JP3991134B2 - 板厚圧下プレス装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板厚圧下プレス装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図１０及び図１１は、従来の板厚圧下プレス装置の一例を示すものであり、この板厚圧下プレス装置は、搬送ラインＳの所定位置に立設したフレーム１と、該フレーム１の内方に被成形材料２の進行を許容し得るように設けたガイド支柱３と、該ガイド支柱３の下端部に略水平状態に固着された下金型台４と、該下金型台４に対して搬送ラインＳを挟んで対峙するように前記のガイド支柱３に昇降自在に嵌装された上金型台５と、該上金型台５の上方に位置し且つ搬送ラインＳに対して直交する方向へ略水平に延び、非偏心部分が軸受を介して前記のフレーム１上に枢支されたクランク軸（図示せず）と、前記の下金型台４及び上金型台５のそれぞれに搬送ラインＳを挾んで対峙するように装着された下金型８及び上金型９とを備えている。
【０００３】
下金型台４は、上面に搬送ライン方向へ延びるあり溝１０を有し、該あり溝１０に移動自在に嵌装され且つコッタ１１によって下金型８に楔着された下スライド板１２を備えており、該下スライド板１２の上面に下金型８を装着している。
【０００４】
上金型台５は、図示していないクランク軸の偏心部分に枢支されてクランク軸の回転に伴ってガイド支柱３に沿って上下方向に往復動するようになっており、下面に搬送ライン方向へ延びるあり溝１３を有し、該あり溝１３に移動自在に嵌装され且つコッタ１４によって上金型台５に楔着された上スライド板１５を備えている。
【０００５】
上スライド板１５の中央部には、周溝１７ａを有する透孔１７が穿設されており、該透孔１７の周溝１７ａに適合するフランジ１８ａを外周に有し且つ透孔１７に上方から挿入された上金型用受台１８の下面に上金型９を装着している。
【０００６】
クランク軸は、自在継手及び減速機を介してモータの出力軸（図示せず）に連結されており、モータを作動させると、上金型台５が搬送ラインＳに対して近接離反し、該上金型台５に上金型用受台１８を介して装着されている上金型９が下金型８に近接離反するようになっている。
【０００７】
図１０及び図１１に示す板厚圧下プレス装置によって被成形材料２を板厚方向へ圧下成形する際には、モータを作動させてクランク軸を回転させるとともに、上金型９と下金型８との間に、搬送ライン上流Ａ側から被成形材料２を挿通すると、該被成形材料２は、搬送ラインＳに沿って搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向かって移動しつつ、クランク軸の偏心部分の変位に伴い搬送ラインＳに対して近接離反する上金型９によって板厚方向へ圧下成形される。
【０００８】
また、下金型８を交換する際には、下スライド板１２を下金型台４に楔着しているコッタ１１を引抜き、下スライド板１２を下金型台４のあり溝１０に沿って引き出して下金型８を板厚圧下プレス装置の外方へ移動させ、下金型台４に装着されている下金型８を下金型台４から開放した後、該下金型８を、図示していない揚重設備によって吊り上げて所定の場所へ搬出し、同じ揚重設備によって新しい下金型８を吊り上げて下スライド板１２上に搬入して装着した後、該下スライド板１２を下金型台４のあり溝１０に沿って板厚圧下プレス装置の中央部に押し入れ、コッタ１１によって下金型台４に楔着する。
【０００９】
上金型９を交換する際には、上スライド板１５を上金型台５に楔着しているコッタ１４を引抜き、上スライド板１５を上金型台５のあり溝１３に沿って引き出して上金型台５を板厚圧下プレス装置の外方へ移動させ、上金型台５に嵌着されている上金型用受台１８を、図示していない揚重設備によって吊り上げて所定の場所へ搬出し、該上金型用受台１８から上金型台５を取り外した後、新しい上金型台５を上金型用受台１８に装着してから、該上金型用受台１８を前記の揚重設備によって吊り上げて上スライド板１５上に搬入して上スライド板１５の透孔１７に嵌着した後、該上スライド板１５を上金型台５のあり溝１３に沿って板厚圧下プレス装置の中央部に押し入れ、コッタ１４によって上金型台５に楔着する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図１０及び図１１に示す板厚圧下プレス装置では、下金型８及び上金型９の磨耗が激しいために各金型８，９を交換する頻度が高いので、金型交換作業の迅速化を図らないと、折角の高い効率を有する板厚圧下プレス装置の板厚減縮能力を発揮することができない。
【００１１】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、金型交換作業を効率よく行なえる板厚圧下プレス装置を提供することを目的とするものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置では、被成形材料の搬送ラインを挾んで上下に対峙し且つ互いに近接離反し得る上金型受台及び下金型受台と、上金型受台に設けられ且つ搬送ラインの幅方向に略水平に延びる受台ガイドレールと、該受台ガイドレールに沿って転動し得る金型用ローラを有し且つ該金型用ローラにより上金型受台に装着される上金型と、該上金型を上金型受台に固定し得る固定具と、下金型受台に載置される下金型と、該下金型を下金型受台に固定し得る固定具と、上金型及び下金型の各側面に対峙し且つ両金型に締結され得る金型締結部材と、一方の金型締結部材を搬送ラインの幅方向に略水平に移動させ得る金型交換機構とを備えている。
【００１３】
本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、該外部ガイドレールに沿って転動し得る移動部材用ローラを有し且つ該移動部材用ローラにより架台に装着される移動部材と、該移動部材を搬送ラインの幅方向へ移動させ得るアクチュエータと、移動部材に設けられ且つ一方の金型締結部材に連結可能な連結部材とによって、金型交換機構を構成する。
【００１４】
本発明の請求項３に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置したターンテーブルに金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールがターンテーブルの回動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載する。
【００１５】
本発明の請求項４に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置した搬送ラインに沿って移動する台車に金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールが台車の移動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載する。
【００１６】
本発明の請求項５に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、一端が搬送ラインの一側方で一方の金型締結部材に係止され得られ且つ他端が搬送ラインの他側方で他方の金型締結部材に係止され得る牽引索と、該牽引索を搬送ラインの一側方及び他側方へ択一的に引き込むウインチとによって、金型交換機構を構成する。
【００１７】
本発明の請求項６に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項５に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、二つの架台を有し、該架台のそれぞれの外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対し得るように、搬送ラインの両側に配置する。
【００１８】
本発明の請求項１乃至請求項６に記載した板厚圧下プレス装置のいずれにおいても、上側の固定具によって上金型を上金型受台に対して固定し、下側の固定具によって下金型を下金型受台に対して固定する。
【００１９】
また、上側の固定具及び下側の固定具を開放した状態において、金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた上金型及び下金型を、金型交換機構によって搬送ラインの幅方向へ移動させる。
【００２０】
本発明の請求項２に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放し且つ受台ガイドレールに外部ガイドレールを正対させた状態において、上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた後、一方の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って搬送ラインの幅方向へ移動させることによって、一体化した上金型及び下金型を、受台ガイドレールから外部ガイドレールへ、あるいは外部ガイドレールから受台ガイドレールへ移動させる。
【００２１】
本発明の請求項３に記載した板厚圧下プレス装置においては、複数基の金型交換機構のうちの所定の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置にターンテーブルを回動し、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材により一体的に結合することによって金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げてから、所定の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って反搬送ライン方向へ移動させることによって前記の旧上金型及び下金型を受台ガイドレールから所定の金型交換機構の外部ガイドレールへ移動させる。
【００２２】
同時に、他の金型交換機構の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置し、該金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結する。
【００２３】
その後、他の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置にターンテーブルを回動し、他の金型交換機構のアクチュエータを作動して移動部材を外部ガイドレールに沿って搬送ライン方向へ移動させることにより、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレールへ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００２４】
本発明の請求項４に記載した板厚圧下プレス装置においては、複数基の金型交換機構のうちの１基の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置に台車を移動し、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材により一体的に結合することによって金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げてから、一方の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って反搬送ライン方向へ移動させることによって前記の旧上金型及び下金型を受台ガイドレールから金型交換機構の外部ガイドレールへ移動させる。
【００２５】
同時に、他の１基の金型交換機構の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置し、該金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結する。
【００２６】
その後、該金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置に台車を移動し、金型交換機構のアクチュエータを作動して移動部材を外部ガイドレールに沿って搬送ライン方向へ移動させることにより、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレールへ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００２７】
本発明の請求項５に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型用ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた後、牽引索の一端を一方の金型締結部材に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止する。
【００２８】
その後、金型用ローラが架台側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の旧上金型及び下金型を架台側に移載し、該旧上金型及び下金型を新規の上金型及び下金型に交換して金型用ローラに吊り下げる。
【００２９】
そして、金型用ローラが受台ガイドレール側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレール側へ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００３０】
本発明の請求項６に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型用ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げたのち、牽引索の一端を一方の金型締結部材に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止する。
【００３１】
同時に、一側の架台の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置しておく。
【００３２】
その後、金型用ローラが他側の架台側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の旧上金型及び下金型を他側の架台側に移載する。
【００３３】
そして、旧上金型及び下金型を結合している金型締結部材から取り外した牽引索の一端を新規の上金型及び下金型を結合している金型締結部材の一方に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止し、新規の上金型の金型用ローラが受台ガイドレール側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレール側へ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００３４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【００３５】
図１乃至図５は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例を示すものである。
【００３６】
プレス本体２０は、図１及び図２に示すように被成形材料２の進行を許容し得るように搬送ラインＳの所定位置に立設したハウジング２１と、搬送ラインＳを挟んで上下に対峙するようにハウジング２１のウインド部２２に嵌装された上軸箱２３ａ及び下軸箱２３ｂと、搬送ラインＳに対して直交する方向へ略水平に延び且つ非偏心部分が軸受（図示せず）を介して上軸箱２３ａあるいは下軸箱２３ｂに枢支された上下のクランク軸２４ａ，２４ｂと、搬送ラインＳの上下にそれぞれ位置し且つ基端部が前記のクランク軸２４ａ，２４ｂの偏心部分に枢支された上下に延びるロッド２５ａ，２５ｂと、ロッド２５ａ，２５ｂの先端部にブラケット２６ａ，２６ｂを介して連結された上金型台２７ａ及び下金型台２７ｂと、該上金型台２７ａに上金型受台２８ａを介して装着された上金型２９ａと、前記の下金型台２７ｂに下金型受台２８ｂを介して装着された下金型２９ｂとを備えている。
【００３７】
クランク軸２４ａ，２４ｂは、図示しない自在継手及び減速機を介してモータの出力軸（図示せず）に連結されており、モータを作動させると、上下の金型２９ａ，２９ｂが搬送ラインＳに対して同調して近接離反するようになっている。
【００３８】
上金型台２７ａ及び下金型台２７ｂは、ハウジング２１のウインド部２２に摺動可能に嵌装され、ピストンロッド先端部が上金型受台２８ａあるいは下金型受台２８ｂを貫通して延びるように配置された流体圧シリンダ３０を中央部に内蔵している。
【００３９】
上金型受台２８ａは、上金型台２７ａの下面に固定され、搬送ライン方向に所定の間隔を隔てて相対し且つ互いに平行して搬送ラインＳの幅方向へ延び、上部が山形に形成された受台ガイドレール３１を下面に有する。
【００４０】
下金型受台２８ｂは、下金型台２７ｂの上面に固定され、下金型２９ｂの搬送ライン方向長さに適合した幅を有して搬送ラインＳの幅方向へ延びる角溝３２を上面に有する。
【００４１】
上金型２９ａは、上面の搬送ライン方向両縁に、外側へ張り出して取り付けられ且つ前記の受台ガイドレール３１に沿って転動し得るように縦列に配置された複数の金型用ローラ３３を有し、上面の中央部に搬送ライン幅方向へ貫通するあり溝３４ａを有する。
【００４２】
このあり溝３４ａは、上金型２９ａを上金型受台２８ａに装着する際に、前記の流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部に外嵌するように形成され且つ流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧が付与されると、該ピストンロッド先端部によってあり溝３４ａの側縁が上金型受台２８ａに押し付けられ、上金型２９ａが上金型受台２８ａに固着されるようになっている。
【００４３】
下金型２９ｂは、前記の下金型受台２８ｂの角溝３２に沿って移動し得る搬送ライン方向長さを有し、下面の中央部に搬送ラインＳの幅方向へ貫通するあり溝３４ｂを有する。
【００４４】
このあり溝３４ｂは、下金型２９ｂを下金型受台２８ｂに装着する際に、前記の流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部が嵌入され且つ流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧が付与されると、該ピストンロッド先端部によってあり溝３４ｂの側縁が下金型受台２８ｂに押し付けられ、下金型２９ｂが下金型受台２８ｂに固着されるようになっている。
【００４５】
また、上金型２９ａ及び下金型２９ｂは、搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向って徐々に搬送ラインＳへ近接する平坦な成形面３５ａ，３５ｂと、該成形面３５ａ，３５ｂに連なり且つ搬送ラインＳに平行に対峙する平坦な成形面３６ａ，３６ｂとを有している。
【００４６】
各金型２９ａ，２９ｂの幅は、被成形材料２の板幅（約２０００ｍｍ以上）に応じて設定されている。
【００４７】
ハウジング２１の上部には、上軸箱２３ａを搬送ラインＳに対して近接離反させるための位置調整用スクリュー３７が設けられており、該位置調整用スクリュー３７を周方向へ回転させることにより、クランク軸２４ａ、ロッド２５ａ、上金型台２７ａ等を介して上金型２９ａが昇降し、上金型２９ａと下金型２９ｂとの間隔、すなわち、被成形材料２の圧下量が調節される。
【００４８】
金型締結部材３８は、上下の各金型２９ａ，２９ｂを交換する際に上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体に締結するために用意されている。
【００４９】
金型締結部材３８は、上下の各金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン幅方向の両側面のそれぞれに当接し得られ且つ当接面側に上下の金型２９ａ，２９ｂの間で挟み得る突起部３８ａを有し、上金型２９ａ及び下金型２９ｂにそれぞれボルト締結し得るように形成された左右一対の部材からなり、各金型締結部材３８の表面には、後述の連結部材４６をボルト連結するために、図３に示すようなブラケット３９が設けられている。
【００５０】
金型交換機構４０は、図３及び図４に示すように搬送ラインＳの側方で前記の受台ガイドレール３１に正対し得られ且つ金型用ローラ３３が転動し得る外部ガイドレール４１を備えた架台４２と、該外部ガイドレール４１に沿って転動し得る移動部材用ローラ４３を有し且つ該移動部材用ローラ４３により架台４２に装着される移動部材４４と、該移動部材４４を搬送ラインＳの幅方向へ移動させ得る流体圧シリンダ４５と、移動部材４４に設けられ且つ一方の金型締結部材３８のブラケット３９に連結可能な連結部材４６とによって構成されている。
【００５１】
架台４２は、基台４７と、該基台４７上の搬送ラインＳの幅方向に所定の間隔を隔てて立設された門形の支柱４８とを有し、前記の外部ガイドレール４１は、この支柱４８の内側の所定高さ位置に設けられて内方へ突出するアーム４９によって支持されており、上部が山形に形成された角型断面を有する。
【００５２】
移動部材４４は、移動部材本体５０と、該移動部材本体５０の四隅に設けられ且つ上方へ延びる脚５１とを有し、外部ガイドレール４１を受台ガイドレール３１に正対させた際に、搬送ライン側に位置する２本の脚５１の搬送ライン側に連結部材４６の一端がボルト締結されている。
【００５３】
移動部材用ローラ４３は、前記の外部ガイドレール４１を上下から挾むように各脚５１の頂部にそれぞれ２個ずつ設けられている。
【００５４】
流体圧シリンダ４５は、シリンダ部が架台４２の基台４７の上面中央の搬送ライン寄りに枢支され且つピストンロッド先端部が移動部材本体５０の下面に枢支されて、外部ガイドレール４１に平行する方向へ進退し得る水平状態に配置されており、該流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧が付与されると、移動部材４４が搬送ライン側へ移動し、ヘッド側流体室に流体圧が付与されると、移動部材４４が反搬送ライン側へ移動するようになっている。
【００５５】
図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置では、搬送ラインＳの側方のプレス本体２０の近傍にターンテーブル５２を設け、該ターンテーブル５２の上面に所定の間隔を隔てて２基の金型交換機構４０を配置し、前記のターンテーブル５２を回動させることによって、それぞれの架台４２の外部ガイドレール４１がプレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得るように搭載している。
【００５６】
図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置によって被成形材料２を板厚方向へ圧下成形する際には、位置調整用スクリュー３７を適宜回転させることにより、上金型２９ａと下金型２９ｂとの間隔を板厚方向に圧下成形すべき被成形材料２の板厚に応じて設定する。
【００５７】
次いで、モータを作動させて上下のクランク軸２４ａ，２４ｂを回転させるとともに、上金型２９ａと下金型２９ｂの間に、搬送ライン上流Ａ側から被成形材料２を挿通すると、該被成形材料２は、搬送ラインＳに沿って搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向かって移動しつつ、クランク軸２４ａ，２４ｂの偏心部分の変位に伴い搬送ラインＳに対して近接離反する上金型２９ａと下金型２９ｂとによって板厚方向へ圧下成形される。
【００５８】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、上下の各金型２９ａ，２９ｂの両側面のそれぞれに金型締結部材３８を当接し且つ突起部３８ａを上下の金型２９ａ，２９ｂによって挟み込んでからボルト締結を行なって上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化した後、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定している流体圧シリンダ３０のヘッド側流体室に流体圧を付与することによって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、プレス本体２０のモータを作動して上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００５９】
次いで、ターンテーブル５２を回動させ、ターンテーブル上に設けた２基の金型交換機構４０のうちの一方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００６０】
金型交換機構４０の流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４をプレス本体側へ移動させ、該移動部材４４と前記の金型締結部材３８のブラケット３９とを連結部材４６を介して連結してから、流体圧シリンダ４５のヘッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４を反プレス本体側へ移動させると、金型締結部材３８によって一体化されている上金型２９ａと下金型２９ｂとが上金型２９ａに設けられている金型用ローラ３３を介して受台ガイドレール３１に導かれて外部ガイドレール４１側へ移行する結果、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時にプレス本体２０から引き抜かれて金型交換機構４０の架台４２に移載される。
【００６１】
この間に、ターンテーブル５２に設けた他の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該金型締結部材３８のブラケット３９と金型交換機構４０の移動部材４４とを連結部材４６を介して連結して置く。
【００６２】
再度、ターンテーブル５２を回動させ、ターンテーブル５２に設けた２基の金型交換機構４０のうちの他方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００６３】
ここで、金型交換機構４０の流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４をプレス本体側へ移動させると、該移動部材４４に連結部材４６を介して連結されている金型締結部材３８によって上下一体化されている上金型２９ａと下金型２９ｂとが上金型２９ａに設けられている金型用ローラ３３を介して外部ガイドレール４１に導かれて受台ガイドレール３１側へ移行する結果、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時に金型交換機構４０の架台４２からプレス本体２０に移載される。
【００６４】
このとき、上下の各金型２９ａ，２９ｂに設けられている各あり溝３４に対して、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定すべき流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部がそれぞれ自動的に嵌入する。
【００６５】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂがプレス本体２０に移載された後、金型締結部材３８に連結されている連結部材４６の連結を開放し、プレス本体２０のモータを作動して上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに近接させ、上下の各金型２９ａ，２９ｂの両側面にボルト締結されている金型締結部材３８を取り除いた後、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定すべき流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧を付与することによって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００６６】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００６７】
このように、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置においては、上金型２９ａと下金型２９ｂとを上下一体に締結し得る金型締結部材３８を設け、該金型締結部材３８によって一体化した上金型２９ａと下金型２９ｂとをプレス本体２０に対して着脱自在な金型交換機構４０を設けたので、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００６８】
図６乃至図８は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第２の例を示すものであり、図中、図１乃至図５と同一の符号を付したものは同一物を表す。
【００６９】
この板厚圧下プレス装置では、搬送ラインＳの一側方に配置され且つ搬送ラインＳに平行して延びる台車移動用の軌道５３と、該軌道５３に沿って移動し得る台車５４と、該台車５４を移動させ得る流体圧シリンダ５５と、前記の台車５４に装備した２基の金型交換機構４０とを備えている。
【００７０】
軌道５３は、搬送ラインＳの一側方のプレス本体２０の近傍に配置された基礎フレーム５６と、該基礎フレーム５６の上面に搬送ラインＳの幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行し且つ搬送ラインＳに沿って略水平に延びるように設けられた一対のレール５７とによって形成されている。
【００７１】
台車５４は、前記のレール５７に沿って転動し得る複数の車輪５８を備え且つ金型交換機構４０を搭載し得るように形成された車体５９を有し、該車体５９の上に装備された２基の金型交換機構４０のそれぞれの架台４２の外部ガイドレール４１が台車５４の移動に伴ってプレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得るようになっている。
【００７２】
流体圧シリンダ５５は、軌道５３の基礎フレーム５６の内方に略水平に配置され、シリンダ部が軌道５３の基礎フレーム５６に枢支され、ピストンロッド先端部が台車５４の車体５９の下面に設けられたブラケット６０によって枢支され、ヘッド側流体室あるいはロッド側流体室に流体圧を付与することによって台車５４を移動させ得るようになっている。
【００７３】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００７４】
次いで、流体圧シリンダ５５のヘッド側流体室あるいはロッド側流体室に流体圧を付与して台車５４を移動させ、台車５４に設けた２基の金型交換機構４０のうちの一方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００７５】
その後、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａ及び下金型２９ｂを同時にプレス本体２０から引き抜き、金型交換機構４０の架台４２に移載する。
【００７６】
この間に、台車５４に設けた他の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該金型締結部材３８のブラケット３９と金型交換機構４０の移動部材４４とを連結部材４６を介して連結して置く。
【００７７】
再度、台車５４を移動させ、台車５４に設けた２基の金型交換機構４０のうちの他方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００７８】
ここで、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを同時に金型交換機構４０の架台４２からプレス本体２０に移載し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００７９】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００８０】
このように、図６乃至図８に示す板厚圧下プレス装置においても、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様に、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００８１】
図９は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第３の例を示すものであり、図中、図１乃至図５と同一の符号を付したものは同一物を表す。
【００８２】
金型交換機構６１は、搬送ラインＳの両側方に配置されており、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得られ且つ金型用ローラ３３が転動し得る外部ガイドレール６２を昇降可能に備えた架台６３と、外部ガイドレール６２を架台６３を介して昇降させ得る流体圧シリンダ６４と、一端が搬送ラインＳの一側方で一方の金型締結部材３８に係止され得られ且つ他端が搬送ラインＳの他側方で他方の金型締結部材３８に係止され得るワイヤロープ６５と、該ワイヤロープ６５を搬送ラインＳの一側方及び他側方へ択一的に引き込むウインチ６６とによって構成されている。
【００８３】
架台６３は、プレス本体２０の側方の床面に固定された基台６７と、該基台６７の上面に搬送ラインＳに平行する方向に所定の間隔を隔てて配設された前後一対の傾動型支柱６８とを有する。
【００８４】
傾動型支柱６８は、長手方向中間部位がピン６９を介して交差する２本のリンク７０，７１からなり、一方のリンク７０は、基台６７のプレス本体２０寄りの端部に枢支された基部と外部ガイドレール６２の反プレス本体側の一端を枢支する先端部とを有し、他方のリンク７１は、基台６７の反プレス本体側に設けられ搬送ライン幅方向へ延びるガイド部材７２によって移動可能に支持された基部と外部ガイドレール６２のプレス本体２０側の端側に設けられたガイド部材７３に移動自在に係合する先端部とを有する。
【００８５】
流体圧シリンダ６４は、シリンダが、基台６７の中央部のプレス本体２０寄りに枢支され、ピストンロッド先端部が、傾動型支柱６８の他方のリンク７１の移動可能な基部を搬送ラインＳに平行する方向に連結する軸７４の中央部に連結されており、ロッド側流体室に流体圧を付与すると、ピストンロッドが引っ込まれるので傾動型支柱６８が立ち上がるため外部ガイドレール６２が上昇し、ヘッド側流体室に流体圧を付与すると、ピストンロッドが押し出されるので傾動型支柱６８が傾くため外部ガイドレール６２が下降するようになっている。
【００８６】
各架台６３，６３のそれぞれの基台６７の幅方向中央部の反プレス本体側端部上面及びその上方には、ローププーリ７５が配置されており、搬送ラインＳの他側（図９に示すＡ側）のプレス本体２０側にはロープガイドローラ７６が設けられている。
【００８７】
また、搬送ラインＳの一側（図９に示すＢ側）の架台６３の基台中央のプレス本体２０寄りには、ウインチ６６が配置されている。
【００８８】
ウインチ６６から搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の一端は、搬送ラインＳの一側方で各ローププーリ７５，７５に掛け回されて一方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止できるように、また、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の他端は、ロープガイドローラ７６に掛け渡され、搬送ラインＳの他側方で各ローププーリ７５，７５に掛け回されて他方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止できるようになっている。
【００８９】
搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込み且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出す方向にウインチ６６を作動させると、一方の金型締結部材３８を介して上下の金型２９ａ，２９ｂを搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ引き出すことができ、搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出し且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込む方向にウインチ６６を作動させると、他方の金型締結部材３８を介して上下の金型２９ａ，２９ｂを搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ引き出すことができるようになっている。
【００９０】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００９１】
次いで、流体圧シリンダ６４のロッド側流体室あるいはヘッド側流体室のいずれかに流体圧を付与することによって、外部ガイドレール６２を昇降させ、該外部ガイドレール６２の高さ位置を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１の高さに合致させる。
【００９２】
また、ウインチ６６から搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の一端を一方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止し、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の他端を他方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止する。
【００９３】
その後、搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込み且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出す方向にウインチ６６を作動させると、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時にプレス本体２０から引き抜かれて、図９に示すＢ側の金型交換機構６１の架台６３に移載される。
【００９４】
この際に、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）の金型交換機構６１の架台６３の外部ガイドレール６２に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該各金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン側の金型締結部材３８のブラケット３９と前記の旧金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン他側の金型締結部材３８のブラケット３９とを連結し、新規の各金型２９ａ，２９ｂの反搬送ライン側の金型締結部材３８のブラケット３９にワイヤロープ６５の他端を係止するようにしておけば、旧各金型２９ａ，２９ｂをプレス本体２０から引き抜くと同時に、新規の各金型２９ａ，２９ｂをプレス本体２０へ組み込むことが可能になる。
【００９５】
而して、新旧の各金型２９ａ，２９ｂのそれぞれの金型締結部材３８の間、及び各ワイヤロープ６５の端部の結合を解除した後、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様の動作によって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００９６】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００９７】
このように、図９に示す板厚圧下プレス装置においても、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様に、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００９８】
なお、本発明の板厚圧下プレス装置は上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、金型交換機構を単独でプレス本体の側方に設けてもよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００９９】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の板厚圧下プレス装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【０１００】
（１）本発明の請求項１乃至請求項６に記載した板厚圧下プレス装置のいずれにおいても、上金型と下金型とを上下一体に締結し得る金型締結部材を設け、該金型締結部材を搬送ラインの幅方向へ移動させ得る金型交換機構を設けたので、上金型及び下金型の交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【０１０１】
（２）本発明の請求項２に記載した板厚圧下プレス装置においては、金型交換機構のアクチュエータの作動によって、移動部材用ローラを有する移動部材を介して金型締結部材により一体化した上下の各金型を、上下の各金型受台から架台の外部ガイドレール上へ迅速に移載することができる。
【０１０２】
（３）本発明の請求項３、請求項４、及び請求項６に記載した板厚圧下プレス装置においては、２基あるいは複数基の金型交換機構を設けるようにしたので、１基の金型交換機構によって旧金型を取り外すとともに、他の金型交換機構によって新規の金型を取り付けることが可能となり、更に迅速な金型交換作業を実施できる。
【０１０３】
（４）本発明の請求項５に記載した板厚圧下プレス装置においては、金型交換機構のウインチの作動によって、金型締結部材により一体化した上下の各金型を、牽引索を介して上下の各金型受台から架台の外部ガイドレール上へ迅速に移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例のプレス本体を示す概念図である。
【図２】図１に関連する金型部分の拡大図である。
【図３】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図４】図３のＩＶ−ＩＶ矢視図である。
【図５】図３に関連する金型交換機構の平面配置図である。
【図６】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第２の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図７】図６のＶＩＩ−ＶＩＩ矢視図である。
【図８】図６に関連する金型交換機構の平面配置図である。
【図９】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第３の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図１０】従来の板厚圧下プレス装置の一例の概念図である。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ矢視図である。
【符号の説明】
２ 被成形材料
２８ａ 上金型受台
２８ｂ 下金型受台
２９ａ 上金型
２９ｂ 下金型
３０ 流体圧シリンダ（固定具）
３１ 受台ガイドレール
３３ 金型用ローラ
３８ 金型締結部材
４０ 金型交換機構
４１ 外部ガイドレール
４２ 架台
４３ 移動部材用ローラ
４４ 移動部材
４５ 流体圧シリンダ（アクチュエータ）
４６ 連結部材
５２ ターンテーブル
５４ 台車
６１ 金型交換機構
６２ 外部ガイドレール
６３ 架台
６５ ワイヤロープ（牽引索）
６６ ウインチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、板厚圧下プレス装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図１０及び図１１は、従来の板厚圧下プレス装置の一例を示すものであり、この板厚圧下プレス装置は、搬送ラインＳの所定位置に立設したフレーム１と、該フレーム１の内方に被成形材料２の進行を許容し得るように設けたガイド支柱３と、該ガイド支柱３の下端部に略水平状態に固着された下金型台４と、該下金型台４に対して搬送ラインＳを挟んで対峙するように前記のガイド支柱３に昇降自在に嵌装された上金型台５と、該上金型台５の上方に位置し且つ搬送ラインＳに対して直交する方向へ略水平に延び、非偏心部分が軸受を介して前記のフレーム１上に枢支されたクランク軸（図示せず）と、前記の下金型台４及び上金型台５のそれぞれに搬送ラインＳを挾んで対峙するように装着された下金型８及び上金型９とを備えている。
【０００３】
下金型台４は、上面に搬送ライン方向へ延びるあり溝１０を有し、該あり溝１０に移動自在に嵌装され且つコッタ１１によって下金型８に楔着された下スライド板１２を備えており、該下スライド板１２の上面に下金型８を装着している。
【０００４】
上金型台５は、図示していないクランク軸の偏心部分に枢支されてクランク軸の回転に伴ってガイド支柱３に沿って上下方向に往復動するようになっており、下面に搬送ライン方向へ延びるあり溝１３を有し、該あり溝１３に移動自在に嵌装され且つコッタ１４によって上金型台５に楔着された上スライド板１５を備えている。
【０００５】
上スライド板１５の中央部には、周溝１７ａを有する透孔１７が穿設されており、該透孔１７の周溝１７ａに適合するフランジ１８ａを外周に有し且つ透孔１７に上方から挿入された上金型用受台１８の下面に上金型９を装着している。
【０００６】
クランク軸は、自在継手及び減速機を介してモータの出力軸（図示せず）に連結されており、モータを作動させると、上金型台５が搬送ラインＳに対して近接離反し、該上金型台５に上金型用受台１８を介して装着されている上金型９が下金型８に近接離反するようになっている。
【０００７】
図１０及び図１１に示す板厚圧下プレス装置によって被成形材料２を板厚方向へ圧下成形する際には、モータを作動させてクランク軸を回転させるとともに、上金型９と下金型８との間に、搬送ライン上流Ａ側から被成形材料２を挿通すると、該被成形材料２は、搬送ラインＳに沿って搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向かって移動しつつ、クランク軸の偏心部分の変位に伴い搬送ラインＳに対して近接離反する上金型９によって板厚方向へ圧下成形される。
【０００８】
また、下金型８を交換する際には、下スライド板１２を下金型台４に楔着しているコッタ１１を引抜き、下スライド板１２を下金型台４のあり溝１０に沿って引き出して下金型８を板厚圧下プレス装置の外方へ移動させ、下金型台４に装着されている下金型８を下金型台４から開放した後、該下金型８を、図示していない揚重設備によって吊り上げて所定の場所へ搬出し、同じ揚重設備によって新しい下金型８を吊り上げて下スライド板１２上に搬入して装着した後、該下スライド板１２を下金型台４のあり溝１０に沿って板厚圧下プレス装置の中央部に押し入れ、コッタ１１によって下金型台４に楔着する。
【０００９】
上金型９を交換する際には、上スライド板１５を上金型台５に楔着しているコッタ１４を引抜き、上スライド板１５を上金型台５のあり溝１３に沿って引き出して上金型台５を板厚圧下プレス装置の外方へ移動させ、上金型台５に嵌着されている上金型用受台１８を、図示していない揚重設備によって吊り上げて所定の場所へ搬出し、該上金型用受台１８から上金型台５を取り外した後、新しい上金型台５を上金型用受台１８に装着してから、該上金型用受台１８を前記の揚重設備によって吊り上げて上スライド板１５上に搬入して上スライド板１５の透孔１７に嵌着した後、該上スライド板１５を上金型台５のあり溝１３に沿って板厚圧下プレス装置の中央部に押し入れ、コッタ１４によって上金型台５に楔着する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図１０及び図１１に示す板厚圧下プレス装置では、下金型８及び上金型９の磨耗が激しいために各金型８，９を交換する頻度が高いので、金型交換作業の迅速化を図らないと、折角の高い効率を有する板厚圧下プレス装置の板厚減縮能力を発揮することができない。
【００１１】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、金型交換作業を効率よく行なえる板厚圧下プレス装置を提供することを目的とするものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置では、被成形材料の搬送ラインを挾んで上下に対峙し且つ互いに近接離反し得る上金型受台及び下金型受台と、上金型受台に設けられ且つ搬送ラインの幅方向に略水平に延びる受台ガイドレールと、該受台ガイドレールに沿って転動し得る金型用ローラを有し且つ該金型用ローラにより上金型受台に装着される上金型と、該上金型を上金型受台に固定し得る固定具と、下金型受台に載置される下金型と、該下金型を下金型受台に固定し得る固定具と、上金型及び下金型の各側面に対峙し且つ両金型に締結され得る金型締結部材と、一方の金型締結部材を搬送ラインの幅方向に略水平に移動させ得る金型交換機構とを備えている。
【００１３】
本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、該外部ガイドレールに沿って転動し得る移動部材用ローラを有し且つ該移動部材用ローラにより架台に装着される移動部材と、該移動部材を搬送ラインの幅方向へ移動させ得るアクチュエータと、移動部材に設けられ且つ一方の金型締結部材に連結可能な連結部材とによって、金型交換機構を構成する。
【００１４】
本発明の請求項３に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置したターンテーブルに金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールがターンテーブルの回動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載する。
【００１５】
本発明の請求項４に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項２に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置した搬送ラインに沿って移動する台車に金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールが台車の移動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載する。
【００１６】
本発明の請求項５に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項１に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、一端が搬送ラインの一側方で一方の金型締結部材に係止され得られ且つ他端が搬送ラインの他側方で他方の金型締結部材に係止され得る牽引索と、該牽引索を搬送ラインの一側方及び他側方へ択一的に引き込むウインチとによって、金型交換機構を構成する。
【００１７】
本発明の請求項６に記載の板厚圧下プレス装置では、本発明の請求項５に記載の板厚圧下プレス装置の構成に加えて、二つの架台を有し、該架台のそれぞれの外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対し得るように、搬送ラインの両側に配置する。
【００１８】
本発明の請求項１乃至請求項６に記載した板厚圧下プレス装置のいずれにおいても、上側の固定具によって上金型を上金型受台に対して固定し、下側の固定具によって下金型を下金型受台に対して固定する。
【００１９】
また、上側の固定具及び下側の固定具を開放した状態において、金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた上金型及び下金型を、金型交換機構によって搬送ラインの幅方向へ移動させる。
【００２０】
本発明の請求項２に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放し且つ受台ガイドレールに外部ガイドレールを正対させた状態において、上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた後、一方の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って搬送ラインの幅方向へ移動させることによって、一体化した上金型及び下金型を、受台ガイドレールから外部ガイドレールへ、あるいは外部ガイドレールから受台ガイドレールへ移動させる。
【００２１】
本発明の請求項３に記載した板厚圧下プレス装置においては、複数基の金型交換機構のうちの所定の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置にターンテーブルを回動し、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材により一体的に結合することによって金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げてから、所定の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って反搬送ライン方向へ移動させることによって前記の旧上金型及び下金型を受台ガイドレールから所定の金型交換機構の外部ガイドレールへ移動させる。
【００２２】
同時に、他の金型交換機構の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置し、該金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結する。
【００２３】
その後、他の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置にターンテーブルを回動し、他の金型交換機構のアクチュエータを作動して移動部材を外部ガイドレールに沿って搬送ライン方向へ移動させることにより、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレールへ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００２４】
本発明の請求項４に記載した板厚圧下プレス装置においては、複数基の金型交換機構のうちの１基の金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置に台車を移動し、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材により一体的に結合することによって金型ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げてから、一方の金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結し、該移動部材を金型交換機構のアクチュエータにより外部ガイドレールに沿って反搬送ライン方向へ移動させることによって前記の旧上金型及び下金型を受台ガイドレールから金型交換機構の外部ガイドレールへ移動させる。
【００２５】
同時に、他の１基の金型交換機構の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置し、該金型締結部材に連結部材を介して移動部材を連結する。
【００２６】
その後、該金型交換機構の外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対する位置に台車を移動し、金型交換機構のアクチュエータを作動して移動部材を外部ガイドレールに沿って搬送ライン方向へ移動させることにより、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレールへ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００２７】
本発明の請求項５に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型用ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げた後、牽引索の一端を一方の金型締結部材に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止する。
【００２８】
その後、金型用ローラが架台側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の旧上金型及び下金型を架台側に移載し、該旧上金型及び下金型を新規の上金型及び下金型に交換して金型用ローラに吊り下げる。
【００２９】
そして、金型用ローラが受台ガイドレール側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレール側へ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００３０】
本発明の請求項６に記載した板厚圧下プレス装置においては、上側の固定具及び下側の固定具を開放した交換すべき旧上金型及び下金型を金型締結部材によって一体的に結合し且つ金型用ローラを介して受台ガイドレールに吊り下げたのち、牽引索の一端を一方の金型締結部材に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止する。
【００３１】
同時に、一側の架台の外部ガイドレールに金型締結部材によって一体化した新規の上金型及び下金型を載置しておく。
【００３２】
その後、金型用ローラが他側の架台側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の旧上金型及び下金型を他側の架台側に移載する。
【００３３】
そして、旧上金型及び下金型を結合している金型締結部材から取り外した牽引索の一端を新規の上金型及び下金型を結合している金型締結部材の一方に係止し、他端を他方の金型締結部材に係止し、新規の上金型の金型用ローラが受台ガイドレール側へ移動する方向へ牽引索が巻き込まれるように金型交換機構のウインチを作動することによって、前記の新規上金型及び下金型を受台ガイドレール側へ移動し、金型締結部材を取り外してから上側の固定具によって上金型を固定し、下側の固定具によって下金型を固定する。
【００３４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【００３５】
図１乃至図５は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例を示すものである。
【００３６】
プレス本体２０は、図１及び図２に示すように被成形材料２の進行を許容し得るように搬送ラインＳの所定位置に立設したハウジング２１と、搬送ラインＳを挟んで上下に対峙するようにハウジング２１のウインド部２２に嵌装された上軸箱２３ａ及び下軸箱２３ｂと、搬送ラインＳに対して直交する方向へ略水平に延び且つ非偏心部分が軸受（図示せず）を介して上軸箱２３ａあるいは下軸箱２３ｂに枢支された上下のクランク軸２４ａ，２４ｂと、搬送ラインＳの上下にそれぞれ位置し且つ基端部が前記のクランク軸２４ａ，２４ｂの偏心部分に枢支された上下に延びるロッド２５ａ，２５ｂと、ロッド２５ａ，２５ｂの先端部にブラケット２６ａ，２６ｂを介して連結された上金型台２７ａ及び下金型台２７ｂと、該上金型台２７ａに上金型受台２８ａを介して装着された上金型２９ａと、前記の下金型台２７ｂに下金型受台２８ｂを介して装着された下金型２９ｂとを備えている。
【００３７】
クランク軸２４ａ，２４ｂは、図示しない自在継手及び減速機を介してモータの出力軸（図示せず）に連結されており、モータを作動させると、上下の金型２９ａ，２９ｂが搬送ラインＳに対して同調して近接離反するようになっている。
【００３８】
上金型台２７ａ及び下金型台２７ｂは、ハウジング２１のウインド部２２に摺動可能に嵌装され、ピストンロッド先端部が上金型受台２８ａあるいは下金型受台２８ｂを貫通して延びるように配置された流体圧シリンダ３０を中央部に内蔵している。
【００３９】
上金型受台２８ａは、上金型台２７ａの下面に固定され、搬送ライン方向に所定の間隔を隔てて相対し且つ互いに平行して搬送ラインＳの幅方向へ延び、上部が山形に形成された受台ガイドレール３１を下面に有する。
【００４０】
下金型受台２８ｂは、下金型台２７ｂの上面に固定され、下金型２９ｂの搬送ライン方向長さに適合した幅を有して搬送ラインＳの幅方向へ延びる角溝３２を上面に有する。
【００４１】
上金型２９ａは、上面の搬送ライン方向両縁に、外側へ張り出して取り付けられ且つ前記の受台ガイドレール３１に沿って転動し得るように縦列に配置された複数の金型用ローラ３３を有し、上面の中央部に搬送ライン幅方向へ貫通するあり溝３４ａを有する。
【００４２】
このあり溝３４ａは、上金型２９ａを上金型受台２８ａに装着する際に、前記の流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部に外嵌するように形成され且つ流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧が付与されると、該ピストンロッド先端部によってあり溝３４ａの側縁が上金型受台２８ａに押し付けられ、上金型２９ａが上金型受台２８ａに固着されるようになっている。
【００４３】
下金型２９ｂは、前記の下金型受台２８ｂの角溝３２に沿って移動し得る搬送ライン方向長さを有し、下面の中央部に搬送ラインＳの幅方向へ貫通するあり溝３４ｂを有する。
【００４４】
このあり溝３４ｂは、下金型２９ｂを下金型受台２８ｂに装着する際に、前記の流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部が嵌入され且つ流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧が付与されると、該ピストンロッド先端部によってあり溝３４ｂの側縁が下金型受台２８ｂに押し付けられ、下金型２９ｂが下金型受台２８ｂに固着されるようになっている。
【００４５】
また、上金型２９ａ及び下金型２９ｂは、搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向って徐々に搬送ラインＳへ近接する平坦な成形面３５ａ，３５ｂと、該成形面３５ａ，３５ｂに連なり且つ搬送ラインＳに平行に対峙する平坦な成形面３６ａ，３６ｂとを有している。
【００４６】
各金型２９ａ，２９ｂの幅は、被成形材料２の板幅（約２０００ｍｍ以上）に応じて設定されている。
【００４７】
ハウジング２１の上部には、上軸箱２３ａを搬送ラインＳに対して近接離反させるための位置調整用スクリュー３７が設けられており、該位置調整用スクリュー３７を周方向へ回転させることにより、クランク軸２４ａ、ロッド２５ａ、上金型台２７ａ等を介して上金型２９ａが昇降し、上金型２９ａと下金型２９ｂとの間隔、すなわち、被成形材料２の圧下量が調節される。
【００４８】
金型締結部材３８は、上下の各金型２９ａ，２９ｂを交換する際に上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体に締結するために用意されている。
【００４９】
金型締結部材３８は、上下の各金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン幅方向の両側面のそれぞれに当接し得られ且つ当接面側に上下の金型２９ａ，２９ｂの間で挟み得る突起部３８ａを有し、上金型２９ａ及び下金型２９ｂにそれぞれボルト締結し得るように形成された左右一対の部材からなり、各金型締結部材３８の表面には、後述の連結部材４６をボルト連結するために、図３に示すようなブラケット３９が設けられている。
【００５０】
金型交換機構４０は、図３及び図４に示すように搬送ラインＳの側方で前記の受台ガイドレール３１に正対し得られ且つ金型用ローラ３３が転動し得る外部ガイドレール４１を備えた架台４２と、該外部ガイドレール４１に沿って転動し得る移動部材用ローラ４３を有し且つ該移動部材用ローラ４３により架台４２に装着される移動部材４４と、該移動部材４４を搬送ラインＳの幅方向へ移動させ得る流体圧シリンダ４５と、移動部材４４に設けられ且つ一方の金型締結部材３８のブラケット３９に連結可能な連結部材４６とによって構成されている。
【００５１】
架台４２は、基台４７と、該基台４７上の搬送ラインＳの幅方向に所定の間隔を隔てて立設された門形の支柱４８とを有し、前記の外部ガイドレール４１は、この支柱４８の内側の所定高さ位置に設けられて内方へ突出するアーム４９によって支持されており、上部が山形に形成された角型断面を有する。
【００５２】
移動部材４４は、移動部材本体５０と、該移動部材本体５０の四隅に設けられ且つ上方へ延びる脚５１とを有し、外部ガイドレール４１を受台ガイドレール３１に正対させた際に、搬送ライン側に位置する２本の脚５１の搬送ライン側に連結部材４６の一端がボルト締結されている。
【００５３】
移動部材用ローラ４３は、前記の外部ガイドレール４１を上下から挾むように各脚５１の頂部にそれぞれ２個ずつ設けられている。
【００５４】
流体圧シリンダ４５は、シリンダ部が架台４２の基台４７の上面中央の搬送ライン寄りに枢支され且つピストンロッド先端部が移動部材本体５０の下面に枢支されて、外部ガイドレール４１に平行する方向へ進退し得る水平状態に配置されており、該流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧が付与されると、移動部材４４が搬送ライン側へ移動し、ヘッド側流体室に流体圧が付与されると、移動部材４４が反搬送ライン側へ移動するようになっている。
【００５５】
図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置では、搬送ラインＳの側方のプレス本体２０の近傍にターンテーブル５２を設け、該ターンテーブル５２の上面に所定の間隔を隔てて２基の金型交換機構４０を配置し、前記のターンテーブル５２を回動させることによって、それぞれの架台４２の外部ガイドレール４１がプレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得るように搭載している。
【００５６】
図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置によって被成形材料２を板厚方向へ圧下成形する際には、位置調整用スクリュー３７を適宜回転させることにより、上金型２９ａと下金型２９ｂとの間隔を板厚方向に圧下成形すべき被成形材料２の板厚に応じて設定する。
【００５７】
次いで、モータを作動させて上下のクランク軸２４ａ，２４ｂを回転させるとともに、上金型２９ａと下金型２９ｂの間に、搬送ライン上流Ａ側から被成形材料２を挿通すると、該被成形材料２は、搬送ラインＳに沿って搬送ライン上流Ａ側から搬送ライン下流Ｂ側へ向かって移動しつつ、クランク軸２４ａ，２４ｂの偏心部分の変位に伴い搬送ラインＳに対して近接離反する上金型２９ａと下金型２９ｂとによって板厚方向へ圧下成形される。
【００５８】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、上下の各金型２９ａ，２９ｂの両側面のそれぞれに金型締結部材３８を当接し且つ突起部３８ａを上下の金型２９ａ，２９ｂによって挟み込んでからボルト締結を行なって上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化した後、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定している流体圧シリンダ３０のヘッド側流体室に流体圧を付与することによって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、プレス本体２０のモータを作動して上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００５９】
次いで、ターンテーブル５２を回動させ、ターンテーブル上に設けた２基の金型交換機構４０のうちの一方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００６０】
金型交換機構４０の流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４をプレス本体側へ移動させ、該移動部材４４と前記の金型締結部材３８のブラケット３９とを連結部材４６を介して連結してから、流体圧シリンダ４５のヘッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４を反プレス本体側へ移動させると、金型締結部材３８によって一体化されている上金型２９ａと下金型２９ｂとが上金型２９ａに設けられている金型用ローラ３３を介して受台ガイドレール３１に導かれて外部ガイドレール４１側へ移行する結果、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時にプレス本体２０から引き抜かれて金型交換機構４０の架台４２に移載される。
【００６１】
この間に、ターンテーブル５２に設けた他の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該金型締結部材３８のブラケット３９と金型交換機構４０の移動部材４４とを連結部材４６を介して連結して置く。
【００６２】
再度、ターンテーブル５２を回動させ、ターンテーブル５２に設けた２基の金型交換機構４０のうちの他方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００６３】
ここで、金型交換機構４０の流体圧シリンダ４５のロッド側流体室に流体圧を付与することによって移動部材４４をプレス本体側へ移動させると、該移動部材４４に連結部材４６を介して連結されている金型締結部材３８によって上下一体化されている上金型２９ａと下金型２９ｂとが上金型２９ａに設けられている金型用ローラ３３を介して外部ガイドレール４１に導かれて受台ガイドレール３１側へ移行する結果、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時に金型交換機構４０の架台４２からプレス本体２０に移載される。
【００６４】
このとき、上下の各金型２９ａ，２９ｂに設けられている各あり溝３４に対して、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定すべき流体圧シリンダ３０のピストンロッド先端部がそれぞれ自動的に嵌入する。
【００６５】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂがプレス本体２０に移載された後、金型締結部材３８に連結されている連結部材４６の連結を開放し、プレス本体２０のモータを作動して上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに近接させ、上下の各金型２９ａ，２９ｂの両側面にボルト締結されている金型締結部材３８を取り除いた後、上下の各金型２９ａ，２９ｂを固定すべき流体圧シリンダ３０のロッド側流体室に流体圧を付与することによって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００６６】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００６７】
このように、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置においては、上金型２９ａと下金型２９ｂとを上下一体に締結し得る金型締結部材３８を設け、該金型締結部材３８によって一体化した上金型２９ａと下金型２９ｂとをプレス本体２０に対して着脱自在な金型交換機構４０を設けたので、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００６８】
図６乃至図８は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第２の例を示すものであり、図中、図１乃至図５と同一の符号を付したものは同一物を表す。
【００６９】
この板厚圧下プレス装置では、搬送ラインＳの一側方に配置され且つ搬送ラインＳに平行して延びる台車移動用の軌道５３と、該軌道５３に沿って移動し得る台車５４と、該台車５４を移動させ得る流体圧シリンダ５５と、前記の台車５４に装備した２基の金型交換機構４０とを備えている。
【００７０】
軌道５３は、搬送ラインＳの一側方のプレス本体２０の近傍に配置された基礎フレーム５６と、該基礎フレーム５６の上面に搬送ラインＳの幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行し且つ搬送ラインＳに沿って略水平に延びるように設けられた一対のレール５７とによって形成されている。
【００７１】
台車５４は、前記のレール５７に沿って転動し得る複数の車輪５８を備え且つ金型交換機構４０を搭載し得るように形成された車体５９を有し、該車体５９の上に装備された２基の金型交換機構４０のそれぞれの架台４２の外部ガイドレール４１が台車５４の移動に伴ってプレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得るようになっている。
【００７２】
流体圧シリンダ５５は、軌道５３の基礎フレーム５６の内方に略水平に配置され、シリンダ部が軌道５３の基礎フレーム５６に枢支され、ピストンロッド先端部が台車５４の車体５９の下面に設けられたブラケット６０によって枢支され、ヘッド側流体室あるいはロッド側流体室に流体圧を付与することによって台車５４を移動させ得るようになっている。
【００７３】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００７４】
次いで、流体圧シリンダ５５のヘッド側流体室あるいはロッド側流体室に流体圧を付与して台車５４を移動させ、台車５４に設けた２基の金型交換機構４０のうちの一方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００７５】
その後、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａ及び下金型２９ｂを同時にプレス本体２０から引き抜き、金型交換機構４０の架台４２に移載する。
【００７６】
この間に、台車５４に設けた他の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該金型締結部材３８のブラケット３９と金型交換機構４０の移動部材４４とを連結部材４６を介して連結して置く。
【００７７】
再度、台車５４を移動させ、台車５４に設けた２基の金型交換機構４０のうちの他方の金型交換機構４０の架台４２の外部ガイドレール４１を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に対して正対する位置に停止させる。
【００７８】
ここで、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを同時に金型交換機構４０の架台４２からプレス本体２０に移載し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００７９】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００８０】
このように、図６乃至図８に示す板厚圧下プレス装置においても、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様に、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００８１】
図９は本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第３の例を示すものであり、図中、図１乃至図５と同一の符号を付したものは同一物を表す。
【００８２】
金型交換機構６１は、搬送ラインＳの両側方に配置されており、プレス本体２０の受台ガイドレール３１に正対し得られ且つ金型用ローラ３３が転動し得る外部ガイドレール６２を昇降可能に備えた架台６３と、外部ガイドレール６２を架台６３を介して昇降させ得る流体圧シリンダ６４と、一端が搬送ラインＳの一側方で一方の金型締結部材３８に係止され得られ且つ他端が搬送ラインＳの他側方で他方の金型締結部材３８に係止され得るワイヤロープ６５と、該ワイヤロープ６５を搬送ラインＳの一側方及び他側方へ択一的に引き込むウインチ６６とによって構成されている。
【００８３】
架台６３は、プレス本体２０の側方の床面に固定された基台６７と、該基台６７の上面に搬送ラインＳに平行する方向に所定の間隔を隔てて配設された前後一対の傾動型支柱６８とを有する。
【００８４】
傾動型支柱６８は、長手方向中間部位がピン６９を介して交差する２本のリンク７０，７１からなり、一方のリンク７０は、基台６７のプレス本体２０寄りの端部に枢支された基部と外部ガイドレール６２の反プレス本体側の一端を枢支する先端部とを有し、他方のリンク７１は、基台６７の反プレス本体側に設けられ搬送ライン幅方向へ延びるガイド部材７２によって移動可能に支持された基部と外部ガイドレール６２のプレス本体２０側の端側に設けられたガイド部材７３に移動自在に係合する先端部とを有する。
【００８５】
流体圧シリンダ６４は、シリンダが、基台６７の中央部のプレス本体２０寄りに枢支され、ピストンロッド先端部が、傾動型支柱６８の他方のリンク７１の移動可能な基部を搬送ラインＳに平行する方向に連結する軸７４の中央部に連結されており、ロッド側流体室に流体圧を付与すると、ピストンロッドが引っ込まれるので傾動型支柱６８が立ち上がるため外部ガイドレール６２が上昇し、ヘッド側流体室に流体圧を付与すると、ピストンロッドが押し出されるので傾動型支柱６８が傾くため外部ガイドレール６２が下降するようになっている。
【００８６】
各架台６３，６３のそれぞれの基台６７の幅方向中央部の反プレス本体側端部上面及びその上方には、ローププーリ７５が配置されており、搬送ラインＳの他側（図９に示すＡ側）のプレス本体２０側にはロープガイドローラ７６が設けられている。
【００８７】
また、搬送ラインＳの一側（図９に示すＢ側）の架台６３の基台中央のプレス本体２０寄りには、ウインチ６６が配置されている。
【００８８】
ウインチ６６から搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の一端は、搬送ラインＳの一側方で各ローププーリ７５，７５に掛け回されて一方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止できるように、また、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の他端は、ロープガイドローラ７６に掛け渡され、搬送ラインＳの他側方で各ローププーリ７５，７５に掛け回されて他方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止できるようになっている。
【００８９】
搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込み且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出す方向にウインチ６６を作動させると、一方の金型締結部材３８を介して上下の金型２９ａ，２９ｂを搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ引き出すことができ、搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出し且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込む方向にウインチ６６を作動させると、他方の金型締結部材３８を介して上下の金型２９ａ，２９ｂを搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ引き出すことができるようになっている。
【００９０】
上金型２９ａ及び下金型２９ｂを交換する際は、図１乃至図５に示す板厚圧下プレス装置と同様の動作によって、上金型２９ａと下金型２９ｂとを一体化し、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して固着されている各金型２９ａ，２９ｂを開放し、上金型受台２８ａと下金型受台２８ｂとの間隔を僅かに離反させる。
【００９１】
次いで、流体圧シリンダ６４のロッド側流体室あるいはヘッド側流体室のいずれかに流体圧を付与することによって、外部ガイドレール６２を昇降させ、該外部ガイドレール６２の高さ位置を、プレス本体２０の受台ガイドレール３１の高さに合致させる。
【００９２】
また、ウインチ６６から搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の一端を一方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止し、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）へ繰り出されたワイヤロープ６５の他端を他方の金型締結部材３８のブラケット３９に係止する。
【００９３】
その後、搬送ラインＳの一側（図９のＢ側）へ延びるワイヤロープ６５を巻き込み且つ他側（図９のＡ側）へ延びるワイヤロープ６５を繰り出す方向にウインチ６６を作動させると、上金型２９ａ及び下金型２９ｂが同時にプレス本体２０から引き抜かれて、図９に示すＢ側の金型交換機構６１の架台６３に移載される。
【００９４】
この際に、搬送ラインＳの他側（図９のＡ側）の金型交換機構６１の架台６３の外部ガイドレール６２に、別の金型締結部材３８によって上下一体化した新規の上金型２９ａ及び下金型２９ｂを装着し、該各金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン側の金型締結部材３８のブラケット３９と前記の旧金型２９ａ，２９ｂの搬送ライン他側の金型締結部材３８のブラケット３９とを連結し、新規の各金型２９ａ，２９ｂの反搬送ライン側の金型締結部材３８のブラケット３９にワイヤロープ６５の他端を係止するようにしておけば、旧各金型２９ａ，２９ｂをプレス本体２０から引き抜くと同時に、新規の各金型２９ａ，２９ｂをプレス本体２０へ組み込むことが可能になる。
【００９５】
而して、新旧の各金型２９ａ，２９ｂのそれぞれの金型締結部材３８の間、及び各ワイヤロープ６５の端部の結合を解除した後、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様の動作によって、各金型受台２８ａ，２８ｂに対して各金型２９ａ，２９ｂを固着する。
【００９６】
以上の作業によって、各金型２９ａ，２９ｂの交換を終了する。
【００９７】
このように、図９に示す板厚圧下プレス装置においても、図１乃至図５に示す本発明の第１の形態例と同様に、上金型２９ａ及び下金型２９ｂの交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【００９８】
なお、本発明の板厚圧下プレス装置は上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、金型交換機構を単独でプレス本体の側方に設けてもよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００９９】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の板厚圧下プレス装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【０１００】
（１）本発明の請求項１乃至請求項６に記載した板厚圧下プレス装置のいずれにおいても、上金型と下金型とを上下一体に締結し得る金型締結部材を設け、該金型締結部材を搬送ラインの幅方向へ移動させ得る金型交換機構を設けたので、上金型及び下金型の交換作業を迅速に行なうことが可能となり、板厚圧下プレス装置の板厚減縮効率を高レベルの状態に維持することができる。
【０１０１】
（２）本発明の請求項２に記載した板厚圧下プレス装置においては、金型交換機構のアクチュエータの作動によって、移動部材用ローラを有する移動部材を介して金型締結部材により一体化した上下の各金型を、上下の各金型受台から架台の外部ガイドレール上へ迅速に移載することができる。
【０１０２】
（３）本発明の請求項３、請求項４、及び請求項６に記載した板厚圧下プレス装置においては、２基あるいは複数基の金型交換機構を設けるようにしたので、１基の金型交換機構によって旧金型を取り外すとともに、他の金型交換機構によって新規の金型を取り付けることが可能となり、更に迅速な金型交換作業を実施できる。
【０１０３】
（４）本発明の請求項５に記載した板厚圧下プレス装置においては、金型交換機構のウインチの作動によって、金型締結部材により一体化した上下の各金型を、牽引索を介して上下の各金型受台から架台の外部ガイドレール上へ迅速に移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例のプレス本体を示す概念図である。
【図２】図１に関連する金型部分の拡大図である。
【図３】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第１の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図４】図３のＩＶ−ＩＶ矢視図である。
【図５】図３に関連する金型交換機構の平面配置図である。
【図６】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第２の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図７】図６のＶＩＩ−ＶＩＩ矢視図である。
【図８】図６に関連する金型交換機構の平面配置図である。
【図９】本発明の板厚圧下プレス装置の実施の形態の第３の例の金型交換機構を示す概念図である。
【図１０】従来の板厚圧下プレス装置の一例の概念図である。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ矢視図である。
【符号の説明】
２ 被成形材料
２８ａ 上金型受台
２８ｂ 下金型受台
２９ａ 上金型
２９ｂ 下金型
３０ 流体圧シリンダ（固定具）
３１ 受台ガイドレール
３３ 金型用ローラ
３８ 金型締結部材
４０ 金型交換機構
４１ 外部ガイドレール
４２ 架台
４３ 移動部材用ローラ
４４ 移動部材
４５ 流体圧シリンダ（アクチュエータ）
４６ 連結部材
５２ ターンテーブル
５４ 台車
６１ 金型交換機構
６２ 外部ガイドレール
６３ 架台
６５ ワイヤロープ（牽引索）
６６ ウインチ
Claims (6)
- 被成形材料の搬送ラインを挾んで上下に対峙し且つ互いに近接離反し得る上金型受台及び下金型受台と、上金型受台に設けられ且つ搬送ラインの幅方向に略水平に延びる受台ガイドレールと、該受台ガイドレールに沿って転動し得る金型用ローラを有し且つ該金型用ローラにより上金型受台に装着される上金型と、該上金型を上金型受台に固定し得る固定具と、下金型受台に載置される下金型と、該下金型を下金型受台に固定し得る固定具と、上金型及び下金型の各側面に対峙し且つ両金型に締結され得る金型締結部材と、一方の金型締結部材を搬送ラインの幅方向に略水平に移動させ得る金型交換機構とを備えてなることを特徴とする板厚圧下プレス装置。
- 搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、該外部ガイドレールに沿って転動し得る移動部材用ローラを有し且つ該移動部材用ローラにより架台に装着される移動部材と、該移動部材を搬送ラインの幅方向へ移動させ得るアクチュエータと、移動部材に設けられ且つ一方の金型締結部材に連結可能な連結部材とによって、金型交換機構を構成した請求項１に記載の板厚圧下プレス装置。
- 複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置したターンテーブルに金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールがターンテーブルの回動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載した請求項２に記載の板厚圧下プレス装置。
- 複数基の金型交換機構を有し、搬送ラインの側方に配置した搬送ラインに沿って移動する台車に金型交換機構を、それぞれの外部ガイドレールが台車の移動に伴って受台ガイドレールに正対し得るように搭載した請求項２に記載の板厚圧下プレス装置。
- 搬送ラインの側方で受台ガイドレールに正対し得られ且つ金型用ローラが転動し得る外部ガイドレールを備えた架台と、一端が搬送ラインの一側方で一方の金型締結部材に係止され得られ且つ他端が搬送ラインの他側方で他方の金型締結部材に係止され得る牽引索と、該牽引索を搬送ラインの一側方及び他側方へ択一的に引き込むウインチとによって、金型交換機構を構成した請求項１に記載の板厚圧下プレス装置。
- 二つの架台を有し、該架台のそれぞれの外部ガイドレールが受台ガイドレールに正対し得るように、搬送ラインの両側に配置した請求項５に記載の板厚圧下プレス装置。
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