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JP3989728B2 - 吸着ノズル先端位置検出方法および吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット - Google Patents

吸着ノズル先端位置検出方法および吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出する方法に関し、また、その検出方法において使用する検出用チップおよびその検出用チップを含む検出用補助器具セットに関する。
【0002】
【従来の技術】
保持対象物を吸着保持する吸着ノズルは、例えば、電気部品(電子部品を含む)の装着作業を行う電気部品装着システムの電気部品装着装置において用いられている。電気部品装着装置は、電気部品を電気部品供給装置にて取得し、その電気部品を回路基板の表面に装着する装置であり、吸着ノズルは、その装着装置が備える装着ヘッドの電気部品保持デバイスとして利用され、先端において保持対象物である電気部品を負圧にて吸着保持する。かかる電気部品装着システムでは、吸着ノズルが安定して電気部品を吸着保持することが要求され、また、その保持された電気部品が位置精度よく回路基板に装着されることが要求される。そのためには、吸着ノズルの先端位置を把握することが必要となってくる。。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
電気部品装着システムにおいては、吸着ノズルの先端位置を検出する方法として、例えば、電気部品の代わりに基準チップを吸着ノズルに保持させて、これを実際に基準基板等に装着し、その装着結果から吸着ノズルの先端位置を取得するという方法が検討されている。ところが、この方法では、吸着ノズルの位置誤差以外の装置誤差を含むことになり、吸着ノズルの先端位置を精度よく把握することが困難であり、また、基準チップの装着およびその結果を検査するといった作業を必要とすることから、煩雑であるという問題を抱えていた。
【0004】
本発明は、電気部品装着システムに用いられる吸着ノズルを始めとして、高精度な作業を要求される機器に用いられる吸着ノズルを対象になされたものであり、保持対象物を保持する吸着ノズルの先端の位置を高精度に取得することを課題としてなされたものである。本発明によって、下記各態様の吸着ノズル先端位置検出方法、吸着ノズル先端位置検出用チップおよび吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能である。
【0005】
なお、以下の各項において、(1)項と(4)項とを合わせたものが請求項1に相当し、(21)項と(22)項とを合わせたものが請求項2に相当する。
【0006】
(1)先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出する方法であって、
(a)前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、(b)その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部とを有する検出用チップを準備する工程と、
その検出用チップを前記被吸着部において前記吸着ノズルに吸着させる工程と、
その吸着させた検出用チップを、前記吸着ノズルが正規の状態である場合のその吸着ノズルの軸線である理論軸線に平行な方向の吸着ノズル側とは反対側から撮像する工程と、
その撮像により得られた前記撮像対象部の撮像データに基づいて、前記吸着ノズルの先端の前記理論軸線に直角な平面内の中心位置を検出する工程と
を含むことを特徴とする吸着ノズル先端位置検出方法。
【0007】
本発明は、前述した電気部品装着システムにおいて用いられる吸着ノズルに限定されるものではないが、具体的な態様を想起し易い点等を考慮して、以下の説明は、電気部品装着装置が備える装着ヘッドの電気部品保持デバイスとしての吸着ノズルを例にとって、その吸着ノズルに適用された態様を中心に行うこととする。電気部品装着システムは、電気部品を供給する電気部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、電気部品を電気部品供給装置において取得保持し回路基板の表面に装着する電気部品装着装置とを含んで構成され、電気部品装着装置は、装着ヘッドを有する装着ユニットと、その装着ヘッドを部品供給位置から部品装着位置まで移動させるべく装着ユニットを移動あるいは駆動させる装着ユニット移動装置を含んで構成される。かかる電気部品装着装置において、吸着ノズルは、装着ヘッドの下端部に設けられ、負圧が供給されることよって先端で電気部品を吸着し、負圧が遮断されるあるいは正圧が供給されることによって電子部品を離脱するように機能する。電気部品装着作業は、高い装着精度を要求されることから、吸着ノズル先端に保持された電気部品の保持姿勢を電気部品装着システムが備える部品撮像装置によって撮像し、その撮像データを画像処理することによって保持位置のずれ量(装着ヘッドの中心軸線からのずれ量)を取得し、そのずれ量に基づいた補正が行われて、適正な装着位置に電気部品が装着される。そのような電気部品装着作業であるがゆえに、吸着ノズル先端の中心位置は、正確に把握されていなければならない。
【0008】
また、高精度な装着を行うには、吸着ノズルが安定した姿勢で電気部品を吸着保持することが必要となってくる。例えば、吸着ノズルが曲がる等してその先端位置がずれているような場合、電気部品供給装置において電気部品を保持する際に、電気部品における適正位置を吸着ノズルが吸着できないことになる。適正位置からずれて電気部品が吸着された場合、例えば、電気部品が傾いて吸着されたり、異なる面で吸着されたりする現象が生じ得る。また、場合によっては、充分な吸着力が得られず、保持された電気部品が落下するという現象も生じ得る。かかる現象は、小さな電気部品において特に発生し易く、電気部品の小型化が進む今日では、安定した電気部品の吸着が切望される。例えば、0.6mm×0.3mm程度の電気部品では、吸着ノズルが0.2mm程度ずれただけでも上記現象が発生する可能性が高くなるのである。したがって、安定した電気部品の吸着という観点からも、吸着ノズル先端の中心位置は正確に把握される必要がある。
【0009】
本項に記載の先端位置検出方法では、上述した、「(a)前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、(b)その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部とを有する検出用チップ」を位置検出のための補助具として用いる。吸着ノズルは、例えば、一般に円筒形状をなすノズル部を有し、そのノズル部の一端において保持対象物である電気部品を吸着するものが多い。かかる吸着ノズルに適用可能な本検出用チップの具体的な形状について例示すれば、その代表的なものが、真球形状である。真球状のチップの場合、その表面のいずれの部分も被吸着部となり得る。そして、吸着ノズルに吸着された場合に、その吸着ノズルの軸線方向の吸着ノズルの反対側から見た場合に認識できる手前側の半球形状の表面が撮像対象部となる。つまり、吸着される表面の部分の反対側に位置して、吸着される部分に応じた反対側の表面の半球部分が撮像対象部となるのである。
【0010】
円筒形状の吸着ノズルに真球状の検出用チップを吸着させれば、後に図を用いて詳しく説明するように、その検出用チップの中心、つまり球体の中心は、チップ球面(詳しくは、凸球面)のどの位置において吸着ノズルに吸着された場合であっても、吸着ノズルの軸線上、厳密には先端部における軸線上に位置することになる。例えば、吸着ノズルの先端が上記理論軸線からずれている場合、装着ヘッドを検出用チップが存在する位置に移動させて吸着ノズルによりその検出用チップを吸着するときには、理論軸線からの上記ずれ量だけずれた位置において検出用チップが吸着される。この場合であっても、真球状をなしていることから、検出用チップの中心は、吸着された状態において、吸着ノズルの軸線上に位置することになる。
【0011】
吸着された状態において、吸着ノズルの軸線方向の吸着ノズルの反対側から見た場合に、真球状の検出用チップの撮像対象部、つまり、手前側の半球部分は、円形に見え、その円の中心は、吸着ノズルの軸線と一致する。言い換えれば、撮像対象部の吸着ノズル軸線方向への投影像は円となり、その中心が吸着ノズル軸線上に位置するのである。真球状の検出用チップでは、球面のいずれの部分で吸着された場合でも、撮像対象部の投影像は、同じ円となる。すなわち、いずれの部分において吸着された場合でも、その撮影像の輪郭から認識されるその円の中心を求めれば、容易に吸着ノズル先端の中心位置が検出できる。したがって、上記真球状の検出用チップを検出の対象とされる吸着ノズルに吸着させた状態でこれを撮像すれば、その撮像データから容易にかつ正確に吸着ノズル先端の位置が検出可能なのである。
【0012】
本項に記載の検出用チップは、真球状のものの他に、例えば、半球状のものであってもよい。半球状の検出用チップの場合は、凸球面からなる。球面部が被吸着部となる。球面部が被吸着部となることから、上記真球状の検出用チップの場合と同様、ずれた位置で吸着した場合であっても、吸着した状態では、その凸球面を表面の一部分とする仮想球(凸球面が延長されて構成される仮想球)の中心が吸着ノズルの軸線上に位置する。このことから、本項に記載の検出用チップでは、球面が被吸着部となるような形状の検出用チップであることが望ましい。また、半球状の検出用チップにおいては、半球を構成する平面である円形平面が撮像対象部となる。この円形平面は、上記被吸着部における仮想球の中心をその平面内に含み、かつ、円形平面の中心とその仮想球の中心とが一致する。したがって、凸球面である被吸着部のいずれの部分で吸着された場合でも、撮像対象部の投影像の中心は吸着ノズルの軸線上に位置する。つまり、傾いて吸着された場合、撮像対象部である円形平面を吸着ノズルの軸線方向から見れば、その形状は楕円形になるが、その楕円形の中心は、吸着ノズルの軸線上に位置するのである。したがって、かかる半球状の検出用チップの場合であっても、真球状の検出用チップの場合と同様に、撮像対象部である円形平面の撮像データから容易にかつ正確に吸着ノズル先端の位置が検出可能なのである。
【0013】
以上のことを総合して鑑みれば、半球状の検出用チップのみならず、凸球面からなる被吸着部と、その凸球面が延長されて構成される仮想球の中心を含む平面であって、その中心とその仮想球の中心とが一致するような平面が撮像対象部となるもの、あるいは、その平面内の上記仮想球の中心が位置する部分に検出マークが付されたものであって、その検出マークが撮像対象部となるもの等、種々のものを本項に記載の検出用チップとして用いることができる。
【0014】
吸着ノズル先端位置の基準となる軸線は、その吸着ノズルが正規の状態つまり設計上の位置である理論位置にある場合の軸線である。この理論軸線に平行な方向から撮像すれば、その吸着ノズルが位置ずれを起こしている場合であっても、その理論軸線の方向に直角な平面内における吸着ノズル先端の位置、つまり、理論軸線からの位置ずれ方向および位置ずれ量が検出できる。一般に、装着ヘッドの軸線と吸着ノズルの軸線とが互いに平行になるように吸着ノズルが取り付けられる。多くは、両者の軸線が一致するように設計される。その場合、理論軸線は装着ヘッドの軸線と一致する。したがって、その場合、その軸線と撮像装置の光軸線とが一致する位置で撮像すれば、装着ヘッドの中心軸線からの吸着ノズル先端のずれ量が簡単に求まる。また、装着ヘッドの軸線と撮像装置の光軸線とが一致していなくても、吸着ノズルを装着ヘッドの軸線回りに回転させて、複数の回転角度位置で撮像すれば、装着ヘッドの軸線の撮像装置の光軸線からのずれの方向およびずれ量と、装着ヘッドの軸線からの吸着ノズル先端位置のずれの方向およびずれ量との両者が同時に求まる。吸着ノズルの先端位置を検出することによって取得されるこれらのずれ量は、装着作業において装着位置の補正データとして活用されることで、高精度な装着作業が可能となるのである。また、電気部品供給装置において電気部品を吸着する際にも、装着ヘッドの軸線からの吸着ノズル先端のずれの方向およびずれ量が把握されていれば、そのずれの方向およびずれ量に基づいて補正を行った適切な移動位置に装着ヘッドを移動させることができ、吸着ノズルは電気部品の適切な位置において吸着できることになり、安定した電気部品の吸着保持が可能となる。
【0015】
ここで、補助具として直方体チップ等の何らの特別な手段を講じていない検出用チップを用いて、吸着ノズルの先端位置を検出する場合を考える。装着ヘッドを所定位置に移動させてそのチップを吸着させた場合、吸着ノズルの先端が装着ヘッド中心軸を基準とした軸位置ずれを生じているときには、そのチップの中心と装着ノズル先端の中心とが一致することは保証し得ない。このことを参酌すれば、本項に記載の検出用チップを補助具として用いる場合の吸着チップ先端の位置検出が、高精度な検出であることが容易に理解できる。
【0016】
撮像のための装置は、特に限定されるものではなく、例えば、CCDカメラ、ラインセンサ等の撮像デバイスを含むものであればよい。本項にいう「理論軸線に平行な方向の吸着ノズル側とは反対側から撮像する」とは、撮像デバイスの撮像方向を限定するものではなく、検出用チップが撮像される方向を意味する。撮像方向がその方向と異なるように撮像デバイスを位置させて、上記検出用チップが撮像される方向からの像形成光を、何らかの導光装置によって屈折させる等して、その撮像デバイスに入光させるものであってもよい。また、撮像対象部の撮像データは、例えば、画像処理コンピュータ等によって解析処理される等され、その結果から、吸着ノズルの先端位置の中心位置が検出される。
【0017】
(2)前記検出用チップとして、前記撮像対象部が撮像視野内の他の部分と識別可能なチップを用いる(1)項に記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0018】
電気部品装着システムにおける電気部品の保持姿勢の撮像は、いわゆるフロントライトによる正面像を撮像する方式ものと、バックライトによるシルエット像を撮像する方式ものとに大別できる。吸着ノズルに検出用チップを保持させて撮像する場合にも、それらのいずれかの方式が採用される。いずれの方式の場合であっても、撮像対象部がその背景となる部分から容易に識別できることが望ましい。例えば、装着ヘッドが保持されている部品装着装置の一部分(吸着ノズル自らの一部分を含む)等が背景となることが考えられるため、これらとともに撮像された撮影像が、他の部分とのコントラストの差が大きくなるような撮像対象部を有する検出用チップであれば、吸着ノズル先端位置が正確に検出できることになる。
【0019】
上述した真球状の検出用チップを例にとってさらに具体的に説明する。真球状の検出用チップであれば、例えば、連続したスペクトルを有する可視光線を利用して行う場合、正面像を得る方式においては、背景となる部分が黒っぽく写るように構成され、これに対して白っぽく写るような表面を有するものを採用すればよい。逆に、シルエット像を得る方式においては、黒っぽく写るような表面を有するものであればよい。撮像に利用する光は、可視光に限らず、紫外線あるいは赤外線等であってもよい。また、単色光あるいは限られた範囲の波長のみの光を利用して行うこともできる。これらの場合は、その光に対する反射率あるいは吸収率を考慮して、検出用チップの表面の色等を決定すればよい。なお、真球状の検出用チップを用いる場合、その表面が光沢を有するときには、反射の具合によっては、撮像対象部となる球面部分の光沢が影響して、撮像対象部つまり球の輪郭が正確に取得されないこともある。その点を考慮すれば、できるだけ光沢のない表面を有する真球状チップを用いることが望ましい。
【0020】
また、上述した半球状の検出用チップの場合は、撮像対象部である円形平面以外の部分つまり球面部分が撮像されることがあるため、撮像対象部が、背景のみならず、自身の球面部分とも識別可能なように構成された検出用チップを使用することが望ましい。例えば、正面像を撮像する場合、球面部を黒っぽく、撮像対象部となる円形平面部を白っぽくした半球状の検出用チップを用いることが望ましい。
【0021】
(3)前記撮像が、前記撮像対象部の表面における反射光によりその撮像対象部の正面像を取得するものである(1)項または(2)項に記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0022】
上述したフロントライトによる正面像として電気部品を撮像する方式において使用される吸着ノズルは、電気部品の撮影像に対する吸着ノズル自体の撮影像が悪影響を与えないように、背景に溶け込むような色合いの表面を有するようなものとされることが多い。特に、小さな電気部品を吸着保持する吸着ノズルの場合、軸線方向から見たときに、電気部品の外形から吸着ノズル先端の外周部がはみ出すことがあり、この場合には、背景に溶け込むような表面(端面を含む)を有する吸着ノズルが有効である。吸着ノズルの先端の位置を検出すべく、吸着ノズル自体を撮像することも考えられるが、背景に溶け込む(背景に紛れる)ような表面を有する上記吸着ノズルでは、吸着ノズル自体の撮像によって先端位置を検出することは困難である。本発明は、吸着ノズルに保持された検出用チップを撮像することによって吸着ノズルの先端位置を検出するものであることから、フロントライトによる正面像を撮像する方式において使用されるところの認識され難い吸着ノズルの先端位置を検出する場合に、特に効果的である。その点において、本項に記載の正面像を取得する態様は、有力な検出方法となる。
【0023】
シルエット像を取得する方式では、検出用チップの撮像方向から見た全体の輪郭が取得されるため、撮像対象部がその輪郭内の一部分となるような形状のチップは、採用できない。例えば、半球状の検出用チップでは、傾いて吸着された場合に、球面部の一部が輪郭を構成する。このように、シルエット像による検出では、使用できるチップの形状に制約を受ける場合がある。円形平面を認識可能に形成した半球状チップを用いた正面像による検出は、かかる制約がなく、その点においても優れた検出方法となる。
【0024】
(4)前記検出用チップとして、真球状のチップを用いる(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0025】
上述したように、真球状の検出用チップは、正面像による撮像、シルエット像による撮像のいずれもが可能であり、また、表面のどの位置も被吸着部となり得るという利点がある。さらに、他の形状のチップに比較して、製造が容易な形状であり、エッジが存在しないため、取扱が容易であり、また、形状の安定性に優れるという利点をも有する。また、後述するように、真球形状のチップは、転がすことによって容易に移動させることができるため、ノズル先端位置の検出を自動化するような場合において有効である。なお、円筒形状をなす吸着ノズルの場合、チップ自体が吸引されてしまうことを防止するため、吸着ノズルの内径より大きな直径を有する真球状のチップを使用することが望ましい。このことは、その直径が必ずしも吸着ノズルの開口端の内径より大きいことを意味しない。例えば、開口端に向かってラッパ状に拡がるような内面を有する吸着ノズルの場合等では、開口端の内径より小さな直径の真球状チップも使用可能である。
【0026】
(5)前記検出用チップとして、前記吸着ノズルの外径より大きな直径を有する真球状のチップを用いる(4)項に記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0027】
本項に記載の態様は、円筒状のノズル部を有し、このノズル部の先端において電気部品を吸着する吸着ノズルに対して好適な態様となる。真球状の検査用チップは、吸着ノズルに吸着された状態で、その吸着ノズルの理論軸線上の吸着ノズルとは反対側から撮像される。撮像装置からみた場合にチップの手前側には吸着ノズルが存在しない。吸着ノズルの外径、詳しくはノズル部の外径より大きい真球状のチップを吸着させた場合、吸着ノズルが正規の状態にある場合は、吸着ノズル先端は、真球状チップの外径の輪郭内に収まり、撮影像には吸着ノズルの外周部は写らない、吸着ノズルの外周部が撮像される場合には、その画像の影響により真球状チップの輪郭が明確にならない場合もある。本項に記載の態様では、かかる影響を排除できることから、より正確に検出できることになる。
【0028】
また、吸着ノズルが屈折、湾曲等して先端位置がずれている場合、例えばノズル部の根元部あるいは軸方向の中央部が撮像により認識される場合もある。そのような場合のことを考えると、吸着ノズルが実使用に耐え得る範囲の屈折、湾曲等の条件下、吸着ノズルの前記部分が撮影されないような余裕のある直径を有する真球状の検出用チップを使用することが望ましい。具体的には、吸着ノズルのノズル部の長さにもよるが、真球状の検出用チップの外径が吸着ノズル(ノズル部)の外径の1.3倍以上あることが望ましく、さらには、1.5倍以上あることがより望ましい。負圧により吸着させるため、あまり大きな検出用チップではその重量が大きくなり、適正な吸着状態が得られないことも考えられる。そのような点を考慮すれば、真球状の検出用チップの直径は、ノズル外径の2.5倍以下であることが望ましく、さらには2倍以下であることがより望ましい。
【0029】
(6)前記検出用チップとして、前記吸着ノズルの外径より小さな直径を有する真球状のチップを用いる(4)項に記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0030】
真球状のチップを用いる場合、本項に記載の態様にて実施することも可能である。前述したように、吸着ノズルの外径より大きな直径を有する真球状のチップを用いる態様は、特に、吸着ノズルの外周部分が撮像による検出精度に影響を与えるような場合に好適な態様であるが、そのような影響が考えられない場合、例えば、吸着ノズル外周部および先端面が、撮影像において背景に溶け込んでしまうように撮像される場合等には、真球状の検出用チップの直径がノズル先端の外径より小さい態様で行うことも可能である。吸着ノズルの先端に真球状の検出用チップを吸着させた場合、吸着ノズルの軸線方向位置において、吸着ノズル先端の端面と、検出用チップの中心とは何某かの差が生じる。吸着ノズルが屈曲、湾曲等している場合は、この軸線方向位置差が、軸線に直角な平面内における位置誤差に影響を与える。この誤差は、検出用チップの外径が小さい場合には、吸着ノズルの屈折等が実使用に問題のない範囲であれば、その影響が小さく、吸着ノズルの中心位置の検出において考慮する必要がない。しかし、直径がかなり大きな真球状チップの場合、上記影響は無視し得ないものとなる。検出用チップの直径が小さいほどその影響が少なくなって精度の高い位置検出が可能となることに鑑みれば、吸着ノズル外周部および先端面が撮像に影響を与えない条件下では、検出用チップが吸着ノズル内に吸い込まれる、あるいは、強く吸着されて脱離が困難とならない限り、できるだけ小さい直径を有する真球状の検出用チップを使用することが望ましい。
【0031】
(7)前記検出用チップとして、前記被吸着部が凸球面からなるものを用いる(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0032】
(8)前記検出用チップとして、前記撮像対象部が、前記凸球面が延長されて構成される仮想球の中心を含んでその仮想球の中心と一致する中心をもつ形状の平面からなるものを用いる(7)項に記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0033】
先の項に記載の態様は、凸球面を有する検出用チップを用いその凸球面で吸着ノズルに吸着させるものである。前述したように、吸着ノズルがずれた位置においても、検出用チップの安定した吸着が可能となる。また、後の項に記載の態様は、例えば、先に詳しく述べた半球状の検出用チップや、半球状チップの変形態様であるところの後述する実施形態に記載の平面部が鍔のように張り出した略半球状のチップ等が該当する。かかる形状の検出用チップを用いる場合であっても、前述した理由から、容易にかつ正確に吸着ノズル先端の中心位置の検出が可能である。
【0034】
(9)前記検出用チップとして、前記被吸着部が、吸着ノズル先端の内周部分と外周部分との少なくとも一方に位置を規制されて吸着されるものを用いる(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0035】
吸着ノズルの外径中心、内径中心から検出用チップを適正位置に吸着させるための被吸着部に関する1つの態様である。具体的には、後の実施形態で示すように、吸着ノズルの先端部に挿入する部分を有するような態様の検出用チップ、吸着ノズルの先端部を挿入させる部分を有するような態様の検出用チップを用いる態様が該当する。
【0036】
(10)前記吸着ノズルとして、電気部品装着装置の一部分を構成するものを対象とする(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の吸着ノズル先端位置検出方法。
【0037】
上述したように、電気部品装着システムにおける電気部品を吸着保持するための吸着ノズルは、良好な装着精度を確保するために、電気部品を吸着する先端の位置が正確に把握されることが望ましい。したがって、先端位置が正確に検出できる本発明の検出方法を、電気部品装着システムにおける吸着ノズルの先端位置検出に利用するメリットが大きい。また、電気部品装着システムが備える吸着ノズルを対象とする場合、上記部品撮像装置を利用して撮像を行えば、簡便に吸着ノズル先端位置が検出できる。
【0038】
なお、本発明は、電気部品装着システムの電気部品装着装置の一部分を構成する吸着ノズルを対象とする場合に限定されるものではない。例えば、各種機器を組み立てるための組立装置等において用いられ、構成部品を吸着して別の位置に移載する移載ヘッドの一部分を構成するような吸着ノズル等、多種多様の吸着ノズルがその対象となり得る。
【0039】
(11)先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出するために用いられる検出用チップであって、
前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、
その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部と
を有することを特徴とする吸着ノズル先端位置検出用チップ。
【0040】
本項は、上述した先端位置検出方法において用いることのできる検出用チップに関するものである。(2)項ないし(9)項に記載の技術的特徴を本項に記載の検出用チップに適用することが可能である。
【0041】
(21)先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出するために用いられる検出用補助器具セットであって、
(a)前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、(b)その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部とを有する1つ以上の検出用チップと、
その1つ以上検出用チップを収容し、その1つ以上の検出用チップのうちの1つを一定位置であるチップ取出位置に位置させるチップ定置手段を有するチップ収容容器と
を含むことを特徴とする吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット。
【0042】
本項は、前述の検出用チップと、その検出用チップを収容する収容容器とを組み合わせた吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットに関する。本項に記載のチップ収容容器は、上記チップ定置手段により、一定位置において検出用チップを取り出せることから、吸着ノズルをその位置にまで移動させれば、検出用チップの吸着が可能である。例えば、本項に記載の補助器具セットを電気部品装着システムに組み込んで使用すれば、設定されたプログラムによって自動的にそのシステムが有する吸着ノズルの先端位置を検出することが可能となる。つまり、本項に記載の補助器具セットは、自動で吸着ノズルの先端位置を検出する場合に、そのメリットが大きい。なお、上記チップ収容容器は、上記チップ取出位置が1箇所である態様とすることができる。その場合、複数の検出用チップを収容し、順次、その1箇所の取出位置から1つずつ取出し可能な態様の収納容器とすることができる。また、2箇所以上の上記チップ取出位置を有する態様とすることもでき、収容される数と同じ箇所数の取出位置を設けて、それぞれの検出用チップをそれぞれの取出位置から取出し可能な態様の収容容器とすることもできる。
【0043】
(22)前記検出用チップが、真球状のチップであり、
前記チップ定置手段が、前記チップ取出位置に相当する部分が最も低所であり、かつ、その低所に向かって前記検出用チップが転がり降りることが可能な傾斜部を有する容器内側底面を含む(21)項に記載の吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット。
【0044】
本項に記載の態様は、検出用チップが真球状のチップである場合の上記定置手段をより具体化した態様である。真球状の検出用チップは、重力により容易に斜面を転がり降り、最も低い位置において停止する。この性質を利用して、真球状チップの収容容器の内側底部に傾斜部分を設け、停止する低所が設けられた箇所を取出位置として設定したものである。例えば、容器内側底面に低所を設け、その低所に繋がる傾斜面を設けるような態様が、本項に記載の態様に該当する。極端に言えば、容器内側底面に窪み(凹所)を設けたような態様も、本項に記載の態様に含まれる。例えば、吸着ノズルに保持された真球状の検出用チップをその吸着ノズルを移動させてその窪みの最も低い箇所の近傍に離脱させて回収するような場合であっても、回収後その検出用チップはその最も低い箇所に位置し、次回の取出しにおいては、その最も低い箇所に相当するチップ取出位置にて取り出しが可能となる。
【0045】
(23)前記チップ収容容器が、前記チップ取出位置から離隔した一定位置であるチップ回収位置において前記吸着ノズルに保持された前記検出用チップを回収するものであり、
前記チップ定置手段が、前記チップ回収位置に相当する部分から前記チップ取出位置に相当する部分まで連続した前記傾斜部を有する前記容器内側底面を含む(22)項に記載の吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット。
【0046】
例えば、数多くの真球状の検出用チップを収容して1箇所の取出位置から順次取り出すような態様を採用する場合、取出位置近傍に検出用チップが回収されるようなときには、それらがが積み重なるといった不具合が生じる可能性がある。そこで、本項の態様のようにチップ回収位置をチップ取出位置からはなれた位置に設け、そのチップ回収位置から斜面を転がり降りさせて低所であるチップ取出位置に向かわせれば、検出用チップが積み重なるといった現象が避けられる。なお、このような態様を採用する場合、チップ取出位置に位置する検出用チップが後続の検出用チップの押圧力によって移動させられる可能性もある。その場合は、既に定位置にある検出用チップがその位置を移動しないようにする既定置チップ移動防止手段をチップ定置手段に付加することもできる。例えば、概ね一方向からチップ取出位置に向かう検出用チップの流れが作られるような傾斜を設け、チップ取出位置の下流側にその流れを止めるような壁面を設けるような態様である。この場合、その壁面が既定置チップ移動防止手段に該当する。また、複数の真球状の検出用チップが1箇所に向かって集中するような場合、互いが干渉しあってチップ取出位置への移動が阻害される現象、いわゆるブリッジ現象が生じ得る。この場合に、適度な振動を収容容器に与える振動付与装置(例えばバイブレータ等)等のチップ移動容易化手段を設けることもできる。
【0047】
以上、(21)項ないし(23)項は、吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットに関するものであるが、これらの態様における構成要素となる検出用チップには、上記(2)項ないし(9)項に記載の技術的特徴を適用した検出用チップを採用することが可能である。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、電子部品装着システムが備える吸着ノズルを対象とするものを例にとって説明する。説明の便宜上、まず、その電子部品装着システムの構成等を説明した後に、吸着ノズルの先端位置の検出方法、そのための検出用チップを含む補助器具セットにについて説明する。
【0049】
<電子部品装着システム>
図1に、電気部品装着システムの一種である電子部品装着システムの概要を表す全体平面図を、図2に、電子部品装着システムの概要を表す全体側面図を、それぞれ示す。本電子部品装着システムは、システム本体10と、システム本体10に配設されて回路基板12を固定保持する基板保持装置14と、基板保持装置14の手前側(図1における下方)に配設されたフィーダ型部品供給装置16と、基板保持装置14の奥側(図1における上方)に配設されたトレイ型部品供給装置18と、部品供給部を構成するこれら2つの部品供給装置16,18から供給される電子部品を基板保持装置14に保持された回路基板12の表面に装着する電気部品装着装置の一種である部品装着装置20とを含んで構成される。部品装着装置20は、電子部品を保持する複数(本システムでは4つ)の装着ヘッド22を有する装着ユニット24と、部品供給部と保持された回路基板12とにわたって装着ユニット24を移動させる装着ユニット移動装置26とを含んで構成される。さらに、本電子部品装着システムは、装着ユニット24に取り付けられて回路基板12の表面を撮像可能な基板撮像装置28と、装着ヘッド22によって保持された電子部品を撮像可能な部品撮像装置30と、それら各装置を統括して制御するシステム制御装置32(図5参照)とを含んで構成される。
【0050】
基板保持装置14は、基板コンベア40によって搬送させられてきた回路基板12を、装着作業のために、略予定された位置で固定して保持する装置である。フィーダ型部品供給装置16は、部品供給部を構成する部品供給テーブル42上に、複数のテープフィーダ44がX軸方向(図1における左右方向)に並んで整列させられたものであり、それぞれのテープフィーダ44は、テープに保持された電子部品を順次送り出して供給する。1つのテープフィーダ44からは1種の電子部品が供給されるようになっている。トレイ型部品供給装置18は、電子部品をそれぞれ複数収納する複数のトレイ46がスタックされており、それぞれのトレイ46から装着ユニット24が電子部品を取得可能な状態に、これらのトレイ46を順次昇降移動させることによって電子部品の供給を行う。
【0051】
図3に、本電子部品装着システムが備える装着ユニット24の背面一部断面図を示す。装着ユニット24は、ハウジング50と一体化された装着ユニット本体52と、先端に電子部品54を吸着保持可能な吸着ノズル56を着脱可能に有して装着ユニット本体52に回転可能にかつ昇降可能に保持された複数(本システムでは4つ)の装着ヘッド22と、電動モータ58(リニアサーボモータ)を駆動源としてそれぞれの装着ヘッド22を昇降させるそれぞれの装着ヘッド昇降装置60と、電動モータ62(サーボモータ)を駆動源とし、それぞれの装着ヘッド22をそれぞれの軸線を中心に回転(いわゆる自転)させる装着ヘッド回転装置64とを含んで構成されている。装着ヘッド22は、部品供給位置および部品装着位置において装着ヘッド昇降装置60によって昇降させられ、電子部品54を吸着保持あるいは回路基板12の表面に装着する。また、保持された部品の保持姿勢に応じて、装着ヘッド22は、その姿勢を補正するため等に装着ヘッド回転装置64によって自らの軸線を中心に回転させられる。
【0052】
それぞれの装着ヘッド22が有するそれぞれの装着ヘッド軸66は、中空に形成され、この中空部68が空気通路として機能する。吸着ノズル56は、それぞれの装着ヘッド軸66の下部に脱着可能に取り付けられるのであるが、取り付けられた状態において、中空部68は吸着ノズル56と連通する。それぞれの装着ヘッド軸66の中空部68は、図示を省略する上端部が、図示しない負圧源、正圧源、および大気に、図示を省略する電磁切換弁70(図5参照)によって切り替えられて選択的に連結される。負圧源に連結されたときに、その吸着ノズル56の先端に吸着力が生じて保持対象物である電子部品54が吸着されて、装着ヘッド22はその電子部品54を保持する。また、大気圧あるいは正圧に連結されたときには、負圧が破壊されて、保持した電子部品54は、その吸着ノズル56の先端から脱離させられる。
【0053】
それぞれの吸着ノズル56は、円筒状のノズル部80と、取付部82と、ノズル部80と取付部82との間に位置する円盤状の背景形成部84とからなる。ノズル部80は、上述したように、電子部品54を先端(下端)にて吸着する。取付部82は、装着ヘッド軸66の下端部に着脱可能なように形成されている。また、背景形成部84は、その下面が、部品撮像装置30によって保持された電子部品54が撮像される場合において、撮像視野中の背景を形成し、電子部品54の保持姿勢の検出を容易なものとしている。背面形成部84については、後に、さらに詳しく説明する。
【0054】
装着ユニット移動装置26は、XYロボット型の移動装置で、Xロボット装置90とYロボット装置92とを含んで構成され、Xロボット装置90は、システム本体10に設けられており、Xスライド94とそれをX軸方向に移動させるXスライド移動装置96とを含んで構成され、Yロボット装置92は、Xスライド94に設けられおり、Yスライド98とそれをY軸方向に移動させるYスライド移動装置100とを含んで構成されている。また、Xロボット装置90およびYロボット装置92は、いずれも駆動源が電動モータ102,104(いずれもサーボモータ)であり、ボールねじ機構106,108を有している。装着ユニット24は、Yスライド98に固定的に設けられている。装着ユニット移動装置26は、装着プログラムにしたがって、装着ユニット24を、それぞれの装着ヘッド22が所定の部品供給位置と部品装着位置に位置するように移動させる。
【0055】
基板撮像装置28は、装着ユニット24に取り付けられている。基板撮像装置28は、撮像デバイスとしての基板撮像カメラ(CCDカメラ)を備え、その他、撮像のための光源等を備えている。基板撮像装置28の移動は、装着ユニット移動装置26によって行われることになる。つまり、装着ユニット移動装置26は、基板撮像装置移動装置としての役割をも果たしている。この基板撮像装置28は、電子部品が装着されるべく基板保持装置14に保持された回路基板12に付された基板基準マークを撮像するものであり、撮像することで得られた撮像データは、基板画像処理ユニット120(図5参照)によって処理され、基板保持装置14による回路基板12の保持位置誤差である基板保持位置誤差が検出され、この基板保持位置誤差は、電子部品54の装着の際に利用される。
【0056】
部品撮像装置30は、システム本体10に配設され、フィーダ型部品供給装置16と基板保持装置14との間に位置する。図4に、部品撮像装置30を斜視的に示す。図が示すように、部品撮像装置30は、撮像デバイスとしての部品撮像カメラ(CCDカメラ)130を備え、さらに、撮像のための光源を含む光源部132を有している。装着ヘッド22が部品供給部で電子部品16を保持した状態において、装着ユニット24が回路基板12に向かう途中で、その装着ヘッド22が部品撮像装置30の上方に位置するように、装着ユニット24が停止させられ、保持された電子部品16は、その部品撮像装置30によって下方から撮像される。得られた撮像データは、図示を省略する部品画像処理ユニット134(図5参照)によって処理され、部品保持位置誤差が検出され、この部品保持位置誤差は、電子部品16の装着の際に利用される。
【0057】
さらに、本電子部品装着システムでは、基板保持装置14のX軸方向の傍ら(図1における右側)には、ノズル収容装置150が配設されている。このノズル収容装置150は複数のノズル収容部152を有し、種類の異なる複数の吸着ノズル56が、それぞれ対応するノズル収容部152に定置されて収容される(図1では、収容されている吸着ノズル56は図示が省略されている)。複数の装着ヘッド22の各々は、吸着保持する電子部品54の種類に応じた吸着ノズル56を交換して取り付ける。具体的には、ノズル交換に供される装着ヘッド22が現在装着している吸着ノズル56が収容されるノズル収容部152の上方に位置するように、装着ユニット24が移動させられて、その位置でその装着ヘッド22が下降させられて取り付けられている吸着ノズル56を取り外され、次いで、その装着ヘッド22が次に取り付けられる吸着ノズル56が収容されているノズル収容部152の上方に位置するように、装着ユニット24が移動させられ、その位置でその装着ヘッド22が下降させられてそこに収容されている吸着ノズル56が取り付けられる。ノズル交換は、装着プログラムに従って、自動で行うことが可能である。
【0058】
電子部品54の撮像は、正面像とシルエット像との2種の像が撮像可能であり、電子部品54の種類に応じて選択される。部品撮像装置30は、図4に示すように、その光源部132に、可視光線を発光するリング状をなす可視光線ランプ160と、紫外線を発光する1対の紫外線ランプ162を有しており、正面像を撮像する場合には、可視光線ランプ160が発光させられ、シルエット像を撮像する場合には、紫外線ランプ162が発光させられる。また、吸着ノズル56も、撮像される像の種類によって交換される。正面像を撮像する場合は、下面が可視光線を吸収する背景形成部84を有する吸着ノズル56、つまり、黒っぽい下面の背景形成部84を有する吸着ノズル56が用いられる。これに対し、シルエット像を撮像する場合は、紫外線を受けて蛍光を発する蛍光板からなる背景形成部84を有する吸着ノズル56が用いられる。部品撮像カメラ130は、可視光線によって撮像するものであり、吸着ノズル56の背景形成部84と、発光する光源ランプとの組み合わせによって、正面像とシルエット像を選択して撮像可能なのである。電子部品54の撮像については、後にさらに詳しく説明する。
【0059】
本電子部品装着システムを構成する上記各装置は、システム制御装置32によって制御される。図5に、システム制御装置32のブロック図を、本発明に関係の深い部分を中心に示す。システム制御装置32は、PU(プロセッシングユニット)180,ROM182,RAM184,入出力インターフェース186およびそれらを接続するバス188を有するコンピュータ190を主体とするものである。入出力インターフェース186には、システム制御装置32内にあるそれぞれの駆動回路192を介して、基板保持装置14,装着ユニット移動装置26,フィーダ型部品供給装置16,トレイ型部品供給装置18,装着ヘッド昇降装置60,装着ヘッド回転装置64,電磁切換弁70が接続されている。また、入出力インターフェース186には、基板撮像装置28が基板画像処理ユニット120を介して、部品撮像装置30が部品画像処理ユニット134を介して、それぞれ接続されており、上述したように、回路基板12の基板保持装置14に対する基板保持位置誤差が、および、電子部品54についての部品保持位置誤差がそれぞれ検出される。ROM182には、本電子部品装着システムの基本動作プログラム等が記憶されており、また、RAM184には、作業に供される回路基板に応じた装着プログラム、上記部品保持位置誤差、基板保持位置誤差等が記憶される。
【0060】
装着作業を簡単に説明すれば、以下のようになる。まず基板コンベア40によって搬入された回路基板12は、基板保持装置14によって略定位置に固定保持される。装着ユニット24が保持する基板撮像装置28が、回路基板12の2つのコーナの表面に付されたそれぞれの基板基準マークの上方へ移動させられ、それぞれの基板基準マークを順次撮像する。この撮像データが、基板画像処理ユニット120によって処理され、保持された回路基板12の基板保持位置誤差が取得される。この基板保持位置誤差はRAM184に記憶され、以後の電子部品の装着においては、その基板保持位置誤差に基づく補正が行われ、それにより、回路基板12内の適正な装着位置に電子部品54が装着されることになる。
【0061】
RAM184に記憶された装着プログラムにしたがって、フィーダ型部品供給装置16あるいはトレイ型部品供給装置18の装着対象となる電子部品54が供給される位置に、その電子部品54を保持する装着ヘッド22が位置するように、装着ユニット24が移動させられる。その位置において、装着ヘッド22は下降させられ、吸着ノズル56に負圧が供給されて、ノズル部80の先端に電子部品54が吸着される。装着ヘッド22は複数存在し、多くの場合、順次、そのすべてに電気部品54が吸着されて保持される。
【0062】
次に、装着ヘッド22が部品撮像装置30の上方に位置する位置に、装着ユニット24が移動させられる。部品撮像装置30によって装着ヘッド22の軸線方向の下方から保持された電子部品54が撮像され、この撮像データが部品画像処理ユニット134によって処理されて、電子部品54の装着ヘッド22の軸線に対する部品保持位置誤差が取得される。順次、それぞれの装着ヘッド22が保持する電子部品54についての部品保持位置誤差が取得される。これら部品保持位置誤差はRAM184に記憶され、以後の装着においては、それら部品保持位置誤差に基づく補正が行われ、それにより、回路基板12内の適正な装着位置に電子部品54が装着されることになる。この部品の撮像、部品保持位置誤差については、後にさらに詳しく説明する。
【0063】
次いで、装着ユニット24は、回路基板12の上方に移動させられる。その移動位置は、上記基板保持位置誤差および部品保持位置誤差に基づいてX軸方向およびY軸方向について補正された位置にそれぞれの装着ヘッド22が位置するそれぞれの位置である。またこのときに、それぞれの装着ヘッド22は、電子部品54の装着方位と、上記基板保持位置誤差および部品保持位置誤差のX軸およびY軸に直角な平面内の回転角度成分とに基づいて、自身の軸線を中心に回転させられる。適正な装着位置に位置した装着ヘッド22は、下降させられ、吸着ノズル56には正圧が供給されて、その装着ヘッド22が保持する電子部品54は、回路基板12の表面に装着される。順次、電子部品54を保持する装着ヘッド22が上記装着動作を行い、1回の装着作業ルーチンを終了する。装着プログラムにしたがい、上記装着作業ルーチンを繰り返し、すべての電子部品54の装着を完了して、その回路基板12に対する装着作業が完了する。装着完了した回路基板12は、基板保持装置14による固定保持が解除され、基板コンベア40により搬出される。
【0064】
<電子部品の撮像と吸着ノズル先端位置との関係>
上述したように、本電子部品装着システムでは、電子部品を回路基板の適正な装着位置に装着するために、部品保持位置誤差を取得し、これに基づく補正を行っている。したがって、正確な電子部品装着を行うには、正確な部品保持位置誤差の取得が必要となる。
【0065】
図6に、電子部品の撮影像を模式的に示す。図6(a)は、正面像を撮像した場合の撮影像であり、図6(b)は、シルエット像を撮像した場合の撮影像である。外周円は撮像視野を表し、背景には、吸着ノズル56の背景形成部84の下面が写っている。正面像の場合は、背景形成部84の下面が黒っぽい色をなす吸着ノズル56が用いられ、電子部品54の金属製の端子部210が、その背景に対して高コントラストに撮像される。この場合、端子部210の輪郭によって、電子部品54の中心位置(X軸方向位置およびY軸方向位置)およびX軸およびY軸に直角な面内における回転位置(θ軸方向位置)が検出される。これに対し、シルエット像の場合は、背景形成部84の下面が蛍光板からなる吸着ノズル56が用いられ、紫外線によって蛍光を発して明るい背景が得られる。この明るい背景に対して電子部品54の全体が影となって高コントラストに撮像される。この場合、電子部品54の全体の輪郭から、その電気部品54のX軸方向位置、Y軸方向位置およびθ軸方向位置が検出される。正面像、シルエット像は、電子部品54の種類に応じて選択すればよい。
【0066】
本電子部品装着システムの場合、正規の状態において、吸着ノズル56の軸線、詳しくは吸着ノズル56のノズル部80の軸線は、その吸着ノズル56が取り付けられる装着ヘッド22の軸線と一致する。すなわち、吸着ノズル56の理論軸線は、装着ヘッド22の軸線(装着ヘッド22の回転軸線でもある)と一致するのである。また、正規の状態において、部品撮像装置30の中心軸線つまり光軸線と装着ヘッド22の軸線とが一致する位置において撮像されるように、装着ユニット24が移動させられるようになっている。正規の状態において撮像された場合において部品保持位置誤差が発生しているときの撮影像を、図7に示す。撮像視野の中心が部品撮像装置30(厳密には部品撮像カメラ130)の光軸Osであり、この光軸Osと、装着ヘッド22の軸線Ohと、吸着ノズル56(厳密にはノズル部80)の軸線Onとが一致している。電子部品54の中心Opは、前記軸線Os,Oh,Onから外れ、さらには、電子部品54は、X軸およびY軸に平行な平面内において傾斜している。すなわち、図に示すように、電子部品54は、X軸方向にΔXp,Y軸方向にΔYp,θ軸方向にΔθpだけずれた部品保持位置誤差が発生しているのである。その電子部品54は、上述したように、その部品保持位置誤差が補正されて、適正な装着位置に装着される。
【0067】
ところが、吸着ノズル56は、ノズル部80の曲がり、取付部82の変形等の理由から、先端位置、つまりノズル部の先端位置が、正規の状態における位置から変位することもある。図8に、吸着ノズルの先端位置が変位している場合を模式的に示す。この図において、装着ヘッド22は基準回転位置にあり、その回転位置において、吸着ノズル56の先端は、X軸方向にΔXn,Y軸方向にΔYnだけ変位している。例えば、この状態で、部品供給装置において電子部品54を吸着しようとする場合、その電子部品54の適正位置を吸着ノズル56の先端が吸着できないことになる。つまり、装着ユニット24の移動指令値に基づいて、装着ヘッド22を部品供給装置の部品供給位置の上方に移動させた場合にあっても、実際に吸着ノズル56の先端は、上記の変位量だけずれることになる。このことは、電子部品54がずれて吸着されたり、傾いて吸着されたり、適正な被吸着面以外の面で吸着されたりする現象が発生する可能性が高い。また、充分な吸着力が得られずに、保持した電子部品54が落下する可能性も高くなる。
【0068】
また、部品撮像装置30の光軸線と装着ヘッド22の軸線とがずれる場合も考えられる。つまり、装着ユニット24の移動指令値に基づいて、装着ヘッド22を部品撮像装置30の上方に移動させた場合において、実際には、装着ヘッド22が変位した状態で位置させられる場合である。図9は、部品撮像装置30の光軸線と装着ヘッド22の軸線とがずれている場合を模式的に示す。この図では、部品撮像装置30の光軸線Osに対して、装着ヘッド22の軸線Ohが、X軸方向にΔXh、Y軸方向にΔYhだけ変位している。かかる場合、その原因が、装着ユニット24の移動指令値と実際の移動位置に差が生じているのであれば、やはり、電子部品54の吸着において、電子部品54における適正位置に対してずれることなく吸着ノズル56の先端を位置させることができない。また、回路基板12への装着においても、適正な装着位置に電子部品54を装着できないことになる。原因が、部品撮像装置30の位置ずれにあるのであれば、電子部品54の装着位置に影響を与える。したがって、も、その変位量に応じた量の補正をしなければ、正確な電子部品54の吸着ができないことになる。部品撮像装置30の光軸線Osと装着ヘッド22の軸線Ohとのずれを把握することが必要になる。
【0069】
まとめれば、良好な電気部品装着作業を行うためには、部品撮像時における、部品撮像装置30の光軸線に対する装着ヘッド22の軸線の変位、および、装着ヘッド22の軸線に対する吸着ノズル56の先端位置の変位、言い換えれば、理論軸線に直角な平面内における吸着ノズル56の理論軸線からのずれを正確に把握していなければならないのである。
【0070】
上記両変位を取得するには、例えば、装着ヘッド22の基準回転位置において、吸着ノズル56の先端を直に撮像することも考えられる。しかし、吸着ノズル56は、装着作業を繰り返すうちに消耗する等の理由から、その輪郭がはっきりと撮影されない場合もあり得る。また、正面像を撮像するための吸着ノズル56では、小さな電子部品を吸着する場合があることに配慮して、ノズル部80がその先端をも含めて背景に紛れるような色合いに形成される場合が多い。そのような吸着ノズルを撮像すれば、図10に示すようになり、ノズル部80の先端の明確な撮影像が得られることは期待できない。そのような理由から、直に吸着ノズル56の先端を撮像したとしても、先端位置が正確に検出できない場合もあり得るのである。
【0071】
<本電子部品装着システムにおける吸着ノズル先端位置の検出>
そこで、本電子部品装着システムにおいては、吸着ノズル56の先端位置を正確に検出すべく、吸着ノズル56の先端に、検出用補助具としての真球状の検出用チップを吸着させ、その状態で部品撮像装置30による撮像を行っている。図11に、検出用チップを吸着ノズル56(厳密にはそのノズル部80)の先端に吸着させた状態の正面図と、その状態で部品撮像装置30によって撮像されて得られる撮影像を示す。本実施形態における真球状の検出用チップ220は、ノズル部80の外径より大きな直径を有する真球状をなしている。図11(a)に示すように、吸着ノズル56に吸着された状態において、検出用チップの中心Ocは、吸着ノズル56の先端部の軸線On上に位置する。撮影像を示す図11(b)からも明らかなように、下方から見た場合、吸着ノズル56のノズル部80は撮影されない。また、検出用チップ220は、その表面が白っぽい色をしており、背景形成部84の下面が黒っぽい色をしていることから、高コントラストな状態となって背景と容易に識別可能であり、その輪郭線から、容易に中心Ocが検出可能である。上述したように、検出用チップの中心Ocが吸着ノズル56の先端部の軸線On上に位置することから、撮像により、吸着ノズル先端の位置が容易に検出可能なのである。
【0072】
さらに、詳しく言えば、真球状の検出用チップ220は、吸着ノズル56のノズル部80の先端に吸着される部分が、被吸着部として機能し、この被吸着部の反対側の半球部分が撮像対象部となる。球面のいずれの部分で吸着されたとしても、撮像対象部となる半球の中心は、ノズル部80の先端部の軸線の延長線上にあることになる。したがって、下方から撮像された場合の撮影像の輪郭から求められる中心、つまり、吸着ノズル56の軸線方向への投影像の中心は、真球状の検出用チップ220のいずれの表面部分で吸着されたとしても、吸着ノズル56の先端位置を示すことになるのである。
【0073】
本実施形態では、上記真球状の検出用チップ220を用いて、吸着ノズルの先端位置の理論軸線からのずれ量を検出する。所定の撮像位置(装着ユニット24の理論上の移動指令値で移動させられる位置)において、部品撮像装置30の光軸線Osと装着ヘッド22の軸線(本システムの場合は理論軸線である)Ohとにずれが生じていない場合の検出方法を、図12に基づいて説明する。検出対象となる吸着ノズル56に検出用チップ220を吸着させ、その吸着ノズル56が取り付けられている装着ヘッド22を基準回転角度位置に位置させる。この状態で、部品撮像装置30の上方の所定撮像位置にその装着ヘッド22が位置するように装着ユニット24を移動させる。その位置において、部品撮像装置30によって検出用チップ220を撮像する。得られた撮影像は、図12に示すようなものであり、その撮像データを画像処理することにより、部品撮像装置30の光軸線Osからの検出用チップの中心Ocが示す吸着ノズル56先端部の軸線Onの変位量が求まる。図では、装着ヘッド22が基準回転位置にある場合に、吸着ノズル56の先端位置が、吸着ノズル理論軸線に直角な平面内において、X軸方向にΔXn,Y軸方向にΔYnずれていることが検出される。このように、1回の撮像によって、吸着ノズル56の先端位置のその理論軸線からのずれが取得できることになる。
【0074】
上記所定の撮像位置において、部品撮像装置30の光軸線Osと装着ヘッド22の軸線Ohとにずれが生じている場合の検出方法を、図13に基づいて説明する。検出対象となる吸着ノズル56に検出用チップ220を吸着させ、その吸着ノズル56が取り付けられている装着ヘッド22を基準回転角度位置に位置させる。この状態で、部品撮像装置30の上方の所定撮像位置にその装着ヘッド22が位置するように装着ユニット24を移動させる。その位置において、部品撮像装置30によって検出用チップ220を撮像する。次いで、装着ヘッド22を基準回転位置から180゜回転させ、その回転位置において、さらに、検出用チップ220を撮像する。得られる2つの撮影像を重ね合わせると、図13のようになる。この場合、基準回転位置における検出用チップの中心Ocが示す吸着ノズル56先端部の軸線Onと、そこから180゜回転させた回転位置における検出用チップの中心O’cが示す吸着ノズル56先端部の軸線O’nとの中点を求めれば、その点が、装着ヘッド22の軸線Ohとなる。したがって、その点からの基準回転位置における吸着ノズル56先端部の軸線Onの変位量を求めれば、吸着ノズル理論軸線(本システムでは装着ヘッド22の軸線と一致している)からの吸着ヘッド56先端のずれ量が求まる。図においては、X軸方向にΔXn,Y軸方向にΔYnずれていることが検出される。また、上記中点の部品撮像装置30の光軸線Osからの変位量を求めれば、装着ヘッド22の軸線Ohの部品撮像装置30の光軸線Ocからのずれ量がもとまる。図においては、X軸方向にΔXh,Y軸方向にΔYhずれている。このように、2回の撮像により、2つのずれ量が求まることになる。
【0075】
以上、検出用チップ220を用いて検出した吸着ノズル56の先端位置から、その吸着ノズル56先端の吸着ノズル理論軸線からのずれ、あるいは、装着ヘッド22の軸線のずれが取得される。これらずれ量のデータは、RAM184の所定の記憶部に記憶され、電子部品54を部品供給装置において保持する際の装着ユニット24の移動位置の補正、並びに、回路基板12への電子部品54の装着の際の装着ヘッド22の回転角度位置および装着ユニット24の移動位置の補正に用いられる。
【0076】
<検出用補助器具セット>
上述した吸着ノズル先端位置のずれ量の取得は、ROM182およびRAM184に記憶されている吸着ノズル先端位置検出プログラムにしたがって行わせることができる。本電子部品装着システムでは、先に説明したように、複数の装着ヘッドを有し、また、それぞれについて、ノズル収容装置150に収容された種類の異なる複数の吸着ノズル56が、交換されて取り付けられる。したがって、装着ヘッド22ごとおよび取り付けられる吸着ノズル56ごとに、それらのずれ量が取得することが望ましい。
【0077】
そこで、本電子部品装着システムにおいては、一時期に、複数の吸着ノズルについてのずれ量の取得が可能なように、複数の検出用チップを有する検出用補助器具セットを備えている。図14に、吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット(以下「補助器具セット」と略す)を示す。補助器具セット228は、直径の異なる複数種(本システムでは3種)の真球状の複数の検出用チップ220と、それぞれの種類ごとに複数の検出用チップ220が収容されるその種類と同数(本システムでは3つ)のチップ収容容器230とからなる。複数のチップ収容容器23は、一体化されている。それぞれのチップ収容容器230は、概して箱状のものであり、大きくは、天蓋232を有するチップ回収部234と、天蓋に覆われていないチップ取出部236とに区分される。チップ収容容器230の内側底面238は、図における奥側のコーナの部分が最も高くて手前側のコーナが最も低くなるような傾斜を有する平面とされている(平面全体が傾斜部となっている)。つまり内側底面238は、手前側のコーナ部が最も低所になるように形成されている。図の白抜き矢印は、この傾斜方向を示している。
【0078】
上述したチップ収容容器230の構造から、真球状の検出用チップ220は、図に示すように、手前側のコーナ部分に溜まるようになっている。手前側のコーナ部に位置する検出用チップ220の中心位置が存在する位置が、チップ取出位置となる。先端位置の検出対象となる吸着ノズル56が取り付けられている装着ヘッド22が、このチップ取出位置の上方に移動させられ、その位置において下降させられ、負圧が供給されて1つの検出用チップ220が、その吸着ノズル56の先端に吸着される。吸着された検出用チップ220が、装着ヘッド22とともに上昇させられた後に、その検出用チップ220が存在した位置には、別の検出用チップ220が転がり込んで定置することになる。
【0079】
また、チップ収容容器230のチップ回収部234を構成する天蓋232の中央部には、チップ回収穴240が設けられている。先端位置が検出されてその位置ずれ量が取得された吸着ノズル56が取り付けられた装着ヘッド22は、検出用チップ22を保持したまま、チップ回収穴240の上方へ移動させられる。その位置において、その装着ヘッド22は下降させられ、吸着ノズル22のノズル部80は、保持した検出用チップ220とともに、チップ回収穴240に挿入させられる。その状態で、吸着ノズル56には正圧が供給され、保持されていた検出用チップ220は、吸着ノズル56から脱離し、チップ収容容器230の内側底面238上に落下させられる。したがって、本チップ収容容器230においては、チップ回収穴240が設けられている位置が、チップ回収位置となり、その位置は上記チップ取出位置とは離隔した位置となる。落下した検出用チップ220は、連続した傾斜に沿って内側底面238を転がり降り、検出用チップ220が溜まっている部分に停止して待機する。
【0080】
チップ収容容器230の上述した構造から、傾斜する平面である内側底面238は、検出用チップ220のうちの1つを一定位置であるチップ取出位置に定置させるチップ定置手段を構成している。また、複数の検出用チップ220が手前側の部分に存在して、手前側に向かって流れてこようとしている。手前側のコーナつまりチップ取出位置に位置する検出用チップ220は、傾斜の上方に存在する検出用チップ220によって押されるが、コーナの側壁によって、その定位置から移動するのを防止されている。したがって、その側壁の壁面が、既に定置された検出用チップに対する移動防止手段を構成しているといえる。なお、チップ取出位置にある検出用チップ220が取り出された後に、その位置に次のチップが位置するのであるが、 いわゆるブリッジ現象が生じて、検出用チップ220が移動しないことが考えられる。その場合のことを考慮して、チップ収容容器230にバイブレータ等の振動付与装置を設けてもよい。その場合、その振動付与装置は、検出用チップ220の移動を容易化するチップ移動容易化手段を構成するものとなる。
【0081】
なお、その位置が定められているチップ取出位置であるが、吸着ノズル56が例えばノズル部80の曲がり等によって、若干量ではあるがその先端位置がずれていることも考えられる。その場合は、図15に示すように、装着ヘッド22が吸着ノズル56に吸着させる検出用チップ220の真上に位置するように装着ユニット24を移動させても、吸着ノズル56の先端が検出用チップ220の真上に位置せず、その若干量だけずれる。このような場合であっても、負圧によって吸着させれば、図11(a)に示すように、検出用チップ220の中心Ocが、吸着ノズル56の先端の軸線On上に位置することになる。このことは、前述したところの被吸着部が凸球面であることによって得られる効果の1つである。
【0082】
<吸着ノズル先端位置の検出による吸着ノズルの検査作業>
補助器具セット228は、図1に示すように、基板保持装置14の傍ら(図における右側)に配設されている。詳しくは、システム本体10に3つのチップ収容容器230がその位置を固定されて配設されている。例えば、所定のプログラムにしたがって、すべての吸着ノズル56の先端位置の位置ずれ(場合によっては装着ヘッド22の軸線のずれを含む)を検査する場合は、装着ユニット24がノズル収容装置150の上方に移動させられて、設定された吸着ノズル56が設定された装着ヘッド22に取り付けられ、次に、装着ユニット24が補助器具セット228の上方に移動させられて、吸着ノズル56の種類に応じた検出用チップ220がその吸着ノズル56に吸着して取り出され、次に、その検出用チップ220を保持したままで、装着ユニット24が部品撮像装置30の上方に移動させられて、その保持した検出用チップ220が撮像され、その検出用チップ220を保持した吸着ノズル56の先端位置が検出されて、吸着ノズル56の先端位置のずれ等が取得される。その後にまた、装着ユニット24が補助器具セット228の上方に移動させられ、保持した検出用チップ220が回収される。こらら一連の動作が繰り返されて、本システムが備えるすべての吸着ノズル56の検査が完了する。なお、装着ユニット24は複数の装着ヘッド22を有することから、上記一連の動作は、その複数の装着ヘッド22についてまとめて行うことができ、そのように行えば、検査効率が高い検査作業となる。また、自動で行うのではなく、検査する吸着ノズル56を任意に選出し、その吸着ノズル56について個別に手動操作にて検査を行うものであってもよい。
【0083】
以上の検査作業は、本発明の吸着ノズル先端位置検出方法を利用するものであり、検出用チップを準備する工程と、検査用チップを吸着ノズルに吸着させる工程と、吸着させた検査用チップを撮像する工程と、撮像データに基づいて中心位置を検出する工程とを含むものであるといえる。検出用チップを準備する工程とは、広義には、検出用チップを製造するあるいは購入すること、検査用チップを収容した上記補助器具セットを本電子部品装着システム内に配設すること等を含む工程を意味し、上記実施形態においては、狭義には、1つの検査用チップをチップ取出位置に定置させることを意味するのである。なお、プログラムにより自動で吸着ノズルの検査を行う場合、その時期は特に限定されるものではない。例えば、何らかの検査開始条件を満たしたような場合に、開始されるものであってもよい。その開始条件は、例えば、設定された装着作業時間が経過した後に行うとか、設定された枚数の回路基板の装着が完了した後に行うとか、種々の条件を任意に設定することができる。
【0084】
<変形態様>
上記実施形態では、補助器具セットのチップ収容容器は、箱型のものを採用しているが、これに代え、例えば、図16に示すようなチップ収容容器を採用してもよい(図16(a)は斜視図であり、図16(b)は断面図である)。このチップ収容容器は、上部に傾斜した面を有するブロック状のものであり、その傾斜面の中央部に傾斜にそって延びる深さが一定の溝252を有している。この溝252沿って、複数の真球状の検出用チップ220が整列させられて収容される。溝252の幅および深さは、ともに検出用チップ220の直径より若干大きくされている。溝252の低所側の端部は、検出用チップ220が取り出されるチップ取出位置を含むチップ取出部254となり、また、溝252の高所側の端部は、幅広く形成されており、この部分がチップ回収位置を含むチップ回収部256となる。この傾斜した溝252の内側底面および既定置チップ移動防止手段(溝252の低所側の端部の側壁面等が相当する)を含んで、チップ定置手段が構成されている。なお、チップ取出位置の斜面上方の部分には、検出用チップ220の取り出しに際して、次に待機する検出用チップ220が溝252から外部へ飛び出さないためのカバー258が設けられており、このカバー258は、チップ飛出防止手段として機能する。チップ取出位置において、そこに位置する検出用チップ220は吸着ノズルに吸着されて取り出される。そしてその位置には、待機する次の検出用チップ220が転がり降りて位置する。撮像が終了した検出用チップ220は、チップ回収位置において落下させられ、傾斜に沿って転がり降りて、検出用チップ220の列の最後尾に位置させられる。
【0085】
また、チップ収容容器は、図17に示すようなものであってもよい。図17(a)に示す収容容器270は、比較的厚みのある板状のものであり、表面に複数(図では9つ)の凹所(窪み)272が形成されたものである。この凹所272の1つずつに、真球状の検出用チップ220が1つずつ収容されている。凹所272は、図17(b)に示すように、漏斗状に窪むものであり、検出用チップ220は、収容された状態で、その位置が固定された状態となる。かかる斜面で構成された凹所272が、本チップ収容容器270におけるチップ定置手段としての機能を果たしている。凹所272の1つ1つの位置は定まっており、例えば、自動で吸着ノズルの検査を行うような場合には、それぞれの位置を記憶させておき、順次、異なる凹所272に存在する検出用チップ220を吸着させ、撮像が終了した後には、元に存在していた凹所272の中心の近傍にその検出用チップ220を落下させて、その凹所72に回収すればよい。
【0086】
次に、検出用チップの変形態様について説明する。図18および図19に、いくつかの変形態様の検出用チップを吸着ノズルに吸着させたところを示す。上記実施形態では、検出用チップとして、吸着ノズル先端の内径より大きな直径を有する真球状のものを用いた。これに代え、例えば、図18(a)に示すような、半球状の検出用チップを用いることができる。この半球状の検出用チップ280は、凸球面からなる球面部282と、円形の平面からなる平面部284とからなる。球面部282において吸着ノズル56(ノズル部80)によって吸着され、吸着される球面部282の部分が被吸着部となる。吸着部の反対側に位置する平面部284は、撮像において、撮像対象部となる。図においては、吸着ノズル56が若干の位置ずれを生じていることを想定して、傾いて吸着されている状態を示している。たとえこのように傾いて吸着されたとしても、球面部282を構成する凸球面の中心が平面部284の円形平面の中心Ocと一致するため、この中心Ocは吸着ノズル56の先端部(ノズル部80の先端部)の軸線上に存在する。したがって、吸着ノズル理論軸線の方向の下方側から撮像して、平面部284の撮像データ、詳しくはその輪郭のデータ(平面部284は楕円形に撮像される)を解析処理すれば、その中心Ocつまり吸着ノズル56の先端部の中心位置を検出することが可能である。凸球面にて吸着させる効果が発揮される一態様である。なお、傾斜して吸着された場合には、撮像において、球面部282の一部分も撮像視野内に収まる。そこで、正面像を得る場合には、平面部284を白っぽくし、球面部282を黒っぽくした半球状の検出用チップ280を用いることが望ましい。そのようにすれば、球面部282は背景に紛れ、平面部284のみが明確に識別可能となる。
【0087】
さらに、図18(b)に示すような、平面部が鍔のように張り出したの半球状のチップ290を用いることもできる。この検出用チップ290も、凸球面からなる球面部292と、円形の平面からなる平面部294とを有する。球面部292の一部分が被吸着部となり、平面部294が撮像対象部となる。球面部292を構成する球面の中心がやはり平面部294の円形平面の中心Ocと一致し、傾いて吸着された場合でも、この中心Ocは、吸着ノズル56の先端の軸線上に位置する。本検出用チップ290は、撮像において、球面部292が撮像視野内に入ることがないため、全体を白っぽいものとしても、容易に正面像から吸着ノズル先端位置を検出できる。また、シルエット像による先端位置の検出も可能である。さらにまた、前述したように、吸着ノズル56の表面、厳密には、ノズル部80の端面および側面が、撮像に悪影響を与えない限り、図18(c)に示すような、吸着ノズル56の外径、厳密にはノズル部80の外径より小さな直径の真球状の検出用チップ300を用いることもできる。
【0088】
さらにはまた、図19(a)および図19(b)に示すような、検出用チップ310,320を用いることができる。図19(a)に示すものは、円盤の一方の面に円筒状の突起を設けたものである。突起部312は、吸着ノズル56のノズル部80の内径よりほんの僅か小さい外径を有しており、検出用チップ310は、この突起部312をノズル部80に挿入して吸着される。また突起部312の中心軸と、円盤部314の中心軸とは同一線上に位置していることから、円盤部314の下面の中心Ocは、吸着ノズル56の先端部の軸線上に位置することになる。円盤部314の下面を撮像対象部として撮像し、その撮像データより吸着ノズル56の先端の中心位置を検出することができる。また、この検出用チップ310においては、突起部312を含んで被吸着部が構成されることになる。
【0089】
また、図19(b)に示すものは、円盤の一方の面に円形の凹所を設けたものである。凹所322は、ノズル部80の外径よりほんの僅かに大きな内径を有しており、検出用チップ320は、この凹所322にノズル部80の先端を挿入させた状態で吸着される。凹所322の中心軸と検出用チップ320の中心軸とは同一線上に位置することから、検出用チップ320の凹所322が形成されていない面(図の下面)の中心Ocは、吸着ノズル56の先端部の軸線上に位置することになる。検出用チップの下面を撮像対象部として撮像し、その撮像データより吸着ノズル56の先端の中心位置を検出することができる。また、この検出用チップ320においては、凹所322を含んで被吸着部が構成されることになる。図19に例示する2つの態様の検出用チップは、吸着ノズル先端の内周部分と外周部分との少なくとも一方に位置(厳密には、吸着ノズル先端部の軸線方向に直角な平面内における位置)を規制されて吸着される被吸着部を備えた検出用チップであるといえる。かかる態様のものは、そのままでは自動による吸着ノズル先端位置の検出は容易ではないと思われるが、正確に先端位置を検出可能な態様のものである。
【0090】
上記実施形態の電子部品装着システムは、XYロボット型の電子部品装着システムであるが、いわゆるロータリーヘッド型の電子部品装着システムにおいても、上記検出用チップを利用した吸着ノズル先端位置の検出が可能である。ロータリーヘッド型の電子部品装着システムは、例えば、一円周上に配設された複数の装着ヘッドが間欠回転させられて、所定の部品供給ステーションにおいて電子部品を吸着保持し、所定の部品装着ステーションにおいて電子部品を装着する装着ユニットを有するシステムであり、さらに、複数の部品フィーダが整列させられて所定の部品フィーダが上記部品供給ステーションの下方に位置するように作動可能な部品供給装置と、回路基板を保持して所定の部品装着位置が上記部品装着ステーションの下方に位置するように作動可能な基板保持装置とを含んで構成される。部品撮像装置は、部品吸着ステーションと部品装着ステーションとの間に設けられた部品撮像ステーションにて行われる。かかるロータリーヘッド型の電子部品装着システムでは、前述の補助器具セットを、部品供給装置の電子部品供給位置に相当する部分に設置すれば、プログラムにしたがった自動での吸着ノズルの検査が可能となる。
【0091】
上記実施形態では、部品撮像装置は、撮像デバイスとして、部品撮像カメラ(CCDカメラ)を使用している。これに代え、撮像デバイスとして、ラインセンサを用いることができる。センサ素子が整列された方法と直角な方向に、ラインセンサと撮像対象物とを一定速度で相対移動させて、2次元画像データを取得するような撮像装置であってもよい。
【0092】
以上、本発明の一実施形態およびそのいくつかの変形態様について説明したが、本発明は、上記一実施形態等に限定されるものではなく、その他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品装着システムの概要を示す全体平面図である。
【図2】電子部品装着システムの概要を示す全体側面図である。
【図3】電子部品装着システムが備える装着ユニットの背面一部断面図である。
【図4】電子部品装着システムが備える部品撮像装置の斜視図である。
【図5】電子部品装着システムのシステム制御装置のブロック図である。
【図6】電子部品の撮影像を模式的に示した図である。
【図7】正規の状態において撮像された場合において部品保持位置誤差が発生しているときの撮影像を示す図である。
【図8】吸着ノズルの先端位置が装着ヘッドの軸線に対して変位している場合を模式的に示す図である。
【図9】装着ヘッドの軸線が部品撮像装置の光軸線に対して変位している場合を模式的に示す図である。
【図10】正面像を得るための吸着ノズルを直に撮像して得られる撮影像を示す図である。
【図11】検出用チップを吸着ノズルの先端に吸着させた状態の正面図およびその状態で部品撮像装置によって撮像されて得られる撮影像を示す図である。
【図12】部品撮像装置の光軸線と装着ヘッドの軸線とにすれが生じていない場合において、真球状の検出用チップを用いて吸着ノズルの先端位置の理論軸線からのずれ量を検出する方法を模式的に示す図である。
【図13】部品撮像装置の光軸線と装着ヘッドの軸線とにすれが生じていない場合において、真球状の検出用チップを用いて吸着ノズルの先端位置の理論軸線からのずれ量を検出する方法を模式的に示す図である。
【図14】電子部品装着システムが備える吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットを示す斜視図である。
【図15】吸着ノズルの先端がずれている場合における検出用チップの吸着直前の様子を示す図である。
【図16】本電子部品装着システムの吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットにおいて使用可能なチップ収容容器の1つの変形態様を示す図である。
【図17】本電子部品装着システムの吸着ノズル先端位置検出用補助器具セットにおいて使用可能なチップ収容容器のもう1つの変形態様を示す図である。
【図18】いくつかの変形態様の検出用チップを吸着ノズルに吸着させたところを示す図である。
【図19】いくつかの変形態様の検出用チップを吸着ノズルに吸着させたところを示す図である。
【符号の説明】
12:回路基板 20:部品装着装置 22:装着ヘッド 24:装着ユニット 26:装着ユニット移動装置 30:部品撮像装置 54:電子部品 56:吸着ノズル 60:装着ヘッド昇降装置 64:装着ヘッド回転装置 80:ノズル部 82:取付部 84:背景形成部 130:部品撮像カメラ 132:光源部 134:部品画像処理ユニット 150:ノズル収容装置 160:可視光線ランプ 162:紫外線ランプ 220:検出用チップ 228:吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット 230:チップ収容容器 234:チップ回収部 236:チップ取出部 238:内側底面 250:チップ収容容器
252:溝 254:チップ取出部 256:チップ回収部 270:チップ収容容器 272:凹所 280:検出用チップ 282:球面部 284:平面部 290:検出用チップ 292:球面部 294:平面部 300:検出用チップ 310:検出用チップ 312:突起部 314:円盤部 320:検出用チップ 322:凹所

Claims (2)

  1. 先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出する方法であって、
    (a)前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、(b)その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部とを有する真球状の検出用チップを準備する工程と、
    その検出用チップを前記被吸着部において前記吸着ノズルに吸着させる工程と、
    その吸着させた検出用チップを、前記吸着ノズルが正規の状態である場合のその吸着ノズルの軸線である理論軸線に平行な方向の吸着ノズル側とは反対側から撮像する工程と、
    その撮像により得られた前記撮像対象部の撮像データに基づいて、前記吸着ノズルの先端の前記理論軸線に直角な平面内の中心位置を検出する工程と
    を含むことを特徴とする吸着ノズル先端位置検出方法。
  2. 先端において負圧により保持対象物を吸着保持する吸着ノズルの先端位置を検出するために用いられる検出用補助器具セットであって、
    (a)前記吸着ノズルの先端に吸着される被吸着部と、(b)その被吸着部の反対側に位置して吸着された状態において撮像の対象となり、前記吸着ノズルの軸線の方向への投影像の中心がその軸線上に位置する撮像対象部とを有する1つ以上の真球状の検出用チップと、
    その1つ以上検出用チップを収容し、その1つ以上の検出用チップのうちの1つを一定位置であるチップ取出位置に位置させるチップ定置手段として、前記チップ取出位置に相当する部分が最も低所であり、かつ、その低所に向かって前記検出用チップが転がり降りることが可能な傾斜部を有する容器内側底面を有するチップ収容容器と
    を含むことを特徴とする吸着ノズル先端位置検出用補助器具セット。
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