JP3959960B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの騒音を低減するように燃料噴射制御を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン騒音を低減する燃料噴射制御方式として、例えば、実開平7−44552号公報に示されるものがある。このものは、燃料噴射を、メイン噴射とそれに先立って少量の燃料を噴射するパイロット噴射に分割して噴射する分割噴射と、メイン噴射だけによる通常噴射のいずれかの燃料噴射方式で運転しているときに、他方の噴射方式での運転を試行して両者のエンジン振動を検出し、該エンジン振動の小さい方の燃料噴射方式を選択することにより、エンジン騒音の低減を図っている。
【0003】
ところで、エンジンの騒音は、大別すると、燃焼に起因する燃焼騒音と機械部品の運動に起因する機械騒音とがあり、特にディーゼルエンジンにおいては、前記機械騒音のうちの大きな割合を燃料噴射に起因するインジェクタ騒音等の燃料噴射系騒音が占める。これらの要因のうち、いずれか一方、例えば、エンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が機械騒音に比べて大きい場合は、エンジン振動と燃焼騒音がほぼ対応するので上記従来方式のように、エンジン上の一点の振動でも騒音の大小を判断することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃焼が改善されてエンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が相対的に小さくなり、それに伴って機械騒音の寄与が大きくなると、例えば、前記パイロット噴射を行うことにより燃焼騒音が小さくなっても、噴射回数が増えるために機械騒音(燃料噴射系騒音)が悪化し、結果としてエンジン騒音が悪化する場合がある。
【0005】
このように、燃焼騒音と機械騒音との2つの要因を考慮しなければならない場合には、計測する場所によってこの2つ寄与が異なるため、1点のエンジン振動を検出するだけでは、エンジン騒音と対応せず、その大小を正確に判断することはできず、該判断に基づく燃料噴射方式の切り換えが適正に行われずに、騒音を十分に低減できないことがあった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、正確に把握したエンジン騒音に基づいて燃料噴射制御を行うことにより、エンジン騒音を十分に低減することができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
燃料噴射系によって燃料噴射し、かつ、前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能なエンジンにおいて、エンジン運転状態ごとに、各燃料噴射形態におけるエンジンの燃焼に起因する燃焼騒音と燃料噴射に起因する燃料噴射系騒音とを別個に求め、該求めた燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小を比較し、和が小さい方の燃料噴射形態を選択するように、燃料噴射を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によると、
燃焼騒音だけでなく、エンジン騒音を決めるうえで重要な燃料噴射系騒音も考慮することにより、正確にエンジン騒音に基づいた燃料噴射制御が行え、以って騒音低減効果を高めることができる。
【0009】
また、燃焼騒音と燃料噴射系騒音の和でエンジン騒音の大小を判断するので、各燃料噴射形態での運転におけるエンジン騒音の大小を正確に判断して、燃料噴射形態を選択することができる。
また、請求項2に係る発明は、
前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小の比較を、騒音データを記述したマップに基づいて行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明によると、
各燃料噴射形態での運転における燃焼騒音とインジェクタ騒音との大小の比較を予め測定された騒音データを既述したマップを用いて行うことにより、運転の切り換えを行うことなくエンジン騒音の比較ができるので、運転切り換え時の運転性悪化を無くすことができると共に、騒音検出用のセンサを必要とせずコストを低減できる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和、もしくはそれらを含むエンジン全体騒音を記述したものが、燃料噴射形態ごとに設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
燃料噴射形態ごとに設けられたマップから検索した騒音データを比較しつつ容易かつ正確に騒音の大小を判別できる。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音もしくはそれを含む機械騒音それぞれに関して、燃料噴射形態を切り換えたときの騒音の差を記述したものが設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、
燃料噴射形態による騒音の差のデータをマップに記述することにより、マップ数を減少(請求項3の場合の半減)することができ、メモリを有効に利用できる。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音とに基づいて運転状態ごとに選択すべき燃料噴射形態を示すデータが記述されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、
運転状態ごとに、燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小で決定される選択すべき燃料噴射形態のデータが直接マップに記述されるため、最小限のマップデータで最も簡易に、騒音を低減できる燃料噴射形態を選択することができる。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、
少なくともエンジン回転速度を含み、その他、アクセル開度、もしくは出力トルク要求値、もしくは1行程での総燃料噴射量を含む運転条件で検出される運転ごとに前記比較を行って燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
請求項6に係る発明によると、
エンジン回転速度と、他にアクセル開度、もしくは出力トルク要求値、もしくは1行程での総燃料噴射量をパラメータとして持つことにより、主として定常運転時の騒音を有効に低減することができる。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくとも燃料噴射圧力を含むことを特徴とする。
請求項7に係る発明によると、
燃料噴射系騒音を決定する上で重要な燃料噴射圧力をパラメータとして持つことにより、過渡運転時も含めてより正確に燃料噴射系騒音を求めることができる。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくとも吸気圧力を含むことを特徴とする。
請求項8に係る発明によると、
燃焼騒音を決定する上で重要な吸気圧力をパラメータとして持つことにより、過渡運転時も含めてより正確に燃焼騒音を求めることができる。
【0017】
また、請求項9に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくともEGR率を含むことを特徴とする。
請求項9に係る発明によると、
EGRを行うエンジンでの燃焼騒音を決定する上で重要なEGR率をパラメータとして持つことにより、EGRを行うエンジンで過渡運転時も含めてより正確に燃焼騒音を求めることができる。
【0018】
また、請求項10に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくともエンジン水温もしくはエンジン油温を含むことを特徴とする。
請求項10に係る発明によると、
エンジン水温もしくはエンジン油温をパラメータとして持つことにより、冷間時から温間時まで正確に騒音を求めることができる。
【0019】
また、請求項11に係る発明は、
エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする。
請求項11に係る発明によると、
1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行ういわゆるパイロット噴射を行う場合は、単一回の噴射を行う通常噴射時に比較して、燃焼騒音を低減できる一方、噴射回数増大によって燃料噴射系騒音が増大する。
【0020】
したがって、これら燃料噴射形態の切り換えによって燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和で決まるエンジン騒音の大小が切り換わることがあり、本発明による燃料噴射制御の切換が騒音低減に有効に機能する。
また、請求項12に係る発明は、
前記単一回の噴射を行う場合は、低温予混合燃焼方式を用いることを特徴とする。
【0021】
請求項12に係る発明によると、
単一回の噴射時(通常噴射時)に、低温予混合燃焼を行うことにより、燃焼騒音を小さくすることができる。
また、請求項13に係る発明は、
前記複数回の噴射を行う場合の方が、単一回の噴射を行う場合より騒音が大きいときは、単一回の噴射への切り換えを選択することに代えて、燃料噴射圧力を低下させることを特徴とする。
【0022】
請求項13に係る発明によると、
複数回噴射の騒音が大きいときに、燃料噴射圧力を低くすることにより、複数回噴射を行うことにより燃焼騒音を低減しながら、燃料噴射系騒音も低減することができる。
また、請求項14に係る発明は、
エンジン運転中に、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和を検出し、該検出値に基づいて燃料噴射を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項14に係る発明によると、
実際の騒音を検出しつつ燃料噴射制御を切り換えることにより、機種ばらつきや騒音特性の経時変化にも対応することができる。
また、請求項15に係る発明は、
前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能であり、所定の運転状態のときに、短時間異なる燃料噴射形態に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
【0024】
請求項15に係る発明によると、
燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和でエンジン騒音の大小を判断するので、異なる燃料噴射形態におけるエンジン騒音の大小を正確に判断することができる。
また、請求項16に係る発明は、
前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った後、所定時間は前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を禁止し、その間は、前記所定の運転状態での燃料噴射形態は、直前の所定運転状態での燃料噴射形態と同じ燃料噴射形態とすることを特徴とする。
【0025】
請求項16に係る発明によると、
運転切り換えを一定時間停止することにより、頻繁な運転切り換えによる運転性の悪化を防止することができる。
また、請求項17に係る発明は、
エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする。
【0026】
請求項17に係る発明によると、
単一開噴射(通常噴射)と複数回噴射での騒音の大小を比較するので、この両噴射形態の内より騒音の低い方を選択して、低騒音化ができる。
また、請求項18に係る発明は、
前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った結果、単一回の噴射を行う場合の方が騒音が小さかったときは、燃料噴射圧力を所定値低下させて再度燃料噴射形態を複数回燃料噴射に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
【0027】
請求項18に係る発明によると、
複数回噴射の方が騒音が大きかったときに、燃料噴射圧力を低下させて再度複数回噴射を行うことにより、さらに低騒音化が可能となる。
また、請求項19に係る発明は、
前記燃焼騒音を、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする。
【0028】
請求項19に係る発明によると、
筒内圧センサの検出値に基づいて、燃焼騒音を燃料噴射系騒音と区別して高精度に検出することができる。
また、請求項20に係る発明は、
前記燃料噴射系騒音を、燃料噴射系近傍に装着した加速度センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする。
【0029】
請求項20に係る発明によると、
燃料噴射系近傍に装着した加速度センサの検出値に基づいて、燃料噴射系騒音を、燃焼騒音と区別して高精度に検出することができる。
また、請求項21に係る発明は、
前記燃料噴射形態の切り換えを行う前記所定の運転状態が、アイドル運転状態であることを特徴とする
請求項21に係る発明によると、
複数回噴射での騒音悪化が起こりやすいアイドル運転で運転切り換えによる騒音比較を行うことにより、アイドル騒音を低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明をディーゼルエンジンの燃料噴射装置に適用した第1実施形態を示す。これは、燃料をサプライポンプ1で加圧してコモンレール2に供給することにより、コモンレール2内を高圧にし、それに接続される電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)3から燃料をエンジンの燃焼室内に直接噴射する直噴型ディーゼルエンジンの燃料噴射装置である。コモンレール2は、インジェクタ3に供給する高圧燃料を保持(蓄圧)する。
【0031】
エンジンコントロールユニット(ECU)4は、エンジン回転速度、アクセル開度等の検出信号を入力して、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、燃料噴射量等を制御し、1行程に複数回に分けて燃料を噴射することが可能であり、メイン噴射に先立って、少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを小さくし、燃焼騒音を小さくすることができる
図2に拡大して示すインジェクタ3は、前記ECU4からの信号によって、その内部の電磁弁5を開閉することにより、燃料の圧力バランスが変化して針弁6が上下して、燃料を噴射供給する。このとき、針弁6が閉じるときの衝撃等により、インジェクタ騒音(燃料噴射系騒音)が発生する。通常噴射では1行程に1回の噴射であるのに対し、パイロット噴射を行うと、1行程に2回噴射することになるので、その分インジェクタ騒音が悪化する。
【0032】
したがって、パイロット噴射を行ったときには、図3に示すように燃焼騒音は低減されるものの、インジェクタ騒音が悪化し、燃焼騒音の寄与が小さい場合などは結果的にエンジン騒音が悪化する場合がある。
そこで、あらかじめエンジン回転速度とアクセル開度に対して、通常噴射(単一回噴射)時とパイロット噴射(複数回噴射)時のエンジン騒音を測定しておき、それらの騒音の大小を記述したマップを作成する。つまり、通常噴射時の方がパイロット噴射時の騒音より大きければ「1」を、そうでなければ「0」を与えるようなマップを作成し、それをECU4のメモリに記憶しておく。そしてエンジンの運転時には、エンジン回転速度とアクセル開度を読み込み、そのエンジン回転速度とアクセル開度での前述のマップ値をマップから読み取り、その値が「1」であればパイロット噴射を行い、「0」であれば通常噴射を行う。
【0033】
図4は、前記マップの例を示し、低回転低負荷領域で「0」とし、それ以外の領域では、「1」に設定されている。すなわち、低回転低負荷領域では、元々燃焼騒音が小さいためパイロット噴射を行っても燃焼騒音低減効果が小さく、相対的にインジェクタ騒音の方が大きくなるため通常噴射とし、それ以外の領域では、パイロット噴射による燃焼騒音低減効果が大きくなるためパイロット噴射を行うようにしている。
【0034】
以下、前記マップを用いた第1実施形態の燃料噴射制御を、図5に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS1では、エンジン回転速度、アクセル開度等の運転条件を読み込む。
ステップS2では、前記運転条件における前記騒音大小マップの値SP1を読み込む。
【0035】
ステップS3ではそのSP1が1であるかどうかを判定し、1であればステップS4に進みパイロット噴射を行い、1でなければステップS5に進んで通常噴射を行う。
ここで通常噴射時には、低温予混合燃焼を行うことにより、通常噴射時の燃焼騒音悪化を最小限に抑えることができる。
【0036】
以上のように構成された第1実施形態では、エンジン回転速度とアクセル開度(エンジン負荷)のみを運転条件パラメータとする1つのマップを用いるだけで、容易に燃料噴射形態を切り換え制御して、エンジン騒音を低減することができる。特にエンジン回転速度とアクセル開度でほぼ運転状態が決まる定常運転時には、効果的な低騒音化が可能となる。
【0037】
次に、第2実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態に対してマップの持ち方を変えたものである。
ECU内にはインジェクタ騒音、燃焼騒音それぞれについての、通常噴射時とパイロット噴射時の騒音マップを持っている。インジェクタ騒音マップは、インジェクタ騒音に対して寄与率の高い主要なパラメータであるエンジン回転速度、燃料噴射量、燃料噴射圧力に関して騒音レベルが記述されている。具体的には、図6(A),(B)に示すように、通常噴射時とパイロット噴射時について、エンジン回転速度と燃料噴射圧力とをパラメータとした騒音レベルのデータA1(通常噴射時)、A2(パイロット噴射時)を記述した第1のマップと、該第1のマップから検索されるデータA1、A2と燃料噴射量とをパラメータとした、つまりデータA1、A2を燃料噴射量に関して補正して得られる最終的なインジェクタ騒音のデータを記述した第2のマップとが設けられる。
【0038】
一方、燃焼騒音マップは、燃焼騒音に対して寄与率の高い主要なパラメータであるエンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力に関してそれぞれ騒音レベルが記述されている。具体的には、通常噴射時とパイロット噴射時について、図7(A),(B)に示すように、通常噴射時とパイロット噴射時について、エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとした騒音レベルのデータA3(通常噴射時)、A4(パイロット噴射時)を記述した第1のマップと、該データA3、A4と吸気圧力とをパラメータとしてデータB3(通常噴射時)、B4(パイロット噴射時)を記述した第2のマップと、該データB3,B4とEGR率とをパラメータとしてデータC3(通常噴射時)、C4(パイロット噴射時)を記述した第3のマップと、該データC3,C4と燃料噴射圧力とをパラメータとして最終的なインジェクタ騒音のデータを記述した第4のマップとが設けられる。
【0039】
ここで、エンジン回転速度、吸気圧力、燃料噴射圧力はセンサにより検出され、EGR率は排気中の酸素濃度、吸入空気量等より算出される。
それぞれのマップに記述された騒音レベルはあらかじめ測定されたデータであり、その測定は以下のように行った。
まず、普通に燃焼させてエンジン騒音を測定する。これが燃焼騒音、機械騒音を合わせたエンジン全体騒音となる。次にインジェクタを作動させずに、エンジンをモータリングさせて騒音を測定する。これがインジェクタ騒音を除いた機械騒音となる。最後にエンジンからピストン、コンロッドを抜き、エンジンをモータリングして、燃料は噴射するものの燃焼は行わない状態として騒音を測定し、その値から同じエンジン状態でインジェクタを作動させなかったときの騒音を引く。これがインジェクタ騒音となる。燃焼騒音は、全体騒音からインジェクタ騒音、インジェクタ騒音以外の機械騒音を引いたものとなる。
【0040】
このようにして求めたインジェクタ騒音、燃焼騒音のマップから、エンジンの運転状態における通常噴射時、パイロット噴射時のインジェクタ騒音、燃焼騒音を求め、そこから通常噴射時、パイロット噴射時それぞれについてインジェクタ騒音と燃焼騒音の和を求めることにより、その大小を比較する。そして通常噴射時の方が大きければパイロット噴射を行い、パイロット噴射時の方が大きければ通常噴射を行う。
【0041】
以下、前記各マップを用いた第2実施形態の燃料噴射制御を、図8に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS11では、エンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力等の運転条件を読み込む。
ステップS12では、前記エンジン回転速度、燃料噴射圧力、燃料噴射量に基づいて、前記インジェクタ騒音用の各マップから順次検索して、通常噴射時のインジェクタ騒音SPI1を読み込む。
【0042】
ステップS13では、同じくエンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力に基づいて、前記燃焼騒音用の各マップから順次検索して、通常噴射時の燃焼騒音SPC1を読み込む。
以下同様のマップ検索により、ステップS14ではパイロット噴射時のインジェクタ騒音SPI2を読み込み、ステップS15ではパイロット噴射時の燃焼騒音SPC2を読み込む。
【0043】
ステップS16では、通常噴射時のインジェクタ騒音SPI1と燃焼騒音SPC1との和(SPI1+SPC1)が、パイロット噴射時のインジェクタ騒音SPI2と燃焼騒音SPC2との和(SPI2+SPC2)以上かどうかを判定する。
そして、上記判定がYESのときは、ステップS17に進んでパイロット噴射を行い、NOのときはステップS18に進んで通常噴射を行う。
【0044】
このようにすることにより、より正確にインジェクタ騒音と燃焼騒音を求めることができ、過渡運転時に関してもより正確な騒音低減制御ができる。
次に、第3実施形態を示す。本実施形態は、第2実施形態に対してマップの数値の持ち方を変えたものである。
すなわち、本実施形態では、インジェクタ騒音、燃焼騒音それぞれについてパイロット噴射時、通常噴射時の、両方の騒音値のマップを持つのではなく、図9(A),(B)に示すように、インジェクタ騒音はパイロット噴射時から通常噴射時の騒音を引いた差を、燃焼騒音は通常噴射時からパイロット噴射時の騒音を引いた差をマップに持っている。そしてエンジン運転時に、検出された各パラメータから前述の2つのマップにより得られた値を比較し、前者の方が大きければパイロット噴射時の方が騒音が大きいので通常噴射を、後者の方が大きければ通常噴射時の方が騒音が大きいのでパイロット噴射を行う。
【0045】
以下、前記各マップを用いた第3実施形態の燃料噴射制御を、図10に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS21では、エンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力等の運転条件を読み込む。
ステップS22では、インジェクタ騒音用のマップから、その運転条件におけるパイロット噴射時と通常噴射時のインジェクタ騒音の差△SP1を読み込む。
【0046】
ステップS23では、燃焼騒音用のマップから、その運転条件における通常噴射時とパイロット噴射時の燃焼騒音の差△SPCを読み込む。
ステップS24では△SPIが△SPCより小さいかどうかを判定し、小さい場合は、ステップS25に進んでパイロット噴射を行い、そうでなければステップS36に進んで通常噴射を行う。
【0047】
このようにすれば、第2実施形態と同様の制御を、第2実施形態に比較して半分のマップ数で実行することができ、ECU4のメモリを有効に利用することができる。
次に、第4実施形態を示す。これは、第3実施形態に対して、図11、図12に示すようにエンジン水温を検出し、始動直後等の低水温時と暖機後の高水温時用のマップを別個に設け、低水温時と高水温時とでマップを切り換えるようにしたものである。図13は、該第4実施形態の燃料噴射制御のフローチャートを示し、第3実施形態の図10に対し、ステップS32でエンジン水温TWが所定値TW0より大きいか否かを判定し、所定値TW0より大きいときはステップS33,S34で高水温時マップを用いてインジェクタ騒音変化ΔSPI、燃焼騒音変化ΔSPCを検索し、所定値TW0以下のときはステップS35,S36で低水温時マップを用いてインジェクタ騒音変化ΔSPI、燃焼騒音変化ΔSPCを検索する点で相違する。
【0048】
このようにすることにより、始動直後の低水温時からエンジン騒音を低減することが可能となる。
次に、第5実施形態を示す。これは第3実施形態に対して、図14のフローチャート(ステップS46,S47)に示すように、パイロット噴射時の方が騒音が大きかった時に、通常噴射を行うのではなく、パイロット噴射を行いながら燃料噴射圧力を低下させるようにしたものである。通常インジェクタ騒音は、燃料噴射圧力を低くするほど低減されるので、そのようにしてインジェクタ騒音を低減することにより、エンジン騒音を低減することができる。
【0049】
以上の実施形態では、予め騒音を測定し、測定結果に応じて記述されたマップを用いて燃料噴射形態や燃料噴射圧力などを切り換えるように燃料噴射制御するものを示した。
次に、エンジン運転中に騒音を検出しつつ燃料噴射を切り換え制御する実施形態について説明する。
【0050】
以下の実施形態で、燃料噴射装置およびインジェクタについては、図1、図2に示したものと同様であり、説明を省略する。図15は、以下の実施形態におけるコモンレール式のディーゼルエンジンを示し、エンジン11の気筒ごとに設けられたインジェクタ3の本体に加速度センサ12を装着し、該加速度センサ12で振動を測定し、該振動の測定値に、あらかじめECU4に記憶してある振動から騒音への伝達特性を乗じることによってインジェクタ騒音を求める。また、燃焼室13内の圧力(筒内圧)を検出する筒内圧センサ14を装着し、該検出された筒内圧に、あらかじめECU4に記憶してある圧力から騒音への伝達特性を乗じることによって燃焼騒音を求める。
【0051】
また、上記騒音の検出と、それに基づく燃料噴射制御の切り換えは、アイドル運転時のみ行う。すなわち、第1実施形態の図4でも示したように、パイロット噴射によるインジェクタ騒音の増大が、燃焼騒音の低減より大きくなりうるのは、低回転低負荷運転時で、走行中はエンジン騒音以外の走行音も加わるため、実質的にはアイドル運転時に限って十分である。
【0052】
以下、騒音検出を行う第6実施形態の燃料噴射制御を、図16に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS51では、エンジンの運転条件を読み込む。
ステップS52では、エンジンがアイドル運転に入ったか否かを判定する。
ステップS52でアイドル運転に入ったと判定されたときは、ステップS53に進んで、前回の運転(燃料噴射形態)切り換えによる騒音評価からの経過時間Tを所定時間T0と比較し、所定時間T0より小さいと判定されたときは、ステップS63に進んで直前のアイドル運転時の燃料噴射形態と同様の燃料噴射を行い、経過時間Tが所定時間T0より大きいと判定されたときは、ステップS54に進んでT=0にリセットした後、ステップS55で通常噴射を行う。
【0053】
そして、ステップS56では、前記加速度センサ12からの信号に基づいてインジェクタ騒音SPI1を測定し、ステップS57では、前記筒内圧センサ13からの信号に基づいて燃焼騒音SPC1を測定する。
その後ステップS58でパイロット噴射に切り換え、ステップS59で再度インジェクタ騒音SPI2、ステップS60で燃焼騒音SPC2を測定する。
【0054】
そして、ステップS61で通常噴射時の騒音の和SPI1+SPC1とパイロット噴射時の騒音の和SPI2+SPC2を比較し、SPI1+SPC1>SPI2+SPC2であればパイロット噴射の方が騒音が小さいのでそのままパイロット噴射を継続し、そうでなければステップS62に進んで通常噴射に切り換える。
【0055】
このように、通常噴射とパイロット噴射で、測定された騒音の小さい方を選択することにより、騒音を低減することができ、また所定時間T0の間は運転切り換えによる騒音比較を禁止するので、頻繁な運転切り換えによる運転性悪化を防止することができる。
次に、騒音検出を行う第7実施形態の燃料噴射制御について説明する。
【0056】
本実施形態は、第6実施形態に対して通常噴射の方が騒音が小さかったときに、燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射を再度実施するようにしたものである。パイロット噴射をして騒音が悪化した場合であっても、燃料噴射圧力を下げることによりインジェクタ騒音は低下するので、低騒音化が可能である。
具体的には、図17に示すように、ステップS71〜S81、ステップS87までは第6実施形態と同様に進み、ステップS81で通常噴射の方が騒音が小さかった場合、ステップS82に進んで燃料噴射圧力を所定値P0下げ、ステップS83でインジェクタ騒音SPI3、ステップS84で燃焼騒音SPC3を測定する。
【0057】
そしてステップS85で通常噴射時の騒音の和SP11+SPC1と燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射時の騒音の和SPI3+SPC3を比較し、SPI1+SPC1>SPI3+SPC3であれば燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射の方が騒音が小さいのでそのまま燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射を継続し、そうでなければステップS86に進んで通常噴射に切り換える。
【0058】
このようにすれば、パイロット噴射を可能な限り実施して、低騒音化をより促進することができる。
また、第6,第7実施形態では、第1〜第5実施形態のようにマップを用いる実施形態と比較してセンサを必要とするが、実際の騒音を検出しつつ燃料噴射制御を切り換えることにより、機種ばらつきや騒音特性の経時変化にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に共通な燃料噴射装置のシステム構成図。
【図2】同じくインジェクタの内部構造を示す断面図。
【図3】燃料噴射形態の相違によるエンジン騒音を起因別に示したグラフ。
【図4】第1実施形態に使用するマップの特性図。
【図5】第1実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップの特性図。
【図7】第2実施形態に使用する燃焼騒音用マップの特性図。
【図8】第2実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図9】第3実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップと、燃焼騒音用マップの特性図。
【図10】第3実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図11】第4実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップの特性図。
【図12】第4実施形態に使用する燃焼騒音用マップの特性図。
【図13】第4実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図14】第5実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図15】第6,第7実施形態に共通なディーゼルエンジンの構成図。
【図16】第6実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図17】第7実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 コモンレール
3 インジェクタ
4 エンジンコントロールユニット(ECU)
11 エンジン
12 加速度センサ
14 筒内圧センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの騒音を低減するように燃料噴射制御を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン騒音を低減する燃料噴射制御方式として、例えば、実開平7−44552号公報に示されるものがある。このものは、燃料噴射を、メイン噴射とそれに先立って少量の燃料を噴射するパイロット噴射に分割して噴射する分割噴射と、メイン噴射だけによる通常噴射のいずれかの燃料噴射方式で運転しているときに、他方の噴射方式での運転を試行して両者のエンジン振動を検出し、該エンジン振動の小さい方の燃料噴射方式を選択することにより、エンジン騒音の低減を図っている。
【0003】
ところで、エンジンの騒音は、大別すると、燃焼に起因する燃焼騒音と機械部品の運動に起因する機械騒音とがあり、特にディーゼルエンジンにおいては、前記機械騒音のうちの大きな割合を燃料噴射に起因するインジェクタ騒音等の燃料噴射系騒音が占める。これらの要因のうち、いずれか一方、例えば、エンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が機械騒音に比べて大きい場合は、エンジン振動と燃焼騒音がほぼ対応するので上記従来方式のように、エンジン上の一点の振動でも騒音の大小を判断することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃焼が改善されてエンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が相対的に小さくなり、それに伴って機械騒音の寄与が大きくなると、例えば、前記パイロット噴射を行うことにより燃焼騒音が小さくなっても、噴射回数が増えるために機械騒音(燃料噴射系騒音)が悪化し、結果としてエンジン騒音が悪化する場合がある。
【0005】
このように、燃焼騒音と機械騒音との2つの要因を考慮しなければならない場合には、計測する場所によってこの2つ寄与が異なるため、1点のエンジン振動を検出するだけでは、エンジン騒音と対応せず、その大小を正確に判断することはできず、該判断に基づく燃料噴射方式の切り換えが適正に行われずに、騒音を十分に低減できないことがあった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、正確に把握したエンジン騒音に基づいて燃料噴射制御を行うことにより、エンジン騒音を十分に低減することができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
燃料噴射系によって燃料噴射し、かつ、前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能なエンジンにおいて、エンジン運転状態ごとに、各燃料噴射形態におけるエンジンの燃焼に起因する燃焼騒音と燃料噴射に起因する燃料噴射系騒音とを別個に求め、該求めた燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小を比較し、和が小さい方の燃料噴射形態を選択するように、燃料噴射を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によると、
燃焼騒音だけでなく、エンジン騒音を決めるうえで重要な燃料噴射系騒音も考慮することにより、正確にエンジン騒音に基づいた燃料噴射制御が行え、以って騒音低減効果を高めることができる。
【0009】
また、燃焼騒音と燃料噴射系騒音の和でエンジン騒音の大小を判断するので、各燃料噴射形態での運転におけるエンジン騒音の大小を正確に判断して、燃料噴射形態を選択することができる。
また、請求項2に係る発明は、
前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小の比較を、騒音データを記述したマップに基づいて行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明によると、
各燃料噴射形態での運転における燃焼騒音とインジェクタ騒音との大小の比較を予め測定された騒音データを既述したマップを用いて行うことにより、運転の切り換えを行うことなくエンジン騒音の比較ができるので、運転切り換え時の運転性悪化を無くすことができると共に、騒音検出用のセンサを必要とせずコストを低減できる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和、もしくはそれらを含むエンジン全体騒音を記述したものが、燃料噴射形態ごとに設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
燃料噴射形態ごとに設けられたマップから検索した騒音データを比較しつつ容易かつ正確に騒音の大小を判別できる。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音もしくはそれを含む機械騒音それぞれに関して、燃料噴射形態を切り換えたときの騒音の差を記述したものが設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、
燃料噴射形態による騒音の差のデータをマップに記述することにより、マップ数を減少(請求項3の場合の半減)することができ、メモリを有効に利用できる。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、
前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音とに基づいて運転状態ごとに選択すべき燃料噴射形態を示すデータが記述されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明によると、
運転状態ごとに、燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小で決定される選択すべき燃料噴射形態のデータが直接マップに記述されるため、最小限のマップデータで最も簡易に、騒音を低減できる燃料噴射形態を選択することができる。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、
少なくともエンジン回転速度を含み、その他、アクセル開度、もしくは出力トルク要求値、もしくは1行程での総燃料噴射量を含む運転条件で検出される運転ごとに前記比較を行って燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
請求項6に係る発明によると、
エンジン回転速度と、他にアクセル開度、もしくは出力トルク要求値、もしくは1行程での総燃料噴射量をパラメータとして持つことにより、主として定常運転時の騒音を有効に低減することができる。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくとも燃料噴射圧力を含むことを特徴とする。
請求項7に係る発明によると、
燃料噴射系騒音を決定する上で重要な燃料噴射圧力をパラメータとして持つことにより、過渡運転時も含めてより正確に燃料噴射系騒音を求めることができる。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくとも吸気圧力を含むことを特徴とする。
請求項8に係る発明によると、
燃焼騒音を決定する上で重要な吸気圧力をパラメータとして持つことにより、過渡運転時も含めてより正確に燃焼騒音を求めることができる。
【0017】
また、請求項9に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくともEGR率を含むことを特徴とする。
請求項9に係る発明によると、
EGRを行うエンジンでの燃焼騒音を決定する上で重要なEGR率をパラメータとして持つことにより、EGRを行うエンジンで過渡運転時も含めてより正確に燃焼騒音を求めることができる。
【0018】
また、請求項10に係る発明は、
前記運転条件にさらに少なくともエンジン水温もしくはエンジン油温を含むことを特徴とする。
請求項10に係る発明によると、
エンジン水温もしくはエンジン油温をパラメータとして持つことにより、冷間時から温間時まで正確に騒音を求めることができる。
【0019】
また、請求項11に係る発明は、
エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする。
請求項11に係る発明によると、
1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行ういわゆるパイロット噴射を行う場合は、単一回の噴射を行う通常噴射時に比較して、燃焼騒音を低減できる一方、噴射回数増大によって燃料噴射系騒音が増大する。
【0020】
したがって、これら燃料噴射形態の切り換えによって燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和で決まるエンジン騒音の大小が切り換わることがあり、本発明による燃料噴射制御の切換が騒音低減に有効に機能する。
また、請求項12に係る発明は、
前記単一回の噴射を行う場合は、低温予混合燃焼方式を用いることを特徴とする。
【0021】
請求項12に係る発明によると、
単一回の噴射時(通常噴射時)に、低温予混合燃焼を行うことにより、燃焼騒音を小さくすることができる。
また、請求項13に係る発明は、
前記複数回の噴射を行う場合の方が、単一回の噴射を行う場合より騒音が大きいときは、単一回の噴射への切り換えを選択することに代えて、燃料噴射圧力を低下させることを特徴とする。
【0022】
請求項13に係る発明によると、
複数回噴射の騒音が大きいときに、燃料噴射圧力を低くすることにより、複数回噴射を行うことにより燃焼騒音を低減しながら、燃料噴射系騒音も低減することができる。
また、請求項14に係る発明は、
エンジン運転中に、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和を検出し、該検出値に基づいて燃料噴射を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項14に係る発明によると、
実際の騒音を検出しつつ燃料噴射制御を切り換えることにより、機種ばらつきや騒音特性の経時変化にも対応することができる。
また、請求項15に係る発明は、
前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能であり、所定の運転状態のときに、短時間異なる燃料噴射形態に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
【0024】
請求項15に係る発明によると、
燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和でエンジン騒音の大小を判断するので、異なる燃料噴射形態におけるエンジン騒音の大小を正確に判断することができる。
また、請求項16に係る発明は、
前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った後、所定時間は前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を禁止し、その間は、前記所定の運転状態での燃料噴射形態は、直前の所定運転状態での燃料噴射形態と同じ燃料噴射形態とすることを特徴とする。
【0025】
請求項16に係る発明によると、
運転切り換えを一定時間停止することにより、頻繁な運転切り換えによる運転性の悪化を防止することができる。
また、請求項17に係る発明は、
エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする。
【0026】
請求項17に係る発明によると、
単一開噴射(通常噴射)と複数回噴射での騒音の大小を比較するので、この両噴射形態の内より騒音の低い方を選択して、低騒音化ができる。
また、請求項18に係る発明は、
前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った結果、単一回の噴射を行う場合の方が騒音が小さかったときは、燃料噴射圧力を所定値低下させて再度燃料噴射形態を複数回燃料噴射に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする。
【0027】
請求項18に係る発明によると、
複数回噴射の方が騒音が大きかったときに、燃料噴射圧力を低下させて再度複数回噴射を行うことにより、さらに低騒音化が可能となる。
また、請求項19に係る発明は、
前記燃焼騒音を、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする。
【0028】
請求項19に係る発明によると、
筒内圧センサの検出値に基づいて、燃焼騒音を燃料噴射系騒音と区別して高精度に検出することができる。
また、請求項20に係る発明は、
前記燃料噴射系騒音を、燃料噴射系近傍に装着した加速度センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする。
【0029】
請求項20に係る発明によると、
燃料噴射系近傍に装着した加速度センサの検出値に基づいて、燃料噴射系騒音を、燃焼騒音と区別して高精度に検出することができる。
また、請求項21に係る発明は、
前記燃料噴射形態の切り換えを行う前記所定の運転状態が、アイドル運転状態であることを特徴とする
請求項21に係る発明によると、
複数回噴射での騒音悪化が起こりやすいアイドル運転で運転切り換えによる騒音比較を行うことにより、アイドル騒音を低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明をディーゼルエンジンの燃料噴射装置に適用した第1実施形態を示す。これは、燃料をサプライポンプ1で加圧してコモンレール2に供給することにより、コモンレール2内を高圧にし、それに接続される電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)3から燃料をエンジンの燃焼室内に直接噴射する直噴型ディーゼルエンジンの燃料噴射装置である。コモンレール2は、インジェクタ3に供給する高圧燃料を保持(蓄圧)する。
【0031】
エンジンコントロールユニット(ECU)4は、エンジン回転速度、アクセル開度等の検出信号を入力して、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、燃料噴射量等を制御し、1行程に複数回に分けて燃料を噴射することが可能であり、メイン噴射に先立って、少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを小さくし、燃焼騒音を小さくすることができる
図2に拡大して示すインジェクタ3は、前記ECU4からの信号によって、その内部の電磁弁5を開閉することにより、燃料の圧力バランスが変化して針弁6が上下して、燃料を噴射供給する。このとき、針弁6が閉じるときの衝撃等により、インジェクタ騒音(燃料噴射系騒音)が発生する。通常噴射では1行程に1回の噴射であるのに対し、パイロット噴射を行うと、1行程に2回噴射することになるので、その分インジェクタ騒音が悪化する。
【0032】
したがって、パイロット噴射を行ったときには、図3に示すように燃焼騒音は低減されるものの、インジェクタ騒音が悪化し、燃焼騒音の寄与が小さい場合などは結果的にエンジン騒音が悪化する場合がある。
そこで、あらかじめエンジン回転速度とアクセル開度に対して、通常噴射(単一回噴射)時とパイロット噴射(複数回噴射)時のエンジン騒音を測定しておき、それらの騒音の大小を記述したマップを作成する。つまり、通常噴射時の方がパイロット噴射時の騒音より大きければ「1」を、そうでなければ「0」を与えるようなマップを作成し、それをECU4のメモリに記憶しておく。そしてエンジンの運転時には、エンジン回転速度とアクセル開度を読み込み、そのエンジン回転速度とアクセル開度での前述のマップ値をマップから読み取り、その値が「1」であればパイロット噴射を行い、「0」であれば通常噴射を行う。
【0033】
図4は、前記マップの例を示し、低回転低負荷領域で「0」とし、それ以外の領域では、「1」に設定されている。すなわち、低回転低負荷領域では、元々燃焼騒音が小さいためパイロット噴射を行っても燃焼騒音低減効果が小さく、相対的にインジェクタ騒音の方が大きくなるため通常噴射とし、それ以外の領域では、パイロット噴射による燃焼騒音低減効果が大きくなるためパイロット噴射を行うようにしている。
【0034】
以下、前記マップを用いた第1実施形態の燃料噴射制御を、図5に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS1では、エンジン回転速度、アクセル開度等の運転条件を読み込む。
ステップS2では、前記運転条件における前記騒音大小マップの値SP1を読み込む。
【0035】
ステップS3ではそのSP1が1であるかどうかを判定し、1であればステップS4に進みパイロット噴射を行い、1でなければステップS5に進んで通常噴射を行う。
ここで通常噴射時には、低温予混合燃焼を行うことにより、通常噴射時の燃焼騒音悪化を最小限に抑えることができる。
【0036】
以上のように構成された第1実施形態では、エンジン回転速度とアクセル開度(エンジン負荷)のみを運転条件パラメータとする1つのマップを用いるだけで、容易に燃料噴射形態を切り換え制御して、エンジン騒音を低減することができる。特にエンジン回転速度とアクセル開度でほぼ運転状態が決まる定常運転時には、効果的な低騒音化が可能となる。
【0037】
次に、第2実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態に対してマップの持ち方を変えたものである。
ECU内にはインジェクタ騒音、燃焼騒音それぞれについての、通常噴射時とパイロット噴射時の騒音マップを持っている。インジェクタ騒音マップは、インジェクタ騒音に対して寄与率の高い主要なパラメータであるエンジン回転速度、燃料噴射量、燃料噴射圧力に関して騒音レベルが記述されている。具体的には、図6(A),(B)に示すように、通常噴射時とパイロット噴射時について、エンジン回転速度と燃料噴射圧力とをパラメータとした騒音レベルのデータA1(通常噴射時)、A2(パイロット噴射時)を記述した第1のマップと、該第1のマップから検索されるデータA1、A2と燃料噴射量とをパラメータとした、つまりデータA1、A2を燃料噴射量に関して補正して得られる最終的なインジェクタ騒音のデータを記述した第2のマップとが設けられる。
【0038】
一方、燃焼騒音マップは、燃焼騒音に対して寄与率の高い主要なパラメータであるエンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力に関してそれぞれ騒音レベルが記述されている。具体的には、通常噴射時とパイロット噴射時について、図7(A),(B)に示すように、通常噴射時とパイロット噴射時について、エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとした騒音レベルのデータA3(通常噴射時)、A4(パイロット噴射時)を記述した第1のマップと、該データA3、A4と吸気圧力とをパラメータとしてデータB3(通常噴射時)、B4(パイロット噴射時)を記述した第2のマップと、該データB3,B4とEGR率とをパラメータとしてデータC3(通常噴射時)、C4(パイロット噴射時)を記述した第3のマップと、該データC3,C4と燃料噴射圧力とをパラメータとして最終的なインジェクタ騒音のデータを記述した第4のマップとが設けられる。
【0039】
ここで、エンジン回転速度、吸気圧力、燃料噴射圧力はセンサにより検出され、EGR率は排気中の酸素濃度、吸入空気量等より算出される。
それぞれのマップに記述された騒音レベルはあらかじめ測定されたデータであり、その測定は以下のように行った。
まず、普通に燃焼させてエンジン騒音を測定する。これが燃焼騒音、機械騒音を合わせたエンジン全体騒音となる。次にインジェクタを作動させずに、エンジンをモータリングさせて騒音を測定する。これがインジェクタ騒音を除いた機械騒音となる。最後にエンジンからピストン、コンロッドを抜き、エンジンをモータリングして、燃料は噴射するものの燃焼は行わない状態として騒音を測定し、その値から同じエンジン状態でインジェクタを作動させなかったときの騒音を引く。これがインジェクタ騒音となる。燃焼騒音は、全体騒音からインジェクタ騒音、インジェクタ騒音以外の機械騒音を引いたものとなる。
【0040】
このようにして求めたインジェクタ騒音、燃焼騒音のマップから、エンジンの運転状態における通常噴射時、パイロット噴射時のインジェクタ騒音、燃焼騒音を求め、そこから通常噴射時、パイロット噴射時それぞれについてインジェクタ騒音と燃焼騒音の和を求めることにより、その大小を比較する。そして通常噴射時の方が大きければパイロット噴射を行い、パイロット噴射時の方が大きければ通常噴射を行う。
【0041】
以下、前記各マップを用いた第2実施形態の燃料噴射制御を、図8に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS11では、エンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力等の運転条件を読み込む。
ステップS12では、前記エンジン回転速度、燃料噴射圧力、燃料噴射量に基づいて、前記インジェクタ騒音用の各マップから順次検索して、通常噴射時のインジェクタ騒音SPI1を読み込む。
【0042】
ステップS13では、同じくエンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力に基づいて、前記燃焼騒音用の各マップから順次検索して、通常噴射時の燃焼騒音SPC1を読み込む。
以下同様のマップ検索により、ステップS14ではパイロット噴射時のインジェクタ騒音SPI2を読み込み、ステップS15ではパイロット噴射時の燃焼騒音SPC2を読み込む。
【0043】
ステップS16では、通常噴射時のインジェクタ騒音SPI1と燃焼騒音SPC1との和(SPI1+SPC1)が、パイロット噴射時のインジェクタ騒音SPI2と燃焼騒音SPC2との和(SPI2+SPC2)以上かどうかを判定する。
そして、上記判定がYESのときは、ステップS17に進んでパイロット噴射を行い、NOのときはステップS18に進んで通常噴射を行う。
【0044】
このようにすることにより、より正確にインジェクタ騒音と燃焼騒音を求めることができ、過渡運転時に関してもより正確な騒音低減制御ができる。
次に、第3実施形態を示す。本実施形態は、第2実施形態に対してマップの数値の持ち方を変えたものである。
すなわち、本実施形態では、インジェクタ騒音、燃焼騒音それぞれについてパイロット噴射時、通常噴射時の、両方の騒音値のマップを持つのではなく、図9(A),(B)に示すように、インジェクタ騒音はパイロット噴射時から通常噴射時の騒音を引いた差を、燃焼騒音は通常噴射時からパイロット噴射時の騒音を引いた差をマップに持っている。そしてエンジン運転時に、検出された各パラメータから前述の2つのマップにより得られた値を比較し、前者の方が大きければパイロット噴射時の方が騒音が大きいので通常噴射を、後者の方が大きければ通常噴射時の方が騒音が大きいのでパイロット噴射を行う。
【0045】
以下、前記各マップを用いた第3実施形態の燃料噴射制御を、図10に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS21では、エンジン回転速度、燃料噴射量、吸気圧力、EGR率、燃料噴射圧力等の運転条件を読み込む。
ステップS22では、インジェクタ騒音用のマップから、その運転条件におけるパイロット噴射時と通常噴射時のインジェクタ騒音の差△SP1を読み込む。
【0046】
ステップS23では、燃焼騒音用のマップから、その運転条件における通常噴射時とパイロット噴射時の燃焼騒音の差△SPCを読み込む。
ステップS24では△SPIが△SPCより小さいかどうかを判定し、小さい場合は、ステップS25に進んでパイロット噴射を行い、そうでなければステップS36に進んで通常噴射を行う。
【0047】
このようにすれば、第2実施形態と同様の制御を、第2実施形態に比較して半分のマップ数で実行することができ、ECU4のメモリを有効に利用することができる。
次に、第4実施形態を示す。これは、第3実施形態に対して、図11、図12に示すようにエンジン水温を検出し、始動直後等の低水温時と暖機後の高水温時用のマップを別個に設け、低水温時と高水温時とでマップを切り換えるようにしたものである。図13は、該第4実施形態の燃料噴射制御のフローチャートを示し、第3実施形態の図10に対し、ステップS32でエンジン水温TWが所定値TW0より大きいか否かを判定し、所定値TW0より大きいときはステップS33,S34で高水温時マップを用いてインジェクタ騒音変化ΔSPI、燃焼騒音変化ΔSPCを検索し、所定値TW0以下のときはステップS35,S36で低水温時マップを用いてインジェクタ騒音変化ΔSPI、燃焼騒音変化ΔSPCを検索する点で相違する。
【0048】
このようにすることにより、始動直後の低水温時からエンジン騒音を低減することが可能となる。
次に、第5実施形態を示す。これは第3実施形態に対して、図14のフローチャート(ステップS46,S47)に示すように、パイロット噴射時の方が騒音が大きかった時に、通常噴射を行うのではなく、パイロット噴射を行いながら燃料噴射圧力を低下させるようにしたものである。通常インジェクタ騒音は、燃料噴射圧力を低くするほど低減されるので、そのようにしてインジェクタ騒音を低減することにより、エンジン騒音を低減することができる。
【0049】
以上の実施形態では、予め騒音を測定し、測定結果に応じて記述されたマップを用いて燃料噴射形態や燃料噴射圧力などを切り換えるように燃料噴射制御するものを示した。
次に、エンジン運転中に騒音を検出しつつ燃料噴射を切り換え制御する実施形態について説明する。
【0050】
以下の実施形態で、燃料噴射装置およびインジェクタについては、図1、図2に示したものと同様であり、説明を省略する。図15は、以下の実施形態におけるコモンレール式のディーゼルエンジンを示し、エンジン11の気筒ごとに設けられたインジェクタ3の本体に加速度センサ12を装着し、該加速度センサ12で振動を測定し、該振動の測定値に、あらかじめECU4に記憶してある振動から騒音への伝達特性を乗じることによってインジェクタ騒音を求める。また、燃焼室13内の圧力(筒内圧)を検出する筒内圧センサ14を装着し、該検出された筒内圧に、あらかじめECU4に記憶してある圧力から騒音への伝達特性を乗じることによって燃焼騒音を求める。
【0051】
また、上記騒音の検出と、それに基づく燃料噴射制御の切り換えは、アイドル運転時のみ行う。すなわち、第1実施形態の図4でも示したように、パイロット噴射によるインジェクタ騒音の増大が、燃焼騒音の低減より大きくなりうるのは、低回転低負荷運転時で、走行中はエンジン騒音以外の走行音も加わるため、実質的にはアイドル運転時に限って十分である。
【0052】
以下、騒音検出を行う第6実施形態の燃料噴射制御を、図16に示したフローチャートにしたがって説明する。
ステップS51では、エンジンの運転条件を読み込む。
ステップS52では、エンジンがアイドル運転に入ったか否かを判定する。
ステップS52でアイドル運転に入ったと判定されたときは、ステップS53に進んで、前回の運転(燃料噴射形態)切り換えによる騒音評価からの経過時間Tを所定時間T0と比較し、所定時間T0より小さいと判定されたときは、ステップS63に進んで直前のアイドル運転時の燃料噴射形態と同様の燃料噴射を行い、経過時間Tが所定時間T0より大きいと判定されたときは、ステップS54に進んでT=0にリセットした後、ステップS55で通常噴射を行う。
【0053】
そして、ステップS56では、前記加速度センサ12からの信号に基づいてインジェクタ騒音SPI1を測定し、ステップS57では、前記筒内圧センサ13からの信号に基づいて燃焼騒音SPC1を測定する。
その後ステップS58でパイロット噴射に切り換え、ステップS59で再度インジェクタ騒音SPI2、ステップS60で燃焼騒音SPC2を測定する。
【0054】
そして、ステップS61で通常噴射時の騒音の和SPI1+SPC1とパイロット噴射時の騒音の和SPI2+SPC2を比較し、SPI1+SPC1>SPI2+SPC2であればパイロット噴射の方が騒音が小さいのでそのままパイロット噴射を継続し、そうでなければステップS62に進んで通常噴射に切り換える。
【0055】
このように、通常噴射とパイロット噴射で、測定された騒音の小さい方を選択することにより、騒音を低減することができ、また所定時間T0の間は運転切り換えによる騒音比較を禁止するので、頻繁な運転切り換えによる運転性悪化を防止することができる。
次に、騒音検出を行う第7実施形態の燃料噴射制御について説明する。
【0056】
本実施形態は、第6実施形態に対して通常噴射の方が騒音が小さかったときに、燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射を再度実施するようにしたものである。パイロット噴射をして騒音が悪化した場合であっても、燃料噴射圧力を下げることによりインジェクタ騒音は低下するので、低騒音化が可能である。
具体的には、図17に示すように、ステップS71〜S81、ステップS87までは第6実施形態と同様に進み、ステップS81で通常噴射の方が騒音が小さかった場合、ステップS82に進んで燃料噴射圧力を所定値P0下げ、ステップS83でインジェクタ騒音SPI3、ステップS84で燃焼騒音SPC3を測定する。
【0057】
そしてステップS85で通常噴射時の騒音の和SP11+SPC1と燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射時の騒音の和SPI3+SPC3を比較し、SPI1+SPC1>SPI3+SPC3であれば燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射の方が騒音が小さいのでそのまま燃料噴射圧力を下げたパイロット噴射を継続し、そうでなければステップS86に進んで通常噴射に切り換える。
【0058】
このようにすれば、パイロット噴射を可能な限り実施して、低騒音化をより促進することができる。
また、第6,第7実施形態では、第1〜第5実施形態のようにマップを用いる実施形態と比較してセンサを必要とするが、実際の騒音を検出しつつ燃料噴射制御を切り換えることにより、機種ばらつきや騒音特性の経時変化にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に共通な燃料噴射装置のシステム構成図。
【図2】同じくインジェクタの内部構造を示す断面図。
【図3】燃料噴射形態の相違によるエンジン騒音を起因別に示したグラフ。
【図4】第1実施形態に使用するマップの特性図。
【図5】第1実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップの特性図。
【図7】第2実施形態に使用する燃焼騒音用マップの特性図。
【図8】第2実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図9】第3実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップと、燃焼騒音用マップの特性図。
【図10】第3実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図11】第4実施形態に使用するインジェクタ騒音用マップの特性図。
【図12】第4実施形態に使用する燃焼騒音用マップの特性図。
【図13】第4実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図14】第5実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図15】第6,第7実施形態に共通なディーゼルエンジンの構成図。
【図16】第6実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【図17】第7実施形態の燃料噴射制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 コモンレール
3 インジェクタ
4 エンジンコントロールユニット(ECU)
11 エンジン
12 加速度センサ
14 筒内圧センサ
Claims (21)
- 燃料噴射系によって燃料噴射し、かつ、前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能なエンジンにおいて、エンジン運転状態ごとに、各燃料噴射形態におけるエンジンの燃焼に起因する燃焼騒音と燃料噴射に起因する燃料噴射系騒音との和の大小を比較し、和が小さい方の燃料噴射形態を選択するように、燃料噴射を制御することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和の大小の比較を、騒音データを記述したマップに基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記マップは、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和、もしくはそれらを含むエンジン全体騒音を記述したものが、燃料噴射形態ごとに設けられていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音もしくはそれを含む機械騒音それぞれに関して、燃料噴射形態を切り換えたときの騒音の差を記述したものが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記マップは、前記燃焼騒音と、燃料噴射系騒音とに基づいて運転状態ごとに選択すべき燃料噴射形態を示すデータが記述されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 少なくともエンジン回転速度を含み、その他、アクセル開度、もしくは出力トルク要求値、もしくは1行程での総燃料噴射量を含む運転条件で検出される運転ごとに前記比較を行って燃料噴射形態を選択することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記運転条件にさらに少なくとも燃料噴射圧力を含むことを特徴とする請求項6に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記運転条件にさらに少なくとも吸気圧力を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記運転条件にさらに少なくともEGR率を含むことを特徴とする請求項8に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記運転条件にさらに少なくともエンジン水温もしくはエンジン油温を含むことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記単一回の噴射を行う場合は、低温予混合燃焼方式を用いることを特徴とする請求項11に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記複数回の噴射を行う場合の方が、単一回の噴射を行う場合より騒音が大きいときは、単一回の噴射への切り換えを選択することに代えて、燃料噴射圧力を低下させることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- エンジン運転中に、前記燃焼騒音と燃料噴射系騒音、もしくはそれらの和を検出し、該検出値に基づいて燃料噴射を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射系による燃料噴射形態が切り換え可能であり、所定の運転状態のときに、短時間異なる燃料噴射形態に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする請求項14に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った後、所定時間は前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を禁止し、その間は、前記所定の運転状態での燃料噴射形態は、直前の所定運転状態での燃料噴射形態と同じ燃料噴射形態とすることを特徴とする請求項15に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- エンジンがディーゼルエンジンであって、前記各燃料噴射形態は、1行程に1気筒あたり複数回の噴射を行う場合と、単一回の噴射を行う場合とであることを特徴とする請求項14〜請求項16のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射形態を切り換えての騒音比較を行った結果、単一回の噴射を行う場合の方が騒音が小さかったときは、燃料噴射圧力を所定値低下させて再度燃料噴射形態を複数回燃料噴射に切り換え、その前後で検出した燃焼騒音と燃料噴射系騒音との和を比較して和が小さい方の燃料噴射形態を選択することを特徴とする請求項17に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃焼騒音を、燃焼室圧力を検出する筒内圧センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする請求項14〜請求項18のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射系騒音を、燃料噴射系近傍に装着した加速度センサの検出値に基づいて検出することを特徴とする請求項14〜請求項19のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射形態の切り換えを行う前記所定の運転状態が、アイドル運転状態であることを特徴とする請求項14〜請求項20のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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