JP3973967B2 - 凝集分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水処理分野において、懸濁物質等を含んだ被処理液に添加する添加物量を管理して安定した水質を得る凝集分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水処理分野において、下水流入水量の極端な増加時には、処理場流入前および処理場での一次処理(最初沈殿池越流)程度で簡易放流される場合がある。この場合、高濁度の汚水が直接公共用水域へ放流されるという問題があった。このような状況から、公共用水域の更なる水質保全、即ち濁質などの改善を目的に下水での雨天時等における越流水処理の必要性が叫ばれている。
その対策として、下水処理場では汚濁物質の除去を目的に凝集沈殿処理が試みられている。
【0003】
特に、合流式下水道の場合、雨天時には路面等の落ち葉や土砂が雨で洗い流され、短時間に大量の落ち葉や土砂が下水処理場に流入してくる。そこで、合流式下水道の流入下水を凝集沈殿処理する場合、最初沈殿池の前段に沈砂池を設けているが、雨天時の極端な流入水量の多いときには流入土砂を沈砂池で取り除くことは出来ない。その後段で、凝集沈殿を適応すると沈砂池で取り除けない砂は、凝集反応槽内に溜まり沈殿槽に移流しない場合があり、凝集反応槽に余剰な砂が増え、凝集効果に影響を与え、処理が困難になる場合がある。
【0004】
図10は従来の凝集沈殿処理装置を概略的に示すフロー図である。
同図において、1は原水導入管、2はその原水導入管1から汚泥等の懸濁物質等を含んだ被処理液(原水)を導入する凝集反応槽であり、この凝集反応槽2内の被処理液には、無機凝集剤供給手段3および高分子凝集剤供給手段4のそれぞれから凝集剤が供給されるようになっている。5は前記凝集反応槽2からの流出水を流入して分離物と処理水とに分離する固液分離槽、6はその固液分離槽5から分離物を引き抜く分離物引抜手段、7は返送管、8は添加物回収器であり、この添加物回収器8は、分離物引抜手段6から返送管7を介して返送された分離物に含まれる添加物を分離回収し、その回収添加物を凝集反応槽2に返送し且つ分離汚泥を排出するものである。
【0005】
次に、上記従来の凝集沈殿処理装置の動作について説明する。
原水導入管1から凝集反応槽2内に導入された被処理液(原水)に無機凝集剤と高分子凝集剤および添加物が添加されることにより、凝集反応槽2では、被処理液と凝集剤と添加物とが混合され、これによって凝集フロックが生成される。その凝集フロックを含んだ混和液は次の固液分離槽5に移流し、この固液分離槽5で添加物を含んだ沈降汚泥と処理水とに分離され、処理水は系外に排出され、沈降汚泥は分離物引抜手段6で引き抜かれた後、返送管7を介して添加物回収器8に返送される。この添加物回収器8では、返送汚泥に含まれた添加物が分離され、その添加物は凝集反応槽2内に返送され、添加物が分離された汚泥は系外に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の凝集沈殿処理装置は以上のように構成されているので、添加物回収器8によって、返送汚泥から分離された添加物の濃度を測定・管理することは可能であるが、しかし、凝集反応槽2内の混合物には次段の固液分離槽5に移流しない重たい砂等が含まれているため、添加物回収器8による返送汚泥からの分離添加物の濃度測定では、例えば雨天時等に流入水量が極端に多くなって凝集反応槽2での重たい砂量が増加しても、その砂量に応じた添加物濃度を測定することはできず、このため、凝集反応槽2の砂量が増加して処理水質が悪化しても適正な対応処理ができないという課題があった。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、凝集反応槽に流入する被処理液に含まれた砂等のように比重の大きな混合物量が増えた場合でも、その混合物濃度に応じた添加物供給量および/または混合物引抜量を適正に制御することができ、常に安定した水質を得ることができる凝集分離装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、凝集反応槽の混合物濃度に応じて凝集反応槽への添加物供給量および/または混合物引抜量を適正に自動制御することができる凝集分離装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る凝集分離装置は、被処理液に含まれた懸濁物質等を凝集処理する凝集反応槽と、この凝集反応槽からの流出水を固液分離する固液分離槽と、添加物を回収し排出する添加物回収器とからなる凝集分離装置において、前記凝集反応槽の混合物濃度を測定する混合物濃度測定器と、前記凝集反応槽から混合物を引き抜く添加物濃度調整用の混合物引抜手段と、前記凝集反応槽に添加物を供給する添加物供給手段とを備え、前記混合物濃度測定器による測定濃度に応じ混合物引抜手段および/または添加物供給手段を適正に制御するものである。
【0010】
本発明に係わる凝集分離装置は、前記混合物濃度測定器に演算器を連結し、その演算器からの出力信号によって、混合物引抜手段および/または添加物供給手段を適正に自動制御するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による凝集分離装置を示すフロー図であり、図10と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図1において、6aは固液分離槽5から分離物を引き抜いて添加物回収器8に返送する分離物引抜手段としてのポンプ、10は凝集反応槽2内に砂等の添加物(分離促進用の不溶性微粒物質)を供給する添加物供給手段、11は凝集反応槽2から混合物を引き抜く混合物引抜手段、12は凝集反応槽2内の混合物濃度を測定するための混合物濃度測定器であり、この混合物濃度測定器12としては、超音波式濃度計や赤外線濃度計を適用するが、混合物濃度を測定できるものであれば、いかなる計測器であってもよい。なお、添加物供給手段としては、定量フィダー供給やスラリー供給あるいはドライ供給が挙げられるが、凝集反応層2内に添加物を速やかに供給できるものであれば、如何なるものでもよい。混合物引抜手段11としては、凝集反応層2内に掻寄機を設置し、混合物をかき寄せてポンプで引き抜く手段、あるいは凝集反応層2の底部および/または側面下部に取り付けたバルブの開閉による混合物を引き抜く手段など、速やかに混合物が引き抜けるものであれば、如何なるものでもよい。
なお、凝集処理の対象となる物質は、懸濁物質、COD成分、リン成分など凝集反応する物質が挙げられる。
また、前記混合物とは、被処理液と凝集剤と添加物とが混ざった物(凝集フロック)を指すものである。
【0012】
次に動作について説明する。
混合物引抜手段11によって凝集反応槽2から混合物を引き抜き、その引き抜き混合物濃度を混合物濃度測定器12によって測定する。その混合物濃度測定値を設定濃度値(混合物濃度設定値)と比較し、その結果、混合物濃度測定値が設定濃度値よりも大であれば、混合物引抜手段11に濃度過剰信号を送って混合物引抜手段11を稼動させることにより、凝集反応槽2から混合物を引き抜く。この場合、その混合物引き抜きによって凝集反応槽2内の混合物濃度が設定濃度値に達した時点で混合物引抜手段11が停止する。また、混合物濃度測定値が設定濃度値よりも小であれば、添加物供給手段10に濃度不足信号を送って添加物供給手段10を稼動させることにより、凝集反応槽2内に添加物を供給する。これにより、凝集反応槽2内の混合物濃度が設定濃度値に達すると、その時点で添加物供給手段10が停止する。
【0013】
なお、前記添加物としては、砂に近似する比重2〜8の範囲である有機系や無機系の物質、例えば、微粒砂や酸化ジルコニウムやガーネットなどが挙げられる。また、前記添加物供給手段10および/または混合物引抜手段11への制御信号は、手動によるスイッチ操作等によって送られるようにすればよい。
【0014】
以上説明した実施の形態1によれば、凝集反応槽2内の混合物濃度を測定し、その濃度測定値を設定濃度値と比較して濃度測定値が設定濃度値よりも大のときには、凝集反応槽2内の混合物濃度が設定濃度値となるまで凝集反応槽2の混合物を引き抜き、濃度測定値が設定濃度値よりも小のときは、凝集反応槽2内の混合物濃度が設定濃度値となるまで凝集反応槽2内に添加物を供給するように構成したので、凝集反応槽2に流入する被処理液に含まれた砂等のように比重の大きな混合物量が増えた場合でも、その混合物濃度に応じた添加物供給量および/または混合物引抜量を適正に制御して凝集反応槽2内の混合物濃度を常に一定に確保することが可能となり、このため、常に安定した水質を得ることができる。
【0015】
実施例1.
次に、上記実施の形態1による凝集分離装置の実験運転を行った結果について説明する。
なお、実施条件は、
原水;下水処理場の最初沈殿池の流入水
原水流量;2880m3/日(120m3/h)
固液分離槽の上昇速度;120m/h
無機凝集剤;PAC添加率10mg/L(AL2O3として)
高分子凝集剤;アニオン系高分子凝集剤添加率1mg/L
本発明の凝集分離装置内微粒砂量;0〜380kg
とし、添加物としては微粒砂を用いた。
【0016】
凝集反応槽2の砂量と混合物濃度測定器12の指示値との関係を図4に示す。混合物濃度測定器12として超音波式濃度計を用いた。凝集反応槽2の砂量と超音波式濃度計12の指示値は比例関係にあることがわかる。このことから、凝集反応槽2の砂量の予測に混合物濃度測定器(超音波式濃度計)12が適応できることがわかる。
また、混合物濃度測定器12の指示値が5,000mg/L以下と14,000mg/L以上では処理水質の悪化が見られ、凝集反応槽2内の砂濃度で適正に管理すれば良好な処理水が得られることが予測された。
【0017】
次に、凝集反応槽2内の砂量と原水SS、処理水SS、SS除去率の実施例を図5に示す。凝集反応槽2内の砂量0〜60kgまでは原水SS176〜266mg/Lの範囲で処理水SS256〜426mg/L、SS除去率−93〜−45%であった。
凝集反応槽2内の砂量60〜200kgまでは原水SS141〜220mg/Lの範囲で処理水SS28〜33mg/L、SS除去率80〜85%であった。凝集反応槽2内の砂量200〜380kgで原水SS138〜213mg/Lの範囲で処理水SS39〜90mg/L、SS除去率53〜77%であった。この結果から原水SSによらず処理水SSは凝集反応槽の砂量で変化することがわかった。
【0018】
図1に示す本発明の凝集分離装置において、添加物供給手段10と混合物引抜手段11を手動操作で動かし、流入水量は一定とした。運転時間と混合物濃度測定器12の指示値およびSS除去率の関係を図6に示す。
混合物濃度測定器12の指示値6,000mg/Lで添加物供給手段10を作動させ、13,000mg/Lで混合物引抜手段11を作動させた。その結果、SS除去率80%以上で安定した処理水質が得られた。
なお、制御の指標とする指示値は、実施例1,2では、6,000mg/Lと13,000mg/Lで行ったが、要求される処理水質、装置の構造、流入水質、流入水量など加味されるので、現場によって違う値になることもある。
【0019】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2による凝集分離装置を概略的に示すフロー図であり、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図2において、13は混合物濃度測定器12から混合物濃度測定信号を入力する演算器である。この演算器13は、凝集反応槽2内の混合物の適正濃度値が予め設定されており、その設定濃度値に対して前記混合物濃度測定器12からの入力信号による混合物濃度測定値を比較演算し、その演算結果の制御信号を添加物供給手段10および/または混合物引抜手段11に出力するものである。
【0020】
すなわち、この実施の形態2では、前記実施の形態1の混合物濃度測定器12の系統に演算器13を加え、この演算器13からの出力信号で添加物供給手段10および/または混合物引抜手段11を自動制御する構成としたものである。
【0021】
次に動作について説明する。
混合物濃度測定器12が凝集反応槽2内の混合物濃度を測定し、その濃度測定を演算器13に出力することにより、演算器13は、これに予め設定された設定濃度値と混合物濃度測定器12からの入力信号による濃度測定値とを比較演算する。その演算の結果、濃度測定値が設定濃度値よりも大きい場合には、演算器13からの出力信号で混合物引抜手段11が稼動して凝集反応槽2内の混合物が引き抜かれる。その引き抜き中においても、混合物濃度測定器12によって凝集反応槽2内の混合物濃度が連続測定され、その濃度測定値が設定濃度値に達した時点で混合物引抜手段11が自動的に停止する。
【0022】
また、演算器13による演算結果の濃度測定値が設定濃度値よりも小さい場合には、演算器13から添加物供給手段10への出力信号で添加物供給手段10が稼動して凝集反応槽2内に添加物が供給される。その添加物供給中においても、混合物濃度測定器12によって凝集反応槽2内の混合物濃度が連続測定され、その濃度測定値が設定濃度値に達した時点で添加物供給手段10が自動的に停止する。
【0023】
以上説明した実施の形態2によれば、混合物濃度測定器12による凝集反応槽内混合物の濃度測定信号を演算器13が入力して設定濃度値と比較演算し、その演算の結果、濃度測定値と設定濃度値とに差があるとき、その差がなくなるように演算器13から出力信号で混合物引抜手段11または添加物供給手段10を選択的に稼動させるように構成したので、凝集反応槽2内の混合物濃度を自動制御して適正化することができ、常に安定した水質を得ることができる。
【0024】
実施例2.
次に、上記実施の形態2による凝集分離装置の自動運転を行った結果について説明する。なお、この実施例2では、演算器13および自動運転以外の実施条件は前記実施例1の場合と同様にした。
混合物濃度測定器12と混合物引抜手段11および/または添加物供給手段10を連動させて自動運転を行った際の運転時間と混合物濃度測定器12の指示値およびSS除去率の関係を図7に示す。なお、流入水量は一定とした。
混合物濃度測定器12の指示値6,000mg/Lで添加物供給手段10が作動し、13,000mg/Lで混合物引抜手段11を作動させた。その結果、混合物濃度測定器12と混合物引抜手段11および/または添加物供給手段10を連動させて自動運転しても、SS除去率は80%以上で安定した処理水質が得られた。
【0025】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3による凝集分離装置を概略的に示すフロー図であり、図1および図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図3において、14は原水導入管1の系統に組み付けた流量計(流入水量測定手段)であり、この流量計14は、流量測定値信号を演算器13に出力するようになっている。すなわち、この実施の形態3では、前記実施の形態2の構成に流量計14を加えることで、凝集反応槽2内への流入水量の変動に応じて凝集反応槽2内の混合物濃度を適正に自動制御するものである。なお、前記流量計14の設置箇所は、原水導入管1に限定されるものではなく、凝集反応槽2内への流入水量を測定できる箇所であれば、どこでも良い。
【0026】
以上説明した実施の形態3によれば、混合物濃度測定器12による濃度測定値信号と流量計14による流入水量測定値信号を演算器13が入力し、この演算器13によって、凝集反応槽2内の流入水量の変動に応じた適正な混合物濃度制御値を算出し、それに基づく演算器13からの制御信号によって添加物供給手段10または混合物引抜手段11を選択的に稼動させるように構成したので、凝集反応槽2内への流入水量が変動しても、その変動に応じて凝集反応槽2内の混合物濃度分布が一様となるように自動制御することができ、したがって、より安定した水質を得ることができる。
【0027】
実施例3.
次に、前記実施の形態3による凝集分離装置を自動運転した結果について説明する。なお、流量計14以外の実験条件は前記実施例1と同様にした。
流入水量を変動させたときの混合物濃度指示値と処理性能の関係を表1に示す。流入水量を減少させると混合物濃度指示値は増加し、流入水量を増加させると混合物濃度指示値は減少したが、SS除去率は80%以上の処理性能を得た。これは、流入水量を変動させた場合、流入水量を120m3/hで一定にした場合の良好な処理水質が得られる混合物濃度指示値と異なることを示している。
以上のことから、流入水量が変動する場合は流入水量によっても凝集反応槽の砂量を管理すると、より安定した水質を得ることができる。
【表1】
【0028】
そこで、混合物濃度指示値と流入水量を乗算した結果の演算値とSS除去率の関係を図8に示す。図8から明らかなように、演算値480〜1,100g/hの範囲でSS除去率は80%以上であった。したがって、その範囲で制御すれば、SS除去率を80%以上にできることがわかる。
【0029】
以上の結果をもとに、混合物濃度測定器12と混合物引抜手段11と添加物供給手段10および流量計14を連動させて自動運転を行った際の装置運転時間と混合物濃度測定器12の指示値およびSS除去率の関係を図9に示す。流入水量は40〜160m3/hまで任意に変化させた。また、演算値は500g/hで添加物供給手段10が作動し、演算値1,000g/hで混合物引抜手段11を作動させた。その結果、混合物濃度測定器12と混合物引抜手段11と添加物供給手段10および流量計14を連動させることにより、SS除去率80%以上で安定した処理水質が得られた。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、凝集反応槽に混合物濃度測定器と混合物引抜手段と添加物供給手段を設けるように構成したので、混合物濃度測定器による混合物濃度測定値に基づいて凝集反応槽の混合物濃度が常時適正に維持されるように混合物引抜手段または添加物供給手段を選択的に稼動させることができる。
したがって、従来装置では、雨天時など凝集反応槽内に流入水量が極端に多くなったときに沈砂池では取り除けない砂等が凝集反応槽内に溜まって固液分離槽に移流せず、凝集反応槽内には余剰な混合物が増えることで、凝集反応槽での凝集効果に影響を及ぼし、処理水質が悪化しても適正な対応処理ができない場合があるが、本発明では、凝集反応槽内の余剰な混合物を除去できて凝集効果を安定させることができる。その凝集効果の安定化によって、公共用水域の更なる水質保全、即ち濁質などの改善を安定して実現でき、高濁度の汚水が直接公共用水域に流されるのを防ぐことができる。
【0031】
また、本発明によれば、混合物濃度測定器による測定濃度に基づいて添加物供給手段および/または混合物引抜手段の適正制御値を算出するための演算器を設け、この演算器からの出力信号によって、凝集反応槽内への添加物供給量および/または混合物引抜量を自動制御するように構成したので、無人運転によって、凝集反応槽内の混合物濃度を適正に自動制御することができ、安定した処理水質を得ることができる。
【0032】
さらに本発明によれば、凝集反応槽への流入水量を測定する流入水量測定手段を設け、この流入水量測定手段からの流入水量測定信号を演算器に入力することにより、凝集反応槽内への流入水量に応じて凝集反応槽内への添加物供給量および/または混合物引抜量を自動制御することもできるので、凝集反応槽内への流入水量が大きく変動した場合であっても、その変動に応じて凝集反応槽内の混合物濃度を適正に自動制御することができ、より安定した処理水質を得ることができると共に、維持管理をさらに容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による凝集分離装置を概略的に示すフロー図である。
【図2】この発明の実施の形態2による凝集分離装置を概略的に示すフロー図である。
【図3】この発明の実施の形態3による凝集分離装置を概略的に示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態1による凝集反応槽の砂量と混合物濃度測定器指示値との関係を示す図である。
【図5】凝集反応槽の砂量と処理水質の関係を示す図である。
【図6】混合物濃度測定器指示値とSS除去率の経時変化を示す図である。
【図7】混合物濃度測定器指示値とSS除去率の経時変化を示す図である。
【図8】混合物濃度測定器指示値と流入水量の演算値とSS除去率との関係を示す図である。
【図9】流入水量と演算値およびSS除去率の経時変化を示す図である。
【図10】従来の凝集沈殿処理装置を概略的に示すフロー図である。
【符号の説明】
1 原水導入管
2 凝集反応槽
3 無機凝集剤供給手段
4 高分子凝集剤供給手段
5 固液分離槽
6a ポンプ(分離物引抜手段)
7 返送管
8 添加物回収器
10 添加物供給手段
11 混合物引抜手段
12 混合物濃度測定器
13 演算器
14 流量計
Claims (2)
- 懸濁物質等を凝集処理する凝集反応槽と、
この凝集反応槽からの流出水を固液分離する固液分離槽と、
添加物を回収し排出する添加物回収器と
からなる凝集分離装置において、
前記凝集反応槽の混合物濃度を測定する混合物濃度測定器と、
前記凝集反応槽から混合物を引き抜く添加物濃度調整用の混合物引抜手段と、
前記凝集反応槽に添加物を供給する添加物供給手段と
を備えたことを特徴とする凝集分離装置。 - 前記混合物濃度測定器に演算器を連結した
ことを特徴とする請求項1記載の凝集分離装置。
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