JP3963098B2 - ランプ点灯装置及びこれを用いたプロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプ点灯装置及びこれを用いたプロジェクタに関し、詳しくはメタルハライドランプなどを用いたランプ点灯装置と、このランプ点灯装置を用いたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ランプ点灯装置は、ランプの点灯時に高圧のランプ点灯電圧を発生させ、発生したランプ点灯電圧をランプの両電極に印加することにより、例えばランプ内に設けられたグロースィッチなどによりグロー放電を生じさせ、その後、発光管の中でアーク放電に移行させることによりランプを点灯する。
【0003】
具体的なランプ点灯装置は、図10に示すように、アクティブフィルタ等で作成され、通常300V〜400Vdc程度の直流電圧E1を生成するDC電源51と、この300V〜400Vdc程度の直流電圧E1をランプ62の通常点灯に必要な50V〜100Vdc程度の点灯電圧V1に変換するダウンコンバータ52と、後述する電力検出部59からの検出電力W1と基準電力W2とを比較して得られた制御信号C1をダウンコンバータ52に入力して点灯電圧V1を制御して一定電力に保つコントローラ53と、50V〜100Vdcの点灯電圧V1をランプ62の点灯を維持するのに必要な90〜200Hz程度の周波数を持つAC電流である通常電流I2にしてランプ62に供給するフルブリッジ54と、このフルブリッジ54を制御するコントローラ55と、ランプ62の点灯時に5〜20kv程度のパルス信号を出力するイグニッション出力用トランスT2を備えたイグナイタ56と、イグナイタ56から5〜20kv程度のパルス信号を生成させる電圧制御部60と、イグナイタ56に供給する通常電圧V2の電圧値を検出する電圧検出部57と、イグナイタ56に供給する通常電流I2の電流値を検出する電流検出部58と、電圧検出部57及び電流検出部58で検出した電圧及び電流から検出電力W1を検出する電力検出部58と、ランプ62に接続するコネクタ61とから構成されている。
【0004】
電圧制御部60は、ランプ62の点灯時に5〜20kv程度のパルス信号を生成するものであり、図11に示すように、300Vdcの直流電源DCを供給する直列回路を構成する抵抗R31及びコンデンサC31と、この抵抗R31及びコンデンサC31の接続点に接続されサイダック等の放電素子H31を介して接続されている昇圧トランスT31と、この昇圧トランスT31の二次側巻線N2に接続され、直列回路を構成するダイオードD31及び放電ギャップH32と、ダイオードD31及び放電ギャップH32の接続点に接続され、二次巻線N2と並列回路を構成するコンデンサC32とからなり、放電ギャップH32出力側が端子T5と接続し、並列回路を構成する二次側巻線N2及びコンデンサC32の出力側が端子T6に接続する。
【0005】
このような接続状態を有する電圧制御部60においては、先ず、直流電源の300Vdcの電圧が抵抗R31を通じてコンデンサC31を充電すると共に、サイダック等の放電素子H31から昇圧トランスT31に出力し、昇圧トランスT31の二次側のダイオードD31を通してコンデンサC32を充電する。そしてコンデンサC32の充電電圧が上昇し、所定の放電開始電圧になると放電ギャップH32が放電を開始し、イグナイタ54のイグニッション出力用トランスT2にその電圧が入力され、その二次側に接続されているランプ62に二次側で誘起された電圧が供給され、イグニッションされる。
【0006】
又、液晶プロジェクタなどに用いられるランプには、主にメタルハライドランプなどの高圧放電ランプが用いられるが、この種のランプは高圧水銀灯を改良したもので、水銀蒸気の放電アーク中に各種の金属蒸気を混在させることにより、その金属特有の光スペクトルを放出させるものである。
【0007】
このため、発光効率が高く、金属の組み合わせで、所望の発光特性を得ることができ、また色温度も高く、色も自然光に近く、点光源に近くリフレクタなどを用いて容易に平行光を取り出すことができる利点があるので、高画質と高輝度が要求される液晶プロジェクタに用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような高圧の放電ランプは、消灯直後はランプの温度が高く蒸気圧が高いので放電開始を即座に行うことができないので、時間がたってある程度冷え、蒸気圧が下がって初めて放電開始をすることとなる。
【0009】
このように暖かいランプは、点火が難しいので、必要に応じていつでも点灯できるようにするために、暖かいときに合わせて点灯開始の時から点灯するように高電圧をランプに印加する。
【0010】
そこで、従来はランプ点灯装置のイグナイタの電圧出力、つまりイグニッションパルス信号は、使用されるランプの点灯に充分な値の電圧を保証するため、高い電圧を出すように設計しているが、この結果として、イグニッションノイズが大きくなる欠点がある。
【0011】
また、必要以上のイグニッションパルス信号がランプに加えられるので、ランプの寿命を短くする欠点があり、さらにイグナイタ内のトランスと巻線に対して常に大きな電圧がかかるので、これ等の劣化も大きくなるという問題がある。
【0012】
更に、従来技術で説明したイグニッションを行う電圧制御部60(図11参照)においては、コンデンサC32の充電電圧が放電素子H32の放電開始電圧に達すると放電が開始されるため、放電素子H32の特性でランプへの放電電圧等が決まってしまうため、ランプに合わせて部品を設定する必要があるという問題がある。
【0013】
従って、イグナイタを備えたランプ点灯装置において、ランプ点灯に必要な電圧で適正に点灯が開始できるようなイグニッション電圧をイグナイタに供給することができる回路構成にすることに解決しなければならない課題を有する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するためのランプ点灯装置の構成として、一次巻線および二次巻線を有するトランスを備え、前記二次巻線に得られる高圧パルス電圧を印加してランプを点灯するイグナイタ、該イグナイタが印加する前記高圧パルス電圧を生成する電圧制御部、および点灯を維持するための交流電流を前記イグナイタを介してランプに供給するフルブリッジを有するランプ点灯装置であって、前記電圧制御部は、所定周期で繰り返す三角波電圧を発生する三角波発生回路と、抵抗とコンデンサを有し、ゼロから所定電圧まで充電する充電回路と、前記三角波発生回路からの三角波電圧と前記充電回路からの充電電圧とを比較して前記三角波電圧が前記充電電圧を超えたときに出力する比較器と、前記比較器からの出力電圧幅に反比例したピーク電流で前記トランスの一次巻線を励磁するとともにオフしたとき前記トランスの二次巻線に前記比較器からの出力電圧幅に反比例した電圧を誘起するスイッチング回路とを備えることである。
前記フルブリッジは、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに接続されることにより前記交流電流は、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに供給されるとともに、前記交流電流及び前記フルブリッジからの出力電圧から電力を検出する電力検出手段を備え、点灯維持時には、前記ランプに対して一定電力が供給されるよう電力制御がなされることである。
【0015】
以上のランプ点灯装置の構成により、特性の異なるランプであっても電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、特性に合った必要最低限の高圧パルス電圧でランプを点灯することができ、ランプへの負担が減り、ランプ寿命を延ばすことができ、さらにイグニッションノイズが低減できて周囲への悪影響の低減が可能となり、また誤動作の危険も低減できる。
【0016】
また、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、イグナイタの巻線には、最低限の電圧しかかからず、高電圧によるこれ等の劣化を防止することができる。
【0017】
さらに、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、放電開始電圧の異なるランプでも置き換えが可能となり、使い勝手を良くし、製造の工程を柔軟とさせ、さらにサービス面での向上も期待できる。
【0018】
その上、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、同じランプでも温度が低いときには低い点灯電圧、温度が高いときにはそれに応じた高い電圧で点灯することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0021】
又、本発明は、以上の課題を解決するためのプロジェクタの構成は、一次巻線および二次巻線を有するトランスを備え、前記二次巻線に得られる高圧パルス電圧を印加してランプを点灯するイグナイタ、該イグナイタが印加する前記高圧パルス電圧を生成する電圧制御部、および点灯を維持するための交流電流を前記イグナイタを介してランプに供給するフルブリッジを有するランプ点灯装置で生成される光源を液晶表示パネルに投光し、該液晶表示パネルの透過光を光学系を介して外部に投影するプロジェクタであって、前記電圧制御部は、所定周期で繰り返す三角波電圧を発生する三角波発生回路と、抵抗とコンデンサを有し、ゼロから所定電圧まで充電する充電回路と、前記三角波発生回路からの三角波電圧と前記充電回路からの充電電圧とを比較して前記三角波電圧が前記充電電圧を超えたときに出力する比較器と、前記比較器からの出力電圧幅に比例したピーク電流で前記トランスの一次巻線を励磁するとともにオフしたとき前記トランスの二次巻線に前記比較器からの出力電圧幅に応じた電圧を誘起するスイッチング回路とを備えることである。
前記高圧パルス電圧は、前記充電回路からの充電電圧に比例して出力電圧幅が広くなり、この出力電圧幅の広がりに比例してピーク値が増加することである。
前記フルブリッジは、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに接続されることにより前記交流電流は、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに供給されるとともに、前記交流電流及び前記フルブリッジからの出力電圧から電力を検出する電力検出手段を備え、点灯維持時には、前記ランプに対して一定電力が供給されるよう電力制御がなされることである。
【0022】
また、本発明は、以上の課題を解決するためのプロジェクタの構成は、上記のランプ点灯装置を有し、前記ランプの光源を反射型画像パネルに投光し、この反射型画像パネルの反射光を光学系を介して外部に投影するようにしたものである。
【0023】
更に、本発明は、以上のプロジェクタの構成により、ランプ点灯装置の電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、外部に対してイグニッションノイズを低減し、しかも温度に対応した形でランプを自動的に点灯することができ、この結果として環境に対する悪影響が少なく使い勝手の良いプロジェクタを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るランプ点灯装置およびこれを用いたプロジェクタについて図を用いて説明する。図1は本発明に係るランプ点灯装置10を用いてランプ11を点灯するための実施の形態を略示的に示した全体構成図である。
【0025】
本発明に係る第1の実施形態のランプ点灯装置10の構成は、図1に示すように、アクティブフィルタ等で作成され、通常300V〜400Vdc程度の直流電圧E1を生成する直流電源12と、この300V〜400Vdc程度の点灯電圧E1をランプ11の通常点灯に必要な50V〜100Vdc程度の点灯電圧V1に変換するダウンコンバータ13と、後述する電力検出部21からの検出電力W1と基準電力W2とを比較して得られた制御信号C1をダウンコンバータ13に入力して点灯電圧V1を制御して一定電力に保つコントローラ23と、50V〜100Vdcの点灯電圧V1をランプ11の点灯を維持するのに必要な90〜200Hz程度の周波数を持つAC電流である通常電流I2をランプ11に供給するフルブリッジ14と、このフルブリッジ14を制御するコントローラ15と、ランプ11の点灯時に5〜20kv程度のパルス信号を出力するイグニッション出力用トランスT2を備えたイグナイタ16と、イグナイタ16から5〜20kv程度のパルス信号を生成させる電圧制御部19と、イグナイタ16に供給する通常電圧V2の電圧値を検出する電圧検出部20と、イグナイタ16に供給する通常電流I2の電流値を検出する電流検出部22と、電圧検出部20及び電流検出部22で検出した電圧及び電流から検出電力W1を検出する電力検出部21と、ランプ11に接続するコネクタ17とから構成されている。
【0026】
直流電源12は、例えばアクティブフイルタなどを用いて作られた直流電圧E1を供給するが、通常は300V〜400Vdc程度の電圧である。この直流電圧E1はダウンコンバータ13により50KHz〜100KHz程度の周波数でスイッチングされてランプ11の通常点灯に必要な、例えば50V〜100Vdc程度の点灯電圧V1に電圧変換を行う。
【0027】
フルブリッジ14は、例えばFET(Field Effect Transistor)などで構成されたフルブリッジで構成されており、これ等のFETのゲートはコントローラ15により設定される基準周波数fsをベースとしてオンオフ制御される。
【0028】
これにより、フルブリッジ14は点灯電圧V1を通常点灯の際にランプ11の点灯を維持するに必要な90〜200Hz程度の周波数を持つ通常電圧V2に変換し、その通常電流I2をイグナイタ16と、端子LoとHiを持つコネクタ17を介してランプ11に供給する。
【0029】
イグナイタ16は、入力端T1、T2、出力端T3、T4、トランス端T5、T6などを有しており、そしてイグニッション出力用トランスT2の二次側巻線N2は入力端T1と出力端T3に接続されており、その一次側巻線N1はトランス端T5、T6に接続されている。
【0030】
この入力端T1と出力端T3に接続されたイグニッション出力用トランスT2は、ランプ11の点灯の際に、後に詳述するが、5〜20KVのバルスを出力巻線N2に出力してランプ11の点灯を制御する電圧制御部19に接続されている。
【0031】
また、電圧検出部20は通常電圧V2を検出して電力検出部21に出力し、また電流検出部22は、図示していないが、フルブリッジ14とイグナイタ16との間に図示しない例えば電流検出抵抗などを挿入して、この電流検出抵抗の両端に発生する電圧を換算して通常電流I2として検出して電力検出部21に出力する。
【0032】
電力検出部21は、電圧検出部20で検出した通常電圧V2と電流検出部22で検出した通常電流I2とを乗算して検出電力W1を算定して、この検出電力W1をコントローラ23に出力する。
【0033】
コントローラ23は、PWM(Pulse Width Modulation)などでコントロールするコントローラであり、電力検出部21からの検出電力W1が入力されると共に、通常点灯時にランプ11に一定の電力を供給するための基準となる基準電力W2が印加されている。
【0034】
そして、コントローラ23は、検出電力W1がこの基準電力W2に一致するようにダウンコンバータ13に制御信号C1を供給して点灯電圧V1の大きさをコントロールすることにより、全体として通常点灯時にランプ11に一定の電力が供給されるように制御している。
【0035】
ランプ11は、メタルハライドランプであり、図2に示すように、例えば、耐熱ガラスなどで構成された透光性の気密容器25の中に所定の電極間距離Lを持つように離間して配設された一対の電極26、27を有しており、電極26は陽極で、電極27は陰極である。
【0036】
これ等の電極26,27は、気密容器25の両端部に形成されたシール部28、29に封着された金属導体30、31に接続され、金属導体30はコネクタ17の端子Hiに、金属導体31は端子Loに接続されている。また、気密容器25のシール部28は半球状のリフレクタ32の中心部に固定されている。
【0037】
そして、気密容器25の中には、例えば水銀、希ガス、セシウム、希土類金属、およびハロゲンを含み、セシウムの封入量が所定範囲にある放電媒体が封入されている。
【0038】
次に、図1に示す電圧制御部19は、図3に示すように、直流電源Vccを供給する電源EB、スイッチSW、所定の発振周波数で矩形波の矩形波電圧V3を生成するマルチバイブレータ回路35、三角波電圧V4を生成するブートストラップ回路36、三角波電圧V4と比較電圧Vcを比較するコンパレータ回路37、コンパレータ回路37からのパルス信号電圧V5を反転させて反転電圧V6を生成する反転回路38、及び出力回路39から構成されている。
【0039】
マルチバイブレータ回路35は、一般的に使用されているマルチバイブレータ回路であり、その電源端T7、T8には電源EBからスイッチSWを介して電源電圧Vccが印加されており、内蔵されるコンデンサC0と抵抗R0で決定される発振周波数f(≒0.7・C0・R0)で矩形波の矩形波電圧V3を出力する。
【0040】
ブートストラップ回路36は、一般的に使用されているブートストラップ回路であり、内蔵されるコンデンサC1と抵抗R1により決定される時定数でマルチバイブレータ回路35から入力される矩形波電圧V3の矩形波信号を三角波信号に変換して三角波電圧V4として出力する。
【0041】
三角波信号である三角波電圧V4は、コンパレータ回路37を構成する演算増幅器Q1の非反転入力端(+)に入力され、その反転入力端(−)には電源電圧Vccを抵抗R2と抵抗R3及びコンデンサC2の合成抵抗で分圧された比較電圧Vcが印加され、三角波電圧V4が比較電圧Vcを超えたときに演算増幅器Q1の出力端に矩形波のパルス信号電圧V5が出力される。
【0042】
反転回路38は、トランジスタQ2などで構成され、このトランジスタQ2のベースに矩形波信号のパルス信号電圧V5が入力され、トランジスタQ2のコレクタからパルス信号電圧V5の極性が反転された矩形波信号の反転電圧V6を得る。
【0043】
出力回路39は、グランド側の電源端T7とトランス端T6との間に接続された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)Q3と、グランド側の電源端T7とイグナイタ16のトランス端T5との間に接続された300V〜400Vdcの直流電圧EPなどで構成されている。
【0044】
そして、絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3のゲートには反転回路38からの反転電圧V6が印加され、そのコレクタにはイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1を介して直流電圧EPの正極側が接続されている。
【0045】
次に、以上のように構成された本発明の要部をなす電圧制御部19の動作について、図3の回路図を参照して図4と図5に示す波形図を用いて説明する。
【0046】
先ず、電源のスイッチSWをオンすることにより、マルチバイブレータ回路35が動作して、図4(A)に示すように、その出力端に時間tの経過に伴って一定の周波数fを持つ矩形波信号の矩形波電圧V3が出力される。
【0047】
この矩形波信号の矩形波電圧V3は、ブートストラップ回路36に入力されて、ここで図4(B)に示すように、その出力端に矩形波の矩形波電圧V3が三角波に変換されて三角波の三角波電圧V4として出力される。
【0048】
この三角波の三角波電圧V4は、コンパレータ回路37に入力され、コンパレータ回路37で図4(C)に示す比較電圧VCが充電されて生成された比較電圧VC1、VC2と比較されて、その出力端に矩形波信号であるパルス信号電圧V5(図4(D)、図4(E))をそれぞれ出力する。
【0049】
コンデンサC1の両端の比較電圧VCは、図4(C)に示すように、三角波電圧V4に対して、例えば比較電圧VC2から比較電圧VC1へと増加していくので、三角波電圧V4が比較電圧VC2、VC1のどれと比較されるかによって、その出力であるパルス信号電圧V5のパルス幅が異なり、例えば、比較電圧VC1の場合は図4(D)に示すように狭く、比較電圧VC2の場合は図4(E)に示すように広くなる。
【0050】
ところで、この場合、スイッチSWをオンにすると、図3に示すコンパレータ回路37のコンデンサC2と抵抗R2への電源電圧Vccからの充電により、図5(A)に示すように、ゼロ電圧から最終的にVcc[(R3)/(R2+R3)]で決定される電圧VMまで時間tの経過と共に上昇する。
【0051】
このように、比較電圧Vcは時間tの経過に伴って上昇していくが、これに対応してパルス信号電圧V5のパルス幅は、図5(B)に示すように、時間tの経過に従って狭くなっていくのが解る。
【0052】
そして、このパルス信号電圧V5が反転回路38で反転されて、図5(C)に示すような反転電圧V6となって、出力回路39の絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3のゲートに入力される。
【0053】
出力回路39の絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3は、反転電圧V6のパルス幅に比例して、そのコレクタ電流IL( 図5(D) )のピーク電流値が決定され、そのオフによりイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1のインダクタンスL1に蓄積されたエネルギーにより絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3がアバランシェ降伏を起こし、イグニッション出力用トランスT2の巻数比(N2/N1)に対応する誘起電圧VL( 図5(E)、図1参照)が二次側巻線N2に発生する。
【0054】
オフの時に発生する電圧は、インダクタンスをL、コレクタ電流をIとすれば、一般的に、L(di/dt)で示され、そのエネルギ値は1/2(LI2)となり、いずれもインダクタンスLとコレクタ電流Iで制御することができる。
【0055】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3に印加される反転電圧V6のバルス幅が狭いと、絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3のコレクタ電流ILも少なくなり、インダクタンスL1に蓄積されたエネルギも小さくなり、オフ時の電流も減少し、結果としてランプ11に印加する誘起電圧VLも小さくなる。
【0056】
逆に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3に印加される反転電圧V6のバルス幅が広いと、絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3のコレクタ電流ILが大きくなり、インダクタンスL1に蓄積されたエネルギも大きくなり、オフ時の電流も増加し、結果としてランプ11に印加する誘起電圧VLが大きくなる。
【0057】
従って、ランプ11の電極26、27などの違いにより、ランプ11の点灯開始電圧は異なるが、誘起電圧VLが放電開始電圧にギリギリに達した時点で放電を開始させることができる。
【0058】
つまり、誘起電圧VLが徐々に上昇していくので、放電電圧の異なる特性の異なるランプ11を採用した場合でも、どこかの誘起電圧VLの電圧時点で放電を開始させることができることとなり、特性に対応して柔軟に点灯させることができる。
【0059】
一般的には、5KV〜20KV(直流)程度の範囲で各種のランプが放電を開始するので、図5(E)に示すように、例えば▲1▼では5KV(直流)、▲4▼では20KV(直流)として、▲2▼、▲3▼はこれ等の中間の値などとするのが良い。
【0060】
なお、 絶縁ゲートバイポーラトランジスタQ3に入力する反転電圧V6のパルス幅、および繰り返し間隔などは、自由に変更・選択することができ、またイグナイタ16のイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1と二次側巻線N2のインダクタンスの値おび巻線比なども各種ランプに応じて任意に選択することができることは勿論である。
【0061】
次に、本発明に係る第2の実施形態のランプ点灯装置について、図6及び図7を参照して説明する。
【0062】
本発明の第2の実施形態のランプ点灯装置10の全体構成は、上記第1の実施形態で説明した図1に示すものと同じであるので、その説明は省略し、電圧制御手段である電圧制御部19のみを以下説明する。
【0063】
電圧制御部19は、図6に示すように、イグナイタ16のイグニッション用出力トランスT2に充電電圧(Q点の電圧)を供給する充電回路に、抵抗(R13)を介在させて得られる分電圧が所定電圧になったときにイグニッション用出力トランスT2の一次側巻線N1に充電電圧を印加するように制御する制御回路を備え、この抵抗(R13)には所定の時間毎に並列回路を構成する抵抗(R19、R20、R21)を順次増加させ、この増加した抵抗毎に充電する時間を長くして充電電圧(Q点の電圧)を昇圧させるようにしたことである。
【0064】
このような電圧制御部19の構成は、図6に示すように、充電回路は300Vdcの直流電源DCを供給する直列回路の抵抗R11及びコンデンサC11と、この抵抗R11及びコンデンサC11の接続点に接続されサイダック等の放電素子H11を介して接続されている昇圧トランスT11と、この昇圧トランスT11の二次側巻線N2に接続され、直列回路を構成するダイオードD11及びコンデンサC12と、ダイオードD11とコンデンサC12の接続点をイグナイタ16の端子T5に接続した構成になっている。
【0065】
そして、このような接続状態を有する充電回路に加えて、イグニッション電圧を段階的に昇圧する制御回路が付け加えられている。この制御回路の接続状態は、直流電源Vccを供給する直列回路を構成する抵抗R15及びコンデンサC13と、この抵抗R15及びコンデンサC13の接続点に接続されコンデンサC13と並列回路を構成する抵抗R16と、抵抗R15及びコンデンサC13の接続点をベースに接続し、コレクタを抵抗R19に接続したスイッチング素子Q13と、直流電源Vccを供給する抵抗R15と直列回路を構成するコンデンサC14と、このコンデンサC14と並列回路を構成する抵抗R17と、抵抗R15及びコンデンサC14の接続点をベースに接続し、コレクタを抵抗R20に接続したスイッチング素子Q14と、直流電源Vccを供給する抵抗R15と直列回路を構成するコンデンサC15と、このコンデンサC15と並列回路を構成する抵抗R18と、抵抗R15及びコンデンサC15の接続点をベースに接続し、コレクタを抵抗R21に接続したスイッチング素子Q15と、充電回路の抵抗R12と直列に接続した抵抗R13と、抵抗R12及び抵抗R13の接続点に接続して直列回路を構成する放電素子H12及び抵抗R14と、放電素子H12及び抵抗R14の接続点にゲートを接続したサイリスタQ11と、サイリスタQ11のアノード側をイグナイタ16のイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1に接続する端子T6に接続した構成となっている。
【0066】
このような構成は、所謂、抵抗とコンデンサとにより昇圧した電圧が所定電圧になったときにオンするスイッチング素子を一組とした昇圧回路を直列に接続して、段階的にイグニッションするイグニッション出力用トランスT2への電圧を引き上げるようにしたものである。
【0067】
具体的に示せば、実施例においては上記抵抗R15、コンデンサC13、C14、C15の3つの昇圧回路が形成されている。
【0068】
抵抗R15からの充電電圧がスイッチング素子Q13、Q14、Q15の順にそのベースに供給され、その供給された電圧がベース駆動電圧に達すると、スイッチング素子Q13、Q14、Q15がオンし、抵抗R13と並列の抵抗R19、R20、R21にP点の電位が分圧されることになる。
【0069】
ここで、コンデンサC13、C14、C15の容量が、コンデンサC13<C14<C15であるとすると、スイッチング素子Q13、Q14、Q15がオンするタイミングは、スイッチング素子Q13、Q14、Q15の順にオンすることになる。
【0070】
結果として、充電回路のダイオードD11からのコンデンサC12の充電電圧の分電圧を決める抵抗R12及び抵抗R13の中点電圧(P点の電位)をスイッチング素子Q13、Q14、Q15の順にオンさせることにより段階的に低くさせることとなり、その結果サイリスタQ11のオンを遅らせることができる。サイリスタQ11のオンを遅らせることは、そのぶんコンデンサC12に充電する時間を長くすることにより更に昇圧し、イグニッション出力用トランスT2の1次側巻線N1に供給するオン電圧が上昇する。その結果、二次側巻線N2のイグニッション電圧を上昇させることになる。
【0071】
つまり、抵抗R15からの充電が進むことによって、イグニッション出力用トランスT2の出力電圧である、ランプ11のイグニッション電圧を序々に上昇させることが可能にある。尚、この抵抗R15による充電動作は、スイッチング素子Q12をオンさせることでリセットできる。
【0072】
このようにして、ランプ11に対するイグニッション電圧は、充電開始時は低い電圧からスタートし、時間が経つにつれて、抵抗R15からの充電動作が進むに従って、そのイグニッション電圧は序々に上昇する。ランプ11は点灯開始に必要なイグニッション電圧に達すると点灯するため、点灯開始電圧の低いランプは低いイグニッション電圧で点灯し、点灯開始電圧の高いランプはイグニッション電圧が高くなった時点で点灯できる。このことは、ランプ11の点灯開始電圧を考慮することなくイグニッション電圧を提供することができるのであり、各種特性の異なるランプにおいても、全く最適点灯条件で点灯開始することができるのである。
【0073】
上記説明した動作について、図6の回路図を参照して、図7に示すタイミングチャートに基づいて以下説明する。
【0074】
先ず、リセットスイッチがオンされスイッチング素子Q12がオンされた状態又は直流電源Vccが供給される条件になると、抵抗R15とコンデンサC13、抵抗R15とコンデンサC14、抵抗R15とコンデンサC15のそれぞれに充電が開始する。ここで、コンデンサC13、C14、C15は、C13<C14<C15の関係があり、且つスイッチング素子Q13、Q14、Q15は、これらコンデンサC13、C14、C15で充電された所定電圧でオンするようになっているため、図7に示すように、コンデンサC13、C14、C15が充電して所定電圧になるとスイッチング素子Q13、Q14、Q15の順にオンする。
【0075】
ここで、スイッチング素子Q13がオンされていないときのP点の電位は、抵抗R13を介した電位になっているため、Q点の電位は、この抵抗R13による分電圧を基準にして、ダイオードD11を通過した電圧がコンデンサC12に第1回目の充電▲1▼が開始される。
【0076】
この状態が続き、コンデンサC13の充電電圧がスイッチング素子Q13をオンさせる電圧に達するとスイッチング素子Q13がオンする。そうすると、P点の電位は抵抗R13とR19による並列回路を構成し、抵抗R19のぶんだけ基準となる電位が低下した位置からコンデンサC12への充電が継続して上昇する。この状態でP点の電圧が上昇し、放電素子H12が放電する電圧に達すると、放電が開始し、サイリスタQ11のゲートに電圧が印加され、サイリスタQ11がオンする。サイリスタQ11がオンすると、コンデンサC12で充電されているQ点の電圧V1がインジェクション出力用トランスT2の一次側巻線N1に印加され、二次側巻線N2に誘起電圧が発生してランプ11にインジェクション電圧として印加される。そして、コンデンサC12に充電された電圧は、サイリスタQ11がオンしたことによりデスチャージされ、放電素子H12の放電電圧が下がり放電が停止するとサイリスタQ11がオフになり、コンデンサC12が再びチャージ(充電)の第2回目の充電▲2▼を開始する。
【0077】
この第2回目の充電▲2▼において、コンデンサC12が充電開始するときのP点の電位は抵抗R13とR19の並列回路が構成されているから、抵抗R19のぶんだけ電位が低下した状態での充電となり、そのぶんサイリスタQ11をオンさせる時間T2が長くなる。
【0078】
このようにして第2回目の充電▲2▼が開始すると共に、抵抗R15とコンデンサC14による充電が進み、スイッチング素子Q14をオンする充電電圧に達すると、スイッチング素子Q14をオンする。そうすると、P点を中心にして、抵抗R13、R19、R20の並列回路が構成され、P点の電位は抵抗R20のぶんだけ低下する。従って、コンデンサC12の充電は、抵抗R20の電位が低下した分低下した状態で充電を継続することになる。この状態でコンデンサC12が充電をしてゆくと、P点の充電電圧が上昇し、スイッチング素子Q14がオンした抵抗R20により低下した分の時間を費やして、放電素子H12を放電する電圧に達する。
【0079】
そうすると、放電素子H12の放電が開始し、サイリスタQ11のゲートにオン電圧が印加され、サイリスタQ11がオンする。サイリスタQ11がオンすると、コンデンサC12で充電されているQ点における電圧V2がイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1に印加され、二次側巻線N2に誘起電圧が発生し、ランプ11に第1回目のイグニッション電圧よりも大きなイグニッション電圧を供給することができる。
【0080】
そして、コンデンサC12に充電された電圧は、サイリスタQ11がオンしたことによりデスチャージされ、放電素子H12の放電電圧が下がり放電が停止するとサイリスタQ11がオフになり、コンデンサC12が再びチャージ(充電)の第3回目の充電▲3▼を開始する。
【0081】
このようにして、コンデンサC12が第3回目の充電▲3▼を開始すると共に、抵抗R15とコンデンサC15による充電が進み、スイッチング素子Q15をオンする充電電圧に達すると、スイッチング素子Q15をオンする。そうすると、P点を中心にして、抵抗R13、R19、R20、R21の並列回路が構成され、P点の電位は抵抗R21のぶんだけ、最初の電位に比べると抵抗R19、R20、R21のぶんだけ低下する。従って、コンデンサC12の充電は、抵抗R21の電位が低下した分低下した状態で充電を継続することになる。この状態でコンデンサC12が充電をしてゆくと、P点の充電電圧が上昇し、スイッチング素子Q15がオンした抵抗R21により低下した分の時間T3を費やして、放電素子H12を放電する電圧に達する。
【0082】
すると、放電素子H12の放電が開始し、サイリスタQ11のゲートにオン電圧が印加され、サイリスタQ11がオンする。サイリスタQ11がオンすると、コンデンサC12で充電されているQ点における電圧V3がイグニッション出力用トランスT2の一次側巻線N1に印加され、二次側巻線N2に誘起電圧が発生し、ランプ11に第2回目のイグニッション電圧よりも大きなイグニッション電圧を供給することができる。
【0083】
そして、コンデンサC12に充電された電圧は、サイリスタQ11がオンしたことによりデスチャージされ、放電素子H12の放電電圧が下がり放電が停止するとサイリスタQ11がオフになり、コンデンサC12が再びチャージ(充電)を開始する。
【0084】
このようにして、コンデンサC12に充電する充電電圧を充電電位を低下させることにより、充電する時間を延ばして、イグニッション電圧を序々に段階的に高くすることができるのである。従って、放電電圧の異なる特性の異なったランプ11を採用した場合でも、どこかのイグニッション電圧で放電を開始させることができることになり、ランプ11の特性に対応して柔軟に点灯させることができるのである。
【0085】
次に、本発明に係る第3の実施形態のプロジェクタについて、図8を参照して説明する。
【0086】
本発明の第3の実施形態のプロジェクタは、上記第1及び第2の実施形態で説明したランプ点灯装置10を用いて、透過型のプロジェクタ40を構成する。
【0087】
この透過型のプロジェクタ40は、光源から放射される光を反射するリフレクタ32を有するランプ11と、ランプ点灯装置10と、リフレクタ32から照射される光で投影される例えばカラー液晶などの透孔性の液晶パネル41と、この液晶パネル41を駆動する液晶ドライバ42と、これ等を収容する筐体43とを備え、この筐体43は液晶パネル41に対向する部分に投光部44を形成し、この投光部44に光学系としてのレンズ45が配設され、ランプ点灯装置10と液晶ドライバ42には電源46から電源が供給される構成となっている。
【0088】
ランプ点灯装置10へ電源を供給することによって、ランプ11が点灯するとランプ11から出た光は、リフレクタ32により反射されて液晶パネル41を照射する。
【0089】
液晶パネル41には、各画素に対応して図示しないRGBのカラーフイルタを備えており、このカラーフイルタがカラー画像信号に応じて動作する液晶ドライバ42により制御される。
【0090】
液晶パネル41を透過した光は、このカラーフイルタによりRGBの何れかに着色され、この着色光がレンズ45で集光されてスクリーン47に投影され、これによりスクリーン47上には液晶パネル41で制御されたカラー画像が投影される。
【0091】
この場合でも、ランプ11を点灯する際には、ランプ点灯装置10により、ランプ11には徐々に増加する電圧VLを印加してランプ11の特性に応じてランプ11を点灯させるので、イグニッションノイズが少ないなどランプ点灯装置10の特徴を引き継いだ形のプロジェクタ40を提供することができる。
【0092】
次に、本発明に係る第4の実施形態のプロジェクタについて、図9を参照して説明する。
【0093】
本発明の第4の実施形態のプロジェクタは、上記第1及び第2の実施形態で説明したランプ点灯装置10を用いて、反射型のプロジェクタ40Aを構成する。
【0094】
この反射型のプロジェクタ40Aは、ランプ点灯装置10と、このランプ点灯装置10に制御され光源から放射される光を反射するリフレクタ32を有するランプ11と、ランプ11からの光線を反射型画像パネル49方向に集光させる第1のレンズ部48aと、第1のレンズ部48aで集光された光線を反射する反射型画像パネル49と、この反射型画像パネル49により反射された映像光線をスクリーン47上に投影する第2のレンズ部48bと、RGB信号、ビデオ信号等を入力して反射型画像パネル49を駆動させる駆動部50とから概略構成されている。
【0095】
反射型画像パネル49は、反射型液晶、或いはDLP(Digital Light Processing)方式のパネルで構成されている。
DLP方式のパネルは、所謂、DVD(Digital Micromirror Device)を使用したパネルのことで、DVDは微小可動ミラーを敷き詰めた半導体光スイッチで構成され、SRAM(Static RandomAccess Memory)の1セルごとの上に形成されたアルミ合金の16μm角微小ミラーがオン/オフ状態でプラス或いはマイナス10度の傾きを持ち、直下に配置されたメモリー素子による静電界作用により、支柱に取付けられたミラーが動作する構造になっている。このミラーが1チップ上に848×600以上集積されていて、最大のものは230万以上の集積度を持ち、各ミラーのスイッチングスピードは毎秒50万回以上であり、チップへの入射光はデジタルグレイスケールが得られる。即ち、光を完全なデジタル制御することになり、従来のようにデジタル信号をD/A変換器により輝度信号に変換するプロセスが不要になる。
【0096】
このような構成からなる反射型のプロジェクタ40Aは、ランプ11を点灯する際には、ランプ点灯装置10により、ランプ11には徐々に増加する電圧VLを印加してランプ11の特性に応じてランプ11を点灯させるので、イグニッションノイズが少ないなどランプ点灯装置10の特徴を引き継いだ形の反射型のプロジェクタ40Aを提供することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るランプ点灯装置の構成により、特性の異なるランプであっても電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、特性に合った必要最低限の高圧パルス電圧でランプを点灯することができ、このためランプへの負担が減り、ランプ寿命を延ばすことができ、さらにイグニッションノイズが低減できて周囲への悪影響の低減が可能となり、また誤動作の危険も低減できる効果がある。
【0098】
また、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、イグナイタの巻線には、最低限の電圧しかかからず、高電圧によるこれ等の劣化を防止することができる効果がある。
【0099】
さらに、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、放電開始電圧の異なるランプでも置き換えが可能となり、使い勝手が良くなり、そして製造工程が柔軟に組めるようになり、サービス面での向上も期待できる効果がある。
【0100】
その上、電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、同じランプでも温度が低いときには低い点灯電圧、温度が高いときにはそれに応じた高い電圧で点灯させることができる効果がある。
【0101】
さらに、本発明に係る透過型或いは反射型のプロジェクタの構成により、ランプ点灯装置の電圧制御部により低電圧から徐々に高くなる高圧パルス電圧を供給するようにしているので、外部に対してはイグニッションノイズを低減させ、しかも温度に対応した形でランプを自動的に点灯させることができ、この結果として環境に対する悪影響が少なく使い勝手の良いプロジェクタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のランプ点灯装置を略示的に示す構成図である。
【図2】図1に示すランプの構成を略示的に示す断面図である。
【図3】図1に示す電圧制御部の内部構成を略示的に示すブロック図である。
【図4】図3に示す電圧制御部の動作を説明する第1の波形図である。
【図5】図3に示す電圧制御部の動作を説明する第2の波形図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態のランプ点灯装置を構成する電圧制御部を略示的に示す構成図である。
【図7】図6に示す電圧制御部の動作を説明する波形図である。
【図8】本発明に係る第3の実施形態のプロジェクタの構成を略示的に示した概念図である。
【図9】本発明に係る第4の実施形態のプロジェクタの構成を略示的に示した概念図である。
【図10】従来技術におけるランプ点灯装置のブロック図である。
【図11】図10における電圧制御部の構成を略示的に示した構成図である。
【符号の説明】
10;ランプ点灯装置、11;ランプ、12;直流電源、13;ダウンコンバータ、 14;フルブリッジ、15;コントローラ、16;イグナイタ、17;コネクタ、 18;トランス、19;電圧制御部、20;電圧検出部、21;電力検出部、22;電流検出部、23;コントローラ、25;気密容器、26〜27;電極、28〜29;シール部、30〜31;金属導体、32;リフレクタ、35;マルチバイブレータ、36;ブートストラップ回路、37;コンパレータ回路、38;反転回路、39;出力回路、40;プロジェクタ、40A;プロジェクタ、41;液晶パネル、42;液晶ドライバ、43;筐体、44;投光部、45;レンズ、46;電源、47;スクリーン、48a;第1のレンズ部、48b;第2のレンズ部、49;反射型画像パネル、50;駆動部。
Claims (4)
- 一次巻線および二次巻線を有するトランスを備え、前記二次巻線に得られる高圧パルス電圧を印加してランプを点灯するイグナイタ、該イグナイタが印加する前記高圧パルス電圧を生成する電圧制御部、および点灯を維持するための交流電流を前記イグナイタを介してランプに供給するフルブリッジを有するランプ点灯装置であって、
前記電圧制御部は、所定周期で繰り返す三角波電圧を発生する三角波発生回路と、
抵抗とコンデンサを有し、ゼロから所定電圧まで充電する充電回路と、
前記三角波発生回路からの三角波電圧と前記充電回路からの充電電圧とを比較して前記三角波電圧が前記充電電圧を超えたときに出力する比較器と、
前記比較器からの出力電圧幅に反比例したピーク電流で前記トランスの一次巻線を励磁するとともにオフしたとき前記トランスの二次巻線に前記比較器からの出力電圧幅に反比例した電圧を誘起するスイッチング回路と
を備えることを特徴とするランプ点灯装置。 - 前記フルブリッジは、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに接続されることにより前記交流電流は、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに供給されるとともに、前記交流電流及び前記フルブリッジからの出力電圧から電力を検出する電力検出手段を備え、
点灯維持時には、前記ランプに対して一定電力が供給されるよう電力制御がなされることを特徴とする請求項1に記載のランプ点灯装置。 - 一次巻線および二次巻線を有するトランスを備え、前記二次巻線に得られる高圧パルス電圧を印加してランプを点灯するイグナイタ、該イグナイタが印加する前記高圧パルス電圧を生成する電圧制御部、および点灯を維持するための交流電流を前記イグナイタを介してランプに供給するフルブリッジを有するランプ点灯装置で生成される光源を液晶表示パネルに投光し、該液晶表示パネルの透過光を光学系を介して外部に投影するプロジェクタであって、
前記電圧制御部は、所定周期で繰り返す三角波電圧を発生する三角波発生回路と、
抵抗とコンデンサを有し、ゼロから所定電圧まで充電する充電回路と、
前記三角波発生回路からの三角波電圧と前記充電回路からの充電電圧とを比較して前記三角波電圧が前記充電電圧を超えたときに出力する比較器と、
前記比較器からの出力電圧幅に反比例したピーク電流で前記トランスの一次巻線を励磁するとともにオフしたとき前記トランスの二次巻線に前記比較器からの出力電圧幅に反比例した電圧を誘起するスイッチング回路と
を備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記フルブリッジは、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに接続されることにより前記交流電流は、前記トランスの二次巻線を介して前記ランプに供給されるとともに、前記交流電流及び前記フルブリッジからの出力電圧から電力を検出する電力検出手段を備え、
点灯維持時には、前記ランプに対して一定電力が供給されるよう電力制御がなされることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
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