〜8×1015cm-2(例えば2×1015cm-2)とする。この工程により、不純物が注入された領域116,117は、後にTFTのソース/ドレイン領域となり、ゲート電極113およびその周囲の酸化層114にマスクされ、不純物が注入されない領域115は、後にTFTのチャネル領域となる。
【0083】
その後、図3(E)に示すように、レーザー光118の照射によってアニールを行い、イオン注入した不純物の活性化を行うと同時に、上記の不純物導入工程で結晶性が劣化した部分の結晶性を改善する。このとき、使用するレーザーとしてはXeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用い、エネルギー密度150〜400mJ/cm2(好ましくは200〜250mJ/cm2)で照射を行う。こうして形成されたN型不純物(リン)領域116,117のシート抵抗は、200〜800Ω/□であった。
【0084】
続いて、図3(F)に示すように、厚さ600nm程度の酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜を層間絶縁膜119として形成する。酸化ケイ素膜を用いる場合には、TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD法(もしくはオゾンとの減圧CVD法または常圧CVD法)によって形成すれば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られる。また、SiH4とNH3を原料ガスとしてプラズマCVD法で成膜された窒化ケイ素膜を用いれば、活性領域/ゲート絶縁膜の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手を低減する効果がある。
【0085】
次に、層間絶縁膜119にコンタクトホールを形成して、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜によってTFTのソース電極(配線)120を形成する。窒化チタン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するのを防止する目的のバリア膜として設ける。このTFT123は、画素電極をスイッチングする素子であるので、もう一方のドレイン電極には、ITO等透明導電膜からなる画素電極121を設ける。すなわち、図2(B)において、ソースバスライン(ソース電極120)を介してビデオ信号が供給され、ゲートバスライン(ゲート電極113)のゲート信号に基づいて画素電極121に必要な電荷が書き込まれるのである。そして最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃,1時間のアニールを行い、図1(E),図3(F)に示すTFT123を完成させる。さらに必要に応じて、TFT123を保護する目的で、TFT123上に窒化ケイ素膜等からなる保護膜を設けてもよい。
【0086】
上記TFT123の活性領域のチャネル領域115は、複数の異なる面方位からなる柱状結晶群であって、かつ、2以上の異なる方向より結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成され、さらに、2以上の異なる方向より結晶成長させた複数の結晶成長領域がぶつかり合う境界部を1以上含んでいる。したがって、各TFT123のチャネル領域における結晶状態、すなわちドメインの状態を均一化させ、結果として基板上の各TFT間の特性を均一化するので、TFT間の特性ばらつきが少なく、安定した特性を有する高性能な半導体装置を提供することができる。
【0087】
また、この第1実施形態の半導体装置の製造方法にしたがって作製したTFTは、電界効果移動度が150cm2/Vs程度、しきい値電圧が2V程度と非常に高性能であるにもかかわらず、アクティブマトリクス基板内での特性ばらつきが、電界効果移動度で±10%程度、しきい値電圧で±0.2V程度(基板として400×320mmのサイズを用い、基板内30点を測定した結果)と非常に良好であった。これに対して、従来の半導体装置の製造方法により作成された場合には、結晶ドメインが各素子間で大きくばらつき、電界効果移動度のばらつきは±50%程度と非常に大きく、しきい値電圧も2±0.5〜1.0Vの範囲で大きくばらついた。
【0088】
したがって、この第1実施形態の半導体装置では、特にTFTの特性ばらつき改善に大きな効果があることがわかる。また、繰り返し測定やバイアスや温度ストレスによる耐久性試験を行っても、ほとんど特性劣化は見られず、信頼性も問題ない。また、触媒元素が特に問題となるTFTオフ領域でのリーク電流の増大およびばらつきは、異常点が無く、触媒元素を用いない場合と同等の数pA程度にまでリーク電流を低減でき、製造歩留りを大きく向上することができた。
【0089】
そして、この第1実施形態に基づいて作製された液晶表示用アクティブマトリクス基板を実際に点灯評価したところ、従来のものに比べて表示むらが小さく、TFTのリーク電流による画素欠陥も極めて少なく、コントラスト比の高い高表示品位の液晶パネルが得られた。なお、この第1実施形態によるTFTの製造工程は、アクティブマトリクス基板の画素電極を対象に説明を行ったが、このTFTは薄膜集積回路等にも簡単に応用でき、その場合にはゲート電極上にコンタクトホールを形成し、必要とする配線を施せばよい。
【0090】
(第2実施形態)
この発明を用いた第2実施形態の半導体装置では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の周辺駆動回路や、一般の薄膜集積回路を形成するN型TFTとP型TFTを相補型に構成したCMOS構造の回路を石英ガラス基板上に作製する工程について説明する。
【0091】
図4(A)〜(C)はこの第2実施形態で説明するTFTの作製工程の概要を示す平面図であり、図4(A)〜(C)の順に工程が進行する。また、図5(A)〜(G)は図4(C)のV−V線から見た断面図であり、図5(A)〜(G)の順に工程が進行する。
【0092】
まず、図5(A)に示すように、石英ガラス基板201の表面を低濃度のフッ化水素酸で洗浄した後、石英ガラス基板201上に、減圧CVD法またはプラズマCVD法によって、厚さ40〜100nm(例えば55nm)の真性(I型)の非晶質ケイ素膜(a−Si膜)203を成膜する。
【0093】
次に、a−Si膜203上に酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜等の絶縁性薄膜を堆積し、パターニングしてマスク204を形成する。この第2実施形態では、マスク204の形成は、酸化ケイ素膜を用い、TEOS(Tetra Ethoxy Ortho Silicate)を原料とし、酸素とともにRFプラズマCVD法で分解・堆積した。上記マスク204の厚さは、100nm〜400nmであることが望ましく、この第2実施形態では、上記酸化ケイ素膜の厚さを150nmとした。また、マスク204のパターン形状は、図4(A)に示すように、略正方形とした。図4(A)からわかるように、後に作成されるN型およびP型の各TFTに対して、マスク204をそれぞれ一つずつ設けている。このマスク204で覆われていない領域では、a−Si膜203が露呈されている。
【0094】
上記マスク204を設けた後、このa−Si膜203およびマスク204表面にニッケル205の微量添加を行う。このニッケル205の微量添加は、純ニッケル(99.9%以上)のターゲットを用い、DCスパッタリングにより行う。具体的には、DCパワーが50W程度という極低パワーにて、基板搬送速度を2000mm/minにまで高めてスパッタリング処理を行った。この場合、スパッタリングガスとしてはアルゴンを用いて、純ニッケルターゲットに対してスパッタリング時のガス圧力を10Pa以上に上げることで、ニッケルの極低濃度スパッタリングが可能となる。このようにしてスパッタリングされたニッケル205は、図5(A)では、薄膜のように表示してはいるが、実際には単原子層程度かそれ以下の状態で、とても膜と呼べる状態ではない。具体的にDCパワー40W,アルゴンガス圧18Paの条件でスパッタリングを行ったところ、基板表面上(マスク204と露呈しているa−Si膜203)のニッケル濃度は3×1013atoms/cm2程度(TRXRF測定値)であった。
【0095】
そして、この状態でこれを不活性雰囲気(窒素雰囲気)下で、加熱温度530〜600℃(例えば570℃)で4時間アニールして、a−Si膜203を結晶化させる。このとき、マスク204の外側(直接ニッケルが添加された領域)のa−Si膜203においては、a−Si膜203表面に存在するニッケル205を核としてa−Si膜203の結晶化が起こり、結晶性ケイ素膜203aがまず形成される。そして、引き続いてマスク204下の領域では、図4(A)および図5(B)において、矢印206で示すようにマスク204の中心に向かって、先に結晶化されたケイ素膜領域203aから横方向(基板表面と平行な方向)に結晶成長が行われる。そして、マスク204の各辺から結晶成長させた領域がぶつかり合って、結晶成長境界203cが形成される。特に、マスク204の中心部では、4つの辺から結晶成長させた4つの横成長領域がぶつかり合う。そして、最終的に、マスク204の下側は横方向結晶成長領域である結晶性ケイ素膜203bで埋め尽くされる。このとき、マスク204上に存在するニッケル205は、マスク204に阻まれ、下層のa−Si膜へは到達せず、直接ニッケルが添加された領域において導入されたニッケル205のみによりa−Si膜203の結晶化が行われる。
【0096】
次に、図5(C)に示すように、基板201上方よりリン207を全面にイオンドーピングする。このときのリン207のドーピング条件としては、加速電圧を5〜10kVとし、ビーズ量を5×1015〜1×1016cm-2とした。この工程により、露呈している領域の結晶性ケイ素膜203aにリンを注入して、リンドープされた結晶性ケイ素領域203Aを形成する。一方、マスク204によって覆われている領域の結晶性ケイ素膜203bには、リンはドーピングされない。平面的には、図4(B)において斜線で示された部分の結晶性ケイ素領域203Aにリン207がドーピングされる。
【0097】
そして、この状態で、これを不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)下にて500〜700℃の温度で数時間から数十時間の加熱処理を施す。この第2実施形態では、一例として600℃にて6時間の処理を行った。この加熱処理において、結晶性ケイ素領域203Aにドーピングされたリン207がその結晶性ケイ素領域203Aに存在するニッケルをまずトラップする。そして、図4(B),図5(C)に示すように、さらにマスク204下の結晶性ケイ素膜203b、そして特に結晶成長境界203cに存在しているニッケル205を矢印208に示す方向(すなわち先の結晶成長206と逆方向)に、回りの結晶性ケイ素領域203Aへと引き出す。その結果、マスク204下の結晶性ケイ素膜203b領域におけるニッケル濃度は大きく低減する。このときの実際の結晶性ケイ素膜203b中のニッケル濃度を二次イオン質量分析法(SIMS)により測定したところ、5×1016atoms/cm3程度にまで低減された。なお、上記加熱処理によりニッケル濃度を低減する工程前の結晶性ケイ素膜203bの膜中ニッケル濃度は5×1017〜1×1018atoms/cm3程度であった。
【0098】
次に、マスクとして用いた酸化ケイ素膜204をエッチング除去する。エッチャントとしては、下層のケイ素膜203と十分に選択性のある1:10バッファードフッ酸(BHF)を用い、ウェットエッチングにより行う。
【0099】
その後、図5(D)に示すように、マスク204下の結晶性ケイ素膜203bを用いて、後にTFTの活性領域(素子領域)となる島状の結晶性ケイ素膜209n,209pを残し、それ以外の領域をエッチング除去して素子間分離を行う。すなわち、上記工程により、図4(C)に示すような配置で、結晶性ケイ素膜203bの領域を用いて、後にTFTの活性領域(ソース/ドレイン領域、チャネル領域)となる島状の結晶性ケイ素膜209n,209pを形成するのである。このとき、島状の結晶性ケイ素膜209n,209p内の最終的にチャネル領域215となる領域に、マスク204の各辺からの4つの結晶成長の収束点203c(図5(B)に示す)が含まれるように配置している。このようにして、図4(C)および図5(D)の状態が得られる。
【0100】
次に、図5(E)に示すように、上記活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜209n,209pを覆うように、厚さ60nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜211として成膜する。この第2実施形態では、ゲート絶縁膜211の成膜方法として、SiH4ガスとN2Oガスを原料として850℃の温度において減圧CVD法により成膜を行った。所謂、HTO膜である。
【0101】
次に、このような状態で、島状の結晶性ケイ素膜209n,209pに対して酸化雰囲気中での熱処理を行う。雰囲気としては、酸素や水蒸気またはHCl等の酸化雰囲気であり、この第2実施形態では、1気圧の酸素雰囲気中にて行った。また、温度は850〜1100℃が好ましく、この第2実施形態では950℃にて処理を行った。
【0102】
このような条件下、2時間30分のアニールを行うことで、ゲート絶縁膜211中を酸素が拡散移動し、下層の島状の結晶性ケイ素膜209n,209pの表面が酸化される。上記条件での酸化処理を行うことで、島状の結晶性ケイ素膜209n,209p表面に約50nmの酸化膜212n,212pを形成する。その結果、島状の結晶性ケイ素膜209n,209pの膜厚は初期の55nmから30nmに減少する。また、TFTとしてのゲート絶縁膜は、CVDにより形成された酸化膜211と島状の結晶性ケイ素膜209n,209pの熱酸化により形成された酸化膜212の二層で構成され、トータル膜厚は110nmになる。また、チャネル界面は、活性領域となる島状の結晶性ケイ素膜209n,209pと上記ケイ素膜の酸化による酸化膜212とで構成され、良好な界面特性が得られる。さらに、上記酸化工程により、島状の結晶性ケイ素膜209n,209pの膜中不対結合(ダングリングボンド)は大幅に低減され、その結晶性は大きく改善される。その結果、30nmに薄膜化された高品質結晶性ケイ素膜による活性領域209N,209Pと変化する。
【0103】
引き続いて、図5(F)に示すように、スパッタリング法によって厚さ400〜800nm(例えば500nm)のアルミニウム(0.1〜2%のシリコンを含む)を成膜し、アルミニウム膜をパターニングして、ゲート電極213n,213pを形成する。
【0104】
次に、イオンドーピング法によって、活性領域209N,209Pにゲート電極213n,213pをマスクとして不純物(リン、およびホウ素)を注入する。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3)およびジボラン(B26)を用い、前者のフォスフィンの場合は、加速電圧を60〜90kV(例えば80kV)とし、後者のジボランの場合は、40kV〜80kV(例えば65kV)とし、ビーズ量は1×1015〜8×1015cm-2(例えばリンを2×1015cm-2、ホウ素を5×1015cm-2)とする。この工程により、ゲート電極213n,213pにマスクされ、不純物が注入されない領域は、後にTFTのチャネル領域215n,215pとなる。ドーピングに際しては、ドーピングが不要な領域をフォトレジストで覆うことによって、それぞれの元素を選択的にドーピングを行う。この結果、N型の不純物領域216n,217n、P型の不純物領域216p,217pが形成され、図4(C)に示すように、Nチャネル型TFT224とPチャネル型TFT225とを形成することができる。
【0105】
その後、図5(F)に示すように、レーザー218の照射によってアニールを行い、イオン注入した不純物の活性化を行う。レーザー光としては、XeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用い、レーザー光の照射条件としては、エネルギー密度250mJ/cm2で一か所につき20ショット照射した。
【0106】
続いて、図5(G)に示すように、厚さ900nmの酸化ケイ素膜を層間絶縁膜219としてプラズマCVD法によって形成し、これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜によってTFTの電極・配線222を形成する。そして最後に、1気圧の水素雰囲気下で350℃,1時間のアニールを行い、Nチャネル型TFT224とPチャネル型TFT225とを完成させる。さらに必要に応じて、TFT224,225を保護する目的で、TFT224,225上に窒化ケイ素膜等からなる保護膜を設けてもよい。
【0107】
上記TFT224,225のチャネル領域215n,215pは、複数の異なる面方位からなる柱状結晶群であって、かつ、2以上の異なる方向より結晶成長させた複数の結晶成長領域で構成され、さらに、2以上の異なる方向より結晶成長させた複数の結晶成長領域がぶつかり合う境界部を1以上含んでいる。したがって、各TFT224,225のチャネル領域における結晶状態、すなわちドメインの状態を均一化させ、結果として基板上の各TFT間の特性を均一化するので、TFT間の特性ばらつきが少なく、安定した特性を有する高性能な半導体装置を提供することができる。
【0108】
また、この第2実施形態の半導体装置の製造方法にしたがって作製したCMOS構造回路において、それぞれのTFTの電界効果移動度はN型TFTで210〜250cm2/Vs、P型TFTで120〜150cm2/Vsと高く、しきい値電圧は、N型TFTで1V程度、P型TFTで−1.5V程度と非常に良好な特性を示した。また、従来問題となっていた特性ばらつきが、電界効果移動度で±10%程度、しきい値電圧で±0.2V程度(基板として400×320mmのサイズを用い、基板内200点測定の結果)に抑えることができた。また、繰り返し測定やバイアスや温度ストレスによる耐久性試験を行っても、ほとんど特性劣化は見られず、従来のものと比べて非常に信頼性が高く、安定した回路特性を示した。
【0109】
以上、この発明の半導体装置およびその製造方法を第1,第2実施形態により具体的に説明したが、この発明はこれら第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0110】
例えば、マスク形状としては、上記第1,第2実施形態では、代表例として円形と正方形を用いたが、多角形や長方形等でも良く、少なくともチャネル領域内を異なる結晶成長領域で形成すれば、この発明の効果は得られる。
【0111】
また、上記第1,第2実施形態においては、触媒元素としてニッケルを導入する方法として、非晶質ケイ素膜表面をニッケル塩を溶かしたエタノール溶液を塗布する方法、または、スパッタリング法によりニッケル薄膜を形成する方法により、選択的にニッケル微量添加を行い、結晶成長させる方法を採用した。しかし、ニッケルの導入方法は、その他の様々な手法を用いることができ、例えば、ニッケル塩を溶かす溶媒として、単純に水を用いてもよいし、SOG(スピンオングラス)材料を溶媒としてSiO2膜より拡散させてもよい。また、蒸着法やメッキ法により薄膜形成する方法や、イオンドーピング法により直接導入する方法等も利用できる。さらに、結晶化を助長する不純物金属元素としては、ニッケル以外にコバルト、鉄、パラジウム、白金、銅、金を用いても同様の効果が得られる。また、ニッケルをゲッタリングするための15族元素としては、リン以外に窒素、ヒ素、アンチモン、ビスマスを利用してもよい。
【0112】
また、上記第1,第2実施形態では、ニッケルにより結晶化された結晶性ケイ素膜の結晶性をさらに助長する手段として、パルスレーザーであるエキシマレーザー照射による加熱法を用いたが、それ以外のレーザー(例えば連続発振Arレーザー等)でも同様の処理が可能である。また、レーザー光の代わりに赤外光やフラッシュランプを使用して短時間に1000〜1200℃(シリコンモニターの温度)まで上昇させて試料を加熱する、いわゆるRTA(ラピッド・サーマル・アニール)やRTP(ラピッド・サーマル・プロセス)等のレーザー光と同等の強光を用いてもよい。
【0113】
さらに、上記第1実施形態では、半導体装置として液晶表示用のアクティブマトリクス型基板について説明したが、半導体装置はこれに限らず、例えば密着型イメージセンサー、ドライバー内蔵型のサーマルヘッド、有機系EL等を発光素子としたドライバー内蔵型の光書き込み素子や表示素子、三次元IC等の半導体装置にこの発明を適用してもよい。この発明を用いることで、これらの半導体装置の高速化,高解像度化等の高性能化が実現される。
【0114】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の半導体装置およびその製造方法によれば、特性ばらつきの少ない安定した特性の高性能素子が実現でき、さらに、集積度の高い高性能な半導体装置が、簡便な製造プロセスで得られる。また、その製造工程において良品率を大きく向上でき、商品の低コスト化が図れる。特に、この発明の半導体装置を液晶表示装置に適用した場合、アクティブマトリクス基板に要求される画素スイッチング用のTFTのスイッチング特性を向上できると共に、周辺駆動回路部を構成するTFTに要求される高性能化と高集積化ができ、また、同一基板上にアクティブマトリクス部と周辺駆動回路部を構成するドライバモノリシック型アクティブマトリクス基板を実現でき、モジュールのコンパクト化、高性能化、低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)はこの発明の第1実施形態の半導体装置のアクティブマトリクス基板上のTFTの作製工程の概要を示す平面図である。
【図2】 図2(A),(B)は図1(C)に続くTFTの作製工程の概要を示す平面図である。
【図3】 図3(A)〜(F)は上記半導体装置の作製工程図である。
【図4】 図4(A)〜(C)はこの発明の第2実施形態の半導体装置のTFTの作製工程の概要を示す平面図である。
【図5】 図5(A)〜(G)は上記半導体装置の作製工程図である。
【図6】 図6は六角形形状のチャネル領域を形成した場合の要部の平面図である。
【図7】 図7は正方形形状のチャネル領域を形成した場合の要部の平面図である。
【図8】 図8は円形状のチャネル領域を形成した場合の要部の平面図である。
【図9】 図9は従来の半導体装置の要部の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
101…ガラス基板、
102…下地膜、
103,203…a−Si膜、
103a,203a…結晶性ケイ素膜、
103b,203b…結晶性ケイ素膜、
103c,203c…収束点、
104,204…マスク、
105,205…ニッケル、
106,206…結晶成長方向、
107,207…リン、
108,208…ニッケルのゲッタリング方向、
109,209N,209P…島状の結晶性ケイ素膜、
110…レーザー光、
111,211…ゲート絶縁膜、
113,213…ゲート電極、
114…陽極酸化層、
115,215n,215p…チャネル領域、
116,216n,216p…ソース領域、
117,217n,217p…ドレイン領域、
118,218…レーザー光、
119,219…層間絶縁膜、
120…ソース電極、
121…画素電極、
123…TFT、
201…石英ガラス基板、
212…酸化膜(ゲート絶縁膜)、
222…電極・配線、
224…Nチャネル型TFT、
225…Pチャネル型TFT。

Claims (15)

  1. 絶縁表面を有する基板上に形成された結晶性ケイ素膜を活性領域として用いた素子を備えた半導体装置であって、
    上記結晶性ケイ素膜は、非晶質ケイ素膜にその結晶成長を促進する触媒元素を選択的に導入して、上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させたものであり、
    上記素子の活性領域におけるチャネル領域は、上記チャネル領域内の一点を囲む外周部側から半径方向内向きにその一点に向かって結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項に記載の半導体装置であって、
    上記チャネル領域の中央部に、上記複数の結晶成長領域がぶつかり合って収束していることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    上記非晶質ケイ素膜の結晶化を促進する触媒元素がNiであることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記活性領域中におけるNiの濃度が1×1016〜5×1017atoms/cm3であることを特徴とする半導体装置。
  5. 絶縁表面を有する基板上に形成された結晶性ケイ素膜を活性領域として用いた素子を備えた半導体装置の製造方法であって、
    上記絶縁表面を有する基板上に非晶質ケイ素膜を形成する工程と、
    上記非晶質ケイ素膜の一部に、上記素子の活性領域となる領域を囲むように、その非晶質ケイ素膜結晶化を促進する触媒元素を選択的に導入する工程と、
    上記触媒元素を選択的に導入した後、加熱処理によって、上記触媒元素が導入された領域から上記触媒元素が導入されていない領域に上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させる工程と、
    上記加熱処理によって結晶化した結晶性ケイ素膜のうちの上記横方向に結晶成長させた領域に、少なくとも上記素子の活性領域におけるチャネル領域を配置するように、上記結晶性ケイ素膜をパターニングする工程とを有し、
    上記非晶質ケイ素膜の一部に上記触媒元素を選択的に導入する工程において、上記非晶質ケイ素膜上にマスクを設け、上記マスクに覆われていない上記非晶質ケイ素膜の領域に上記触媒元素を添加すると共に、
    上記マスクは正多角形形状または円形状であって、その正多角形形状または円形状のマスクの中心部が上記素子のチャネル領域となる領域内に配置され、
    上記素子の活性領域におけるチャネル領域は、上記チャネル領域内の上記マスクの中心部を囲む外周部側から半径方向内向きにその中心部に向かって結晶成長させた複数の結晶成長領域により構成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記マスクの中心部が上記素子のチャネル領域となる領域の中央部であり、
    上記触媒元素が導入された領域から生じる横方向の結晶成長は、上記素子のチャネル領域となる領域の中央部に向かって進み、
    上記チャネル領域の中央部において、異なる方向から結晶成長させた横方向の結晶成長領域がぶつかり合うように収束させたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記正多角形形状のマスクの各辺側からそれぞれ上記マスクの中心部の下側に向かって結晶成長させた結晶成長領域がぶつかり合って収束することにより形成される境界部が、上記素子のチャネル領域となる領域内に含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記マスクが正方形形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記円形状のマスクの円周部より上記マスクの中心の下側領域に向かって結晶成長させた結晶成長領域がぶつかり合って収束することにより形成される境界部が、上記素子のチャネル領域となる領域内に含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項乃至のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記基板の絶縁表面に沿って横方向に結晶成長させた結晶性ケイ素膜のうちの少なくとも上記素子のチャネル領域となる領域以外の領域に、5族Bから選ばれた元素を導入する工程と、
    上記5族Bから選ばれた元素を導入した後、加熱処理によって、上記5族Bから選ばれた元素が導入された上記結晶性ケイ素膜の領域に上記触媒元素を移動させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記5族Bから選ばれた元素を導入する工程において、上記非晶質ケイ素膜の一部に上記触媒元素を選択的に導入する工程で用いたマスクを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1または1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記5族Bから選ばれた元素として、P,N,As,SbおよびBiのうちの少なくとも1つの元素を用いたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項乃至1のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    触媒元素として、Ni,Co,Fe,Pd,Pt,CuおよびAuのうちの少なくとも1つの元素を用いたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項乃至1のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記結晶性ケイ素膜をパターニングして、上記素子の活性領域を形成する工程と、
    上記パターニングの工程の後、酸化雰囲気で加熱処理によって、上記活性領域表面を酸化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項乃至1のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記結晶性ケイ素膜をパターニングして、上記素子の活性領域を形成する工程と、
    上記パターニングの工程の後、上記活性領域に強光を照射する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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