JP3989308B2 - 被搬送品の貯留装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送装置によって次々と搬送される被搬送品を一時的に貯留すると共に、その貯留した被搬送品を搬送装置に戻す被搬送品の貯留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来装置の一例を模式的に示す平面図である。この貯留装置100は、充填工程等の工程から本流搬送装置2によって次々と搬送されてくるペットボトル等の被搬送品Wを貯留するための無端ベルト3aを有するコンベア装置3と、本流搬送装置2から分岐しコンベア装置3を経由して本流搬送装置2と合流するバイパス搬送装置4とを備えている。
【0003】
本流搬送装置2からバイパス搬送装置4が分岐する分岐部には、被搬送品Wを搬送する搬送ラインを本流搬送装置2又はバイパス搬送装置4に切り替える切替装置5が配置されている。バイパス搬送装置4が本流搬送装置2と合流する合流部には、バイパス搬送装置4によって搬送されてくる被搬送品Wを本流搬送装置2に受け渡す受渡し装置6が配置されている。バイパス搬送装置4とコンベア装置3とが接近する接近部手前には、バイパス搬送装置4によって次々と搬送されてくる被搬送品Wを一時的に停止させるラインストッパー装置7が配置されている。
【0004】
バイパス搬送装置4とコンベア装置3とが接近する接近部には、ラインストッパー装置7で集合させた被搬送品Wの集合物を停止させるストッパー装置8と、ストッパー装置8で停止させた被搬送品Wの集合物をバイパス搬送装置4からコンベア装置3の無端ベルト3a上に順次押し込む押込み装置9とが配置されている。この押込み装置9は、無端ベルト3a上に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に戻す際には、バイパス搬送装置4に最も近い位置にある被搬送品Wの集合物を無端ベルト3a上からバイパス搬送装置4に掻き出す掻出し装置として機能する。
【0005】
コンベア装置3は、被搬送品Wが押込み装置9によって無端ベルト3a上に押し込まれると、無端ベルト3aが間欠駆動されて無端ベルト3a上に被搬送品Wを順次貯留するように、図外の制御装置によって制御されている。無端ベルト3a上に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に戻す際には、前記制御装置による制御によって無端ベルト3aが間欠的に反転駆動される。
【0006】
切替装置5より搬送下流側でトラブルが発生した場合には、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を停止され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によってバイパス搬送装置4に導かれる。バイパス搬送装置4に導かれた被搬送品Wは、ラインストッパー装置7で一時的に停止されて所定数または所定時間毎に集合させられた後、ストッパー装置8で停止され、押込み装置9によってバイパス搬送装置4からコンベア装置3の無端ベルト3a上に移され、無端ベルト3a上に順次貯留されてゆく。
【0007】
前記トラブルが解消すると、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を再開され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって本流搬送装置2に導かれる。貯留装置100に貯留された被搬送品Wは、受渡し装置6より搬送下流側の検査工程等の装置の処理能力を超えないように適量づつ本流搬送装置2に戻される。
【0008】
このとき、コンベア装置3は無端ベルト3aが間欠的に反転駆動され、押込み装置9は、バイパス搬送装置4に最も近い位置にある被搬送品Wの集合物を無端ベルト3a上からバイパス搬送装置4に掻き出す。ストッパー装置8のストッパー8aは、バイパス搬送装置4直上の停止位置から、バイパス搬送装置4による被搬送品Wの搬送を妨げない待機位置に移動する。
【0009】
受渡し装置6は、バイパス搬送装置4用のラインストッパー装置6aと、本流搬送装置2用のラインストッパー装置6bと、被搬送品Wを案内するガイドプレート6cとを備えている。コンベア装置3から掻き出された被搬送品Wは、受渡し装置6によってバイパス搬送装置4から本流搬送装置2に戻される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した貯留装置100では、コンベア装置3に貯留された被搬送品Wは、後から貯留された被搬送品Wから先に本流搬送装置2に戻されてゆく。このため、コンベア装置3に先に貯留された被搬送品Wは、コンベア装置3での滞留時間が長くなってしまう。特に、コンベア装置3に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に戻している最中に、切替装置5より搬送下流側で再びトラブルが発生した場合には、コンベア装置3に再び被搬送品Wが貯留されるので、コンベア装置3に残っていた被搬送品Wは滞留時間が更に長くなってしまう。従って、従来の貯留装置100には、コンベア装置3での滞留時間が長時間に及ぶ被搬送品Wが発生する場合がある、という問題点がある。
【0011】
そこで、本発明は、被搬送品のコンベア装置での最長滞留時間の短縮を図ることができる被搬送品の貯留装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の被搬送品の貯留装置は、本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品を一時的に貯留すると共に、その貯留した被搬送品を前記本流搬送装置に戻す被搬送品の貯留装置であって、被搬送品を一端から受け入れて貯留し他端から前記本流搬送装置に受け渡すコンベア装置と、前記本流搬送装置から分岐して前記コンベア装置の一端まで延び、被搬送品を前記本流搬送装置から受け入れて前記コンベア装置の一端からコンベア装置に受け渡す第1のバイパス搬送装置とを備えている。
【0013】
このため、本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品を貯留する際には、被搬送品は、第1のバイパス搬送装置によって本流搬送装置からコンベア装置の一端まで搬送され、コンベア装置の一端からコンベア装置に順次受け渡されて貯留される。貯留した被搬送品をコンベア装置から本流搬送装置に戻す際には、被搬送品は、コンベア装置の他端から本流搬送装置に受け渡される。従って、本発明の貯留装置によれば、コンベア装置に貯留した被搬送品を貯留した順にコンベア装置から本流搬送装置に戻すことができ、被搬送品のコンベア装置での最長滞留時間の短縮を図ることができる。
【0014】
この貯留装置は、コンベア装置の他端から本流搬送装置まで延びて当該本流搬送装置と合流し、被搬送品をコンベア装置の他端から受け入れて本流搬送装置に受け渡す第2のバイパス搬送装置を備えることにより、コンベア装置に貯留した被搬送品を本流搬送装置に戻す際には、被搬送品は、コンベア装置の他端から第2のバイパス搬送装置を介して本流搬送装置に受け渡される。このため、コンベア装置に貯留した被搬送品を本流搬送装置に戻す際には、コンベア装置より搬送下流側の検査工程等の装置の処理能力を超えないように、被搬送品を適量づつ本流搬送装置に戻すことが容易になる。
【0015】
また、コンベア装置に貯留した被搬送品をコンベア装置の他端から本流搬送装置へ受け渡している最中に再び被搬送品をコンベア装置に貯留する際には、コンベア装置を反転駆動して、コンベア装置の他端側に残っている被搬送品をコンベア装置の一端側まで戻す制御装置を備えることにより、コンベア装置の他端側に残っている被搬送品は、コンベア装置の一端側まで戻される。
【0016】
このため、コンベア装置の他端側から一端側まで戻された被搬送品に続けて、被搬送品を第1のバイパス搬送装置からコンベア装置に受け入れることができ、コンベア装置に貯留した被搬送品をコンベア装置の他端から本流搬送装置へ受け渡している最中に貯留装置より搬送下流側でトラブルが発生した場合であっても、被搬送品をコンベア装置に再び貯留することができる。
【0017】
また、前記制御装置は、第1のバイパス搬送装置が被搬送品を本流搬送装置から受け入れてコンベア装置の一端まで搬送する間に、コンベア装置の他端側に残っている被搬送品をコンベア装置の一端側まで戻すことにより、コンベア装置に貯留した被搬送品をコンベア装置の他端から本流搬送装置へ受け渡している最中に搬送下流側で再びトラブルが発生した場合であっても、貯留装置より搬送上流側の本流搬送装置を停止させることなく、この本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品をコンベア装置に再び貯留することができる。
【0018】
なお、被搬送品は、缶,瓶,ペットボトル,紙容器,パウチ容器等の容器は勿論、例えば菓子やパン等、本流搬送装置によって次々と搬送されてくるもであれば何であっても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、第1実施形態の説明では、従来品の構成要素と同様の構成要素には従来品と同一の符号を付している。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る被搬送品の貯留装置を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、被搬送品Wはペットボトルである。図1に示すように、この貯留装置1は、本流搬送装置2から分岐してコンベア装置10の一端まで延び、被搬送品Wを本流搬送装置2から受け入れてコンベア装置10の一端からコンベア装置10に受け渡す第1のバイパス搬送装置11を備えている。また、被搬送品Wを一端から受け入れて貯留し他端から本流搬送装置2に受け渡すコンベア装置10も備えている。このコンベア装置10は無端ベルト10aを有している。
【0021】
第1のバイパス搬送装置11には、コンベア装置10側の終端に、被搬送品Wをコンベア装置10に導くガイドストッパー13が配置されている。本流搬送装置2から第1のバイパス搬送装置11が分岐する分岐部には、被搬送品Wを搬送する搬送ラインを本流搬送装置2又は第1のバイパス搬送装置11に切り替える切替装置5が配置されている。貯留装置1のコンベア装置10,第1のバイパス搬送装置11及び切替装置5は、本流搬送装置2と共に制御装置14によって制御されている。
【0022】
図2は、図1に示す貯留装置のA部の拡大図である。図2に示すように、切替装置5は、搬送途中の被搬送品Wを一時的に停止させるラインストッパー装置5aと、被搬送品Wを本流搬送装置2又は第1のバイパス搬送装置11に案内するガイド装置5bとから構成されている。
【0023】
ラインストッパー装置5aは、本流搬送装置2における第1のバイパス搬送装置11が分岐する分岐部の手前に配置されており、本流搬送装置2を挟んで互いに対抗する両側壁5c,5cと、両側壁5c,5cの間隔を調整するエアーシリンダ装置5dとを備えている。ガイド装置5bは、前記分岐部に配置されたガイドプレート5eと、ガイドプレート5eを回動させるエアーシリンダ装置5fとを備えている。このエアーシリンダ装置5fによってガイドプレート5eは、被搬送品Wを本流搬送装置2に案内する本流位置と、被搬送品Wを第1のバイパス搬送装置11に案内するバイパス位置とに切り替えられる。
【0024】
図1に戻って、切替装置5より搬送下流側でトラブルが発生した場合には、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を停止され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって第1のバイパス搬送装置11に導かれる。第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wは、ガイドストッパー13によってコンベア装置10の一端から無端ベルト10a上に受け渡されてゆく。コンベア装置10は、制御装置14の制御によって無端ベルト10aが所定の速度で移動しており、受け入れた被搬送品Wを無端ベルト10a上に貯留してゆく。
【0025】
前記トラブルが解消すると、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を再開され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって本流搬送装置2に導かれる。第1のバイパス搬送装置11に残った被搬送品Wはコンベア装置10に一旦貯留され、コンベア装置10に貯留された被搬送品Wは、コンベア装置10より搬送下流側の検査工程等の装置の処理能力を超えないように、適量づつ本流搬送装置2に戻される。このとき、コンベア装置10の一端側に貯留された被搬送品Wは、無端ベルト10aによってコンベア装置10の他端側まで移送された後、緩やかな速度に制御された無端ベルト10aによって、コンベア装置10の他端から本流搬送装置2に適量づつ受け渡される。
【0026】
以上説明したように、本流搬送装置2によって次々と搬送される被搬送品Wは、切替装置5より搬送下流側でトラブルが発生した場合には、第1のバイパス搬送装置11によって本流搬送装置2からコンベア装置10の一端まで搬送され、コンベア装置10の一端からコンベア装置10に順次受け渡されて貯留される。この貯留された被搬送品Wは、前記トラブルが解消した後に、コンベア装置10の他端から本流搬送装置2に受け渡される。従って、貯留装置1では、コンベア装置10に貯留した被搬送品Wを貯留した順にコンベア装置10から本流搬送装置2に戻すことができ、被搬送品Wのコンベア装置10での最長滞留時間の短縮を図ることができる。
【0027】
コンベア装置10に貯留された被搬送品Wをコンベア装置10の他端から本流搬送装置2に受け渡している最中に、切替装置5より搬送下流側で再びトラブルが発生した場合には、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を停止され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって第1のバイパス搬送装置11に導かれる。コンベア装置10は、バイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wがガイドストッパー13に到達するまでの間に、制御装置14の制御により、無端ベルト10aが反転駆動されて、無端ベルト10aの他端側に残っていた被搬送品Wが無端ベルト10aの一端側へ戻され、第1のバイパス搬送装置11から被搬送品Wを受け入れる受け入れ態勢を整える。
【0028】
このため、第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wは、コンベア装置10の他端側から一端側まで戻された被搬送品Wに続けて、コンベア装置10の一端からコンベア装置10に貯留されてゆく。従って、貯留装置1では、コンベア装置10に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に受け渡している最中に、切替装置5より搬送下流側で再びトラブルが発生した場合であっても、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2を停止させることなく、この本流搬送装置2によって次々と搬送される被搬送品Wをコンベア装置10に再び貯留することができる。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、第2実施形態の説明では、従来品の構成要素と同様の構成要素には従来品と同一の符号を付し、第1実施形態の構成要素と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号を付している。また、第1実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0030】
図3は、本発明の第2実施形態に係る被搬送品の貯留装置を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、被搬送品Wは酒パックである。この貯留装置50は、無端ベルト10aを有するコンベア装置10と、第1のバイパス搬送装置11とを備えている。また、コンベア装置10の他端から本流搬送装置2まで延びて本流搬送装置2と合流し、被搬送品Wをコンベア装置10の他端から受け入れて本流搬送装置2に受け渡す第2のバイパス搬送装置12も備えている。
【0031】
本流搬送装置2から第1のバイパス搬送装置11が分岐する分岐部には、切替装置5が配置されている。第1のバイパス搬送装置11には、コンベア装置10寄りの位置にエアーシリンダ駆動のラインストッパー装置7が配置され、コンベア装置10側の終端に、被搬送品Wを停止させるストッパー15が配置されている。
【0032】
第1のバイパス搬送装置11とコンベア装置10の一端との合流部には、ラインストッパー装置7で集合させストッパー15で停止させた被搬送品Wの集合物を第1のバイパス搬送装置11からコンベア装置10の無端ベルト10a上に押し込む押込み装置20が配置されている。コンベア装置10の他端と第2のバイパス搬送装置12との合流部には、コンベア装置10の無端ベルト10a上に貯留された被搬送品Wを無端ベルト10a上から第2のバイパス搬送装置12に掻き出す掻出し装置40が配置されている。
【0033】
第2のバイパス搬送装置12が本流搬送装置2と合流する合流部には、コンベア装置10に貯留され第2のバイパス搬送装置12によって搬送される被搬送品Wを本流搬送装置2に受け渡す受渡し装置6が配置されている。貯留装置50のコンベア装置10,第1及び第2の両バイパス搬送装置11,12,切替装置5,ラインストッパー装置7,押込み装置20,掻出し装置40及び受渡し装置6は、本流搬送装置2と共に制御装置14によって制御されている。
【0034】
図4は、図3に示す貯留装置の押込み装置を一部破断させて示す側面図である。図4に示すように、押込み装置20の駆動モータ21には駆動プーリ22が取り付けられている。駆動プーリ22は、タイミングベルト23によって従動プーリ24と連結され、従動プーリ24は、回転円板25と共に回転軸に取り付けられている。回転円板25は、摺動装置30の水平摺動スリーブ31とコンロッド26によって連結され、コンロッド26は、回転円板25の外周部と水平摺動スリーブ31とに回動自在に取り付けられている。水平摺動スリーブ31は、水平に配置された水平シャフト27に摺動自在に組み付けられており、駆動モータ21の駆動によって摺動装置30を水平方向へ往復移動させる。
【0035】
摺動装置30は、垂直に配置された2組の垂直シャフト32,32(図4には一方のみ示す)と、各垂直シャフト32に摺動自在に組み付けられた垂直摺動スリーブ33と、各摺動スリーブ33を垂直方向へ往復移動させるエアーシリンダ装置34とを備えている。1組の垂直シャフト32に組み付けられた垂直摺動スリーブ33には、被搬送品Wを第1のバイパス搬送装置11からコンベア装置10の無端ベルト10a上に押し込む一対の押込みバー35,35の一方が取り付けられ、他の1組の垂直シャフト32に組み付けられた垂直摺動スリーブ33には、一対の押込みバー35,35の他方が取り付けられている。一対の押込みバー35,35は、両押込みバー35,35間に被搬送品Wの集合物(図3参照)を受け入れるために、被搬送品Wの幅より幅広に間隔が開けられている。
【0036】
この押込み装置20では、一対の押込みバー35,35は、第1のバイパス搬送装置11直上の受入れ位置とコンベア装置10の無端ベルト10a直上の受渡し位置との間を水平移動した後、上昇して受渡し位置の上方に移動し、受渡し位置の上方から受入れ位置の上方まで水平移動して、受入れ位置まで下降する一連の動作を繰り返す。図1の掻出し装置40は、その構造が押込み装置20の構造と同一である。このため、掻出し装置40の構造については説明を省略する。
【0037】
図5は、図3に示す貯留装置のB部の拡大図である。図5に示すように、受渡し装置6は、第2のバイパス搬送装置12における本流搬送装置2との合流部手前に配置されたラインストッパー装置6aと、合流部手前の本流搬送装置2に配置されたラインストッパー装置6bと、合流部に配置された回動自在のガイドプレート6cとから構成されている。ラインストッパー装置6aは、第2のバイパス搬送装置12を挟んで対抗配置された両側壁6d、6dと、両側壁6d、6dの間隔を調整するエアーシリンダ装置6eとを備え、第2のバイパス搬送装置12によって搬送される被搬送品Wを一時的に停止させる。
【0038】
ラインストッパー装置6bは、本流搬送装置2を挟んで対抗配置された両側壁6f,6fと、両側壁6f,6fの間隔を調整するエアーシリンダ装置6gとを備え、本流搬送装置2によって搬送される被搬送品Wを一時的に停止させる。ガイドプレート6cは、被搬送品Wが本流搬送装置2を搬送されてくる場合には、その搬送されてくる被搬送品Wによって、被搬送品Wをそのまま本流搬送装置2に案内する本流位置に移動する。被搬送品Wが第2のバイパス搬送装置12を搬送されてくる場合には、その搬送されてくる被搬送品Wによって、被搬送品Wを本流搬送装置2に案内するバイパス位置に移動する。
【0039】
図3に戻って、切替装置5より搬送下流側でトラブルが発生した場合には、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を停止され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって第1のバイパス搬送装置11に導かれる。第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wは、ラインストッパー装置7で一時的に搬送を停止されて所定数または所定時間毎に集合させられた後、ストッパー15で停止され、押込み装置20によって第1のバイパス搬送装置11からコンベア装置10の無端ベルト10a上に移される。コンベア装置10は、第1のバイパス搬送装置11から被搬送品Wを受け入れると無端ベルト10aが間欠駆動され、無端ベルト10a上に被搬送品Wを順次貯留してゆく。
【0040】
前記トラブルが解消すると、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は駆動を再開され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって本流搬送装置2に導かれる。第1のバイパス搬送装置11に残った被搬送品Wはコンベア装置10に一旦貯留され、コンベア装置10に貯留された被搬送品Wは、受渡し装置6より搬送下流側の装置の処理能力を超えないように、適量づつ本流搬送装置2に戻される。
【0041】
このとき、コンベア装置10の押込み装置20側に貯留された被搬送品Wは、コンベア装置10の駆動によりコンベア装置10の掻出し装置40側に移送された後、コンベア装置10の間欠駆動と掻出し装置40の駆動との連携により、コンベア装置10の無端ベルト10a上から第2のバイパス搬送装置12に適宜掻き出される。その掻き出された被搬送品Wは、第2のバイパス搬送装置12によって搬送され、受渡し装置6のバイパス搬送装置12用のラインストッパー装置6aによって一時的に搬送を停止される。この搬送を停止された被搬送品Wは、本流搬送装置2を搬送される被搬送品Wが受渡し装置6の本流搬送装置2用のラインストッパー装置6bによって一時的に搬送を停止された際に、バイパス搬送装置12用のラインストッパー装置6aによる搬送停止を解除され、本流搬送装置2に受け渡される。
【0042】
コンベア装置10に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に戻している最中に、切替装置5より搬送下流側で再びトラブルが発生した場合には、制御装置14の制御により、切替装置5より搬送下流側の本流搬送装置2は再び駆動を停止され、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2によって次々と搬送されてくる被搬送品Wは、切替装置5によって第1のバイパス搬送装置11に導かれる。
【0043】
コンベア装置10は、第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wがストッパー15で搬送を停止するまでの間に、制御装置14の制御により、無端ベルト10aが反転駆動されて、無端ベルト10aの掻出し装置40側に残っていた被搬送品Wが無端ベルト10aの押込み装置20側へ戻され、第1のバイパス搬送装置11から被搬送品Wを受け入れる受け入れ態勢を整える。従って、第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wは、コンベア装置10の他端側から一端側まで戻された被搬送品Wに続けて、コンベア装置10の一端からコンベア装置10に順次貯留されてゆく。
【0044】
以上説明したように、第2実施形態の貯留装置50でも、第1実施形態の貯留装置1と同様、コンベア装置10の一端からコンベア装置10に受け渡された被搬送品Wは、コンベア装置10の他端から本流搬送装置2に受け渡される。従って、コンベア装置10に貯留した被搬送品Wを貯留した順にコンベア装置10から本流搬送装置2に戻すことができ、被搬送品Wのコンベア装置10での最長滞留時間の短縮を図ることができる。
【0045】
また、コンベア装置10に貯留された被搬送品Wを本流搬送装置2に受け渡している最中に、切替装置5より搬送下流側で再びトラブルが発生した場合であっても、貯留装置1と同様、本流搬送装置2から第1のバイパス搬送装置11に導かれた被搬送品Wは、コンベア装置10の他端側から一端側まで戻された被搬送品Wに続けて、コンベア装置10の一端からコンベア装置10に順次貯留されてゆく。従って、切替装置5より搬送上流側の本流搬送装置2を停止させることなく、この本流搬送装置2によって次々と搬送される被搬送品Wをコンベア装置10に再び貯留することもできる。
【0046】
更に、貯留装置50では、コンベア装置10に貯留された被搬送品Wは、コンベア装置10の他端から第2のバイパス搬送装置12を介して本流搬送装置2に受け渡される。このため、第2のバイパス搬送装置12と本流搬送装置2との合流部に受渡し装置6を配置することができ、コンベア装置10に貯留した被搬送品Wを本流搬送装置2に戻す際には、コンベア装置10より搬送下流側の検査工程等の装置の処理能力を超えないように、被搬送品Wを適量づつ本流搬送装置2に戻すことが容易になる。
【0047】
なお、貯留装置50では、受渡し装置6のバイパス搬送装置12用のラインストッパー装置6aはシリンダ駆動のものである。このため、被搬送品Wを第2のバイパス搬送装置12から本流搬送装置2に受け渡す際には、被搬送品Wは、コンベア装置10に配列された一列分の集合毎に受け渡される。しかし、受渡し装置6のバイパス搬送装置12用のラインストッパー装置6aとして、回転駆動される一対の無端ベルトで被搬送品Wを挟んで送り出すと共に、一対の無端ベルトの回転を停止させて被搬送品Wの搬送を停止させるキャタピラー式のラインストッパー装置を採用することにより、被搬送品Wを所定数づつ第2のバイパス搬送装置12から本流搬送装置2に受け渡すことも可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の被搬送品の貯留装置によれば以下の効果が得られる。
(1)本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品を貯留する際には、被搬送品は、第1のバイパス搬送装置によって本流搬送装置からコンベア装置の一端まで搬送され、コンベア装置の一端からコンベア装置に順次受け渡されて貯留される。貯留した被搬送品をコンベア装置から本流搬送装置に戻す際には、被搬送品は、コンベア装置の他端から本流搬送装置に受け渡される。従って、コンベア装置に貯留した被搬送品を貯留した順にコンベア装置から本流搬送装置に戻すことができ、被搬送品のコンベア装置での最長滞留時間の短縮を図ることができる。
【0049】
(2)コンベア装置の他端から本流搬送装置まで延びて当該本流搬送装置と合流し、被搬送品をコンベア装置の他端から受け入れて本流搬送装置に受け渡す第2のバイパス搬送装置を備えることにより、コンベア装置に貯留した被搬送品を本流搬送装置に戻す際には、被搬送品は、コンベア装置の他端から第2のバイパス搬送装置を介して本流搬送装置に受け渡される。このため、コンベア装置に貯留した被搬送品を本流搬送装置に戻す際には、コンベア装置より搬送下流側の検査工程等の装置の処理能力を超えないように、被搬送品を適量づつ本流搬送装置に戻すことが容易になる。
【0050】
(3)コンベア装置に貯留した被搬送品をコンベア装置の他端から本流搬送装置へ受け渡している最中に再び被搬送品をコンベア装置に貯留する際に、コンベア装置を反転駆動して、コンベア装置の他端側に残っている被搬送品をコンベア装置の一端側まで戻す制御装置を備えることにより、コンベア装置の他端側から一端側まで戻された被搬送品に続けて、被搬送品を第1のバイパス搬送装置からコンベア装置に受け入れることができる。従って、コンベア装置に貯留した被搬送品をコンベア装置の他端から本流搬送装置へ受け渡している最中に貯留装置より搬送下流側でトラブルが発生した場合であっても、被搬送品をコンベア装置に再び貯留することができる。
【0051】
(4)このとき、コンベア装置の他端側に残っている被搬送品をコンベア装置の一端側まで戻す制御を、第1のバイパス搬送装置が被搬送品を本流搬送装置から受け入れてコンベア装置の一端まで搬送する間に行うことにより、貯留装置より搬送上流側の本流搬送装置を停止させることなく、この本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品をコンベア装置に再び貯留することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る被搬送品の貯留装置を模式的に示す平面図である。
【図2】 図1に示す貯留装置のA部の拡大図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る被搬送品の貯留装置を模式的に示す平面図である。
【図4】 図3に示す貯留装置の押込み装置を一部破断させて示す側面図である。
【図5】 図3に示す貯留装置のB部の拡大図である。
【図6】 従来品の一例を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1,50 貯留装置
2 本流搬送装置
5 切替装置
5a ラインストッパー装置
5b ガイド装置
5c 側壁
5d,5f エアーシリンダ装置
5e ガイドプレート
6 受渡し装置
6a,6b ラインストッパー装置
6c ガイドプレート
6d,6f 側壁
6e,6g エアーシリンダ装置
7 ラインストッパー装置
10 コンベア装置
10a 無端ベルト
11 第1のバイパス搬送装置
12 第2のバイパス搬送装置
13 ガイドストッパー
14 制御装置
15 ストッパー
20 押込み装置
21 駆動モータ
22 駆動プーリ
23 タイミングベルト
24 従動プーリ
25 回転円板
26 コンロッド
27 水平シャフト
30 摺動装置
31 水平摺動スリーブ
32 垂直シャフト
33 垂直摺動スリーブ
34 エアーシリンダ装置
35 押込みバー
40 掻出し装置
W 被搬送品
Claims (3)
- 本流搬送装置によって次々と搬送される被搬送品を一時的に貯留すると共に、その貯留した被搬送品を前記本流搬送装置に戻す被搬送品の貯留装置であって、被搬送品を一端から受け入れて貯留し他端から前記本流搬送装置に受け渡すコンベア装置と、
前記本流搬送装置から分岐して前記コンベア装置の一端まで延び、被搬送品を前記本流搬送装置から受け入れて前記コンベア装置の一端からコンベア装置に受け渡す第1のバイパス搬送装置と、
前記コンベア装置に貯留した被搬送品を前記コンベア装置の他端から前記本流搬送装置に受け渡している最中に再び被搬送品を前記コンベア装置に貯留する際に、前記コンベア装置を反転駆動して、前記コンベア装置の他端側に残っている被搬送品を前記コンベア装置の一端側まで戻す制御装置と、
を備えていることを特徴とする被搬送品の貯留装置。 - 前記コンベア装置の他端から前記本流搬送装置まで延びて当該本流搬送装置と合流し、被搬送品を前記コンベア装置の他端から受け入れて前記本流搬送装置に受け渡す第2のバイパス搬送装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の被搬送装置の貯留装置。
- 前記制御装置は、前記第1のバイパス搬送装置が被搬送品を前記本流搬送装置から受け入れて前記コンベア装置の一端まで搬送する間に、前記コンベア装置の他端側に残っている被搬送品を前記コンベア装置の一端側まで戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の被搬送装置の貯留装置。
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